JP2003275904A - センター治具 - Google Patents

センター治具

Info

Publication number
JP2003275904A
JP2003275904A JP2002337952A JP2002337952A JP2003275904A JP 2003275904 A JP2003275904 A JP 2003275904A JP 2002337952 A JP2002337952 A JP 2002337952A JP 2002337952 A JP2002337952 A JP 2002337952A JP 2003275904 A JP2003275904 A JP 2003275904A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
housing
center
pressure
bolt
slide core
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002337952A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3820569B2 (ja
Inventor
Hideyo Yamamoto
英世 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
YAMAMOTO JIDOKI KK
Original Assignee
YAMAMOTO JIDOKI KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by YAMAMOTO JIDOKI KK filed Critical YAMAMOTO JIDOKI KK
Priority to JP2002337952A priority Critical patent/JP3820569B2/ja
Publication of JP2003275904A publication Critical patent/JP2003275904A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3820569B2 publication Critical patent/JP3820569B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 管又は筒形の被加工物にその内径に係わらず
自在に着脱できるセンター治具を提供する。 【解決手段】 一端面2にセンター穴3を形成し他端を
開放した短筒形のハウジング4と、一端面2を貫いたボ
ルト挿通孔5に挿通した加圧ボルト6と、第1,第2の
スライド中子7,8と、ハウジング4の胴部9を等角ピ
ッチで貫いた複数のピン挿通孔10に各々挿通した複数
のプレッシャピン11とを備える。加圧ボルトを第1の
スライド中子7に締結すると、第1,第2のスライド中
子7,8が、ハウジング4内をスラスト方向に変位する
ことにより、複数のプレッシャピン11が、それぞれ、
第1,第2のスライド中子7,8の傾斜面12に従動
し、ハウジング4の胴部9から外方へ突出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、管又は筒形の被加
工物を旋盤加工するに際して、旋盤の主軸によって回転
する被加工物の軸心の振れを防止するセンター治具に関
する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】従来、管又は筒形の被
加工物の外周面を旋盤を用いて加工するには、この被加
工物の一端を三つ爪チャック等で挟持して旋盤の主軸に
接続し、被加工物の他端に、同旋盤の心押台に取付けた
センター又は傘形センターを押し当てることにより、上
記の主軸と共に回転する被加工物の軸心が振れないよう
にしていた。これは、旋盤加工中に被加工物の軸心が僅
かでも振れると、バイト等で切削した仕上面が荒れた
り、被加工物が真円から大きく外れた形に仕上がるの
で、これを防止するためである。
【0003】また、被加工物の端面又はその付近の内周
面を加工するには、被加工物の他端の開口部にバイト等
を接近させて行うので、被加工物の他端の開口を塞いで
しまうようなセンター等は使用できない。このため、木
材等をV字谷又は円弧状の谷形に成形した受け材(ブリ
ョウと称する治具)を準備し、このような受け材で、被
加工物を摺接させつつ支持することにより、被加工物の
軸心の振れを抑止するようにしていた。或いは、被加工
物の内径が、センター等の直径より著しく広い場合は、
センター等は使用できないので、上記の受け材を使用し
ていた。
【0004】しかしながら、センター又は傘形センター
は、種々の被加工物を加工するに際して、被加工物の内
径に応じた適切なものを選択して心押台に付替えなけれ
