JP2003290628A - 散水手段を有するガス浄化装置 - Google Patents

散水手段を有するガス浄化装置

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JP2003290628A
JP2003290628A JP2002094311A JP2002094311A JP2003290628A JP 2003290628 A JP2003290628 A JP 2003290628A JP 2002094311 A JP2002094311 A JP 2002094311A JP 2002094311 A JP2002094311 A JP 2002094311A JP 2003290628 A JP2003290628 A JP 2003290628A
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gas
water
reaction
sheet
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Shinya Kitaguchi
真也 北口
Junji Yokoyama
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Nippon Shokubai Co Ltd
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  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は光触媒反応により連続的に処理ガス
中の有害物質を除去し、かつ再生も有効に実施すること
ができるガス浄化装置を提供することを目的とする。 【解決手段】 本発明は光触媒反応を用いたガス浄化装
置に関するものであり、該ガス浄化装置の反応部は光触
媒、紫外線ランプおよび散水手段を有しており、ガスは
反応部の下方より上昇流として導入され、光触媒の再生
時に反応部の上方から散水して流下する水により光触媒
が上部から下部に向けて順次洗浄される構造を有するこ
とを特徴とするガス浄化装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光触媒反応により低濃
度難分解性有害成分等を除去するガス浄化装置に関する
ものである。詳しくは、光触媒を再生するに際して有効
に再生することができる手段を有するガス浄化装置であ
る。
【0002】
【従来の技術】空気中の低濃度の臭気成分や有害成分を
除去する方法として光触媒を用いて処理する技術が最近
注目されている。光触媒は強力な酸化力を有しており、
有機や無機の有害成分を常温で完全酸化することが可能
である。しかしながら処理ガス中に硫化水素、メチルメ
ルカプタン、硫化メチル、二硫化メチル等の硫黄系化合
物やアンモニア、アミン類、窒素酸化物等の窒素系化合
物が含まれる場合は光触媒によって酸化されて硫酸や硝
酸等の無機酸を光触媒上に生成するため反応が阻害され
処理効率が低下することが知られている。そこでこのよ
うな無機酸の生成が予測される用途においては、シャワ
ー等の散水設備を設けることにより定期的に光触媒を洗
浄することによって性能を回復させる必要がある。
【0003】例えば特開平8−117560号では光触
媒層および光源よりなる反応部を風胴構造として洗浄水
槽を兼ねたケーシングで構成し、光触媒層の再生時に該
ケーシング内に洗浄水を注入して光触媒層に吸着されて
いる大気汚染物質の酸化生成物を除去する洗浄手段を付
設した有害ガス除去装置が開示されている。しかし上記
方法では洗浄水を保管する大容量のタンクや送液ポンプ
が必要となるため、装置が大きくなり設備費も高くな
る。また洗浄を繰り返すことにより洗浄水が酸性となる
ためpH調整等の維持管理作業が複雑となる。
【0004】また光触媒反応により生成する酸化生成物
は反応部の入口部に多量に付着するが出口部分ではガス
濃度が低くなるためほとんど酸化生成物の付着はなくな
るが、散水手段により入口部と出口部を同様に洗浄すれ
ば、出口部では過剰に無駄な洗浄水が発生し維持管理費
が高くなる。
【0005】そこで特開平10−305213号では入
