JP2003291396A - 書込ヘッドおよびそれを用いた画像形成装置 - Google Patents

書込ヘッドおよびそれを用いた画像形成装置

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JP2003291396A
JP2003291396A JP2002094899A JP2002094899A JP2003291396A JP 2003291396 A JP2003291396 A JP 2003291396A JP 2002094899 A JP2002094899 A JP 2002094899A JP 2002094899 A JP2002094899 A JP 2002094899A JP 2003291396 A JP2003291396 A JP 2003291396A
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Shinichi Kamoshita
伸一 鴨志田
Atsunori Kitazawa
淳憲 北澤
Kenjiro Yoshioka
研二郎 吉岡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】解像度の高い画像を得るとともに、駆動した書
込電極の幅に対応する静電潜像を形成させ、書き込まれ
る潜像およびトナー像の不均一性を解消する。 【解決手段】像担持体2の軸方向に沿って像担持体と接
触配置される複数の書込電極3bを備えた書込ヘッド3
において、像担持体2の軸方向Yおよび周方向Xに複数
の書込電極3bを配置し、かつ、軸方向Yで最隣接する
書込電極3bが像担持体の周方向でオーバーラップしな
いように配置した構成。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、書込ヘッドの書込
電極により像担持体上に静電潜像を形成することにより
画像を形成する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、静電複写機やプリンタ等の画像形
成装置においては、一般的に帯電装置により感光体の表
面を一様帯電し、この一様帯電された感光体の表面にレ
ーザ光あるいはLEDランプ光等の露光装置の光を露光
することにより、感光体の表面に静電潜像を形成するよ
うにしている。そして、感光体の表面の静電潜像を現像
装置で現像して感光体の表面にトナー像を形成し、この
トナー像を転写装置によって紙等の転写材に転写して画
像を形成している。
【0003】このような従来の一般的な画像形成装置で
は、静電潜像の書込装置である露光装置がレーザ光ある
いはLEDランプ光発生装置等によって構成されている
ため、画像形成装置が大型でかつ複雑な構成になってい
る。
【0004】そこで、静電潜像の書込装置として、レー
ザ光やLEDランプ光を用いずに書込電極により像担持
体の表面に静電潜像を書き込む画像形成装置が特開20
01ー287396により提案され、また、本出願人
は、特願2001−227630により特許出願を行っ
ている。
【0005】図1は、前記特願2001−227630
の基本構成を模式的に示す図である。この画像形成装置
1は、導電性材料からなるとともに接地されている基材
2aの外周に絶縁性を有して設けられ、かつ静電潜像が
形成される帯電体層2bを有する像担持体2と、絶縁性
が高くかつ比較的柔らかく弾性のある可撓性の基材3a
に支持されかつこの基材3aの撓みによる弱い弾性復元
力で像担持体2の帯電体層2b上に軽く押圧されて面接
触し、この帯電体層2b上に静電潜像を書き込む書込電
極3bを有する書込ヘッド3と、現像剤担持体である現
像ローラ4aを有する現像装置4と、転写部材である転
写ローラ6aを有する転写装置6とを少なくとも備えて
いる。
【0006】このように構成された画像形成装置1にお
いては、像担持体2の帯電体層2b上を一様電荷状態に
した後、書込電極3bに書込電圧が書込電極3bのIC
ドライバ11を介して印加され、主として、互いに面接
触している像担持体2と書込ヘッド3の書込電極3bと
の間の電荷移動(例えば、電荷注入等)により、静電潜
像が一様電荷状態の像担持体2上に書き込まれる。そし
て、像担持体2上の静電潜像が像担持体2の帯電体層2
b上に書き込まれる。そして、像担持体2の帯電体層2
b上の静電潜像が現像装置4の現像ローラ4aによって
搬送される現像剤で現像され、その現像剤像が、転写電
圧が印加された転写ローラ6aにより紙等の転写材5に
転写される。
【0007】図2は、図1の書込ヘッド3の例を示し、
複数の書込電極3b1〜3b5を像担持体2の軸方向に3b
1、3b3、3b5と3b2、3b4の二列に配列し、かつ、そ
れぞれの列の書込電極3b1、3b3、3b5と3b2、3b4
を、像担持体2の軸方向Yと直角な方向(像担持体2の
周方向)でオーバーラップするように配置している。こ
のように配置する理由は、図11(A)に示すように、
書込電極3bを単に像担持体2の軸方向Yに一列に配列
した場合には、隣接する書込電極3b間の間隙Lを小さ
くすると、書込電極3b間にクロストーク(電流の漏
れ)が生じるため、書込電極3b間の間隙Lをある程度
確保する必要があり、その結果、解像度の高い画像が得
られないからである。そして、複数の書込電極のうち、
所定数(図示例では5個)の書込電極がそれぞれそれら
の書込電極を所定電圧または接地電圧に切り替えること
で駆動制御する1つのドライバ11に接続されて1組に
まとめられており、この組の複数組が像担持体2の軸方
向Yに一列に配列されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】図3の右側部は、像担
持体2をX方向に回転させ、書込電極3b1〜3b5をオン
オフした時に形成される静電潜像のパターン1〜3を示
している。パターン1は、書込電極3b1〜3b5を全てオ
ンした場合で、書込電極3b1〜3b5のY方向の幅に対応
した静電潜像が形成される。パターン2は、書込電極3
b1、3b3、3b5をオンにし、書込電極3b2、3b4をオフ
した場合で、書込電極3b1、3b3、3b5のY方向の幅に
対応した静電潜像が形成される。
【0009】しかしながら、パターン3に示すように、
書込電極3b2、3b4をオンし、書込電極3b1、3b3、3
b5をオフした場合には、書込電極3b2、3b4のY方向の
幅Y1に形成された静電潜像が、書込電極3b2、3b4と
書込電極3b1、3b3、3b5がオーバーラップしているた
め、下流側の書込電極3b1、3b3、3b5によって消去さ
れてしまい、書込電極3b1と3b3、3b3と3b5との間隔
の幅Y2でしか静電潜像が形成されないという問題を有
している。
【0010】本発明は、上記従来の問題を解決するもの
であって、解像度の高い画像を得るとともに、駆動した
書込電極の幅に対応する静電潜像を形成させ、書き込ま
れる潜像およびトナー像の不均一性を解消することがで
