JP2003289721A - 緑化基材及び緑化工法 - Google Patents
緑化基材及び緑化工法Info
- Publication number
- JP2003289721A JP2003289721A JP2003020922A JP2003020922A JP2003289721A JP 2003289721 A JP2003289721 A JP 2003289721A JP 2003020922 A JP2003020922 A JP 2003020922A JP 2003020922 A JP2003020922 A JP 2003020922A JP 2003289721 A JP2003289721 A JP 2003289721A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- compost
- greening
- base material
- growth
- composted
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)
- Cultivation Of Plants (AREA)
Abstract
系チップを利用し、植物の発芽及び生育に優れた材料を
得る。 【解決手段】少なくとも次記A〜Cの材料を含む緑化基
材である。 A.堆肥化していないまたは堆肥化が不完全な木質系チ
ップからなる主材。 B.3〜20容量%下水汚泥コンポスト、及び下水汚泥
と食品汚泥とのコンポストの一方または両方。 C.25容量%以下の割合で含み、ゼオライト、活性
炭、木炭、パーライト、ベントナイト及びバーミュキュ
ライトの群から選ばれた一種または複数種の副資材。
Description
化工法に関する。より詳しくは、堆肥化していないまた
は堆肥化が不完全な木質系チップを主材とする緑化基材
を使用するものに関する。
て用いられる緑化基盤材(植物生育基盤材ともいう。)
は、当然、安価であることが望まれる。そこで、従来か
ら、抜根や、伐採木、剪定枝等をチップ化した木質系チ
ップを、十分に堆肥化した後のものが原材料として使用
されていれる。
が不完全なままのものを緑化基盤材とする実例は、知ら
れていない。
土とを緑化基盤材とすることは、提案されている(特許
文献1)。
木材の緑化基盤材への有効利用を図る点で共通する。し
かし、窒素飢餓などの伴う生育不全を、光合成細菌及び
窒素質肥料からなる生育促進材を使用することで防止す
ることを発明思想とするものである。ちなみに、実施例
などでも、未熟有機木材チップと客土1m3当り、光合
成細菌を0.5〜10kg及び窒素質肥料を1〜40k
gと大量に使用するものである。なお、この特許文献1
では、本発明の下水汚泥コンポストを使用することにつ
いて示唆は、ない。
機質資材を主材料に含む緑化基材に、下水汚泥コンポス
トを混合することは、教示されている(特許文献2)。
この理由は、要すれば、次記のとおりであると記載され
ている。すなわち、「木本植物は草本植物と比較して、
バーク堆肥等の有機質資材に多く含まれる雑菌類により
発芽、生育が阻害されたり、発芽後に立枯病等を発症し
易い性質を有する種類があり、植物によっては発芽条件
や生育条件が非常に制限されてしまう。先駆樹種である
カバノキ科木本類は播種工による法面の樹林化を行う上
で必要不可欠な種類であるが、有機質を殆ど含まない崩
壊跡地のような痩地を好み、特にバーク堆肥を主材料と
する有機質基盤においては上述のような立ち枯れを起こ
しやすく生育も緩慢であることから、早期に樹林化を達
成する上で支障を来していた。」そこで、「有機質資材
を主材料に含む緑化基材を法面に吹付け有機質基盤を造
成する法面緑化工における前記緑化基材に下水汚泥コン
ポストを混合する……ことにより、有機質基盤上でのカ
バノキ科木本類等の木本植物の生育が促進され、主に発
芽後の幼樹の樹高・葉身の生長が旺盛となる。下水汚泥
コンポストには有用細菌が含まれているため、有機質基
盤においてこの有用細菌が繁殖することにより有機質資
材中の木本植物の生育に有害な雑菌類の繁殖が抑制され
るのではないかと予想される。」
モスやバーク堆肥からなる有機質資材を主材料に含む緑
化基材」を対象とし、その緑化基材の特性を、木本植物
の生育促進の観点から、下水汚泥コンポストを混合する
ことを狙いとするもので、本発明に係る「堆肥化してい
ないまたは堆肥化が不完全な木質系チップ」との組み合
わせについては示唆がない。
は、「堆肥化していないまたは堆肥化が不完全な木質系
