JP2003293306A - 廃ゴム製縁石ブロック - Google Patents

廃ゴム製縁石ブロック

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JP2003293306A
JP2003293306A JP2002099517A JP2002099517A JP2003293306A JP 2003293306 A JP2003293306 A JP 2003293306A JP 2002099517 A JP2002099517 A JP 2002099517A JP 2002099517 A JP2002099517 A JP 2002099517A JP 2003293306 A JP2003293306 A JP 2003293306A
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curb block
rubber curb
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Taketo Shimada
竹人 島田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 使用済みタイヤの大量消費につながる廃ゴム
製縁石ブロックとして再利用することで使用済みタイヤ
の有効利用を図るとともに、内部に排水孔を設けて路面
上に溜まった雨水をスムースに排水するとともに、排水
孔の施工工事を無くするようにした廃ゴム製縁石ブロッ
クを提供することを目的とする。 【解決手段】 使用済みタイヤをチップ状に細断した
後、加熱軟化して金型内で圧縮成形した廃ゴム製縁石ブ
ロックであって、該廃ゴム製縁石ブロック内に降雨時に
集水された雨水を通水する排水孔を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、各種使用済みゴム
製品、とりわけ使用済みタイヤを再利用した道路用の廃
ゴム製縁石ブロックに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、使用済みタイヤをセメント製
造用ロータリーキルンの代替燃料として有効利用されて
いるが、大半の使用済みタイヤは再利用の目的が無いま
ま野積みにされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、使用済
みタイヤをセメント製造用ロータリーキルンの代替燃料
として再利用する場合、使用済みのゴム製品の材質に制
約が存在するため、有効的な再利用とは言えない。
【0004】また、野積みされている使用済みタイヤを
最終処分として焼却する場合は、焼却によって硫化水素
ガス等の有害物質が発生するため二次公害の原因となる
可能性があり、さらに各種公害防止設備を備えた特定の
焼却場でしか処分することができず、輸送等を含めて処
分において経済的負担が増加する。
【0005】本発明は、使用済みタイヤの大量消費につ
ながる廃ゴム製縁石ブロックとして再利用することで使
用済みタイヤの有効利用を図るとともに、内部に排水孔
を設けて路面上に溜まった雨水をスムースに排水すると
ともに、排水孔の施工工事を無くするようにした廃ゴム
製縁石ブロックを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に関する第1の発明では、使用済みタイヤを
チップ状に細断した後、加熱軟化して金型内で圧縮成形
した廃ゴム製縁石ブロックであって、該廃ゴム製縁石ブ
ロック内に降雨時に集水される雨水を通水する排水孔を
設けた。
【0007】また、第1の発明を主体とする第2の発明
では、該廃ゴム製縁石ブロックに該排水孔に通じる入口
部を設けた。さらに、第2の発明を主体とする第3の発
明では、該入口部を車道側に向いた該廃ゴム製縁石ブロ
ックの正面部に開口した。
【0008】第3の発明を主体とする第4の発明では、
該入口部にゴミを除去するゴミ除去器を装着した。ま
た、第2の発明を主体とする第5の発明では、該入口部
