JP2003286184A - ユーカリプトゥス・シトリオドラおよびシーナラ・スコリムスの水抽出物を有効成分とする抗アレルギー剤およびこれを含有する食品 - Google Patents

ユーカリプトゥス・シトリオドラおよびシーナラ・スコリムスの水抽出物を有効成分とする抗アレルギー剤およびこれを含有する食品

Info

Publication number
JP2003286184A
JP2003286184A JP2002095786A JP2002095786A JP2003286184A JP 2003286184 A JP2003286184 A JP 2003286184A JP 2002095786 A JP2002095786 A JP 2002095786A JP 2002095786 A JP2002095786 A JP 2002095786A JP 2003286184 A JP2003286184 A JP 2003286184A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
type
allergic
eucalyptus citriodora
antiallergic agent
mixture
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002095786A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiaki Fujii
利秋 藤井
Masayuki Yamada
正之 山田
Hironori Murase
博宣 村瀬
Hirokazu Nagai
博弌 永井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
CCI Corp
Original Assignee
CCI Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by CCI Corp filed Critical CCI Corp
Priority to JP2002095786A priority Critical patent/JP2003286184A/ja
Publication of JP2003286184A publication Critical patent/JP2003286184A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)
  • Medicines Containing Plant Substances (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 I型アレルギーの即時型、遅発型および超遅
発型の炎症反応のすべてに対し優れた抑制作用を有し、
かつ副作用がなく長期間の服用および摂取が可能な抗ア
レルギー剤および食品を提供する。 【解決手段】 ユーカリプトゥス・シトリオドラおよび
シーナラ・スコリムスの水抽出物を有効成分とする抗ア
レルギー剤およびこれを含有する食品である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ユーカリプトゥス
・シトリオドラ(Eucalyptus citrio
dora)およびシーナラ・スコリムス(Cynara
scolymus)の水抽出物を有効成分とする抗ア
レルギー剤およびこれを含有する食品に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、生活環境や食生活の変化等により
アレルギー性疾患が急増しており、社会問題となってい
る。特に、春先の花粉症や、若年層から成人に至るまで
広がりを見せるアトピー性皮膚炎等は、日常生活に支障
をきたすほど重篤な症状を伴うケースがあり、また、都
市部の学童において有症率が増加している喘息疾患にあ
っては、悪化すれば死にもつながる疾病である。
【0003】アレルギーは、その発症メカニズムによっ
てI型からIV型まで4つのタイプに分類される。この
うち、I型アレルギーは、抗原との反応によりIgE感
作肥満細胞が活性化されて脱顆粒を生じ、ヒスタミン等
の化学伝達物質を放出することにより引き起こされるも
のであり、全身性ではアナフィラキシーショック、局所
性ではアレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、気管支
喘息、蕁麻疹、アトピー性皮膚炎等がこれに該当する。
最近、予め抗原特異的IgEで全身的に受動感作したマ
ウスの耳介に後日抗原を塗布すると、三相からなる耳介
