JP2003283071A - 立体回路板及びその製造方法 - Google Patents

立体回路板及びその製造方法

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JP2003283071A JP2002086980A JP2002086980A JP2003283071A JP 2003283071 A JP2003283071 A JP 2003283071A JP 2002086980 A JP2002086980 A JP 2002086980A JP 2002086980 A JP2002086980 A JP 2002086980A JP 2003283071 A JP2003283071 A JP 2003283071A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回路の配置密度を高くすることができる立体
回路板を提供する。 【解決手段】 基板1の表面に段差側面部2を介して複
数の高さに層別される複数段の平面部4を設ける。段差
側面部2を導体が被覆されない非回路部3として形成す
ると共に、平面部4に導体を被覆して回路部5を形成す
る。段差側面部2に形成される非回路部3は基板1の表
面において面方向において面積として表われない。この
ために基板1の全面を利用して回路部5を高密度に形成
することが可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回路を基板の表面
に三次元立体的に設けて形成した立体回路板及びその製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】基板回路1に回路部5を形成するにあた
って、物理蒸着法(PVD)で回路形成する方法が普及
しつつある。図32はPVD法によって回路部5を形成
する方法の一例を示すものであり、図32(a)のよう
な基板1の表面にスパッタリングなどで、図32(b)
のように基板1の全面に導体膜36を形成し、次に回路
形成部分37の輪郭に沿って導体膜36にレーザーを照
射して、回路形成部分37の輪郭部38を図32(c)
のように除去する。この後、回路形成部分37の導体膜
36に通電して電気メッキをして厚付けすることによっ
て、図32(d)のように回路部5を形成し、そして必
要に応じて、ソフトエッチング処理することによって図
32(e)のように回路部5以外の部分の導体膜36を
除去し、さらに回路部5にニッケルメッキや金メッキを
して仕上げるようにしてある。
【0003】図32は平板状の基板1について説明をし
たが、図33に示すような凹凸を有する立体的な基板1
についても、同様に、スパッタリングによる導体膜36
の形成、レーザーLの照射による回路形成部分37の輪
郭部38の除去の工程を経て、回路部5を形成すること
ができるものである。尚、特に立体基板の場合は、一括
露光パターンニング方法における露光の際に露光マスク
を付着させるのが困難であり、レーザーの照射パターン
ニング方法による回路形成のほうが優れている。
【0004】ここで、上記の方法は特開平7−6653
2号公報や特開平7−66533号公報によって提供さ
れている方法であるが、基板1の表面にスパッタリング
などで導体膜36を形成した後に、レーザーを照射して
回路を形成する部分の周囲の導体膜36を除去する必要
がある。従って、レーザーを照射する工程が必要になっ
て製造工数や製造コストが増大するという問題がある。
またレーザーの照射による基板1の表面の熱ダメージ
で、回路部5の端部が図34のように剥がれ、基板1に
対する回路部5の密着性が低下するおそれがあり、特に
基板1の材料が樹脂であると、レーザーの照射部分が炭
化し、回路部5間の絶縁抵抗が劣化する可能性があると
いう問題もある。
【0005】一方、このようなレーザーの照射を行なう
必要なく、PVD法で回路部5を形成する方法が特開2
000−216504号公報や特開2000−2165
05号公報で提供されている。図35はその一例を示す
ものであり、図35(a)のように表面に凹凸を設けた
基板1を用い、基板1の表面にスパッタリングなどPV
D法で導体を付着させるようにしたものであり、PVD
法では一般的にターゲットのそれぞれの表面部分から導
体粒子はある角度範囲をもって放射され、ガス粒子やプ
ラズマのイオンにぶつかりながら基板1の表面に向かっ
て飛翔するので、凹部39の内部には入り込み難く、少
なくともこの飛翔方向と平行になる凹凸の凸部24と凹
部39の間の側面である段差側面部2には導体が付着し
難くなる。従って、凸部24の頂面に付着した導体は、
導体が付着し難い凹部39によって不連続になるので、
図35(b)のように凹部39の部分が回路間の絶縁部
となった回路部5を凸部24の頂面に形成することがで
きるものであり、回路部5の輪郭をレーザーで除去する
ような必要がなくなるのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のように特開20
00−216504号公報や特開2000−21650
5号公報で提供されている方法では、表面に凹凸を設け
た基板1を用いてPVD法で導体を付着させることによ
って、レーザーの照射を行なう必要なく凸部24の頂面
に回路部5を形成することができるのである。
【0007】しかし、凸部24の頂部に形成された回路
部5は凹部39を介して配置されているものであり、基
板1の表面のうち凹部39の部分は回路が形成されない
部分となるので、基板1の表面の回路配置密度が低くな
るという問題があった。回路配置密度を高くするために
は、凹部39の幅を狭くすることが必要であるが、樹脂
の射出成形で基板1を作製する場合、凹部39の幅を狭
く形成するのには限界があって、凹部39の幅を100
μm以下にすることは困難であり、回路配置密度を高く
するのには限度があるものであった。
【0008】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、回路の配置密度を高くすることができる立体回路
板及びその製造方法を提供することを目的とするもので
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
立体回路板は、基板1の表面に段差側面部2を介して複
数の高さに層別される複数段の平面部4を設け、段差側
面部2を導体が被覆されない非回路部3として形成する
と共に、平面部4に導体を被覆して回路部5を形成して
成ることを特徴とするものである。
【0010】また請求項2の発明は、請求項1におい
て、平面部4を高さが異なる3段以上に形成して成るこ
とを特徴とするものである。
【0011】また請求項3の発明は、請求項1又は2に
おいて、複数段の平面部4のうち一部の平面部4を導体
が被覆されない非回路部3として形成して成ることを特
徴とするものである。
【0012】また請求項4の発明は、請求項1乃至3の
いずれかにおいて、基板1の表面に高さの異なる平面部
4間を連絡する傾斜面6を設け、傾斜面6に導体を被覆
して高さの異なる平面部4の回路部5を電気的に接続す
る接続回路部7を形成して成ることを特徴とするもので
ある。
【0013】また請求項5の発明は、請求項1乃至4の
いずれかにおいて、端部同士が対向する平面部4の端部
間に、これらの平面部4より低い平面部を配置し、上記
端部同士が対向する平面部4に形成した回路部5の端部
間を電気的に接続して成ることを特徴とするものであ
る。
【0014】また請求項6の発明は、請求項5におい
て、接続用部材8によって、上記端部同士が対向する平
面部4に形成した回路部5の端部間を電気的に接続して
成ることを特徴とするものである。
【0015】また請求項7の発明は、請求項6におい
て、接続用部材8として、ワイヤーとジャンパー部品の
少なくとも一方を用いて成ることを特徴とするものであ
る。
【0016】また請求項8の発明は、請求項6におい
て、上記端部同士が対向する平面部4の各端部を基板1
の表面側へ下り傾斜する端部傾斜面9として形成すると
共に端部傾斜面9に導体を被覆して平面部4の回路部5
と電気的に接続された端部回路部10を形成し、接続用
部材8として、両端面にこの各端部傾斜面9と平行に傾
斜する接合用傾斜面11を設けると共に各接合用傾斜面
11及び表面に導通用回路部12を形成したものを用
い、上記端部同士が対向する平面部4の端部間に接続用
部材8を配置すると共に端部傾斜面9の端部回路部10
と接続用傾斜面11の導通用回路部12を接合させて成
ることを特徴とするものである。
【0017】また請求項9の発明は、請求項6におい
て、上記端部同士が対向する平面部4の端部間に配置さ
れる高さの低い平面部4を電気絶縁性の被覆材13で被
覆し、接続用部材8として導電材料を用いると共に被覆
材の表面に導電材料を設けることによって、上記端部同
士が対向する平面部4に形成した回路部5の端部間を電
気的に接続することを特徴とするものである。
【0018】また請求項10の発明は、請求項1乃至4
のいずれかにおいて、端部同士を対向させた平面部4の
端部間に、これらの平面部4より低い平面部4を配置
し、上記端部同士を対向させた平面部4に形成した回路
部5の各端部を電子部品実装端子部14として、この端
部同士を対向させた平面部5の端部上に配置される電子
部品15を実装して成ることを特徴とするものである。
【0019】また請求項11の発明は、請求項10にお
いて、上記電子部品実装端子部14が形成された平面部
4より低い平面部4の回路部5に、他の電子部品実装端
子部14を形成し、上記実装された電子部品15の下方
に他の電子部品15が重なるように、他の電子部品実装
端子部14に他の電子部品15を実装して成ることを特
徴とするものである。
【0020】また請求項12の発明は、請求項1乃至1
1のいずれかにおいて、基板1に基板1の表裏に貫通す
るスルーホール16を形成し、基板1の表面側の平面部
4に形成した回路部5と電気的に接続されるスルーホー
ル回路部17をスルーホール16の内周に設け、基板1
の裏面に形成した裏面回路部18とスルーホール回路部
16とを電気的に接続して成ることを特徴とするもので
ある。
【0021】また請求項13の発明は、請求項12にお
いて、回路部5を形成した平面部4の端部と、スルーホ
ール16を形成した基板1の表面との間に、つづら折り
状あるいは螺旋状に傾斜する屈曲傾斜面19を形成し、
回路部5とスルーホール回路部17とを電気的に接続す
る連絡用回路部20を屈曲傾斜面19に形成して成るこ
とを特徴とするものである。
【0022】また請求項14の発明は、請求項12又は
13において、スルーホール回路部17と裏面回路部1
8との接続部分に導電ペースト21を塗布して成ること
を特徴とするものである。
【0023】また請求項15の発明は、請求項1乃至1
4のいずれかにおいて、複数段の各平面部4をメッキ用
傾斜面22を介してこれらの平面部4より少なくとも高
い段の平面部4に連絡させ、この高い平面部4及びメッ
キ用傾斜面22に、上記の複数段の平面部4に電気メッ
キをする際に通電を行なうためのメッキ通電用回路部2
3を形成して成ることを特徴とするものである。
【0024】また請求項16の発明は、請求項15にお
いて、メッキ通電用回路部23は、電気メッキの後にエ
ッチングして除去されるものであることを特徴とするも
のである。
【0025】また請求項17の発明は、請求項15にお
いて、基板1のうちメッキ通電用回路部23を形成した
平面部4を設けた部分は、電気メッキの後に少なくとも
基板1の一部とともに切除されるものであることを特徴
とするものである。
【0026】また請求項18の発明は、請求項1乃至1
7のいずれかにおいて、複数段の平面部4のうち、高さ
の低い平面部4に形成した回路部5を電気絶縁性の被覆
材13で被覆すると共に高さの高い平面部4に形成した
回路部5をこの被覆材13の表面に露出させて成ること
を特徴とするものである。
【0027】また請求項19の発明は、請求項1乃至1
8のいずれかにおいて、基板1の表面の凹凸の凸部24
の頂面に平面部4を形成し、凸部24の頂面の角部をテ
ーパ面あるいはアール面に形成して成ることを特徴とす
るものである。
【0028】また請求項20の発明は、請求項1乃至1
9のいずれかにおいて、基板1の表面の凹凸の凸部24
の頂面に平面部4を形成すると共に凸部24の側面に段
差側面部2を形成し、凸部24の側面にアンダーカット
部25を形成して成ることを特徴とするものである。
【0029】また請求項21の発明は、請求項1乃至2
0のいずれかにおいて、平面部4にバンプ用凸部26を
突設し、バンプ用凸部26に導体を被覆して電子部品実
装用のバンプ端子27を形成して成ることを特徴とする
ものである。
【0030】また請求項22の発明は、請求項1乃至2
1のいずれかにおいて、段差側面部2の表面を粗面に形
成して成ることを特徴とするものである。
【0031】また請求項23の発明は、請求項1乃至2
2のいずれかにおいて、基板1の表面に物理蒸着法で導
体を付着させることによって、導体が付着し難い段差側
面部2に非回路部3を形成すると共に、導体が付着し易
い平面部4に回路部5を形成して成ることを特徴とする
ものであるまた請求項24の発明は、請求項23におい
て、段差側面部2に付着した導体はエッチング除去され
ていることを特徴とするものである。
【0032】また請求項25の発明は、請求項1乃至2
4のいずれかにおいて、基板1は、樹脂又はセラミック
ス材料を成形して形成されたものであることを特徴とす
るものである。
【0033】また請求項26の発明は、請求項1乃至2
4のいずれかにおいて、基板1は、金属材29の表面に
絶縁層30をコーティングして形成されたものであるこ
とを特徴とするものである。
