JP2003277703A - 支持固定用両面粘着シート及びその使用方法 - Google Patents

支持固定用両面粘着シート及びその使用方法

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JP2003277703A
JP2003277703A JP2002083895A JP2002083895A JP2003277703A JP 2003277703 A JP2003277703 A JP 2003277703A JP 2002083895 A JP2002083895 A JP 2002083895A JP 2002083895 A JP2002083895 A JP 2002083895A JP 2003277703 A JP2003277703 A JP 2003277703A
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Shozo Yano
正三 矢野
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Furukawa Electric Co Ltd
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Furukawa Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基材フィルムの両面に粘着剤層を有する両面
粘着シートにより被加工部材を支持固定材に支持固定
し、切断加工、研磨加工する方法において、加工終了
後、被加工部材と両面粘着シートとの剥離が容易である
支持固定用両面粘着シート、及びその使用方法を提供す
る。 【解決手段】 基材フィルム(2)の両面に粘着剤層
(3)が設けられ、該基材フィルム(2)の150℃に
おける熱収縮率が1.5%以下であって、その少なくと
も片面の粘着剤層(3)が放射線硬化型粘着剤を含むも
のである支持固定用両面粘着シート(1)、及び、支持
固定材(7)に前記支持固定用両面粘着シート(1)を
介して被加工部材(8)を固定する方法であって、該被
加工部材(8)側に放射線硬化型粘着剤層(3)を配置
する支持固定用両面粘着シート(1)の使用方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ダイシングやスラ
イシング等の切断加工や、研磨加工の工程において被切
断材・被研磨材を支持固定する際に用いられる両面粘着
シートに関する。
【0002】
【従来の技術】半導体ウェハ、セラミックシート、ガラ
ス基板、樹脂基板、プリント基板等のダイシングやスラ
イシング等の切断加工を行う工程においては、例えば図
5の断面図で示すように、被加工部材であるワーク8を
基材フィルム12の片面に粘着剤層13を有する片面粘
着シート11a等により支持固定した状態で、切断加工
装置のブレード6にて切断加工を行う方式が一般的に知
られている。片面粘着シート11aは真空チャックテー
ブル5に固定されている。また、上記のワーク8や切断
加工後のチップ8aの表面等を研磨加工する場合も、同
様に片面粘着シート11a等により支持固定した状態で
研磨加工装置などにより研磨加工を行う方式が知られて
いる。この場合、ワーク8やチップ8aは片面粘着シー
ト11aの粘着剤層13で支持固定され、片面粘着シー
ト11aは上記のように基材フィルム12側から装置に
付帯の真空チャックテーブル5等で真空吸着固定される
のが一般的といえる。更に、加工後はチャックテーブル
5から真空吸着を開放し、ワーク8やチップ8aから、
片面粘着シート11aを剥離すれば終了する。
【0003】この方式における片面粘着シート11aの
基材フィルム12は、ポリ塩化ビニル或いはポリエチレ
ンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂などをT
ダイ法などによりフィルム状に押出成形して得られたも
のが一般的に広く使われている。Tダイ法は、フィルム
成形において非常に量産性に優れるため、上記のような
基材フィルムを製造する方法としては広く適用されるわ
けである。粘着剤は一般的には通常のアクリル系粘着剤
か、若しくは放射線照射により粘着力が低減する性質を
有する、放射線硬化型粘着剤が適用されている。両者の
