JP2003292334A - 光ファイバの製造方法および製造装置 - Google Patents
光ファイバの製造方法および製造装置Info
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Abstract
ることのできる光ファイバの製造方法および製造装置を
提供する。 【解決手段】 光ファイバ母材11から光ファイバ13
bを線引きする際に、光ファイバを回転させてねじりを
付与する光ファイバの製造方法・装置であって、光ファ
イバ13bを、第1揺動ローラ24の円弧状凹面のロー
ラ面24aに所定の圧力で接触させて、円弧状凹面の中
心を揺動中心として第1揺動ローラ24を揺動させるこ
とにより光ファイバ13bをねじることで、光ファイバ
のパスラインのぶれる量が少なくなり、揺動ローラが光
ファイバに与える圧力が安定する。従って、揺動ローラ
と光ファイバとの間の摩擦力が一定に保持されて滑りに
くいので、常に所定の回転力で光ファイバを効率よくね
じることができる。
Description
から光ファイバを線引きする際に、線引きされた光ファ
イバにねじりを付与する光ファイバの製造方法および製
造装置に関する。
・軟化させて線引きすることにより光ファイバを製造す
ることが行われているが、光ファイバのコア部およびそ
の周囲のクラッド部の断面形状を完全に真円形の同心円
状とすることは困難であり、わずかに楕円または歪んだ
円形となるのが一般的である。このため、光ファイバの
断面構造における屈折率分布も完全な同心円状ではな
く、光ファイバ断面内の直交する2偏波間の群速度に差
異が生じて、偏波分散が大きくなってしまうという問題
があった。
示されている光ファイバの製造方法が提案されている。
すなわち、図6に示すように、揺動ローラ100の揺動
運動により、そのローラ表面103で光ファイバ101
を転動させて、時計回りのねじり(+θ)と、反時計回
りのねじり(−θ)とを交番的に付与すると共に、揺動
ローラ100の真横方向に設置された次段の固定ローラ
102におけるV溝103に挿着することにより転動を
防止して、光ファイバ101にねじりを加えるようにし
ている。
おいて前述した光ファイバの製造方法および製造装置で
は、光ファイバ101にねじりを加える装置が、揺動ロ
ーラ100と固定ローラ102との組み合わせで構成さ
れているので大掛かりであるという問題がある。また、
揺動ローラ100を傾けることにより光ファイバ101
が斜め方向に移動しようとする力を利用して回転させる
ため、光ファイバ101の張力に依存して捩り量が変化
してしまい、一定したねじりを加えることが困難であ
る。さらに、光ファイバ101の被覆樹脂の種類により
光ファイバ101と揺動ローラ100との間の摩擦状況
が大きく変化するので、ねじりを加える効率が一定しな
いという問題がある。
ことにより偏波モード分散の小さい光ファイバを製造す
ることのできる光ファイバの製造方法および製造装置を
提供することにある。
ために、本発明に係る光ファイバの製造方法は、請求項
1に記載したように、光ファイバ母材から光ファイバを
線引きする際に、前記光ファイバを回転させてねじりを
付与する光ファイバの製造方法であって、前記光ファイ
バを、第1揺動ローラの円弧状凹面のローラ面に所定の
圧力で接触させて、前記円弧状凹面の中心を揺動中心と
して前記第1揺動ローラを揺動させることにより前記光
ファイバをねじること、特徴としている。
は、請求項6に記載したように、光ファイバ母材から光
ファイバを線引きする際に、前記光ファイバを回転させ
てねじりを付与するねじり機構を有する光ファイバの製
造装置であって、前記ねじり機構には、前記光ファイバ
が接触する円弧状凹面のローラ面を有すると共にこの円
弧状凹面の中心を揺動中心として揺動可能な第1揺動ロ
ーラを有することを特徴としている。
法または製造装置においては、光ファイバのパスライン
のぶれる量が少なくなるため、揺動ローラが光ファイバ
に与える圧力を安定させることができる。従って、揺動
ローラと光ファイバとの間の摩擦力が一定に保持されて
滑りにくいので、常に所定の回転力で光ファイバを効率
よくねじることができることとなる。この光ファイバの
製造方法・装置においては、従来のように光ファイバの
張力に依存してローラ面との間の摩擦力が変化して、ね
じりを付与する効率が変化するという問題を解消でき
る。
弧状凹面のローラ面の曲率半径を大きく設定する必要が
あるため、ローラ面の曲率半径が100mm以上のもの
が望ましい。また、光ファイバがローラ面上を滑らず転
動するためには、ローラ面の表面粗さが5μm以上であ
