JP2003287717A - 偏光制御装置と偏光制御方法 - Google Patents

偏光制御装置と偏光制御方法

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JP2003287717A
JP2003287717A JP2002092350A JP2002092350A JP2003287717A JP 2003287717 A JP2003287717 A JP 2003287717A JP 2002092350 A JP2002092350 A JP 2002092350A JP 2002092350 A JP2002092350 A JP 2002092350A JP 2003287717 A JP2003287717 A JP 2003287717A
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Japan
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light
wave plate
unit
polarization state
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JP2002092350A
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Takashi Kawamura
貴史 川村
Shinya Nagashima
伸哉 長島
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Acterna R&D Japan Inc
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Acterna R&D Japan Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 設定された任意の偏光状態になるように常に
制御できかつ長期に渡り所望の一定の偏光状態に継続的
に制御でき、楕円偏光等についても制御でき、偏光制御
の高速化を図れる偏光制御装置と偏光制御方法を提供す
る。 【解決手段】 光源11と光伝送路13,14を含む装
置に適用され、伝送路中に配置され、入力される光を、
設定された任意の偏光状態に変換する変換部(23,2
4,25)を有する偏光コントローラ12と、偏光コン
トローラから出力される出力光の一部を取り出す光分岐
部15と、一部の光から出力光における少なくとも楕円
偏光の回転方向を判別する偏光解析器16と、偏光解析
器からの測定値を用いて偏光コントローラの変換部の変
換機能を決める制御信号を出力する演算部17と、演算
部の制御信号に基づいて偏光コントローラの変換部を調
整する駆動部20とから構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は偏光制御装置と偏光
制御方法に関し、特に、光通信システムにおける光源本
体や光伝送系に起因して光の偏光状態に変化が生じても
その出力光の偏光状態を所望の状態にかつ長期にわたっ
て安定して制御できる偏光制御装置と偏光制御方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来の偏光制御装置の一般的な構成を図
7に示す。光源装置または光伝送系100では、光源1
01から出力された光は光ファイバ102を通って偏光
コントローラ103に入り、ここで互いに直交する2つ
の偏光成分の位相差を調整され、さらにその後光ファイ
バ104を通って出力されるように構成されている。線
105は装置ケースの境界を示し、106は出力部であ
る。偏光コントローラ103には、入力端部のコリメー
ト部107、光軸上に配置された1/4波長板108お
よび1/2波長板109と、出力端部の集光部110と
が設けられている。偏光制御を行う時には、出力部10
6の直後の位置に、破線で示されるごとくストークスパ
ラメータ測定部111を配置し、ストークスパラメータ
測定部111で取り出した出力光を演算部112に送
る。演算部112では、制御のための所定の演算を行
い、駆動部113を介して偏光コントローラ103の1
/4波長板108と1/2波長板109のそれぞれの回
転角を調整し、互いに直交する2つの偏光成分の位相差
の制御を行う。駆動部113は、偏光コントローラ10
3には1/4波長板108と1/2波長板109のそれ
ぞれを回転させる回転駆動機構を含む。
【0003】上記の構成によれば、出力部106の直後
に配置されたストークスパラメータ測定部111を用い
て、偏光コントローラ103から出力される光の偏光状
態(State of polarization)を測定し、測定された偏
光状態に基づいて演算部112と駆動部113は、偏光
コントローラ103から出力される光が所望の偏光状態
になるように偏光コントローラ103の状態を変化させ
る。偏光状態に関する制御が終了した後には、ストーク
スパラメータ測定部111は光源装置等100から外さ
れる。以上の動作に基づき出力部106の光出力は所望
の偏光状態に制御される。これによって光ファイバでの
応力や熱に起因する偏光状態の変化を補償し、安定した
偏光状態を維持する。
【0004】図8に従来の他の偏光制御装置の構成を示
す。図8において、図7で説明した要素と実質的に同一
の要素には同一の符号を付し、説明を省略する。この偏
光制御装置による偏光コントローラ201にはコリメー
ト部202と1/4波長板203と1/2波長板204
が設けられる。集光部205は偏光コントローラ201
の外側に設けられている。1/2波長板204と集光部
205の間の光伝送部分には光源装置等100の内部に
固定された状態で偏光分離部206が配置されている。
偏光分離部206では、例えば水平偏光成分の光を集光
部205に送り、垂直偏光成分の光を光検出器207の
側へ取り出す。光検出器207で検出された光成分は、
演算部112および駆動部113を経由して1/4波長
