JP2003285152A - 粒子分散アルミニウム合金材料の低圧鋳造装置 - Google Patents
粒子分散アルミニウム合金材料の低圧鋳造装置Info
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Abstract
金等、粒子分散合金材料の低圧鋳造法において、ストー
クを通して金型のキャビティ内へ導入された溶湯が凝固
するときに、該ストーク内の未凝固溶湯がストーク内面
へ付着し、以降の鋳造時における溶湯の上昇の邪魔とな
って、製品中にブローホールが発生することを防止す
る。 【解決手段】 溶解炉中の溶湯を加圧し、ストークを通
して金型の湯口に導入する低圧鋳造法に用いられる粒子
分散アルミニウム合金材料の低圧鋳造装置であって、金
型台に載置された金型に、外部に連通する複数のベント
ホールを設けた。このベントホールは、金型の湯口付近
に設け、金型台に設けた通孔を通して外部と連通させて
おくのが好ましい。
Description
分散させたアルミニウム合金等、粒子分散合金材料の低
圧鋳造法に用いられる低圧鋳造装置に関するものであ
る。
比べて比重が小さいため、同一形状、同一寸法でも格段
に軽いという特徴がある。このため、自動車、産業車
両、鉄道等の材料をはじめ、電気、通信機器、日用品な
ど材料として広く使用されている。近年は、例えばAl
−Cu系、Al−Mg系、Al−Si系等を基本とする
アルミニウム合金に、さらにセラミックスなどを配合し
た複合材として、特定の性質を一層強化して、特定の目
的に供する開発も進んでいる。
クスなどの成形体(一般にはプリフォームと呼ばれる)
をアルミニウム溶湯内に均一に分散して強化した粒子分
散型アルミニウム合金鋳物がある。通常、繊維強化型ア
ルミニウム合金鋳物は、個別に用意されたプリフォーム
及びアルミニウムによって、あらかじめその複合化率は
決定されて鋳造される。これに対し、粒子分散型アルミ
ニウム合金鋳物は、あらかじめアルミニウム合金中に一
定の粒子(例えばセラミック粒子等)が調整された原料
を溶湯化して、粒子を均一分散させて鋳造するか、もし
くは個別に用意されたアルミニウム合金溶湯に一定量の
粒子を添加して鋳造するものである。粒子分散型アルミ
ニウム合金鋳物の製造方法としては、2種のセラミック
ス粒子を均一分散させるもの(特開平4−297535
号)や、粒子を最適分散させる装置及び方法(特開平7
−90423号)等が知られている。これらの方法は、
アルミニウム合金に一定の複合材を混入・分散させ、所
望の完成品を製造することを主たる目的としたものであ
る。
しては、自動車や鉄道車両のブレーキディスクへの適用
がある。従来の鋳鉄材に代わり、高速化が一段と進むJ
R新幹線用の車両等は、摩擦特性のさらなる向上と車両
の軽量化という命題に応えるべく、アルミニウム合金鋳
物への材質転換が指向され、摩擦特性の一段の強化を目
指して、アルミニウムベースの母合金にセラミックスを
均等に分散強化する開発が進められている。例えば、A
l−Mg合金にAl2 O3 粒子又はSiC粒子を分散さ
せたもの(特開平3−47945号)や、Al−Si合
金にSiC粒子を5〜30%均等に分散したブレーキデ
ィスクが提案されるなど、特定の部材に要求される特性
を強化する有効な手段として注目を集める分野となって
いる。
湯は、双方の溶融点の差、比重差、イオン化傾向、ぬれ
性等、複雑な反応要素が絡み合って、物理的、化学的に
特有の技術的困難性を伴うものである。また、特に鋳造
品を製造するにあたっての造りやすさの指標となる流動
性において、アルミニウム合金溶湯と比べて、粒子分散
型アルミニウム合金溶湯の流動性は、前記のアルミニウ
ム及び粒子双方の物理化学的特性が複雑に絡み合って、
非常に悪いものである。このため、溶湯の流れが悪くな
って、溶湯が金型内に十分に行き渡らず、鋳造品の表面
にブローホールと呼ばれるいわゆる鋳造欠陥が現出する
こととなる。
を製作する場合には、その鋳造方法として、重力鋳造
法、低圧鋳造法、高圧鋳造法、その他特殊な鋳造方法を
採用する。これらの中で、自動車用アルミホイールの鋳
造に多く採用される低圧鋳造法は、比較的経済的でかつ
品質の高い鋳造方法として広く利用されている。しかし
ながら、粒子分散型アルミニウム合金溶湯の流動性は悪
いため、通常の低圧鋳造法によって、粒子分散型アルミ
ニウム合金溶湯によるアルミニウム合金鋳物を製作した
