JP2003289133A - 磁気メモリ素子、そのメモリ素子を含む集積回路または磁気メモリ装置、その集積回路または磁気メモリ装置を組み込んだ電子機器 - Google Patents

磁気メモリ素子、そのメモリ素子を含む集積回路または磁気メモリ装置、その集積回路または磁気メモリ装置を組み込んだ電子機器

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JP2003289133A
JP2003289133A JP2002091259A JP2002091259A JP2003289133A JP 2003289133 A JP2003289133 A JP 2003289133A JP 2002091259 A JP2002091259 A JP 2002091259A JP 2002091259 A JP2002091259 A JP 2002091259A JP 2003289133 A JP2003289133 A JP 2003289133A
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Akihiro Maesaka
明弘 前坂
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 MR比やピン止め磁界などに望ましくない不
均一を生じさせることのない適切な臨界結晶粒径を決定
し、それを強磁性膜の結晶粒径制御に適用することによ
り、安定した特性の磁気メモリ素子を得る。 【解決手段】 磁気メモリ素子は、少なくとも、反強磁
性層42、強磁性固定層43、非磁性スペーサ層44及
び強磁性自由層45を順次に積層して構成された強磁性
トンネル接合(MTJ)40を有する。前記MTJ40
の下位層(好ましくは反強磁性層42)の結晶粒の平均
粒径を30nm以下とし、且つ、その下位層の結晶配列
をランダム配向(無配向)とする。これにより、局所的
にせよ結晶学的な再配列を生じ始めることがなく、結晶
の無配向と相まって、数百nmにも及ぶ巨大結晶はもち
ろんのこと、それに至る前の「局所的、且つ、結晶学的
な再配列」も回避され、ラフネスのより確実な抑制が図
られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気抵抗効果(M
R効果)を利用して情報の記憶を不揮発的に行う磁気メ
モリ素子、そのメモリ素子を含む集積回路または磁気メ
モリ装置、その集積回路または磁気メモリ装置を組み込
んだ電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、パーソナルコンピュータやコン
ピュータ応用機器など(以下「パーソナルコンピュー
タ」で代表する)の起動に際しては、ハードディスクな
どの外部記憶装置からオペレーティングシステムを主記
憶にロードする、いわゆるブート処理が行われる。この
ブート処理の時間は数十秒(場合によっては数分程度)
にも及ぶことから、電源オンと同時に使用可能(いわゆ
る“クイックスタート”)となる他の電気製品との違い
(欠点)を明確にしている。また、たとえば、パーソナ
ルコンピュータで文書編集作業を行っているときに、正
しい手順に従わずに電源をオフにしてしまった場合、も
はや編集中のデータを救済する術はない。
【0003】このように、既存のパーソナルコンピュー
タは、そのほとんどがブート処理を必要とし、しかも、
電源オフと同時にデータを失ってしまうから、かかる欠
点のないもの、すなわち、クイックスタートが可能で、
且つ、電源をオフにしてもデータを失わないようにした
パーソナルコンピュータの出現が強く待ち望まれてい
る。
【0004】ここで、情報を記憶するメモリ素子は、電
源をオフにしたときにその記憶情報を失うタイプ(揮発
性)と、失わないタイプ(不揮発性)の二つに分けるこ
とができる。揮発性メモリ素子の代表はDRAM(Dy
namic RandomAccess Memor
y)やSRAM(Static Random Acc
ess Memory)などであり、不揮発性メモリ素
子の代表はEEPROM(Electrionical
ly Erasable and Programma
ble Read Only Memory)などのフ
ラッシュメモリである。パーソナルコンピュータの主記
憶に後者のもの(不揮発性メモリ素子)を使用すれば、
ブート処理を不要にでき、しかも、電源をオフにしても
データを失うことがない。しかし、実際には、特殊な用
途を除いて前者のもの(揮発性メモリ素子)が使用され
る。DRAMやSRAMなどの揮発性メモリ素子は不揮
発性のメモリ素子に比べて、書き込みや読み出しが遙か
