JP2003287694A - 光学走査装置 - Google Patents

光学走査装置

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JP2003287694A JP2003004843A JP2003004843A JP2003287694A JP 2003287694 A JP2003287694 A JP 2003287694A JP 2003004843 A JP2003004843 A JP 2003004843A JP 2003004843 A JP2003004843 A JP 2003004843A JP 2003287694 A JP2003287694 A JP 2003287694A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 オーバーフィルド光学系においてFナンバー
変化による感光体上の光量分布の不均一を実用上問題の
ないレベルに補正する。 【解決手段】 凸レンズ26とポリゴンミラー24との
間には、吸収材46を備えたフィルタ28が配設されて
いる。この吸収材46は金属薄膜のコーティングによっ
て構成されており、光軸を通る中央部の透過率分布を下
げ両端部の透過率分布を上げた設定となっている。従っ
て、偏向面24Aへの走査方向入射角βが0°に設定さ
れている場合に、Fナンバー変化による感光体32上の
光量分布の不均一を実用上問題のないレベルに補正する
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザプリンタ及
びデジタル複写機等に用いられる光学走査装置に係り、
特に光学フィルタによって感光体上の光量分布を補正す
る機能を備えた光学走査装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】図12
には、走査方向の偏光面幅より広いビームが偏向器10
0に入射する光学走査装置(以下、「オーバーフィルド
〔Overfilled〕光学系」という)の要部が概略的に示さ
れている。
【0003】この図において、偏向面幅;Faと、偏向
器100であるポリゴンミラーの内接円径;Pφ、偏向
面数;nとの間には、次式で示される関係が成り立つ。
【0004】 Fa=Pφ×tan (180°/n)・・・(1) なお、ここでは偏向器100としてポリゴンミラーを用
いたが、ガルバノミラー等の偏向器を用いても差し支え
なく、その場合には偏向面幅Faはポリゴンミラー内接
円径Pφ、偏向面数nとは無関係になる。
【0005】また、オーバーフィルド光学系では、ガウ
ス強度分布のビームの一部ずつを走査角に対応して切り
取るように用いるため、偏向面反射直後のビーム幅;D
と、走査角;α、偏向面入射角;βとの間には、次式で
示される関係が成り立つ。 D=Fa×cos {(α+β)/2}・・・(2) さらに、レンズによる像の明るさの度合いを表すFナン
バーと、偏向器100から感光体102までの焦点距
離;f、偏向面反射直後のビーム幅;Dとの間には次式
で示される関係が成り立つ。
【0006】Fナンバー=f/D・・・(3) なお、焦点距離fは、偏向器100と感光体102との
間に図示しないfθレンズが配置されるため、走査角;
αとは無関係に一定である。
【0007】以上(1)〜(3)式から、上記のオーバ
ーフィルド光学系では、Fナンバーは走査角α及び偏向
面入射角βに応じて変化することが判る。そして、Fナ
ンバーが変化した場合には、感光体102上の走査位置
によって光量が変化することになる。総じていえば、オ
ーバーフィルド光学系では、偏向器100に入射される
ガウス強度分布のビームの一部ずつを走査角αに対応し
て切り取るように用いることから、Fナンバーの変化を
持たらし、これにより感光体102上の光量分布の一様
性が低下するという不具合がある。
【0008】この不具合を考慮した構成が、米国特許3
558208号に開示されている。図13に示されるよ
うに、この公報に開示された光学走査装置104では、
光源106とポリゴンミラーである偏向器108との間
に、コリメータレンズ110、凸レンズ112、フィル
タ114、及びfθレンズ116が光源106側からこ
の順に配設されている。さらに、フィルタ114は、放
物線状の厚さを有する吸収材114Aを備えている。
【0009】上記構成によれば、光源106からのビー
ムは、コリメータレンズ110及び凸レンズ112を透
過することで略平行光とされ、更にフィルタ114及び
fθレンズ116を透過した後、偏向器108によって