チップ」と「下水汚泥コンポスト」との組み合わせに着
目してなされたもので、植物の発芽及び生育に優れ、ま
た、建設現場近傍で発生する抜根、伐採木や剪定枝を利
用することで、環境保護の観点からのリサイクルが可能
であり、ならびに下水汚泥コンポストを利用することに
おいても環境保護を図ることができ、しかもコストと発
芽及び生育性との比較において、優れた材料となるもの
を提供しようとするものである。
明は、次記のとおりである。 <請求項1記載の発明>少なくとも次記A〜Cの材料を
含むことを特徴とする緑化基材。 A.堆肥化していないまたは堆肥化が不完全な木質系チ
ップからなる主材。 B.1〜20容量%下水汚泥コンポスト、及び下水汚泥
と食品汚泥とのコンポストの一方または両方。 C.25容量%以下の割合で含み、ゼオライト、活性
炭、木炭、パーライト、ベントナイト及びバーミュキュ
ライトの群から選ばれた一種または複数種の副資材。
〜Cの材料を含むことを特徴とする緑化基材。 A.堆肥化していないまたは堆肥化が不完全な木質系チ
ップからなる主材。 B.1〜20容量%下水汚泥コンポスト、及び下水汚泥
と食品汚泥とのコンポストの一方または両方。 C.非イオン界面活性剤。
〜Dの材料を含むことを特徴とする緑化基材。 A.堆肥化していないまたは堆肥化が不完全な木質系チ
ップからなる主材。 B.1〜20容量%下水汚泥コンポスト、及び下水汚泥
と食品汚泥とのコンポストの一方または両方。 C.25容量%以下の割合で含み、ゼオライト、活性
炭、木炭、パーライト、ベントナイト及びバーミュキュ
ライトの群から選ばれた一種または複数種の副資材。 D.非イオン界面活性剤。
性剤は、ポリオキシエチレン型非イオン界面活性剤であ
る請求項2または3記載の緑化基材。
は、抜根、伐採木及び剪定枝の少なくとも一種をチップ
化したものである請求項1〜4のいずれか1項に記載の
緑化基材。
緑化基材及び種子、を含む施工材料を対象面に施し、種
子の生育による緑化を図ることを特徴とする緑化工法。
は、施工現場の近傍において発生した、抜根、伐採木及
び剪定枝の少なくとも一種をチップ化したものである請
求項6記載の緑化工法。
らに現場発生土、吸水ポリマー、木質系チップ堆肥化
物、バーク堆肥、ピートモス、短繊維、長繊維及び接合
剤の少なくとも一種を含む請求項6または7記載の緑化
工法。
する。本実施の形態の緑化基材は、少なくとも次記A〜
Cの材料を含み、更にDの材料をも含むことがある。 A.堆肥化していないまたは堆肥化が不完全な木質系チ
ップからなる主材。 B.1〜20容量%下水汚泥コンポスト、及び下水汚泥
と食品汚泥とのコンポストの一方または両方。 C.25容量%以下の割合で含み、ゼオライト、活性
炭、木炭、パーライト、ベントナイト及びバーミュキュ
ライトの群から選ばれた一種または複数種の副資材。 D.非イオン界面活性剤。
発芽・生育に直接関与する材料を言い、「緑化基盤材
料」とは緑化基材を含み、発芽・生育に直接関与する材
料ではないが、間接的に緑化に寄与する材料を言い、
「施工材料」とは、土壌などを構成するために施工に際
して「緑化基盤材料」に対して組み合わされる材料を含
み、対象面に施される材料を言うものである。
肥化していないまたは堆肥化が不完全な木質系チップと
は、建設現場などで発生する伐根、伐採木、剪定枝など
の木材をチップ化(破砕)したものである。また、この
種の建設廃材には、廃木、廃根も含まれる。この木質系
チップは、堆肥化しないで、あるいは完全には堆肥化し
ないで生チップの状態(堆肥化途中の未完熟の状態)で
使用する。
となるように、好ましくは25mm以下となるように、
より好ましくは15mm以下となるようにたとえば粉砕
機により粉砕もしくは切断する。これにより、基盤材に
適度な空隙が形成され、植物の発芽数が増加する。
は、従来から多種の市販品及び多くの提案がなされてい
るが、これらを使用できる。複数種の汚泥コンポストを
混合して使用することも可能である。すなわち、下水汚
泥そのまま、あるいは高分子凝集剤、石灰、塩化第二鉄
などによって凝集処理したもの、さらにはオガクズや籾
殻などの粗大有機物を加えてから、あるいは食品汚泥と
混合してからコンポスト化(発酵)させたものを使用す
ることができる。この種の汚泥コンポストは保肥力を有
するので、その添加により植物の発芽数が増加し、また
生育状況が良好になる。また、汚泥の再利用となるの
で、安価であるとともに資源の有効利用にも資する。な
お、浄水汚泥は、無機分が支配的であるので、本発明の
下水汚泥とはまったく別のものである。
〜20容量%、好ましくは3〜15容量%、特に10〜
