JP2003284988A - 吐出方法およびその装置、電気光学装置、その製造方法およびその製造装置、カラーフィルタ、その製造方法およびその製造装置、ならびに基材を有するデバイス、その製造方法およびその製造装置 - Google Patents

吐出方法およびその装置、電気光学装置、その製造方法およびその製造装置、カラーフィルタ、その製造方法およびその製造装置、ならびに基材を有するデバイス、その製造方法およびその製造装置

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JP2003284988A
JP2003284988A JP2002349977A JP2002349977A JP2003284988A JP 2003284988 A JP2003284988 A JP 2003284988A JP 2002349977 A JP2002349977 A JP 2002349977A JP 2002349977 A JP2002349977 A JP 2002349977A JP 2003284988 A JP2003284988 A JP 2003284988A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 組立が良好で電気ノイズの影響を防止した吐
出装置を提供する。 【解決手段】 カラーフィルタを製造する液滴吐出装置
の各色に対応した液滴吐出処理装置に、各色のフィルタ
エレメント材料をそれぞれ吐出するヘッドユニット42
0を設ける。短冊状のプリント基板の長手方向の一端側
にインクジェットヘッドを設け、他端側にコネクタを配
設したヘッド装置433を、平板状のキャリッジ426
に直線状に2つグループである2列で略千鳥状にコネク
タ441が位置する部分が対向することなく反対側に突
出する状態で配設してヘッドユニット420を構成す
る。ヘッドユニット420をヘッド装置433の配列方
向に対して交差方向に移動させつつ、フィルタエレメン
ト材料を所定位置に重ねて吐出し、マザー基板上にフィ
ルタエレメントをドットパターン状に形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流動性を有した液
状体を吐出する吐出方法およびその装置に関する。そし
て、本発明は、液晶装置、EL装置、電気泳動装置、電
子放出装置およびPDP装置などの電気光学装置、この
電気光学装置を製造する電気光学素装置の製造方法およ
びその製造装置に関する。また、本発明は、電気光学装
置に用いられるカラーフィルタ、このカラーフィルタを
製造する製造方法およびその製造装置に関する。さら
に、本発明は、電気光学部材、半導体装置、光学部材、
試薬検査部材などの基材を有するデバイス、この基材を
有したデバイスを製造する製造方法およびその製造装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯電話機、携帯型コンピュータ
などといった電子機器の表示部に液晶装置、エレクトロ
ルミネッセンス装置(以下EL(electoro luminescen
ce)装置という)などといった電気光学装置である表示
装置が広く用いられている。また、最近では、表示装置
によってフルカラー表示することが多くなっている。こ
の液晶装置によるフルカラー表示は、例えば、液晶層に
よって変調される光をカラーフィルタに通すことによっ
て表示される。そして、カラーフィルタは、例えば、ガ
ラス、プラスチックなどによって形成された基板の表面
に、R(赤)、G(緑)、B(青)のドット状の各色の
フィルタエレメントをいわゆるストライプ配列、デルタ
配列またはモザイク配列などといった所定の配列で並べ
ることによって形成される。
【0003】また、EL装置によるフルカラー表示は、
例えばガラス、プラスチックなどによって形成された基
板の表面に、R(赤)、G(緑)、B(青)のドット状
の各色のEL発光層をいわゆるストライプ配列、デルタ
配列またはモザイク配列などといった所定の配列で並
べ、これらのEL発光層を一対の電極で挟持して絵素ピ
クセルを形成する。そして、これらの電極に印加する電
圧を絵素ピクセル毎に制御することにより、これら絵素
ピクセルを希望の色で発光させてフルカラー表示する。
【0004】従来、カラーフィルタのR、G、Bなどの
各色のフィルタエレメントをパターニングする場合や、
EL装置のR、G、Bなどの各色の絵素ピクセルをパタ
ーニングする場合、フォトリソグラフィー法を用いるこ
とが知られている。しかしながら、このフォトリソグラ
フィー法を用いる場合には、工程が複雑であることや、
各色の材料あるいはフォトレジストなどを多量に消費す
るので、コストが高くなるなどといった問題がある。
【0005】この問題を解決するために、インクジェッ
ト法によってフィルタエレメント材料やEL発光材料な
どをドット状に吐出することにより、ドット状配列のフ
ィラメントやEL発光層などを形成する方法が提案され
ている(例えば特許文献1)。
【0006】ここで、インクジェット法によってドット
状配列のフィラメントやEL発光層などを形成する方法
について説明する。図29(a)において、ガラス、プ
ラスチックなどによって形成された大面積の基板、いわ
ゆるマザーボード301の表面に設定される複数のパネ
ル領域302の内部領域に、図29(b)に示すよう
に、ドット状に配列された複数のフィルタエレメント3
03をインクジェット法に基づいて形成する場合につい
て考える。この場合には、例えば図29(c)に示すよ
うに、複数のノズル304を列状に配列してなるノズル
列305を有するインクジェットヘッド306を、図2
9(b)の矢印A1および矢印A2で示すように、1個
のパネル領域302に関して複数回(図29では2回)
主走査させながら、それらの主走査の間に複数のノズル
から選択的にインクすなわちフィルタ材料を吐出するこ
とによって希望位置にフィルタエレメント303を形成
する。
【0007】このフィルタエレメント303は、上述し
たように、R、G、Bなどの各色をいわゆるストライプ
配列、デルタ配列、モザイク配列などといった適宜の配
列形態で配列することによって形成されるものである。
このことから、図29(b)に示すインクジェットヘッ
ド306によるインク吐出処理は、R、G、Bの単色を
吐出するインクジェットヘッド306をR、G、Bの3
色分だけあらかじめ設けておく。そして、これらのイン
クジェットヘッド306を順次に用いて1つのマザーボ
ード301上にR、G、Bなどの3色配列を形成する。
【0008】なお、マザーボード301に複数のパネル
領域302を形成する場合、インクジェットヘッドの主
走査方向に対して幅方向となるマザーボード301の幅
寸法略全域にインクジェットヘッドが位置するように長
手状のインクジェットヘッドを用いることにより、効率
よくフィルタエレメント303を形成することが考えら
れる。しかしながら、パネル領域302の大きさに対応
して異なる大きさのマザーボード301を用いる場合に
は、その都度異なるインクジェットヘッドが必要とな
り、コストが増大することから、複数のインクジェット
ヘッドを複数配設する構成が考えられる。
【0009】
【特許文献1】 特開平2−173703号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、インクジェ
ットヘッドは、例えば組み込まれ圧電素子を適宜動作さ
せてインクに圧力を加えて吐出させる構造で、圧電素子
に適宜電気信号を送信するための電気配線が必要とな
る。このことから、取付基板にインクジェットヘッドお
よびこのインクジェットヘッドに電気的に接続され圧電
素子を制御するための電気配線が接続されるコネクタを
一体的に組立形成されたヘッド装置を用いる構成が考え
られる。
【0011】しかしながら、複数のヘッド装置を配設す
る際、インクジェットヘッドへの電気配線の配線などの
作業性や、所望の描画が得られるヘッド装置の配設位
置、電気ノイズなどを考慮する必要がある。
【0012】本発明は、このような点に鑑みて、組立性
が良好で電気ノイズによる影響を防止した吐出方法およ
びその装置、電気光学装置、その製造方法およびその製
造装置、カラーフィルタ、その製造方法およびその製造
装置、ならびに基材を有するデバイス、その製造方法お
よびその製造装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】(1)本発明の吐出装置
は、流動性を有した液状体を被吐出物上に吐出するノズ
ルが設けられた液滴吐出ヘッド、この液滴吐出ヘッドが
取り付けられた取付基板およびこの取付基板に配設され
たコネクタを備えた複数の吐出手段と、前記複数の吐出
手段を複数グループに分けて配列させ、かつ前記取付基
板におけるコネクタの配設された部分が他のグループに
おいて配列した前記吐出手段と互いに対向しないように
配置させてなり、前記液滴吐出ヘッドのノズルが設けら
れた一面が前記被吐出物の表面に間隙を介して対向する
ように前記複数の吐出手段を配置する保持手段と、この
保持手段および前記被吐出物のうちの少なくともいずれ
か一方を前記液滴吐出ヘッドが前記被吐出物の表面に沿
う状態で相対的に移動させる移動手段とを具備したこと
を特徴とする。
【0014】この発明では、流動性を有した液状体を吐
出するノズルを一面に設けた液滴吐出ヘッドとコネクタ
とを取付基板に取り付けた複数の吐出手段を、複数のグ
ループに分けて配列するとともに、取付基板におけるコ
ネクタの配設された部分が他のグループにおいて配列し
た吐出手段と互いに対向しないように保持手段に配置
し、配置された液滴吐出ヘッドをノズルを有する一面が
被吐出物の表面に沿う状態で被吐出物に対して相対的に
移動させ、ノズルから液状体を被吐出物上の所定位置に
適宜吐出する。
【0015】この構成により、取付基板に液滴吐出ヘッ
ドおよびコネクタを設けた吐出手段を保持手段に複数配
置させるので、複数の液滴吐出ヘッドおよびこれら液滴
吐出ヘッドに対応するコネクタを別々に配設する場合に
比して組立が容易となり、製造性が向上する。また、コ
ネクタが取付基板に配設される部分が他のグループの吐
出手段と互いに対向することなく配置するので、コネク
タが配設された部分が液滴吐出ヘッドに対して対向方向
と反対側である外側に向く状態となり、コネクタへの配
線作業が容易で組立作業性が向上するとともに、コネク
タが位置する部分での電気ノイズが互いに影響し合うこ
とが防止され、安定した良好な液状体の吐出が得られ
る。
【0016】そして、本発明では、取付基板は長手状に
形成され、吐出手段は、前記取付基板の長手方向の一端
側に液滴吐出ヘッドが配設され、前記取付基板の長手方
向の他端側にコネクタが配設されたことが好ましい。こ
の構成により、コネクタが取付基板に配設される部分が
他のグループの吐出手段に互いに対向することなく、液
滴吐出ヘッドに対して対向方向と反対側である外側に向
く状態で複数の吐出手段を保持手段に配置する構成が容
易に得られるとともに、簡単な構成で液滴吐出ヘッドか
らコネクタの位置が離れた状態が得られ、コネクタへの
配線作業も容易となる。
【0017】また、本発明では、コネクタの配設された
部分が対向しないように配列された吐出手段のグループ
同士は略点対称となる状態で当該吐出手段が並べて配置
されたことが好ましい。この構成により、コネクタの位
置が略点対称となる他方のグループの吐出手段のコネク
タの位置から最も遠い位置となり、確実に電気ノイズに
よる影響の防止および配線作業性の向上が図れる。
【0018】さらに、本発明では、液状体を吐出手段に
供給する給液手段を具備し、給液手段は、複数の吐出手
段のグループの間の位置から各グループにおける各吐出
手段に供給管を接続し、この供給管を通して各吐出手段
に液状体を供給することが好ましい。この構成により、
給液手段にて複数の吐出手段のグループの配置位置の間
の位置から各グループの吐出手段に接続した供給管を通
して液状体を供給するので、液状体を供給するための流
路が途中までまとまった状態となり、配管作業および保
守管理が容易となるとともに、配管された流路が他の部
位に干渉することにより、保持手段の移動が規制された
り、配管の外れや損傷などの不都合が防止される。
【0019】そして、本発明では、給液手段は、液状体
を貯留するタンクと、前記液状体を流通する供給管と、
前記タンク内の液状体を前記供給管を通して吐出手段の
液滴吐出ヘッドに供給するポンプとを備え、前記供給管
は、前記吐出手段の液滴吐出ヘッドに対応して複数設け
られ、複数の吐出手段のグループの配置位置の間の位置
から各吐出手段に配管されたことが好ましい。この構成
により、タンクに貯留された液状体を流通する供給管
を、吐出手段の液滴吐出ヘッドに対応して複数設け、複
数の吐出手段のグループの配置位置の間の位置から各吐
出手段にそれぞれ配管するので、例えば液状体を分流し
て供給する構成における分流位置から先端までの流通抵
抗を一致させて各吐出手段の液滴吐出ヘッド間での吐出
量のバラツキを防止するための煩雑な構成が不要で、同
一形状で同一長さの供給管を用いて配管することで、各
液滴吐出ヘッド間での均一な吐出量となる構成が容易に
得られ、製造性が向上する。
【0020】また、本発明では、制御手段から各吐出手
段のコネクタに接続される複数の電気配線を備え、これ
ら電気配線は、保持手段の外周側から各吐出手段のコネ
クタに向けてそれぞれ配線されたことが好ましい。この
構成により、制御手段から各吐出手段のコネクタに接続
する複数の電気配線を、保持手段の外周側から各吐出手
段のコネクタに向けてそれぞれ配線するので、電気配線
による電気ノイズの影響も防止され、安定した良好な液
状体の吐出が得られる。
【0021】さらに、本発明では、複数の吐出手段は、
移動手段によって液滴吐出ヘッドが被吐出物の表面に沿
って相対的に移動される方向に対して交差する方向に沿
って前記液滴吐出ヘッドが複数列に並んだ状態に配置さ
れたことが好ましい。この構成により、例えば被吐出物
の表面にドット状に吐出される液状体のドット間ピッチ
に対応してノズル間ピッチが対応するように移動手段に
よる移動方向に対して液滴吐出ヘッドが傾斜する状態で
複数列に配設しても、コネクタが配設された位置が隣接
する吐出手段同志で干渉することなく容易に配設され、
製造性が向上するとともに、配線による電気ノイズの影
響も防止される。
【0022】(2)本発明では、吐出する液状体として
EL発光材料を含有する液状体を用い、被吐出物である
基板上に吐出させてEL発光層を形成して電気光学装置
を製造することに好都合である。
【0023】(3)本発明では、吐出する液状体として
カラーフィルタ材料を含有する液状体を用い、被吐出物
として液晶を挟持する一対の基板の一方に吐出させてカ
ラーフィルタを形成して電気光学装置を製造することに
好都合である。
【0024】(4)本発明では、吐出する液状体として
カラーフィルタ材料を含有する液状体を用い、被吐出物
である基板上に吐出させて異なる色を呈するカラーフィ
ルタを製造することに好都合である。
【0025】(5)本発明では、流動性を有する液状体
を被吐出物である基材上に吐出して所定の層が設けられ
る基材を有するデバイスを製造することに好都合であ
る。
【0026】
【発明の実施の形態】(カラーフィルタの製造方法およ
び製造装置に関する実施の形態)次に、本発明のカラー
フィルタの製造装置の実施の形態について図面を参照し
て説明する。まず、このカラーフィルタの製造装置の説
明に先立って、製造されるカラーフィルタについて説明
する。図33はカラーフィルタを示す部分拡大図で、図
33(A)は平面図であり、図33(B)は図33
(A)のX−X線断面図である。なお、この図33に示
すカラーフィルタにおいて、図5に示す実施形態のカラ
ーフィルタ1と同一の構成については、同一の符号を付
して説明する。
【0027】〔カラーフィルタの構造〕まず、本発明の
カラーフィルタの製造装置により形成されるカラーフィ
ルタについて図面を参照して説明する。図12はカラー
フィルタを示す部分拡大図で、図12(A)は平面図で
あり、図12(B)は図12(A)のX−X線断面図で
ある。
【0028】〔カラーフィルタの構成〕図12(A)に
おいて、カラーフィルタ1は、マトリックス状に並んだ
複数の画素1Aを備えている。これら画素1Aの境目
は、隔壁6によって区切られている。画素1Aの1つ1
つには、赤(R)、緑(G)、青(B)のいずれかのイ
ンクである液状体としてのカラーフィルタ材料すなわち
フィルタエレメント材料13が導入されている。この図
12に示すカラーフィルタは、赤、緑、青の配置をいわ
ゆるモザイク配列として説明したが、上述したように、
ストライプ配列やデルタ配列など、いずれの配置でも適
用できる。
【0029】カラーフィルタ1は、図12(B)に示す
ように、透光性の基板2と、透光性の隔壁6とを備えて
いる。この隔壁6が形成されていない、すなわち除去さ
れた部分は、上記画素1Aを構成する。この画素1Aに
導入された各色のフィルタエレメント材料13は、着色
層となるフィルタエレメント3を構成する。隔壁6およ
びフィルタエレメント3の上面には、保護層である保護
膜4および電極層5が形成されている。
【0030】〔カラーフィルタ製造装置の構造〕次に、
上記カラーフィルタを製造する製造装置の構成について
図面を参照して説明する。図1は、本発明に係るカラー
フィルタの製造装置の液滴吐出処理装置を示す一部を切
り欠いた斜視図である。
【0031】カラーフィルタ製造装置は、電気光学装置
としてのカラー液晶パネルを構成するカラーフィルタ1
を製造する。このカラーフィルタ製造装置は、図示しな
い液滴吐出装置を備えている。
【0032】〔液滴吐出処理装置の構成〕そして、液滴
吐出装置は、図1に示すような3台の液滴吐出処理装置
405R、405G、405Bを有している。これら液
滴吐出処理装置405R、405G、405Bは、液状
体としてのインクすなわちカラーフィルタ材料である例
えばR、G、Bのフィルタエレメント材料13をマザー
基板12にそれぞれ吐出するR、G、Bの3色に対応し
ている。なお、これら液滴吐出処理装置405R、40
5G、405Bは、略直列状に配置されて液滴吐出装置
を構成する。また、各液滴吐出処理装置405R、40
5G、405Bには、各構成部材の動作を制御する図示
しない制御装置が一体的に設けられている。
【0033】なお、各液滴吐出処理装置405R、40
5G、405Bには、これら液滴吐出処理装置405
R、405G、405Bにマザー基板12を一枚ずつ搬
入および搬出する図示しない搬送ロボットがそれぞれ接
続される。また、各液滴吐出処理装置405R、405
G、405Bには、マザー基板12が例えば6枚収容可
能で、マザー基板12を熱処理、例えば120℃、5分
間加熱して吐出されたフィルタエレメント材料13を乾
燥させる図示しない多段ベーク炉が接続されている。
【0034】そして、各液滴吐出処理装置405R,4
05G,405Bは、図1に示すように、中空箱状の本
体ケースであるサーマルクリーンチャンバ422を有し
ている。このサーマルクリーンチャンバ422内は、イ
ンクジェット方式による安定した良好な描画が得られる
ように、内部が例えば20±0.5℃に調整されて外部
から塵埃が侵入不可能に形成されている。このサーマル
クリーンチャンバ422内には、液滴吐出処理本体42
3が配設されている。
【0035】液滴吐出処理装置本体423は、図1に示
すように、X軸エアースライドテーブル424を有して
いる。このX軸エアースライドテーブル424上には、
図示しないリニアモータが配設された主走査駆動装置4
25が配設されている。この主走査駆動装置425は、
マザー基板12を例えば吸引により取付固定する図示し
ない台座部を有し、この台座部をX軸方向であるマザー
基板12に対して主走査方向に移動させる。
【0036】液滴吐出処理装置本体423には、図1に
示すように、X軸エアースライドテーブル424の上方
に位置して、Y軸テーブルとしての副走査駆動装置42
7が配設されている。この副走査駆動装置427は、フ
ィルタエレメント材料13を例えば上下方向に沿って吐
出させるヘッドユニット420をY軸方向であるマザー
基板12に対して副走査方向に移動させる。なお、図1
において、ヘッドユニット420は、位置関係を明確化
するために、空中に浮いた状態で実線により表示してい
る。
【0037】また、液滴吐出処理装置本体423には、