口部と出口部で紫外線の強度を調整したり、光触媒に添
加するアルカリ成分量を変更して触媒層全域で有害ガス
成分の捕捉量が平均化されるようにした光触媒式有害ガ
ス除去装置が提案されている。例えば入口部の紫外線の
強度を弱くすることにより入口部の反応が抑制され無機
酸の生成は触媒層で平均化されるが、入口部の反応速度
の低下を招くため同じ処理効率を得るためには接触時間
を長くする必要があり装置の大型化を招いてしまう。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、光触媒反応
により連続的に処理ガス中の有害物質を除去し、かつ再
生も有効に実施することができるガス浄化装置を提供す
ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、光触媒、紫外
線ランプおよび散水手段により構成された反応部を有す
るガス浄化装置であって、かつ当該ガスを反応部の下方
から上昇流として導入する手段と当該光触媒の上方より
散水する手段を有することを特徴とするガス浄化装置で
あり、本発明を用いることにより上記課題を解決でき
る。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明は光触媒反応によるガス浄
化装置であり、光触媒、紫外線ランプおよび散水手段に
より構成された反応部において、ガスは反応部の下方か
ら上昇流として導入され、光触媒の再生時に反応部の上
方から散水して流下する水により光触媒が上部から下部
に向けて順次洗浄される構造であることを特徴とするガ
ス浄化装置である。
【0009】本発明の光触媒は、400nm以下の波長
の紫外線を照射することにより光半導性を示すものであ
ればよく、酸化チタンやチタン酸ストロンチウム、酸化
亜鉛が挙げられる。特にアナターゼ型酸化チタンが安価
で化学的に安定であるため好ましい。また、チタンおよ
びケイ素の二元系複合酸化物、チタンおよびジルコニウ
ムの二元系複合酸化物、チタン、ケイ素およびジルコニ
ウムよりなる三元系複合酸化物も使用可能であり、これ
らチタン系複合酸化物は結晶化度を高めても一次粒子径
が小さくアナターゼ型酸化チタンより更に良好な光触媒
特性を有している。さらに、白金やパラジウム等の貴金
属元素を微量添加して活性の向上を図ることも可能であ
る。また必要により活性炭、ゼオライトやシリカゲル等
の吸着剤を光触媒に配合させてもよい。
【0010】光触媒に光を照射する紫外線ランプとして
は、ブラックライト、殺菌灯、ケミカルランプ、低圧水
銀灯等の400nm以下の波長の光を発生するものを使
用することができる。光触媒全体に光が照射されるよう
に紫外線ランプを設置する。例えば光触媒を多段に設置
する場合は光触媒各段の間にランプを設置して光触媒の
両面に光照射される構造とすることが好ましい。また装
置の内壁に紫外線を反射する鏡等を設置することによっ
て有効的に光を利用することができる。また反応部壁面
の材質を400nm以下の紫外線を透過することができ
るガラスや強化プラスチック等で構成することにより、
光触媒反応に太陽光を利用することもできる。
【0011】散水手段としては噴射ノズルやシャワーノ
ズル等を使用することができる。散水手段より水が噴出
され光触媒反応により光触媒に付着した酸化生成物が洗
い流される。水はタンク等に貯留しておいてポンプ等に
より散水手段に給水してもよい。
【0012】本発明の反応部は、上記の光触媒、紫外線
ランプおよび散水手段より構成されているが、処理ガス
は反応部の下方から導入される。これにより反応部の下
方に設置された光触媒が濃度の高い処理ガスと接触する
ことになり光触媒反応による酸化生成物の付着も多くな
り、経時的に反応速度が低下してくる。しかし反応部の
上方に設置された光触媒は有害成分の大部分が反応部の
下方で処理されているため酸化生成物の付着はほとんど
ないため反応速度を低下することなく処理性能を維持す
ることができる。
【0013】一方、再生時の散水を反応部の上方から散
水して流下する水によりに光触媒が上部から下部に向け
て順次洗浄される構造となっている。すなわち、反応部
上部における酸化生成物がほとんど付着していない光触
媒の洗浄水を有効的に利用することができるため洗浄水