を歩道側に向いた該廃ゴム製縁石ブロックの後面部に開
口した。
【0009】第5の発明を主体とする第6の発明では、
該入口部にゴミを除去する該ゴミ除去器を装着した。ま
た、第2の発明を主体とする第7の発明では、該入口部
は該廃ゴム製縁石ブロックの該正面部と該後面部の両方
に開口した。
【0010】第7の発明を主体とする第8の発明では、
該入口部にゴミを除去する該ゴミ除去器を装着した。さ
らに、第1ないし第8の発明を主体とする第9の発明で
は、隣接する該廃ゴム製縁石ブロック同士の接合面の形
状を階段状または傾斜状とした。第1の発明を主体とす
る第10の発明では、該廃ゴム製縁石ブロックの上面部
から排水孔に通じる掃除孔を開口し、該掃除孔を蓋体で
封着するようにした。
【0011】第1の発明を主体とする第11の発明で
は、該廃ゴム製縁石ブロックの表面部に必要に応じてバ
ージンゴムで成形した表皮材を貼着した。また、第11
の発明を主体とする第12の発明では、使用目的に応じ
て黄色、緑色、赤色のいずれか一つを選択することが可
能な該バージンゴムの表皮材を用いた構成とした。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る廃ゴム製縁
石ブロックの具体的実施形態を図面を参照して詳細に説
明する。図1は本発明に廃ゴム製縁石ブロックを路肩部
分に適用した場合の正面図、図2は図1のA−Aからみ
た場合の切断断面図、図3は本発明に係る図2のその他
の実施例、図4は図3のB−Bからみた排水孔の入口部
近傍の正面図、図5は本発明に係る廃ゴム製縁石ブロッ
クの繋ぎ部分の拡大図、図6は図5に示すその他の実施
例の拡大図である。
【0013】まず、本発明の廃ゴム製縁石ブロック1を
路肩7と路肩8に用いた場合について、図2と図3を用
いて説明する。
【0014】図2と図3に示すように、車道3の側部に
使用する廃ゴム製縁石ブロック1は、例えば車道3と歩
道5との境界部に設置され、車道3や歩道5を保護する
とともに、雨天時には車道3側の路面上の雨水は路肩7
に向かって流れる一方、歩道5側の路面上の雨水は路肩
8に向かって流れる。
【0015】図2に示す廃ゴム製縁石ブロック1の場合
は、雨水などを集水する入口部11が車道3側に向いて
おり、路肩7に流れてきた雨水は廃ゴム製縁石ブロック
1で堰止められるとともに、廃ゴム製縁石ブロック1内
に軸心方向に沿って排水孔9が開口されていることか
ら、集水された雨水は排水孔9を通水して下水溝(図示
略)に流れ込むことができる。
【0016】また、図3に示す廃ゴム製縁石ブロック1
の場合は、雨水などを集水する入口部11が歩道5側に
向いており、歩道5の路肩8に流れてきた雨水は廃ゴム
製縁石ブロック1で堰止められるとともに、廃ゴム製縁
石ブロック1内に軸心方向に沿って排水孔9が開口され
ていることから、車道3側から流入した雨水と一緒にな
って排水孔9を通水して下水溝(図示略)に流れ込むこ
とができる。
【0017】このように、図2および図3に示すような
排水孔9を廃ゴム製縁石ブロック1内に設けることによ
り、雨天時の路面の排水が効率よく行われるため、車道
3側においては、車輌走行時の安全性が向上するととも
に、歩道5側においても、自転車などで走行してもスリ
ップなどによる横転の危険性が低くなる。
【0018】図2に示すように、雨天時の路面の排水を
効率よく行うために、例えば入口部11は路肩7の路面
とほぼ同一高さ位置になるように開口されている。ま
た、この入口部11は図1に示すように、廃ゴム製縁石
ブロック1の略中央部に位置し矩形状を有する。
【0019】入口部11には、車道3側や歩道5側にあ
ったゴミが雨水と一緒に排水孔9に流入することを防止
するために、例えばアルミニウム製の高10cm×長さ
50cmの格子状を有したゴミ除去器13が装着されて
いる。なお、ゴミ除去器13の材質は、アルミニウムに
限定するものでなく、防錆処理の施された亜鉛メッキで
もよく、防錆処理の施されたものであれば、材質を限定
するものではない。
【0020】廃ゴム製縁石ブロック1の大きさは、例え
ば、幅200×高さ300×長さ1500mmまたは幅
