JP2003294062A - 自動二輪車のエンジンブレーキ制御装置 - Google Patents

自動二輪車のエンジンブレーキ制御装置

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JP2003294062A
JP2003294062A JP2002101344A JP2002101344A JP2003294062A JP 2003294062 A JP2003294062 A JP 2003294062A JP 2002101344 A JP2002101344 A JP 2002101344A JP 2002101344 A JP2002101344 A JP 2002101344A JP 2003294062 A JP2003294062 A JP 2003294062A
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clutch
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motorcycle
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Hideaki Kitsuta
英明 橘田
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  • One-Way And Automatic Clutches, And Combinations Of Different Clutches (AREA)
  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジンブレーキの制御範囲の自由度を高め
ることのできる自動二輪車のエンジンブレーキ制御装置
を提供する。 【解決手段】 エンジン出力を油圧式クラッチ機構1を
介して後輪に伝達するようにした自動二輪車のエンジン
ブレーキ制御装置20において、車両運転状態を表すパ
ラメータに基づいてエンジンブレーキの作動状態を推定
し、エンジンブレーキの強さが適正範囲になるよう上記
クラッチ機構1を制御するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジン出力を油
圧式クラッチ機構を介して後輪に伝達するようにした自
動二輪車のエンジンブレーキ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】大排気量エンジンを搭載した自動二輪車
には、クラッチレバーの操作によりマスタシリンダで油
圧を発生させ、該油圧を利用してクラッチ機構を接断制
御し、もってエンジン出力を後輪に伝達するようにした
ものがある。また、この種の自動二輪車では、減速時に
は後輪からクランク軸側への逆向きのバックトルク(逆
回転力)によりエンジンブレーキが作動することとな
る。
【0003】
【発明が解決すようとする課題】ところで特にレース用
自動二輪車のように高速走行する場合にコーナ等で急減
速すると上記エンジンブレーキが過大となり、後輪の接
地性が低下するといった問題がある。そこでエンジンブ
レーキが過大となるのを防止するために、機械式のバッ
クトルクリミッタを設けたものがある。
【0004】しかし上記機械式のものは、後輪側からの
バックトルクが設定値以上の場合にこのバックトルクが
クランク軸に伝達されるのを回避し、もってエンジンブ
レーキが過大になるのを防止するように構成されている
ことから、エンジンブレーキの制御範囲は限られてお
り、このエンジンブレーキの制御範囲の自由度を高める
ことが望まれる。
【0005】本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなさ
れたものであり、エンジンブレーキの制御範囲の自由度
を高めることのできる自動二輪車のエンジンブレーキ制
御装置を提供することを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、エン
ジン出力を油圧式クラッチ機構を介して後輪に伝達する
ようにした自動二輪車のエンジンブレーキ制御装置にお
いて、車両運転状態を表すパラメータに基づいてエンジ
ンブレーキの作動状態を推定し、エンジンブレーキの強
さが適正範囲になるよう上記クラッチ機構を制御するよ
うにしたことを特徴としている。
【0007】請求項2の発明は、請求項1において、上
