JP2003287066A - 電気式ディスクブレーキ - Google Patents
電気式ディスクブレーキInfo
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Abstract
出可能な回転角センサを、部品点数を増加させる事な
く、簡易かつ廉価に形成可能とする。また、回転角セン
サの設置スペースを最小限とし、キャリパボディをコン
パクトに形成して、電気式ディスクブレーキ設置時のレ
イアウトの自由度を高める。 【解決手段】 進退動機構に電動モータ15の駆動力を
減速して伝達する減速ギア機構17を、電動モータ15
により回動可能な遊星腕18と、この遊星腕18の外周
に回動可能に軸支される遊星歯車23と、キャリパボデ
ィ8に回動不能に固定され、前記遊星歯車23を回動さ
せる太陽歯車26とで構成する。前記遊星腕18の外周
に設けた突起部52と、この突起部52の外周に臨ませ
て円周状に配置したコイル19とで回転角センサを形成
する。突起部52の通過に伴ってコイル19に波形の出
力電圧を発生させ、この波形の出力電圧で遊星腕18の
回転角を検知し、前記進退動機構の進退量を算出可能と
する。
Description
の各種車両に搭載され、電動モータの駆動力で進退動機
構を進退動させ、ディスクロータに摩擦パッドを押圧摺
動して制動を行う電気式ディスクブレーキに係るもので
あり、進退動機構の進退量の検出手段を、部品点数を増
やす事なく、廉価に設けるものである。
に於いて、電動モータの駆動力で作動する進退動機構に
より、押圧部材を介して摩擦パッドをディスクロータに
押圧摺動させて制動を行う電気式ディスクブレーキが存
在する。この進退動機構の進退量を検出し、ディスクロ
ータに対する摩擦パッドの変位量を求めるため、特開2
000−104763号公報記載の発明及び特開200
0−62591号公報記載の発明では、進退動機構とし
てボールねじ機構を用い、電動モータにより回動するボ
ールねじナットの外周に設けたロータと、このロータに
臨ませてキャリパボディに設けたステータとから成るロ
ータリーエンコーダにより、ボールねじナットの回転角
を検出し、ボールねじ軸の進退量を算出していた。
ロータリーエンコーダでは、上述の如く進退動機構や減
速ギア機構等とは別個に、ロータとステータを設ける必
要があり、部品点数や組み付けの手間が増えるととも
に、ロータリーエンコーダの設置位置が限られるものと
なる。また、部品点数の増加により、キャリパボディも
大きくなり、車体への設置の際のレイアウトの自由度が
低下する。
るものであって、進退動機構の回動部品の回転角を高精
度に検出可能な回転角センサを、部品点数を増加させる
事なく、簡易かつ廉価に形成しようとするものである。
そして、回転角センサの設置スペースを最小限とし、キ
ャリパボディをコンパクトに形成して、電気式ディスク
ブレーキ設置時のレイアウトの自由度を高めるものであ
る。
を解決するため、電動モータの駆動力で進退動し摩擦パ
ッドの押圧部材に押圧力を発生させる進退動機構と、こ
の進退動機構に電動モータの駆動力を減速して伝達する
減速ギア機構をキャリパボディに設け、前記進退動機構
によりディスクロータに摩擦パッドを押圧摺動させて制
動を行う電気式ディスクブレーキに於いて、前記減速ギ
ア機構を、電動モータにより回動可能な遊星腕と、この
遊星腕の外周に回動可能に軸支される遊星歯車と、キャ
リパボディに回動不能に固定され、前記遊星歯車を回動
させる太陽歯車とで構成し、前記遊星腕の外周に設けた
突起部と、この突起部の外周に臨ませて円周状に配置し
たコイルとで回転角センサを形成し、突起部の通過に伴
ってコイルに波形の出力電圧を発生させ、この波形の出
力電圧で遊星腕の回転角を検知し、前記進退動機構の進
退量を算出可能として成るものである。
外周に設けた突起部に回動可能に軸支しても良い。
歯車よりも径大で遊星歯車の回動によって回動するボー
ルねじナットと、このボールねじナットの回動により、
ディスク軸の方向に進退動するボールねじ軸とから成
り、遊星歯車にて径大なボールねじナットを回動する事
により、減速ギア機構から伝達される回動力を更に減速
して、ボールねじ軸を介して押圧部材に押圧力を発生さ
せても良い。
突起部と、この突起部に臨ませて配置したコイルとによ
