JP2003288988A - 発光素子およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
機EL素子は高効率であるが十分な寿命が得られていな
かった。これは正孔ブロック層と発光層との界面で材料
の混合が起こって、正孔ブロック能が低下していること
が原因と見出した。 【解決手段】 発光層中に含まれる燐光発光材料および
ホスト材料の分子内永久双極子モーメントと、正孔ブロ
ック材料の分子内永久双極子モーメントを大きく異なる
特定の関係とする。
Description
ネセンス(EL)素子に関し、例えば平面型自発光表示
装置をはじめ通信、照明その他の用途に供する各種光源
として使用可能な自発光の素子に関するものである。
パネルが幅広く用いられているが、依然として応答速度
が遅い、視野角が狭い等の欠点があり、またこれらを改
善した多くの新方式においても特性が十分でなかった
り、パネルとしてのコストが高くなるなどの課題があ
る。そのような中で、自発光で視認性に優れ、応答速度
も速く広範囲な応用が期待できる新たな発光素子として
の薄膜EL素子に期待が集まっている。特に、室温で蒸
着や塗布などの簡単な成膜工程を用いることのできる有
機材料を素子の全部または一部の層に用いる薄膜EL素
子は、有機EL素子とも呼ばれ、上述の特徴に加えて製
造コストの魅力もあり多くの研究が行われている。
電子、正孔を注入しその再結合によって発光を得るもの
であり、古くから多くの研究がなされてきたが、一般に
その発光効率は低く実用的な発光素子への応用とは程遠
いものであった。
によって提案された素子(C.W.Tang and
S.A.Vanslyke:Appl.Phys.Le
tt.51(1987)913.)は、透明基板上に正
孔注入電極、正孔輸送層、発光層、陰極を有する構成の
素子であって、正孔注入電極としてITO、正孔輸送層
として膜厚75nmのジアミン誘導体層、発光層として
膜厚60nmのアルミキノリン錯体層、陰極として電子
注入性と安定性を併せ持つMgAg合金を用いたもので
あった。特に陰極の改良もさることながら、透明性に優
れたジアミン誘導体を採用することにより、75nmの
膜厚においても十分な透明性を維持することができ、且
つこの膜厚においては十分にピンホ−ル等の無い均一な
薄膜が得られるので、発光層も含めた素子の総膜厚を十
分に薄く(150nm程度)することが可能となり、比
較的低電圧で高輝度の発光が得られるようになった。具
体的には、10V以下の低い電圧で1000cd/m2
以上の高い輝度と、1.5lm/W以上の高い効率を実
現している。このTangらの報告がきっかけとなっ
て、陰極のさらなる改良や、電子注入層の挿入、正孔注
入層の挿入などの素子構成上の工夫など、現在に至るま
で活発な検討が続けられている。
(有機EL)素子について概説する。
極、正孔輸送層、発光層、陰極の順に積層して形成し、
正孔注入電極と正孔輸送層間に正孔注入層を設けたり、
発光層と陰極間に電子輸送層、さらに陰極との界面に電
子注入層を設けることもある。このように、各層に役割
を機能分離させて担わせる事により各層に適切な材料選
択が可能となり素子の特性も向上する。
7等のガラス基板が広く用いられている。板厚は0.7
mm程度が強度と重量の観点から扱いやすい。
膜、エレクトロンビーム蒸着膜、イオンプレーティング
膜等の透明電極が用いられる。膜厚は必要とされるシー
トレジスタンス値と可視光透過率から決定されるが、有
機EL素子では比較的駆動電流密度が高いため、シート
レジスタンスを小さくするために100nm以上の厚さ
で用いられることが多い。
フェニル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(以下、
TPDと称する)、N,N’−ビス(α−ナフチル)−
N,N’−ジフェニルベンジジン(以下、NPDと称す
る)等、Tangらの用いたジアミン誘導体、特に日本
国特許第2037475号に開示されたQ1−G−Q2
構造のジアミン誘導体の真空蒸着膜が幅広く用いられて
いる。これらの材料は一般に透明性に優れ、80nm程
度の膜厚でもほぼ透明であり、且つ成膜性にも優れるた
めピンホールなどの欠陥のない膜が得られ、素子の総膜
厚を100nm程度にまで薄くしても短絡など信頼性上
の問題が発生し難い特徴がある。
ス(8−キノリノラト)アルミニウム(以下、Alqと
称する)等の電子輸送性発光材料を真空蒸着により数十
nmの膜厚に形成して用いる構成が一般的である。種々
の発光色を実現するなどの目的で、発光層は比較的薄膜
とし、電子輸送層を20nm程度積層した、所謂ダブル
ヘテロ構造が採用されることもある。
あるいはAlLi合金など、仕事関数が低く電子注入障
壁の低い金属と比較的仕事関数が大きく安定な金属との
合金、またはLiFなど種々の電子注入層とアルミニウ
ムなどとの積層陰極が用いられることが多い。
発光層の積層構成とは別に、正孔輸送性発光層/電子輸
送層の構成や、正孔輸送層/発光層/電子輸送層の構成
も幅広く用いられている。いずれの層構成を用いた場合
も透明基板、正孔注入電極、および陰極は上述のような
ものが同様に用いられている。
(ホスト材料)中にドープした燐光発光層を用いた有機
EL素子の検討も幅広く行われており、特に正孔ブロッ
ク層を有する素子構成で極めて高い効率が報告されてい
る(例えば、USP6303238号、USP6097
147号、Appl.Phys.Lett.,vol.