ることが望ましい。
は、請求項2に記載したように、請求項1に記載した光
ファイバの製造方法において、前記光ファイバを、前記
第1揺動ローラのローラ面と、前記揺動中心を中心とす
る円弧状凸面のローラ面を有する第2揺動ローラのロー
ラ面との間に所定の圧力で挟んで前記第1揺動ローラお
よび/または前記第2揺動ローラを揺動させて、前記光
ファイバをねじることを特徴としている。
は、請求項7に記載したように、請求項6に記載した光
ファイバの製造装置において、前記ねじり機構は、前記
第1揺動ローラの円弧状凹面のローラ面と一定の間隔を
有し且つ前記揺動中心を中心とする円弧状凸面であるロ
ーラ面を有すると共に当該揺動中心を中心として揺動す
る第2揺動ローラを有することを特徴としている。
法または製造装置においては、第1揺動ローラのローラ
面と第2揺動ローラのローラ面は両ローラの回転中心を
通る断面において揺動中心を中心とする同心円であり、
両揺動ローラのローラ面間に所定の圧力で挟まれた光フ
ァイバを回転させてねじるので、確実にねじることがで
きる。
に損傷を与えたり、線引きの条件が変化したりするた
め、所定の圧力としては、光ファイバを挟む力が1.0
N以下で調整することが望ましい。
は、請求項3に記載したように、請求項2に記載した光
ファイバの製造方法において、前記第1揺動ローラと前
記第2揺動ローラとが、同期して相反する方向へ揺動す
ることを特徴としている。
法においては、第1揺動ローラが傾く際の角度に対し
て、第2揺動ローラが反対方向へ傾く角度をパラメータ
として持たせることにより、光ファイバがローラ面上を
滑ることを防止することができる。
は、請求項4に記載したように、請求項1から3のいず
れか1項に記載した光ファイバの製造方法において、前
記第1揺動ローラの揺動角度を変動させることを特徴と
している。
は、請求項5に記載したように、請求項1から4のいず
れか1項に記載した光ファイバの製造方法において、前
記第1揺動ローラの揺動速度を変動させることを特徴と
している。
法においては、第1揺動ローラの揺動角度或いは揺動速
度を変動させることで、光ファイバにランダムなねじり
を与えることにより、偏波モード分散値を低減すること
ができる。
は、請求項8に記載したように、請求項7に記載した光
ファイバの製造装置において、前記第1揺動ローラおよ
び前記第2揺動ローラの少なくとも一方のローラ面が、
ゴム製であることを特徴としている。
体をゴムにより作製してもよいし、ローラ面のみゴムに
よりコーティングするようにしてもよい。
置においては、光ファイバを挟んだ際に光ファイバに損
傷を与えるのを防止することができる。また、ローラ面
と光ファイバとの間の摩擦力を大きくして確実に光ファ
イバを回転させてねじることができる。
製造方法および製造装置の実施形態を図面に基づいて詳
細に説明する。
製造装置10の全体を図3に示す。まず、VAD法(気
相軸付法)、OVD法(外付け法)、MCVD法(内付
け法)、あるいはロッドインチューブ法等で形成された
光ファイバ母材11を線引き炉にセットし、ヒータ12
によって加熱・軟化してガラスファイバ13aを線引き
する。
たガラスファイバ13aの外径を測定する。この測定結
果は、フィードバックされて所定の外径が得られるよう
にヒータ12の温度や線引速度が制御される。線引きさ
れたガラスファイバ13aは、冷却装置15により冷却
された後、樹脂塗布装置16により紫外線硬化型の液状
樹脂が塗布され、紫外線を照射する樹脂硬化装置17に
より樹脂を硬化させて樹脂被膜を形成する。
は、詳細を後述するファイバねじり機構18により回転
され、線引き炉内部の母材溶融部11aにねじりを付与
する。回転された光ファイバ13bは、ファイバねじり
機構18の下方に設けられているVローラ19にガイド
されローラ20、21、22を経て巻取り機23により
巻き取られる。
り機構18について説明する。図1および図2(A)に
示すように、このファイバねじり機構18では、光ファ
イバ13bが所定の圧力で接触する円弧状凹面のローラ
面24Aを有すると共にこの円弧状凹面の中心を揺動中
心Pとして揺動可能な第1揺動ローラ24を有してい
る。つまり、第1揺動ローラ24は鼓形状となってい
る。
弧状凹面のローラ面24Aと一定の間隔を有し且つ揺動
中心Pを中心とする円弧状凸面のローラ面25Aを有す
る。第2揺動ローラ25の揺動中心も揺動中心Pであ
る。図2に示す断面において、第1揺動ローラ24のロ
ーラ面24Aと、第2揺動ローラ25のローラ面25A
とは、揺動中心Pを中心とした同心円状にあることにな
る。第2揺動ローラ25は、球体を平行な平面でカット