後述する液滴吐出ヘッドとしてのインクジェットヘッド
421の位置やマザー基板12の位置を制御するために
位置を認識する位置認識手段である図示しない各種カメ
ラが配設されている。なお、ヘッドユニット420や台
座部の位置制御は、パルスモータを用いた位置制御の
他、サーボモータを用いたフィードバック制御や、その
他任意の制御方法によって実現できる。
【0038】また、液滴吐出処理装置本体423には、
図1に示すように、ヘッドユニット420におけるフィ
ルタエレメント材料13を吐出する面を洗浄するワイピ
ングユニット481が設けられている。このワイピング
ユニット481は、例えば布部材およびゴムシートが一
体的に積層された図示しないワイピング部材の一端側を
適宜巻き取り、順次新しい面でフィルタエレメント材料
13を吐出する面をワイピングする構成となっている。
これにより、吐出面に付着したフィルタエレメント材料
13の除去を実施し、後述するノズルの目詰まりが起こ
らないようにしている。
【0039】さらに、液滴吐出処理装置本体423に
は、図1に示すように、インクシステム482が設けら
れている。このインクシステム482は、フィルタエレ
メント材料13を貯留するインクタンク483、フィル
タエレメント材料13が流通可能な供給管478、およ
び、インクタンク483から供給管478を介してフィ
ルタエレメント材料13をヘッドユニット420へ供給
する図示しないポンプを有している。なお、図1におい
て、供給管478の配管は、模式的に示したもので、イ
ンクタンク483からヘッドユニット420の移動に影
響しないように副走査駆動装置427に配線され、ヘッ
ドユニット420を走査する副走査駆動装置427の上
方からヘッドユニット420にフィルタエレメント材料
13を供給するようになっている。
【0040】また、液滴吐出処理装置本体423には、
ヘッドユニット420から吐出されるフィルタエレメン
ト材料13の吐出量を検出する重量測定ユニット485
が設けられている。
【0041】さらに、液滴吐出処理装置本体423に
は、例えば図示しない光センサを有しヘッドユニット4
20からのフィルタエレメント材料13の吐出状態を検
出するドット抜け検出ユニット487が一対の配設され
ている。このドット抜け検出ユニット487は、ヘッド
ユニット420から液状体が吐出させる方向に対して交
差する方向、例えばX軸方向に沿って図示しない光セン
サの光源および受光部が、ヘッドユニット420から吐
出された液滴が通過する空間を挟んで対向するように配
設されている。また、ヘッドユニット420の搬送方向
であるY軸方向側に位置して配設され、フィルタエレメ
ント材料13を吐出するためにヘッドユニット420を
副走査移動させる毎に吐出状態を検出してドット抜けを
検出する。
【0042】なお、詳しくは後述するが、ヘッドユニッ
ト420には、フィルタエレメント材料13を吐出する
ヘッド装置433を2列に配置している。このため、ド
ット抜け検出ユニット487は、各列各ヘッド装置毎に
吐出状態を検出するために一対設けられている。
【0043】〔ヘッドユニットの構成〕次に、ヘッドユ
ニット420の構成について説明する。図2は、液滴吐
出処理装置に設けられたヘッドユニットを示す平面図で
ある。図3は、ヘッドユニットを示す側面図である。図
4は、ヘッドユニットを示す正面図である。図5は、ヘ
ッドユニットを示す断面図である。
【0044】ヘッドユニット420は、図2ないし図5
に示すように、ヘッド本体部430と、インク供給部4
31とを有している。また、ヘッド本体部430は、平
板状のキャリッジ426と、このキャリッジ426に複
数取り付けられた実質的に略同一形状のヘッド装置43
3とを有している。
【0045】(ヘッド装置の構成)図6はヘッドユニッ
ト420に配設されたヘッド装置433を示す分解斜視
図である。ヘッド装置433は、図6に示すように、短
冊状のプリント基板435を有している。このプリント
基板435には、各種電気部品436が実装され図示し
ない電気配線が設けられている。また、プリント基板4
35には、長手方向の一端側(図6中右側)に位置して
窓部437が貫通形成されている。さらに、プリント基
板435には、インクであるフィルタエレメント材料1
3が流通可能な流通路438が窓部437の両側に位置
して設けられている。
【0046】そして、このプリント基板435の一面側
(図6中下面側)には、長手方向の略一端側(図6中右
側)に位置してインクジェットヘッド421が取付部材
440により一体的に取り付けられている。このインク
ジェットヘッド421は、長手矩形状に形成され、長手
方向がプリント基板435の長手方向に沿う状態で取り
付けられる。
【0047】なお、各ヘッド装置433における各イン
クジェットヘッド421は、実質的に略同一形状、すな
わち例えば所定の規格の製品であって、所定の品質に選
別されたものなどであればよい。具体的には、これらイ
ンクジェットヘッド421が同一個数の後述するノズル
を有し、ノズルの形成位置が互いに同一であることが、
キャリッジ426に対してインクジェットヘッド421
を組み立てる際に効率的となり、また組み立て精度も高
まるので、好ましい。さらに、同一の製造・組立工程を
経て作られた製品を用いれば、特別な製品を作る必要が
無くなり、低コストとすることができる。
【0048】また、プリント基板435の他面側(図6
中上面側)には、長手方向の略他端側(図6中左側)に
位置してインクジェットヘッド421に電気配線442
にて電気的に接続されるコネクタ441が一体的に取り
付けられている。これらコネクタ441には、図1に模
式的に示すように、ヘッドユニット420の移動に影響
しないように副走査駆動装置427に配線された電気配
線442(電源配線、信号配線を含む)が接続される。
この電気配線442は図示しない制御装置とヘッドユニ
ット420を接続するものとなる。すなわち、これら電
気配線442は、図2および図5に二点鎖線の矢印で模
式的に示すように、副走査駆動装置427からヘッドユ
ニット420の2列のヘッド装置433の配列方向の両
側であるヘッドユニット420の外周側に配線されてコ
ネクタ441に接続され、電気ノイズが生じないように
なっている。
【0049】さらに、プリント基板435の他面側(図
6中上面側)には、長手方向の略一端側(図6中右側)
でインクジェットヘッド421に対応してインク導入部
443が取り付けられている。このインク導入部443
は、取付部材440に設けられプリント基板435を貫
通する位置決めピン部444を嵌合する略円筒状の位置
決め筒部445と、プリント基板435に係止する係止
爪部446とを有している。
【0050】また、インク導入部443には、先端先細
り形状の略円筒状の連結部448が一対突設されてい
る。これら連結部448は、プリント基板435側とな
る基端部にプリント基板435の流通路438に略液密
に連通する図示しない開口を有し、先端部にフィルタエ
レメント材料13が流通可能な図示しない孔を有してい
る。
【0051】さらに、これら連結部448には、図3な
いし図6に示すように、先端側に位置してシール連結部
450がそれぞれ取り付けられている。これらシール連
結部450は、内周側に連結部448を略液密に嵌着す
る略円筒状に形成され、先端部にシール部材449が設
けられている。
【0052】(インクジェットヘッドの構成)図7は、
インクジェットヘッド421を示す分解斜視図である。
図8はインクジェットヘッド421のフィルタエレメン
ト材料13を吐出する動作をインクジェットヘッド42
1の断面に対応して説明する模式図で、図8(A)はフ
ィルタエレメント材料13を吐出する前の状態、図8
(B)は圧電振動子452を収縮させてフィルタエレメ
ント材料13を吐出している状態、図8(C)はフィル
タエレメント材料13を吐出した直後の状態である。図
9は、インクジェットヘッド421におけるフィルタエ
レメント材料13の吐出量を説明する説明図である。図
10は、インクジェットヘッド421の配置状態を説明
する概略的な模式図である。図11は、図10における
部分拡大図である。
【0053】インクジェットヘッド421は、図7に示
すように、略矩形状のホルダ451を有している。この
ホルダ451には、長手方向に沿って例えば180個の
ピエゾ素子などの圧電振動子452が2列設けられてい
る。また、ホルダ451には、プリント基板435の流
通路438に連通し長手方向の両側略中央にインクであ
るフィルタエレメント材料13が流通する貫通孔453
がそれぞれ設けられている。
【0054】また、ホルダ451の圧電振動子452が
位置する一面である上面には、図7に示すように、合成
樹脂にてシート状に形成された弾性板455が一体的に
設けられている。この弾性板455には、貫通孔453
に連続する連通孔456がそれぞれ設けられている。そ
して、弾性板455には、ホルダ451の上面略四隅に
突設された位置決め爪部457に係合する係合孔458
が設けられ、ホルダ451の上面に位置決めされて一体
的に取り付けられている。
【0055】さらに、弾性板455の上面には、平板状
の流路形成板460が設けられている。この流路形成板
460には、ホルダ451の幅方向に長手状で圧電振動
子452に対応してホルダ451の長手方向に180個
の直列状に2列設けられたノズル溝461と、ノズル溝
461の一側にホルダの長手方向に長手状に設けられた
開口部462と、弾性板455の連通孔456に連続す
る流通孔463とが設けられている。そして、弾性板4
55には、ホルダ451の上面略四隅に突設された位置
決め爪部457に係合する係合孔458が設けられ、ホ
ルダ451の上面に弾性板455とともに位置決めされ
て一体的に取り付けられている。
【0056】また、流路形成板460の上面には、略平
板状のノズルプレート465が設けられている。このノ
ズルプレート465には、流路形成板460のノズル溝
461に対応して略円形のノズル466がホルダ451
の長手方向に180個で25.4mm(1inch)の
長さ範囲に直列状で2列設けられている。また、ノズル
プレート465には、ホルダ451の上面略四隅に突設
された位置決め爪部457に係合する係合孔458が設
けられ、ホルダ451の上面に弾性板455および流路
形成板460とともに位置決めされて一体的に取り付け
られている。
【0057】そして、積層する弾性板455、流路形成
板460およびノズルプレート465により、図8に模
式的に示すように、流路形成板460の開口部462に
て液リザーバ467が区画形成されるとともに、この液
リザーバ467は各ノズル溝461に液供給路468を
介して連続する。このことにより、インクジェットヘッ
ド421は、圧電振動子452の動作により、ノズル溝
461内の圧力が増大しノズルからフィルタエレメント
材料13を2〜13pl例えば約10plの液滴量で7
±2m/sで吐出する。すなわち、図8に示すように、
圧電振動子452に対して所定の印加電圧Vhをパルス
状に印加することで、図8(A),(B),(C)に順
次示すようにして、圧電振動子452を矢印Q方向に適
宜伸縮させることで、インクであるフィルタエレメント
材料13を加圧して所定量の液滴8でノズル466から
吐出させる。
【0058】また、このインクジェットヘッド421
は、上述したように、図9に示すような配列方向の両端
部側の吐出量が多くなる吐出量のバラツキがある。この
ことから、例えば吐出量バラツキが5%以内となる範囲
のノズル466すなわち両端部の10個ずつのノズル4
66からはフィルタエレメント材料13を吐出しないよ
うに制御される。
【0059】そして、ヘッドユニット420を構成する
ヘッド本体部430は、図1ないし図5に示すように、
インクジェットヘッド421を有したヘッド装置433
が複数互いに並んで配置されて構成されている。このヘ
ッド装置433のキャリッジ426における配置は、図
10に模式的に示すように、副走査方向であるY軸方向
よりもY軸方向と直交する主走査方向であるX軸方向側
に対して傾斜した方向にオフセットしながら配列される
状態である。すなわち、すなわち、副走査方向であるY
軸方向より若干傾斜した方向に例えば6個並べて配置さ
れ、この列が1つのグループとして複数列、例えば2つ
のグループである2列で配置されている。これは、イン
クジェットヘッド421よりもヘッド装置433の短辺
方向の幅が広く、互いに隣接するインクジェットヘッド
421同士の配置間隔を狭めることができない一方で、
ノズル466の列がY軸方向に連続して配列されている
ようにしなければならない状況から考えられた配置の仕
方である。
【0060】さらに、ヘッド本体部430は、ヘッド装
置433が、インクジェットヘッド421の長手方向が
X軸方向に対して交差する方向に傾斜する状態で、かつ
コネクタ441が相対向方向と反対側に位置する状態で
略点対称に配設されている。このヘッド装置433の傾
斜する配置状態は、例えばインクジェットヘッド421
の長手方向であるノズル466の配設方向がX軸方向に
対して57.1°傾斜する。
【0061】また、ヘッド装置433は、略千鳥状すな
わち配列方向に対して並列状態に位置しないように配置
されている。すなわち、図2ないし図5および図10に
示すように、12個のインクジェットヘッド421のノ
ズル466がY軸方向に連続して配列されるように、イ
ンクジェットヘッド421は2列に配列され且つそのY
軸方向への配列順序が互い違いの交互に配置される。
【0062】具体的には、図10および図11に基づい
て、より詳細に説明する。ここで、インクジェットヘッ
ド421は、長手方向であるノズル466の配列方向が
X軸方向に対して傾斜する。このため、インクジェット
ヘッド421に設けられた2列のノズル466の一列目
において、フィルタエレメント材料13を吐出する11
個目のノズル466が位置するX軸方向の直線上で、2
列目のノズル466の他方は吐出しない10個以内の位
置となる領域Aがある(図11中のA)。すなわち、1
つのインクジェットヘッド421では、X軸方向での直
線上に2個のノズル466が存在しない領域Aが生じ
る。
【0063】したがって、図10および図11に示すよ
うに、1つのインクジェットヘッド421でX軸方向の
直線上に2個のノズル466が位置する領域B(図11
中のB)では、列をなすヘッド装置433はX軸方向で
並列状態に位置させない。さらに、一方の列をなすヘッ
ド装置433のX軸方向での直線上に1個しか位置しな
い領域Aと、他方の列をなすヘッド装置433のX軸方
向での直線上に1個しか位置しない領域Aとは、X軸方
向で互いに並列状態に位置させ、一方の列のインクジェ
ットヘッド421と他方の列のインクジェットヘッド4
21とにてX軸方向の直線上に合計で2個のノズル46
6が位置する状態とする。すなわち、インクジェットヘ
ッド421が配設されている領域においては、どの位置
でもX軸方向の直線上に必ず合計2個のノズル466が
位置するように2列に千鳥状(互い違い)に配設する。
なお、フィルタエレメント材料13を吐出しないノズル
466の領域Xは、このX軸方向の直線上における2個
のノズル466の数として数えない。
【0064】このように、主走査されるX軸方向に対し
てインクを吐出するノズル466は2個が直線上に位置
し、口述するように、この2個のノズルから1つの個所
にインクが吐出されることになる。1つのノズルからの
吐出だけで1つのエレメントを構成すると、ノズル間の
吐出量のバラツキがエレメントの特性バラツキや歩留ま
り劣化に繋がるので、このように別々のノズルから吐出
により1つのエレメントを形成すれば、ノズル間の吐出
のバラツキを分散し、エレメント間での特性の均一化お
よび歩留まり向上を図ることができる。
【0065】(インク供給部の構成)インク供給部43
1は、図2ないし図5に示すように、ヘッド本体部43
0の2列に対応してそれぞれ設けられた一対の平板状の
取付板471と、これら取付板471に複数取り付けら
れた供給本体部472とを有している。そして、供給本
体部472は、略細長円筒状の進退部474を有してい
る。この進退部474は、取付治具473にて取付板4
71を貫通する状態で軸方向に沿って移動可能に取り付
けられる。また、供給本体部472の進退部474は、
例えばコイルスプリング475などにより取付板471
からヘッド装置433に向けて進出する方向に付勢され
て取り付けられる。なお、図2において、説明の都合
上、インク供給部431は、2列のヘッド装置433の
うちの一方の列に対してのみ図示し、他方はそれを省略
して図示している。
【0066】この進退部474のヘッド装置433に対
向する側の端部には、フランジ部476が設けられてい
る。このフランジ部476は、進退部474の外周縁に
鍔状に突出し、端面がヘッド装置433のインク導入部
443のシール部材449に、コイルスプリング475
の付勢に抗して略液密に当接する。また、進退部474
のフランジ部476が設けられた側と反対側の端部に
は、ジョイント部477が設けられている。このジョイ
ント部477は、図1に模式的に示すように、フィルタ
エレメント材料13が流通する供給管478の一端が接
続される。
【0067】この供給管478は、上述したように、図
1に模式的に示すように、ヘッドユニット420の移動
に影響しないように副走査駆動装置427に配線され、
図2および図4に一点鎖線の矢印で模式的に示すよう
に、副走査駆動装置427からヘッドユニット420上
方より2列で配列されたインク供給部431の間の略中
央に配管され、さらに放射状に配管されて先端がインク
供給部431のジョイント部477に接続されて配管さ
れる。
【0068】そして、インク供給部431は、供給管を
介して流通するフィルタエレメント材料13をヘッド装
置433のインク導入部443に供給する。また、イン
ク導入部443に供給されたフィルタエレメント材料1
3はインクジェットヘッド421に供給され、電気制御
されたインクジェットヘッド421の各ノズル466か
ら適宜液滴8状に吐出される。
【0069】〔カラーフィルタの製造動作〕(前処理)
次に、上記実施の形態のカラーフィルタ製造装置を用い
てカラーフィルタ1を形成する動作を図面を参照して説
明する。図13は上記カラーフィルタの製造装置を用い
てカラーフィルタ1を製造する手順を説明する製造工程
断面図である。
【0070】まず、例えば膜厚寸法が0.7mm、縦寸
法が38cm、横寸法が30cmの無アルカリガラスの
透明基板であるマザー基板12の表面を、熱濃硫酸に過
酸化水素水を1質量%添加した洗浄液で洗浄する。この
洗浄後、純水でリンスして空気乾燥し、清浄表面を得
る。このマザー基板12の表面に、例えばスパッタ法に
よりクロム膜を平均0.2μmの膜厚で形成し、金属層
6aを得る(図13中手順S1)。
【0071】このマザー基板12をホットプレート上
で、80℃で5分間乾燥させた後、金属層6aの表面
に、例えばスピンコートにより図示しないフォトレジス
ト層を形成する。このマザー基板12の表面に、例えば
所要のマトリックスパターン形状を描画した図示しない
マスクフィルムを密着させ、紫外線で露光する。次に、
この露光したマザー基板12を、例えば水酸化カリウム
を8質量%の割合で含有するアルカリ現像液に浸漬し、
未露光部分のフォトレジストを除去し、レジスト層をパ
ターニングする。続いて、露出した金属層6aを、例え
ば塩酸を主成分とするエッチング液でエッチング除去す
る。このようにして、所定のマトリックスパターンを有
するブラックマトリックスである遮光層6bが得られる
(図13中手順S2)。なお、遮光層6bの膜厚はおお
よそ0.2μmで、遮光層6bの幅寸法はおおよそ22
μmである。
【0072】この遮光層6bが設けられたマザー基板1
2上に、さらにネガ型の透明アクリル系の感光性樹脂組
成物6cを例えばスピンコート法で塗布形成する(図1
3中手順S3)。この感光性樹脂組成物6cを設けたマ
ザー基板12を100℃で20分間プレベークした後、
所定のマトリックスパターン形状を描画した図示しない
マスクフィルムを用いて紫外線露光する。そして、未露
光部分の樹脂を、例えば上述したようなアルカリ性の現
像液で現像し、純水でリンスした後にスピン乾燥する。
最終乾燥としてのアフターベークを例えば200℃で3
0分間実施し、樹脂部分を十分に硬化させ、バンク層6
dを形成する。このバンク層6dの膜厚は平均で約2.
