JP2003282344A - チップインダクタ及びその製造方法 - Google Patents

チップインダクタ及びその製造方法

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JP2003282344A
JP2003282344A JP2002080880A JP2002080880A JP2003282344A JP 2003282344 A JP2003282344 A JP 2003282344A JP 2002080880 A JP2002080880 A JP 2002080880A JP 2002080880 A JP2002080880 A JP 2002080880A JP 2003282344 A JP2003282344 A JP 2003282344A
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cavity
tubular guide
coil conductor
chip inductor
manufacturing
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JP2002080880A
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English (en)
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Nobuhito Oshima
序人 大島
Takaaki Oi
隆明 大井
Kenichi Saito
健一 斉藤
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Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
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  • Manufacturing Cores, Coils, And Magnets (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 コイル導体の径が小さい場合であっても、コ
イル導体をキャビティ内に収納した状態で射出成形によ
りインダクタ本体を安定にかつ確実に得ることができる
工程を備えたチップインダクタの製造方法を提供する。 【解決手段】 金型1のキャビティ6内に筒状のガイド
5を配置し、筒状のガイド5内にコイル導体7を挿入
し、金型を閉じた状態でコイル導体7の内部に樹脂材料
を射出し成形し、次に、筒状のガイド5をキャビティ6
外に移動させ、キャビティ6の筒状のガイド5が除かれ
た空間に樹脂材料を射出し、成形し、インダクタ本体を
得、該インダクタ本体の両端面に第1,第2の外部電極
を形成する、チップインダクタの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ノイズの除去など
に用いられるチップインダクタの製造方法及び製造装置
に関し、より詳細には、樹脂材料の射出成形により得ら
れたインダクタ本体内にコイル導体が埋設されている構
造を備えたチップインダクタの製造方法及び製造装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】大電流用途におけるノイズ対策用部品と
して、チップ型インダクタが従来より用いられている。
特開平11−354364号公報には、この種のチップ
型インダクタの製造方法の一例が開示されている。
【0003】この先行技術に記載の方法では、射出成形
用金型のキャビティ内に導体コイルを支持するためのコ
イル支持ピンが配置される。そして、コイル支持ピンに
コイル導体が外挿され、次に、キャビティ内に磁性体含
有樹脂材料が射出され、成形される。この第1の成形工
程によって、コイル導体の外側に磁性体含有樹脂材料よ
りなる成形体部分が構成される。次に、コイル支持ピン
がキャビティから排出され、再度金型が閉じられて、コ
イル導体内の空間に磁性体含有樹脂材料が射出され、成
形される。この第2の成形工程により、図8に示すイン
ダクタ本体51が得られる。インダクタ本体51は、磁
性体含有樹脂材料の射出成形体により構成されており、