【0034】また本発明に係る請求項27の立体回路板
の製造方法は、請求項1乃至26のいずれかに記載の立
体回路板を製造するにあたって、基板1の表面に段差側
面部2を介して複数の高さに層別される複数段の平面部
4を設け、基板1の表面に物理蒸着法で導体を付着させ
た後、段差側面部2に付着した導体をエッチング除去す
ることによって、段差側面部2に導体が被覆されない非
回路部3を形成すると共に、導体が被覆された平面部4
に回路部5を形成することを特徴とするものである。
【0035】また請求項28の発明は、請求項27にお
いて、イオンビームスパッタリング法でターゲット31
から導体粒子をスパッタリングして基板1の表面に付着
させることを特徴とするものである。
【0036】また請求項29の発明は、請求項27にお
いて、ターゲット31からスパッタリングされた導体粒
子によってこのターゲット31をスパッタリングするセ
ルフスパッタリング法で、ターゲット31からスパッタ
リングされた導体粒子を基板1の表面に付着させること
を特徴とするものである。
【0037】また請求項30の発明は、請求項27にお
いて、プラズマ生成ガスの雰囲気下でプラズマを発生さ
せてスパッタリングを開始し、プラズマが発生した後に
プラズマ生成ガスのガス圧を低くした状態で、ターゲッ
ト31からスパッタリングされた導体粒子を基板1の表
面に付着させることを特徴とするものである。
【0038】また請求項31の発明は、請求項27にお
いて、強磁場を発生させたマグネトロンスパッタリング
法でターゲット31からスパッタリングされた導体粒子
を基板1の表面に付着させることを特徴とするものであ
る。
【0039】また請求項32の発明は、請求項27にお
いて、ターゲット31から導体粒子をスパッタリングし
て基板1の表面に付着させるにあたって、ターゲット3
1と基板1の間に、ターゲット31と基板1の方向に開
口する多数の孔33を有する多孔板32を配置し、ター
ゲット31から叩き出された導体粒子を多孔板32の孔
33を通して基板1に飛翔させて付着させることを特徴
とするものである。
【0040】また請求項33の発明は、請求項32にお
いて、表面を粗化した多孔板32を用いることを特徴と
するものである。
【0041】また請求項34の発明は、請求項27乃至
33のいずれかにおいて、ターゲット31から導体粒子
をスパッタリングして基板1の表面に付着させるにあた
って、基板1を冷却することを特徴とするものである。
【0042】また請求項35の発明は、請求項27乃至
34のいずれかにおいて、基板1の表面に導体との密着
性が悪い樹脂層34を設け、これをプラズマエッチング
して平面部4の樹脂層34を除去した後、基板1の表面
に物理蒸着法で導体を付着させることを特徴とするもの
である。
【0043】また請求項36の発明は、請求項27乃至
34のいずれかにおいて、基板1の表面に導体との密着
性が悪い樹脂層34を設け、これを酸素イオンビームエ
ッチングして平面部4の樹脂層34を除去した後、基板
1の表面に物理蒸着法で導体を付着させることを特徴と
するものである。
【0044】また請求項37の発明は、請求項27乃至
36のいずれかにおいて、金属材29を放電加工して表
面に凹凸を形成すると共に凸部24の側面にアンダーカ
ット部25を形成し、この金属材29の表面を絶縁層3
0で被覆して作製した基板1を用いることを特徴とする
ものである。
【0045】また請求項38の発明は、請求項37にお
いて、金属材29の表面に化学蒸着法で絶縁層30を形
成することを特徴とするものである。
【0046】また請求項39の発明は、請求項27乃至
36のいずれかにおいて、樹脂製の基板1に設けられる
凸部24の頂部を加熱加圧することによって、凸部24
の頂部の側面に鍔部35を張り出させると共にその下側
にアンダーカット部25を形成することを特徴とするも
のである。
【0047】また請求項40の発明は、請求項27乃至
36のいずれかに樹脂成形品で表面に凹凸を有する基板
1を製造するにあたって、LIGAプロセスで基板1の
製造を行なうことを特徴とするものである。
【0048】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0049】基板1はその表面に凸部24と凹部39か
らなる凹凸を設けて、例えば図1(a)に示すような三
次元立体形状に形成してある。そして凸部24の頂面と
凹部39の底面はそれぞれ平面部4として形成されるも
のであり、凹部39の底面と凸部24の頂面の間の側面
は段差側面部2となっている。従って、基板1の表面に
は、段差側面部2を介して複数の高さに層別される複数
段の平面部4が形成されるものである。ここで、凸部2
4と凹部39の間の側面である段差側面部2は、基板1
の表面(凹部39の底面が相当する)に対してほぼ垂直
な面に形成してある。
【0050】そして基板1の表面に物理蒸着法(PVD
法)で導体を付着させることによって、回路形成をする
ものであり、PVD法としては、例えば真空蒸着、スパ
ッタリング、イオンプレーティングによって行なうこと
ができる。
【0051】図2(a)は真空蒸着で基板1の表面に導
体を付着させる方法の一例を示すものであり、チャンバ
ー43内には銅などの導体を入れたルツボ44と基板ホ
ルダー45が配置してあり、基板ホルダー45のルツボ
44と対向する面には上記の基板1が保持してある。そ
してチャンバー43内を減圧して高真空にすると共に、
ルツボ44内の導体を抵抗加熱あるいは電子ビーム照射
で加熱して気化させると、気化した導体粒子が矢印方向
に飛翔して基板1の表面に堆積し、基板1の表面に導体
を付着させることができるものである。
【0052】ここで、チャンバー43内を高真空にすれ
ば、ルツボ44から蒸発した導体粒子は散乱されること
なく真っ直ぐ基板1に向かって飛翔し、基板1の表面の
うち、ルツボ44と平行な平面部4は導体粒子の飛翔方
向と垂直であるので、平面部4には導体粒子が堆積し易
くて導体を付着させ易いが、ルツボ44に対して垂直な
段差側面部2は導体粒子の飛翔方向と平行であるので、
段差側面部2には導体粒子は堆積し難く導体が付着し難
い。従って上記の真空蒸着によって、基板1の平面部4
にのみ導体を付着させ、段差側面部2には導体を付着さ
せないようにすることができるものである。
【0053】図2(b)はスパッタリングで基板1の表
面に導体を付着させる方法の一例を示すものであり、チ
ャンバー43内には銅などの導体からなるターゲット3
1と基板ホルダー45が配置してあり、基板ホルダー4
5のターゲット31と対向する面には上記の基板1が保
持してある。このターゲット31と基板ホルダー45の
間にはRFなどの高周波電源やスパッタリング用のDC
電源が接続してあり、ターゲット31と基板ホルダー4
5の間に高周波電圧や直流電圧を印加するようにしてあ
る。そして、チャンバー43内を減圧し、チャンバー4
3内にアルゴンガスなどのプラズマ生成ガスを通しなが
ら、ターゲット31と基板1の間に電圧を印加すると、
ターゲット31と基板1の間でプラズマPが発生する。
このプラズマP中のイオンがターゲット31に衝突する
ことによって、ターゲット31から銅原子などの導体粒
子が叩き出される。この導体粒子が矢印方向に基板1へ
向かって飛翔して基板1の表面に堆積し、基板1の表面
に導体を付着させることができるものである。
【0054】ここで、基板1の表面のうち、ターゲット
31と平行な平面部4は導体粒子の飛翔方向と垂直であ
るので、平面部4には導体粒子が堆積し易くて導体を付
着させ易いが、ターゲット31に対して垂直な段差側面
部2は導体粒子の飛翔方向と平行であるので、段差側面
部2には導体粒子は堆積し難く導体が付着し難い。従っ
てスパッタリングによって、基板1の平面部4にのみ導
体を付着させ、段差側面部2には導体を付着させないよ
うにすることができるものである。
【0055】図2(c)はイオンプレーティング法で基
板1の表面に導体を付着させる方法の一例を示すもので
あり、チャンバー43内には銅などの導体を入れたルツ
ボ44と基板ホルダー45が配置してあり、基板ホルダ
ー45のルツボ44と対向する面には上記の基板1が保
持してある。このルツボ44と基板ホルダー45の間に
はRFを印加するアンテナ48が巻いてあり、また基板
ホルダー45にバイアス印加用のRF電源が接続してあ
る。図2(c)において46はRF電源、47は整合回
路、48はコイル状のアンテナである。そして、チャン
バー43内を減圧し、チャンバー43内にアルゴンガス
などのプラズマ生成ガスを通しながら、アンテナ48と
基板ホルダー45にRFを印加すると、アンテナ48が
巻かれている部分でプラズマPが発生する。このとき、
ルツボ44内の導体を抵抗加熱あるいは電子ビーム照射
で加熱して気化させると、気化した導体粒子がプラズマ
P中を移動する際にイオン化し、このイオン化した導体
粒子が基板ホルダー45にかかるバイアス電圧によって
加速されながら、矢印方向に基板1に向かって飛翔して
基板1の表面に堆積し、基板1の表面に導体を付着させ
ることができるものである。
【0056】ここで、基板1の表面のうち、ルツボ44
と平行な平面部4は導体粒子の飛翔方向と垂直であるの
で、平面部4には導体粒子が堆積し易くて導体を付着さ
せ易いが、ルツボ44に対して垂直な段差側面部2は導
体粒子の飛翔方向と平行であるので、段差側面部2には
導体粒子は堆積し難く導体が付着し難い。特にイオンプ
レーティング法では、バアイスがかかるため、その電界
により真っ直ぐに導体粒子が力を受けて飛翔する。従っ
てイオンプレーティング法によって、基板1の平面部4
にのみ導体を付着させ、段差側面部2には導体を付着さ
せないようにすることができるものである。
【0057】上記のようにPVD法を用いて基板1の表
面に導体を付着させることによって、平面部4にのみ導
体を被覆することができると共に段差側面部2には導体
が被覆されないようにすることができるものである。こ
こで、基板1の表面に導体を付着させて導体膜49を被
覆するにあたって、段差被覆率は図3(a)のように、 段差被覆率=段差側面部の膜厚s/凸部の頂部での導体
の膜厚t とすると、上記で説明したPVD法は段差被覆率が小さ
い成膜方法であり、これを利用している。また凸部24
の頂面に形成される平面部4の他に、凹部39の底面に
形成される平面部4にも導体膜49を被覆するにあたっ
て、底面被覆率は図3(a)のように、 底面被覆率=凹部の底面での導体の膜厚u/凸部の頂部
での導体の膜厚t であり、この底面被覆率を大きくするには、図3(b)
のように凹部39のアスペクト比=h/wを小さくする
のが好ましい。
【0058】ここで、PVD法では段差側面部2に導体
が付着し難くいが、各種の要因の影響で、段差側面部2
に導体が全く被覆されないようすることは難しい。そこ
で本発明では、図4(a)のように基板1の表面にPV
D法で導体を通常、0.4〜0.6μmの厚みで付着さ
せて導体膜49を被覆した後、基板1をエッチング処理
して、図4(b)のように段差側面部2に付着した導体
膜49をエッチング除去するようにしてある。エッチン
グ処理は、エッチング液に基板1を浸漬したり、基板1
にエッチング液をスプレーしたりして行なうことができ
るが、段差側面部2に付着する導体膜49は通常0.1
5μm以下と薄くできるので、ライトエッチングで良
く、平面部4に被覆した導体膜49を浸食する影響は殆
どない。そして、平面部4に被覆した導体に必要に応じ
て電気メッキをして通常5〜15μmの厚付けすると共
にニッケルメッキや金メッキなどの仕上げメッキをする
ことによって、図1(b)のように平面部4に所望の回
路部5を形成した立体回路板を得ることができるもので
ある。
【0059】このようにして作製される立体回路板にあ
って、図1(b)に示すように、基板1の表面に段差側
面部2を介して層別される複数段の各平面部4に形成さ
れる回路部5は、導体が被覆されない段差側面部2を非
回路部3として、回路部5間の電気絶縁性が確保されて
いるものである。そしてこの非回路部3となる段差側面
部2は基板1の表面(平面部2)に対して垂直な面であ
るので、基板1の面方向において段差側面部2は面積と
して表われない。従って、基板1の面方向において回路
部5間には見掛け上、段差側面部2の非回路部3は存在
しないことになり、基板1の全面を利用して回路部5を
形成することが可能になり、回路配置密度が高い立体回
路板を形成することができるものである。すなわち、立
体的に形成した基板1の構造を利用して、回路部5と隣
接する回路部5との絶縁距離を高さ方向で確保すること
ができるため、基板1の面方向において回路絶縁ギャッ
プが零の高密度回路が可能となり、回路板の小型化にも
つながるものである。
【0060】図5は本発明の実施の形態の他の一例を示
すものであり、凹凸の凸部24を複数段に形成すること
によって、段差側面部2を介して複数段に層別される平
面部4を3段以上に形成するようにしてある。このよう
に平面部4を3段以上に形成することによって、平面部
4に形成する回路部5を3段以上の多段に配置すること
ができ、回路のパターンニングの自由度を向上すること
ができるものである。
【0061】図6は本発明の実施の形態の他の一例を示
すものであり、上記のように段差側面部2を介して複数
段に層別される平面部4を形成するにあたって、複数段
の平面部4のうち一部の段の平面部4を導体が被覆され
ない非回路部3として形成するようにしたものである。
図6(a)の実施の形態では、一段目の平面部4を非回
路部3として形成してあり、図6(b)の実施の形態で
は、二段目の平面部4を非回路部3として形成してあ
る。隣合う平面部4間の段差側面部2は既述のように非
回路部3となっているが、このように一部の段の回路部
