JP2003290874A - 消失模型鋳造法 - Google Patents
消失模型鋳造法Info
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Abstract
物が得られる消失模型鋳造法を提供する。 【解決手段】 鋳物砂内に塗型が形成された模型を埋設
してなる鋳型に注湯し、注湯した該湯によって前記模型
を消失させながら製品を鋳造する際に、前記模型の消失
により発生した気体を前記鋳型の外部に放出させる排出
気体抑制手段を備えた排出通路を塗型とは別に設け、且
つ前記塗型の通気度と塗型の厚み(mm)の比を通気度
/厚みで0.1以下とする。
Description
関し、特に模型の消失により発生した気体を、特定の排
出通路を介して鋳型外部に放出させつつ鋳造を行う消失
模型鋳造法に関する。
われ、一般に、ポリスチレン発泡体等より成る消失模型
を鋳物砂の中に埋設し、溶湯を注湯して湯の熱で消失模
型を気化消失させるとともに、生じた空隙に溶湯を充填
して、鋳造品を作る鋳造法であり、特にプレス金型の製
作に広く利用されている。
止、模型の強度付与(造型時、ハンドリング時の変形、
破損防止等)等の目的で塗型が形成される。これらの効
果は、塗型剤を厚く塗る、塗型剤に細粒径あるいは鱗片
状の骨材を用いる、塗型剤中のバインダー成分の量を増
やす等により向上するが、その一方で塗型の通気性を低
下させてしまうため、熱分解ガスを十分に排出できずに
鋳物表面に残渣欠陥が発生することがあった。
を解消するために、通気性の高い塗型を形成すること
(特開平11−254088号)や、消失模型にガス排
出のための特定大きさの連通孔(通気孔)を形成するこ
と(特開平11−90583号)などが提案されてい
る。
塗型を形成してもなおガス抜きが不十分となって残渣欠
陥が発生することがあり、更に塗型強度が低下し焼着欠
陥が発生しやすくなる。一方、消失模型に単なる連通孔
を形成すると、溶湯の吹き上げや、ガス放出が過度とな
りすぎて、環境への影響が懸念される。このように従来
の消失模型鋳造法では、残渣欠陥の発生及び焼着欠陥の
両方が同時に十分に解消されているとは言い難い。
両方を同時に防止できる消失模型鋳造法を提供すること
である。
塗型が形成された合成樹脂発泡体製模型を埋設してなる
鋳型に溶湯を注湯し、該溶湯によって前記模型を消失さ
せながら製品を鋳造する消失模型鋳造法であって、前記
模型の消失により発生した気体を前記鋳型の外部に放出
させる排出気体抑制手段を備えた排出通路を塗型とは別
に設け、且つ前記塗型の通気度と塗型の厚み(mm)の
比を通気度/厚みで0.1以下とする消失模型鋳造法に
関する。
の厚み(mm)の比が、通気度/厚みで0.1以下、好
ましくは0.0005〜0.09、より好ましくは0.
001〜0.05の消失模型が使用される。この比が
0.1以下であることで、塗型強度が向上し焼着欠陥が
低減される。ここで、通気度Pは、「消失模型用塗型剤
の特性と標準化」(日本鋳造工学会関西支部、平成8年
3月15日発行)に基づき、以下の式により求められ
る。
重量から塗型形成前の模型重量を差し引き、その重量を
塗型剤が塗布された面積及び乾燥塗型の密度で除した値
とする。通気度が0.3以下、更に0.01〜0.2、
特に0.01〜0.1の塗型は、厚みを厚くする必要が
無く簡単に塗布できるため好ましい。
できれば、塗型剤は従来公知のものを使用することがで
きる。塗型剤のバインダー成分としては、有機バインダ
ー、無機バインダーを用いることができる。有機バイン
ダー成分としては、水系ではポリアクリル酸ナトリウ
ム、澱粉、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、
アルギン酸ナトリウム、アラビアガム等の水溶性高分子
や酢酸ビニル系、アクリル系等の各種の樹脂のエマルシ
ョンを、またアルコール系ではアルコール可溶もしくは
分散する各種樹脂を使用できる。無機バインダーとして
は、エチルシリケート、水ガラス、セメント、コロイダ
ルシリカ、リン酸アルミニウム等が挙げられる。また、
塗型剤の主骨材は、シリカ、シリカ−アルミナ、アルミ
ナ、ムライト、ジルコン、黒鉛等、従来公知の骨材を用