その内部にコイル導体52が埋設されている。
【0004】しかる後、インダクタ本体51の端面51
a,51bが研磨され、コイル導体52の端部が露出さ
れる。次に、図9に示すように、インダクタ本体51の
端面51a,51bに、コイル導体52に接続される外
部電極53,54が形成される。
【0005】上記先行技術に記載の方法では、コイル導
体52の内径と略等しい外径を有するコイル支持ピンが
キャビティ内に配置され、コイル支持ピンにコイル導体
52が外挿されることにより、キャビティ内においてコ
イル導体が安定に保持される。従って、第1の成形工程
において、コイル導体52の周囲に磁性体含有樹脂より
なる成形体部分を確実に構成することができ、しかる
後、第2の成形工程においてコイル支持ピンが配置され
た空間に磁性体含有樹脂が射出され、成形されることに
より、インダクタ本体51が得られている。よって、キ
ャビティ内におけるコイル導体52の位置決めが容易で
あり、金型コストを低減することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記先
行技術に記載の製造方法では、インダクタの小型化が進
み、コイル導体52の内径が小さくなった場合には、コ
イル支持ピンの径も小さくなるため、射出成形時の樹脂
材料の圧力によりコイル支持ピンが折れたり、曲がった
りするという問題が生じがちであった。すなわち、上記
先行技術に記載の方法では、チップインダクタの小型化
に対応することが困難であった。
【0007】本発明の目的は、上述した従来技術の欠点
を解消し、コイル導体の径が小さい場合であっても、チ
ップインダクタを安定に製造し得る方法及び製造装置を
提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のチップインダク
タの製造方法は、射出成形により形成された樹脂材料か
らなるインダクタ本体と、該インダクタ本体の両端面を
結ぶようにインダクタ本体内に埋設されたコイル導体
と、前記コイル導体に接続されるように前記インダクタ
本体の両端面に設けられた第1,第2の外部電極とを備
えるチップインダクタの製造方法であって、金型のキャ
ビティ内に筒状のガイドを配置する工程と、前記筒状の
ガイド内にコイル導体を挿入する工程と、前記金型を閉
じ、前記コイル導体の内部に樹脂材料を射出し、成形す
る第1の成形工程と、前記筒状のガイドを前記キャビテ
ィ外へ移動させる工程と、前記キャビティの筒状のガイ
ドが除かれた空間に樹脂材料を射出し、成形することに
よりインダクタ本体を得る第2の成形工程と、前記イン
ダクタ本体の両端面に第1,第2の外部電極を形成する
工程とを備える。
【0009】本発明のある特定の局面では、筒状のガイ
ドの内径が、コイル導体の外径と略同一とされており、
従って、筒状のガイド内にコイル導体を挿入した場合、
筒状のガイド内にコイル導体を確実にかつ容易に位置決
めすることができ、しかも、コイル導体内の空間に樹脂
材料を確実に注入し、成形することができる。
【0010】本発明の別の特定の局面では、筒状のガイ
ドの長さ方向がキャビティの上下方向に一致するように
筒状のガイドが配置されており、筒状のガイドを移動さ
せる工程において、筒状のガイドがキャビティの上方ま
たは下方に移動される。従って、キャビティ内におい
て、筒状のガイドが上下方向に延ばされて配置されてい
るので、筒状のガイド内にコイル導体を容易に挿入する
ことができる。
【0011】本発明の別の特定の局面では、筒状のガイ
ドの長さ方向寸法が、キャビティの上下方向寸法と略同
一とされている。従って、キャビティ内に配置される筒
状のガイドの内径を変更することにより、様々な外径の
コイル導体に容易に対応することができる。すなわち、
筒状のガイドの肉厚を変更するだけで、様々な外径のコ
イル導体を用いてチップインダクタを製造することがで
きる。
【0012】本発明のさらに他の特定の局面では、筒状
のガイドの長さ方向寸法がキャビティの上下方向寸法よ
りも長くされており、筒状のガイドがキャビティ内に配
置された状態において、筒状のガイドがキャビティの上
方または下方に至るように配置される。この場合には、
筒状のガイドがキャビティよりも長いため、筒状のガイ
ドをキャビティ内からキャビティ外に移動させる場合、