板203と1/2波長板204の調整に用いられ、水平
偏光成分と垂直偏光成分の位相差の整合が行われる。集
光部205にはさらに光ファイバ208が接続され、こ
の光ファイバ208の先端から光が出力される。
【0005】上記の偏光制御装置によれば、出力部の直
前に偏光分離部206を置くことにより出力光を偏光分
離し垂直偏光成分の光を光検出器207で受光してい
る。偏光分離部206は、入力された光を互いに直交す
る2つの偏光成分に損失なく分離する特性を持ってい
る。従ってこの構成により、光検出器207の受光電力
が最小になる、すなわち出力側の光電力が最大になるよ
うに、演算部112によって駆動部113を通じて偏光
コントローラ201を制御し、偏光分離部206に入射
する光の偏光状態を制御する。以上の動作に基づき、偏
光分離部206に入る光の偏光状態が変化しても、長期
間にわたって集光部205から出力される光を一定の偏
光状態に保つことができる。
【0006】さらに他の従来技術として特開平8−18
4788号公報に開示された偏光制御装置を挙げること
ができる。この偏光制御装置では、偏光制御の対象であ
る光を2つの直交する方向の偏波に係る光成分に分離
し、分離された2つの光成分の各々について、その振幅
を調整し、光の位相差を調整し、その後に2つの光成分
を合流することにより、上記光を所望の偏光状態に変換
するように構成されている。上記公開公報の図5と図6
に示された構成例では、出力光の偏光状態を検出する光
検出機構が設けられる。また自由度が最も高い図6の構
成例では、直線偏光のみではなく円偏光や楕円偏光の2
つの軸方向の光強度を検出し、制御部によって偏光制御
をすることにより所望の円偏光や楕円偏光を得られるよ
うにしている。以上の構成に基づいて、波長板を使用す
る場合の可動部分を不要とし、光の偏光状態が短時間で
変化する場合にも対応でき、小型に作ることのできる偏
光制御装置を実現している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】最初に説明した従来の
偏光制御装置によれば、偏光制御を行うたびに出力部1
06にストークスパラメータ測定部111を接続しなけ
ればならない。一度偏光状態を設定した後に、所望の偏
光状態を再度設定したい場合、ストークスパラメータ測
定部111を再度接続する必要がある。従ってこの従来
の偏光制御装置の場合は、光ファイバのつなぎ替えを必
要とし、制御作業が煩雑であり、自動化の際に障害とな
る。通常、光源101の偏光状態が変動してしまうと、
出力光の偏光状態が変動する。この従来の偏光制御装置
は、その構成上、常に偏光制御を行うことができないの
で、長期間にわたって所望の一定の偏光状態を保つこと
ができないという問題を有している。
【0008】第2の従来の偏光制御装置によれば、出力
側に取り出される光の偏光状態は、集光部の直前に配置
された偏光分離部206の特性によって決定される。図
8で示された偏光制御装置では、唯一の直線偏光しか設
定できないという問題を有している。
【0009】前述した公開公報に開示された偏光制御装
置によれば、波長板や偏光子を固定してしまう構成であ
るので、所望の偏光状態を任意に設定することはできな
い。所望の偏光状態を再設定したい場合には、検出部の
波長板や偏光子を回転させる機構が必要になる。また従
来から求められている偏光制御の高速化に対応すること
ができないという問題もある。ここで「偏光制御の高速
化」とは、光源から出力される光の偏光状態が変化した
ときにどの程度速く元の所望の偏光状態に戻すことがで
きるかという速度である。さらに、この偏光制御装置の
構成によれば、所望の偏光状態の長軸角度が既知の状態
で楕円偏光の長軸および短軸の光強度(電界振幅)を測
定する構成を有しているが、楕円の回転方向(右回りで
あるかまたは左回りであるか)を測定することができな
いという問題を有している。
【0010】本発明の目的は、上記の問題に鑑み、設定
された任意の偏光状態になるように常に制御できかつ長
期に渡り所望の一定の偏光状態に継続的に制御すること
ができ、直線偏光に加え、楕円の回転方向を測定して楕
円偏光等についても制御でき、偏光制御の高速化を図る
ことができる偏光制御装置および偏光制御方法を提供す
ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段および作用】本発明に係る
偏光制御装置と偏光制御方法は、上記目的を達成するた
め、次のように構成される。
【0012】第1の偏光制御装置(請求項1に対応)
は、光源と光伝送系を含む装置(光源装置や光通信シス
テム)に適用されるものであって、光伝送系の伝送路中
に配置され、入力される光を、設定された任意の偏光状
態に変換する変換部を有する偏光制御部(偏光コントロ
ーラ)と、偏光制御部から出力される出力光の一部を取
り出す光分岐部と、光分岐部から取り出された一部の光
から出力光における少なくとも楕円偏光の回転方向を判
別する偏光解析部と、偏光解析部からの測定値を用いて
偏光制御部の変換部の変換機能を決める制御信号を出力
する演算部と、演算部の制御信号に基づいて偏光制御部
の変換部を調整する駆動部と、から構成されている。
【0013】上記の構成によれば、偏光制御部によって
出力光の偏光状態を任意の所望の状態に設定することが
でき、かつ、出力部の手前で光分岐部で出力光の一部を
取り出し、偏光解析部で出力光の偏光状態を監視して偏
光状態に係る測定値を取得し、当該測定値を利用して制
御信号を生成して、偏光状態の変化が生じたときには偏
光制御部の変換部の状態を調整して設定された所望の偏
光状態に制御する。常に測定系および制御系が作用する
ように設けられているので、所望の偏光状態に長期に渡
り一定に保つことが可能である。なお偏光状態を指定す
るデータを入力出きる入力部を設けることによって、設
定される偏光状態を容易に変更できるように構成するこ
とも可能である。
【0014】第2の偏光制御装置(請求項2に対応)
は、上記の構成において、好ましくは、光分岐部と他の