場合、自動車用アルミホイールと同様な品質が保たれる
か甚だ疑問である。
低圧鋳造法によって高品質の鋳造品を製作するには、粒
子分散アルミニウム合金溶湯の流動性を向上させる、ブ
ローホールの原因を除去する、又はその双方の改善が必
須条件となる。粒子分散型アルミニウム合金溶湯を通常
のアルミニウム合金溶湯と同様の手段・方法で低圧鋳造
すれば、ブローホールの現出率が増大することは必須で
あり、この点の改善は、経済性・工業化の点からも避け
て通れない課題である。
上に圧力を加えることにより、ストークを通してアルミ
ニウム溶湯を上昇させ、溶湯を金型へ注液する。図3、
図4は従来の低圧鋳造装置を表すもので、上型1aと下
型1bからなる金型1がパッキン7を介して金型台2上
に載置されており、金型台2には下型1bの湯口に連通
するスリーブ3が挿通されている。一方、溶解炉10の
内部に、溶湯を収容保持する坩堝12が設けられ、該坩
堝内には金型への溶湯の通路となるストーク5が設けら
れている。ストーク5の上端部にはフランジ5aが一体
に設けられ、溶解炉の蓋11上に設けた複数のシリンダ
13によって、パッキン7を介して金型台2の下面に押
圧固定されている。
造法では、鋳造終了時にアルミニウム合金溶湯の凝固収
縮により、金型と製品(鋳造品)との間に負圧(真空状
態)が発生する。この負圧のため、ストーク内の未凝固
アルミニウム合金溶湯が吸引効果を受けて、即座に落下
せず、落下に長時間を要している。
固溶湯が落下しにくいため、ストーク内で凝固して周囲
に付着し、この付着物が次の鋳造時に湯の流れの妨げと
なって溶湯に乱流を生じさせるので、溶湯中に空気を巻
き込んで、製品中にブローホールが発生する原因となっ
ている。また、この付着物は、鋳造を重ねる度に大きく
なり、最終的には湯道を塞ぐことになるので、鋳造のた
びに何らかの方法で取り除く必要があるが、これは煩雑
な作業であり、作業工程の増加につながるという問題点
がある。
促進することにより、ストーク内における当該未凝固溶
湯の凝固付着を防止し、作業工程を繁雑化することな
く、高品質の製品を得ることができるようにすることを
課題としている。
め、本発明は次のような方法を提供する。すなわち、本
発明にかかる粒子分散アルミニウム合金材料の低圧鋳造
装置は、溶解炉中の溶湯を加圧し、ストークを通して金
型の湯口に導入する低圧鋳造法に用いられる鋳造装置で
あって、金型台に載置された金型に、外部に連通する複
数のベントホールを設けたことを特徴としている。
具体的に説明する。図1及び図2は本発明の低圧鋳造装
置の1例を表す縦断面図であり、この低圧鋳造装置10
0は、上型1a,下型1bからなる金型1と、該金型を
載置する金型台2と、溶解炉10を備えている。溶解炉
10内には溶湯を収容保持する坩堝12が設けられ、該
坩堝の開口部は溶解炉の蓋11によって覆蓋されてい
る。なお、蓋11には、外部のガス供給装置から坩堝1
2内に加圧用の窒素ガス等の不活性ガス(又はエア)を
導入するバルブ(図示を省略)付きの注入パイプ15が
設けられている。
る。ストーク5は、下端部が坩堝内の下部に位置し、上
端部にはフランジ5aが設けられている。そして、この
フランジ5aが、蓋11上に設置した複数の液圧シリン
ダ13によって上向きに押圧され、パッキン7を介して
金型台2の下面に押し付けられている。このシリンダ1
3を収縮させることにより、金型台2からストーク5を
分離させ、溶解炉10を横移動させることができる。こ
のため、別の場所で合金を溶融・攪拌し、金型の直下部
の鋳造位置に搬入して、上記シリンダで固定し、鋳造を
行うことができるのである。
るが、この金型には鋳造中に上向きの力が作用するの
で、金型の側部に設けたフレーム25をボルト26で金
型台2に固定して、当該金型が持ち上がらないようにし
ている。金型台2には、上下方向の通孔が設けられ、こ
の通孔にスリーブ3が嵌合した状態で取り付けられてい
る。また、下型1bの底面部には凹部6が設けられ、こ
の凹部にスリーブ3の上端部が嵌合している。スリーブ
3の外径と凹部6の内径とはほぼ同一で、スリーブ3が
隙間なく嵌合している。なお、スリーブ3の下面は前記
金型台2の下面と同一平面となっている。
に複数のベントホール40が設けられている。ベントホ
ール40は、円柱状の部材に空気が流通できる上下方向
の多数の細孔を穿孔した公知のもので、下型1bに設け
た通孔41に嵌め込まれており、該通孔41は、金型台
2に設けた上下方向の通孔42に連通している。このた
