JP2003282255A - 表示装置 - Google Patents

表示装置

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JP2003282255A
JP2003282255A JP2002081595A JP2002081595A JP2003282255A JP 2003282255 A JP2003282255 A JP 2003282255A JP 2002081595 A JP2002081595 A JP 2002081595A JP 2002081595 A JP2002081595 A JP 2002081595A JP 2003282255 A JP2003282255 A JP 2003282255A
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transparent
light
organic
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JP2002081595A
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Masatoshi Yonekubo
政敏 米窪
Taisuke Yamauchi
泰介 山内
Shigeo Nojima
重男 野島
秀也 ▲関▼
Hideya Seki
Daisuke Uchikawa
大介 内川
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K59/00Integrated devices, or assemblies of multiple devices, comprising at least one organic light-emitting element covered by group H10K50/00
    • H10K59/80Constructional details
    • H10K59/875Arrangements for extracting light from the devices

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  • Electroluminescent Light Sources (AREA)
  • Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光の利用効率を向上して明るい画像を得るこ
と。 【解決手段】 この有機ELパネル100は、第一透明
基板1上に画素となる有機EL素子2をマトリックス状
に成膜し、この有機EL素子2の有機発光膜上に第二透
明基板3を配置し、これらを接着層4により固着した構
造である。第二透明基板3の第一透明基板1との対向面
には、画素部分を除いて格子状にV溝5が形成されてお
り、V溝5の斜面には反射膜6が形成されている。有機
EL素子2の側方の光は反射膜6で反射して第二透明基
板3から出射される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自発光素子を用
いて構成した表示装置に関し、詳しくは、光の利用効率
を上げて明るい画像を得ることができる表示装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】EL素子は、EL材料自体が発光するた
めに視野角が広く、完全固体素子であるため高い耐衝撃
性を有する。現在では、発光材料に無機化合物を用いた
無機EL素子、発光材料に有機化合物を用いた種々の有
機EL素子が提案されている。特に後者の有機EL素子
は、低い駆動電圧で高輝度の発光を行うことができるた
め、最近では有機EL素子を画素として用いた表示装置
の開発が進んでいる。このような表示装置では、複数の
有機EL素子をマトリックス状に配置形成し、これらの
素子を独立に駆動させることにより表示を行う。
【0003】一般的に有機EL素子は、透明基板上に、
透明電極、有機発光層、金属電極を順次積層した構造を
しており、透明電極と金属電極とに電圧を印加すること
により有機発光層に正孔と電子とが注入され、これらが
再結合するときに生じるエネルギーで蛍光物質を励起
し、当該励起された蛍光物質が基底状態に戻るときに発
光現象を起こすことを利用して光を出射する。
【0004】前記透明電極には、例えば酸化インジウム
錫(ITO)などの透明導電体を用いる。金属電極に
は、電子注入を容易にし発光効率を上げるため、Mg−
Ag、Al−Li等の仕事関数の小さな物質を用いる。
透明電極が陽極になり金属電極が陰極になるが、この逆
の場合もある。有機発光層の厚さは、数10nm程度で
光学的に透明なものである。
【0005】また、透明電極と有機発光層との間に正孔
輸送層を設けたり、金属電極と有機発光層との間に電子
注入層を設けたり、金属電極と有機発光層との間または
電子注入層と有機発光層との間に接着層を設けたりして
も良い。有機発光層は、一種または複数種の有機発光材
料により構成されるが、有機発光材料と正孔輸送材料ま
たは電子注入材料との混合物により構成してもよい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、有機EL素
子は自発光素子であるため、正面のみならず側面周囲も
含めた全方向に光が出射される。また、マトリックス配
置した有機EL素子の間には、駆動用の配線が格子状に
形成され、正面から観察すると黒く見える部分が存在す
る。このため、有機ELパネルの発光面積率は当該格子
部分の存在により約60%程度となり、その分だけ明る
さが低下している。また、透明電極等の透明媒質の入射
面と空気との界面に対して反射が起こり、出射光の量が
低下し、光の利用効率が悪化する。
【0007】そこで、この発明は、上記に鑑みてなされ
たものであって、光の利用効率を上げて明るい画像を得