筒状のガイドのキャビティ外に至っている部分を把持す
ること等により、筒状のガイドをキャビティ外に容易に
移動させることができる。
【0013】本発明のさらに別の特定の局面では、金型
のキャビティに臨む内面のうち、コイル導体の端部に臨
む内面部分に、コイル導体の端部の形状に応じた凹溝が
形成されており、それによって得られたインダクタ本体
の両端面に確実にコイル導体の端部を突出させることが
できる。
【0014】本発明のある特定の局面では、上記樹脂材
料として、磁性体と合成樹脂とを含む樹脂複合材料が用
いられ、それによって、大きなインダクタンスのチップ
インダクタを容易に得ることができる。
【0015】本発明のさらに他の特定の局面では、上記
コイル導体として、径が0.2mm以下のものが用いら
れる。このように外径が小さなコイル導体を用いた場合
であっても、本発明の製造方法を用いることにより、従
来のコイル支持ピンを用いた製造方法では製造が困難で
あった小型のチップインダクタを容易にかつ確実に製造
することができる。
【0016】本発明に係るチップインダクタの製造装置
は、本発明の製造方法に用いられるものであって、イン
ダクタ本体の外形と略同一の形状を有する射出成形用キ
ャビティを有する金型と、キャビティ内からキャビティ
外に移動されるように、キャビティ内に配置されてお
り、かつ外周面がキャビティの内面に接触する大きさと
されている筒状のガイドとを備える。
【0017】本発明の製造装置のある特定の局面では、
筒状のガイドの内径がコイル導体の外径と略同一とされ
ており、それによって、コイル導体を筒状のガイド内に
容易に位置決めすることができ、かつコイル導体の内部
空間に樹脂材料を確実に注入し、成形することができ
る。
【0018】本発明の製造装置の別の特定の局面では、
筒状のガイドの長さ方向が、キャビティの上下方向に配
置されており、筒状のガイドがキャビティの上方または
下方に移動されることにより、キャビティ外から取り除
かれるように構成されており、従って、第2の成形工程
に先だち、筒状のガイドをキャビティから容易に取り除
くことができる。
【0019】本発明の製造装置の他の特定の局面では、
筒状のガイドの長さ方向寸法がキャビティの上下方向寸
法と略同一とされており、従って、筒状のガイドの肉厚
を変更するだけで、様々な径のコイル導体に容易に対応
することができる。
【0020】本発明のさらに他の特定の局面では、上記
筒状のガイドの長さ方向が、キャビティの上下方向寸法
よりも長くされており、その場合には、キャビティ外に
至っている筒状のガイド部分を把持すること等により、
筒状のガイドをキャビティ内から容易に取り除くことが
できる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明の
具体的な実施例を説明することにより、本発明を明らか
にする。
【0022】図1は、本発明の一実施例に係るチップイ
ンダクタの製造方法を説明するための断面図である。ま
ず、金型1を用意する。金型1は、上型2と、下型3
と、下型3内に挿入される下内型4とを有する。下型3
には、貫通孔3aが形成されおり、該貫通孔3a内に下
内型4が挿入されている。また、貫通孔3a内には、外
形が角筒状であり、横断面円形の貫通孔を有する筒状の
ガイド5が挿入されている。他方、下内型4の上方で
は、上型2が貫通孔3aを閉成するように配置される。
下型3、下内型4及び上型2より、上下方向に延びる円
筒状のキャビティ6が形成されている。この角筒状のキ
ャビティ6内に至るように、上記筒状のガイド5が配置
されている。筒状のガイド5の外周面か、キャビティ6
の内面に接触するように、ガイド5の外形は、角筒状の
キャビティ6の内形と略同一とされている。
【0023】上型2には、樹脂材料注入孔2aが形成さ
れており、樹脂材料注入孔2aは、上型2の下面から図
示の矢印で示す方向に樹脂材料を注入するための設けら
れている。
【0024】他方、下型3には、貫通孔3aに開いた第
1,第2の樹脂注入孔3bが形成されている。上型2の
下面には、コイル導体7の端部の形状に応じた凹溝2b
が形成されている。同様に、下型の一部としての下内型
4の上面にも、コイル導体7の端部に応じた凹溝4aが
形成されている。
【0025】本実施例では、まず、金型1のキャビティ
6内に、筒状のガイド5を配置した状態で、上型2を上