り回転角センサを構成している。このように、コイルを
配置してステータを形成しているが、突起部を設けた遊
星腕をロータとする事ができる。そのため、回転角セン
サのためのロータを、別個に設ける必要がないし、部品
点数や組み付けの手間を増やす事がなく、設置スペース
も最小限とする事ができ、回転角センサを簡易で廉価に
形成する事が可能となる。また、キャリパボディのコン
パクトな形成が可能となり、電気式ディスクブレーキを
車体に設置する際のレイアウトの自由度が増すものであ
る。
んで制動操作を行うと、電動モータが駆動し、減速ギア
機構の遊星腕が回動する。この遊星腕の回動により、遊
星腕に軸支した遊星歯車が、太陽歯車の外周を回動す
る。この遊星歯車の回動により、電動モータの駆動力が
減速されて進退動機構に伝達され、この進退動機構が作
動して、摩擦パッドの押圧部材に押圧力を発生させる事
により、摩擦パッドがディスクロータに押し付けられ、
制動が行われる。
設けた突起部が、円周状のコイル内を回動する事によ
り、波形の出力電圧を発生するので、遊星腕の回転角を
高精度に検知可能となるものである。そして、この検知
した回転角により、進退動機構の進退量が算出可能とな
り、ディスクロータに対する摩擦パッドの位置を認識し
て、電動モータの駆動を制御して、制動時の摩擦パッド
の移動量を調整する事により、的確な制動を可能とする
ものである。
の機構であっても良く、例えば前記減速機構の遊星歯車
よりも径大で遊星歯車の回動によって回動するボールね
じナットと、このボールねじナットの回動により、ディ
スク軸の方向に進退動するボールねじ軸とから成るボー
ルねじ機構を用いる事ができる。そして、遊星歯車にて
径大なボールねじナットを回動する事により、減速ギア
機構により減速された電動モータの駆動力が、更に減速
されるので、電動モータの駆動力をボールねじ軸の進退
力に効率的に変換して、押圧部材に強い押圧力を発生さ
せる事ができる。そして、前記回転角センサにて検出さ
れた回転角を基に、ボールねじ軸の進退量を検出可能と
なる。
すると、(1)は自動車の車輪に接続して一体に回動する
ディスクロータで、両側の摩擦面(2)に臨ませて、図1
に示す如く、タイヤホイール(5)の内側に於いて、一対
の摩擦パッド(3)(4)を配置している。また、前記ディ
スクロータ(1)に臨ませて、車両本体にブラケット(6)
を固定し、この固定側からディスクロータ(1)の外周を
跨いで反対側に掛けて突設したキャリパ支持腕(7)に、
前記摩擦パッド(3)(4)を摺動可能に配置している。
腕(7)に、摩擦パッド(3)(4)をディスクロータ(1)に
押し付けるキャリパボディ(8)を、図2に示す如く、一
対のスライドピン(9)を介して進退動可能に連結してい
る。このキャリパボディ(8)は、図1に示す如く、ディ
スクロータ(1)を挟んで、一方の摩擦パッド(3)の背面
に配置する作用部(10)と、他方の摩擦パッド(4)の背
面に配置する反力爪(11)を設けた反作用部(12)と、
ディスクロータ(1)の外周を跨いで作用部(10)及び反
作用部(12)とを連結するブリッジ部(13)とで構成さ
れている。
如く、シリンダ(14)内に、ブラシレス型の電動モータ
(15)と、摩擦パッド(3)(4)の押圧力を発生させるボ
ールねじ機構(16)と、このボールねじ機構(16)に電
動モータ(15)の駆動力を減速して伝達する減速ギア機
構(17)とを収納している。この減速ギア機構(17)
は、電動モータ(15)の駆動力により回動可能な遊星腕
(18)と、この遊星腕(18)に回動可能に軸支した遊星
歯車(23)と、この遊星歯車(23)を回動させる太陽歯
車(26)とから構成されている。
5)の回転子として作用するマグネット(39)を円筒部
(20)の外周に配置し、電動モータ(15)の駆動力によ
り、軸受部(57)を介してシリンダ(14)内を回動可能
としている。また、本発明では、遊星腕(18)を、後述
する回転角センサのロータとして兼用可能とするため、
円筒部(20)の、摩擦パッド(3)とは反対側の後部に、
円筒部(20)よりも径大で側面三角形状の径大部(21)
を設けている。そして、三角形状とする事により形成さ
れる径大部(21)の3つの突起部(52)に、遊星歯車
(23)を回動可能に軸支し、図1、図2に示す如く、各
遊星歯車(23)を、突起部(52)外周に開口した切欠窓
