JP2003279044A - ガスタービンエンジンの燃焼器用の波形カウル及びその構成方法 - Google Patents

ガスタービンエンジンの燃焼器用の波形カウル及びその構成方法

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JP2003279044A JP2003050273A JP2003050273A JP2003279044A JP 2003279044 A JP2003279044 A JP 2003279044A JP 2003050273 A JP2003050273 A JP 2003050273A JP 2003050273 A JP2003050273 A JP 2003050273A JP 2003279044 A JP2003279044 A JP 2003279044A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガスタービンエンジンの燃焼器（１０）に用
いるカウル（２２、２６）を提供する。 【解決手段】 該カウル（２２、２６）は、環状の波形
部（４０）を有する外側カウル（２２）を含む。ガスタ
ービンエンジンの燃焼器（１０）は、ライナ（１４、１
６）を有しかつ燃焼室（１２）を形成する中空の本体
（１１）と、ライナ（１４、１６）に接合されかつ環状
の波形部（４０）を有する外側カウル（２２）と、ライ
ナ（１４、１６）に接合された内側カウル（２６）とを
含む。ガスタービンエンジン燃焼器（１０）用のカウル
（２２、２６）を構成する方法は、カウル（２２、２
６）の本体内に環状の波形部（４０）を形成することを
含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明が属する技術分野】本発明は、ガスタービンエン
ジンの燃焼器用の波形カウル及びその構成方法に関す
る。
【０００２】
【従来の技術】ガスタービンエンジンでは、圧縮された
空気が、燃焼器段から燃焼器に供給され、該燃焼器にお
いて空気は燃料と混合され、燃焼室内で燃焼される。燃
料／空気ミキサと対応して燃焼器の内側及び外側通路に
流入する圧縮空気の量は、一般的に燃料／空気ミキサ及
び燃焼器ドームの上流に設置された内側及び外側カウル
によって調整されている。このようなカウルは、一般的
に、燃焼器ドーム、カウル、及び内側又は外側燃焼器ラ
イナのいずれかを含むボルト継手によって所定の位置に
保持されている。従って、ガスタービンエンジンの外側
及び内側カウルの両方は、それら全体にわたる圧力の僅
かな変化と同時にエンジンにより生じる振動荷重とを受
ける。これらの環境要因は、外側カウルに対してより大
きな影響をもつが、それでもなお両方のカウルに摩耗を
生じ、その結果カウルの寿命を制限する。
【０００３】この問題に対処するのに、従来技術は、一
般的に次ぎの解決策のうちの１つを取ってきた。そのう
ちの第１は、カウルとしてリップ部を備える金属薄板の
本体を用いることを含み、該リップ部は、好ましくは金
属薄板をダンパワイヤの周にカールさせるか又は巻き付
けることによってその前縁に形成されていた。しかしな
がら、この設計では、ワイヤと巻き部との間の熱的不整
合により生じるワイヤと金属薄板本体の境界面に起こる
摩擦型の損耗により寿命が制限されることが判明した。
より具体的には、熱的不整合は、金属薄板をワイヤの周
りで巻き解させ、ワイヤとカウルの間に間隙を生じさせ
る。その上に、ディフューザ及び／又は燃焼器の音響か
ら出るホワイトノイズが、ワイヤの金属薄板巻き部に対
する高サイクル疲労振動荷重を発生する。従って、摩擦
と振動とが組合わさって、ワイヤの金属薄板巻き部に対
する振とうを発生させ、その結果、カウルの巻き部分に
シンニング、割れの発生、遂には金属薄板及びワイヤの
破片の脱離を引き起こす。
【０００４】別のカウル設計は、カウルの前縁リップ部
を形成する機械加工されたリングを含み、この場合リン
グは成形された金属薄板本体に溶接されている。このよ
うな機械加工されたリングは、カウルに望ましい中実の
リップ部を形成するが、該リングの成形された金属薄板
本体への円周溶接は、溶接部の内部及びその周りに応力
集中を生じさせる。
【０００５】一体構成のカウル設計が、特許文献１に開
示されており、この特許には、その前縁に厚さが増大し
た中実のリップ部を備えて鋳造されたカウルが開示され
ている。このカウルは、意図した目的には適している
が、金属薄板カウルよりも重くかつより高価になる傾向
がある。
【０００６】