方に移動し、キャビティ6内にコイル導体7を挿入す
る。コイル導体7は、その外径が筒状のガイド5の貫通
孔の内径と略等しく、あるいは筒状のガイド5の内径よ
りも若干小さくされている。
【0026】コイル導体を構成する材料は、特に限定さ
れないが、本実施例では、ポリアミドイミド樹脂で被覆
された絶縁被覆導線からなるコイル導体が用いられる。
コイル導体7は、密に巻回されており、図1から明らか
なように、隣り合う巻回部分の間に隙間がないように構
成されている。
【0027】本実施例では、キャビティ6内に、予め上
記筒状のガイド5が配置されているため、コイル導体7
を筒状のガイド5内に挿入することにより、コイル導体
7を筒状のガイド5内に容易に位置決めすることができ
る。
【0028】コイル導体7をキャビティ6内に挿入した
状態において、コイル導体7は、筒状のガイド5により
容易に位置決めされ得るだけでなく、コイル導体7の両
端が上型2の下面の凹溝2b及び下内型4の凹溝4aに
嵌まり合う。
【0029】この状態で、図1の矢印で示すように、樹
脂注入孔2aから溶融状態の磁性体含有樹脂複合材料を
注入することにより、射出成形法に従って第1の成形工
程が行なわれる。この場合、コイル導体7の外径が筒状
のガイド5の内径とほぼ同等とされているので、図2に
示すように、射出成形により、コイル導体7の内側の空
間を充填するように成形体部分8が形成される。
【0030】しかる後、筒状のガイド5を下方に移動さ
せ、図3に示すように、筒状のガイド5をキャビティ6
から取り除く。この場合、筒状のガイド5がキャビティ
6内からキャビティ6外、すなわち、下方に延びている
ので、筒状のガイド5の下方延長部分5aを利用して、
筒状のガイド5を容易に下方に引き出すことができる。
すなわち、樹脂材料がコイル導体7の隙間から外側に若
干漏れ、コイル導体7と筒状のガイド5が密着したとし
ても、筒状のガイド5の下方延長部分5aを把持して下
方に引張ることにより、コイル導体7から筒状のガイド
5を容易に分離することができる。
【0031】次に、図3に矢印で示すように、金型を再
度閉じた状態で、筒状のガイド5が取り除かれた空間A
に下型3の樹脂注入孔3bから磁性体含有樹脂材料を射
出し、成形する。この第2の成形工程により、図4に示
すように、コイル導体7の外周に成形体部分9が形成さ
れる。
【0032】次に、金型1を開き、上記のようにして得
られたインダクタ本体を取り出す。図5は、上記のよう
にして得られたインダクタ本体11を示す縦断面図であ
る。インダクタ本体11は、磁性体含有樹脂材料からな
る成形体からなり、内部にコイル導体7が埋設されてい
る。また、コイル導体7は、インダクタ本体11の対向
し合う端面11a,11bからその端部が突出されてい
る。これは、上述した凹溝2b、4aが上型2及び下内
型4に設けられているためである。
【0033】従って、上記インダクタ本体11の端面1
1a,11bをサンドブラストなどにより研磨すること
により、コイル導体の端部を容易に露出させ、しかもコ
イル導体7の絶縁被覆を容易に取り除くことができる。
【0034】次に、端面11a,11bを覆うように、
外部電極を形成する。図6(a)及び(b)は、外部電
極12,13が形成されたチップインダクタ14を示す
縦断面図及び斜視図である。
【0035】外部電極12,13の形成に際しては、本
実施例では、先ず、無電解メッキによりNiメッキ膜が
インダクタ本体11の全外表面に付与される。次に、外
部電極形成部分にレジストを塗工し、硬化させる。しか
る後、硝酸中でエッチングすることにより露出されてい
る無電解Niメッキ膜が除去され、次に、水酸化ナトリ
ウム中でレジストが洗い流される。
【0036】上記のようにして無電解Niメッキ膜を形
成した後、さらに、Ni、Cu及びSnが、それぞれ、
電解メッキにより積層され、外部電極が形成される。な
お、外部電極12、13の形成は、上記のようなメッキ
法を用いた方法に限られず、導電ペーストの塗布・焼付
け、蒸着、スパッタリングなどの様々な方法で行なわれ
得る。また、メッキ法と、他の電極膜形成方法を併用し
てもよい。
【0037】本実施例の製造方法では、上記のように、
筒状のガイド5をキャビティ6内に挿入した状態で、コ
イル導体7が筒状のガイド5に内挿される。従って、コ
