JP2003293844A - 酸素濃度センサの劣化診断装置 - Google Patents

酸素濃度センサの劣化診断装置

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JP2003293844A
JP2003293844A JP2002104214A JP2002104214A JP2003293844A JP 2003293844 A JP2003293844 A JP 2003293844A JP 2002104214 A JP2002104214 A JP 2002104214A JP 2002104214 A JP2002104214 A JP 2002104214A JP 2003293844 A JP2003293844 A JP 2003293844A
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oxygen concentration
concentration sensor
engine
reducing agent
fuel
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Yoichiro Goya
陽一郎 合屋
Sakanori Moriya
栄記 守谷
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ディーゼルエンジンの排気系に設けられた酸
素濃度センサについて、正確な劣化診断を行うことので
きる酸素濃度センサの劣化診断装置を提供する。 【解決手段】 ディーゼルエンジン1の運転状態を統括
制御する電子制御装置90は、エンジン1のアイドル期
間中、燃料添加弁を通じて所定量の燃料(還元剤)を排
気系40の酸素濃度センサ73上流に添加供給し、その
添加供給に対するセンサ出力の応答性に基づき、酸素濃
度センサ73の劣化度合いを診断する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディーゼルエンジ
ンの排気系に設けられ、排気中酸素濃度を検出する酸素
濃度センサの劣化度合いを診断する診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ディーゼルエンジンのように、広い運転
領域において高い空燃比(リーン雰囲気)の混合気を燃
焼に供して機関運転を行う内燃機関として、排気特性の
向上や機関燃焼状態の安定化を図るべく、排気中の酸素
濃度が高い状態(リーンな状態)ではNOxを吸収する
吸蔵還元型NOx触媒や、排気の一部を吸気系に還流さ
せ燃焼ガの不活性ガス量を調整する排気還流(EGR:
Exhaust Gas Recirculation)装置等を搭載するものが
広く知られるようになった。吸蔵還元型触媒やEGR装
置の機能を十分活用するためには、当該機関の排気系に
設けられ排気中の酸素濃度を逐次モニタする酸素濃度セ
ンサの役割が極めて重要となる。
【0003】酸素濃度センサの検出素子は、高温下にお
いて酸素イオンを透過させる性質を有する固体電解質材
料(例えばジルコニア等)から形成される。例えばこの
検出素子の両側に電極を設け、一方の電極側を検出対象
ガス(排気)に晒し、他方の電極側を大気側に晒すよう
な構成を用いれば、排気中の酸素濃度と大気中の酸素濃
度との差に応じた起電力が両電極間に発生する。そこ
で、大気中の酸素濃度を基準値として、排気中の酸素濃
度を定量的に把握することができる。
【0004】ところで、酸素濃度センサは、その検出素
子が常時高温の排気に晒されるため、その使用に伴い劣
化が比較的早く進行する。そこで、その劣化度合いがあ
る程度進行した場合には、これを速やかに把握して適切
な処置を講ずるのが好ましい。
【0005】例えば特開平10−169493号公報に
記載された診断装置は、ガソリンエンジンの排気系に設
けられた酸素濃度センサの劣化を診断するために、空燃
比の目標値(理論空燃比)を切り換える制御を実施す
る。酸素濃度センサの検出素子は、機関燃焼に供される
空燃比が理論空燃比近傍にある場合に最も信頼性の高い
検出信号を出力するため、空燃比を理論空燃比近傍にお
いて切り換え、そのときの酸素濃度センサの出力変化を
観測すれば、酸素濃度センサの劣化を有無を判別するこ
とが可能になるのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ここで、ガソリンエン
ジンでは、排気系に設けられた酸素濃度センサの出力に
基づき、機関燃焼に供される混合気の酸素濃度(空燃
比)を目標値(理論空燃比)に保持する運転制御を行う
のが一般的であるため、上記公報に記載された装置のよ
うに、理論空燃比近傍において空燃比を切り換える制御
を実施することもさして難しくはない。
【0007】ところが、ディーゼルエンジンは、通常の
運転条件下では、リーン雰囲気の混合気を燃焼に供して
機関運転を行う必要があるため、機関燃焼に供する空燃
比を理論空燃比近傍に移行すれば、排気特性や機関出力
を良好な状態に保持することができなくなる。
【0008】このため、排気系に設けられた酸素濃度セ
ンサの劣化度合いを正確に把握するのが困難であった。
【0009】本発明は、このような実情に鑑みてなされ
たものであって、その目的とするところは、ディーゼル
エンジンの排気系に設けられた酸素濃度センサについ
て、正確な劣化診断を行うことのできる酸素濃度センサ
の劣化診断装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、酸素濃度センサの劣化診断装置であっ
て、ディーゼルエンジンの排気系に設けられ排気中の酸
素濃度に応じた信号を出力する酸素濃度センサと、前記
排気系における前記酸素濃度センサの上流に還元剤を供
給する還元剤供給手段と、当該エンジンの定常運転時に
前記還元剤の供給を実行するように前記還元剤供給手段
を制御する制御手段と、当該エンジンの定常運転時にお
ける前記還元剤の供給に対応する前記酸素濃度センサの
信号の出力変化の応答性に基づいて、前記酸素濃度セン
サの劣化度合いを診断する診断手段と、を備えることを
要旨とする。
【0011】ここで、「還元剤の供給に対応する」と
は、前記還元剤供給手段を通じた前記還元剤の供給動作
に関連するパラメータを広く意味し、例えば前記還元剤
供給手段の動作そのものや、前記制御手段による前記還
元剤供給手段への指令信号等を意味する。
【0012】また、前記診断手段は、劣化度合いとし
て、劣化の程度を診断することにしてもよいし、劣化の
有無のみを診断することにしてもよい。
【0013】また、当該エンジンの定常運転時に前記制
御手段が前記還元剤供給手段を制御している条件を選択
して、前記診断手段が前記酸素濃度センサの劣化度合い
を診断する制御構造を適用してもよいし、前記制御手段