ばならず、加工に伴う付帯作業(前段取り)が煩雑であ
った。しかも、多種のセンター等を一通り揃えるのは不
経済でもあった。また、上記の受け材は、回転する被加
工物に摺接するため、被加工物が僅かでも楕円形であっ
たり外周面に凹凸が有ると、その軸心が簡単に振れてし
まうという問題がある。
【0005】そこで、本発明の目的は、管又は筒形の被
加工物にその内径に係わらず自在に着脱できるセンター
治具を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係るセンター治
具は、心押台のセンターに回転自在に位置決めされる、
管状の被加工物に挿入する筒形のハウジングと、このハ
ウジングの胴部からラジアル方向に出没する複数のプレ
ッシャピンと、これらのプレッシャピンを被加工物の内
周面に押付ける加圧手段とを備えるものである。
【0007】本発明に係るセンター治具は、一端面にセ
ンター穴を設けた筒形のハウジングと、このハウジング
の一端面を貫いたボルト挿通孔に挿通した加圧ボルト
と、この加圧ボルトに螺合してハウジング内に挿入され
た第1のスライド中子と、この第1のスライド中子にハ
ウジングのスラスト方向に縦列した第2のスライド中子
と、ハウジングの胴部を等角ピッチで貫いた複数のピン
挿通孔に各々挿通した複数のプレッシャピンとを備え、
加圧ボルトを第1のスライド中子に締結し、第1,第2
のスライド中子が、ハウジング内をそのスラスト方向に
変位させることにより、複数のプレッシャピンが、それ
ぞれ、第1,第2のスライド中子に各々形成したハウジ
ングのラジアル方向へ立上がる傾斜面に従動し、ハウジ
ングの胴部からラジアル方向へ突出するものである。
【0008】更に、本発明に係るセンター治具は、セン
ター穴を形成したセンタブロックを、ハウジングの一端
面にボルトで締結したものである。
【0009】更に、本発明に係るセンター治具は、複数
のピン挿通孔と複数のプレッシャピンが、それぞれ、ハ
ウジングの胴部に120度以下の等ピッチで配置され、
これらのピン挿通孔とプレッシャピンの位置に対応し
て、傾斜面が、第1,第2のスライド中子の周面に複数
形成されたものである。
【0010】更に、本発明に係るセンター治具は、第
1,第2のスライド中子が、その全周を傾斜面とした略
コーン形である。
【0011】更に、本発明に係るセンター治具は、プレ
ッシャーピンの傾斜面に従動する部位に、傾斜面に沿っ
た面取りを施したものである。
【0012】更に、本発明に係るセンター治具は、プレ
ッシャーピンが、ハウジングに着脱自在に設けられてい
るものである。
【0013】
【発明の実施の形態】図1及び図2に示すように、本発
明の実施の形態に係るセンター治具1は、円形の一端面
2の中心にセンター穴3を形成し他端を開放した短筒形
のハウジング4と、一端面2を貫いた複数のボルト挿通
孔5に挿通した複数の加圧ボルト6と、これらの加圧ボ
ルト6に螺合してハウジング4内に挿入された第1のス
ライド中子7と、これに連結した第2のスライド中子8
と、ハウジング4の胴部9を貫いた複数のピン挿通孔1
0に各々挿通した複数のプレッシャピン11とを備える
ものである。
【0014】センター穴3は、センタードリルを用いて
穿孔されている。ハウジング4は、座繰りを有するボル
ト挿通孔5を、一端面2のセンター穴3の周りに90°
のピッチで4カ所穿孔している。胴部9には、その周方
向に90°の角ピッチでピン挿通孔10を4カ所ずつ合
計8カ所穿孔している。詳しくは、図1中の上下に対向
する2対のプレッシャピン11のうち、同図の左寄り
(一端面2に近い方)の1対のプレッシャピン11は、
図2中のハウジング4から上下に突出する1対のプレッ
シャピン11に相当する。
【0015】つまり、図2中のハウジング4から左右に
突出する1対のプレッシャピン11とそれを挿通させる
ピン挿通孔10は、図1において省略しているが、ピン
挿通孔10は、第1のスライド中子7に対応する位置に
4箇所と、これらにスラスト方向(矢印Aに沿う方向)
に位置を違えて、第2のスライド中子8に対応する位置
に4箇所の合計8箇所に配置されている。これら8箇所
のピン挿通孔10には、プレッシャピン11が出没自在
に各々挿通している。
【0016】図1及び図3に示すように、第1,第2の
スライド中子7,8は、その全周を傾斜面12とした略
コーン形のブロックであり、ハウジング4の内径よりも
僅かに直径が小さい周縁部7a,8aをハウジング4の
内周に接面しつつ、ハウジング4内をスラスト方向に自
由に滑動できる。第1のスライド中子7は、ハウジング
4の一端面2のボルト挿通孔5に対応する位置に、4本
の加圧ボルト6を各々螺合する4つのネジ穴7bを形成
している。傾斜面12のスラスト方向に対する傾斜角度
は、約15°乃至45°の範囲で設定してもよいが、約
35°と定めるのが力の損失が少なく望ましい。