偏向走査される。このとき、凸レンズ112によって略
平行光とされたビームは、放物線状の厚さを有する吸収
材114Aを備えたフィルタ114を透過することによ
り、偏向器108に入射されるに際にガウス強度分布の
ビームから矩形状強度分布のビームに変換される。つま
り、図14に示されるように、ガウス強度分布のビーム
のビーム径Aに対し、略平坦な中央部のみを使用すれば
(即ち、利用幅をBとする)、フィルタ114を設けな
くても前述した感光体118上の光量分布の不均一はあ
る程度是正されるが、この場合には中央部以外の部分が
不使用となるためエネルギー損失が大きくなる。このた
め、上記公報に示された構成では、感光体118上の光
量分布の一様性を確保しつつエネルギー損失の低減を図
るべく、フィルタ114を設定することで矩形状強度分
布のビームに変換して利用幅をCとしている。
【0010】ここで、上記公報には、オーバーフィルド
光学系特有の走査角に応じてFナンバーが変化すること
による感光体118上の光量分布の変化については何も
言及されていないが、偏向器108に入射されるガウス
強度分布のビームを矩形状強度分布のビームに変換する
だけでは、前述したFナンバー変化による感光体118
上の光量分布の不均一を補正することはできないという
問題がある。すなわち、フィルタ114に設けられた吸
収体114Aの断面形状が放物線状であるため、偏向器
108に入射されるビームの強度分布が単にガウス強度
分布から矩形状強度分布に変換されるだけで、オーバー
フィルド光学系特有の走査角に応じたFナンバー変化に
追従した光量分布の補正を行うには到らない。
【0011】但し、偏向器108の走査角が小さい場合
には、感光体118上のビームの強度分布一様性は実用
上問題ないレベルではある。
【0012】本発明は上記事実を考慮し、オーバーフィ
ルド光学系においてFナンバー変化による感光体上の光
量分布の不均一を実用上問題のないレベルに補正するこ
とができる光学走査装置を得ることが目的である。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明
は、光源と感光体との間に配置されると共に周面に複数
の偏向面を有し、光源からのビームを走査方向の偏向面
幅よりも広い範囲に受けて感光体上に偏向走査させる偏
向器を含んで構成されると共に、偏向面への走査方向入
射角が0°に設定された光学走査装置であって、前記光
源と前記偏向器との間に、透過率分布が光軸を対して対
称となる二箇所で不連続となりかつ当該透過率分布の不
連続部をビームが跨がるように金属薄膜をコーティング
することによって構成された吸収材を側面に有する単一
のフィルタを設置することで、フィルタ透過後の透過率
の分布を、光軸を通る中央部の透過率が下がり光軸に対
して対称位置に位置する両端部の透過率が上がった左右
対称形状とした、ことを特徴としている。
【0014】請求項2記載の本発明は、請求項1記載の
本発明において、前記フィルタを、所定量移動可能に構
成した、ことを特徴としている。
【0015】
【作用】請求項1記載の本発明では、偏向面への走査方
向入射角が0°に設定されている場合を対象としてい
る。この場合、偏向器で偏向されたビームの光量は走査
方向で偏向器出射側と偏向器入射側とで対称になる。こ
の点を踏まえて本発明では、透過率分布の不連続部を二
つ有するフィルタを用いると共に当該透過率分布の不連
続部を光軸に対して対称に位置させたので、フィルタ透
過後の透過率の分布を、光軸を通る中央部の透過率が下
がり光軸に対して対称位置に位置する両端部の透過率が
上がった左右対称形状にすることができる。従って、光
軸に対して左右対称に感光体上での光量分布が補正され
ることになり、その結果、感光体上での光量分布が一様
になる。すなわち、本発明によれば、偏向面への走査方
向入射角が0°に設定されている場合に、感光体上の光
量分布を必要部分のみ補正して理想的な分布にすること
が可能となる。従って、Fナンバーが走査角、偏向面入
射角に応じて変化するオーバーフィルド光学系において
も、感光体上の光量分布の一様性を確保することが可能
となる。
【0016】加えて、本発明によれば、透過率分布の不
連続部をビームが跨がるように、金属薄膜をコーティン
グすることによりフィルタの吸収材を構成したので、フ
ィルタを透過したビームの透過波面の位相差を極力少な
くすることができる。すなわち、透過率分布の不連続部
をビームが跨がっていると、物理的に透過波面の位相差
が発生するため、感光体上に結像するビームプロファイ