記パラメータがスロットルバルブ開度と前輪ブレーキ油
圧であり、スロットルバルブ開度が所定値以下でかつ前
輪ブレーキ油圧が設定範囲内にあるときエンジンブレー
キの強さが適正範囲となるように上記クラッチ機構を制
御するようにしたことを特徴としている。
【0008】請求項3の発明は、請求項1において、上
記パラメータがエンジン回転速度と変速段であり、該エ
ンジン回転速度と変速段とに基づいて、エンジンブレー
キの強さの適正範囲を設定するようにしたことを特徴と
している。
【0009】請求項4の発明は、請求項1において、上
記パラメータが後輪側からクランク軸側に逆向きに伝達
されるバックトルクであり、該バックトルクが設定範囲
内にあるときにエンジンブレーキの強さが適正範囲とな
るように上記クラッチ機構を制御するようにしたことを
特徴としている。
【0010】請求項5の発明は、請求項4において、上
記バックトルクが上記設定範囲より大きいときに該バッ
クトルクがクランク軸に伝達するのを抑制する機械式の
バックトルクリミッタを備えたことを特徴としている。
【0011】請求項6の発明は、エンジン出力を油圧式
クラッチ機構を介して後輪に伝達するようにした自動二
輪車のエンジンブレーキ制御装置において、クラッチレ
バーの操作によりメインマスタシリンダで油圧を発生さ
せ、該発生した油圧を油圧通路を介してシリンダ機構に
供給し、該シリンダ機構により上記クラッチ機構を接断
させるように構成されたクラッチ操作機構を設け、クラ
ッチ圧制御マスタシリンダを上記メインマスタシリンダ
の油圧室に連通するように接続し、上記クラッチ圧制御
マスタシリンダのピストンをモータ機構で進退させるよ
うに構成したことを特徴としている。
【0012】請求項7の発明は、請求項6において、上
記クラッチレバーの操作によるクラッチ機構の接断制御
が上記モータ機構によるクラッチ機構の接断制御より優
先することを特徴としている。
【0013】
【発明の作用効果】請求項1の発明によれば、車両運転
状態を表すパラメータに基づいてエンジンブレーキの作
動状態を推定し、エンジンブレーキの強さが適正範囲に
なるよう上記クラッチ機構を制御するようにしたので、
各種のパラメータに基づいてエンジンブレーキの強さを
制御することが可能となり、エンジンブレーキの制御範
囲の自由度を増大できる。
【0014】例えば、請求項2の発明に示すように、上
記パラメータとしてスロットルバルブ開度と前輪ブレー
キ油圧を選択した場合には、スロットルバルブ開度が所
定値以下でかつ前輪ブレーキ油圧が設定範囲内にあると
きエンジンブレーキが過大となることが推定でき、この
場合にクラッチ機構を接断制御することにより、エンジ
ンブレーキの強さを適正範囲となるように制御できる。
【0015】また請求項3の発明に示すように、上記パ
ラメータとしてエンジン回転速度と変速段を選択した場
合には、該エンジン回転速度と変速段とに基づいてエン
ジンブレーキの強さの適正範囲自体を設定することがで
き、エンジンブレーキを運転状態に応じた強さにより一
層確実に制御することができる。
【0016】また請求項4の発明のように、上記パラメ
ータとして後輪側からクランク軸側に逆向きに伝達され
るバックトルクを選択した場合には、該バックトルクが
設定範囲内にあるときにクラッチ機構を制御することで
エンジンブレーキの強さを適正範囲とすることができ
る。
【0017】請求項5の発明によれば、上記バックトル
クが上記設定範囲より大きいときに該バックトルクがク
ランク軸に伝達するのを抑制する機械式のバックトルク
リミッタを備えたので、より強力なエンジンブレーキに
ついては機械式バックトルクリミッタによって自動的に
回避し、設定範囲内のエンジンブレーキについてはクラ
ッチ機構の制御により適正範囲に制御でき、より広い範
囲でエンジンブレーキを制御できる。
【0018】請求項6の発明によれば、クラッチレバー
の操作によりメインマスタシリンダ,シリンダ機構を介
してクラッチ機構を接断させるクラッチ操作機構を設け
るとともに、モータ機構で進退駆動されるクラッチ圧制
御マスタシリンダを上記メインマスタシリンダの油圧室
に連通するように接続したので、モータ機構を上述の各
種のパラメータにより制御することにより、大きな自由
度でもってエンジンブレーキの制御を実現できる。
【0019】請求項7の発明によれば、上記クラッチレ
バーの操作によるクラッチ機構の接断制御が上記モータ
機構によるクラッチ機構の接断制御より優先するように
