JP2003278169A - 地盤の地耐力補強構造 - Google Patents

地盤の地耐力補強構造

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JP2003278169A
JP2003278169A JP2002085127A JP2002085127A JP2003278169A JP 2003278169 A JP2003278169 A JP 2003278169A JP 2002085127 A JP2002085127 A JP 2002085127A JP 2002085127 A JP2002085127 A JP 2002085127A JP 2003278169 A JP2003278169 A JP 2003278169A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 地盤の地耐力補強において、施工の合理化、
補強の信頼性の確保及び安全性の向上を図る。 【解決手段】 フーチング基礎、ケーソン、又は深礎杭
等、深礎構造体1の下側地盤Gに削孔されたボーリング
孔Ghに、口径杭2が打設されている。口径杭2は、深
礎構造体1の底部11に埋設された支圧板21と、上端
を支圧板21に支承されボーリング孔Gh内を延びる鋼
管22と、その内周に挿通され下端がボーリング孔Gh
の下部に達する金属芯材23と、鋼管22の下部からボ
ーリング孔Ghの下部にかけて充填されたセメント、グ
ラウト又はモルタル等の固結材24からなる。支圧板2
1による杭頭定着部2aからの深礎構造体1の荷重を、
固結材24による杭下部定着部2cにおいて地盤Gへ分
散して伝達する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、構造体の荷重に対
する地盤の地耐力を補強するための技術に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】図10〜図12は、それぞれ深礎構造体
を支持対象とする、従来の技術による地盤の地耐力補強
構造を示すものである。なお、これらの図において、参
照符号101は地下深いところに存在する比較的堅固な
支持地盤、102は支持地盤101上にあって地下水に
飽和された沖積層等からなる軟弱地盤、103はケーソ
ンあるいはフーチング基礎等の深礎構造体である。
【0003】まず図10は、深礎延長によって地耐力を
確保するための方法を示す縦断面図である。この方法
は、深礎構造体13の底面地盤を掘り下げて、軟弱地盤
102から支持地盤101内に達する深礎104を構築
するものである。しかしながら、この方法によれば、掘
削深度が深くなるので、下部工の設計照査が必要であ
り、しかも、堅固な土留めを構築して、施工の安全性に
留意する必要がある。また、支持地盤101が吸水によ
るスレーキングが生じやすいような地質である場合で
は、スレーキングによる支持地盤101の劣化防止対策
も必要である。
【0004】次に図11は、グラウト注入による地耐力
補強方法を示す縦断面図である。この方法においては、
深礎杭105による地耐力補強対象領域の地盤102a
を、超微粒子セメント(グラウト)の注入により改良す
るもので、深礎杭105の形状の変更や、図10のよう
な及び深礎延長等を行わないため、上下部工の設計照査
が不要であり、また、新たな掘削が生じないという利点
がある。しかしながら、グラウトの注入量及び改良強度
を決定するためには、予め試験注入を行う必要があり、
支持力を確保できる深度までグラウトの注入を行う必要
がある。しかも、グラウトの注入による地盤改良効果が
試験施工での載荷試験からしか確認できないため、地耐
力補強の確実性の点で問題がある。
【0005】図12は、鉄筋補強工(GRF工法)によ
る地耐力補強方法を示すもので、(A)は縦断面図、
(B)は平面図である。この方法は、深礎構造体13の
側面部に、放射状に延びる多数の鉄筋補強材106を設
置し、補強材106の剪断抵抗力によって、深礎構造体