として不要な平面部4を非回路部3に形成することによ
って、回路部5間の絶縁距離を大きくとることができ、
回路設計の自由度が増すと共に回路メッキ材料ロスも削
減できるものである。ここで、平面部4のうち一部の段
の平面部4に非回路部3を形成するにあたっては、PV
Dで導体膜を形成した各平面部4のうち、回路部として
不要な平面部4の導体膜には電気メッキ工程にて給電せ
ず、薄い膜厚のままにしておき、電気メッキ後のエッチ
ング工程にてこの薄い導体膜を除去することによって行
なうことができる。
【0062】図7は本発明の実施の形態の他の一例を示
すものである。基板1の表面に高さの異なる複数本の凸
部24を畦道状に突設し、各凸部24の頂面や、凸部2
4間の凹部39の底面を平面部4として形成してある。
各平面部4は段差側面部2を介して複数段に層別されて
おり、各平面部4に回路部5が設けてある。例えば、最
も低い段である凹部39の底面の平面部4に設けた回路
部5はグランド回路層やパワー回路層として形成するこ
とができるものであり、各凸部24の頂面の平面部4に
設けた回路部5は信号線として形成することができるも
のである。
【0063】そして高さが異なる平面部4に設けた回路
部5を接続する場合には、図7に示すように、この高さ
が異なる平面部4間において上面が傾斜する凸部24a
を基板1の表面に突設し、この凸部24aの上面に高さ
が異なる平面部4間を連絡する傾斜面6を形成する。そ
してこの傾斜面6に接続回路部7を設けることによっ
て、接続回路部7で高さの異なる平面部4の回路部5を
電気的に接続することができるものである。傾斜面6へ
の接続回路部7の形成は、傾斜面6の傾斜が通常75°
以下の傾斜角度であれば必要な膜厚で形成でき、平面部
4にPVD法で回路部5を形成する際に同時に行なうこ
とができる。このようにして高さの異なる平面部4の回
路部5を接続することができ、自由度の高い立体配線を
することができるものである。
【0064】また、2本の回路部5を交差させる場合に
は、図7に示すように、同じ高さの凸部24b,24b
の端部同士を間隙を介して対向させ、この対向端部間を
横切るように、この凸部24bより低い凸部24cを配
置する。各凸部24b,24bの頂面の平面部4には回
路部5がそれぞれ設けてあり、また凸部24cの頂面の
平面部4にも回路部5が設けてある。そして凸部24c
の回路部5の上を跨ぐようにして、凸部24b,24b
の対向端部の回路部5同士を接続用部材8で電気的に接
続することによって、凸部24b,24bの平面部4に
形成される回路部5と凸部24cの平面部に形成される
回路部5とを、立体的に交差させることができるもので
ある。このようにして、高さの異なる回路部5を立体的
に交差させて配線することができ、自由度の高い立体配
線をすることができるものである。
【0065】ここで、凸部24b,24bの対向端部の
回路部5同士を電気的に接続するにあたって、上記のよ
うに接続用部材8を用いることによって、無理な回路の
引き回しなどの必要なく、立体配線で回路部5の端部間
の接続を行なうことができるものである。この接続用部
材8としては、図7に示すようなワイヤー8aや、ジャ
ンパー部品を用いることができる。ジャンパー部品とし
ては、例えば金属板にバネ性を持たせてコネクタのよう
に圧入できる形状にした部品や、抵抗値を0にしたチッ
プ部品のような半田付けで接続することができる部品な
どを用いることができる。接続用部材8としてこのよう
なワイヤーや、ジャンパー部品を用いることによって、
ワイヤーボンダーやジャンパー部品実装装置を用いて、
自動化工程で接続を行なうことができるものである。
【0066】図8は接続用部材8の他の実施の形態を示
すものである。この実施の形態では、上記の端部同士を
対向させた凸部24b,24bの各端部を基板1の表面
側へ下り傾斜する端部傾斜面9として形成し、この端部
傾斜面9に凸部24bの平面部4に設けた回路部5と電
気的に接続された端部回路部10が形成してある。端部
傾斜面9への端部回路部10の形成は、平面部4にPV
D法で回路部5を形成する際に同時に行なうことができ
る。また接続用部材8は例えば樹脂成形品などで形成さ
れるものであり、両端面にはこの各端部傾斜面9と平行
に傾斜する接合用傾斜面11が設けてある。この各接合
用傾斜面11と接続用部材8の下面には、連続する導通
用回路部12が形成してある。そして、凸部24cの上
側において、凸部24b,24bの対向する端部間に接
続用部材8を配置し、端部傾斜面9の端部回路部10と
接続用傾斜面11の導通用回路部12とを接合させるこ
とによって、接続用部材8の導通用回路部12で凸部2
4b,24bの平面部4に設けた回路部5の端部同士を
電気的に接続することができるものである。
【0067】このようにして、端部傾斜面9の端部回路
部10と接続用傾斜面11の導通用回路部12を面同士
で接合して、回路部5間の接続を行なうことができるも
のであり、接続信頼性を高く得ることができると共に、
接続用部材8の位置合わせが容易になるものである。端
部傾斜面9の端部回路部10と接続用傾斜面11の導通
用回路部12の合わせ面には導電性接着剤などを注入し
て固定したり、バネ性や引っ掛け構造を持たせた部材を
組み合わせた固定部材を圧接して固定したりすることが
できる。
【0068】図9は接続用部材8の他の実施の形態を示
すものである。この実施の形態では、上記の端部同士を
対向させた凸部24b,24bの端部間に電気絶縁性の
被覆材13を充填することによって、図9(a)のよう
に凸部24cの平面部4に設けられた回路部5を被覆材
13で被覆し、あるいは封止する。この被覆材13とし
ては熱硬化性樹脂の接着剤などを用いることができる。
そして接続用部材8として導電材料8bを用い、この被
覆材13の表面に導電材料8bを塗布あるいは充填する
ことによって、図9(b)のように凸部24b,24b
の平面部4に設けた回路部5の端部同士を電気的に接続
することができるものである。導電材料8bとしては、
導電性接着剤や、半田などを用いることができるもので
あり、被覆材13や導電材料8bの充填によってコスト
安価に回路部5の接続を行なうことができるものであ
る。
【0069】図10は本発明の実施の形態の他の一例を
示すものであり、同じ高さの凸部24b,24bを複数
対、各端部同士を間隙を介して対向させて基板1の表面
に突設してあり、この凸部24b,24bの対向端部間
を横切るように、この凸部24bより低い凸部24cが
基板1の表面に配置して設けてある。各凸部24bの頂
面の平面部4や凸部24cの頂面の平面部4にはそれぞ
れ回路部5が設けてある。そして端部同士を間隙を介し
て対向させた凸部24b,24bの回路部5の各端部は
電子部品実装端子部14として形成してあり、凸部24
b,24bの対向端部の上側に配置した半導体チップな
どの電子部品15をこの電子部品実装端子部14に接続
することによって、図10(a)に示すように、立体回
路板への電子部品15の実装を行なうことができるもの
である。このように実装した電子部品15の下側には、
凸部24cに設けた回路部5が配置されており、回路部
5と電子部品15を立体的に配置して回路の配置密度を
高くすることができるものである。
【0070】また、この高い凸部24bに設けた回路部
5の他に、低い凸部24cに設けた回路部5にも電子部
品実装端子部14を形成することによって、図10
(b)に示すように、高い凸部24bの回路部5の電子
部品実装端子部14に接続して実装した電子部品15の
下側において、低い凸部24cの回路部5の電子部品実
装端子部14に接続して他の電子部品15を実装するこ
とによって、複数の電子部品15を上下に重ねた状態で
実装することが可能になるものである。
【0071】このように、他の機構や部品を特に必要と
せずに、立体回路の構造を利用して、異なる高さの平面
部4の回路部5にそれぞれ電子部品実装端子部14を設
けるだけで、電子部品15を上下に重ねた立体的な実装
が簡単に行なえるので、実装の高密度化が容易となると
ともに、実装端子部への回路配線の自由度が向上して回
路配線のスペース削減の効果にもつながり、この立体回
路板を用いた電子機器のより一層の小型化が低コストで
実現できるものである。尚、図10(b)は電子部品1
5を2段重ねとしているが、3段以上に電子部品15を
重ねることも同様にできる。また電子部品15の上下の
重なりは一部分の重なりでもよく、上下の電子部品15
は間隙を有していても、接触していてもよく、また、下
方の段の電子部品15は複数個でもよい。さらには、上
方の電子部品15が下方の電子部品15の機械的保護や
電気的シールドを兼ねるようにすることもできる。
【0072】図11は本発明のさらに他の実施の形態の
一例を示すものであり、基板1の表面側の平面部4に形
成した回路部5と基板1の裏面に形成した裏面回路部1
8とを、前述のPVDによる導体膜形成とその後の電気
メッキとにより電気的に接続するようにしたものであ
り、基板1の表面側に設けた一対の回路部5を基板1の
裏面の裏面回路部18を介して電気的に接続することが
可能になるものである。すなわち、基板1にはPVDに
て導体膜が形成し易いように内周面が開口するスルーホ
ール16がその表裏に貫通して少なくとも一対形成して
あり、基板1の表面側の平面部4に形成した一対の回路
部5はそれぞれ一方のスルーホール16の内周に形成し
たスルーホール回路部17に電気的に接続してある。こ
こで、基板の1の表面に突設した凸部24の平面部4に
形成した回路部5をスルーホール回路部17に接続する
場合には、この平面部4とスルーホール16との間に既
述のように傾斜面6を形成すると共に傾斜面6に接続回
路部7を形成し、接続回路部7を介して回路部5をスル
ーホール回路部17に電気的に接続することができる。
そして基板1の裏面に設けた裏面回路部18に各スルー
ホール16のスルーホール回路部17を接続させること
によって、基板1の表面側の平面部4に形成した一対の
回路部5を基板1の裏面の裏面回路部18を介して電気
的に接続することができるものである。尚、スルーホー
ル16の内面が傾斜していることによって、前述のPV
Dによる導体膜形成とその後の電気メッキによりスルー
ホール16の内部も同時に回路形成することができるも
のであり、また裏面回路部18との接続部は電気メッキ
の厚みで連結することができるものである。従って図1
1に示すように、この一対の回路部5間に、高い凸部2
4が存在していても、この高い凸部24が障害となるこ
となく、回路部5間の接続を行なうことが可能になるの
である。ここで、裏面回路部18は凸部頂面に形成する
ようにしているが、基板1の裏面に凹部を形成し、凹部
底面に接続回路を形成するようにすれば、裏面側の突出
する形状を避けることもできる。
【0073】図12は本発明のさらに他の実施の形態の
一例を示すものである。図11の実施の形態では、基板
の1の表面に突設した凸部24の平面部4に形成した回
路部5を傾斜内周面を有するスルーホール16のスルー
ホール回路部17に接続するにあたって、回路部5とス
ルーホール16の間に直線状の傾斜面6を形成し、傾斜
面6に設けた接続回路部7によって回路部5とスルーホ
ール回路部17を接続するようにしているが、凸部24
の平面部4とスルーホール16との間の高低差が大きい
と、PVDによって導体膜を形成し易い傾斜角度にする
ために傾斜面6の長さが長くなり、回路部5とスルーホ
ール16の位置が離れて高密度な配置で配線することが
できなくなることがある。
【0074】そこで、図12(a)(b)の実施の形態
では、凸部24の頂面の回路部5を設けた平面部4とス
ルーホール16の間に、つづら折り状に蛇行して傾斜す
る屈曲傾斜面19を設け、この屈曲傾斜面19に形成し
た連絡用回路部20によって回路部5とスルーホール回
路部17を接続するようにしている。また図12(c)
の実施の形態では、螺旋状に傾斜する屈曲傾斜面19を
設け、この屈曲傾斜面19に形成した連絡用回路部20
によって回路部5とスルーホール回路部17を接続する
ようにしている。このようにして、PVDで導体膜を形
成し易い所定の傾斜角度以下にすると共に、回路部5と
スルーホール16の位置を接近させることができ、高密
度な配置で配線することが容易になるものである。
【0075】図13は本発明のさらに他の実施の形態の
一例を示すものである。スルーホール16の内周に形成
したスルーホール回路部17と基板1の裏面に形成した
裏面回路部18とを電気的に接続した後、温度変化や機
械的衝撃などにより、図13(a)に示すようにスルー
ホール回路部17と裏面回路部18との接続部分にクラ
ックが生じるなどの導通不良が発生するおそれがある。
特にスルーホール16は基板1の表面側の内径が大きく
裏面側の内径が小さいすり鉢状に形成されており、スル
ーホール16の裏面への開口の周縁部の断面は鋭角にな
り、スルーホール回路部17と裏面回路部18の間に隙
間が生じ易くなって導通不良が発生し易い。そこで図1
3(b)に示すように、スルーホール回路部17と裏面
回路部18との接続部分に導電ペースト21を塗布し、
スルーホール回路部17と裏面回路部18の間の隙間を
導電ペースト21で埋めて電気的な接続を確保し、導通
不良が発生することを防ぐようにしてある。
【0076】図14は本発明のさらに他の実施の形態の
一例を示すものである。基板1の表面には高さの異なる
複数本の凸部24を突設し、各凸部24の上面や、凸部
24間の凹部39の底面を平面部4として形成してあ
る。また基板1の端部に、その端縁に沿ってメッキ用の
凸部24dが突設してある。この凸部24dの高さは、
基板1に突設されている上記の各凸部24より低くなら
ないように設定してある。すなわち、基板1に突設され
ている上記の凸部24のうち最も高い凸部24と同じ高