の方が、当該エンジンの定常運転時において積極的に前
記還元剤供給手段を制御し、前記診断診断手段に診断の
機会を与えるような制御構造を適用してもよい。
【0014】また、前記診断手段は、当該エンジンがア
イドル運転を行っている時に、前記酸素濃度センサの劣
化度合いを診断するのがよい。またこれに準じ、例えば
当該エンジンを搭載した車両等が定速走行を行っている
条件を選択することとしてもよい。
【0015】また、前記診断手段は、当該エンジンがア
イドル運転を行っている時を当該エンジンの定常運転時
とみなし、診断を行ってもよいが、より好ましくは、
「当該エンジンがアイドル運転を行っている状態」と、
「当該エンジンの負荷、回転数、トルク特性等に基づい
て別途定義づけた当該エンジンの定常状態」との両者が
成立している場合に、前記酸素濃度センサの劣化度合い
を診断するのがよい。
【0016】酸素濃度センサは、理論空燃比の燃焼ガス
に由来する排気中酸素濃度を検出する場合に最もばらつ
きの少ない(再現性の高い)検出信号を出力するとこ
ろ、ディーゼルエンジンでは、機関出力や排気特性を最
適な状態に保ちつつ、そのような条件を得る機会を得る
ことは難しい。
【0017】同構成によれば、酸素濃度センサの基準出
力が安定する当該エンジンの定常運転時を選択し、排気
中酸素濃度を特定値(理論空燃比の混合気に対応する排
気中酸素濃度)近傍に移行させるといった条件を設定し
て酸素濃度センサの劣化診断を行うことになる。
【0018】このため、診断対象となる酸素濃度センサ
が、ほとんどの運転条件下でリーン雰囲気の混合気を燃
焼に供して機関運転を行うディーゼルエンジンの排気系
に設けられているにも関わらず、当該エンジンの機関出
力や排気特性の低下を招くことなく、当該酸素濃度セン
サの劣化度合いについて、信頼性の高い診断結果を得る
ことができる。
【0019】また、他の発明は、酸素濃度センサの劣化
診断装置であって、ディーゼルエンジンの排気系に設け
られ、還元成分の存在下において排気中のNOxを還元
するNOx触媒と、前記排気系における前記NOx触媒
の下流に設けられ排気中の酸素濃度に応じた信号を出力
する酸素濃度センサと、前記排気系における前記NOx
触媒の上流に還元剤を供給する還元剤供給手段と、当該
エンジンの運転状態を制御して排気中の還元成分量を増
大させる還元成分増量制御手段と、当該エンジンの定常
運転時であって、且つ、前記還元成分増量制御手段によ
って排気中の還元成分が増大されている条件下におい
て、前記還元剤の供給を実行するように前記還元剤供給
手段を制御する還元剤供給制御手段と、前記還元剤の供
給に対応する前記酸素濃度センサの信号の出力変化の応
答性に基づいて、前記酸素濃度センサの劣化度合いを診
断する診断手段と、を備えることを要旨とする。
【0020】また、他の発明は、酸素濃度センサの劣化
診断装置であって、ディーゼルエンジンの排気系に設け
られ、還元成分の存在下において排気中のNOxを還元
するNOx触媒と、前記排気系における前記NOx触媒
の下流に設けられ排気中の酸素濃度に応じた信号を出力
する酸素濃度センサと、前記排気系における前記NOx
触媒の上流に還元剤を供給する還元剤供給手段と、当該
エンジンの運転状態を制御して排気中の還元成分量を増
大させ、さらに前記還元剤の供給を断続的に実行するよ
うに前記還元剤供給手段を制御することにより前記NO
x触媒に蓄積したSOxを放出させる制御を行うSOx
放出制御手段と、当該エンジンの定常運転時、前記断続
的な前記還元剤の供給に対応する前記酸素濃度センサの
信号の出力変化の応答性に基づいて、前記酸素濃度セン
サの劣化度合いを診断する診断手段と、を備えることを
要旨とする。
【0021】同構成によれば、還元成分量を増大させる
制御が行われることにより、NOx触媒がその酸素スト
レージ能力を一時的に喪失するため、燃料添加の開始後
には、酸素濃度センサの出力波形を定量的に評価する上
で必要となる基準出力がNOx触媒の酸素ストレージ能
力によって変動する懸念がなくなる。
【0022】そしてその上で、酸素濃度センサの基準出
力が安定する当該エンジンの定常運転時を選択し、排気
中酸素濃度を特定値(理論空燃比の混合気に対応する排
気中酸素濃度)近傍に移行させるといった条件を設定し
て酸素濃度センサの劣化診断を行うことになる。
【0023】このため、診断対象となる酸素濃度センサ
が、ほとんどの運転条件下でリーン雰囲気の混合気を燃
焼に供して機関運転を行うディーゼルエンジンの排気系
において、しかもNOx触媒の下流に設けられているに
も関わらず、当該NOx触媒の酸素ストレージ能力に基
づく影響を受けずに、当該エンジンの機関出力や排気特
性も良好な状態に保持しつつ、当該酸素濃度センサの劣
化度合いについて、信頼性の高い診断結果を得ることが
できる。
【0024】なお、上記各構成は可能な限り組み合わせ
ることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の酸素濃度センサの
劣化診断装置を、ディーゼルエンジンシステムに適用し
た一実施の形態について説明する。
【0026】〔エンジンシステムの構造及び機能〕図1
において、内燃機関(以下、エンジンという)1は、燃
料供給系10、燃焼室20、吸気系30及び排気系40
等を主要部として構成される直列4気筒のディーゼルエ
ンジンシステムである。
【0027】先ず、燃料供給系10は、サプライポンプ
11、コモンレール12、燃料噴射弁13、遮断弁1
4、調量弁16、燃料添加弁17、機関燃料通路P1及
び添加燃料通路P2等を備えて構成される。
【0028】サプライポンプ11は、燃料タンク(図示
略)から汲み上げた燃料を高圧にし、機関燃料通路P1
を介してコモンレール12に供給する。コモンレール1
2は、サプライポンプ11から供給された高圧燃料を所
定圧力に保持(蓄圧)する蓄圧室としての機能を有し、
この蓄圧した燃料を各燃料噴射弁13に分配する。燃料
噴射弁13は、その内部に電磁ソレノイド(図示略)を
備えた電磁弁であり、適宜開弁して燃焼室20内に燃料
を噴射供給する。
【0029】他方、サプライポンプ11は、燃料タンク
から汲み上げた燃料の一部を添加燃料通路P2を介して
燃料添加弁17に供給する。添加燃料通路P2には、サ
プライポンプ11から燃料添加弁17に向かって遮断弁
14及び調量弁16が順次配設されている。遮断弁14
は、緊急時において添加燃料通路P2を遮断し、燃料供
給を停止する。調量弁16は、燃料添加弁17に供給す
る燃料の圧力(燃圧)PGを制御する。燃料添加弁17
は、その内部に電磁ソレノイド(図示略)を備えた電磁
弁であり、還元剤として機能する燃料を、適宜の量、適
宜のタイミングで排気系40のNOx触媒ケーシング4
2上流に添加供給する。
【0030】吸気系30は、各燃焼室20内に供給され
る吸入空気の通路(吸気通路)を形成する。一方、排気
