JP2003291648A - 車両用開閉窓の作動機構 - Google Patents

車両用開閉窓の作動機構

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JP2003291648A
JP2003291648A JP2002100424A JP2002100424A JP2003291648A JP 2003291648 A JP2003291648 A JP 2003291648A JP 2002100424 A JP2002100424 A JP 2002100424A JP 2002100424 A JP2002100424 A JP 2002100424A JP 2003291648 A JP2003291648 A JP 2003291648A
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opening
lever
temperature
shape memory
memory alloy
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Application number
JP2002100424A
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English (en)
Inventor
Naoki Hayashi
直樹 林
Takumi Tsuyusaki
匠 露崎
Yuta Urushiyama
雄太 漆山
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低コストで車室内の温度上昇を抑えることが
できる車両用開閉窓の作動機構の提供。 【解決手段】 車室と車外との間の開口部を開閉可能な
窓体と、開口部を開閉させるように窓体を駆動する窓体
駆動部19と、開口部近傍の温度を検出する温度検出部
26と、窓体により開口部が開かれた状態で、温度検出
部により検出された温度が予め設定された所定値を超え
た状態から該所定値以下になると窓体駆動部により窓体
を駆動して開口部を閉状態とする制御部20とを有す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用開閉窓の作
動機構に関し、特に、車室内が高温になるのを防止する
技術に関する。
【0002】
【従来の技術】特に夏期において、日中炎天下でエンジ
ンを停止させて車両を停車させておくと、当然のことな
がら車両の車室内の温度は大幅に上昇する。そして、こ
のように車室内の温度が上昇した状態で、次に車両に乗
り込んでエンジンを始動しエアコンを作動させても、車
室内の温度を低下させるのにかなりの時間がかかってし
まう。
【0003】このため、炎天下においてエンジンを停止
した状態でも、車室内の温度の上昇を防止する技術とし
て、例えば、サンルーフ内に内蔵された太陽電池パネル
の発電によりファンやエアコンを駆動する技術がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようにサンルーフに内蔵された太陽電池パネルの発電に
よってファンやエアコンを駆動するものは、当然のこと
ながら、太陽電池パネルを備えていることが前提となる
が、太陽電池パネルは高価であり、大幅なコスト増とな
ってしまう。
【0005】したがって、本発明は、低コストでも、車
室内の温度上昇を抑えることができる車両用開閉窓の作
動機構の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1記載の車両用開閉窓の作動機構
は、車室(例えば実施の形態における車室12a)と車
外(例えば実施の形態における車外12b)との間の開
口部(例えば実施の形態における開口部14)を開閉可
能な窓体(例えば実施の形態におけるサンルーフ本体1
5)と、前記開口部を開閉させるように前記窓体を駆動
する窓体駆動部(例えば実施の形態におけるサンルーフ
駆動部19)と、前記開口部近傍の温度を検出する温度
検出部(例えば実施の形態における温度検出センサユニ
ット26)と、前記開口部が開かれた状態で、前記温度
検出部により検出された温度が予め設定された所定値を
超えた状態から該所定値以下になると前記窓体駆動部に
より前記窓体を駆動して前記開口部を閉状態とする制御
部(例えば実施の形態における制御部20)とを有する
ことを特徴としている。
【0007】これにより、前記開口部を開いた状態とし
ておくことで、車室内の温度上昇を抑える。一方、開口