うち、放射線硬化型粘着剤の場合においては、加工時に
は被加工部材であるワークやチップを強固に支持固定
し、加工後は放射線を照射することにより粘着力を低減
させることが可能で、更に、その照射前と照射後の粘着
力値を自由に制御できるため、被加工部材の表面状態や
サイズに応じて粘着力値を設定することにより、種類や
サイズに広範囲に対応できるという利点を持つ。実際に
は、加工後に真空吸着を開放し、片面粘着シート11a
の基材フィルム12側から放射線を照射することによ
り、ワークやチップ8aから図6の斜視図で示すように
ピール状で剥離するもので、放射線照射により粘着力が
低減しているため簡単に剥離できるという利点を持つ。
上述の片面に粘着剤層を持つ片面粘着シート11aの例
を図7に断面図で示す。この方式の場合、基材フィルム
12の片面に放射線硬化型粘着剤層13を有する片面粘
着シート11aにてワーク8を支持固定することによ
り、前述のようなメリットをもたらすことも広く知られ
ている。
【0004】但し、被加工部材であるワークやチップの
厚みが非常に厚い場合や、或いはワークやチップの種類
によっては反りがある場合においては、上記の図5の方
式のように基材フィルムの片面に放射線硬化型粘着剤層
を有する片面粘着シート11aで固定する方式で加工す
るのは不可能な場合がある。ワークやチップの厚みが非
常に厚い場合、切断するためには切断用のブレード厚も
非常に厚いものを使用する必要があるが、通常、ブレー
ドの先端はブレード厚の1/2を曲率半径とした円弧状
になっているため、その円弧状の部分がワークやチップ
の下面から出る程度の切り込み深さとしなければ、切断
面にバリを生じてしまう結果となる。従って、切り込み
深さとしては、ブレード先端がワークやチップの下面か
らブレード厚の1/2以上にくる深さとする必要があ
り、ブレード厚が厚くなれば、切り込み深さも深くしな
ければならない。また、ワークやチップに反りがある場
合も、その反りの分を考慮し、同様に切り込み深さを深
くする必要がある。このように、非常にブレード厚が厚
い場合や、非常に反りが大きい場合は切り込み深さが非
常に深くなるため、粘着シートの厚み以上の切り込み深
さが必要である場合、支持固定している粘着シートを完
全に切り込んでしまい、更には、装置に付帯の真空チャ
ックテーブルまで切り込み損傷させてしまうことになる
ため、前記方式での加工は不適切なわけである。
【0005】従って、上記のようなケースでは、切り込
み深さ以上に粘着シート厚を厚くするか、あるいは、図
8に示すように、剛性のある支持基板7等の支持固定材
とワーク8やチップ8aを、図9に示すような基材フィ
ルム12の両面に放射線硬化型粘着剤層13を有する両
面粘着シート11bで支持固定する方式がとられる。粘
着シートを厚くした場合、その厚みのため、切断時に被
加工部材の振動やずれを増大させることになり、特に、
衝撃強度に弱いワークやチップにおいては、切断面の欠
けやクラックを発生させてしまう結果となり得るため、
あまり好ましくない。これに対し、後者(図8及び図
9)の両面粘着シート11bによる支持固定方式の場合
は、粘着シートの厚みを増大させることはなく、剛性の
ある支持基板7に支持固定するので、切断時の振動やず
れを増大させることは無く好ましい方式であると言え
る。この場合、支持基板7がブレード6により幾分切り
込まれるのみで、真空チャックテーブル5がブレード6
により切り込まれることは無い。また、支持基板7等の
支持固定材は、切り込まれても支持するための性能に特
別影響は無く、また、使い捨てとする場合も多く、問題
は無い。以上のように、ワーク8やチップ8a等の被加
工部材の厚みが非常に厚い、或いは被加工部材に反りが
ある場合、剛性のある支持基板等7とワーク8やチップ
8aを、基材フィルム12の両面に放射線硬化型粘着剤
層13を有する両面粘着シート11bで支持固定する方
式が有効であると言える。更には、研磨工程の場合、特
に、回転研磨方式においては、真空チャック方式でない
場合も多く、この場合も同様に、基材フィルムの両面に
放射線硬化型粘着剤層を有する両面粘着シート11bで
支持固定し、回転研磨する方式が広く採用されており、
有効な手段である。この方式以外にも支持基板等とワー
クやチップをワックスで固定する方式もあるが、加工後
には有機溶剤等を使用しワックスを溶解させる必要があ