15容量%となるように配合するのが好ましい。配合量
が少ないと十分な保肥効果を得ることができず、配合量
が多いと基盤材が乾燥し堅くなるため植物の生育に悪影
響が生じる。
材を安価にするとともに、資源の有効利用にも資するの
で、大変好ましいものではある。しかしながら、木質系
チップを完全に堆肥化するにはかなりの時間がかかり、
また広い敷地が必要になる。この点、ある種の添加剤を
使用して堆肥化のための時間を短縮することも考えられ
るが、広い敷地が必要になるという問題を解消すること
はできず、また添加剤の費用がかかり安価な緑化基材で
はなくなってしまう。
て堆肥化の完全でない木質系チップが使用されていなが
ら、植物の生育障害を生じさせることのない緑化基材を
提供するものである。ところが、堆肥化していないまた
は堆肥化が不完全な木質系チップを使用する場合、その
有機物分解菌が増殖し窒素を消費するため植物は窒素飢
餓の状態に陥り、また有機物分解時にフェノール酸等の
有機酸が有害成分として発生し植物の生育に悪影響を及
ぼす。
配合すると、窒素飢餓に対して汚泥コンポストが肥効成
分として作用し、植物の発芽・生育を促進することが知
見された。
ーライト、ベントナイト及びバーミュキュライトの群か
ら選ばれた一種または複数種の副資材が配合される。こ
の副資材の配合量は、25容量%以下とされ、好ましく
は1〜20容積%、特には5〜16容積%である。
すると、その孔で空気、水、肥料等が保持されるため、
植物の発芽数が増加し、また生育状況が良好になる。多
孔質材料としては、種々の材料を使用することができる
が、特に望ましいものは、ゼオライトからなる多孔質材
料である。多孔質材料は、平均粒径1〜5mmの顆粒状
とするのが好ましい。これにより、基盤材に適度な空隙
が形成され、植物の発芽数が増加する。
り、生育の有害成分としての有機酸(たとえばフェノー
ル酸など)を吸着する機能の側面の方が強いと考えられ
る。
機酸(たとえばフェノール酸など)を吸着する機能自体
は、活性炭及び木炭より、界面活性剤の使用が効果的で
ある。界面活性剤としては、陽イオン界面活性剤、陰イ
オン界面活性剤、両性イオン界面活性剤のほか、時には
非イオン系(高分子型)界面活性剤の使用が効果的であ
る。特に、ポリオキシエチレン型非イオン系高分子型界
面活性剤を使用するのがより好ましい。具体的には、ポ
リオキシプロピレン基を疎水基とし、ポリオキシエチレ
ン基を親水基としてブロックポリマーとした非イオン系
高分子型界面活性剤を使用することができる。
液、好ましくは0.1〜2.0%水溶液とし、100〜
300l/m3の割合で配合するのが好ましい。
化基材は、そのままで各種の種子と共に、施工材料を対
象面に施し、種子の生育による緑化を図ることができ
る。
物、バーク堆肥及びピートモスの少なくとも一種を添加
したものを緑化基盤材料として、各種の種子と共に、施
工材料を対象面に施し、種子の生育による緑化を図るこ
とができる。
リマー、木質系チップ堆肥化物、バーク堆肥、ピートモ
ス、短繊維、長繊維及び接合剤の少なくとも一種を混合
した状態で、各種の種子と共に、施工材料を対象面に施
し、種子の生育による緑化を図ることができる。
共に、粘性土、砂質土、山砂、マサ土、廃棄土等の土類
を配合することができる。これら土類の配合量は、施工
材料全体の10〜50容量%、好ましくは10〜40容
量%である。
ビ系接合剤、アクリル系接合剤等の接合剤(エマルジョ
ンでもよいが、パウダー状の方が好ましい。)、水など
を適宜配合することができる。
好ましくは、10〜30mm)、太さ3〜50デニール
(より好ましくは、10〜30デニール)、捲縮数10
個以下(より好ましくは2〜7個)、捲縮率20%以下
(より好ましくは2〜15%)のものを使用するのが好
ましい。また、この場合、施工材料中に短繊維を0.0
5〜6質量%含ませるのが特に好ましい。短繊維の太さ
が3デニール未満では、たとえ繊維長を長くして絡み合
いを強くしても、繊維が非常に細く弱いため、施工材料
(客土)の把持力が小さすぎる。また、繊維長を長くす
ると、たとえ本発明のように捲縮数、倦縮率を小さくし
ても、混合時において繊維同士が絡み合い毛玉が形成さ
れるおそれがあるので好ましくない。他方、短繊維の太
さが50デニールを超えると、太すぎて絡み合いが弱く
なり、また、不経済となる。
に大変重要な因子である。通常の紡績糸は、捲縮数20
〜25個、捲縮率30〜40%とされるが、本発明にお
いては、かかる捲縮数、捲縮率では、混合時において毛
玉が形成されるおそれがあるので好ましくない。なお、