部を開いておくことで懸念される雨水の車室内への進入
については、雨が降り出して外気が下がると、この外気
が開口部を介して進入して、開口部近傍の温度を検出す
る温度検出部で検出される温度が下がることになり、こ
の温度が予め設定された所定値を超えた状態から該所定
値以下になると制御部が窓体駆動部により窓体を駆動し
て開口部を閉状態とすることで、雨水の車室内への進入
を防止する。
【0008】本発明の請求項2記載の車両用開閉窓の作
動機構は、請求項1記載のものに関して、前記温度検出
部は、温度が予め設定された所定値を超えた状態では伸
長状態である一方、該所定値を超えた状態から該所定値
以下になると縮長する形状記憶合金バネ(例えば実施の
形態における形状記憶合金バネ33)の前記伸長状態か
らの縮長によりオンされるスイッチ(例えば実施の形態
における温度検出センサユニット26)を有することを
特徴としている。
【0009】このように、温度変化による形状記憶合金
バネの伸長状態からの縮長によりオンされるスイッチで
窓体駆動部により窓体を駆動して開口部を閉状態とす
る。
【0010】本発明の請求項3記載の車両用開閉窓の作
動機構は、請求項2記載のものに関して、前記スイッチ
は、手動により移動操作される第1レバー(例えば実施
の形態における第1レバー31)と、該第1レバーとの
間に前記形状記憶合金バネが設けられるとともに手動に
より移動操作される第2レバー(例えば実施の形態にお
ける第2レバー34)と、該第2レバーの前記第1レバ
ーに対し反対側に設けられる押出部材(例えば実施の形
態における押出スペーサ46)と、該押出部材の前記第
2レバーに対し反対側に設けられるとともに第1電気接
点(例えば実施の形態における凸部57)を有する回転
部材(例えば実施の形態におけるリボルバ47)と、該
回転部材の回転角度を規制するとともに第2電気接点
(例えば実施の形態におけるハーネス接点44)を有す
る案内部(例えば実施の形態におけるユニットシリンダ
30,シリンダガイド37)と、前記回転部材を前記押
出部材の方向に付勢するバイアスバネ(例えば実施の形
態におけるバイアスバネ48)とを有し、前記第1レバ
ーの移動操作により前記形状記憶合金バネ、前記第2レ
バーおよび前記押出部材を介して前記回転部材を所定位
置まで移動させた状態で、前記第2レバーを前記第1レ
バーの方向に移動させて前記形状記憶合金バネの付勢力
を解除することにより前記回転部材は前記バイアスバネ
の付勢力で前記案内部に形成された第1傾斜面(例えば
実施の形態における第1案内傾斜面41)に沿って第1
回転位置まで回転して停止し、温度が前記所定値を超え
前記形状記憶合金バネが伸長した状態で前記回転部材
は、前記形状記憶合金バネおよび前記バイアスバネの付
勢力で回転が規制された状態となり、この状態から温度
が前記所定値以下となり前記形状記憶合金バネが縮長す
ると、前記回転部材は前記バイアスバネの付勢力で前記
案内部に形成された第2傾斜面(例えば実施の形態にお
ける第2案内傾斜面42)に沿って第2回転位置まで回
転させられ、前記第1回転位置から前記第2回転位置に
回転する間に前記第1電気接点と前記第2電気接点とが
電気的に導通することを特徴としている。
【0011】これにより、窓体によって車室と車外との
間の開口部を開いた状態で、第1レバーの移動操作によ
り回転部材を所定位置まで移動させた状態で、第2レバ
ーを第1レバーの方向に移動させて形状記憶合金バネの
付勢力を解除することにより回転部材はバイアスバネの
付勢力で案内部に形成された第1傾斜面に沿って第1回
転位置まで回転して停止する。そして、開口部近傍の温
度が前記所定値を超え形状記憶合金バネが伸長した状態
で回転部材は、形状記憶合金バネおよびバイアスバネの
付勢力で回転が規制された状態となっていて、車室と車
外との間の開口部を開いた状態が維持される。この状態
から温度が所定値以下となり形状記憶合金バネが縮長す
ると、回転部材はバイアスバネの付勢力で案内部に形成
された第2傾斜面に沿って第2回転位置まで回転させら
れ、このような第1回転位置から第2回転位置に回転す
る間に第1電気接点と第2電気接点とが電気的に導通
し、窓体駆動部により窓体を駆動して開口部を閉状態と
する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態の車両用開閉
窓の作動機構を図面を参照して以下に説明する。本実施
形態における車両用開閉窓はサンルーフであり、図1に
示すように、このサンルーフ11は、車体12のルーフ
