JP2003275780A - 汚水の土壌浄化処理装置及び方法並びに脱窒素性排気シート - Google Patents

汚水の土壌浄化処理装置及び方法並びに脱窒素性排気シート

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JP2003275780A JP2002083718A JP2002083718A JP2003275780A JP 2003275780 A JP2003275780 A JP 2003275780A JP 2002083718 A JP2002083718 A JP 2002083718A JP 2002083718 A JP2002083718 A JP 2002083718A JP 2003275780 A JP2003275780 A JP 2003275780A
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Kazuyuki Hatano
一幸 羽田野
Hidehiro Kumagai
秀洋 熊谷
Akira Nishiyama
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 汚水の脱窒素率を高め、その脱窒素率を長期
間維持する。 【解決手段】 汚水を散水する散水管4aを備える通水
装置4が配された上部土壌層3が設けられ、その途中深
さであって通水装置4の直下には拡散層5が設けられて
いる。上部土壌層3より下方には脱窒素性のある脱窒素
層6がその上側及び下側の二箇所に通気性のある排気層
7を伴って設けられ、排気層7から装置外部へ通じる排
気路8が設けられている。脱窒素層6より下方には下部
土壌層9が設けられ、その下方には集水層10が設けら
れ、集水層10に集水管11が配されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、汚水を土壌に通過
させることにより、窒素(さらにはリン)を除去して浄
化処理する方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】特開平8−57488号公報及び特開平
9−122668号公報には、図8に示すような汚水の
土壌浄化処理装置が開示されている。同装置は、汚水を
散水する散水管51aを備える通水装置51が配された
上部土壌層52が設けられ、上部土壌層52より下方に
汚水を横方向に拡散させるための拡散層53が設けら
れ、拡散層53より下方に下部土壌層54が設けられ、
下部土壌層54より下方に処理済水を集水する集水管5
5が配された集水層56が設けられ、前記各52,5
3,54,56は不透水性トレンチ槽57の内部に設け
られている。
【0003】同装置及びそれを用いた汚水の浄化処理方
法によれば、汚水中の有機物の分解除去とリンの吸着除
去とを、土壌の目詰まりを起こすことなく長期間持続さ
せることができ、脱リン率(除去率)は99%に達して
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、同装置及び方
法では、汚水中の窒素については、脱窒素率(除去率)
が50〜70%程度にすぎず、十分に処理できなかっ
た。従来の脱窒素メカニズムは次のようなものと考えら
れている。すなわち、散水管51aに汚水を供給する
と、汚水は散水管51aから土壌層52,54へ流入
し、土壌層52,54に生息する微生物によって汚水中
の有機物が分解されるとともに、特に硝化菌によって汚
水中のアンモニア態窒素が硝化されて亜硝酸態窒素又は
硝酸態窒素に形態変化する(NH+O→NO→N
)。続いて、土壌層52,54の土壌がなす団粒の
内部の嫌気部分で脱窒素反応を行う。
【0005】ところが、上記のメカニズムでは、脱窒素
反応に必要な炭素源の不足により、十分な脱窒素率を期
待できなかった。また、仮に土壌層52,54を嫌気状
態に保ち、土壌中の有機物により脱窒素反応が促進され