量を大幅に低減することが可能となる。
【0014】従来は光触媒の洗浄をそれぞれの部位に別
々に散水手段を設置して洗浄を実施していたため酸化生
成物のほとんど付着していない出口部では洗浄水が無駄
に使用されていたが、本発明によれば従来の無駄を大幅
に削減できる。また洗浄手段は反応部の上部に設置する
だけでよいためコンパクトで簡単な装置構造となる。な
お、場合によっては、洗浄水を循環使用することもでき
る。
【0015】洗浄水としては、イオン交換水、水道水、
井戸水や雨水等を用いることができるが、洗浄水のpH
は6〜8であることが好ましい。また洗浄水量は特に限
定されないが、再生時に反応部底部の排水口から排出さ
れる洗浄水のpHが少なくとも5以上となるまで洗浄を
実施するのが好ましい。
【0016】光触媒は顆粒状、ペレット状、板状やハニ
カム状等の形状とすることが可能であるが、光の照射効
率とガスとの接触効率を考慮して板状の光触媒シートを
反応部に多段に設置することが好ましい。このような光
触媒シートとしては前述の光触媒物質をそのまま平板状
に成形したものや、セラミック板、ガラス板、金属板、
プラスチック板等の板状基材の表面に光触媒を塗布、担
持したものを使用することができる。また無機および/
または有機繊維を抄紙したもの、織布や不織布等のシー
ト状の基材に光触媒を担持したものを使用してもよい。
上記紙状や布状の光触媒を前記のセラミック板、ガラス
板、金属板、プラスチック板等の板状の基材の片面ある
いは両面に貼り付けて使用してもよい。光触媒シートの
厚みは特に制限されるものではないが0.3〜5mm程
度であることが好ましい。また処理ガス量が大きくなり
光触媒の断面積を大きくする必要がある場合は外枠や内
部に適当な間隔で桟をつけて強度を補強してもよい。
【0017】従来、二次元の光触媒シート等を用いる光
触媒反応においてはガス流通経路内に光触媒を設置して
も有害成分のほとんどは光触媒に接することなく空間部
を素通りしてしまうため高い処理効率が得られなかっ
た。すなわちガス中の有害成分と光触媒の接触が反応律
速となり十分な反応速度を得ることが困難であった。一
方、本発明においては上記のような板状の光触媒シート
を反応部の断面から見て右下がりあるいは左下がりに傾
斜させて光触媒シートを多段に設置して、ガスおよび散
水が光触媒シートに沿ってジグザグ状に流れる構造とす
ることが好ましい。すなわち、光触媒シートは反応部を
上昇してくるガスと交差するように水平方向に角度をつ
けて設置されており、この光触媒シートを多段に配列す
ることにより、ガスは光触媒シートに沿って流れ有害成
分と光触媒との接触する機会が著しく高められる。
【0018】上記において光触媒シートを水平に設置し
てもガスとの接触は十分得られるが、右下がりあるいは
左下がりに角度を設けることにより流下する水の流れる
方向を一定とすることができる。また紫外線ランプを多
段に配列した光触媒シート間に設置することが好ましい
が、光触媒シートを角度を設けて設置することにより紫
外線ランプにより光触媒シートの光照射面積を広げるこ
とが可能となる。上記構成において光触媒シートを反応
部断面から見て水平方向に対して右下がりあるいは左下
がりに少なくとも5度以上の角度で傾斜させるようにす
る。
【0019】洗浄水がジグザグ状に流れる構造とするた
めには多段に設置する光触媒シートを右下がりと左下が
りとに交互に設置していく必要がある。また上方から流
下する水により光触媒シートが順次洗浄されていく構造
とするためには上層の光触媒シート下端から流下する水
が下層の光触媒シートの上端に落ちるように光触媒シー
トをずらして配列することが好ましい。
【0020】前述のように紫外線ランプの設置する場所
としては多段に配列される光触媒シートの間に設置する
ことが好ましいが、この際上方の光触媒シートが傘とな
るように光触媒シートの下方に紫外線ランプを設置する
ことによって流下してくる洗浄水により紫外線ランプが
濡れない構造とすることが好ましい。電気機器への水接
触は安全上好ましくなく、紫外線ランプの寿命を短くす
る原因にもなる。
【0021】光触媒シートの上面のみを利用してガスを
浄化する場合は上記構成により定期的に洗浄水を噴射す