(22)から外部に突出させている。また、径大部(21)
を三角形状に形成する事により、遊星腕(18)の軽量化
と材料費の削減が可能となるとともに、後述の回転角セ
ンサのロータとしての使用が可能となるものである。
4)と、この第1歯車部(24)よりも歯数の少ない第2
歯車部(25)とを、軸方向の前後に分離して一体に形成
し、前記第1歯車部(24)を、キャリパボディ(8)に回
動不能に固定された太陽歯車(26)に噛合し、この太陽
歯車(26)により遊星歯車(23)の回動を可能としてい
る。
に示す如く、キャリパボディ(8)の後部に配置したバッ
クプレート(27)に、等間隔で挿通穴(29)を複数開口
し、各挿通穴(29)に挿通した固定ピン(28)を、太陽
歯車(26)の背面に凹設した固定穴(30)に挿入する事
により行っている。前記固定ピン(28)は、バックプレ
ート(27)の装着孔(32)に装着したキャップ(33)に
て頭部を押圧され、固定穴(30)への挿入状態が保たれ
ている。そして、キャップ(33)を外すと、固定ピン
(28)の頭部とバックプレート(27)間に装着した押圧
発条(31)の付勢力により、固定ピン(28)が固定穴
(30)から離脱し、太陽歯車(26)の固定が解除可能と
なる。
(58)を介してボールねじ機構(16)のボールねじナッ
ト(34)を、回動可能で進退動不能に収納している。こ
のボールねじナット(34)は、遊星腕(18)の径大部
(21)側に配置した後端外周に、太陽歯車(26)よりも
歯数の少ない減速歯車(35)を固定している。この減速
歯車(35)を、前記遊星歯車(23)の第2歯車部(25)
に噛合し、遊星歯車(23)の回動によってボールねじナ
ット(34)の回動を可能としている。そして、このボー
ルねじナット(34)の内径側に設けたボール溝(36)
に、複数のボール(37)を介してボールねじ軸(38)を
進退動可能に螺合している。
摩擦パッド(3)の押圧部材として、平板状のパッド押圧
板(40)を互いに分離不能に接続している。このパッド
押圧板(40)にて、摩擦パッド(3)を、広い面積で一部
に押圧力を集中する事なく押圧して、ディスクロータ
(1)に平行に押し付け可能としている。
(40)の外周とシリンダ(14)の内周との間に、伸縮可
能なダストシール(47)を接続して、シリンダ(14)の
開口部(45)を被覆し、シリンダ(14)内への塵埃や水
滴、小石等の侵入を防止可能としている。このシリンダ
(14)内部のシール性を更に高めるため、本発明では、
前記ボールねじ軸(38)とパッド押圧板(40)との接続
を、以下に示す如く行っている。
8)は、内部を中空形状に形成し、中空部(41)を設け
るとともに、摩擦パッド(3)側に取付ねじ(42)を固定
する固定壁(49)を形成する。また、パッド押圧板(4
0)の背面に、袋穴状の取付穴(43)を凹設する。そし
て、ボールねじ軸(38)の中空部(41)側から、前記パ
ッド押圧板(40)の取付穴(43)に、ボールねじ軸(3
8)の固定壁(49)を介して取付ねじ(42)を螺合し、
ボールねじ軸(38)とパッド押圧板(40)とを接続して
いる。
圧板(40)には、シリンダ(14)内部と摩擦パッド(3)
側の外部とを連通する穴等が何ら形成される事はない
し、該パッド押圧板(40)とボールねじ軸(38)との接
続が、パッド押圧板(40)及びダストシール(47)で被
覆された空間内で行われるものとなる。従って、シリン
ダ(14)の開口部(45)のシール性が向上し、摩擦パッ
ド(3)側からのシリンダ(14)内への微細な塵埃や少量
の水滴の侵入も確実に防ぐ事ができる。また、パッド押
圧板(40)とボールねじ軸(38)との接続を、キャリパ
ボディ(8)の後部側から行えるので、組み付け性やメン
テナンス性も向上するものである。
の外表面の熱伝導を低くするため、キャリパボディ(8)
を、電動モータ(15)の摩擦パッド(3)側と減速ギア機
構(17)側で3分割可能に形成し、各パーツ間に、図1
に示す如く、キャリパボディ(8)よりも熱伝導率の低い
断熱材製の断熱リング部材(46)を挿入配置している。
この断熱リング部材(46)により、摩擦パッド(3)(4)
の制動熱が、キャリパボディ(8)の外表面を介して電動
モータ(15)や減速ギア機構(17)に伝達されるのを防