捲縮数、捲縮率はJIS L 1015、JIS L1
036による。また、捲縮を無くした繊維は、製造工程
上、集束してカッターにかけ一定長の繊維とするに際
し、バラげて生産性を著しく阻害するので、経済的に
は、実用困難である。実用可能な生産性を確保するため
には、少くとも捲縮数2個以上、捲縮率2%以上が必要
である。かかる捲縮の調節は、紡糸クリンパーを調節す
ることにより達成することができる。
施工材料(客土)の把持力(侵食防止効果)が小さくな
るため、現場発生土を多量に混入させるのが困難にな
る。また、繊維長5mmでも、通常の降雨に対しては侵
食防止効果を有するが、豪雨に対する対応を考えると、
繊維長10mm以上とするのが好ましく、集合した流水
に対する対応を考えると20mm以上とするのが好まし
く、積雪の滑落に対する対応を考えると30mm以上と
するのが好ましい。ただし、30mm以上とすると、施
工材料への分散性が低下するので、用途に応じて適宜設
計する必要がある。なお、前記のような捲縮を有する短
繊維の場合は、繊維長50mmまでは、施工材料中に均
等に分散することが可能である。
そろえ易く、また比較的安価でもあるため、化学繊維又
は合成繊維を使用するのが好ましい。ただし、化学繊維
は腐食性を有し、また、ナイロン、ビニロン、ポリプロ
ピレン、ポリエチレン、PET、カーボン、アラミド等
の繊維は耐候性に劣り、また、ポリエステルは土壌菌に
侵され易い。したがって、合成繊維であるアクリル繊維
を使用するのがより好ましい。
ると、侵食防止効果が弱い。他方、6質量%を超える
と、経済性に劣り、また施工材料への分散性が悪くな
る。
長繊維を配合することによって、図ることもできる。長
繊維の配合量は、0.01〜3.0質量%とするのが好
ましく0.05〜0.12質量%とするのがより好まし
く、0.1質量%とするのがさらに好ましい。長繊維の
配合量が0.01質量%未満であると、侵食防止効果が
弱い。他方、3.0質量%を超えると、経済性に劣り、
また施工材料の粘着性が高くなりすぎて、種子の発芽・
生育に障害が生ずるおそれがある。
地域、長大法面、急傾斜地、湧水ケ所の存在等がある場
合は、一層の侵食防止効果を得るために、粘結剤を含ま
せるのが好ましい。粘結剤の配合量は、例えば、高分子
系粘結剤であれば、短繊維、あるいは長繊維を含ませる
場合は、これらの繊維自体に侵食防止効果があるため、
0.3〜2.0質量%で足りる。短繊維、あるいは長繊
維と粘結剤との配合量は、これらが反比例の関係にある
ことを考慮しつつ、経済性、植物生育性、法面条件等を
基礎として、適宜決定する。
好ましいのは、セメントである。短繊維、あるいは長繊
維を配合しない場合、施工材料(客土)の侵食防止効果
を得るために必要なセメントの配合量は、一般に3〜7
質量%(50〜120kg/m3)とされる。しかしな
がら、種子の発芽・生育には、客土のpH、土壌硬度が
大きく影響するところ、強アルカリ性であるセメントを
上記のように大量に配合すると、植物の発芽・生育に大
きな障害となる。セメントの配合量の限界は、中和剤の
不使用時で2質量%であり、これ以上配合すると、発芽
本数が極端に少なくなり、成長も悪くなる。
あるいは長繊維を配合すると、前述のようにセメントの
配合量は、2.0質量%で足りるので、以上のような種
子の発芽・生育障害のおそれはない。なお、配合量が
0.3質量%未満であると、配合効果がほとんど得られ
ず、侵食防止効果は、繊維に依存することになる。
ードグラス、レッドトップ、クリーピング、レッドフェ
スク、ケンタッキーブルーグラス、バミューダグラス、
ノシバ、ヨモギ、クローバ、ヤマハギ、メドハギ、イタ
チハギ、エニシダ、ヤシャブシ、ヤマハンノキ、ニセア
カシア、コマツナギなどの種子を配合することができ
る。窒素飢餓に対しては、ハギ類が強いので、生育障害
の防止という観点からは、ハギ類を配合するのが好まし
い。種子は、例えば、基盤材1m3に対し0.1〜3k
g/m3 添加する。
上で望ましい。施工材料の製造に際しては、例えば、ア
ジテータなどの攪拌機に各種材料を供給し同時に全ての
材料を混合することが考えられる。しかしながら、材料
ごとに物性が異なるという点に鑑みれば、リボンスクリ
ューコンベアなどの攪拌搬送装置の搬送過程において、
各種材料をその特性に応じて順次供給し混合する方が好
ましい。なお、原材料の混合方法は本発明の限定事項で
はなく、適宜修正することができる。また、混合工程に
おいて、緑化基材とその他の材料とは区別されるもので
はなく、緑化基材中の1つの材料とその他の材料とを先