75,no.1,p.4−6,July5th,199
9など)。
層をBCPからBAlqとすることで大幅に向上できる
ことが報告されている(Proc.of SPIE,v
ol.4105,p175−182,2000)。
材料をドープした燐光発光層を、特定の正孔ブロック層
と組み合わせて用いることにより、極めて高い発光効率
が得られることが報告されているが、寿命に関しては必
ずしも十分な値が得られていないのが現状である。
Phys.Lett.,vol.75,no.1,p.
4−6,July5th,1999で、はじめて有機E
L素子に用いられたIr(ppy)3を燐光発光材料と
してCBP中にドープして発光層として用いて、且つ正
孔ブロック層としてBAlqを用いた素子において、大
幅な長寿命化が実現できることが報告されているが、赤
色素子・青色素子においては十分な寿命は得られていな
い(Proc.of SPIE,vol.4105,p
175−182,2000)。
筆者等は種々の燐光発光材料とホスト材料を用いて発光
層を形成し、且つ種々の正孔ブロック層と組み合わせた
場合の燐光有機EL素子の寿命をつぶさに調べた結果、
特定の材料を特定の組合せで用いた場合に、顕著な長寿
命を得ることが出来て、反対に特定の材料を特定の組合
せで用いた場合に、極端に寿命が短くなることを見出し
て本発明を完成させるに至った。
なくとも一対の電極間に配置された発光領域(発光層)
と、前記発光領域と直接に接する少なくとも一つの電荷
阻止領域(有機層)を有する発光素子であって、前記発
光領域が、少なくとも燐光発光材料と、ホスト材料を含
有し、電荷阻止領域が、燐光発光材料の分子内永久双極
子モーメントよりも大きい分子内永久双極子モーメント
を有する化合物を含有することを特徴とする。
発光領域と直接に接する側の一部が、少なくとも1デバ
イ以上の分子内永久双極子モーメントを有する化合物を
含有し、且つ、前記燐光発光材料の分子内永久双極子モ
ーメントが1デバイ以下であることが望ましい。
の電極間に配置された発光領域と、前記発光領域と直接
に接する少なくとも一つの電荷阻止領域を有する発光素
子であって、前記発光領域が、少なくとも燐光発光材料
と、ホスト材料を含有し、且つ、少なくとも前記電荷阻
止領域の前記発光領域と直接に接する側の一部が、少な
くとも1デバイ以下の分子内永久双極子モーメントを有
する化合物を含有し、且つ、前記燐光発光材料の分子内
永久双極子モーメントが1デバイ以上であることを特徴
とする発光素子である。
の電極間に配置された発光領域と、前記発光領域と直接
に接する少なくとも一つの電荷阻止領域を有する発光素
子であって、前記発光領域が、少なくとも燐光発光材料
と、ホスト材料を含有し、且つ、少なくとも前記電荷阻
止領域の前記発光領域と直接に接する側を構成する化合
物の分子内永久双極子モーメントと、前記燐光発光材料
の分子内永久双極子モーメントとの差が、少なくとも1
デバイ以上であることを特徴とする発光素子である。
の電極間に配置された発光領域と、前記発光領域と直接
に接する少なくとも一つの電荷阻止領域を有する発光素
子であって、前記発光領域が、少なくとも燐光発光材料
と、ホスト材料を含有し、且つ、少なくとも前記電荷阻
止領域の前記発光領域と直接に接する側を構成する化合
物の分子内永久双極子モーメントと、前記燐光発光材料
の分子内永久双極子モーメントとの比が、少なくとも2
以上であることを特徴とする発光素子である。
の電極間に配置された発光領域と、前記発光領域と直接
に接する少なくとも一つの電荷阻止領域を有する発光素
子であって、前記発光領域が、少なくとも燐光発光材料
と、ホスト材料を含有し、且つ、少なくとも前記電荷阻
止領域の前記発光領域と直接に接する側の一部が、少な
くとも1デバイ以上の分子内永久双極子モーメントを有
する化合物を含有し、且つ、前記ホスト材料の分子内永
久双極子モーメントが1デバイ以下であることを特徴と
する発光素子である。
の電極間に配置された発光領域と、前記発光領域と直接
に接する少なくとも一つの電荷阻止領域を有する発光素
子であって、前記発光領域が、少なくとも燐光発光材料
と、ホスト材料を含有し、且つ、少なくとも前記電荷阻
止領域の前記発光領域と直接に接する側の一部が、少な
くとも1デバイ以下の分子内永久双極子モーメントを有
する化合物を含有し、且つ、前記ホスト材料の分子内永
久双極子モーメントが1デバイ以上であることを特徴と
する発光素子である。
の電極間に配置された発光領域と、前記発光領域と直接
に接する少なくとも一つの電荷阻止領域を有する発光素
子であって、前記発光領域が、少なくとも燐光発光材料
と、ホスト材料を含有し、且つ、少なくとも前記電荷阻
止領域の前記発光領域と直接に接する側を構成する化合
物の分子内永久双極子モーメントと、前記ホスト材料の
分子内永久双極子モーメントとの差が、少なくとも1デ
バイ以上であることを特徴とする発光素子である。
の電極間に配置された発光領域と、前記発光領域と直接
に接する少なくとも一つの電荷阻止領域を有する発光素
子であって、前記発光領域が、少なくとも燐光発光材料
と、ホスト材料を含有し、且つ、少なくとも前記電荷阻