ることより光触媒が再生され連続的にガスを処理するこ
とが可能である。しかし短い接触時間で光触媒反応の処
理効率を高めるためには光触媒シートの両面を利用する
ことが好ましい。そこで光触媒シートを定期的に反転さ
せて下面が上面となるようにすれば流下してくる水によ
り光触媒シートの両面を洗浄することが可能となる。こ
こでいう反転は上面が下面になることを意味するもので
あり光触媒シートを180度回転させてもよいし、上端
部を反対側に傾斜させることによっても上面と下面を切
り替えることができる。上端部を反対側に反転させる場
合は右下がりが左下がりに傾斜方向が反対となる。洗浄
を実施する再生頻度は入口ガス条件により異なるが、安
定した処理性能を得るためには1〜3日に1回実施する
のが好ましい。
【0022】上記構成とすることにより光触媒シートの
再生を片面毎に行えるためガス浄化処理を連続的に実施
することができる。すなわち上面を洗浄している際は下
面は濡れないため光触媒反応によるガス浄化を実施する
ことが可能である。例えば上面の洗浄が終了後に上面が
乾いてから、光触媒シートを反転して反対面を洗浄すれ
ば良い。洗浄中は光触媒とガスとの接触が阻害されるた
め処理効率は低下するが、通風により付着水は蒸発する
ため直ぐに光触媒性能は回復しガス浄化装置を停止する
ことなく連続的に稼動することができる。
【0023】本発明に開示するガス浄化装置は有害成分
や臭気成分を処理することが可能であり、トルエン、キ
シレン、ベンゼン等の芳香族類やクロロフェノール、ジ
クロロエチレン、ダイオキシン類等の有機塩素化合物や
プロピオン酸、吉草酸、酪酸等の低級脂肪酸類の従来処
理することが困難であった難分解性物質も常温で効率よ
く処理することができる。また硫化水素、メチルメルカ
プタン、硫化メチル、二硫化メチル等の硫黄系化合物や
アンモニア、アミン類、窒素酸化物等の窒素系化合物を
処理する際は光触媒により硫酸や硝酸等の無機酸を光触
媒シート上に生成することが予測される用途においても
定期的に光触媒シートを洗浄することにより連続的にガ
スを処理することができる。本発明のガス浄化装置はガ
ス濃度として0.01〜10ppm程度の有害成分を処
理するのに適している。
【0024】以下、本発明の実施の形態を図面に従って
説明する。図1は本発明のガス浄化装置の構成例を示し
たものであり、反応部1は光触媒シート2、紫外線ラン
プ3、散水ノズル5より構成されている。処理ガスはガ
ス吸引口7よりブロア4によって吸引されガス浄化装置
に吸引され反応部の下方にある反応部導入口8から反応
部1に導入される。反応部1に光触媒シート2がガスの
流れを遮るように設置されており、図1に示されるよう
に断面から見て右下がりあるいは左下がりに傾斜して交
互に配列されている。また多段に配列された光触媒シー
ト2の間に紫外線ランプ3を設置して、各光触媒シート
に光が照射される構造となっている。これによりガスは
反応部をジグザグ状に上昇し、光触媒と接触することに
より有害成分や悪臭成分が浄化されて上方にあるガス排
出口9から系外に排出される。
【0025】反応部1の上方に設置した散水手段である
散水ノズル5から定期的に散水することにより光触媒シ
ートに付着した酸化生成物が洗浄除去される。前述のよ
うに光触媒シート2は右下がりと左下がりを交互に繰り
返されており、洗浄水は上方から下方向けてジグザグ状
に流下していく。この際の光触媒シートのサイズ、シー
トの間隔や傾斜角度を調整することによって流下する水
により光触媒が順次洗浄される構造となっている。図1
では多数配列された光触媒シートを1つの散水ノズル5
で洗浄しており、簡易でコンパクトな構造が可能であり
排水量も著しく抑制することができる。光触媒シートを
洗浄した水は反応部底部にある排水口6より系外に排出
される。
【0026】図2は本発明のガス浄化装置を密閉空間で
ある地下駐車場のガス浄化に適用した例を示した。地下
駐車場の天井に設置したダクト10を介して自動車排ガ
スにより汚染された空気をブロア4によりガス浄化装置
に吸引するものである。反応部の構成は図1とほぼ同じ
であるが、反応部を建物の形状に合わせて傾斜させて設
置しておりガス浄化装置のために大きなスペースを確保
することなく有効的にガス浄化を実施することができて