した形状となっている。
には、円弧状凹面のローラ面24Aの曲率半径を大きく
設定する必要があり、このためローラ面24Aの曲率半
径を100mm以上とするのが望ましい。また、ローラ
面24A上を光ファイバ13bが滑らずに転動するため
には、ローラ面24Aの表面粗さを5μm以上にするこ
とが望ましい。また、光ファイバ13bを挟む圧力が強
いと光ファイバ13bに損傷を与えたり、線引きの条件
が変化したりするため、所定の圧力としては、光ファイ
バ13bを挟む力を1.0N以下で調整することが望ま
しい。
面24A、25Aの少なくとも一方はゴム製として、光
ファイバ13bを挟んだ際に光ファイバ13bに損傷を
与えるのを防止するようにする。ここで、ローラ面24
A(25A)がゴム製とは、ローラ全体をゴムにより作
製してもよいし、ローラ面24A(25A)のみゴムに
よりコーティングするようにしてもよい。
とを相反する方向に揺動させるには、モータを用いるこ
とができ、例えば、第1揺動ローラ24、第2揺動ロー
ラ25のそれぞれにモータを取り付けて相反する方向に
同期して揺動させる。また、1個のモータを用いて、第
1揺動ローラ24と第2揺動ローラ25とを歯車機構を
介して互い反対方向に同期して揺動させてもよい。
じり機構18における動作を説明する。図2(A)に示
すように、光ファイバ13bは、第1揺動ローラ24の
ローラ面24Aと、第2揺動ローラ25のローラ面25
Aに所定の圧力によって挟まれており、第1揺動ローラ
24は、図2(B)および(C)に示すように、揺動中
心Pを中心として左右に揺動する。これに伴って、第2
揺動ローラ25は、揺動中心Pを中心として第1揺動ロ
ーラ24と同期して相反する方向へ揺動する。
24をθ1だけ揺動させ、第2揺動ローラ25をθ1と
は相反する方向にθ2だけ揺動させる。第1揺動ローラ
24のローラ面24Aの曲率半径をR1、第2揺動ロー
ラ25のローラ面25Aの曲率半径をR2、回転される
光ファイバ13bの直径をd、第1揺動ローラ24の傾
き角度をθ1、第2揺動ローラ25の傾き角度をθ2と
すると、R1=R2+d、θ1={R2/(R2+
d)}×θ2 となる。これにより、両揺動ローラ2
4、25に挟まれた光ファイバ13bは回転するが、両
揺動ローラ24、25のローラ面24A、25Aが同期
して相反する方向へ移動するので、光ファイバ13bは
パスラインに留まることになる。
45mm、R1=100.245、R2=100mm、
θ1=9.976°、θ2=10°でねじり機構18を
設計した。光ファイバ13bの送り速度を100m/mi
n、両揺動ローラ24、25の往復周波数を10rpmと
し、光ファイバ13bに加わる圧力を1.0N以下に設
定し、第1、第2揺動ローラ24、25の表面粗さを5
μm以上に設定して相反する方向へ揺動させて光ファイ
バ13bを線引きすると、光ファイバ13bの回転数は
90.7回/minとなり、単位長さあたりのねじり回数
は、0.907回/mであった。表面粗さは、光ファイ
バの外径の大きさよりも小さくする。
製造装置10は、前述した実施形態に限定されるもので
なく、適宜な変形、改良等が可能である。すなわち、前
述した各実施形態では、第1揺動ローラ24と第2揺動ロ
ーラ25とを1組として設け、両揺動ローラ24、25
を揺動させたが、いずれか一方のみを揺動させてもよ
い。第2揺動ローラ25を設けずに第1揺動ローラ24の
みを設けることも可能である。この場合でも、第1揺動
ローラ24のローラ面24Aが円弧状凹面となっている
ので、光ファイバ13bは滑りにくく、確実に転動させ
てねじることができる。第1揺動ローラ24のみをもう
ける場合は、光ファイバに13bに所定の圧力で接触さ
せる結果、図4に示すように光ファイバのパスラインが
直線でなくなる。
ところ(図3に示すVローラ19)に設けてもよい。こ
の場合は、Vローラは不要となる。図5(a)に示すよ
うに円弧状凹面24Aをもつ第1揺動ローラ24と円弧
状凸面25Aをもつ第2揺動ローラ25との間に光ファ
イバ13bを挟みこんで第1、第2揺動ローラ24、2
5の両方あるいは一方を揺動させることでパスラインの
ぶれる量Dを少なくでき、光ファイバ13bに与える圧
力が安定する。
の揺動面103をもつ揺動ローラ100を用いて光ファ
イバ101を転動させていたため、揺動ローラ100の
揺動による光ファイバ101のぶれる量D'が大きく変
化するために、揺動面103が光ファイバ101を押し
付ける圧力が変化する。押し付ける圧力が小さくなると
揺動面103と光ファイバ101との摩擦力が小さくな
り、光ファイバ101が転動せずに滑ってしまうことが