に高速であり、処理性能を高めることができるからであ
る。
【0005】さて、ここまで述べたとおり、確かに、既
存の不揮発性メモリ素子は速度的に劣るという欠点があ
り、パーソナルコンピュータの主記憶として相応しくな
かった。
【0006】しかし、今日、揮発性メモリ素子と同等な
いしはそれを凌駕する性能を持った新たな不揮発性メモ
リ素子・・・・MR効果を利用した“磁気メモリ素子”(M
RAM:Magnetic Random Acces
s Memory)・・・・が注目されており、これをパー
ソナルコンピュータの主記憶に採用できれば、すぐにで
も上記の社会的要求に応えることができることから、メ
モリやパーソナルコンピュータなどの産業分野にきわめ
て大きなインパクトを与えることができるものと期待さ
れている。
【0007】MRAMの原理について説明する。図7
は、MRAMのセル(単に「磁気メモリ素子」と言うこ
ともある)構造模式図である。この図において、ビット
線(BL)1とバイパス線2の間には“強磁性トンネル
接合”(MTJ:Magnetic Tunnel J
unction)3が設けられている。MTJ3の近傍
には書き込み用ワード線(WWL)4が配置されてお
り、バイパス線2は端子2aを介してトランジスタ5の
ソース電極6に接続されている。さらに、トランジスタ
5のゲート電極7は読み出し用ワード線(RWL)8に
接続され、トランジスタ5のドレイン電極9は不図示の
共通電位(接地電位)に接続されている。
【0008】図8は、MTJ3の膜構造模式図である。
なお、図示の構造は膜の順番のみを示しており、膜の厚
さは図示の形状から把握してはならない。MTJ3は下
地層10の上に、反強磁性層11、強磁性固定層12、
非磁性スペーサ層13、強磁性自由層14及び保護層1
5を順次に積層して構成されている。非磁性スペーサ層
13は薄い非磁性絶縁材料(Cu、Au、Ag、Al−
O等)で構成されており、その上下に積層された強磁性
層(反強磁性層11、強磁性固定層12及び強磁性自由
層14)と共に、MR効果を利用して二値情報
(“0”、“1”)の記憶を不揮発的に行う磁気メモリ
素子の主要部を構成する。
【0009】ここで、上部磁性層である強磁性自由層1
4は、外部磁界に応答して磁化方向が“自由”に変化す
る層である。また、下部磁性層である反強磁性層11と
強磁性固定層12は、これら両層の界面(接合面)に生
じる一軸異方性磁界(ピン磁界またはピン止め磁界とも
いう)によって磁化方向が“固定”された層である。
【0010】MR効果とは、強磁性自由層14と強磁性
固定層12との磁化の相対角度の違いに応じて非磁性ス
ペーサ層13の電気的抵抗(磁気抵抗ともいう)値が変
化し、非磁性スペーサ層13を通過する電流(トンネル
電流)が変化する現象のことをいう。すなわち、非磁性
スペーサ層13とその上下の磁性層の間に電流を流した
ときに、強磁性自由層14と強磁性固定層12との磁化
の相対角度が小さければ、トンネル確率が高くなって両
者間に流れる電流に対する抵抗が小さくなり、一方、両
磁性層の磁化の相対角度が大きければ、トンネル確率が
低くなって両者間に流れる電流に対する抵抗が大きくな
る。磁気メモリ素子は、この現象を利用して情報の記憶
と読み出しを行う。
【0011】実際のMTJ3では、先にも延べたとお
り、強磁性固定層12の磁化の向きは反強磁性層11に
よって固定されている。情報の書き込みは書き込み用ワ
ード線4とビット線1に電流を流し、それらの線(B
L、WWL)から発生する磁界を用いて強磁性自由層1
4の磁化の向きを回転させることにより行う。MTJ3
では、強磁性自由層14と強磁性固定層12の磁化のな
す角度に応じて磁気抵抗が変化する。磁気抵抗の大きさ
は、強磁性自由14と強磁性固定層12の磁化の向きが
逆向き(反平行)の時に最大値となり、同方向(平行)
の時に最小値となる。一般的にはこのときの磁化状態の
違いを“0”情報と“1”情報に対応させて記憶する。
情報の読み出しは、この磁気抵抗の違いを電気信号の差
として検出する。
【0012】図9は、MTJ3の動作イメージ図であ
る。この図において、強磁性固定層12の磁化16の向
きは反強磁性層11によって固定(便宜的に実線矢印で
示すように右向き固定)されている。他方、強磁性自由
層14の磁化17の向きは不図示の外部磁界の影響を受
けて自由に回転し、且つ、外部磁界を取り除いた後は、
ヒステリシス特性によってその磁化17の向きを保持す
るようになっている。ここで、(a)は二つの磁化1
6、17の向きが反平行のときの状態を表している。こ
の場合、MTJ3の磁気抵抗が最小となり、非磁性スペ
ーサ層13を通過するトンネル電流18aが最大とな
る。また、(b)は二つの磁化16、17の向きが平行