に混合してしまうことや、全ての材料を同時に混合して
しうことも当然できる。
プ)に各種材料(下水コンポスト、ゼオライト又は非イ
オン界面活性剤)、種子を添加し、ホバートミキサーに
て3分間撹拌した後、水を添加し、更にホバートミキサ
ーにて3分間撹拌した。攪拌した材料は、実験容器に入
れて圧密し、室温が15℃以上に設定された温室内及び
屋外で養生し、実験用試料とした。実験容器としては、
縦16cm×横25cm×高さ5cmのプラスチック容
器を用いた。この容器の底には、数ヶ所排水用の穴を開
けておいた。種子量は、各配合に付きトールフェスク、
メドハギを各100粒添加した。比較のために、「キャ
トルバン」(ライト工業株式会社の緑化基盤材料:緑化
基盤として発芽・生育に適したものであることは多くの
実績から証明済みのものである)を基材とした試料(比
較例1)、及び生チップ100容量%とした試料(比較
例2)も用意した。
認するために、実験用試料中の10cm×10cmの2
区画分について、発芽数と地上部の草丈を経時的に測定
した。
察)フェノール酸等の有機酸を吸着する効果が考えられ
る活性炭、木炭、非イオン界面活性剤(第一工業製薬
(株)製、エバン785)を生チップに添加して効果確
認を行った。配合割合を、表1に試験例1〜6として示
した。なお、界面活性剤は水に溶解してから添加した。
添加溶液水の量は400mlである。
に示した。生チップの配合により基盤材に圧密が出来な
くなり空隙も多くなるため、キャトルバン(比較例1)
の場合と比較して発芽数は多くなるという結果になっ
た。
2に示した。各種材料を添加しても生チップ100%の
場合と変わらず、キャトルバン(比較例1)の場合と比
較して、全ての配合において草丈が伸びず、先枯れ現象
が起き生育不良となった。さらに、これ以後はほとんど
枯れてしまうという結果になり、活性炭、木炭、界面活
性剤単独では生育障害の軽減効果がさほど見られないこ
とが知見された。
した。メドハギはトールフェスクと比較して、キャトル
バン(比較例1)の場合との差が少なかった。これは、
窒素飢餓に対してメドハギの方がトールフェスクよりも
強いことによるものと考えられる。
場合の生育障害の原因としては、有機酸による影響より
も、窒素飢餓による影響の方が強いことが知見される。
減らすことによる窒素飢餓の緩和と資源の有効利用を目
的として、生チップに対して吹き付け可能な土であるマ
サ土を混入した。混入量は、容積比で50%ととした。
トールフェスクの3ヶ月目の生育状況を図4に示した。
生チップにマサ土を混入した場合、発芽数が減り、草丈
も伸びず、先枯れ現象が起き、生育不良となった。発芽
数の減少は、マサ土の粒度が細かく基材が堅くなったこ
とによるものと考えられる。また、生育障害の軽減効果
を得られなかったのは、マサ土に肥効成分が少なかった
ことによるものと考えられる。
験結果から、生チップ中には肥効成分がないため、植物
の生育不良が起こっているものと考えた。この改善策と
して、市販の下水コンポストの配合割合を変化させて添
加した。配合割合は、表1に試験例7〜11として示し
た。
に示した。下水コンポストを10容量%以上添加すると
(試験例10及び試験例11)発芽数が急激に減った。
これは、下水コンポストを多く添加すると、緑化基盤材
が粘土状になり、その後乾燥すると堅くなってしまうた
めである考えられる。
6に示した。下水コンポスト10容量%(試験例10)
及び5容量%(試験例9)では、キャトルバン(比較例
1)と同程度の生長を示し、生育障害は見られなかっ
た。これに対し、下水コンポスト30容量%(試験例1
1)では枯れてしまった。下水コンポストを添加すると
肥効成分が補給され植物の生育不良は改善されるが、添
加量が多すぎると発芽数が減るとともに基盤材が堅くな
って水を吸収できなくなるため枯れてしまうことが知見
された。
わせに関する考察)下水コンポスト5%の添加(試験例
9)で、発芽数、生育状況の両方とも改善されることが
知見されたが、さらに下水コンポストの添加量を多くす
ることで肥効成分の補給期間が長くなり、生育状況が改
善されるものと考えられる。そこで、空隙を増加させる
ため、あるいは粘土状となることを防ぐためにゼオライ
ト((株)サンゼオライト製、ゼオライトS)を添加し
て実験を行った。配合割合は、表1に試験例12〜18
として示した。
に示した。下水コンポスト10容量%単独(試験例1
0)では発芽数が4本だったのに対し、ゼオライトを添
加することにより発芽数が12本程度まで増えた(試験
例13〜15)。ゼオライトの添加量による差はほとん
