JP2003285384A - 熱線遮断透光部材 - Google Patents

熱線遮断透光部材

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JP2003285384A JP2002089558A JP2002089558A JP2003285384A JP 2003285384 A JP2003285384 A JP 2003285384A JP 2002089558 A JP2002089558 A JP 2002089558A JP 2002089558 A JP2002089558 A JP 2002089558A JP 2003285384 A JP2003285384 A JP 2003285384A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可視光の透過は許容しつつも、熱線は広い波
長帯に渡って極めて高い反射率にて反射・遮断すること
ができ、かつ安価に製造可能な熱線遮断透光部材を提供
する。 【解決手段】 熱線遮断透光部材1は、可視光に対して
透過性を有する基体23と、その基体23の表面に形成
され、可視光の透過を許容しつつ熱線を反射することに
より基体23に熱線遮断機能を付与する熱線反射材料層
24とを有する。熱線反射材料層24は、積層方向に熱
線に対する屈折率が周期的に変化する積層体構造を有し
てなり、その1周期内の屈折率の変化幅が1.1以上と
なるように設定され、かつ、1周期の換算厚さが0.4
〜2μmとなるように調整される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱線遮断透光部材
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、車内、室内に流入する太陽光線の
熱線領域を遮蔽して、熱暑感の低減およびエアコンの負
荷の低減をはかる熱線遮断ガラスの要求が高まってきて
いる。特に、自動車や、窓ガラスの壁面占有率が大きい
建物では、太陽光線の室内への入射量が大きく、夏季に
おける室温上昇は著しいものがある。これを適温化する
ためには、エアコンの出力を相当高めなければならない
ので、単にエアコンに負担がかかるだけでなく、エネル
ギー消費量も相当なものとなる。また、自動車の場合
は、エアコンのコンプレッサーもエンジン駆動されるの
で、ガソリン消費量や排気ガス放出量が多くなる。ま
た、駐車中の車内温度上昇は居た堪れないものがあり、
エアコンをかけっぱなしにしたアイドリングがどうして
も長くなる。これは、ガソリンの無駄な消費に留まら
ず、地球温暖化の原因ともなる炭酸ガスや、アイドリン
グ時特有の未燃成分やNOx(光化学スモッグ等の原因
となる)などの放出量を一挙に増加させるので、地球環
境への影響も深刻である。
【0003】上記のような問題の解決を図るため、窓ガ
ラスの表面に熱線反射層を設け、室内あるいは車内の温
度上昇を抑制する試みがなされている。また、このよう
な熱線反射層を設けた熱線反射ガラスの具体的な構成
が、特開平6−345488号、特開平8−10454
4号、あるいは特開平10−291839号の各公報に
開示されている。さらに、原理的に類似した技術とし
て、温度上昇を防ぐため、ガラスバルブに熱線反射層を
設けた白熱電球の発明が、例えば特開平7−28102
3号、特開平9−265961号公報、あるいは特開2
000−100391号の各公報に開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の各公報
に開示された熱線反射ガラスは、太陽光線に含まれる主
要な熱線波長域(0.8〜4μm)において必ずしも十
分な熱線反射率が得られない問題がある。例えば、特開
平10−291839号公報に開示された熱線反射ガラ
スは、公報図2に開示されているごとく、反射率が最大
となる波長1μm(=1000nm)付近でせいぜい5
5%程度に過ぎない。
【0005】また、特開平7−281023号、特開平
9−265961号公報、特開2000−100391
号の各公報に開示された熱線反射層は、いずれも高屈折
材料層と低屈折材料層とを交互に積層した積層反射膜と
され、熱線反射効果を高める工夫がなされているが、い
ずれも多層干渉膜の原理を採用しており、思ったほど熱
線遮断効果が得られていない側面がある。例えば、特開
2000−100391号公報に開示された電球用の熱
線反射ガラスは、例えば公報図5や図7に開示されてい
るように、波長1μm付近の狭い帯域に限っていえば、
90%以上の高い反射率を示すが、それ以外の波長帯で
は反射率が低く、太陽光線の熱線に対する遮断効果は十
分とはいえない。そして、反射率を十分高めるために必
要な層の積層数は、高屈折材料層と低屈折材料層との組
の数にして、例えば10組以上は必要であり、コスト高
となる問題がある。
【0006】本発明の課題は、太陽光など、可視光と熱
線とが含まれる光線の可視光の透過は許容しつつも、熱
線は広い波長帯に渡って極めて高い反射率にて反射・遮
断することができ、かつ安価に製造可能な熱線遮断透光
部材を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】上記の課
題を解決するために、本発明の熱線遮断透光部材は、可
視光に対して透過性を有する基体と、その基体の表面に
形成され、可視光の透過を許容しつつ熱線を反射するこ
とにより基体に熱線遮断機能を付与する熱線反射材料層
とを有し、熱線反射材料層は、積層方向に熱線に対する
屈折率が周期的に変化する積層体構造を有してなり、そ
の1周期内の屈折率の変化幅が1.1以上となるように
設定され、さらに、1周期の層厚t方向の熱線に対する
屈折率分布を関数n(t)で表したとき、下記式:
【数2】 で表される1周期の換算厚さθ’が0.4〜2μmとな
るように調整されてなることを特徴とする。なお、本明
細書において、「透光性」とは、可視光に対する透過性
を有することを意味する。また、「可視光に対して透過
性を有する」とは、波長0.4〜0.8μmの波長域の
平均的な透過率が70%以上となっていることを意味す
る。なお、該波長域の一部の波長帯をなす可視光を遮断