13に形成され車室12aと車外12bとの間を連通さ
せる開口部14と、この開口部14を開閉可能なサンル
ーフ本体(窓体)15とを有している。そして、本実施
形態の作動機構は、図2に示すように、開口部14を開
閉させるようにサンルーフ本体15を駆動するサンルー
フ駆動部(窓体駆動部)19と、このサンルーフ駆動部
19の駆動を制御する制御部20とを有している。
【0013】サンルーフ駆動部19は、開口部14を閉
じた状態にあるサンルーフ本体15を傾斜させ開口部1
4を若干開いたチルトアップ状態とするチルトアップ作
動と、サンルーフ本体15を車体後方にスライドさせる
ことで開口部14を大きく開いた開状態とする開作動
と、開状態およびチルトアップ状態のサンルーフ本体1
5を閉状態とする閉作動とが可能であり、図3は、これ
らの作動を行うための電気系統図である。
【0014】図3において、符号22はサンルーフ駆動
部19の駆動源である電動モータを、符号23はバッテ
リを、符号24はイグニッションキーを、符号25は操
作者によってチルトアップ作動、開作動および閉作動の
切り替えが手動操作される手動スイッチを、符号26は
温度を検出し温度に基づいて作動する温度検出スイッチ
ユニット(温度検出部,スイッチ)をそれぞれ示してお
り、これらを接続させる配線を含むこれら以外の部分が
制御部20となっている。制御部20は、バッテリ23
の電源の切り替えによって電動モータ22の正転・逆転
・停止を制御する。なお、サンルーフ駆動部19は、電
動モータ22の正転時にチルトアップ作動および開作動
を行い、電動モータ22の逆転時に閉作動を行う。
【0015】温度検出スイッチユニット26は、開口部
14の近傍の温度を検出するもので、具体的には、図1
および図4に示すように開口部14の若干前側の車室1
2a内に設けられている。この温度検出スイッチユニッ
ト26は、検出温度が予め設定された所定値を超えた状
態から該所定値以下になるとオンされ電気的導通状態と
なり、それ以外の状態ではOFFされ電気的非導通状態
となる。そして、この温度検出スイッチユニット26が
オンされると、制御部20は、手動スイッチ25等の状
態とは無関係に電動モータ22を逆転させ、サンルーフ
本体15がチルトアップ状態にあった場合および開状態
にあった場合には、サンルーフ本体15を閉作動させて
閉状態とする。なお、電動モータ22は、トルク等を検
出しサンルーフ本体15が閉状態になると自動的に給電
が停止されるようになっている。
【0016】温度検出スイッチユニット26は、図5に
示すように、円筒状をなすユニットシリンダ(案内部)
30と、このユニットシリンダ30の軸線方向における
一端側においてこのユニットシリンダ30にその軸線に
沿ってスライド可能に支持される略円板状の第1レバー
31と、この第1レバー31にユニットシリンダ30の
内方に延出するように固定された円柱状のコネクティン
グロッド32と、このコネクティングロッド32を内側
に挿通させるように設けられたコイル状の形状記憶合金
バネ33と、この形状記憶合金バネ33の第1レバー3
1に対し反対側に配置されユニットシリンダ30にその
軸線に沿ってスライド可能に支持される略円板状の第2
レバー34とを有している。
【0017】ここで、ユニットシリンダ30内の前記一
端側の所定位置には三角形状の第1トリガ35が内方に
突出して形成されている。
【0018】また、ユニットシリンダ30内の他端側の
所定位置には、図6にも示すシリンダガイド(案内部)
37が固定されている。このシリンダガイド37には、
円周方向に等間隔をなす四カ所に軸線方向に貫通する第
1ガイド溝38が形成されており、円周方向に隣り合う
第1ガイド溝38同士の間の所定位置には、軸線方向に
貫通する第2ガイド溝39が形成されている。ここで、
第1ガイド溝38は、その底部がユニットシリンダ30
の内周面とされており、第2ガイド溝39は、この第1
ガイド溝38よりも浅く形成されている。
【0019】シリンダガイド37のユニットシリンダ3
0における前記他端側には、各第1ガイド溝38からそ
れぞれ円周方向に隣り合う第2ガイド溝39の第1ガイ
ド溝38に対し反対側の端部位置まで、第2ガイド溝3
9側の方がユニットシリンダ30における前記一端側に
位置するように傾斜する第1案内傾斜面(第1傾斜面)
41が形成されており、また、各第2ガイド溝39の前
記端部位置からそれぞれ円周方向に次に隣り合う第1ガ
イド溝38まで、この第1ガイド溝38側の方がユニッ
トシリンダ30における前記一端側に位置するように傾
斜する第2案内傾斜面(第2傾斜面)42が形成されて