あった。図5(a)に示す構成においては、光ファイバ
13bと第1、第2揺動ローラの摩擦力が略一定に保つ
ことができるために、光ファイバが第1、第2揺動揺動
ローラ24、25上において、滑ることが抑えられる。
つ第1揺動ローラ24のみを用いた場合においても、光
ファイバ13bのぶれる量D"が従来を比べ小さく抑え
ることができ、第1揺動ローラ24と光ファイバ13b
との摩擦力が安定でき、光ファイバ13bを滑ることな
く確実に転動させることができる。
ローラ24、25の揺動角度を一定とした場合について
説明したが、揺動角度を変動させることもできる。この
場合には、光ファイバの単位長さあたりのねじり回数を
変動させることができる。揺動角度をランダムに変動さ
せると、光ファイバ13bにランダムなねじりを与える
ことができ、偏波モード分散値を低減することができ
る。
3b搬送方向への回転速度を変動させることもできる。
この場合には、光ファイバ13bにランダムなねじりを
与えることにより、偏波モード分散値を低減することが
できる。
ファイバの製造方法および製造装置によれば、ねじり機
構の第1揺動ローラのローラ面が円弧状凹面なので光フ
ァイバとの間の摩擦力が一定に保持されて滑りにくいの
で、簡易なねじり機構により常に所定の回転力で光ファ
イバを効率よくねじることができることになる。
よび製造装置の実施形態を示す要部斜視図である。
位置と光ファイバとの関係を示す断面図であり、(A)
は第1、第2揺動ローラが直線上に配列された状態を、
(B)は第1揺動ローラが右方向に揺動された状態を、
(C)は第1揺動ローラが左方向に揺動された状態を示
している。各断面は、各揺動ローラのそれぞれの回転中
心を通る。
ファイバの製造装置の要部構成図である。
バの製造装置の要部構成図である。
断面図であり、(a)は本発明にかかる第1、第2揺動
ローラを用いた場合を、(b)は従来の揺動ローラを用
いた場合を、(c)は本発明に係る第1揺動ローラを用
いた場合を示している。
おけるねじり機構を示す説明図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 光ファイバ母材から光ファイバを線引き
する際に、前記光ファイバを回転させてねじりを付与す
る光ファイバの製造方法であって、 前記光ファイバを、第1揺動ローラの円弧状凹面のロー
ラ面に所定の圧力で接触させて、前記円弧状凹面の中心
を揺動中心として前記第1揺動ローラを揺動させること
により前記光ファイバをねじること、を特徴とする光フ
ァイバの製造方法。 - 【請求項2】 前記光ファイバを、前記第1揺動ローラ
のローラ面と、前記揺動中心を中心とする円弧状凸面の
ローラ面を有する第2揺動ローラのローラ面との間に所
定の圧力で挟んで前記第1揺動ローラおよび/または前
記第2揺動ローラを揺動させて、前記光ファイバをねじ
ることを特徴とする請求項1に記載した光ファイバの製
造方法。 - 【請求項3】 前記第1揺動ローラと前記第2揺動ローラ
とが、同期して相反する方向へ揺動することを特徴とす
る請求項2に記載した光ファイバの製造方法。 - 【請求項4】 前記第1揺動ローラの揺動角度を変動さ
せることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記
載した光ファイバの製造方法。 - 【請求項5】 前記第1揺動ローラの揺動速度を変動さ
せることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に
記載した光ファイバの製造方法。 - 【請求項6】 光ファイバ母材から光ファイバを線引き
する際に、前記光ファイバを回転させてねじりを付与す
るねじり機構を有する光ファイバの製造装置であって、 前記ねじり機構には、前記光ファイバが接触する円弧状
凹面のローラ面を有すると共に前記円弧状凹面の中心を
揺動中心として揺動可能な第1揺動ローラを有すること
を特徴とする光ファイバの製造装置。 - 【請求項7】 前記ねじり機構は、前記第1揺動ローラ
の円弧状凹面のローラ面と一定の間隔を有し且つ前記揺
動中心を中心とする円弧状凸面であるローラ面を有する
と共に当該揺動中心を中心として揺動する第2揺動ロー
ラを有することを特徴とする請求項6に記載した光ファ
イバの製造装置。 - 【請求項8】 前記第1揺動ローラおよび前記第2揺動ロ
ーラの少なくとも一方のローラ面が、ゴム製であること
を特徴とする請求項7に記載した光ファイバの製造装
置。
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