イル導体7の径が小さかったり、コイル導体を構成する
線材の径が小さい場合であっても、容易にかつコイル導
体7に歪みをさほど与えることなく、コイル導体7をキ
ャビティ6内に位置決めすることができる。しかも、第
1の成形工程において溶融状態の樹脂材料が注入される
が、樹脂材料の注入圧によりコイル導体7の外周面が筒
状のガイド5の内面に押しつけられるが、筒状のガイド
5によりコイル導体7の変形が抑制される。従って、樹
脂注入に際して圧力によってコイル導体7が変形するこ
ともない。
【0038】よって、小型のコイル導体7を用いた小型
のチップインダクタを安定にかつ容易に得ることができ
る。本願発明者の実験によれば、上記実施例に従って、
直径0.05mmのポリアミドイミド絶縁被覆導線が内
径0.2mmとなるように密に巻回された1.0mm長
のコイル導体7を用い、磁性体含有樹脂材料としてフェ
ライト粉末と、ポリフェニレンサルファイド樹脂とを重
量比で85:15の割合で含む樹脂材料を用い、1.0
×0.5×0.5mmのチップインダクタの製造を行な
ったところ、コイル導体に変形を生じさせることなく、
確実にチップインダクタを得ることができた。
【0039】上述した先行技術に記載の方法では、この
ような小さなコイル導体を用いた場合、コイル支持ピン
の外径が0.2mmと非常に細くなり、射出成形圧力に
よりコイル支持ピンが容易に変形し、製造が困難であっ
たのに対し、本実施例では、筒状のガイド5を用いてい
るため、このような小さなコイル導体を用いた場合に
も、上記のように安定に製造を行なうことができた。
【0040】すなわち、本実施例で、上記の条件の場
合、筒状のガイド5の内径は0.2mmであるが、外径
は0.5mmとすることができるので、筒状のガイド5
がコイル支持ピンに比べて樹脂の射出成形圧力により変
形し難い。本発明に好適なインダクタ本体の寸法は1.
6×0.8×0.8mm(コイル内径0.2〜0.5m
m)〜0.6×0.3×0.3mm(コイル内径0.1
〜0.2mm)である。
【0041】なお、外部電極形成前の研磨は、サンドブ
ラスト以外の方法で行なわれてもよいが、好ましくは、
サンドブラストなどにより、コイル導体7の端部におい
て絶縁被覆が除去され、かつ露出するように研磨するこ
とが望ましい。サンドブラスト以外の研磨方法として
は、バレル研磨などが挙げられる。いずれの研磨方法を
用いた場合であっても、インダクタ本体11を構成する
樹脂材料に比べて金属からなるコイル導体7のほうが硬
いため、確実にコイル導体7の端部を露出することがで
きる。従って、本実施例では、上型2に凹溝2b、下内
型4に凹溝4aが形成されていたが、これらの凹溝2
b、4aは必ずしも設けられずともよい。
【0042】もっとも、好ましくは、本実施例のよう
に、凹溝2b,4aを設けることにより、コイル導体7
の端部をインダクタ本体11の端面11a,11bから
より確実に露出させることが望ましい。
【0043】また、本実施例では第2の成形工程におい
て、コイル導体7の長さ方向の一方端部近傍に配置され
た樹脂注入孔3bから磁性体含有樹脂材料が射出された
が、2つの樹脂注入孔から磁性体含有樹脂材料が射出さ
れ、成形が行われてもよい。
【0044】なお、本実施例では、円筒状のコイル導体
7を用いて、チップインダクタが製造されたが、コイル
導体7は、円筒状のものに限らず、角筒状に巻回された
ものであってもよい。
【0045】また、キャビティの形状は、上記チップイ
ンダクタの外形形状に応じて、適宜、角筒状、円筒状と
される。同様に、筒状のガイド5についても、キャビテ
ィ6及びチップインダクタの形状に応じて、角筒状また
は円筒状などの形状とされる。
【0046】上記実施例では、筒状のガイド5は、キャ
ビティ6内に配置されている状態において、キャビティ
6の下方に至る延長部分5aを有していたが、図7に示
すように、筒状のガイド5は、キャビティ6の上下方向
寸法と同じ長さ方向寸法を有するものであってもよい。
この場合には、筒状のガイド5の下方への落下を防止す
るために、図示の位置から下方に引き出され得る筒状の
支持部材21を配置すればよい。
【0047】筒状のガイド5の長さ方向寸法がキャビテ
ィ6の上下方向寸法と同一である場合には、筒状のガイ
ド5をキャビティ6内に、すなわち、下方に移動させる