したので、ライダーが意識的にクラッチ機構を接断操作
することによりエンジンブレーキの強さを制御しようと
する場合には、ライダーの意志に従ったエンジンブレー
キ制御が可能であり、ライダーが違和感を感じるのを防
止できる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。図1,図2は本発明の一実施
形態を説明するための図であり、図1は本実施形態によ
るエンジンブレーキ制御装置の構成図、図2はその動作
を説明するためのフローチャートである。
【0021】図1において、1はエンジン動力をクラン
ク軸から変速機構2に伝達し又は遮断するクラッチ機構
である。このクラッチ機構1には、該クラッチ機構1に
よる上記エンジン動力の伝達・遮断を、ライダーのクラ
ッチレバーの操作によって実行するクラッチ操作機構3
が連結されている。
【0022】上記変速機構2は、クランク軸と平行に、
かつ変速機ケース7内に回転自在に配置された円筒状の
メイン軸4とドライブ軸5とを複数段の変速歯車組6,
6・・・で連結したものである。上記ドライブ軸5の図
示左端には後輪駆動用のドライブスプロケット8が装着
固定されている。
【0023】上記クラッチ機構1は、クランク軸の減速
小歯車に噛合する減速大歯車9に連結され、かつ上記メ
イン軸4により回転自在に支持された碗状のアウタクラ
ッチ10と、バックトルクリミッタ11を介して上記メ
イン軸4に連結され、該メイン軸4と共に回転するイン
ナクラッチ12と、該インナ,アウタクラッチ12,1
0間に介在された複数のクラッチ板13とを備えてい
る。
【0024】上記アウタクラッチ10の外側開口部内に
は上記クラッチ板13に対向するように押圧プレート1
4が配置されている。該押圧プレート14はクラッチス
プリング15により上記クラッチ板13同士を圧接させ
る方向に付勢されており、この圧接によりエンジン動力
をクランク軸側からメイン軸4側に伝達するように構成
されている。なお、上記押圧プレート14を上記クラッ
チスプリング15の付勢力に抗して移動させると上記動
力の伝達が遮断される。
【0025】上記バックトルクリミッタ11は、上記メ
イン軸4にスプライン嵌合されて該メイン軸4と共に回
転する伝達プレート11aと上記インナクラッチ12と
を、後輪側からメイン軸4を介してクランク軸側に向か
う逆向きのバックトルクが所定値以上になると滑りが生
じ、もって過大なバックトルクがクランク軸に伝達され
るのを回避するように構成されている。
【0026】また上記クラッチ操作機構3は、上記メイ
ン軸4の軸心に挿入配置されたプッシュロッド16を押
圧移動させるシリンダ機構17と、クラッチレバーの操
作で油圧を発生させるメインマスタシリンダ18とを油
圧ホース(通路)19で連通接続した構造を有する。
【0027】上記プッシュロッド16は鋼球16a,押
圧ロッド16bを介して上記押圧プレート14を押圧移
動させるようになっている。なお、上記押圧ロッド16
bは上記押圧プレート14にナットにより締め付け固定
されている。
【0028】上記シリンダ機構17は、シリンダ部材1
7a内にピストン17bを摺動自在に挿入配置し、該ピ
ストン17bに固定されたピストンロッド17cを上記
プッシュロッド16に当接させた構造のものである。
【0029】上記メインマスタシリンダ18はシリンダ
部材18a内にピストン18bを摺動自在に挿入配置し
たものであり、該ピストン18bの係合孔18c内にク
ラッチレバーに一体形成され、該レバーの回動により進
退する係合ロッド(図示せず)が係合可能となってい
る。
【0030】そして上記クラッチ操作機構3の途中に本
実施形態の特徴をなすエンジンブレーキ制御装置20が
接続されている。このエンジンブレーキ制御装置20
は、上記メインマスタシリンダ18にクラッチ圧制御マ
スタシリンダ21を油圧ホース(通路)22で連通接続
し、該クラッチ圧制御マスタシリンダ21を駆動するク
ラッチ圧制御機構23を設けた構造のものである。
【0031】上記クラッチ圧制御マスタシリンダ21
は、シリンダ部材21a内にピストン21bを摺動自在
に挿入配置したものである。このシリンダ部材21aの
油圧室21cの出口に上記油圧ホース22の上流端22
aが接続され、該油圧ホース22の下流端22bは上記
メインマスタシリンダ18に接続されている。この下流
端22bは上記メインマスタシリンダ18のピストン1
8bが後退端に位置しているとき細孔18dを介して油