のときの状態を表している。この場合、MTJ3の磁気
抵抗が最大となり、非磁性スペーサ層13を通過するト
ンネル電流18bが最小となる。(a)のときの磁気抵
抗と、(b)のときの磁気抵抗との比を磁気抵抗比ΔR
という。ΔRが大きいほど“0”情報と“1”情報とを
確実に区別して記憶し、読み出すことができる。
【0013】MTJ3の膜構造は、上記の例(図8)に
限らない。上記の例は、反強磁性層11を下層(非磁性
スペーサ層13の下位層)に配置した、いわゆるボトム
タイプであるが、これ以外にも、以下に示すトップタイ
プやデュアルタイプなどが知られている。図10は、ト
ップタイプとデュアルタイプの膜構造模式図である。
(a)トップタイプは、下地層20の上に、強磁性自由
層21、非磁性スペーサ層22、強磁性固定層23、反
強磁性層24及び保護層25を順次に積層して構成され
ており、(b)デュアルタイプは、下地層30の上に、
反強磁性層31、強磁性固定層32、非磁性スペーサ層
33、強磁性自由層34、非磁性スペーサ層35、強磁
性固定層36、反強磁性層37及び保護層38を順次に
積層して構成されている。
【0014】なお、本明細書で言う「上下」(または上
部、下部)は、下地層(下地層10、20、30)を基
準とする各層の積層方向を意味し、実際のTMJにおけ
る上下(または上部、下部)を意味しない。また、以下
では、特定の膜構造タイプ(ボトムタイプ)を例にして
説明するが、これは説明の便宜であって、トップタイプ
やデュアルタイプなどの他の膜構造タイプを意図的に排
除するものではない。
【0015】さて、MRAMの実用化には、様々な課題
をクリアしなければならない。たとえば、多ビット化は
当然の帰結であり、それには各ビットの特性のバラツ
キを抑えなければならないし、さらには、充分に大き
なピン止め磁界を得て情報の記憶を確実にすることも求
められる。
【0016】について説明する。MTJ3における書
き込み時の磁界応答性を悪化させる基本的な磁気特性の
一つに、強磁性固定層12と強磁性自由層14の間に働
く“層間結合磁界”(以下「Hf」という)と呼ばれる
ものがある。Hfは本来不要な存在である。しかし、H
fは、非磁性スペーサ層13と両磁性層(強磁性固定層
12、強磁性自由層14)との間の界面粗さ(ラフネ
ス)に依存して発生する性質を持っているため、代表的
な成膜技術(スパッタリングや蒸着あるいはエピタキシ
ャル成長法など)では、その膜の表面を絶対的に平坦化
することができないから、ある程度のHfの発生は避け
られない。
【0017】Hfによる不要な磁気結合のことを、トポ
ロジカル結合またはネールのオレンジピール結合などと
もいう。Hfは、界面に生じた微細な凹凸の一つ一つを
小さな磁極とし、それらの微小磁極から生じる磁界を合
成したものと説明することができる。Hfの存在は、情
報記憶のための磁気抵抗効果に悪影響を与える。すなわ
ち、ビットセルのスイッチング磁界に対して不要なバイ
アスを与え、磁界応答に望ましくない非対称性を生じさ
せる原因となる。また、膜のラフネスに場所依存性(あ
る部分のラフネスが突出的に大きくなるなど)があるこ
ともスイッチング磁界のバラツキを生じる原因でもあ
る。
【0018】<第一の従来技術>特開2001−203
405号公報には、膜のラフネスを改善するために、強
磁性層(反強磁性層または強磁性固定層)をアモルファ
ス化(非結晶化)することが示されている。しかし、強
磁性層のアモルファス化は、ピン止め磁界が弱くなるな
どの磁気特性の悪化を招き、情報の記憶や読み出しに不
都合をきたすうえ、磁性材料の組み合わせにも制限が生
じるという欠点がある。
【0019】次に、について説明する。強磁性固定層
の磁化を固定するためのピン止め磁界は、反強磁性材料
の結晶が(111)配向の時に最も大きな値を示すこと
が知られている。このため、従来は、反強磁性層の結晶
を(111)配向に制御することが努めて行われてき
た。(111)配向時に充分なピン止め磁界が得られる
理由は、(111)配向時に反強磁性層と強磁性固定層
がエピタキシャル成長しやすく、結晶学的に強固な結合
が得られるためと考えられる。しかしながら、他方で、
(111)配向は、ラフネスの増大を招くという好まし
くない状況を生み出す。(111)配向によるラフネス
増大のメカニズムは、次のように説明できる。反強磁性
層と強磁性固定層の結合が強固であるが故に、両磁性層
(反強磁性層と強磁性固定層)の界面に格子ミスマッチ
に起因した強い歪みを生じ、この歪みを緩和するように
結晶成長が進行する結果、形態的なラフネスを生じるも
のと考えられる。
【0020】このラフネスを回避するには、反強磁性層