する基体(つまり、着色された基体)を用いてもよい。
【0008】上記のように熱線反射材料層を、積層方向
に熱線に対する屈折率が周期的に変化する積層体構造と
して、かつ、1周期の換算厚さが0.4〜2μmとなる
積層体として形成すると、太陽光等に含まれる0.8〜
4μmの波長域の熱線に対し、比較的広い熱線帯域幅に
て、非常に良好な反射率を得ることができ、ひいて反射
効率の高い熱線遮断透光部材を実現できる。なお、本明
細書において、熱線に対する屈折率を特に明示していな
い物質の場合、波長1.5μmでの値にて代表させるも
のとする。
【0009】周期的に屈折率が変化する積層体の層厚方
向には、光量子化された電磁波エネルギーに対し、結晶
内の電子エネルギーと類似したバンド構造(以下、フォ
トニックバンド構造という)が形成され、屈折率変化の
周期に応じた特定波長の電磁波が積層体構造中に侵入す
ることが妨げられる。この現象は、フォトニックバンド
構造において、一定エネルギー域(つまり、一定波長
域)の電磁波の存在自体が禁止されることを意味し、電
子のバンド理論との関連からフォトニックバンドギャッ
プとも称される。上記積層体の場合、屈折率変化が層厚
方向にのみ形成されるので、狭義には一次元フォトニッ
クバンドギャップともいう。
【0010】その結果、該積層体は、該波長の電磁波に
対する選択的な反射率が向上した反射材料層として機能
する。このような電磁波の反射は、電磁波に対する光量
子論的なエネルギー禁則原理、つまりフォトニックバン
ドギャップ形成によって起こるものであり、特開平7−
281023号、特開平9−265961号公報、特開
2000−100391号等に開示された多層干渉膜に
よる反射原理とは全く異なる。
【0011】熱線(赤外線)は電磁波であり、太陽光等
に含まれる0.8〜4μmの波長域の熱線の場合、積層
体構造をなす1周期の換算厚さを0.4〜2μmに設定
すると、フォトニックバンドギャップの形成により、上
記波長域の特定波長帯に属する熱線の反射効果が高めら
れ、熱線遮断効果に優れた熱線反射材料層を得ることが
できる。そして、1周期の換算厚さを0.4〜2μmに
設定する限り、電磁波に対する反射効果は0.8〜4μ
mの波長域の熱線に対してもっぱら顕著となり、波長
0.4〜0.8μmの可視光帯に対する反射率は、熱線
と比較すれば十分低くできるので、可視光の透過性を十
分に高く確保することができる。
【0012】また、積層体構造中に形成する屈折率変化
の周期数は、1周期内の屈折率の変化幅が大きいほど、
より少ない周期数で良好な熱線反射率が得られるように
なる。本発明においては、上記1周期内の屈折率の変化
幅を、1.1以上の大きな値に設定しているので、十分
な反射率を得るための上記周期数を削減することがで
き、ひいては該積層体構造からなる熱線反射材料層を安
価に製造することができる。また、屈折率の変化幅を大
きくすることは、反射率をより向上させ、かつ、高反射
率となる波長帯域を広げる観点においても有利に働く。
なお、屈折率の変化幅は、好ましくは1.5以上、さら
に好ましくは2.0以上確保されていることが望まし
い。
【0013】本発明の熱線遮断透光部材の基体は、少な
くとも熱線反射材料層との接触面を含む部分を、ガラス
材料にて構成することができる。ガラス材料は透明性が
高く、また、汎用材料であるため安価である。また、融
点が比較的高いため、熱線反射材料層を蒸着やCVD、
あるいはスパッタリング等で成膜する際に、多少温度が
上昇しても問題ない利点もある。
【0014】本発明の熱線遮断透光部材は、基体を板状
に形成すれば、例えば建築物又は車両の採光部形成体と
して使用することができる。基体をガラス板とすれば、
採光部が窓である場合、その窓ガラスとして使用するこ
とができる。これにより、採光部から建築物屋内あるい
は車内に差し込む太陽光線から、温度上昇の元となる熱
線を、従来の熱線反射ガラスよりもはるかに効果的に遮
断できる。他方、可視光の透過は十分に許容されるか
ら、日中は特に照明を用いなくとも室内あるいは車内を
明るく保つことができる。また、透明な基体を用いれ
ば、部材を介して外部を容易に視認することができる。
特に自動車用のフロントガラスなどに適用する場合は、
可視光の透過率が高いことが、視認性の向上という観点
においても有利に作用する。
【0015】そして、熱線は広い波長帯に渡って極めて
高い反射率にて反射・遮断することができ、その結果、
室内あるいは車内の熱暑感の低減のみならず、エアコン
の負荷も低減できる。特に、自動車用の採光部に適用し
た場合は、エアコン出力の低減により、エンジン負荷も
減少し、ガソリン消費量や排気ガス放出量の削減に寄与
する。また、駐車中の車内温度上昇も抑制できるので、
エアコン作動状態でのアイドリング短縮を図ることがで
き、地球環境保護の観点からも好ましいといえる。
【0016】例えば、建築用あるいは車両用の窓ガラス
の場合、基体は周知のソーダガラスからなる板ガラスを
使用できる。車両用(特に自動車用)の場合は、ガラス
の表面に圧縮応力を残存させた周知の強化ガラスを基体
として用いることもできる。
【0017】本発明の熱線反射透光部材に使用する熱線
反射材料層は、フォトニックバンドギャップ形成によ
り、反射率90%以上となる高反射率帯の帯域幅を、従
来の熱線反射ガラス等と比較して大幅に拡張できること
も、重要な利点の一つである。具体的には、0.8〜4
μmの波長帯において、反射率90%以上となる高反射
率帯の帯域幅を、少なくとも0.5μm確保することが
可能となる。これにより、太陽光線に含まれる熱線の反
射率を大幅に高めることができる。他方、波長0.4〜
0.8μmの波長域の平均的な透過率が70%以上の基
体を用いれば、熱線遮断透光部材全体の該帯域の可視光
に対する透過率も70%以上とすることができ、特に、
自動車用窓ガラスなど、可視光による透過視認性が要求
される分野に好適に使用できる。
【0018】熱線反射材料層をなす積層体構造は、屈折
率を層厚方向に連続的に変化させることができる。この
ような構造は、例えば屈折率の相違する2種以上の材料
の混在比率を、層厚方向に連続的に変化させた傾斜組成
構造により実現できる。しかし、製造がより容易なの
は、屈折率を層厚方向に段階的に変化させる構造であ