200×高さ300×長さ1000mmのものを通常使
用することができる。なお、ゴミ除去器13は一つの廃
ゴム製縁石ブロック1について、正面部17と後面部1
8のいずれか一つではなく、必要に応じて一つの廃ゴム
製縁石ブロック1の正面部17と後面部18の両方に設
けてもよい。
【0021】図3に示すように排水孔9の断面形状が円
形状(破線部分も含める)の場合は、その大きさは、例
えば100〜120mmφ程度のものが好適である。ま
た図2に示すように断面形状が正方形かまたは矩形状の
排水孔9にした場合は、断面積が80〜120cm2に
なるように縦(Y)と横(X)の長さを適宜決定してもよ
い。
【0022】すなわち、排水孔9の断面形状を正方形に
した場合は、断面積が80cm2では、縦(Y)と横(X)
の長さは、それぞれ90mmとし、断面積が120cm
2では、縦(Y)と横(X)の長さは、それぞれ110mm
とするとよい。
【0023】また、廃ゴム製縁石ブロック1内に開口す
る排水孔9は、路肩7や路肩8から排水孔9に流入した
雨水が下水溝(図示略)に向かって流れ易いように、廃
ゴム製縁石ブロック1の軸心方向に沿って僅かな勾配を
設けることが望ましい。
【0024】次に、本発明の廃ゴム製縁石ブロック1の
もう一つの特徴について述べる。使用済みタイヤをチョ
ッパーのような粉砕機を用いてチップ状のゴム破砕片し
た後、溶融後、成形し固化して得られた廃ゴム製縁石ブ
ロック1は全体的に地色の黒色が外部に露出することに
なる。
【0025】このため、車輌の運転時に路肩7の位置が
はっきりと認識できて、安全運転が行えるように廃ゴム
製縁石ブロック1の上から塗料を含有したシート状のバ
ージンゴム15を貼着すると、歩道5と車道3の境界の
視認性が向上し、安全対策として有効である。
【0026】図3に示すような場合、廃ゴム製縁石ブロ
ック1は、正面部17と後面部18および上面部19が
地上に露出し、正面部17が車道3に向く状態で車道3
と歩道5の境に設置されるため、正面部17や後面部1
8の部分、ならびに上面部19などをシート状の表皮材
を成すバージンゴム15で貼着して、廃ゴム製縁石ブロ
ック1を使用目的に応じて必要な個所のみ覆うように施
工してもよい。
【0027】図2に示すような場合、廃ゴム製縁石ブロ
ック1は、正面部17および上面部19が地上に露出
し、正面部17が車道3に向く状態で車道3と歩道5の
境に設置され、正面部17と上面部19をバージンゴム
15で覆うように施工してある。
【0028】また、従来のように塗料などの塗装を施す
場合では塗料が長期間の間に劣化により剥離するため、
メンテナンスによる再塗布が必要となるが、製造時に塗
料を着色した表皮材を成すバージンゴム15を使用する
ことにより、メンテナンスの必要性がなくなり、これら
の工程が大幅に省略できる。
【0029】さらに、他の特徴の一つは、廃ゴム製縁石
ブロック1がゴム製であるため変形量が大きくなり、車
輌が接触しても廃ゴム製縁石ブロック1が破損しにく
く、また車輌の破損程度も軽微になる。特に、廃ゴム製
縁石ブロック1の材質であるゴムの弾力によって緩衝作
用が得られ、自転車の転倒、それに歩行者等の転倒に伴
う身体(特に頭部)への衝撃を吸収できることである。
【0030】なお、バージンゴム15の使用目的に応じ
て、例えば、黄色、緑色、赤色などの原色を使用するこ
とにより、次のような応用例が考えられる。すなわち、
黄色にすることにより、より一層事故防止のための
注意を喚起をすることができる。
【0031】 緑色にすることにより、市街地から居
住地域の環境に配慮した町作りが行える。 赤色にす
ることにより、危険地帯であることを認知したり、ある
いは消防署付近であり、駐車禁止であることが容易に認
知できる。
【0032】次に、廃ゴム製縁石ブロック1の製造の具
体的な製造方法について述べる。本発明の廃ゴム製縁石
ブロック1の製造は、以下の方法で行った。
【0033】(1)まず、原料として使用済みタイヤ
を、例えば、チョッパーのような粉砕機を用いて、例え
ば5mm〜10mm程度のチップ状のゴム破砕片とす