り、その結果、有機溶剤の廃液が出てしまうため、好ま
しくはない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図8及
び図9に示すような基材フィルム12の両面に放射線硬
化型粘着剤層13を有する両面粘着シート11bで支持
固定する方式は以下のような欠点を持つ。この基材フィ
ルム12の両面に放射線硬化型粘着剤層13を有する両
面粘着シート11bにて支持固定する方式では、加工後
にワーク8やチップ8aを該両面粘着シート11bから
剥離する前に放射線を照射して粘着力を低減させるわけ
であるが、この照射時には熱がかかるため、その結果、
基材フィルム12は熱の影響を受け熱収縮を引き起こし
てしまう。前述の通り、該両面粘着シート11bの基材
フィルム12はポリ塩化ビニルやポリオレフィンなどを
通常のTダイ法によりフィルム状に押出成形して得られ
たものであるため、押出し方向に樹脂の流れが形成さ
れ、それが残留歪みとして残っている。したがって、加
熱によりその残留歪みが緩和し、その結果、押し出し方
向において収縮を引き起してしまうわけである。
【0007】図9のような両面粘着シート11bにて図
8に示すように支持固定する方式の場合、ワーク8やチ
ップ8a等の被加工部材が該両面粘着シート11bで支
持固定された状態で放射線照射されるため、該両面粘着
シート11bの基材フィルム12が放射線照射の熱によ
り熱収縮を起こすと、両面の放射線硬化型粘着剤層13
が引っ張られ厚さ方向に膨れるように応力が働き、支持
基板7の表面とワーク8やチップ8aの表面の両方に強
固に食い込んでしまうことになる。そして、剥離の際
は、該両面粘着シート11bの両側には剛体が貼合され
た状態であるため両面粘着シート11bを図6に示すよ
うなピール状で剥離するのは不可能であり、図10に示
すようにチップ8aを両面粘着シート11b側と反対方
向に引っ張り、接着面を面剥離させることになるため、
上記のように、両面の放射線硬化型粘着剤層13が支持
基板7の表面とチップ8aの表面の両方にそれぞれ強固
に食い込んでしまうと、非常に剥離荷重が重くなってし
まい、作業性に大きな影響を与えてしまうケースが発生
する。また、チップ8aの表面状態が粗い状態の場合、
或いは、チップ8aのサイズが非常に大きく該両面粘着
シート11bとの貼合接着面積が非常に大きくなる場合
では、前記の基材フィルム12の熱収縮による粘着剤層
の食い込みが更に増大されるため、面剥離の荷重は更に
重くなり、場合によっては、剥離自体が不可能となるケ
ースがある。そこで、本発明は、基材フィルムの両面に
粘着剤層を有する両面粘着シートにより被加工部材を支
持固定し、切断加工、研磨加工する方式において、加工
終了後、被加工部材と両面粘着シートとの剥離が容易で
ある支持固定用の両面粘着シートを提供することを目的
とするもので、上述のような剥離が困難あるいは剥離不
可能という不具合の発生を防止するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に鋭意検討を重ねた結果、150℃おける熱収縮率が
1.5%以下の基材フィルムの少なくとも片面に放射線
硬化型粘着剤層を含む両面粘着シートでは、放射線照射
により加熱されても、基材フィルムが熱による収縮を起
こさないため、前記のような剥離困難、剥離不可能とい
う不具合を防止できることを見出した。すなわち、本発
明は、(1)基材フィルムの両面に粘着剤層が設けら
れ、該基材フィルムの150℃における熱収縮率が1.
5%以下であって、少なくとも片面の前記粘着剤層が放
射線硬化型粘着剤を含むものであることを特徴とする支
持固定用両面粘着シート、(2)前記基材フィルムが二
軸延伸により成形されたポリエチレンテレフタレート樹
脂であることを特徴とする(1)に記載の支持固定用両
面粘着シート、(3)前記基材フィルムがポリカーボネ
ート樹脂であることを特徴とする(1)に記載の支持固
定用両面粘着シート、及び、(4)支持固定材に支持固
定用両面粘着シートを介して被加工部材を固定する方法
であって、該被加工部材側に放射線硬化型粘着剤層を配
置することを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1つ
に記載の支持固定用両面粘着シートの使用方法を提供す