13に作用する荷重及び深礎構造体13の自重を懸垂状
に支持するものである。この方法によれば、上述のグラ
ウト注入による方法と同様、深礎構造体13の形状変更
及び延長がないため、上下部工の設計照査が不要であ
り、また、新たな掘削を生じないという利点がある。し
かしながら、設計法が確立されておらず、しかも、補強
材106の曲げ方向の変形量が大きくなるおそれがあ
り、経済性及び信頼性に欠けるといった問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述のよう
な問題に鑑みてなされたもので、その技術的課題は、地
盤の地耐力補強において、施工の合理化、補強の信頼性
の確保及び安全性の向上を図ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】従来の技術的課題を有効
に解決するための手段として、請求項1の発明に係る地
盤の地耐力補強構造は、構造体の下側地盤に削孔された
所要数のボーリング孔内にそれぞれ補強杭が打設され、
この補強杭は、前記構造体に定着される杭頭定着部と、
この杭頭定着部から下方へ延び前記ボーリング孔と非定
着の非定着部と、この非定着部の下側に形成され前記ボ
ーリング孔と定着される杭下部定着部とからなる。すな
わち、前記杭頭定着部は、構造体の荷重を受けてこれを
支持する機能を有し、前記杭下部定着部は、ボーリング
孔の内面に定着されることによって軸荷重を地盤に伝達
する。
【0008】請求項2の発明に係る地盤の地耐力補強構
造は、請求項1に記載の構成において、構造体がフーチ
ング基礎、ケーソン、又は深礎杭等、深礎構造体であ
る。すなわち、フーチング基礎、ケーソン、又は深礎杭
等の深礎構造体に対する地盤の支持力を有効に高める手
段として実施される。
【0009】請求項3の発明に係る地盤の地耐力補強構
造は、請求項1又は2に記載の構成において、杭頭定着
部又は非定着部に、弾性体又は弾性体と塑性変形体の積
層体を装着する。弾性体又は弾性体と塑性変形体の積層
体は、その変形特性によって補強杭と地盤の荷重分担の
偏りを吸収し、均等に荷重分担させる作用を有する。
【0010】請求項4の発明に係る地盤の地耐力補強構
造は、請求項1〜3のいずれかに記載の構成において、
補強杭が非鉛直に打設された斜杭を含むものである。こ
のため、補強領域の拡大あるいは補強効率の向上が図ら
れる。
【0011】請求項5の発明に係る地盤の地耐力補強構
造は、請求項1〜4のいずれかに記載の構成において、
補強杭が、構造体の底部に埋設された支圧板と、上端を
前記支圧板に支承されボーリング孔内を延びる鋼管と、
この鋼管の内周に挿通され下端が前記ボーリング孔の下
部に達する金属芯材と、前記鋼管の内周から前記ボーリ
ング孔の下部に充填された固結材からなり、杭頭定着部
が前記支圧板からなり、非定着部が前記鋼管からなり、
杭下部定着部が前記固結材からなる。このため、ボーリ
ング孔の削孔、ボーリング孔内の鋼管への金属芯材挿
入、及び固結材の注入といった工法によって、補強杭を
容易に施工することができる。
【0012】請求項6の発明に係る地盤の地耐力補強構
造は、請求項4に記載の構成において、鋼管が、下端に
掘削ビットを有する削孔ケーシングからなる。すなわ
ち、ボーリング孔の削孔に用いた削孔ケーシングを、そ
のまま補強杭の要素として転用したものである。
【0013】請求項7の発明に係る地盤の地耐力補強構
造は、請求項4に記載の構成において、固結材が、セメ
ント、グラウト又はモルタル等の無機材から選択され
る。このため、補強杭から地盤への荷重伝達機能を確実
に得ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る地盤の地耐
力補強構造の好ましい第一の実施の形態を示す縦断面斜
視図である。この図1において、参照符号Gは岩盤等か
らなる補強地盤、参照符号1はフーチング基礎あるいは
ケーソン等の深礎構造体、参照符号2は深礎構造体1の
底部11から地盤Gに鉛直下方へ延びる補強杭としての
