JP2003277133A - アルミナセラミックス焼結体の製造方法、およびアルミナセラミックス焼結体 - Google Patents

アルミナセラミックス焼結体の製造方法、およびアルミナセラミックス焼結体

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JP2003277133A JP2002075304A JP2002075304A JP2003277133A JP 2003277133 A JP2003277133 A JP 2003277133A JP 2002075304 A JP2002075304 A JP 2002075304A JP 2002075304 A JP2002075304 A JP 2002075304A JP 2003277133 A JP2003277133 A JP 2003277133A
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Yoichi Yajima
洋一 矢島
Takayuki Fujita
隆之 藤田
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Taimei Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セラミックス工具、耐摩耗性部材などに適し
た、高密度、高強度のアルミナセラミックス焼結体の製
造方法、およびこの製造方法で得たアルミナセラミック
ス焼結体を提供すること。 【解決手段】 放電プラズマ焼結法は、成形パンチ3で
試料粉体1を圧縮しながら、直流パルス発生器5で発生
させた電気エネルギーを電極4から成形パンチ3を通じ
て試料粉体1に供給し、試料粒子間隙に直接流れるパル
ス電流、および成形パンチ3を通じて成形ダイ2に流れ
るパルス電流により発熱する成形ダイ2からの熱エネル
ギーにより試料粉体1を短時間で焼結する。ここで、結
晶子径が数nm〜数十nmの活性アルミナの粉体を試料
粉体1とし、高密度、高強度のアルミナセラミック焼結
体を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、放電プラズマ焼結
法を用いたアルミナセラミックス焼結体の製造方法、お
よびこの方法で得たアルミナセラミックス焼結体に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】アルミナは耐熱性、耐食性、耐摩耗性、
電気絶縁性、機械的強度に優れているため、切削工具、
軸受、IC基板、透光性材料などに利用されている。従
来、これらの用途に用いられているアルミナセラミック
ス焼結体は、原料としてαアルミナ粉体を使用するのが
一般的であり、プレス成形などの方法で粉体を成型した
後、焼結炉で焼結させて製造されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、原料と
してαアルミナ粉体を使用すると、αアルミナ粒子が大
きいため、これらの粒子から高密度の焼結体を得るため
には高温で処理する必要がある。また、従来は、高温で
処理する結果、アルミナ焼結体の結晶粒子が大きくなり
焼結体の欠陥として作用する粒界も長くなる。このた
め、アルミナセラミックス焼結体の強度は、300〜5
00MPa程度と低く、耐摩耗性なども低いという問題
点があった。
【0004】以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、
セラミックス工具、耐摩耗性部材などに適した、高密
度、高強度のアルミナセラミックス焼結体の製造方法、
およびこの製造方法で得たアルミナセラミックス焼結体
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、本願発明者が繰り返し行った検討から新たな知見
を得、この知見に基づいて、本願発明に到達した。すな
わち、本発明では、アルミナ粉体を放電プラズマ焼結し
てアルミナセラミックス焼結体を得るアルミナセラミッ
クス焼結体の製造方法において、前記アルミナ粉体とし
て、塩基性塩化アルミニウムを熱分解させたものから得
た活性アルミナ粉体を用いることを特徴とする。
【0006】本発明で行う放電プラズマ焼結法は、成形
ダイおよび成形パンチで試料粉体を保持し、成形パンチ
で試料粉体を圧縮しながら、直流パルス発生器で発生さ
せた電気エネルギーを電極から成形パンチを通じて試料
粉体に供給し、試料粒子間隙に直接流れるパルス電流、
および成形パンチを通じて成形ダイに流れるパルス電流
により発熱する成形ダイからの熱エネルギーにより試料
粉体を短時間で焼結させる。
【0007】ここで、活性アルミナとは安定結晶形であ
るαアルミナ相になる前の準安定相アルミナであり、具