るものである。尚、本発明で言う放射線とは、紫外線の
ような光線、または電子線のような電離性放射線のこと
をさす。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の両面粘着シートの例を図
1及び図2に示す。符号1は、両面粘着シートを示し、
2は低熱収縮性の基材フィルムを、3、4は粘着剤層を
示す。本発明の両面粘着シートの基材フィルム2は、1
50℃における熱収縮率が1.5%以下であるフィルム
が使われる。ここでいう熱収縮率とは、JIS C 23
18により測定した場合の熱収縮率のことであるが、こ
の熱収縮率値が150℃において1.5%以下であれ
ば、二軸延伸法で得られるフィルムに限らず、Tダイ法
などにより押出成形して得られたフィルムであっても適
用可能である。この熱収縮率の小さいフィルム2は、基
本的に樹脂の一方向への配向が少ないフィルムであるた
め放射線照射により加熱されても熱による収縮量は極め
て小さい。従って、図4に示すような加工処理の後、放
射線照射により加熱されても両面の粘着剤層3が支持固
定材である支持基板7表面や被加工部材であるワーク8
及びチップ8aの表面の両方に強固に食い込んでしまう
ことが無い。そのため、ワーク8やチップ8aの表面状
態が粗い場合やワーク8やチップ8aのサイズが大きく
その両面粘着シート1との貼合接着面積が非常に大きく
なる場合においても、剥離困難とか剥離不可能という不
具合の発生を防止することができる。
【0010】基材フィルムの150℃における熱収縮率
が1.5%を越えると、放射線照射により基材フィルム
の熱収縮が顕著となり、先にも述べたように被加工部材
であるワークやチップあるいは支持固定材である支持基
板と粘着シートとの剥離に非常に大きな力が必要となり
不都合である。したがって、熱収縮率が1.5%以下の
ものが好ましく、さらに好ましくは1.3%以下であ
り、1.0%〜0.6%のものが最も好ましい。本発明
の熱収縮の小さいフィルム2は、一般に二軸延伸法によ
り製膜されたものが好ましく、他の方法によるフィルム
に比較して一般的に強度が高いという特徴も持つが、こ
の高強度の特性が、切断時のワークやチップの振動やず
れを極力抑える働きをする。切断時のワーク8やチップ
8aの振動やずれを抑えることにより、切断面の欠けや
クラック発生を低減させることが可能となるため、この
二軸延伸フィルムの持つ強度が高いという特徴は、欠
け、クラック発生の低減に効果的であるものと言える。
ここで言う二軸延伸フィルムとは、二軸延伸により得ら
れたフィルムのことであるが、フィルムやシートを融点
以下の温度で縦方向と横方向に引き伸し、分子を二軸配
向させて得られたフィルムである。また、二軸延伸は、
具体的には、まず縦方向に延伸し次いで幅出し機で縦方
向に直角な横方向に延伸する逐次延伸方法や、同時に縦
方向と横方向に延伸する同時二軸延伸方法があるが、そ
の他、空気膨張を利用して両方向に延伸するインフレー
ション法などにより得られたフィルムでも構わない。ま
た、二軸延伸フィルムの材質としては、ポリエチレン
(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレ
フタレート(PET)等の種々の材料が適用可能である
が、この内、ポリエチレンテレフタレートである場合
は、比較的融点が高く加熱により軟化しにくいため、放
射線照射時の熱による収縮も発生しにくく、より望まし
い。また、ポリエチレンテレフタレートは結晶性高分子
であり、材質としての強度も高く、前述の欠けやクラッ
ク低減にも非常に効果的である。更には、ポリエチレン
テレフタレートフィルムは一般的に低コストで入手しや
すいというメリットも持ち合わせる。
【0011】さらに、本発明の150℃における熱収縮
率が1.5%以下である基材フィルム2として、例えば
押出し成形法で得られるポリカーボネート樹脂を構成材
料として含有するものが使用できる。ポリカーボネート
樹脂はその材料の特性から非常に遅い成形速度でフィル
ム成形される場合が多い。従って、押出し方向の樹脂の
流れの形成度合いが非常に小さく残留歪みも非常に小さ
くなるため、放射線照射時の熱による収縮も非常に小さ
いものであり、その結果、剥離困難や剥離不可能という
不具合発生の防止には多大なる効果をもたらすのであ
る。又、本発明で言う150℃における熱収縮率が1.