口径杭を示している。
【0015】口径杭2は、鉄筋コンクリートで構築され
た深礎構造体1の底部11に埋設された支圧板21と、
地盤Gに鉛直方向に削孔されたボーリング孔Ghにその
下部近傍まで挿入され、上端(杭頭)が深礎構造体1の
底部11に埋設されると共に支圧板21の下面に支承さ
れた鋼管22と、この鋼管22の内周に挿通され下端部
が鋼管22の下端から突出してボーリング孔Ghの下部
に達する異形鉄筋あるいは鋼材等からなる金属芯材23
と、鋼管22の内周及びボーリング孔Ghの下部に充填
され上端が鋼管22の下部外周に回り込んだ状態にある
固結材24とで構成される。固結材24は、セメントミ
ルク、グラウトあるいはモルタル等の無機材が固化した
ものである。
【0016】鋼管22は、地盤Gを削孔してボーリング
孔Ghを形成する削孔手段として用いられたものであっ
て、鋼管継手25を介して軸方向に複数連結され、下端
には掘削ビット26が残存している。
【0017】本形態の口径杭2によれば、鋼管22の上
端部及び支圧板21は、杭頭定着部2aを構成してお
り、この杭頭定着部2aは、深礎構造体1の底部11か
らの構造体の荷重を受け、これを支持する機能を有す
る。また、鋼管22の上端部及び下端部を除く外周面
は、ボーリング孔Ghの内周面とは定着しておらず、非
定着部2bとなっている。そして、固結材24は、ボー
リング孔Ghの内周面すなわち地盤Gの掘削面に定着さ
れることによって、杭下部定着部2cを構成しており、
この杭下部定着部2cは、杭頭定着部2aから非定着部
2bを介して作用する軸荷重を、地盤Gの掘削面との摩
擦により支持する機能、及び全長にわたって地盤Gに伝
達する機能を有する。
【0018】したがって、本形態の口径杭2を所定の間
隔で打設することによって、地盤Gの地耐力が著しく補
強され、補強の信頼性が高いので、地盤Gへのセメント
等の注入による改良や、下層支持地盤まで深掘りするこ
となく、深礎構造体1の底部11からの荷重を確実に支
持することができる。
【0019】図2は、本発明に係る地耐力補強構造の好
ましい他の実施の形態を示す縦断面斜視図である。この
図2において、上述した第一の実施の形態と異なる点
は、杭頭定着部2aに、ばね、ゴム、又は鉛とゴムの積
層構造体等からなる変形同調体27を装着したことにあ
る。この変形同調体27は、支圧板21と鋼管22の上
端部との間に介在する。その他の構成は、図1と同様で
ある。
【0020】図2に示される形態の口径杭2によれば、
変形同調体27は、ばね、あるいはゴム等の弾性特性
や、鉛の塑性変形特性によって、地盤Gと口径杭2の鉛
直変形を同等とすることができる。これを詳しく説明す
ると、地盤Gと口径杭2は、変形係数が異なるため、同
一面で上載荷重を受ける場合、地盤Gが荷重を受け持つ
比率が小さく、口径杭2の荷重分担が大きくなる。そこ
で、口径杭2の鉛直変形度合を調整し、地盤Gと均等に
荷重を分担させるために、変形同調体27が設けられた
ものである。
【0021】図3〜図6は、口径杭2の施工状況を工程
順に示す縦断面斜視図で、参照符号Gaは、図1及び図
2に示されるフーチング基礎あるいはケーソン等の深礎
構造体1の底部11が施工される根切底面であり、すな
わち予め、岩盤等からなる地盤Gが、前記深礎構造体1
の構築に必要な深さに根切掘削される。
【0022】図1に示される第一の実施の形態による口
径杭2の施工においては、まず図3に示されるように、
根切底面Gaから、ケーシング掘りによって、地盤Gに
ボーリング孔Ghを削孔する。このケーシング掘りにお
いては、下端に掘削ビット26を有する鋼管22をケー
シングとして用い、削孔深さが深くなるのにしたがっ
て、鋼管継手25を介して鋼管22を順次継ぎ足して延
長して行く。
【0023】所定深さのボーリング孔Ghの削孔が完了
したら、図4に示されるように、根切底面Ga上に突出
した鋼管22の上端開口22aから、異形鉄筋あるいは
鋼材等からなる金属芯材23をその下端がボーリング孔
Ghの底部に到達するまで挿入する。