系40は、各燃焼室20から排出される排気ガスの通路
(排気通路)を形成する。
【0031】また、このエンジン1には、周知の過給機
(ターボチャージャ)50が設けられている。ターボチ
ャージャ50は、シャフト51を介して連結された回転
体52,53を備える。一方の回転体(タービンホイー
ル)52は排気系40内の排気に晒され、他方の回転体
(コンプレッサホイール)53は、吸気系30内の吸気
に晒される。このような構成を有するターボチャージャ
50は、タービンホイール52が受ける排気流(排気
圧)を利用してコンプレッサホイール53を回転させ、
吸気圧を高めるといったいわゆる過給を行う。
【0032】吸気系30において、ターボチャージャ5
0に設けられたインタークーラ31は、過給によって昇
温した吸入空気を強制冷却する。インタークーラ31よ
りもさらに下流に設けられたスロットル弁32は、その
開度を無段階に調節することのできる電子制御式の開閉
弁であり、所定の条件下において吸入空気の流路面積を
変更し、同吸入空気の供給量(流量)を調整する機能を
有する。
【0033】また、エンジン1には、吸気系30と排気
系40とを連通する排気還流通路(EGR通路)60が
形成されている。このEGR通路60は、排気の一部を
適宜吸気系30に戻す機能を有する。EGR通路60に
は、電子制御によって無段階に開閉され、同通路を流れ
る排気(EGRガス)の流量を自在に調整することがで
きるEGR弁61と、EGR通路60を通過(還流)す
る排気を冷却するためのEGRクーラ62が設けられて
いる。
【0034】また、排気系40において、同排気系40
及びEGR通路60の連絡部位の下流には、吸蔵還元型
NOx触媒及びパティキュレートフィルタを収容したN
Ox触媒ケーシング42が設けられている。また、排気
系40のNOx触媒ケーシング下流には、酸化触媒を収
容した酸化触媒ケーシング43が設けられている。
【0035】また、エンジン1の各部位には、各種セン
サが取り付けられており、当該部位の環境条件や、エン
ジン1の運転状態に関する信号を出力する。
【0036】すなわち、レール圧センサ70は、コモン
レール12内に蓄えられている燃料の圧力に応じた検出
信号を出力する。燃圧センサ71は、添加燃料通路P2
内を流通する燃料のうち、調量弁16を介して燃料添加
弁17に導入される燃料の圧力(燃圧)PGに応じた検
出信号を出力する。エアフロメータ72は、吸気系30
内のコンプレッサホイール53上流において吸入空気の
流量(吸気量)GAに応じた検出信号を出力する。酸素
濃度センサ73は、排気系40のNOx触媒ケーシング
42上流において排気中の酸素濃度に応じて連続的に変
化する検出信号を出力する。また、酸素濃度センサ75
は、排気系40のNOx触媒ケーシング42下流(酸化
触媒ケーシング43上流)において排気中の酸素濃度に
応じて連続的に変化する検出信号を出力する。酸素濃度
センサ73,75の検出信号は、エンジン1の機関燃焼
に供される混合気中の空燃比A/Fを演算するためのパ
ラメータとして活用される。排気温度センサ74は、排
気系40においてNOx触媒ケーシング42内の所定部
位(後述するハニカム構造体42aとパティキュレート
フィルタ42bとの間)に取り付けられ、当該部位にお
ける排気温度(フィルタ入りガス温度)に応じた検出信
号を出力する。
【0037】また、アクセルポジションセンサ76はア
クセルペダル(図示略)に取り付けられ、同ペダルの踏
み込み量ACCに応じた検出信号を出力する。クランク
角センサ77は、エンジン1の出力軸(クランクシャフ
ト)が一定角度回転する毎に検出信号(パルス)を出力
する。これら各センサ70〜77は、電子制御装置(E
CU)90と電気的に接続されている。
【0038】ECU90は、中央処理装置(CPU)9
1、読み出し専用メモリ(ROM)92、ランダムアク
セスメモリ(RAM)93及びバックアップRAM9
4、タイマーカウンタ95等を備え、これら各部91〜
95と、A/D変換器を含む外部入力回路96と、外部
出力回路97とが双方向性バス98により接続されて構
成される論理演算回路を備える。
【0039】このように構成されたECU90は、上記
各種センサの検出信号の処理、例えば酸素濃度センサ7
3,75の検出信号に基づいて機関燃焼に供される混合
気中の空燃比A/Fを算出するといった演算処理等を行
う他、これら各種センサの検出信号等に基づき、燃料噴
射弁13の開閉弁動作に関する制御や、EGR弁61の
開度調整、或いはスロットル弁32の開度調整等、エン
ジン1の運転状態に関する各種制御を実施する。
【0040】〔NOx触媒ケーシングの構造及び機能〕
次に、以上説明したエンジン1の構成要素のうち、排気
系40に設けられたNOx触媒ケーシング42につい
て、その構造及び機能を詳しく説明する。
【0041】NOx触媒ケーシング42の内部には、ア
ルミナ(Al23)を主成分とするストレートフロー型
のハニカム構造体42aと、多孔質材料を主成分とする
ウォールフロー型のパティキュレートフィルタ(以下、
単にフィルタという)42bとが、各々排気浄化用触媒
として、所定の間隔をあけて直列に配置されている。
【0042】ハニカム構造体42aを形成する複数の通
路には、例えばアルミナからなる担体の層が形成されて
おり、その担体層の表面にNOx吸蔵剤として機能する
例えばカリウム(K)、ナトリウム(Na)、リチウム
(Li)、セシウム(Cs)のようなアルカリ金属、バ
リウム(Ba)、カルシウム(Ca)のようなアルカリ
土類、ランタン(La)或いはイットリウム(Y)のよ
うな希土類と、酸化触媒(貴金属触媒)として機能する
例えば白金(Pt)のような貴金属とが担持されてい
る。なお、担体(ここではアルミナからなる担体層が形
成されたハニカム構造体)42a上に混在するよう担持
されたこれらNOx吸蔵剤及び貴金属触媒は、併せてN
Ox触媒(吸蔵還元型NOx触媒)を構成する。
【0043】NOx吸蔵剤は、排気中の酸素濃度が高い
状態ではNOxを吸蔵し、排気中の酸素濃度が低い状態
(還元成分の濃度が高い状態)ではNOxを放出する特
性を有する。また、排気中にNOxが放出されたとき、
排気中にHCやCO等が存在していれば、貴金属触媒が
これらHCやCOの酸化反応を促すことで、NOxを酸
化成分、HCやCOを還元成分とする酸化還元反応が両
者間で起こる。すなわち、HCやCOはCO2やH2Oに
酸化され、NOxはN2に還元される。
【0044】一方、NOx吸蔵剤は排気中の酸素濃度が
高い状態にあるときでも所定の限界量のNOxを吸蔵す
ると、それ以上NOxを吸蔵しなくなる。エンジン1で
は、ポスト噴射や燃料添加を通じて排気通路のNOx触
媒ケーシング42上流に断続的に還元成分が供給され、
排気中の還元成分の濃度が高まる。NOx触媒(NOx