5%以下である基材フィルムは、ポリカーボネート樹脂
を構成材料として含有するものに限定されるわけでな
く、非常に遅い成形速度でフィルム成形されるものであ
れば良く、例えばポリオレフィン樹脂でも効果は十分に
現れるものである。本発明における両面粘着シート1の
基材フィルム2の厚さは、特に制限されるものでは無い
が30〜300μmの範囲にあるのが望ましい。30μ
mより薄いと貼合時のハンドリング性を損なう可能性が
あり、また、300μm厚を超えると、高強度とは言
え、切断時の振動やぶれが発生する可能性も有り、結果
的に欠けやクラック発生の原因になる可能性も考えられ
る。
【0012】また、本発明における両面粘着シート1に
おいては150℃における熱収縮率が1.5%以下であ
る基材フィルム2の両面に図1に示すように放射線硬化
型粘着剤層3を持つものが好ましい。また、基材フィル
ムの一方の面が放射線硬化型粘着剤を含むものであり、
残りの一方の面が通常のアクリル系等の粘着剤であって
も構わない。この場合、加工後には被加工部材を採取す
ることになるため、ワーク8やチップ8a等の被加工部
材を放射線硬化型粘着剤側に来るように貼合し、支持固
定材である支持基板7が通常のアクリル系粘着剤側に貼
合されるのが好ましい。更に、本発明の粘着剤層は、図
2に示すように、低熱収縮性の基材フィルム2の両面に
非放射線硬化型粘着剤層4と放射線硬化性粘着剤層3と
を重ねた多層構造であってもよい。この場合、少なくと
も片面は放射線硬化型粘着剤層3が必ず粘着剤層の最外
層にくるようにし、ワークやチップ等の被加工部材の面
には放射線硬化型粘着剤層が貼合されるようにする必要
がある。他方の面も最外層が放射線硬化型粘着剤層であ
り、支持基板等の支持固定材の面に放射線硬化型粘着剤
層が貼合されるようにするのが好ましいが、これに限る
ものではない。非放射線硬化型粘着剤の材質は特に制限
されるものではなく、後記するような通常のアクリル系
粘着剤等も適用可能である。また、粘着剤層の厚みにつ
いても特に制限されるものでは無いが、3〜300μm
の範囲にあるのが好ましい。3μm以下であると塗工が
比較的困難となる場合が多い。また、300μmを超え
ると剥離後のワークやチップ表面の糊残りの原因になる
可能性がある。但し、ワークやチップのシート貼合され
る側の表面に凹凸の段差がある場合は、その段差に完全
密着させるため個々の段差量に応じた厚みとする必要が
あり、基本的には、ワークやチップの表面状態に応じた
厚みとすることが最も望ましい。
【0013】また、本発明に適用可能な放射線硬化型粘
着剤としては、特に制限は無く、一般的には、アクリル
系粘着剤と放射線重合性化合物とを主成分としてなる。
アクリル系粘着剤は、(メタ)アクリル系共重合体及び
硬化剤を必須成分とするものである。(メタ)アクリル
系共重合体は、例えば(メタ)アクリル酸エステルを重
合体構成単位とする重合体、及び(メタ)アクリル酸エ
ステル系共重合体の(メタ)アクリル系重合体、或いは
官能性単量体との共重合体、及びこれらの重合体の混合
物等が挙げられる。これらの重合体の分子量としては重
量平均分子量が50万〜100万程度の高分子量のもの
が一般的に適用される。また、硬化剤は、(メタ)アク
リル系共重合体が有する官能基と反応させて粘着力及び
凝集力を調整するために用いられるものである。例え
ば、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチ
ル)シクロヘキサン、1,3−ビス(N,N−ジグリシ
ジルアミノメチル)トルエン、1,3−ビス(N,N−
ジグリシジルアミノメチル)ベンゼン、N,N,N,
N′−テトラグリシジル−m−キシレンジアミンなどの
分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合
物、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリ
レンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシア
ネート、1,4−キシレンジイソシアネート、ジフェニ
ルメタン−4,4′−ジイソシアネートなどの分子中に
2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート系
化合物、テトラメチロール−トリ−β−アジリジニルプ
ロピオネート、トリメチロール−トリ−β−アジリジニ
ルプロピオネート、トリメチロールプロパン−トリ−β
−アジリジニルプロピオネート、トリメチロールプロパ
ン−トリ−β−(2−メチルアジリジン)プロピオネー
トなどの分子中に2個以上のアジリジニル基を有するア
ジリジン系化合物等が挙げられる。硬化剤の添加量は、
所望の粘着力に応じて調整すればよく、(メタ)アクリ
ル系共重合体100質量部に対して0.1〜5.0質量
部が適当である。
【0014】更に、前記の放射線重合性化合物は、例え
ば光照射によって三次元網状化しうる分子内に光重合性
炭素−炭素二重結合を少なくとも2個以上有する低分子
量化合物が広く用いられ、具体的には、トリメチロール
プロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテ
トラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレ
ート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペ
ンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレー
ト、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、1,
4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6ヘキサ
ンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジ
アクリレートや、オリゴエステルアクリレート等が広く
適用可能である。また、上記のようなアクリレート系化
合物のほかに、ウレタンアクリレート系オリゴマーを用
いることもできる。ウレタンアクリレート系オリゴマー
は、ポリエステル型またはポリエーテル型などのポリオ
ール化合物と、多価イソシアナート化合物(例えば、
2,4−トリレンジイソシアナート、2,6−トリレン
ジイソシアナート、1,3−キシリレンジイソシアナー
ト、1,4−キシリレンジイソシアナート、ジフェニル
メタン4,4−ジイソシアナートなど)を反応させて得
られる末端イソシアナートウレタンプレポリマーに、ヒ
ドロキシル基を有するアクリレートあるいはメタクリレ
ート(例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2
−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプ
ロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリ
レート、ポリエチレングリコールアクリレート、ポリエ
チレングリコールメタクリレートなど)を反応させて得
られる。
【0015】放射線硬化型粘着剤中のアクリル系粘着剤
と放射線重合性化合物との配合比としては、アクリル系
粘着剤100質量部に対して放射線重合性化合物を好ま
しくは50〜200質量部、より好ましくは50〜15
0質量部の範囲で配合する。この配合比の範囲である場
合、放射線照射後に粘着剤層の粘着力は大きく低下す
る。
【0016】更には、放射線硬化型粘着剤は、上記のよ
うにアクリル系粘着剤に放射線重合性化合物を配合する
替わりに、アクリル系粘着剤自体を放射線重合性アクリ
ル酸エステル共重合体とすることも可能である。
【0017】また、放射線により粘着剤層を重合させる
場合には、光重合性開始剤、例えばイソプロピルベンゾ
インエーテル、イソブチルベンゾインエーテル、ベンゾ
フェノン、ミヒラーズケトン、クロロチオキサントン、
ベンジルメチルケタール、α−ヒドロキシシクロヘキシ
ルフェニルケトン、2−ヒドロキシメチルフェニルプロ
パン等を併用することができる。これらのうち少なくと
も1種類を粘着剤層に添加することにより、効率よく重
合反応を進行させることができる。
【0018】
【実施例】以下、実施例を用いて詳細に説明する。な
お、本発明は以下の実施例に限定されるものでなく、種
々に改変可能なものである。 実施例1〜6、比較例1〜2 表1記載の実施例1〜6、比較例1〜2に示す基材フィ
ルムの両面にコンマコータを用いて表1記載の粘着剤を
塗工し、表1に示す両面粘着シートを得た。 (1)剥離力評価 図3に示す方式に従って試験した。表1記載の実施例1
〜6、比較例1〜2に示す両面粘着シートから図3に示
すように50mm×50mmの寸法の試験片Tを採取し
た。石英ガラス板製の支持基板7に該両面粘着シート試
験片Tの片面側の放射性硬化型粘着剤層を貼合した。更
に幅10mm×長さ15mm×厚さ10mmの石英ガラ
スのワーク8を、該両面粘着シートの試験片Tのもう片
面側に押圧して貼合させ、貼合後1時間放置した後、1
000mJ/cmの紫外線を照射し、石英ガラスのワ
ーク8の剥離力を測定した。測定は、図3に示すように
引張試験機10を用い石英ガラス板製の支持基板7を固
定治具9にて固定した状態で、ワーク8を把持具10a
にて把持し、両面粘着シート試験片Tとワーク8との貼
合面に垂直な方向に引っ張り、剥離した時の応力を測定
した。その値を剥離力値として表1に示した。
【0019】(2)ダイシング時の欠け・クラックの評
価 同様に、表1に記載の実施例1〜6、比較例1〜2に示
す両面粘着シート1の50mm×50mmの試験片を図
4に示すように石英ガラス板製の支持基板7に貼合し