ることができる表示装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、この発明による表示装置は、表面に複数の自発光
素子を設けた第一基板と、第一基板と重ねて配置される
共に、第一基板との対向面であって自発光素子の外周に
斜面を有する溝を形成し、この斜面に自発光素子の光を
観察側に反射する反射膜を形成した透明の第二基板と、
第一基板と第二基板との間に介在する透明媒質とを備え
たことを特徴とする。
【0009】自発光素子の光のうち、正面方向に進む光
は透明媒質を通過すると共に前記透明の第二基板から出
射される。一方、自発光素子の側方周囲に進む光は、当
該自発光素子の外周に位置する反射膜で反射する。この
反射光は、第二基板を通って外部に出射される。このよ
うに、溝の斜面に反射膜を形成することで、従来では側
方に進む光が第二基板表面で全反射等を起こし、有効に
利用されていなかったが、この反射膜で側方に進む光を
反射させて第二基板の表面から出射させることにより、
光の有効利用が実現し、画像を明るくできる。
【0010】なお、前記第一基板の透明不透明は問わな
い。また、前記溝は自発光素子の全周に渡って形成する
他、一部に形成しても良い。また、前記溝は斜面を有し
ていればその形状は限定されない。例えば溝の断面形状
がV字形状、レ形状、台形等であっても良い。
【0011】つぎの発明による表示装置は、表面に複数
の自発光素子を設けると共に当該自発光素子の外周に自
発光素子の光を観察側に反射する斜面を有する突起を形
成した第一基板と、第一基板と重ねて配置され且つ透明
な第二基板と、第一基板と第二基板との間に介在する透
明媒質とを備えたことを特徴とする。
【0012】自発光素子の光は透明媒質中を進み、その
うち側方に進むものは、突起の斜面で反射し、この反射
光が第二基板を通過して外部に出射される。これによ
り、光の利用効率が向上し、明るい画像を得られる。突
起は光を反射する斜面を有すれば形状は限定されない。
例えば断面山形、矩形等であっても良い。また、斜面
は、反射膜を形成した構成でも、突起の斜面自体を鏡面
加工した構成でも良い。更に、前記突起は、自発光素子
の全周に渡って形成する他、一部に形成するようにして
も良い。
【0013】つぎの発明による表示装置は、上記構成に
おいて、前記透明媒質は窒素やアルゴン等の不活性ガス
であることを特徴とする。不活性ガスを透明媒質として
用いることで、自発光素子が劣化せず、初期性能を長期
間維持できる。また、接着剤のように接着不良により界
面で乱反射を起こすようなことが起こらない。このた
め、表示装置の寿命が長くなり、光の利用効率も向上で
きる。このとき、界面での全反射による出射光量低下を
なくすことができ、また反射膜により正面輝度を向上で
きる。
【0014】つぎの発明による表示装置は、表面に複数
の自発光素子を設けると共に当該自発光素子の外周に自
発光素子の光を観察側に反射する斜面を有する突起を形
成した透明基板と、この透明基板上に形成した透明層と
を備えたことを特徴とする。
【0015】自発光素子の光は突起の斜面で反射し、透
明層を通過して観察側に出射される。これにより光が有
効利用され、画像を明るくできる。突起は、上記同様、
光を反射する斜面を有すれば形状は限定されない。
【0016】つぎの発明による表示装置は、表面に複数
の自発光素子を設けると共に当該自発光素子の外周に自
発光素子の光を反射する斜面を有する溝を形成した透明
基板と、透明基板上に形成した保護層とを備えたことを
特徴とする。
【0017】自発光素子の光は、透明基板内において外
周の溝の斜面で反射し、透明基板から出射される。保護
層は透明不透明を問わない。これにより、自発光素子の
光を有効利用して、画像を明るくできる。
【0018】つぎの発明による表示装置は、上記構成に
おいて、前記溝または突起の斜面が湾曲形状をしている
ことを特徴とする。溝または突起の斜面が湾曲形状の場
合、自発光素子から側方に進む光が湾曲部分の集光作用
で平行光に変換される。これにより、光の利用効率が更
に向上する。なお、この発明には、斜面全体が湾曲形状
の場合のみならず、斜面の一部が湾曲形状の場合も含ま
れる。
【0019】また、上記溝または突起の斜面の角度は、
20°以上80°以下とするのが好ましい。
【0020】つぎの発明による表示装置は、表面に複数
の自発光素子を設けた基板と、当該基板上に設けられ、
上面が一方向で略同じ断面形状となる複数のレンズ構造
であり、各レンズが自発光素子に対応して設けられてい
る透明層とを備えたことを特徴とする。
【0021】自発光素子の光は透明層を通り、その上面
のレンズ構造によって平行光として出射される。これに
より、透明層内で全反射により閉じ込められる光が殆ど
無くなり、自発光素子の光を有効利用し、明るい画像を
得ることができる。なお、一方向で略同じ断面形状とし
ては、例えばシリンダー形状、プリズム形状、フレネル
レンズ形状等が挙げられる。
【0022】つぎの発明による表示装置は、表面に複数
の自発光素子を設けた基板と、当該基板上に設けられ、
その上面にシリンダー状の複数のレンズ構造を形成し、
各レンズが自発光素子に対応して設けられていると共に
前記シリンダー状のレンズとレンズの間に切込部が設け
られている透明層とを備えたことを特徴とする。
【0023】シリンダー形状のレンズ構造により、自発
光素子の光が平行光に変換されて透明層から出射され
る。このため、自発光素子の光が有効利用され、明るい
画像を得ることができる。また、自発光素子の光が切込
部において反射するから、隣の自発光素子の光と混合し
難くなり、画像を鮮明にできる。更に、表示装置を湾曲
させた場合、切込部が広がるから表示装置を湾曲させや
すい。
【0024】つぎの発明による表示装置は、上記構成に
おいて、更に前記レンズ構造は、自発光素子同士の混色
を避けたい方向と直交する方向に設けることを特徴とす
る。例えばR、G、Bの画素については混色しても良い
が、別のR、G、Bからなる画素との間で混色を起こす