7μm、幅寸法は約14μmである。このバンク層6d
と遮光層6bとにて隔壁6が形成される(図13中手順
S4)。
【0073】上記得られた遮光層6bおよびバンク層6
dで区画された着色層形成領域であるフィルタエレメン
ト形成領域7(特にマザー基板12の露出面)のインク
濡れ性を改善するため、ドライエッチング、すなわちプ
ラズマ処理をする。具体的には、例えばヘリウムに酸素
を20%加えた混合ガスに高電圧を印加し、プラズマ処
理でエッチングスポットに形成し、マザー基板12を形
成したエッチングスポット下を通過させてエッチング
し、マザー基板12の前処理工程を実施する。
【0074】(フィルタエレメント材料の吐出)次に、
上述の前処理が実施されたマザー基板12の隔壁6で区
切られて形成されたフィルタエレメント形成領域7内
に、赤(R)、緑(G)、青(B)の各フィルタエレメ
ント材料をインクジェット方式により導入、すなわち吐
出する(図13中手順S5)。
【0075】このインクジェット方式によるフィルタエ
レメント材料13の吐出に際しては、あらかじめヘッド
ユニット420を組立形成しておく。そして、液滴吐出
装置の各液滴吐出処理装置405R、405G、405
Bにおいて、各インクジェットヘッド421の1つのノ
ズル466から吐出されるフィルタエレメント材料13
の吐出量が所定量、例えば10pl程度となるように調
整しておく。一方、マザー基板12の一面に、あらかじ
め隔壁6を格子状パターンに形成しておく。
【0076】そして、上述したように前処理したマザー
基板12を、図示しない搬送ロボットにより、まずR色
用の液滴吐出処理装置405R内に搬入し、液滴吐出処
理装置405R内の台座部上に載置する。この台座部上
に載置されたマザー基板12は、例えば吸引により位置
決め固定される。そして、マザー基板12を保持した台
座部は、各種カメラなどにてマザー基板12の位置が確
認され、適宜所定の位置となるように主走査駆動装置4
25を制御して移動する。また、副走査駆動装置427
にてヘッドユニット420を適宜移動させ、その位置を
認識する。この後、ヘッドユニット420を副走査方向
に移動させドット抜け検出ユニット487にて、ノズル
466からの吐出状態を検出し、吐出不良を生じていな
いことを認識して初期位置に移動させる。
【0077】この後、主走査駆動装置425により可動
される台座部に保持されたマザー基板12をX方向に走
査して、マザー基板12に対して相対的にヘッドユニッ
ト420を移動させつつ、適宜インクジェットヘッド4
21の所定のノズル466から適宜フィルタエレメント
材料13を吐出させ、マザー基板12の隔壁6にて区画
された凹部内に充填する。このノズル466からの吐出
は、図示しない制御装置により、図11に示すノズル4
66の配設方向の両端部に位置する所定領域X、例えば
両端10個ずつのノズル466からはフィルタエレメン
ト材料13は吐出させない制御をし、中間部分に位置す
る比較的に吐出量が一様な160個から吐出させる。
【0078】また、ノズル466からの吐出は、走査方
向の直線上、すなわち走査ライン上に2つのノズル46
6が位置するので、移動中に1つの凹部に1ノズル46
6から2ドット、より詳しくは1ノズル466から1ド
ットとして2液滴分を吐出させるので、計8液滴分が吐
出される。この1走査移動毎にドット抜け検出ユニット
487より吐出状態を検出してドット抜けが生じていな
いか確認する。
【0079】ドット抜けを認識しない場合、ヘッドユニ
ット420を副走査方向に所定量移動させ、再びマザー
基板12を保持する台座部を主走査方向に移動させつつ
フィルタエレメント材料13を吐出させる動作を繰り返
し、所定のカラーフィルタ形成領域11の所定のフィル
タエレメント形成領域7にフィルタエレメント3を形成
する。
【0080】(乾燥・硬化)そして、R色のフィルタエ
レメント材料13が吐出されたマザー基板12は、図示
しない搬送ロボットにより液滴吐出処理装置405Rか
ら採り出され、図示しない多段ベーク炉にて、フィルタ
エレメント材料13を例えば120℃で5分間乾燥させ
る。この乾燥後、搬送ロボットにより多段ベーク炉から
マザー基板12を採り出し、冷却しつつ搬送する。この
後、液滴吐出処理装置405Rから順次G色用の液滴吐
出処理装置405GおよびB色用の液滴吐出処理装置4
05Bに搬送し、R色の形成の場合と同様に、所定のフ
ィルタエレメント形成領域7にG色およびB色のフィル
タエレメント材料13を順次吐出する。そして、各3色
のフィルタエレメント材料13が吐出されて乾燥された
マザー基板12を回収し、熱処理、すなわちフィルタエ
レメント材料13を加熱により固化定着させる(図13
中手順S6)。
【0081】(カラーフィルタの形成)この後、フィル
タエレメント3が形成されたマザー基板12の略全面に
保護膜4を形成する。さらに、この保護膜4の上面にI
TO(Indium-Tin Oxide)にて電極層5を所要パターン
で形成する。この後、別途カラーフィルタ形成領域11
毎に切断して複数のカラーフィルタ1を切り出し形成す
る(図13中手順S7)。このカラーフィルタ1が形成
された基板は、液晶装置における一対の基板の一方とし
て用いられる。
【0082】〔カラーフィルタの製造装置の効果〕この
図1ないし図13に示す一実施の形態によれば、以下に
示す作用効果を奏する。すなわち、流動性を有した液状
体としてのカラーフィルタ材料であるフィルタエレメン
ト材料13をマザー基板12に吐出するノズル466を
一面に設けたインクジェットヘッド421を取付基板で
あるプリント基板435の一面に設けるとともに、ノズ
ル466からフィルタエレメント材料13を吐出させる
制御をする制御手段が電気的に接続されるコネクタ44
1をプリント基板435のインクジェットヘッド421
の周面から突出する位置に設けた吐出手段であるヘッド
装置433を、プリント基板435のコネクタ441が
配設された部分が互いに対向することなく互いに並べて
複数配置した保持手段としてのキャリッジ426を用
い、ノズル466を有するインクジェットヘッド421
の一面がマザー基板12の表面に所定の間隙を介して対
向する状態でこのマザー基板12の表面に沿う方向にキ
ャリッジ426を相対的に移動させ、ノズル466から
フィルタエレメント材料13をマザー基板12の所定位
置に適宜吐出する。このため、キャリッジ426にイン
クジェットヘッド421およびコネクタ441を設けた
ヘッド装置433を用いてキャリッジ426に複数互い
に並べて配置させるので、複数のインクジェットヘッド
421およびこれらインクジェット421に対応するコ
ネクタ441を別々に配設する場合に比して組立が容易
となり、製造性を向上できる。
【0083】また、インクジェットヘッド421のノズ
ル466からフィルタエレメント材料13を吐出させる
制御をする制御装置が電気的に接続されるコネクタ44
1がプリント基板435に配設される部分が他のグルー
プのインクジェットヘッド421に互いに対向すること
なく複数のヘッド装置433をキャリッジ426に保持
させるので、コネクタ441が配設された部分がインク
ジェットヘッド421に対して対向方向と反対側である
外側に向く状態となり、コネクタ441への配線作業が
容易で組立作業性を向上できるとともに、コネクタ44
1が位置する部分での電気ノイズが互いに影響し合うこ
とを防止でき、安定した良好なフィルタエレメント材料
13の吐出が得られる。
【0084】そして、長手状に形成されたプリント基板
435の長手方向の一端側にインクジェットヘッド42
1を配設し、長手方向の他端側にコネクタ441を配設
した。このため、コネクタ441がプリント基板435
に配設される部分が他の列であるグループのインクジェ
ットヘッド421に互いに対向することなく、インクジ
ェットヘッド421に対して対向方向と反対側である外
側に向く状態で配設される構成を容易に得ることができ
るとともに、簡単な構成でインクジェットヘッド421
からコネクタ441の位置が離れた状態が得られ、コネ
クタ441への配線作業も容易となり、保守管理も容易
にできる。
【0085】さらに、複数のインクジェットヘッド42
1を短冊状のプリント基板435の一端側に配設し、他
端側にコネクタ441を設けた。このため、複数直線上
に配設してもコネクタ441が干渉することなく配設で
き、小型化ができるとともに、主走査方向でのノズル4
66が存在しない位置が形成されることがなく、連続し
たノズル466の配列を得ることができ、長手の特別な
インクジェットヘッドを用いる必要がない。
【0086】そして、インクジェットヘッド421をグ
ループである2列が略点対称となるように配設した。こ
のため、フィルタエレメント材料13を供給する供給管
478をヘッドユニット420の近傍までまとめること
ができ、装置の組立や保守管理などが容易にできる。
【0087】また、インクジェットヘッド421を制御
するための電気配線442の配線がヘッドユニット42
0の両側、すなわちキャリッジ426の外周側からとな
り、電気配線442による電気ノイズの影響を防止で
き、良好で安定した描画を得ることができる。さらに
は、電気配線442とフィルタエレメント材料13を供
給する供給管478とを離して配線・配管でき、電気配
線442と供給管478とが絡まず、組み立て作業が容
易にでき、絡み合いによる損傷やフィルタエレメント材
料13の吐出状態の変動なども防止できる。
【0088】そして、コネクタ441が反対側に位置す
るように点対称で配設したため、コネクタ441部分で
の電気ノイズの影響を防止でき、良好で安定した描画を
得ることができる。
【0089】また、流動性を有した液状体としての例え
ばインクであるフィルタエレメント材料13を吐出する
ノズル466が一面に複数略直線上に設けられたインク
ジェットヘッド421を、これらインクジェットヘッド
421のノズル466が設けられた一面が被吐出物とし
てのマザー基板12の表面に所定の間隙を介して対向す
る状態でマザー基板12の表面に沿って相対的に移動さ
せ、インクジェットヘッド421の各ノズル466のう
ちこれらノズル466の配設方向の両端部の所定領域XX
に位置する例えば両側10個のノズル466からは吐出
させることなく所定領域XX以外の中間部分に位置するノ
ズル466からマザー基板12の表面にフィルタエレメ
ント材料13を吐出する。この構成により、吐出量が特
に多くなるノズル466の配設方向の両端部に位置する
所定領域XXである両端10個ずつのノズル466からは
を吐出させず、吐出量が比較的一様な中間部分のノズル
466を用いてフィルタエレメント材料13を吐出させ
るので、マザー基板12の表面に平面的に均一に吐出で
き、平面的に品質が均一なカラーフィルタ1が得られ、
このカラーフィルタ1を用いた電気光学装置である表示
装置にて良好な表示が得られる。
【0090】そして、フィルタエレメント材料13の吐
出量の平均値より1割以上多い吐出量となるノズル46
6からは吐出させないので、特にカラーフィルタ1のフ
ィルタエレメント材料13やEL発光材料、荷電粒子を
含有した電気泳動装置用などの機能性液状体を液状体と
して用いる場合でも、特性にバラツキが生じず、液晶装
置やEL装置などの電気光学装置として良好な特性を確
実に得ることができる。
【0091】また、各ノズル466から吐出量の平均値
に対して±1割以内でフィルタエレメント材料13が吐
出されるので、吐出量が比較的一様となり、マザー基板
12の表面に平面的に均一に吐出され、良好な特性の電
気光学装置が得られる。
【0092】そして、ノズル466が略等間隔で直線上
に配設したインクジェットヘッド421を用いることに
より、例えばストライプ型やモザイク型、デルタ型な
ど、所定の規則性を有した構成を描画することが容易に
できる。
【0093】さらに、ノズル466が略等間隔で直線上
に配設されたインクジェットヘッド421の構成におい
て、長手矩形状のインクジェットヘッド421に長手方
向に沿ってノズル466を略等間隔で直線上に設けたの
で、インクジェットヘッド421が小型化し、例えば隣
接するインクジェットヘッド421同志や他の部位との
干渉を防止でき、容易に小型化できる。
【0094】また、ノズル466の配設方向に対して交
差する方向にインクジェットヘッド421を相対的に移
動させるので、ノズル466の配設方向が移動方向に対
して傾斜した状態となり、フィルタエレメント材料13
の吐出される間隔であるエレメント間ピッチがノズル間
ピッチより狭くなり、傾斜する状態を適宜設定するのみ
で、マザー基板12の表面にドット状に吐出する際の所
望のエレメント間ピッチに容易に対応でき、エレメント
間ピッチに対応してインクジェットヘッド421を形成
する必要がなく、汎用性を向上できる。
【0095】そして、流動性を有した液状体としての例
えばインクであるフィルタエレメント材料13を吐出す
るノズル466が一面に複数設けられた複数のインクジ
ェットヘッド421を、これらインクジェットヘッド4
21のノズル466が設けられた一面がマザー基板12
などの被吐出物の表面に所定の間隙を介して対向する状
態で、被吐出物の表面に沿って相対的に移動させ、複数
のインクジェットヘッド421の各ノズル466から被
吐出物の表面に同一の液状体を吐出させる。このため、
例えば同一の規格品のインクジェットヘッド421を用
いて、広い範囲に液状体を吐出させることが可能とな
り、長手の特別なインクジェットヘッドを用いることな
く従来の規格品を複数用いることで代用でき、コストを
低減できる。さらに、例えばインクジェットヘッド42
1を配列する配設方向の数を適宜設定することにより、
液状体を吐出する領域に対応させることが可能となり、
汎用性を向上できる。
【0096】また、複数のインクジェットヘッド421
を配設するので、例えばマザー基板12の表面に吐出す
る領域が広い場合や同じ箇所に重ねて吐出する場合など
でも、インクジェットヘッド421を複数回移動させる
必要がなく、また特別なインクジェットヘッドを形成す
る必要もなく、簡単な構成で容易にフィルタエレメント
材料12を吐出できる。
【0097】さらに、複数のインクジェットヘッド42
1として同一形状のものを用いることにより、1種類の
インクジェットヘッド421でも、適宜配列させること
で液状体を吐出する領域に対応させることが可能とな
り、構成が簡略化し、製造性を向上でき、コストも低減
できる。
【0098】また、ノズル466の配設方向がそれぞれ
略平行となる状態で複数のインクジェットヘッド421
をキャリッジ426に配設してヘッドユニット420を
構成したので、例えばノズル466の配列方向が略直列
状で平行となる場合には、ノズル466の配列領域が広
くなり、広い範囲にフィルタエレメント材料13を吐出
でき、吐出効率を向上でき、またインクジェットヘッド
421の移動方向に並列状態で平行となる場合には、1
つの箇所に異なるインクジェットヘッド421から液状
体を重ねて吐出させることが可能となり、吐出領域での
吐出量を容易に平均化でき、安定した良好な描画を得る
ことができる。
【0099】そして、複数のインクジェットヘッド42
1をそれぞれ主走査方向に対して交差する方向に傾斜さ
せて略直線上に位置して配設したため、フィルタエレメ
ント材料13の吐出される間隔であるエレメント間ピッ
チがノズル間ピッチより狭くなり、例えばフィルタエレ
メント材料13が吐出されたマザー基板12を表示装置
などに利用した場合、より詳細な表示形態が得られる。
さらに、隣合うインクジェットヘッド421の干渉を防
止でき、小型化が容易に図れる。そして、この傾斜角を
適宜設定することにより、描画のドットピッチが適宜設
定され、汎用性を向上できる。
【0100】また、複数のインクジェットヘッド421
を複数列、例えば2列で略千鳥状に配設したため、長手
の特別なインクジェットヘッド421を用いることな
く、既製品のインクジェットヘッド421を用いても、
隣合うインクジェットヘッド421が干渉せずにインク
ジェットヘッド421間で液状体が吐出されない領域を
生じることがなく、連続的な液状体の良好な吐出、すな
わち連続した描画ができる。
【0101】そして、流動性を有した液状体である例え
ばインクであるフィルタエレメント材料13を吐出する
ノズル466が一面に複数設けられたインクジェットヘ
ッド421を、インクジェットヘッド421のノズル4
66が設けられた一面が被吐出物としてのマザー基板1
2の表面に所定の間隙を介して対向する状態でマザー基
板12の表面に沿って相対的に移動させ、この相対的な
移動方向に沿った直線上に位置する複数、例えば2つの
ノズル466からフィルタエレメント材料13を吐出さ
せる。このため、異なる2つのノズル466から重ねて
フィルタエレメント材料13を吐出する構成が得られ、
仮に複数のノズル466間において吐出量にバラツキが
存在する場合でも、吐出されたフィルタエレメント材料
13の吐出量が平均化されてバラツキを防止でき、平面
的に均一な吐出が得られ、平面的に品質の均一な良好な
特性の電気光学装置を得ることができる。
【0102】さらに、ドット抜け検出ユニット487を
設け、ノズル466からのフィルタエレメント材料13
の吐出を検出するため、フィルタエレメント材料13の
吐出むらを防止でき、確実で良好なフィルタエレメント
材料13の吐出である描画を得ることができる。
【0103】そして、ドット抜け検出ユニット487に
光センサを設け、この光センサにてフィルタエレメント
材料13の吐出方向に対して交差する方向でフィルタエ
レメント材料13の通過を検出するので、フィルタエレ
メント材料13を吐出する工程中でも、簡単な構成で確
実なフィルタエレメント材料13の吐出状態を認識で
き、フィルタエレメント材料13の吐出むらを防止で
き、確実で良好なフィルタエレメント材料13の吐出で
ある描画を得ることができる。
【0104】さらに、ノズル466からマザー基板12
にフィルタエレメント材料13を吐出する工程の前後
で、ドット抜け検出ユニット487により吐出状態を検
出するため、描画のためのフィルタエレメント材料13
の吐出直前および直後の吐出状態を検出でき、吐出状態
を確実に認識でき、ドット抜けを確実に防止して良好な
描画を得ることができる。なお、吐出する構成の前ある
いは後のいずれか一方の時点で行うのみでもよい。
【0105】また、ヘッドユニット420の主走査方向
側にドット抜け検出ユニット487を配設するため、フ
ィルタエレメント材料13の吐出状態の検出のためにヘ
ッドユニット420を移動させる距離が短く、かつ吐出
のための主走査方向への移動をそのまま継続させる簡単
な構成ででき、ドット抜けの検出を効率よく簡単な構成
でできる。
【0106】〔カラーフィルタの適用例〕次に、上記実
施の形態のカラーフィルタを備えた電気光学装置の一例
としてカラー液晶装置を挙げて以下に説明する。図50
は、先の実施形態のカラーフィルタを備えた液晶装置の
断面構成図である。
【0107】この実施形態の液晶装置700は、互いに
対向するように配置されたカラーフィルタ基板741及
びアクティブ素子基板701と、これらの間に挟持され
た液晶層702と、カラーフィルタ基板741の上面側
(観測者側)に付設された位相差板715a、偏光板7
16aと、アクティブ素子基板701の下面側に付設さ
れた位相差板715b、偏光板716bとが備えられた
液晶パネル750を主体として構成されている。この液
晶パネル750に、液晶駆動用ドライバチップと、電気
信号を伝達するための配線類、支持体などの付帯要素を
装着することによって、最終製品としての液晶装置が構
成される。
【0108】カラーフィルタ基板741は、光透過性基
板(基板)742を具備してなる観測者側に向いて設け
られる表側の基板であり、アクティブ素子基板701は
その反対側、換言すると裏側に設けられる基板である。
カラーフィルタ基板741は、プラスチックフィルム又
は厚さ300μm(0.3mm)程度のガラス基板等か
らなる光透過性基板742と、この基板742の下側
(換言すると液晶層側の面)に形成されたカラーフィル
タ751とを主体として構成されている。カラーフィル
タ751は、この基板742の下側(換言すると液晶層
側の面)に形成された隔壁706と、フィルタエレメン
ト703…と、隔壁706及びフィルタエレメント70
3…を覆う保護膜704と、を具備して構成されてい
る。
【0109】隔壁706は、各フィルタエレメント70
3を形成する着色層形成領域であるフィルタエレメント
形成領域707をそれぞれ取り囲むように形成された格
子状のもので、基板742の一面742aに形成されて
いる。隔壁706は、孔706c…を複数有している。
各孔706c内には基板742面が露出している。そし
て隔壁706の内壁(孔706cの壁面)と基板742
面とにより区画されてフィルタエレメント形成領域70
7…が形成されている。
【0110】隔壁706は、例えば黒色感光性樹脂膜か
らなり、この黒色感光性樹脂膜としては例えば、通常の
フォトレジストに用いられるようなポジ型若しくはネガ
型の感光性樹脂と、カーボンブラック等の黒色の無機顔
料あるいは黒色の有機顔料とを少なくとも含むものが好
ましい。この隔壁706は、黒色の無機顔料または有機
顔料を含むもので、フィルタエレメント703…の形成
位置を除く部分に形成されているため、フィルタエレメ
ント703…同士の間の光の透過を遮断でき、従ってこ
の隔壁706は、遮光膜としての機能をも有する。フィ
ルタエレメント703…は、隔壁706の内壁と基板7
42に渡って設けられたフィルタエレメント形成領域7
07に赤(R)、緑(G)、青(B)の各フィルタエレ
メント材料をインクジェット方式により導入、すなわち
吐出し、その後乾燥させることにより形成したものであ
る。
【0111】更に保護膜704の下側(液晶層側)にI
TO(Indium Tin Oxide)などの透明導電材料からなる
液晶駆動用の電極層705が保護膜704の略全面にわ
たって形成されている。更にこの液晶駆動用の電極層7
05を覆って液晶層側に配向膜719aが設けられてお
り、また、反対側のアクティブ素子基板701側の後述
する画素電極732上にも配向膜719bが設けられて
いる。
【0112】アクティブ素子基板701は、光透過性基
板(基板)714上に図示略の絶縁層が形成され、さら
にこの絶縁層の上に、TFT型のスイッチング素子とし
ての薄膜トランジスタTと画素電極732が形成されて
なるものである。また、基板714上に形成された絶縁
層上には、実際にはマトリクス状に複数の走査線と複数
の信号線とが形成され、これら走査線と信号線とに囲ま
れた領域毎に先の画素電極732が設けられ、各画素電
極732と走査線及び信号線とが電気的に接続される位
置に薄膜トランジスタTが組み込まれており、走査線と
信号線に対する信号の印加によって薄膜トランジスタT
をオン・オフして画素電732への通電制御を行うこと
ができるように構成されている。また、対向側のカラー
フィルタ基板741側に形成された電極層705はこの
実施形態では画素領域全体をカバーする全面電極とされ
ている。尚、TFTの配線回路や画素電極形状には様々
なものを適用できる。
【0113】アクティブ素子基板701とカラーフィル
タ基板(対向基板)741とは、カラーフィルタ基板7
41の外周縁に沿って形成されたシール材755によっ
て所定の間隙を介して貼り合わされている。また、符号
756は両基板間の間隔(セルギャップ)を基板面内で
一定に保持するためのスペーサである。その結果、アク
ティブ素子基板701とカラーフィルタ基板741との
間には、平面視略額縁状のシール材755によって矩形
の液晶封入領域が区画形成され、この液晶封入領域内
に、液晶が封入されている。
【0114】図50に示すようにカラーフィルタ基板7
41はアクティブ素子基板701よりも小さく、アクテ
ィブマ素子基板701の周辺部分は、カラーフィルタ基
板741の外周縁よりはみ出た状態に貼り合わされる。
従って、アクティブ素子基板701では、シール材45
5の外周側領域において、画素スイッチング用の薄膜ト
ランジスタTと同時に駆動回路用のTFTを形成するこ
とができ、もって走査線駆動回路やデータ線駆動回路を
設けることが可能になっている。この液晶パネル750
では、アクティブ素子基板701およびカラーフィルタ
基板741の光入射側および光出射側の面には、ノーマ
リホワイトモード/ノーマリブラックモードの別に応じ
て、上記の偏光板716a、716b(偏光シート)が
所定の向きに配置されている。
【0115】このように構成した液晶パネル750にお
いて、アクティブ素子基板701では、データ線(図示
せず。)および薄膜トランジスタTを介して画素電極7
32に印加した表示信号によって、画素電極732と対
向電極718との間において液晶の配向状態を画素毎に
制御し、表示信号に対応した所定の表示を行う。たとえ
ば、液晶パネル750をTNモードで構成した場合に、