吸蔵剤)のNOx吸蔵量が限界量に達する前に、この還
元成分がNOx触媒に吸蔵されたNOxを周期的に放出
および還元浄化することになり、NOx吸蔵剤のNOx
吸蔵能力を回復させることになる。
【0045】一方、フィルタ42bを形成する多孔質材
料は、例えばコージライト等のセラミック材料にアルミ
ナ、チタニア、ジルコニア若しくはゼオライト等のコー
ト材をウォッシュコートしたものであり、排気を透過す
る性質を有する。また、フィルタ42bは、互いに平行
をなして延びる上流端が開放され下流端が閉ざされた排
気流入通路と、上流端が閉ざされ下流端が開放された排
気流出通路とを備えるいわゆるウォールフロー型であ
る。そして、両排気通路間に位置する隔壁の表面及び内
部に形成された細孔内に、表面に上記NOx吸蔵剤と貴
金属触媒とを担持するアルミナ等のコート層(担体層)
が形成されている。
【0046】このような構造を有するフィルタ42b
は、排気中に含まれる煤等の微粒子やNOx等の有害成
分を、以下のメカニズムに基づいて浄化する。
【0047】NOx吸蔵剤が、貴金属触媒との協働によ
り、排気中の酸素濃度や還元成分量に応じてNOxの吸
蔵、放出及び浄化を繰り返し行うことは上述した通りで
ある。その一方、NOx吸蔵剤は、このようなNOxの
浄化を行う過程で、副次的に活性酸素を生成する特性を
有する。フィルタ42bを排気が透過過する際、その排
気中に含まれる煤等の微粒子は構造体(多孔質材料)に
捕捉される。ここで、NOx吸蔵剤の生成する活性酸素
は、酸化剤として極めて高い反応性(活性)を有してい
るため、捕捉された微粒子のうちNOx触媒の表面や近
傍に堆積した微粒子は、この活性酸素と(輝炎を発する
ことなく)速やかに反応し、浄化されることになる。
【0048】また、NOx触媒ケーシング42内の上流
側に配置されたハニカム構造体(同構造体に担持された
NOx触媒)42aから発生する反応熱は、下流側に配
置されたフィルタ42bを効率的に昇温し、当該フィル
タ42bによる微粒子の分解作用を高めることになる。
【0049】〔燃料噴射制御の概要〕ECU90は、各
種センサの検出信号から把握されるエンジン1の運転条
件に基づき燃料噴射制御を実施する。本実施の形態にお
いて燃料噴射制御とは、各燃料噴射弁13を通じた各燃
焼室20内への燃料噴射の実施に関し、燃料の噴射量
Q、噴射タイミング、噴射パターンといったパラメータ
を設定し、これら設定されたパラメータに基づいて個々
の燃料噴射弁13の開閉弁操作を実行する一連の処理を
いう。
【0050】ECU90は、このような一連の処理を、
エンジン1の運転中所定時間毎に繰り返し行う。燃料の
噴射量Q及び噴射タイミングは、基本的にはアクセルペ
ダルの踏み込み量ACCおよびエンジン回転数NE(ク
ランク角センサのパルス信号に基づいて演算することが
できるパラメータ)に基づき、予め設定されたマップ
(図示略)を参照して決定する。
【0051】また、燃料の噴射パターンの設定に関し、
ECU90は、圧縮上死点近傍での燃料噴射を主噴射と
して各気筒について行うことで機関出力を得る他、主噴
射に先立つ燃料噴射(以下、パイロット噴射という)
や、主噴射に後続する燃料噴射(以下、ポスト噴射とい
う)を、副噴射として適宜選択された時期、選択された
気筒について行う。
【0052】〔パイロット噴射〕ディーゼルエンジンで
は一般に、圧縮行程終期において、燃焼室内が燃料の自
己着火を誘発する温度に達する。とくにエンジンの運転
状態が中高負荷領域にある場合、燃焼に供される燃料が
燃焼室内に一括して噴射供給されると、この燃料は騒音
を伴い爆発的に燃焼する。パイロット噴射を実行するこ
とにより、主噴射に先立って供給された燃料が熱源(或
いは火種)となり、その熱源が燃焼室内で徐々に拡大し
て燃焼に至るようになるため、燃焼室内における燃料の
燃焼状態が比較的緩慢となり、しかも着火遅れ時間が短
縮されるようになる。このため、機関運転に伴う騒音が
軽減され、さらには排気中のNOx量も低減される。
【0053】また、パイロット噴射を伴う燃料噴射の形
態を適用すると、消費燃料に対する機関出力は減少する
傾向にある。このため、主噴射において要求される燃料
噴射量が増大し、排気の温度が上昇する。また、燃焼室
20内において完全に燃焼せず排気系40に排出される
軽質なHCやCOの量が増大し、これらのHCやCOが
NOx触媒を介して発熱反応を起こす。すなわち、パイ
ロット噴射を実施することにより、NOx触媒ケーシン
グ42内のNOx触媒を昇温させることもできる。
【0054】〔ポスト噴射〕ポスト噴射によって燃焼室
20内に供給される燃料は、燃焼ガス中で軽質なHCに
改質され、排気系40に排出される。すなわち、還元剤
として機能する軽質なHCが、ポスト噴射を通じて排気
系40に添加され、排気中の還元成分濃度を高めること
となる。排気系40に添加された還元成分は、NOx触
媒ケーシング42内のNOx触媒を介し、同NOx触媒
から放出されるNOxや、排気中に含まれるその他の酸
化成分と反応する。このとき発生する反応熱は、NOx
触媒の床温を上昇させる。
【0055】〔EGR制御の概要〕ECU80は、各種
センサの検出信号から把握されるエンジン1の運転状態
に基づきEGR制御を実施する。本実施の形態において
EGR制御とは、EGR通路に設けられた電子制御式の
開閉弁(EGR弁)61を操作して、EGR通路を通過
するガスの流量、言い換えれば排気系40から吸気系3
0に還流される排気の流量調整を行う処理をいう。
【0056】目標となるEGR弁61の開弁量(以下、
目標開弁量)は、基本的にはエンジン1の負荷や回転数
等の運転状態に基づき、予め設定されたマップ(図示
略)を参照して決定される。ECU80は、この目標開
弁量をエンジン1の運転中所定時間毎に更新し、逐次、
EGR弁61の実際の開弁量が更新された目標開弁量に
合致するよう同EGR弁61の駆動回路に指令信号を出
力する。
【0057】〔EGR制御に基づく低温燃焼〕こうした
一連の処理により排気の一部が吸気系30に還流される
と、その還流量に応じ機関燃焼に供される混合気中の不
活性ガス成分が増量することになる。この結果、エンジ
ン1の燃焼温度が低下し(エンジン1がいわゆる低温燃
焼の状態となり)、排気中のNOx量が低減される他、
例えばEGR率(EGRガスの流量/(EGRガスの流
量+吸入空気の流量))が55%程度を上回る条件下に
おいてスモークがほとんど発生しなくなる。
【0058】また、低温燃焼の実施に伴い排気中の未燃
HC(還元成分)が増量することになるため、結果とし
て、還元剤として機能する軽質なHCが排気系40に添
加され排気中の還元成分濃度を高めることとなる。すな
わち、EGR制御(低温燃焼)の実施によっても、ポス
ト噴射と同様、NOx触媒の床温を上昇させる効果を得
ることもできる。
【0059】〔燃料添加〕燃料添加弁17を通じ、噴霧