と画像の解像度が低下する。このため、混色が許容され
る方向にレンズの方向を合わせること、即ち、自発光素
子同士の混色を避けたい方向と直交する方向に設けるこ
とで、画像の解像度を低下させることなく、自発光素子
の光を有効利用できる。
【0025】つぎの発明による表示装置は、鏡面部分を
有する自発光素子を表面に複数設けた基板と、当該基板
上に設けられ、上面が複数のプリズム構造になっている
透明層とを備えたことを特徴とする。
【0026】上面がプリズム構造の場合、自発光素子の
光が斜面で屈折して観察側に出射されるが、反射した場
合でも再び自発光素子に戻り、例えば自発光素子が有機
EL素子のときは鏡面性の金属電極を有するので、この
金属電極で反射が起こる。当該反射光は、プリズムの斜
面で屈折して観察側に出射され、リサイクルされる。こ
れにより、自発光素子の光を有効利用でき、明るい画像
を得ることができる。
【0027】また、前記透明層の高さは、前記自発光素
子の幅の3倍以下であることが望ましい。
【0028】つぎの発明による表示装置は、表面に複数
の自発光素子を設けた基板と、当該基板上に設けられ、
透明の微小粒子を混入した透明層とを備えたことを特徴
とする。
【0029】自発光素子の光は、透明層内の微小粒子で
反射を繰り返し、透明層から出射さされる。これによ
り、自発光素子の光を有効利用して、明るい画像を得る
ことができる。なお、上記同様、鏡面部分を有する自発
光素子を表面に複数設けた基板を用いた場合は、微小粒
子で反射した光が当該鏡面部分で反射し、透明層から出
射させることでリサイクルできる。これにより、更に光
を有効利用できるようになる。
【0030】つぎの発明による表示装置は、上記構成に
おいて、前記透明層内には、自発光素子と自発光素子と
の間に突起部が位置していることを特徴とする。突起部
を設けることで自発光素子の光が、隣接する自発光素子
の光と混合し難くなる。このため、画像の解像度を向上
できる。なお、突起部は自発光素子の間に位置していれ
ば十分で、基板に設けても或いは透明層に設けても良
い。
【0031】つぎの発明による表示装置は、表示装置の
画素を形成するEL素子等の自発光素子の外周に、当該
自発光素子の光を観察側に反射させる反射面を形成した
ことを特徴とする。
【0032】自発光素子で発生した光が正面および側方
周囲の全方向に進むため、自発光素子の外周に反射面を
形成すると、側方に進む光、特に従来から無駄になりや
すかった光を観察側に反射できる。なお、観察側は、表
示装置のユーザが観察する側である(以下同じ)。これ
により、自発光素子の光の利用効率が高まり、明るい画
像を得ることができる。ここで、自発光素子の外周の全
てに反射面を形成しても良いし、一部に形成しても良
い。また、反射面は、平面および曲面の何れでも良い。
自発光素子は、例えばアクティブ駆動のためにマトリッ
クス状に配置する他、特定の形状でスタティックに駆動
するような形状或いは配列であっても良い。
【0033】つぎの発明による表示装置は、上記構成に
おいて、更に、自発光素子の光が透過する透明媒体の界
面に対し、全反射を起こす臨界角を超えて入射する自発
光素子の光を前記反射面で反射し、この反射光を前記界
面に臨界角未満で入射させることを特徴とする。
【0034】一つの問題として自発光素子が表示装置と
して組み込まれると、何らかの透明媒体(ガラス等の透
明基板や透明保護膜等)の界面を通過して観察側に光を
出射することになる。また、自発光素子が全方向に光を
放つため、特に側方に進む光が界面で臨界角を超え、全
反射して外部に出られない場合がある。このため、反射
面では、臨界角を超えて界面に入射するような光を補足
して反射させることで、光を臨界角未満に修正し、全反
射させることなく外部に出射させるようにしている。こ
れにより、自発光素子の光をより有効利用できるように
なり、画像を明るくできるようになる。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、この発明につき図面を参照
しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこ
の発明が限定されるものではない。また、この実施の形
態の構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの或
いは実質的同一ものが含まれる。
【0036】(実施の形態1)図1は、この発明の実施
の形態1に係る有機ELパネルを示す構成図である。こ
の有機ELパネル100は、第一透明基板1上に画素と
なる有機EL素子2をマトリックス状に成膜し、この有
機EL素子2の有機発光膜上に第二透明基板3を配置
し、これらを透明接着剤(接着層4)により固着した構
造である。また、第二透明基板3の第一透明基板1との
対向面には、画素部分を除いて格子状にV溝5が形成さ
れており、V溝5の斜面には反射膜6が形成されてい
る。図2に、有機ELパネルの一部の拡大平面図を示
す。このように、V溝5により形成される夫々の格子毎
にR、G、Bの画素(2)が形成される。V溝5の反射
膜6は正面側から観察できる。
【0037】第一透明基板1および第二透明基板3の材
料には、ガラス板やポリマー板を用いることができる。
ガラスとしては、石英ガラス、青板ガラス、硼酸塩ガラ
ス、燐酸塩ガラス、燐硅酸ガラス、硅酸塩ガラス等を用
いることができる。また、ポリマー板としては、ポリカ
ーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテ
ルスルホン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート等
を用いることができる。
【0038】第二透明基板3のV溝5は、所定の型を用
いた転写や機械加工により形成する。また、V溝5は第
二透明基板3の表面を除去加工する他、溝と溝との間に
形作られる台形部分7(図中点線で表す)をインクジェ