一対の基板間(アクティブ素子基板701とカラーフィ
ルタ基板741)の各々に形成した配向膜719a、7
19bに対してラビング処理を行う際にラビング方向を
互いに直交する方向に設定すると、液晶は、基板間で9
0°の角度をもって捩じれ配向する。このような捩じれ
配向は、基板間で液晶層702に電場をかけることによ
って解放される。従って、基板間に外部から電場を印加
するか否かによって、液晶の配向状態を画素電極732
が形成されている領域毎(画素毎)に制御することがで
きる。
【0116】それ故、液晶パネル750を透過型の液晶
パネルとして用いる場合、アクティブ素子基板701の
下側に配置した照明装置(図示略)からの光は、入射側
の偏光板716bによって所定の直線偏光光に揃えられ
た後、位相差板715b、アクティブ素子基板701を
通って液晶層702に入射し、ある領域を透過する直線
偏光光は、透過偏光軸が捩じられて出射される一方、他
の領域を通過した直線偏光光は、透過偏光軸が捩じられ
ることなく出射する。このため、入射側の偏光板716
bと出射側の偏光板716aを互いの透過偏光軸が直交
するように配置しておけば(ノーマリホワイト)、液晶
パネル750の出射側に配置された偏光板716aを通
過するのは、液晶によって透過偏光軸が捩じられた方の
直線偏光光のみである。これに対して、入射側の偏光板
716bと透過偏光軸が平行になるように出射側の偏光
板716aを配置しておけば(ノーマリブラック)、液
晶パネル750の出射側に配置された偏光板716aを
通過するのは、液晶によって透過偏光軸が捩じられるこ
とのなかった直線偏光光のみである。よって、液晶70
2の配向状態を画素毎に制御すれば、任意の情報を表示
することができる。
【0117】上記構成の液晶装置700によれば、吐出
量を高度に制御されたインクジェット方式によりカラー
フィルタ基板741のフィルタエレメント703…が形
成されているので、平面的に品質の均一な表示を得るこ
とができる。
【0118】上記では、カラーフィルタを液晶装置に適
用した例について説明したが、本発明に係るカラーフィ
ルタは上記以外の用途にも適用できるのは勿論である。
例えば、カラーフィルタは白色有機ELにも適用するこ
とができる。すなわち、白色有機ELの前面(有機EL
の光出射側)に前述で形成したカラーフィルタを配置す
る。この構成とすることにより、白色有機ELを用いな
がら、カラー表示が行える有機EL装置を提供すること
ができる。
【0119】なお、以下のように光は制御される。有機
ELは白色光源となるように形成され、各画素毎に設け
られたトランジスタの制御により発光量を調整し、さら
にカラーフィルタを光が透過することにより所望の色を
表示させる。
【0120】(EL素子を用いた電気光学装置の製造方
法に関する実施の形態)次に、本発明の電気光学装置の
製造方法について図面を参照して説明する。なお、電気
光学装置として、EL表示素子を用いたアクティブマト
リックス型の表示装置について説明する。なお、この表
示装置の製造方法の説明に先立って、製造される表示装
置の構成について説明する。
【0121】〔表示装置の構成〕図14は、本発明の電
気光学装置の製造装置における有機EL装置の一部を示
す回路図である。図15は、表示装置の画素領域の平面
構造を示す拡大平面図である。
【0122】すなわち、図14において、501は有機
EL装置であるEL表示素子を用いたアクティブマトリ
ックス型の表示装置で、この表示装置501は、基板で
ある透明の表示基板502上に、複数の走査線503
と、これら走査線503に対して交差する方向に延びる
複数の信号線504と、これら信号線504に並列に延
びる複数の共通給電線505とがそれぞれ配線された構
成を有している。そして、走査線503と信号線504
との各交点には、画素領域501Aが設けられている。
【0123】信号線504に対しては、シフトレジス
タ、レベルシフタ、ビデオライン、アナログスイッチを
有したデータ側駆動回路507が設けられている。ま
た、走査線503に対しては、シフトレジスタおよびレ
ベルシフタを有した走査側駆動回路508が設けられて
いる。そして、画素領域501Aのそれぞれには、走査
線503を介して走査信号がゲート電極に供給されるス
イッチング薄膜トランジスタ509と、このスイッチン
グ薄膜トランジスタ509を介して信号線504から供
給される画像信号を蓄積し保持する蓄積容量capと、
この蓄積容量capによって保持された画像信号がゲー
ト電極に供給されるカレント薄膜トランジスタ510
と、このカレント薄膜トランジスタ510を介して共通
給電線505に電気的に接続したときに共通給電線50
5から駆動電流が流れ込む画素電極511と、この画素
電極511および反射電極512間に挟み込まれる発光
素子513とが設けられている。
【0124】この構成により、走査線503が駆動され
てスイッチング薄膜トランジスタ509がオンすると、
その時の信号線504の電位が蓄積容量capに保持さ
れる。この蓄積容量capの状態に応じて、カレント薄
膜トランジスタ510のオン・オフ状態が決まる。そし
て、カレント薄膜トランジスタ510のチャネルを介し
て、共通給電線505から画素電極511に電流が流
れ、さらに発光素子513を通じて反射電極512に電
流が流れる。このことにより、発光素子513は、これ
を流れる電流量に応じて発光する。
【0125】ここで、画素領域501Aは、反射電極5
12や発光素子513を取り除いた状態の拡大平面図で
ある図15に示すように、平面状態が長方形の画素電極
511の4辺が、信号線504、共通給電線505、走
査線503および図示しない他の画素電極511用の走
査線503によって囲まれた配置となっている。
【0126】〔表示装置の製造工程〕次に、上記EL表
示素子を用いたアクティブマトリックス型の表示装置を
製造する製造工程の手順について説明する。図16ない
し図18は、EL表示素子を用いたアクティブマトリッ
クス型の表示装置の製造工程の手順を示す製造工程断面
図である。
【0127】(前処理)まず、図16(A)に示すよう
に、透明の表示基板502に対して、必要に応じて、テ
トラエトキシシラン(tetraethoxysilane:TEOS)
や酸素ガスなどを原料ガスとしてプラズマCVD(Chem
ical Vapor Deposition)法により、厚さ寸法が約20
00〜5000オングストロームのシリコン酸化膜であ
る図示しない下地保護膜を形成する。次に、表示基板5
02の温度を約350℃に設定し、下地保護膜の表面に
プラズマCVD法により厚さ寸法が約300〜700オ
ングストロームの非晶質のシリコン膜である半導体膜5
20aを形成する。この後、半導体膜520aに対し
て、レーザアニールまたは固相成長法などの結晶化工程
を実施し、半導体膜520aをポリシリコン膜に結晶化
する。ここで、レーザアニール法では、例えばエキシマ
レーザでビームの長寸が約400nmのラインビームを
用い、出力強度が約200mJ/cm2である。ライン
ビームについては、その短寸方向におけるレーザ強度の
ピーク値の約90%に相当する部分が各領域毎に重なる
ようにラインビームが走査される。
【0128】そして、図16(B)に示すように、半導
体膜520aをパターニングして島状の半導体膜520
bを形成する。この半導体膜520bが設けられた表示
基板502の表面に、TEOSや酸素ガスなどを原料ガ
スとしてプラズマCVD法により厚さ寸法が約600〜
1500オングストロームのシリコン酸化膜あるいは窒
化膜であるゲート絶縁膜521aを形成する。なお、半
導体膜520bは、カレント薄膜トランジスタ510の
チャネル領域およびソース・ドレイン領域となるもので
あるが、異なる断面位置においてはスイッチング薄膜ト
ランジスタ509のチャネル領域およびソース・ドレイ
ン領域となる図示しない半導体膜も形成されている。す
なわち、図16ないし図18に示す製造工程では二種類
のスイッチング薄膜トランジスタ509およびカレント
薄膜トランジスタ510が同時に形成されるが、同じ手
順で形成されるため、以下の説明では、カレント薄膜ト
ランジスタ510についてのみ説明し、スイッチング薄
膜トランジスタ509については説明を省略する。
【0129】この後、図16(C)に示すように、アル
ミニウム、タンタル、モリブデン、チタン、タングステ
ンなどの金属膜である導電膜をスパッタ法により形成し
た後にパターニングし、図15にも示すゲート電極51
0Aを形成する。この状態で、高温度のリンイオンを打
ち込み、半導体膜520bにゲート電極510Aに対し
て自己整合的にソース・ドレイン領域510a,510
bを形成する。なお、不純物が導入されなかった部分が
チャネル領域510cとなる。
【0130】次に、図16(D)に示すように、層間絶
縁膜522を形成した後、コンタクトホール523,5
24を形成し、これらコンタクトホール523,524
内に中継電極526,527を埋め込み形成する。
【0131】さらに、図16(E)に示すように、層間
絶縁膜522上に、信号線504、共通給電線505お
よび走査線503(図16中には図示しない)を形成す
る。このとき、信号線504、共通給電線505および
走査線503の各配線は、配線として必要な厚さ寸法に
とらわれることなく、十分に厚く形成する。具体的に
は、各配線を例えば1〜2μm程度の厚さ寸法に形成す
るとよい。ここで、中継電極527と各配線とは、同一
工程で形成されていてもよい。このとき、中継電極52
6は、後述するITO膜により形成される。
【0132】そして、各配線の上面を覆うように層間絶
縁膜530を形成し、中継電極526に対応する位置に
コンタクトホール532を形成する。このコンタクトホ
ール532内を埋めるようにITO膜を形成し、このI
TO膜をパターニングして、信号線504、共通給電線
505および走査線503に囲まれた所定位置に、ソー
ス・ドレイン領域510aに電気的に接続する画素電極
511を形成する。
【0133】ここで、図16(E)では、信号線504
および共通給電線505に挟まれた部分が、光学材料が
選択的に配置される所定位置に相当するものである。そ
して、その所定位置とその周囲との間には、信号線50
4や共通給電線505によって段差535が形成され
る。具体的には、所定位置の方がその周囲よりも低く、
凹型の段差535が形成される。
【0134】(EL発光材料の吐出)次に、上述の前処
理が実施された表示基板502にインクジェット方式に
より、機能性液状体であるEL発光材料を吐出する。す
なわち、図17(A)に示すように、前処理が実施され
た表示基板502の上面を上方に向けた状態で、発光素
子140の下層部分に当たる正孔注入層513Aを形成
するための機能性液状体としての溶媒に溶かされた溶液
状の前駆体である光学材料540Aを、インクジェット
方式すなわち上述した各実施の形態の装置を用いて吐出
し、段差535で囲まれた所定位置の領域内に選択的に
塗布する。
【0135】この吐出する正孔注入層513Aを形成す
るための光学材料540Aとしては、ポリマー前駆体が
ポリテトラヒドロチオフェニルフェニレンであるポリフ
ェニレンビニレン、1,1−ビス−(4−N,N−ジト
リルアミノフェニル)シクロヘキサン、トリス(8−ヒ
ドロキシキノリノール)アルミニウムなどが用いられ
る。
【0136】なお、この吐出の際、流動性を有した液状
体の光学材料540Aは、上述した各実施の形態の隔壁
にフィルタエレメント材料13を吐出する場合と同様
に、流動性が高いので、平面方向に広がろうとするが、
塗布された位置を取り囲むように段差535が形成され
ているため、光学材料540Aの1回当たりの吐出量を
極端に大量にしなければ、光学材料540Aは段差53
5を越えて所定位置の外側に広がることは防止される。
【0137】そして、図17(B)に示すように、加熱
あるいは光照射などにより液状の光学材料540Aの溶
媒を蒸発させ、画素電極511上に固形の薄い正孔注入
層513Aを形成する。この図17(A),(B)を必
要回数繰り返し、図17(C)に示すように、十分な厚
さ寸法の正孔注入層513Aを形成する。
【0138】次に、図18(A)に示すように、表示基
板502の上面を上に向けた状態で、発光素子513の
上層部分に有機半導体膜513Bを形成するための機能
性液状体としての溶媒に溶かされた溶液状の有機蛍光材
料である光学材料540Bを、インクジェット方式すな
わち上述した各実施の形態の装置を用いて吐出し、これ
を段差535で囲まれた所定位置である領域内に選択的
に塗布する。なお、この光学材料540Bについても、
上述したように、光学材料540Aの吐出と同様に、段
差535を越えて所定位置の外側に広がることは防止さ
れる。
【0139】この吐出する有機半導体膜513Bを形成
するための光学材料540Bとしては、シアノポリフェ
ニレンビニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリアルキ
ルフェニレン、2,3,6,7−テトラヒドロ−11−
オキソ−1H・5H・11H(1)ペンゾビラノ[6,
7,8−ij]−キノリジン−10−カルボン酸、1,
1−ビス−(4−N,N−ジトリルアミノフェニル)シ
クロヘキサン、2−13・4'−ジヒドロキシフェニ
ル)−3,5,7−トリヒドロキシー1−ベンゾピリリ
ウムパークロレート、トリス(8−ヒドロキシキノリノ
ール)アルミニウム、2,3・6・7−テトラヒドロ−
9−メチル−11−オキソ−1H・5H・11H(1)
ベンゾピラノ[6,7,8−ij]−キノリジン、アロ
マティックジアミン誘導体(TDP)、オキシジアゾー
ルダイマ(OXD)、オキシジアゾール誘導体(PB
D)、ジスチルアリーレン誘導体(DSA)、キノリノ
ール系金属錯体、ベリリウムーベンゾキノリノール錯体
(Bebq)、トリフェニルアミン誘導体(MTDAT
A)、ジスチリル誘導体、ピラゾリンダイマ、ルブレ
ン、キナクリドン、トリアゾール誘導体、ポリフェニレ
ン、ポリアルキルフルオレン、ポリアルキルチオフェ
ン、アゾメチン亜鉛錯体、ポリフイリン亜鉛錯体、ベン
ゾオキサゾール亜鉛錯体、フェナントロリンユウロピウ
ム錯体などが用いられる。
【0140】次に、図18(B)に示すように、加熱あ
るいは光照射などにより、光学材料540Bの溶媒を蒸
発させ、正孔注入層513A上に、固形の薄い有機半導
体膜513Bを形成する。この図18(A),(B)を
必要回数繰り返し、図18(C)に示すように、十分な
厚さ寸法の有機半導体膜513Bを形成する。正孔注入
層513Aおよび有機半導体膜513Bによって、発光
素子513が構成される。最後に、図18(D)に示す
ように、表示基板502の表面全体、若しくはストライ
プ状に反射電極512を形成し、表示装置501を製造
する。
【0141】この図14ないし図18に示す実施の形態
においても、上述した各実施の形態と同様のインクジェ
ット方式を実施することにより、同様の作用効果を享受
できる。さらに、機能性液状体を選択的に塗布する際
に、それらが周囲に流れ出ることを防止でき、高精度に
パターニングできる。
【0142】なお、この図14ないし図18の実施の形
態において、カラー表示を念頭においたEL表示素子を
用いたアクティブマトリックス型の表示装置について説
明したが、例えば図19に示すように、図14ないし図
18に示す構成を単色表示の表示装置に適用してもでき
る。
【0143】すなわち、有機半導体膜513Bは、表示
基板502の全面に一様に形成してもよい。ただし、こ
の場合でも、クロストークを防止するために、正孔注入
層513Aは各所定位置毎に選択的に配置しなければな
らないため、段差111を利用した塗布が極めて有効で
ある。なお、この図19において、図14ないし図18
に示す実施の形態と同一の構成については、同一の符号
を付す。
【0144】また、EL表示素子を用いた表示装置とし
ては、アクティブマトリックス型に限らず、例えば図2
0に示すようなパッシブマトリックス型の表示装置とし
てもできる。図20は本発明の電気光学装置の製造装置
におけるEL装置であり、図20(A)は複数の第1の
バス配線550と、これに直交する方向に配設された複
数の第2のバス配線560と、の配置関係を示す平面図
で、図20(B)は同(A)のB−B線断面図である。
この図20において、図14ないし図18に示す実施の
形態と同様の構成には、同じ符号を付して重複する説明
は省略する。また、細かな製造工程なども図14ないし
図18に示す実施の形態と同様であるため、その図示お
よび説明は省略する。この図20に示す実施の形態の表
示装置は、発光素子513が配置される所定位置を取り
囲むように、例えばSiO2などの絶縁膜570が配設
され、これにより、所定位置とその周囲との間に段差5
35を形成したものである。このため、機能性液状体を
選択的に塗布する際に、それらが周囲に流れ出ることを
防止でき、高精度にパターニングできる。
【0145】さらに、アクティブマトリックス型の表示
装置としては、図14ないし図18に示す実施の形態の
構成に限られない。すなわち、例えば図21に示すよう
な構成、図22に示すような構成、図23に示すような
構成、図24に示すような構成、図25に示すような構
成、あるいは図26に示すような構成など、いずれの構
成のものでもできる。
【0146】図21に示す表示装置は、画素電極511
を利用して段差535を形成することにより、高精度に
パターニングできるようにしたものである。図21は、
表示装置を製造する製造工程の途中の段階における断面
図であり、その前後の段階は上記図14ないし図18に
示す実施の形態と略同様であるため、その図示および説
明は省略する。この図21に示す表示装置では、画素電
極511を通常よりも厚く形成し、これにより、その周
囲と間に段差535を形成している。つまり、この図2
1に示す表示装置では、後に光学材料が塗布される画素
電極511の方がその周囲よりも高くなっている凸型の
段差が形成されている。そして、上記図14ないし図1
8に示す実施の形態と同様に、インクジェット方式によ
り、発光素子513の下層部分に当たる正孔注入層51
3Aを形成するための前駆体である光学材料540Aを
吐出し、画素電極511の上面に塗布する。
【0147】ただし、上記図14ないし図18に示す実
施の形態の場合とは異なり、表示基板502を上下逆に
した状態、つまり光学材料540Aが塗布される画素電
極511の上面を下方に向けた状態で、光学材料540
Aを吐出して塗布する。このことにより、光学材料54
0Aは、重力と表面張力とによって、画素電極511の
上面(図21中で下面)に溜まり、その周囲には広がら
ない。よって、加熱や光照射などにより固形化すれば、
図17(B)と同様の薄い正孔注入層513Aを形成で
き、これを繰り返せば正孔注入層513Aが形成され
る。同様の手法で、有機半導体膜513Bも形成され
る。このため、凸型の段差を利用して高精度にパターニ
ングできる。なお、重力と表面張力とに限らず、遠心力
などの慣性力を利用して光学材料540A,540Bの
量を調整してもよい。
【0148】図22に示す表示装置も、アクティブマト
リックス型の表示装置である。図22は、表示装置を製
造する製造工程の途中の段階における断面図であり、こ
の前後の段階では、図14ないし図18に示す実施の形
態と同様で、その図示および説明は省略する。この図2
2に示す表示装置では、まず、表示基板502上に反射
電極512を形成し、この反射電極512上に後に発光
素子513が配置される所定位置を取り囲むように絶縁
膜570を形成し、これにより所定位置の方がその周囲
よりも低くなっている凹型の段差535を形成する。
【0149】そして、上記図14ないし図18に示す実
施の形態と同様に、段差535で囲まれた領域内に、イ
ンクジェット方式により機能性液状体である光学材料5
40A,540Bを選択的に吐出して塗布することによ
り、発光素子513を形成する。一方、剥離用基板58
0上に、剥離層581を介して、走査線503、信号線
504、画素電極511、スイッチング薄膜トランジス
タ509、カレント薄膜トランジスタ510および層間
絶縁膜530を形成する。最後に、表示基板502上
に、剥離用基板580上の剥離層581から剥離された
構造を転写するものである。
【0150】この図22の実施の形態では、走査線50
3、信号線504、画素電極511、スイッチング薄膜
トランジスタ509、カレント薄膜トランジスタ510
および層間絶縁膜530への光学材料540A,540
Bの塗布形成によるダメージの軽減が図れる。なお、パ
ッシブマトリックス型の表示素子にも適用できる。
【0151】図23に示す表示装置も、アクティブマト
リックス型の表示装置である。図23は、表示装置を製
造する製造工程の途中の段階における断面図であり、こ
の前後の段階では、図14ないし図18に示す実施の形
態と同様で、その図示および説明は省略する。この図2
3に示す表示装置では、層間絶縁膜530を利用して凹
型の段差535を形成するものである。このため、特に
新たな工程が増加することなく、層間絶縁膜530を利
用でき、製造工程の大幅な複雑化などを防止できる。な
お、層間絶縁膜530をSiO2で形成するとともに、
その表面に紫外線やO2、CF3、Arなどのプラズマな
どを照射し、その後に、画素電極511の表面を露出さ
せ、そして液状の光学材料540A,540Bを選択的
に吐出して塗布してもよい。このことにより、層間絶縁
膜530の表面に沿って撥液性の強い分布が形成され、
光学材料540A,540Bが段差535と層間絶縁膜
530の撥液性との両方の作用によって所定位置に溜ま
り易くなる。
【0152】図24に示す表示装置は、液状体である光
学材料540A,540Bが塗布される所定位置の親水
性を、その周囲の親水性よりも相対的に強くすることに
より、塗布された光学材料540A,540Bが周囲に
広がらないようにしたものである。図24は、表示装置
を製造する製造工程の途中の段階における断面図であ
り、この前後の段階では、図14ないし図18に示す実
施の形態と同様で、その図示および説明は省略する。こ
の図24に示す表示装置では、層間絶縁膜530を形成
した後に、その上面に非晶質シリコン層590を形成す
る。非晶質シリコン層590は、画素電極511を形成
するITOよりも相対的に撥水性が強いので、ここに、
画素電極511の表面の親水性がその周囲の親水性より
も相対的に強い掩撥水性・親水性の分布が形成される。
そして、上記図14ないし図18に示す実施の形態と同
様に、画素電極511の上面に向けて、インクジェット
方式により液状の光学材料540A,540Bを選択的
に吐出して塗布することにより、発光素子513を形成
し、最後に反射電極512を形成するものである。
【0153】なお、この図24に示す実施の形態につい
ても、パッシブマトリックス型の表示素子に適用でき
る。さらに、図22に示す実施の形態のように、剥離用
基板580上に剥離層581を介して形成された構造
を、表示基板502に転写する工程を含んでいてもよ
い。
【0154】そして、撥水性・親水性の分布は、金属
や、陽極酸化膜、ポリイミドまたは酸化シリコンなどの
絶縁膜や、他の材料により形成していてもよい。なお、
パッシブマトリックス型の表示素子であれば第1のバス
配線550、アクティブマトリックス型の表示素子であ
れば走査線503、信号線504、画素電極511、絶
縁膜530あるいは遮光層6bによって形成してもよ
い。
【0155】図25に示す表示装置は、段差535や撥
液性・親液性の分布などを利用してパターニング精度を
向上させるのではなく、電位による引力や斥力などを利
用してパターニング精度の向上を図るものである。図2
5は、表示装置を製造する製造工程の途中の段階におけ
る断面図であり、この前後の段階では、図14ないし図
18に示す実施の形態と同様で、その図示および説明は
省略する。
【0156】この図25に示す表示装置では、信号線5
04や共通給電線505を駆動するとともに、図示しな
いトランジスタを適宜オン・オフすることにより、画素
電極511がマイナス電位となり、層間絶縁膜530が
プラス電位となる電位分布を形成する。そして、インク
ジェット方式により、プラスに帯電した液状の光学材料
540Aを所定位置に選択的に吐出して塗布形成するも
のである。このことにより、光学材料540Aを帯電さ
せているので、自発分極だけでなく帯電電荷も利用で
き、パターニングの精度をさらに向上できる。
【0157】なお、この図25に示す実施の形態につい
ても、パッシブマトリックス型の表示素子に適用でき
る。さらに、図22に示す実施の形態のように、剥離用
基板580上に剥離層581を介して形成された構造
を、表示基板502に転写する工程を含んでいてもよ
い。
【0158】また、画素電極511と、その周囲の層間
絶縁膜530との両方に電位を与えているが、これに限
定されるものではなく、例えば図26に示すように、画