【0017】第1,第2のスライド中子7,8の間に
は、これらの間隔を規定する筒形のカラー13が介在す
る。第2のスライド中子8の芯を貫く軸穴8bとカラー
13の内孔13aとに挿通する連結ボルト14を、第1
のスライド中子7の中芯ネジ孔7cに締結することによ
り、第1,第2のスライド中子7,8を縦列させ一組に
連結した構造(タンデム)としている。カラー13は、
その両端部を第1,第2のスライド中子7,8に各々形
成した凹部16に嵌入し、第1,第2のスライド中子
7,8を相互に位置決めする役割も果たす。
【0018】図4に示すように、プレッシャピン11
は、ハウジング4の内部に差し込んだ端部の周縁に面取
りを施すことにより、第1,第2のスライド中子7,8
の傾斜面12に沿った摺動面17を形成している。プレ
ッシャピン11のハウジング4の外方に突出した端部に
は、糸面取りが施され、更に、この端部内方には、プレ
ッシャピン11自身がハウジング4内へ没落するのを防
止するために、Eリング等のクリップからなるストッパ
18が固定されている。
【0019】上記のスラスト方向とは、ハウジング4の
軸心に沿った方向であり、図1と図4においては水平方
向と定めた。このスラスト方向は、管又は筒状の被加工
物15の軸心に一致し、更に、被加工物15を旋盤等に
取付けた場合には、その送り方向にも一致する。そし
て、スラスト方向に直交する向きを、以下の説明におい
てラジアル方向と称し、矢印Bで表した。但し、これら
の呼称は、ハウジング4の向き又はセンター治具1の使
用状態を限定するものではない。
【0020】次に、センター治具1の動作と使用手順に
ついて、図1及び図4に基づき説明する。また、以下
で、旋盤又はセンター等に係る自明の物品については、
図示を省略した。
【0021】即ち、被加工物15の端面、外周面又は内
周面を旋盤を用いて加工するには、この被加工物15の
適当な部位、例えば図示を省略した右側の端部を、三つ
爪チャック等で挟着して旋盤の主軸に接続する。この状
態で、被加工物15の心押台に向いた側の端部15aか
ら、加圧ボルト6を予め緩めたセンター治具1を被加工
物15の内部へと進入させる。
【0022】センター治具1を被加工物15の内部の何
処に配置するかは、作業者が任意に定められるが、被加
工物15の端部15aの近傍やその内周面を加工する場
合に、端部15aにバイト等を接近、或いは、端部15
aからバイト等を差し込むためのスペースを確保するの
に、同図に表したように、ハウジング4の一端面2を端
部15aよりも奥方へ挿入させるのが好ましい。
【0023】センター治具1の配置が定まったところ
で、第1のスライド中子7に各々螺合した4本のうちの
任意に1本の加圧ボルト6を、手回し又はレンチ等を用
いて徐々に締め付けると、第1,第2のスライド中子
7,8が、ハウジング4内をそのスラスト方向に変位、
即ち図4の矢印Aで指した一端面2側へ移動する。これ
に伴って、総てのプレッシャピン11が、それぞれ、第
1,第2のスライド中子7,8の傾斜面12に従動し、
ハウジング4の胴部9から同図の矢印Bで指したラジア
ル方向へ突出することになる。
【0024】これらの突出したプレッシャピン11の端
部が被加工物15の内周面に軽く突き当たったところ
で、更に4本の加圧ボルト6をレンチ等を用いて順次強
く締め付けると、総てのプレッシャピン11が被加工物
15の内周面に強く押し付けられる。このように、加圧
ボルト6と第1,第2のスライド中子7,8とは、プレ
ッシャピン11を被加工物15の内周面に押付ける加圧
手段30(図1)を構成する。これにより、センター治
具1が被加工物15の内部のラジアル方向の中心に強固
に固定され、センター治具1の芯合わせが完了する。
【0025】この状態で、一端面2のセンター穴3の位
置は、被加工物15を回転させたときの軸心に一致する
ため、このセンター穴3に心押台に取付けたセンターを
差し込めば、被加工物15の軸心の振れを確実に防止で
きる。しかも、センター治具1は、バイト等による切削
の反力を受けても、被加工物15の内部で揺動すること
がない。尚、被加工物15を回転させたとき、ハウジン
グ4がセンター穴3をセンターに摺接しながら回転し、
或いは、センター穴3に接触したセンターがハウジング
4と共に回転することになる。
【0026】センター治具1を被加工物15から取り外
す場合、4本の加圧ボルト6を順次緩めれば、総てのプ
レッシャピン11が被加工物15の内周面を押し付ける
圧力を除去できるので、センター治具1を被加工物15
の内部から手で引き出す等して容易に取り出せる。この
場合、加圧ボルト6を緩めるに従い第1,第2のスライ
ド中子7,8は一端面2から離れる方向へ移動するので
あるが、目に見える程大きなストロークは必要なく、加
圧ボルト6を僅かに緩めれば足りる。
【0027】上述したように、プレッシャピン11に摺