体的にはγ、δ、θ、κ、χ等の結晶形を示すアルミナ
である。これらの活性アルミナの結晶粒径は、数nm〜
数十nmと非常に微細である。本発明では結晶粒径が数
nm〜数十nmの活性アルミナを出発原料として利用す
る。微細な活性アルミナ粉体は一般的に嵩が高く、高密
度の成形体を得ることが困難であるが、放電プラズマ焼
結法では試料粉体を圧縮しながら焼結するため嵩高い活
性アルミナ粉体からも高密度のアルミナ焼結体を得るこ
とができる。また、アルミナ焼結体の強度を向上させる
ためには、高密度の焼結体を調製するとともに焼結体を
構成する結晶粒子径を可及的に小さくする必要があり、
本方法ではそれを達成できる。
【0008】また、本発明の別の形態では、アルミナ粉
体を放電プラズマ焼結してアルミナセラミックス焼結体
を得るアルミナセラミックス焼結体の製造方法におい
て、前記アルミナ粉体として、アンモニウムドーソナイ
トを熱分解させたものから得た活性アルミナ粉体を用い
ることを特徴とする。
【0009】アンモニウムドーソナイトを熱分解させた
ものから得た活性アルミナ粉体を用いると、上記の作
用、効果に加えて、得られた活性アルミナ粒子が極めて
微細で、比表面積が大きく活性に富んだ粉体となるた
め、アルミナセラミックス焼結体原料として好適であ
る。
【0010】本発明において、塩基性塩化アルミニウム
から活性アルミナ粉体を得るにあたっては、例えば、塩
基性塩化アルミニウムの水溶液を乾燥させた後、熱分解
させて活性アルミナを調整し、しかる後に、当該活性ア
ルミナを粉砕して前記活性アルミナ粉体を得る。この場
合、前記水溶液に対して、非イオン性有機化合物、およ
びカチオン性界面活性剤のうちの少なくとも一つを添加
しておくことが好ましい。このように構成すると。活性
アルミナの粒子径が微細、且つ、より均一になるためア
ルミナセラミックス焼結体の原料としてより好ましい。
【0011】また、本発明において、塩基性塩化アルミ
ニウムから活性アルミナ粉体を得るにあたっては、塩基
性塩化アルミニウムの水溶液を乾燥させた後、熱分解さ
せて活性アルミナを調整し、しかる後に、当該活性アル
ミナを粉砕して前記活性アルミナ粉体を得る場合には、
前記水溶液に対して、カルボキシル基を有する有機化合
物を添加しておくことが好ましい。このように構成する
と、塩基性塩化アルミニウムの熱分解によって得られる
アルミナのαアルミナ生成温度が500℃付近と極めて
低くなるため、放電プラズマ焼結時においてより低温で
の焼結が可能になり好ましい。
【0012】本発明において、前記活性アルミナ粉体と
して、活性アルミナをアルミナ質の粉砕媒体を用いて粉
砕処理したものを用いることが好ましい。このような装
置で活性アルミナ粉体を粉砕処理すると、放電プラズマ
焼結温度を下げても高密度のアルミナ焼結体が得られ
る。
【0013】本発明において、前記活性アルミナ粉体を
放電プラズマ焼結する際、当該活性アルミナ粉体に対し
て、アルミナ以外の無機化合物を含ませておくことが好
ましい。無機化合物としては、例えば、MgO、ZrO
2、Y23、CaO等を添加すると、強度や破壊靱性が
さらに向上する。このような場合、アルミナ粉体に対し
て、アルミナ以外の無機化合物の粉体を添加してもよい
が、熱分解によって上記の無機化合物を生成する前駆化
合物を塩基性塩化アルミニウム水溶液に添加しておき、
この水溶液から活性アルミナ粉体を調製してもよい。こ
の場合、前駆化合物としては、塩基性塩化アルミニウム
水溶液に溶解する塩が好ましい。
【0014】本発明に係る方法で製造したアルミナセラ
ミック焼結体は、例えば、密度が3.9g/cm3以上で
あり、かつ、抗折強度が700MPa以上である。
【0015】本発明に係るアルミナセラミック焼結体
は、例えば、透光性を備えている。すなわち、本発明に
よれば、高密度で欠陥のないアルミナ焼結体が得られる
ため、透光性アルミナ焼結体を調製することも可能であ
る。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は、放電プラズマ焼結装置の
構成を示す模式図である。
【0017】本発明では、結晶粒子が微細な活性アルミ
ナ粉体を原料として用い、この活性アルミナ粉体を放電
プラズマ焼結することによってアルミナ焼結体を得る。
また、本発明では、放電プラズマ焼結する活性アルミナ
の前駆体として、塩基性塩化アルミニウムまたはアンモ
ニウムドーソナイトを用い、これらの先駆体から得た、
結晶粒子が微細な活性アルミナ粉体を放電プラズマ焼結
することによって、微細結晶からなる、高密度、高強度
のアルミナ焼結体を得る。本発明では、活性アルミナ粉
体として、結晶粒径が数nm〜数十nmの活性アルミナ
を出発原料として用いる。
【0018】放電プラズマ焼結法は、図1に示すよう
に、真空チャンバー6内において、成形ダイ2および成