部分との間の光伝送路として偏光依存性の少ない媒質が
用いられる。出力光の一部を取り出す光分岐部として
は、この光分岐部が設けられた構成に起因して偏光状態
が変化しないようにするため、偏光依存性の少ない媒質
が用いられる。通常、空間領域が望ましい。
【0015】第3の偏光制御装置(請求項3に対応)
は、上記の構成において、好ましくは、偏光解析部はス
トークスパラメータ測定部である。ストークスパラメー
タ測定部は、ストークスアナライザ、ストークスメー
タ、また単に偏光計、偏光解析器などいくつかの呼称が
ある。ここでは、ストークスパラメータを求める測定手
段を総称して「ストークスパラメータ測定部」と呼ぶこ
ととする。ストークスパラメータ測定部を利用すること
によって、偏光状態に係る測定値としてストークスパラ
メータが用いられ、さらに演算部ではこれらに基づき基
準化ストークスパラメータが計算される。ストークスパ
ラメータと基準化ストークスパラメータの変化をモニタ
することにより、偏光制御部の変換部の状態を制御す
る。
【0016】第4の偏光制御装置(請求項4に対応)
は、上記の構成において、好ましくは、偏光制御部の変
換部は偏光子と位相制御素子から成ることを特徴とす
る。偏光子を用いることにより、偏光制御部の前段部分
に起因する偏光状態の変化に対する制御が行われる。位
相制御素子は、偏光子よりも後段側部分の起因する偏光
状態の変化に対する制御を行う。この構成は、出力光に
おいて測定者が偏光状態の変化を望まない場合に適して
いる。
【0017】第5の偏光制御装置(請求項5に対応)
は、上記の構成において、好ましくは、偏光制御部の変
換部は位相制御素子のみから成ることを特徴とする。こ
の構成は、出力光において測定者が光パワーの変化を望
まない場合に適している。
【0018】第6の偏光制御装置(請求項6に対応)
は、上記の構成において、好ましくは、位相制御素子は
1/4波長板と1/2波長板で構成される。
【0019】第7の偏光制御装置(請求項7に対応)
は、上記の構成において、好ましくは、偏光制御部と光
分岐部の間に光伝送系として任意の長さの光ファイバが
設けられることを特徴とする。ユーザにおいて光通信シ
ステム等で偏光制御部の後段側の光伝送路で任意の長さ
の光ファイバを用いる場合に、本発明に係る偏光制御装
置によれば、偏光状態を所望の状態に一定に保つことが
可能となる。
【0020】第1の偏光制御方法(請求項8に対応)
は、伝送される光を設定された任意の偏光状態に変換す
る偏光子と1/4波長板と1/2波長板を有する偏光制
御部と、出力光の一部からストークスパラメータを常に
測定するストークスパラメータ測定部とを含む偏光制御
装置に適用される方法である。この偏光制御方法は、ス
トークスパラメータS0,S1,S2,S3を測定するステ
ップと、ストークスパラメータS0〜S3を用いて基準化
ストークスパラメータs1,s2,s3を演算するステッ
プと、S0が最大になるように偏光子の回転角を制御す
るステップと、s3が偏光状態に対応する値になるよう
に1/4波長板の回転角を制御するステップと、s1
たはs2を偏光状態に対応する値になるように1/2波
長板の回転角を制御するステップとから成る。
【0021】第2の偏光制御方法(請求項9に対応)
は、伝送される光を設定された任意の偏光状態に変換す
る1/4波長板と1/2波長板を有する偏光制御部と、
出力光の一部からストークスパラメータを常に測定する
ストークスパラメータ測定部とを含む偏光制御装置に適
用される方法である。この偏光制御方法は、ストークス
パラメータS1,S2,S3を測定するステップと、スト
ークスパラメータS1〜S 3を用いて基準化ストークスパ
ラメータs'1,s'2,s'3を演算するステップと、s'3
が前記偏光状態に対応する値になるように1/4波長板
の回転角を制御するステップと、s'1またはs'2が偏光
状態に対応する値になるように1/2波長板の回転角を
制御するステップとから成る。
【0022】第3の偏光制御方法(請求項10に対応)
は、上記の第1と第2の方法において、好ましくは、偏
光制御装置は出力光の一部を取り出すための光分岐部を
含み、さらに、光分岐部での入力から出力部への偏光特
性と、入力からストークスパラメータ測定部への偏光特
性を求めるステップと、ストークスパラメータ測定部で
測定された偏光状態と、求められた2つの偏光特性とに
基づいて、出力光の偏光状態を推定するステップを含
む、ことで特徴づけられる。光分岐部それ自体の偏光特
性が無視できないとき補正をかけることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の好適な実施形態
を添付図面に基づいて説明する。
【0024】図1は本発明に係る偏光制御装置の第1実
施形態を示し、基本的な構成を概念的に示すブロック図
である。この偏光制御装置は、例えば光源装置や光通信
システムに適用され、伝送されまたは出力される光の偏
光状態が変化したときに、予め設定された所望の偏光状
態になるように制御する装置である。
【0025】図1において、光源11から出力された光
は偏光コントローラ12を経由して出力部の側(P)へ
伝送される。線13,14は光伝送路を示している。光
伝送路13,14は一般的には光ファイバであるが、光
が伝送できる伝送媒体であれば任意のものを使用でき、
光ファイバに限定されない。偏光コントローラ12から
出力された光は、装置の出力部に向かう。この出力部の
直前に光分岐部15が配置される。光分岐部15は出力
光のうちの一部を取り出す。光分岐部15で取り出され
た一部の出力光は偏光解析器16に入力される。
【0026】偏光解析器16によって出力光の偏光状態
が測定される。測定される出力光の偏光状態は楕円偏光
の回転方向を含むものとする。偏光解析器16は、偏光
状態を完全に測定できるものであれば、いかなる装置で
あってもよい。偏光解析器16の例としては、例えば楕
円偏光の長軸角度、長軸・短軸の電界振幅強度、楕円の
回転方向を測定するもの、水平軸、垂直軸の電界振幅強