ットや型転写により形成するようにしても良い。V溝5
に形成した反射膜6は、陰極に用いる鏡面性の金属電極
と同じ材料を用いて成形することができる。反射膜6
は、第二透明基板3の一面に蒸着法等により所定材料を
コーティングし、その後、画素(2)となる部分をエッ
チングにより除去し、マトリックス状のV溝5の内面を
覆う反射膜6とする。
【0039】第二透明基板3にV溝5を形成するのは、
第一透明基板1に高価なガラス板を用いる場合にV溝を
形成すると、加工不良が生じることで歩留まりが低下す
るからである。しかしながら、以下に開示するが、第一
透明基板1にV溝を形成することを発明から除くもので
はない。
【0040】次に、有機ELパネル100の構成要素の
材料を示す(以降、原則的には同じ部材には同じ材料が
用いられる)。有機EL素子2は、透明電極、有機発光
層、金属電極を順次積層した構造であり、その積層法と
しては、抵抗加熱真空蒸着法、電子ビーム加熱真空蒸着
法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、キャ
スト法、スピンコート法等を適宜用いることができる。
まず、透明電極(陽極)となるITO膜をスパッタリン
グ法により成膜した後、この基板を超音波洗浄、純水洗
浄する。洗浄後の基板を市販の真空蒸着装置のホルダー
に固定し、所定減圧下および蒸着速度においてTPD
(N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス−(3−メチ
ルフェニル)−[1,1′−ビフェニル]−4,4′−
ジアミン)をITO膜上に堆積させ、正孔輸送層を成膜
する。
【0041】続いて、正孔輸送層が成膜された基板を真
空チャンバーに入れたまま、正孔輸送層上に有機発光層
の成膜を行う。有機発光層の成膜は、Alqを所定蒸着
速度で正孔輸送層上に堆積させることで行う。次に、加
熱ボードにマグネシウムおよびインジウムを入れて加熱
することで所定蒸着速度で蒸発させ、マグネシウムとイ
ンジウムとの混合金属からなる金属電極(陰極)を有機
発光層上に形成する。
【0042】透明電極の材料としては、仕事関数が大き
く且つ所望の透明性電極(透明導電膜)が得られる金
属、合金、電気伝導性化合物、またはこれらの混合物を
用いることができ、具体的にはAu等の金属、ITO、
SnO2 、ZnO等の誘電性透明材料を適宜用いること
ができる。また、金属電極の材料としては、仕事関数の
小さい金属、合金、電気伝導性化合物、またはこれらの
混合物を用いることができ、具体的には、ナトリウム、
マグネシウム、リチウム、マグネシウムと銀との合金ま
たは混合金属、インジウム、希土類金属等を挙げること
ができる。
【0043】有機発光層の材料としては、ベンゾチアゾ
ール系、ベンゾイミダゾール系、ベンゾオキサゾール系
等の系の蛍光増白剤、金属キレート化オキシノイド化合
物、スチリルベンゼン系化合物、ジスチリルピラジン誘
導体、芳香族ジメチリジン化合物等を用いることができ
る。
【0044】また、有機発光層は、有機発光材料のみで
構成する他に、有機発光材料と正孔輸送材料、電子注入
材料との混合物から構成しても良い。この場合、有機発
光層の材料としては、ビスフェノールA、ポリカーボネ
ート(PC)、ポリメチルメタクリレート等のポリマー
中にクマリン等の有機発光材料を少量分散させた分子分
散ポリマー系、ポリカーボネート骨格中にジスチリルベ
ンゼン誘導体を入れたポリフェニレンビニル(PPV)
誘導体系、ポリマー系、ポリアルキルフルオレン(PA
F)誘導体系、ポリアルキルチオフェン(PAT)誘導
体系、ポリアリレン(PA)誘導体系、ポリフェニレン
(PP)誘導体系等の共役ポリマー中や、或いは正孔輸
送性のポリビニルカルバゾール中に電子注入性のオキサ
ジアゾール系誘導体を分散させた系を適宜用いることが
できる。
【0045】正孔輸送層の材料としては、トリアゾール
誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、ポリアリールアル
カン誘導体、ピラゾリン誘導体、フェニレンジアミン誘
導体、アニリン系共重合体、オキサジアゾール誘導体、
イミダゾール誘導体、アリールアミン誘導体、ポリシラ
ン系化合物、ピラゾロン誘導体、オキサゾール誘導体、
スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、シ
ラザン誘導体、チオフェンオリゴマー等の特定の導電性
高分子オリゴマー等を用いることができる。
【0046】また、上記有機EL素子2には電子注入層
を設ける場合があり、その電子注入層の材料としては、
ジフェニルキノン誘導体、ニトロ置換フルオレノン誘導
体、チオピランジオキシド誘導体、アントラキノジメタ
ン誘導体、ナフタレンペリレン等の複素環テトラカルボ
ン酸無水物、カルボジイミド、オキサジアゾール誘導
体、アントロン誘導体、フレオレニリデンメタン誘導
体、アントラキノジメタン誘導体、8−キノリノール誘
導体、その他特定の電子伝達性化合物等を用いることが
できる。
【0047】透明層4の材料には、8−キノリノールま
たはその誘導体の金属錯体、例えばトリス(8−キノリ
ノール)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリ
ラート)アルミニウムオキシド、ビス(2−メチル−8
−キノリノール)ベリリウム、ビス(8−キノリノー
ル)マグネシウム、ビス(ベンゾ−8−キノリノール)
亜鉛、トリス(8−キノリノール)インジウム、トリス
(5−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、ビス
(5−クロロ−8−キノリノール)カルシウム、トリス
(5,7−ジクロル−8−キノリノール)アルミニウ
ム、トリス(5,7−ジブロモ−8−ヒドロキシキノリ
ノール)アルミニウム、8−キノリノールリチウム、ト
リス(5−クロロ−8−キノリノール)ガリウム、ビス