止領域の前記発光領域と直接に接する側を構成する化合
物の分子内永久双極子モーメントと、前記ホスト材料の
分子内永久双極子モーメントとの比が、少なくとも2以
上であることを特徴とする発光素子である。
の電極間に配置された発光領域と、前記発光領域と直接
に接する少なくとも一つの電荷阻止領域を有する発光素
子であって、少なくとも前記電荷阻止領域の前記発光領
域と直接に接する側の一部が、前記発光領域と混合され
ることのない網目状架橋構造を有することを特徴とする
発光素子である。
領域が、正孔阻止領域であることを特徴とする発光素子
である。
橋構造を有する部分が、プラズマ重合膜であることを特
徴とする発光素子である。
橋構造を有する部分が、アモルファスカーボン膜である
ことを特徴とする発光素子である。
橋構造を有する部分が、n型アモルファスカーボン膜で
あることを特徴とする発光素子である。
ルファスカーボン膜が、含窒素複素環式化合物を原料と
したプラズマCVD膜であることを特徴とする発光素子
である。
対の電極間に配置された発光領域と、少なくとも一つの
電荷阻止領域を有する発光素子であって、前記発光領域
と前記電荷阻止領域との間に、少なくとも両者の混合を
防止する網目状架橋構造膜を有することを特徴とする発
光素子である。
橋構造膜が、プラズマ重合膜であることを特徴とする発
光素子である。
橋構造膜が、アモルファスカーボン膜であることを特徴
とする発光素子である。
橋構造膜が、n型アモルファスカーボン膜であることを
特徴とする発光素子である。
ルファスカーボン膜が、含窒素複素環式化合物を原料と
したプラズマCVD膜であることを特徴とする発光素子
である。
対の電極間に配置された発光領域と、前記発光領域と直
接に接する少なくとも一つの電荷阻止領域を有する発光
素子の製造方法であって、少なくとも前記電荷阻止領域
の前記発光領域と直接に接する側の一部が、前記発光領
域と混合されることのない網目状架橋構造に形成される
ことを特徴とする発光素子の製造方法である。
対の電極間に配置された発光領域と、少なくとも一つの
電荷阻止領域を有する発光素子の製造方法であって、前
記発光領域と前記電荷阻止領域との間に、少なくとも両
者の混合を防止する網目状架橋構造膜を形成することを
特徴とする発光素子の製造方法である。
対の電極間に配置された発光領域と、前記発光領域と直
接に接する少なくとも一つの電荷阻止領域を有する発光
素子であって、前記発光領域が、少なくとも燐光発光材
料と、ホスト材料を含有し、且つ、少なくとも前記電荷
阻止領域の前記発光領域と直接に接する側の一部が、少
なくとも含窒素複素環式化合物誘導体と、アルカリ金属
とを含有することを特徴とする発光素子である。
有機EL素子について説明する。
は、少なくとも一対の電極間に配置された発光領域を有
する構成を有する。ここで少なくとも一対の電極間に配
置された発光領域とは、少なくとも正孔注入電極と、前
記正孔注入電極と対向して設けた電子注入電極と、両者
に直接的または間接的に狭持された発光層などの、少な
くとも一対の電極と、その間のどこかに配置された発光
層を意味する。
と同様に適当な透明または不透明の基板を用い、当該基
板上に上記の素子構成を形成する手法を用いることが出
来る。発光を素子外に取り出すために、通常、一対の電
極の少なくとも片側は透明または少なくとも半透明な電
極が用いられる。基板のある面側に形成されているのが
透明または半透明電極である場合、その基板も透明また
は半透明基板を用いるのが通常である。基板は、本実施
の形態の発光素子を坦持出来るものであればよく、コー
ニング1737ガラスなどの通常のガラス基板が用いら
れる事が多いが、ポリエステルその他の樹脂フィルムな
ども用いる事が出来る。
極として働いて素子中に正孔を注入することが可能であ
ればよいが、正孔注入電極を透明電極とすることが多
い。その場合は一般にITO(インジウム錫酸化物)膜
を用いる事が多く、ITO膜はその透明性を向上させあ
るいは抵抗率を低下させる目的でスパッタ、エレクトロ
ンビーム蒸着、イオンプレーティング等の成膜方法が行
われており、また抵抗率や形状制御の目的で種々の後処
理が行われる事も多い。また、膜厚は必要とされるシー
トレジスタンス値と可視光透過率から決定されるが、有
機EL素子では比較的駆動電流密度が高いため、シート
レジスタンスを小さくするために100nm以上の厚さ
で用いられることが多い。本発明の正孔注入電極にはこ
れらの通常のITO膜を用いる事が出来る他、IDIX
Oをはじめとする種々の改良された透明導電層も幅広く
用いることができる。また、導電性粉体を分散した透明
導電性塗料の塗布膜その他の電極を用いる事も出来る。
とも燐光発光材料をホスト材料中に共蒸着などの方法に
よりドープして得た発光層からなる。燐光発光材料には
Appl.Phys.Lett.,vol.75,n
o.1,p.4−6,July5th,1999で、は
じめて有機EL素子に用いられたfac Ir(pp
y)3をはじめとする各種の重金属錯体を幅広く用いる
ことが出来る。また、ホスト材料は素子設計に応じた電
荷輸送能を有するとともに、燐光発光材料の3重項励起
子を非発光失活させない材料であればよく、Appl.