り、この構造ならば、屈折率の異なる層を順次積層して
形成すれば比較的簡単に得られる。具体的には、熱線反
射材料層は、屈折率の異なる互いに隣接した第一及び第
二の要素反射層を含む積層周期単位が2周期以上積層さ
れた積層体として形成することができる。
【0019】次に、本発明の熱線反射透光部材において
は、基体の表面に、可視光の透過を許容しつつ紫外線を
反射することにより基体に紫外線遮断機能を付与する紫
外線反射材料層を、熱線反射材料層とは別に形成するこ
とができる。紫外線反射材料層を設けることにより、熱
線とともに、皮膚の日焼けや肌荒れ、さらには衣類や印
刷物の色あせ等の原因となる紫外線を太陽光線から遮断
することができる。
【0020】該紫外線反射材料層は、積層方向に紫外線
に対する屈折率が周期的に変化する構造を有してなり、
その1周期内の屈折率の変化幅が1.1以上(好ましく
は1.5以上、さらに好ましくは2.0以上)となるよ
うに設定され、かつ、1周期の層厚t方向の紫外線に対
する屈折率分布を関数n(t)で表したときの1周期の
換算厚さθ’(前記式にて計算される)が0.1〜
0.2μmとなるように調整されてなるものを使用する
ことができる。これは、先に説明した熱線反射材料層と
同様、紫外線帯域にフォトニックバンドギャップが形成
されることに基づくものであり、屈折率変化の1周期の
換算厚さを、太陽光の紫外線帯域(波長帯:0.2〜
0.4μm)に適合するように、0.1〜0.2μmの
範囲に調整する。これにより、上記波長域の特定波長帯
に属する紫外線の反射効果が高められ、熱線反射透光部
材に良好な紫外線遮断機能も付与することができる。そ
して、1周期の換算厚さを0.1〜0.2μmに設定す
る限り、0.2〜0.4μmの波長域の紫外線に対する
選択反射性が高められ、他方、波長0.4〜0.8μm
の可視光帯に対する反射率は十分低くできるので、可視
光の透過性が過度に損なわれることもない。なお、本明
細書において、紫外線に対する屈折率を特に明示してい
ない物質の場合、波長0.33μmでの値にて代表させ
るものとする。
【0021】フォトニックバンドギャップを有する紫外
線反射材料層は、紫外線に対する反射率70%以上とな
る高反射率帯の帯域幅を広く確保でき、具体的には、
0.2〜0.4μmの波長帯において、反射率70%以
上となる高反射率帯の帯域幅を、少なくとも0.1μm
確保することが可能となる。これにより、太陽光線に含
まれる紫外線の反射率を大幅に高めることができる。
【0022】紫外線反射材料層においても、屈折率を層
厚方向に段階的に変化させる構造を採用でき、具体的に
は、紫外線反射材料層は、屈折率の異なる互いに隣接し
た第一及び第二の要素反射層を含む積層周期単位が2周
期以上積層された積層体として形成することができる。
熱線反射材料層の場合と同様、このような紫外線反射材
料層は製造が容易である。この場合、第一及び第二の要
素反射層間の屈折率差を、1.1以上、好ましくは1.
5以上、さらに好ましくは2.0以上確保すればよい。
【0023】積層構造にてフォトニックバンド構造が現
れるためには、各要素反射層自体は熱線あるいは紫外線
の伝播を許容する物質で構成されることが、原理的な前
提となる。従って、各要素反射層自体は、熱線あるいは
紫外線に対し、透過性を有していなければならない(つ
まり、1層では熱線あるいは紫外線を透過させるが、上
記のような積層構造に組み入れられたときには反射を生
じるということである)。なお、反射させるべき熱線あ
るいは紫外線の透過率は、使用される層の厚さにおい
て、80%以上となっていることが望ましい。透過率が
80%未満であると熱線の吸収率が高まり、熱線あるい
は紫外線の反射効果が十分に得られなくなるおそれがあ
る。上記の透過率は90%以上が好ましく、さらに望ま
しくは100%であるのがよい。この場合の透過率10
0%とは、通常の透過率測定方法における測定限界(例
えば誤差1%以内)の範囲で、ほぼ100%であるとみ
なしうる程度のものをいう。
【0024】フォトニックバンドギャップを形成するた
めの、各層の厚さおよび周期数は、反射すべき波長帯の
範囲により、計算または実験的に決定することができ
る。その骨子は以下の通りである。フォトニックバンド
ギャップの中心波長をλmとしたとき、屈折率変化の1
周期の厚さθは、波長λmの熱線あるいは紫外線が1/
2波長分(あるいはその整数倍でもよいが、その分膜厚
が多く必要である。以下、1/2波長の場合で代表させ
る)だけ存在できるように設定する。これは、層の1周
期内に入射した熱線あるいは紫外線が定在波を形成する
ための条件であり、結晶中の電子波が定在波を形成する
ブラッグ反射条件と同様である。電子のバンド理論で
は、このブラッグ反射条件を満足する逆格子の境界位置
にエネルギーギャップが現れるが、フォトニックバンド
理論でもこれは全く同様である。
【0025】ここで、層中に入射した熱線あるいは紫外
線は、層の屈折率にほぼ逆比例して波長が短くなる。従
って、層厚t方向の屈折率分布を関数n(t)で表せ
ば、1周期の換算厚さθ’が、下記式を満たすとき、
中心波長λmのフォトニックバンドギャップが形成さ
れ、反射材料層の反射率が高められる。
【0026】
【数3】
【0027】太陽光スペクトルは6000Kの黒体輻射
に近く、ピーク波長を0.5μm付近の可視域に有する
とともに、長波長側(つまり赤外線側)に長く尾を引い
た非対称な強度分布を示す。しかし、大気中の水蒸気等
の影響により一部の帯域で吸収を生ずる結果、地表に到
達する太陽光においては、1〜2.5μm、特に1〜
1.8μmの波長帯に高強度の熱線が観測される。熱線
反射材料層における屈折率変化の1周期の前記式にて
計算される換算厚さθ’が、反射すべき熱線の波長の1
/2に近づくとき、反射効果は急速に高められる。具体
的には、上記換算厚さθ’を2倍したとき、その値が1
〜2.5μm(望ましくは1〜1.8μm)の範囲に属
していれば、上記波長帯の熱線に対する反射効果は大幅
に高められる。
【0028】上記の効果は、紫外線反射材料層において
も、熱線を紫外線に置き換えた形で同様の効果が達成さ
れる。太陽光に含まれる短波長側の紫外線は、大気を通
過する際にオゾン層等により相当量が吸収され、主に
0.2〜0.4μmの波長のものが地表に到達する。強