いる。なお、図2においては、例えば光触媒シートが配
列された装置の壁面を紫外線が透過する石英ガラス製等
の窓とすることによって太陽光を光触媒反応に利用する
こともできる。
【0027】図3では光触媒シートを反転できる構造と
し光触媒シートの両面を利用することができる。すなわ
ち、光触媒シート2は光触媒シート回転軸11を中心と
して右下がりから左下がりに変更できる構成となってい
る。
【0028】また、図4は図3の反応部において横方向
にも複数枚の光触媒シート2を配列した例を示した。光
触媒シートを横方向に平行して重ねることによりガス流
通経路の断面積を大きくすることができガス量が大きい
場合の適用例である。基本的な構成は同じでありガスは
ジグザグ状に上昇流として反応部を通過し、洗浄水は反
応部を光触媒シートに沿ってジグザグ状に流下する。
【0029】なお、図1〜4で紫外線ランプ3はいずれ
も光触媒シート2を傘としており上方から流下してくる
水により濡れない構造となっている。
【0030】また、図5では、図4において光触媒シー
トの底辺部を固定して反対側に反転させた状態を示し
た。例えば光触媒シートを金属製等の外枠に入れて強度
を持たせ、横方向の各光触媒シートの四隅を連結して回
転軸11により可曉性のある構造としている。駆動装置
等により光触媒シートを反転する機構としておけば定期
的に再生される光触媒シート面を変更することが可能と
なる。このようにすることにより光触媒シートの反対面
も洗浄することが可能となり、連続的に高い処理効率を
維持することができる。
【0031】一方、図6には光触媒シートを用いた従来
のガス浄化装置の例を示した。光触媒シート2は横方向
に多段に配列されおり、ブロア4にて誘引された処理ガ
スは反応部導入口8より導入され図の左側から右側に横
方向に流れてガス排出口9から系外に排出される。光触
媒シート2の両面を洗浄するために多数の散水ノズル5
が装置内に設置されている。再生時の多量の洗浄水の使
用を避けるために図6では洗浄水を循環して使用する構
成となっている。すなわち洗浄水タンク12の洗浄水1
3が送液ライン14を介して循環ポンプ15により揚水
され散水ノズル5より噴出された水は底部にある返水ラ
イン16より洗浄水タンク12に戻される。これらより
過剰の洗浄水を排出することなく再使用することが可能
となる。しかし酸化生成物により洗浄水13のpHは徐
々に酸性となるためpH計17にて液pHを測定して薬
液タンク18のアルカリ水溶液を滴下してpH管理を実
施している。図4の構成と比較すると装置の構成が複雑
となっており、維持管理も煩雑となることは明確であ
る。また紫外線ランプによる光触媒への光照射が不十分
となったり、洗浄水により紫外線ランプが濡れる構造に
なっており好ましくない。以上のように本発明のガス浄
化装置の構成とすることによって光触媒上に生成した酸
化性生成物は効率的に除去することが可能となり、ガス
浄化装置を連続的に稼動し高い処理効率を維持すること
が可能である。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
但し、本発明は下記の実施例に限定されるものではな
い。 (実施例1)シリカゾルをバインダーとしてガラス繊維
および活性アルミナを抄紙した厚さ1mmのセラミック
ペーパーにチタニアゾル(石原産業製STS−01)を
浸漬し120℃で乾燥した後、300℃で2時間焼成し
て光触媒を担持した。このようにして得られた光触媒が
担持されたセラミックペーパーを縦400mm、横50
0mm、厚さ5mmのアクリル板の片面に貼り付けて板
状の光触媒シートを得た。
【0033】上記の光触媒シート8枚を図1に示すよう
に水平方向に対して7度傾斜させて右下がりと左下がり
を繰り返し光触媒が上面となるように設置した。また光
源とし15Wのブラックライト(松下電器産業製FL1
5BL−B)8本を図に示す位置に設置した。また上部
に散水手段を1つ設置し底部に排水ラインを設けた。
【0034】このような反応部にブロアをつなぎガスが
反応部の下方から導入され、ガスが反応部を上昇流とし
て流れるガス浄化装置を製作した。散水はタイマーで2
4時間毎に6分間実施するように設定した。ガスボンベ