Phys.Lett.,vol.75,no.1,p.
4−6,July5th,1999での報告以来、CB
Pが幅広く用いられており、本発明にも好適に用いられ
る。
は、Proc.of SPIE,vol.4105,p
175−182,2000で用いられたBAlqのよう
な各種の金属錯体や、特開2001−267082号公
報に開示されているような電子不足化合物群、例えば
4,4,8,8−テトラエチルピラザボール、1,3,
5,7−テトラメチルピラザボール等を幅広く用いるこ
とが出来る。
材料としては汎用のものを幅広く用いることが出来る
が、その組合せが特定の関係にあることによって、著し
い長寿命化を実現できるものである。また、その界面に
特定の混合防止手段を設けることにより、著しい長寿命
化を実現できるものである。
般的な正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層を幅広く用
いることが出来る。正孔注入層としてはITOの表面粗
さの平滑化や正孔注入効率の向上による低駆動電圧化、
長寿命化などの目的のために、スターバーストアミン
(例えば、特開平3−308688号)、オリゴアミン
(例えば、国際公開特許WO96/22273号)等を
用いることが多く、バッファ層と称することもある。正
孔輸送層としては前述のTPD、NPDの他、特開平1
1−260559に開示されているような特定のブレン
ド型正孔輸送層を用いて優れた特性を実現する技術と組
み合わせて用いることも出来る。電子輸送層としてはT
angらがトリス(8−キノリノラト)アルミニウムを
用いて以来、幅広く検討されている金属錯体系はもちろ
ん、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体その
他の材料も幅広く用いることが出来る。
来の技術で述べたようにTangらの提案したMgAg
合金あるいはAlLi合金など、仕事関数が低く電子注
入障壁の低い金属と比較的仕事関数が大きく安定な金属
との合金を用いることができる他、LiとAlの積層陰
極、LiFとAlの積層陰極など、一般に報告されてい
る種々の構成の陰極を用いることができる。
層と電荷阻止層を構成する化合物の分子内永久双極子モ
ーメントが、各請求項に特定して明記したように、大き
く異なる関係にあることである。
ドープした発光層と正孔ブロック層を組み合わせた有機
EL素子の寿命に関して、種々の燐光発光材料、ホスト
材料、正孔ブロック材料を用いて、種々の組合せで素子
を作成し寿命試験を行った。また、劣化前後における素
子のインピーダンススペクトル測定、断面観察、断面元
素分析、HPLC蛍光分析、表面元素分析のdepth
−profile等の手法により、劣化メカニズムの特
定を試みた。その結果、上記の構成を有する有機EL素
子の連続通電発光時の輝度半減寿命と、材料の組合せに
特定の関係があることを見出して本発明を完成させるに
至った。
発光材料およびホスト材料と、正孔ブロック材料の分子
内永久双極子モーメントが大きく異なる場合には、極め
て輝度低下(発光効率の低下)が小さく、反対に分子内
永久双極子モーメントが同程度の場合には、極めて輝度
低下(発光効率の低下)が大きいことを見出した。
極子モーメントが大きく異なる場合には、劣化試験前後
での界面の乱れがほとんど認められないのに対して、分
子内永久双極子モーメントが同程度の場合には、劣化試
験後にはほとんど界面と称すべき境界が無くなり、相互
の材料が交じり合った状態になっているため、正孔ブロ
ック層の正孔ブロック能が低下し、また正孔ブロック能
の低下により正孔ブロック層内に侵入した正孔は、正孔
ブロック層材料をカチオン化するので、金属錯体の解離
を引き起こしやすく、これがさらなる正孔ブロック能の
低下に繋がるという悪循環によって、効率低下が引き起
こされていることがわかった。
大きく異なる』とは、片方の分子内永久双極子モーメン
トが、例えばfac Ir(ppy)3のように極めて
小さく、反対にもう片方の分子内永久双極子モーメント
が十分に大きいことを意味し、より具体的には請求項に
記した特定の条件の場合に効果が認められた。
程度』とは、片方の分子内永久双極子モーメントが、例
えばfac Ir(ppy)3のように極めて小さい場
合には、反対のもう片方の分子内永久双極子モーメント
も同程度に小さく、また片方の分子内永久双極子モーメ
ントが、例えばFIrpic(Ir(III){ビス
(4,6−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C
2’}ピコリネイト)のように大きい場合には、反対の