さか、これより高い高さに設定してある。そして凸部2
4dの頂面の平面部4aと、この平面部4aより低い上
記の各平面部4とをそれぞれメッキ用傾斜面22を介し
て連絡してあり、またこの平面部4aと同じ平面部4と
は面一に直接連絡させてある。
【0077】このように形成される基板1の表面に既述
のPVD法で導体49を付着させる処理を行なうと、導
体49は図14(a)に示すように平面部4,4a及び
メッキ用傾斜面22にのみ付着して、平面部4,4a及
びメッキ用傾斜面22に導体膜49が被覆される。ここ
で、メッキ用傾斜面22とメッキ用の凸部24dの平面
部4aに被覆される導体膜49は、各平面部4に被覆さ
れる導体膜49にそれぞれ電気的に接続されるメッキ通
電用回路部23となる。従って、各平面部4の導体膜4
9は、段差側面部2の非回路部3を介して独立している
が、メッキ通電用回路部23を介して電気的に接続させ
ることができるものである。そして各平面部4の導体膜
49に電気メッキして厚付けすることによって回路部5
を形成するにあたっては、メッキ用の凸部24dのメッ
キ通電用回路部23に電源を接続した状態で基板1をメ
ッキ浴に浸漬し、メッキ用の凸部24d及びメッキ用傾
斜面22のメッキ通電用回路部23を通して各平面部4
の導体膜49に通電することによって、行なうことがで
きるものである。このようにして、一箇所への電源の接
続で独立した各平面部4の導体膜49に通電して、電気
メッキを容易に行なうことができるものであり、しかも
メッキ用の電源の接続は最も高く突出した凸部24aに
形成したメッキ通電用回路部23に行なうために、通電
治具の接続が容易になるものである。
【0078】上記のように電気メッキを行なった後、図
14(b)に示すように、メッキ用の凸部24aに設け
たメッキ通電用回路部23を除去することによって、各
平面部4に形成される回路部5を再度独立させることが
できるものである。メッキ用の凸部24aのメッキ通電
用回路部23を除去するにあたっては、研削などの方法
のほかに、化学的エッチングによって行なうことができ
る。メッキ通電用回路部23は最も高く突出した凸部2
4aの平面部4aに形成されているために、他の平面部
4に形成された回路部5に影響を与えることなく、化学
的エッチングでメッキ通電用回路部23の除去を容易に
行なうことができるものである。
【0079】また図15の実施の形態では、上記のよう
にして電気メッキを行なって基板1の各平面部4に回路
部5を形成した後、基板1の端部を鎖線に沿って切断、
あるいは研磨、切削し、少なくともメッキ通電用回路部
23とこれを形成した凸部24aの少なくとも一部分を
基板1から切り離すことによって、各平面部4に形成さ
れる回路部5を独立させるようにしてある。
【0080】図16は本発明の実施の形態の他の一例を
示すものであり、基板1の表面に複数段に形成される平
面部4のうち、高さの低い平面部4に設けた回路部5を
電気絶縁性の被覆材13で被覆するようにしてあり、高
さの高い平面部4に設けた回路部5をこの被覆材13の
表面に露出させるようにしてある。例えば低い平面部4
に設けた回路部5はグランド回路層やパワー回路層とし
て用いることができ、高い平面部4に設けた回路部5は
信号線として用いることができる。このように低い平面
部4に設けた回路部5を被覆材13で被覆することによ
って、部品実装や検査等に必要な回路部5のみを露出さ
せて、他の回路部5は被覆材13で保護することがで
き、回路の信頼性を向上させることができるものであ
る。
【0081】図17は本発明の実施の形態の他の一例を
示すものである。上記のように基板1の表面にPVD法
で導体を付着させて導体膜49を被覆した後、導体膜4
9に電気メッキして厚付けすることによって回路部5を
形成するにあたって、基板1の表面に突設した凸部24
の頂面の平面部4の角部が断面直角であると、図17
(c)のように凸部24の平面部4に導体膜49を被覆
した後に、導体膜49に通電して電気メッキを行なって
メッキ膜51を付着させる際に、平面部4の角部の部分
において導体膜49に電界集中が起こり易く、図17
(d)のように電気メッキの際に金属イオンがこの部分
に多く引き寄せられてメッキ膜51の膜厚が部分的に厚
くなり、隣接する回路部5との間で短絡が発生するおそ
れがある。
【0082】そこで図17(a)の実施の形態では、凸
部24の頂面の角部をテーパ面52に形成するようにし
てあり、図17(b)の実施の形態では凸部24の頂面
の角部をアール面53に形成してある。このように凸部
24の頂面の平面部4の角部をテーパ面52あるいはア
ール面53に形成することによって、電気メッキを行な
う際に平面部4の角部の部分において電界集中が起こる
ことを防止することができ、メッキ膜51の膜厚が部分
的に厚くなって隣接する回路部5との間で短絡が発生す
ることを防ぐことができるものである。
【0083】図18は本発明の実施の形態の他の一例を
示すものである。既述のように基板1の表面にPVD法
で導体を付着させるにあたって、基板1の表面の凹凸の
側面である段差側面部2には導体が付着し難いが、実際
には各種の要因でこの段差側面部2にも導体が薄く付着
してしまう。そこで、図18の実施の形態では、基板1
の表面に突設した凸部24の側面である段差側面部2の
基部にアンダーカット部25を形成するようにしてあ
る。図18(a)の実施の形態では、凸部24の断面形
状を逆台形に形成して段差側面部2を傾斜面に形成する
ことによって、段差側面部2の基部にアンダーカット部
25を設けるようにしてあり、図18(b)の実施の形
態では、凸部24の上部の両側面を突出させることによ
って、段差側面部2の基部にアンダーカット部25を設
けるようにしてある。このように段差側面部2の基部に
アンダーカット部25を形成することによって、PVD
法で基板1の表面に導体を付着させる際に、このアンダ
ーカット部25の部分は飛翔する導体粒子にとって陰に
なるので、飛翔する導体粒子がこの部分に到達して導体
が付着することを防ぐことができるものである。
【0084】図19は本発明の実施の形態の他の一例を
示すものであり、基板1の表面に突設した凸部24の頂
面の平面部4にバンプ用凸部26が突設してある。そし
て基板1の表面に導体を被覆して各平面部4に回路部5
を形成する際に、バンプ用凸部26の頂面にも導体を被
覆してバンプ端子27を形成するようにしてある。この
ようにして回路部5を形成する際にバンプ端子27を形
成することができるものであり、このバンプ端子27を
利用してICなどの電子部品を実装することができるも
のである。また図の実施の形態のように、基板1の表面
から突設した凸部24の頂面に設けたバンプ用凸部26
にバンプ端子27を形成することによって、凸部24と
バンプ用凸部26の弾性によって基板1の熱変形に対し
てクッション作用を得ることができ、バンプ端子27へ
の電子部品の実装の信頼性が向上するものであり、また
基板1の表面と電子部品との間に空隙を確保して、この
間に充填する接着剤の量を増大することができ、基板1
に対する電子部品の接着強度を確保することができるも
のである。尚、バンプ端子26と回路部5との導通接続
は、前述と同様に傾斜面6で行なうことができる。
【0085】図20は本発明の実施の形態の他の一例を
示すものであり、基板1の表面をエッチング処理等する
ことによって、基板1の表面を粗面に形成するようにし
てある。このように基板1の表面を粗面に形成すると、
凹凸の側面の段差側面部2も粗面に形成されるものであ
る。そして、PVD法で基板1の表面に導体を付着させ
る際に、段差側面部2に形成される粗面の微細な凹凸に
おいて、飛翔する導体粒子にとって微細な凹は微細な凸
の陰になるので、飛翔する導体粒子がこの陰になる微細
な凹の部分に到達し難くなり、この部分に導体が付着す
ることを防ぐことができるものである。また基板1の表
面の平面部4に形成される粗面は、回路部5の密着性を
高める作用をなすものである。
【0086】上記の各実施の形態にあって、基板1とし
ては、樹脂またはセラミックを材料として用い、これを
射出成形などで成形して得られるものを用いることがで
きる。このように基板1を樹脂やセラミックの成形で得
ることによって、基板1の表面に任意の凹凸を設けた立
体形状に容易に形成することができるものであり、基板
1をコスト安価に形成することができるものである。
尚、セラミックの場合は、射出成形後に燒結されて形状
が固定されるものである。
【0087】また、金属材29を用いて基板1を形成す
ることもできる。金属材29を鋳造、鍛造、機械加工し
て表面に凹凸を成形した後、図21に示すように、金属
材1の表面に有機材料や無機材料をコーティングして電
気絶縁性の絶縁層30を形成することによって、基板1
を作製することができるものである。絶縁層30は基板
1の表面の全面、あるいは回路部5を形成する平面部4
の表面に形成されるものである。このように基板1を金
属材29で形成することによって、金属材29で放熱効
果や、電気的シールド効果を得ることができ、また基板
1の強度を高くすることができるものである。
【0088】次に、基板1の表面にスパッタリングなど
のPVD法で導体を付着させるにあたって、基板1の表
面の凹凸の側面である段差側面部2に導体が付着し難い
方法で、基板1の表面に導体を付着させる技術について
説明する。
【0089】図22は請求項27の発明の実施の形態の
一例を示すものであり、チャンバー43内には銅などの
金属からなるターゲット31と基板ホルダー45が配置
してあり、基板ホルダー45のターゲット31と対向す
る面には上記の基板1が保持してある。またチャンバー
43内にはイオンガン55が設けてある。さらにターゲ
ット31と基板ホルダー45の間には前処理用に発生さ
せるRFプラズマ用のRFなどの高周波電源が接続して
あり、ターゲット31と基板ホルダー45の間に高周波
電圧を印加するようにしてある。
【0090】そしてチャンバー43内を減圧すると共に
ターゲット31と基板ホルダー45の間に電圧を印加
し、表面改質を行なった後に、イオンガン55を作動さ
せて、イオン生成室(図示省略)からアルゴンビームな
どのイオンビームを引き出し、イオンガン55からイオ
ンビームIをターゲット31に照射すると、ターゲット
6から銅金属などの導体粒子が叩き出される。このよう
に叩き出された導体粒子は矢印のように基板1に向けて
飛翔し、基板1の表面に付着して導体膜49を形成する
ことができるものである。
【0091】このようなイオンビームスパッタリング法
では、イオンの生成とスパッタリングを別の場所で行な
うので、チャンバー43内にプラズマを発生させる通常
のスパッタリングよりもチャンバー43内を高真空にす
ることができる。例えば、チャンバー43内にプラズマ
を発生させる通常のスパッタリングでは、チャンバー4
3内にプラズマ生成ガスを導入させてチャンバー43内
は0.5Pa程度であるが、イオンビームスパッタリン
グ法ではチャンバー43内を10-1〜10-2Pa程度の
高真空下にしてスパッタリングを行なうことができる。
従って、ターゲット31から叩き出された導体粒子がチ
ャンバー43内のガス粒子などに衝突して散乱されるこ
とを低減することができ、導体粒子が散乱して基板1の
凹凸の側面に形成される段差側面部2に付着することを
防止することができるものである。
【0092】図23は請求項28の発明の実施の形態の
一例を示すものであり、図22の場合と同様にチャンバ
ー43内には基板1を保持した基板ホルダー45とター
ゲット31が配置してあり、さらに基板1とターゲット
31との間にシャッター56が配置してある。基板1は
その表面(凸部24や凹部39の平面部4)がターゲッ
ト6とほぼ平行になり、側面の段差側面部2がターゲッ
ト31とほぼ垂直になるように配置されるものである。
そしてセルフスパッタリング法でターゲット31の銅な
どの導体を基板1の表面に付着させるようにしたもので
ある。
【0093】すなわち図23(a)のようにシャッター
56を閉じた状態で、まずチャンバー43内を減圧し、
チャンバー43内にアルゴンガスなどのプラズマ生成ガ
スを導入して通しながら、ターゲット31とチャンバー
43の間に電圧を印加すると、チャンバー43とシャッ
ター56は電気的に導通しているため、ターゲット31
とシャッター56の間でプラズマPが発生する。このプ
ラズマP中のイオンがターゲット31に衝突することに
よって、ターゲット31から銅原子などの導体粒子が叩
き出される。このときにはシャッター56でターゲット
31と基板1の間を仕切っているので、ターゲット31
から叩き出された導体粒子が基板1に付着することはな
い。次にある程度このスパッタリングが安定した状態
で、チャンバー43内へのプラズマ生成ガスの導入を徐
々に絞っていき、最終的にプラズマ生成ガスの導入を止
めると、ターゲット31から叩き出された銅金属などの
導体粒子の一部がイオン化されてプラズマP′が生成さ
れ、このプラズマP′中のイオン化された導体粒子がタ
ーゲット31に衝突して、ターゲット31から導体粒子
を叩き出すセルフスパッタリングが開始される。このよ
うにセルフスパッタリングが開始された後、図23
(b)のようにシャッター56を開くと、セルフスパッ
タリングで生成された導体粒子は矢印のように基板1に
向けて飛翔し、基板1の表面に付着して導体膜49を形
成することができるものである。
【0094】このようなセルフスパッタリング法では、
チャンバー43内にプラズマ生成ガスを導入しない状態
でスパッタリングを行なうことができるので、通常のス
パッタリングよりもチャンバー43内を高真空にするこ
とができる。例えば、チャンバー43内にプラズマを発
生させる通常のスパッタリングでは、チャンバー43内
にプラズマ生成ガスを導入してチャンバー43内は0.