圧室18eに連通するようになっている。
【0032】また上記クラッチ圧制御マスタシリンダ2
1の上側には作動油を補給するためのリザーバタンク3
0が接続されている。このリザーバタンク30は上記ピ
ストン21bが後退端に位置しているとき細孔21fを
介して油圧室21cに連通する。またこのリザーバタン
ク30は少なくともその油面が上記メインマスタシリン
ダ18より高所に位置するように配置されている。これ
により、各マスタシリンダ21,18等に作動油を常時
補給するようになっている。
【0033】上記クラッチ圧制御機構23は上記クラッ
チ圧制御マスタシリンダ21のピストン21bを進退さ
せるねじ機構24と、該ねじ機構24を回転駆動するモ
ータ機構25とを備えている。
【0034】上記ねじ機構24では、ナット部材24a
が上記シリンダ部材21aに固定され、該ナット部材2
4a内にねじ部材24bが螺挿されている。該ねじ部材
24bの先端は上記ピストン21bの係合孔21dに係
合し、後端には従動歯車24cが固定されている。この
従動歯車24cの回転により上記ねじ部材24bが進退
し、ピストン21bを移動させ、もって油圧が発生す
る。
【0035】上記モータ機構25では、上記シリンダ部
材21aから一体的に延びるボス部21eにDCモータ
25aが固定され、該モータ25aの出力軸25bに固
定された駆動歯車25cは上記従動歯車24cに噛合し
ている。該モータ25aが正方向に回転すると上記ねじ
部材24bが前進し、クラッチ圧制御マスタシリンダ2
1のピストン21bが前進して油圧が発生する。なお、
上記駆動歯車25bは上記ねじ部材24bの進退寸法に
対応した軸方向長さを有している。
【0036】上記駆動歯車25bには該歯車25bの回
転角度を検出する角度センサ26が接続されており、ま
た上記油圧ホース19の途中には該油圧ホース19内の
油圧を検出する油圧センサ27が接続されている。該油
圧センサ27の検出油圧信号aは、該エンジンの運転制
御を行なうメインECU28に入力され、上記角度セン
サ26の検出角度信号bはモータ25aの回転制御を行
なうモータコントロールユニット29に入力されてい
る。
【0037】上記メインECU28は、エンジン回転数
信号c,変速段信号d,スロットル開度信号e,前輪ブ
レーキ油圧信号f,シフト操作力信号g,及びリヤクッ
ションストローク信号h等の各種の運転制御パラメータ
が入力され、これらの制御パラメータの組合せによりエ
ンジンブレーキ作動状態等を推定し、エンジンブレーキ
が所要の状態となるように上記エンジンブレーキ制御装
置20を制御するための制御信号Aを上記モータコント
ロールユニット29に出力する。そしてこのモータコン
トロールユニット29は、上記角度センサ26により検
出されたモータ25aの角度位置が上記制御信号Aに対
応した位置となるようモータ駆動信号Bをモータ25a
に出力する。
【0038】本実施形態装置では、通常走行時には、変
速操作のためにライダーがクラッチレバーを操作する
と、メインマスタシリンダ18のピストン18bが前進
して細孔18dを越えると油圧室18eに油圧が発生
し、この油圧がシリンダ機構17のピストン17bに作
用して該ピストン17bを前進させ、これによりクラッ
チ機構1は動力の伝達を遮断する。
【0039】一方、高速走行時に急激に減速する場合、
エンジンブレーキ制御装置20がエンジンブレーキの作
動状態を図2に示す如く制御する。即ち、エンジンブレ
ーキ制御プログラムがスタートすると、上記スロットル
開度信号eからスロットルバルブが全閉位置にあるか否
かが判定され(ステップS1)、全閉位置にある場合に
は、前輪ブレーキ油圧信号fから前輪ブレーキ油圧が設
定範囲内にあるか否かが判定され(ステップS2)、設
定範囲内にある場合には、エンジンブレーキを適正範囲
に維持するためのクラッチ制御動作が行なわれる。な
お、ステップS1でスロットルバルブが全閉位置にない
場合、及びステップS2において前輪ブレーキ油圧が設
定範囲内にない場合にはクラッチ制御動作は行なわれな
い。
【0040】クラッチ制御動作において、具体的には、
上記モータ25aにモータ回転角度信号Bが供給され、
該モータ25aは検出角度信号bが予め設定された回転
角度となるように回転する(ステップS3)。これによ
り該モータ25aの駆動歯車25cにより従動歯車24
cが所定角度だけ回転し、ねじ部材24bが前進してピ
ストン21bを前進させ、油圧室21cに油圧が発生す