もう片方の分子内永久双極子モーメントも同程度に大き
いことを意味する。
内永久双極子モーメントは、汎用の計算機シミュレーシ
ョンツールを用いて計算したものである。ほとんどの分
子はChambridgesoft社製Chem3D上
でMOPAC97エンジンを用いてハミルトニアンAM
1またはPM3で最適化構造を求めた。中心金属がAl
の場合はAM1とPM3の両方で計算したが、分子内双
極子モーメントの値には大きな違いは認められなかっ
た。中心金属がGaの場合は、PM3でのみ計算を行っ
た。中心金属がIrなど重金属の場合は、非経験的分子
軌道法により計算を行った。具体的には、Gaussi
an社製Gaussian98Wを用いて計算を行っ
た。Ir等重金属を含む錯体の計算は、周期表の第三周
期以下を有効殻ポテンシャルで表したLANL2DZ基
底を用いた。MOPAC97での計算を行ったAl錯
体、Ga錯体についても、一部の化合物についてはST
O−3G基底を用いた。いずれの場合もHF法によるも
のである。
に説明するが、本発明の実施の形態はこれらの具体的な
実施例に限定されるものではない。個々の発光材料、特
に入手先を示した化合物以外は、定法により当社研究室
内で合成して、十分な精製を行った後に用いた。
形成した基板として、市販のITO付きガラス基板(三
容真空株式会社製、サイズ100×100mm×t=
0.7mm、シート抵抗約14Ω/□)を用い、電子注
入電極との重なりにより発光面積が1.4×1.4mm
となるようにフォトリソグラフィーによりパターン化し
た。フォトリソグラフィー後の基板処理は市販のレジス
ト剥離液(ジメチルスルホキシドとN−メチル−2−ピ
ロリドンとの混合溶液)に浸漬して剥離を行った後、ア
セトンでリンスし、さらに発煙硝酸中に1分間浸漬して
完全にレジストを除去した。ITO表面の洗浄は、基板
の裏面表面の両面を十分に行い、テトラメチルアンモニ
ウムハイドロオキサイドの0.238%水溶液を十分に
供給しながら、ナイロンブラシによる機械的な擦り洗浄
を行った。その後、純水で十分にすすぎ、スピン乾燥を
行った。その後、市販のプラズマリアクター(ヤマト科
学株式会社製、PR41型)の中で、酸素流量20sc
cm、圧力0.2Torr、高周波出力300Wの条件
で1分間の酸素プラズマ処理を行った。
真空槽内に配置した。真空蒸着装置は市販の高真空蒸着
装置(日本真空技術株式会社製、EBV−6DA型)を
改造した装置を用いた。主たる排気装置は排気速度15
00リットル/minのターボ分子ポンプ(大阪真空株
式会社製、TC1500)であり、到達真空度は約1×
10-6Torr以下であり、全ての蒸着は2〜3×10
-6Torrの範囲で行った。また、全ての有機化合物の
蒸着はタングステン製の抵抗加熱式蒸着ボートに直流電
源(菊水電子株式会社製、PAK10−70A)を接続
して行った。
入電極付基板上に、正孔輸送層としてN,N’−ビス
(4’−ジフェニルアミノ−4−ビフェニリル)−N,
N’−ジフェニルベンジジン(TPT、保土ヶ谷化学株
式会社製)を蒸着速度0.3nm/sで、4−N,N−
ジフェニルアミノ−α−フェニルスチルベン(PS)を
蒸着速度0.01nm/sで共蒸着し、膜厚約80nm
のブレンド型正孔輸送層を形成した。
y)3(ケミプロ化成株式会社製、facトリス(2−
フェニルピリジン)イリジウム)とCBP(ケミプロ化
成株式会社製、4,4’−N,N’−ジカルバゾルビフ
ェニル)をそれぞれ、0.02nm/s、0.3nm/
sの蒸着速度で膜厚約40nmに形成した。
((4’−フルオロ−1,1’−ビフェニル)−4−オ
ラト)ビス(2−メチル−8−キノリノラト)アルミニ
ウム)を0.3nm/sの蒸着速度で膜厚約10nmに
形成した。
リノラト)アルミニウム(Alq3、同仁化学株式会社
製)を0.3nm/sの蒸着速度で膜厚約20nmに形
成した。
化学株式会社製、Al/Li重量比99/1)から低温
でLiのみを、約0.1nm/sの蒸着速度で膜厚約1
nmに形成し、続いて、そのAlLi合金をさらに昇温
しLiが出尽くした状態から、Alのみを、約1.5n
m/sの蒸着速度で膜厚約100nmに形成し、積層型
の陰極とした。
蒸着槽内を乾燥窒素でパージした後、乾燥窒素雰囲気下
で、コーニング7059ガラス製の蓋を接着剤(アネル
バ株式会社製、商品名スーパーバックシール953−7
000)で貼り付けてサンプルとした。
は、次のようにして評価を行った。
着してから12時間後に常温常湿の通常の実験室環境で
行い、1000cd/m2発光時の駆動電圧を評価し
た。また、初期輝度が1000cd/m2となる電流値