度分布は可視光帯域に近づくほど大きくなり、実質的に
は0.3〜0.4μmの紫外線を遮断できれば、効果は
相当に大きい。従って、紫外線線反射材料層における1
周期の換算厚さθ’の2倍が、0.2〜0.4μm、望
ましくは0.3〜0.4μmの幅に収まっていればよ
い。
【0029】次に、熱線反射材料層あるいは紫外線反射
材料層を、前記した積層周期単位の積み重ねにより形成
する場合、第一の要素反射層と第二の要素反射層のう
ち、高屈折率層の厚さをt1、低屈折率層の厚さをt2
として、t1<t2に設定する、すなわち高屈折率層の
厚さを低屈折率層の厚さよりも大きく設定すると、熱線
あるいは紫外線に対する特定波長帯の反射率がさらに高
められる。また、熱線の場合は反射率95%以上となる
高反射率帯の帯域幅を、紫外線の場合は、反射率70%
以上となる高反射率帯の帯域幅を、各々より拡張するこ
とができる。
【0030】次に、熱線反射材料層においては、反射す
べき熱線に対する高屈折率層の屈折率をn1、同じく低
屈折率層の屈折率をn2とすれば、高屈折率層の式を
用いて計算される換算厚さはt1×n1となり、同じく
低屈折率層の換算厚さはt2×n2となる。従って、一
周期の換算厚さθ’はt1×n1+t2×n2にて表さ
れる。この値が、反射させるべき熱線の波長λの1/2
に等しくなっているとき、λを含む一定波長域にフォト
ニックバンドギャップに基づく高反射率帯が現れる。特
に、t1×n1=t2×n2の条件を満たす場合は、換
算厚さθ’の2倍の波長を中心として、ほぼ左右対称対
称な形で、反射率がほぼ100%に近い(記載を明確化
するために、本明細書では99%以上と定義しておく)
完全反射帯域が形成され、本発明の効果が最大限に高め
られる。紫外線反射材料層においても、ほぼ同様のこと
がいえるが、波長の短い紫外線では、反射材料層の材質
によっては吸収が生じ、必ずしも完全反射にはならない
場合があるが、波長0.3〜0.4μmの太陽光近紫外
線の場合は、材質の選定(例えばSi/SiO)によ
り、70%以上の反射率を達成することが可能である。
【0031】なお、上記の条件(以下、理想条件とい
う)から多少のずれがあっても、高反射率帯が形成され
ることに変わりはないが、完全反射帯域の幅は小さくな
る。具体的には、高屈折率層の換算厚さt1×n1が小
さくなった場合は、中心波長よりも短波長側において長
波長側よりも反射率が相対的に小さくなり、低屈折率層
の換算厚さt2×n2が小さくなった場合は、その逆と
なる。熱線あるいは紫外線の反射率をなるべく広い帯域
にて確保したいが、高反射率帯域が設計上、一部可視光
域にかからざるを得ないときには、その可視光域側の帯
域の反射率を小さくするために、上記の理想条件からわ
ざとずれた条件を採用することもありえる。例えば、熱
線反射材料層において、高反射率帯域の短波長側が可視
光域にかかってしまう場合、高屈折率層の換算厚さt1
×n1を低屈折率層の換算厚さt2×n2よりも適当に
小さくして、可視光域での反射率を小さくすることがで
きる。また、紫外線反射材料層において、高反射率帯域
の長波長側が可視光域にかかってしまう場合、低屈折率
層の換算厚さt2×n2を高屈折率層の換算厚さt1×
n1よりも適当に小さくすれば、可視光域での反射率を
小さくすることができる。
【0032】次に、本発明のように屈折率差が1.1以
上の材料の組合せを採用すれば、上記のような大きな熱
線ないし紫外線反射率を有する積層周期構造を、比較的
小さい積層周期単位の形成周期数、具体的には、5周期
以下にて簡便に実現することができる。特に、屈折率差
が1.5以上の組合せを用いると、4周期、3周期、あ
るいは2周期程度の形成周期数でも上記のような大きな
熱線反射率を実現できるようになる。
【0033】積層体を構成する要素反射層の材料は、高
温に対して安定な材料であって、かつ赤外線反射のため
に必要十分な屈折率差を確保できる材質の組合せを選択
することが望ましい。また、積層体は、屈折率が3以上
の半導体又は絶縁体からなる層を、高屈折率層となる第
一の要素反射層として含むものとして構成することがで
きる。屈折率が3以上の半導体又は絶縁体を第一の要素
反射層として用いることにより、これと組み合わされる
第二の要素反射層との間の屈折率差を大きく確保するこ
とが容易となる。表1に本発明に適用可能な要素反射層
材料の熱線に対する屈折率をまとめて示す。屈折率は、
厳密には波長により多少の変化があるが、0.8〜4μ
m程度の範囲であればほぼ無視できる。表中には、この
帯域での平均的な熱線の屈折率を示している。屈折率が
3以上の物質として、Si、Ge、6h−SiC、及び
Sb、BP、AlP、AlAs、AlSb、Ga
P、ZnTe等の化合物半導体を例示できる。半導体及
び絶縁体の場合、反射すべき熱線のフォトンエネルギー
に近いバンドギャップエネルギーを有する直接遷移型の
ものは、熱線吸収を起こしやすいので、熱線のフォトン
エネルギーよりも十分大きいバンドギャップエネルギー
(例えば2eV以上)を有するものを使用することが望
ましい。他方、これよりもバンドギャップエネルギーが
小さいものであっても、間接遷移型のもの(例えばSi
やGeなど)であれば熱線吸収を低くとどめることがで
き、本発明に好適に使用できる。このうちSiは比較的
安価で薄層化も容易であり、屈折率も3.5と高い値を
示す。従って、第一の要素反射層をSi層とすること
で、反射率の高い積層構造を安価に実現することができ
る。
【0034】次に、第二の要素反射層を構成する低屈折
率材料としては、SiO、BN、AlN、Al
、Si及びCN等を例示できる。この場
合、選択した第一の要素反射層の材料種別に応じて、屈
折率差が1.1以上となるように、第二の要素反射層の
材料選定を行なう必要がある。なお、下記表1は、上記
材質の屈折率の値をまとめたものである。このうち、特
にSiO層、BN層あるいはSi層を採用する
ことが、屈折率差を大きく確保する上で有利である。S
iO層は屈折率が1.5と低く、例えばSi層からな
る第一の要素反射層との間に特に大きな屈折率差を付与
することができる。また、Si層の熱酸化等により形成
が容易である利点がある。他方、BN層は、結晶構造や
方位により差を生ずるが、その屈折率は1.65〜2.