止可能となるとともに、電動モータ(15)の駆動熱が、
減速ギア機構(17)に伝達されるのも防ぐ事ができる。
パボディ(8)の本体を分割形成して、各パーツ間に挿入
配置しているので、キャリパボディ(8)内部に断熱部材
を設ける場合と比較して、組み付けが容易であり、生産
性に影響を与える事はない。また、分割形成によりキャ
リパボディ(8)の内部への各種部品の組み付け性やメン
テナンス性を向上させる事ができる。
ールねじ軸(38)の先端に荷重センサ(48)を設けて、
摩擦パッド(3)に掛かる荷重を検知可能としている。そ
して、荷重センサ(48)と検知器本体(図示せず)とを接
続するハーネス(50)を、図1に示す如く、ボールねじ
軸(38)の中空部(41)に挿通させている。また、ハー
ネス(50)は、ボールねじ軸(38)の進退動の移動距離
に合わせて、余裕を持たせた長さで中空部(41)に配置
している。ところが、この余裕部分の弛みが、部品相互
の隙間に入り込んで、引掛かりや切断を生じる虞があ
る。
く、ハーネス(50)を引張り発条(51)にて引張り付勢
し、弛み部分を常に中空部(41)に配置して、中空部
(41)の外ではハーネス(50)が常に張った状態となる
ようにしている。そして、ボールねじ軸(38)が摩擦パ
ッド(3)方向に前進して、ハーネス(50)に引張り力が
加わっても、引張り発条(51)が伸張するので、ハーネ
ス(50)が切断されたり、ボールねじ軸(38)の前進が
阻害される事はない。また、ボールねじ軸(38)が後退
すると、引張り発条(51)が復元収縮するので、ハーネ
ス(50)が中空部(41)以外の位置で弛む事はない。
く、遊星腕(18)の径大部(21)の後端面に臨ませて、
前記バックプレート(27)に、パーキング機構のソレノ
イド(54)を設けている。そして、車両の駐車時に、摩
擦パッド(3)(4)により制動を行って、ソレノイド(5
4)を作動すると、係止ピン(55)が、遊星腕(18)の
径大部(21)端面に設けた係止穴(56)に係合する。こ
の係合により、遊星腕(18)が回動不能に固定され、摩
擦パッド(3)(4)による制動を維持する事ができる。ま
た、バックプレート(27)外周に、被覆カバー(44)を
装着して、ソレノイド(54)やバックプレート(27)、
その他を外的衝撃から保護している。
(3)(4)によるディスクロータ(1)の押圧を調整して、
適切な制動を可能とするため、前記遊星腕(18)の回転
角を検出する回転角センサを設け、この回転角センサで
検出した回転角により、ブラシレス型の電動モータ(1
5)の駆動を制御したり、ボールねじ軸(38)の進退量
を算出可能としている。そして、本発明では、前述の如
く、遊星腕(18)の径大部(21)に設けた突起部(52)
を、回転角センサのロータとして使用する。そして、図
2、図3に示す如く、前記突起部(52)の外周に臨ませ
て、シリンダ(14)の内周面に、コイル(19)を円周状
に配置してステータを設けている。
大部(21)が回動する事により、突起部(52)の存在に
よって波形の出力電圧を発生するので、突起部(52)と
コイル(19)とで構成する回転角センサにて遊星腕(1
8)の回転角を検知可能となるものである。このよう
に、遊星腕(18)の径大部(21)をロータとする事がで
きるので、遊星腕(18)とは別個に回転角センサ用のロ
ータを設ける必要がなく、部品点数や組み付け工数の増
加を防ぐ事ができる。
小限に抑える事が可能となるとともに、本実施例では、
更に電動モータ(15)をキャリパボディ(8)に内蔵し、
更に前記遊星歯車(23)等の減速ギア機構(17)を電動
モータ(15)の内側ではなく、電動モータ(15)よりも
後部側に配置している。従って、キャリパボディ(8)が
長尺にも径大にもならず、コンパクトな形成が可能とな
り、電気式ディスクブレーキをタイヤホイール(5)の内
側に設置する際のレイアウトの自由度が増すものとな
る。
ーキでは、自動車の運転者がブレーキペダルを踏み込ん
で制動操作を行うと、この踏み込み量に応じて電動モー
タ(15)が駆動し、遊星腕(18)がシリンダ(14)内を
回動する。この遊星腕(18)の回動により、径大部(2
1)に軸支され、太陽歯車(26)に第1歯車部(24)を
噛合する遊星歯車(23)が、太陽歯車(26)の外周を回