度とこれらの位相差を測定する装置などである。
【0027】偏光解析器16で測定された偏光状態に係
る測定値は演算部17に入力される。演算部17は所定
の演算機能を有すると共にメモリ18を備え、さらに入
力部19を備えている。演算部17は入力部19を介し
て所望の偏光状態を指定するデータを入力され、当該デ
ータをメモリ18に格納している。メモリ18は演算部
17に内蔵される構成であってもよい。入力部19は設
定データの書換え手段として用いることができるが、必
ず必要というものではない。演算部17は、偏光解析器
16から与えられた出力光の偏光状態に係る測定値のデ
ータと所望の偏光状態に係るデータとを比較し、それら
の間の差異を算出する。さらに演算部17は、当該差異
に基づいて、この差異を0にするための制御信号を生成
する。この制御信号は、偏光コントローラ12の中に含
まれている1/4波長板等の調整素子の回転角を所望の
値に制御するための信号である。制御信号は駆動部20
に与えられる。駆動部20は、制御信号に基づき、偏光
コントローラ12内の1/4波長板等を所要角度だけ回
転させる。このようにして、偏光解析器16で測定され
た出力光の偏光状態と所望の偏光状態との差異を補正す
るように、演算部17と駆動部20を通じて偏光コント
ローラ12の動作状態が制御される。
【0028】上記の偏光コントローラ12と駆動部20
の構成は、任意の偏光状態の光を出力することができる
ものであれば、どのような構成でも採用できる。
【0029】図1に示された構成以外の部分は任意に構
成することができる。また演算部17に付設されたメモ
リ18に保持されている所望の偏光状態に係るデータ
は、その後において、入力部19によって書き換えるこ
とができる。
【0030】偏光解析器16へ入力される一部の出力光
の偏光状態と、出力部(P)での出力光の偏光状態との
間に差異が生じると、制御対象である光の偏光状態にお
いて誤差が必然的に生じる。従って少なくとも光分岐部
15より後段は空間または偏光依存性が少なく安定した
媒質で構成することが望ましい。さらに偏光状態を完全
に検出する装置の一例としてストークスパラメータ測定
装置が望ましい。
【0031】上記の構成によれば、出力光の偏光状態を
任意に設定することができ、偏光コントローラ12の前
段あるいは後段で光の偏光状態が変化しても、設定され
た出力光の偏光状態を長期間に渡り一定に保つことがで
きる。特に後段側に接続される偏光解析器16は常に接
続された状態にあり、これを外すことなく用いることが
でき、さらに設定される所望の偏光状態を入力部19に
よる書き換えによって変更することができる。
【0032】次に図2と図3を参照して本発明に係る偏
光制御装置の第2実施形態を説明する。第2実施形態の
構成は、第1実施形態の基本的構成を具現化した例であ
る。図2は構成図であり、この図で第1実施形態で説明
した要素と実質的に同一の要素には同一の符号を付して
いる。図3は本発明に係る偏光制御方法の一例を示すフ
ローチャートである。
【0033】図2において、光源11と偏光コントロー
ラ12との間は光ファイバ21で接続されている。偏光
コントローラ12の内部には、入力端部であるコリメー
ト部22と、偏光子23と、1/4波長板24と、1/
2波長板25と、出力端部である集光部26が設けられ
ている。偏光コントローラ12に入った光は、コリメー
ト部22、偏光子23、1/4波長板24、1/2波長
板25、集光部26の順序で伝送される。偏光子23と
1/4波長板24と1/2波長板25はそれぞれその軸
回りに独立に回転できるように設けられており、駆動部
20がこれらの光素子を独立に回転させる。偏光コント
ローラ12から出力された光は光ファイバ27を通って
コリメート部28に伝送される。コリメート部28の先
は、例えば空間(空気媒質等)であり、そこに光分岐部
15が配置されている。図2で、29は空間領域を示
し、当該空間領域29において線30は光伝送ルートを
示している。光分岐部15の出力側(図中右方)には集
光部31が設けられている。集光部31は出力部(P)
となっている。光分岐部15では出力光の一部を取り出
し、ストークスパラメータ測定部32の側に提供する。
【0034】上記の光分岐部15が配置された領域2
9、あるいは少なくとも光分岐部15の後段側は偏光状
態の変化が起きない箇所として設定されることが望まし
い。すなわち、領域29は空間または偏光依存性が少な
い安定した媒質で構成されることが望ましい。また光分
岐部15自体も、分岐比の偏光依存性損失や複屈折性を
持たない手段であることが望ましい。
【0035】ストークスパラメータ測定部32では、光
分岐部15で取り出された一部の出力光について、その
ストークスパラメータが測定され、その変化が監視され
る。ストークスパラメータ測定部32は、光源11の偏
光状態を表すストークスパラメータS0,S1,S2,S3
が測定できるものであれば、任意の構成を採用すること
ができる。ストークスパラメータ測定部32で測定され
たストークスパラメータに係る測定値は演算部17に与
えられる。演算部17では、メモリ18に格納される計
算プログラムおよび制御プログラム、データ、あるいは
入力部19から与えられる指示に従って、ストークスパ
ラメータの変化を監視し、必要な演算を行い、制御の目
的または条件に応じて偏光コントローラ12内に設けら
れた偏光子23の回転角(θ1)、1/4波長板24の
回転角(θ2)、1/2波長板25の回転角(θ3)を適
宜に制御するための制御信号を生成する。この制御信号
は駆動部20に与えられる。駆動部20は、制御信号に
基づいて偏光コントローラ12の状態を制御する。すな
わち偏光子23と1/4波長板24と1/2波長板25
のそれぞれは独立して駆動部20によってその回転角が
調整される。
【0036】次に、図2と図3を参照して、ストークス
パラメータの内容およびその測定、と制御方法とについ
て説明する。
【0037】ストークスパラメータ測定部32により出
力光に関してストークスパラメータS0,S1,S2,S3