浮腫が起こることが報告されている(Pharmaco
logy 2000;60:97−104)。I型アレ
ルギー反応モデルであるこのマウスIgE依存性三相性
皮膚反応モデルでは、抗原刺激から1時間後に起こる一
相目の即時型炎症反応は肥満細胞からの化学伝達物質の
遊離が、24時間後に起こる二相目の遅発型炎症反応は
免疫細胞およびサイトカインが、および8日後に起こる
三相目の超遅発型炎症反応は好酸球の浸潤が、それぞれ
関与していると考えられている。従って、アレルギー性
疾患を予防および治療するには、上記反応のいずれかの
段階を抑制することが必要であり、かかる観点から、現
在までに種々の抗アレルギー剤が開発され市販されてい
るが、いずれも有効性や副作用の面において満足のいく
ものではなかった。特に、I型アレルギーについて、即
時型、遅発型および超遅発型の炎症反応のすべてに対し
て有効な抗アレルギー剤の開発が望まれていた。
【0004】一方、ユーカリプトゥス・シトリオドラ
は、フトモモ科ユーカリ属の常緑高木である。ユーカリ
属は、オーストラリア、スペイン等を原産地として、約
300種が知られており、そのうち数種のユーカリ属か
ら抽出される精油(ユーカリ油)は強力な殺菌作用等を
有し古くから医療用に用いられている。また、シーナラ
・スコリムスは、キク科チョウセンアザミ(キナラ)属
の宿根草であり、薬用ハーブとして古くから食用および
医療用途に利用されており、肝臓保護、胆嚢保護、腎臓
機能障害、血糖値低下、高コレステロール動脈硬化、貧
血症、糖尿病等に対する効能が知られている。しかし、
本発明で利用されるユーカリプトゥス・シトリオドラお
よびシーナラ・スコリムスの水抽出物の混合物が抗アレ
ルギー作用を有すること、およびこれを抗アレルギー剤
および食品として利用することは知られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来技術
の有する問題点に鑑みなされたものであり、その目的と
するところは、副作用がなく優れた抗アレルギー作用を
有する抗アレルギー剤およびこれを含有する食品を提供
することにある。
【0006】本発明の他の目的は、優れたI型アレルギ
ー抑制作用を有し、特にI型アレルギーの即時型、遅発
型および超遅発型の炎症反応のすべてを顕著に抑制する
抗アレルギー剤および食品を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、アレルギ
ー性疾患について鋭意研究を重ねた結果、ユーカリプト
ゥス・シトリオドラの水抽出物が、優れた抗アレルギー
作用を有し、特にI型アレルギー反応のうち即時型炎症
反応を顕著に抑制すること、シーナラ・スコリムスの水
抽出物が、優れた抗アレルギー作用を有し、特にI型ア
レルギー反応のうち遅発型および超遅発型炎症反応を顕
著に抑制すること、およびこれらの抽出物の混合物が抗
アレルギー剤および食品として有用であることを見出し
本発明を完成させた。
【0008】即ち、本発明は、ユーカリプトゥス・シト
リオドラ(Eucalyptuscitriodor
a)およびシーナラ・スコリムス(Cynara sc
olymus)の水抽出物を有効成分とする抗アレルギ
ー剤である。
【0009】本発明はまた、前記ユーカリプトゥス・シ
トリオドラはブラジル産ユーカリプトゥス・シトリオド
ラである前記抗アレルギー剤である。
【0010】本発明はまた、前記シーナラ・スコリムス
はブラジル産シーナラ・スコリムスである前記抗アレル
ギー剤である。
【0011】本発明はまた、I型アレルギー抑制作用を
有する前記抗アレルギー剤である。
【0012】本発明はまた、I型アレルギーの即時型、
遅発型および超遅発型炎症反応を抑制する前記抗アレル
ギー剤である。
【0013】本発明はまた、アレルギー性鼻炎、アレル
ギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎および喘息の予防また
は治療剤である前記抗アレルギー剤である。
【0014】本発明はまた、前記抗アレルギー剤を含有
する食品である。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の抗アレルギー剤は、ユー
カリプトゥス・シトリオドラ(Eucalyptus
citriodora)およびシーナラ・スコリムス
(Cynarascolymus)の水抽出物を有効成
分とするものである。ユーカリプトゥス・シトリオドラ
は、フトモモ科ユーカリ属の常緑高木であり、オースト
ラリア、南米諸国、中国等の生産地のものがあるが、こ
れらの中では、特にブラジル産のものが好ましい。ま