どなかった。下水コンポスト5容量%の場合は、特に差
はなかった(試験例9と試験例16,17とを対照)。
クの生育状況(3ヶ月目)を図8に、試験例14及び1
5のトールフェスクの生育状況(3ヶ月目)を図9に、
試験例16及び17のトールフェスクの生育状況(3ヶ
月目)を図10に、示した。下水コンポスト10%、ゼ
オライト15%とした場合(試験例13)は、キャトル
バン(比較例1)と同程度の生長を示し、葉の色も良く
生育良好であった。これに対し、下水コンポスト5%、
ゼオライト15%とした場合(試験例16)は、生チッ
プのみの場合(比較例2)と同様の傾向を示し、先枯れ
を起こす生育障害がみられた。下水コンポスト5%単独
(試験例9)では生育障害がみられなかったのに対し、
今回このような現象が起きた原因は、実験を行った時期
が違うこと、入手した生チップが必ずしも同じ生チップ
とはいえないことによるものと考えられる。以上のこと
から、下水コンポストを5%添加すればある程度生育障
害を防止することができ、10%添加すれば生チップの
状態等に関わらず確実に生育障害を防止することができ
ることが知見された。
わせに関する考察)下水コンポストによる肥効成分の補
給と界面活性剤による有害成分吸着の両方の効果を得る
ために、生チップに市販の下水コンポストと非イオン界
面活性剤(第一工業製薬(株)製、エバン785)(試
験例19)、さらにはゼオライト(試験例20)を添加
して、その効果を観察した。下水コンポストの配合割合
は10容量%とした。なお、界面活性剤は水に溶解して
から添加した。添加溶液水の量は400mlである。
1に、試験例6(下水コンポストを添加しない場合)と
あわせて示した。
12に、試験例6(下水コンポストを添加しない場合)
とあわせて示した。ゼオライトを添加しない場合(試験
例19)においては、草丈は多少劣るが、葉の色は良く
生育良好であった。また、ゼオライトを添加した場合
(試験例20)は、背丈も良好となりキャトルバン(比
較例1)と同程度となった。
との組み合わせ(試験例19)は最も安価であり、施工
後の基材1m3当たり3300円となった。
み合わせに関する考察)下水コンポストによる肥効成分
の補給と木炭又は活性炭による有害成分吸着の両方の効
果を得るために、生チップに市販の下水コンポストと木
炭又は活性炭を添加して、その効果を観察した(試験例
21〜24)。下水コンポストの配合割合は10容量%
とした。
3に示した。また、トールフェスクの3ヶ月目の生育状
況を図14に示した。活性炭を粉末の状態で添加(試験
例23)すると発芽数、背丈ともに劣ることがわかっ
た。これは、活性炭粉末の粒度が細かく基材が堅くなっ
たことによるものと考えられる。これに対し、活性炭を
顆粒状で30%添加した場合は、発芽数、背丈とも良好
になった。
及び2の場合の実験結果を表1中に示した。なお、発芽
数は、90%以上発芽の場合を○、90〜50%の場合
を△、50%未満の場合を×とした。また、背丈は平均
長が80mm以上の場合を○、80〜50mmの場合を
△、50mm未満の場合を×とした。さらに、生育状況
は、葉の色、茎の太さ及び葉の先枯れ現象の有無の総合
評価とした。
従来の施工実績を積み重ねてきた知見から、本発明の配
合割合が最適なものであるとの結論に至った。
察〕表2に示す配合で、勾配1:0.5、100cm×
50cm区間の法面に、厚さ40cmとなるように、吹
き付けを行った。この結果、 短繊維配合及び長繊維配合とも同等の吹き付け厚さ
を、一層仕上げて造成可能であることが確認された。 短繊維配合の場合は、長繊維配合の場合に比して、
吹き付け時のリバウンドロスが少なかった。 短繊維配合の場合は、長繊維配合の場合に比して、
分散性が良かった。 長繊維配合の場合は、繊維が表面に露出していまう
ことがあったが、短繊維配合の場合は、分散性が良好で
あるため、均一・良好な表面仕上がりとなった。
発芽及び生育に優れ、また、建設現場近傍で発生する抜
根、伐採木や剪定枝を利用することで、環境保護の観点
からのリサイクルが可能であり、ならびに下水汚泥コン
ポストを利用することにおいても環境保護を図ることが
でき、しかもコストと発芽及び生育性との比較におい
て、優れた材料となる。
である。
図である。
る。
図である。
である。
図である。
である。
図である。
図である。
た図である。
図である。
た図である。
図である。
た図である。
Claims (8)
- 【請求項1】少なくとも次記A〜Cの材料を含むことを
特徴とする緑化基材。 A.堆肥化していないまたは堆肥化が不完全な木質系チ