が測定される。これらのストークスパラメータS0〜S3
は下記の(数1)に示される式に基づいて決定される。
(数1)で明らかなように、ストークスパラメータ
0,S1,S2,S3は、水平直線偏光強度(Ix)、垂
直直線偏光強度(Iy)、45°直線偏光強度
(I45°)、−45°直線偏光強度(I-135°)、右回
り円偏光強度(IQ,45°)、左回り円偏光強度(I
Q,135°)に基づいて求められ、さらに電界の水平成分
振幅(Ax)および垂直成分振幅(Ay)と、電界の水
平成分および垂直成分の位相差(δ)の正弦値および余
弦値とに基づいて求められる。ストークスパラメータに
よれば、光の平均パワーのみを測定することにより完全
な偏光状態を知ることができる。上記のストークスパラ
メータは偏光子23の回転角(θ1)の制御に用いられ
る。
【0038】
【数1】
【0039】また上記のストークスパラメータを用いる
ことにより(数2)に示されるように偏光度DOPを計
算することができる。この偏光度DOPによれば、完全
偏光のときにはDOP=1すなわちS0 2=S1 2+S2 2
3 2となり、部分偏光のときには0<DOP<1すなわ
ちS0 2>S1 2+S2 2+S3 2となる。従って、ストークス
パラメータに基づいて偏光度DOPを計算し、この値の
状態を調べることで完全偏光状態かまたは部分偏光状態
かを知ることができる。演算部17は、必要に応じて、
入力されたストークスパラメータS0,S1,S2,S3
用いて、かつメモリ18に用意された計算プログラムに
基づき偏光度を計算する。
【0040】
【数2】
【0041】さらに、演算部17では(数3)の式に基
づいて基準化ストークスパラメータs1,s2,s3を計
算する。これらの基準化ストークスパラメータは、1/
4波長板24と1/2波長板25の回転角(θ2,θ3
の制御に用いられる。
【0042】
【数3】
【0043】ここで、ミューラ行列に基づく偏光変換表
示を説明する。偏光変換表示をミューラ行列で行うと
き、(数4)に示されるように、回転を表す行列
[Tθ]、位相差を与える行列[C0]、部分偏光を与
える行列[P0]が用いられる。行列[Tθ]で「θ」
は偏光の基準とする軸、一般的には水平軸と偏光子の透
過軸とのなす角度であり、行列[C0]で「γ」は位相
板が与える位相差であり、行列[P0]で「p1」は偏光
子の透過軸の透過率、「p2」は上記透過軸と直交する
軸の透過率である。
【0044】
【数4】
【0045】偏光子23について、現在の技術では、5
0dB以上の消光比を得ることができる。偏光子23の
偏光変換表示を示すと、上記においてp1=1、p2=0
とするとき、(数5)に示すごとくなる。
【0046】
【数5】
【0047】以上により、偏光子から出力される光の基
準化ストークスパラメータs1out,s2outは、偏光子2
3の角度(回転角)θ1によってのみ決定され、またs
3outは常に0となる。光源の偏光状態が変化しても、s
1out,s2out,s3outは変化せず、光ファイバ27に外
乱が加わらない限り、演算部17で測定される基準化ス
トークスパラメータs1,s2,s3は変化しない。従っ
てS0のみが変化した場合には光源11の偏光状態が変
わったことを示している。この場合には、出力光の偏光
状態は保持されるが光のパワーが低下する。
【0048】次に1/4波長板24による偏光状態の変
化を説明する。この波長板では偏光依存性損失が無視で
きると仮定している。従って行列[C0]は(数6)の
ごとく表示される。また1/4波長板24の偏光変換表
示を示すと、(数7)に示すごとくなる。
【0049】
【数6】
【0050】
【数7】
【0051】(数7)の式においてS’0in〜S’3in
偏光子23の出力と一致している。従ってS’3inは0
である。またS’0out=S’0in=S0outであり、S0
変化しない。また下記に説明するように、後段の1/2
波長板25ではS”3out=−S”3in、となり、S3に関
しては1/2波長板25の角度θ3によらず、一定であ
る。従ってS’3outについては、(数8)に示すよう
に、式変換を行って求められる。(数8)で明らかなよ
うに、角度θ1を決めて固定すれば、S3は1/4波長板
24の回転角θ2のみによって決められる。
【0052】
【数8】
【0053】次に1/2波長板25による偏光状態の変
化を説明する。この波長板の行列[C0]は(数9)の
ごとく表示される。また1/2波長板25の偏光変換表
示を示すと、(数10)に示すごとくなる。
【0054】
【数9】
【0055】
【数10】
【0056】(数10)の式に基づいてS”3out=−
S”3in=−sin(2θ2+2θ1)となる。このため、1
/4波長板24の後段に1/2波長板25を設置して
も、S3は1/2波長板25の回転角θ3に依存しないこ
とがわかる。
【0057】さらに光ファイバ21,27に関して、外
力、温度変化、振動などの外乱が加わると、その偏光状
態はランダムに変化し、予想を行うことは困難である。
しかしながら、光ファイバに外力や振動が加わらなけれ
ば、偏光状態は変化しにくいという特性を有している。
他方、偏光状態が変化したときには、偏光コントローラ
12で制御を行うようにする。またS0の変化は偏光子
23による変化に比べて無視できるほど小さい。
【0058】以上に基づいて、ストークスパラメータS
0が変化したときには偏光コントローラ12の前段の変
化が対応しており、基準化ストークスパラメータs1
2,s3が変化したときには偏光子23より後段の変化
が対応している。従って基準化ストークスパラメータs
1〜s3が変化したときには偏光子23を動かす必要はな
い。
【0059】次に、上記の原理に基づき、ストークスパ
ラメータ測定部32での測定と演算部17で実行される
制御方法を図3のフローチャートに従って説明する。
【0060】ステップS11では、ストークスパラメー
タ測定部32によってストークスパラメータS0,S1
2,S3を測定する。演算部17はこれらの測定値を取
り込み、ストークスパラメータS0,S1,S2,S3を用