動面17を形成しているので、プレッシャピン11が傾
斜面12に従動する過程においては、摺動面17が傾斜
面12に摺接しつつ、プレッシャピン11の全体が傾斜
面12によってラジアル方向へ押圧される。このよう
に、摺動面17が傾斜面12に摺接するため、プレッシ
ャピン11と傾斜面12とが接触する面積が比較的増大
し、プレッシャピン11が傾斜面12に食い込むといっ
た所謂かじりを防止できる。
【0028】以上の説明で、第1,第2のスライド中子
7,8を略コーン形とし、8本のプレッシャピン11
を、ハウジング4の胴部9に90度の等ピッチで各々配
置していることを述べたが、図5に示すように、第1,
第2のスライド中子7,8は、90°の等ピッチで配置
されるプレッシャピン11の各位置に対応する傾斜面1
2を4面備えた略四角錐であってもよい。
【0029】或いは、ピン挿通孔10と複数のプレッシ
ャピン11を、それぞれ、ハウジング4の胴部9の周方
向に90度以下、例えば45°の等ピッチで配置しても
よい。つまり、図6及び図7に示すように、ピン挿通孔
10を16箇所に、プレッシャピン11を16本に、そ
れぞれ増設してもよい。この場合、第1,第2のスライ
ド中子7,8は、45°の等ピッチで配置されるプレッ
シャピン11の各位置に対応する傾斜面12を8面備え
た略八角錐であってもよい。
【0030】このように、第1,第2のスライド中子
7,8を多角柱に形成することにより、略コーン形に形
成した場合に比較して、プレッシャピン11の摺動面1
7と傾斜面12との接触する面積を更に増大して、所謂
かじりを確実に防止できるという利点が得られる。上記
に例示した他、ピン挿通孔10とプレッシャピン11の
ピッチは、60°や30°以下に設定してもよく、或い
は、プレッシャピン11の本数を減らすのに120°と
設定してもよい。
【0031】また、各プレッシャピン11は、ハウジン
グ4のピン挿通綱孔10及び第1,第2のスライド中子
7,8に接触するだけで、これらに機構的に接続してい
ないので、ハウジング4に対して着脱自在である。この
ため、プレッシャピン11を全長の長いものと短いもの
とを幾種か揃えておけば、被加工物15の内径が大きい
場合には長いプレッシャピン11を、小さい場合には短
いものを、適宜選択して取り替えられ、被加工物15の
内径の大きさに迅速に対応できる。
【0032】尚、図8に示すように、ハウジング4の一
端面2の内側と第1のスライド中子7との間に、第1,
第2のスライド中子7,8を一端面2から離れる方向へ
付勢するコイルバネ19を介在してもよい。この場合、
コイルバネ19の反力を圧力ボルト6が常時受けるの
で、圧力ボルト6を緩めた際に、圧力ボルト6が一端面
2から浮き上がることがない。このため、圧力ボルト6
をレンチ等を用いて締結する作業が安定して行える。
【0033】また、同図に示すように、ハウジング4の
一端面2に形成した小ネジ孔2aにフック4aを締結し
てもよい。この場合、センター治具1を被加工物15に
取付け、或いは、被加工物15から取り外すに際して、
作業者がフック4aを把持したり、センター治具1を搬
送するに際して、これをクレーン等で吊り下げられる。
フック4aは、ねじ込み式のため旋盤加工を行う際には
簡単に取り外すことができる。
【0034】また、図4に示すように、ハウジング4か
らプレッシャピン11が抜け落ちないように、プレッシ
ャピン11に掛止機構を設けてもよい。例えば、プレッ
シャピン11の摺動面17付近に小孔11aを形成し、
この小孔11a内に、鋼球20とこれを外方へ付勢する
コイルバネ21を装填した後で、鋼球20が脱落しない
ように小孔11aの口縁を塑性的に絞ったものでもよ
い。
【0035】また、以上に説明した各部材は、工具用炭
素鋼(S55C)を主体に構成するのが好ましいが、被
加工物15の硬度や旋盤加工に際して受ける負荷の大き
さを予想して適宜選択されるものであり、ステンレス、
アルミニウム、合成樹脂又はハイブリッド複合材料でも
よい。また、各部材の加工方法や熱処理等についても説
明を省略したが、特に、第1,第2のスライド中子7,
8の傾斜面12と、プレッシャピン11の摺動面17に
は、高周波焼入れを施すのが望ましい。
【0036】更にまた、以上の説明では、加圧手段30
(図1,8)を構成する第1,第2のスライド中子7,
8を互いに別体としたが、これらは一塊の鋼材から彫り
出して形成した一体物でもよい。或いは、第1,第2の
スライド中子7,8に代えて、図9に示すように、略円
錐形又は略角錐形の比較的長尺なスライド中子31を適
用してもよい。
【0037】この場合、スライド中子31の周面に形成
した傾斜面12に接触した総てのプレッシャピン11の
ハウジング4からの突出寸法が均等になるように、ハウ
ジング4の一端面2寄りのプレッシャピン11よりも一
端面2から離れた側のプレッシャピン11の全長を短く