または強磁性固定層の配向をランダム配向(すなわち無
配向)に制御することが考えられるが、単に無配向とし
ただけでは、所望の性能を得ることが困難である。多く
の場合、無配向時には充分なピン止め磁界が得られない
からであり、(111)配向時とは逆に、無配向時には
反強磁性層と強磁性固定層がエピタキシャル成長しにく
く、結晶学的な結合が脆弱になると考えられるからであ
る。
【0021】<第二の従来技術>特開平9−16920
号公報には、強磁性固定層を多層構造化、詳しくは、同
一膜厚の二つの強磁性層の間に一つの非磁性層を挟み込
んだサンドイッチ構造(“逆平行ピン止め層”と呼ばれ
る)とすることによって、ピン止め磁界を増幅する技術
が示されている。逆平行ピン止め層は二つの強磁性層の
磁化の向きが逆平行で、反強磁性的に互いに強く結合す
るように非磁性層を介して分離されている。非磁性層に
は、通常、Ru層が使われる。この逆平行ピン止め層の
中の二層の強磁性層の磁気モーメントがほぼ同じである
とき、ピン止め層の正味の磁気モーメントは小さい。ピ
ン止め磁界は正味磁気モーメントに反比例するため、結
果的に、ピン止め磁界は増幅され、多くの反強磁性層に
おいて無配向でも充分なピン止め磁界が得られる。
【0022】上記において、ラフネスを回避するには、
反強磁性層または強磁性固定層の配向を無配向に制御す
ることが効果的であると説明した。しかし、実際に膜表
面の広範囲な平坦化を得るには、その対策(結晶の無配
向制御)だけでは不十分である。すなわち、先の説明
で、(111)配向した反強磁性層/強磁性固定層の界
面では、格子ミスマッチ歪みにより、結晶成長時に形態
的なラフネスが発生することを明らかにしたが、このと
きに蓄えられるミスマッチ歪みは、結晶粒径の大きさに
比例して増加し、ラフネスの度合いも結晶粒径に比例し
て顕著になる。しかし、「無配向」に制御した磁気素子
においても、“部分的”に(111)配向の領域が確率
的に発生し、この部分的に(111)配向した領域は、
局所的なラフネスの原因となるからであり、要するに、
「無配向にする」→「局所的に(111)配向が生じ
る」→「その局所部分にラフネスが発生する」からであ
る。
【0023】加えて、結晶粒径もラフネスの発生に関与
する。たとえば、PtMnやNiMnなどのいくつかの
反強磁性層においては、ピン止め磁界を得るために熱処
理を必要とするが、この熱処理の際に反強磁性層は結晶
学的な構造転移、すなわち、立方晶(fcc)から正方
晶(fct)への転移を生じ、この転移の際に、結晶学
的な変形(構造転移)に起因した内部ストレスが結晶粒
内に蓄積される。この内部ストレスは、反強磁性層の結
晶粒径に比例して増加し、結晶粒径がある程度以上に大
きくなったときに、この内部ストレスを緩和するように
反強磁性層内で原子移動を伴う再配列(“再構成”とも
いう)を生じる。この再配列は、隣り合う結晶同士で共
有化されるため、反強磁性層の結晶粒径は場合によって
数百nmにも巨大化することがあり、このダイナミック
な原子移動を伴う反強磁性層の再配列によって反強磁性
層と強磁性固定層の界面にラフネスが発生する。
【0024】<第三の従来技術>本件発明者らは先に
(特開2001−36166号公報)、反強磁性層にP
tMn、非磁性スペーサ層にCuを用いたスピンバルブ
膜において、反強磁性層の結晶粒径が「50nm」を越
えて大きくなったときに、PtMnの巨大結晶が生じ、
ラフネスの原因になることを明らかにした。そして、こ
の巨大結晶粒により、MR比やピン止め磁界などに望ま
しくない不均一を生じることを明らかにした。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本件発
明者らのその後の研究により、上記の結晶粒径(50n
m)は必ずしもラフネス発生の臨界結晶粒径ではなく、
それ(50nm)以下の結晶粒径範囲においてもラフネ
スを生じ、MR比やピン止め磁界などに望ましくない不
均一を生じさせることを見い出した。
【0026】そこで、本発明が解決しようとする課題
は、MR比やピン止め磁界などに望ましくない不均一を
生じさせることのない適切な臨界結晶粒径を決定し、そ
れを強磁性膜の結晶粒径制御に適用することにより、安
定した特性の磁気メモリ素子を得ることを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】本件発明者らは、上記の
第三の従来技術において、たとえば、反強磁性層にPt
Mn、非磁性スペーサ層にCuを用いたスピンバルブ膜
で、反強磁性層の結晶粒径が50nm以上の時に、Pt
Mnの巨大結晶化を生じ、MR比とピン止め磁界に望ま
しくない不均一を生じることを指摘した。