いて基準化ストークスパラメータs1,s2,s3を演算
する(ステップS12)。次にS0,s1,s2,s3が変
化したか否かを判断する(ステップS13)。これらの
値がいずれも変化しないとき(NO)には上記ステップ
S11,S12,S13を繰り返す。
【0061】ステップS13でS0,s1,s2,s3のい
ずれかの値が変化したと判断されたとき(YES)に
は、次の判断ステップS14でS0が変化したか否かが
判断される。S0が変化したときにはS0が最大になるよ
うに回転角θ1を変化させる(ステップS15)。その
後上記のごとく測定と計算でS0,s1,s2,s3を取得
してS0を確認し(ステップS16)、S0が最大か否か
が判断される(ステップS17)。判断ステップS17
においてNOであるときにはS0が最大になるまでステ
ップS15,S16を繰り返し、YESであるときには
ステップS18に移る。以上によって、演算部17は、
ストークスパラメータS0が変化したときには、ストー
クスパラメータS0が最大値になるように偏光子23の
回転角θ1を駆動部20を通じて制御する。ストークス
パラメータS0の変化は光源11の偏光状態が変化した
ことに対応しており、この場合には、偏光子23を制御
して光源11から出射される光の電界振動方向と偏光子
23の透過軸とが一致するようにする。
【0062】判断ステップS14でNOと判断されたと
き、あるいは判断ステップS17でYESと判断された
ときに、ステップS18が実行される。ステップS18
ではs3が所望の値になるように1/4波長板24の回
転角θ2を変化させる。その後、上記と同様にしてS0
1,s2,s3を取得してs3を確認し(ステップS1
9)、s3が所望の値になった否かが判断される(ステ
ップS20)。判断ステップS20においてNOである
ときにはs3が所望の値になるまでステップS18,S
19を繰り返し、YESであるときにはステップS21
に移る。以上によって、演算部17は、ストークスパラ
メータS0が変化しないときには、s3が所望の値になる
ように1/4波長板24の回転角θ2を駆動部20を通
じて制御する。
【0063】判断ステップS20でYESと判断された
ときにステップS21が実行される。このステップS2
1では、s1またはs2が所望の値になるように1/2波
長板25の回転角θ3を変化させる。その後、上記と同
様にしてS0,s1,s2,s3を取得してs1またはs2
確認し(ステップS22)、s1またはs2が所望の値に
なった否かが判断される(ステップS23)。判断ステ
ップS23においてNOであるときにはs1またはs2
所望の値になるまでステップS21,S22を繰り返
し、YESであるときには最初のステップS11に移
る。以上によって、演算部17は、ストークスパラメー
タS0が変化しないときには、s1またはs2が所望の値
になるように、1/2波長板25の回転角θ3を駆動部
20を通じて制御する。
【0064】上記のごとくステップS14〜S17に基
づいて偏光コントローラ12における偏光子23の制御
が完了すると、基準化ストークスパラメータs1,s2
3が変化する。また、S0が変化せず、基準化ストーク
スパラメータs1,s2,s3のみが変化した場合は、偏
光コントローラ12と光分岐部15の間にある後段の光
ファイバ27が原因となって光分岐部15へ入力される
光の偏光状態が変化したことに対応している。そこで、
基準化ストークスパラメータs1,s2,s3が変化した
ときには、最初にs3が所望の値になるように1/4波
長板24の回転角を制御し、次いでストークスパラメー
タ測定部32でストークスパラメータを測定することに
基づき算出されるs1またはs2が所望の値になるように
1/2波長板25の回転角を制御する。このようにして
光ファイバ27に起因して変化した出力光の偏光状態を
所望の偏光状態に戻すようにする。
【0065】上記の第2実施形態の構成によれば、前述
の第1実施形態の作用・効果に加えて、偏光コントロー
ラ12の前段部分が原因で偏光状態が所望の偏光状態か
ら変化したときには、ストークスパラメータS0の変化
でモニタし、偏光子23の回転角を調整することで制御
を行い、偏光子23よりも後段部分が原因で偏光状態が
所望の偏光状態から変化したときには、基準化ストーク
スパラメータs1,s2,s3の変化をモニタし、1/4
波長板24と1/2波長板25の回転角を調整すること
で制御を行うことができる。
【0066】なお第2実施形態の構成において、偏光コ
ントローラ12で偏光子23は必ずしも必要とせず、位
相制御用の光素子だけで構成することもできる。位相制
御用光素子としては、2枚の波長板を回転させて制御す
るもの、光ファイバにかける応力を変化させ位相差を制
御するもの、スクイーザのように位相差を直接制御する
もの、電界や磁界をかけ偏光を制御するものなどが考え
られる。演算部17は、光出力の偏光状態と所望の偏光
状態を比較し、所望の偏光状態になるように駆動部20
に制御信号を出力するものであれば、演算の過程は任意
のものを採用することができる。例えばストークスパラ
メータを求めて計算すること、ポアンカレ球上に写像を
行って計算すること、ストークスパラメータをジョーン
ズベクトルに変換して計算すること等が考えられる。
【0067】次に図4を参照して本発明に係る偏光制御
装置の第3実施形態を説明する。第3実施形態は、例え
ば第2実施形態において、光分岐部15での分岐比の偏
光依存性損失や複屈折性が無視できない場合における取
扱いに関するものである。前述の実施形態の説明では、
光分岐部15は分岐比の偏光依存性損失や複屈折性を持
たないことを前提としていた。しかしながら、そうでな
い場合には、図4に示すごとく、出力光として透過する
偏光特性Aと、分岐して取り出される一部の出力光の偏
光特性A’とを求める。図4ではコリメート部28に入
る手前側P’での光のストークスパラメータをSin
し、集光部31から出る箇所Pでの光のストークスパラ
メータをSoutとし、ストークスパラメータ測定部32