を希釈してNO濃度1ppmのガスをガス浄化装置にガ
ス量3m/hrで通気してNOx除去性能を測定し、
結果を表1に示した。1週間連続稼動後の再生時に排出
された排水のpHは6.5であった。 (実施例2)実施例1と同様にして得られた光触媒が担
持されたセラミックペーパーを縦200mm、横500
mm、厚さ5mmのアクリル板の両面に貼り付けて板状
の光触媒シートを得た。
【0035】上記の光触媒シート4枚を図3に示すよう
に水平方向に対して45度傾斜させて右下がりと左下が
りを交互に設置した。また光源とし15Wのブラックラ
イト(松下電器産業製FL15BL−B)4本を図に示
す位置に設置した。また上部に散水手段を1つ設置し底
部に排水ラインを設けた。また光触媒シートは図3に示
すように回転軸11を中心として反転できる構造であり
12時間毎に自動的に反転される構造となっている(光
触媒シートを反転するための駆動設備は図示していな
い)。
【0036】このような反応部にブロアをつなぎガスが
反応部の下方から導入されガスが反応部を上昇流として
流れるガス浄化装置を製作した。散水は光触媒シートの
反転後直ぐに12時間毎に3分間実施するようタイマー
で設定している。以下実施例1と同様にしてガス浄化装
置にガス量3m/hrでNO濃度1ppmのガスを通
気してNOx除去性能を測定し結果を表1に示した。1
週間連続稼動後の再生時に排出された排水のpHは6.
6であった。 (実施例3)実施例2と同様にして得られた光触媒シー
ト(縦200mm、横500mm、厚さ5mm)20枚
を図4に示すように水平方向に右下がりあるいは左下が
りに45度に傾斜させて反応部に設置した。また光源と
して15Wのブラックライト20本を図に示す位置に設
置した。また上部に散水手段としてシャワーノズルを5
個設置し底部に排水ラインを設けた。また光触媒シート
は図4に示すように反転できる構造となっており12時
間毎に自動的に反転される(光触媒シートを反転するた
めの駆動設備は図示していない)。
【0037】このような反応部にブロアをつなぎガスが
反応部の下方から導入されガスが反応部を上昇流として
流れるガス浄化装置を製作した。散水は実施例2と同様
に光触媒シートの反転後直ぐに12時間毎に3分間実施
するようタイマーで設定している。このガス浄化装置に
ガス量15m/hrでNO濃度1ppmのガスを通気
してNOx除去性能を測定し結果を表1に示した。1週
間連続稼動後の再生時に排出された排水のpHは6.4
であった。 (比較例1)実施例2と同様にして得られた光触媒シー
ト(縦200mm、横500mm、厚さ5mm)20枚
を図6に示すように反応部にセットした。また光源とし
て15Wのブラックライト20本を図に示す位置に設置
した。また散水手段として各光触媒シートの両面を洗浄
するためにシャワーノズルが40個設置されている。ま
た洗浄水は底部の排水循環ラインより洗浄水タンクに戻
されpHを調整しながら使用する構造となっている。洗
浄水タンクはpHメーターによりモニターされ水酸化カ
リウム水溶液を添加してpHが6.5〜7.5の範囲と
なるよう自動調整されている。
【0038】このような反応部にブロアをつなぎガスは
図6の左側から導入され右側に横方向に流れるガス浄化
装置を製作した。散水は24時間毎に6分間実施するよ
うタイマーで設定している。このガス浄化装置にガス量
15m/hrでNO濃度1ppmのガスを通気してN
Ox除去性能を測定し、結果を表1に示した。
【0039】なお、NOx除去性能とはNOから副生し
たNOの生成量を差し引いた処理効率を示すものであ
る。 NOx処理効率(%)=[(入口NO濃度−出口NO濃
度−出口NO濃度)/入口NO濃度]×100
【0040】
【表1】 実施例および比較例においてNOを含有するガスを処理
する際はNOが酸化されて光触媒上に硝酸を生成し、性
能低下を防止するためには定期的に水洗により硝酸を除
去する必要がある。
【0041】比較例1に示すように従来のガス浄化装置
においては光触媒全体が散水により洗浄されるようにす
るためには多数の散水手段を設置して、再生時には多量
の洗浄水が必要となる。そこで比較例では洗浄水を循環
して再使用する方式となっているが、pH管理を実施し
ているにも拘らず経時的にNOx処理性能が低下してい