る。これを後述するように加熱軟化して圧縮成形するこ
とにより、成形した廃ゴム製縁石ブロック1の内部に細
断されたスチール(図示略)が埋設されるようになって
いる。
【0034】(2)このチップ状にした使用済みタイヤ
70重量%に対してバージンゴム15を30重量%の割
合で混合する。なお、予め得られる廃ゴム製縁石ブロッ
ク1の使用目的に応じて、バージンゴム15を黄色、緑
色、赤色などに着色することもできる。
【0035】(3)得られた混合物を所定の釜に入れ温
度を上げて300℃で10分程度加熱し軟化させなが
ら、蒸し焼き状態にする。蒸し焼き状態にした結果、該
ゴム破砕片は一旦半溶融の後、メリケン粉のような硬さ
になる。
【0036】(4)この後に行う金型成形に際して、例
えば、ポリウレタン系、ラテックス系、エポキシ系等の
弾性変形特性が大きい樹脂系接着剤と該ゴム破砕片とを
十分に攪拌混合する。次いで、この混合物を成形用金型
内に投入し、例えば、常温で圧力50Kg/cm2の圧
力で加圧成形する。
【0037】(5)加圧成形後、成形体を加熱しながら
乾燥させ、接着剤を固化させることにより、半溶融した
該ゴム破砕片は接着剤に接着されて一体化した廃ゴム製
縁石ブロック1となる。この時、使用する接着剤の使用
量は該ゴム破砕片に対して2〜30体積%、好ましく
は、5〜15体積%とするのが好ましい。
【0038】また、本発明では、従来のように、単に使
用済みタイヤをバージンゴム15と一緒に混合し金型
(図示略)内で加圧成形しただけのものではなく、図2
および図3に示すように、廃ゴム製縁石ブロック1の軸
線方向に沿った中央部に100〜120mmφの排水孔
9を設けるとともに、降雨の際に中高となった路面中央
側から路肩7に設けられた廃ゴム製縁石ブロック1に向
かって雨水が流れた後、排水孔9に雨水が流入するよう
にしたものである。
【0039】こうした構造にすることにより、車道3側
の路肩7における水溜まりが無くなり、歩行者、バイク
や自転車の搭乗者に対して車両通過時に起きる水はねが
なくなる。
【0040】なお、本実施例では、代表的な使用済みタ
イヤを用いた例について述べたが、これに限定すること
なく、廃ゴム製縁石ブロック1の部材として、例えば、
使用済みタイヤの他に、使用済みベルト、使用済みパッ
キン、使用済み防舷材、その他のゴム製品の1または2
以上からなる古ゴムを破砕したゴム破砕片を合わせて成
形してもよい。
【0041】また、排水孔9が詰まった場合のことを考
えて、縦列配置された廃ゴム製縁石ブロック1の2つな
いし3つ間隔毎に、図3に示すような上面部19から排
水孔9に通じる掃除孔38を開口しておき、ここにゴム
栓40を蓋体として封着し、もし排水孔9が詰まった
時、ゴム栓40を取り除いて排水孔9の詰まりを解消す
ることができる。なお、該蓋体はゴム栓に限定されるも
のではなく、他の材質のものでも良い。
【0042】[実施例]前述した製造方法で得られた廃
ゴム製縁石ブロック1について、物性試験と圧縮試験を
行なった。これらの結果を表1と表2に示す。
【0043】まず、物性試験について述べる。チップ状
にした使用済みタイヤ70重量%に対してバージンゴム
30重量%の割合で混合し、加熱軟化して圧縮成形して
得られた廃ゴム製縁石ブロック1の物性を表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】因みに、本発明の廃ゴム製縁石ブロック1
は、真夏時の表面温度が最高67〜70℃となるが、溶
けることもなく、強度的には何等問題はない。また真冬
時の廃ゴム製縁石ブロック1の伸縮強度は、JIS K
6301規格に符合するものであり、満足すべき結果が
得られた。
【0046】次に、圧縮試験について述べる。圧縮試験
は下記のようにJIS規格に適合する試験片を製作して
試験を行ない、満足すべき結果が得られた。圧縮試験の
試験結果を表2に示す。 試験速度;25mm/min
【0047】
【表2】
【0048】表1に示す物性と表2に示す圧縮特性を持
つ本発明の廃ゴム製縁石ブロック1を用いた具体的な施
工方法について述べる。