きる書込ヘッドおよびそれを用いた画像形成装置を提供
することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1記載の書込ヘッドは、像担持体の
軸方向に沿って像担持体と接触配置される複数の書込電
極を備えた書込ヘッドにおいて、像担持体の軸方向およ
び周方向に複数の書込電極を配置し、かつ、軸方向で最
隣接する書込電極が像担持体の周方向でオーバーラップ
しないように配置したことを特徴とし、請求項2記載の
発明は、請求項1において、前記書込電極が千鳥状に配
置されていることを特徴とし、請求項3記載の発明は、
請求項1または2において、前記最隣接する書込電極間
に間隔がある場合には、該間隔部に電圧印加部材により
電圧を印加することを特徴とし、また、請求項4記載の
画像形成装置は、静電潜像が形成される像担持体と、前
記潜像担持体に前記静電潜像を書き込む書込ヘッドと、
前記像担持体上の前記静電潜像を現像する現像装置とを
少なくとも備え、前記書込ヘッドによって前記像担持体
に書き込まれた前記静電潜像を前記現像装置で現像する
ことにより画像を形成する画像形成装置において、前記
書込ヘッドは、像担持体の軸方向に沿って像担持体と接
触配置される複数の書込電極を備え、前記複数の書込電
極は、像担持体の軸方向および周方向に配置され、か
つ、軸方向で最隣接する書込電極が像担持体の周方向で
オーバーラップしないように配置したことを特徴とし、
請求項5記載の発明は、請求項4において、前記書込ヘ
ッドおよび前記現像装置は、黒、イエロー、マゼンタお
よびシアンの各色毎に設けられており、前記像担持体上
に各色の前記書込ヘッドおよび前記現像装置で各色の現
像剤像が重ね合わされて形成されるようになっているこ
とを特徴とし、請求項6記載の発明は、請求項4におい
て、前記像担持体、前記書込ヘッドおよび前記現像装置
を、黒、イエロー、マゼンタおよびシアンの各色毎に設
けることでこれらの各色毎の画像形成装置がタンデムに
配設されていることを特徴とし、請求項7記載の発明
は、請求項4において、前記各色毎の画像形成装置によ
り各色毎の現像剤像が中間転写される中間転写装置が設
けられていることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて、本発明の実
施の形態について説明する。図3は、本発明の画像形成
装置の1実施形態を示し、図(A)は基本構成を模式的
に示す図、図(B)は図(A)の具体的構成を示す斜視
図、図4は、図3の像担持体を部分的にかつ模式的に示
す拡大図である。
【0013】図3に示すように、画像形成装置1は、ア
ルミニウム等の導電性材料からなるとともに接地されて
いる基材2aの外周に絶縁性を有して設けられ、かつ静
電潜像が形成される帯電体層2bを有する像担持体2
と、FPC(Flexible Print Circuit )あるいはPE
T(ポリエチレンテレフタレート)等の絶縁性が高くか
つ比較的柔らかく弾性のある可撓性の基材3aに支持さ
れかつこの基材3aの撓みによる弱い弾性復元力で像担
持体2の帯電体層2b上に軽く押圧されて面接触し、こ
の帯電体層2b上に静電潜像を書き込む書込電極3bを
有する書込ヘッド3と、現像剤担持体である現像ローラ
4aを有する現像装置4と、転写部材である転写ローラ
6aを有する転写装置6とを少なくとも備えている。
【0014】帯電体層2bは、絶縁層である誘電体層2
cとこの誘電体層2cの表層に設けられた像書込部であ
る独立電極部2dとから構成されている。図4に示すよ
うに、この独立電極部2dは誘電体層2cの表層に配設
された多数の独立フローティング電極(以下、単に独立
電極ともいう)2d1から構成されている。これらの独
立電極2d1は互いに電気的に独立しかつ誘電体層2c
の表面から露出した海島構造に形成されている。なお、
図3には誘電体層2cと独立電極部2dとが区画されて
示されているが、これは説明の便宜上区画しているだけ
であって、図4に明瞭に示すように、誘電体層2cと独
立電極部2dとは明確に区画されるものではなく、誘電
体層2cの表層における多数の独立電極2d1が存在す
る部分が独立電極部2dである。
【0015】そして、像書込時に、ICドライバ11を
介して印加される例えばプラスの電圧が書込電極3bか
ら書込電圧V1として独立電極部2dに印加されて、こ
の独立電極部2dの像書込部にプラスの電荷が帯電する
ことで、独立電極部2dに像書込が行われる。
【0016】誘電体層2cの材料としては、ポリエステ
ル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリス
チレン樹脂、ポリアリレート、ポリサルホン、ポリフェ
ニレンオキシド、塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、
エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アルキド樹脂、フェノ
ール樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合体樹脂のいずれか単体、もしくは2種以上のポリマ
ーアロイを用いる。
【0017】独立電極部2dにおいては、前述の樹脂と
多数の導電性微粒子とをその混合比(濃度)を調整して
溶剤中で樹脂分散(希釈混合分散)したものを誘電体層
2cの表層に、スプレー法、ディップ法等の一般的な適
宜の方法で塗布することにより多数の独立電極2d1
作製される。その場合、各独立電極2d1は表面に露出
している。また、研磨により、多数の独立電極2d1
露出させるようにすることもできる。その場合、表面平
滑性が向上し、書込電極3bとの接触抵抗が低減すると
ともに、書込ヘッド3と帯電体層2bとの摩耗が低減す
る利点がある。
【0018】導電性微粒子の材料としては、 Cu、Al、Ni、Ag、C、Mo等の金属微粒子、 ZnO(酸化亜鉛)、酸化錫、酸化アンチモン、酸化
チタン等を導電化処理した微粒子(例えば、アンチモ
ン、インジウム等をドーピングして導電化処理したもの
等)、 ポリアセチレン、ポリチオフィン、ポリピロール等に
ヨウ素をドーピングして高分子錯体にした導電性微粒
子、が用いられる。
【0019】このように構成された画像形成装置1にお
いては、像担持体2の帯電体層2b上を一様電荷状態に
した後、書込電極3bに書込電圧が書込電極3bのIC
ドライバ11を介して印加され、主として、互いに面接
触している像担持体2と書込ヘッド3の書込電極3bと
の間の電荷移動(例えば、電荷注入等)により、静電潜
像が一様電荷状態の像担持体2上に書き込まれる。そし
て、像担持体2上の静電潜像が像担持体2の帯電体層2
b上に書き込まれる。そして、像担持体2の帯電体層2
b上の静電潜像が現像装置4の現像ローラ4aによって
搬送される現像剤で現像され、その現像剤像が、転写電
圧が印加された転写ローラ6aにより紙等の転写材5に
転写される。
【0020】図5は、図1の画像形成装置1における画
像形成の基本プロセスを示す図である。本発明の画像形
成装置1における画像形成の基本プロセスとして、(1)
一様除電−接触帯電書込−正規現像、(2) 一様除電−接
触帯電書込−反転現像、(3)一様帯電−接触除電書込−
正規現像、および(4) 一様除電−接触除電書込−反転現
像の4つの画像形成プロセスがある。以下、これらの画
像形成プロセスについて説明する。 (1) 一様除電−接触帯電書込−正規現像 この画像形成プロセスの一例として、図(A)に示すよ
うに、像担持体2として帯電体層2bが用いられている
とともに、像担持体一様電荷制御装置7として除電ロー
ラ7bが用いられている。この除電ローラ7bにより帯
電体層2bの電荷が除電されて誘電体2b上が、電荷が
取り除かれた0Vに近い一様電荷状態にされる。書込ヘ
ッド3の書込電極3bは帯電体層2bに接触して帯電体
層2bの画像部を(+)帯電することでこの帯電体層2
bに静電潜像を書き込むようになっている。現像装置4
の現像ローラ4aには、従来と同様に例えば(−)の直
流のバイアス電圧が印加される。なお、現像ローラ4a
には(−)の直流に交流が重畳されたバイアス電圧を印
加することもできる。また、除電ローラ7bには、交流
のバイアス電圧が印加される。 (2) 一様除電−接触帯電書込−反転現像 この画像形成プロセスの一例として、図(B)に示すプ
ロセスがある。この画像形成プロセスは、図(A)に示
す例と同様に像担持体2として帯電体層2bが用いられ
ているとともに、像担持体一様電荷制御装置7として除
電ローラ7bが用いられている。また、書込ヘッド3の
書込電極3bは誘電体2bに接触してこの誘電体2bの
非画像部を(−)帯電するようになっている。この例の
画像形成プロセスの他の構成は、前述の図(A)に示す
例と同じである。
【0021】この例の画像形成プロセスにおいては、除
電ローラ7bが帯電体層2bに接触されており、この除
電ローラ7bにより帯電体層2bの電荷が除電されて帯
電体層2b上が、電荷が取り除かれた0Vに近い一様電
荷状態にされる。その後の画像形成動作は、前述の図
(A)に示す例と同じである。 (3) 一様帯電−接触除電書込−正規現像 この画像形成プロセスの一例として、図(C)に示すプ
ロセスがある。この画像形成プロセスは像担持体2とし
て帯電体層2bが用いられているとともに、像担持体一
様電荷制御装置7として帯電用コロナ放電器7dが用い
られている。図示しないが、この帯電用コロナ放電器7
dには、従来と同様に(−)の直流のバイアス電圧また
は(−)の直流に交流を重畳されたバイアス電圧が印加
される。また、書込ヘッド3の書込電極3bは帯電体層
2bに接触して帯電体層2bの非画像部の(−)電荷を
除電するようになっている。更に、現像ローラ4aには
(+)の直流のバイアス電圧が印加されていて、現像ロ
ーラ4aは(+)に帯電された現像剤8を帯電体層2b
の方へ搬送するようになっている。
【0022】この例の画像形成プロセスにおいては、帯
電用コロナ放電器7dにより帯電体層2b上が(−)帯
電されて所定電圧の一様電荷状態にされた後、書込ヘッ
ド3の書込電極3bにより帯電体層2b上の非画像部の
(−)電荷が除電されてこの帯電体層2b上に静電潜像
が書き込まれる。そして、現像装置4の現像ローラ4a
によって搬送される(+)帯電された現像剤8が帯電体
層2bの(−)帯電された画像部に付着して静電潜像が
正規現像される。 (4) 一様帯電−接触除電書込−反転現像 この画像形成プロセスの一例として、図(D)に示すプ
ロセスがある。この画像形成プロセスは、像担持体2と
して帯電体層2bが用いられているとともに、像担持体
一様電荷制御装置7として帯電用コロナ放電器7dが用
いられている。図示しないが、この帯電用コロナ放電器
7dには、従来と同様に(+)の直流のバイアス電圧ま
たは(+)の直流に交流を重畳されたバイアス電圧が印
加される。
【0023】この例の画像形成プロセスにおいては、帯
電用コロナ放電器7dにより帯電体層2b上が(+)帯
電されて所定電圧の一様電荷状態にされた後、書込ヘッ
ド3の書込電極3bにより帯電体層2b上の画像部の
(+)電荷が除電されてこの帯電体層2b上に静電潜像
が書き込まれる。そして、現像装置4の現像ローラ4a
によって搬送される(+)帯電された現像剤8が誘電体
2bの(+)帯電されない画像部に付着して静電潜像が
反転現像される。
【0024】図6は、書込装置3の書込電極3bの帯電
または除電による静電潜像の書込の原理を説明し、図
(a)は書込電極3bと像担持体2との接触部の拡大
図、図(b)はこの接触部の電気的等価回路図、図
(c)ないし図(f)は各パラメータと像担持体2の表
面電位との関係を示す図である。図7は、像担持体に対
する帯電または除電を説明し、図(a)は電荷注入によ
る像担持体に対する帯電または除電の説明図、図(b)
は放電による像担持体に対する帯電または除電の説明
図、図(c)はパッシェンの法則を説明する図である。
【0025】図6(a)に示すように像担持体2は、ア
ルミニウム等の導電性材料からなり、接地されている基
材2aと、この基材2aの外周に形成された絶縁性を有
する帯電体層2bとからなっている。書込装置3のFP
C等からなる基材3aに支持されている書込電極3bが
前述のように帯電体層2bに所定の小さな押圧力で接触
しているとともに、像担持体2が所定の速度Vで移動
(回転)している。この小さな押圧力は、幅300mm
で押圧力10N以下、すなわち線圧0.03N/mm以
下が書込電極3bと像担持体2との接触を安定化し、電
荷注入または放電を安定化する上で好ましく、摩耗の観
点から接触を安定の保つ状態を維持しつつ極力線圧を下
げることが望ましい。
【0026】書込電極3bには、所定の高電圧V0また
は所定の低電圧V1が基材3aを介して選択的に切り替
えられて印加されるようになっている(前述のように±
の電荷があるため、高電圧は絶対値が高い電圧をいい、
また、低電圧は高電圧と同じ極性として絶対値が低い電
圧または0Vをいう。本明細書における本発明の説明で
は、この低電圧はすべて接地電圧であるとしているの
で、以下の説明では、高電圧V0を所定電圧V0といい、
低電圧V1を接地電圧V1という。接地電圧V1は0Vで
あることは言うまでもない)。
【0027】すなわち、書込電極3bと像担持体2との
接触部(ニップ部)において、図6(b)に示す電気的
な等価回路が構成されている。図6(b)において、R
は書込電極3bの抵抗を示し、Cは像担持体2の容量を
示している。書込電極3bの抵抗Rは、A側の(−)の
所定電圧V0またはB側の接地電圧V1に選択的に切換接
続されるようになっている。
【0028】等価回路において、書込電極3bをA側に
接続してこの書込電極3bに(−)の所定電圧V0を印
加したときの書込電極3bの抵抗Rと像担持体2の表面
電位との関係は、図6(c)に実線で示すように書込電
極3bの抵抗Rが小さい領域では像担持体2の表面電位
が一定の所定電圧V0となり、書込電極3bの抵抗Rが
所定値より大きい領域であると、像担持体2の表面電位
の絶対値が低下する。一方、書込電極3bをB側に接続
してこの書込電極3bを接地したときの書込電極3bの
抵抗Rと像担持体2の表面電位との関係は、図6(c)
に点線で示すように書込電極3bの抵抗Rが小さい領域
では像担持体2の表面電位が一定のほぼ接地電圧V1
なり、書込電極3bの抵抗Rが所定値より大きい領域で
あると、像担持体2の表面電位の絶対値が上昇する。
【0029】そして、書込電極3bの抵抗Rが小さく像
担持体2の表面電位が一定の所定電圧V0または一定の
接地電圧V1である領域では、図7(a)に示すように
像担持体2に接触する書込電極3bと像担持体2の帯電
体層2bとの間で、電圧の低い方から高い方へ直接
(−)の電荷の電荷注入が行われる。すなわち、電荷注
入により像担持体2が帯電または除電される。また、書
込電極3bの抵抗Rが大きく像担持体2の表面電位が変
化し始める領域では、電荷注入による像担持体2の帯電
または除電が次第に小さくなってくるとともに、書込電
極3bの抵抗Rが大きくなることで図7(b)に示すよ
うに基材3aの後述する導電パターンと像担持体2との
間で放電が生じてくるようになる。
【0030】この基材3aの導電パターンと像担持体2
の基材2aとの間で生じる放電は基材3aと像担持体2
との間の電圧(所定電圧V0)の絶対値が放電開始電圧
thより大きくなったときに生じるが、基材3aおよび
像担持体2間のギャップとこの放電開始電圧Vthとの関
係はパッシェンの法則により図7(c)に示すようにな
る。すなわち、ギャップが約30μm位であるとき放電
開始電圧Vthが最も小さく、ギャップが約30μmより
小さくても大きくても放電開始電圧Vthが大きくなり、
放電が発生し難くなる。この放電によっても像担持体2
の表面が帯電または除電されるようになる。しかし、書
込電極3の抵抗Rがこの領域であるときには、電荷注入
による像担持体2の帯電または除電が大きいとともに放
電による像担持体2の帯電または除電が小さく、像担持
体2の帯電または除電は電荷注入による帯電または除電
が支配的となっている。この電荷注入による帯電または
除電では、像担持体2の表面電位は、書込電極3bに印
加される所定電圧V0または接地電圧V1となる。電荷注
入による帯電の場合、書込電極3bに供給される所定電
圧V0は書込電極3bと像担持体2の基材2aとの間で
放電が発生する放電開始電圧Vth以下に設定するのが望
ましい。
【0031】書込電極3bの抵抗Rが更に大きい領域で
あると、電荷注入による像担持体2の帯電または除電が
小さく、放電による像担持体2の帯電または除電が電荷
注入による帯電または除電より大きくなり、像担持体2
の帯電または除電は次第に放電による帯電または除電が
支配的となってくる。すなわち、書込電極3bの抵抗R
が大きくなると、像担持体2の表面は主に放電によって
帯電または除電され、電荷注入による像担持体2はほと
んど帯電または除電されなくなる。この放電による帯電
または除電では、像担持体2の表面電位は、書込電極3
bに印加される所定電圧V0または接地電圧V1から放電
開始電圧Vthを差し引いた電圧となる。なお、所定電圧
0が(+)の電圧でも同じである。
【0032】したがって、電極の3bの抵抗Rを、像担
持体2の表面電位が一定の所定電圧|V0|(±の電圧
があるため、絶対値で表す)あるいは一定の接地電圧V
1となる小さい領域に設定するとともに、書込電極3b
に印加する電圧を所定電圧V0と接地電圧V1との間でス
イッチング制御することにより、電荷注入による像担持
体2の帯電または除電を行うことができるようになる。
【0033】また、書込電極3bをA側に接続してこの
書込電極3bに(−)の所定電圧V0を印加したときの
像担持体2の容量Cと像担持体2の表面電位との関係
は、図6(d)に実線で示すように誘電体2bの容量C
が小さい領域では像担持体2の表面電位が一定の所定電
圧V0となり、誘電体2bの容量Cが所定値より大きい
領域では、像担持体2の表面電位の絶対値が低下する。
一方、書込電極3bをB側に接続してこの書込電極3b
を接地したときの像担持体2の容量Cと像担持体2の表
面電位との関係は、図6(d)に点線で示すように像担
持体2の容量Cが小さい領域では像担持体2の表面電位
が一定のほぼ接地電圧V1となり、像担持体2の容量C
が所定値より大きい領域では、像担持体2の表面電位の
絶対値が上昇する。
【0034】そして、像担持体2の容量Cが小さく像担
持体2の表面電位が一定の所定電圧V0または一定の接
地電圧V1である領域では、像担持体2に接触する書込
電極3bと像担持体2の帯電体層2bとの間で直接
(−)の電荷の電荷注入が行われる。すなわち、電荷注
入により像担持体2が帯電または除電される。また、像
担持体2の容量Cが大きく像担持体2の表面電位が変化
し始める領域では、電荷注入による像担持体2の帯電ま
たは除電が次第に小さくなってくるとともに、像担持体
2の容量Cが大きくなることで図7(b)に示すように
基材3aと像担持体2との間で放電が生じてくるように
なる。この放電によっても像担持体2の表面が帯電また
は除電されるようになる。しかし、像担持体容量Cがこ
の領域であるときには、電荷注入による像担持体2の帯
電または除電が大きいとともに放電による像担持体2の
帯電または除電が小さく、像担持体2の帯電または除電
は電荷注入による帯電または除電が支配的となってい
る。この電荷注入による帯電または除電では、像担持体
2の表面電位は、書込電極3bに印加される所定電圧V
0または接地電圧V1となる。
【0035】像担持体2の容量Cが更に大きい領域であ
ると、書込電極3bと像担持体2の帯電体層2bとので
間でこの電荷注入はほとんど行われない。すなわち、電
荷注入によっては像担持体2は帯電または除電されなく
なる。なお、所定電圧V0が(+)の電圧の場合でも同
様である。
【0036】したがって、像担持体2の容量Cを、像担
持体2の表面電位が一定の所定電圧|V0|(±の電圧
があるため、絶対値で表す)あるいは一定の接地電圧V
1となる小さい領域に設定するとともに、書込電極3b
に印加する電圧を所定電圧V0と接地電圧V1との間でス
イッチング制御することにより、電荷注入による像担持
体2の帯電または除電を行うことができるようになる。
【0037】更に、書込電極3bをA側に接続してこの
書込電極3bに(−)の所定電圧V0を印加したときの
像担持体2の速度(周速度)vと像担持体2の表面電位
との関係は、図6(e)に実線で示すように像担持体2
の速度vが比較的小さい領域では、像担持体2の表面電
位は速度vが大きくなるにしたがって上昇し、像担持体
2の速度vが所定値より大きくなると、像担持体2の表
面電位の絶対値は一定の電圧となる。像担持体2の表面
電位が像担持体2の速度vの増大に応じて大きくなるの
は、書込電極3bと像担持体2との間の摩擦による像担
持体2への電荷注入の容易化によるものであると考えら
れる。この摩擦による電荷注入の容易化は像担持体2の
速度vがある程度大きくなると変化しなく、ほぼ一定と
なる。一方、書込電極3bをB側に接続してこの書込電
極3bを接地したときの誘電体2bの速度vと誘電体2
bの表面電位との関係は、図6(e)に点線で示すよう
に誘電体2bの速度vに関係なく一定の接地電圧V1
なる。なお、所定電圧V0が(+)の電圧の場合でも同
様である。
【0038】更に、書込電極3bをA側に接続してこの
書込電極3bに(−)の所定電圧V0を印加したときの
書込電極3bの像担持体2への押圧力(以下、単に書込
電極3bの圧力という)と像担持体2の表面電位との関
係は、図6(f)に実線で示すように書込電極3bの圧
力がきわめて小さい領域では、像担持体2の表面電位は
書込電極3bの圧力が大きくなるにしたがって比較的急
上昇し、書込電極3bの圧力が所定値より大きくなる
と、像担持体2の表面電位の絶対値は一定の電圧とな
る。像担持体2の表面電位が書込電極3bの圧力の増大
に応じて急上昇するのは、書込電極3bと像担持体2と
の接触が書込電極3bの圧力の増大にしたがってより確
実になることによるものであると考えられる。この書込
電極3bと像担持体2との接触の確実性は、書込電極3
bの圧力がある程度大きくなると変化しなく、ほぼ一定
となる。一方、書込電極3bをB側に接続してこの書込
電極3bを接地したときの書込電極3bの圧力と像担持
体2の表面電位との関係は、図6(f)に点線で示すよ
うに書込電極3bの圧力に関係なく一定の接地電圧V1
となる。なお、所定電圧V0が(+)の電圧の場合でも
同様である。
【0039】このようにして、書込電極3bの抵抗Rお
よび像担持体2の容量Cを像担持体2の表面電位が一定
の所定電圧となるように設定するとともに、像担持体2
の速度vおよび書込電極3bの圧力を像担持体2の表面
電位が一定の所定電圧となるように制御し、書込電極3
bに印加する電圧を所定電圧V0と接地電圧V1との間で
スイッチング制御することにより、電荷注入による像担
持体2の帯電または除電を確実にかつ簡単に行うことが
できるようになる。
【0040】なお、前述の例では書込電極3bに印加す
る所定電圧V0が直流電圧であるが、直流電圧に交流電
圧を重畳することもできる。交流電圧を重畳する場合
は、直流成分を像担持体2に印加する電圧とし、また、
交流成分の振幅を放電開始電圧Vthの2倍以上に設定す
るとともに、交流成分の周波数を像担持体2の回転にお
ける周波数の500〜1000倍程度が好ましい(例え
ば、像担持体2の径が30φでかつ像担持体2の周速度
が180mm/secであるとすると、像担持体2の回
転における周波数が2Hzであるから、交流成分の周波
数は1000〜2000Hzとなる)。
【0041】このように直流電圧に交流電圧を重畳させ
ることにより、書込電極3bの放電による帯電または除
電がより安定するとともに、交流電圧により書込電極3
bが振動することで、書込電極3bに付着する異物を除
去でき、この書込電極3bの汚れが防止されるようにな
る。
【0042】図8は、書込電極3bに所定電圧V0およ
び接地電圧V1を切替接続するためのスイッチング回路
を示す図である。例えば4列に配置された書込電極3b
は、それぞれ、対応する高電圧スイッチ(High Voltage
Switch;H.V.S.W.)15に接続されており、これらの
高電圧スイッチ15は、それぞれ、対応する電極3bを
所定電圧V0と接地電圧V1とに切替接続するようになっ
ている。各高電圧スイッチ15には、それぞれシフトレ
ジスタ(S.R.)16からの画像書込制御信号が入力さ
れ、またこのシフトレジスタ16には、バッファ17に
蓄えられている画像信号およびクロック18からのクロ
ック信号がそれぞれ入力される。そして、シフトレジス
タ16からの画像書込制御信号はアンド回路19により
エンコーダ20からの書込タイミング信号に基づいて各
高電圧スイッチ15に入力されるようになる。各高電圧
スイッチ15およびアンド回路19により各書込電極3
bへの供給電圧を切替制御する前述のドライバ11が構
成されている。
【0043】図9は、各電極3bの各高電圧スイッチ1
5をそれぞれ所定電圧V0または接地電圧V1に選択的に
切替制御したときの状態を示し、(a)は各電極の電圧
状態を示す図、(b)は(a)の電圧状態で正規現像し
たときの現像剤像を示す図、(c)は(a)の電圧状態
で反転現像したときの現像剤像を示す図である。
【0044】図9において、例えばn−2番目、n−1
番目、n番目、n+1番目、n+2番目の各電極3b
が、それぞれの高電圧スイッチ15が切替制御されて
(a)に示す電圧状態になっているとする。そこで、こ
のような電圧状態の各電極で像担持体2に静電潜像の書
込を行うとともに、正規現像によりこの静電潜像を現像
すると、現像剤8が像担持体2の所定電圧V0部上に付
着し、(b)にハッチングで示すような現像剤像が得ら
れる。また、同様にして静電潜像の書込を行い、反転現
像によりこの静電潜像を現像すると、現像剤8が像担持
体2の接地電圧V1部上に付着し、(c)にハッチング
で示すような現像剤像が得られる。
【0045】このように構成された書込ヘッド3を用い
た画像形成装置1によれば、書込電極3bを基材3aの
小さな弾性復元力による軽い押圧力で像担持体2に接触
させているので、書込電極3bを像担持体2に安定して
接触させることができるようになる。したがって、像担
持体2に対する書込電極3bによる帯電をより安定して
高精度に行うことができる。これにより、静電潜像の書
込をより安定して行うことができるので、良好な画像を
確実にかつ高精度に得ることができる。
【0046】また、書込電極3bを軽い押圧力で像担持
体2に接触させているだけであるので、書込電極3bに
よる像担持体2の損傷を防止でき、像担持体2の耐久性
を向上させることができる。更に、書込装置3として書
込電極3bを用いているだけであり、従来のような大型
のレーザ光発生装置やLEDランプ光発生装置等を設け
ないので、装置をより一層小型化することができるとと
もに、部品点数をより一層削減できて一層シンプルで安
価な画像形成装置を得ることができる。また、書込電極
3bによりオゾンの発生をより一層抑制することができ
るようになる。
【0047】次に、本発明の特徴について説明する。図
10は、本発明の書込ヘッドの1実施形態を模式的に示
す平面図である。なお、以下の説明において図面間で同
一の構成については同一番号を付して説明を省略する場
合がある。
【0048】図10において、各ドライバ11は基材3
a上に形成されかつ断面矩形状の薄い平板状の例えば銅
箔からなる導電パターン9により電気的に接続されてい
るとともに、同様に各ドライバ11と複数の書込電極3
bとが基材3a上に形成された導電パターン9により電
気的に接続されている。これらの導電パターン9は、例
えばエッチング等の従来の薄膜パターン形成方法で形成
することができる。そして、図において上方の導電パタ
ーン9からラインデータ、書込タイミング信号および高
圧電源が各々のドライバ11に供給されるようになって
いる。
【0049】図11は、図10の書込電極の配置例を示
す平面図である。図(A)においては、複数の書込電極
3bを像担持体2の軸方向Yおよび周方向Xに二列R
1、R2で千鳥状に配列し、かつ、像担持体2の軸方向
Yで最隣接する書込電極3bを、像担持体2の周方向X
でオーバーラップしないように、すなわち像担持体2の
周方向Xから見て最隣接する電極の間隔がゼロ(L0)
以上になるように配置している。そして、複数の書込電
極3bのうち、所定数(図示例では8個)の書込電極3
bがそれぞれそれらの書込電極3bを所定電圧または接
地電圧に切り替えることで駆動制御する1つのドライバ
11に接続されて1組にまとめられており、この組の複
数組が像担持体2の軸方向Yに一列に配列されている。
【0050】図(B)においては、同じく像担持体2の
周方向Xでオーバーラップしないように配置するもので
あるが、像担持体2の周方向Xから見て隣接する電極の
間隔が図(A)より若干大きいL1になるように配置し
ている。この間隔L1の限度は、書き込まれた静電潜像
が現像されたときトナー像で埋まって見えるように視認
される間隔である。
【0051】図12は、本発明の作用を説明するための
図である。図12の右側には、像担持体2をX方向に回
転させ、書込電極3b1〜3b5をオンオフした時に形成さ
れる静電潜像のパターン1〜3を示している。パターン
1は、書込電極3b1〜3b5を全てオンした場合で、書込
電極3b1〜3b5のY方向の幅に対応した静電潜像が形成
される。また、パターン2は、書込電極3b1、3b3、3
b5をオンにし、書込電極3b2、3b4をオフした場合で、
書込電極3b1、3b3、3b5のY方向の幅に対応した静電
潜像が形成される。さらに、パターン3は、書込電極3
b2、3b4をオンし、書込電極3b1、3b3、3b5をオフし
た場合で、書込電極3b2、3b4のY方向の幅Y2に形成
された静電潜像が、下流側の書込電極3b1、3b3、3b5
によって消去されることなく、書込電極3b2、3b4のY
方向の幅に対応した静電潜像が形成されることになる。
従って、従来のように、書込電極3b1と3b3、3b3と3
b5との間隔の幅Y2(図2)でしか静電潜像が形成され
ないという問題を解消することができる。
【0052】なお、パターン1に示すように、書込電極
3bが像担持体2に全く接触しない部分(間隙)が存在
する場合(図11(B)の場合)には、その部分の電気的
な極性が不安定になるため、書込電極3bによる書込前
に、図5の帯電ローラ7bまたはコロナ放電器7d(電
圧印加部材)により電圧を印加し、その電気的な不安定
性を解消する。これにより、書込電極3bの接触しない
部分については、トナー像を現像する際の印加電圧を最
適化することで、トナーを付着させ隙間を埋めること
も、逆に付着させないことも可能となる。
【0053】図13は、本発明の書込ヘッドの他の実施
形態を模式的に示す平面図である。図(A)は書込電極
3bを円形にした例であり、図(B)は書込電極3bを
楕円形にした例である。図(C)に示す例においては、
書込電極3bが三角形に形成されるとともに、隣接する
三角形の書込電極3bの向きが反対となるように交互に
配列されている。いずれの場合も、複数の書込電極3b
は、像担持体2の周方向Xでオーバーラップしないよう
に配置されている。なお、書込電極3bの形状は、これ
以外にも、例えば台形、平行四辺形、隣接する書込電極
3bの対向辺に凹凸を設けた形状等、像担持体2の周方
向にオーバーラップしないものであればどのような形状
にすることもできる。
【0054】図14は、本発明の書込ヘッドの他の実施
形態を模式的に示す平面図である。本実施形態は、像担
持体2の軸方向Yに沿って基材3aの両端にドライバ1
1を配置し、それぞれのドライバ11から書込電極3b
を二列で千鳥状に対向して配置し、合計4列の書込電極
3bを配置している。
【0055】以上、本発明の実施の形態について説明し
たが、本発明はこれに限定されるものではなく種々の変
更が可能である。以下、書込電極3bを像担持体2へ接
触させて静電潜像を書き込む本発明の書込ヘッドを用い
た画像形成装置の具体例を説明する。
【0056】図15は、本発明の書込ヘッドを用いた画
像形成装置の一例を模式的に示し、(a)はクリーナを
備えた画像形成装置を示す図、(b)はクリーナを備え
ていないクリーナレスの画像形成装置を示す図である。
【0057】図(a)に示す画像形成装置1はモノクロ
の画像形成装置であり、書込ヘッド3の基材3aが像担
持体2の回転方向上流側から下流側に向かって延びてお
り、この基材3aの先端に固定された書込電極3bが設
けられている。また、転写装置6より像担持体2の回転
方向下流側にクリーニング装置21が設けられている。
なお、図示しないが書込ヘッド3とクリーニング装置2
1との間に、前述の像担持体一様電荷制御装置7を設け
てもよい。像担持体一様電荷制御装置7を設けない場合
には前回の潜像に上書きして潜像を形成することになる
が、像担持体一様電荷制御装置7を省略する分、部品点
数の削減や装置の小型化を達成することができる。
【0058】このように構成されたモノクロの画像形成
装置1においては、前述と同様に像担持体一様電荷制御
装置7により像担持体2の表面が一様電荷状態にされた
後、書込ヘッド3の各書込電極3bが像担持体2を帯電
または除電することで、像担持体2の表面に静電潜像が
書き込まれる。像担持体2上の潜像は、像担持体2に非
接触の現像装置4の現像ローラ4aによって現像剤が付
着されて現像された後、その像担持体2上の現像剤像が
転写装置6によって転写材5に転写される。転写後に像
担持体2上に残留する現像剤はクリーニング装置21の
クリーニングブレード21aによって除去され、クリー
ニングされた像担持体2の表面が再び像担持体一様電荷
制御装置7により一様電荷状態にされる。この例の画像
形成装置1は本発明の書込ヘッド3を用いることによ
り、より小型でよりシンプルな構成とすることができ
る。
【0059】図(b)に示す画像形成装置1は、図
(a)に示す画像形成装置1においてクリーニング装置
21を備えていないクリーナレスの画像形成装置であ
る。この例の画像形成装置1は、現像装置4の現像ロー
ラ4aが像担持体2に接触されていて、接触現像を行う
ようになっている。
【0060】このように構成された画像形成装置1にお
いては、図示しない像担持体一様電荷制御装置7によ
り、像担持体2および前回の転写後に像担持体2上に残
留する残留現像剤がともに一様電荷状態にされた後、書
込ヘッド3の書込電極3bによって像担持体2の表面お
よび残留現像剤の表面が帯電または除電されて像担持体
2上および残留現像剤上に静電潜像が書き込まれる。そ
して、現像装置4によってこれらの静電潜像が現像され
る。このとき、書込電極3bの帯電列を現像剤8がもと
もと持つべき極性に帯電させるように選択することによ
り、像担持体2上の非画像部にある残留現像剤は書込電
極3bによってその極性に帯電されるので現像装置4の
方へ移動し、また、像担持体2上の画像部にある残留現
像剤はそのまま像担持体2に残って現像剤像として用い
られるようになる。このように非画像部にある残留現像
剤を現像装置4の方へ移動させることにより、クリーニ
ング装置21を設けなくても像担持体2の表面がクリー
ニングされるようになる。特に、図示しないが転写装置
6より像担持体2の回転方向下流側にブラシを設けて、
このブラシにより像担持体2上の残留現像剤を散らして
均すことで、非画像部にある残留現像剤を現像装置4の
方へより効果的移動させて除去することができる。
【0061】図16は、本発明の書込ヘッドを用いた画
像形成装置の他の例を模式的に示す図である。この例の
画像形成装置1は、像担持体2上に黒K、イエローY、
マゼンタMおよびシアンCの4色を色重ねしてフルカラ
ーの現像を行う画像形成装置であり、無端ベルト状の像
担持体2を備えている。この無端ベルト状の像担持体2
は2つのローラ22,23の間に張架されて、ローラ2
2,23のうち、駆動側のローラによって図において時
計方向に回転するようになっている。
【0062】像担持体2の無端ベルトの直線部に沿っ
て、それぞれ各色毎の書込ヘッド3K,3Y,3M,3Cおよ
び現像装置4K,4Y,4M,4Cが像担持体2の回転方向上
流側から色K、Y、M、Cの順に配設されている。もち
ろん、これらの現像装置4K,4Y,4M,4Cは図示以外の
どのような順序で配設することもできる。各色の書込ヘ
ッド3K,3Y,3M,3Cの各書込電極3bK,3bY,3bM,
3bCは、それぞれ前述のように可撓性の基材3aK,3
Y,3aM,3aCに設けられている。なお図示しない
が、この例の画像形成装置1においても、像担持体2の
無端ベルトの書込装置3 K,3Y,3M,3Cと反対側の直線
部に前述の像担持体一様電荷制御装置が設けられてい
る。
【0063】このように構成された画像形成装置1にお
いては、まずブラックKの書込ヘッド3Kの電極3bK
ブラックKの静電潜像が像担持体の表面に書き込まれる
とともに、このブラックKの静電潜像が現像装置4K
現像されて像担持体2の表面にブラックKの現像剤像が
形成される。次いで、シアンCの書込ヘッド3Cの電極
3bCでシアンCの静電潜像が像担持体2Cの表面におよ
びブラックKの現像剤像の上に重ねて書き込まれるとと
もに、このシアンCの静電潜像が現像装置4Cで現像さ
れて像担持体2の表面にシアンCの現像剤像が形成され
る。同様にして、マゼンタMの書込ヘッド3Mの電極3
Mによる像担持体2およびブラックKとシアンCの各
現像剤像の上に重ねてマゼンタMの静電潜像が書き込ま
れた後に、マゼンタMの静電潜像が現像装置4Mで現像
されて像担持体2の表面およびブラックKとシアンCの
各現像剤像の上にマゼンタMの現像剤像が形成され、更
に、シアンCの書込ヘッド3Cの電極3bCによる像担持
体2およびブラックKとシアンCとマゼンタMの各現像
剤像の上に重ねてシアンCの静電潜像が書き込まれた後
に、シアンCの静電潜像が現像装置4Cで現像されて像
担持体2の表面およびブラックKとシアンCとマゼンタ
Mの各現像剤像の上にシアンCの現像剤像が形成されて
色合わせされ、その後これらの現像剤像が転写装置6に
よって転写材5に各色の現像剤像が色合わせされたフル
カラーの現像剤像が形成される。なお、各色の現像剤の
形成順序は前述の順序以外にどのような順序にも設定す
ることができる。
【0064】図17は、本発明の書込ヘッドを用いた画
像形成装置の更に他の例を模式的に示す図である。この
例の画像形成装置1は、各色毎の画像形成装置1K,1C,
M,1Yが転写材5の移動方向の上流側からこれらの順
にタンデムに配設されている。各色の画像形成装置1K,
C,1M,1Yの配設順は、どのような順序にも設定する
ことができる。各画像形成装置1K,1C,1M,1Yは、そ
れぞれ、像担持体2K,2C,2M,2Y、書込ヘッド3K,
C,3M,3Y、現像装置4K,4C,4M,4Y、および転写装
置6K,6C,6M,6Yを備えている。また、図示しないが
各画像形成装置1K,1C,1M,1Yは、それぞれ、前述と
同様の像担持体一様電荷制御装置7が各色毎に書込装置
K,3C,3M,3Yより各像担持体2K,2C,2M,2Yの回転
方向上流側に配設されていてもよい。
【0065】このように構成されたこの例の画像形成装
置1においては、まずブラックKの画像形成装置1K
おいて、ブラックKの像担持体一様電荷制御装置7によ
って像担持体2Kの表面が一様に帯電された後、書込ヘ
ッド3Kの電極3bKでブラックKの静電潜像が像担持体
Kの表面に書き込まれるとともに、このブラックKの
静電潜像が現像装置4Kで現像されて像担持体2Kの表面
にブラックKの現像剤像が形成される。この像担持体2
K上のブラックKの現像剤像が転写装置6Kで、供給され
てきた転写材5に転写され、転写材5にブラックKの現
像剤像が形成される。次いで、シアンCの画像形成装置
Cにおいて、シアンCの像担持体一様電荷制御装置7
によって像担持体2Cの表面が一様に帯電された後、書
込ヘッド3Cの電極3bCでシアンCの静電潜像が像担持
体2Cの表面に書き込まれるとともに、このシアンCの
静電潜像が現像装置4Cで現像されて像担持体2Cの表面
にシアンCの現像剤像が形成される。この像担持体2C
上のシアンCの現像剤像が転写装置6Cで、供給されて
きたブラックKの現像剤像が形成された転写材5に重ね
て転写され、転写材5にシアンCの現像剤像が形成され
る。同様にして、マゼンタMの画像形成装置1Mにおい
て書込ヘッド3Mの電極3bMによる像担持体2Mへのマ
ゼンタMの静電潜像の書込、現像装置4Mの静電潜像の
現像、および転写装置6Mの転写材5へのマゼンタMの
現像剤像の重ね転写が行われた後に、イエローYの画像
形成装置1Yにおいて書込ヘッド3Yの電極3bYによる
像担持体2YへのイエローYの静電潜像の書込、現像装
置4Yの静電潜像の現像、および転写装置6Yの転写材5
へのイエローYの現像剤像の転写が行われて、転写材5
に各色の現像剤像が色合わせされたフルカラーの現像剤
像が形成される。
【0066】図18は、本発明の書込ヘッドを用いた画
像形成装置の更に他の例を模式的に示す図である。この
例の画像形成装置1では、各色の像担持体2K,2C,2M,
Yに形成された各色の現像剤像が一旦中間転写された
後、転写材5に転写されるようになっている。すなわ
ち、この例の画像形成装置1では、中間転写装置24が
設けられている。この中間転写装置24は無端ベルト状
の中間転写体25を備えており、この中間転写体25は
2つのローラ26,27間に張架されていて、一方のロ
ーラの駆動で図において反時計方向に回転するようにな
っている。そして、この中間転写体25の直線状部分に
沿って各画像形成装置1K,1C,1M,1Yが配設されてい
るとともに、ローラ27の位置に1つの転写装置6が設
けられている。
【0067】このように構成されたこの例の画像形成装
置1においては、各色の像担持体2 K,2C,2M,2Yに各
色の現像剤像がそれぞれ形成され、これらの各色の現像