た、シーナラ・スコリムスは、別名アーティチョークま
たはチョウセンアザミともいわれる薬用ハーブの1種で
あり、キク科チョウセンアザミ(キナラ)属の宿根草で
ある。シーナラ・スコリムスは、ヨーロッパ、北アフリ
カおよび北南米各地で広く商業生産されているが、これ
らの中では、特にブラジル産のものが好ましい。
【0016】本発明で用いる抽出物は、ユーカリプトゥ
ス・シトリオドラおよびシーナラ・スコリムスの葉の乾
燥物をそれぞれ水抽出することにより製造することがで
きる。すなわち、まず、ユーカリプトゥス・シトリオド
ラまたはシーナラ・スコリムスの葉の乾燥物1kgに対
し50〜100lの水を加え、4〜120℃の温度下で
0.5時間〜2週間攪拌する。ついで、上澄み液を分離
しエバポレーター、スプレードライヤー、凍結乾燥機等
を用いることにより乾燥物として抽出物を得ることがで
きる。本発明の抗アレルギー剤は、ユーカリプトゥス・
シトリオドラおよびシーナラ・スコリムスの抽出物の混
合物を利用するものであるが、前記混合物は、上記製造
方法により個別に得られたユーカリプトゥス・シトリオ
ドラの抽出物とシーナラ・スコリムスの抽出物を混合し
て得られたものであってもよいし、ユーカリプトゥス・
シトリオドラとシーナラ・スコリムスの葉の混合物から
上記方法により同時に抽出して得られたものであっても
よい。前記混合物におけるユーカリプトゥス・シトリオ
ドラおよびシーナラ・スコリムスの抽出物の混合比は質
量比で1:1〜10:1、好ましくは1:1〜5:1が
よい。前記混合比がかかる範囲から逸脱してユーカリプ
トゥス・シトリオドラの抽出物の比率が低くなると、I
型アレルギーのうち即時型炎症反応の抑制効果が低くな
り、反対にシーナラ・スコリムスの抽出物の比率が低く
なると、I型アレルギーのうち遅発型および超遅発型炎
症反応の抑制効果が低くなり、いずれも好ましくないか
らである。
【0017】本発明の抗アレルギー剤は、前記混合物を
単体で、または錠剤、丸剤、散剤、粉剤、顆粒剤、シロ
ップ剤、液剤、懸濁剤、乳剤、カプセル剤等として患者
に経口投与できる。また、注射剤として静脈内、筋肉
内、皮内、皮下、腹腔内、動脈内、脊髄腔内等に投与で
きる。さらに、点眼剤、点鼻剤、噴霧剤、吸入剤等とし
て直接患部およびその周辺部位に局所的に投与すること
もできるし、軟膏、クリーム、粉状もしくは液状塗布
剤、貼付剤等の外用剤として経皮的に投与しても良い。
上述したうち、好ましい製剤形態や投与形態等は、患者
の年齢、性別、体質、症状、処置時期等に応じて、医師
によって適宜選択される。
【0018】本剤を錠剤、丸剤、散剤、粉剤、顆粒剤等
の固形製剤とする場合には、前記混合物を、常法に従っ
て適当な添加剤、例えば、乳糖、ショ糖、マンニット、
トウモロコシデンプン、合成もしくは天然ガム、結晶セ
ルロース等の賦形剤、デンプン、セルロース誘導体、ア
ラビアゴム、ゼラチン、ポリビニルピロリドン等の結合
剤、カルボシキメチルセルーロースカルシウム、カルボ
シキメチルセルーロースナトリウム、デンプン、コーン
スターチ、アルギン酸ナトリウム等の崩壊剤、タルク、
ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム等
の滑沢剤、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、リン酸カ
ルシウム、リン酸ナトリウム等の充填剤または希釈剤等
と適宜混合して製造することができる。錠剤等は、必要
に応じて適当な被覆用基剤を用いて、糖衣、ゼラチン、
腸溶被覆、フイルムコーティング等を施しても良い。
【0019】本剤を注射剤、点眼剤、点鼻剤、吸入剤、
噴霧剤、ローション剤、シロップ剤、液剤、懸濁剤、乳
剤等の液状製剤とする場合には、前記混合物を、精製
水、リン酸緩衝液等の適当な緩衝液、生理的食塩水、リ
ンゲル溶液、ロック溶液等の生理的塩類溶液、カカオバ
ター、ゴマ油、オリーブ油等の植物油、鉱油、高級アル
コール、高級脂肪酸、エタノール等の有機溶媒等に溶解
して、必要に応じてコレステロール等の乳化剤、アラビ
アゴム等の懸濁剤、分散助剤、浸潤剤、ポリオキシエチ
レン硬化ヒマシ油系、ポリエチレングリコール系等の界
面活性剤、リン酸ナトリウム等の溶解補助剤、糖、糖ア
ルコール、アルブミン等の安定化剤、パラベン等の保存
剤、塩化ナトリウム、ブドウ糖、グリセリン等の等張化
剤、緩衝剤、無痛化剤、吸着防止剤、保湿剤、酸化防止
剤、着色剤、甘味料、フレーバー、芳香物質等を適宜添
加することにより、滅菌された水溶液、非水溶液、懸濁
液、リポソームまたはエマルジョン等として調整でき
る。この際、液状製剤は、生理学的なpH、好ましくは