1の範囲である。また、Si層は、膜の品質によ
っても異なるが、1.6〜2.1程度の屈折率を示す。
これらはSiOと比較すれば多少大きい値であるが、
それでもSiとの間には1.4〜1.85もの大きな屈
折率差を付与することができる。
【表1】
【0035】以下、SiとSiOを用いて一次元フォ
トニックバンドギャップ構造を形成することにより、赤
外領域をほぼ完全に反射することができる条件を、計算
により検討した結果について説明する。Siは屈折率が
約3.5であり、その薄膜は波長約1.1〜10μmの
赤外領域の光に対して透明である。また、SiOは屈
折率が約1.5で、その薄膜は波長約0.2〜8μm
(可視から赤外領域)の光に対して透明である。図1
は、通常のソーダガラスからなる板状のガラス基体23
に、100nmのSi層Aと233nmのSiO層B
(いずれも換算厚さは350nm)との2層からなる積
層周期単位を4周期形成した熱反射層の断面図である。
この構造は、1周期の換算厚さが700nmであり、こ
れを2倍すると、1.4μmである。従って、図2のよ
うに、1.4μmを中心波長として、1〜2μm帯での
赤外線の反射率がほぼ100%となり、赤外線の透過は
禁止される。
【0036】なお、太陽光の主要な熱線波長帯である1
μm〜3μm帯を全てカバーしようとする場合は、反射
可能な波長帯の異なる別の周期性のある組合せを付加す
ればよい。すなわち、前述の100nm(Si)/23
3nm(SiO)の組合せ(図1のA/B)に、それ
ぞれの層厚さを増加させた157nm(Si)/366
nm(SiO)の組合せ(図3のA’/B’)を付加
した図3のような構成とすればよい。
【0037】このような構成にすると、図4に示すよう
に、前述の100nm(Si)/233nm(Si
)の4周期構造が1〜2μm帯での赤外線の反射率
がほぼ100%となるのに対して、157nm(Si)
/366nm(SiO)の4周期構造は2〜3μm帯
での赤外線の反射率がほぼ100%となる。従って、こ
れらを重ねた図3の構造では、1〜3μm帯の反射率が
ほぼ100%の材料が得られる。
【0038】同様に、3〜4.5μm帯については、S
i層およびSiO層ともにさらに厚い膜の組合せを適
宜選択して4周期構造を形成すればよい。SiとSiO
の屈折率差よりも屈折率差の小さい層の組合せでは、
必要な周期数を増加させる必要が生ずる場合もあるた
め、選択する2つの層としては屈折率差が大きい方が有
利である。
【0039】一方、図5は、SiとSiO同様に、比
較的屈折率差の大きい6h−SiC(屈折率3.2)と
h−BN(屈折率1.65)とを選択し、94nm(S
iC)/182nm(BN)の4周期構造を形成した熱
反射層の反射率の計算結果である。この場合は、1〜
1.5μm帯での熱線の反射率がほぼ100%となるこ
とがわかる。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を用いて説明するが、本発明はこれに限定される
ものではない。図6は、熱線反射材料層24の製造フロ
ーを示している。まず、熱線反射材料層の基体23とな
る材料を選択し、必要な形状に加工する(図6
(a))。本実施形態では、例えばソーダガラスからな
る透明な板ガラスを基体23として用いる(以下、ガラ
ス基体23ともいう)。なお、基体23としてガラス板
以外にも、アクリル樹脂などの透明樹脂板を用いること
が可能である。
【0041】次に、この基体23の表面に、Si層から
なる第一の要素反射層Aを形成し、その後、該Si層C
の表面にSiO層よりなる第二の要素反射層Bを形成
する(図6:工程(b))。Si層及びSiO層は、
スパッタリング法(例えば高周波スパッタリング)やC
VD法(例えばプラズマCVD法)を用いて形成でき
る。この後、工程(c)に示すように、Si層からなる
第一の要素反射層A及び第二の要素反射層Bを交互に積
層形成すれば、工程(d)に示すように、熱線反射材料
層24が形成される。
【0042】熱線反射材料層24は、図7の熱線反射透
光部材1のように、基体23の一方の表面のみに形成し
てもよいし、熱線反射透光部材2のように両面に形成し
てもよい。また、これらの層の厚さおよび周期数は、前
述のSiOとSiの例からわかる様に、反射すべき波
長帯の範囲により、計算または実験的に決定することが
できる。そして、反射すべき波長帯の範囲は、発熱体の
温度に依存する。
【0043】以下、図7を用いて、熱線反射透光部材の
さらなる変形態様について説明する。熱線反射透光部材
3においては、熱線反射材料層24が衝撃等により損傷
することを防止するため、透明樹脂からなる保護皮膜2
5で覆っている。また、熱線反射透光部材4において
は、2枚の基体23,23の間に熱線反射材料層24を
挟み込んだ構成として、保護機能を高めている。この構
造は、一方の基体23の表面に熱線反射材料層24を形
成しておき、その後この熱線反射材料層24の側に他方
の基体23を張り合わせることにより製造できる。この
張り合わせは、熱接着法を用いてもよいし、接着剤層を
介して行ってもよい。
【0044】熱線反射透光部材5は、基体23を半透明
に構成した例である。これは、外部から室内あるいは車
内を視認不能にし、かつ透光性は確保したいような採光
用の窓に好適に使用できる。本実施形態では、基体23
の裏面を粗し面(あるいは、つや消し面)23aとして
いる(つまり、ガラス基体の場合はすりガラス面にする
のである)。熱線反射材料層24は、当然、これと反対
側の平滑面側に形成される。
【0045】また、熱線反射透光部材6は、基体23の
裏面側に透明(あるいは半透明)の着色層26を形成し
た例である。これは、このような着色層26は、透明樹
脂をビヒクルとする樹脂フィルムや塗膜により形成でき
る。なお、基体23自体を透明な着色ガラスにて構成し
てもよい。
【0046】さらに、熱線反射透光部材7は、2枚のガ
ラス基体23,23の間に、強化樹脂層27をはさみこ
んだ合わせガラスとして構成した例である。これは、飛
来物が当たってもガラスが飛び散ることが防止されるの
で、車両用の窓ガラス、特に自動車用のフロントウィン
ド31(図10)のガラスに好適に使用できる。熱線反
射材料層24は、ガラス基体23,23の4つの面の少
なくともいずれかに形成できる。本実施形態では、一方