素電極511には電位を与えず、層間絶縁膜530にの
みプラス電位を与え、そして、液状の光学材料540A
をプラスに帯電させてから塗布するようにしてもよい。
この図26に示す構成によれば、塗布された後にも、液
状の光学材料540Aは確実にプラスに帯電した状態を
維持できるから、周囲の層間絶縁膜530との間の斥力
によって、液状の光学材料540Aが周囲に流れ出るこ
とをより確実に防止できる。
【0159】(EL素子を用いた電気光学装置の製造方
法に関する他の実施の形態)次に、本発明の電気光学装
置の製造方法の他の実施の形態について図面を参照して
説明する。以下では、電気光学装置としてEL表示素子
を用いたアクティブマトリックス型の表示装置を適用し
ている点は、上記実施の形態と同様であり、その回路構
成も、図14に示す先の実施形態の表示装置と同様であ
る。
【0160】〔表示装置の構成〕図30(a)は、本実
施の形態の表示装置の平面模式図であり、図30(b)
は、図30(a)に示すA−B線に沿う断面模式図であ
る。これらの図に示すように、本実施形態の表示装置3
1は、ガラス等からなる透明な基体32と、マトリック
ス状に配置された発光素子と、封止基板を具備してい
る。基体32上に形成された発光素子は、後述する画素
電極と、機能層と、陰極42により形成されている。
【0161】基体32は、例えばガラス等の透明基板で
あり、基体32の中央に位置する表示領域32aと、基
体32の周縁に位置して表示領域32aの外側に配置さ
れた非表示領域32bとに区画されている。表示領域3
2aは、マトリックス状に配置された発光素子によって
形成される領域であり、有効表示領域とも言う。また、
表示領域の外側に非表示領域32bが形成されている。
そして,非表示領域32bには、表示領域32aに隣接
するダミー表示領域32dが形成されている。
【0162】また、図30(b)に示すように、発光素
子及びバンク部からなる発光素子部41と基体32との
間には回路素子部44が備えられ、この回路素子部44
に前述の走査線、信号線、保持容量、スイッチング用の
薄膜トランジスタ、駆動用の薄膜トランジスタ123等
が備えられている。
【0163】また、陰極42は、その一端が基体32上
に形成された陰極用配線42aに接続しており、この配
線の一端部がフレキシブル基板35上の配線35aに接
続されている。また、配線35aは、フレキシブル基板
35上に備えられた駆動IC36(駆動回路)に接続さ
れている。
【0164】また、図30(a)及び図30(b)に示
すように、回路素子部44の非表示領域32bには、前
述の電源線103(103R、103G、103B)が
配線されている。また、表示領域32aの図30(a)
中両側には、前述の走査側駆動回路105、105が配
置されている。この走査側駆動回路105、105はダ
ミー領域32dの下側の回路素子部44内に設けられて
いる。更に回路素子部44内には、走査側駆動回路10
5、105に接続される駆動回路用制御信号配線105
aと駆動回路用電源配線105bとが設けられている。
更に表示領域32aの図30(a)中上側には検査回路
106が配置されている。この検査回路106により、
製造途中や出荷時の表示装置の品質、欠陥の検査を行う
ことができる。
【0165】また図30(b)に示すように、発光素子
部41上には封止部33が備えられている。この封止部
33は、基体32に塗布された封止樹脂603aと、缶
封止基板604とから構成されている。封止樹脂603
は、熱硬化樹脂あるいは紫外線硬化樹脂等からなり、特
に、熱硬化樹脂の1種であるエポキシ樹脂よりなること
が好ましい。この封止樹脂603は、基体32の周囲に
環状に塗布されており、例えば、マイクロディスペンサ
等により塗布されたものである。この封止樹脂603
は、基体32と封止缶604を接合するもので、基体3
2と缶封止基板604の間から缶封止基板604内部へ
の水又は酸素の侵入を防いで、陰極42または発光素子
部41内に形成された図示略の発光層の酸化を防止す
る。
【0166】缶封止基板604は、ガラス又は金属から
なるもので、封止樹脂603を介して基体32に接合さ
れており、その内側には表示素子40を収納する凹部6
04aが設けられている。また凹部604aには水、酸
素等を吸収するゲッター剤605が貼り付けられてお
り、缶封止基板604の内部に侵入した水又は酸素を吸
収できるようになっている。なお、このゲッター剤60
5は省略しても良い。
【0167】次に図31には、表示装置における表示領
域の断面構造を拡大した図を示す。この図31には3つ
の画素領域Aが図示されている。この表示装置31は、
基体32上に、TFTなどの回路等が形成された回路素
子部44と、機能層110が形成された発光素子部41
とが順次積層されて構成されている。
【0168】この表示装置31においては、機能層11
0から基体32側に発した光が、回路素子部44及び基
体32を透過して基体32の下側(観測者側)に出射さ
れるとともに、機能層110から基体32の反対側に発
した光が陰極42により反射されて、回路素子部44及
び基体32を透過して基体32の下側(観測者側)に出
射されるようになっている。なお、陰極42として、透
明な材料を用いることにより陰極側から発光する光を出
射させることができる。透明な材料としては、ITO、
Pt、Ir、Ni、もしくはPdを用いる事ができる。
膜厚としては75nmほどの膜厚にする事が好ましく、
この膜厚よりも薄くした方がより好ましい。
【0169】回路素子部44には、基体32上にシリコ
ン酸化膜からなる下地保護膜32cが形成され、この下
地保護膜32c上に多結晶シリコンからなる島状の半導
体膜141が形成されている。尚、半導体膜141に
は、ソース領域141a及びドレイン領域141bが高
濃度Pイオン打ち込みにより形成されている。なお、P
が導入されなかった部分がチャネル領域141cとなっ
ている。更に回路素子部44には、下地保護膜32c及
び半導体膜141を覆う透明なゲート絶縁膜142が形
成され、ゲート絶縁膜142上にはAl、Mo、Ta、
Ti、W等からなるゲート電極143(走査線101)
が形成され、ゲート電極143及びゲート絶縁膜142
上には透明な第1層間絶縁膜144aと第2層間絶縁膜
144bが形成されている。ゲート電極143は半導体
膜141のチャネル領域141cに対応する位置に設け
られている。
【0170】また、第1、第2層間絶縁膜144a、1
44bを貫通して、半導体膜141のソース、ドレイン
領域141a、141bにそれぞれ接続されるコンタク
トホール145,146が形成されている。そして、第
2層間絶縁膜144b上には、ITO等からなる透明な
画素電極111が所定の形状にパターニングされて形成
され、一方のコンタクトホール145がこの画素電極1
11に接続されている。また、もう一方のコンタクトホ
ール146が電源線103に接続されている。このよう
にして、回路素子部44には、各画素電極111に接続
された駆動用の薄膜トランジスタ123が形成されてい
る。尚、回路素子部44には、前述した保持容量cap及
びスイッチング用の薄膜トランジスタ112も形成され
ているが、図31ではこれらの図示を省略している。
【0171】次に図31に示すように、発光素子部41
は、複数の画素電極111…上の各々に積層された機能
層110と、各画素電極111及び機能層110の間に
備えられて各機能層110を区画するバンク部112
と、機能層110上に形成された陰極42とを主体とし
て構成されている。これら画素電極(第1電極)11
1、機能層110及び陰極42(対向電極(電極))に
よって発光素子が構成されている。ここで、画素電極1
11は、例えばITOにより形成されてなり、平面視略
矩形にパターニングされて形成されている。この画素電
極111の厚さは、50〜200nmの範囲が好まし
く、特に150nm程度がよい。この各画素電極111
…の間にバンク部112が備えられている。
【0172】バンク部112は、図31に示すように、
基体32側に位置する無機物バンク層112a(第1バ
ンク層)と基体32から離れて位置する有機物バンク層
112b(第2バンク層)とが積層されて構成されてい
る。無機物バンク層、有機物バンク層(112a、11
2b)は、画素電極111の周縁部上に乗上げるように
形成されている。平面的には、画素電極111の周囲と
無機物バンク層112aとが平面的に重なるように配置
された構造となっている。また、有機物バンク層112
bも同様であり、画素電極111の一部と平面的に重な
るように配置されている。また無機物バンク層112a
は、有機物バンク層112bよりも画素電極111の中
央側に更に形成されている。このようにして、無機物バ
ンク層112aの各第1積層部112eが画素電極11
1の内側に形成されることにより、画素電極111の形
成位置に対応する下部開口部112cが設けられてい
る。
【0173】また、有機物バンク層112bには、上部
開口部112dが形成されている。この上部開口部11
2dは、画素電極111の形成位置及び下部開口部11
2cに対応するように設けられている。上部開口部11
2dは、図31に示すように、下部開口部112cより
広く、画素電極111より狭く形成されている。また、
上部開口部112dの上部の位置と、画素電極111の
端部とがほぼ同じ位置になるように形成される場合もあ
る。この場合は、図31に示すように、有機物バンク層
112bの上部開口部112dの断面が傾斜する形状と
なる。そしてバンク部112には、下部開口部112c
及び上部開口部112dが連通することにより、無機物
バンク層112a及び有機物バンク層112bを貫通す
る開口部112gが形成されている。
【0174】また、無機物バンク層112aは、例え
ば、SiO2、TiO2等の無機材料からなることが好ま
しい。この無機物バンク層112aの膜厚は、50〜2
00nmの範囲が好ましく、特に150nmがよい。膜
厚が50nm未満では、無機物バンク層112aが後述
する正孔注入/輸送層より薄くなり、正孔注入/輸送層
の平坦性を確保できなくなるので好ましくない。また膜
厚が200nmを越えると、下部開口部112cによる
段差が大きくなって、正孔注入/輸送層上に積層する後
述の発光層の平坦性を確保できなくなるので好ましくな
い。
【0175】更に、有機物バンク層112bは、アクリ
ル樹脂、ポリイミド樹脂等の耐熱性、耐溶媒性のある材
料から形成されている。この有機物バンク層112bの
厚さは、0.1〜3.5μmの範囲が好ましく、特に2
μm程度がよい。厚さが0.1μm未満では、後述する
正孔注入/輸送層及び発光層の合計厚より有機物バンク
層112bが薄くなり、発光層が上部開口部112dか
ら溢れるおそれがあるので好ましくない。また、厚さが
3.5μmを越えると、上部開口部112dによる段差
が大きくなり、有機物バンク層112b上に形成する陰
極42のステップガバレッジを確保できなくなるので好
ましくない。また、有機物バンク層112bの厚さを2
μm以上にすれば、駆動用の薄膜トランジスタ123と
の絶縁を高めることができる点でより好ましい。
【0176】また、バンク部112には、親液性を示す
領域と、撥液性を示す領域が形成されている。親液性を
示す領域は、無機物バンク層112aの第1積層部11
2e及び画素電極111の電極面111aであり、これ
らの領域は、酸素を処理ガスとするプラズマ処理によっ
て親液性に表面処理されている。また、撥液性を示す領
域は、上部開口部112dの壁面及び有機物バンク層1
12の上面112fであり、これらの領域は、4フッ化
メタン、テトラフルオロメタン、もしくは四フッ化炭素
を処理ガスとするプラズマ処理によって表面がフッ化処
理(撥液性に処理)されている。尚、有機物バンク層
は、フッ素ポリマーを含有する材料により形成しても良
い。
【0177】次に図31に示すように、機能層110
は、画素電極111上に積層された正孔注入/輸送層1
10aと、正孔注入/輸送層110a上に隣接して形成
された発光層110bとから構成されている。なお、発
光層110bに隣接して電子注入輸送層などの機能を有
する他の機能層を更に形成しても良い。
【0178】正孔注入/輸送層110aは、正孔を発光
層110bに注入する機能を有するとともに、正孔を正
孔注入/輸送層110a内部において輸送する機能を有
する。このような正孔注入/輸送層110aを画素電極
111と発光層110bの間に設けることにより、発光
層110bの発光効率、寿命等の素子特性が向上する。
また、発光層110bでは、正孔注入/輸送層110a
から注入された正孔と、陰極42から注入される電子が
発光層で再結合し、発光が得られる。
【0179】正孔注入/輸送層110aは、下部開口部
112c内に位置して画素電極面111a上に形成され
る平坦部110a1と、上部開口部112d内に位置し
て無機物バンク層の第1積層部112e上に形成される
周縁部110a2から構成されている。また、正孔注入
/輸送層110aは、構造によっては、画素電極111
上であって、且つ無機物バンク層110aの間(下部開
口部110c)にのみ形成されている(前述に記載した
平坦部にのみ形成される形態もある)。この平坦部11
0a1は、その厚さが一定で例えば50〜70nmの範
囲に形成される。
【0180】周縁部110a2が形成される場合におい
ては、周縁部110a2は、第1積層部112e上に位
置するとともに上部開口部112dの壁面、即ち有機物
バンク層112bに密着している。また、周縁部110
a2の厚さは、電極面111aに近い側で薄く、電極面
111aから離れる方向に沿って増大し、下部開口部1
12dの壁面近くで最も厚くなっている。
【0181】周縁部110a2が上記の様な形状を示す
理由としては、正孔注入/輸送層110aが、正孔注入
/輸送層形成材料及び極性溶媒を含む第1組成物を開口
部112内に吐出してから極性溶媒を除去して形成され
たものであり、極性溶媒の揮発が主に無機物バンク層の
第1積層部112e上で起こり、正孔注入/輸送層形成
材料がこの第1積層部112e上に集中的に濃縮・析出
されたためである。
【0182】また発光層110bは、正孔注入/輸送層
110aの平坦部110a1及び周縁部110a2上に渡
って形成されており、平坦部112a1上での厚さが5
0〜80nmの範囲とされている。発光層110bは、
赤色(R)に発光する赤色発光層110b1、緑色
(G)に発光する緑色発光層110b2、及び青色
(B)に発光する青色発光層110b3、の3種類を有
し、各発光層110b1〜110b3がストライプ配置さ
れている。
【0183】上記のように、正孔注入/輸送層110a
の周縁部110a2が上部開口部112dの壁面(有機
物バンク層112b)に密着しているので、発光層11
0bが有機物バンク層112bに直接に接することがな
い。従って、有機物バンク層112bに不純物として含
まれる水が発光層110b側に移行するのを、周縁部1
10a2によって阻止することができ、水による発光層
110bの酸化を防止できる。
【0184】また、無機物バンク層の第1積層部112
e上に不均一な厚さの周縁部110a2が形成されるた
め、周縁部110a2が第1積層部112eによって画
素電極111から絶縁された状態となり、周縁部110
a2から発光層110bに正孔が注入されることがな
い。これにより、画素電極111からの電流が平坦部1
12a1のみに流れ、正孔を平坦部112a1から発光層
110bに均一に輸送させることができ、発光層110
bの中央部分のみを発光させることができるとともに、
発光層110bにおける発光量を一定にすることができ
る。
【0185】また、無機物バンク層112aが有機物バ
ンク層112bよりも画素電極111の中央側に更に延
出されているので、この無機物バンク層112aによっ
て画素電極111と平坦部110a1との接合部分の形
状をトリミングすることができ、各発光層110b間の
発光強度のばらつきを抑えることができる。
【0186】更に、画素電極111の電極面111a及
び無機物バンク層の第1積層部112eが親液性を示す
ので、機能層110が画素電極111及び無機物バンク
層112aに均一に密着し、無機物バンク112a上で
機能層110が極端に薄くならず、画素電極111と陰
極42との短絡を防止できる。また、有機物バンク層1
12bの上面112f及び上部開口部112d壁面が撥
液性を示すので、機能層110と有機物バンク層112
bとの密着性が低くなり、機能層110が開口部112
gから溢れて形成されることがない。
【0187】尚、正孔注入/輸送層形成材料としては、
例えば、ポリエチレンジオキシチオフェン等のポリチオ
フェン誘導体とポリスチレンスルホン酸等の混合物(P
EDOT/PSS)の分散液を用いることができる。ま
た、発光層110bの材料としては、例えば、ポリフル
オレン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリビニルカル
バゾール、ポリチオフェン誘導体、またはこれらの高分
子材料にペリレン系色素、クマリン系色素、ローダミン
系色素、例えばルブレン、ペリレン、9,10-ジフェ
ニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイル
レッド、クマリン6、キナクリドン等をドープして用い
ることができる。
【0188】次に陰極42は、発光素子部41の全面に
形成されており、画素電極111と対になって機能層1
10に電流を流す役割を果たす。この陰極42は、例え
ば、カルシウム層とアルミニウム層とが積層されて構成
されている。このとき、発光層に近い側の陰極には仕事
関数が低いものを設けることが好ましく、特にこの形態
においては発光層110bに直接に接して発光層110
bに電子を注入する役割を果たす。また、フッ化リチウ
ムは発光層の材料によっては効率よく発光させるため
に、発光層110と陰極42との間にLiFを形成する
場合もある。
【0189】尚、赤色及び緑色の発光層110b1、1
110b2にはフッ化リチウムに限らず、他の材料を用
いても良い。従ってこの場合は青色(B)発光層110
b3のみにフッ化リチウムからなる層を形成し、他の赤
色及び緑色の発光層110b1、110b2にはフッ化リ
チウム以外のものを積層しても良い。また、赤色及び緑
色の発光層110b1、110b2上にはフッ化リチウム
を形成せず、カルシウムのみを形成しても良い。尚、フ
ッ化リチウムの厚さは、例えば2〜5nmの範囲が好ま
しく、特に2nm程度がよい。またカルシウムのの厚さ
は、例えば2〜50nmの範囲が好ましく、特に20n
m程度がよい。
【0190】また、陰極42を形成するアルミニウム
は、発光層110bから発した光を基体32側に反射さ
せるもので、Al膜の他、Ag膜、AlとAgの積層膜
等からなることが好ましい。また、その厚さは、例えば
100〜1000nmの範囲が好ましく、特に200n
m程度がよい。更にアルミニウム上にSiO、Si
2、SiN等からなる酸化防止用の保護層を設けても
良い。尚、このように形成した発光素子上に封止缶60
4を配置する。図30(b)に示すように、封止缶60
4を封止樹脂603により接着し、表示装置31を形成
する。
【0191】〔表示装置の製造方法〕次に、本実施形態
の表示装置の製造方法を図面を参照して説明する。本実
施形態の表示装置31の製造方法は、例えば、(1)バン
ク部形成工程、(2)プラズマ処理工程(親液化工程及び
撥液化工程を含む)、(3)正孔注入/輸送層形成工程
(機能層形成工程)、(4)発光層形成工程(機能層形成
工程)、(5)対向電極形成工程、及び(6)封止工程とを具
備して構成されている。なお、製造方法はこれに限られ
るものではなく必要に応じてその他の工程が除かれる場
合、また追加される場合もある。
【0192】(1)バンク部形成工程 バンク部形成工程では、基体32の所定の位置にバンク
部112を形成する工程である。バンク部112は、第
1のバンク層として無機物バンク層112aが形成され
てなり、第2のバンク層として有機物バンク層112b
が形成された構造である。以下に形成方法について説明
する。
【0193】(1)-1無機物バンク層の形成 まず、図32に示すように、基体上の所定の位置に無機
物バンク層112aを形成する。無機物バンク層112
aが形成される位置は、第2層間絶縁膜144b上及び
電極(ここでは画素電極)111上である。なお、第2層
間絶縁膜144bは薄膜トランジスタ、走査線、信号
線、等が配置された回路素子部44上に形成されてい
る。
【0194】無機物バンク層112aは、例えば、Si
、TiO等の無機物膜を材料として用いることが
できる。これらの材料は、例えばCVD法、コート法、
スパッタ法、蒸着法等によって形成される。更に、無機
物バンク層112aの膜厚は50〜200nmの範囲が
好ましく、特に150nmがよい。
【0195】無機物バンク層112は、層間絶縁層11
4及び画素電極111の全面に無機物膜を形成し、その
後無機物膜をフォトリソグラフィ法等によりパターニン
グすることにより、開口部を有する無機物バンク層11
2が形成される。開口部は、画素電極111の電極面1
11aの形成位置に対応するもので、図32に示すよう
に下部開口部112cとして設けられる。このとき、無
機物バンク層112aは画素電極111の周縁部(一
部)と重なるように形成される。図32に示すように、
画素電極111の一部と無機物バンク層112aとが重
なるように無機物バンク層112aを形成することによ
り、発光層110の発光領域を制御することができる。
【0196】(1)-2有機物バンク層112bの形成 次に、第2バンク層としての有機物バンク層112bを
形成する。図33に示すように、無機物バンク層112
a上に有機物バンク層112bを形成する。有機物バン
ク層112bとして、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂等
の耐熱性、耐溶剤性を有する材料を用いる。これらの材
料を用い、有機物バンク層112bをフォトリソグラフ
ィ技術等によりパターニングして形成される。なお、パ
ターニングする際、有機物バンク層112bに上部開口
部112dを形成する。上部開口部112dは、電極面
111a及び下部開口部112cに対応する位置に設け
られる。
【0197】上部開口部112dは、図33に示すよう
に、無機物バンク層112aに形成された下部開口部1
12cより広く形成する事が好ましい。更に、有機物バ
ンク層112bはテーパーを有する形状が好ましく、有
機物バンク層の開口部が画素電極111の幅より狭く、
有機物バンク層112bの最上面では画素電極111の
幅とほぼ同一の幅になるように有機物バンク層を形成す
る事が好ましい。これにより、無機物バンク層112a
の下部開口部112cを囲む第1積層部112eが、有
機物バンク層112bよりも画素電極111の中央側に
延出された形になる。このようにして、有機物バンク層
112bに形成された上部開口部112d、無機物バン
ク層112aに形成された下部開口部112cを連通さ
せることにより、無機物バンク層112a及び有機物バ
ンク層112bを貫通する開口部112gが形成され
る。
【0198】なお、有機物バンク層112bの厚さは、
0.1〜3.5μmの範囲が好ましく、特に2μm程度
がよい。このような範囲とする理由は以下の通りであ
る。すなわち、厚さが0.1μm未満では、後述する正
孔注入/輸送層及び発光層の合計厚より有機物バンク層
112bが薄くなり、発光層110bが上部開口部11
2dから溢れてしまうおそれがあるので好ましくない。
また、厚さが3.5μmを越えると、上部開口部112
dによる段差が大きくなり、上部開口部112dにおけ
る陰極42のステップガバレッジが確保できなくなるの
で好ましくない。また、有機物バンク層112bの厚さ
を2μm以上にすれば、陰極42と駆動用の薄膜トラン
ジスタ123との絶縁を高めることができる点で好まし
い。
【0199】(2)プラズマ処理工程 次にプラズマ処理工程では、画素電極111の表面を活
性化すること、更にバンク部112の表面を表面処理す
る事を目的として行われる。特に活性化工程では、画素
電極111(ITO)上の洗浄、更に仕事関数の調整を
主な目的として行っている。更に、画素電極111の表
面の親液化処理(親液化工程)、バンク部112表面の
撥液化処理(撥液化工程)を行う。
【0200】このプラズマ処理工程は、例えば(2)-1予
備加熱工程、(2)-2活性化処理工程(親液化工程)、(2)
-3撥液化処理工程(親液化工程)、及び(2)-4冷却工程
とに大別される。なお、このような工程に限られるもの
ではなく、必要に応じて工程を削減、更なる工程追加も
行われる。
【0201】まず、図34は、プラズマ処理工程で用い
られるプラズマ処理装置を示す。図34に示すプラズマ
処理装置50は、予備加熱処理室51、第1プラズマ処