る。処理性能を維持するためにはpH管理に加えて定期
的に洗浄水の入れ替え作業や廃水処理が必要となる。ま
た散水手段が林立しており反応部内が複雑であり紫外線
ランプによる光触媒シートへの光照射が不十分となった
り、紫外線ランプに洗浄水がかかるのを防止する対策が
必要となっている。
【0042】一方、本発明の実施例1〜3のガス浄化装
置はいずれも簡易な装置を用いて、安定な処理性能で連
続的に処理することができている。
【0043】実施例1では光触媒シートの片面を利用す
るものでありシンプルな設備で処理することができてい
る。また実施例2の構造とすることにより光触媒シート
の両面を利用することができるため装置のコンパクト化
や処理効率の向上が可能となる。更にガス量が増加して
も実施例3の構成とすることにより簡易な設備で大風量
を処理することができている。
【0044】また処理ガス濃度が高い場合は排水の中和
処理が必要となるが、処理ガス濃度が低い場合や再生の
頻度を調整することによって本発明のガス浄化装置は特
別なメンテナンス作業は不要となる。また実施例2や実
施例3では再生を片面毎に実施することができるため再
生時にも連続的にガス浄化を継続することができる。
【0045】
【発明の効果】本発明のガス浄化装置の反応部において
上方から散水により光触媒が順次洗浄される構造となっ
ており、ガスを下方から導入することにより再生時に酸
化生成物を効率的に除去することが可能である。これに
より維持管理が容易で簡易な設備によって安定した処理
性能で連続的にガス浄化装置を稼動することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のガス浄化装置の一態様を示す縦断面
模式図である。
【図2】 本発明のガス浄化装置を地下駐車場に適用し
た例を示す説明図である。
【図3】 本発明のガス浄化装置の一態様を示す縦断面
模式図である。
【図4】 本発明のガス浄化装置の一態様を示す縦断面
模式図である。
【図5】 図4のガス浄化装置において光触媒シートを
反転させた状態を示す縦断面模式図である。
【図6】 従来のガス浄化装置の縦断面模式図である。
【符号の説明】
1 反応部 2 光触媒シート 3 紫外線ランプ 4 ブロア 5 散水ノズル 6 排水口 7 ガス吸引口 8 反応部導入口 9 ガス排出口 10 ダクト 11 回転軸 12 洗浄水タンク 13 洗浄水 14 送液ライン 15 循環ポンプ 16 返水ライン 17 pHメーター 18 薬液タンク
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年4月18日(2002.4.1
8)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 38/00 B01D 53/36 102E // A61L 9/00 ZAB 9/16 J 9/20 Fターム(参考) 4C080 AA05 AA10 BB02 CC07 CC12 HH05 JJ03 KK06 LL02 MM01 QQ11 4D048 AA06 AA21 AA22 AB01 BA07X BA10X BA41X BB03 BB08 BD06 CC32 CC35 EA01 4G069 AA03 AA08 BA04A BA04B BA13B BA48A CA07 CA13 CA17 DA06 EA10 EA11 GA18 GA20

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光触媒、紫外線ランプおよび散水手段に
    より構成された反応部を有するガス浄化装置であって、
    かつ当該ガスを反応部の下方から上昇流として導入する
    手段と当該光触媒の上方より散水する手段を有すること
    を特徴とするガス浄化装置。
  2. 【請求項2】 光触媒が板状であって、かつ反応部内に
    傾斜して設置されている請求項1に記載のガス浄化装
    置。
  3. 【請求項3】 光触媒が反転することができる構造を有
    する請求項2または3に記載のガス浄化装置。
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