【0049】まず、地盤21を充分に整地する。廃ゴム
製縁石ブロック1の施工時には、各廃ゴム製縁石ブロッ
ク1を縦列配置することになる。このため、隣接する廃
ゴム製縁石ブロック1同士の接合面がお互いに密着する
ように、地盤21は水平になるまで整地しておく。
【0050】次いで、地盤21上に廃ゴム製縁石ブロッ
ク1を載置していく。図1に示すように、敷地から車輌
などが出入りする場所の近くに製縁石ブロック1を縦列
配列する場合、車輌側に最も近い位置には、放物線状の
廃ゴム製縁石ブロック23がまず配設され、放物線状の
廃ゴム製縁石ブロック23に隣接して長方体形状の廃ゴ
ム製縁石ブロック25aが配設される。
【0051】廃ゴム製縁石ブロック23と廃ゴム製縁石
ブロック25aの接合面はお互いに階段状の段差部27
(図5)を有し、隣接する段差部27の接合面に接着剤
を塗布する。使用される接着剤は、例えば、酢酸ビニー
ル樹脂系、エポキシ樹脂系、ウレタン樹脂系のものが好
ましく、この中から必要に応じて1種類だけ選択すれば
よい。なお、廃ゴム製縁石ブロック23と廃ゴム製縁石
ブロック25aの接合面は、例えば、図6に示すように
接合面がお互いに傾斜状を有したいも継ぎ29であって
もよい。
【0052】次に、予め転圧によって整地された地盤2
1上に、それぞれ隣接する一方の段差部27の廃ゴム製
縁石ブロック25aと他方の段差部27の廃ゴム製縁石
ブロック25bを突き合わせ接合することで、長手方向
に縦列配列した形に施工する。以下同様に廃ゴム製縁石
ブロック25c、25d、25e・・・を縦列配列しな
がら施工するが、この場合廃ゴム製縁石ブロック25a
・・・25xの内部に形成された長手方向に延びる空洞
部は、集水された雨水等が通水する排水孔9となる。
【0053】また、これら一連の廃ゴム製縁石ブロック
1は、図1に示すように、予め転圧された地盤21の上
に載置した後、入口部11の下端部が車道3の表面と実
質的に面一となるように路盤20の中に埋設する。
【0054】図2の場合には、廃ゴム製縁石ブロック1
の後面部18が歩道5の路盤31の中にほとんど埋設さ
れているが、図3の場合では、廃ゴム製縁石ブロック1
の後面部18が歩道5の路盤31で略半分程度埋設され
た形を成す。
【0055】因みに、廃ゴム製縁石ブロック1の比重
(R)約1.1に対してコンクリート製縁石ブロックの
比重(S)は1.8であるため、廃ゴム製縁石ブロック
1の比重(R)の方がコンクリート製縁石ブロックの比
重(S)より約39%低いので、もし同一体積の縁石ブ
ロックとすれば、廃ゴム製縁石ブロック1の重量(W
1)が、コンクリート製縁石ブロックの重量に比べて約
39%程度小さくなり、運搬などの取扱が容易となる。
【0056】なお、本発明における隣接する廃ゴム製縁
石ブロック1の接合面はお互いに階段状の段差部27か
または接合面がお互いに傾斜したいも継ぎ29の場合に
ついて述べたが、これに限定するものではなく、他の形
状の接合面であってもよい。また、排水孔9の形状も円
形形状や正方形、あるいは矩形形状に限定されるもので
なく、他の形状であってもよい。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように本発明の廃ゴム製縁
石ブロックによれば、該廃ゴム製縁石ブロックの内部に
雨水などを集水して排水できる排水孔が設けられている
ので、わざわざ排水孔を施工する必要がなく、該廃ゴム
製縁石ブロックの施工と同時に排水孔の工事も一緒に行
えるので、排水孔の施工時間を含めた施工時間の大幅な
短縮が可能となる。また、使用済みタイヤを大量消費に
つながる縁石ブロックとして再利用することができるた
め、使用済みタイヤの有効利用を図ることができる。
【0058】さらに、縁石ブロックがゴム製という特徴
を活かしてコンクリート製のものにはない緩衝作用を持
ち、また軽量であるため、コンクリート製のものに比べ
て、運搬に必要なコストを低減でき、施工時の労力を軽
減できる。また、必要に応じて黄色、緑色、赤色などを
有するバージンゴムの少なくともいずれか一つを廃ゴム