【0028】しかし、非磁性スペーサ層にAl−Oを用
いたMTJ膜で、PtMnの結晶粒径が層間結合磁界
(Hf)に与える影響についてさらに詳しく調べたとこ
ろ、PtMnの結晶粒径が「30nm以上」でHfが急
激に上昇し始め、50nm以上で穏やかな上昇に転ずる
ことを見い出した。
【0029】その間の膜構造を透過型電子顕微鏡で調べ
たところ、30nm〜50nmの範囲ではPtMnは完
全に巨大結晶化しないものの、局所的に結晶学的な再配
列を生じた領域が観察された。これが、局所的にPtM
n/強磁性固定層の界面におけるラフネスを増大させて
いた直接の要因であると結論した。
【0030】つまり、50nm以上では、結晶学的な再
配列が完全に進むことによってPtMnの巨大結晶化を
生じさせ、広い領域でラフネスを生じさせるが、より子
細に観察すると、ラフネスを誘引しない適切な臨界結晶
粒径は、「局所的に結晶学的な再配列を生じ始める手前
の最小の結晶粒径」、つまり、30nmであることを見
い出した。
【0031】したがって、以上のことから、本発明にお
ける上記の課題は、少なくとも、反強磁性層、強磁性固
定層、非磁性スペーサ層及び強磁性自由層を順次に積層
して構成された強磁性トンネル接合(MTJ)を有する
磁気メモリ素子において、前記MTJの下位層の結晶粒
の平均粒径を30nm以下とし、且つ、その下位層の結
晶配列をランダム配向(無配向)とする特徴的な構造を
具備することにより達成される。
【0032】ここで、本発明の限定要素の一つの「下位
層」とは、MJT各層のうち積層順下位側の層のことを
いう。上位層の膜の平坦化度合いは、その層の下位に位
置する層のラフネスの影響を大きく受けるからである。
この考え方に従えば、理想的には、下位層はMJT各層
のうち最初に成膜される層(最下位層)を意味するが、
これに限定されない。最下位層のラフネスが許容できる
程度に小さい場合は、その上位に位置する層を、本発明
でいう「下位層」とみなしても差し支えないからであ
る。ゆえに、その好ましい態様は、前記下位層は、反強
磁性層(最下位層)であり、または、前記下位層は、強
磁性固定層(最下位層の上位に位置する層)であり、ま
たは、前記下位層は、反強磁性層及び強磁性固定層(最
下位層とその上位に位置する層)であるというものであ
る。
【0033】本発明では、このように、MTJの下位層
の結晶粒の平均粒径を30nm以下とするので、局所的
にせよ結晶学的な再配列を生じ始めることがない。この
ため、結晶の無配向と相まって、数百nmにも及ぶ巨大
結晶はもちろんのこと、それに至る前の「局所的、且
つ、結晶学的な再配列」も回避され、ラフネスのより確
実な抑制が図られる。
【0034】また、その好ましい他の態様は、前記強磁
性固定層は、逆平行ピン止め層の構造を有しているとい
うものである。これにより、逆平行ピン止め層によっ
て、ピン止め磁界が増幅され、結晶の無配向に伴う不都
合(ピン止め磁界の減少)が補償される。
【0035】なお、結晶学的な再配列が生じ始める平均
粒径は、当然ながら強磁性層の成分比(たとえば、Pt
Mnの場合はPtとMnの成分比)のずれに敏感に影響
される。理想的には設計通りの成分比であることが望ま
しい。しかし、実際には、成膜工程における様々な誤差
要因により、たとえば、1%程度の成分変動は避けられ
ない。この程度の変動は充分なピン止め磁界を得る点で
ほとんど無視(または許容)できるが、臨界結晶粒径へ
の影響は見過ごせない。1%程度の成分変動であったと
しても、臨界結晶粒径に数nm程度のずれを生じさせる
からである。したがって、現実的に、このような製造上
避けることができない臨界粒径の変動がある限り、本発
明で限定する臨界結晶粒径は、単に「30nm」という
特定の値のみを意味しない。製造バラツキに伴う誤差α
を前後に含む「30nm±α」の範囲を示していると解
釈しなければならない。
【0036】また、本発明における結晶粒径の下限(3
0nm以下の下限)は、アモルファス構造の性質を持た
ない最小の結晶粒径に相当する値である。たとえば、1
nm程度またはそれよりも小さな結晶粒径では、結晶と
しての性質が薄れてしまい、むしろアモルファス構造に
近い性質になってピン止め磁界が著しく減少するからで
ある。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面を参照しながら説明する。なお、以下の説明における
様々な細部の特定ないし実例および数値や文字列その他
の記号の例示は、本発明の思想を明瞭にするための、あ
くまでも参考であって、それらのすべてまたは一部によ
って本発明の思想が限定されないことは明らかである。
また、周知の手法、周知の手順、周知のアーキテクチャ