理室52、第2プラズマ処理室53、冷却処理室54、
これらの各処理室51〜54に基体32を搬送する搬送
装置55とから構成されている。各処理室51〜54
は、搬送装置55を中心として放射状に配置されてい
る。まず、これらの装置を用いた概略の工程を説明す
る。
【0202】予備加熱工程は、図34に示す予備加熱処
理室51において行われる。そしてこの処理室51によ
り、バンク部形成工程から搬送された基体32を所定の
温度に加熱する。予備加熱工程の後、親液化工程及び撥
液化処理工程を行う。すなわち、基体は第1,第2プラ
ズマ処理室52,53に順次搬送され、それぞれの処理
室52,53においてバンク部112にプラズマ処理を
行い親液化する。この親液化処理後に撥液化処理を行
う。撥液化処理の後に基体を冷却処理室に搬送し、冷却
処理室54おいて基体を室温まで冷却する。この冷却工
程後、搬送装置により次の工程である正孔注入/輸送層
形成工程に基体を搬送する。
【0203】以下に、それぞれの工程について詳細に説
明する。 (2)-1予備加熱工程 予備加熱工程は予備加熱処理室51により行う。この処
理室51において、バンク部112を含む基体32を所
定の温度まで加熱する。基体32の加熱方法は、例えば
処理室51内にて基体32を載せるステージにヒータを
取り付け、このヒータで当該ステージごと基体32を加
熱する手段がとられている。なお、これ以外の方法を採
用することも可能である。予備加熱処理室51におい
て、例えば70℃〜80℃の範囲に基体32を加熱す
る。この温度は次工程であるプラズマ処理における処理
温度であり、次の工程に合わせて基体32を事前に加熱
し、基体32の温度ばらつきを解消することを目的とし
ている。仮に予備加熱工程を加えなければ、基体32は
室温から上記のような温度に加熱されることになり、工
程開始から工程終了までのプラズマ処理工程中において
温度が常に変動しながら処理される事になる。したがっ
て、基体温度が変化しながらプラズマ処理を行うこと
は、有機EL素子の特性の不均一につながる可能性があ
る。したがって、処理条件を一定に保ち、均一な特性を
得るために予備加熱を行うのである。そこで、プラズマ
処理工程においては、第1,第2プラズマ処理装置5
2,53内の試料ステージ上に基体32を載置した状態
で親液化工程または撥液化工程を行う場合に、予備加熱
温度を、親液化工程または撥液化工程を連続して行う試
料ステージ56の温度にほぼ一致させることが好まし
い。
【0204】そこで、第1,第2プラズマ処理装置5
2,53内の試料ステージが上昇する温度、例えば70
〜80℃まで予め基体32を予備加熱することにより、
多数の基体にプラズマ処理を連続的に行った場合でも、
処理開始直後と処理終了直前でのプラズマ処理条件をほ
ぼ一定にすることができる。これにより、基体32の表
面処理条件を同一にし、バンク部112の組成物に対す
る濡れ性を均一化することができ、一定の品質を有する
表示装置を製造することができる。また、基体32を予
め予備加熱しておくことにより、後のプラズマ処理にお
ける処理時間を短縮することができる。
【0205】(2)-2活性化処理(親液化工程) つぎに第1プラズマ処理室52では、活性化処理が行わ
れる。活性化処理には、画素電極111における仕事関
数の調整、制御、画素電極表面の洗浄、画素電極表面の
親液化工程が含まれる。親液化工程として、大気雰囲気
中で酸素を処理ガスとするプラズマ処理(Oプラズマ
処理)を行う。図35には第1プラズマ処理を模式的に
示した図である。図35に示すように、バンク部112
を含む基体32は加熱ヒータ内臓の試料ステージ56上
に載置され、基体32の上側にはギャップ間隔0.5〜
2mm程度の距離をおいてプラズマ放電電極57が基体
32に対向して配置されている。基体32は、試料ステ
ージ56によって加熱されつつ、試料ステージ56は図
示矢印方向に向けて所定の搬送速度で搬送され、その間
に基体32に対してプラズマ状態の酸素が照射される。
【0206】Oプラズマ処理の条件は、例えば、プラ
ズマパワー100〜800kW、酸素ガス流量50〜1
00ml/min、板搬送速度0.5〜10mm/se
c、基体温度70〜90℃の条件で行われる。なお、試
料ステージ56による加熱は、主として予備加熱された
基体32の保温のために行われる。このOプラズマ処
理により、図36に示すように、画素電極111の電極
面111a、無機物バンク層112aの第1積層部11
2e及び有機物バンク層112bの上部開口部112d
の壁面ならびに上面112fが親液処理される。この親
液処理により、これらの各面に水酸基が導入されて親液
性が付与される。図37では、親液処理された部分を一
点鎖線で示している。なお、このOプラズマ処理は、
親液性を付与するのみならず、上述の通り画素電極であ
るITO上の洗浄,仕事関数の調整も兼ねている。
【0207】(2)-3撥液処理工程(撥液化工程) つぎに、第2プラズマ処理室53では、撥液化工程とし
て、大気雰囲気中でテトラフルオロメタンを処理ガスと
するプラズマ処理(CF4プラズマ処理)を行う。第2
プラズマ処理室53の内部構造は図35に示した第1プ
ラズマ処理室52の内部構造と同じである。即ち、基体
32は、試料ステージによって加熱されつつ、試料ステ
ージごと所定の搬送速度で搬送され、その間に基体32
に対してプラズマ状態のテトラフルオロメタン(四フッ
化炭素)が照射される。
【0208】CF4プラズマ処理の条件は、例えば、プ
ラズマパワー100〜800kW、4フッ化メタンガス
流量50〜100ml/min、基体搬送速度0.5〜
1020mm/sec、基体温度70〜90℃の条件で
行われる。なお、加熱ステージによる加熱は、第1プラ
ズマ処理室52の場合と同様に、主として予備加熱され
た基体32の保温のために行われる。なお、処理ガス
は、テトラフルオロメタン(四フッ化炭素)に限らず、
他のフルオロカーボン系のガスを用いることができる。
【0209】CFプラズマ処理により、図37に示す
ように、上部開口部112d壁面及び有機物バンク層の
上面112fが撥液処理される。この撥液処理により、
これらの各面にフッ素基が導入されて撥液性が付与され
る。図37では、撥液性を示す領域を二点鎖線で示して
いる。有機物バンク層112bを構成するアクリル樹
脂、ポリイミド樹脂等の有機物はプラズマ状態のフルオ
ロカーボンが照射することで容易に撥液化させることが
できる。また、Oプラズマにより前処理した方がフッ
素化されやすい、という特徴を有しており、本実施形態
には特に有効である。尚、画素電極111の電極面11
1a及び無機物バンク層112aの第1積層部112e
もこのCF4プラズマ処理の影響を多少受けるが、濡れ
性に影響を与える事は少ない。図37では、親液性を示
す領域を一点鎖線で示している。
【0210】(2)-4冷却工程 次に冷却工程として、冷却処理室54を用い、プラズマ
処理のために加熱された基体32を管理温度まで冷却す
る。これは、この以降の工程である液滴吐出工程(機能
層形成工程)の管理温度まで冷却するために行う工程で
ある。この冷却処理室54は、基体32を配置するため
のプレートを有し、そのプレートは基体32を冷却する
ように水冷装置が内蔵された構造となっている。また、
プラズマ処理後の基体32を室温、または所定の温度
(例えば液滴吐出工程を行う管理温度)まで冷却するこ
とにより、次の正孔注入/輸送層形成工程において、基
体32の温度が一定となり、基体32の温度変化が無い
均一な温度で次工程を行うことができる。したがって、
このような冷却工程を加えることにより、液滴吐出法等
の吐出手段により吐出された材料を均一に形成できる。
例えば、正孔注入/輸送層を形成するための材料を含む
第1組成物を吐出させる際に、第1組成物を一定の容積
で連続して吐出させることができ、正孔注入/輸送層を
均一に形成することができる。
【0211】上記のプラズマ処理工程では、材質が異な
る有機物バンク層112b及び無機物バンク層112a
に対して、Oプラズマ処理とCFプラズマ処理とを
順次行うことにより、バンク部112に親液性の領域と
撥液性の領域を容易に設けることができる。尚、プラズ
マ処理工程に用いるプラズマ処理装置は、図34に示し
たものに限られず、例えば図38に示すようなプラズマ
処理装置60を用いてもよい。図38に示すプラズマ処
理装置60は、予備加熱処理室61と、第1プラズマ処
理室62と、第2プラズマ処理室63と、冷却処理室6
4と、これらの各処理室61〜64に基体32を搬送す
る搬送装置65とから構成され、各処理室61〜64
が、搬送装置65の搬送方向両側(図中矢印方向両側)
に配置されてなるものである。このプラズマ処理装置6
0では、図34に示したプラズマ処理装置50と同様
に、バンク部形成工程から搬送された基体32を、予備
加熱処理室61、第1,第2プラズマ処理室62,6
3、冷却処理室64に順次搬送して各処理室にて上記と
同様な処理を行った後、基体32を次の正孔注入/輸送
層形成工程に搬送する。また,上記プラズマ装置は,大
気圧下の装置でなくとも,真空下のプラズマ装置を用い
ても良い。
【0212】(3)正孔注入/輸送層形成工程(機能層形
成工程) 正孔注入/輸送層形成工程では、液滴吐出としてたとえ
ば液滴吐出装置を用いることにより、正孔注入/輸送層
形成材料を含む第1組成物(組成物)を電極面111a
上に吐出する。その後に乾燥処理及び熱処理を行い、画
素電極111上及び無機物バンク層112a上に正孔注
入/輸送層110aを形成する。なお、正孔注入/輸送層
110aが形成された無機物バンク層112aをここで
は第1積層部112eという。この正孔注入/輸送層形
成工程を含めこれ以降の工程は、水、酸素の無い雰囲気
とする事が好ましい。例えば、窒素雰囲気、アルゴン雰
囲気等の不活性ガス雰囲気で行うことが好ましい。
【0213】なお、正孔注入/輸送層110aは第1積
層部112e上に形成されないこともある。すなわち、
画素電極111上にのみ正孔注入/輸送層が形成される
形態もある。液滴吐出による製造方法は以下の通りであ
る。本実施形態の表示装置の製造方法に好適に用いられ
る液滴吐出ヘッドとしては、先の実施形態の図2に示す
ヘッドユニット420とほぼ同様の基本構成を備えたヘ
ッドユニット120を用いることができる。更に、基体
と上記のヘッドユニット120の配置に関しては図39
のように配置することが好ましい。
【0214】図39に示す液滴吐出装置には、図2に示
すものとほぼ同様の構成のヘッドユニット120が備え
られている。また符号1115は基体32を載置するス
テージであり、符号1116はステージ1115を図中
x軸方向(主走査方向)に案内するガイドレールであ
る。またヘッドユニット120は、支持部材1111を
介してガイドレール1113により図中y軸方向(副走
査方向)に移動できるようになっており、更にヘッドユ
ニット120は図中θ軸方向に回転できるようになって
おり、インクジェットヘッド121を主走査方向に対し
て所定の角度に傾けることができるようになっている。
【0215】図39に示す基体32は、マザー基板に複
数のチップを配置した構造となっている。即ち、1チッ
プの領域が1つの表示装置に相当する。ここでは、3つ
の表示領域32aが形成されているが、これに限られる
ものではない。例えば、基体32上の左側の表示領域3
2aに対して組成物を塗布する場合は、ガイドレール1
113を介してヘッドHを図中左側に移動させるととも
に、ガイドレール1116を介して基体32を図中上側
に移動させ、基体32を走査させながら塗布を行う。次
に、ヘッド121を図中右側に移動させて基体の中央の
表示領域32aに対して組成物を塗布する。右端にある
表示領域32aに対しても前記と同様である。尚、ヘッ
ドユニット120及び図39に示す液滴吐出装置は、正
孔注入/輸送層形成工程のみならず、発光層形成工程に
も用いることができる。
【0216】図40には、基体32に対してインクジェ
ットヘッド121を走査させた状態を示す。図40に示
すように、インクジェットヘッド121は、図中X方向
に沿う方向に相対的に移動しながら第1組成物を吐出す
るが、その際、ノズルnの配列方向Zが、主走査方向
(X方向に沿う方向)に対して傾斜した状態になってい
る。このように、インクジェットヘッド121における
ノズルnの配列方向を主走査方向に対して傾けて配置す
ることにより、ノズルピッチを画素領域Aのピッチに対
応させることができる。また、傾き角度調整することに
より、どのような画素領域Aのピッチに対しても対応さ
せることができる。
【0217】次に、インクジェットヘッド121を走査
して各画素領域A…に正孔注入/輸送層110aを形成
する工程について説明する。この工程には、(1)イン
クジェットヘッド121の走査を1回で行う方法、
(2)インクジェットヘッド121の走査を複数回で行
い、かつ各走査中において複数のノズルを用いる方法、
(3)インクジェットヘッド121の走査を複数回で行
い、かつ各走査毎に別のノズルを用いる方法、の3つの
工程がある。以下、(1)〜(3)の方法を順次説明す
る。
【0218】(1)インクジェットヘッド121の走査
を1回で行う方法 図41は、インクジェットヘッド121の1回の走査で
各画素領域A1…に正孔注入/輸送層110aを形成す
る場合の工程を示す工程図である。図41(a)は、イ
ンクジェットヘッド121が図40における位置から図
示X方向に沿って走査した後の状態を示し、図41
(b)は図41(a)に示す状態からインクジェットヘ
ッド121が僅かに図示X方向に走査するとともに、図
示Y方向の反対方向にシフトした状態を示し、図41
(c)は図41(b)に示す状態からインクジェットヘ
ッド121が僅かに図示X方向に走査するとともに、図
示Y方向にシフトした状態を示している。また図44に
は画素領域A及びインクジェットヘッドの断面模式図を
示している。図41には、インクジェットヘッド121
の一部に設けられた符号n1a〜n3bで表される6つのノ
ズルが図示されている。6つのノズルのうちのノズルn
1a、n2a、n3aの3つは、インクジェットヘッド121
が図示X方向に移動した場合に各画素領域A1〜A3上に
それぞれ位置するように配置されており、残りの3つの
ノズルn1b、n2b、n3bは、インクジェットヘッド12
1が図示X方向に移動した場合に隣接する画素領域A1
〜A3の間に位置するように配置されている。
【0219】図41(a)では、インクジェットヘッド
121に形成された各ノズルのうち、3つのノズルn1a
〜n3aから正孔注入/輸送層形成材料を含む第1組成物
を画素領域A1〜A3に吐出する。尚、本実施形態ではイ
ンクジェットヘッド121を走査することにより第1組
成物を吐出するが、基体32を走査することによっても
可能である。更に、インクジェットヘッド121と基体
32とを相対的に移動させることによっても第1組成物
を吐出させることができる。なお、これ以降の液滴吐出
ヘッドを用いて行う工程では上記の点は同様である。
【0220】インクジェットヘッド121による吐出は
以下の通りである。すなわち、図41(a)及び図44
に示すように、インクジェットヘッド121に形成され
てなるノズルn1a〜n3aを電極面111aに対向して配
置し、ノズルn1a〜n3aから最初の第1組成物の液滴1
10c1を吐出する。画素領域A1〜A3は、画素電極1
11と当該画素電極111の周囲を区画するバンク11
2から形成されており、これらの画素領域A1〜A3に対
し、ノズルn1a〜n3aから1滴当たりの液量が制御され
た最初の第1組成物の液滴110c1を吐出する。
【0221】次に図41(b)に示すように、インクジ
ェットヘッド121を図示X方向に僅かに走査させると
ともに、図示Y方向の反対方向にシフトさせることによ
ってノズルn1b〜n3bを各画素領域A1〜A3上に位置さ
せる。そして、各ノズルn1b〜n3bから第1組成物の2
滴目の液滴110c2を画素領域A1〜A3に向けて吐出
する。
【0222】更に図41(c)に示すように、インクジ
ェットヘッド121を図示X方向に僅かに走査させると
ともに、図示Y方向にシフトさせることによってノズル
n1a〜n3aを再び各画素領域A1〜A3上に位置させる。
そして、各ノズルn1a〜n3aから第1組成物の3滴目の
液滴110c3を画素領域A1〜A3に向けて吐出する。
【0223】このようにして、インクジェットヘッド1
21を図示X方向に沿って走査させつつ、図示Y方向に
沿って僅かにシフトさせることにより、一の画素領域A
に対して2つのノズルから第1組成物の液滴を順次吐出
する。一の画素領域Aに対して吐出する液滴の数は、例
えば6〜20滴の範囲とすることができるが、この範囲
は画素の面積によって代わるものであり、この範囲より
多くても少なくても構わない。各画素領域(電極面11
1a上)に吐出する第1組成物の全量は、下部、上部開
口部112c、112dの大きさ、形成しようとする正
孔注入/輸送層の厚さ、第1組成物中の正孔注入/輸送
層形成材料の濃度等により決定される。
【0224】このように、1回の走査で正孔注入/輸送
層を形成する場合において、第1組成物の吐出のたびに
ノズルの切替えを行い、各画素領域A1〜A3に対して各
々2つのノズルから第1組成物を吐出するので、従来の
ように、1の画素領域Aに対して1つのノズルで複数回
吐出する場合と比較して、ノズル間の吐出量のバラツキ
が相殺されるので、各画素電極111…における第1組
成物の吐出量のバラツキが小さくなり、正孔注入/輸送
層を同じ膜厚で形成することができる。これにより、画
素毎の発光量を一定に保つことができ、表示品質に優れ
た表示装置を製造することができる。
【0225】(2)インクジェットヘッド121の走査
を複数回で行い、かつ各走査中において複数のノズルを
用いる方法 図42は、インクジェットヘッド121の3回の走査で
各画素領域A1…に正孔注入/輸送層110aを形成す
る場合の工程を示す工程図である。図42(a)は、イ
ンクジェットヘッド121による1回目の走査後の状態
を示し、図42(b)は2回目の走査後の状態を示し、
図42(c)は3回目の走査後の状態を示す。
【0226】1回目の走査では、図41に示したインク
ジェットヘッド121の各ノズルのうち、ノズルn1a〜
n3aを各画素領域A1〜A3に対向させて第1組成物の最
初の液滴110c1を吐出し、更にインクジェットヘッ
ド121を副走査方向に僅かにシフトさせてノズルn1b
〜n3bを各画素領域A1〜A3に対向させて第1組成物の
2滴目の液滴110c2を吐出する。これにより、図4
2(a)に示すように、各画素領域A1〜A3に2つの液
滴110c1,110c2が吐出される。各液滴110c
1,110c2は、図42(a)に示すように相互に間隔
を空けて吐出してもよく、重ねて吐出してもよい。
【0227】次に2回目の走査では、1回目の場合と同
様に、ノズルn1a〜n3aを各画素領域A1〜A3に対向さ
せて第1組成物の3滴目の液滴110c3を吐出し、更
にインクジェットヘッド121を副走査方向に僅かにシ
フトさせてノズルn1b〜n3bから第1組成物の4滴目の
液滴110c4を吐出する。これにより図42(b)に
示すように、各画素領域A1〜A3に更に2つの液滴11
0c3,110c4が吐出される。尚、3滴目及び4滴目
の液滴110c3,110c4は、図42(b)に示すよ
うに、1滴目及び2滴目の液滴110c1,110c2と
重ならないように吐出しても良く、重ねて吐出しても良
い。
【0228】更に3回目の走査では、1、2回目の場合
と同様に、ノズルn1a〜n3aを各画素領域A1〜A3に対
向させて第1組成物の5滴目の液滴110c5を吐出
し、更にインクジェットヘッド121を副走査方向に僅
かにシフトさせてノズルn1b〜n3bから第1組成物の6
滴目の液滴110c6を吐出する。これにより図42
(c)に示すように、各画素領域A1〜A3に更に2つの
液滴110c5,110c6が吐出される。尚、5滴目及
び6滴目の液滴110c5,110c6は、図42(c)
に示すように、他の液滴110c1〜110c4と重なら
ないように吐出しても良く、重ねて吐出しても良い。
【0229】このように、複数回の走査で正孔注入/輸
送層を形成する場合において、各走査中にノズルの切替
えを行い、各画素領域A1〜A3に対して各々2つのノズ
ルから第1組成物を吐出するので、従来のように、1の
画素領域Aに対して1つのノズルで複数回吐出する場合
と比較して、ノズル間の吐出量のバラツキが相殺される
ので、各画素電極111…における第1組成物の吐出量
のバラツキが小さくなり、正孔注入/輸送層を同じ膜厚
で形成することができる。これにより、画素毎の発光量
を一定に保つことができ、表示品質に優れた表示装置を
製造することができる。
【0230】(3)インクジェットヘッド121の走査
を複数回で行い、かつ各走査毎に別のノズルを用いる方
法 図43は、インクジェットヘッド121の2回の走査で
各画素領域A1…に正孔注入/輸送層110aを形成す
る場合の工程を示す工程図である。図43(a)は、イ
ンクジェットヘッド121による1回目の走査後の状態
を示し、図43(b)は2回目の走査後の状態を示す。
更に図43(c)は1、2回目の走査後の別の状態を示
す。
【0231】1回目の走査では、図41に示したインク
ジェットヘッド121の各ノズルのうち、ノズルn1a〜
n3aを各画素領域A1〜A3に対向させて第1組成物の最
初の液滴110c1、2、3滴目の液滴110c2、11
0c3を順次吐出する。これにより、図41(a)に示
すように、各画素領域A1〜A3に3つの液滴110c
1,110c2、110c3が吐出される。各液滴110
c1,110c2、110c3は、図41(a)に示すよ
うに相互に間隔を空けて吐出してもよく、相互に重ねて
吐出してもよい。
【0232】次に2回目の走査では、インクジェットヘ
ッド121を副走査方向に僅かにシフトさせてノズルn
1b〜n3b各画素領域A1〜A3に対向させて第1組成物の
4、5,6滴目の液滴110c4、110c5、110c
6を順次吐出する。これにより図43(b)に示すよう
に、各画素領域A1〜A3に更に3つの液滴110c4,
110c5,110c6が吐出される。尚、4〜6滴目の
液滴110c4,110c5、110c6は、図43
(b)に示すように、1〜3滴目の液滴110c1〜1
10c3の間をうめるように吐出しても良く、1〜3滴
目の液滴110c1〜110c3に重ねて吐出しても良
い。
【0233】更に図43(c)は1、2回目の走査後の
別の状態を示す。図43(c)においては、走査回数を
2回とし、1回目の走査で1〜3滴目の液滴を吐出し、
2回目の走査でインクジェットヘッド121をシフトさ
せて別のノズルから4〜6滴目の液滴を吐出する点につ
いては、図43(a)及び(b)の場合と同様である。
図43(a)及び(b)との相違点は、各液滴の吐出位
置が異なることである。即ち図43(c)では、1回目
の走査により各画素領域A1〜A3の図中下半分の領域に
液滴110c1〜110c3を吐出し、2回目の走査によ
り各画素領域A1〜A3の図中上半分の領域に液滴110
c4〜110c6を吐出している。
【0234】尚、図42及び図43においては、一の画
素領域Aに対して吐出する液滴の数をそれぞれ6滴とし
たが、6〜20滴の範囲としてもよく、またこの範囲は
画素の面積によって代わるものであるから、この範囲よ
り多くても少なくても構わない。各画素領域(電極面1
11a上)に吐出する第1組成物の全量は、下部、上部
開口部112c、112dの大きさ、形成しようとする
正孔注入/輸送層の厚さ、第1組成物中の正孔注入/輸
送層形成材料の濃度等により決定される。
【0235】このように、複数回の走査で正孔注入/輸
送層を形成する場合において、各走査毎にノズルの切替
えを行い、各画素領域A1〜A3に対して各々2つのノズ
ルから第1組成物を吐出するので、従来のように、1つ
の画素領域Aに対して1つのノズルで複数回吐出する場
合と比較して、ノズル間の吐出量のバラツキが相殺され
るので、各画素電極111…における第1組成物の吐出
量のバラツキが小さくなり、正孔注入/輸送層を同じ膜
厚で形成することができる。これにより、画素毎の発光
量を一定に保つことができ、表示品質に優れた表示装置
を製造することができる。尚、インクジェットヘッド1
21の走査を複数回行う際には、インクジェットヘッド
121の走査方向を各回毎に同一の方向としても良く、
反対方向としても良い。
【0236】図44に示すように、インクジェットヘッ
ド121から吐出された第1組成物の液滴110cは、
最終的には親液処理された電極面111a及び第1積層
部112e上に広がり、下部、上部開口部112c、1
12d内に充填される。仮に、第1組成物の液滴110
cが所定の吐出位置からはずれて上面112f上に吐出
されたとしても、上面112fが第1組成物滴110c
で濡れることがなく、はじかれた第1組成物滴110c