いることができる。その他、塗型剤には、界面活性剤、
増粘剤、ベントナイト等のチキソトロピー性付与剤等の
添加剤を使用できる。
るための具体的な手法として、下記の方法が挙げられ
る。、、特にはが効果的であり、好ましい。
ましくは5〜20μmのものを使用することにより、焼
着欠陥の解消効果が顕著となり、更に鋳物の表面が平滑
になる。
生が少なくなり、焼着欠陥等の解消効果が向上する。
ましくは5〜15mmとすることにより、焼着欠陥の解
消、模型の変形や破損の防止、ハンドリング性の向上な
どの効果がより顕著に得られる。この場合も、塗型剤は
従来公知の方法に準じて塗布すればよいが、重ね塗りや
ひび割れ防止のために、乾燥砂・骨材をふりかける(ス
タッコ)などの手法を用いても良い。
ダー成分が配合されているが、これを好ましくは15重
量%以上、更に20〜50重量%(対骨材)とする。バ
インダー成分の増量により、焼着欠陥の解消、模型の変
形や破損の防止、ハンドリング性の向上などの効果がよ
り顕著に得られる。
により発生した気体を鋳型の外部に放出させる排出気体
抑制手段を備えた排出通路が塗型とは別に設けられ、溶
湯の吹き上げがなく、且つ発生気体を適度に排出できる
ため、安全に鋳込みができ、且つ残渣欠陥が低減され
る。本発明の方法の一例を図1に示した。
内部の鋳物砂7と鋳物砂7に埋設された模型1等からな
り、模型1に連通した受口5が左上方に設けられてい
る。模型1は、発泡ポリスチレンによって製品と同一形
状に形成されており、貫通孔2が設けられている。鋳物
砂7は、5.5号硅砂であり、粘結剤を適量含有させて
ある。鋳型の形成は、まず、模型1の表面に耐火性に優
れた塗型剤3を塗布し、その後充分乾燥させる。そして
鋳枠4に湯口6および湯道10を形成した後、模型1を
固定し鋳物砂7で埋設し、受口5を設置する。その際、
貫通孔2の内部は空間にしておき、貫通孔2を湯道10
に連通させると共に、貫通孔2に連通する排出管を設け
排出通路8とする。排出通路8となる排出管はセラミッ
ク製で、排出気体抑制手段としてバインダーで成型され
たアルミナ等の耐火物粒子9が充填され、貫通孔2と大
気とを連通させるように鋳物砂7に埋設される。
6および湯道10を通って模型1に到達し、模型1を溶
融させて、鋳型内に溜る。一方、排出通路8からは、溶
湯によって溶融、燃焼された模型1の気体が排出される
のが確認される。
排出させるものであればよく、排出通路となる排出管の
径、設置位置、数等は、模型の形状や大きさにより決め
られる。排出通路は、直径30cm以下、好ましくは1
〜10cmの円筒状の、好ましくはセラミック製の排気
管により形成されるのが好ましい。排出通路のその本数
については所望の通気度を確保できるように適宜決定す
ればよいが、発泡体1千〜10万cm3、好ましくは1
千〜1万cm3あたり、1本設けるのが好ましい。
手段を排出通路に設ける。この排出気体抑制手段とは、
該手段を設けることで徐放(ここで、徐放とは、発生気
体をその発生とほぼ同時に強制的に排出するのではな
く、その排出量を抑制しつつ排出することをいう。)を
達成し得る通気性を有する手段であり、耐火物粒子及び
その層、背圧弁、中空細管等が挙げられ、溶湯の吹き出
し防止や鋳物品質の点から、耐火物粒子及びその層、背
圧弁がより好ましい。
場合、該細管を模型に接するように設置してもよい。中
空細管は排出通路を兼ねることができる。中空細管は、
内径0.1〜5cm、長さ30cm〜5m、好ましくは
内径0.5〜2cm、長さ40cm〜2mで、金属等の
耐火性のある材質で構成されるものが好ましい。
火物層としては、耐火物粒子をバインダー等を添加して
成型させたものや、ウレタンフォームにセラミックスス
ラリーを浸漬しその後焼成した、いわゆるセラミックス
フォームフィルター等を使用することもでき、好ましく
は前者である。耐火物粒子の平均粒径は0.1〜10m
m、更に0.5〜5mmが好ましく、金属又はその酸化
物の粒子、例えばアルミナ、珪砂、ジルコン砂、クロマ
イト砂、合成セラミック砂等が挙げられる。耐火物は、
排出通路の面積、形状にもよるが、厚さが0.5〜20
cm、更に1〜10cmとなる量で充填されることが好
ましい。
