JP2003279684A - 耐圧部材の応力腐食割れ防止方法及び設計支援装置、耐圧部材を含むプラントの運転支援装置 - Google Patents

耐圧部材の応力腐食割れ防止方法及び設計支援装置、耐圧部材を含むプラントの運転支援装置

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JP2003279684A
JP2003279684A JP2002083422A JP2002083422A JP2003279684A JP 2003279684 A JP2003279684 A JP 2003279684A JP 2002083422 A JP2002083422 A JP 2002083422A JP 2002083422 A JP2002083422 A JP 2002083422A JP 2003279684 A JP2003279684 A JP 2003279684A
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resistance
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polarization
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Yasoji Tsukagami
八十治 塚上
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Mitsubishi Power Ltd
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Babcock Hitachi KK
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 応力腐食割れの発生及び進展が防止できる耐
圧部材の応力腐食割れ防止方法を提供する。 【解決手段】 金属材料からなり塩化物の湿潤環境下に
ある耐圧部材の応力腐食割れ防止方法において、耐圧部
材を構成する部品に関する設計データを入力し、その設
計データに基づいて式(1)により限界値KISCCを求
め、限界値KISCC以下になるように各部品を設計する。 こゝで、 A0 :設計温度に対応する定数 Rap:亀裂先端の金属が溶解するときの分極抵抗 Rc1:亀裂先端から亀裂外表面までの溶解鉄イオンによ
る溶液抵抗と亀裂外表面のカソードの分極に対する抵抗
の和 Rc2:亀裂先端から亀裂内表面までの加水分解により生
じた水素イオンに関する溶液抵抗と亀裂内表面のカソー
ドの分極に対する抵抗の和 ω:加水分解反応の平衡定数,亀裂内部のフリーな塩化
物イオン濃度、等により決める値。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば海水などの
塩化物の湿潤環境下にある火力発電設備あるいは他の各
種化学工業プラントなどに係り、特に耐圧部材の応力腐
食割れ防止方法及び応力腐食割れ防止設計支援装置、耐
圧部材を含むプラントの運転支援装置に関する。
【0002】
【従来の技術】応力腐食割れは環境、応力及び材料の3
要素が特殊に組合わさって発生、進展する。この要素の
一つでも欠けたら応力腐食割れは発生しない。従来の技
術では、主として応力腐食割れが発生するであろう対象
部位に作用する応力を減少させる手段を講じたり、材料
表面を耐食性材料でコーティングしたり、レーザービー
ムの照射で表層部を改質することで応力腐食割れの発生
を防止してきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前述のように従来技術
では、応力腐食割れを防止するために、対象部位に作用
する応力(作用応力)を減少させる手段が採られてい
た。この方法は構造を変更、改良することで可能であっ
たが、応力腐食割れを発生させない限界の作用応力ある
いは応力拡大係数を求めるには、これらが温度、塩化物
濃度、材質、溶液抵抗、分極抵抗、イオンの移動度など
の関数であるため、設計条件の異なる多数の部分の限界
応力あるいは限界の応力拡大係数を正確かつ短期間に把
握することは困難であった。