状態の燃料(還元剤)を排気系40に直接添加すること
によっても、ポスト噴射と同様、排気中の還元成分濃度
を高め、結果として排気やNOx触媒の温度を上昇させ
ることができる。燃料添加弁17によって添加された燃
料は、ポスト噴射によるものに比べ、排気中においてよ
り高分子の状態を保持しつつ不均一に分布する傾向があ
る。また、燃料添加弁17による燃料添加では、一度に
添加することのできる燃料量や添加タイミングの自由度
が、ポスト噴射による場合よりも大きい。ただし、燃料
添加を通じて供給される噴霧状態の燃料が効率的な昇温
機能を発揮するためには、当該噴霧状態(高分子状態)
の燃料が反応を起こしやすいように、排気の温度が予め
ある程度まで高められている必要がある。
【0060】〔SOx被毒回復制御〕またエンジン1で
は、機関運転の継続に伴って徐々にハニカム構造体42
aやフィルタ42bに堆積するSOx等を除去するため
に、これらSOx等を熱分解することができる程度にま
でNOx触媒を昇温する制御(SOx被毒回復制御)
を、所定周期で実施する。SOx被毒回復制御では、先
ずパイロット噴射、ポスト噴射、或いは低温燃焼等を実
施することにより、NOx触媒ケーシング42内の温度
を所定値(例えば300℃程度)まで上昇させる。その
上で、断続的且つ継続的に燃料添加を行うことにより、
NOx触媒ケーシング42の内部を高温(例えば600
℃程度)に晒し、ハニカム構造体42aやフィルタ42
bに堆積したSOx等を熱分解する。
【0061】〔排気中酸素濃度の検出方法〕図2(a)
には、排気系40に設けられた酸素濃度センサ73(酸
素濃度センサ75も同等)の検出素子主要部の断面構造
を示す。
【0062】同図2(a)に示すように、酸素濃度セン
サ73の検出素子は、ジルコニア(Zr23)等、酸素
イオン伝導性及び耐熱性を有する多孔質絶縁材料(板
材)73a,73b,73cを積層して形成される。こ
れら板材73a,73b,73cの積層体内部には、大
気と連通する大気導入空間S1が形成されている。ま
た、板材73aの両面、すなわち検出素子の外部空間
(排気通路内の空間)S2に臨む板面と、検出素子の内
部に形成された大気導入空間S1に臨む板面とには、電
極73d,73eが取り付けられている。また、板材7
3cには、図示しない電熱式ヒータが内蔵され、検出素
子の温度を所定値に保持する。両電極73d,73eの
間に所定電圧が印加されると、両電極73d,73e近
傍に存在する酸素分子がイオン化され、矢指α方向に沿
って板材73aを透過する。このとき両電極73d,7
3e間を流れる電流値は、空間S1及び空間S2におけ
る酸素濃度の差と、定量的に関連する。また、空間S1
内の酸素濃度は、大気中の酸素濃度(例えば21%)と
して既知であることから、両電極73d,73e間に所
定電圧を印加したときに両電極73d,73e間を流れ
る電流値を観測することにより、空間S2内の酸素濃度
(排気中の酸素濃度)を把握することができる。
【0063】例えば図3は、電極73d,73e間の印
加電圧及び電流の関係を示すグラフである。なお、同グ
ラフ中には、空間S2内(検出対象ガス中)の酸素濃度
(酸素過剰率)が異なる複数の条件(酸素過剰率λ=
a,b,c,d:ただし、a<b<c<d)に対応する
印加電圧及び電流間の関係が示されている。
【0064】同図3に示すように、印加電圧が高くなる
ほど電流値も高くなる傾向があるものの、印加電圧が特
定範囲にある場合には、電流値がほとんど変化しないこ
とがわかる。このような特定範囲における電流値I1,
I2,I3,I4を、酸素過剰率λ=a,b,c,dに
対応する限界電流値という。そこで、電極73d,73
e間を流れる電流値をこのような限界電流値に保持させ
るための印加電圧(例えば図中に示す電圧値Vx)を適
宜設定し、限界電流値を測定することにより、検出対象
ガス中の酸素濃度(酸素過剰率)を定量的に把握するこ
とができる。
【0065】図4は、空間S2内の酸素濃度と限界電流
値との対応関係を概略的に示すグラフである。同図4に
示すように、空間S2内の酸素濃度(排気中の酸素濃
度)が高くなるほど限界電流値も高くなる。そこで、同
図4中に示す点A、点Bのように、排気中の酸素濃度と
限界電流値との対応関係が明らかな2座標を予め決定し
ておけば、当該2座標を結ぶ線(特性線)を基に、酸素
濃度センサ73の検出信号(限界電流値)から、排気中
の酸素濃度を定量することができる。
【0066】図5には、酸素濃度センサの出力に基づい
て演算(推定)される空燃比の誤差範囲(ばらつき)と
空燃比の真値との関係を示す。なお、同図において、横
軸は空燃比A/Fの真値(以下、実空燃比という)に相
当し、縦軸は酸素濃度センサ73の検出信号に基づいて
推定される空燃比(以下、換算空燃比という)と実空燃
比との偏差ΔA/Fに相当する。また、実空燃比に対す
る換算空燃比の誤差範囲は、特性線L1及び特性線L2
間の距離として示される。
【0067】同図5に示すように、換算空燃比及び実空
燃比間の誤差範囲は、実空燃比が理論空燃比に近づくほ
ど小さくなり、実空燃比が理論空燃比から乖離するにつ
れ拡がる傾向にある。言い換えると、酸素濃度センサ
は、実空燃比が理論空燃比に近接するほど、再現性の高
い信号を出力する特性を有する。
【0068】〔酸素濃度センサの劣化診断〕酸素濃度セ
ンサ73や酸素濃度センサ75の出力する信号は、排気
特性(酸素濃度)の変化を監視する他、パイロット噴
射、ポスト噴射、燃料添加、或いはEGR制御等々、N
Ox触媒ケーシング42内のNOx触媒の排気浄化機能
や排気性状に影響を及ぼす各種制御の効果を評価するた
めのパラメータとして用いられる。
【0069】エンジン1を搭載した車両の走行距離数が
長くなり、或いは酸素濃度センサ73,75の使用期間
が長期に及んでくると、電極凝集等により当該センサ7
3,75の検出素子自体の性能が低下したり、検出素子
の保護カバー(図示略)が煤等によって目詰まりするこ
と等が原因で、酸素センサ73による酸素濃度の検出性
能(感度や応答性)は、徐々に低下することになる。
【0070】このような酸素濃度センサ73,75の劣
化(経時劣化)が進行すると、排気中の酸素濃度に対す
る感度や、酸素濃度の変化に対する出力変化の遅れ(応
答遅れ)が大きくなる。このため、排気中酸素濃度に基
づく各種運転制御の精度が低下し、結果として、NOx
触媒の排気浄化機能が十分に発揮されず、エンジン1の
排気特性が悪化するようになる。また、エンジン1のド
ライバビリティを低下させる懸念も生じる。
【0071】本実施の形態にかかるエンジン1では、以
下の原理に基づき、酸素濃度センサ73,75の劣化度
合いを診断する制御を行う。
【0072】燃料添加を行うと、排気中において添加燃
料起源のHC濃度が一時的に高まる一方、この添加燃料
が排気中の酸素と反応することにより、酸素濃度は一時