【特許文献１】 米国特許第５，９２４，２８８号
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】上述及び他の欠点及び
不具合は、波形カウルにより解決又は緩和される。
【０００８】
【課題を解決するための手段】本発明の例示的な実施形
態において、ガスタービンエンジンの燃焼器に用いるた
めのカウルは、環状の波形部を有する本体を含む。別の
例示的な実施形態において、ガスタービンエンジンの燃
焼器は、ライナを有しかつ燃焼室を形成する中空の本体
と、ライナに接合されかつ環状の波形部を有する外側カ
ウルと、ライナに接合された内側カウルとを含む。ガス
タービンエンジン燃焼器用のカウルを構成する方法は、
カウルの本体に環状の波形部を形成することを含む。
【０００９】
【発明の実施の形態】幾つかの図において同じ要素には
同じように番号が付けられている例示的な図面を参照す
る。
【００１０】ここで図１を参照すると、ガスタービンエ
ンジン内で用いるのに適した単一の環状の燃焼器１０が
示されている。燃焼器１０は、その中に燃焼室１２を形
成する中空の本体１１を含む。中空の本体１１は、形状
がほぼ環状であり、外側ライナ１４、内側ライナ１６、
及びドーム形にされた端部即ちドーム１８を含む。本環
状の構成では、中空の本体１１のドーム状の端部１８
は、その周りに円周方向に間隔を置いて配置された公知
の設計の複数の空気／燃料ミキサを更に含む。
【００１１】燃焼器１０において、外側カウル２２が、
燃焼室１２の上流に設けられかつ外側のボルト継手２４
で外側ライナ１４及びドーム１８に取り付けられる。内
側カウル２６もまた、燃焼室１２の上流に設けられかつ
内側ボルト継手２８で内側ライナ１６及びドーム１８に
取り付けられる。外側及び内側カウル２２及び２６は、
ガスタービンエンジンのディフューザからの圧縮空気の
流れをドーム１８とそれぞれ外側及び内側ライナ１４及
び１６に隣接して設置された外側及び内側通路３０及び
３２とに適切に向けかつ調整する役目を果たす。外側及
び内側カウル２２及び２６は、燃焼器１０と同様に形状
が環状であることが図１及び図２から理解されるであろ
う。燃焼器カウルでは普通のことであるが、外側及び内
側カウル２２及び２６は、カウル中心軸線３４に対して
軸方向に細長くなっている。
【００１２】外側及び内側カウル２２及び２６は、両方
とも軽量でかつ安価であることが望まれる。このことを
実現するためには、外側及び内側カウル２２及び２６
は、金属薄板で作られることが好ましい。外側及び内側
カウル２２及び２６用の金属薄板材料は、コバルト基合
金及びニッケル基合金を含むことができる。具体的に
は、このようなコバルト基合金についての好ましい米国
航空宇宙材料仕様書は、ＡＭＳ５６０８を含み、又この
ようなニッケル基合金についての好ましい米国航空宇宙
材料仕様書は、ＡＭＳ５５３６、ＡＭＳ５８７８及びＡ
ＭＳ５５９９を含む。
【００１３】外側カウル２２の剛性を増大させるため
に、外側カウル２２は、環状の波形部４０を形成するよ
うに鋳込まれる。外側カウル２２に対する剛性を増大さ
せることによって、外側カウル２２の振動数もまた増大
する。剛性の増大に対する振動数の増大には比例する相
関関係があり、従って剛性を増大させると振動数もまた
増大する。外側カウル２２の振動数は、該外側カウル２
２の振動数がエンジンの振動数より高くなる点まで増大
されることが望ましい。
【００１４】図３を参照すると、別の実施形態におい
て、外側及び内側カウル２２及び２６の両方が環状の波
形部４０を有するように形成される。図４及び図５は、
環状の波形４０部を有する外側及び内側カウル２２及び
２６の斜視図を示す。
【００１５】図６は、外側カウル２２に環状の波形部を
形成することに対する様々なパラメータを示す。環状の
波形部４０を鋳込む際に、環状の波形部４０に対しては
３つのパラメータがある。即ち、（ａ）「ｗ」で示す、
外側カウル２２内の環状の波形の数、（ｂ）「ｈ」で示
す、各環状の波形４０の高さ、及び（ｃ）「ｓ」で示
す、各環状の波形４０の間隔である。環状の波形部４０
を形成するための２つの重要なパラメータは、環状の波
形４０の間隔ｓ及び高さｈである。環状の波形の間隔及
び高さは、外側カウル２２の固有振動数が、エンジン運
転範囲外まで増大されるように最適化される。外側カウ
ル２２内の波形の数は、外側カウル２２の剛性に著しい
影響を及ぼすことはない。
【００１６】例示的な実施形態では、環状の波形の間隔
は、約0.010インチ（0.254mm）から約0.500インチ（12.