設定する。或いは、一端面2から離れた側のプレッシャ
ピン11を省略してもよい。
【0038】上記センター治具1の使用手順の説明にお
いて、センター治具1の芯合わせが完了した時点で、セ
ンター治具1のセンター穴3は、被加工物15の軸心に
対して偏心量が0.3mm以下である。更に、被加工物
15の周面を砥石等で研削する場合のように、偏心量を
0.1mm以下に抑える必要がある場合には、以下に述
べる芯合せ機構を採用することが望ましい。
【0039】即ち、図10及び図11に示すように、本
発明の他の実施の形態に係るセンター治具23は、両端
を開放した短筒形のハウジング40と、ハウジング40
の一端面41を塞ぐエンドブロック50と、エンドブロ
ック50に取付けられ外面31にセンター穴3を形成し
たセンタブロック32と、エンドブロック50を貫いた
ボルト挿通孔5に挿通した加圧ボルト6と、加圧ボルト
6に螺合した第1のスライド中子7と、ハウジング40
の複数のピン挿通孔10に各々挿通した複数のプレッシ
ャピン11とを備える。この他の構成は、上記センター
治具1と同様であるので、同符号を付して説明を省略す
る。
【0040】エンドブロック50は、図11及び図12
に示すように、ハウジング40と略外径が同じ円盤であ
り、その中心を貫く円形孔であるル−ズホール51、上
記のボルト挿通孔5、別のボルト挿通孔52、及び、雌
ねじを形成したネジ孔53を各々形成している。これら
の孔は、互いに位置を違えてル−ズホール51の周りに
90°の角ピッチでそれぞれ4カ所ずつ形成されてい
る。エンドブロック50のハウジング40側の周縁部5
4は、ハウジング40内に殆ど隙間無く嵌入できるよう
に、ハウジング40の内径より僅かに細径である。
【0041】センタブロック32は、図10及び図13
に示すように、センター穴3を中心に設けた円形フラン
ジ部33と、エンドブロック50のル−ズホール51に
隙間を開けつつ挿入される円柱状の遊嵌部34とからな
る。円形フランジ部33は、エンドブロック50のボル
ト挿通孔5に対応する位置に、加圧ボルト6の頭部が通
過可能な開口35を形成し、エンドブロック50のネジ
孔53に対応する位置に、ボルト挿通孔36を穿孔して
いる。
【0042】外面31側から開口35に挿入したレンチ
等により、ボルト挿通孔5に挿通した加圧ボルト6を第
1のスライド中子7に締め付け又は緩めることができ
る。これにより、第1,第2のスライド中子7,8がハ
ウジング40内をスラスト方向に移動する点は、既述の
通りである。ボルト挿通孔36には、図11に示すよう
に、外面31側からボルト60が挿通され、ボルト60
を図12に示したネジ孔53に締め付けることにより、
センタブロック32をエンドブロック50に固定でき
る。
【0043】ボルト60を緩めれば、センタブロック3
2がエンドブロック50に対して、そのラジアル方向に
1〜4mmの遊びの範囲で自由にスライド(揺動)でき
る。上記のル−ズホール51と遊嵌部34とを備えるこ
とは必須ではない。これらは、ボルト60を総て緩めて
エンドブロック50から抜き取った際に、センタブロッ
ク32がエンドブロック50から不意に脱落するのを予
防するものである。
【0044】以上のようにセンタブロック32がエンド
ブロック50に取付けられ、更に、エンドブロック50
がハウジング40にボルト止めされている。即ち、図1
2に示したボルト挿通孔52には、図11に示すように
ボルト55が挿通され、ハウジング40の一端面41に
は、ボルト55を締め付ける雌ねじ(図に表れず)が形
成されている。エンドブロック50をハウジング40に
一旦ボルト止めした後は、これらを分解することは通常
は殆どない。
【0045】このようにハウジング40とエンドブロッ
ク50とを別体としたのは、ハウジング40自体の製造
が上記のハウジング4に比べ安定して行えるからであ
る。即ち、上記のハウジング4を旋盤等を用いて成形す
る場合、ハウジング4の内周面を切削するバイトを、ハ
ウジング4の他端側から奥方(一端面2側)へ向けて送
るのであるが、この切削に伴う切り屑がハウジング4内
に詰まり仕上がりが劣悪になることがある。そこで、当
該ハウジング40は、その他端からバイトを挿入しつつ
一端から切り屑を逃がせるようにしている。
【0046】次に、センター治具23の使用手順を説明
する。即ち、上記同様に、被加工物15の端面、外周面
又は内周面を旋盤を用いて加工するものとし、センター
治具23を被加工物15の内部へと進入させる迄の工程
は上記のセンター治具1と同様である。そして、加圧ボ
ルト6をレンチ等を用いて強く締め付けることにより、
総てのプレッシャピン11が被加工物15の内周面に強
く押し付けられると、当該センター治具23のハウジン
グ40が被加工物15の内部のラジアル方向の中心に強
固に固定される。
【0047】この時点で総てのボルト60を緩めても良
いが、予めボルト60を緩めたままにしてセンター治具