を弁の前側(気体流路の上流)に比して後側(気体流路
の下流)を低く設定できる弁のことであり、バネ式低圧
バルブ、ニードル式等何れを用いてもよく、これらを排
気通路に設置することで排出気体抑制手段が形成され
る。
用される。合成樹脂発泡体としては、ポリスチレン、ポ
リメタクリル酸メチル、又はこれらの共重合体等の発泡
体が用いられる。
好ましい。特に、図1のように、排出気体抑制手段を備
えた排出通路8、更に湯道6に連通する貫通孔を形成す
ることが好ましい。熱分解ガスの徐放を精度良くコント
ロールするためには、排出気体抑制手段に集中的にガス
を導く必要がある。そのため、模型には排出通路、更に
湯道に連通する貫通孔を形成することが好ましい。貫通
孔は、模型作製時に形成してもよいし、模型作製後、加
熱した金属棒等、あるいはドリル、レーザーにより形成
してもよいし、カッターナイフ等で切れ込みを入れた
後、接着テープ等を模型表面に貼り付けることで形成さ
せてもよい。貫通孔の径、形成位置、数等は、模型の形
状や大きさにより決める。
成分とする珪砂の他、ジルコン砂、クロマイト砂、合成
セラミック砂等の新砂又は再生砂が使用される。鋳物砂
は粘結剤を添加せずに用いることもでき、その場合には
充填性が良好であるが、強度が必要な場合には、粘結剤
を添加し、硬化剤により硬化させるのが好ましい。
体の圧力損失が0.05〜5000g/cm2であるこ
とが好ましく、より好ましくは0.1〜1000g/c
m2であり、更に好ましくは0.5〜100g/cm2で
あり、特に好ましくは1〜50g/cm2である。ここ
で圧力損失とは、排出気体抑制手段の前後(気体流路の
上流、下流)の圧力差であり、排出通路の排気側の圧力
は何れでもよいが、好ましくは大気圧である。なお、圧
力損失は次のような手順に則り、計算により求められ
る。まず図2に示したように、コンプレッサーから通気
量(通常1〜10L/分の範囲)の異なる加圧空気を流
通させた時のそれぞれの圧力を求め、それに基づき通気
量−圧力損失の検量線を作成する。次いで、鋳込み時間
と予想される気体発生量Vから単位時間あたりの気体発
生量(L/分)を求め、検量線をその気体流量に一次近
似外挿して圧力損失を求める。
8月号)の第27頁図3によれば、1000℃における
熱分解気体発生量として、ポリスチレンで650cm3
/g、ポリメチルメタクリレートで980cm3/gで
ある。これら以外の材質を用いる場合は計測してVを求
める。
塗型の通気度と塗型の厚み(mm)の比を通気度/厚み
で0.1以下とするが、それ以外は、従来公知の消失模
型鋳造法に準じて行うことができる。
効率よく排気するため吸引装置を備えた鋳枠を用いて鋳
込みを行ってもよいが、特定の排出通路を有しているこ
とから、必ずしも吸引装置を有さなくてもよい。
がなく美麗な鋳物を製造できる消失模型鋳造法が提供さ
れる。特に、厚肉部やポケット部があり焼着欠陥が発生
しやすい鋳物や、複雑で薄肉の模型を変形破損しやすい
形状の鋳物について、残渣欠陥のない鋳物を作るのに効
果がある。
リスチレン製)に、直径3mmの金属棒を加熱し、図1
のように貫通孔を形成した。貫通孔の直径は約4mmで
あった。
m)に、エステル硬化性フェノール樹脂を含有する直径
2mmの球状アルミナを厚さ(h)2.5cmとなるよ
うに充填し硬化させ、排出気体抑制手段を備えた排出通
路とした。この排出通路を通過する気体の圧力損失は4
g/cm2であった。
カ粉40部(重量基準、以下同様)に、鱗状黒鉛10
部、酢酸ビニル系バインダー5部(固形分として)、水
40部、非イオン界面活性剤0.5部、ベントナイト
4.5部を加えた塗型剤を前記形状の発泡模型に膜厚が
3mmになるように塗布した。
強度は3.5MPa、膜厚は3mmであり、通気度/膜
厚は0.047であった。なお、この抗折強度は、前記
「消失模型用塗型剤の特性と標準化」に基づいてDPX
−2TR(IMADA社製)デジタルフォースゲージに
より測定されたものである。
込みを行った。鋳鉄の材質はFC250、鋳込み温度は
1400℃であった。鋳込み後の鋳物の品質(残渣欠陥
と焼着欠陥)の評価結果を表1に示す。また、得られた
鋳物の表面粗度を表面粗さ計(Taylor-Hobson 社製 Sur