が測定する箇所Qでの光のストークスパラメータをS’
outとしている。集光部31から出る箇所Pとストーク
スパラメータ測定部32の箇所Qとの偏光状態が一致し
ないときには、次の(数11)のように表示される。
【0068】
【数11】
【0069】従って、上記の関係式に基づき、求めた偏
光特性A,A’を利用して、ストークスパラメータ測定
部32による測定値から箇所Pでの偏光状態を計算し、
推定することが可能となる。
【0070】なお偏光特性A,A’について、ストーク
スパラメータを演算に用いるときにはミューラ行列が求
められ、ジョーンズベクトルを演算に用いるときにはジ
ョーンズ行列を求めておく。
【0071】次に、図5と図6を参照して本発明に係る
偏光制御装置の第4実施形態を説明する。第4実施形態
は、第2実施形態の構成において、偏光子23を設けな
い場合の偏光状態の制御方法を説明する。図5は構成図
であり、図6は制御方法のフローチャートである。図5
において、図2で説明した要素と実質的に同一の要素に
は同一の符号を付している。
【0072】図5に示された構成は、第2実施形態の構
成を示す図2と比較すると、偏光コントローラ41にお
いて偏光子が設けられていない点だけである。その他の
構成は、制御方法を除いて、第2実施形態の構成と同じ
である。第4実施形態の場合の制御方法を図6を参照し
て説明する。
【0073】ステップS31では、ストークスパラメー
タ測定部32によってストークスパラメータS1,S2
3を測定する。演算部17はこれらの測定値を取り込
み、ストークスパラメータS1,S2,S3を用いて下記
の(数12)に基づいて基準化ストークスパラメータ
s'1,s'2,s'3を演算する(ステップS32)。次に
s'1,s'2,s'3が変化したか否かを判断する(ステッ
プS33)。これらの値がいずれも変化しないときには
(NO)のときには上記ステップS31,S32,S3
3を繰り返す。
【0074】
【数12】
【0075】ステップS33でs'1,s'2,s'3のいず
れかの値が変化したと判断されたとき(YES)には、
ステップS34に移る。ステップS34ではs'3が所望
の値になるように1/4波長板24の回転角θ2を変化
させる。その後、上記と同様にしてs'1,s'2,s'3
取得してs'3を確認し(ステップS35)、s'3が所望
の値になった否かが判断される(ステップS36)。判
断ステップS36においてNOであるときにはs'3が所
望の値になるまでステップS34,S35を繰り返し、
YESであるときにはステップS37に移る。以上によ
って、演算部17は、最初にs'3が所望の値になるよう
に1/4波長板24の回転角θ2を駆動部20を通じて
制御する。
【0076】判断ステップS36でYESと判断された
ときにステップS37が実行される。このステップS3
7では、s'1またはs'2が所望の値になるように1/2
波長板25の回転角θ3を変化させる。その後、上記と
同様にしてs'1,s'2,s'3を取得してs'1またはs'2
を確認し(ステップS38)、s'1またはs'2が所望の
値になった否かが判断される(ステップS39)。判断
ステップS39においてNOであるときにはs'1または
s'2が所望の値になるまでステップS37,S38を繰
り返し、YESであるときには最初のステップS31に
移る。以上によって、演算部17は、s'1またはs'2
所望の値になるように、1/2波長板25の回転角θ3
を駆動部20を通じて制御する。
【0077】上記のごとく、偏光子を備えず、1/4波
長板24と1/2波長板25のみから成る偏光コントロ
ーラ41による偏光状態の制御では、偏光コントローラ
41をいかなる状態に制御してもストークスパラメータ
0の変化には寄与しない。従って第4実施形態の偏光
制御方法では、偏光状態を制御する目的でストークスパ
ラメータS0の変化は利用しない。ただし実際には、出
力光のストークスパラメータを知る目的でS0は常に監
視される。
【0078】前述の各実施形態の特徴的な構成を適宜に
組み合せて新たな実施形態を実現することは、本発明の
技術思想の範囲を逸脱しない限りにおいて任意に行うこ
とができるのは勿論である。
【0079】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように本発明によ
れば次の効果を奏する。
【0080】請求項1,2,8,9に係る本発明: 出
力光の偏光状態を任意に所望の状態に設定することがで
き、かつ偏光状態が変化したとき、設定された出力光の
偏光状態を長期間に渡り一定の所望の偏光状態に保つこ
とができる。後段に設けた偏光解析部を取り外すことな
く偏光制御を行うことができる。
【0081】請求項3に係る本発明: 偏光解析部とし
てストークスパラメータ測定部を用いたので、ストーク
スパラメータと基準化ストークスパラメータの変化をモ
ニタすることにより、偏光制御部の変換部の状態を制御
でき、可動部なしで構成することができ、偏光状態の変
化に対して短時間で追従し、制御を行うことができる。
【0082】請求項4,6に係る本発明: 偏光制御部
の変換部として偏光子と位相制御素子を用いたため、偏
光制御部の前段部分に起因する偏光状態の変化に対する
制御は偏光子で行われ、偏光子よりも後段側部分の起因
する偏光状態の変化に対する制御は位相制御素子で行わ
れる。
【0083】請求項5に係る本発明: 偏光制御部の変
換部を位相制御素子のみで構成したため、出力光におい
て測定者が光パワーの変化を望まない場合に適してい
る。
【0084】請求項7に係る本発明: 偏光制御部と光
分岐部の間に光伝送系として任意の長さの光ファイバが
設けられる場合にあっても、偏光状態を所望の状態に一
定に保つことができる。
【0085】請求項10に係る本発明: 光分岐部それ
自体の偏光特性が無視できないときには補正をかけるよ
うにしたため、出力部でのストークスパラメータを推定
し、偏光状態の設定誤差を抑えることが可能であり、よ
り精度の高い偏光状態の制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る偏光制御装置の第1実施形態を示