(2−メチル−8−キノリノール)亜鉛、トリス(7−
プロピル−8−キノリノール)アルミニウム、ビス(8
−キノリノール)スズ等を用いることができる。
【0048】次に、この有機ELパネル100の動作に
ついて説明する。図3は、有機ELパネル100の一部
拡大図である。有機EL素子2は自発光素子であるた
め、発生した光Lが正面および側方の全方向に拡散す
る。正面に出射された光Lfは、極薄の接着層4を透過
し、第二透明基板3内に進入する。第二透明基板3内を
正面方向に進行する光Lfは、殆ど反射光を生じさせず
に第二透明基板3から観察側に出射される。また、第二
透明基板3内の側方に進む光LsはV溝5の反射膜6で
反射し、この反射光Lrが第二透明基板3の表面で屈折
して出射される。一方、従来のように有機EL素子2で
構成する画素間にV溝5を形成しない場合、同図の点線
で示す方向に光Leが進み、第二透明基板3の表面(空
気との界面)で全反射して第二透明基板3内に閉じ込め
られることになる。
【0049】以上から、第二透明基板3内を側方に進行
する光LsをV溝5の反射膜6で反射させ、第二透明基
板3の表面から観察側に出射させることで、光の利用効
率を著しく向上できる。また、V溝5が画素となる有機
EL素子2の外周に配置されることで、正面から見た場
合に有機EL素子2の虚像ができ、見かけ上、発光部の
面積率が向上したように見える。一方、通常の有機EL
パネルの発光面積率が60%程度であるのに対し、この
有機ELパネル100の発光面積率は100%近くにま
で向上するため、極めて明るい画像が得られる。更に、
画素(2)の境目の黒い部分がなくなるため、表示した
画像がきめこまやかになる。また、画素(2)の境目の
黒い部分は、画素間部分が鏡面性であるため反射を起こ
して観察時に邪魔になっていたが、V溝5の反射膜6に
より鏡面反射が発生し難くなる。
【0050】上記V溝5の勾配角度θは、一般的には2
0°以上80°以下とするのが好ましい。より好ましく
は、所定角度を持った反射膜6による反射光Lrが第二
透明基板3の表面で全反射を起こさないようにその臨界
角を考慮に入れて角度θを設定する。また、V溝5の寸
法(幅および高さ)については、有機EL素子2から側
方に進む光Lsを反射して、第二透明基板3の表面に臨
界角未満で入射するような寸法であることが望ましい。
具体的には、画素サイズや第二透明基板3の厚さ等によ
り異なるので、好ましい寸法を計算して設計する必要が
ある。また、V溝5の形状は左右対象である必要はな
く、一方側の斜面が大きくても良い。更に、V溝5のよ
うに斜面を有する形状であれば、溝形状はV字形に限定
されない。例えば台形であっても良い。
【0051】更に、側方に進む光Lの殆どを第二透明基
板3の表面に対して、略垂直に反射させる形状としても
良い。図4は、上記有機ELパネルの変形例を示す断面
図である。この有機ELパネル101は、第一透明基板
1上であって有機EL素子2の外周に斜面が湾曲した山
形突起8を有する。この山形突起8の表面には反射膜9
が形成されており、対向する山形突起8同士でライト等
のリフレクターとして機能させることができる。山形突
起8が金属であるときにはそれ自体が反射面となるお
で、反射膜9は不要である。
【0052】この山形突起8は、有機EL素子2から側
方に進む光Lsを正面方向に平行な光Lpとする。これ
により、第二透明基板3表面における反射を著しく低減
させ、光の利用効率を向上できる。湾曲斜面の曲率半径
は、有機EL素子2の中心を点光源と考え、側方に進む
光Lsが反射して正面方向に進むことが可能な範囲で適
宜決定する。
【0053】図5は、上記有機ELパネルの変形例を示
す断面図である。この有機ELパネル102は、第一透
明基板1と第二透明基板3との間に透明の接着層4がな
く、両基板の周囲に設けたシール10により内部が密封
されており、この内部に窒素ガス、ヘリウムガス、アル
ゴンガス等の不活性ガス11を充填した構造である。シ
ール10は、第一透明基板1と第二透明基板3との周囲
に設けても良いし、画素である有機EL素子2を避けて
格子状に設けても良い。シール10には、従来公知であ
る液晶パネルの封止材等を用いることができる。
【0054】有機EL素子2で発生した光は、第二透明
基板3の入口でいったん屈折するため、出口では全反射
が起こらず効率が良い。上記有機ELパネル100と同
様の経路により第二透明基板3から出射される。この有
機ELパネル102では上記のような接着層4がないた
め、接着層4と第一透明基板1や有機EL素2子等との
密着性が問題にならない。接着層4との間にできる隙間
は、出射光の乱反射等を起こして画像に影響を与えてし
まうからである。また、不活性ガスは、有機EL素子が
空気に曝されるのが好ましくないために充填したもので
あり、これにより劣化を起こすことなく初期性能を維持
できる。また、反射面により正面輝度が向上する。
【0055】また、図6は、有機ELパネルの別の変形
例を示す断面図である。同図に示す有機ELパネル10
3では、第一透明基板1上に有機EL素子2をマトリッ
クス状に設け、当該有機EL素子2からなる画素を避け
るように格子状の山形突起12を設けている。この山形
突起12は断面が三角形であり且つその表面には反射膜
が形成されるか、或いは山形突起が金属であるときには
それ自体が反射面となる。山形突起12はアルミニウ
ム、チタン等の材料からなり、所定型による転写、エッ
チング、プリンタ技術の応用であるインクジェットによ
り形成される。山形突起12の斜面に対する反射膜の形
成は、各種蒸着法、各種CVD法等により行われる。な
お、山形突起12自体がアルミニウムからなる場合、山
形突起12の斜面が反射面となるので、上記有機ELパ
ネル2のように反射膜6の形成工程が不要である。
【0056】山形突起12の形成後、有機EL素子2の
上面に透明の保護層13を形成する。この保護層13
は、抵抗加熱真空蒸着法、高周波誘導加熱真空蒸着、電
子ビーム加熱真空蒸着法、蒸着重合法、プラズマ蒸着
