JP2003292902A - 滑雪性塗料及びそれを塗布した滑雪性塗装物 - Google Patents

滑雪性塗料及びそれを塗布した滑雪性塗装物

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JP2003292902A
JP2003292902A JP2002098610A JP2002098610A JP2003292902A JP 2003292902 A JP2003292902 A JP 2003292902A JP 2002098610 A JP2002098610 A JP 2002098610A JP 2002098610 A JP2002098610 A JP 2002098610A JP 2003292902 A JP2003292902 A JP 2003292902A
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snow
coating
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contact angle
compound
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JP2002098610A
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Shohei Hoshino
昭平 星野
Hitoshi Mizushima
等 水島
Tsutomu Sakai
勉 坂井
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Mizushima Tekko Co Ltd
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Mizushima Tekko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】積雪地域における施設構造物に着雪防止性或い
は滑雪性を付与できる常温硬化型塗料を提供する。 【解決手段】常温硬化型ウレタン樹脂塗料又は常温硬化
型ふっ素樹脂塗料に反応性水酸基含有シロキサン化合
物、反応性水酸基含有フロロアルキルシロキサン化合物
及び反応性水酸基含有フロロアルキル化合物のいずれか
一つ又はそれらの混合物を添加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積雪地域における
施設構造物への着雪に基づく様々な被害や障害を防止す
るため着雪を出来るだけ早く滑り落とすようにする滑雪
性塗料及びそれを塗布した塗装物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来このような目的のため多くの特許
(参考例:特許公開平7−331122、特許公開平1
0−183049、特許公開平11−29722など)
が考案されているが、何れもふっ素樹脂を利用した超撥
水性(水接触角140〜160°)を付与する方法が主
体的であった。しかしながら、これらの考案に基づく塗
膜は下塗り剤への付着力が必ずしも十分ではなく、また
氷結した着雪が滑り落ちるときの擦過力による塗膜表面
へ傷が入ることによる滑雪性の低下、更には非積雪シー
ズンにおける塵埃付着による滑雪性低下の問題が生じ、
実用的には費用対効果の点で必ずしも着雪防止性或いは
滑雪性が満足されていないと言われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、着雪防止
に関する過去の研究論文及び特許の内容を調査・考察し
た結果、塗膜表面における水滴の滑落と結晶・水・空気
の3態の複雑な混合体である雪の滑落の対しては塗膜性
状の影響が微妙に異なる筈であるとの推察から、塗膜の
水接触角が140〜160°という過大な超撥水性は着
雪防止性或いは滑雪性の観点から必ずしも有利に働かな
いであろうとの仮説を立て、より小さい水接触角の領域
の塗膜形成による滑雪性能付与を意図した。また、実用
的見地から高性能・高コストは現実的ではないであろう
との認識から出来るだけ簡便な対策であることを目的と
した。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、種々調査・
検討を行った結果、上記課題を達成するには常温硬化型
ウレタン樹脂塗料又は常温硬化型ふっ素樹脂塗料に反応
性水酸基含有シロキサン化合物、反応性水酸基含有フロ
ロアルキルシロキサン化合物及び反応性水酸基含有フロ
ロアルキル化合物のいずれか一つ又はそれらの混合物の
比較的少量を添加することにより滑雪性能を付与する方
法を研究し、比較的低い水接触角領域の塗膜でも滑雪性
塗料として有効であることを見出した。
【0005】実際に冬季の降雪時における着雪の滑雪性
を種々調査した所、降雪時の気温が−3℃以上の場合水