【0004】また材料表面を耐食性材料でコーティング
したり、レーザービームの照射で表層部を改質したとし
ても、経年的にこれらコーティングあるいは表層部は部
分的に剥離し、そこにノッチを形成することになり、か
えって応力腐食割れの発生及び進展を促進することにな
る。
【0005】本発明の第1の目的は、このような従来技
術の欠点を解消し、正確かつ簡単に応力腐食割れの発生
及び進展が防止できる耐圧部材の応力腐食割れ防止方法
を提供することにある。
【0006】本発明の第2の目的は、このような従来技
術の欠点を解消し、応力腐食割れ防止の設計支援が正確
かつ簡単にできる設計支援装置を提供することにある。
【0007】本発明の第3の目的は、このような従来技
術の欠点を解消し、応力腐食割れの発生及び進展が防止
できる耐圧部材を含むプラントの運転支援装置を提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記第1の目的を達成す
るため、第1の本発明は、例えばステンレス鋼などの金
属材料からなり例えば海水などの塩化物の湿潤環境下に
ある耐圧部材の応力腐食割れ防止方法において、前記耐
圧部材を構成する部品に関する設計データを入力し、そ
の設計データに基づいて下記の式(3)と式(4)によ
り限界値KISCCを求めて、その限界値KISCC以下になる
ように各部品を設計することを特徴とするものである。
【0009】
【数3】 ここで、
【数4】 前記式(3)において、 A0 :設計温度に対応する定数 Rap:亀裂先端の金属が溶解するときの分極抵抗 Rc1:亀裂先端から亀裂外表面までの溶解鉄イオンによ
る溶液抵抗と亀裂外表面のカソードの分極に対する抵抗
の和 Rc2:亀裂先端から亀裂内表面までの加水分解により生
じた水素イオンに関する溶液抵抗と亀裂内表面のカソー
ドの分極に対する抵抗の和 前記式(4)において、 CCl- :亀裂内部のフリーな塩化物イオン濃度 K :加水分解反応の平衡定数 Ea :亀裂先端の金属と溶液間の電極電位 ECl- :亀裂表面とバルク溶液間の溶存酸素に関する電
極電位 EC2 :亀裂内表面と溶液間の水素イオンに関する電極
電位 ΛH+ :水素イオンに対する当量イオン伝導度 ΛFe2+:鉄イオンに対する当量イオン伝導度 Rc10s:カソードの分極に対応する抵抗分 Ras :溶液抵抗分 Rc2s :カソードの分極に対応する抵抗分 Ra :溶液抵抗分 前記第2の目的を達成するため、第2の本発明は、金属
材料からなり塩化物の湿潤環境下にある耐圧部材の設計
を支援する耐圧部材の応力腐食割れ防止設計支援装置に
おいて、前記耐圧部材を構成する部品に関する設計デー
タを入力する入力手段と、その入力手段により入力され
た設計データに基づいて前記式(3)と式(4)により
限界値KISCCを演算する演算手段と、その演算手段によ
り演算された限界値KISCCを表示または(ならびに)記
録する手段を有していることを特徴とするものである。
【0010】前記第3の目的を達成するため、第3の本
発明は、金属材料からなり塩化物の湿潤環境下にある耐
圧部材を含むプラントの運転支援装置において、前記耐
圧部材を構成する部品に関する設計データを入力する入
力手段と、その入力手段により入力された設計データに
基づいて前記式(3)と式(4)により限界値KISCC
演算するとともに前記部品の設計上の作用応力あるいは
応力拡大係数を演算する演算手段と、前記限界値KISCC
と設計上の作用応力あるいは応力拡大係数を比較する比
較手段と、その比較結果、設計上の作用応力あるいは応
力拡大係数が限界値KISCCを超えていると部品構造の改
良あるいは耐圧部材に対する圧力を低減するように指示
する表示手段を有していることを特徴とするものであ
る。
【0011】
【発明の実施の形態】塩化物環境下における応力腐食割
れを発生させない作用応力あるいは応力拡大係数の限界
値は理論的な定量式で求められる。
【0012】この定量式には環境としての温度、塩化物
濃度、材質、溶液抵抗、分極抵抗、イオンの移動度及び
溶液の平衡定数、並びに材質の分極に対する電位差等の
実態に対応した多くの因子が含まれ、異なる温度に対し
ても適用可能である。従って、これらの因子に設計条件