法、クラスターイオンビーム法、MBE(分子線エピタ
キシ)法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法
(高周波励起イオンプレーティング法)、スパッタリン
グ法、キャスト法、スピンコート法、反応性スパッタリ
ング法、プラズマCVD法、熱CVD法、レーザーCV
D法等を用いて形成できる。
【0057】保護層13の材料としては、テトラフルオ
ロエチレンと少なくとも1種のコモノマーとを含むモノ
マー混合物を共重合させて得られる共重合体、環状構造
を有する含フッ素共重合体、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリメチルメタクリレート、ポリイミド、ポリユ
リア、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフ
ルオロエチレン、ポリジクロロジフルオロエチレン、ク
ロロトリフルオロエチレンとジクロロジフルオロエチレ
ンとの共重合体、吸水率1%以上の吸水性物質および吸
水率0.1%以下の防湿性物質等を用いることができ
る。
【0058】係る構成における光の進路は、上記図1に
示した構成の場合と略同じであり、これにより光の利用
効率を高めて、明るい画像を提供できる。また、図7に
示す有機ELパネル104のように、第一透明基板1上
に有機EL素子2をマトリックス状に設けると共に当該
有機EL素子2からなる画素を避けるように格子状の山
形突起12を設け、且つ第二透明基板14を透明な接着
層15を介して固着するようにしても良い。山形突起1
2の斜面には同様に反射面を設ける。接着層15の材料
は、上記同様、トリス(8−キノリノール)アルミニウ
ム等である。係る構成においても、光の利用効率を高め
て、明るい画像を提供できる。
【0059】(実施の形態2)図8は、この発明の実施
の形態2に係る有機ELパネルを示す断面図である。こ
の有機ELパネル200は第一透明基板21側から光を
出射するものであり、第一透明基板21に格子状のV溝
22を形成し、このV溝22の斜面に反射膜23をコー
ティングしたものである。格子状に形成したV溝22間
の画素領域には、マトリックス状に有機EL素子2が設
けられている。更に、有機EL素子2の上には透明の保
護層24が積層形成されている。
【0060】有機EL素子2から発生した光は、正面方
向および側方に進むが、この正面方向に進む光Lfは第
一透明基板21から出射され、側方に進む光LsはV溝
22の反射膜23で反射し、その反射光Lrが第一透明
基板21の表面で全反射することなく出射される。これ
により、光の利用効率が向上して明るい画像を得ること
ができる。また、係る構成は、構造が簡単であるから製
造が容易である。なお、V溝22の斜面を図4に示すよ
うな湾曲面としても良い。
【0061】(実施の形態3)図9は、この発明の実施
の形態3に係る有機ELパネルを示す断面図である。こ
の有機ELパネル300は、透明基板31上に有機EL
素子2をマトリックス状に形成し、この有機EL素子2
上に保護層32を形成すると共に、この保護層32の表
面をシリンダー形状のマイクロレンズ33に成形した構
造である。マイクロレンズ33は、透明基板31上に保
護膜を塗布した状態で所定の金型を押し当て、硬化した
後に剥離するようにして形成する。或いは、保護膜を塗
布硬化させた後、熱により型転写を行うようにしても良
い。
【0062】シリンダー状のマイクロレンズ33は、図
10に示すように、R、G、Bの形成方向(図中x方
向)の混色より(1つの画素P中ではR,G,Bが混色
したほうがよい)、当該方向に直交する方向(図中y方
向)の混色を低減する必要があり、このためシリンダー
軸の方向(図中符号34で示す)がx方向と平行になる
ように形成する。有機EL素子2で発生した光Lは、図
9に示す有機ELパネル301のように、マイクロレン
ズ33の表面で屈折して正面方向に進むようになる。こ
のため、有機EL素子2で発生した光の利用効率が向上
する。
【0063】また、マイクロレンズ33間に、図11に
示すような切込部34を設けても良い。この切込部34
により、有機EL素子2の光Lが、隣接する有機EL素
子2のレンズに入って混色を起こすのを防止できる。更
に、切込部34を設けることで、有機ELパネル301
を湾曲させたときに、当該切込部34が開くので全体的
に曲げやすくなる。
【0064】また、図12に示す有機ELパネル302
のように、マイクロレンズ33間に遮光用の突起部35
を形成して、混色を防止するようにしても良い。突起部
35は、エッチングやインクジェットにより画素を囲む
ようにして格子状に形成する。このようにすれば、隣接
するマイクロレンズ33に光Lが漏れ難くなるので、混
色が防止され、鮮明が画像が得られるようになる。マイ
クロレンズは、シリンダー形状に限定されない。例えば
一方向(前記シリンダー軸方向と同じ方向)で同一階段
形状のフレネルレンズ形状等であっても良い。
【0065】なお、上記保護層の高さhは、図中y方向
の混色を防止するため、有機EL素子2の幅dの3倍以
下とするのが好ましい(図9参照)。また、保護層32
の高さhを、有機EL素子2の幅dの2倍以下にする
と、混色を更に防止できる。
【0066】(実施の形態4)図13は、この発明の実
施の形態4に係る有機ELパネルを示す構成図である。
この有機ELパネル400では、透明基板41に有機E
L素子2を形成し、その上に保護膜42を塗布すると共
に型を押し当て、一方向に複数のプリズム43を形成し
た構造である。このプリズム43の形状は上記マイクロ
レンズ33のように有機EL素子2毎に対応しているも
のではなく、その一つの幅43dが有機EL素子2の幅
dよりも小さく、多数形成されている。このため、個々
の有機EL素子2との位置関係を規定する必要がなく、
製造しやすい。
【0067】有機EL素子2で発生した光Lは、プリズ
ム43の斜面で屈折して正面方向に出射される。また、