形パンチ3で試料粉体1を保持し、成形パンチ3で試料
粉体1を圧縮しながら、直流パルス発生器5で発生させ
た電気エネルギーを電極4から成形パンチ3を通じて試
料粉体1に供給し、試料粒子間隙に直接流れるパルス電
流、および成形パンチ3を通じて成形ダイ2に流れるパ
ルス電流により発熱する成形ダイ2からの熱エネルギー
により試料粉体1を短時間で焼結するものである。この
際、試料粉体1の温度は、放射温度計7で監視する。
【0019】微細な活性アルミナ粉体は一般的に嵩が高
く、高密度の成形体を得ることが困難であるが、放電プ
ラズマ焼結法では試料粉体を圧縮しながら焼結するため
嵩高い活性アルミナ粉体からも高密度のアルミナ焼結体
を得ることができる。
【0020】アルミナ焼結体の強度を向上させるために
は、高密度の焼結体を調製するとともに焼結体を構成す
る結晶粒子径を可及的に小さくする必要があり、本方法
ではそれを達成できる。
【0021】本発明により高密度・高強度のアルミナセ
ラミックス焼結体が得られる理由は、以下のように考え
られる。
【0022】放電プラズマ焼結は急速加熱であるため、
活性アルミナがα相へ転移する際に活性アルミナ相中に
微細なα相の結晶核が同時多発的に生じ、これら多数の
結晶核が焼結してαアルミナ焼結体が生成される。従っ
て、昇温時間の長い他の焼結法とは異なり原料活性アル
ミナの微細粒子の大きさを反映した微細構造を保持する
ことができ、さらに昇温・保持時間を含めても数分から
数十分という短時間で熱処理が終了する。それ故、生成
したαアルミナ結晶粒子の成長が抑制され、微細、且
つ、均一な焼結体が得られるので、高密度・高強度のア
ルミナセラミックス焼結体が得られると考えられる。
【0023】また、本発明では、高速で加熱焼成するた
め、アルミナ結晶粒内に微細な活性アルミナの粒子サイ
ズに由来するサブ粒界が生成し、粒内を分割することに
よって破壊源の著しい減少がもたられ、その結果として
焼結体の強度が向上すると考えられる。
【0024】このように、本発明では、微細な活性アル
ミナを放電プラズマ焼結法により焼結させるため、α相
転移、焼結、緻密化が並行して起こり、これらの複合効
果によって短時間で微細且つ均一な焼結体が得られ、高
密度、高強度のアルミナセラミックス焼結体が得られ
る。
【0025】ここで、活性アルミナとは、安定結晶形で
あるαアルミナ相になる前の準安定相アルミナであり、
具体的にはγ、δ、θ、κ、χ等の結晶形を示すアルミ
ナである。これらの活性アルミナの結晶粒径は数nm〜
数十nmと非常に微細であり、活性が高く微細組織の焼
結体を調製するのに適している。
【0026】塩基性塩化アルミニウムは、一般式Al2
(OH)nCl6-n(0<n<6)で示されるもので液体
または固体として市販されている。塩基性塩化アルミニ
ウムは、加熱により600℃付近までに水分子と塩化水
素を脱離して活性アルミナになり、さらに加熱すると1
100℃付近でαアルミナに転移する。このため塩基性
塩化アルミニウムを600〜1000℃で熱分解して得
られる活性アルミナをアルミナ焼結体原料として用いる
ことができる。なお、1000℃で熱分解すると活性ア
ルミナ中に一部αアルミナが生成し、このαアルミナが
種結晶として作用して、より低温で緻密なアルミナ焼結
体を調製することができる。
【0027】ここで、塩基性塩化アルミニウムが水溶液
の状態において水溶性の有機化合物を添加することもで
きる。
【0028】水溶性の有機化合物としては、非イオン性
有機化合物、カチオン性界面活性剤、カルボン酸やオキ
シカルボン酸のようなカルボキシル基を含む化合物など
が挙げられ、さらに具体的には、非イオン性有機化合物
としてはエチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、ポリビニルアルコール等であり、カチオン性界面活
性剤としてはテトラメチルアンモニウムクロライドなど
の第四級アンモニウムイオン等であり、カルボキシル基
を有する化合物としては乳酸、グルコン酸、リンゴ酸、
プロピオン酸等である。
【0029】非イオン性有機化合物またはカチオン性界
面活性剤を添加することにより塩基性塩化アルミニウム
の熱分解により得られる活性アルミナの粒子径が微細、
且つ、より均一になるためアルミナセラミックス焼結体
の原料としてより好ましい。
【0030】また、カルボキシル基を含む有機化合物を
添加することにより塩基性塩化アルミニウムの熱分解に
よって得られるアルミナのαアルミナ生成温度が500
℃付近と極めて低くなるため、放電プラズマ焼結時にお
いてより低温での焼結が可能になり好ましい。
【0031】アンモニウムドーソナイトは、一般式NH
4Al(OH)2CO3で示されるもので低温焼結性の高
純度アルミナ原料として用いられる。アンモニウムドー