および周知の回路構成等(以下「周知事項」)について
はその細部にわたる説明を避けるが、これも説明を簡潔
にするためであって、これら周知事項のすべてまたは一
部を意図的に排除するものではない。かかる周知事項は
本発明の出願時点で当業者の知り得るところであるの
で、以下の説明に当然含まれている。
【0038】図1(a)は、本実施の形態におけるMT
J40の膜構造模式図である。MTJ40は下地層41
の上に、反強磁性層42、強磁性固定層43、非磁性ス
ペーサ層44、強磁性自由層45及び保護層46を順次
に積層して構成されている。各層に使用して好ましい材
料を説明すると、下地層41には、基板との接着の機能
を有する、たとえば、Ta(タンタル)、Ti(チタ
ン)、W(タングステン)等を使用することができる。
また、反強磁性層42には、固定層の磁化のピン止めの
機能を有する、たとえば、PtMn(白金マンガン合
金)を使用することができる。また、非磁性スペーサ層
44には、絶縁トンネル障壁の機能を有する、たとえ
ば、Al−O(酸化アルミニウム)を使用することがで
きる。また、強磁性自由層45には、外部磁界により磁
化が回転する機能を有する、たとえば、CoFe(コバ
ルト鉄)を使用することができる。また、保護層46に
は、酸化や機械的損傷からの保護の機能を有する、たと
えば、Ta(タンタル)を使用することができる。
【0039】強磁性固定層43は、同一膜厚の二つの強
磁性層43a、43bの間に一つの非磁性層43cを挟
み込んだサンドイッチ構造(逆平行ピン止め層)となっ
ており、強磁性層43a、43bには、固定された磁化
の機能を有する、たとえば、CoFeを使用することが
でき、また、非磁性層43cには、二つの強磁性層43
a、43bの間の反強磁性交換結合の機能を有する、た
とえば、Ru(ルテニウム)を使用することができる。
【0040】各層の膜厚の一例を示すと、次のとおりで
ある。 ・反強磁性層42:20nm ・強磁性固定層(逆平行ピン止め層)43 ・強磁性層43a:2.2nm ・強磁性層43b:2.0nm ・非磁性層43c:0.8nm ・非磁性スペーサ層44:1.5nm ・強磁性自由層45:3.0nm
【0041】図1(b)は、強磁性固定層43の磁化イ
メージ図である。強磁性固定層43は二つの強磁性層4
3a、43bの磁化43d、43eの向きが逆平行で、
反強磁性的に互いに強く結合するように非磁性層43c
を介して分離されている。この強磁性固定層43の中の
二層の強磁性層43a、43bの磁気モーメントがほぼ
同じであるとき、強磁性固定層43の正味の磁気モーメ
ントは小さい。ピン止め磁界は正味磁気モーメントに反
比例するため、結果的に、ピン止め磁界は増幅される。
【0042】このように、本実施の形態では、ピン止め
磁界の増幅作用が得られる逆平行ピン止め層の構造を持
つ強磁性固定層43をMTJ40に含むが、その理由
は、次の通りである。本実施の形態における第一のポイ
ントは、積層順の最下位層に位置する反強磁性層42の
結晶配向をランダム配向(無配向)にした点にある。こ
れにより、(111)配向に比べて膜表面のラフネスを
改善できる。しかし、無配向の欠点は、ピン止め磁界の
減少にあり、これを補うために上記の“逆平行ピン止め
層”の構造を持つ強磁性固定層43を採用したのであ
る。
【0043】また、本実施の形態の第二のポイントは、
積層順の最下位層に位置する反強磁性層42の結晶粒の
平均粒径を30nm以下に制限した点にある。これによ
り、膜表面における「局所的、且つ、結晶学的な再配
列」を回避し、ラフネスのより確実な抑制を図った。
【0044】図2は、結晶粒径と層間結合磁界(Hf)
の対応関係を示すグラフ図である。横軸は結晶粒径、縦
軸はHfの大きさを表している。グラフ内には二つの特
性線A、Bが示されている。特性線Aは(111)配向
膜のもの、特性線Bは無配向膜のものである。これら二
つの特性線A、Bを見比べると、(111)配向膜の特
性線Aの方が全体的に大きなHfで推移している。この
ことは、(111)配向膜の場合、巨大結晶が発生しや
すく、ラフネスの増大を招くという先の説明を裏付けて
いる。
【0045】一方、無配向膜の特性線Bに注目すると、
全体的に(111)配向膜の特性線AよりもHfが小さ
いものの、特定の二つの結晶粒径(30nmと50n
m)で大きな変化が見られる。すなわち、50nmのポ
イントaと、30nmのポイントbで大きな変化が見ら
れる。ポイントa以上ではHfが大きな値で推移してい
る。これは巨大結晶の発生によるものである。また、ポ
イントaとポイントbの間ではHfが急激に変化してい
る。これは、巨大結晶の発生に至らないまでもラフネス
に影響を与える特異な結晶構造、すなわち、「局所的に