接触角が95〜110°である塗膜の塗装表面が滑雪性
に優れ、逆に水接触角がそれより高い水接触角を有する
塗装表面の塗膜では滑雪性に劣ることが確認された。
【0006】一方降雪時の気温が−3℃以下の場合は1
10〜130°の水接触角を有する塗装表面の方が滑雪
性に優れることを確認した。これらの滑雪性挙動の違い
は着雪と塗膜界面の間に存在する水膜が滑雪性に有利に
影響していることを示唆していると考えられ、気温が−
3℃以上では湿り雪になりやすく、塗膜表面では潤滑作
用を持ち得る水膜の関与があり、水接触角が大き過ぎる
と水膜形成が出来ずに逆に滑雪性が低下すると推察され
る。一方、気温が−3℃以下の場合は水膜形成が少ない
か又は気温によっては殆ど水膜形成のない乾き雪の場合
は水接触角が大きい塗膜が有利となることが確認され
た。すなわち、降雪時の気温によって異なる水接触角領
域の塗膜性状の必要性が認識された。ここで水接触角が
130°以上では撥水性が高くなり過ぎ、下塗り層との
密着性に問題があり、かつ非積雪シーズンにおける塵埃
付着が起き易くなり、却って滑雪性低下を招きやすい。
【0007】本発明者は、これらの領域に必要な塗膜性
状を付与する塗料の開発研究を種々行った結果、通常の
耐候性良好な常温硬化型ウレタン樹脂塗料又は常温硬化
型ふっ素樹脂塗料に化学式(1)、(2)、(3)にそ
れぞれ示す反応性水酸基含有シロキサン化合物、反応性
水酸基含有アルキルシロキサンエーテル化合物、反応性
水酸基含有フロロアルキルシロキサンエーテル化合物及
び(4)、(5)にそれぞれ示す反応性水酸基含有フロ
ロアルキル化合物及び反応性水酸基含有フロロアルキル
エーテル化合物のいずれか一つ又はそれらの混合物の比
較的少量を添加することにより湿り雪や乾き雪にそれぞ
れ好適する水接触角を有する塗膜を付与する配合設計に
成功した。
【0008】このとき用いられる(1)、(2)及び
(3)式の中のR及びR はアルキル基を意味し、い
ずれでも差し支えなく、(1)〜(5)式のnも又いず
れでも差し支えなく、入手できる製品であればいずれで
も差し支えない。その種類及び添加量の適切な選定は必
要な水接触角など実用的な塗膜性状を評価しながら実験
的に決めることが出来る
【0009】
【化1】
【0010】
【化2】
【0011】
【化3】
【0012】
【化4】
【0013】
【化5】
【0014】
【発明の実施形態】以下に本発明の実施形態を具体的に
説明する。気温が−3℃以上で降りやすい湿り雪に好適
な水接触角領域を付与する方法として耐候性良好な通常
の常温硬化型ウレタン樹脂塗料の主剤に対して1〜10
%、好ましくは2〜6%の(1)式又は(2)式の化合
物を添加して所定の硬化剤、希釈剤を混合・攪拌して得
られる塗料を上塗り剤として塗布する。使用する常温硬
化型ウレタン樹脂塗料の種類により必要な水接触角を付
与するための添加量は変動するので、その塗膜の水接触
角が95〜110°の範囲好ましくは98〜105°に
なるような添加量を実験的に選定すればよい。1%以下
では水接触角が少な過ぎ、10%以上ではそれほど水接
触角が増えず、むしろ下塗り層との付着力が低下するの
で実用的に好ましくない。
【0015】気温が−3℃以下の場合に降りやすい乾き
雪に好適な水接触角を付与する方法として耐候性良好な
通常の常温硬化型ウレタン樹脂塗料又は常温硬化型ふっ
素樹脂塗料の主剤に対して2〜10%、好ましくは4〜
8%の(1)、(2)、(3)、(4)及び(5)式の
いずれか一つ又はそれらの混合物を添加して所定の硬化
剤、希釈剤を混合・攪拌して得られる塗料を上塗り剤と
して塗布する。この場合も使用する常温硬化型ウレタン
樹脂塗料又は常温硬化型ふっ素樹脂塗料の種類により必
要な水接触角を付与するための添加量は変動するので、
その塗膜の水接触角が110〜130°の範囲好ましく
は115〜125°になるような添加量を実験的に選定
すればよい。
【0016】
【実施例】本発明について実施例によって具体的に説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0017】
【実施例1】D塗料会社の常温硬化型ウレタン樹脂塗料
(着色)の主剤24gに(1)式に示されるA化合物を
0.6g加え、よく攪拌後塗料会社指定の希釈剤を6g加
えた後、所定の硬化剤6gを加え、更によく攪拌混合す
る。得られた塗工液を塗工液1とする。同時にA化合物
の代わりにB化合物を用いた以外はすべて同じ要領で作
成した塗工液を塗工液2とする。この2種類の塗工液1
及び2をハンドスプレーにより8×15cmサイズの下塗
りを施した試験塗り板に塗布し、室温1週間養生後更に
70℃の定温乾燥機で4日間養生した後、塗膜性状の評
価項目として水接触角及び水滴滑落角度を測定した。水
接触角及び水滴滑落角度の測定は協和界面科学株式会社
製接触角測定機を用いて行った。比較として市販されて
いるD塗料会社の滑雪性塗料を同じ要領で塗布し、比較
対象とした。又、S化学会社メーカー製品も合わせて比