で、常温常湿の通常の実験室環境で直流定電流駆動で連
続発光試験を行った。この試験から、輝度が半減(50
0cd/m2)に達した時間を寿命として評価した。
テスト株式会社製、商品名マルチチャンネルカレントボ
ルテージコントローラーTR6163)を用い、電圧電
流特性を測定するとともに、輝度は輝度計(東京光学機
械株式会社製、商品名トプコンルミネセンスメーターB
M−8)によって測定した。輝度ムラ、黒点(非発光
部)等の発光画像品質を、50倍の光学顕微鏡により観
察した。
内双極子モーメントの計算も行った。これらの結果を
(表1)に示す。
し、低い駆動電圧で、連続発光試験においても輝度低下
が小さく、黒点や輝度ムラなどの不具合も無く、極めて
長期間にわたって安定して使用できる発光素子を実現で
きた。
形成において、BAlqF((4’−フルオロ−1,
1’−ビフェニル)−4−オラト)ビス(2−メチル−
8−キノリノラト)アルミニウム)の代わりに、BAl
qCl((4’−クロロ−1,1’−ビフェニル)−4
−オラト)ビス(2−メチル−8−キノリノラト)アル
ミニウム)を用いた以外は実施例1と同様にして有機E
L素子サンプルを作成した。
形成において、BAlqF((4’−フルオロ−1,
1’−ビフェニル)−4−オラト)ビス(2−メチル−
8−キノリノラト)アルミニウム)の代わりに、GaM
q2BF((4’−フルオロ−1,1’−ビフェニル)
−4−オラト)ビス(2−メチル−8−キノリノラト)
ガリウム)を用いた以外は実施例1と同様にして有機E
L素子サンプルを作成した。
形成において、BAlqF((4’−フルオロ−1,
1’−ビフェニル)−4−オラト)ビス(2−メチル−
8−キノリノラト)アルミニウム)の代わりに、GaM
q2BCl((4’−クロロ−1,1’−ビフェニル)
−4−オラト)ビス(2−メチル−8−キノリノラト)
ガリウム)を用いた以外は実施例1と同様にして有機E
L素子サンプルを作成した。
形成において、BAlqF((4’−フルオロ−1,
1’−ビフェニル)−4−オラト)ビス(2−メチル−
8−キノリノラト)アルミニウム)の代わりに、GaM
q2B((1,1’−ビフェニル)−4−オラト)ビス
(2−メチル−8−キノリノラト)ガリウム)を用いた
以外は実施例1と同様にして有機EL素子サンプルを作
成した。
いて、fac Ir(ppy)3(ケミプロ化成株式会
社製、facトリス(2−フェニルピリジン)イリジウ
ム)の代わりに、FIrpic(Ir(III){ビス
(4,6−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C
2’}ピコリネイト)を用い、且つ、正孔ブロック層の
形成において、BAlqF((4’−フルオロ−1,
1’−ビフェニル)−4−オラト)ビス(2−メチル−
8−キノリノラト)アルミニウム)の代わりに、TPP
RZ(アルドリッチ製、4,4,8,8,−テトラキス
(1H−ピラゾール−1−イル)ピラザボール)を用い
た以外は実施例1と同様にして有機EL素子サンプルを
作成した。
形成において、BAlqF((4’−フルオロ−1,
1’−ビフェニル)−4−オラト)ビス(2−メチル−
8−キノリノラト)アルミニウム)の代わりに、GaM
q2Cl(ビス(2−メチル−8−キノリノラト)ガリ
ウムクロライド)を用いた以外は実施例1と同様にして
有機EL素子サンプルを作成した。
形成において、BAlqF((4’−フルオロ−1,
1’−ビフェニル)−4−オラト)ビス(2−メチル−
8−キノリノラト)アルミニウム)の代わりに、BAl
q((1,1’−ビフェニル)−4−オラト)ビス(2
−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム)を用いた
以外は実施例1と同様にして有機EL素子サンプルを作
成した。
形成において、TPPRZ(アルドリッチ製、4,4,
8,8,−テトラキス(1H−ピラゾール−1−イル)
ピラザボール)の代わりに、BAlq((1,1’−ビ
フェニル)−4−オラト)ビス(2−メチル−8−キノ
リノラト)アルミニウム)を用いた以外は実施例6と同
様にして有機EL素子サンプルを作成した。
正孔ブロック層BAlqの形成前に、含窒素複素環式化
合物の一例として、ピリジンを原料としたプラズマ重合
法(プラズマCVD法)により、網目状架橋構造を有す
る膜の一例として、n型カーボン層(アモルファスカー
ボン膜)を2nm形成した以外は比較例2と同様にして
有機EL素子サンプルを作成した。
実施例および比較例の素子構成は略号によって略記され
ており、TPTは、N,N’−ビス(4’−ジフェニル