ソナイトは加熱によりアンモニア、炭酸、水を脱離し、
600℃付近で活性アルミナになり、1200℃付近で
αアルミナに転移する。このため、アンモニウムドーソ
ナイトを600〜1100℃で熱分解して得られる活性
アルミナをアルミナ焼結体原料として用いることができ
る。得られる活性アルミナは粒子が極めて微細で、比表
面積が大きく活性に富んだ粉体となるため、アルミナセ
ラミックス焼結体原料として好適に利用できる。
【0032】本発明では、塩基性塩化アルミニウムまた
はアンモニウムドーソナイトを熱分解して得られた活性
アルミナをアルミナ質粉砕媒体で構成された粉砕装置で
粉砕処理することが好ましい。粉砕装置としては、ボー
ルミル、遊星回転ポットミル、媒体撹拌型ミル等、一般
的に使用されている粉砕装置を利用することができる。
活性アルミナ粉体をこの様な装置で粉砕処理することに
よって、放電プラズマ焼結温度を下げても高密度のアル
ミナ焼結体が得られる。アルミナ質粉砕媒体で構成され
た粉砕装置で粉砕処理することにより、より低温で高密
度の焼結体が生成する。その原因は明確でないが、粉砕
媒体より必然的に混入する摩耗粉による種効果、および
核生成速度を増大させるメカノケミカル効果により、α
アルミナ生成温度が低下する結果、低温で緻密なアルミ
ナ焼結体が得られるものと考えられる。
【0033】また、本方法によれば高密度で欠陥のない
アルミナ焼結体が得られるため、透光性アルミナ焼結体
を調製することも可能である。
【0034】さらに本方法においては、強度や破壊靱性
の向上を目的として一般的に用いられる各種無機化合物
を活性アルミナに含ませておき、それを放電プラズマ焼
結することもできる。無機化合物の例としてはMgO、
ZrO2、Y23、CaO等が挙げられ、添加量は20
%以下が好ましい。この場合には、アルミナ粉体に対し
て、アルミナ以外の無機化合物の粉体を添加しておく方
法、熱分解によって上記の無機化合物を生成する前駆化
合物を塩基性塩化アルミニウム水溶液に添加しておき、
この水溶液から活性アルミナ粉体を調製する方法がある
が、後者の方法を採用する場合には、前駆化合物とし
て、塩基性塩化アルミニウム水溶液に溶解する塩を用い
ることが好ましい。
【0035】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。
【0036】なお、焼結体の密度測定はアルキメデス法
で測定し、曲げ強度はJIS・R1601に従い3点曲
げ試験により求めた。
【0037】[実施例1]塩基性塩化アルミニウム水溶
液(アルファイン83、大明化学工業(株)製)を60
℃で48時間乾燥させて調製したゲルを粗粉砕した後、
電気炉中で送風しながら900℃で3時間仮焼して活性
アルミナを得た。
【0038】得られた活性アルミナをエタノール中でア
ルミナボールおよびアルミナポットで構成された遊星ボ
ールミルを用いて24時間粉砕処理して微細化した後、
乾燥させて原料活性アルミナ粉体を得た。
【0039】次いで活性アルミナ粉体をグラファイト型
に充填し、放電プラズマ焼結装置(住友石炭鉱業(株)
製SPS−2050)を用いて、真空中(1.5Pa)
において30MPaで加圧しながら、昇温速度100℃
/分、焼結温度1400℃、保持時間3分で焼結した。
【0040】得られたアルミナ焼結体の密度は3.95
1g/cm3、曲げ強度は857MPaであった。
【0041】[実施例2]塩基性塩化アルミニウム水溶
液(アルファイン83、大明化学工業(株)製)にポリ
ビニルアルコール(重合度1700)を塩基性塩化アル
ミニウムのAl23換算重量に対して40重量%添加し
た後、60℃で48時間乾燥させて複合ゲルを調製し
た。この複合ゲルを粗粉砕した後、電気炉中で送風しな
がら900℃で3時間仮焼して活性アルミナを得た。
【0042】得られた活性アルミナをエタノール中でア
ルミナボールおよびアルミナポットで構成された遊星ボ
ールミルを用いて24時間粉砕処理して微細化した後、
乾燥させて原料活性アルミナ粉体を得た。
【0043】次いで活性アルミナ粉体をグラファイト型
に充填し、放電プラズマ焼結装置(住友石炭鉱業(株)
製SPS−2050)を用いて、実施例1と同様な条件
で焼結した。
【0044】得られたアルミナ焼結体の密度は3.95
5g/cm3、曲げ強度は920MPaであった。
【0045】[実施例3]アンモニウムドーソナイトを
800℃で熱分解した後、アルミナボールおよびアルミ
ナポットで構成されたボールミルを用いて48時間粉砕
処理して活性アルミナ粉体を得た。
【0046】得られた活性アルミナ粉体をグラファイト
型に充填し、放電プラズマ焼結装置(住友石炭鉱業
(株)製SPS−2050)を用いて、真空中(1.5
Pa)において30MPaで加圧しながら、昇温速度1