結晶学的な再配列を生じた領域」が出現したためであ
る。さらに、ポイントb以下ではHfが小さな値で推移
している。これは、上記の二つの不具合、つまり、巨大
結晶もなく、しかも、「局所的に結晶学的な再配列を生
じた領域」も出現していないためである。
【0046】したがって、これらのポイントa、bに着
目すると、冒頭でも説明したとおり、Hfは本来無用な
存在であるから、このグラフの特性線Bより、積層順の
最下位層に位置する反強磁性層42の結晶粒の平均粒径
として最適な値は、ポイントb以下の範囲(低Hf範
囲)、要するに、30nm以下とすべきであると結論す
ることができる。
【0047】図3は、無配向膜の断面高分解能TEM
(透過型電子顕微鏡)撮影画像図、図4は、(111)
配向膜の同画像図である。いずれの図も上段にディザ処
理(二値化処理)した写真を示し、下段にその写真の解
説図を示している。
【0048】図3において、PtMnのすべての結晶粒
には、fcc(111)格子縞が積層面と平行に現れて
いる。これにより、PtMnの結晶粒が(111)配向
していることがわかる。一方、図4においては、PtM
nの結晶粒は無配向であるが、部分的に(111)格子
縞が傾いて現れている。両者の膜のラフネスに注目する
と、無配向のもの(図4)は、(111)配向のもの
(図3)に比べて、各層の界面が平坦になっており、ラ
フネスが大幅に改善されている。
【0049】図5は、実際に製作した無配向膜の断面暗
視野画像図である。上記と同様に、上段にディザ処理
(二値化処理)した写真を示し、下段にその写真の解説
図を示している。この断面暗視野像のコントラストの明
るい領域のサイズから、結晶粒径が概ね15nm程度で
あることを見積もることができる。この値(15nm)
は、上記の平均粒径(30nm以下)に合致する。
【0050】図6は、以上のような構造を有するMTJ
40を一つの記憶セルとして構成した多ビットMRAM
の回路図である。この図において、波線で示す部分はM
TJ40である。このMTJ40をビット線BLi(i
は1、2、3・・・・)とワード線(書き込み用ワード線W
WLi/読み出し用ワード線RWLi)の各交点に配置し
てレイアウトする。図中の符号RはMTJ40の磁気抵
抗を表し、符号TRはトランジスタ(図7のトランジス
タ5参照)を表している。
【0051】今、任意のビット線(たとえば、BL1
と任意の書き込み用ワード線WWL1に電流を流し込む
と、WWL1に生じた磁界に応答してMTJ40の強磁
性自由層の磁化の向きが変化する(強磁性自由層の磁化
と平行または反平行になる)。WWL1の電流の方向を
変えることにより、平行または反平行のいずれにもコン
トロールすることができ、それぞれ“0”情報または
“1”情報を記憶できる。コントロールされた磁化の向
きは、BL1とWWL1の電流をストップしてもそのまま
の状態を保ち、不揮発的な情報の記憶を行うことができ
る。
【0052】情報を読み出す場合は、読み出し用ワード
線RWL1に電圧を印可してトランジスタTRをオンに
する。強磁性自由層の磁化の向きに対応して磁気抵抗R
が最小値または最大値になっているため、トランジスタ
TRのソース−ドレイン間に流れるビット電流(BL1
の電流)が二値的に変化し、その変化を検出することに
より、記憶情報の読み出しを行うことができる。
【0053】以上、説明したとおり、本実施の形態にお
いては、少なくとも、反強磁性層42、強磁性固定層4
3、非磁性スペーサ層44及び強磁性自由層45を順次
に積層して構成された強磁性トンネル接合(MTJ4
0)を有する磁気メモリ素子において、前記MTJ40
の下位層(好ましくは反強磁性層42)の結晶粒の平均
粒径を30nm以下とし、且つ、その下位層の結晶配列
をランダム配向(無配向)としたことを特徴とする磁気
メモリ素子を構成したから、局所的にせよ結晶学的な再
配列を生じ始めることがない。このため、結晶の無配向
と相まって、数百nmにも及ぶ巨大結晶はもちろんのこ
と、それに至る前の「局所的、且つ、結晶学的な再配
列」も回避することができ、ラフネスのより確実な抑制
を図ることができるというMRAMの実用化に大きく貢
献する技術を提供できる。
【0054】なお、本実施の形態では、磁気メモリ素子
の主要構成部であるMTJを中心に説明してきたが、発
明の外延をその例示のみから把握してはならない。MT
Jはもちろんのこと、そのMTJを含む磁気メモリ素子
(MRAM)、または、その磁気メモリ素子を含む集積
回路(用途は限定されない)、あるいは、その磁気メモ
リ素子を含む磁気メモリ装置、もしくは、その集積回路
や磁気メモリ装置を含む電子機器(たとえば、パーソナ
ルコンピュータやコンピュータ応用機器など)も発明の