た。粘着シートの他方の面に、幅40mm×長さ40m
m×厚さ3mmのワーク8を押圧貼合し、ブレード6を
もつダイサーにて、カットスピード30mm/秒で5m
m×5mmサイズのチップ8aにダイシングした後、チ
ップに発生する欠け・クラックの有無を観察した。その
観察結果を表1に示した。
【0020】
【表1】
【0021】上記表1の結果より明らかなように基材フ
ィルムの150℃における熱収縮率が1.5%以上の場
合の両面粘着シート(比較例1、2)は、極めて大きい
剥離力を必要とし、また、チップの欠け・クラックの発
生がみられた。これに対し、基材フィルムを熱収縮率
1.5%以下とした放射線硬化型粘着剤層を少なくとも
片面に有する両面粘着シート(実施例1〜6)では、剥
離力値が小さく、チップの欠け・クラックの発生が無い
かもしくは少ない、という結果になった。とりわけ基材
フィルムが二軸延伸により成形されたポリエチレンテレ
フタレートフィルムである(実施例1〜2)場合は、チ
ップの欠け・クラックの発生無し、という結果になっ
た。
【0022】
【発明の効果】本発明の両面粘着シートは、放射線照射
により加熱されても基材フィルムが熱による収縮を起こ
さず、ワークやチップを両面シートにて支持基板に支持
固定した状態で切断加工、研磨加工する工程において、
放射線照射後に剥離困難や剥離不可能という不具合の発
生を防止するという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の形態の1つをあらわす、両面粘着剤層
の両面粘着シート縦断面図。
【図2】本発明の形態のうち、粘着剤層が多層構造であ
る場合を示す、両面粘着剤層の両面粘着シート縦断面
図。
【図3】実施例における剥離力評価の測定方式を示す
図。
【図4】本発明の両面粘着シート支持固定による切断加
工を示す縦断面図。
【図5】片面粘着シート支持固定による切断加工を示す
縦断面図。
【図6】放射線照射後に、片面粘着シートをチップから
ピール状で剥離する状態を示す斜視図。
【図7】片面粘着剤層の片面粘着シート縦断面図。
【図8】両面粘着剤層の両面粘着シート支持固定による
切断加工を示す縦断面図。
【図9】両面粘着剤層の両面粘着シート縦断面図。
【図10】放射線照射後に、両面粘着シートからチップ
を面剥離する状態を示す斜視図。
【符号の説明】
1 基材フィルムの両面に放射線硬化型粘着剤層を
有する両面粘着シート 2 低熱収縮性基材フィルム 3 放射線硬化型粘着剤層 4 非放射線硬化型粘着剤層 5 真空チャックテーブル 6 ブレード 7 支持基板 8 ワーク 8a チップ 9 固定治具 10 引張試験機 10a 把持具 11a 従来の片面粘着シート 11b 従来の両面粘着シート 12 基材フィルム 13 粘着剤層 T 両面粘着シート試験片
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J004 AA01 AA10 AA14 AA17 AB01 AB06 CA06 CC02 EA05 FA08 4J040 DF041 DF051 EC122 EF181 FA132 FA292 HC22 JA09 JB07 JB09 KA13 KA16 LA01 LA06 MA10 PA32

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材フィルムの両面に粘着剤層が設けら
    れ、該基材フィルムの150℃における熱収縮率が1.
    5%以下であって、少なくとも片面の前記粘着剤層が放
    射線硬化型粘着剤を含むものであることを特徴とする支
    持固定用両面粘着シート。
  2. 【請求項2】 前記基材フィルムが二軸延伸により成形
    されたポリエチレンテレフタレート樹脂であることを特
    徴とする請求項1に記載の支持固定用両面粘着シート。
  3. 【請求項3】 前記基材フィルムがポリカーボネート樹
    脂であることを特徴とする請求項1に記載の支持固定用
    両面粘着シート。
  4. 【請求項4】 支持固定材に支持固定用両面粘着シート
    を介して被加工部材を固定する方法であって、該被加工
    部材側に放射線硬化型粘着剤層を配置することを特徴と
    する請求項1〜3のいずれか1項に記載の支持固定用両
    面粘着シートの使用方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021029283A1 (ja) * 2019-08-09 2021-02-18 三菱瓦斯化学株式会社 貼り合わせ用粘着シート、多層体および多層体の製造方法
CN112789337A (zh) * 2018-10-05 2021-05-11 三井化学东赛璐株式会社 粘着性膜及电子装置的制造方法

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