00℃/分、焼結温度1300℃、保持時間3分で焼結
した。
【0047】得られたアルミナ焼結体の密度は3.97
5g/cm3、曲げ強度は910MPaであった。
【0048】[実施例4]実施例3で得られた活性アル
ミナ粉体にZrO2を18重量%添加し、湿式混合した
のち乾燥して活性アルミナ−ジルコニア粉体を得た。
【0049】得られた粉体をグラファイト型に充填し、
放電プラズマ焼結装置(住友石炭鉱業(株)製SPS−
2050)を用いて、実施例1と同様な条件で焼結し
た。
【0050】得られたアルミナ焼結体の密度は4.25
7g/cm3、曲げ強度は1050MPaであった。
【0051】[比較例]市販のαアルミナ粉末(粒径
0.5μm)をグラファイト型に充填し、放電プラズマ
焼結装置(住友石炭鉱業(株)製SPS−2050)を
用いて、真空中(1.5Pa)において30MPaで加
圧しながら、昇温速度100℃/分、焼結温度1450
℃、保持時間3分で焼結した。得られたアルミナ焼結体
の密度は3.92g/cm3、曲げ強度は480MPa
であった。なお、焼結体を構成する結晶の大きさは4〜
6μmと大きなものであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】放電プラズマ焼結装置の構成を示す模式図であ
る。
【符号の説明】
1 試料粉体 2 成形ダイ 3 成形パンチ 4 電極 5 直流パルス発生器 6 真空チャンバー 7 放射温度計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤田 隆之 長野県上伊那郡南箕輪村3685番地の2 大 明化学工業株式会社内 Fターム(参考) 4G030 AA36 BA15 BA19 GA01 GA03 GA08 GA24 GA29

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミナ粉体を放電プラズマ焼結してア
    ルミナセラミックス焼結体を得るアルミナセラミックス
    焼結体の製造方法において、 前記アルミナ粉体として、塩基性塩化アルミニウムを熱
    分解させたものから得た活性アルミナ粉体を用いること
    を特徴とするアルミナセラミックス焼結体の製造方法。
  2. 【請求項2】 アルミナ粉体を放電プラズマ焼結してア
    ルミナセラミックス焼結体を得るアルミナセラミックス
    焼結体の製造方法において、 前記アルミナ粉体として、アンモニウムドーソナイトを
    熱分解させたものから得た活性アルミナ粉体を用いるこ
    とを特徴とするアルミナセラミックス焼結体の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項1において、塩基性塩化アルミニ
    ウムの水溶液を乾燥させた後、熱分解させて活性アルミ
    ナを調整し、しかる後に、当該活性アルミナを粉砕して
    前記活性アルミナ粉体を得るにあたって、 前記水溶液に対して、非イオン性有機化合物、およびカ
    チオン性界面活性剤のうちの少なくとも一つを添加して
    おくことを特徴とするアルミナセラミックス焼結体の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1において、塩基性塩化アルミニ
    ウムの水溶液を乾燥させた後、熱分解させて活性アルミ
    ナを調整し、しかる後に、当該活性アルミナを粉砕して
    前記活性アルミナ粉体を得るにあたって、 前記水溶液に対して、カルボキシル基を有する有機化合
    物を添加しておくことを特徴とするアルミナセラミック
    ス焼結体の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかにおいて、
    前記活性アルミナ粉体として、活性アルミナをアルミナ
    質の粉砕媒体を用いて粉砕処理したものを用いることを
    特徴とするアルミナセラミックス焼結体の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかにおいて、
    前記活性アルミナ粉体を放電プラズマ焼結する際、当該
    活性アルミナ粉体に対して、アルミナ以外の無機化合物
    を含ませておくことを特徴とするアルミナセラミックス
    焼結体の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれかに規定する
    方法で製造したことを特徴とするアルミナセラミック焼
    結体。
  8. 【請求項8】 請求項7において、透光性を備えている
    ことを特徴とするアルミナセラミックス焼結体。
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