ルが崩れることが知られている。ここで、一般的に、ビ
ーム径はピーク値の13.5%で定義されているが、位
相差が大きくなるとサイドローブが13.5%を越える
場合もあり、要求される画質を達成できないおそれがあ
る。しかしながら、本発明によれば、金属薄膜をコーテ
ィングすることによってフィルタの吸収材を構成したの
で、コーティング膜厚を非常に薄くすることができる。
よって、透過率分布の不連続部をビームが跨がっている
にも拘わらず、透過したビームの透過波面の位相差を抑
えることができ、ビームプロファイルを崩すことなく光
量分布を補正することができる。
【0017】さらに、本発明によれば、フィルタの透過
率分布が不連続となる設定であるため、透過率分布が連
続するフィルタを用いる場合に比し、フィルタの製造が
容易になり、コスト的に有利である。
【0018】請求項2記載の本発明によれば、請求項1
記載の本発明において、フィルタを所定量移動可能に構
成したので、フィルタの設置位置がずれた場合や透過率
分布の不連続部の精度不良が生じた場合等に、フィルタ
を必要量移動させることにより初期状態でのずれを解消
することができる。このため、このような場合において
も、適切な光量補正を行うことが可能となる。
【0019】
【実施例】以下、図1〜図8を用いて、本発明の一実施
例について説明する。
【0020】図2には、本実施例に係る光学走査装置1
0の全体構成が示されている。なお、本実施例に係る光
学走査装置10は、レーザプリンタ及びデジタル複写機
等に用いられるものである。以下、この図を用いて、光
学走査装置10の概略構成について先に説明する。
【0021】光学走査装置10は、所定形状のハウジン
グ12を備えている。ハウジング12の幅方向の一方の
側部には光源としてのレーザーダイオードAssy14
が配設されており、これによりレーザービームが放射さ
れる。また、レーザーダイオードAssy14の投光側
には、レーザーダイオードAssy14から投光された
レーザービームを緩やかな発散光にするためのコリメー
タレンズAssy16が配設されている。さらに、コリ
メータレンズAssy16に隣接する位置にはビーム成
形用のスリット18が配設されており、スリット18に
隣接する位置には偏向面で副走査方向に略結像させるべ
く副走査方向にのみ曲率を有するシリンダレンズ20が
配設されている。
【0022】一方、ハウジング12の幅方向の他方の側
部にはフラットミラー22が配設されており、これによ
りシリンダレンズ20を通ったビームがハウジング12
の内方へ向けて反射される。ハウジング12の内方中央
部には、偏向器としてのポリゴンミラー24が配設され
ている。回転多面鏡であるポリゴンミラー24は、各々
所定の偏向面幅とされた複数の偏向面24Aを周面に備
えており、中心軸回りに所定の角速度で回転するように
構成されている。上述したフラットミラー22とポリゴ
ンミラー24との間には、フラットミラー22での反射
光を略平行光にするための凸レンズ26並びに後述する
光量分布補正用のフィルタ28が配設されている。
【0023】また、ハウジング12の長手方向の一方の
側部には、別のフラットミラー30が配設されている。
このフラットミラー30と前述したポリゴンミラー24
との間には、ポリゴンミラー24によって偏向されたビ
ームを等速化して感光体32上に結像させるためのfθ
レンズ34が配設されている。
【0024】さらに、ハウジング12の長手方向の他方
の側部には、前述したフラットミラー30で反射された
ビームの副走査方向倒れを補正するためのシリンダミラ
ー36が配設されている。
【0025】以上の構成により、レーザーダイオードA
ssy14から放射されたビームが、ポリゴンミラー2
4によって感光体32上に偏向走査される。
【0026】なお、上述した光学走査装置10には、上
記構成の他、ポリゴンミラー24による主走査の基準位
置(タイミング)を検出するためのSOSセンサ38、
SOSレンズ40、及びSOSピックアップミラー42
が配設されている。
【0027】次に、ポリゴンミラー24と凸レンズ26
との間に配置されたフィルタ28について詳細に説明す
る。
【0028】図1には、フィルタ28を含んで構成され
た上記光学走査装置10の光学系の模式図が示されてい
る。また、図3にはフィルタ28の斜視図が示されてお
り、図4には図3の4−4線に沿ったフィルタ28の断
面図が示されており、更に図5にはフィルタ28の正面
図が示されている。
【0029】これらの図に示されるように、フィルタ2
8は、平行ガラス板で構成されたフィルタ本体44を備