る。この油圧がメインマスタシリンダ18から油圧ホー
ス19を介してシリンダ機構17に供給され、ピストン
17bが前進して押圧プレート14をクラッチスプリン
グ15の付勢力に抗してクラッチ板13同士の圧接を解
放するように移動させ、これにより後輪側からのバック
トルクのクランク軸への伝達が抑制され、エンジンブレ
ーキが過大となるのが回避される。
【0041】なお、上記エンジンブレーキが過大となり
得る運転状態では、ライダーによっては、上記クラッチ
レバーを操作して意識的にクラッチ機構1を遮断状態に
制御し、もってエンジンブレーキが過大となるのを回避
する場合がある。この場合、上記メインマスタシリンダ
18において、ピストン18bが前進して細孔18dを
閉塞することから、上記クラッチ圧制御マスタシリンダ
21からの油圧はクラッチ機構1側に供給されることは
ない。即ち、ライダーが手動によりエンジンブレーキ制
御を行なう場合にはこのライダーの操作が優先されるの
で、ライダーに違和感が生じるのを防止できる。
【0042】そして上記前輪ブレーキ油圧が上記設定範
囲以下まで低下し、かつスロットルバルブ開度が一定開
度以上となると上記エンジンブレーキ制御動作は終了す
る(ステップS4)。
【0043】このように本実施形態では、スロットルバ
ルブが全閉位置にあり、かつ前輪ブレーキ油圧が設定範
囲内にある場合には、エンジンブレーキが過大になると
推定し、クラッチ機構1を動力遮断状態に制御するよう
にしたので、後輪側からのバックトルクが必要以上にク
ランク軸に伝達されるのを回避でき、エンジンブレーキ
が過大になるのを防止でき、後輪の接地性が低下するの
を防止できる。
【0044】ここで、本実施形態では、前輪ブレーキ油
圧が設定範囲内にない場合、つまり該ブレーキ油圧が設
定範囲より小さい場合だけでなく大きい場合にもエンジ
ンブレーキ制御装置20によるエンジンブレーキ制御は
行なわれないが、そのために後輪側からのバックトルク
が過大になった場合には、バックトルクリミッタ11が
作動し、このバックトルクのクランク軸側への伝達が抑
制されるので、エンジンブレーキが過大になることはな
い。
【0045】なお、上記実施形態では、エンジンブレー
キ作動状態を推定するパラメータとしてスロットル開度
と前輪ブレーキ油圧を採用し、スロットルバルブ開度が
全閉で前輪ブレーキ油圧が設定範囲内にある場合にエン
ジンブレーキが過大になると推定してクラッチ機構1の
制御を行なうようにしたが、本発明におけるパラメータ
はこれらに限られない。
【0046】例えば、エンジン回転数信号cと変速段信
号dとをパラメータとしてエンジンブレーキの強さを推
定したり、あるいはバックトルクの大きさを直接検出し
てエンジンブレーキの強さを推定することも可能であ
る。
【0047】また上記エンジンブレーキ制御装置20の
動作を利用してクラッチレバーを不要にしながら変速操
作を円滑に行なうことのできるいわゆる自動クラッチ装
置を構成することも可能である。
【0048】この場合、例えば上記メインマスタシリン
ダ18は不要とし、上記クラッチ圧制御マスタシリンダ
21を直接シリンダ機構17に接続する。そして上記シ
フト操作力信号gが所定のしきい値以上になったときラ
イダーが変速操作を開始したと判断し、続いて上記モー
タ25aの回転によりクラッチ圧制御マスタシリンダ2
1に油圧を発生させ、クラッチ機構1を遮断し、また上
記シフト操作力信号gが所定値以下になったとき変速操
作が完了したと判断する。
【0049】このように構成した場合、スロットルバル
ブを開いたままで素早く高速段への変速(シフトアッ
プ)を行なうことができ、スロットルバルブを閉じるこ
とによりエンジン出力が低下するといったロスがなくな
り、レース走行において有利となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によるエンジンブレーキ制
御装置を説明するための構成図である。
【図2】上記エンジンブレーキ制御動作を説明するため
のフローチャートである。
【符号の説明】
1 油圧式クラッチ機構 3 クラッチ操作機構 11 バックトルクリミッタ 17 シリンダ機構 18 メインマスタシリンダ 19 油圧ホース(油圧通路) 20 エンジンブレーキ制御装置 21 クラッチ圧制御マスタシリンダ 21b ピストン 25 モータ機構