のガラス基体23の強化樹脂層27に面する表面に熱線
反射材料層24を形成し、この熱線反射材料層24の側
にて強化樹脂層27に、接着剤層を介して又は熱溶着法
により張り合わせている。ただし、図中、一点鎖線で示
すように、他方のガラス基体23の強化樹脂層27に面
する表面に対しても、熱線反射材料層24を形成するこ
とは可能である。
【0047】次に、図8に示す熱線反射透光部材8〜1
0は、基体23に対し、熱線反射材料層24とともに紫
外線反射材料層124が形成されている。これにより、
紫外線遮断機能も合わせて付与される。熱線反射透光部
材8においては、熱線反射材料層24と紫外線反射層1
24とを、基体23の同じ面に重ねて形成している。な
お、図では、熱線反射材料層24の上に紫外線反射材料
層124を形成しているが、これらは形成の順序を入れ
替えてもよい。また、熱線反射透光部材9においては、
基体23の一方の面に熱線反射材料層24を、他方の面
に紫外線反射材料層124を形成している。
【0048】また、熱線反射透光部材10は、図7の熱
線反射透光部材7と同様の強化樹脂層27を有する。熱
線反射材料層24と紫外線反射材料層124とは、ガラ
ス基体23,23の4つの面のどれに形成すかは、特に
限定されない。例えば、1つの面に熱線反射材料層24
と紫外線反射材料層124を重ねて形成することも可能
であるし、別の面に振り分けて形成することもできる。
本実施形態では、強化樹脂層27の一方の側に熱線反射
材料層24を、他方の側に紫外線反射材料層124を配
置している。この構造は、例えば一方の基体23に熱線
反射材料層24を形成し、他方の基体23に紫外線反射
材料層124を形成して、各々強化樹脂層27に対して
張り合わせる方法により製造できる。
【0049】紫外線反射材料層124は、熱線反射材料
層24と同様の積層構造体として形成することができ
る。例えば、第一の要素反射層AをSiにより、第二の
要素反射層BをSiOにより、それぞれ既に説明し
た、紫外線に対するフォトニックバンドギャップが生ず
るように厚さ調整した形で積層形成すれば、紫外線に対
する良好な反射率を有した紫外線反射材料層を得ること
ができる。図9は、図1と同様の4周期構造により、S
i(紫外域での屈折率を3.21とした(波長0.33
μm))からなる第一の要素反射層Aの厚さを25.7
nm、SiO(紫外域での屈折率を1.48とした
(波長0.33μm))よりなる第二の要素反射層Bの
厚さを55.8nmとしたときの、反射率の波長依存性
を計算した結果を図示したものである。1周期の換算厚
さは165.1nmであり、フォトニックバンドギャッ
プの中心波長は330nm程度と考えられる。260〜
400nmにかけて、フォトニックバンドギャップ形成
による高反射率帯が生じていることがわかる。
【0050】以下、本発明の熱線反射透光部材の種々の
応用例について説明する。図7あるいは図8に例示する
本発明の熱線反射透光部材は、図10に示すように、自
動車AMの窓ガラスとして、フロントウィンド31、サ
イドウィンド32、クウォーターウィンド33、リアウ
ィンド34及びサンルーフ35などに使用できる。基体
23は、強化ガラスか、あるいは図7の符号7あるいは
図8の符号10に示す貼り合わせガラスとして構成する
のがよい。なお、搭乗者の日焼けなどを防止するため
に、図8に示すような紫外線反射材料層124を設けた
構成にすると、さらに効果的である。
【0051】また、図7あるいは図8に例示する本発明
の熱線反射透光部材は、建築物BHの壁部に形成された
窓36、あるいは天窓37などの窓ガラスとしても好適
に使用できる。
【0052】なお、自動車及び建築物のいずれにおいて
も、本発明の熱線反射透光部材を窓ガラスとして用いる
と、夏期においては熱線遮断効果により、室内の温度上
昇が抑制され、エアコン電力を節約することができる
(また、冬期においては、室内の暖房による熱線を室外
に放出させない効果も有する)。しかし、冬期において
は、室温を上げるために、むしろ積極的に熱線(太陽
光)を入射させたい場合もありうる。この場合は、建築
物又は車両側に設けられた熱線及び可視光に対する透過
性を有するベース採光体を覆うように、熱線遮断透光部
材を建築物又は車両に適宜取り付けて使用することがで
きる。この場合、熱線遮断透光部材の基体のベース採光
体に対する被覆形態を変更することにより、熱線反射材
料層によるベース採光体に対する熱線遮断面積率を可変
としておけば、熱線遮断面積率を季節に応じて自由に調
整でき、例えば夏季においては熱線遮断面積率を増加さ
せて室温上昇を抑制し、冬期においては熱線遮断面積率
を減少させて室温上昇を促進する、という対応が可能で
ある。以下、その具体的な構成をいくつか例示する。
【0053】図12は、ブラインドへの適用例である。
ブラインドは、本来は遮光用の窓付属品であり、その遮
光板を本発明の熱線遮断透光部材にて置き換えると、可
視光に対する遮断機能が熱線に対する遮断機能に置換さ
れる。本明細書では、これを「熱線遮断用透光ブライン
ド」と称する。図12のブラインド40は、いわゆるベ
ネシアンブラインドであり、ヘッドレール47とボトム
レール48との間に複数のよろい板41を上下に連結し
た状態で懸架配置したものである。図示しない窓枠にヘ
ッドレール47を取り付けて吊り下げると、図14に示
すように、上下に連なったよろい板41は、ベース採光
体をなす窓ガラスWGを覆う。図14に示すように、こ
れらのよろい板41は、それぞれ横長の透明基体23の
上に熱線反射材料層24を形成したものである。従っ
て、窓から差し込む太陽光の可視部は透過して室内に入
射することを許容し、熱線は反射により遮断する機能を
有する。
【0054】ブラインド40の基本的な構造は、従来の
ベネシアンブラインドと全く変わりがない。図13に示
すように、よろい板41は、幅方向の一方の側にて角度
変更用の第一懸架コード45により、他方の側にて旋回
支点形成用の第二懸架コード53により、それぞれ上下
に連結されている。また、図15に示すように、各よろ
い板41を貫いて昇降コード42が設けられ、末端がボ
トムレール48にクリップ55を用いて固定されてい
る。図12に示すように、昇降コード42の基端側はス
トッパ44を経て下方に垂れ下がる形で引き出され、末
端に操作グリップ43が設けられて、操作コード部を形