えている。このフィルタ本体44の凸レンズ26側の側
面には、ビームの透過率を低下させるための吸収材46
が塗布されている。なお、吸収材46としては、例えば
金属薄膜をコーティングする方法が用いられている。ま
た、吸収材46の設定範囲は、フィルタ本体44の側面
の半分強とされている。これにより、吸収材46が塗布
されていない部分ではビームの透過率が93%とされ、
吸収材46が塗布された部分ではビームの透過率は6
7.1%とされている。なお、透過率分布の不連続部
(図5参照)は、コーティング時にマスキングすること
によって形成されており、本実施例では走査方向出射側
に配置されている。より具体的には、本実施例では、偏
向面入射ビーム幅はおよそ10mmであるが、このとき
透過率分布の不連続部は光軸から走査方向出射側にX=
−2mmの位置に設定されている。以上の構成によるフ
ィルタ28の相対ビーム幅に対する透過率分布を概略的
に示すと図6図示の如くとなり、透過率分布は光軸に対
し非対称であると共に透過率分布の不連続部(即ち、段
階部)が一つある不連続な線図となっている。
【0030】以下に、本実施例の作用を説明する。
【0031】レーザーダイオードAssy14から放射
されたレーザービームは、コリメータレンズAssy1
6によって緩やかな発散光とされた後、スリット18に
よって成形される。成形されたビームは、シリンダレン
ズ20を介して凸レンズ26によって略平行光とされた
後、フィルタ28にかけられる。フィルタ28を透過し
たビームは、ポリゴンミラー24によって偏向されて感
光体32上に偏向走査される。
【0032】ここで、本実施例で使用されるフィルタ2
8ではその所定位置に吸収材46が設けられているた
め、フィルタ28の透過率分布は図6図示の如く偏向器
入射側で低く偏向器出射側で高くなる。このため、フィ
ルタ28を設置しない場合のビームプロファイルは図7
に二点鎖線で示される如くガウス強度分布であるのに対
し、フィルタ28を設置した本実施例の場合のビームプ
ロファイルは図7に実線で示される如く一部の強度が減
衰された特性になる。そして、図8に示される如く、走
査角α=−21.8°の場合であれば減衰された太線の
D部分(同図(A)参照)が使用され、同様にして走査
角α=0°の場合であれば同図(B)に太線で示される
D部分が使用され、走査角α=21.8°の場合であれ
ば同図(C)に太線で示される部分が使用される。この
結果、感光体32上での光量分布が補正される。
【0033】以下に、具体的なデータに基づいて説明す
る。
【0034】下記表1には、比較例として本実施例に係
るフィルタ28を備えていないオーバーフィルド光学系
による感光体32上の光量分布が示されている。なお、
この例では、半導体レーザー波長を780nm、n=1
5、α=±21.6°、β=45°、f=286.48
mm とされている。また、下記表1に示される光量分
布は、α=0°のときの光量を100%とした場合のデ
ータである。
【0035】
【表1】 上記表1から、このオーバーフィルド光学系では、α=
−21.6°のときに感光体32上での光量が15.1
%も減少していることが判る。従って、この場合には、
現像プロセスを経て得られるプリントの濃度が低下する
おそれがあり、実用上問題がある。ちなみに、現像プロ
セスによっても異なるが、感光体32上の光量が光軸に
対して10%以内であれば、実用上問題がないとされ
る。
【0036】これに対し、凸レンズ26とポリゴンミラ
ー24との間に本実施例に係るフィルタ28を配設した
場合には、光量分布は下記表2の如くとなる。なお、下
記表2に示されるデータは計算によるものであるが、実
験結果でも同様の値が得られた。
【0037】補足すると、計算に際しては、図5に示さ
れる如く、フィルタ28を透過するビームは、走査方向
に略線状となっており、透過率分布の不連続部を跨がっ
たビームを偏向する走査角においては、偏向面反射直後
のビームは全幅のうち透過率67.1%エリアと93%
エリアとがある。この比率から、上記光量分布を算出し
た。この際、偏向面エッジ部を入射光束走査方向座標X
に置き換えた。なお、座標Xに換算する式は、次式によ
る。
【0038】X=1/2×Pφ×sin (β/2)−R
{(α+β)/2±180°/n} 但し、R;Pφ/2{cos (180°/n)}−1 上記式より、各走査角にて、フィルタ不連続部位置から
反射される有効全幅に対して透過率67.1%エリア比
と透過率93%エリア比とを求めることで、総合透過率
を計算した。この計算は、ビームが走査方向に略線状と