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年4月8日(2002.4.8)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 29/02 341 F02D 41/12 330M 41/12 330 F16D 25/14 640H Fターム(参考) 3D041 AA34 AB01 AC04 AC06 AC26 AC30 AD04 AD10 AD15 AD19 AD41 AE04 AE11 AE18 AF01 3G093 AA02 BA01 BA15 BA27 CB07 DA01 DA06 DB11 DB15 EA09 EB02 FA01 FA04 3G301 HA01 JA03 JA38 KA16 LA01 ND01 NE17 PA11Z PE01Z PF05Z PF06Z 3J057 AA04 BB04 EE10 GA28 GB02 GB04 GB26 GB30 GE07 HH06 JJ01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジン出力を油圧式クラッチ機構を介
    して後輪に伝達するようにした自動二輪車のエンジンブ
    レーキ制御装置において、車両運転状態を表すパラメー
    タに基づいてエンジンブレーキの作動状態を推定し、エ
    ンジンブレーキの強さが適正範囲になるよう上記クラッ
    チ機構を制御するようにしたことを特徴とする自動二輪
    車のエンジンブレーキ制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、上記パラメータがス
    ロットルバルブ開度と前輪ブレーキ油圧であり、スロッ
    トルバルブ開度が所定値以下でかつ前輪ブレーキ油圧が
    設定範囲内にあるときエンジンブレーキの強さが適正範
    囲となるように上記クラッチ機構を制御するようにした
    ことを特徴とする自動二輪車のエンジンブレーキ制御装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、上記パラメータがエ
    ンジン回転速度と変速段であり、該エンジン回転速度と
    変速段とに基づいて、エンジンブレーキの強さの適正範
    囲を設定するようにしたことを特徴とする自動二輪車の
    エンジンブレーキ制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1において、上記パラメータが後
    輪側からクランク軸側に逆向きに伝達されるバックトル
    クであり、該バックトルクが設定範囲内にあるときにエ
    ンジンブレーキの強さが適正範囲となるように上記クラ
    ッチ機構を制御するようにしたことを特徴とする自動二
    輪車のエンジンブレーキ制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項4において、上記バックトルクが
    上記設定範囲より大きいときに該バックトルクがクラン
    ク軸に伝達するのを抑制する機械式のバックトルクリミ
    ッタを備えたことを特徴とする自動二輪車のエンジンブ
    レーキ制御装置。
  6. 【請求項6】 エンジン出力を油圧式クラッチ機構を介
    して後輪に伝達するようにした自動二輪車のエンジンブ
    レーキ制御装置において、クラッチレバーの操作により
    メインマスタシリンダで油圧を発生させ、該発生した油
    圧を油圧通路を介してシリンダ機構に供給し、該シリン
    ダ機構により上記クラッチ機構を接断させるように構成
    されたクラッチ操作機構を設け、クラッチ圧制御マスタ
    シリンダを上記メインマスタシリンダの油圧室に連通す
    るように接続し、上記クラッチ圧制御マスタシリンダの
    ピストンをモータ機構で進退させるように構成したこと
    を特徴とする自動二輪車のエンジンブレーキ制御装置。
  7. 【請求項7】 請求項6において、上記クラッチレバー
    の操作によるクラッチ機構の接断制御が上記モータ機構
    によるクラッチ機構の接断制御より優先することを特徴
    とする自動二輪車のエンジンブレーキ制御装置。
JP2002101344A 2002-04-03 2002-04-03 自動二輪車のエンジンブレーキ制御装置 Pending JP2003294062A (ja)

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