に従った値をインプットすることにより、精度の高い作
用応力あるいは応力拡大係数の限界値を計算で求めるこ
とができ、応力腐食割れの生じない構造設計を行なうこ
とが可能となる。
【0013】応力腐食割れに基因する亀裂進展速度da
/dtは下式(1)で表せられる。 da/dt=A×KI n (1) ここでaは亀裂の深さ、tは時間、KI は亀裂先端での
応力拡大係数、A,nは定数である。KI 値が、使用環
境と使用材料の材質により決まるある限界値K ISCC(下
限応力拡大係数)以下の場合は応力腐食割れは進展しな
い。また、KI値と部品の外部に作用している作用応力
σとの間には下式(2)の関係がある。
【0014】 KI =kσ(a)0.5 (2) ここでkは部品の形状で決まる定数である。KISCCの値
は、例えば塩化物環境下での18−8オーステナイト系
ステンレス鋼で約3MPa・m0.5 である。K ISCCの値
が分かれば、前記式(2)により作用応力σが求められ
る。
【0015】KISCCの値は理論的考察より多くの環境パ
ラメータを含んだ以下の式(3)で表せられることを見
出し、本発明に至った。
【0016】
【数3】 ここで、
【数4】 式(3)においてA0 は設計温度に対応する定数、Rap
は亀裂先端の金属が溶解するときの分極抵抗であり、亀
裂先端の金属の過電圧と設定された環境のもとで仮定さ
れた電流密度と溶解面積から理論的に計算される。Rc1
は亀裂先端から亀裂外表面までの溶解鉄イオンによる溶
液抵抗と亀裂外表面のカソードの分極に対する抵抗の和
であり、理論的に計算される。Rc2は亀裂先端から亀裂
内表面までの加水分解により生じた水素イオンに関する
溶液抵抗と亀裂内表面のカソード(水素の還元)の分極
に対する抵抗の和であり、理論的に計算される。
【0017】式(4)において、CCl- は亀裂内部のフ
リーな塩化物イオン濃度、Kは加水分解反応の平衡定数
であり、環境が設定されれば理論的に求められる。C
CL- ×Kの値は、例えば常温の海水塩化物イオン環境下
にあるステンレス鋼ではその値は約1である。
【0018】Ea は亀裂先端の金属と溶液間の電極電位
で、設定された環境に対して理論的に計算される。E
Cl- は亀裂表面とバルク溶液間の溶存酸素に関する電極
電位で、Ea と同様に設定された環境に対して理論的に
計算される。EC2は亀裂内表面と溶液間の水素イオンに
関する電極電位で、設定された環境に対して理論的に計
算される。ΛH+は水素イオンに対する当量イオン伝導度
で、溶液環境が設定されれば理論的に計算される。Λ
Fe2+は鉄イオンに対する当量イオン伝導度で、溶液環境
が設定されれば理論的に計算される。Rc10s及びRas
前述の抵抗Rc1に関係し、Rc10sはカソードの分極に対
応する抵抗分、Rasは溶液抵抗分であり理論的に計算さ
れる。Ra 及びRc2s は前述の抵抗Rc2に関係し、R
c2s はカソードの分極に対応する抵抗分、Ra は溶液抵
抗分であり理論的に計算される。
【0019】以下、本発明の実施形態を図とともに説明
する。図1は本発明の実施形態に係る金属材料の応力腐
食割れを防止する方法を説明するための概略構成図、図
2はその応力腐食割れ防止方法を適用した耐圧部材の設
計支援装置のフローチャート、図3は前記応力腐食割れ
防止方法を適用した耐圧部材を含むプラントの運転支援
装置のフローチャートである。
【0020】ステンレス鋼などの金属材料からなる容器
1及び管台2の内側には、図1に示すように海水などの
塩化物を含む流体12が所定の圧力で流通しており、容
器1及び管台2は塩化物の湿潤環境下にあり、そのため
応力腐食割れ3は容器1及び管台2の接合部の内面コー
ナ部で局部応力の高い位置に発生し易い。
【0021】この応力腐食割れ3が発生するであろう対
象部位あるいは応力腐食割れ3の近傍には、応力腐食割
れ進展の限界値KISCCを計算したり、進展速度を計算す
るために温度センサー4、割れ沖合部の塩化物イオン濃
度計測のためのイオン濃度センサー5、割れ部近傍の鉄
イオンあるいは水素イオン伝導度計測のためのイオン伝
導度センサー6が挿入されている。各センサー4〜6は
リード線7により、検出部8に接続されている。
【0022】検出部8からの情報は、演算部9で作用応