すブロック構成図である。
【図2】本発明に係る偏光制御装置の第2実施形態を示
すブロック構成図である。
【図3】第2実施形態で実施される偏光制御方法を示す
フローチャートである。
【図4】本発明に係る偏光制御装置の第3実施形態を説
明するための一部のブロック構成図である。
【図5】本発明に係る偏光制御装置の第4実施形態を示
すブロック構成図である。
【図6】第4実施形態で実施される偏光制御方法を示す
フローチャートである。
【図7】従来の偏光制御装置の第1例を示すブロック構
成図である。
【図8】従来の偏光制御装置の第2例を示すブロック構
成図である。
【符号の説明】
11 光源 12 偏光コントローラ 13,14 光伝送路 15 光分岐部 16 偏光解析器 17 演算部 18 メモリ 19 入力部 20 駆動部 21,27 光ファイバ 23 偏光子 24 1/4波長板 25 1/2波長板 32 ストークスパラメータ測定部 41 偏光コントローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長島 伸哉 神奈川県横浜市港北区新横浜二丁目15番12 号 共立新横浜ビル4階 アクターナアー ルアンドディー株式会社内 Fターム(参考) 2H049 BA02 BA06 BA07 BB03 BC25 2H099 AA01 BA17 CA02 CA07 CA08 CA11 5K102 AA13 MB20 MC07 MD01 MD03 PH21 PH24 PH25

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源と光伝送系を含む装置に適用される
    偏光制御装置であって、 前記光伝送系の伝送路中に配置され、光を任意の偏光状
    態に変換する変換部を有する偏光制御手段と、 前記偏光制御手段から出力される出力光の一部を取り出
    す光分岐手段と、 前記光分岐手段から取り出された前記一部の光から前記
    出力光における少なくとも楕円偏光の回転方向を判別す
    る偏光解析手段と、 前記偏光解析手段からの測定値を用いて前記偏光制御手
    段の前記変換部の変換機能を決める制御信号を出力する
    演算手段と、 前記演算手段の制御信号に基づいて前記偏光制御手段の
    前記変換部を調整する駆動手段と、 を備えることを特徴とする偏光制御装置。
  2. 【請求項2】 前記光分岐手段と他の部分との間の光伝
    送路として偏光依存性の少ない媒質が用いられることを
    特徴とする請求項1記載の偏光制御装置。
  3. 【請求項3】 前記偏光解析手段はストークスパラメー
    タ測定手段であることを特徴とする請求項1記載の偏光
    制御装置。
  4. 【請求項4】 前記偏光制御手段の前記変換部は偏光子
    と位相制御素子から成ることを特徴とする請求項1記載
    の偏光制御装置。
  5. 【請求項5】 前記偏光制御手段の前記変換部は位相制
    御素子のみから成ることを特徴とする請求項1記載の偏
    光制御装置。
  6. 【請求項6】 前記位相制御素子は1/4波長板と1/
    2波長板で構成されることを特徴とする請求項4または
    5記載の偏光制御装置。
  7. 【請求項7】 前記偏光制御手段と前記光分岐手段の間
    に光伝送系として任意の長さの光ファイバが設けられる
    ことを特徴とする請求項1記載の偏光制御装置。
  8. 【請求項8】 伝送される光を設定された任意の偏光状
    態に変換する偏光子と1/4波長板と1/2波長板を有
    する偏光制御手段と、出力光の一部からストークスパラ
    メータを常に測定するストークスパラメータ測定手段と
    を含む偏光制御装置に適用される偏光制御方法であっ
    て、 前記ストークスパラメータS0,S1,S2,S3を測定す
    るステップと、 前記ストークスパラメータS0〜S3を用いて基準化スト
    ークスパラメータs1,s2,s3を演算するステップ
    と、 前記S0が最大になるように前記偏光子の回転角を制御
    するステップと、 前記s3が前記偏光状態に対応する値になるように前記
    1/4波長板の回転角を制御するステップと、 前記s1または前記s2が前記偏光状態に対応する値にな
    るように前記1/2波長板の回転角を制御するステップ
    と、 から成ることを特徴とする偏光制御方法。
  9. 【請求項9】 伝送される光を設定された任意の偏光状
    態に変換する1/4波長板と1/2波長板を有する偏光
    制御手段と、出力光の一部からストークスパラメータを
    常に測定するストークスパラメータ測定手段とを含む偏
    光制御装置に適用される偏光制御方法であって、 前記ストークスパラメータS1,S2,S3を測定するス
    テップと、 前記ストークスパラメータS1〜S3を用いて基準化スト
    ークスパラメータs'1,s'2,s'3を演算するステップ
    と、 前記s'3が前記偏光状態に対応する値になるように前記
    1/4波長板の回転角を制御するステップと、 前記s'1または前記s'2が前記偏光状態に対応する値に
    なるように前記1/2波長板の回転角を制御するステッ
    プと、 から成ることを特徴とする偏光制御方法。
  10. 【請求項10】 前記偏光制御装置は前記出力光の一部
    を取り出すための光分岐手段を含み、 前記光分岐手段での入力から出力部への偏光特性と、前
    記入力から前記ストークスパラメータ測定手段への偏光
    特性とを求めるステップと、 前記ストークスパラメータ測定手段で測定された偏光状
    態と求められた前記2つの偏光特性とに基づいて前記出
    力光の偏光状態を推定するステップを含む、 ことを特徴とする請求項8または9記載の偏光制御方
    法。
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