JP2003274882A - 穀粉含有生地組成物及びその製造法 - Google Patents
穀粉含有生地組成物及びその製造法Info
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- JP2003274882A JP2003274882A JP2002088957A JP2002088957A JP2003274882A JP 2003274882 A JP2003274882 A JP 2003274882A JP 2002088957 A JP2002088957 A JP 2002088957A JP 2002088957 A JP2002088957 A JP 2002088957A JP 2003274882 A JP2003274882 A JP 2003274882A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 乳化剤その他の特別な改質剤を必要とするこ
となく、機械耐性や冷凍保存性などに優れ、かつ最終製
品に求められる好ましい食感や物性が発現される穀粉含
有生地組成物を提供する。 【解決手段】 油糧種子が含有するオイルボディーと呼
ばれる部分を、油量種子から分離してそのまま、あるい
は必要に応じて加熱無臭化処理などを施した後に穀粉含
有生地の組成物として中に加えることで、乳化剤などを
用いることなく上記課題を解決する。
となく、機械耐性や冷凍保存性などに優れ、かつ最終製
品に求められる好ましい食感や物性が発現される穀粉含
有生地組成物を提供する。 【解決手段】 油糧種子が含有するオイルボディーと呼
ばれる部分を、油量種子から分離してそのまま、あるい
は必要に応じて加熱無臭化処理などを施した後に穀粉含
有生地の組成物として中に加えることで、乳化剤などを
用いることなく上記課題を解決する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は油糧種子より工業的
に実施可能な分離手段を用いて調製されたオイルボディ
ーを用いて、乳化剤その他の特別な改質剤を必要とする
ことなく、機械耐性や冷凍保存性などに優れ、かつ最終
製品に求められる好ましい食感や物性が発現される穀粉
含有生地、並びにそれらの製造法に関する。
に実施可能な分離手段を用いて調製されたオイルボディ
ーを用いて、乳化剤その他の特別な改質剤を必要とする
ことなく、機械耐性や冷凍保存性などに優れ、かつ最終
製品に求められる好ましい食感や物性が発現される穀粉
含有生地、並びにそれらの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】穀粉含有生地、たとえば小麦粉含有生地
はうどん、ギョーザの皮などをはじめ様々な加工食品と
して消費者に供されている。他の加工食品と同様に、大
規模生産では製麺機などによる機械的加工が行われるた
め、人手で製麺する場合に比べると生地が荒れるなどの
問題がしばしば生じる。そこで例えば特開平7−213
226「水中油型乳化油脂組成物」、特開平10−21
5802「麺類品質改良剤及び麺類の製造法」、特開2
000−157190「麺の品質改良剤と麺の製造方
法」などに見られるように、乳化剤を機能成分として含
む製麺用製剤を用いるなどの工夫がなされている。
はうどん、ギョーザの皮などをはじめ様々な加工食品と
して消費者に供されている。他の加工食品と同様に、大
規模生産では製麺機などによる機械的加工が行われるた
め、人手で製麺する場合に比べると生地が荒れるなどの
問題がしばしば生じる。そこで例えば特開平7−213
226「水中油型乳化油脂組成物」、特開平10−21
5802「麺類品質改良剤及び麺類の製造法」、特開2
000−157190「麺の品質改良剤と麺の製造方
法」などに見られるように、乳化剤を機能成分として含
む製麺用製剤を用いるなどの工夫がなされている。
【0003】しかしながら、現在使用されている食品添