際に、第1の成形工程で注入された樹脂材料によりコイ
ル導体7と筒状のガイド5の内面とが付着している場合
には、筒状のガイド5の取り外しが困難となることがあ
る。しかしながら、図7に略図的に示す突出しピン22
を設けることにより、すなわち突出しピン22を上型2
と独立に上下方向に移動可能に構成し、支持部材21を
下方に移動させた後に、突出しピン22を下方に移動さ
せることにより、筒状のガイド5をコイル導体7から分
離すればよい。
【0048】また、図7に示すように、筒状のガイド5
の長さ方向寸法が、キャビティ6の上下方向寸法と同じ
場合には、筒状のガイド5の肉厚を変更するだけで、す
なわち内径を変更するだけで、様々な外径のコイル導体
に容易に適用することができる。
【0049】なお、上記実施例では、キャビティ6内に
注入される樹脂材料として磁性体含有樹脂複合材料を用
いたが、さほど大きなインダクタンスが要求されない場
合には、磁性体を含有していない樹脂材料を用いてもよ
い。
【0050】
【発明の効果】本発明に係るチップインダクタの製造方
法及び製造装置では、キャビティ内に筒状のガイドを配
置し、筒状のガイド内にコイル導体を挿入し、金型を閉
じてコイル導体の内部に樹脂材料を射出し、成形した
後、筒状のガイドをキャビティ外に移動させ、キャビテ
ィの筒状のガイドが除かれた空間に樹脂材料を射出し、
成形することによりインダクタ本体が得られる。従っ
て、筒状のガイド内にコイル導体を挿入するだけで、筒
状のガイド内にコイル導体を確実に位置決めすることが
できる。また、コイル導体の径が小さい場合であって
も、筒状のガイドの肉厚を変化させればよいため、樹脂
材料の射出成形による圧力によって、筒状のガイドが変
形し難く、かつ破損し難い。従って、小さな径のコイル
導体を用いたチップインダクタを製造する場合であって
も、安定にかつ確実にインダクタ本体を成形することが
でき、従って、従来法に比べて小型のチップインダクタ
を高い生産性で製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例において、キャビティ内に筒
状のガイド及びコイル導体を配置した状態を示す部分切
欠正面断面図。
【図2】図1に示した工程に続いて樹脂材料を射出成形
し、第1の成形工程を終えた状態を示す部分切欠正面断
面図。
【図3】図2に示した工程に続いて筒状のガイドをキャ
ビティからキャビティ外に移動させた状態を示す部分切
欠正面断面図。
【図4】図3に示した工程に続いて、上型の樹脂注入孔
から磁性体含有樹脂材料を注入し、第2の成形工程を行
なった状態を示す部分切欠正面断面図。
【図5】本発明の一実施例で得られたインダクタ本体を
示す縦断面図。
【図6】(a)及び(b)は、本発明の一実施例で得ら
れたチップインダクタの縦断面図及び外観を示す斜視
図。
【図7】本発明のチップインダクタの製造方法の他の例
を説明するための部分切欠正面断面図。
【図8】従来のチップインダクタの製造方法で得られた
インダクタ本体を示す縦断面図。
【図9】従来のチップインダクタの製造方法で得られた
インダクタを示す縦断面図。
【符号の説明】
1…金型 2…上型 2a…樹脂注入孔 2b…凹溝 3…下型 3a…貫通孔 3b,3c…樹脂注入孔 4…下内型 4a…凹溝 5…筒状のガイド 6…キャビティ 7…コイル導体 8…成形体部分 9…成形体部分 11…インダクタ本体 11a,11b…端面 12,13…外部電極 14…チップインダクタ
フロントページの続き (72)発明者 斉藤 健一 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株式 会社村田製作所内 Fターム(参考) 5E062 FF02

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 射出成形により形成された樹脂材料から
    なるインダクタ本体と、該インダクタ本体の両端面を結
    ぶようにインダクタ本体内に埋設されたコイル導体と、
    前記コイル導体に接続されるように前記インダクタ本体
    の両端面に設けられた第1,第2の外部電極とを備える
    チップインダクタの製造方法であって、 金型のキャビティ内に筒状のガイドを配置する工程と、 前記筒状のガイド内にコイル導体を挿入する工程と、 前記金型を閉じ、前記コイル導体の内部に樹脂材料を射