的に低下するようになる。
【0073】例えば図6(a)〜(e)は、燃料添加の
実施に際してECU90が燃料添加弁に出力する指令信
号(図6(a))、燃料添加弁17を通じた燃料の添加
率(単位時間当たりの添加量:図6(b))、酸素濃度
センサ73の出力(図6(c))、換算空燃比(図6
(d))、及び実空燃比(図6(e))の変化を同一時
間軸上に示すタイムチャートである。ただし、同タイム
チャート上に示される期間中、EGR弁42やスロット
ル弁32の開度や、燃料噴射弁13を通じた燃焼室20
への燃料噴射量Qは、略一定であるものとする。なお、
このようにEGR弁42及びスロットル弁32の開度
や、燃料噴射量が略一定に保たれた状態を、エンジン1
の定常状態という。例えばアイドル運転時等において、
エンジン1は定常状態にある場合が多い。
【0074】ECU90が開弁信号を出力している期間
T0、燃料添加弁17は継続的に開弁して排気系40内
に燃料を添加する。酸素濃度センサ73の出力は、排気
中の酸素と反応するHC量、すなわち添加燃料の量に直
接的に関係するパラメータである。このため、エンジン
1が定常状態にあり、且つ、酸素濃度センサ73が正常
に機能している場合、燃料添加弁17から添加された燃
料が酸素濃度センサ73に到達するまでの期間や排気中
の酸素が酸素濃度センサ73の検出素子(板材73a)
を透過するのに要する期間等を含む微少な応答遅れ時間
(応答時間)T1を無視すれば、酸素濃度センサ73の
出力は、燃料添加率とほぼ同期して推移する。また、換
算空燃比は、酸素濃度センサ73の出力と空燃比との間
に線形な関係が成立するとの前提で、酸素濃度センサ7
3の出力(図6(c)においてベースライン(基準出
力)BS上に現れる出力変化)に基づいて算出される
(図4参照)。このことから、換算空燃比は、酸素濃度
センサ73の出力とほぼ同期して推移する。すなわち、
ECU90の指令信号に応じて燃料添加弁17が燃料を
添加する期間T0、燃料添加の実施に伴いセンサ出力が
変化する期間(センサ出力がベースラインBSから乖離
した後、再度ベースライン上に戻るまでの期間)T2、
及び燃料添加が開始されてから酸素濃度センサ73の出
力変化が終了するまで(定常な状態に戻る)までの期間
T3は、ほぼ同等になる。
【0075】実際、エンジン1が定常状態にあり、且
つ、酸素濃度センサ73が正常に機能している条件下に
おいては、換算空燃比が時間軸上に示す波形は、実空燃
比が時間軸上に示す波形とほぼ同一になることが、発明
者らによって確認されている。
【0076】これに対し、図7(a)〜(e)は、酸素
濃度センサ73が劣化している状態で燃料添加を実施し
た場合について、ECU90が燃料添加弁に出力する指
令信号(図7(a))、燃料添加弁17を通じた燃料の
添加率(単位時間当たりの添加量:図7(b))、酸素
濃度センサ73の出力(図7(c))、換算空燃比(図
7(d))、及び実空燃比(図7(e))の変化を同一
時間軸上に示すタイムチャートである。ただし、同タイ
ムチャート上に示される期間中、エンジン1は定常状態
にあるものとする。
【0077】酸素濃度センサ73が劣化すると、検出素
子(板材73a)を透過する排気中酸素の透過効率が低
下する等の理由から、検出素子の感度や応答性が低下す
るようになる。このため、ECU90の指令信号の出力
開始から酸素濃度センサ73の出力変化が始まるまでの
応答時間T1、燃料添加の実施に伴いセンサ出力が変化
する期間(センサ出力がベースラインBSから乖離した
後、再度ベースライン上に戻るまでの期間)T2、及び
燃料添加が開始されてから酸素濃度センサ73の出力変
化が終了する(定常な状態に戻る)までの期間T3が長
くなり、換算空燃比が時間軸上に示す波形と、実空燃比
が時間軸上に示す波形とが一致しなくなる。すなわち、
酸素濃度センサ73の出力に基づいて算出される排気中
酸素濃度(換算空燃比)が実際の酸素濃度(実空燃比)
と異なるようになってしまう。
【0078】エンジン1のECU90は、燃料添加に伴
う酸素濃度センサ73の出力の変化、言い換えればEC
U90の開弁指令信号に対する酸素濃度センサ73の出
力の応答性を反映するパラメータT1、T2、T3等を
監視し、これらパラメータが所定値を上回った場合に
は、酸素濃度センサ73が劣化しているものと診断す
る。また、酸素濃度センサ73の劣化の有無に関わらず
ECU90の指令信号(燃料添加弁17の動作)に対応
する酸素濃度センサ73の出力波形の再現性が高い条件
として、時間軸上におけるベースラインBSの変動が小
さなアイドル運転時を選択し、診断を行う。
【0079】〔劣化診断の具体的な手順〕以下、酸素濃
度センサ73の劣化診断について、その具体的な処理手
順を説明する。
【0080】図8は、ECU90を通じて実行される
「酸素濃度センサの劣化診断ルーチン」を示すフローチ
ャートである。本ルーチンは、エンジン1の始動後、所
定時間毎に繰り返し実行される。
【0081】本ルーチンに処理が移行すると、ECU9
0は先ずステップS101において、エンジン1がアイ
ドル運転を行っているか否かを判断する。そして、その
判断が肯定であれば処理をステップS102に移行し、
その判断が否定であれば本ルーチンを一旦抜ける。すな
わち、ECU90は、燃料カットの開始時において本ル
ーチンに処理を移行した場合にのみ、ステップS102
以降の処理(酸素濃度センサ73の劣化診断)を行うこ
とになる。
【0082】ステップS102においては、燃料添加弁
73を駆動して所定量の燃料を排気系40に添加する一
方、酸素濃度センサ73の出力変化を観測する。
【0083】続くステップS103においては、ECU
90の開弁指令信号(燃料添加弁17の開弁動作)に対
する酸素濃度センサ73の出力の応答性を反映するパラ
メータ、例えば応答時間T1(図6、図7を参照)を認
識する。
【0084】ステップS104においては、上記ステッ
プS103で認識した応答時間T1が予め設定された判
定値TSTDを下回っているか否かを判断する。そし
て、応答時間T1が判定値TSTDを下回っている場
合、酸素濃度センサ73は正常である(劣化していな
い)と判断し(ステップS105)、本ルーチンを一旦
抜ける。一方、応答時間T1が判定値TSTDを下回っ
ている場合、酸素濃度センサ73に異常がある(劣化し
ている)と判断し(ステップS106)、警告灯の点灯
等を通じてエンジン1の運転者にその旨を通知した上
で、本ルーチンを一旦抜ける。
【0085】以上説明したように、本実施の形態では、
アイドル運転時に燃料添加を実施し、当該燃料添加の実
施に伴う酸素濃度センサ73の出力変化(応答性)を基
に当該センサの劣化の有無を判断する。
【0086】排気中の還元成分濃度(酸素濃度)を積極
的に変化させ、これに対応する酸素濃度センサの出力の
応答性を評価すれば、酸素濃度センサの劣化の有無を診