加物の一種である乳化剤は、グリセリン脂肪酸エステ
ル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステ
ル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、及び大豆レ
シチン(リン脂質)であり、その使用量は、各種麺類に
対する品質改良剤としては少量、パン類の品質改良剤と
しては小麦粉に対して0.2〜0.5%程度が良いとさ
れていた(昭和53年7月10日発行「食品加工技術ハ
ンドブック」食品技術士センター編、株式会社建ぱく
社)。更に、現行の添加物の表示は、指定添加物の合成
添加物についても、既存添加物リスト中の乳化剤につい
ても、いずれも表示は物質名か一括して乳化剤の表示と
なっている。従って「乳化剤」不使用などにこだわる消
費者向けに、乳化剤に類するものを使用しないパンや餃
子の皮や麺などの穀粉含有生地を製造する際にはこれら
の従来技術を用いることは困難であった。
加物の一種である乳化剤は、グリセリン脂肪酸エステ
ル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステ
ル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、及び大豆レ
シチン(リン脂質)であり、その使用量は、各種麺類に
対する品質改良剤としては少量、パン類の品質改良剤と
しては小麦粉に対して0.2〜0.5%程度が良いとさ
れていた(昭和53年7月10日発行「食品加工技術ハ
ンドブック」食品技術士センター編、株式会社建ぱく
社)。更に、現行の添加物の表示は、指定添加物の合成
添加物についても、既存添加物リスト中の乳化剤につい
ても、いずれも表示は物質名か一括して乳化剤の表示と
なっている。従って「乳化剤」不使用などにこだわる消
費者向けに、乳化剤に類するものを使用しないパンや餃
子の皮や麺などの穀粉含有生地を製造する際にはこれら
の従来技術を用いることは困難であった。
【0004】また乳化剤の利用は単に機械耐性を上げる
ことを目的に行われるばかりでなく、穀粉含有生地の冷
凍保存性を向上させたり最終製品の食感を柔軟なものに
するために行われている場合もある。より柔軟な食感を
求めるにあたり、乳化剤の使用量を増すことも考えうる
が、乳化剤特有の異風味の発生や、乳化剤不使用にこだ
わる消費者もいることを考慮すると必ずしも好ましい方
法とは言えず、既存の乳化剤に替わる素材の開発が求め
られていた。
ことを目的に行われるばかりでなく、穀粉含有生地の冷
凍保存性を向上させたり最終製品の食感を柔軟なものに
するために行われている場合もある。より柔軟な食感を
求めるにあたり、乳化剤の使用量を増すことも考えうる
が、乳化剤特有の異風味の発生や、乳化剤不使用にこだ
わる消費者もいることを考慮すると必ずしも好ましい方
法とは言えず、既存の乳化剤に替わる素材の開発が求め
られていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、乳化剤を使
用せずに機械耐性やハンドリング特性、冷凍保存性に優
れ、かつ喫食時に柔軟な好ましい食感及び良好な食味を
維持している穀粉含有生地組成物を提供することを目的
とするものである。
用せずに機械耐性やハンドリング特性、冷凍保存性に優
れ、かつ喫食時に柔軟な好ましい食感及び良好な食味を
維持している穀粉含有生地組成物を提供することを目的
とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、これまで世界中の
様々な食文化において比較的広範かつ長期間摂食されて
きた油糧種子が含有するオイルボディーと呼ばれる部分
を、油糧種子から分離してそのまま、あるいは必要に応
じて加熱無臭化処理などを施した後に穀粉含有生地の組
成物として中に加えることで、乳化剤などを用いること
なく麺帯などの穀粉含有生地の物性改良に利用できるこ