6〜8の範囲内のpHを有することが好ましい。
【0020】本剤を、ローション剤、クリーム剤、軟膏
等の半固形製剤とするには、前記混合物を脂肪、脂肪
油、ラノリン、ワセリン、パラフィン、蝋、硬膏剤、樹
脂、プラスチック、グリコール類、高級アルコール、グ
リセリン、水、乳化剤、懸濁化剤等と適宜混和すること
により製造することができる。
【0021】本発明の抗アレルギー剤に含まれる前記混
合物の含有量は、投与形態、重篤度や目的とする投与量
などによって様々であるが、一般的には、製剤の全質量
に対して0.1〜100質量%、好ましくは5〜100
質量%である。
【0022】また、本発明の抗アレルギー剤の投与量
は、患者の年齢、体重及び症状、目的とする投与形態や
方法、治療効果、および処置期間等によって異なり、正
確な量は医師により決定されるものであるが、通常、本
剤が経口投与される場合には、前記混合物の投与量換算
で、成人に対し1日当り0.1〜2000mgを1回ま
たは数回に分けて投与する。
【0023】本発明の抗アレルギー剤は、優れたI型ア
レルギー抑制作用を有し、I型アレルギー反応によるサ
イトカイン産生、炎症性細胞浸潤等の諸症状の発現を抑
制し、これにかかわる諸症状を改善する。従って、本発
明の抗アレルギー剤は、I型アレルギー反応が関与する
各疾患、例えば、アナフィラキシーショック、アレルギ
ー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、気管支喘息、蕁麻疹、
アトピー性皮膚炎等の予防および治療に用いることがで
きる。特に、本発明の抗アレルギー剤は、マウスIgE
依存性三相性皮膚反応モデルにおける一相目の即時型、
二相目の遅発型および三相目の超遅発型の炎症反応のす
べてを顕著に抑制することから、I型アレルギーのうち
即時的に発現する炎症反応、例えば花粉症等によるアレ
ルギー性鼻炎やアレルギー性結膜炎等の予防および治療
に対しても、I型アレルギーのうち長く続いて慢性化す
るような炎症反応、例えばアトピー性皮膚炎や喘息等の
予防および治療に対していずれも有効である。
【0024】また、本発明の食品は、前記混合物を含有
するものである。具体的には、前記混合物を含有する
飴、チューインガム、牛乳、ヨーグルト、乳清飲料、乳
酸菌飲料、ジュース、飲料、アイスクリーム、プディン
グ、水ようかん等とすることができる。本発明の食品
は、前記混合物に、ブドウ糖、果糖、ショ糖、マルトー
ス、ソルビトール、ステビオサイド、ルブソサイド、コ
ーンシロップ、乳糖、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コ
ハク酸、乳酸、L−アスコルビン酸、dl−α−トコフ
ェロール、エリソルビン酸ナトリウム、グリセリン、プ
ロピレングリコール、グリセリン脂肪酸エステル、ポリ
グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソ
ルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸
エステル、アラビアガム、カラギーナン、カゼイン、ゼ
ラチン、ペクチン、寒天、ビタミンB類、ニコチン酸ア
ミド、パントテン酸カルシウム、アミノ酸類、カルシウ
ム塩類、色素、香料、保存剤等の通常食品原料として使
用されるものを適宜配合することにより製造することが
できる。
【0025】
【実施例】次に、本発明の抗アレルギー剤および食品
を、実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこ
れに限定されるものではない。
【0026】[実施例1]ユーカリプトゥス・シトリオドラおよびシーナラ・スコ
リムスの水抽出物の製造 乾燥させたユーカリプトゥス・シトリオドラおよびシー
ナラ・スコリムスの葉それぞれ20gにそれぞれ水20
00mlを加え、95℃の加熱下において3時間攪拌
し、上澄み液を減圧下濃縮乾固して、乾燥物としてそれ
ぞれ4.5gおよび7.4gの抽出物を得た。
【0027】[実施例2]マウスIgE依存性三相性皮膚反応試験 7週齢の雌性BALB/c系マウス(体重17〜21
g、1群6匹)にマウスモノクロナール免疫グロブリン
E(MMCE)1.0mlを静脈内投与して受動的に全
身感作させた。24時間後に0.15%のジニトロフル
オロベンゼン溶液25μlを両耳介の表裏に塗布して反
応を惹起させた。混合物は、実施例1で得られた抽出物
を所定量ずつ混合したものを反応惹起1時間前に経口投
与し、以後、1日1回の頻度で連日投与した。ジニトロ
フルオロベンゼン塗布前、および塗布後所定時間経過後