たとしても、長期間の脱窒素処理は困難であった。
【0006】一方、近年、イオウと炭酸カルシウムの基
質を用いたイオウ酸化細菌による脱窒素方法が知られ始
めた。しかし、同脱窒素方法は専ら反応水槽内で行われ
るものとして研究されていて、土壌浄化処理への適用を
検討したのは本発明者らが最初であり、その適用時にど
のような挙動を示すのかは分かっていなかった。
【0007】本発明の目的は、上記課題を解決し、汚水
の脱窒素率を高めると共に、その脱窒素率を長期間維持
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る汚水の土壌
浄化処理装置は、汚水を散水する散水管が配された上部
土壌層が設けられ、前記上部土壌層より下方に脱窒素性
のある脱窒素層がその上側、下側又は内部の少なくとも
一箇所に通気性のある排気層を伴って設けられ、前記排
気層から装置外部へ通じる排気路が設けられたことを特
徴としている。
【0009】ここで、排気層を伴う脱窒素層より下方に
下部土壌層が設けられることが好ましい。また、同装置
は、処理済水を土壌に浸透及び拡散(一部蒸発)させる
タイプでもよいし、処理済水を集水するタイプでもよ
い。後者の場合、下部土壌層より下方に処理済水を集水
する集水層が設けられ、上部土壌層、排気層を伴う脱窒
素層、下部土壌層及び集水層が不透水性トレンチ槽の内
部に設けられることが好ましい。集水層には集水管が配
される。
【0010】脱窒素層の成分としては、次の態様を例示
できる。ここで、粉粒体とは、粉体、粒体、又は粉体と
粒体との混合を含む意味である。 イオウ粉粒体と炭酸カルシウム粉粒体とを含む態様 イオウ粉粒体と炭酸カルシウム粉粒体と土壌とを含
む態様 イオウ粉粒体と炭酸カルシウム粉粒体と土壌とケイ
酸カルシウム粉粒体とを含む態様
【0011】脱窒素層が排気層を伴って設けられている
とは、脱窒素層で発生した窒素ガスが排気層に移行でき
るように両層が併設されていることを意味し、次の態様
を例示できる。 脱窒素層がその上側に排気層を伴って設けられた態
様 脱窒素層がその上側及び下側にそれぞれ上部排気層
及び下部排気層を伴って設けられた態様 脱窒素層がその内部に排気層を伴って設けられた態
様。この態様は、脱窒素層と排気層とが一体的に設けら
れる(脱窒素層が排気層でもある)態様を含む。
【0012】排気層の空隙率は、特に限定されないが、
50%以上であることが好ましい。また、排気層の材料
は、特に限定されないが、繊維を用いたものを例示でき
る。
【0013】排気層と排気路との関連については、特に
限定されないが、次の態様を例示できる。 排気層と排気路とが、連続的に一体形成されたもの
である態様。この態様の例としては、排気層と排気路と
が、通気性不織布に有孔管壁よりなる排気チューブを配
してなる排気シートを用いて連続的に一体形成されたも
のである態様を挙げられる。 排気層と排気路とが、別体形成されてから接続され
たものである態様。この態様の例としては、通気性不織
布を用いた排気層の一部に、パイプを用いた排気路が接
続された態様を挙げられる。
【0014】上部土壌層のリン酸吸収係数は、特に限定
されないが、脱窒素に加え脱リン能力も高いトータルの
浄化性能を得るためには、500mg(P)/1
00g(乾上)以上であることが好ましい。
【0015】次に、本発明に係る汚水の土壌浄化処理方
法は、請求項1〜16のいずれか一項に記載の汚水の土
壌浄化処理装置を用い、前記散水管に汚水を供給して汚
水を浄化処理することを特徴とする。すなわち、散水管
に汚水を供給すると、汚水は散水管から上部土壌層へ流
入し、上部土壌層に生息する微生物によって汚水中の有
機物が分解されるとともに、特に硝化菌によって汚水中
のアンモニア態窒素が硝化されて亜硝酸態窒素又は硝酸
態窒素に形態変化する(NH+O→NO→N
)。続いて、汚水は上部土壌層から脱窒素層へ流入
し、脱窒素層に生息する微生物によって、前記形態変化