なっていることから、フィルタ28を透過するビームが
ガウス強度分布状であることは無視した。
【0039】
【表2】 上記表2から、本実施例では、α=−21.6°のとき
に感光体32上での光量が3.4%しか減少していない
ことが判る。従って、本実施例の場合には、現像プロセ
スを経て得られるプリントの濃度が低下するおそれはな
く、実用上問題無いレベル(5%p-p)にあるといえ
る。
【0040】このように本実施例では、Fナンバーが走
査角α及び偏向面入射角βに応じて変化するオーバーフ
ィルド光学系において、凸レンズ26とポリゴンミラー
24との間に所定の透過率分布に設定されたフィルタ2
8を配置したので、感光体32上での光量分布の一様性
を確保することができる。
【0041】また、本実施例では、フィルタ28の所定
範囲にコーティングによる吸収材46を設ける構成であ
るため、フィルタ28を透過したビームの透過波面の位
相差を極力少なくすることができる。すなわち、図5に
示される如く、透過率分布の不連続部をビームが跨がっ
ていると、物理的に透過波面の位相差が発生するため、
感光体32上に結像するビームプロファイルが崩れるこ
とが知られている。ここで、一般的に、ビーム径はピー
ク値の13.5%で定義されているが、位相差が大きく
なるとサイドローブ(メインビームの裾野から盛り上が
る成分のこと)が13.5%を越える場合もあり、要求
される画質を達成できないおそれがある。しかしなが
ら、本実施例によれば、金属薄膜等をコーティングする
ことによる吸収材46をフィルタ28に設けているた
め、コーティング膜厚を非常に薄くすることができる。
よって、透過率分布の不連続部をビームが跨がっている
にも拘わらず、透過したビームの透過波面の位相差を抑
えることができ、ビームプロファイルを崩すことなく光
量分布を補正することができる。なお、製造工程上、透
過率分布の不連続部は0.5mm以下の短い区間で連続
的透過率となることがあるが、その場合においても光量
分布補正効果は十分に得られる。
【0042】なお、本実施例では、フィルタ28に塗布
される吸収材46が正面視で矩形状とされているが、図
9に示される如く、正面視で台形状となるように吸収体
48が塗布されたフィルタ50を使用してもよい。この
場合、透過率分布の不連続部は走査方向に対して垂直で
はなく斜めに位置される。
【0043】また、本実施例では、フィルタ28の透過
率は二段階に設定されているが、三段階以上に透過率を
設定してもよい。例えば、図10に示されるフィルタ5
2では、三箇所に透過率分布の不連続部が設定されてい
る。なお、このフィルタ52では、走査方向に−3.6
mm、−2.5mm、+4.0mmの各位置に透過率分
布の不連続部が設定されており、各々の透過率は負側
(出射側)から順に93.0%、67.1%、45.0
%、67.1%とされている。この構成を得るための手
段としては、以下のものが考えられる。例えば、フィル
タ52の一方の片面の走査方向−2.5mmから+4m
mまでの範囲に透過率67.1%の吸収体を塗布し、フ
ィルタ52の他方の片面の走査方向−3.6mmから正
側(入射側)全部に透過率67.1%の吸収体を塗布す
る構成を採ってもよいし、フィルタ52の一方の片面に
透過率67.1%の吸収体をずらして二度塗布する構成
を採ってもよい。なお、前者の構成は、製造上最も造り
易いというメリットがある。
【0044】上記構成に係るフィルタ52を用いた場
合、感光体32上での光量分布は、下記表3の如くとな
る。
【0045】
【表3】 上記表3から判るように、この例による場合には、3%
p-pの光量分布にすることができる。
【0046】さらに、本実施例では、図6に示されるよ
うな透過率分布に設定されたフィルタ28を用いたが、
これに限らず、透過率分布が光軸に対して非対称或いは
透過率分布が不連続であるようなフィルタであればよ
い。例えば、図11(A)、(B)に示される例はフィ
ルタの透過率分布が光軸に対して非対称な例であり、図
11(A)乃至(C)に示される例はフィルタの透過率
分布が不連続である例であり、これらのいずれを適用し
てもよいし、これら以外の透過率分布に設定されたフィ
ルタを用いてもよい。
【0047】補足すると、図11(C)に示される透過
率分布に設定されたフィルタは、偏向面24Aへの走査
方向入射角βが0°に設定されている場合に使用され、
即ち請求項1に対応するものである。この場合、半導体
レーザー波長を780nm、n=15、α=±21.6
°、β=0°、f=286.48mmのオーバーフィル