いる。ここで、これら第1案内傾斜面41および第2案
内傾斜面42は、互いの高さをほぼ合わせており、その
結果、これらの間には、ユニットシリンダ30の軸線方
向に沿う段部43が形成されている。さらに、ユニット
シリンダ30の各第2案内傾斜面42上となる内周面に
はそれぞれハーネス接点(第2電気接点)44が固定さ
れている。
【0020】第1レバー31は、手動により移動操作さ
れるもので、操作時に乗員により把持される操作片部3
1aがユニットシリンダ30から半径方向外側に突出し
ている。同様に、第2レバー34も、手動により移動操
作されるもので、操作時に乗員により把持される操作片
部34aがユニットシリンダ30から半径方向における
操作片部31aと同方向に突出している。第2レバー3
4には、中央にコネクティングロッド32を挿通させる
貫通孔34bが形成されている。
【0021】形状記憶合金バネ33は、材料の変態温度
とバイアスバネ48とにより、温度が予め設定された所
定の伸縮境界値(所定値)を超えた状態では長さが長い
伸長状態となり、温度がこの伸縮境界値以下であると長
さが短い縮長状態となる。すなわち、形状記憶合金バネ
33は、温度が予め設定された所定の伸縮境界値を超え
た状態では長さが長い伸長状態である一方、伸縮境界値
を超えた状態から該伸縮境界値以下になると縮長する。
なお、上記配置の結果、形状記憶合金バネ33は第1レ
バー31と第2レバー34との間に設けられている。
【0022】温度検出スイッチユニット26は、第2レ
バー34の第1レバー31に対し反対側に設けられる図
7にも示す円板状の押出スペーサ(押出部材)46と、
押出スペーサ46の第2レバー34に対し反対側に設け
られる図8にも示す短円柱状のリボルバ(回転部材)4
7と、リボルバ47を押出スペーサ46の方向に付勢す
るコイル状のバイアスバネ48と、ユニットシリンダ3
0内の所定位置から内方に突出するトリガ部49aを有
するとともにユニットシリンダ30の内周面に沿って延
出しリボルバ47に連結される第2トリガ49とを有し
ている。
【0023】押出スペーサ46には、円周方向に等間隔
をなす四カ所に半径方向外方に突出する第1凸部51が
それぞれ形成されており、円周方向に隣り合う第1凸部
51同士の間の所定位置に第2凸部52がぞれぞれ形成
されている。押出スペーサ46の第1凸部51はユニッ
トシリンダ30の軸線方向に沿った移動が第1ガイド溝
38で案内され、第2凸部52はユニットシリンダ30
の軸線方向に沿った移動が第2ガイド溝39で案内され
る。
【0024】第1凸部51のユニットシリンダ30にお
ける前記他端側の先端部は、尖った形状をなしており、
その結果、この先端部の円周方向における一側には、第
1案内傾斜面41および第2案内傾斜面42と同様に傾
斜する第1先端傾斜面54が形成されている。
【0025】また、第2凸部52のユニットシリンダ3
0における前記他端側の先端部も、尖った形状をなして
おり、その結果、この先端部の円周方向における一側に
も、第1案内傾斜面41および第2案内傾斜面42と同
様に傾斜する第2先端傾斜面55が形成されている。
【0026】リボルバ47には、円周方向に等間隔をな
す四カ所に半径方向外方に突出する凸部(第1電気接
点)57が形成されており、凸部57はユニットシリン
ダ30の軸線方向に沿った移動が第1ガイド溝38で案
内される。凸部57のユニットシリンダ30における前
記一端側の先端部には、第1案内傾斜面41および第2
案内傾斜面42と同様に傾斜する傾斜面58が形成され
ており、この傾斜面58においてこれら第1案内傾斜面
41および第2案内傾斜面42に沿って移動する。ま
た、段部43に凸部57が当接することによってリボル
バ47の回転角度が規制される。なお、この凸部57は
電気接点にもなっている。
【0027】このような温度検出スイッチユニット26
は、待機状態において、図5および図6に示すように、
バイアスバネ48の付勢力でリボルバ47、押出スペー
サ46、第2レバー34および第1レバー31が所定の
待機位置まで戻されている。なお、この待機位置にある
とき、リボルバ47はその凸部57をシリンダガイド3
7の第1ガイド溝38内に位置させているが、形状記憶
合金バネ33が伸長状態および縮長状態のいずれの状態
にあってもリボルバ47の凸部57が第1ガイド溝38
から抜け出ることはない。
【0028】以上のような構成の車両用開閉窓の作動機
構の作動について説明する。夏期の日中炎天下で車両を
停車させて乗員が車両から離れる場合に、車室内が高温