した亜硝酸態窒素又は硝酸態窒素が分解され、窒素ガス
が発生する。ここで、脱窒素層がイオウ粒状体と炭酸カ
ルシウム粒状体とを含むものである場合には、それらの
物質により増殖するイオウ酸化細菌が脱窒素層に生息
し、このイオウ酸化細菌が無酸素状態でイオウを硫酸イ
オンに酸化するときに、亜硝酸態窒素又は硝酸態窒素が
窒素ガスに変化する(S+NO→SO+N)。こ
の窒素ガスは、脱窒素層に伴った排気層から排気路を経
て装置外部に排出される。このため、窒素ガスが上部土
壌層に充満しにくくなり、上部土壌層の硝化菌の活動
(アンモニア態窒素の硝化)が維持される。よって、脱
窒素層への亜硝酸態窒素又は硝酸態窒素の供給が維持さ
れるので、脱窒素が維持される。
【0016】また、本発明に係る脱窒素性排気シート
は、汚水の土壌浄化処理装置における土壌中に敷設する
シートであって、通気性不織布に有孔管壁よりなる排気
チューブを配するとともに少なくともイオウ粉粒体と炭
酸カルシウム粉粒体とを含ませてなることを特徴とす
る。
【0017】
【発明の実施の形態】図1〜図6は本発明の実施形態を
示している。図2に示すように、汚水の土壌浄化処理シ
ステムは、土壌浄化処理装置1と、一次処理槽21と、
分水桝22と、消毒槽23とから構成されている。土壌
浄化処理装置1は、大地に例えば幅約2000mm×深
さ約600mm×長さ約22mの内法で掘られた掘削溝
20内に形成されている。具体的には、掘削溝20の内
側に設けられた有底の不透水性トレンチ槽2をベースと
し、その内部に次の各層が設けられて構成されている。
【0018】便宜上、土壌浄化処理装置1を汚水の流れ
に沿うよう上側から説明すると、不透水性トレンチ槽2
の内部において最上部には上部土壌層3が設けられ、上
部土壌層3には汚水を散水する散水管4aを備える通水
装置4が配されている。上部土壌層3の途中深さであっ
て通水装置4の直下には拡散層5が設けられている。上
部土壌層3より下方には、脱窒素性のある脱窒素層6が
その上側及び下側の二箇所に通気性のある排気層7を伴
って設けられ、排気層7から装置外部へ通じる排気路8
が設けられている。排気層7を伴う脱窒素層6より下方
には下部土壌層9が設けられている。下部土壌層9より
下方であって不透水性トレンチ槽2の内底面上には集水
層10が設けられ、集水層10には集水管11が配され
ている。
【0019】不透水性トレンチ槽2は、外部土壌に汚水
が漏れないようにするとともに処理済水を集めるための
もので、本実施形態では例えば繊維強化樹脂(FRP)
により形成されているが、その他にも例えば樹脂シート
を張り巡らせたものでもよい。樹脂シートの樹脂材料
は、特に限定されず、高密度ポリエチレン、塩化ビニル
等を例示できる。
【0020】上部土壌層3は、通気性と毛管浸潤性とを
適度にバランスさせるように調整した土壌であって、本
実施形態では例えば黒ボクとマサ土との混合土が用いら
れている。一例として、pH6.2、飽和透水係数1.
5×10−3cm/秒、リン酸吸収係数1000mg
(P)/100g(乾上)以上であり、厚さは拡
散層5上において例えば約200mmである。
【0021】通水装置4は、汚水をろ過して上部土壌層
3に散水するためのもので、例えば特開平8−5748
8号公報に開示された構造のものを用いることができ
る。同構造の通水装置4は、管壁に多数の吐水孔が形成
された幅方向中央部の散水管4aと、散水管4aから幅
方向両側方へ延びたろ材受け4bと、ろ材受け4bに敷
かれたろ材4cと、ろ材4cの上に被せられた透水性シ
ート4dと、幅方向両側端に形成された通気管4eとを
備えている。ろ材4cには、例えば多孔質ケイ酸カルシ
ウム水和物の粒径5〜8mmの粒体(例えばクリオン株
式会社の商品名「TBX」)を用いることができる。通
気管4eは、外部から供給された空気をろ材4cと土壌
層3,9とに送り込むためのものである。
【0022】拡散層5は、通水装置4から散水された汚
水を次の上部土壌層3の全体に均一に拡散浸潤させるた