23を被加工物15の内部へ進入させても良い。総ての
ボルト60を緩めることで、ハウジング40にボルト5
5によって締結したエンドブロック50に対して、セン
タブロック32を上記例示の1〜4mmの範囲でラジア
ル方向にスライドできる。
【0048】この状態で、センタブロック32のセンタ
ー穴3に心押台に取付けたセンターを差し込めば、この
センターに従ってセンタブロック32が位置決めされる
ことになる。つまり、センタブロック32のセンター穴
3の位置は、被加工物15を回転させたときの軸心に極
めて正確に一致する。この後、総てのボルト60を強固
に締め付ければ、センタブロック32をエンドブロック
50に固定できるので、旋盤等の主軸を回転させて、被
加工物15を砥石等で研削又はバイト等で切削すること
ができる。
【0049】センター治具23を被加工物15から取り
外す場合は、加圧ボルト6を緩めれば、既述のようにし
て行える。以上の手順は、被加工物15にセンター治具
23を一度だけ固定する場合に限らず、例えば一旦旋盤
で切削した被加工物15からセンター治具23を取り外
し、再度、被加工物15にセンター治具23を固定する
場合でも、以上の手順を繰り返すことにより、被加工物
15に対して一旦定めたセンター穴3の位置を容易に再
現できる。
【0050】尚、第1,第2のスライド中子7,8とし
て、上記例示の略コーン形、略四角錐、又は略八角錐の
ものが、センター治具23にも適用できる。また、ピン
挿通孔10と複数のプレッシャピン11を設ける位置及
び個数も適宜増減できる。また、図4に示した掛止機構
又は、図9に示した加圧手段30を、センター治具23
に適用しても良い。また、加圧ボルト6又はボルト5
5,60の本数は、図示の4本に限定されず、2本、3
本又は5本以上でも良い。
【0051】
【発明の効果】本発明に係るセンター治具によれば、管
又は筒形の被加工物の内外周面を旋盤等を用いて加工す
る場合に、被加工物の内部に当該センター治具を挿入
し、その加圧ボルトを締結するだけで、簡単に被加工物
に当該センター治具を固定できる。更に、この状態で旋
盤等の心押台に取付けたセンターをセンター穴に押し込
めば、被加工物の軸心が振れるのを確実に防止できる。
【0052】特に、センター穴を形成したセンタブロッ
クを、ハウジングの一端面にボルトで締結して成る芯合
せ機構を採用した場合、ボルトを緩めることにより、セ
ンタブロックと共にセンター穴の位置を、被加工物に固
定したハウジングに対して微調整できるので、被加工物
とセンター治具軸心との軸心を更に厳密に一致させるこ
とができる。
【0053】従って、種々の被加工物を加工するに際し
て、被加工物の内径に応じた適切なセンター又は傘形セ
ンターを選択して心押台に取付ける手間が省ける。この
ため、加工に伴う付帯作業を、従来に比較して飛躍的に
簡素化できる。しかも、被加工物の内径に応じた各種の
センター等を多数揃える必要がなくなる。
【0054】また、被加工物の外周及び端面付近の内周
のいずれを加工する場合でも、当該センター治具は使用
できるので、従来のようにな受け材で回転する被加工物
を摺接させつつ支持することはない。従って、被加工物
の外形が多少楕円であったり外周面に凹凸があっても、
被加工物の軸心が振れることはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るセンター治具の使用
例を示す断面図。
【図2】本発明の実施の形態に係るセンター治具の正面
図。
【図3】本発明の実施の形態に係るセンター治具の一要
部の分解斜視図。
【図4】本発明の実施の形態に係るセンター治具の他の
要部の断面図。
【図5】(a)は本発明の実施の形態に係るセンター治
具に適用したスライド中子の一変形例の側面図、(b)
はその正面図。
【図6】本発明の実施の形態に係るセンター治具に適用
したスライド中子の他の変形例の正面図。
【図7】本発明の実施の形態に係るセンター治具の変形
例の正面図。
【図8】本発明の実施の形態に係るセンター治具の変形
例の断面図。
【図9】本発明の実施の形態に係るセンター治具の他の
変形例の断面図。
【図10】本発明の他の実施の形態に係るセンター治具
の使用例を示す断面図。
【図11】本発明の他の実施の形態に係るセンター治具
の斜視図。
【図12】本発明の他の実施の形態に係るセンター治具
の要部の正面図及び断面図。
【図13】本発明の他の実施の形態に係るセンター治具
の別の要部の正面図及び断面図。
【符号の説明】
1,23:センター治具 2:一端面 3:センター穴 4,40:ハウジング 5:ボルト挿通孔 6:加圧ボルト 7:第1のスライド中子 8:第2のスライド中子 9:胴部 10:ピン挿通孔 11:プレッシャピン 12:傾斜面 17:摺動面 30:加圧手段 31:スライド中子 32:センタブロック 50:エンドブロック 60:ボルト