め、金型内部(キャビティ)と外部とが複数のベントホ
ール40を通して連通している。
アルミニウム合金の鋳造を行う場合は、溶湯Mを入れた
坩堝12内に注入パイプ15から窒素ガス等の加圧され
た不活性ガスを導入する。このガスの圧力により、坩堝
内の溶湯がストーク5を通って上昇し、スリーブ3と金
型1の湯道1cを通って金型のキャビティ内に導入され
る。この時、金型内の空気は、金型の合わせ面1dを通
って排気され、ストーク5内の空気は、金型の合わせ面
及びストーク5と金型台2との隙間を通って排気され
る。なお、前記ベントホール40は、その上側に流入し
た溶湯によって閉塞されるため、このベントホールから
は排気されない。溶湯の加圧が最高となり、溶湯が金型
内に行き渡った状態で加圧用パイプ15のバルブを閉
め、金型内の溶湯を凝固させる点は、従来技術と同様で
ある。
と、図2に示すように、凝固による収縮によって、製品
である鋳造品Bと金型内面との間に隙間tが形成される
とともに、金型内が負圧になろうとする。しかしなが
ら、この装置には、金型内部と外部を結ぶベントホール
40が設けられているので、外部から空気が流入して、
負圧になることが避けられる。このため、湯道付近で凝
固体と縁の切れた溶湯が重力により即座に落下するの
で、該溶湯のストーク内での凝固付着が効果的に防止さ
れるのである。
による加圧を止め、図示しない排気バルブを開いて除圧
した後、上型1aを持ち上げて鋳造品を取り出す。そし
て、金型を閉じ、再度鋳造を行う。なお、溶湯Mが少な
くなったときや、攪拌の必要が生じたときは、シリンダ
13を収縮させてストーク5を若干下降させることによ
り、溶解炉10と金型台2との連結を解除し、該溶解炉
10を所定の溶解位置まで横移動させて、溶湯の補充や
攪拌を行い、しかるのち再度金型1の直下部に設置して
鋳造を行えばよい。
鋳造装置を使用すれば、金型内で溶湯の凝固が進行する
ときにも負圧とならないので、ストーク内の未凝固の溶
湯が即座に落下する。このため、次回の鋳造に際して、
ストーク内に溶湯の凝固物が付着せず、溶湯が円滑に上
昇できるので、溶湯中に空気を巻き込むようなおそれが
なくなり、ブローホールのない高品質の製品を得ること
が可能となった。
Claims (3)
- 【請求項1】 溶解炉中の溶湯を加圧し、ストークを通
して金型の湯口に導入する低圧鋳造法に用いられる鋳造
装置であって、金型台に載置された金型に、外部に連通
する複数のベントホールを設けたことを特徴とする粒子
分散アルミニウム合金材料の低圧鋳造装置。 - 【請求項2】 ベントホールが金型の湯口付近に設けら
れている請求項1に記載の粒子分散アルミニウム合金材
料の低圧鋳造装置。 - 【請求項3】 ベントホールが金型台に設けられた通孔
を通して外部と連通している請求項1又は2に記載の粒
子分散アルミニウム合金材料の低圧鋳造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002086749A JP4096088B2 (ja) | 2002-03-26 | 2002-03-26 | 粒子分散アルミニウム合金材料の低圧鋳造装置 |
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Publications (2)
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006297436A (ja) * | 2005-04-19 | 2006-11-02 | Toyota Motor Corp | 鋳造装置及び鋳造方法 |
CN103831420A (zh) * | 2014-03-26 | 2014-06-04 | 铜仁学院 | 一种用于制备局部增强铝基复合材料的石墨模具 |
CN104289697A (zh) * | 2014-10-08 | 2015-01-21 | 兰州飞行控制有限责任公司 | 铝合金铸件中钢芯与金属铸模芯轴的连接方法 |
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- 2002-03-26 JP JP2002086749A patent/JP4096088B2/ja not_active Expired - Fee Related
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