7mm）までであり、好ましい間隔は約0.080インチ（2.03
2mm）である。環状の波形の高さは、約0.010インチ（0.
254mm）から約0.050インチ（1.270mm）までであり、好
ましい高さは約0.0334インチ（0.848mm）である。上に
示した範囲の間隔及び高さを有する環状の波形部を形成
することによって、外側カウル２２の剛性は、該外側カ
ウル２２の振動数が、標準的なエンジン運転範囲外まで
増大するように、増大する。
【００１７】図７及び図８は、外側カウル２２が全巻き
部５０(図７)又は半巻き部（図８）を備えるように形成
されている、環状の波形を有する外側カウル２２を示
す。全巻き部５０及び半巻き部６０は両方とも、外側カ
ウル２２の第１の端部６２に設置される。第１の端部６
２は、そこで空気が燃焼器１０（図１を参照）に流入す
る端部である。第１の端部６２に全巻き部５０又は半巻
き部６０を設けることによって、空気が燃焼器に流入す
るときの平滑な表面が得られ、この平滑な表面が空気力
学的向上をもたらす。いずれの形式の巻き部も外側カウ
ル２２に用いることができるが、半巻き部６０を形成す
る方が外側カウル２２の本体の成形が少なくなるので、
半巻き部の方が好ましい。
【００１８】環状の波形部４０を有する外側カウル２２
は、所望の時間数の間、高サイクル疲労に屈することな
くそれに加わる応力レベルに耐え、かつ燃料／空気ミキ
サ及び内側／外側通路の要求に一致する状態で空気流を
燃焼器に導く。環状の波形部４０を有する外側カウル２
２は、材料、加工及び仕様燃料消費の点から見て軽量で
かつ安価である。更に、環状の波形部４０を外側カウル
２２中に組み入れることによって、従来技術のカウルの
ダンパワイヤ（図示せず）は、排除することができる。
また、内側カウル２６も、環状の波形部４０を有するこ
とが可能であり、それが内側カウル２６に対して同じ効
果をもつことになる。燃焼器１０中への所望の空気流量
は、実現するのが一般的に難しく、また外側カウル２２
の設計における少しの変化によっても影響される可能性
がある。波形部を外側カウル２２中に含む利点は、通路
圧力の回復を含む、燃焼器１０中への所望の空気流量に
対する影響がないと言えるくらい殆どないことである。
【００１９】本発明を、好ましい実施形態に関して説明
してきたが、当業者には、本発明の技術的範囲から逸脱
することなく様々な変更を行いまた等価な要素を本発明
の要素と置き換えることが可能であることは理解される
であろう。更に、本発明の本質的な技術的範囲から逸脱
することなく、本発明の教示に合わせて特定の状況又は
材料に適応するように多くの変更を行うことが可能であ
る。従って、本発明は、本発明を実施するために考えら
れる最良の形態として開示した特定の実施形態に限定さ
れるものではなく、また、特許請求の範囲に記載された
符号は、理解容易のためであってなんら発明の技術的範
囲を実施例に限縮するものではない。
【図面の簡単な説明】
【図１】 内側カウル及び環状の波形部を有する外側カ
ウルを含むガスタービンエンジン燃焼器の縦断面図。
【図２】 図１に示すカウルの前方から後方に見た図。
【図３】 環状の波形部を有する外側カウル及び環状の
波形部を有する内側カウルを含むガスタービンエンジン
燃焼器の縦断面図。
【図４】 波形外側カウル及び波形内側カウル双方の前
方から後方に見た斜視図。
【図５】 図３の波形外側及び内側カウルの後方から前
方に見た斜視図。
【図６】 図１に示す波形カウルの拡大部分断面図。
【図７】 全巻き部を備えて示されている、図１に示す
波形カウルの拡大部分断面図。
【図８】 半巻き部を備えて示されている、図１に示す
波形外側カウルの別の実施形態の拡大部分断面図。
【符号の説明】
１０ 燃焼器 １１ 中空の本体 １２ 燃焼室 １４ 外側ライナ １６ 内側ライナ １８ ドーム ２０ 空気／燃料ミキサ ２２ 外側カウル ２６ 内側カウル ４０ 環状の波形
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ロナルド・ディー・レドゥン アメリカ合衆国、ケンタッキー州、フォス ター、ハイウェイ・10、12430番 (72)発明者 バレナ・ビー・ショーター アメリカ合衆国、オハイオ州、ハミルト ン、エローラ・レーン、3052番 (72)発明者 ジェームズ・エー・グロッシェン アメリカ合衆国、ケンタッキー州、バーリ ントン、ピール・ロード、3026番 (72)発明者 メフメット・エム・デデ アメリカ合衆国、オハイオ州、ウエスト・ チェスター、ベケット・ステーション・コ ート、6079番 (72)発明者 ダニエル・エル・ダーストック アメリカ合衆国、ケンタッキー州、フォー ト・ライト、ピケット・ドライブ、439番