が下部、上部開口部112c、112d内に滑り込む。
【0237】ここで用いる第1組成物としては、例え
ば、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)等のポリ
チオフェン誘導体とポリスチレンスルホン酸(PSS)等の
混合物を、極性溶媒に溶解させた組成物を用いることが
できる。極性溶媒としては、例えば、イソプロピルアル
コール(IPA)、ノルマルブタノール、γ−ブチロラクト
ン、N−メチルピロリドン(NMP)、1,3−ジメチル−
2−イミダゾリジノン(DMI)及びその誘導体、カルビト
−ルアセテート、ブチルカルビト−ルアセテート等のグ
リコールエーテル類等を挙げることができる。より具体
的な第1組成物の組成としては、PEDOT/PSS混合物(PEDO
T/PSS=1:20):22.4重量%、PSS:1.44重量%、
IPA:10重量%、NMP:27.0重量%、DMI:50重
量%のものを例示できる。尚、第1組成物の粘度は2〜
20Ps程度が好ましく、特に4〜12cPs程度が良
い。
【0238】上記の第1組成物を用いることにより、吐
出ノズルH2に詰まりが生じることがなく安定吐出でき
る。なお、正孔注入/輸送層形成材料は、赤(R)、緑
(G)、青(B)の各発光層110b1〜110b3に対
して同じ材料を用いても良く、各発光層毎に変えても良
い。
【0239】次に、図45に示すような乾燥工程を行
う。乾燥工程を行う事により、吐出後の第1組成物を乾
燥処理し、第1組成物に含まれる極性溶媒を蒸発させ、
正孔注入/輸送層110aを形成する。乾燥処理を行う
と、第1組成物滴110cに含まれる極性溶媒の蒸発
が、主に無機物バンク層112a及び有機物バンク層1
12bに近いところで起き、極性溶媒の蒸発に併せて正
孔注入/輸送層形成材料が濃縮されて析出する。
【0240】これにより図45に示すように、第1積層
部112e上に、正孔注入/輸送層形成材料からなる周
縁部110a2が形成される。この周縁部110a2は、
上部開口部112dの壁面(有機物バンク層112b)
に密着しており、その厚さが電極面111aに近い側で
は薄く、電極面111aから離れた側、即ち有機物バン
ク層112bに近い側で厚くなっている。
【0241】また、これと同時に、乾燥処理によって電
極面111a上でも極性溶媒の蒸発が起き、これにより
電極面111a上に正孔注入/輸送層形成材料からなる
平坦部110a1が形成される。電極面111a上では
極性溶媒の蒸発速度がほぼ均一であるため、正孔注入/
輸送層の形成材料が電極面111a上で均一に濃縮さ
れ、これにより均一な厚さの平坦部110aが形成され
る。このようにして、周縁部110a2及び平坦部11
0a1からなる正孔注入/輸送層110aが形成され
る。なお、周縁部110a2には形成されず、電極面1
11a上のみに正孔注入/輸送層が形成される形態であ
っても構わない。
【0242】上記の乾燥処理は、例えば窒素雰囲気中、
室温で圧力を例えば133.3〜13.3Pa(1〜
0.1Torr)程度にして行う。急激に圧力を低下さ
せると第1組成物滴110cが突沸してしまうので好ま
しくない。また、温度を高温にしてしまうと、極性溶媒
の蒸発速度が高まり、平坦な膜を形成する事ができな
い。したがって、30℃〜80℃の範囲が好ましい。乾
燥処理後は、窒素中、好ましくは真空中で200℃で1
0分程度加熱する熱処理を行うことで、正孔注入/輸送
層110a内に残存する極性溶媒や水を除去することが
好ましい。
【0243】上記の正孔注入/輸送層形成工程では、吐
出された第1組成物滴110cが、下部、上部開口部1
12c、112d内に満たされる一方で、撥液処理され
た有機物バンク層112bで第1組成物がはじかれて下
部、上部開口部112c、112d内に転がり込む。こ
れにより、吐出した第1組成物滴110cを必ず下部、
上部開口部112c、112d内に充填することがで
き、電極面111a上に正孔注入/輸送層110aを形
成することができる。
【0244】また、上記の正孔注入/輸送層形成工程に
よれば、各画素領域Aごとに最初に吐出する第1組成物
の液滴110c1を有機物バンク層112bの壁面11
2hに接触させるので、この液滴が壁面112hから第
1積層部112e及び電極面111aに転がり込むた
め、第1組成物の液滴110cを画素電極111の周囲
に優先的に濡れ広げて第1組成物をむらなく塗布するこ
とができ、これにより正孔注入輸送層110aをほぼ均
一な膜厚で形成できる。
【0245】(4)発光層形成工程次に発光層形成工程
は、表面改質工程、発光層形成材料吐出工程、および乾
燥工程、とからなる。まず、正孔注入/輸送層110a
の表面を表面改質するために表面改質工程を行う。この
工程については、以下に詳述する。次に、前述の正孔注
入/輸送層形成工程と同様、液滴吐出法により第2組成
物を正孔注入/輸送層110a上に吐出する。その後、
吐出した第2組成物を乾燥処理(及び熱処理)して、正
孔注入/輸送層110a上に発光層110bを形成す
る。
【0246】次に発光層形成工程として、液滴吐出法に
より、発光層形成材料を含む第2組成物を正孔注入/輸
送層110a上に吐出した後に乾燥処理して、正孔注入
/輸送層110a上に発光層110bを形成する。図4
6に、液滴吐出方法の概略を示す。図46に示すよう
に、インクジェットヘッド431と基体32とを相対的
に移動し、インクジェットヘッドに形成された吐出ノズ
ルから各色(たとえばここでは青色(B))発光層形成
材料を含有する第2組成物が吐出される。吐出の際に
は、下部、上部開口部112c、112d内に位置する
正孔注入/輸送層110aに吐出ノズルを対向させ、イ
ンクジェットヘッド121と基体32とを相対移動させ
ながら、第2組成物が吐出される。吐出ノズルから吐出
される液量は1滴当たりの液量が制御されている。この
ように液量が制御された液(第2組成物滴110e)が
吐出ノズルから吐出され、この第2組成物滴110eを
正孔注入/輸送層110a上に吐出する。
【0247】発光層形成工程は、正孔注入/輸送層形成
工程と同様に、1つの画素領域に対して複数のノズルに
より第2組成物の吐出を行う。即ち、図41、図42及
び図43に示した場合と同様に、インクジェットヘッド
121を走査して各正孔注入/輸送層110a上に発光
層110bを形成する。この工程には、(4)インクジ
ェットヘッド121の走査を1回で行う方法、(5)イ
ンクジェットヘッド121の走査を複数回で行い、かつ
各走査中において複数のノズルを用いる方法、(6)イ
ンクジェットヘッド121の走査を複数回で行い、かつ
各走査毎に別のノズルを用いる方法、の3つの工程があ
る。以下、(4)〜(6)の方法を簡略に説明する。
【0248】(4)インクジェットヘッド121の走査
を1回で行う方法 この方法では、図41の場合と同様に、インクジェット
ヘッド121の1回の走査で画素領域(正孔注入/輸送
層110a上)に発光層を形成する。即ち、図41
(a)と同様に、インクジェットヘッド121のノズル
n1a〜n3aを各正孔注入/輸送層110aに対向して配
置し、ノズルn1a〜n3aから最初の第2組成物の液滴を
吐出する。次に図41(b)と同様に、インクジェット
ヘッド121を主走査方向に僅かに走査させるととも
に、副走査方向の反対方向にシフトさせることによって
ノズルn1b〜n3bを各正孔注入/輸送層110a上に位
置させ、各ノズルn1b〜n3bから第2組成物の2滴目の
液滴を吐出する。更に図41(c)と同様に、液滴吐出
ヘッドH5を主走査方向に僅かに走査させるとともに、
副走査方向にシフトさせることによってノズルn1a〜n
3aを再び各正孔注入/輸送層110a上に位置させ、各
ノズルn1a〜n3aから第2組成物の3滴目の液滴を各正
孔注入/輸送層110aに向けて吐出する。
【0249】このようにして、インクジェットヘッド1
21を主走査方向に沿って走査させつつ、副走査方向に
沿って僅かにシフトさせることにより、一の画素領域A
(正孔注入/輸送層110a)に対して2つのノズルか
ら第2組成物の液滴を順次吐出する。一の画素領域に対
して吐出する液滴の数は、例えば6〜20滴の範囲とす
ることができるが、この範囲は画素の面積によって代わ
るものであり、この範囲より多くても少なくても構わな
い。各画素領域(正孔注入/輸送層110a)に吐出す
る第2組成物の全量は、下部、上部開口部112c、1
12dの大きさ、形成しようとする発光層の厚さ、第2
組成物中の発光層形成材料の濃度等により決定される。
【0250】このように、1回の走査で発光層を形成す
る場合において、第2組成物の吐出のたびにノズルの切
替えを行い、画素領域に対して2つのノズルから第2組
成物を吐出するので、従来のように、1の画素領域に対
して1つのノズルで複数回吐出する場合と比較して、ノ
ズル間の吐出量のバラツキが相殺されるので、各画素領
域における第2組成物の吐出量のバラツキが小さくな
り、発光層を同じ膜厚で形成することができる。これに
より、画素毎の発光量を一定に保つことができ、表示品
質に優れた表示装置を製造することができる。
【0251】(5)インクジェットヘッド121の走査
を複数回で行い、かつ各走査中において複数のノズルを
用いる方法 この方法では、まず図42(a)と同様に、1回目の走
査として、ノズルn1a〜n3aを各画素領域に対向させて
第2組成物の最初の液滴を吐出し、更にインクジェット
ヘッド121を副走査方向に僅かにシフトさせてノズル
n1b〜n3bを各画素領域に対向させて第2組成物の2滴
目の液滴を吐出する。これにより、図42(a)と同様
に、各画素領域に2つの液滴が吐出される。各液滴は、
図42(a)と同様に相互に間隔を空けて吐出してもよ
く、重ねて吐出してもよい。
【0252】次に2回目の走査では、1回目の場合と同
様に、ノズルn1a〜n3aを各画素領域に対向させて第2
組成物の3滴目の液滴を吐出し、更にインクジェットヘ
ッド121を副走査方向に僅かにシフトさせてノズルn
1b〜n3bから第2組成物の4滴目の液滴を吐出する。こ
れにより図42(b)と同様に、各画素領域に更に2つ
の液滴が吐出される。尚、3滴目及び4滴目の液滴は、
1滴目及び2滴目の液滴と重ならないように吐出しても
良く、重ねて吐出しても良い。
【0253】更に3回目の走査では、1、2回目の場合
と同様に、ノズルn1a〜n3aを各画素領域に対向させて
第2組成物の5滴目の液滴を吐出し、更にインクジェッ
トヘッド121を副走査方向に僅かにシフトさせてノズ
ルn1b〜n3bから第2組成物の6滴目の液滴を吐出す
る。これにより図42(c)と同様に、各画素領域に更
に2つの液滴が吐出される。尚、5滴目及び6滴目の液
滴は、他の液滴と重ならないように吐出しても良く、重
ねて吐出しても良い。
【0254】このように、複数回の走査で発光層を形成
する場合において、各走査中にノズルの切替えを行い、
各画素領域に対して各々2つのノズルから第2組成物を
吐出するので、従来のように、1の画素領域に対して1
つのノズルで複数回吐出する場合と比較して、ノズル間
の吐出量のバラツキが相殺されるので、第2組成物の吐
出量のバラツキが小さくなり、発光層を同じ膜厚で形成
することができる。これにより、画素毎の発光量を一定
に保つことができ、表示品質に優れた表示装置を製造す
ることができる。
【0255】(6)インクジェットヘッド121の走査
を複数回で行い、かつ各走査毎に別のノズルを用いる方
法 この方法では、まず図43(a)と同様に、1回目の走
査において、インクジェットヘッド121のノズルn1a
〜n3aを各画素領域に対向させて第2組成物の最初の液
滴及び2、3滴目の液滴を順次吐出する。これにより、
図43(a)と同様に、各画素領域に3つの液滴が吐出
される。各液滴は、図43(a)と同様に相互に間隔を
空けて吐出してもよく、相互に重ねて吐出してもよい。
【0256】次に2回目の走査では、インクジェットヘ
ッド121を副走査方向に僅かにシフトさせてノズルn
1b〜n3b各画素領域に対向させて第2組成物の4、5,
6滴目の液滴を順次吐出する。これにより図43(b)
と同様に、各画素領域に更に3つの液滴が吐出される。
尚、4〜6滴目の液滴は、1〜3滴目の液滴の間をうめ
るように吐出しても良く、1〜3滴目の液滴に重ねて吐
出しても良い。
【0257】更に別の方法として、図43(c)と同様
に、1回目の走査により各画素領域の半分の領域に液滴
を吐出し、2回目の走査により各画素領域のもう半分の
領域に液滴を吐出してもよい。尚、1つの画素領域に対
して吐出する第2組成物の液滴の数をそれぞれ6滴とし
たが、6〜20滴の範囲としてもよく、またこの範囲は
画素の面積によって代わるものであるから、この範囲よ
り多くても少なくても構わない。各画素領域(正孔注入
/輸送層110a)に吐出する第2組成物の全量は、下
部、上部開口部112c、112dの大きさ、形成しよ
うとする発光層の厚さ、第2組成物中の発光層形成材料
の濃度等により決定される。
【0258】このように、複数回の走査で発光層を形成
する場合において、各走査毎にノズルの切替えを行い、
各画素領域に対して各々2つのノズルから第2組成物を
吐出するので、従来のように、1の画素領域に対して1
つのノズルで複数回吐出する場合と比較して、ノズル間
の吐出量のバラツキが相殺されるので、各画素領域にお
ける第2組成物の吐出量のバラツキが小さくなり、発光
層を同じ膜厚で形成することができる。これにより、画
素毎の発光量を一定に保つことができ、表示品質に優れ
た表示装置を製造することができる。尚、インクジェッ
トヘッド121の走査を複数回行う際には、正孔注入/
輸送層形成工程と同様に、インクジェットヘッド121
の走査方向を各回毎に同一の方向としても良く、反対方
向としても良い。
【0259】また、発光層110bの材料としては、例
えば、ポリフルオレン誘導体、ポリフェニレン誘導体、
ポリビニルカルバゾール、ポリチオフェン誘導体、また
はこれらの高分子材料にペリレン系色素、クマリン系色
素、ローダミン系色素、例えばルブレン、ペリレン、
9,10-ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブ
タジエン、ナイルレッド、クマリン6、キナクリドン等
をドープして用いることができる。非極性溶媒として
は、正孔注入/輸送層110aに対して不溶なものが好
ましく、例えば、シクロへキシルベンゼン、ジハイドロ
ベンゾフラン、トリメチルベンゼン、テトラメチルベン
ゼン等を用いることができる。このような非極性溶媒を
発光層110bの第2組成物に用いることにより、正孔
注入/輸送層110aを再溶解させることなく第2組成
物を塗布できる。
【0260】図46に示すように、吐出された第2組成
物110eは、正孔注入/輸送層110a上に広がって
下部、上部開口部112c、112d内に満たされる。
その一方で、撥液処理された上面112fでは第1組成
物滴110eが所定の吐出位置からはずれて上面112
f上に吐出されたとしても、上面112fが第2組成物
滴110eで濡れることがなく、第2組成物滴110e
が下部、上部開口部112c、112d内に転がり込
む。
【0261】次に、第2の組成物を所定の位置に吐出し
終わった後、吐出後の第2組成物滴110eを乾燥処理
することにより発光層110b3が形成される。すなわ
ち、乾燥により第2組成物に含まれる非極性溶媒が蒸発
し、図47に示すような青色(B)発光層110b3が
形成される。なお、図47においては青に発光する発光
層が1つのみ図示されているが、図30やその他の図よ
り明らかなように本来は発光素子がマトリックス状に形
成されたものであり、図示しない多数の発光層(青色に
対応)が形成されている。
【0262】続けて、図48に示すように、前述した青
色(B)発光層110b3の場合と同様の工程を用い、
赤色(R)発光層110b1を形成し、最後に緑色
(G)発光層110b2を形成する。なお、発光層11
0bの形成順序は、前述の順序に限られるものではな
く、どのような順番で形成しても良い。例えば、発光層
形成材料に応じて形成する順番を決める事も可能であ
る。
【0263】また、発光層の第2組成物の乾燥条件は、
青色110b3の場合、例えば、窒素雰囲気中、室温で
圧力を133.3〜13.3Pa(1〜0.1Tor
r)程度として5〜10分行う条件とする。圧力が低す
ぎると第2組成物が突沸してしまうので好ましくない。
また、温度を高温にすると、非極性溶媒の蒸発速度が高
まり、発光層形成材料が上部開口部112d壁面に多く
付着してしまうので好ましくない。好ましくは、30℃
〜80℃の範囲が良い。
【0264】また緑色発光層110b2、および赤色発
光層b1の場合、発光層形成材料の成分数が多いために
素早く乾燥させることが好ましく、例えば、40℃で窒
素の吹き付けを5〜10分行う条件とするのがよい。そ
の他の乾燥の手段としては、遠赤外線照射法、高温窒素
ガス吹付法等を例示できる。このようにして、画素電極
111上に正孔注入/輸送層110a及び発光層110
bが形成される。
【0265】(5)対向電極(陰極)形成工程 次に対向電極形成工程では、図49に示すように、発光
層110b及び有機物バンク層112bの全面に陰極4
2(対向電極)を形成する。なお,陰極42は複数の材
料を積層して形成しても良い。例えば、発光層に近い側
には仕事関数が小さい材料を形成することが好ましく、
例えばCa、Ba等を用いることが可能であり、また材
料によっては下層にLiF等を薄く形成した方が良い場
合もある。また、上部側(封止側)には下部側よりも仕
事関数が高い材料、例えばAlを用いる事もできる。こ
れらの陰極42は、例えば蒸着法、スパッタ法、CVD
法等で形成することが好ましく、特に蒸着法で形成する
ことが、熱による発光層110bの損傷を防止できる点
で好ましい。
【0266】また、フッ化リチウムは、発光層110b
上のみに形成しても良く、更に所定の色に対応して形成
する事ができる。例えば、青色(B)発光層110b3
上のみに形成しても良い。この場合、他の赤色(R)発
光層及び緑色(G)発光層110b1、110b2には、
カルシウムからなる上部陰極層12bが接することとな
る。
【0267】また陰極42の上部には、蒸着法、スパッ
タ法、CVD法等により形成したAl膜、Ag膜等を用
いることが好ましい。また、その厚さは、例えば100
〜1000nmの範囲が好ましく、特に200〜500
nm程度がよい。また陰極42上に、酸化防止のために
SiO、SiN等の保護層を設けても良い。
【0268】(6)封止工程 最後に封止工程は、発光素子が形成された基体32と封
止基板3bとを封止樹脂3aにより封止する工程であ
る。たとえば、熱硬化樹脂または紫外線硬化樹脂からな
る封止樹脂3aを基体32の全面に塗布し、封止樹脂3
a上に封止用基板3bを積層する。この工程により基体
32上に封止部33を形成する。
【0269】封止工程は、窒素、アルゴン、ヘリウム等
の不活性ガス雰囲気で行うことが好ましい。大気中で行
うと、陰極42にピンホール等の欠陥が生じていた場合
にこの欠陥部分から水や酸素等が陰極42に侵入して陰
極42が酸化されるおそれがあるので好ましくない。更
に、図30に例示した基板5の配線35aに陰極42を
接続するとともに、駆動IC36に回路素子部44の配
線を接続することにより、本実施形態の表示装置31が
得られる。
【0270】この実施の形態においても、上述した各実
施の形態と同様のインクジェット方式を実施することに
より、同様の作用効果を享受できる。さらに、機能性液
状体を選択的に塗布する際に、1つの機能層に対して複
数のノズルを用いて液状体の吐出するのて、ノズル間の
吐出量のばらつきが相殺され、各電極間における創成物
量のばらつきが小さくなり、各機能層の膜厚を揃えるこ
とができる。これにより、画素毎の発光量が均一化され
た表示品質に優れる表示装置を製造することができる。
【0271】(その他の実施の形態)以上、好ましい実
施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実
施の形態に限定されるものではなく、以下に示すような
変形をも含み、本発明の目的を達成できる範囲で、他の
いずれの具体的な構造および形状に設定できる。
【0272】すなわち、例えば、インクジェットヘッド
421を主走査方向Xへ移動させてマザー基板12を主
走査し、マザー基板12を副走査駆動装置425によっ
て移動させることにより、インクジェットヘッド421
によってマザー基板12を副走査することにしたが、こ
れとは逆に、マザー基板12の移動によって主走査を実
行し、インクジェットヘッド421の移動によって副走
査を実行することもできる。さらには、インクジェット
ヘッド421を移動させずにマザー基板12を移動させ
たり、双方を相対的に逆方向に移動させるなど、少なく
ともいずれか一方を相対的に移動させ、インクジェット
ヘッド421がマザー基板12の表面に沿って相対的に
移動するいずれの構成とすることができる。
【0273】また、上記実施の形態では、圧電素子45
2の撓み変形を利用してインクであるフィルタエレメン
ト材料13を吐出する構造のインクジェットヘッド42
1を用いたが、他の任意の構造のインクジェットヘッ
ド、例えば加熱により発生するバブルによりインクを吐
出する方式のインクジェットヘッドなどを用いることも
できる。
【0274】さらに、図1ないし図13に示す実施の形
態において、インクジェットヘッド421として、ノズ
ル466を略等間隔で略直線上でかつ2列設けて説明し
たが、2列に限らず、複数条とすることができる。ま
た、等間隔でなくてもよく、直線上に列をなして配設し
なくてもよい。
【0275】そして、液滴吐出装置16,401が製造
に使用されるのは、カラーフィルタ1や液晶装置、EL
装置、FED(Field Emission Display:フィールドエ
ミッションディスプレイ)、PDP(Plasma Display P
anel:プラズマディスプレイパネル)、電気泳動装置す
なわち荷電粒子を含有する機能性液状体であるインクを
各画素の隔壁間の凹部に吐出し、各画素を上下に挟持す
るように配設される電極間に電圧を印加して荷電粒子を
一方の電極側に寄せて各画素での表示をする装置、薄型
のブラウン管、CRT(Cathode-Ray Tube:陰極線管)
ディスプレイなど、基板(基材)を有し、その上方の領
域に所定の層を形成する工程を有する様々な電気光学装
置に用いることができる。
【0276】本発明の装置や方法は、電気光学装置を含
む基板(基材)を有するデバイスであって、その基材に
液滴を吐出する工程を用いることができる各種デバイス
の製造工程において用いることができる。例えば、プリ
ント回路基板の電気配線を形成するために、液状金属や
導電性材料、金属含有塗料などをインクジェット方式に
て吐出して金属配線などとする構成、燃料電池を構成す
る電極やイオン伝導膜等をインクジェット方式にて吐出
して形成する構成、基材上に形成される微細なマイクロ
レンズをインクジェット方式による吐出にて光学部材を
形成する構成、基板上に塗布するレジストを必要な部分
だけに塗布するようにインクジェット方式にて吐出する
構成、プラスチックなどの透光性基板などに光を散乱さ
せる凸部や微小白パターンなどをインクジェット方式に
て吐出形成して光散乱板を形成する構成、試薬検査装置
などのように、DNA(deoxyribonucleic acid:デオキ
シリボ核酸)チップ上にマトリクス配列するスパイクス
ポットにRNA(ribonucleic acid:リボ核酸)をイン
クジェット方式にて吐出させて蛍光標識プローブを作製
してDNAチップ上でハイブリタゼーションさせるな
ど、基材に区画されたドット状の位置に、試料や抗体、
DNA(deoxyribonucleic acid:デオキシリボ核酸)な
どをインクジェット方式にて吐出させてバイオチップを
形成する構成などにも利用できる。
【0277】また、液晶装置としても、TFTなどのト
ランジスタやTFDのアクティブ素子を画素に備えたア
クティブマトリクス液晶パネルなど、画素電極を取り囲
む隔壁6を形成し、この隔壁6にて形成される凹部にイ
ンクをインクジェット方式にて吐出してカラーフィルタ
1を形成するような構成のもの、画素電極上にインクと
して色材および導電材を混合したものをインクジェット
方式にて吐出して、画素電極上に形成するカラーフィル
タ1を導電性カラーフィルタとして形成する構成、基板
間のギャップを保持するためのスペーサの粒をインクジ
ェット方式にて吐出形成する構成など、液晶装置の電気
光学系を構成するいずれの部分にも適用可能である。
【0278】さらに、カラーフィルタ1に限られず、液
晶表示装置や(有機)EL装置など、他のいずれの電気
光学装置に適用でき、EL装置としても、R、G、Bの
3色に対応するELが帯状に形成されるストライプ型
や、上述したように、各画素毎に発光層に流す電流を制