断することはできる。しかし、酸素濃度センサは、排気
中酸素濃度の真値が特定値(理論空燃比の混合気に対応
する排気中酸素濃度)から乖離するほど測定誤差が大き
くなる特性を有するため、例えばリーン雰囲気の混合気
に由来する排気に対応するセンサ出力(センサ出力の応
答性)を基に酸素濃度センサの劣化診断を行っても、信
頼性の高い診断結果を得るのは難しい。
【0087】この点、本実施の形態によれば、酸素濃度
の出力のベースラインが安定するアイドル運転時におい
て、排気中酸素濃度を特定値(理論空燃比の混合気に対
応する排気中酸素濃度)近傍で変化させるといった条件
を設定して酸素濃度センサの劣化診断を行う。このた
め、診断対象となる酸素濃度センサが、ほとんどの運転
条件下でリーン雰囲気の混合気を燃焼に供して機関運転
を行うディーゼルエンジンの排気系に設けられているに
も関わらず、当該センサの劣化の有無について、信頼性
の高い診断結果を得ることができる。
【0088】〔触媒下流の酸素濃度センサの劣化診断〕
排気系40において、NOx触媒ケーシング42下流に
設けられた酸素濃度センサ75の劣化の有無を診断する
にあたっても、基本的には、先の図6〜図8において説
明した制御構造を適用することができる。ただし、NO
x触媒は、排気中の酸素濃度が比較的高い条件下におい
て一定量酸素を吸収し、排気中の酸素濃度が比較的低い
条件下において吸収した酸素を放出するいわゆる酸素ス
トレージ能力を有する。このため、通常の運転条件下で
一定量の燃料を添加しても、時間軸上においてECU9
0の指令信号に対応する酸素濃度センサ73の出力波形
に、十分な再現性を保証することができない。燃料添加
によって多量の還元成分が触媒ケーシン42内に流入す
ると、NOx触媒が酸素を放出し、この放出された酸素
に酸素濃度センサ73の検出素子が応答してしまうから
である。しかも、燃料添加の実施に起因してNOx触媒
から放出される酸素の量は、その時点でNOx触媒が吸
収している酸素量(酸素ストレージ量)に応じて変動す
るため、時間軸上に現れる酸素濃度センサ75の出力波
形を定量的に評価する上で必要となるベースラインを通
常の条件下で決定することは極めて難しい。
【0089】そこで、本実施の形態にかかるエンジン1
では、SOx被毒回復制御の実施に併せてNOx触媒ケ
ーシング42下流に設けられた酸素濃度センサ75の劣
化診断を行う。
【0090】SOx被毒回復制御の実施に先立ち、パイ
ロット噴射、ポスト噴射、或いは低温燃焼等が行われる
ことで、NOx触媒ケーシング42内部の温度が上昇す
る他、軽質な(反応性の高い還元成分)がNOx触媒ケ
ーシング42内に流入するため、NOx触媒に吸収され
ている酸素が一掃される。しかもその後には断続的な燃
料添加が行われるため、この燃料添加に対応する酸素濃
度センサ75の出力変化を観測することにより、酸素濃
度センサ73の劣化診断と同様の原理に基づいて酸素濃
度センサ75の劣化の有無を診断することができる。
【0091】図9は、SOx被毒回復制御の実施に伴う
酸素濃度センサ75の出力変化(図9(a))と、NO
x触媒ケーシング42内の温度推移(図9(b))とを
同一時間軸上に示すタイムチャートである。
【0092】同図9(a)及び図9(b)に示すよう
に、SOx被毒回復制御の実施に先立ちパイロット噴
射、ポスト噴射、或いは低温燃焼等(以下、昇温制御と
いう)が開始されると(時刻t1)、燃焼ガスの未燃成
分が排気系40に流入してNOx触媒ケーシング42内
で反応し、ケーシング42内のNOx触媒の床温を上昇
させる。また、この温度上昇と併行してNOx触媒ケー
シング42下流の排気中酸素濃度は徐々に低下し(リッ
チ雰囲気になる)、その後は所定値を保持するようにな
る。NOx触媒に堆積したSOxを熱分解すべく断続的
な燃料添加が開始されると(時刻t2)、各回の燃料添
加に対応する酸素濃度センサ75の出力変化が時間軸上
に現れる。ここで、NOx触媒に吸収されている酸素は
昇温制御によって一掃されるため、燃料添加の開始後に
は、酸素濃度センサ75の出力波形を定量的に評価する
上で必要となるベースラインBSがNOx触媒の酸素ス
トレージ能力によって変動するおそれもない。よって、
各回の燃料添加のうち、何れかの燃料添加に伴う酸素濃
度センサ75の出力の変化(応答性)を評価することに
より(図6〜図8を参照)、酸素濃度センサ75の劣化
の有無を正確に診断することができる。
【0093】なお、SOx被毒回復制御にかかる各回の
燃料添加のうち、何れの燃料添加に伴うセンサ出力の変
化を基に酸素濃度センサ75の劣化診断を行うのかを、
予め設定しておく方が、診断結果の信頼性を高める上で
はより好ましい。
【0094】また、上記実施の形態では、酸素濃度セン
サ73若しくは酸素濃度センサ75の劣化の有無を診断
することとしたが、燃料添加に対応する各センサ73,
75の応答性に基づき、劣化の進行度合いを診断するよ
うにしてもよい。
【0095】また、上記実施の形態では、エンジン1の
アイドル運転時に酸素濃度センサ73や酸素濃度センサ
75の劣化診断を行うこととした。これに限らず、例え
ばエンジン1を搭載した車両が定速走行を行っている場
合等、エンジン1が定常状態にある条件下であれば、各
酸素濃度センサの劣化診断を行い上記実施の形態に準ず
る効果を奏することができる。
【0096】また、積極的に燃料添加やSOx被毒回復
制御を実施して診断を行うよりも、むしろ、エンジン1
が定常状態にあって、且つ、燃料添加やSOx被毒回復
制御が実施されるタイミングに合わせて各酸素濃度セン
サの劣化診断をするように制御構造を構築すれば、燃料
添加によって排気系に添加される還元剤(燃料)の量を
総体的に低減することもできる。
【0097】また、SOx被毒回復制御の実施に合わせ
なくとも酸素濃度センサ75の劣化診断を行うことはで
きる。すなわちSOx被毒回復の目的に限らず、エンジ
ン1が定常状態にある条件下で、NOx触媒の酸素スト
レージ能力を一時的に喪失させるべく、上記昇温制御の
如き排気中の還元成分量を増大させる制御を積極的に実
施した上で、燃料添加を行い酸素濃度センサ75の劣化
度合いを診断するといった制御構造を適用しても、上記
実施の形態に準ずる効果を奏することはできる。
【0098】また、上記実施の形態では、酸素濃度セン
サ73,75の出力の応答性に関するパラメータとし
て、期間T1、T2若しくはT3を観測することによ
り、酸素濃度センサ73,75の劣化度合い(劣化の有
無)を診断することとした。しかしこれに限らず、他の
基準に基づいて、各酸素濃度センサの劣化度合いを診断
することもできる。
【0099】例えば、ECU90の指令信号或いは燃料
添加弁17の開弁動作に対応する酸素濃度センサ73,
75の出力変化を、一次遅れ時間及び無駄時間を含むス
テップ応答として近似する。そして例えば、その近似式