ド光学系において、α=0°の場合の光量を100%と
したとき、偏向面反射直後のビーム幅Dは次式となる。
【0048】D=Fa×cos (α/2) このため、Fナンバーの変化は走査方向に正負対称であ
り、走査角αが増えると光量が減る。但し、偏向面入射
光と出射光とは同一平面上にはない。よって、図11
(C)に示される如く、透過率分布を不連続にすると共
に中央部の透過率を下げて両端部の透過率を上げれば光
量分布を改善することができる。特に、中央部の低透過
率部の幅をFaと同一か又はそれ以上とすることにより
補正効果が現れる。
【0049】また、本実施例では、フィルタ28は固定
的に保持される構成を採ったが、これに限らず、フィル
タ28を所望の方向(主走査方向、副走査方向どちらで
も可)へ移動可能に構成してもよい。この場合、フィル
タの設置位置がずれた場合や透過率分布の不連続部の精
度不良が生じた場合等に、フィルタを必要量移動させる
ことにより初期状態でのずれを解消することができる。
このため、このような場合においても、適切な光量補正
を行うことができるというメリットがある。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る光学
走査装置は、オーバーフィルド光学系においてFナンバ
ー変化による感光体上の光量分布の不均一を実用上問題
のないレベルに補正することができるという優れた効果
を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に係る光学走査装置の光学系の模式図
である。
【図2】本実施例に係る光学走査装置の全体構成を示す
斜視図である。
【図3】図1に示されるフィルタの斜視図である。
【図4】図3に示されるフィルタの4−4線断面図であ
る。
【図5】図3に示されるフィルタの正面図である。
【図6】図3に示されるフィルタのビームの透過率分布
を示す線図である。
【図7】本実施例に係るフィルタを透過したビームのビ
ームプロファイルを示す線図である。
【図8】(A)〜(C)は走査角に応じた偏向面での切
取り部分を示すグラフである。
【図9】フィルタの変形例を示す図5に対応する正面図
である。
【図10】フィルタの他の変形例を示す図5に対応する
正面図である。
【図11】フィルタの他の変形例であり、使用し得る透
過率分布を例示的に示す図6に対応する線図である。
【図12】従来のオーバーフィルド光学系の模式図であ
る。
【図13】従来のフィルタを備えたオーバーフィルド光
学系の構成を示す概略構成図である。
【図14】図13に示される構成を用いた場合のフィル
タ透過後のビームプロファイルを示す線図である。
【符号の説明】
10 光学走査装置 14 レーザーダイオードAssy(光源) 24 ポリゴンミラー(偏向器) 24A 偏向面 28 フィルタ 32 感光体 46 吸収材 50 フィルタ 52 フィルタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C362 BA04 BA84 BB22 2H045 CB24 DA30 5C051 AA02 CA07 DB02 DB22 DB23 DB24 DC04 DC07 FA01 5C072 AA03 BA20 HA02 HA09 HA13 HB04 XA01 XA05

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源と感光体との間に配置されると共に
    周面に複数の偏向面を有し、光源からのビームを走査方
    向の偏向面幅よりも広い範囲に受けて感光体上に偏向走
    査させる偏向器を含んで構成されると共に、偏向面への
    走査方向入射角が0°に設定された光学走査装置であっ
    て、 前記光源と前記偏向器との間に、透過率分布が光軸を対
    して対称となる二箇所で不連続となりかつ当該透過率分
    布の不連続部をビームが跨がるように金属薄膜をコーテ
    ィングすることによって構成された吸収材を側面に有す
    る単一のフィルタを設置することで、フィルタ透過後の
    透過率の分布を、光軸を通る中央部の透過率が下がり光
    軸に対して対称位置に位置する両端部の透過率が上がっ
    た左右対称形状とした、 ことを特徴とする光学走査装置。
  2. 【請求項2】 前記フィルタを、所定量移動可能に構成
    した、 ことを特徴とする請求項1に記載の光学走査装置。
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