成している。なお、昇降コード42を旋回支点形成用の
第二懸架コードに兼用する形としてもよい。
【0055】また、ヘッドレール47内には回転軸50
が収容され、これにドラム49が一体回転可能に取り付
けられるとともに、該ドラム49に第一懸架コード45
の上端部が、巻き取り/巻き戻し可能に装着されてい
る。回転軸50には、ギア52が取り付けられ、これに
かみ合うウォーム51が操作棒46により手動回転操作
できるようになっている。
【0056】図15に示すように、ストッパ44を解除
して、昇降コード42の操作コード部を引き出すと(5
4は補助ロールである)、ボトムレール48が引上げら
れ、よろい板41は該ボトムレール48の上に積層形態
でまとまりながら上昇する。これにより、窓ガラスに対
する熱線遮断面積率は減少する。なお、ボトムレール4
8を、最上端位置に至るまでの中間位置まで引上げ、そ
の状態でストッパ44により昇降コード42を止めて、
ボトムレール48の位置を該中間位置に固定することが
できる。ボトムレール48の固定位置により熱線遮断面
積率を自由に調整できる。また、図13に示すように、
操作棒46を回転させると、回転軸50を介してドラム
49が回転して、第一懸架コード45が巻き取り、ある
いは巻き戻される。図14に示すように、各よろい板4
1は、これに伴い連携的に回転して、窓ガラスWGに対
する角度が変わる。この角度変更により、入射する熱線
IRの入射量を自由に調整することができる。
【0057】次に、図16は、ロールアップブラインド
型の熱線遮断用透光ブラインド60を示すものである。
これは、横長の熱線反射部材61を、連結コード62で
すだれ状に上下に連ねて連結したものである。図17に
示すように、ブラインド60の上端を窓枠WFの上端に
取り付け、上下に連なった熱線反射部材61を下方に垂
れ下げて配置することにより、窓ガラスWGを覆うこと
ができる。この状態では、窓ガラスWGを介して入射す
る熱線を反射させて遮断することができる。他方、熱線
の遮断状態を解除したい場合は、上下に連なった熱線反
射部材61を巻き上げて固定用コード63(図16)で
窓枠直下位置に固定すればよい。
【0058】図18は、本発明の熱線反射透光部材を用
いた、熱線入射調整機能付窓構造70を示すものであ
る。該窓構造70においては、上下に並ぶ複数の横長の
熱線反射透光部材71のそれぞれに、周方向に熱線反射
材料層24の形成面と非形成面とが設けてられている。
それら熱線反射透光部材71を軸支点72の周りに連動
回転させることにより、熱線反射材料層24の形成面が
窓ガラスGに対向する状態と、同じく非形成面が対向す
る状態とが切換可能となる。本実施形態では、熱線反射
透光部材71の断面は直角二等辺三角形状であり、その
2つの等辺の一方を熱線反射材料層24の形成面、他方
を非形成面としている。このような熱線反射部材71
が、2枚の窓ガラスG,Gの間に封入されている。図1
9に示すように、例えば熱線反射透光部材71の軸支点
72にピニオンギア73を取り付け、これにかみ合うラ
ックバー74を、別のピニオンギア75を介してモータ
(もちろん手動でもよい)76により正逆両方向に移動
させれば、各熱線反射透光部材71は一斉に回転して、
熱線反射材料層24が窓ガラスGに正対した熱線遮断状
態と、水平に退避した熱線入射許容状態との間で切り替
えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】Si層とSiO層の4周期構造を有する熱線
反射材料層の断面図。
【図2】図1の構造を有する熱線反射材料層の熱線反射
率特性を示す図。
【図3】図1の4周期構造に、厚さの異なるSiとSi
の4周期構造を積層した構造を有する熱線反射材料
層の断面図。
【図4】図3の構造を有する熱線反射材料層の熱線反射
率特性を示す図。
【図5】本発明の6h−SiC層とh−BNの4周期構
造を有する熱線反射材料層の熱線反射率特性を示す図。
【図6】本発明の周期構造を有する熱線反射材料層の製
造フローを示す図。
【図7】本発明の熱線反射透光部材における熱線反射材
料層の種々の形成形態を示す模式図。
【図8】本発明の熱線反射透光部材に紫外線反射材料層
を形成する種々の実施形態を示す模式図。
【図9】積層周期構造体により構成した紫外線反射材料
層の、紫外線反射率特性を示す図。
【図10】本発明の熱線反射透光部材を自動車用窓ガラ
スに適用する例を示す図。
【図11】本発明の熱線反射透光部材を建築用窓ガラス
に適用する例を示す図。
【図12】本発明の熱線反射透光部材を、ベネシアンブ
ラインド型の熱線遮断用透光ブラインドに適用した例を
示す正面図。
【図13】図12のブラインドの第一の作用説明図。
【図14】図12のブラインドの第二の作用説明図。
【図15】図12のブラインドの第三の作用説明図。
【図16】本発明の熱線反射透光部材を、ロールブライ
ンド型の熱線遮断用透光ブラインドに適用した例を示す
正面図。
【図17】図16のブラインドの第一の作用説明図。
【図18】本発明の熱線反射透光部材を用いた、熱線入
射調整機能付窓構造の一例をその作用とともに示す模式
図。
【図19】図18における熱線反射透光部材の駆動機構
の一例を示す図。
【符号の説明】 1〜10,61,71 熱線遮断透光部材 23 基体 24 熱線反射材料層 A 第一の要素反射層 B 第二の要素反射層 124 紫外線反射材料層 BH 建築物 AM 自動車(車両) 31〜37 窓ガラス WG 窓ガラス(ベース採光体)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) E06B 9/386 E06B 9/386 Fターム(参考) 2E043 AA01 AA04 AB03 BB12 BB13 BB15 BC03 BD01 DA05 4F100 AA12C AA19C AA20B AA20C AA21C AB11B AG00A AR00A BA03 BA07 BA10A BA10C BA26 GB07 GB32 JD10 JD10B JD10C JN01A JN01B JN06 JN06B JN06C JN08B JN08C JN18B JN18C YY00B YY00C 4G059 AA01 AC06 AC07 EA01 EA04 EA05 EA11 EA12 EA13 EB02 GA02 GA04 GA12