めのもので、例えば多孔質ケイ酸カルシウム水和物の粒
径1〜3mmの粒体(例えば前出の「TBX」)を用い
ることができ、厚さは約20〜50mmである。
【0023】脱窒素層6は、汚水の脱窒素を主として行
う部位であって、例えばイオウ粉粒体と炭酸カルシウム
粉粒体と土壌とを、重量比1:[1〜5]:[0又は
0.1〜3]で混合したもの、好ましくは1:3:1で
混合したものを用いることができ、さらにケイ酸カルシ
ウム粉粒体を加えることが好ましい。厚さは例えば70
〜90mmである。 イオウ粉粒体は、イオウ酸化細菌を増殖させるとと
もにそのイオウ酸化細菌によって硫酸イオンに酸化する
原料となるものであって、本実施形態では粉体が用いら
れている。 炭酸カルシウム粉粒体は、イオウ酸化細菌を増殖さ
せるとともにpH調整するためのものであって、本実施
形態では粉体が用いられている。 土壌は、該土壌に棲みついたイオウ酸化細菌を脱窒
素層6に導入するためのものであって、本実施形態では
現場の土壌が用いられている。 ケイ酸カルシウム粉粒体は、イオウ酸化細菌その他
の微生物の担持体となるとともに中和作用を奏するもの
であって、例えば前出の「TBX」を用いることができ
る。
【0024】上側及び下側の排気層7は、脱窒素層6で
発生した窒素ガスを上部土壌層3に充満しないように取
り込んで排気するためのもので、図3(a)に示すよう
に、本実施形態では通気性不織布7aに有孔管壁よりな
る排気チューブ7bを配してなる柔軟な排気シート(例
えば前田工繊株式会社の商品名「クッションドレー
ン」)が用いられている。通気性不織布7aの厚さは土
中で圧縮される前にて例えば約15mmであり、排気チ
ューブ7bは例えば直径8mmのものが通気性不織布7
aの厚さ中間部に例えば相互間隔100mmで配設され
ている。
【0025】排気路8は、排気層7に取り込まれた窒素
ガスを装置外部へ導いて排気するためのもので、本実施
形態では上側及び下側の排気層7と連続的に一体形成さ
れている。すなわち、上側及び下側の排気層7を構成す
る排気シートが、不透水性トレンチ槽2の内側面に至っ
たところで上方へ曲げられ延ばされてなり、該排気シー
トの上端に現れた排気チューブ7bの切口端が装置外部
に開口するようになっている。なお、上側の排気層7か
ら連続する内側の排気路8と上部土壌層3及び拡散層5
との間には遮水シート12が介装され、排気路8へ汚水
が浸潤して排気が損なわれるのを防いでいる。
【0026】下部土壌層9も、通気性と毛管浸潤性とを
適度にバランスさせるように調整した土壌であって、本
実施形態では例えば上部土壌層3と同じものが用いられ
ている。厚さは例えば約70mmである。
【0027】集水層10は、処理済水を集水するための
もので、例えば砂利又は礫を用いることができる。厚さ
は例えば約100mmである。集水管11は、集水され
た処理済水を取り出すためのもので、例えば公知の通水
ドレンが使用されている。
【0028】土壌浄化処理システムの他の部位について
説明すると、土壌浄化処理装置1の外部であって入口側
には、汚水(原水)中に含まれる固形部を沈澱分離する
ための一次処理槽21が設置されている。一次処理槽2
1の出口には、分水桝22を介して、散水管4aの入口
が接続されている。分水桝22は、複数の土壌浄化処理
装置1が並列に設けられた場合(図2はその一つのみを
示している。)に、汚水を各土壌浄化処理装置1に略均
等に分配するためのものである。一方、土壌浄化処理装
置1の外部であって出口側には、土壌浄化処理装置1の
集水管11から出た処理済水を放流前に消毒するための
消毒槽23が設置されている。
【0029】次に、以上のように構成された土壌浄化処
理装置1を用い、散水管4aに汚水を供給して該汚水を
浄化処理する方法について説明する。散水管4aに供給
された汚水は、散水管4aからろ材4cを経て、通気管
4eの下部から拡散層5に流入し、横方向に拡がって上
部土壌層3に浸潤する。上部土壌層3に生息する微生物