アミノ−4−ビフェニリル)−N,N’−ジフェニルベ
ンジジン、PSは、4−N,N−ジフェニルアミノ−α
−フェニルスチルベン、Ir(ppy)3は、facト
リス(2−フェニルピリジン)イリジウム)、CBP
は、4,4’−N,N’−ジカルバゾルビフェニル、B
AlqFは、((4’−フルオロ−1,1’−ビフェニ
ル)−4−オラト)ビス(2−メチル−8−キノリノラ
ト)アルミニウム、BAlqClは、((4’−クロロ
−1,1’−ビフェニル)−4−オラト)ビス(2−メ
チル−8−キノリノラト)アルミニウム、GaMq2B
Fは、((4’−フルオロ−1,1’−ビフェニル)−
4−オラト)ビス(2−メチル−8−キノリノラト)ガ
リウム、GaMq2BClは、((4’−クロロ−1,
1’−ビフェニル)−4−オラト)ビス(2−メチル−
8−キノリノラト)ガリウム、GaMq2Bは、
((1,1’−ビフェニル)−4−オラト)ビス(2−
メチル−8−キノリノラト)ガリウム、FIrpic
は、Ir(III){ビス(4,6−ジフルオロフェニ
ル)ピリジナト−N,C2’}ピコリネイト、TPPR
Zは、4,4,8,8,−テトラキス(1H−ピラゾー
ル−1−イル)ピラザボール、Alq3は、トリス(8
−キノリノラト)アルミニウム、Alは、アルミニウ
ム、Liは、リチウム、を表し、左から積層構成を表す
記号として/で区切ってITO電極側から順に記載し
た。( )内の数字は膜厚をnmで示し、+はドーピン
グ混合など両成分の共存膜を示す。
製造方法について説明したが、本発明の要部は、発光層
と電荷阻止層を構成する化合物の分子内永久双極子モー
メントが、各請求項に特定して明記したように、大きく
異なる関係にあることである。
動電圧で、連続発光試験においても輝度低下が小さく、
黒点や輝度ムラなどの不具合も無く、極めて長期間にわ
たって安定して使用できる発光素子を実現できた。
Claims (22)
- 【請求項1】 少なくとも一対の電極間に配置された発
光領域と、前記発光領域と直接に接する少なくとも一つ
の電荷阻止領域を有する発光素子であって、 前記発光領域が、少なくとも燐光発光材料と、ホスト材
料を含有し、 且つ、少なくとも前記電荷阻止領域の前記発光領域と直
接に接する側の一部が、 少なくとも1デバイ以上の分子内永久双極子モーメント
を有する化合物を含有し、 且つ、前記燐光発光材料の分子内永久双極子モーメント
が1デバイ以下であることを特徴とする発光素子。 - 【請求項2】 少なくとも一対の電極間に配置された発
光領域と、前記発光領域と直接に接する少なくとも一つ
の電荷阻止領域を有する発光素子であって、 前記発光領域が、少なくとも燐光発光材料と、ホスト材
料を含有し、 且つ、少なくとも前記電荷阻止領域の前記発光領域と直
接に接する側の一部が、 少なくとも1デバイ以下の分子内永久双極子モーメント
を有する化合物を含有し、 且つ、前記燐光発光材料の分子内永久双極子モーメント
が1デバイ以上であることを特徴とする発光素子。 - 【請求項3】 少なくとも一対の電極間に配置された発
光領域と、前記発光領域と直接に接する少なくとも一つ
の電荷阻止領域を有する発光素子であって、 前記発光領域が、少なくとも燐光発光材料と、ホスト材
料を含有し、 且つ、少なくとも前記電荷阻止領域の前記発光領域と直
接に接する側を構成する化合物の分子内永久双極子モー
メントと、前記燐光発光材料の分子内永久双極子モーメ
ントとの差が、少なくとも1デバイ以上であることを特
徴とする発光素子。 - 【請求項4】 少なくとも一対の電極間に配置された発
光領域と、前記発光領域と直接に接する少なくとも一つ
の電荷阻止領域を有する発光素子であって、 前記発光領域が、少なくとも燐光発光材料と、ホスト材
料を含有し、 且つ、少なくとも前記電荷阻止領域の前記発光領域と直
接に接する側を構成する化合物の分子内永久双極子モー
メントと、前記燐光発光材料の分子内永久双極子モーメ
ントとの比が、少なくとも2以上であることを特徴とす
る発光素子。 - 【請求項5】 少なくとも一対の電極間に配置された発
光領域と、前記発光領域と直接に接する少なくとも一つ
の電荷阻止領域を有する発光素子であって、 前記発光領域が、少なくとも燐光発光材料と、ホスト材
料を含有し、 且つ、少なくとも前記電荷阻止領域の前記発光領域と直
接に接する側の一部が、 少なくとも1デバイ以上の分子内永久双極子モーメント
を有する化合物を含有し、 且つ、前記ホスト材料の分子内永久双極子モーメントが
1デバイ以下であることを特徴とする発光素子。 - 【請求項6】 少なくとも一対の電極間に配置された発