5Pa程度であるが、セルフスパッタリング法ではチャ
ンバー43内を10-2〜10-4Pa程度の高真空にして
スパッタリングを行なうことができる。従って、ターゲ
ット31から叩き出された導体粒子がチャンバー43内
のプラズマのガス粒子などに衝突して散乱されることが
なくなり、導体粒子が散乱して基板1の凹凸の側面に形
成される段差側面部2に付着することを防止することが
できるものである。
【0095】図24は請求項29の発明の実施の形態の
一例を示すものであり、図22の場合と同様にチャンバ
ー43内には基板1を保持した基板ホルダー45とター
ゲット31が配置してあり、さらに基板1とターゲット
31の間にシャッター56が配置してある。基板1はそ
の表面(凸部24や凹部39の平面部4)がターゲット
31とほぼ平行になり、側面の段差側面部2がターゲッ
ト31とほぼ垂直になるように配置されるものである。
【0096】そして図24(a)のようにシャッター5
6を閉じた状態で、まずチャンバー43内を減圧し、チ
ャンバー43内にアルゴンガスなどのプラズマ生成ガス
を導入して通しながら、ターゲット31とチャンバー4
3の間に電圧を印加すると、ターゲット31とシャッタ
ー56の間でプラズマPが発生する。このとき、プラズ
マ生成ガスのガス圧が低い状態では十分な電離が行なわ
れずプラズマPが発生し難いので、プラズマPを発生さ
せる当初は0.5〜1Pa程度の高いガス圧でプラズマ
生成ガスをチャンバー43に導入する。このように発生
したプラズマP中のイオンがターゲット31に衝突する
ことによって、ターゲット31から銅原子などの導体粒
子が叩き出される。このときにはシャッター56でター
ゲット31と基板1の間を仕切っているので、ターゲッ
ト31から叩き出された導体粒子が基板1に付着するこ
とはない。次にこのスパッタリングが安定した状態で、
チャンバー43内に導入するプラズマ生成ガスのガス圧
を10-2〜10-1Pa程度の低いガス圧に低下させた
後、図24(b)のようにシャッター56を開くと、ス
パッタリングで生成された導体粒子は矢印のように基板
1に向けて飛翔し、基板1の表面に付着して導体膜49
を形成することができるものである。
【0097】このように低いガス圧のプラズマPでスパ
ッタリングするので、ターゲット31から叩き出された
導体粒子がチャンバー43内のガス粒子などに衝突して
散乱されることを低減することができ、導体粒子が散乱
して基板1の凹凸の側面に形成される段差側面部2に付
着することを防止することができるものである。尚、上
記の実施の形態では、プラズマPを発生させる当初は高
いガス圧でプラズマ生成ガスをチャンバー43に導入
し、高いガス圧によるトリガー作用でプラズマPが発生
し易くなるようにしているが、これと併用して、あるい
はこれに代えて、ターゲット31とシャッター26の間
にスパッタリングの電源とは別に高電圧を発生する電極
を設けたり、チャンバー43内に電子線(EB)発生器
やフィラメントを設けて電子を放出させることによるト
リガー作用で、プラズマPが発生し易くなるようにして
もよい。
【0098】また請求項30の発明は、強磁場を発生さ
せたマグネトロンスパッタリング法でターゲット31か
らスパッタリングした導体粒子を基板1の表面に付着さ
せるようにしたものである。強磁場を発生させたマグネ
トロンスパッタリング法は、ターゲット31の裏側にそ
の中心と外周部に沿って磁石を設置するようにしたもの
であり、電場と磁場からの力を受けて電子がN極とS極
の間に捕捉されたまま、ターゲット31の直上を周回す
るような運動を行なうので、電子がプラズマ生成ガスと
衝突する回数が増え、プラズマP中のイオンの量が増加
し、10-2〜10-1Pa程度の低いガス圧でスパッタリ
ングを行うことができる。従って、ターゲット31から
叩き出された導体粒子が導入ガス粒子などに衝突して散
乱されることを低減することができ、導体粒子が散乱し
て基板1の凹凸の側面に形成される段差側面部2に付着
することを防止することができるものである。尚、マグ
ネトロンスパッタリング法では磁石として一般にフェラ
イト磁石が用いられるが、本実施の形態では磁石として
サマリウム系等の希土類磁石を用いて強磁場を発生させ
ており、これによって、電子のトラップ性が向上し、低
ガス圧下で安定したプラズマPを得ることができ、スパ
ッタリングを安定して行なうことができるものである。
【0099】図25は請求項31の発明の実施の形態の
一例を示すものである。チャンバー43内には銅などの
金属からなるターゲット31と基板ホルダー45が配置
してあり、基板ホルダー45のターゲット31と対向す
る面には上記の基板1が保持してある。基板1はその表
面(凸部24や凹部39の平面部4)がターゲット31
とほぼ平行になり、側面の段差側面部2がターゲット3
1とほぼ垂直になるように配置されるものである。この
ターゲット31と基板ホルダー23の間にはRFなどの
高周波電源が接続してあり、ターゲット31と基板ホル
ダー23の間に高周波電圧を印加するようにしてある。
尚、図示はしていないが、前処理(表面改質)用にRF
等の高周波電源やスパッタリング用のDC電源も接続さ
れている。
【0100】そして基板1とターゲット31の間には多
孔板32が配置してある。多孔板32は基板1とターゲ
ット31の方向に開口する多数の孔33を設けて図25
(b)に示すようなコリメータ形状に形成されるもので
あり、この孔33は基板1とターゲット31に対して垂
直な方向で連通している。
【0101】そしてスパッタリング法で基板1の表面に
導体を付着させるにあたっては、まずチャンバー43内
を減圧し、チャンバー43内にアルゴンガスなどのプラ
ズマ生成ガスを通しながら、ターゲット31と基板1の
間に電圧を印加すると、ターゲット31と基板1の間で
プラズマPが発生する。このプラズマP中のイオンがタ
ーゲット31に衝突することによって、ターゲット31
から銅原子などの導体粒子57が叩き出され、この導体
粒子57は基板1へ向かって飛翔する。ここで、図25
(b)に示すように、飛翔する導体粒子57のうち、基
板1に対して垂直な方向に飛翔しない導体粒子57は多
孔板32の孔33を通過することができず、孔33の内
周に付着し、基板1に対して垂直な方向に飛翔する導体
粒子57のみが多孔板32の孔33を通過することがで
きる。従って基板1に対して斜めの方向に飛翔する導体
粒子57が基板1に到達することを防ぐことができ、導
体粒子57が基板1の凹凸の側面に形成される段差側面
部2に付着することを防止することができるものであ
る。
【0102】上記の多孔板32において、基板1に対し
て垂直な方向に飛翔する導体粒子57のみが孔33を通
過するように、特に限定する趣旨ではないが、孔33の
内径は0.1〜5mm、孔33の長さ(多孔板32の厚
み)は10〜30mmの範囲に設定するのが好ましい。
【0103】また、請求項32の発明では、上記の多孔
板32として、表面(孔33の内周を含む)にブラスト
処理などして粗面化したものを用いるようにしている。
このように多孔板32の表面を粗面に形成することによ
って、多孔板32の孔33を通過することができない導
体粒子57が多孔板32の表面に付着し易くなり、基板
1の表面に対して斜めの方向に飛翔する導体粒子57を
多孔板32で確実に捕捉して、基板1の凹凸の側面の段
差側面部2に導体が付着することを確実に防ぐことがで
きるものである。また多孔板32の表面が粗面である
と、多孔板32に付着した導体の密着性が高くなり、多
孔板32の表面から導体膜の剥がれをなくして、例えば
剥がれた導体膜が装置の絶縁部分に落ちて悪影響を及ぼ
したりするようなことを防ぐことができるものである。
【0104】図26は請求項33の発明の実施の形態の
一例を示すものであり、上記の各実施の形態のように、
ターゲット31から導体粒子をスパッタリングして基板
1の表面に付着させるにあたって、基板1を冷却するよ
うにしたものである。図26の実施の形態では、基板ホ
ルダー45を中空に形成して内部にジャケット部58を
設け、ジャケット部58に流入口59と流出口60が接
続してある。そして冷却水などの冷媒を流入口59から
ジャケット部58に供給すると共に流出口60から排出
することによって、基板ホルダー45に保持した基板1
をジャケット部58によって冷却するようにしてある。
【0105】このように基板ホルダ−45を利用して基
板1を冷却しながら、上記の各実施の形態のようにター
ゲット31から導体粒子をスパッタリングして基板1の
表面に付着させるものである。ここで、基板1の表面に
付着させた導体粒子の一部が再蒸発し、この蒸発した導
体粒子が凹凸の側面の段差側面部2に付着するおそれが
あるが、上記のように基板1を冷却することによって、
基板1に付着した導体粒子のエネルギーを吸収して、導
体粒子が再蒸発することを防ぐことができるものであ
り、導体粒子が基板1の凹凸の側面に形成される段差側
面部2に付着することを防止することができるものであ
る。
【0106】図27は請求項34の発明の実施の形態の
一例を示すものであり、まず図27(a)のように基板
1の凹凸を有する表面に樹脂層34を形成する。この樹
脂層34としては基板1の平面部4に付着して設ける回
路部5の導体と密着性が悪いものを用いるものであり、
例えばポリテトラフルオロエチレンなどを用いることが
できる。樹脂層34は湿式法で基板1の表面の全面に形
成されるものであり、凹凸の側面の段差側面部2にも形
成されている。次に図27(b)のように、酸素をプラ
ズマ生成ガスとして用いて発生させたプラズマPによっ
て、基板1の表面をエッチングする。プラズマPは基板
1のうち、プラズマPの側を向く平面部4に主として作
用し、側面の段差側面部2には作用し難いので、図27
(b)に示すように基板1の表面に成膜された樹脂層3
4のうち、平面部4の樹脂層34はエッチング除去され
るが、段差側面部2の樹脂層34は完全にはエッチング
されずに残る。そしてこのように段差側面部2に樹脂層
34を被覆した状態で、上記のようにPVD法で基板1
の表面に導体を付着させ、図27(c)のように基板1
の表面の平面部4に回路部5を形成するものである。こ
のとき、段差側面部2の表面には導体との密着性が悪い
樹脂層34が被覆されているので、PVDの際に段差側
面部2に導体が付着しても、基板1の表面を高圧水洗等
を行なうことによって、段差側面部2から導体は簡単に
剥がれ、段差側面部2から導体を簡単に且つ確実に除去
することができるものである。
【0107】図27の実施の形態では、基板1の表面に
成膜した樹脂層34をプラズマエッチングするようにし
たが、請求項35の発明では、酸素イオンビームで基板
1の表面の樹脂層34をエッチングするようにしてい
る。酸素イオンビームBは低ガス圧下で基板1に照射す
ることができ、図28に示すように直進性が高いので、
基板1を平面部4が酸素イオンビームBの照射方向と垂
直になるように配置することによって、酸素イオンビー
ムBは平面部4に主として作用し、酸素イオンビームB
の照射方向と平行な側面の段差側面部2には殆ど作用し
ないので、基板1の表面に成膜された樹脂層34のう
ち、平面部4の樹脂層34は完全にエッチング除去され
るが、段差側面部2の樹脂層34は殆どエッチングされ
ないで残すようにすることができるものである。また酸
素イオンビームエッチングはプラズマエッチングよりも
制御性にも優れるものである。
【0108】図29は本発明の実施の形態の他の一例を
示すものであり、基板1を図21の実施の形態のように
金属材29で作製するにあたって、基板1の表面の凹凸
を放電加工により形成し、この放電加工の際に、凹凸の
側面の段差側面部2にアンダーカット部25を形成する
ようにしてある。図29(a)の実施の形態では、凸部
24の断面形状が逆台形になるように段差側面部2を傾
斜面に加工することによって、段差側面部2の基部にア
ンダーカット部25を形成するようにしてあり、図29
(b)の実施の形態では、凸部24の上部の両側面を突
出させるように段差側面部2を加工することによって、
段差側面部2の基部にアンダーカット部25を形成する
ようにしてある。この金属材29の表面に、図21の場
合と同様に、電気絶縁性の絶縁層30を被覆して、基板
1として用いることができるものである。そしてこのよ
うに段差側面部2の基部にアンダーカット部25を形成
することによって、基板1の表面にPVD法で導体を付
着させる際に、このアンダーカット部25の部分は陰に
なるので、飛翔する導体粒子がこの部分に到達して導体