力あるいは応力腐食割れ進展の限界値KISCCが計算さ
れ、その結果が表示部10のディスプレイ上に表示さ
れ、各センサー4〜6からの検出値ならびに演算された
情報は全て記録部11に記録される。記録部11として
は、ハードディスクなどの磁気ディスクあるいは光ディ
スクなどを使用した情報記録システムが用いられる。
【0023】図2は、プラント設計時に応力腐食割れの
進展に対する限界の作用応力あるいは応力拡大係数K
ISCCを算出し、各部品の構造設計に反映するデータを採
取する設計支援装置のフローチャートである。
【0024】まず、プラントの耐圧部材を構成する1つ
の部品iの設計データ(例えば部品の材料名、形状、大
きさ、環境下の設計温度、部品に作用する作用応力ある
いは内圧力、部品に接する流体の種類等)の読み込み
(S12)が開始される。部品iの設計データなどは、
図示していないが設計支援装置の操作部に設けられた所
定の入力キーによってインプットされる。
【0025】次に設計温度に対応する係数A0 (S1
3)、亀裂内部のフリーな塩化物イオン濃度CCl- (S
14)、加水分解反応の平衡定数K(S15)、亀裂先
端の金属が溶解するときの分極抵抗Rap、カソードの分
極に対応する抵抗分Rc10sならびにRc2s 、溶液抵抗分
as、Ra 、亀裂先端から亀裂外表面までの溶解鉄イオ
ンによる溶液抵抗と亀裂外表面のカソードの分極に対す
る抵抗の和Rc1、亀裂先端から亀裂内表面までの加水分
解により生じた水素イオンに関する溶液抵抗と亀裂内表
面のカソード(水素の還元)の分極に対する抵抗の和R
c2(S16)、水素イオンに対する当量イオン伝導度Λ
H+、鉄イオンに対する当量イオン伝導度Λ Fe2+(S1
7)、亀裂先端の金属と溶液間の電極電位Ea 、亀裂表
面とバルク溶液間の溶存酸素に関する電極電位ECl-
亀裂内表面と溶液間の水素イオンに関する電極電位EC2
(S18)がそれぞれ計算される。
【0026】そしてこれらのデータを用いて、前記理論
式(3),(4)による限界の作用応力あるいは応力拡
大係数の演算が行なわれる(S19)。次に、部品iに
対する設計上の作用応力あるいは応力拡大係数が、前記
計算された限界値以下になるように部品iの構造設計が
なされる(S20)。
【0027】部品iの構造設計が終了したならば、S1
2に戻り次の部品i+1に関する設計データの読み込み
が開始され(S12)、全ての部品に対してS12から
S20までのデータの読み込みと各種演算がなされる。
そして全ての部品の設計が終了すると、全部品の限界の
作用応力あるいは応力拡大係数の表示(S22)と記録
(S23)がなされる。
【0028】なお、設計段階でセンサーにより割れ沖合
部における塩化物イオン濃度及び鉄イオンあるいは水素
イオン伝導度を計測するのが困難な場合は、従来のデー
タあるいは文献データを用いることもできる。
【0029】図3は、運転時に応力腐食割れの進展に対
する限界の作用応力あるいは応力拡大係数KISCCを算出
し、各部品の構造設計に反映するデータを採取する耐圧
部材を含むプラントの運転支援装置のフローチャートで
ある。
【0030】まず、部品iの設計データ(例えば材料
名、形状、大きさ、設計温度、作用応力あるいは内圧
力、流体の種類等)の読み込み(S24)が開始され
る。ついで環境部の温度センサー4、イオン濃度センサ
ー5、イオン伝導度センサー6により温度、塩化物濃
度、イオン当量伝導度の実測データが読み込まれる(S
25)。
【0031】次に読み込まれた温度に対応する係数A0
(S26)、加水分解反応の平衡定数K(S27)、亀
裂先端の金属が溶解するときの分極抵抗Rap、カソード
の分極に対応する抵抗分Rc10sならびにRc2s 、溶液抵
抗分Ras、Ra 、亀裂先端から亀裂外表面までの溶解鉄
イオンによる溶液抵抗と亀裂外表面のカソードの分極に
対する抵抗の和Rc1、亀裂先端から亀裂内表面までの加
水分解により生じた水素イオンに関する溶液抵抗と亀裂
内表面のカソード(水素の還元)の分極に対する抵抗の
和Rc2(S28)、亀裂先端の金属と溶液間の電極電位
a 、亀裂表面とバルク溶液間の溶存酸素に関する電極
電位ECl- 、亀裂内表面と溶液間の水素イオンに関する