御するトランジスタを備えたアクティブマトリックス型
の表示装置、あるいはパッシブマトリックス型に適用す
るものなど、いずれの構成でもできる。
【0279】そして、上記各実施の形態の電気光学装置
が組み込まれる電子機器としては、例えば図27に示す
ようなパーソナルコンピュータ490に限らず、図28
に示すような携帯電話491やPHS(Personal Handy
phone System)などの携帯型電話機、電子手帳、ページ
ャ、POS(Point Of Sales)端末、ICカード、ミニ
ディスクプレーヤ、液晶プロジェクタ、エンジニアリン
グ・ワークステーション(Engineering Work Station:
EWS)、ワードプロセッサ、テレビ、ビューファイン
ダ型またはモニタ直視型のビデオテープレコーダ、電子
卓上計算機、カーナビゲーション装置、タッチパネルを
備えた装置、時計、ゲーム機器などの様々な電子機器に
適用できる。
【0280】また、カラーフィルタ1の隔壁6として透
光性のない樹脂材料を用いる他、透光性の隔壁6として
透光性の樹脂材料を用いることももちろん可能である。
この場合にあっては、フィルタエレメント3間に対応す
る位置、例えば隔壁6の上、隔壁6の下などに別途遮光
性の金属膜あるいは樹脂材料を設けてブラックマスクと
しても良い。また、透光性の樹脂材料で隔壁6を形成
し、ブラックマスクを設けない構成としても良い。な
お、本発明における「隔壁」は「バンク」の意味も含ま
れている言葉として使われ、基板から見てほぼ垂直な角
度の側面や概ね90度以上や未満の角度を持った側面を
有する基板から見て凸になる部分を指す。
【0281】また、フィルタエレメント3としてR、
G、Bを用いたが、もちろんR、G、Bに限定されるこ
とはなく、例えばC(シアン)、M(マゼンダ)、Y
(イエロー)を採用してもかまわない。その場合にあっ
ては、R、G、Bのフィルタエレメント材料13に代え
て、C、M、Yの色を有するフィルタエレメント材料1
3を用いればよい。
【0282】その他、本発明の実施の際の具体的な構造
および手順は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構
造や手順などとしてもよい。
【0283】
【発明の効果】本発明によれば、液滴吐出ヘッドおよび
コネクタを取付基板に取り付けた吐出手段を、複数のグ
ループに分けて配列するとともに、取付基板におけるコ
ネクタの配設された部分が他のグループにおいて配列し
た吐出手段と互いに対向しないように保持手段に配置
し、液滴吐出ヘッドをノズルを有する一面が被吐出物の
表面に沿う状態で相対的に移動させ、ノズルから液状体
を被吐出物上の所定位置に適宜吐出するため、複数の液
滴吐出ヘッドおよび対応するコネクタを別々に配設する
場合に比して容易に組立でき、製造性を向上できる。ま
た、コネクタが取付基板に配設される部分が他のグルー
プの吐出手段と互いに対向することなく配置させるの
で、コネクタが配設された部分が液滴吐出ヘッドに対し
て対向方向と反対側である外側に向く状態となり、コネ
クタへの配線作業が容易で組立作業性を向上できるとと
もに、コネクタが位置する部分での電気ノイズが互いに
影響し合うことを防止でき、安定した良好な液状体の吐
出を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るカラーフィルタ製造装置の液滴
吐出装置の液滴吐出処理装置を示す一部を切り欠いた斜
視図である。
【図2】 同上液滴吐出処理装置のヘッドユニットを示
す平面図である。
【図3】 同上側面図である。
【図4】 同上正面図である。
【図5】 同上断面図である。
【図6】 同上ヘッド装置を示す分解斜視図である。
【図7】 同上インクジェットヘッドを示す分解斜視図
である。
【図8】 同上インクジェットヘッドのフィルタエレメ
ント材料を吐出する動作を説明する説明図である。
【図9】 同上インクジェットヘッドのフィルタエレメ
ント材料の吐出量を説明する説明図である。
【図10】 同上インクジェットヘッドの配置状態を説
明する概略図である。
【図11】 同上インクジェットヘッドの配置状態を説
明する部分的に拡大した概略図である。
【図12】 同上カラーフィルタの製造装置により製造
されるカラーフィルタを示す模式図であって、(A)は
カラーフィルタの平面図で、(B)は(A)のX−X線
断面図である。
【図13】 同上カラーフィルタを製造する手順を説明
する製造工程断面図である。
【図14】 本発明の電気光学装置に係るEL表示素子
を用いた表示装置の一部を示す回路図である。
【図15】 同上表示装置の画素領域の平面構造を示す
拡大平面図である。
【図16】 同上表示装置の製造工程の前処理における
手順を示す製造工程断面図である。
【図17】 同上表示装置の製造工程のEL発光材料の
吐出における手順を示す製造工程断面図である。
【図18】 同上表示装置の製造工程のEL発光材料の
吐出における手順を示す製造工程断面図である。
【図19】 本発明の電気光学装置に係るEL表示素子
を用いた表示装置の画素領域の平面構造を示す拡大平面
図である。
【図20】 本発明の電気光学装置に係るEL表示素子
を用いた表示装置の画素領域の構造を示す拡大図であ
り、(A)は平面構造で、(B)は(A)のB−B線断
面図である。
【図21】 本発明の電気光学装置に係るEL表示素子
を用いた表示装置を製造する製造工程を示す製造工程断
面図である。
【図22】 本発明の電気光学装置に係るEL表示素子
を用いた表示装置を製造する製造工程を示す製造工程断
面図である。
【図23】 本発明の電気光学装置に係るEL表示素子
を用いた表示装置を製造する製造工程を示す製造工程断
面図である。
【図24】 本発明の電気光学装置に係るEL表示素子
を用いた表示装置を製造する製造工程を示す製造工程断
面図である。
【図25】 本発明の電気光学装置に係るEL表示素子
を用いた表示装置を製造する製造工程を示す製造工程断
面図である。
【図26】 本発明の電気光学装置に係るEL表示素子
を用いた表示装置を製造する製造工程を示す製造工程断
面図である。
【図27】 同上電気光学装置を備えた電気機器である
パーソナルコンピュータを示す斜視図である。
【図28】 同上電気光学装置を備えた電気機器である
携帯電話を示す斜視図である。
【図29】 従来のカラーフィルタの製造方法の一例を
示す図である。
【図30】 本発明の電気光学装置の他の形態である表
示装置を示す図であって、(a)は表示装置の平面模式
図、(b)は(a)のAB線に沿う断面模式図。
【図31】 同上表示装置の要部を示す図。
【図32】 同上表示装置の製造方法を説明する工程
図。
【図33】 同上表示装置の製造方法を説明する工程
図。
【図34】 同上表示装置の製造に用いるプラズマ処理
装置の一例を示す平面模式図。
【図35】 図34に示したプラズマ処理装置の第1プ
ラズマ処理室の内部構造を示す模式図。
【図36】 同上表示装置の製造方法を説明する工程
図。
【図37】 同上表示装置の製造方法を説明する工程
図。
【図38】 同上表示装置の製造に用いるプラズマ処理
装置の別の例を示す平面模式図。
【図39】 同上表示装置の製造に用いる液滴吐出装置
を示す平面図。
【図40】 基体に対するインクジェットヘッドの配置
状態を示す平面図。
【図41】 インクジェットヘッドの1回の走査で正孔
注入/輸送層を形成する場合の工程を示す工程図。
【図42】 インクジェットヘッドの3回の走査で正孔
注入/輸送層110aを形成する場合の工程を示す工程
図。
【図43】 インクジェットヘッドの2回の走査で正孔
注入/輸送層110aを形成する場合の工程を示す工程
図。
【図44】 本発明の電気光学装置の他の形態である表
示装置の製造方法を説明する工程図。
【図45】 同上表示装置の製造方法を説明する工程
図。
【図46】 同上表示装置の製造方法を説明する工程
図。
【図47】 同上表示装置の製造方法を説明する工程
図。
【図48】 同上表示装置の製造方法を説明する工程
図。
【図49】 同上表示装置の製造方法を説明する工程
図。
【図50】 本発明のカラーフィルタの製造装置により
製造されるカラーフィルタを備えた液晶装置の断面構成
図である。
【符号の説明】
1 電気光学装置としてのカラー液晶パネルを構成す
るカラーフィルタ 12 被吐出物としての基板(基材)であるマザー基
板 13 液状体としてのフィルタエレメント材料 405R(405G,405B) 吐出装置としての
カラーフィルタの製造装置である液滴吐出処理装置 421 インクジェットヘッド 425 移動手段を構成する主走査駆動手段としての
主走査駆動装置 426 保持手段としてのキャリッジ 427 移動手段を構成する副走査駆動手段としての
副走査駆動装置 433 吐出手段としてのヘッド装置 435 取付基板としてのプリント基板 441 コネクタ 442 電気配線 466 ノズル 478 供給管 483 給液手段としてのインクユニットを構成する
タンク 501 電気光学装置である表示装置 502 被吐出物としての基板(基材)である表示基
板 540A,540B 液状体としての光学材料 X 主走査方向 Y 副走査方向
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05B 33/10 H05B 33/14 A 4F041 33/14 G02F 1/1335 505 4F042 // G02F 1/1335 505 B41J 3/04 101Z Fターム(参考) 2C056 FA04 FA10 FA15 FB01 HA09 HA10 HA22 2H048 BA64 BB02 BB44 2H091 FA02 FC01 FC29 3K007 AB17 AB18 BA06 BB07 DA05 FA01 4D075 AC07 AC09 AC88 CA47 CB08 DA06 DB13 DB31 DC18 DC21 DC24 EA07 EC07 EC11 EC17 4F041 AA05 AB01 BA13 BA21 4F042 AA06 AA10 BA08 CA01 CB02 (54)【発明の名称】 吐出方法およびその装置、電気光学装置、その製造方法およびその製造装置、カラーフィルタ、 その製造方法およびその製造装置、ならびに基材を有するデバイス、その製造方法およびその製 造装置

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流動性を有した液状体を被吐出物上に吐
    出するノズルが設けられた液滴吐出ヘッド、この液滴吐
    出ヘッドが取り付けられた取付基板およびこの取付基板
    に配設されたコネクタを備えた複数の吐出手段と、 前記複数の吐出手段を複数グループに分けて配列させ、
    かつ前記取付基板におけるコネクタの配設された部分が
    他のグループにおいて配列した前記吐出手段と互いに対
    向しないように配置させてなり、前記液滴吐出ヘッドの
    ノズルが設けられた一面が前記被吐出物の表面に間隙を
    介して対向するように前記複数の吐出手段を配置する保
    持手段と、 この保持手段および前記被吐出物のうちの少なくともい
    ずれか一方を前記液滴吐出ヘッドが前記被吐出物の表面
    に沿う状態で相対的に移動させる移動手段とを具備した
    ことを特徴とした吐出装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の吐出装置において、 取付基板は長手状に形成され、 吐出手段は、前記取付基板の長手方向の一端側に液滴吐
    出ヘッドが配設され、前記取付基板の長手方向の他端側
    にコネクタが配設されたことを特徴とした吐出装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の吐出装置にお
    いて、 コネクタの配設された部分が対向しないように配列され
    た吐出手段のグループ同士は略点対称となる状態で当該
    吐出手段が並べて配置されたことを特徴とした吐出装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載の吐
    出装置において、 液状体を吐出手段に供給する給液手段を具備し、 給液手段は、複数の吐出手段のグループの間の位置から
    各グループにおける各吐出手段に供給管を接続し、この
    供給管を通して各吐出手段に液状体を供給することを特
    徴とした吐出装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の吐出装置において、 給液手段は、液状体を貯留するタンクと、前記液状体を
    流通する供給管と、前記タンク内の液状体を前記供給管
    を通して吐出手段の液滴吐出ヘッドに供給するポンプと
    を備え、 前記供給管は、前記吐出手段の液滴吐出ヘッドに対応し
    て複数設けられ、複数の吐出手段のグループの配置位置
    の間の位置から各吐出手段に配管されたことを特徴とし
    た吐出装置。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかに記載の吐
    出装置において、 制御手段から各吐出手段のコネクタに接続される複数の
    電気配線を備え、 これら電気配線は、保持手段の外周側から各吐出手段の
    コネクタに向けてそれぞれ配線されたことを特徴とした
    吐出装置。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれかに記載の吐
    出装置において、 複数の吐出手段は、移動手段によって液滴吐出ヘッドが
    被吐出物の表面に沿って相対的に移動される方向に対し
    て交差する方向に沿って前記液滴吐出ヘッドが複数列に
    並んだ状態に配置されたことを特徴とした吐出装置。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれかに記載の吐
    出装置を備える電気光学装置の製造装置において、 被吐出物はEL発光層が形成される基板であって、複数
    の液滴吐出ヘッドを前記基板に対して相対的に移動させ
    つつ、前記基板上に前記複数の液滴吐出ヘッドにおける
    所定のノズルからEL発光材料を含有する液状体を吐出
    させ、前記基板上に前記EL発光層を形成することを特
    徴とした電気光学装置の製造装置。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし7のいずれかに記載の吐
    出装置を備える電気光学装置の製造装置であって、 被吐出物は液晶を挟持する一対の基板の一方であって、
    複数の液滴吐出ヘッドを前記基板に対して相対的に移動
    させつつ、前記基板上に前記複数の液滴吐出ヘッドにお
    ける所定のノズルからカラーフィルタ材料を含有する液
    状体を吐出させ、前記基板上にカラーフィルタを形成す
    ることを特徴とした電気光学装置の製造装置。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし7のいずれかに記載の
    吐出装置を備えるカラーフィルタの製造装置であって、 被吐出物は異なる色を呈するカラーフィルタが形成され
    る基板であって、複数の液滴吐出ヘッドを前記基板に対
    して相対的に移動させつつ、前記基板上に前記複数の液
    滴吐出ヘッドにおける所定のノズルからカラーフィルタ
    材料を含有する液状体を吐出させ、前記基板上に前記カ
    ラーフィルタを形成することを特徴としたカラーフィル
    タの製造装置。
  11. 【請求項11】 電極が複数設けられた基板と、この基
    板上に前記電極に対応して複数設けられたEL発光層と
    を備えた電気光学装置であって、 EL発光材料を含有する液状体を吐出するノズルが設け
    られた液滴吐出ヘッド、この液滴吐出ヘッドが取り付け
    られた取付基板およびこの取付基板に配設されたコネク
    タをそれぞれ備えた複数の吐出手段が複数のグループに
    分けて配列され、かつ前記取付基板におけるコネクタの
    配設された部分が他のグループにおいて配列した前記吐
    出手段と互いに対向しないように配置された保持手段を
    用い、 この保持手段に配置された液滴吐出ヘッドが、前記ノズ
    ルを有する一面を前記基板の表面に沿う状態で前記基板
    に対して相対的に移動されつつ、前記ノズルから前記液
    状体が前記基板上の所定の位置に適宜吐出されて、前記
    EL発光層が形成されたことを特徴とした電気光学装
    置。
  12. 【請求項12】 基板と、この基板上に形成された異な
    る色のカラーフィルタを備えた電気光学装置であって、 所定の色のフィルタ材料を含有する液状体を吐出するノ
    ズルが設けられた液滴吐出ヘッド、この液滴吐出ヘッド
    が取り付けられた取付基板およびこの取付基板に配設さ
    れたコネクタをそれぞれ備えた複数の吐出手段が複数の
    グループに分けて配列され、かつ前記取付基板における
    コネクタの配設された部分が他のグループにおいて配列
    した前記吐出手段と互いに対向しないように配置された
    保持手段を用い、 この保持手段に配置された液滴吐出ヘッドが、前記ノズ
    ルを有する一面を前記基板の表面に間隔を介して対向す
    る状態で前記基板に対して相対的に移動されつつ、前記
    ノズルから前記液状体が前記基板上の所定の位置に適宜
    吐出されて、前記カラーフィルタが形成されたことを特
    徴とした電気光学装置。
  13. 【請求項13】 基板上に異なる色を呈するように形成
    されたカラーフィルタであって、 所定の色のフィルタ材料を含有する液状体を吐出するノ
    ズルが設けられた液滴吐出ヘッド、この液滴吐出ヘッド
    が取り付けられた取付基板およびこの取付基板に配設さ
    れたコネクタをそれぞれ備えた複数の吐出手段が複数の
    グループに分けて配列され、かつ前記取付基板における
    コネクタの配設された部分が他のグループにおいて配列
    した前記吐出手段と互いに対向しないように配置された
    保持手段を用い、 この保持手段に配置された液滴吐出ヘッドが、前記ノズ
    ルを有する一面を前記基板の表面に間隔を介して対向す
    る状態で前記基板に対して相対的に移動されつつ、前記
    ノズルから前記液状体が前記基板上の所定の位置に適宜
    吐出されて形成されたことを特徴としたカラーフィル
    タ。
  14. 【請求項14】 流動性を有した液状体を吐出するノズ
    ルが設けられた液滴吐出ヘッド、この液滴吐出ヘッドが
    取り付けられた取付基板およびこの取付基板に配設され
    たコネクタをそれぞれ備えた複数の吐出手段が複数のグ
    ループに分けて配列され、かつ前記取付基板におけるコ
    ネクタの配設された部分が他のグループにおいて配列し
    た前記吐出手段と互いに対向しないように配置された保
    持手段を用い、 この保持手段に配置された液滴吐出ヘッドが、前記ノズ
    ルを有する一面を前記被吐出物の表面に沿う状態で前記
    被吐出物に対して相対的に移動されつつ、前記ノズルか
    ら前記液状体が前記被吐出物の所定位置に適宜吐出する
    ことを特徴とする吐出方法。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載の吐出方法におい
    て、 取付基板は長手状に形成され、 複数の吐出手段は、前記取付基板の長手方向の一端側に
    液滴吐出ヘッドが配設され、前記取付基板の長手方向の
    他端側にコネクタが配設されてそれぞれ構成され、 これら吐出手段の液滴吐出ヘッドのノズルから液状体を
    被吐出物上に吐出することを特徴とする吐出方法。
  16. 【請求項16】 請求項14または15に記載の吐出方
    法において、 コネクタの配設された部分が対向しないように配列され
    た吐出手段のグループ同士は略点対称となる状態で当該
    吐出手段が並べて配置され、 これら吐出手段の液滴吐出ヘッドのノズルから液状体を
    被吐出物上に吐出することを特徴とする吐出方法。
  17. 【請求項17】 請求項14ないし16のいずれかに記
    載の吐出方法において、 複数の吐出手段のグループの配設位置の間の位置から各
    各グループにおける吐出手段に供給管が接続され、この
    供給管を通して各吐出手段に液状体を供給し、 これら吐出手段の液滴吐出ヘッドのノズルから液状体を
    被吐出物上に吐出することを特徴とする吐出方法。
  18. 【請求項18】 請求項14ないし17のいずれかに記
    載の吐出方法において、 制御手段からの電気配線が保持手段の外周側から各コネ
    クタに接続された吐出手段により液状体を吐出すること
    を特徴とする吐出方法。
  19. 【請求項19】 請求項14ないし18のいずれかに記
    載の吐出方法において、 複数の吐出手段は、液滴吐出ヘッドが被吐出物の表面に
    沿って相対的に移動される方向に対して交差する方向に
    沿って前記液滴吐出ヘッドが複数列に並んで配置され、 これら吐出手段の液滴吐出ヘッドのノズルから液状体を
    被吐出物上に吐出することを特徴とする吐出方法。
  20. 【請求項20】 請求項14ないし19のいずれかに記
    載の吐出方法により液状体を吐出する電気光学装置の製
    造方法であって、 前記液状体はEL発光材料を含有するものであって、 被吐出物は基板であって、 液滴吐出ヘッドを前記基板の表面に沿う状態で相対的に
    移動しつつ、ノズルから前記液状体を前記基板上の所定
    の位置に適宜吐出してEL発光層を形成することを特徴
    とする電気光学装置の製造方法。
  21. 【請求項21】 請求項14ないし19のいずれかに記
    載の吐出方法により液状体を吐出する電気光学装置の製
    造方法であって、 前記液状体はカラーフィルタ材料を含有するものであっ
    て、 前記被吐出物は基板であって、 前記液滴吐出ヘッドを前記基板の表面に沿う状態で相対
    的に移動しつつ、ノズルから前記液状体を前記基板上の
    所定の位置に適宜吐出してカラーフィルタを形成するこ
    とを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  22. 【請求項22】 請求項14ないし19のいずれかに記
    載の吐出方法により液状体を吐出するカラーフィルタの
    製造方法であって、 前記液状体はフィルタ材料を含有するものであって、 前記被吐出物は基板であって、 液滴吐出ヘッドを前記基板の表面に沿う状態で相対的に
    移動しつつ、ノズルから前記液状体を前記基板上の所定
    の位置に適宜吐出してカラーフィルタを形成することを
    特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  23. 【請求項23】 基材と、この基材上に流動性を有する
    液状体が吐出されて形成された所定の層を有する基材を
    有するデバイスであって、 前記液状体を吐出するノズルが設けられた液滴吐出ヘッ
    ド、この液滴吐出ヘッドが取り付けられた取付基板およ
    びこの取付基板に配設されたコネクタをそれぞれ備えた
    複数の吐出手段が複数のグループに分けて配列され、か
    つ前記取付基板におけるコネクタの配設された部分が他
    のグループにおいて配列した前記吐出手段と互いに対向
    しないように配置された保持手段を用い、 この保持手段に配置された液滴吐出ヘッドが、前記ノズ
    ルを有する一面を前記基材の表面に沿う状態で前記基材
    に対して相対的に移動されつつ、所定のノズルから前記
    基材上の所定の位置に前記液状体が適宜吐出されて前記
    所定の層が形成されたことを特徴とした基材を有するデ
    バイス。
  24. 【請求項24】 請求項1ないし7のいずれかに記載の
    吐出装置を備え、 前記被吐出物はデバイスの基材であって、 所定の層を前記基材上に形成する工程において前記複数
    の液滴吐出ヘッドから液状体を前記基材上に吐出して前
    記所定の層を形成することを特徴とした基材を有するデ
    バイスの製造装置。
  25. 【請求項25】 請求項14ないし19のいずれかに記
    載の吐出方法により、被吐出物である基材上に液状体を
    吐出して所定の層を前記基材上に形成することを特徴と
    する基材を有するデバイスの製造方法。
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