になるのを防止するために、例えば、手動スイッチ25
の操作によりサンルーフ本体15を傾斜させることによ
り開口部14を若干開いた状態とするチルトアップ状態
としてから、エンジンを停止させる。
【0029】エンジン停止の前後に、乗員が、待機状態
にあった温度検出スイッチユニット26の第1レバー3
1をユニットシリンダ30における前記他端側にスライ
ドさせる。すると、図9に示すように、このスライドに
より形状記憶合金バネ33、第2レバー34および押出
スペーサ46を介してリボルバ47がバイアスバネ48
を縮長させながらユニットシリンダ30における前記他
端側に移動する。このとき、リボルバ47は凸部57
を、押出スペーサ46は第1凸部51を、それぞれシリ
ンダガイド37の第1ガイド溝38内で移動させ、最終
的にリボルバ47の凸部57が第1ガイド溝38から抜
け出る位置まで移動する。
【0030】次に、乗員が、第2レバー34を第1レバ
ー31の方向に、貫通孔34bにコネクティングロッド
32を挿通させながら移動させる。すると、図10に示
すようにリボルバ47に導入されていた形状記憶合金バ
ネ33の付勢力が解除され、基本的にリボルバ47には
バイアスバネ48の付勢力のみが導入される(このと
き、押出スペーサ46はコネクティングロッド32で支
えられている)。その結果、リボルバ47の凸部57の
傾斜面58が押出スペーサ46の第1凸部51の第1先
端傾斜面54およびシリンダガイド37の第1案内傾斜
面41に沿って移動することになり、図11に示すよう
に、リボルバ47が回転し、その凸部57がシリンダガ
イド37の第1案内傾斜面41上にあって段部43に当
接してそれ以上の回転が規制された停止状態になる。こ
のときのリボルバ47の回転位置を第1回転位置とす
る。この第2レバー34の移動で第1レバー31も戻り
方向に移動し、第1トリガ35に当接して停止すること
になる。
【0031】ここで、このとき、温度検出スイッチユニ
ット26の温度が伸縮境界値以下であると、図11に示
すように、形状記憶合金バネ33が縮長状態にあり、リ
ボルバ47の凸部57がシリンダガイド37の第1案内
傾斜面41上にあって段部43に当接した状態となって
いる。そして、その後に温度検出スイッチユニット26
の形状記憶合金バネ33の温度が車室内温度の上昇で伸
縮境界値を超えると、図12に示すように、形状記憶合
金バネ33が伸長状態となり、その付勢力で第2レバー
34および押出スペーサ46を介してリボルバ47がバ
イアスバネ48を縮長させながらユニットシリンダ30
における前記他端側に、リボルバ47の凸部57が段部
43を越えるまで移動する。この状態では、形状記憶合
金バネ33の付勢力とバイアスバネ48の反発力とのつ
りあいによってリボルバ47の回転は規制されている。
【0032】一方、図10〜図11に示す第2レバー3
4の移動操作時に、温度検出スイッチユニット26の形
状記憶合金バネ33の温度がすでに伸縮境界値を超えた
状態にあると、図12に示すように、第2レバー34の
移動操作でリボルバ47がシリンダガイド37の第1案
内傾斜面41上にあって段部43に当接してそれ以上の
回転が規制された状態になった後、第2レバー34を乗
員が離すと、すでに伸長状態にあって強制的に縮長させ
られていた形状記憶合金バネ33の付勢力により、第2
レバー34および押出スペーサ46を介してリボルバ4
7がバイアスバネ48を縮長させながらユニットシリン
ダ30における前記他端側に、リボルバ47の凸部57
が段部43を越えるまで移動する。この状態では形状記
憶合金バネ33の付勢力とバイアスバネ48の反発力と
のつりあいによってリボルバ47の回転は規制されてい
る。
【0033】そして、上記いずれの場合も、温度検出ス
イッチユニット26の温度が伸縮境界値を超えた状態
で、にわか雨等により温度が下げられた空気が開口部1
4から車室12a内に流入して、温度検出スイッチユニ
ット26の形状記憶合金バネ33の温度が伸縮境界値以
下に下がると、形状記憶合金バネ33が縮長を開始しリ
ボルバ47に導入されていた形状記憶合金バネ33の付
勢力が解除され、基本的にリボルバ47にはバイアスバ
ネ48の付勢力のみが導入されることになる。その結
果、図13および図14に示すように、リボルバ47の
凸部57の傾斜面58が押出スペーサ46の第2凸部5
2の第2先端傾斜面55およびシリンダガイド37の第
2案内傾斜面42に沿って移動しつつリボルバ47が回
転し、最終的にその凸部57がシリンダガイド37の次
の第1ガイド溝38に入り込むことで回転が規制され
る。このときのリボルバ47の回転位置を第2回転位置
とする。
【0034】そして、このようにリボルバ47が第1回
転位置から第2回転位置まで回転している途中、すなわ
ち、リボルバ47の凸部57がシリンダガイド37の第
2案内傾斜面42に沿って移動している途中で、第2案
内傾斜面42上に設けられたハーネス接点44と電気接
点である凸部57とが接触し電気的に導通する(すなわ
ちオンされる)。この電気的導通で、制御部20が電動
モータ22を逆転させて、サンルーフ本体15を閉状態
とする。なお、形状記憶合金バネ33が縮長すると、バ
イアスバネ48の付勢力で、リボルバ47、押出スペー
サ46、第2レバー34、形状記憶合金バネ33および
第1レバー31は待機状態に戻される。
【0035】以上に述べた本実施形態の車両用開閉窓の
作動機構によれば、サンルーフ本体15により車室12
aと車外12bとの間の開口部14を開いた状態として
おくことで、車室12a内の温度上昇を抑える。一方、
開口部14を開いておくことで懸念される雨水の車室1
2a内への進入については、雨が降り出して外気が下が
ると、この外気が開口部14を介して進入して、開口部
14の近傍の温度を検出する温度検出センサユニット2
6で検出される温度が下がることになり、この温度が予
め設定された伸縮境界値を超えた状態から伸縮境界値以
下になると制御部20がサンルーフ駆動部19の電動モ
ータ22によりサンルーフ本体15を駆動して開口部1
4を閉状態とすることで、雨水の車室12a内への進入
を防止する。
【0036】このように、高価な太陽電池パネルを必要
とせずに、サンルーフ本体15により車室12aと車外
12bとの間の開口部14を開いておくという簡単かつ
低コストな構成で車室12a内の温度上昇を抑えること
ができる上、開口部14を開いておくことで懸念される
雨水の車室12a内への進入をも防止することができ
る。
【0037】また、温度変化による形状記憶合金バネ3
3の伸長状態からの縮長によりオンされる温度検出スイ
ッチユニット26でサンルーフ駆動部19の電動モータ
22によりサンルーフ本体15を駆動して開口部14を
閉状態とするため、確実にコストを低減することができ
る。
【0038】さらに言えば、サンルーフ本体15により
車室12aと車外12bとの間の開口部14を開いた状
態で、第1レバー31の移動操作によりリボルバ47を
所定位置まで移動させた状態で、第2レバー34を第1
レバー31の方向に移動させて形状記憶合金バネ33の
付勢力を解除することによりリボルバ47はバイアスバ
ネ48の付勢力でシリンダガイド37に形成された第1
案内傾斜面41に沿って第1回転位置まで回転して停止
する。そして、開口部14の近傍の温度が伸縮境界値を
超え形状記憶合金バネ33が伸長した状態でリボルバ4
7は、形状記憶合金バネ33およびバイアスバネ48の
付勢力で回転が規制された状態となっていて、車室12
aと車外12bとの間の開口部14を開いた状態が維持
される。この状態から雨が降り出し温度が下がって所定
値以下となり形状記憶合金バネ33が縮長すると、リボ
ルバ47はバイアスバネ48の付勢力でシリンダガイド
37に形成された第2案内傾斜面42に沿って第2回転
位置まで回転させられ、このような第1回転位置から第
2回転位置に回転する間にハーネス接点44と電気接点
である凸部57とが電気的に導通し、サンルーフ駆動部
19によりサンルーフ本体15を駆動して開口部14を
閉状態とする。このため、確実にコストを低減すること
ができる。
【0039】なお、以上の実施形態においては、乗員が
車両から離れる場合に、車室12a内が高温になるのを
防止するためにサンルーフ11の開口部14を若干開い
た状態とし、にわか雨や気温低下時に乗員が車両から離
れていても自動的にサンルーフ本体15で開口部14を
閉じる場合を例にとり説明したが、上記と同様の構成で
あって温度が伸縮境界値を超えるとオンする温度検出ス
イッチを組み合わせて、形状記憶合金バネ33の温度が
伸縮境界値を超えると自動的にサンルーフ本体15で開
口部14を開いた状態とし、形状記憶合金バネ33の温
度が伸縮境界値以下になると自動的にサンルーフ本体1
5で開口部14を閉じた状態とするように全自動開閉化
することも可能である。
【0040】また、車室12a内が高温になるのを防止
するために車体側部や車体後部の窓を若干開いた状態と
し、にわか雨や気温低下時に自動的にこれらの窓を閉じ
るようにしても良い。
【0041】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の請求項1
記載の車両用開閉窓の作動機構によれば、前記開口部を
開いた状態としておくことで、車室内の温度上昇を抑え
る。一方、開口部を開いておくことで懸念される雨水の
車室内への進入については、雨が降り出して外気が下が
ると、この外気が開口部を介して進入して、開口部近傍
の温度を検出する温度検出部で検出される温度が下がる
ことになり、この温度が予め設定された所定値を超えた
状態から該所定値以下になると制御部が窓体駆動部によ
り窓体を駆動して開口部を閉状態とすることで、雨水の
車室内への進入を防止する。このように、高価な太陽電
池パネルを必要とせずに、窓体により車室と車外との間
の開口部を開いておくという簡単かつ低コストな構成で
車室内の温度上昇を抑えることができる上、開口部を開
いておくことで懸念される雨水の車室内への進入をも防
止することができる。
【0042】本発明の請求項2記載の車両用開閉窓の作
動機構によれば、温度変化による形状記憶合金バネの伸
長状態からの縮長によりオンされるスイッチで窓体駆動
部により窓体を駆動して開口部を閉状態とする。したが
って、従来のサンルーフ内に内蔵された太陽電池パネル
の発電によりファンやエアコンを駆動する技術に比し
て、本発明のスイッチを付加するのみであるので、確実
にコストを低減することができる。
【0043】本発明の請求項3記載の車両用開閉窓の作
動機構によれば、窓体により車室と車外との間の開口部
を開いた状態で、第1レバーの移動操作により回転部材
を所定位置まで移動させた状態で、第2レバーを第1レ
バーの方向に移動させて形状記憶合金バネの付勢力を解
除することにより回転部材はバイアスバネの付勢力で案
内部に形成された第1傾斜面に沿って第1回転位置まで
回転して停止する。そして、開口部近傍の温度が前記所
定値を超え形状記憶合金バネが伸長した状態で回転部材
は、形状記憶合金バネおよびバイアスバネの付勢力で回
転が規制された状態となっていて、車室と車外との間の
開口部を開いた状態が維持される。この状態から温度が
所定値以下となり形状記憶合金バネが縮長すると、回転
部材はバイアスバネの付勢力で案内部に形成された第2
傾斜面に沿って第2回転位置まで回転させられ、このよ
うな第1回転位置から第2回転位置に回転する間に第1
電気接点と第2電気接点とが電気的に導通し、窓体駆動
部により窓体を駆動して開口部を閉状態とする。したが
って、従来のサンルーフ内に内蔵された太陽電池パネル
の発電によりファンやエアコンを駆動する技術に比し
て、本発明のスイッチを付加するのみであるので、さら
に確実にコストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態におけるサンルーフおよ
び温度検出スイッチユニットを示す側断面図である。
【図2】 本発明の一実施形態の制御系を示すブロック
図である。
【図3】 本発明の一実施形態の制御系を示す電気回路
図である。
【図4】 本発明の一実施形態が適用される車両のサン
ルーフおよび温度検出スイッチユニットを示す部分平面
図である。
【図5】 本発明の一実施形態における温度検出スイッ
チユニットを示す正断面図であって待機状態を示すも
の。
【図6】 本発明の一実施形態における温度検出スイッ
チユニットを示す側断面図であって待機状態を示すも
の。
【図7】 本発明の一実施形態における温度検出スイッ
チユニットの押出スペーサを示すもので、(a)は側面
図、(b)は平面図である。
【図8】 本発明の一実施形態における温度検出スイッ
チユニットのリボルバを示すもので、(a)は側面図、
(b)は平面図である。
【図9】 本発明の一実施形態における温度検出スイッ
チユニットを示す正断面図であって図5の状態の後に第
1レバーを移動させた状態を示すもの。
【図10】 本発明の一実施形態における温度検出スイ
ッチユニットを示す正断面図であって図9の状態の後に
第2レバーを移動させた状態を示すもの。
【図11】 本発明の一実施形態における温度検出スイ
ッチユニットを示す正断面図であって図10の状態の後
にレボルバが回転した状態を示すもの。
【図12】 本発明の一実施形態における温度検出スイ
ッチユニットを示す正断面図であって図11の状態の後
に形状記憶合金バネが伸長した状態を示すもの。
【図13】 本発明の一実施形態における温度検出スイ
ッチユニットを示す正断面図であって図12の状態の後
に形状記憶合金バネが縮長を開始した状態を示すもの。
【図14】 本発明の一実施形態における温度検出スイ
ッチユニットを示す側断面図であって図12の状態の後
に形状記憶合金バネが縮長を開始した状態を示すもの。
【符号の説明】
11 サンルーフ(車両用開閉窓) 12a 車室 12b 車外 14 開口部 15 サンルーフ本体(窓体) 19 サンルーフ駆動部(窓体駆動部) 20 制御部 26 温度検出センサユニット(温度検出部,スイッ
チ) 30 ユニットシリンダ(案内部) 33 形状記憶合金バネ 31 第1レバー 34 第2レバー 37 シリンダガイド(案内部) 41 第1傾斜面(第1案内傾斜面) 42 第2傾斜面(第2案内傾斜面) 44 ハーネス接点(第2電気接点) 46 押出スペーサ(押出部材) 47 リボルバ(回転部材) 48 バイアスバネ 57 凸部(第1電気接点)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 漆山 雄太 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車室と車外との間の開口部を開閉可能な
    窓体と、 前記開口部を開閉させるように前記窓体を駆動する窓体
    駆動部と、 前記開口部近傍の温度を検出する温度検出部と、 前記窓体により前記開口部が開かれた状態で、前記温度
    検出部により検出された温度が予め設定された所定値を
    超えた状態から該所定値以下になると前記窓体駆動部に
    より前記窓体を駆動して前記開口部を閉状態とする制御
    部とを有することを特徴とする車両用開閉窓の作動機
    構。
  2. 【請求項2】 前記温度検出部は、温度が予め設定され
    た所定値を超えた状態では伸長状態である一方、該所定
    値を超えた状態から該所定値以下になると縮長する形状
    記憶合金バネの前記伸長状態からの縮長によりオンされ
    るスイッチを有することを特徴とする請求項1記載の車
    両用開閉窓の作動機構。
  3. 【請求項3】 前記スイッチは、 手動により移動操作される第1レバーと、 該第1レバーとの間に前記形状記憶合金バネが設けられ
    るとともに手動により移動操作される第2レバーと、 該第2レバーの前記第1レバーに対し反対側に設けられ
    る押出部材と、 該押出部材の前記第2レバーに対し反対側に設けられる
    とともに第1電気接点を有する回転部材と、 該回転部材の回転角度を規制するとともに第2電気接点
    を有する案内部と、 前記回転部材を前記押出部材の方向に付勢するバイアス
    バネとを有し、 前記第1レバーの移動操作により前記形状記憶合金バ
    ネ、前記第2レバーおよび前記押出部材を介して前記回
    転部材を所定位置まで移動させた状態で、前記第2レバ
    ーを前記第1レバーの方向に移動させて前記形状記憶合
    金バネの付勢力を解除することにより前記回転部材は前
    記バイアスバネの付勢力で前記案内部に形成された第1
    傾斜面に沿って第1回転位置まで回転して停止し、温度
    が前記所定値を超え前記形状記憶合金バネが伸長した状
    態で前記回転部材は、前記形状記憶合金バネおよび前記
    バイアスバネの付勢力で回転が規制された状態となり、
    この状態から温度が前記所定値以下となり前記形状記憶
    合金バネが縮長すると、前記回転部材は前記バイアスバ
    ネの付勢力で前記案内部に形成された第2傾斜面に沿っ
    て第2回転位置まで回転させられ、前記第1回転位置か
    ら前記第2回転位置に回転する間に前記第1電気接点と
    前記第2電気接点とが電気的に導通することを特徴とす
    る請求項2記載の車両用開閉窓の作動機構。
JP2002100424A 2002-04-02 2002-04-02 車両用開閉窓の作動機構 Withdrawn JP2003291648A (ja)

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JP2009526695A (ja) * 2006-02-13 2009-07-23 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング エアコンディショニングのための装置および方法
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CN115208249A (zh) * 2022-07-12 2022-10-18 上海应用技术大学 一种自动开合的屋顶装置

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