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 ガスタービンエンジンの燃焼器（１０）
    に用いるカウル（２２、２６）であって、該カウル（２
    ２、２６）内に形成された環状の波形部（４０）を含む
    ことを特徴とするカウル。
  2. 【請求項２】 本体が、金属薄板で作られていることを
    特徴とする、請求項１に記載のカウル（２２、２６）。
  3. 【請求項３】 前記カウル（２２、２６）は、外側カウ
    ル（２２）であることを特徴とする、請求項１に記載の
    カウル（２２、２６）。
  4. 【請求項４】 該カウル（２２、２６）は、内側カウル
    （２６）であることを特徴とする、請求項１に記載のカ
    ウル（２２、２６）。
  5. 【請求項５】 前記環状の波形部（４０）は、少なくと
    も２つの環状の波形（４０）を含むことを特徴とする、
    請求項１に記載のカウル（２２、２６）。
  6. 【請求項６】 前記環状の波形部（４０）は、各環状の
    波形（４０）の間の間隔を有することを特徴とする、請
    求項５に記載のカウル（２２、２６）。
  7. 【請求項７】 前記間隔は、約0.010インチ（0.254mm）
    から約0.500インチ（12.7mm）までであることを特徴と
    する、請求項６に記載のカウル（２２、２６）。
  8. 【請求項８】 前記間隔は、約0.080インチ（2.032mm）
    であることを特徴とする、請求項６に記載のカウル（２
    ２、２６）。
  9. 【請求項９】 前記環状の波形（４０）は、高さを有す
    ることを特徴とする、請求項１に記載のカウル（２２、
    ２６）。
  10. 【請求項１０】 前記高さは、約0.010インチ（0.254m
    m）から約0.050インチ（1.270mm）までであることを特
    徴とする、請求項９に記載のカウル（２２、２６）。
  11. 【請求項１１】 前記高さは、約0.0334インチ（0.848m
    m）であることを特徴とする、請求項９に記載のカウル
    （２２、２６）。
  12. 【請求項１２】 前記カウル（２２、２６）の第１の端
    部（６２）に配置された半巻き部（６０）を更に含むこ
    とを特徴とする、請求項１に記載のカウル（２２、２
    ６）。
  13. 【請求項１３】 前記カウル（２２、２６）の第１の端
    部（６２）に配置された全巻き部（５０）を更に含むこ
    とを特徴とする、請求項１に記載のカウル（２２、２
    ６）。
  14. 【請求項１４】 ガスタービンエンジンの燃焼器（１
    ０）であって、ライナ（１４、１６）を有しかつ燃焼室
    （１２）を形成する中空の本体（１１）と、前記ライナ
    （１４、１６）に接合されかつ環状の波形部（４０）を
    有する外側カウル（２２）と、前記ライナ（１４、１
    ６）に接合された内側カウル（２６）と、を含むことを
    特徴とする燃焼器（１０）。
  15. 【請求項１５】 前記内側カウルは、内側の環状の波形
    部（４０）を有することを特徴とする、請求項１４に記
    載の燃焼器（１０）。
  16. 【請求項１６】 本体が、金属薄板で作られていること
    を特徴とする、請求項１４に記載の燃焼器（１０）。
  17. 【請求項１７】 前記環状の波形部（４０）は、少なく
    とも２つの環状の波形（４０）を含むことを特徴とす
    る、請求項１４に記載の燃焼器（１０）。
  18. 【請求項１８】 前記環状の波形部（４０）は、各環状
    の波形（４０）の間の間隔を有することを特徴とする、
    請求項１７に記載の燃焼器（１０）。
  19. 【請求項１９】 前記間隔は、約0.010インチ（0.254m
    m）から約0.500インチ（12.7mm）までであることを特徴
    とする、請求項１８に記載の燃焼器（１０）。
  20. 【請求項２０】 前記間隔は、約0.080インチ（2.032m
    m）であることを特徴とする、請求項１８に記載の燃焼
    器（１０）。
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