が付着することを防ぐことができるものである。
【0109】請求項37の発明では、上記のように金属
材29で基板1を作製するにあたって、段差側面部2に
アンダーカット部25を加工した後に、金属材29の表
面を絶縁層30で被覆するにあたって、化学蒸着法(C
VD法)で絶縁層30の被覆を行なうようにしている。
液状の塗料に金属材29をディッピングするなど、湿式
工法で金属材29の表面に絶縁層30を付着させる場
合、アンダーカット部25に塗料の液溜まり62が図3
0(b)のように発生し、アンダーカット部25が絶縁
層30によって埋められてしまい、アンダーカット部2
5を設けることによって段差側面部2に導体が付着し難
くする効果が低減される。そこで請求項37の発明で
は、CVD法で金属材29の表面を絶縁層30で被覆す
ることによって、液溜まりなどが発生することを防止
し、図30(a)のように金属材29の表面に絶縁層3
0を均一な厚みで付着させてアンダーカット部25が埋
められないようにしたものである。CVD法としては、
熱CVD、プラズマCVDなど任意の方法を採用するこ
とができる。
【0110】図31は本発明の実施の形態の他の一例を
示すものであり、基板1を熱可塑性樹脂の成形品で製造
するようにしたものである。そして図31(a)のよう
に基板1の表面に形成した凹凸のうち凸部24の頂面を
ヒーター63で押圧して加熱・加圧することによって、
凸部24の頂部を熱可塑性変形させ、図31(b)のよ
うに凸部24の頂部の両側に鍔部35を張り出させるよ
うにしてある。このように凸部24の頂部の側面に鍔部
35を張り出させることによって、鍔部35の下側にお
いて段差側面部2にアンダーカット部25を形成するこ
とができるものである。
【0111】請求項39の発明では、基板1を樹脂成形
品で作製するにあたって、LIGAプロセスで基板1の
製造を行なうようにしてある。すなわち、LIGA(LI
thographie Gavanoformung und Abformung:lithograph
y gavanotorming and molding)は、リソグラフィ技術
を用いた微細構造の金型を製造する技術であり、この金
型を用いて基板1を製造するLIGAプロセスによっ
て、凹部39のアスペクト比が高く、また各段の平面部
4のピッチが狭い基板1を安価に大量に製造することが
可能になり、回路の配置密度が高い立体回路板を得るこ
とができるものである。
【0112】
【発明の効果】上記のように本発明の請求項1に係る立
体回路板は、基板の表面に段差側面部を介して複数の高
さに層別される複数段の平面部を設け、段差側面部を導
体が被覆されない非回路部として形成すると共に、平面
部に導体を被覆して回路部を形成してあるので、段差側
面部に形成される非回路部は基板の表面において面方向
において面積として表われないものであり、基板の全面
を利用して回路部を形成することが可能になり、回路配
置密度が高い立体回路板を形成することができるもので
ある。
【0113】また請求項2の発明は、請求項1におい
て、平面部を高さが異なる3段以上に形成したので、回
路部を多段に配置することができて、回路のパターンニ
ングの自由度を向上することができるものである。
【0114】また請求項3の発明は、請求項1又は2に
おいて、複数段の平面部のうち一部の平面部を導体が被
覆されない非回路部として形成してあるので、段差側面
部と共に平面部においても非回路部を形成することがで
き、回路部間の絶縁距離を大きくして絶縁性を高く得る
ことができるものである。
【0115】また請求項4の発明は、請求項1乃至3の
いずれかにおいて、基板の表面に高さの異なる平面部間
を連絡する傾斜面を設け、傾斜面に導体を被覆して高さ
の異なる平面部の回路部を電気的に接続する接続回路部
を形成してあるので、高さの異なる平面部の回路部を接
続することができ、自由度の高い立体配線をすることが
できるものである。
【0116】また請求項5の発明は、請求項1乃至4の
いずれかにおいて、端部同士が対向する平面部の端部間
に、これらの平面部より低い平面部を配置し、上記端部
同士が対向する平面部に形成した回路部の端部間を電気
的に接続するようにしたので、高さの異なる回路部を立
体的に交差させて配線することができ、自由度の高い立
体配線をすることができるものである。
【0117】また請求項6の発明は、請求項5におい
て、接続用部材によって、上記端部同士が対向する平面
部に形成した回路部の端部間を電気的に接続するように
したので、無理な回路の引き回しなどの必要なく、接続
用部材を用いて回路部の端部間の接続を行なうことがで
きるものである。
【0118】また請求項7の発明は、請求項6におい
て、接続用部材として、ワイヤーとジャンパー部品の少
なくとも一方を用いるようにしたので、ワイヤーボンダ
ーやジャンパー部品実装装置などを用いて、自動化工程
で接続を行なうことが可能になるものである。
【0119】また請求項8の発明は、請求項6におい
て、上記端部同士が対向する平面部の各端部を基板の表
面側へ下り傾斜する端部傾斜面として形成すると共に端
部傾斜面に導体を被覆して平面部の回路部と電気的に接
続された端部回路部を形成し、接続用部材として、両端
面にこの各端部傾斜面と平行に傾斜する接合用傾斜面を
設けると共に各接合用傾斜面及び表面に導通用回路部を
形成したものを用い、上記端部同士が対向する平面部の
端部間に接続用部材を配置すると共に端部傾斜面の端部
回路部と接続用傾斜面の導通用回路部を接合させるよう
にしたので、端部傾斜面の端部回路部と接続用傾斜面の
導通用回路部を面同士で接合した状態で、接続用部材に
よって回路路間の接続を行なうことができるものであ
り、接続信頼性を高く得ることができるものである。
【0120】また請求項9の発明は、請求項6におい
て、上記端部同士が対向する平面部の端部間に配置され
る高さの低い平面部を電気絶縁性の被覆材で被覆し、接
続用部材として導電材料を用いると共に被覆材の表面に
導電材料を設けることによって、上記端部同士が対向す
る平面部に形成した回路部の端部間を電気的に接続する
ようにしたので、接続用部材として接着性接着剤や半田
などの安価なものを用いることができ、コスト安価に回
路部の接続を行なうことができるものである。
【0121】また請求項10の発明は、請求項1乃至4
のいずれかにおいて、端部同士を対向させた平面部の端
部間に、これらの平面部より低い平面部を配置し、上記
端部同士を対向させた平面部に形成した回路部の各端部
を電子部品実装端子部として、この端部同士を対向させ
た平面部の端部上に配置される電子部品を実装するよう
にしたので、回路部と電子部品を立体的に配置すること
ができ、回路の配置密度を高くすることができるもので
ある。
【0122】また請求項11の発明は、請求項10にお
いて、上記電子部品実装端子部が形成された平面部より
低い平面部の回路部に、他の電子部品実装端子部を形成
し、上記実装された電子部品の下方に他の電子部品が重
なるように、他の電子部品実装端子部に他の電子部品を
実装するようにしたので、他の機構や部品を特に必要と
せずに、立体回路の構造を利用して、異なる高さの平面
部の回路部にそれぞれ電子部品実装端子部を設けるだけ
で、電子部品を上下に重ねた立体的な実装が簡単に行な
えるものであり、実装の高密度化が容易となるととも
に、実装端子部への回路配線の自由度が向上して回路配
線のスペース削減の効果にもつながり、この立体回路板
を用いた電子機器のより一層の小型化が低コストで実現
できるものである。
【0123】また請求項12の発明は、請求項1乃至1
1のいずれかにおいて、基板に基板の表裏に貫通するス
ルーホールを形成し、基板の表面側の平面部に形成した
回路部と電気的に接続されるスルーホール回路部をスル
ーホールの内周に設け、基板の裏面に形成した裏面回路
部とスルーホール回路部とを電気的に接続してあるの
で、基板の表面の回路部を基板の裏面の裏面回路部と接
続することができ、基板の裏面回路部を介して基板の表
面の回路部間の接続をすることが可能になるものであ
る。
【0124】また請求項13の発明は、請求項12にお
いて、回路部を形成した平面部の端部と、スルーホール
を形成した基板の表面との間に、つづら折り状あるいは
螺旋状に傾斜する屈曲傾斜面を形成し、回路部とスルー
ホール回路部とを電気的に接続する連絡用回路部を屈曲
傾斜面に形成するようにしたので、回路部を形成した平
面部とスルーホールとの間に高低差があっても、回路部
とスルーホールの位置を接近して設けることができ、高
密度な配置で配線することが容易になるものである。
【0125】また請求項14の発明は、請求項12又は
13において、スルーホール回路部と裏面回路部との接
続部分に導電ペーストを塗布するようにしたので、スル
ーホール回路部と裏面回路部の間に隙間があっても導電
ペーストで埋めて電気的な接続を確保することができ、
導通不良が発生することを防ぐことができるものであ
る。
【0126】また請求項15の発明は、請求項1乃至1
4のいずれかにおいて、複数段の各平面部をメッキ用傾
斜面を介してこれらの平面部より少なくとも高い段の平
面部に連絡させ、この高い平面部及びメッキ用傾斜面
に、上記の複数段の平面部に電気メッキをする際に通電
を行なうためのメッキ通電用回路部を形成したので、メ
ッキ通電用回路部への電源の接続で独立した各平面部の
導体膜に一括して通電して、電気メッキを容易に行なう
ことができるものであり、しかもメッキ用の電源の接続
は最も高い平面部のメッキ通電用回路部に行なうことが
でき、通電治具の接続が容易になるものである。
【0127】また請求項16の発明は、請求項15にお
いて、メッキ通電用回路部は、電気メッキの後にエッチ
ングして除去されるようにしてあるので、基板を研削等
してメッキ通電用回路部を除去する場合に比べて、下地
の基板にダメージを与えるようなことなく、メッキ通電
用回路部の除去を行なうことができるものである。また
請求項17の発明は、請求項15において、基板のうち
メッキ通電用回路部のより高い段の平面部に設けた部分
は、電気メッキの後に研磨や切削などにより、少なくと
も基板の一部とともに切除されるようにしたので、より
低い位置の基板を研削等してメッキ通電用回路部を除去
する場合に比べて、下地の基板にダメージを与えるよう
なことなく、メッキ通電用回路部の除去を簡単に行なう
ことができるものである。
【0128】また請求項18の発明は、請求項1乃至1
7のいずれかにおいて、複数段の平面部のうち、高さの
低い平面部に形成した回路部を電気絶縁性の被覆材で被
覆すると共に高さの高い平面部に形成した回路部をこの
被覆材の表面に露出させるようにしたので、部品実装や
検査等に必要な回路部のみを露出させて、他の回路部は
被覆材で保護することができ、回路の信頼性を向上させ
ることができるものである。
【0129】また請求項19の発明は、請求項1乃至1
8のいずれかにおいて、基板の表面の凹凸の凸部の頂面
に平面部を形成し、凸部の頂面の角部をテーパ面あるい
はアール面に形成したので、導体膜を被覆した後に電気
メッキをして厚付けするにあたって、電気メッキを行な
う際に平面部の角部の部分において電界集中が起こるこ
とを防止することができ、メッキの膜厚が部分的に厚く
なって隣接する回路部との間で短絡が発生することを防
ぐことができるものである。
【0130】また請求項20の発明は、請求項1乃至1
9のいずれかにおいて、基板の表面の凹凸の凸部の頂面
に平面部を形成すると共に凸部の側面に段差側面部を形
成し、凸部の側面にアンダーカット部を形成するように
したので、基板にPVD法で導体を付着させるにあたっ
て、アンダーカット部の部分は陰になって導体が付着す
ることを防ぐことができ、段差側面部への導体の付着で
回路部間の絶縁不良が発生することを防止することがで
きるものである。
【0131】また請求項21の発明は、請求項1乃至2
0のいずれかにおいて、平面部にバンプ用凸部を突設
し、バンプ用凸部に導体を被覆して電子部品実装用のバ
ンプ端子を形成するようにしたので、このバンプ端子に
よって電子部品を実装することができるものである。
【0132】また請求項22の発明は、請求項1乃至2
1のいずれかにおいて、段差側面部の表面を粗面に形成
したので、段差側面部に形成される粗面の微細な凹凸に
おいて、微細な凹は微細な凸の陰になって、基板の表面
にPVD法で導体を付着させる際に、導体が付着するこ
とを防ぐことができ、段差側面部への導体の付着で回路