の耳介の厚さをダイヤルシックネスゲージ(尾崎製作
所)を用いて測定することにより評価した。抑制率は下
記式(1)により算出した。結果を表1に示す。
【0028】
【数1】
【0029】
【表1】
【0030】表1より、実施例1の抽出物の混合物は、
肥満細胞からの脱顆粒が関与する一相目の即時型、免疫
細胞およびサイトカインが関与する二相目の遅発型、お
よび好酸球の浸潤が関与する三相目の超遅発型の炎症反
応のすべてを抑制することがわかった。
【0031】[実施例3]アレルギー性鼻炎有効性確認試験 実施例1と同様の方法で得られたユーカリプトゥス・シ
トリオドラの抽出物80mgおよびシーナラ・スコリム
スの抽出物40mgを2号カプセルに充填してカプセル
剤を得た。得られたカプセル剤を、花粉症によるアレル
ギー性鼻炎患者29名(男性22名、女性7名、年齢2
0〜50歳)に、1錠ずつ1日3回、2週間投与した。
投与開始前の症状に対する投与終了後の症状の改善度に
ついて、患者にアンケートを行った。改善度は、症状が
消失したかまたはほぼ消失した場合を「著明改善」、症
状がかなり改善した場合を「中等度改善」、症状が多少
軽減した場合を「軽度改善」、症状が変わらない場合を
「不変」、症状が悪くなった場合を「悪化」とする、5
段階の判断基準とした。アンケートの回答結果を表2に
示す。
【0032】
【表2】
【0033】表2より、約7割の患者が症状が改善した
と回答しており、実施例1の抽出物の混合物は、花粉症
によるアレルギー性鼻炎の諸症状を改善する効果がある
ことがわかった。
【0034】[実施例4]散剤の製造 実施例1と同様の方法で得られたユーカリプトゥス・シ
トリオドラの抽出物およびシーナラ・スコリムスの抽出
物を2:1の質量比で混合して混合物を得た。得られた
混合物100g、乳糖800gおよびトウモロコシデン
プン100gをブレンダーで混合して散剤を得た。
【0035】[実施例5]顆粒剤の製造 実施例4で得られた混合物100g、乳糖450gおよ
び低置換度ヒドロキシプロピルセルロース100gを混
合した後、10%ヒドロキシプロピルセルロース水溶液
350gを加えて混練した。これを押出し造粒機を用い
て造粒、乾燥して顆粒剤を得た。
【0036】[実施例6]錠剤の製造 実施例4で得られた混合物100g、乳糖550g、ト
ウモロコシデンプン215g、結晶セルロース130g
およびステアリン酸マグネシウム5gをブレンダーで混
合した後、錠剤機で打錠して錠剤を得た。
【0037】[実施例7]カプセル剤の製造 実施例4で得られた混合物10g、乳糖110g、トウ
モロコシデンプン58gおよびステアリン酸マグネシウ
ム2gをV型混合機を用いて混合した後、3号カプセル
に180mgずつ充填してカプセル剤を得た。
【0038】[実施例8]注射剤の製造 実施例4で得られた混合物200mgおよびグルコース
100mgを精製水2mlに溶解した後濾過し、濾液を
2mlアンプルに分注、封入した後滅菌して注射剤を得
た。
【0039】[実施例9]ローション剤の製造 実施例4で得られた混合物1g、エタノール3g、ヒド
ロキシエチルセルロース0.2gおよびパラオキシ安息
香酸メチル0.1gを精製水100mlに混合溶解して
ローション剤を得た。
【0040】[実施例10]点眼剤の製造 実施例4で得られた混合物200mgおよびグルコース
100mgを精製水2mlに溶解した後濾過し、濾液を
2mlアンプルに分注、封入した後滅菌して点眼剤を得
た。
【0041】[実施例11]軟膏剤の製造 実施例4で得られた混合物2g、流動パラフィン6g、
ミツロウ2g、自己乳化型モノステアリン酸グリセリド
3gおよび白色ワセリン5gを加温して溶解、分散さ
せ、軟膏剤を得た。
【0042】[実施例12]クリーム剤の製造 実施例4で得られた混合物2gを、モノステアリン酸グ
リセリド2g、ステアリルアルコール4g、オクチルド
デカノール2gおよびモノオレイン酸ポリオキシエチレ
ンソルビタン5gに加温しながら分散させ、これにパラ
オキシ安息香酸メチル0.1g、グリセリン5g及び精
製水60gを加温して溶解させたものを加え、高速攪拌
により乳化、冷却し、クリーム剤を得た。
【0043】[実施例13]飴の製造 実施例4で得られた混合物0.1g、グラニュー糖50
g、水飴48g、クエン酸1.5g、香料0.2gおよ
び色素0.2を加熱下混合して冷却固化し、飴を得た。
【0044】[実施例14]アイスクリームの製造 実施例4で得られた混合物0.1g、生クリーム34
g、グラニュー糖16g、脱脂粉乳12g、卵黄1g、
バニラエッセンス0.1gおよび36.8gを混合し泡
立て器で泡立てて、冷凍庫で5時間冷却固化し、アイス
クリームを得た。