光領域と、前記発光領域と直接に接する少なくとも一つ
の電荷阻止領域を有する発光素子であって、 前記発光領域が、少なくとも燐光発光材料と、ホスト材
料を含有し、 且つ、少なくとも前記電荷阻止領域の前記発光領域と直
接に接する側の一部が、 少なくとも1デバイ以下の分子内永久双極子モーメント
を有する化合物を含有し、 且つ、前記ホスト材料の分子内永久双極子モーメントが
1デバイ以上であることを特徴とする発光素子。 - 【請求項7】 少なくとも一対の電極間に配置された発
光領域と、前記発光領域と直接に接する少なくとも一つ
の電荷阻止領域を有する発光素子であって、 前記発光領域が、少なくとも燐光発光材料と、ホスト材
料を含有し、 且つ、少なくとも前記電荷阻止領域の前記発光領域と直
接に接する側を構成する化合物の分子内永久双極子モー
メントと、前記ホスト材料の分子内永久双極子モーメン
トとの差が、少なくとも1デバイ以上であることを特徴
とする発光素子。 - 【請求項8】 少なくとも一対の電極間に配置された発
光領域と、前記発光領域と直接に接する少なくとも一つ
の電荷阻止領域を有する発光素子であって、 前記発光領域が、少なくとも燐光発光材料と、ホスト材
料を含有し、 且つ、少なくとも前記電荷阻止領域の前記発光領域と直
接に接する側を構成する化合物の分子内永久双極子モー
メントと、前記ホスト材料の分子内永久双極子モーメン
トとの比が、少なくとも2以上であることを特徴とする
発光素子。 - 【請求項9】 少なくとも一対の電極間に配置された発
光領域と、前記発光領域と直接に接する少なくとも一つ
の電荷阻止領域を有する発光素子であって、 少なくとも前記電荷阻止領域の前記発光領域と直接に接
する側の一部が、 前記発光領域と混合されることのない網目状架橋構造を
有することを特徴とする発光素子。 - 【請求項10】 前記電荷阻止領域が、正孔阻止領域で
あることを特徴とする請求項9に記載の発光素子。 - 【請求項11】 前記網目状架橋構造を有する部分が、
プラズマ重合膜であることを特徴とする請求項9に記載
の発光素子。 - 【請求項12】 前記網目状架橋構造を有する部分が、
アモルファスカーボン膜であることを特徴とする請求項
9に記載の発光素子。 - 【請求項13】 前記網目状架橋構造を有する部分が、
n型アモルファスカーボン膜であることを特徴とする請
求項9に記載の発光素子。 - 【請求項14】 前記n型アモルファスカーボン膜が、
含窒素複素環式化合物を原料としたプラズマCVD膜で
あることを特徴とする請求項13に記載の発光素子。 - 【請求項15】 少なくとも一対の電極間に配置された
発光領域と、少なくとも一つの電荷阻止領域を有する発
光素子であって、 前記発光領域と前記電荷阻止領域との間に、 少なくとも両者の混合を防止する網目状架橋構造膜を有
することを特徴とする発光素子。 - 【請求項16】 前記網目状架橋構造膜が、プラズマ重
合膜であることを特徴とする請求項15に記載の発光素
子。 - 【請求項17】 前記網目状架橋構造膜が、アモルファ
スカーボン膜であることを特徴とする請求項15に記載
の発光素子。 - 【請求項18】 前記網目状架橋構造膜が、n型アモル
ファスカーボン膜であることを特徴とする請求項15に
記載の発光素子。 - 【請求項19】 前記n型アモルファスカーボン膜が、
含窒素複素環式化合物を原料としたプラズマCVD膜で
あることを特徴とする請求項18に記載の発光素子。 - 【請求項20】 少なくとも一対の電極間に配置された
発光領域と、前記発光領域と直接に接する少なくとも一
つの電荷阻止領域を有する発光素子の製造方法であっ
て、 少なくとも前記電荷阻止領域の前記発光領域と直接に接
する側の一部が、 前記発光領域と混合されることのない網目状架橋構造に
形成されることを特徴とする発光素子の製造方法。 - 【請求項21】 少なくとも一対の電極間に配置された
発光領域と、少なくとも一つの電荷阻止領域を有する発
光素子の製造方法であって、 前記発光領域と前記電荷阻止領域との間に、 少なくとも両者の混合を防止する網目状架橋構造膜を形
成することを特徴とする発光素子の製造方法。 - 【請求項22】 一対の電極間に、少なくとも配置され
た発光層と、前記発光層と接する有機層とを有する発光
素子であって、 前記発光層が、少なくとも燐光発光材料と、ホスト材料
を含有し、前記有機層が、前記燐光発光材料の分子内永
久双極子モーメントよりも大きい分子内永久双極子モー
メントを有する化合物を含有することを特徴とする発光
素子。
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