部間の絶縁不良が発生することを防止することができる
ものである。
【0133】また請求項23の発明は、請求項1乃至2
2のいずれかにおいて、基板の表面に物理蒸着法で導体
を付着させることによって、導体が付着し難い段差側面
部に非回路部を形成すると共に、導体が付着し易い平面
部に回路部を形成するようにしたので、基板の表面に形
成した平面部の形状に沿って回路部を形成することがで
き、レーザー照射などの必要なく、回路のパターンニン
グを容易に行なうことができるものである。
【0134】また請求項24の発明は、請求項23にお
いて、段差側面部に付着した導体をエッチング除去する
ようにしたので、段差側面部に付着した導体によって回
路部間の絶縁不良が発生することを防止することができ
るものである。
【0135】また請求項25の発明は、請求項1乃至2
4のいずれかにおいて、基板は、樹脂又はセラミックス
材料を成形して形成されたものであるので、基板の表面
に任意の凹凸を設けた立体形状に容易に形成することが
でき、また基板をコスト安価に形成することができるも
のである。
【0136】また請求項26の発明は、請求項1乃至2
4のいずれかにおいて、基板は、金属材の表面に絶縁層
をコーティングして形成されたものであるので、金属材
で基板を形成することができ、金属材によって放熱効果
や電気的シールド効果を得ることができると共に、強度
の高い基板を得ることができるものである。
【0137】また請求項27の発明は、請求項1乃至2
6のいずれかに記載の立体回路板を製造するにあたっ
て、基板の表面に段差側面部を介して複数の高さに層別
される複数段の平面部を設け、基板の表面に物理蒸着法
で導体を付着させた後、段差側面部に付着した導体をエ
ッチング除去することによって、段差側面部に導体が被
覆されない非回路部を形成すると共に、導体が被覆され
た平面部に回路部を形成するようにしたので、基板の表
面に形成した平面部の形状に沿って回路部を形成するこ
とができ、レーザー照射などの必要なく、回路のパター
ンニングを容易に行なうことができるものである。
【0138】また請求項28の発明は、請求項27にお
いて、イオンビームスパッタリング法でターゲットから
導体粒子をスパッタリングして基板の表面に付着させる
ようにしたので、イオンビームスパッタリング法では高
真空雰囲気でスパッタリングを行なうことができるもの
であり、導体粒子がガス粒子などに衝突して散乱される
ことを低減することができ、導体粒子が散乱して基板の
段差側面部に付着することを防止することができるもの
である。
【0139】また請求項29の発明は、請求項27にお
いて、ターゲットからスパッタリングされた導体粒子に
よってこのターゲットをスパッタリングするセルフスパ
ッタリング法で、ターゲットからスパッタリングされた
導体粒子を基板の表面に付着させるようにしたので、セ
ルフスパッタリング法では高真空雰囲気でスパッタリン
グを行なうことができるものであり、導体粒子がガス粒
子などに衝突して散乱されることを低減することがで
き、導体粒子が散乱して基板の段差側面部に付着するこ
とを防止することができるものである。
【0140】また請求項30の発明は、請求項27にお
いて、プラズマ生成ガスの雰囲気下でプラズマを発生さ
せてスパッタリングを開始し、プラズマが発生した後に
プラズマ生成ガスのガス圧を低くした状態で、ターゲッ
トからスパッタリングされた導体粒子を基板の表面に付
着させるようにしたので、導体粒子がガス粒子などに衝
突して散乱されることを低減することができ、導体粒子
が散乱して基板の段差面に付着することを防止すること
ができるものである。
【0141】また請求項31の発明は、請求項27にお
いて、強磁場を発生させたマグネトロンスパッタリング
法でターゲットからスパッタリングされた導体粒子を基
板の表面に付着させるようにしたので、強磁場を発生さ
せたマグネトロンスパッタリング法では低いガス圧でス
パッタリングを行なうことができるものであり、導体粒
子がガス粒子などに衝突して散乱されることを低減する
ことができ、導体粒子が散乱して基板の段差側面部に付
着することを防止することができるものである。
【0142】また請求項32の発明は、請求項27にお
いて、ターゲットから導体粒子をスパッタリングして立
体基板の表面に付着させるにあたって、ターゲットと基
板の間に、ターゲットと基板の方向に開口する多数の孔
を有する多孔板を配置し、ターゲットから叩き出された
導体粒子を多孔板の孔を通して基板に飛翔させて付着さ
せるようにしたので、基板に対して垂直な方向に飛翔し
ない導体粒子は多孔板の孔を通過することができず、基
板に対して垂直な方向に飛翔する導体粒子のみが多孔板
の孔を通過するようにすることができ、基板に対して斜
めの方向に飛翔する導体粒子が基板に付着することを防
いで、導体粒子が基板の段差側面部に付着することを防
止することができるものである。
【0143】また請求項33の発明は、請求項32にお
いて、表面を粗化した多孔板を用いる用いるようにした
ので、多孔板の孔を通過することができない導体粒子が
多孔板の表面に付着し易くなり、基板に対して斜めの方
向に飛翔する導体粒子を多孔板で確実に捕捉して、基板
の凹凸の側面に導体が付着することを確実に防ぐことが
できるものである。
【0144】また請求項34の発明は、請求項27乃至
33の発明は、ターゲットから導体粒子をスパッタリン
グして基板の表面に付着させるにあたって、基板を冷却
するようにしたので、基板に付着した導体粒子のエネル
ギーを冷却によって吸収し、導体粒子が再蒸発すること
を防ぐことができるものであり、蒸発した導体粒子が基
板の段差面に付着することを防止することができるもの
である。
【0145】また請求項35の発明は、請求項27乃至
34のいずれかにおいて、基板の表面に導体との密着性
が悪い樹脂層を設け、これをプラズマエッチングして平
面部の樹脂層を除去した後、基板の表面に物理蒸着法で
導体を付着させるようにしたので、物理蒸着法で基板の
表面に導体が付着させる際に段差側面部に導体が付着し
ても、樹脂層が被覆されている段差側面部から導体を簡
単に剥がすことができ、段差側面部から導体を簡単に且
つ確実に除去することができるものである。
【0146】また請求項36の発明は、請求項27乃至
34のいずれかにおいて、基板の表面に導体との密着性
が悪い樹脂層を設け、これを酸素イオンビームエッチン
グして平面部の樹脂層を除去した後、基板の表面に物理
蒸着法で導体を付着させるようにしたので、酸素イオン
ビームは直進性が高く、基板の表面に被覆された樹脂層
のうち、平面部の樹脂層は完全にエッチング除去できる
と共に、段差側面部の樹脂層は殆どエッチングされない
で残すようにすることができるものである。
【0147】また請求項37の発明は、請求項27乃至
36のいずれかにおいて、金属材を放電加工して表面に
凹凸を形成すると共に凸部の側面にアンダーカット部を
形成し、この金属材の表面を絶縁層で被覆して作製した
基板を用いるようにしたので、段差側面部にアンダーカ
ット部を形成する加工を容易に行なうことができるもの
である。
【0148】また請求項38の発明は、請求項37にお
いて、金属材の表面に化学蒸着法で絶縁層を形成するよ
うにしたので、アンダーカット部が埋められないようい
に絶縁層を形成することができるものである。
【0149】また請求項39の発明は、請求項27乃至
36のいずれかにおいて、樹脂製の基板に設けられる凸
部の頂部を加熱加圧することによって、凸部の頂部の側
面に鍔部を張り出させると共にその下側にアンダーカッ
ト部を形成するようにしたので、段差側面部にアンダー
カット部を形成する加工を容易に行なうことができるも
のである。
【0150】また請求項40の発明は、樹脂成形品で表
面に凹凸を有する基板を製造するにあたって、LIGA
プロセスで基板の製造を行なうようにしたので、各段の
平面部のピッチが狭い基板を安価に大量に製造すること
が可能になり、回路の配置密度が高い立体回路板を得る
ことができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示すものであり、
(a),(b)はそれぞれ正面図である。
【図2】PVD法による導体の形成を示すものであり、
(a),(b),(c)はそれぞれ概略図である。
【図3】(a)は段差被覆率を説明する正面図、(b)
は凹部のアスペクト比を説明する正面図である。
【図4】本発明の実施の形態の一例を示すものであり、
(a),(b)はそれぞれ正面図である。
【図5】本発明の実施の形態の一例を示す正面図であ
る。
【図6】本発明の実施の形態の一例を示すものであり、
(a),(b)はそれぞれ正面図である。
【図7】本発明の実施の形態の一例を示す斜視図であ
る。
【図8】本発明の実施の形態の一例を示す正面図であ
る。
【図9】本発明の実施の形態の一例を示すものであり、
(a),(b)はそれぞれ正面図である。
【図10】本発明の実施の形態の一例を示すものであ
り、(a)は斜視図、(b)は正面図である。
【図11】本発明の実施の形態の一例を示すものであ
り、(a)は斜視図、(b)は断面図である。
【図12】本発明の実施の形態の一例を示すものであ
り、(a)は斜視図、(b)は断面図、(c)は一部の
斜視図である。
【図13】本発明の実施の形態の一例を示すものであ
り、(a),(b)はそれぞれ断面図である。
【図14】本発明の実施の形態の一例を示すものであ
り、(a),(b)はそれぞれ斜視図である。
【図15】本発明の実施の形態の一例を示す斜視図であ
る。
【図16】本発明の実施の形態の一例を示す断面図であ
る。
【図17】本発明の実施の形態の一例を示すものであ
り、(a)〜(d)はそれぞれ正面図である。
【図18】本発明の実施の形態の一例を示すものであ
り、(a),(b)はそれぞれ正面図である。
【図19】本発明の実施の形態の一例を示す正面図であ
る。
【図20】本発明の実施の形態の一例を示す正面図であ
る。
【図21】本発明の実施の形態の一例を示す正面図であ
る。
【図22】本発明の実施の形態の一例を示す概略図であ
る。
【図23】本発明の実施の形態の一例を示すものであ
り、(a),(b)はそれぞれ概略図である。
【図24】本発明の実施の形態の一例を示すものであ
り、(a),(b)はそれぞれ概略図である。
【図25】本発明の実施の形態の一例を示すものであ
り、(a),(b)はそれぞれ概略図である。
【図26】本発明の実施の形態の一例を示す概略図であ
る。
【図27】本発明の実施の形態の一例を示すものであ
り、(a)〜(c)はそれぞれ正面図である。
【図28】本発明の実施の形態の一例を示す正面図であ
る。
【図29】本発明の実施の形態の一例を示すものであ
り、(a),(b)はそれぞれ正面図である。
【図30】本発明の実施の形態の一例を示すものであ
り、(a),(b)はそれぞれ正面図である。
【図31】本発明の実施の形態の一例を示すものであ
り、(a),(b)はそれぞれ正面図である。
【図32】従来の導体回路の形成を示すものであり、
(a)乃至(e)はそれぞれ斜視図である。
【図33】従来の立体基板への導体回路の形成の一工程
を示す一部破断した斜視図である。
【図34】従来の問題を示す正面図である。
【図35】他の従来例を示すものであり、(a),
(b)はそれぞれ正面図である。
【符号の説明】
1 基板 2 段差側面部 3 非回路部 4 平面部 5 回路部 6 傾斜面 7 接続回路部 8 接続用部材 9 端部傾斜面 10 端部回路部 11 接合用傾斜面 12 導通用回路部 13 被覆材 14 電子部品実装端子部 15 電子部品 16 スルーホール 17 スルーホール回路部 18 裏面回路部 19 屈曲傾斜面 20 連絡用回路部 21 導電ペースト 22 メッキ用傾斜面 23 メッキ通電用回路部 24 凸部 25 アンダーカット部 26 バンプ用凸部 27 バンプ端子 28 粗面 29 金属材 30 絶縁層 31 ターゲット 32 多孔板 33 孔 34 樹脂層 35 鍔部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05K 3/18 H05K 3/18 G 3/38 3/38 A 3/40 3/40 K Fターム(参考) 5E317 BB12 BB13 BB15 CC25 CC33 CD34 GG14 5E336 AA04 BB01 BB05 BC26 CC31 GG30 5E338 AA01 AA05 AA16 AA18 BB19 BB61 BB63 CC01 CD01 EE32 5E343 BB14 BB23 BB24 BB44 DD23 DD24 DD25 DD43 DD76 GG08 GG11