斜面で反射した光Lrは、有機EL素子2の鏡面性の金
属電極により再び反射し、同様にプリズム43の斜面で
屈折して出射される。これにより、反射光Lrがリサイ
クルされて光の利用効率が向上し、明るい画面を得るこ
とができる。なお、プリズム43の形成方向は、マトリ
ックス状に形成した有機EL素子の直交2軸方向と平行
である必要はなく、自由に設定できる。
【0068】(実施の形態5)図14は、この発明の実
施の形態5に係る有機ELパネルを示す構成図である。
この有機ELパネル500は、透明基板51上に有機E
L素子2をマトリックス状に配置し、この上から保護膜
52を塗布すると共に、当該保護膜52中にエポキシ系
の透明粒子53(またはファイバー)を混ぜた構成であ
る。粒子径は、数μm〜数十μm程度とするのが好まし
い。また、透明粒子53の間隔は、有機EL素子2の幅
より小さくするのが好ましい。透明粒子53を混合する
ことで保護膜52の表面がランダムな凹凸形状となる。
【0069】有機EL素子2で発生した光Lは、透明粒
子53の表面で乱反射すると共に凹凸形状の保護膜表面
で屈折して出射される。また、保護膜52の表面で反射
した光Lrは、再び透明粒子53の表面や鏡面性の金属
電極で反射し、保護膜52の表面から出射される。これ
により、光の利用効率が向上して、明るい画面を得るこ
とができる。
【0070】また、図15に示す有機ELパネル501
のように、有機EL素子2間に仕切部54を設けても良
い。仕切部54は、エッチングやインクジェットにより
形成する。仕切部54を設けることで、有機EL素子2
の光が隣接する有機EL素子2の光と混合しなくなる。
これにより、高解像度の画像を得ることができる。
【0071】以上の実施の形態では、自発光素子の例と
して有機EL素子を挙げて説明したが、有機EL素子以
外の自発光素子、例えば無機EL素子等で表示装置を構
成する場合も上記同様に反射する斜面を形成すること
で、光の利用効率を向上させることができる。
【0072】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の表示装
置では、表面に複数の自発光素子を設けた第一基板と、
第一基板と重ねて配置される共に、第一基板との対向面
であって自発光素子の外周に斜面を有する溝を形成し、
この斜面に自発光素子の光を反射する反射膜を形成した
透明の第二基板と、第一基板と第二基板との間に介在す
る透明媒質とを備えたので、自発光素子の光を第二基板
に閉じ込めることなく出射できるので、光の利用効率が
向上して、画像を明るくできる。
【0073】また、この発明の表示装置では、表面に複
数の自発光素子を設けると共に当該自発光素子の外周に
自発光素子の光を反射する斜面を有する突起を形成した
第一基板と、第一基板と重ねて配置され且つ透明な第二
基板と、第一基板と第二基板との間に介在する透明媒質
とを備えたので、光の利用効率が向上して、画像を明る
くできる。
【0074】また、この発明の表示装置では、透明媒質
に、窒素やアルゴン等の不活性ガスを用いることで、出
口における全反射が起こらず、正面輝度も向上する。ま
た、表示装置の寿命を延ばし、更に光の利用効率を向上
できる。
【0075】また、この発明の表示装置では、表面に複
数の自発光素子を設けると共に当該自発光素子の外周に
自発光素子の光を観察側に反射する斜面を有する突起を
形成した透明基板と、この透明基板上に形成した透明層
とを備えたので、自発光素子の光が有効利用されて、画
像を明るくできる。
【0076】また、この発明の表示装置では、表面に複
数の自発光素子を設けると共に当該自発光素子の外周に
自発光素子の光を反射する斜面を有する溝を形成した透
明基板と、透明基板上に形成した保護層とを備えたの
で、自発光素子の光を有効利用して、画像を明るくでき
る。
【0077】また、この発明の表示装置では、溝または
突起の斜面が湾曲形状をしているので、自発光素子の光
の利用効率が更に向上する。また、前記溝または突起の
斜面の角度が20°以上80°以下である場合に、有効
な光の利用が可能となる。
【0078】また、この発明の表示装置では、表面に複
数の自発光素子を設けた基板と、当該基板上に設けら
れ、上面が一方向で略同じ断面形状となる複数のレンズ
構造であり、各レンズが自発光素子に対応して設けられ
ている透明層とを備えたので、自発光素子の光を有効利
用し、明るい画像を得ることができる。
【0079】また、この発明の表示装置では、表面に複
数の自発光素子を設けた基板と、当該基板上に設けら
れ、その上面にシリンダー状の複数のレンズ構造を形成
し、各レンズが自発光素子に対応して設けられていると
共に前記シリンダー状のレンズとレンズの間に切込部が
設けられている透明層とを備えたので、自発光素子の光
が有効利用され、明るい画像を得ることができる。ま
た、隣の自発光素子の光と混合し難くなり、画像を鮮明
にできる。
【0080】また、この発明の表示装置では、レンズ構
造を、自発光素子同士の混色を避けたい方向と直交する
方向に設けるので、画像の解像度を低下させることな
く、自発光素子の光を有効利用できる。
【0081】また、この発明の表示装置では、鏡面部分
を有する自発光素子を表面に複数設けた基板と、当該基
板上に設けられ、上面が複数のプリズム構造になってい
る透明層とを備えたので、自発光素子の光を有効利用で
き、且つ再利用できる。このため、明るい画像を得るこ
とができる。また、前記透明層の高さを、前記自発光素
子の幅の3倍以下とすることで、好ましい結果を得るこ
とができる。
【0082】また、この発明の表示装置は、表面に複数
の自発光素子を設けた基板と、当該基板上に設けられ、
透明の微小粒子を混入した透明層とを備えたので、自発
光素子の光を有効利用して、明るい画像を得ることがで
きる。
【0083】また、この発明の表示装置では、透明層内
の自発光素子と自発光素子との間に突起部が位置してい
るので、隣接する自発光素子の光と混合し難くなるか