tronic10)にて測定した結果、Ra=18.6であっ
た。
以外は、実施例1と同様にして鋳込み試験を行った。結
果を表1に示す。このように塗膜の厚みを厚くすると、
強度は膜厚の2乗に比例するため、3mmに塗布した塗
型に比べて、約11倍強度が高くなり、模型の変形、破
損等の防止にも有用である。
は、実施例1と同様にして鋳込み試験を行った。結果を
表1に示す。
て水ガラス水溶液50部(固形分濃度20重量%、PC
500、日産化学社製低アルカリ水ガラス系バインダ
ー、対骨材20重量%)を用い、水を添加しない以外は
実施例1と同様に鋳込み試験を行った。この塗型の強度
を測定すると、9.6MPaであった。結果を表1に示
す。
解消するだけでなく、塗型の強度も向上するため、模型
の変形、破損等の防止にも有用である。
ロイダルシリカ水溶液(固形分濃度30重量%)100
0ml(重量1210g、固形分量が対シリカで16重
量%)、非イオン界面活性剤0.2ml、消泡剤数滴の
比率でスラリーを作った。このスラリーを模型表面に繰
り返し塗布し、膜厚(乾燥厚)を5mmとした。実施例
1と同様に鋳込み試験を行った。得られた鋳物の表面粗
度はRa=6.3であり、実施例1より更に平滑な表面
を持つものであった。本発明では、このような細かい主
骨材の塗型を用いた場合、焼着欠陥が解消するだけでな
く、より平滑な鋳物を作ることが出来る。
以外は、実施例1と同様にして鋳込み試験を行った。結
果を表1に示す。
さい場合に塗型膜厚を薄くしても良好な結果が得られる
ことを示している。また、実施例4は、無機バインダー
を使用しているため、塗型膜厚が薄くても良好な結果が
得られることを示している。特に、実施例5の結果か
ら、本発明では、耐火性骨材の平均粒径が小さく且つ無
機バインダーを使用すると、最も良好な結果が得られる
ことがわかる。
Claims (5)
- 【請求項1】 鋳物砂内に、塗型が形成された合成樹脂
発泡体製模型を埋設してなる鋳型に溶湯を注湯し、該溶
湯によって前記模型を消失させながら製品を鋳造する消
失模型鋳造法であって、前記模型の消失により発生した
気体を前記鋳型の外部に放出させる排出気体抑制手段を
備えた排出通路を塗型とは別に設け、且つ前記塗型の通
気度と塗型の厚み(mm)の比を通気度/厚みで0.1
以下とする消失模型鋳造法。 - 【請求項2】 塗型の通気度が0.3以下である請求項
1記載の消失模型鋳造法。 - 【請求項3】 前記塗型が、平均粒径20μm以下の耐
火性骨材を含有する請求項1又は2記載の消失模型鋳造
法。 - 【請求項4】 前記塗型が、無機バインダーを含有する
塗型剤により形成されたものである請求項1〜3の何れ
か1項記載の消失模型鋳造法。 - 【請求項5】 前記排出気体抑制手段が、圧力損失0.
05〜5000g/cm2の排出気体抑制手段である請
求項1〜4の何れか1項記載の消失模型鋳造法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2002105352A JP3871952B2 (ja) | 2002-04-08 | 2002-04-08 | 消失模型鋳造法 |
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CN103084540A (zh) * | 2013-01-30 | 2013-05-08 | 巢湖诺信建材机械装备有限公司 | 一种用于铸造耐热钢或耐磨合金钢的消失模涂料配制方法 |
JP2016055318A (ja) * | 2014-09-10 | 2016-04-21 | 虹技株式会社 | 空洞鋳型の作製方法、空洞鋳型を用いた鋳造方法 |
-
2002
- 2002-04-08 JP JP2002105352A patent/JP3871952B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2016055318A (ja) * | 2014-09-10 | 2016-04-21 | 虹技株式会社 | 空洞鋳型の作製方法、空洞鋳型を用いた鋳造方法 |
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