製縁石ブロックの上面部や正面部または後面部などに貼
着することにより、使用済みタイヤの地色(黒色)が外
部に露出することによる体裁の悪さを防止でき、街並み
の景観を損なうことがない。
【0059】特に、塗料を着色した該バージンゴムを使
用することにより、わざわざ手間をかけて塗料を塗布す
る必要がなくなり、施工時間の大幅な節約が可能となる
ともに、歩道と車道の境界の視認性が向上し、安全対策
として有効となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における廃ゴム製縁石ブロックを路肩部
分に適用した場合の正面図である。
【図2】図1のA−Aからみた場合の切断断面図であ
る。
【図3】本発明に係る図2のその他の実施例である。
【図4】図3のB−Bからみた排水孔の入口部近傍の正
面図である。
【図5】本発明に係る廃ゴム製縁石ブロックの繋ぎ部分
の拡大図である。
【図6】図5に示すその他の実施例の拡大図である。
【符号の説明】
1 廃ゴム製縁石ブロック 3 車道 5 歩道 7 路肩(車道側) 8 路肩(歩道側) 9 排水孔 11 入口部 13 ゴミ除去器 15 バージンゴム 17 正面部 18 後面部 19 上面部 20 路盤(車道側) 21 地盤 23 放物線状の廃ゴム製縁石ブロック 25 長方体形状の廃ゴム製縁石ブロック 27 段差部 29 いも継ぎ 31 路盤(歩道側) 38 掃除孔 40 ゴム栓

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 使用済みタイヤをチップ状に細断した
    後、加熱軟化して金型内で圧縮成形した廃ゴム製縁石ブ
    ロックであって、該廃ゴム製縁石ブロック内に降雨時に
    集水される雨水を通水する排水孔を設けたことを特徴と
    する廃ゴム製縁石ブロック。
  2. 【請求項2】 該廃ゴム製縁石ブロックに該排水孔に通
    じる入口部を設けたことを特徴とする請求項1記載の廃
    ゴム製縁石ブロック。
  3. 【請求項3】 該入口部を車道側に向いた該廃ゴム製縁
    石ブロックの正面部に開口したことを特徴とする請求項
    2記載の廃ゴム製縁石ブロック。
  4. 【請求項4】 該入口部にゴミを除去するゴミ除去器を
    装着したことを特徴とする請求項3記載の廃ゴム製縁石
    ブロック。
  5. 【請求項5】 該入口部を歩道側に向いた該廃ゴム製縁
    石ブロックの後面部に開口したことを特徴とする請求項
    2記載の廃ゴム製縁石ブロック。
  6. 【請求項6】 該入口部にゴミを除去する該ゴミ除去器
    を装着したことを特徴とする請求項5記載の廃ゴム製縁
    石ブロック。
  7. 【請求項7】 該入口部は該廃ゴム製縁石ブロックの該
    正面部と該後面部の両方に開口したことをことを特徴と
    する請求項2記載の廃ゴム製縁石ブロック。
  8. 【請求項8】 該入口部にゴミを除去する該ゴミ除去器
    を装着したことを特徴とする請求項7記載の廃ゴム製縁
    石ブロック。
  9. 【請求項9】 隣接する該廃ゴム製縁石ブロック同士の
    接合面の形状を階段状または傾斜状としたことを特徴と
    する請求項1ないし請求項8記載の廃ゴム製縁石ブロッ
    ク。
  10. 【請求項10】 該廃ゴム製縁石ブロックの上面部から
    排水孔に通じる掃除孔を開口し、該掃除孔を蓋体で封着
    することを特徴とする請求項1記載の廃ゴム製縁石ブロ
    ック。
  11. 【請求項11】 該廃ゴム製縁石ブロックの表面部に必
    要に応じてバージンゴムで成形した表皮材を貼着したこ
    とを特徴とする請求項1記載の廃ゴム製縁石ブロック。
  12. 【請求項12】 使用目的に応じて黄色、緑色、赤色の
    いずれか一つを選択することが可能な該バージンゴムの
    表皮材を用いたことを特徴とする請求項11記載の廃ゴ
    ム製縁石ブロック。
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