によって汚水中の有機物が分解されるとともに、上部土
壌層3が有する高いリン酸吸収係数によってリンが吸着
除去され、さらに硝化菌によって汚水中のアンモニア態
窒素が硝化されて亜硝酸態窒素又は硝酸態窒素に形態変
化する(NH+O→NO→NO)。
【0030】続いて、汚水は上部土壌層3から上側の排
気層7を通過して脱窒素層6に浸潤する。脱窒素層は、
それに含まれる土壌によりイオウ酸化細菌が導入されて
おり、該イオウ酸化細菌はイオウ粒状体と炭酸カルシウ
ム粒状体とにより増殖するので、脱窒素層6には多数の
イオウ酸化細菌が生息する。このイオウ酸化細菌が無酸
素状態でイオウを硫酸イオンに酸化するときに、前記汚
水中の形態変化した亜硝酸態窒素又は硝酸態窒素が窒素
ガスに変化する(S+NO→SO+N)。この窒
素ガスは、脱窒素層6に伴った排気層7から排気路8を
経て装置外部に排出される。このため、窒素ガスが上部
土壌層3に充満しにくくなり、上部土壌層3の硝化菌の
活動(アンモニア態窒素の硝化)が維持される。よっ
て、脱窒素層6への亜硝酸態窒素又は硝酸態窒素の供給
が維持されるので、脱窒素が維持される。
【0031】上記のとおり浄化処理された汚水は脱窒素
層6から下部土壌層9に浸潤し、下部土壌層9でさらに
浄化処理された後、集水層10に集水され、集水管11
から取り出され、消毒槽23を経て排水又は再利用され
る。
【0032】[実施例]実験用の幅約2000mm×深
さ約600mm×長さ約1000mmの不透水性トレン
チ槽2の内部に、上記の土壌浄化処理装置1と同一の構
成又は一部変更した構成を設け、下記及び図4に示すと
おり、実施例1,2,3と比較例1,2とを設定した。
図4において、(a)の実施例1は、上記の土壌浄化処
理装置1と同一の構成である。(b)の実施例2は、脱
窒素層6がその上側のみに排気層7を伴って設けられた
もので、その他は上記の土壌浄化処理装置1と共通であ
る。(c)の実施例3は、脱窒素層6がその内部に排気
層7を伴って設けられたもので、その他は上記の土壌浄
化処理装置1と共通である。(d)の比較例1は、脱窒
素層6及び排気層7を省略したもので、その他は上記の
土壌浄化処理装置1と共通である。(e)の比較例2
は、脱窒素層6が排気層7を伴うことなく単独で設けら
れたもので、その他は上記の土壌浄化処理装置1と共通
である。
【0033】[実験A(比較例1と比較例2との対
比)] 実験期間 平成11年8月25日〜平成11年11月1
7日 実験場所 埼玉県八潮市八潮団地 実験結果 上記実験期間の所定日に、汚水としての団地
の生活排水(原水)のT−N(トータル窒素)濃度と、
比較例1及び比較例2における処理済水のT−N濃度と
を測定した結果を図5に示す。比較例1では脱窒素層6
がないため脱窒素率が低いのに対し、比較例2では脱窒
素層6があるため実験開始直後における脱窒素率が高か
った。ところが、比較例2でも実験が進むにつれて脱窒
素率が低くなり、終いには比較例1と変わらなくなり逆
転すらしてしまった。本発明者らがその原因を分析した
ところ、比較例2では脱窒素層6で発生した窒素ガスが
次第に上部土壌層3に充満し、上部土壌層3の硝化菌の
活動(アンモニア態窒素の硝化)が阻害されて、脱窒素
層6への亜硝酸態窒素又は硝酸態窒素の供給が無くなっ
たことによるものと判明した。前述したとおり、イオウ
酸化細菌による脱窒素方法を土壌浄化処理へ適用するこ
とを検討したのは本発明者らが最初であり、その適用時
に上記のとおり脱窒素率が低くなる挙動を示すことは初
めて分かったことである。
【0034】[実験B(比較例1と実施例1との対
比)] 実験期間 平成12年10月25日〜平成13年8月2
5日 実験場所 埼玉県八潮市八潮団地 実験結果 上記実験期間の所定日に、汚水としての団地
の生活排水(原水)のT−N濃度と、比較例1及び実施
例1における処理済水のT−N濃度とを測定した結果を
図6に示す。やはり比較例1では脱窒素層6がないため