較した。測定結果は表1の通りであった。
【0018】
【表1】
【0019】上記と同じ組成の塗工液を300gr作成
し、同じ要領で40×60cmの鋼板に塗布し、必要な
養生を行った後、屋外暴露台に傾斜角を30°及び45
°に設置して、降雪試験に供した。気温−1〜−2℃で
降雪速度が約4cm/hrの時の湿り雪が塗装鋼板に積
った場合、その積雪が滑落する状況を観察した結果は表
2の通りであった。
【0020】
【表2】 以上のように本発明による塗膜表面の積雪滑落性は比較
例に比べて良好であった。表1及び表2の結果から湿り
雪の場合水接触角が大きくても必ずしも積雪の滑落性が
良いとは言えないことが確認された。また、3ヶ月間の
屋外暴露期間における塗膜表面の汚れの程度を比較する
と本発明の方が比較例に比べて著しく少ないことが確認
された。
【0021】
【実施例2】D塗料会社の常温硬化型ウレタン樹脂塗料
(着色)の主剤24gに(3)式に示されるC化合物を
1g加え、よく攪拌した後塗料会社指定の希釈剤を6g
加えた後、所定の硬化剤6gを加え、更によく攪拌混合
する。得られた塗工液を塗工液3とする。同様にして常
温硬化型ウレタン樹脂塗料(着色)の代わりに常温硬化
型ふっ素樹脂塗料(着色)の主剤を24gに(3)式に
示されるC化合物を0.9g加え、よく攪拌後塗料会社指
定の希釈剤を6g加えた後、所定の硬化剤3gを加え、
更によく攪拌混合する。得られた塗工液を塗工液4とす
る。同様にして塗工液3のC化合物の代わりに(4)式
に示されるF化合物を1.1g用いる以外はすべて同じ要
領で作成された塗工液を塗工液5とする。また、塗工液
4のC化合物の代わりに(4)式に示されるF化合物を
用いる以外はすべて同じ要領で作成された塗工液を塗工
液6とする。このようにして得られた4種類の塗工液を
ハンドスプレーにより8×15cmサイズの下塗りを施し
た試験塗り板に塗布し、室温1週間養生した後更に70
℃の定温乾燥機で4日間養生した。塗布した試験塗り板
により塗膜の水接触角及び水滴滑落角度を実施例1と同
じ要領で測定し、その結果を表3に示す。
【0022】
【表3】
【0023】上記と同じ組成の4種類の塗工液をそれぞ
れ300g作成し、40×60cmの鋼板に塗布し、試
験塗り板と同じ養生養生条件で塗膜の硬化促進を行っ
た。得られた塗装鋼板は実施例1と同じように傾斜角3
0°及び45°になるように屋外暴露台に設置した。比
較例として実施例1と同様にS社製品を用いた。気温が
−5〜−6℃、降雪速度が約5cm/hrの乾き雪が塗
装鋼板上に積雪した場合の滑落状況を観察した所、表4
の結果が得られた。
【0024】
【表4】 以上のように本発明による塗装表面の乾き雪の滑落状況
は、その見かけ比重が軽いためか湿り雪に比べて滑落し
始める積雪深さがやや大きくなるものの、滑落性は比較
例に比べて良好であった。この結果から明らかなように
乾き雪の滑落性は塗膜表面の水接触角と相関性が見られ
ることが分かった。また、非降雪期3ヶ月間屋外暴露し
た時の塗装表面の汚れ程度は比較例に比べてかなり少な
かった。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように本発明による滑雪性
塗料は道路交通用施設構造物等への着雪防止性或いは滑
雪性を付与することが出来、大きな着雪氷塊の落下によ
る種々なる災害事故防止に効果的である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水島 等 新潟県北蒲原郡京ヶ瀬村下里3610−155 水島鉄工株式会社社内 (72)発明者 坂井 勉 新潟県北蒲原郡京ヶ瀬村下里3610−155 水島鉄工株式会社社内 Fターム(参考) 4J038 CD091 DG001 DL031 NA07

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塗膜の水接触角が95〜130°である常
    温硬化型滑雪性塗料及びそれを塗布した滑雪性塗装物
  2. 【請求項2】常温硬化型ウレタン樹脂塗料又は常温硬化
    型ふっ素樹脂塗料に反応性水酸基含有シロキサン化合
    物、反応性水酸基含有フロロアルキルシロキサン化合物
    及び反応性水酸基含有フロロアルキル化合物のいずれか
    一つ又はそれらの混合物を添加することを特徴とする請
    求項1の常温硬化型滑雪性塗料及びその滑雪性塗装物
JP2002098610A 2002-04-01 2002-04-01 滑雪性塗料及びそれを塗布した滑雪性塗装物 Pending JP2003292902A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011037279A (ja) * 2010-10-18 2011-02-24 Nippon Steel Corp 塗装金属材

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