【0024】更に、鋼管22の上端開口22aから、セ
メントミルク、グラウトあるいはモルタル等の無機材か
らなる固結材24を注入し、これに合わせて、鋼管22
を適当な高さまで引き上げる。そしてボーリング孔Gh
の下部へ注入されて行く固結材24が、鋼管22の下部
外周へ廻り込むまで十分に充填されたら、根切底面Ga
上に突出した余分な鋼管22を取り外す。
【0025】固結材24は、経時的に固化することによ
って、所要の機械的強度を発生すると共に、鋼管22及
び金属芯材23と一体化され、ボーリング孔Ghの下部
掘削面と定着される。なお、ことにより、鋼管22の下
側でペデスタル状に拡散させるようにしても良い。
【0026】次に、図5に示されるように、根切底面G
a上に突出したこの鋼管22の上端に、鋼鈑等からなる
支圧板21を取り付ける。支圧板21は、鋼管22の断
面積よりも十分に広い面積を持つものであって、その中
央には、金属芯材23を挿通可能な小孔21aが開設さ
れている。支圧板21の取り付けが完了したら、根切底
面Ga上に、コンクリートの打設によって図1に示され
る深礎構造体1を構築する。これによって、支圧板21
及び鋼管22の上端部が、深礎構造体1の底部11に埋
設され、施工を完了する。
【0027】したがって、この地耐力補強構造は、根切
底面Gaから、ボーリング孔Ghの削孔、ボーリング孔
Gh内の鋼管22への金属芯材23の挿入、及び固結材
24の注入といった手順で、所要数の口径杭2を打設す
ることによって、容易に施工することができる。しか
も、口径杭2を構成する鋼管22は、下端に掘削ビット
26を設けてボーリング孔Ghの削孔に用いたものをそ
のまま残したものであるため、削孔後に新たに鋼管を挿
入するといった作業は不要であり、この点でも、施工を
著しく容易にすることができる。
【0028】図6は、図2に示される形態の口径杭2の
施工において、変形同調体27の装着状況を示す縦断面
斜視図である。すなわち、この口径杭2の施工において
は、先に説明した図3及び図4のように、まず下端に掘
削ビット26を有する鋼管22を用いてケーシング掘り
によりボーリング孔Ghを削孔し、削孔後、鋼管22か
ら、金属芯材23をその下端がボーリング孔Ghの底部
に到達するまで挿入し、更に固結材24を注入し、これ
に合わせて、鋼管22を適当な高さまで引き上げ、固結
材24が鋼管22の下部外周へ廻り込むまで十分に充填
されたら、根切底面Ga上に突出した余分な鋼管22を
取り外す。なお、この場合も、固結材24は、必要に応
じて加圧注入を行う。
【0029】そして、次に図6に示されるように、根切
底面Ga上に突出したこの鋼管22の上端に、ばね、ゴ
ム、又は鉛とゴムの積層構造体等からなる変形同調体2
7を装着し、その上に、鋼鈑等からなる支圧板21を取
り付ける。支圧板21の取り付けが完了したら、支圧板
21及び変形同調体27を埋設するように、図2に示さ
れる深礎構造体1の底部11となるコンクリートを、根
切底面Ga上に打設し、施工を完了する。
【0030】なお、図2においては、変形同調体27を
口径杭2における杭頭定着部2aに設けたが、非定着部
2bに設けても良い。この場合、変形同調体27は例え
ば鋼管22の継手部分に介在させる。
【0031】上述した図1〜図6においては、口径杭2
を鉛直に打設するものとして説明したが、地耐力補強地
盤を構築する杭には、その打設角度によって、直杭と斜
杭がある。図7〜図9は、このような直杭又は斜杭の配
置例を概略的に示すもので、各図における(A)は縦断
面図、(B)は(A)におけるB−B’線断面図であ
る。
【0032】まず図7は、全ての口径杭2を直杭2Aと
して打設した場合の配置例である。すなわちこの配置例
では、全ての口径杭2が、フーチング基礎又はケーソン
等の深礎構造体1の底部11から、その下の地盤Gへ鉛
直に延びている。
【0033】次に図8は、外周側の口径杭2を斜杭2
B、この斜杭2Bに包囲された領域の口径杭2を直杭2
Aとして打設した場合の配置例である。すなわちこの配