ップからなる主材。 B.1〜20容量%下水汚泥コンポスト、及び下水汚泥
と食品汚泥とのコンポストの一方または両方。 C.25容量%以下の割合で含み、ゼオライト、活性
炭、木炭、パーライト、ベントナイト及びバーミュキュ
ライトの群から選ばれた一種または複数種の副資材。 - 【請求項2】少なくとも次記A〜Cの材料を含むことを
特徴とする緑化基材。 A.堆肥化していないまたは堆肥化が不完全な木質系チ
ップからなる主材。 B.1〜20容量%下水汚泥コンポスト、及び下水汚泥
と食品汚泥とのコンポストの一方または両方。 C.非イオン界面活性剤。 - 【請求項3】少なくとも次記A〜Dの材料を含むことを
特徴とする緑化基材。 A.堆肥化していないまたは堆肥化が不完全な木質系チ
ップからなる主材。 B.1〜20容量%下水汚泥コンポスト、及び下水汚泥
と食品汚泥とのコンポストの一方または両方。 C.25容量%以下の割合で含み、ゼオライト、活性
炭、木炭、パーライト、ベントナイト及びバーミュキュ
ライトの群から選ばれた一種または複数種の副資材。 D.非イオン界面活性剤。 - 【請求項4】非イオン界面活性剤は、ポリオキシエチレ
ン型非イオン界面活性剤である請求項2または3記載の
緑化基材。 - 【請求項5】木質系チップは、抜根、伐採木及び剪定枝
の少なくとも一種をチップ化したものである請求項1〜
4のいずれか1項に記載の緑化基材。 - 【請求項6】請求項1〜5の緑化基材及び種子、を含む
施工材料を対象面に施し、種子の生育による緑化を図る
ことを特徴とする緑化工法。 - 【請求項7】木質系チップは、施工現場の近傍において
発生した、抜根、伐採木及び剪定枝の少なくとも一種を
チップ化したものである請求項6記載の緑化工法。 - 【請求項8】施工材料が、さらに現場発生土、吸水ポリ
マー、木質系チップ堆肥化物、バーク堆肥、ピートモ
ス、短繊維、長繊維及び接合剤の少なくとも一種を含む
請求項6または7記載の緑化工法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003020922A JP2003289721A (ja) | 2002-01-31 | 2003-01-29 | 緑化基材及び緑化工法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002-24169 | 2002-01-31 | ||
JP2002024169 | 2002-01-31 | ||
JP2003020922A JP2003289721A (ja) | 2002-01-31 | 2003-01-29 | 緑化基材及び緑化工法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003289721A true JP2003289721A (ja) | 2003-10-14 |
JP2003289721A5 JP2003289721A5 (ja) | 2005-11-10 |
Family
ID=29253406
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003020922A Pending JP2003289721A (ja) | 2002-01-31 | 2003-01-29 | 緑化基材及び緑化工法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003289721A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006020553A (ja) * | 2004-07-07 | 2006-01-26 | Giken Kogyo Kk | 緑化資材およびそれを用いた緑化工法 |
JP2008022724A (ja) * | 2006-07-18 | 2008-02-07 | Masahito Mori | 植栽土壌及びその製造方法並びに緑化方法 |
KR102457973B1 (ko) * | 2021-11-09 | 2022-10-24 | 한국건설기술연구원 | 유·무기 재생자원 및 음식물쓰레기 콤포스트를 활용한 다기능 토양개량제 |
-
2003
- 2003-01-29 JP JP2003020922A patent/JP2003289721A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006020553A (ja) * | 2004-07-07 | 2006-01-26 | Giken Kogyo Kk | 緑化資材およびそれを用いた緑化工法 |