電極電位EC2(S29)がそれぞれ計算される。
【0032】そしてこれらのデータを用いて、A:前記
理論式(3),(4)による限界の作用応力あるいは応
力拡大係数の演算が行なわれ(S30)、次にB:部品
iに対して設計上の作用応力あるいは応力拡大係数の演
算が行なわれ(S31)、そしてA−Bの演算が行なわ
れる(S32)。
【0033】A−B<0ならばS24に戻り次の部品i
=i+1の環境データの計測あるいは計算が行なわれ
る。もしA−B>0ならば、当該部品構造の改良あるい
はその部品に作用している流体の圧力調整(圧力低減)
が行なわれ(S33)、その後にS24に戻り次の部品
i=i+1の環境データの計測あるいは計算が行なわれ
る。この部品構造の改良あるいは圧力調整の指示は、表
示部10によってなされる。そして全ての部品の設計が
終了したならば、全部品の限界の作用応力あるいは応力
拡大係数が記録される(S34)。
【0034】
【発明の効果】本発明は前述のような構成になってお
り、多くの環境パラメータを含んだ前記式(3)と式
(4)を確立したことにより、部品に関する設計データ
をインプットするだけで、正確かつ簡単に応力腐食割れ
の発生及び進展が防止できる耐圧部材の応力腐食割れ防
止方法、設計支援装置ならびに運転支援装置を提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る金属材料の応力腐食割
れを防止する方法を説明するための構成図である。
【図2】本発明の実施形態に係る耐圧部材の設計支援装
置のフローチャートである。
【図3】本発明の実施形態に係る耐圧部材を含むプラン
トの運転支援装置のフローチャートである。
【符号の説明】
1 容器 2 管台 3 応力腐食割れ 4 温度センサー 5 イオン濃度センサー 6 イオン伝導度センサー 7 リード線 8 検出部 9 演算部 10 表示部 11 記録部 12 塩化物を含む流体 i 構成部品

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属材料からなり塩化物の湿潤環境下に
    ある耐圧部材の応力腐食割れ防止方法において、 前記耐圧部材を構成する部品に関する設計データを入力
    し、その設計データに基づいて下記の式(3)と式
    (4)により限界値KISCCを求めて、その限界値K ISCC
    以下になるように各部品を設計することを特徴とする耐
    圧部材の応力腐食割れ防止方法。 【数3】 ここで、 【数4】 前記式(3)において、 A0 :設計温度に対応する定数 Rap:亀裂先端の金属が溶解するときの分極抵抗 Rc1:亀裂先端から亀裂外表面までの溶解鉄イオンによ
    る溶液抵抗と亀裂外表面のカソードの分極に対する抵抗
    の和 Rc2:亀裂先端から亀裂内表面までの加水分解により生
    じた水素イオンに関する溶液抵抗と亀裂内表面のカソー
    ドの分極に対する抵抗の和 前記式(4)において、 CCl- :亀裂内部のフリーな塩化物イオン濃度 K :加水分解反応の平衡定数 Ea :亀裂先端の金属と溶液間の電極電位 ECl- :亀裂表面とバルク溶液間の溶存酸素に関する電
    極電位 EC2 :亀裂内表面と溶液間の水素イオンに関する電極
    電位 ΛH+ :水素イオンに対する当量イオン伝導度 ΛFe2+:鉄イオンに対する当量イオン伝導度 Rc10s:カソードの分極に対応する抵抗分 Ras :溶液抵抗分 Rc2s :カソードの分極に対応する抵抗分 Ra :溶液抵抗分
  2. 【請求項2】 請求項1記載の耐圧部材の応力腐食割れ
    防止方法において、前記部品に関する設計データが、そ
    の部品の材質、形状、大きさ、環境下の設計温度、部品
    に作用する応力あるいは圧力、部品に接する流体の種類
    の少なくとも1つであることを特徴とする耐圧部材の応
    力腐食割れ防止方法。
  3. 【請求項3】 金属材料からなり塩化物の湿潤環境下に
    ある耐圧部材の設計を支援する耐圧部材の応力腐食割れ
    防止設計支援装置において、 前記耐圧部材を構成する部品に関する設計データを入力
    する入力手段と、 その入力手段により入力された設計データに基づいて下