脱窒素率が低いのに対し、実施例1では脱窒素層6が排
気層7を伴ってあるため実験開始直後から終了にいたる
まで脱窒素率が高かった。これは、上記のとおり、脱窒
素層6で発生した窒素ガスが排気層7及び排気路8を経
て装置外部に排出され、上部土壌層3の硝化菌の活動が
維持されたことを示す結果である。次の表1に、原水、
比較例1及び実施例1のそれぞれにおけるBOD、S
S、COD、T−P(トータル・リン)、T−Nの測定
値と除去率(いずれも実験期間中の平均値)を示す。
【0035】
【表1】
【0036】なお、本発明は前記実施形態に限定される
ものではなく、例えば以下のように、発明の趣旨から逸
脱しない範囲で適宜変更して具体化することもできる。
【0037】(1)図7に示すように、通気性不織布を
用いた排気層7の一部に、パイプを用いた排気路13が
接続された構成とすること。 (2)図3(b)に示すように、通気性不織布7aに有
孔管壁よりなる排気チューブ7bを配するとともに、少
なくともイオウ粉粒体と炭酸カルシウム粉粒体とを含む
脱窒素層6を内蔵させてなる柔軟な脱窒素性排気シート
を構成すること。同シートは脱窒素層と排気シートとが
一体化されているため、前記土壌浄化処理装置の脱窒素
層及び排気層に代えて設けることにより、施工が容易に
なる。
【0038】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明に係る汚水の
土壌浄化処理装置及び方法並びに脱窒素性排気シートに
よれば、汚水の脱窒素率を高めることができると共に、
その脱窒素率を長期間維持することができるという優れ
た効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る汚水の土壌浄化処理装
置の断面図である。
【図2】同装置の斜視図である。
【図3】(a)は同装置に用いる排気シートの斜視図、
(b)は同じく脱窒素性排気シートの斜視図である。
【図4】(a)〜(c)は同装置の実施例1〜3の要部
を示す断面図、(d)(e)は比較例1、2の要部を示
す断面図である。
【図5】同比較例1及び比較例2による汚水の土壌浄化
処理試験結果を示すグラフである。
【図6】同比較例1及び実施例1による汚水の土壌浄化
処理試験結果を示すグラフである。
【図7】同装置の変更例を示す断面図である。
【図8】従来の汚水の土壌浄化処理装置の断面図であ
る。
【符号の説明】
1 土壌浄化処理装置 2 不透水性トレンチ槽 3 上部土壌層 4 通水装置 4a 散水管 5 拡散層 6 脱窒素層 7 排気層 7a 通気性不織布 7b 排気チューブ 8 排気路 9 下部土壌層 10 集水層 11 集水管 12 遮水シート 13 排気路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 羽田野 一幸 愛知県尾張旭市下井町下井2035番地 クリ オン株式会社内 (72)発明者 熊谷 秀洋 愛知県尾張旭市下井町下井2035番地 クリ オン株式会社内 (72)発明者 西山 朗 愛知県尾張旭市下井町下井2035番地 クリ オン株式会社内 Fターム(参考) 4D027 AC01 AC02 AC04 4D040 DD03 DD14 DD31

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 汚水を散水する散水管が配された上部土
    壌層が設けられ、前記上部土壌層より下方に脱窒素性の
    ある脱窒素層がその上側、下側又は内部の少なくとも一
    箇所に通気性のある排気層を伴って設けられ、前記排気
    層から装置外部へ通じる排気路が設けられた汚水の土壌
    浄化処理装置。
  2. 【請求項2】 前記排気層を伴う脱窒素層より下方に下
    部土壌層が設けられた請求項1記載の汚水の土壌浄化処
    理装置。
  3. 【請求項3】 前記下部土壌層より下方に処理済水を集
    水する集水層が設けられ、前記上部土壌層、排気層を伴