とを見出し、またオイルボディーをクリーム状で使用し
た場合、遊離のレシチンなどの乳化剤に比べてクリーム
状なので扱いやすく、均一に迅速に分散することを見出
して本発明を完成するに至った。
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、これまで世界中の
様々な食文化において比較的広範かつ長期間摂食されて
きた油糧種子が含有するオイルボディーと呼ばれる部分
を、油糧種子から分離してそのまま、あるいは必要に応
じて加熱無臭化処理などを施した後に穀粉含有生地の組
成物として中に加えることで、乳化剤などを用いること
なく麺帯などの穀粉含有生地の物性改良に利用できるこ
とを見出し、またオイルボディーをクリーム状で使用し
た場合、遊離のレシチンなどの乳化剤に比べてクリーム
状なので扱いやすく、均一に迅速に分散することを見出
して本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は以下の(1)から
(5)を提供する。 (1)本発明の第一は、油糧種子から分離したオイルボ
ディーを0.1重量%以上20重量%以下含むことを特
徴とする、穀粉含有生地組成物。 (2)本発明の第二は、油糧種子が大豆、菜種、トウモ
ロコシ、ヒマワリ、または胡麻から選択されるものであ
る、(1)記載の穀粉含有生地組成物。 (3)本発明の第三は、オイルボディーが加熱による無
臭化処理を受けていることを特徴とする(1)または
(2)記載の穀粉含有生地組成物。 (4)本発明の第四は、油糧種子から分離したオイルボ
ディーを0.1重量%以上20重量%以下添加すること
を特徴とする、穀粉含有生地の製造法。 (5)本発明の第五は、オイルボディーに加熱による無
臭化処理をした後に添加することを特徴とする、(4)
記載の穀粉含有生地の製造法。
(5)を提供する。 (1)本発明の第一は、油糧種子から分離したオイルボ
ディーを0.1重量%以上20重量%以下含むことを特
徴とする、穀粉含有生地組成物。 (2)本発明の第二は、油糧種子が大豆、菜種、トウモ
ロコシ、ヒマワリ、または胡麻から選択されるものであ
る、(1)記載の穀粉含有生地組成物。 (3)本発明の第三は、オイルボディーが加熱による無
臭化処理を受けていることを特徴とする(1)または
(2)記載の穀粉含有生地組成物。 (4)本発明の第四は、油糧種子から分離したオイルボ
ディーを0.1重量%以上20重量%以下添加すること
を特徴とする、穀粉含有生地の製造法。 (5)本発明の第五は、オイルボディーに加熱による無
臭化処理をした後に添加することを特徴とする、(4)
記載の穀粉含有生地の製造法。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明において、穀粉含有生地組
成物とは小麦粉、ライ麦粉、米粉、そば粉などの主原料
たる穀粉に食塩、砂糖などの副原料と水、油など、その
他製品の種類に応じて卵、着色料などの他の原料を混合
して、各製品に応じた適正な混捏操作を加えた後に圧延
・成型などの操作を加えて麺帯、麺線、塊状にしたもの
を指し、さらにはそれらを加熱・冷蔵・凍結したものも
含む。具体的には餃子やシューマイ、春巻の皮、中華
麺、うどん、そば、そうめん、マカロニ、スパゲッティ
ーなどのパスタ、パン生地、ピザ生地、中華饅頭の皮な
どを挙げることができる。
成物とは小麦粉、ライ麦粉、米粉、そば粉などの主原料
たる穀粉に食塩、砂糖などの副原料と水、油など、その
他製品の種類に応じて卵、着色料などの他の原料を混合
して、各製品に応じた適正な混捏操作を加えた後に圧延
・成型などの操作を加えて麺帯、麺線、塊状にしたもの
を指し、さらにはそれらを加熱・冷蔵・凍結したものも
含む。具体的には餃子やシューマイ、春巻の皮、中華
麺、うどん、そば、そうめん、マカロニ、スパゲッティ
ーなどのパスタ、パン生地、ピザ生地、中華饅頭の皮な
どを挙げることができる。