ら、画像の解像度を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1に係る有機ELパネル
を示す構成図である。
【図2】図1に示した有機ELパネルの一部の拡大平面
図である。
【図3】図1に示した有機ELパネルの一部拡大図であ
る。
【図4】有機ELパネルの変形例を示す断面図である。
【図5】有機ELパネルの変形例を示す断面図である。
【図6】有機ELパネルの別の変形例を示す断面図であ
る。
【図7】有機ELパネルの別の変形例を示す断面図であ
る。
【図8】この発明の実施の形態2に係る有機ELパネル
を示す断面図である。
【図9】この発明の実施の形態3に係る有機ELパネル
を示す断面図である。
【図10】R,G,Bとレンズとの関係を示す説明図で
ある。
【図11】図9に示した有機ELパネルの変形例を示す
断面図である。
【図12】図9に示した有機ELパネルの変形例を示す
断面図である。
【図13】この発明の実施の形態4に係る有機ELパネ
ルを示す構成図である。
【図14】この発明の実施の形態5に係る有機ELパネ
ルを示す構成図である。
【図15】図14に示した有機ELパネルの変形例を示
す断面図である。
【符号の説明】
100 有機ELパネル 1 第一透明基板 2 有機EL素子 3 第二透明基板 4 接着層 5 V溝 6 反射膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野島 重男 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 (72)発明者 ▲関▼ 秀也 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 (72)発明者 内川 大介 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 Fターム(参考) 3K007 AB03 AB11 AB13 AB17 BB06 DB03 FA02 5G435 AA03 BB05 CC09 DD11 FF03 GG03 GG06 HH20 LL06 LL07 LL08

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に複数の自発光素子を設けた第一基
    板と、 第一基板と重ねて配置される共に、第一基板との対向面
    であって自発光素子の外周に斜面を有する溝を形成し、
    この斜面に自発光素子の光を観察側に反射する反射膜を
    形成した透明の第二基板と、 第一基板と第二基板との間に介在する透明媒質と、を備
    えたことを特徴とする表示装置。
  2. 【請求項2】 表面に複数の自発光素子を設けると共に
    当該自発光素子の外周に自発光素子の光を観察側に反射
    する斜面を有する突起を形成した第一基板と、 第一基板と重ねて配置され且つ透明な第二基板と、 第一基板と第二基板との間に介在する透明媒質と、を備
    えたことを特徴とする表示装置。
  3. 【請求項3】 前記透明媒質は、窒素やアルゴン等の不
    活性ガスであることを特徴とする請求項1または2に記
    載の表示装置。
  4. 【請求項4】 表面に複数の自発光素子を設けると共に
    当該自発光素子の外周に自発光素子の光を観察側に反射
    する斜面を有する突起を形成した透明基板と、 この透明基板上に形成した透明層と、を備えたことを特
    徴とする表示装置。
  5. 【請求項5】 表面に複数の自発光素子を設けると共に
    当該自発光素子の外周に自発光素子の光を反射する斜面
    を有する溝を形成した透明基板と、 透明基板上に形成した保護層と、を備えたことを特徴と
    する表示装置。
  6. 【請求項6】 前記溝または突起の斜面が湾曲形状をし
    ていることを特徴とする1〜5のいずれか一つに記載の
    表示装置。
  7. 【請求項7】 前記溝または突起の斜面の角度が、20
    °以上80°以下であることを特徴とする請求項1〜6
    のいずれか一つに記載の表示装置。
  8. 【請求項8】 表面に複数の自発光素子を設けた基板
    と、 当該基板上に設けられ、上面が一方向で略同じ断面形状
    となる複数のレンズ構造であり、各レンズが自発光素子
    に対応して設けられている透明層と、を備えたことを特
    徴とする表示装置。
  9. 【請求項9】 表面に複数の自発光素子を設けた基板
    と、 当該基板上に設けられ、その上面にシリンダー状の複数
    のレンズ構造を形成し、各レンズが自発光素子に対応し
    て設けられていると共に前記シリンダー状のレンズとレ
    ンズの間に切込部が設けられている透明層と、を備えた
    ことを特徴とする表示装置。
  10. 【請求項10】 更に、前記レンズ構造は、自発光素子
    同士の混色を避けたい方向と直交する方向に設けること
    を特徴とする請求項8または9に記載の表示装置。
  11. 【請求項11】 鏡面部分を有する自発光素子を表面に
    複数設けた基板と、 当該基板上に設けられ、上面が複数のプリズム構造にな
    っている透明層と、を備えたことを特徴とする表示装
    置。
  12. 【請求項12】 前記透明層の高さは、前記自発光素子
    の幅の3倍以下であることを特徴とする請求項8〜11
    のいずれか一つに記載の表示装置。
  13. 【請求項13】 表面に複数の自発光素子を設けた基板
    と、 当該基板上に設けられ、透明の微小粒子を混入した透明
    層と、を備えたことを特徴とする表示装置。
  14. 【請求項14】 前記透明層内には、自発光素子と自発
    光素子との間に突起部が位置していることを特徴とする
    請求項8〜13のいずれか一つに記載の表示装置。
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