【0045】[実施例15]ジュースの製造 実施例4で得られた混合物0.1g、濃縮みかん果汁1
0g、果糖ブドウ糖液糖12g、クエン酸0.2g、L
−アスコルビン酸0.1g、香料0.2g、色素0.1
gおよび水77.3gを攪拌混合して、ジュースを得
た。
【0046】
【発明の効果】上述したように、本発明の抗アレルギー
剤は、ユーカリプトゥス・シトリオドラおよびシーナラ
・スコリムスの水抽出物を有効成分とするので、I型ア
レルギーの即時型、遅発型および超遅発型の炎症反応の
すべてを顕著に抑制する。しかも、副作用がなく長期間
の服用や摂取が可能である。従って、本発明の抗アレル
ギー剤は、即時型、遅発型および超遅発型のすべての炎
症反応を含むI型アレルギーの関与する疾患の予防およ
び治療に用いた場合、ならびに食品として利用した場合
に極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 17/04 A61P 17/04 27/14 27/14 37/08 37/08 (72)発明者 永井 博弌 岐阜県岐阜市長良竜東町3丁目55番地 Fターム(参考) 4B018 MD61 ME07 MF01 4C088 AB26 AB57 AC05 BA09 CA05 MA07 MA16 MA28 MA35 MA37 MA52 ZA33 ZA34 ZA59 ZA89 ZB02 ZB05 ZB13

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ユーカリプトゥス・シトリオドラ(Eu
    calyptuscitriodora)およびシーナ
    ラ・スコリムス(Cynara scolymus)の
    水抽出物を有効成分とする抗アレルギー剤。
  2. 【請求項2】 前記ユーカリプトゥス・シトリオドラは
    ブラジル産ユーカリプトゥス・シトリオドラである請求
    項1に記載の抗アレルギー剤。
  3. 【請求項3】 前記シーナラ・スコリムスはブラジル産
    シーナラ・スコリムスである請求項1または2に記載の
    抗アレルギー剤。
  4. 【請求項4】 I型アレルギー抑制作用を有する請求項
    1〜3のいずれか1つに記載の抗アレルギー剤。
  5. 【請求項5】 I型アレルギーの即時型、遅発型および
    超遅発型炎症反応を抑制する請求項4に記載の抗アレル
    ギー剤。
  6. 【請求項6】 アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜
    炎、アトピー性皮膚炎および喘息の予防または治療剤で
    ある請求項1〜5のいずれか1項に記載の抗アレルギー
    剤。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の抗
    アレルギー剤を含有する食品。
JP2002095786A 2002-03-29 2002-03-29 ユーカリプトゥス・シトリオドラおよびシーナラ・スコリムスの水抽出物を有効成分とする抗アレルギー剤およびこれを含有する食品 Pending JP2003286184A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002095786A JP2003286184A (ja) 2002-03-29 2002-03-29 ユーカリプトゥス・シトリオドラおよびシーナラ・スコリムスの水抽出物を有効成分とする抗アレルギー剤およびこれを含有する食品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002095786A JP2003286184A (ja) 2002-03-29 2002-03-29 ユーカリプトゥス・シトリオドラおよびシーナラ・スコリムスの水抽出物を有効成分とする抗アレルギー剤およびこれを含有する食品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003286184A true JP2003286184A (ja) 2003-10-07

Family

ID=29239125

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002095786A Pending JP2003286184A (ja) 2002-03-29 2002-03-29 ユーカリプトゥス・シトリオドラおよびシーナラ・スコリムスの水抽出物を有効成分とする抗アレルギー剤およびこれを含有する食品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003286184A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005289954A (ja) * 2004-03-31 2005-10-20 Cci Corp 抗アレルギー物質、ならびにその製造方法、それを有効成分とする抗アレルギー剤および食品