についての時定数を求めれば、この時定数を評価するこ
とにより各酸素濃度センサの劣化度合いを診断すること
ができる。例えば、時定数が所定値を上回った場合、酸
素濃度センサ73若しくは75が劣化しているものと判
断するようにすればよい。
【0100】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
診断対象となる酸素濃度センサが、ほとんどの運転条件
下でリーン雰囲気の混合気を燃焼に供して機関運転を行
うディーゼルエンジンの排気系に設けられているにも関
わらず、当該エンジンの機関出力や排気特性の低下を招
くことなく、当該酸素濃度センサの劣化度合いについ
て、信頼性の高い診断結果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態にかかるディーゼルエ
ンジンシステムを示す概略構成図。
【図2】 同実施の形態において適用される酸素濃度セ
ンサの検出素子主要部の断面構造を示す略図。
【図3】 同実施の形態において適用される酸素濃度セ
ンサの二電極間の印加電圧及び電流の関係を示すグラ
フ。
【図4】 同実施の形態において適用される酸素濃度セ
ンサの限界電流値と酸素濃度との対応関係を概略的に示
すグラフ。
【図5】 同実施の形態において適用される酸素濃度セ
ンサの検出誤差範囲と、実空燃比との関係を示すグラ
フ。
【図6】 同実施の形態において、燃料添加弁への指令
信号、燃料の添加率、酸素濃度センサの出力等の変化を
同一時間軸上に示すタイムチャート。
【図7】 同実施の形態において、燃料添加弁への指令
信号、燃料の添加率、酸素濃度センサの出力等の変化を
同一時間軸上に示すタイムチャート。
【図8】 同実施の形態における酸素濃度センサの劣化
診断手順を示すフローチャート。
【図9】 同実施の形態においてSOx被毒回復制御に
伴う酸素濃度センサの出力変化と、NOx触媒の温度推
移とを同一時間軸上に示すタイムチャート。
【符号の説明】
1 ディーゼルエンジン 10 燃料供給系 11 サプライポンプ 12 コモンレール 13 燃料噴射弁 16 調量弁 17 燃料添加弁 20 燃焼室 30 吸気系 31 インタークーラ 32 スロットル弁 40 排気系 42 NOx触媒ケーシング 43 酸化触媒ケーシング 50 ターボチャージャ 51 シャフト 52 タービンホイール 53 コンプレッサホイール 60 EGR通路 61 EGR弁 62 EGRクーラ 70 レール圧センサ 71 燃圧センサ 72 エアフロメータ 73,75 酸素濃度センサ 74 排気温度センサ 76 アクセルポジションセンサ 77 クランク角センサ 90 電子制御装置(ECU) P1 機関燃料通路 P2 添加燃料通路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F01N 3/36 B01D 53/36 101A Fターム(参考) 3G084 BA24 CA03 DA27 EA07 EA11 EB22 FA00 FA07 FA10 FA27 FA29 FA38 3G091 AA10 AA11 AA18 AA28 AB02 AB06 AB09 AB13 BA00 BA11 BA14 BA15 BA19 CA18 CB01 EA00 EA05 EA07 EA17 GA06 GB02Y GB03Y GB04Y GB05W GB06W GB17X HA09 HA12 HA15 HA16 HA36 HA37 HB05 HB06 4D048 AA06 AB02 AB07 AC02 BB02 BC01 BD02 CC32 CC41 CC47 CC61 DA01 DA02 DA10 DA20 EA04

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディーゼルエンジンの排気系に設けられ
    排気中の酸素濃度に応じた信号を出力する酸素濃度セン
    サと、 前記排気系における前記酸素濃度センサの上流に還元剤
    を供給する還元剤供給手段と、 前記還元剤の供給を実行するように前記還元剤供給手段
    を制御する制御手段と、 当該エンジンの定常運転時における前記還元剤の供給に
    対応する前記酸素濃度センサの信号の出力変化の応答性
    に基づいて、前記酸素濃度センサの劣化度合いを診断す
    る診断手段と、 を備えることを特徴とする酸素濃度センサの劣化診断装
    置。
  2. 【請求項2】 前記診断手段は、当該エンジンがアイド
    ル運転を行っている時に、前記酸素濃度センサの劣化度
    合いを診断することを特徴とする請求項1記載の酸素濃
    度センサの劣化診断装置。
  3. 【請求項3】 ディーゼルエンジンの排気系に設けら
    れ、還元成分の存在下において排気中のNOxを還元す
    るNOx触媒と、 前記排気系における前記NOx触媒の下流に設けられ排
    気中の酸素濃度に応じた信号を出力する酸素濃度センサ
    と、 前記排気系における前記NOx触媒の上流に還元剤を供
    給する還元剤供給手段と、 当該エンジンの運転状態を制御して排気中の還元成分量
    を増大させる還元成分増量制御手段と、 当該エンジンの定常運転時であって、且つ、前記還元成
    分増量制御手段によって排気中の還元成分が増大されて
    いる条件下において、前記還元剤の供給を実行するよう
    に前記還元剤供給手段を制御する還元剤供給制御手段
    と、 前記還元剤の供給に対応する前記酸素濃度センサの信号
    の出力変化の応答性に基づいて、前記酸素濃度センサの
    劣化度合いを診断する診断手段と、 を備えることを特徴とする酸素濃度センサの劣化診断装
    置。
  4. 【請求項4】 ディーゼルエンジンの排気系に設けら
    れ、還元成分の存在下において排気中のNOxを還元す
    るNOx触媒と、 前記排気系における前記NOx触媒の下流に設けられ排
    気中の酸素濃度に応じた信号を出力する酸素濃度センサ
    と、 前記排気系における前記NOx触媒の上流に還元剤を供
    給する還元剤供給手段と、 当該エンジンの運転状態を制御して排気中の還元成分量
    を増大させ、さらに前記還元剤の供給を断続的に実行す
    るように前記還元剤供給手段を制御することにより前記
    NOx触媒に蓄積したSOxを放出させる制御を行うS
    Ox放出制御手段と、 当該エンジンの定常運転時、前記断続的な前記還元剤の
    供給に対応する前記酸素濃度センサの信号の出力変化の
    応答性に基づいて、前記酸素濃度センサの劣化度合いを
    診断する診断手段と、 を備えることを特徴とする酸素濃度センサの劣化診断装
    置。
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