【0009】また本発明において、オイルボディーとは
大豆、菜種、トウモロコシ、ヒマワリ、胡麻等のいわゆ
る油糧種子中に、中性油脂の微粒子がリン脂質と「オレ
オシン」と呼ばれる塩基性タンパク質で覆われた小器官
として存在している形態を指し、その粗精製物も含む。
また穀粉含有生地に含まれるオイルボディーは必ずしも
前述のような完全な形態を維持している必要はなく、あ
くまでも穀粉含有生地と混合する際にオイルボディーの
形態が本発明の目的を達成する範囲で維持されていれば
よい。すなわち、オレオシンの外側に多少の夾雑タンパ
ク質等が付着していても、本発明のように「生地」を調
製する過程で混捏操作が行われるような場合には、機能
発現の上で問題になることはない。
大豆、菜種、トウモロコシ、ヒマワリ、胡麻等のいわゆ
る油糧種子中に、中性油脂の微粒子がリン脂質と「オレ
オシン」と呼ばれる塩基性タンパク質で覆われた小器官
として存在している形態を指し、その粗精製物も含む。
また穀粉含有生地に含まれるオイルボディーは必ずしも
前述のような完全な形態を維持している必要はなく、あ
くまでも穀粉含有生地と混合する際にオイルボディーの
形態が本発明の目的を達成する範囲で維持されていれば
よい。すなわち、オレオシンの外側に多少の夾雑タンパ
ク質等が付着していても、本発明のように「生地」を調
製する過程で混捏操作が行われるような場合には、機能
発現の上で問題になることはない。
【0010】原料として大豆を除く油糧種子を用いる場
合、予め脱皮または粗割砕すると、回収率を向上させる
ことができるので好ましい。また大豆を用いる場合に
は、丸大豆、または脱皮した丸大豆、又は荒割大豆等、
粉砕されていない大豆であれば特にその属、種について
限定されない。オイルボディー調製法の例としては、例
えば大豆の場合、水に浸漬後ホモジナイズし、豆乳を調
製した後にこれを高速遠心することで得られる浮上画分
を回収し、さらに洗浄と高速遠心を繰り返すことで精製
オイルボディーを得る方法が挙げられる(Plant Physio
l. 101, 993(1993))。またその他では油糧種子の水抽
出物に、油脂をタンパク質の一部と凝集させる作用を有
する物質を加え、油脂含有率45%以上の油脂・タンパ
ク質複合物を凝集物として沈降もしくは浮上させ、これ
を回収して未変性タンパク質と分別することを特徴とす
ることにより粗精製オイルボディーを得る方法などもあ
る(特開平11-56248)。
合、予め脱皮または粗割砕すると、回収率を向上させる
ことができるので好ましい。また大豆を用いる場合に
は、丸大豆、または脱皮した丸大豆、又は荒割大豆等、
粉砕されていない大豆であれば特にその属、種について
限定されない。オイルボディー調製法の例としては、例
えば大豆の場合、水に浸漬後ホモジナイズし、豆乳を調
製した後にこれを高速遠心することで得られる浮上画分
を回収し、さらに洗浄と高速遠心を繰り返すことで精製
オイルボディーを得る方法が挙げられる(Plant Physio
l. 101, 993(1993))。またその他では油糧種子の水抽
出物に、油脂をタンパク質の一部と凝集させる作用を有
する物質を加え、油脂含有率45%以上の油脂・タンパ
ク質複合物を凝集物として沈降もしくは浮上させ、これ
を回収して未変性タンパク質と分別することを特徴とす
ることにより粗精製オイルボディーを得る方法などもあ
る(特開平11-56248)。
【0011】具体的には、上記油糧種子またはその脱皮
もしくは粗割砕物を水に6〜24時間、好ましくは一晩
程度浸漬した後、当該油糧種子またはその脱皮もしくは
粗割砕物を磨砕する。磨砕の際の加水量は油糧種子また
はその脱皮もしくは粗割砕物の約5〜13倍容、好まし
くは約7〜10倍容が適当である。磨砕はジューサー、
湿式磨砕機等の磨砕機を用いて行う。次いで、磨砕物を
固−液分離装置、例えば振り切り型遠心分離機にかけて
粗水抽出液と残渣を分離する。この残渣は、原料が大豆
の場合、豆腐製造時のオカラに相当するものである。当