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 心押台のセンターに回転自在に位置決め
    される、管状の被加工物に挿入する筒形のハウジング
    と、該ハウジングの胴部からラジアル方向に出没する複
    数のプレッシャピンと、該複数のプレッシャピンを前記
    被加工物の内周面に押付ける加圧手段とを備えるセンタ
    ー治具。
  2. 【請求項2】 一端面にセンター穴を設けた筒形のハウ
    ジングと、該ハウジングの一端面を貫いたボルト挿通孔
    に挿通した加圧ボルトと、該加圧ボルトに螺合して前記
    ハウジング内に挿入された第1のスライド中子と、該第
    1のスライド中子に前記ハウジングのスラスト方向に縦
    列し連結した第2のスライド中子と、前記ハウジングの
    胴部を等角ピッチで貫いた複数のピン挿通孔に各々挿通
    した複数のプレッシャピンとを備え、 前記加圧ボルトを前記第1のスライド中子に締結し、前
    記第1,第2のスライド中子が、前記ハウジング内をそ
    のスラスト方向に変位させることにより、前記複数のプ
    レッシャピンが、それぞれ、前記第1,第2のスライド
    中子に各々形成した前記ハウジングのラジアル方向へ立
    上がる傾斜面に従動し、前記ハウジングの胴部から前記
    ラジアル方向へ突出するセンター治具。
  3. 【請求項3】 前記センター穴を形成したセンタブロッ
    クを、前記ハウジングの一端面にボルトで締結した請求
    項2に記載のセンター治具。
  4. 【請求項4】 前記複数のピン挿通孔と前記複数のプレ
    ッシャピンが、それぞれ、前記ハウジングの胴部に12
    0度以下の等ピッチで配置され、これらのピン挿通孔と
    プレッシャピンの位置に対応して、前記傾斜面が、前記
    第1,第2のスライド中子の周面に複数形成された請求
    項3に記載のセンター治具。
  5. 【請求項5】 前記第1,第2のスライド中子が、その
    全周を前記傾斜面とした略コーン形である請求項2乃至
    4に記載のセンター治具。
  6. 【請求項6】 前記プレッシャーピンの前記傾斜面に従
    動する部位に、前記傾斜面に沿った面取りを施した請求
    項2乃至5に記載のセンター治具。
  7. 【請求項7】 前記プレッシャーピンが、前記ハウジン
    グに着脱自在に設けられている請求項2乃至6に記載の
    センター治具。
JP2002337952A 2002-01-18 2002-11-21 センター治具 Expired - Fee Related JP3820569B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002337952A JP3820569B2 (ja) 2002-01-18 2002-11-21 センター治具