JP2008022724A (ja) * | 2006-07-18 | 2008-02-07 | Masahito Mori | 植栽土壌及びその製造方法並びに緑化方法 |
KR102457973B1 (ko) * | 2021-11-09 | 2022-10-24 | 한국건설기술연구원 | 유·무기 재생자원 및 음식물쓰레기 콤포스트를 활용한 다기능 토양개량제 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR100832467B1 (ko) | 임목폐기물을 활용한 친환경적 법면 녹화방법 | |
WO2007143826A1 (en) | Organo-mineral soil amendment | |
CN109845613A (zh) | 边坡生态恢复用的液压喷播基质 | |
KR100844008B1 (ko) | 활생토 조성물 및 이를 이용한 사면녹화공법 | |
KR100634569B1 (ko) | 법면 조경용 식생토 및 이의 제조방법 | |
AU2010202667A1 (en) | Soil enhancement materials | |
KR200417955Y1 (ko) | 법면 조경용 식생토 및 이의 제조방법 | |
KR101186035B1 (ko) | 비탈면 생태복원용 식생 기반재 조성물 및 이를 이용한 생태복원공법 | |
JP2003289721A (ja) | 緑化基材及び緑化工法 | |
KR101507685B1 (ko) | 자연배합토 조성물 및 그 제조방법 | |
US11597687B2 (en) | Bulk animal bedding | |
JP5106791B2 (ja) | 粉砕木質チップを用いた緑化基盤ならびに緑化基盤造成方法 | |
KR100934936B1 (ko) | 법면 녹화용 인공토 및 이를 이용한 법면 녹화공법 | |
JP4430793B2 (ja) | 緑化工法 | |
KR101512934B1 (ko) | 자연배합토 조성물을 이용한 훼손지 생태복원 녹화방법 | |
CZ371997A3 (cs) | Minerální vegetační substrát, jeho použití a způsob kultivace a rekultivace půdy | |
KR19980074216A (ko) | 인공토양 | |
WO2002037947A1 (en) | Method of use of phenol methylene interconnected urea ter-polymer foam as a potting media ingredient, soil amendment, or soil substitute | |
Rainbow | The use of green compost in the production of container nursery stock in the UK: challenges and opportunities | |
JP3584468B2 (ja) | 法面緑化工法 | |
JP3179393B2 (ja) | 法面の緑化方法 | |
KR20010026503A (ko) | 녹정토 조성물 및 그 제조방법 | |
JP2012167528A (ja) | 森林土壌微生物とリサイクル資材を使った法面緑化工法 | |
EP3682729A1 (en) | Mulch composition | |
JP2006187228A (ja) | 植生基盤材 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050926 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050926 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060928 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20061027 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20061226 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20070601 |