外延に包含される。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、数百nmにも及ぶ巨大
結晶はもちろんのこと、それに至る前の「局所的、且
つ、結晶学的な再配列」も回避でき、ラフネスのより確
実な抑制を図ることができる。
【0056】したがって、MR比やピン止め磁界などに
望ましくない不均一を生じさせることのない適切な臨界
結晶粒径を決定し、それを強磁性膜の結晶粒径制御に適
用することにより、安定した特性の磁気メモリ素子、そ
のメモリ素子を含む集積回路または磁気メモリ装置、そ
の集積回路または磁気メモリ装置を組み込んだ電子機器
を提供することができる。
【0057】また、強磁性固定層を逆平行ピン止め層の
構造とした場合は、逆平行ピン止め層によって、ピン止
め磁界が増幅されるため、結晶の無配向に伴う不都合
(ピン止め磁界の減少)を補償することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態におけるMTJ40の膜構造模式
図及び強磁性固定層43の磁化イメージ図である。
【図2】結晶粒径と層間結合磁界(Hf)の対応関係を
示すグラフ図である。
【図3】無配向膜の断面高分解能TEM(透過型電子顕
微鏡)撮影画像図である。
【図4】(111)配向膜の断面高分解能TEM(透過
型電子顕微鏡)撮影画像図である。
【図5】実際に製作した無配向膜の断面暗視野画像図で
ある。
【図6】MTJ40を一つの記憶セルとして構成した多
ビットMRAMの回路図である。
【図7】MRAMのセル構造模式図である。
【図8】MTJ3の膜構造模式図(ボトムタイプ)であ
る。
【図9】MTJ3の動作イメージ図である。
【図10】トップタイプとデュアルタイプの膜構造模式
図である。
【符号の説明】
40……強磁性トンネル接合(MTJ)、42……反強
磁性層、43……強磁性固定層(逆平行ピン止め層)、
44……非磁性スペーサ層、45……強磁性自由層。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、反強磁性層、強磁性固定
    層、非磁性スペーサ層及び強磁性自由層を順次に積層し
    て構成された強磁性トンネル接合(MTJ)を有する磁
    気メモリ素子において、 前記MTJの下位層の結晶粒の平均粒径を30nm以下
    とし、且つ、その下位層の結晶配列をランダム配向(無
    配向)としたことを特徴とする磁気メモリ素子。
  2. 【請求項2】 前記下位層は、反強磁性層であることを
    特徴とする請求項1記載の磁気メモリ素子。
  3. 【請求項3】 前記下位層は、強磁性固定層であること
    を特徴とする請求項1記載の磁気メモリ素子。
  4. 【請求項4】 前記下位層は、反強磁性層及び強磁性固
    定層であることを特徴とする請求項1記載の磁気メモリ
    素子。
  5. 【請求項5】 前記平均粒径は、30nmを基準とし、
    その前後に製造バラツキに起因して発生する誤差αを含
    むことを特徴とする請求項1記載の磁気メモリ素子。
  6. 【請求項6】 前記平均粒径の下限値は、アモルファス
    構造に至る前の結晶粒径であることを特徴とする請求項
    1記載の磁気メモリ素子。
  7. 【請求項7】 前記強磁性固定層は、逆平行ピン止め層
    の構造を有していることを特徴とする請求項1記載の磁
    気メモリ素子。
  8. 【請求項8】 少なくとも、反強磁性層、強磁性固定
    層、非磁性スペーサ層及び強磁性自由層を順次に積層し
    て構成された強磁性トンネル接合(MTJ)を有し、前
    記MTJの下位層の結晶粒の平均粒径を30nm以下と
    し、且つ、その下位層の結晶配列をランダム配向(無配
    向)として構成された磁気メモリ素子を含むことを特徴
    とする集積回路。
  9. 【請求項9】 少なくとも、反強磁性層、強磁性固定
    層、非磁性スペーサ層及び強磁性自由層を順次に積層し
    て構成された強磁性トンネル接合(MTJ)を有し、前
    記MTJの下位層の結晶粒の平均粒径を30nm以下と
    し、且つ、その下位層の結晶配列をランダム配向(無配
    向)として構成された磁気メモリ素子を含むことを特徴
    とする磁気メモリ装置。
  10. 【請求項10】 請求項8に記載の集積回路を含むこと
    を特徴とする電子機器。
  11. 【請求項11】 請求項9に記載の磁気メモリ装置を含
    むことを特徴とする電子機器。
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