置例では、最も外周側の口径杭2が、下端がフーチング
基礎又はケーソン等の深礎構造体1を鉛直方向に投影し
た領域よりも外側へ延びるように傾斜して打設され、そ
れ以外の口径杭2は鉛直に延びている。したがって、地
盤Gにおける地耐力補強領域G’が、図中に破線で示さ
れるように、深礎構造体1を鉛直方向に投影した領域よ
りも外側へ拡大されるという利点がある。
【0034】次に図9は、全ての口径杭2を斜杭2Bの
組み杭として打設した場合の配置例である。すなわちこ
の配置例では、複数の口径杭2を一組として、下端が互
いに開くように傾斜して打設されている。したがって、
地盤Gにおける地耐力補強領域G’が、図中に破線で示
されるように、深礎構造体1を鉛直方向に投影した領域
よりも外側へ拡大されるばかりでなく、一種の筋交的な
作用によって効率良く地耐力が補強されるため、図7及
び図8の配置例に比較して、口径杭2の打設数を削減す
ることができるという利点がある。
【0035】
【発明の効果】請求項1の発明に係る地盤の地耐力補強
構造によれば、構造体の下側地盤に削孔された所要数の
ボーリング孔内に打設された補強杭が、杭頭定着部か
ら、地盤との非定着部を介して下部定着部から地盤へ、
構造体の荷重を分散して伝達するため、補強杭の打設長
さ及び打設数によって、適切な地耐力の補強を行うこと
ができ、構造体の荷重に対する支持の信頼性を向上させ
ることができ、従来の深礎延長による方法と異なり、施
工の安全性を向上させることができる。
【0036】請求項2の発明に係る地盤の地耐力補強構
造によれば、請求項1の発明による効果によって、フー
チング基礎、ケーソン、又は深礎杭等の深礎構造体に対
する地盤の支持力を有効に高めることができる。
【0037】請求項3の発明に係る地盤の地耐力補強構
造によれば、請求項1又は2の発明による効果に加え、
弾性体又は弾性体と塑性変形体の積層体によって、補強
杭と地盤の荷重分担が均一化されるので、補強杭自体の
耐久性を高めるといった効果が実現される。
【0038】請求項4の発明に係る地盤の地耐力補強構
造によれば、補強杭が非鉛直に打設された斜杭を含むこ
とによって、補強領域の拡大あるいは補強効率の向上が
図られるため、請求項1〜3のいずれかの発明による効
果に加え、構造体の荷重に対する支持の信頼性が一層向
上するといった効果が実現される。
【0039】請求項5の発明に係る地盤の地耐力補強構
造によれば、請求項1〜4のいずれかの発明による効果
に加え、ボーリング孔の削孔、ボーリング孔内の鋼管へ
の金属芯材挿入、及び固結材の注入といった工法によっ
て、補強杭を容易に施工することができるといった効果
が実現される。
【0040】請求項6の発明に係る地盤の地耐力補強構
造によれば、ボーリング孔の削孔に用いた削孔ケーシン
グを、そのまま補強杭の鋼管として転用したものである
ため、請求項4の発明による効果に加え、ボーリング孔
から削孔ケーシングを抜き取って鋼管を挿入するといっ
た煩雑さがなく、補強杭の施工が一層容易になるといっ
た効果が実現される。
【0041】請求項7の発明に係る地盤の地耐力補強構
造によれば、固結材が、セメント、グラウト又はモルタ
ル等の無機材からなるため、請求項4の発明による効果
に加え、補強杭から地盤への荷重伝達機能を確実に得る
といった効果が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る地盤の地耐力補強構造における第
一の実施の形態を示す縦断面斜視図である。
【図2】本発明に係る地盤の地耐力補強構造における他
の実施の形態を示す縦断面斜視図である。
【図3】図1の口径杭の施工において、地盤のボーリン
グ状況を示す縦断面斜視図である。
【図4】図1の口径杭の施工において、金属芯材の挿入
及び固結材の注入状況を示す縦断面斜視図である。
【図5】図1の口径杭の施工において、杭頭への支圧板
装着状況を示す縦断面斜視図である。
【図6】図2の口径杭の施工において、杭頭への変形同
調体の装着状況を示す縦断面斜視図である。
【図7】本発明に係る地盤の地耐力補強構造において、
全ての口径杭を直杭として打設した場合の配置例を示す
もので、(A)は縦断面図、(B)は(A)におけるB
−B’線断面図である。
【図8】本発明に係る地盤の地耐力補強構造において、
外周側の口径杭を斜杭、その内側の口径杭を直杭として
打設した場合の配置例を示すもので、(A)は縦断面
図、(B)は(A)におけるB−B’線断面図である。
【図9】本発明に係る地盤の地耐力補強構造において、
全ての口径杭を斜杭の組み杭として打設した場合の配置
例を示すもので、(A)は縦断面図、(B)は(A)に
おけるB−B’線断面図である。
【図10】従来の技術として、深礎延長によって地耐力
を確保するための方法を示す縦断面図である。
【図11】従来の技術として、グラウトの注入による地
耐力補強方法を示す縦断面図である。
【図12】従来の技術として、鉄筋補強工による地耐力
補強方法を示すもので、(A)は縦断面図、(B)は平
面図である。
【符号の説明】
1 深礎構造体 11 底部 2 口径杭(補強杭) 2a 杭頭定着部 2b 非定着部 2c 杭下部定着部 21 支圧板 22 鋼管 23 金属芯材 24 固結材 25 鋼管継手 26 掘削ビット 27 変形同調体 G 地盤 Ga 根切底面 Gh ボーリング孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斉藤 悦郎 東京都渋谷区千駄ヶ谷四丁目6番15号 株 式会社フジタ内 (72)発明者 畑野 俊久 東京都渋谷区千駄ヶ谷四丁目6番15号 株 式会社フジタ内 Fターム(参考) 2D041 AA01 BA20 DA01 EB09 FA15 GA01 GC12 2D046 CA01 CA03

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構造体の下側地盤に削孔された所要数の
    ボーリング孔内にそれぞれ補強杭が打設され、この補強
    杭は、前記構造体に定着される杭頭定着部と、この杭頭
    定着部から下方へ延び前記ボーリング孔と非定着の非定
    着部と、この非定着部の下側に形成され前記ボーリング
    孔と定着される杭下部定着部とからなることを特徴とす
    る地盤の地耐力補強構造。
  2. 【請求項2】 構造体がフーチング基礎、ケーソン、又
    は深礎杭等、深礎構造体であることを特徴とする請求項
    1に記載の地盤の地耐力補強構造。
  3. 【請求項3】 杭頭定着部又は非定着部に、弾性体又は
    弾性体と塑性変形体の積層体を装着したことを特徴とす
    る請求項1又は2に記載の地盤の地耐力補強構造。
  4. 【請求項4】 補強杭が、非鉛直に打設された斜杭を含
    むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の地
    盤の地耐力補強構造。
  5. 【請求項5】 補強杭が、構造体の底部に埋設された支
    圧板と、上端を前記支圧板に支承されボーリング孔内を
    延びる鋼管と、この鋼管の内周に挿通され下端が前記ボ
    ーリング孔の下部に達する金属芯材と、前記鋼管の内周
    から前記ボーリング孔の下部に充填された固結材からな
    り、杭頭定着部が前記支圧板からなり、非定着部が前記
    鋼管からなり、杭下部定着部が前記固結材からなること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の地盤の地
    耐力補強構造。
  6. 【請求項6】 鋼管が、下端に掘削ビットを有する削孔
    ケーシングからなることを特徴とする請求項4に記載の
    地盤の地耐力補強構造。
  7. 【請求項7】 固結材が、セメント、グラウト又はモル
    タル等の無機材から選択されることを特徴とする請求項
    4に記載の地盤の地耐力補強構造。
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