Claims (40)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板の表面に段差側面部を介して複数の
    高さに層別される複数段の平面部を設け、段差側面部を
    導体が被覆されない非回路部として形成すると共に、平
    面部に導体を被覆して回路部を形成して成ることを特徴
    とする立体回路板。
  2. 【請求項2】 平面部を高さが異なる3段以上に形成し
    て成ることを特徴とする請求項1に記載の立体回路板
  3. 【請求項3】 複数段の平面部のうち一部の平面部を導
    体が被覆されない非回路部として形成して成ることを特
    徴とする請求項1又は2に記載の立体回路板。
  4. 【請求項4】 基板の表面に高さの異なる平面部間を連
    絡する傾斜面を設け、傾斜面に導体を被覆して高さの異
    なる平面部の回路部を電気的に接続する接続回路部を形
    成して成ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか
    に記載の立体回路板。
  5. 【請求項5】 端部同士が対向する平面部の端部間に、
    これらの平面部より低い平面部を配置し、上記端部同士
    が対向する平面部に形成した回路部の端部間を電気的に
    接続して成ることを特徴とする請求項1乃至4のいずれ
    かに記載の立体回路板。
  6. 【請求項6】 接続用部材によって、上記端部同士が対
    向する平面部に形成した回路部の端部間を電気的に接続
    して成ることを特徴とする請求項5に記載の立体回路
    板。
  7. 【請求項7】 接続用部材として、ワイヤーとジャンパ
    ー部品の少なくとも一方を用いて成ることを特徴とする
    請求項6に記載の立体回路板。
  8. 【請求項8】 上記端部同士が対向する平面部の各端部
    を基板の表面側へ下り傾斜する端部傾斜面として形成す
    ると共に端部傾斜面に導体を被覆して平面部の回路部と
    電気的に接続された端部回路部を形成し、接続用部材と
    して、両端面にこの各端部傾斜面と平行に傾斜する接合
    用傾斜面を設けると共に各接合用傾斜面及び表面に導通
    用回路部を形成したものを用い、上記端部同士が対向す
    る平面部の端部間に接続用部材を配置すると共に端部傾
    斜面の端部回路部と接続用傾斜面の導通用回路部を接合
    させて成ることを特徴とする請求項6に記載の立体回路
    板。
  9. 【請求項9】 上記端部同士が対向する平面部の端部間
    に配置される高さの低い平面部を電気絶縁性の被覆材で
    被覆し、接続用部材として導電材料を用いると共に被覆
    材の表面に導電材料を設けることによって、上記端部同
    士が対向する平面部に形成した回路部の端部間を電気的
    に接続することを特徴とする請求項6に記載の立体回路
    板。
  10. 【請求項10】 端部同士を対向させた平面部の端部間
    に、これらの平面部より低い平面部を配置し、上記端部
    同士を対向させた平面部に形成した回路部の各端部を電
    子部品実装端子部として、この端部同士を対向させた平
    面部の端部上に配置される電子部品を実装して成ること
    を特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の立体回
    路板。
  11. 【請求項11】 上記電子部品実装端子部が形成された
    平面部より低い平面部の回路部に、他の電子部品実装端
    子部を形成し、上記実装された電子部品の下方に他の電
    子部品が重なるように、他の電子部品実装端子部に他の
    電子部品を実装して成ることを特徴とする請求項10に
    記載の立体回路板。
  12. 【請求項12】 基板に基板の表裏に貫通するスルーホ
    ールを形成し、基板の表面側の平面部に形成した回路部
    と電気的に接続されるスルーホール回路部をスルーホー
    ルの内周に設け、基板の裏面に形成した裏面回路部とス
    ルーホール回路部とを電気的に接続して成ることを特徴
    とする請求項1乃至11のいずれかに記載の立体回路
    板。
  13. 【請求項13】 回路部を形成した平面部の端部と、ス
    ルーホールを形成した基板の表面との間に、つづら折り
    状あるいは螺旋状に傾斜する屈曲傾斜面を形成し、回路
    部とスルーホール回路部とを電気的に接続する連絡用回
    路部を屈曲傾斜面に形成して成ることを特徴とする請求
    項12に記載の立体回路板。
  14. 【請求項14】 スルーホール回路部と裏面回路部との
    接続部分に導電ペーストを塗布して成ることを特徴とす
    る請求項12又は13に記載の立体回路板。
  15. 【請求項15】 複数段の各平面部をメッキ用傾斜面を
    介してこれらの平面部より少なくとも高い段の平面部に
    連絡させ、この高い平面部及びメッキ用傾斜面に、上記
    の複数段の平面部に電気メッキをする際に通電を行なう
    ためのメッキ通電用回路部を形成して成ることを特徴と
    する請求項1乃至14のいずれかに記載の立体回路板。
  16. 【請求項16】 メッキ通電用回路部は、電気メッキの
    後にエッチングして除去されるものであることを特徴と
    する請求項15に記載の立体回路板。
  17. 【請求項17】 基板のうちメッキ通電用回路部を形成
    した平面部を設けた部分は、電気メッキの後に少なくと
    も基板の一部とともに切除されるものであることを特徴
    とする請求項15に記載の立体回路板。
  18. 【請求項18】 複数段の平面部のうち、高さの低い平
    面部に形成した回路部を電気絶縁性の被覆材で被覆する
    と共に高さの高い平面部に形成した回路部をこの被覆材
    の表面に露出させて成ることを特徴とする請求項1乃至
    17のいずれかに記載の立体回路板。
  19. 【請求項19】 基板の表面の凹凸の凸部の頂面に平面
    部を形成し、凸部の頂面の角部をテーパ面あるいはアー
    ル面に形成して成ることを特徴とする請求項1乃至18
    のいずれかに記載の立体回路板。
  20. 【請求項20】 基板の表面の凹凸の凸部の頂面に平面
    部を形成し、凸部の側面に段差側面部を形成すると共
    に、凸部の側面にアンダーカット部を形成して成ること
    を特徴とする請求項1乃至19のいずれかに記載の立体
    回路板。
  21. 【請求項21】 平面部にバンプ用凸部を突設し、バン
    プ用凸部に導体を被覆して電子部品実装用のバンプ端子
    を形成して成ることを特徴とする請求項1乃至20のい
    ずれかに記載の立体回路板。
  22. 【請求項22】 段差側面部の表面を粗面に形成して成
    ることを特徴とする請求項1乃至21のいずれかに記載
    の立体回路板。
  23. 【請求項23】 基板の表面に物理蒸着法で導体を付着
    させることによって、導体が付着し難い段差側面部に非
    回路部を形成すると共に、導体が付着し易い平面部に回
    路部を形成して成ることを特徴とする請求項1乃至22
    のいずれかに記載の立体回路板。
  24. 【請求項24】 段差側面部に付着した導体はエッチン
    グ除去されていることを特徴とする請求項23に記載の
    立体回路板。
  25. 【請求項25】 基板は、樹脂又はセラミックス材料を
    成形して形成されたものであることを特徴とする請求項
    1乃至24のいずれかに記載の立体回路板。
  26. 【請求項26】 基板は、金属材の表面に絶縁層をコー
    ティングして形成されたものであることを特徴とする請
    求項1乃至24のいずれかに記載の立体回路板。
  27. 【請求項27】 請求項1乃至26のいずれかに記載の
    立体回路板を製造するにあたって、基板の表面に段差側
    面部を介して複数の高さに層別される複数段の平面部を
    設け、基板の表面に物理蒸着法で導体を付着させた後、
    段差側面部に付着した導体をエッチング除去することに
    よって、段差側面部に導体が被覆されない非回路部を形
    成すると共に、導体が被覆された平面部に回路部を形成
    することを特徴とする立体回路板の製造方法。
  28. 【請求項28】 イオンビームスパッタリング法でター
    ゲットから導体粒子をスパッタリングして基板の表面に
    付着させることを特徴とする請求項27に記載の立体回
    路板の製造方法。
  29. 【請求項29】 ターゲットからスパッタリングされた
    導体粒子によってこのターゲットをスパッタリングする
    セルフスパッタリング法で、ターゲットからスパッタリ
    ングされた導体粒子を基板の表面に付着させることを特
    徴とする請求項27に記載の立体回路板の製造方法。
  30. 【請求項30】 プラズマ生成ガスの雰囲気下でプラズ
    マを発生させてスパッタリングを開始し、プラズマが発
    生した後にプラズマ生成ガスのガス圧を低くした状態
    で、ターゲットからスパッタリングされた導体粒子を基
    板の表面に付着させることを特徴とする請求項27に記
    載の立体回路板の製造方法。
  31. 【請求項31】 強磁場を発生させたマグネトロンスパ
    ッタリング法でターゲットからスパッタリングされた導
    体粒子を基板の表面に付着させることを特徴とする請求
    項27に記載の立体回路板の製造方法。
  32. 【請求項32】 ターゲットから導体粒子をスパッタリ
    ングして立体基板の表面に付着させるにあたって、ター
    ゲットと基板の間に、ターゲットと基板の方向に開口す
    る多数の孔を有する多孔板を配置し、ターゲットから叩
    き出された導体粒子を多孔板の孔を通して基板に飛翔さ
    せて付着させることを特徴とする請求項27に記載の立
    体回路板の製造方法。
  33. 【請求項33】 表面を粗化した多孔板を用いることを
    特徴とする請求項32に記載の立体回路板の製造方法。
  34. 【請求項34】 ターゲットから導体粒子をスパッタリ
    ングして基板の表面に付着させるにあたって、基板を冷
    却することを特徴とする請求項27乃至33のいずれか
    に記載の立体回路板の製造方法。
  35. 【請求項35】 基板の表面に導体との密着性が悪い樹
    脂層を設け、これをプラズマエッチングして平面部の樹
    脂層を除去した後、基板の表面に物理蒸着法で導体を付
    着させることを特徴とする請求項27乃至34のいずれ
    かに記載の立体回路板の製造方法。
  36. 【請求項36】 基板の表面に導体との密着性が悪い樹
    脂層を設け、これを酸素イオンビームエッチングして平
    面部の樹脂層を除去した後、基板の表面に物理蒸着法で
    導体を付着させることを特徴とする請求項27乃至34
    のいずれかに記載の立体回路板の製造方法。
  37. 【請求項37】 金属材を放電加工して表面に凹凸を形
    成すると共に凸部の側面にアンダーカット部を形成し、
    この金属材の表面を絶縁層で被覆して作製した基板を用
    いることを特徴とする請求項27乃至36のいずれかに
    記載の立体回路板の製造方法。
  38. 【請求項38】 金属材の表面に化学蒸着法で絶縁層を
    形成することを特徴とする請求項37に記載の立体回路
    板の製造方法。
  39. 【請求項39】 樹脂製の基板に設けられる凸部の頂部
    を加熱加圧することによって、凸部の頂部の側面に鍔部
    を張り出させると共にその下側にアンダーカット部を形
    成することを特徴とする請求項27乃至36のいずれか
    に記載の立体回路板の製造方法。
  40. 【請求項40】 樹脂成形品で表面に凹凸を有する基板
    を製造するにあたって、LIGAプロセスで基板の製造
    を行なうことを特徴とする請求項27乃至36のいずれ
    かに記載の立体回路板の製造方法。
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