動する。この遊星歯車(23)の回動により、第2歯車部
(25)に減速歯車(35)を噛合するボールねじナット
(34)が回動される。
り、回動力がボールねじ軸(38)の摩擦パッド(3)方向
への前進力に変換され、パッド押圧板(40)を介して作
用部(10)側の摩擦パッド(3)を押圧摺動し、ディスク
ロータ(1)に押し付ける。更に、ボールねじ軸(38)の
摺動の反力で、キャリパボディ(8)が後退し、反作用部
(12)の反力爪(11)が、反作用部(12)側の摩擦パッ
ド(4)を押圧摺動し、ディスクロータ(1)に押し付ける
事により、制動が行われる。
の作用により、電動モータ(15)の駆動力は、効率的に
減速されて、摩擦パッド(3)(4)の強い押圧力に変換可
能となり、効果的な制動が可能となる。そして、制動時
の遊星腕(18)の回転角を、回転角センサにて検出する
事により、ボールねじ軸(38)の進退量を算出可能とな
り、この進退量及び荷重センサ(48)により検出される
摩擦パッド(3)(4)の押圧力等のデータを基に電動モー
タ(15)の駆動の制御を行って、摩擦パッド(3)(4)の
押圧摺動の調整等、電気式ブレーキの適切な作動を可能
としている。
ねじ軸(38)の前進時の移動量を算出する手段を、減速
ギア機構(17)による減速作用をふまえて説明すると、
例えば、太陽歯車(26)の歯数を72、この太陽歯車
(26)と噛合する遊星歯車(23)の第1歯車部(24)の
歯数を15、第2歯車部(25)の歯数を12、この第2
歯車部(25)と噛合するボールねじナット(34)の減速
歯車(35)の歯数を60とする。
8)が一方向に一回転すると、遊星腕(18)に軸支した
遊星歯車(23)が、太陽歯車(26)の外周を一方向に一
周する。この場合、太陽歯車(26)の歯数は72で、第
1歯車部(24)の歯数は15であるから、遊星歯車(2
3)は、太陽歯車(26)の外周を一周する際に、一方向
に72歯/15歯=4.8回転する。即ち、第1歯車部
(24)と同軸の第2歯車部(25)も、一方向に4.8回
転する。(第2歯車部(25)の歯数は12であるから、
一周では4.8回転×12歯=57.6歯分の変位とな
る。)
腕(18)の回転により、一方向への回転力(60歯分)が
作用する。また、ボールねじナット(34)の減速歯車
(35)と噛合する第2歯車部(25)により、減速歯車
(35)には、一方向とは逆方向に、4.8×(12歯/
60歯)=0.96回転の回転力が作用する(歯数では、
前記57.6歯分)。この一方向と逆方向への回転力を
合成すると、1+(−0.96)=0.04回転となる
(歯数での計算では、減速歯車(35)は、60歯+(−5
7.6)=2.4歯分、一方向に変位し、減速歯車(3
5)は60歯だから、2.4歯/60歯=0.04回転
となる)。従って、遊星腕(18)の一方向への一回転に
対して、ボールねじナット(34)が、同一方向に0.0
4回転するものとなり、25:1の比率で減速が行われ
る。
より検出される遊星腕(18)の回転角と、ボールねじ軸
(38)やボールねじナット(34)の寸法を基に、ボール
ねじ軸(38)の前進時の移動量を算出する事ができる。
すると、電動モータ(15)の制御により遊星腕(18)が
逆回転し、遊星歯車(23)を介してボールねじナット
(34)が、先の回転とは逆方向に回転するので、ボール
ねじ軸(38)が後退し、摩擦パッド(3)の押圧が解除さ
れる。また、このボールねじ軸(38)後退の反力によ
り、キャリパボディ(8)も復元方向に摺動し、反作用部
(12)側の摩擦パッド(4)の押圧が解除されるので、制
動が解除されるものである。また、この制動解除の際の
遊星腕(18)の回転角を回転角センサで検出する事によ
り、ボールねじ軸(38)の後退時の移動量が算出可能と
なり、制動制御のデータとして使用されるものとなる。
と遊星歯車(23)とを径大部(21)の外周の三箇所に設
ける事により、三角形状の径大部(21)としているが、
他の異なる第2実施例では、図5に示す如く、突起部
(52)及び遊星歯車(23)を径大部(21)の外周に等間
隔で二箇所に設け、楕円形状の径大部(21)としてい
る。このような構成では、三箇所に遊星歯車(23)を設
けた第1実施例に比べ、使用する遊星歯車(23)の数や
組み付けの手間が減り、遊星腕(18)の形成が容易とな