    出し、成形する第1の成形工程と、 前記筒状のガイドを前記キャビティ外へ移動させる工程
    と、 前記キャビティの筒状のガイドが除かれた空間に樹脂材
    料を射出し、成形することによりインダクタ本体を得る
    第2の成形工程と、 前記インダクタ本体の両端面に第1,第2の外部電極を
    形成する工程とを備える、チップインダクタの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記筒状のガイドの内径が、前記コイル
    導体の外径と略同一である、請求項1に記載のチップイ
    ンダクタの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記筒状のガイドの長さ方向が前記キャ
    ビティの上下方向に一致するように前記筒状のガイドが
    配置されており、前記筒状のガイドを移動させる工程に
    おいて、前記筒状のガイドが前記キャビティの上方また
    は下方に移動される、請求項1または2に記載のチップ
    インダクタの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記筒状のガイドの長さ方向寸法が、前
    記キャビティの上下方向寸法と略同一とされている、請
    求項3に記載のチップインダクタの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記筒状のガイド長さ方向寸法が、前記
    キャビティの上下方向寸法よりも長くされており、前記
    筒状のガイドがキャビティ内に配置された状態におい
    て、前記筒状のガイドがキャビティの上方または下方に
    至るように配置される、請求項3に記載のチップインダ
    クタの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記金型のキャビティに臨む内面のう
    ち、前記コイル導体の端部に臨む内面部分に、コイル導
    体の端部の形状に応じた凹溝が形成されている、請求項
    1〜5のいずれかに記載のチップインダクタの製造方
    法。
  7. 【請求項7】 前記樹脂材料として、磁性体と合成樹脂
    とを含む樹脂複合材料を用いる、請求項1〜6のいずれ
    かに記載のチップインダクタの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記コイル導体の径が0.2mm以下で
    ある、請求項1〜7のいずれかに記載のチップインダク
    タの製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜7のいずれかに記載のチップ
    インダクタの製造方法に用いられる製造装置であって、 前記インダクタ本体の外形と略同一の形状を有する射出
    成形用キャビティを有する金型と、 前記キャビティ内からキャビティ外に移動され得るよう
    に、前記キャビティ内に配置され、かつ外周面がキャビ
    ティの内面に接触する大きさとされている筒状のガイド
    とを備える、チップインダクタの製造装置。
  10. 【請求項10】 前記筒状のガイドの内径が前記コイル
    導体の外径と略同一である、請求項9に記載のチップイ
    ンダクタの製造装置。
  11. 【請求項11】 前記筒状のガイドの長さ方向が、前記
    キャビティの上下方向となるように筒状のガイドが配置
    されており、該筒状のガイドが前記キャビティの上方ま
    たは下方に移動されることにより、キャビティ外から取
    り除かれるように構成されている、請求項9または10
    に記載のチップインダクタの製造装置。
  12. 【請求項12】 前記筒状のガイドの長さ方向寸法が、
    前記キャビティの上下方向寸法と略同一である、請求項
    11に記載のチップインダクタの製造装置。
  13. 【請求項13】 前記筒状のガイドの長さ方向寸法が、
    前記キャビティの上下方向寸法よりも長くされている、
    請求項11に記載のチップインダクタの製造装置。
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