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可視光に対して透過性を有する基体と、 その基体の表面に形成され、可視光の透過を許容しつつ
    熱線を反射することにより前記基体に熱線遮断機能を付
    与する熱線反射材料層とを有し、 前記熱線反射材料層は、積層方向に熱線に対する屈折率
    が周期的に変化する積層体構造を有してなり、その1周
    期内の屈折率の変化幅が1.1以上となるように設定さ
    れ、さらに、 前記1周期の層厚t方向の熱線に対する屈折率分布を関
    数n(t)で表したとき、下記式: 【数1】 で表される前記1周期の換算厚さθ’が0.4〜2μm
    となるように調整されてなることを特徴とする熱線遮断
    透光部材。
  2. 【請求項2】 前記熱線反射材料層は、0.8〜4μm
    の波長帯において、反射率95%以上となる高反射率帯
    の帯域幅が少なくとも0.5μm確保されている請求項
    1記載の熱線遮断透光部材。
  3. 【請求項3】 前記熱線遮断透光部材全体の、0.4〜
    0.8μmの帯域の可視光に対する透過率が70%以上
    とされてなる請求項1又は2に記載の熱線遮断透光部
    材。
  4. 【請求項4】 前記熱線反射材料層は、屈折率の異なる
    互いに隣接した第一及び第二の要素反射層を含む積層周
    期単位が2周期以上積層された積層体として形成された
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記
    載の熱線遮断透光部材。
  5. 【請求項5】 前記基体の表面に、可視光の透過を許容
    しつつ紫外線を反射することにより前記基体に紫外線遮
    断機能を付与する紫外線反射材料層が、前記前記熱線反
    射材料層とは別に形成されてなることを特徴とする請求
    項1ないし4のいずれか1項に記載の熱線遮断透光部
    材。
  6. 【請求項6】 前記紫外線反射材料層は、積層方向に紫
    外線に対する屈折率が周期的に変化する構造を有してな
    り、その1周期内の屈折率の変化幅が1.1以上となる
    ように設定され、かつ、 前記1周期の層厚t方向の紫外線に対する屈折率分布を
    関数n(t)で表したときの前記1周期の換算厚さθ’
    が0.1〜0.2μmとなるように調整されてなること
    を特徴とする請求項5記載の熱線遮断透光部材。
  7. 【請求項7】 前記紫外線反射材料層は、0.2〜0.
    4μmの波長帯において、反射率70%以上となる高反
    射率帯の帯域幅が少なくとも0.1μm確保されている
    請求項6記載の熱線遮断透光部材。
  8. 【請求項8】 前記紫外線反射材料層は、屈折率の異な
    る互いに隣接した第一及び第二の要素反射層を含む積層
    周期単位が2周期以上積層された積層体として形成され
    たことを特徴とする請求項5ないし7のいずれか1項に
    記載の熱線遮断透光部材。
  9. 【請求項9】 前記積層周期単位をなす前記第一の要素
    反射層と前記第二の要素反射層のうち、高屈折率層の厚
    さをt1、低屈折率層の厚さをt2として、t1<t2
    に設定される請求項4又は8に記載の熱線遮断透光部
    材。
  10. 【請求項10】 反射すべき熱線又は紫外線に対する前
    記高屈折率層の屈折率をn1、同じく前記低屈折率層の
    屈折率をn2として、t1×n1とt2×n2とがほぼ
    等しくなるように、前記高屈折率層の厚さt1と、前記
    低屈折率層の厚さt2とが各々定められている請求項9
    記載の熱線遮断透光部材。
  11. 【請求項11】 前記積層周期単位は、前記低屈折率層
    と前記高屈折率層のみからなる請求項10記載の熱線遮
    断透光部材。
  12. 【請求項12】 前記積層体は、屈折率が3以上の半導
    体又は絶縁体からなる層を前記第一の要素反射層として
    含むことを特徴とする請求項9ないし11のいずれか1
    項に記載の熱線遮断透光部材。
  13. 【請求項13】 前記第一の要素反射層がSi層である
    請求項12記載の熱線遮断透光部材。
  14. 【請求項14】 前記積層体が前記第二の要素反射層と
    して、SiO、BN、AlN、Si、Al
    、TiO、TiN、CNのいずれかからなる層を含
    む請求項12又は13に記載の熱線遮断透光部材。
  15. 【請求項15】 前記第一又は第二の要素反射層がSi
    層であり、これと隣接する他の要素反射層が、SiO
    層又はBN層であることを特徴とする請求項9ないし1
    1のいずれか1項に記載の熱線遮断透光部材。
  16. 【請求項16】 前記積層周期単位の形成周期数が5周
    期以下であることを特徴とする請求項9ないし15のい
    ずれかに記載の熱線遮断透光部材。
  17. 【請求項17】 前記基体は、少なくとも前記熱線反射
    材料層との接触面を含む部分がガラス材料からなること
    を特徴とする請求項1ないし16のいずれか1項に記載
    の熱線遮断透光部材。
  18. 【請求項18】 前記基体が板状に形成され、建築物又
    は車両の採光部形成体として使用されることを特徴とす
    る請求項1ないし17のいずれか1項に記載の熱線遮断
    透光部材。
  19. 【請求項19】 前記基体がガラス板からなり、窓ガラ
    スとして使用されることを特徴とする請求項18記載の
    熱線遮断透光部材。
  20. 【請求項20】 建築物又は車両側に設けられた熱線及
    び可視光に対する透過性を有するベース採光体を覆うよ
    うに、前記建築物又は車両に取り付けて使用され、か
    つ、前記基体の前記ベース採光体に対する配置形態を変
    更することにより、前記熱線反射材料層による前記ベー
    ス採光体に対する熱線遮断面積率を可変となしたことを
    特徴とする請求項1ないし17のいずれか1項に記載の
    熱線遮断透光部材。
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