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005289954A (ja) * 2004-03-31 2005-10-20 Cci Corp 抗アレルギー物質、ならびにその製造方法、それを有効成分とする抗アレルギー剤および食品

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TW544317B (en) Chewable soft capsules having improved administration properties and process for producing the same
TW201909919A (zh) 增強藥物、補給品及攝取物質之生物可利用性的組合物
JP4264105B2 (ja) イソソルビド含有ゼリー製剤
KR102112736B1 (ko) 탈모 방지 또는 발모 촉진용 조성물
JP3988168B1 (ja) イチョウ葉エキスナノ微粒子による脳細胞活性効果を有する組成物
WO2005056035A1 (ja) 海藻抽出物およびそれを含む糖質加水分解酵素阻害剤
KR101510595B1 (ko) 유제놀을 유효성분으로 함유하는 아토피성 피부염의 예방 또는 치료용 조성물
TW200942234A (en) Composition containing sesamins and quercetin glycoside
WO2005074961A1 (ja) 体脂肪調整剤
JP5547891B2 (ja) セサミン類とエピガロカテキンガレートとを含有する組成物
KR101300017B1 (ko) 감마-세크레타제 저해제를 유효성분으로 함유하는 류마티스성 관절염의 예방 또는 치료용 조성물
KR102095536B1 (ko) 천연물 추출물의 용출률 및 붕해성이 개선된 경구용 제제
US9364428B2 (en) Herb medicine composition in the form of jelly
JP2003286183A (ja) シーナラ・スコリムスの水抽出物を有効成分とする抗アレルギー剤およびこれを含有する食品
WO2015152684A1 (ko) 오미자 추출물의 에틸아세테이트 분획물을 유효성분으로 포함하는 염증 질환의 예방 및 치료용 약학적 조성물 또는 상처치유용 약학적 조성물
KR102465346B1 (ko) 구절초 및 꾸지뽕 복합 추출물을 유효성분으로 포함하는 항염증 조성물
JP2003286184A (ja) ユーカリプトゥス・シトリオドラおよびシーナラ・スコリムスの水抽出物を有効成分とする抗アレルギー剤およびこれを含有する食品
JP2003286178A (ja) ユーカリプトゥス・シトリオドラの水抽出物を有効成分とする抗アレルギー剤およびこれを含有する食品
JP4982648B2 (ja) 金属沈着抑制剤
JP2004522698A (ja) 医薬組成物のための香料系およびそのような組成物の製造方法
KR101764303B1 (ko) 효소처리된 감초 추출물을 함유하는 바이오필름 형성 방지용 조성물
JP5186145B2 (ja) 高尿酸血症又はこれに起因する疾患の予防又は治療のための医薬又は食品組成物
KR102322782B1 (ko) 산나물 추출물을 유효성분으로 하는 피부장벽 강화 및 아토피 피부염 개선용 조성물
RU2733739C1 (ru) Пероральный лекарственный препарат, включающий осмотическое слабительное, заключенное в матрицу на основе растительных жиров
JP2023105249A (ja) 胃部不快感改善剤及び尿意抑制剤

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050315

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081021

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090310