るし、より軽量な遊星腕(18)を得る事ができる。
示す如く、突起部(52)及び遊星歯車(23)を径大部
(21)に等間隔で四箇所に設け、十文字形状の径大部
(21)としている。この構成では、第1、第2実施例に
比べて、部品点数や組み付けの手間は掛かるが、遊星歯
車(23)が太陽歯車(26)の外周を回動する際の回動安
定性がより高まるとともに、出力電圧の波形が、より密
な正弦波となり、遊星腕(18)の回転角の検出精度が高
まるものとなる。
退動機構の進退量を検出するための回転角センサを、電
動モータの駆動力を減速して進退動機構に伝達する減速
ギア機構の遊星腕をロータとし、この遊星腕の外周に設
けた突起部に臨ませて配置したコイルをステータとして
構成している。このように、遊星腕をロータとして使用
が可能で、回転角センサのためのロータを別個にキャリ
パボディに設ける必要がないから、部品点数や組み付け
の手間が増える事がなく、回転角センサを簡易かつ廉価
に形成可能となる。更に、回転角センサの設置スペース
を最小限に抑える事ができるので、キャリパボディをコ
ンパクトに形成する事が可能となり、電気式ディスクブ
レーキ設置時のレイアウトの自由度が高まるものとな
る。
て設置した電気式ディスクブレーキの横断面図。
とハーネスとを省略したものである。
た回転角センサの断面図で、太陽歯車の固定ピンとハー
ネスとを省略したものである。
た回転角センサの断面図で、太陽歯車の固定ピンとハー
ネスとを省略したものである。
Claims (3)
- 【請求項1】 電動モータの駆動力で進退動し摩擦パッ
ドの押圧部材に押圧力を発生させる進退動機構と、この
進退動機構に電動モータの駆動力を減速して伝達する減
速ギア機構をキャリパボディに設け、前記進退動機構に
よりディスクロータに摩擦パッドを押圧摺動させて制動
を行う電気式ディスクブレーキに於いて、前記減速ギア
機構を、電動モータにより回動可能な遊星腕と、この遊
星腕の外周に回動可能に軸支される遊星歯車と、キャリ
パボディに回動不能に固定され、前記遊星歯車を回動さ
せる太陽歯車とで構成し、前記遊星腕の外周に設けた突
起部と、この突起部の外周に臨ませて円周状に配置した
コイルとで回転角センサを形成し、突起部の通過に伴っ
てコイルに波形の出力電圧を発生させ、この波形の出力
電圧で遊星腕の回転角を検知し、前記進退動機構の進退
量を算出可能とする事を特徴とする電気式ディスクブレ
ーキ。 - 【請求項2】 減速ギア機構の遊星歯車は、遊星腕外周
に設けた突起部に回動可能に軸支した事を特徴とする請
求項1の電気式ディスクブレーキ。 - 【請求項3】 進退動機構は、減速ギア機構の遊星歯車
よりも径大で遊星歯車の回動によって回動するボールね
じナットと、このボールねじナットの回動により、ディ
スク軸の方向に進退動するボールねじ軸とから成り、遊
星歯車にて径大なボールねじナットを回動する事によ
り、減速ギア機構から伝達される回動力を更に減速し
て、ボールねじ軸を介して押圧部材に押圧力を発生させ
る事を特徴とする請求項1又は2の電気式ディスクブレ
ーキ。
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JP3795420B2 JP3795420B2 (ja) | 2006-07-12 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007514907A (ja) * | 2003-12-17 | 2007-06-07 | ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング | 自動車の自動駐車ブレーキの作動を監視する方法及び装置 |
JP2008286284A (ja) * | 2007-05-16 | 2008-11-27 | Nissin Kogyo Co Ltd | 電動式ブレーキ装置 |
CN108749801A (zh) * | 2018-07-19 | 2018-11-06 | 宁波拓普智能刹车系统有限公司 | 一种集成式电控制动助力系统的减速机构 |
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-
2002
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