    う脱窒素層、下部土壌層及び集水層が不透水性トレンチ
    槽の内部に設けられた請求項2記載の汚水の土壌浄化処
    理装置。
  4. 【請求項4】 前記脱窒素層が、イオウ粉粒体と炭酸カ
    ルシウム粉粒体とを含む請求項1〜3のいずれか一項に
    記載の汚水の土壌浄化処理装置。
  5. 【請求項5】 前記脱窒素層が、イオウ粉粒体と炭酸カ
    ルシウム粉粒体と土壌とを含む請求項1〜3のいずれか
    一項に記載の汚水の土壌浄化処理装置。
  6. 【請求項6】 前記脱窒素層が、イオウ粉粒体と炭酸カ
    ルシウム粉粒体と土壌とケイ酸カルシウム粉粒体とを含
    む請求項1〜3のいずれか一項に記載の汚水の土壌浄化
    処理装置。
  7. 【請求項7】 前記脱窒素層がその上側に排気層を伴っ
    て設けられた請求項1〜6のいずれか一項に記載の汚水
    の土壌浄化処理装置。
  8. 【請求項8】 前記脱窒素層がその上側及び下側にそれ
    ぞれ上部排気層及び下部排気層を伴って設けられた請求
    項1〜6のいずれか一項に記載の汚水の土壌浄化処理装
    置。
  9. 【請求項9】 前記脱窒素層がその内部に排気層を伴っ
    て設けられた請求項1〜6のいずれか一項に記載の汚水
    の土壌浄化処理装置。
  10. 【請求項10】 前記脱窒素層と排気層とが一体的に設
    けられた請求項9記載の汚水の土壌浄化処理装置。
  11. 【請求項11】 前記排気層の空隙率が50%以上であ
    る請求項1〜10のいずれか一項に記載の汚水の土壌浄
    化処理装置。
  12. 【請求項12】 前記排気層が繊維を用いたものである
    請求項1〜10のいずれか一項に記載の汚水の土壌浄化
    処理装置。
  13. 【請求項13】 前記排気層と前記排気路とが、連続的
    に一体形成されたものである請求項1〜12のいずれか
    一項に記載の汚水の土壌浄化処理装置。
  14. 【請求項14】 前記排気層と前記排気路とが、通気性
    不織布に有孔管壁よりなる排気チューブを配してなる排
    気シートを用いて連続的に一体形成されたものである請
    求項1〜12のいずれか一項に記載の汚水の土壌浄化処
    理装置。
  15. 【請求項15】 前記排気層と前記排気路とが、別体形
    成されてから接続されたものである請求項1〜12のい
    ずれか一項に記載の汚水の土壌浄化処理装置。
  16. 【請求項16】 前記上部土壌層のリン酸吸収係数が5
    00mg(P)/100g(乾上)以上である請
    求項1〜15のいずれか一項に記載の汚水の土壌浄化処
    理装置。
  17. 【請求項17】 請求項1〜16のいずれか一項に記載
    の汚水の土壌浄化処理装置を用い、前記散水管に汚水を
    供給して汚水を浄化処理する方法。
  18. 【請求項18】 汚水の土壌浄化処理装置における土壌
    中に敷設するシートであって、通気性不織布に有孔管壁
    よりなる排気チューブを配するとともに少なくともイオ
    ウ粉粒体と炭酸カルシウム粉粒体とを含ませてなる脱窒
    素性排気シート
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102251459A (zh) * 2011-05-05 2011-11-23 西安理工大学 一种路面雨水集蓄净化利用系统
CN104291445A (zh) * 2014-10-17 2015-01-21 中国环境科学研究院 一种人工湿地脱氮污水处理装置及污水处理方法
JP2015150543A (ja) * 2014-02-19 2015-08-24 アルコ株式会社 汚水の土壌浄化処理装置及びその改良方法並びに土壌浄化処理方法

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