剤像が中間転写体25に、各色の現像剤像が色合わせさ
れて重ね転写される。この中間転写体25に中間転写さ
れた各色の現像剤像が転写装置6で転写材5に転写され
て、転写材5にフルカラーの現像剤像が形成される。こ
のように中間転写装置24を備え、各色の画像形成装置
K,1C,1M,1Yがタンデムに配設されたフルカラーの
画像形成装置においても、本発明の書込ヘッド3を用い
ることで、より小型にかつよりシンプルな構成にするこ
とができる。
【0068】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、像担持体の軸方向に沿って像担持体と接触配
置される複数の書込電極を備えた書込ヘッドにおいて、
像担持体の軸方向および周方向に複数の書込電極を配置
し、かつ、軸方向で最隣接する書込電極が像担持体の周
方向でオーバーラップしないように配置したため、解像
度の高い画像を得るととともに、駆動した書込電極の幅
に対応する静電潜像を形成させ、書き込まれる潜像およ
びトナー像の不均一性を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】特願2001−227630の基本構成を模式
的に示す図である。
【図2】本発明の課題を説明するための図である。
【図3】本発明に係わる画像形成装置の例を示し、図
(A)は全体構成図、図(B)は図(A)の像担持体お
よび帯電書込装置の一部斜視図である。
【図4】図3の像担持体を部分的にかつ模式的に示す拡
大図である。
【図5】本発明の画像形成装置における画像形成の基本
プロセスを示す図である。
【図6】書込装置の書込電極の帯電または除電による静
電潜像の書込の原理を説明し、(a)は書込電極と像担
持体との接触部の拡大図、(b)はこの接触部の電気的
等価回路図、(c)ないし(f)は各パラメータと像担
持体の表面電位との関係を示す図である。
【図7】像担持体に対する帯電または除電を説明し、
(a)は電荷注入による像担持体に対する帯電または除
電の説明図、(b)は放電による像担持体に対する帯電
または除電の説明図、(c)はパッシェンの法則を説明
する図である。
【図8】書込電極に所定電圧V0および接地電圧V1を切
替接続するためのスイッチング回路を示す図である。
【図9】各電極の各高電圧スイッチをそれぞれ所定電圧
V0または接地電圧V1に選択的に切替制御したときの
状態を示し、(a)は各電極の電圧状態を示す図、
(b)は(a)の電圧状態で正規現像したときの現像剤
像を示す図、(c)は(a)の電圧状態で反転現像した
ときの現像剤像を示す図である。
【図10】本発明の書込ヘッドの1実施形態を模式的に
示す平面図である。
【図11】図10の書込電極の配置例を示す平面図であ
る。
【図12】本発明の作用を説明するための図である。
【図13】本発明の書込ヘッドの他の実施形態を模式的
に示す平面図である。
【図14】本発明の書込ヘッドの他の実施形態を模式的
に示す平面図である。
【図15】本発明の書込ヘッドを用いた画像形成装置の
他の例を模式的に示す図である。
【図16】本発明の書込ヘッドを用いた画像形成装置の
他の例を模式的に示す図である。
【図17】本発明の書込ヘッドを用いた画像形成装置の
他の例を模式的に示す図である。
【図18】本発明の書込ヘッドを用いた画像形成装置の
他の例を模式的に示す図である。
【符号の説明】
2…像担持体 2a…基材 2b…帯電体層 2c…誘電体層 2d…独立電極部 3…書込ヘッド 3a…基材 3b…書込電極 4…現像装置 7b、7d…電圧印加部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 15/16 B41J 3/18 102A (72)発明者 吉岡 研二郎 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 Fターム(参考) 2C162 AE12 AE21 AE31 AE44 AE47 AE66 AF07 EA20 2H029 AA06 AB03 AB10 AB16 AB21 AB23 AC06 AD04 AD07 2H200 GA47 GB49 HA02 HB12 HB22 JA02 JB06 JB10 JC03 2H300 EC02 EC05 EF02 EF03 EF06 EF08 EH08 EH26 EJ09 EJ14 EJ47 GG13 TT04 TT06

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】像担持体の軸方向に沿って像担持体と接触
    配置される複数の書込電極を備えた書込ヘッドにおい
    て、像担持体の軸方向および周方向に複数の書込電極を
    配置し、かつ、軸方向で最隣接する書込電極が像担持体
    の周方向でオーバーラップしないように配置したことを
    特徴とする書込ヘッド。
  2. 【請求項2】前記書込電極が千鳥状に配置されているこ
    とを特徴とする書込ヘッド。
  3. 【請求項3】前記最隣接する書込電極間に間隔がある場
    合には、該間隔部に電圧印加部材により電圧を印加する
    ことを特徴とする請求項1または2記載の書込ヘッド。
  4. 【請求項4】静電潜像が形成される像担持体と、前記潜
    像担持体に前記静電潜像を書き込む書込ヘッドと、前記
    像担持体上の前記静電潜像を現像する現像装置とを少な
    くとも備え、前記書込ヘッドによって前記像担持体に書
    き込まれた前記静電潜像を前記現像装置で現像すること
    により画像を形成する画像形成装置において、前記書込
    ヘッドは、像担持体の軸方向に沿って像担持体と接触配
    置される複数の書込電極を備え、前記複数の書込電極
    は、像担持体の軸方向および周方向に配置され、かつ、
    軸方向で最隣接する書込電極が像担持体の周方向でオー
    バーラップしないように配置したことを特徴とする画像
    形成装置。
  5. 【請求項5】前記書込ヘッドおよび前記現像装置は、
    黒、イエロー、マゼンタおよびシアンの各色毎に設けら
    れており、前記像担持体上に各色の前記書込ヘッドおよ
    び前記現像装置で各色の現像剤像が重ね合わされて形成
    されるようになっていることを特徴とする請求項4記載
    の画像形成装置。
  6. 【請求項6】前記像担持体、前記書込ヘッドおよび前記
    現像装置を、黒、イエロー、マゼンタおよびシアンの各
    色毎に設けることでこれらの各色毎の画像形成装置がタ
    ンデムに配設されていることを特徴とする請求項4記載
    の画像形成装置。
  7. 【請求項7】前記各色毎の画像形成装置により各色毎の
    現像剤像が中間転写される中間転写装置が設けられてい
    ることを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。
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