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002-9958 2002-01-18
JP2002009958 2002-01-18
JP2002337952A JP3820569B2 (ja) 2002-01-18 2002-11-21 センター治具

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003275904A true JP2003275904A (ja) 2003-09-30
JP3820569B2 JP3820569B2 (ja) 2006-09-13

Family

ID=29217931

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002337952A Expired - Fee Related JP3820569B2 (ja) 2002-01-18 2002-11-21 センター治具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3820569B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012000747A (ja) * 2010-05-20 2012-01-05 Teikoku Chuck Kk 軽合金ホイール用チャック装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012000747A (ja) * 2010-05-20 2012-01-05 Teikoku Chuck Kk 軽合金ホイール用チャック装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3820569B2 (ja) 2006-09-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4350463A (en) Arrangement for mounting a cutter
US20120054998A1 (en) Ball actuated lock pin
CN202317098U (zh) 钢珠定心内孔撑涨夹具
US7293942B2 (en) Tool apparatus
RU2502582C2 (ru) Режущий инструмент с зажимным механизмом
JPH06500053A (ja) 工具交換機構をもつ工具ホルダ
CN110052872B (zh) 一种分度铣床夹具及其使用方法
CN111203603B (zh) 用于涡轮盘的互换装夹装置
CN1185764A (zh) 反离心力卡头及安装系统
US5957636A (en) Quick change tool locking and alignment system
JP2003275904A (ja) センター治具
CN213135844U (zh) 用于台阶轴结构的夹具及机床
CN214236308U (zh) 一种车床多功能尾座夹具
CN216226989U (zh) 一种可靠性好的花键内涨机床夹具
CN108856770A (zh) 一种汽车件单柄连接杆的车床夹具
CN110434566B (zh) 不带轴环法兰的加工工艺
CN202607354U (zh) 精密偏心加工夹具
CN216802502U (zh) 一种刀头夹具
US5201613A (en) Single point adjustable cutting insert holder
CN214322573U (zh) 一种夹具用定位组件
CN213410354U (zh) 一种可调节的自定位车削夹具
JPH0446685B2 (ja)
CN219853420U (zh) 用于精车加工的夹具
CN215237908U (zh) 一种数控立车专用刀杆机构
CN108723852B (zh) 一种工件加工夹具

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060104

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060206

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060404

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060406

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060523

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060609

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140630

Year of fee payment: 8

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees