JP2003291277A - 樹脂積層体 - Google Patents

樹脂積層体

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JP2003291277A
JP2003291277A JP2002095984A JP2002095984A JP2003291277A JP 2003291277 A JP2003291277 A JP 2003291277A JP 2002095984 A JP2002095984 A JP 2002095984A JP 2002095984 A JP2002095984 A JP 2002095984A JP 2003291277 A JP2003291277 A JP 2003291277A
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resin
layer
acrylic resin
acrylic
polycarbonate
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JP2002095984A
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English (en)
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Tomohiro Ito
智啓 伊藤
Masao Nakajima
正雄 中島
Takashi Kiyono
俊 清野
Yasuaki Kai
康朗 甲斐
Koichi Handa
浩一 半田
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性、耐衝撃性、耐久性に優れた樹脂積層
体を提供する。 【解決手段】 ポリカーボネート樹脂から成る層Aとア
クリル樹脂から成る層Bとを交互に少なくとも1層づつ
積層した積層体であって、該A層と該B層がその界面に
おいて共有結合によって結合していることを特徴とする
樹脂積層体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透明性、耐衝撃性、耐
久性に優れた樹脂積層体に関するものであり、車両用内
外装部品成形体、車両用外板および樹脂ウィンドウ等の
用途として有用な樹脂積層体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、数種の熱可塑性樹脂基材を積
層し、各基材の短所を相互に補完した積層体が各種提案
されている。例えば、車両に用いられているガラスの軽
量化や成形性向上を狙い、グレージング材として透明樹
脂材の積層体を検討した例等は大変興味深い。
【0003】透明樹脂としては、アクリル系樹脂、ポリ
カーボネート樹脂、スチレン系樹脂、エポキシ系樹脂等
が挙げられるが、これらの中でもアクリル系樹脂は光線
透過率が高く、光散乱性が小さく透明性に優れ、耐候
性、剛性に比較的優れることから、代表的なグレージン
グ材用樹脂と言える。しかし、アクリル系樹脂は一般的
に耐衝撃性が低く、耐衝撃性の改良のためゴム成分を添
加する方法もあるが、剛性、透明性の点で課題が残る。
【0004】一方、耐衝撃性に優れる透明樹脂としては
ポリカーボネート樹脂が代表的であるが、アクリル系樹
脂に比べ剛性や耐候性が劣る。
【0005】そこで、両者の短所を補完すべく、ポリカ
ーボネート樹脂等の耐衝撃性を有する樹脂とアクリル系
樹脂との積層体が数多く提案されている。
【0006】例えば、特開平6−316045号公報に
は、外面がアクリル系樹脂シート(A)、中央層が熱可
塑性ポリウレタン系シート(B)、内面がポリカーボネ
ート樹脂シート(C)の3層からなる積層シートに、更
にアクリル系樹脂シート(A)の両面に、アクリル系樹
脂フィルム(D)とポリカーボネートフィルム(E)と
からなる積層フィルムをいずれもアクリル系樹脂フィル
ム(D)がアクリル系樹脂シート(A)側になるように
積層した合成樹脂製安全ガラスが開示されている。
【0007】また、特開平6−71826号公報には、
特定のグルタルイミドとメチルメタクリレートの共重合
体、またはメタクリル樹脂からなる層と、ポリカーボネ
ート樹脂等の耐衝撃性を有する透明性ポリマーからなる
層で構成される積層体の表面に、直接またはプライマー
層を介して表面硬化膜を備えた車両用グレージング材が
開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、この
ような従来の樹脂積層体においては以下のような問題が
ある。
【0009】積層によって各樹脂の短所を補完し、さら
にその相乗効果を引き出すには、層間の密着性、接着性
が十分確保されていることが必須であることは周知の通
りである。耐衝撃性の向上を狙う場合は特に重要であ
り、密着性、接着性が不十分だと、衝撃による亀裂が界
面の結合の弱い部分から進展してしまい、積層体とした
意義が薄れてしまう。また経時劣化によって層間に部分
的な剥離が生じた場合も同様で、剥離している部分から
破壊が進行してしまう。
【0010】特開平6−316045号公報記載の樹脂
積層体では、3種の透明樹脂を積層し耐衝撃性を向上し
ている。しかし、各層間は熱プレスによる熱融着のみで
密着しており、これは比較的弱い結合と考えられ、各層
間の密着性、接着性に関する検討は不十分である。
【0011】特開平6−71826号公報記載の樹脂積
層体では、改質したアクリル系樹脂とポリカーボネート
樹脂を積層し、耐衝撃性、耐熱性、剛性などを向上して
いる。各層間は共押出し成形による熱融着で密着してお
り、先の例に比べ各層間の密着性、接着性は向上してい
ると考えられるが、いまだ不十分である。
【0012】一方で積層体層間の密着性、接着性の向上
を目的として、各層間に接着層を介在させる方法が多数
検討されている。このような方法は、例えば、特公平6
−6366号公報や特許第2518679号で開示され
ている。しかし、いずれの方法においても、積層数に応
じた接着層を設ける必要があり、剛性や透明性の低下、
積層体の総厚みや重量の増加が懸念される。また、積層
体を製造する方法として、熱プレス法を用いる場合は接
着層の塗布工程などの工程数の増加が、また共押出し法
を用いる場合はダイの加工や押出し機の追加、が必要と
なり、コスト的にも不利である。
【0013】
【問題を解決するための手段】本発明は、このような従
来の問題に鑑みてなされたものであり、透明性、耐衝撃
性、耐久性に優れた樹脂積層体を提供することを目的と
している。
【0014】本発明者らは上記目的を達成するため鋭意
検討した結果、ポリカーボネート樹脂とアクリル樹脂を
積層した積層体において、各層の界面に強固な共有結合
を形成することによって透明性、重量、コストなどの他
の性能や経済性を犠牲にすることなく耐衝撃性を向上で
きることを見出し、本発明に至った。
【0015】すなわち、上記目的を達成するための本発
明は、ポリカーボネート樹脂から成る層Aとアクリル樹
脂から成る層Bとを交互に少なくとも1層づつ積層した
積層体であって、該A層と該B層がその界面において共
有結合によって結合していることを特徴とする樹脂積層
体である。
【0016】
【発明の効果】以上のように構成された本発明によれ
ば、請求項ごとに次のような効果を奏することができ
る。
【0017】請求項1に記載の樹脂積層体の発明にあっ
ては、ポリカーボネート樹脂から成る層Aとアクリル樹
脂から成る層Bとを交互に少なくとも1層づつ積層した
積層体であって、該A層と該B層がその界面において共
有結合によって結合していることを特徴とすることによ
り、優れた透明性、軽量化などの他の性能及びコスト面
などの経済性を犠牲にすることなく耐衝撃性、耐久性を
大幅に向上することができる。とりわけ各層の界面に強
固な共有結合を形成することによって、熱融着のみの場
合に比べ格段に強固な密着力を得ることができる。ま
た、共有結合は各層の界面の極近傍に形成されるため、
この積層体を加熱成形しても結合位置が積層体の層方向
にずれるだけで、層間の剥離や破壊は発生しない。つま
り積層体の熱可塑性が保持されたまま、層間密着性を向
上することができる。
【0018】また、3層以上の奇数層の積層体で、かつ
最上層および最下層は同一樹脂の層であるように積層す
ることで、各樹脂単層の有する短所を十分にカバーする
ことができ、反りなどの問題が生じることもなく、剛性
分布を調整し、熱変形による反りを抑制できる。とりわ
け、最外層をアクリル樹脂から成る層Bとすることによ
り、より一層優れた剛性、耐擦傷性および耐候性を有効
かつ効果的に発揮することができる点で有用である。
【0019】請求項2に記載の発明にあっては、請求項
1に記載の樹脂積層体において、上記ポリカーボネート
樹脂がアミノ基を有し、上記アクリル樹脂がエポキシ基
を有し、該ポリカーボネート樹脂中のアミノ基と該アク
リル樹脂中のエポキシ基が、上記A層とB層の界面にお
いて反応して生じる共有結合によって上記A層とB層が
結合していることを特徴とすることにより、反応速度が
高く、積層工程での熱により極めて強固な層間強度を得
ることができる。また、これら樹脂中のアミノ基および
エポキシ基は、いずれも化学的に安定であり、ブロック
化などの手間が増加することもないなど製造段階での取
り扱い容易性に優れる。さらに、アミノ基とエポキシ基
の反応は室温でも進行するため、例えば、共押出し成形
や熱プレス成形、2色射出成形などによる積層工程の熱
で容易に進行し、積層構造の形成と同時に共有結合を形
成することができる点においても有用である。
【0020】請求項3に記載の発明にあっては、請求項
1または2に記載の樹脂積層体において、上記ポリカー
ボネート樹脂が、高分子鎖末端にアミノ基を有するポリ
カーボネート分子を含んで成ることを特徴とすることに
より、ポリカーボネート樹脂に含まれるアミノ基の個数
の制御が容易である。これより層間の優れた密着力を有
効に発現させることができ、また、黄変や物性低下を生
ずることもなく、優れた透明性やその他の物性を損なう
ことなく高いレベルに保つことができるものである。
【0021】請求項4に記載の発明にあっては、請求項
1〜3のいずれか1項に記載の樹脂積層体において、上
記アクリル樹脂が、エポキシ基を有する不飽和単量体と
メタクリル系単量体および/またはアクリル系単量体と
の共重合体を含んで成ることを特徴とすることにより、
アクリル樹脂の優れた透明性、耐候性および剛性を保持
した上で、該アクリル樹脂中のエポキシ基の個数を任意
に制御し最適化することができる点で有利である。これ
により、ポリカーボネート樹脂中のアミノ基との間で極
めて強固な共有結合を形成し、層間の優れた密着力を有
効に発現させることができる点で有利である。
【0022】請求項5に記載の発明にあっては、請求項
1〜4のいずれか1項に記載の樹脂積層体において、上
記エポキシ基を有する不飽和単量体が、アクリル樹脂に
対して0.1〜5質量%で共重合していることを特徴と
することにより、アクリル樹脂の持つ耐吸湿性、寸法安
定性、耐久性などの優れた特性を損なうことなく、層A
と層Bとの間で強固な共有結合を形成しうるように、層
Bのアクリル樹脂中のエポキシ基を充足することができ
るので、層間の密着力を格段に高めることができる。
【0023】請求項6に記載の発明にあっては、請求項
1〜5のいずれか1項に記載の樹脂積層体において、上
記アクリル樹脂が、酸化化合物を含んで成ることを特徴
とすることによって、アクリル樹脂中に酸化化合物を均
一に分散、配合することができ、剛性が更に高まる。
【0024】請求項7に記載の発明にあっては、請求項
1〜6のいずれか1項に記載の樹脂積層体において、上
記アクリル樹脂が、長径が380nm以下のシリカ化合
物を含んでなることを特徴とすることにより、アクリル
樹脂中には可視光の波長以下のシリカ化合物が含有され
ることになるため、アクリル樹脂の持つ透明性を維持し
たままアクリル樹脂の剛性をより一層高めることができ
る。
【0025】請求項8に記載の車両用内外装部品成形
体、車両用外板または樹脂ウィンドウの発明にあって
は、請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂積層体を
用いることにより、該樹脂積層体が車両に用いられてい
るガラスの軽量化や成形性向上を狙ったグレージング材
として、従来法では実現し得なかった、優れた透明性、
耐衝撃性及び耐久性を兼ね備えているため、極めて実用
性、汎用性及び経済性に優れた各種製品を提供できる。
【0026】
【発明の実施の形態および作用】以下、本発明の実施の
形態をその作用と共に詳述する。
【0027】本発明における積層体は、ポリカーボネー
ト樹脂から成る層Aとアクリル樹脂から成る層Bとを交
互に少なくとも1層づつ積層した積層体である。積層数
や積層の順序は特に限定されないが、3層以上の奇数層
の積層体で、かつ最上層および最下層は同一樹脂の層で
あることが好ましい。つまり、ABA、BAB、ABA
BA、BABAB…などの積層が好ましい。2層以下で
は各樹脂単層の有する短所をカバーするには不十分であ
り、また反りなどの問題が生じ易くなる。最外層を同一
樹脂とすることで、剛性分布を調整し、熱変形による反
りを抑制できる。剛性や耐擦傷性、耐候性の点を考慮す
ると、最外層をアクリル樹脂から成る層Bとするのが特
に好ましい。また、各層の厚みは特に限定されず、用途
などに応じて決定することができる。
【0028】本発明における積層体は、上記A層とB層
がその界面において共有結合によって結合し密着してい
ることを特徴とする。熱融着のみの場合に比べ、共有結
合により結合し密着しているので、格段に強固な密着力
が得られる。共有結合は界面の極近傍に形成されるた
め、例えばこの積層体を真空成形機などで加熱成形して
も結合位置が積層体層方向にずれるだけで、層間の剥離
や破壊は発生しない。つまり積層体の熱可塑性が保持さ
れたまま、層間密着性が向上する。
【0029】A層とB層の界面の共有結合は、具体的に
は、後述するポリカーボネート樹脂の有するアミノ基と
アクリル樹脂の有するエポキシ基が反応することによっ
て形成される。アミノ基とエポキシ基の反応は室温でも
進行するため、例えば、共押出し成形や熱プレス成形、
2色射出成形などによる積層工程の熱で容易に進行し、
積層構造の形成と同時に共有結合が形成される。
【0030】なお、本発明では、上記A層とB層がその
界面において共有結合によって結合し密着していること
を特徴とするものであり、アミノ基とエポキシ基との組
み合わせにのみ制限されるべきものではなく、例えば、
アミノ基以外にも層Bとの間で共有結合し得る官能基と
しては、カルボキシル基などが挙げられ、エポキシ基以
外にも層Aとの間で共有結合し得る官能基としては、例
えば、イソシアナート基、カルボキシル基などが挙げら
れる。ただし、いずれの組み合わせも、本発明の好適な
組み合わせであるアミノ基とエポキシ基との組み合わせ
の場合に比べると反応速度が低く、積層工程での熱によ
り十分な層間強度を得る上でも、アミノ基とエポキシ基
との組み合わせの場合に比べると劣っているが、従来の
積層体に比べると、十分に本発明に効果を奏し得るもの
といえる。また、イソシアナート基の場合、若干化学的
に不安定であり、ブロック化などの手間が増加すること
からも、本発明では、アミノ基とエポキシ基との組み合
わせが好適であるといえる。
【0031】本発明における積層体を構成する層Aは、
高分子鎖末端にアミノ基を有するポリカーボネート分子
を含んで成るポリカーボネート樹脂から成ることを特徴
とする。ポリカーボネート樹脂に含まれるアミノ基は、
平均して1分子中に0.1〜1.5個の範囲が好まし
い。0.1個未満では共有結合の数が不足し、層間の密
着力が不十分となる場合がある。1.5個を超えると、
黄変や物性低下を生ずる場合がある。アミノ基の個数
は、IR(赤外吸光分析法)やXPS(X線光電子分光
法)によりアミノ基の濃度を測定し、これと重量平均分
子量の値から算出される。
【0032】高分子鎖末端にアミノ基を有するポリカー
ボネート分子の製法は特に限定されないが、例えば、特
開平9−302196号公報に開示されている方法や一
般的なエステル交換法においてビスフェノールを過剰と
する方法によって、末端に水酸基を有するポリカーボネ
ート分子を合成した後、これにこの水酸基と反応しかつ
アミノ基を有する化合物を両者を溶解可能な溶媒に溶解
したものを加え反応させることにより、アミノ基を有す
るポリカーボネート分子を得る方法が挙げられる。
【0033】ここで、水酸基と反応しかつアミノ基を有
する化合物としては、特に限定されないが、例えば、ア
ミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリ
エトキシシラン、アミノブチルトリエトキシシラン、ア
ミノフェニルトリメトキシシラン、アミノプロピルジメ
チルエトキシシラン、アミノプロピルメチルジエトキシ
シラン、(アミノエチル)アミノプロピルメチルジメト
キシシラン、(アミノエチル)アミノプロピルトリメト
キシシラン、等のアミノ基を有するアルコキシシラン類
や、エチルイソシアネート、(イソ)プロピルイソシア
ネート、ブチルイソシアネート、テトラメチルブチルイ
ソシアネート、メチルベンジルイソシアネートなどのモ
ノイソシアネート類が挙げられる。モノイソシアネート
類の場合、アクリル樹脂のエポキシ基との反応は、モノ
イソシアネートとポリカーボネートの末端水酸基との反
応により生成する2級アミンの間で行われる。よって、
かかる2級アミンは、NHRR’(Rがポリカーボネー
ト鎖、R’が元のモノイソシアネートの炭化水素基をい
う。)で表されるものであり、本発明でのポリカーボネ
ート樹脂中のアミノ基という場合には、−NH2のほ
か、上述したような2級アミンのNHR’基も含まれる
ものである。かかる2級アミンのNHR’基としては、
メチルアミノ基、エチルアミノ基、ベンジルアミノ基な
どのアルキルアミノ基;アニリノ基、トルイジノ基、キ
シリジノ基などのアリールアミノ基などが挙げられる。
【0034】尚、ポリカーボネート樹脂には必要に応じ
て、例えば紫外線吸収剤、熱安定剤等の添加剤や、顔料
等の着色剤を適量配合してもよい。
【0035】本発明における積層体を構成する層Bは、
エポキシ基を有する不飽和単量体と、メタクリル系単量
体および/またはアクリル系単量体(以下、単に(メ
タ)アクリル系単量体とも称する)との共重合体を含ん
で成るアクリル樹脂から成ることを特徴とする。
【0036】ここでエポキシ基を有する不飽和単量体と
は、例えば、グリシジルメタクリレート、アリルグリシ
ジルエーテル等が挙げられる。
【0037】上記(メタ)アクリル系単量体としては、
特に限定されないが、例えば、メチル(メタ)アクリレ
ート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メ
タ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、
イソブチル(メタ)アクリレート、n−アミル(メタ)
アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、n−
ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル
(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレー
ト、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)ア
クリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、シク
ロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)ア
クリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、等の(メ
タ)アクリル酸エステル類が挙げられる。これらは単独
または2種類以上を混合して用いてもよいが、透明性、
剛性等のバランスからメチルメタクリレートが主成分で
あることが好ましい。より好ましくは、(メタ)アクリ
ル系単量体全量に対してメチルメタクリレートが70〜
100質量%がよい。尚、例中の例えばメチル(メタ)
アクリレートは、メチルメタクリレートとメチルアクリ
レートの両者を意味している。
【0038】アクリル樹脂に対するエポキシ基を有する
不飽和単量体の質量分率は、0.1〜5質量%が好まし
い。0.1質量%未満では共有結合の数が不足し、層間
の密着力が不十分となる場合がある。5質量%を超える
と吸湿性が大きくなり、寸法安定性や耐久性が悪化する
場合がある。
【0039】本発明における積層体を構成する層Bのア
クリル樹脂は、酸化化合物を含んで成ることが好まし
い。アクリル樹脂に酸化化合物を分散することによって
剛性が更に高まる。分散させる酸化化合物としては特に
限定しないが、長径が380nm以下のシリカ化合物で
あることが好ましい。可視光の波長以下の長径のシリカ
化合物とすることで、透明性を維持したままアクリル樹
脂の剛性を高めることが可能となる。
【0040】上記酸化化合物としては、その表面に存在
する水酸基やシラノール基の一部が疎水化されているも
のが望ましい。疎水化によってアクリル樹脂中に酸化化
合物をより均一に分散させることができるためである。
これに対し、酸化化合物の表面の一部が疎水化されてな
いと、アクリル樹脂の合成中に該酸化化合物が溶媒中に
より多く分散し、アクリル樹脂中の酸化化合物濃度が上
がらず剛性の向上が困難となる場合があるため、より多
くの酸化化合物を用いる必要が生じるためである。かか
る酸化化合物としては、例えば、第IV族のチタン、ジル
コニウム、ケイ素等の酸化化合物や第III族のアルミニ
ウムなどの酸化化合物などが挙げられる。具体的には、
シリカ、チタニア、アルミナ、ジルコニアなどが使用で
き、更に、チタニアの表面をアルミナで処理した複合酸
化化合物等も使用できる。入手のし易さやコスト、さら
には疎水化処理のし易さ等からシリカを使用することが
好ましい。以下、酸化化合物の好適な1種であるシリカ
化合物を例にとり、その製法および疎水化処理法を簡単
に説明する。
【0041】酸化化合物の好適な1種であるシリカ化合
物は、製法によって大きく乾式と湿式の2種類に分けら
れ、一般的に前者はアエロジルに代表され乾式シリカと
呼ばれ、後者はコロイダルシリカと呼ばれるものが挙げ
られる。
【0042】乾式シリカは、四塩化珪素(SiCl4
の高温加熱分解により得られ、粉末状で供給され、コロ
イダルシリカは、珪酸ソーダ(水ガラス(SiO2n
Na 2O)の加水分解により得られ、水あるいは有機溶
媒に分散したコロイド状で供給されるものが利用でき
る。本発明では、これらのいずれを用いてもよいもので
ある。
【0043】また、疎水化処理とは、水酸基またはシラ
ノール基を有する微粒子シリカに、シラン系、シラザン
系、シロキサン系など種々のシリコーン化合物で処理す
る。例えば、1置換アルキルのシリコーン化合物とし
て、n−ブチルトリクロロシラン、n−ブチルトリメト
キシシラン等がある。また、2置換アルキルのシリコー
ン化合物としては、ジメチルジクロロシラン、n−ブチ
ルメチルジクロロシラン、n−デシルメチルジクロロシ
ラン等がある。さらに、3置換アルキルのシリコーン化
合物としては、n−デシルジメチルクロロシラン、エチ
ルジメチルクロロシラン、n−オクタデシルジメチルク
ロロシラン、n−オクタデシルジメチルメトキシシラン
などが挙げられる。このようなシリコーン化合物は、含
まれるアルキル基が疎水性を示すため、これによって疎
水化されたシリカ化合物はアクリル樹脂との相溶性に優
れ、アクリル樹脂との親和性の向上によりシリカをアク
リル樹脂に均一に分散させることができる。
【0044】より具体的には、上記シリカ化合物は、疎
水化前のシリカ微粒子をシクロヘキサン等の溶媒中に分
散し、ついで疎水化剤であるシリコーン化合物を添加
し、還流処理をする、いわゆる液相法によって行なうこ
とができる。反応終了後、生成物をシクロヘキサンで洗
浄する。この際、疎水化前のシリカ微粒子を分散させる
溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタ
ンなどのパラフィン系炭化水素;シクロブタン、シクロ
ペンタン、シクロへキサンなどのシクロパラフィン系炭
化水素、メチルエチルケトン、トルエン、キシレン、ア
セトン、ベンゼンなどの芳香族炭化水素等を使用でき
る。疎水化前のシリカ微粒子は、上記溶媒中に10〜4
5質量%の濃度に分散させる。疎水化の程度は、疎水化
剤の種類および濃度と、還流時間とで調整することがで
きる。好ましい反応温度は、40〜200℃であり、還
流時間は0.5時間以上である。なお、塩素系疎水化剤
で改質する場合には、発生する塩化水素を捕捉するため
に、疎水化反応には触媒を使用することもできる。この
ような触媒としてはピリジンがあり、その添加量は、塩
素系疎水化剤100質量部に対して0〜300質量部を
添加する。
【0045】このような疎水化反応は、真空ラインの中
で微粒子シリカの粉末を加熱して吸着水を除去した後、
疎水化剤である上記シリコーン化合物の蒸気を導入して
200〜300℃で加熱する、いわゆる気相法によって
も行なうことができる。疎水化の程度は、疎水化剤の導
入量および導入する疎水化剤の種類によって調整するこ
とができる。なお、疎水化前の微粒子シリカが水に分散
したコロイド状である場合には、水との反応性を回避す
るために水を例えばメチルエチルケトン等の有機溶媒に
置換する必要がある。このような脱水方法は特開200
0−44226号公報等で開示されている。なお、本発
明で使用する酸化化合物は、上記記載方法に限られず、
他の方法によって調製されたものであってもよい。
【0046】このようにして調製した酸化化合物は、1
種を単独で使用する場合の他、2種以上を混合して使用
してもよい。なお、本発明では、上述したように酸化化
合物として表面にシラノール基を有しかつその一部が疎
水化処理されたシリカ化合物を使用することが好まし
い。透明性を確保しつつ剛性を付与することができるか
らである。シリカ化合物の形状については特に限定され
ず、一般的な略球状だけでなく、直方体や板状、繊維の
ような直線形状、枝分かれした分岐形状等も用いること
ができる。
【0047】シリカ化合物の長径(直線距離で最も長い
部分の長さ)は、その形状によらず可視光波長である3
80nm以下であればよいが、好ましくは1〜200n
mの範囲、特には5〜100nmの範囲であることが好
ましい。380nm以下とすることでアクリル樹脂の透
明性を保持できる。なお、1〜200nmのものは、透
明性および剛性を確保でき、入手も容易でコスト的にも
有利である。
【0048】酸化化合物の配合量は特に限定されない
が、酸化化合物を配合したアクリル樹脂に対して0.1
〜50質量%が好ましい。0.1質量%未満では剛性向
上の効果がほとんど認められない場合がある。50質量
%を超えると透明性の低下や衝撃強度の低下が無視でき
ない場合がある。
【0049】尚、アクリル樹脂には必要に応じて、例え
ば、帯電防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤等の添加剤
や、顔料等の着色剤を適量配合してもよい。
【0050】本発明における積層体を構成する層Bのア
クリル樹脂の製法は、特に限定されないが、例えば、エ
ポキシ基を有する不飽和単量体と、(メタ)アクリル系
単量体との共重合体を含んでなるアクリル樹脂を製造す
る場合を例にとれば、上記不飽和単量体と(メタ)アク
リル系単量体とを適当な溶媒中で混合し、または溶媒を
用いずに混合し、その後に重合開始剤等の添加剤を添加
して重合を開始させる。
【0051】ここで、好ましく使用できる溶媒として
は、重合法によって適宜選択することができ、例えば、
水、メチルエチルケトン、トルエン、酢酸メチル、酢酸
エチル、酢酸ブチル等を使用することができる。また、
重合開始剤も従来公知のものを適宜選択でき、例えばア
ゾビスイソブチロニトリル、過酸化ベンゾイル等を好ま
しく使用することができる。これらは1種単独、あるい
は2種以上を併用してもよい。また、他の添加剤として
は、例えば、ドデシル硫酸ナトリウムなどの界面活性
剤、リン酸一水素ナトリウムなどのpH緩衝剤などが挙
げられるが、これらに制限されるべきものではなく、従
来公知の各種添加剤を本発明の作用効果に影響を及ぼさ
ない範囲で適宜適量を添加してもよい。
【0052】また、アクリル樹脂の重合方法としては、
一般的なラジカル重合法である塊状重合法、溶液重合
法、懸濁重合法、乳化重合法等のなかから用途、設備等
に応じて適宜選択できるが、工業的には懸濁重合法、乳
化重合法が好ましい。
【0053】さらに、上記シリカ化合物のような酸化化
合物を含んでなるアクリル樹脂を製造する場合には、後
述する実施例3のように、エポキシ基を有する不飽和単
量体と、(メタ)アクリル系単量体との共重合時に、他
の原料と一緒に添加する方法や、共重合後に押出機など
を用いてポリマーに混練する方法があり、いずれの方法
を用いてもよい。同様に、アクリル樹脂に配合させるこ
とのできる帯電防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤等の添
加剤や、顔料等の着色剤などについても、同様に適時、
適量を添加してもよい。なお、シリカ化合物のような酸
化化合物は、直接または予め適当な溶媒に分散したもの
を混合し、添加してもよい。
【0054】本発明における樹脂積層体は、透明性、耐
衝撃性、耐久性に優れているため、車両用の外装部品や
内装部品、車両用外板、樹脂ウィンドウの用途に好適で
ある。例えば、図1に示すように、ドアモール1、ドア
ミラーのフレーム枠2、ホイールキャップ3、スポイラ
ー4、バンパー5、ウィンカーレンズ6、ピラーガーニ
ッシュ7、リアフィニッシャー8、ヘッドランプカバー
(図示せず)等の車両用の外装部品、図2(a)、
(b)に示すように、フロントフェンダー21、ドアパ
ネル22、ルーフパネル23、フードパネル24、トラ
ンクリッド25、バックドアパネル(図示せず)等の車
両用の外板、図3に示すように、車両のフロントガラス
(図示せず)、サイドガラス31、リアガラス32等の
樹脂ウィンドウが挙げられる。前述したように顔料等の
着色剤を樹脂に混練したり、着色フィルムをインサート
するなどして所望の色調の部品を得ることも可能であ
る。さらに、本発明の樹脂積層体は、優れた透明性、耐
衝撃性、耐久性により、その他にも建材や電子機器等の
筐体にも利用できる。
【0055】
【実施例】次に、本発明に係る樹脂積層体の実施例につ
いて詳述するが、本発明はこれによって限定されるもの
ではない。
【0056】(実施例1) アクリル樹脂(層B)の合成 精製した195gのメチルメタクリレートと5gのグリ
シジルメタクリレートを予め十分混合し、これに1.5
gのアゾビスイソブチロニトリル(以下、AIBNと略
記する。)、1.5gのドデシル硫酸ナトリウム、20
gのリン酸一水素ナトリウム、800gの水を添加し、
窒素置換しながら液温を80℃に保ち、強攪拌し約6時
間反応させた。反応後、生成物をろ過し、十分に水で洗
浄した後、減圧乾燥し、所望のアクリル樹脂組成物を得
た。
【0057】ポリカーボネート樹脂(層A)の合成 40gの市販のポリカーボネート樹脂(三菱エンジニア
リングプラスチック株式会社製:ユーピロンE200
U)と1gのビスフェノールA、および0.1gの酢酸
亜鉛を180℃のトリクロロベンゼン200ml中で強
攪拌し約3時間反応させた。室温で冷却後、過剰のメタ
ノールを添加し生成物を沈殿させ、これをろ過、減圧乾
燥し、末端に水酸基を有するポリカーボネート樹脂を得
た。
【0058】次に70gの上記で得た末端に水酸基を有
するポリカーボネート樹脂をクロロホルム500mlに
溶解し、これに7gのアミノプロピルトリエトキシシラ
ンを添加し還流しながら加熱し約8時間反応させた。室
温で冷却後、過剰のメタノールを添加し生成物を沈殿さ
せ、生成物をろ過し、十分にメタノールで洗浄した後、
減圧乾燥し、所望のポリカーボネート樹脂組成物を得
た。
【0059】積層体の調製 上記で得られた樹脂組成物を2台の押出し機と3つのス
リットを有するTダイを用いて300mm巾の積層体を
調製した。層構成は層B:1mm/層A:3mm/層
B:1mmの3層とした。
【0060】(実施例2) アクリル樹脂(層B)の合成 実施例1に同じ。
【0061】ポリカーボネート樹脂(層A)の合成 40gの市販のポリカーボネート樹脂(三菱エンジニア
リングプラスチック株式会社製:ユーピロンE200
U)と1gのビスフェノールA、および0.1gの酢酸
亜鉛を180℃のトリクロロベンゼン200ml中で強
攪拌し約3時間反応させた。室温で冷却後、過剰のメタ
ノールを添加し生成物を沈殿させ、これをろ過、減圧乾
燥し、末端に水酸基を有するポリカーボネート樹脂を得
た。
【0062】次に70gの上記で得た末端に水酸基を有
するポリカーボネート樹脂をクロロホルム500mlに
溶解し、これに3gのプロピルイソシアネートを添加し
還流しながら加熱し約4時間反応させた。室温で冷却
後、過剰のメタノールを添加し生成物を沈殿させ、生成
物をろ過し、十分にメタノールで洗浄した後、減圧乾燥
し、所望のポリカーボネート樹脂組成物を得た。
【0063】積層体の調製 実施例1に同じ。
【0064】(実施例3) アクリル樹脂(層B)の合成 精製した195gのメチルメタクリレートと5gのグリ
シジルメタクリレート、および22gの表面を疎水処理
したシリカ化合物粉末(日本アエロジル株式会社製:A
EROSIL R974、平均一次粒子径12nm、ジ
メチルジクロロシラン処理)を予め十分混合し、これに
1.5gのAIBN、1.5gのドデシル硫酸ナトリウ
ム、20gのリン酸一水素ナトリウム、800gの水を
添加し、窒素置換しながら液温を80℃に保ち、強攪拌
し約6時間反応させた。反応後、生成物をろ過し、十分
に水で洗浄した後、減圧乾燥し、所望のアクリル樹脂組
成物を得た。
【0065】ポリカーボネート樹脂(層A)の合成 実施例1に同じ。
【0066】積層体の調製 実施例1に同じ。
【0067】(実施例4) アクリル樹脂(層B)の合成 実施例1に同じ。
【0068】ポリカーボネート樹脂(層A)の合成 実施例1に同じ。
【0069】積層体の調製 上記で得られた樹脂組成物を2台の押出し機と5つのス
リットを有するTダイを用いて300mm巾の積層体を
調製した。層構成は層B:0.7mm/層A:1.5m
m/層B:0.6mm/層A:1.5mm/層B:0.
7mmの5層とした。
【0070】(比較例1) アクリル樹脂(層B)の合成 精製した200gのメチルメタクリレート、1.5gの
AIBN、1.5gのドデシル硫酸ナトリウム、20g
のリン酸一水素ナトリウム、800gの水を、窒素置換
しながら液温を80℃に保ち、強攪拌し約6時間反応さ
せた。反応後、生成物をろ過し、十分に水で洗浄した
後、減圧乾燥し、所望のアクリル樹脂組成物を得た。
【0071】ポリカーボネート樹脂(層A)の合成 市販のポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプ
ラスチック(株)製:ユーピロンE200U)をそのま
ま用いた。
【0072】積層体の調製 上記で得られた樹脂組成物を2台の押出し機と3つのス
リットを有するTダイを用いて300mm巾の積層体を
調製した。層構成は層B:1mm/層A:3mm/層
B:1mmの3層とした。
【0073】(評価)続いて、上記の各積層体について
以下の評価を行なった。評価結果を表1にまとめる。
【0074】全光線透過率:ヘイズメーター(HM−6
5 村上色彩研究所製)で測定した。
【0075】 ○:≧90%、 ×:<90%、として評価した。
【0076】曲げ弾性率:オートグラフ(DCS−10
T 島津製作所製)で測定した。
【0077】 ○:≧3500MPa、 ×:<3500MPa、として評価した。
【0078】耐衝撃性:200×200mmの積層体を
180×180mmの枠で全周固定し、JIS R32
12(1998)の耐衝撃性試験法相当の鋼球を高さを
変え自由落下させ、亀裂や割れが発生する高さを測定し
た。
【0079】 ○:≧3m、 ×:<3m、として評価した。
【0080】層間密着性:200×200mmの積層体
を恒温恒湿槽中で80℃/4h→室温→−30℃/2h
→室温→70℃95%RH/4h→室温→−30℃/2
h→室温を1サイクルとし、10サイクルの熱サイクル
試験を行なう。熱サイクル試験後、上記の耐衝撃性評価
を行なった。
【0081】
【表1】
【0082】実施例、比較例ともに何れも全光線透過
率、曲げ弾性率、耐衝撃性については基準を超えてい
る。層間密着性については実施例は何れも基準を超えた
が、比較例では亀裂と層間剥離が生じた。本評価の層間
密着性評価は、より実際の使用状況に近い状態で評価で
きる方法である。本発明の実施例は、透明性を維持した
まま、耐衝撃性、耐久性に対して明らかな効果が認めら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る樹脂積層体の一実施形態(外装
部品用途)を示す説明図である。
【図2】 本発明に係る樹脂積層体の一実施形態(外板
用途)を示す説明図であり、図2(a)は、車体の側面
後方から見た斜視説明図であり、図2(b)は車体の上
面から見た平面説明図である。
【図3】 本発明に係る樹脂積層体の一実施形態(樹脂
ウィンドウ用途)を示す説明図である。
【符号の説明】
1…ドアモール、 2…ドアミラーのフ
レーム枠、3…ホイールキャップ、 4…スポ
イラー、5…バンパー、 6…ウィン
カーレンズ、7…ピラーガーニッシュ、 8…リ
アフィニッシャー、21…フロントフェンダー、
22…ドアパネル、23…ルーフパネル、
24…フードパネル、25…トランクリッド、
31…サイドガラス、32…リアガラス。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B62D 25/10 C08G 81/02 C08G 81/02 C08K 3/36 C08K 3/36 C08L 33/08 C08L 33/08 B62D 25/10 A (72)発明者 清野 俊 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 甲斐 康朗 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 半田 浩一 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 Fターム(参考) 3D003 AA01 AA04 BB01 CA36 CA38 3D004 AA01 AA03 AA10 BA01 CA01 4F100 AA20B AK25B AK25J AK45A AL01B AL06A AL06B BA08 BA31 GB32 JK10 YY00B 4J002 BG041 CD191 DE016 DE096 DE136 DE146 DJ016 FB076 FB096 GL00 GN00 GQ00 4J031 AA20 AA52 AB01 AC05 AC09 AD01 AE03 AE20 AF17 AF19

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリカーボネート樹脂から成る層Aとア
    クリル樹脂から成る層Bとを交互に少なくとも1層づつ
    積層した積層体であって、 該A層と該B層がその界面において共有結合によって結
    合していることを特徴とする樹脂積層体。
  2. 【請求項2】 上記ポリカーボネート樹脂がアミノ基を
    有し、上記アクリル樹脂がエポキシ基を有し、 該ポリカーボネート樹脂中のアミノ基と該アクリル樹脂
    中のエポキシ基が、上記A層とB層の界面において反応
    して生じる共有結合によって上記A層とB層が結合して
    いることを特徴とする請求項1に記載の樹脂積層体。
  3. 【請求項3】 上記ポリカーボネート樹脂が、高分子鎖
    末端にアミノ基を有するポリカーボネート分子を含んで
    成ることを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂積
    層体。
  4. 【請求項4】 上記アクリル樹脂が、エポキシ基を有す
    る不飽和単量体とメタクリル系単量体および/またはア
    クリル系単量体との共重合体を含んで成ることを特徴と
    する請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂積層体。
  5. 【請求項5】 上記エポキシ基を有する不飽和単量体
    が、アクリル樹脂に対して0.1〜5質量%で共重合し
    ていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に
    記載の樹脂積層体。
  6. 【請求項6】 上記アクリル樹脂が、酸化化合物を含ん
    で成ることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に
    記載の樹脂積層体。
  7. 【請求項7】 上記アクリル樹脂が、長径が380nm
    以下のシリカ化合物を含んで成ることを特徴とする請求
    項1〜6のいずれか1項に記載の樹脂積層体。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹
    脂積層体を用いた、車両用内外装部品成形体、車両用外
    板または樹脂ウィンドウ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100337856C (zh) * 2004-04-05 2007-09-19 本田技研工业株式会社 嵌条的安装结构
JP2011224875A (ja) * 2010-04-20 2011-11-10 Mitsubishi Chemicals Corp 熱線反射積層体及び熱線反射層保護層形成用組成物
WO2012133368A1 (ja) * 2011-03-30 2012-10-04 東レ株式会社 積層シートおよびそれを用いた太陽電池

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