    記の式(3)と式(4)により限界値KISCCを演算する
    演算手段と、 その演算手段により演算された限界値KISCCを表示また
    は(ならびに)記録する手段を有していることを特徴と
    する耐圧部材の応力腐食割れ防止設計支援装置。 【数3】 ここで、 【数4】 前記式(3)において、 A0 :設計温度に対応する定数 Rap:亀裂先端の金属が溶解するときの分極抵抗 Rc1:亀裂先端から亀裂外表面までの溶解鉄イオンによ
    る溶液抵抗と亀裂外表面のカソードの分極に対する抵抗
    の和 Rc2:亀裂先端から亀裂内表面までの加水分解により生
    じた水素イオンに関する溶液抵抗と亀裂内表面のカソー
    ドの分極に対する抵抗の和 前記式(4)において、 CCl- :亀裂内部のフリーな塩化物イオン濃度 K :加水分解反応の平衡定数 Ea :亀裂先端の金属と溶液間の電極電位 ECl- :亀裂表面とバルク溶液間の溶存酸素に関する電
    極電位 EC2 :亀裂内表面と溶液間の水素イオンに関する電極
    電位 ΛH+ :水素イオンに対する当量イオン伝導度 ΛFe2+:鉄イオンに対する当量イオン伝導度 Rc10s:カソードの分極に対応する抵抗分 Ras :溶液抵抗分 Rc2s :カソードの分極に対応する抵抗分 Ra :溶液抵抗分
  4. 【請求項4】 請求項3記載の耐圧部材の応力腐食割れ
    防止設計支援装置において、前記入力手段によって入力
    される部品に関する設計データが、その部品の材質、形
    状、大きさ、環境下の設計温度、部品に作用する応力あ
    るいは圧力、部品に接する流体の種類の少なくとも1つ
    であることを特徴とする耐圧部材の応力腐食割れ防止設
    計支援装置。
  5. 【請求項5】 金属材料からなり塩化物の湿潤環境下に
    ある耐圧部材を含むプラントの運転支援装置において、 前記耐圧部材を構成する部品に関する設計データを入力
    する入力手段と、 その入力手段により入力された設計データに基づいて下
    記の式(3)と式(4)により限界値KISCCを演算する
    とともに前記部品の設計上の作用応力あるいは応力拡大
    係数を演算する演算手段と、 前記限界値KISCCと設計上の作用応力あるいは応力拡大
    係数を比較する比較手段と、 その比較結果、設計上の作用応力あるいは応力拡大係数
    が限界値KISCCを超えていると部品構造の改良あるいは
    耐圧部材に対する圧力を低減するように指示する表示手
    段を有していることを特徴とする耐圧部材を含むプラン
    トの運転支援装置。 【数3】 ここで、 【数4】 前記式(3)において、 A0 :設計温度に対応する定数 Rap:亀裂先端の金属が溶解するときの分極抵抗 Rc1:亀裂先端から亀裂外表面までの溶解鉄イオンによ
    る溶液抵抗と亀裂外表面のカソードの分極に対する抵抗
    の和 Rc2:亀裂先端から亀裂内表面までの加水分解により生
    じた水素イオンに関する溶液抵抗と亀裂内表面のカソー
    ドの分極に対する抵抗の和 前記式(4)において、 CCl- :亀裂内部のフリーな塩化物イオン濃度 K :加水分解反応の平衡定数 Ea :亀裂先端の金属と溶液間の電極電位 ECl- :亀裂表面とバルク溶液間の溶存酸素に関する電
    極電位 EC2 :亀裂内表面と溶液間の水素イオンに関する電極
    電位 ΛH+ :水素イオンに対する当量イオン伝導度 ΛFe2+:鉄イオンに対する当量イオン伝導度 Rc10s:カソードの分極に対応する抵抗分 Ras :溶液抵抗分 Rc2s :カソードの分極に対応する抵抗分 Ra :溶液抵抗分
  6. 【請求項6】 請求項5記載の耐圧部材を含むプラント
    の運転支援装置において、前記入力手段によって入力さ
    れる部品に関する設計データが、その部品の材質、形
    状、大きさ、環境下の設計温度、部品に作用する応力あ
    るいは圧力、部品に接する流体の種類の少なくとも1つ
    であることを特徴とする耐圧部材を含むプラントの運転
    支援装置。
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