該残渣を3〜7倍容、好ましくは4〜5倍容の水で1〜
4回洗浄する。この洗浄液と前記粗水抽出液とを合わせ
て粗水抽出液とする。
もしくは粗割砕物を水に6〜24時間、好ましくは一晩
程度浸漬した後、当該油糧種子またはその脱皮もしくは
粗割砕物を磨砕する。磨砕の際の加水量は油糧種子また
はその脱皮もしくは粗割砕物の約5〜13倍容、好まし
くは約7〜10倍容が適当である。磨砕はジューサー、
湿式磨砕機等の磨砕機を用いて行う。次いで、磨砕物を
固−液分離装置、例えば振り切り型遠心分離機にかけて
粗水抽出液と残渣を分離する。この残渣は、原料が大豆
の場合、豆腐製造時のオカラに相当するものである。当
該残渣を3〜7倍容、好ましくは4〜5倍容の水で1〜
4回洗浄する。この洗浄液と前記粗水抽出液とを合わせ
て粗水抽出液とする。
【0012】オイルボディーを得るにあたり、大豆を水
に浸漬し、膨潤させた後に加熱して大豆中のリポキシゲ
ナーゼを失活させた後に豆乳を調製し、遠心分離操作に
より大豆特有の「大豆臭さ」、「青臭さ」が低減した無
臭のオイルボディーを調製することも可能であり、この
ようにして調製したオイルボディーにおいても本発明に
おける機械耐性や食感・物性改良効果は発揮され、更に
より淡白な官能特性が求められる製品において好まし
い。大豆臭発生の要因となるリポキシゲナーゼの加熱失
活方法は、できるだけ蛋白質の変性がなく、リポキシゲ
ナーゼのみを失活させることが理想である。
に浸漬し、膨潤させた後に加熱して大豆中のリポキシゲ
ナーゼを失活させた後に豆乳を調製し、遠心分離操作に
より大豆特有の「大豆臭さ」、「青臭さ」が低減した無
臭のオイルボディーを調製することも可能であり、この
ようにして調製したオイルボディーにおいても本発明に
おける機械耐性や食感・物性改良効果は発揮され、更に
より淡白な官能特性が求められる製品において好まし
い。大豆臭発生の要因となるリポキシゲナーゼの加熱失
活方法は、できるだけ蛋白質の変性がなく、リポキシゲ
ナーゼのみを失活させることが理想である。
【0013】リポキシゲナーゼを加熱失活させる方法と
しては、大豆を蒸煮する、煮る、電子レンジ加熱等があ
る。それぞれの加熱方法により加熱した、丸大豆中のリ
ポキシゲナーゼ残存活性は、電子レンジ加熱の場合、5
分処理で11%、蒸煮する場合、5分処理で0%、また、熱
水処理の場合、70℃15分処理で60%、80℃1分処理で10
%、100℃0.5分で0%である。できるだけ蛋白質の変性が
なく、リポキシゲナーゼを失活させ、無臭のオイルボデ
ィーを得るには、70〜90℃で1〜15分間加熱する
ことが望ましく、その加熱方法は特に問わない。
しては、大豆を蒸煮する、煮る、電子レンジ加熱等があ
る。それぞれの加熱方法により加熱した、丸大豆中のリ
ポキシゲナーゼ残存活性は、電子レンジ加熱の場合、5
分処理で11%、蒸煮する場合、5分処理で0%、また、熱
水処理の場合、70℃15分処理で60%、80℃1分処理で10
%、100℃0.5分で0%である。できるだけ蛋白質の変性が
なく、リポキシゲナーゼを失活させ、無臭のオイルボデ
ィーを得るには、70〜90℃で1〜15分間加熱する
ことが望ましく、その加熱方法は特に問わない。
【0014】リポキシゲナーゼ失活大豆よりオイルボデ
ィーを調製するには、リポキシゲナーゼ失活大豆より豆
乳を作成し、大豆タンパク質を可溶化した後、オイルボ
ディーを分離回収する。具体的には、粉砕していない大
豆を、水に6〜24時間浸漬し、膨潤させた後、70〜9
0℃で1〜15分間、好ましくは80〜90℃で1〜5
分間加熱し、大豆中のリポキシゲナーゼを失活させた
後、磨砕する。磨砕の際の加水量は大豆の約3〜10倍
容、好ましくは約4倍容が適当である。磨砕は、ジュー
サー、湿式磨砕機等の磨砕機を用いて行う。磨砕に用い
る溶液は、アルカリ性で、0.01〜0.5M程度の塩が含まれ
ているものが回収率等の点において好ましい。
ィーを調製するには、リポキシゲナーゼ失活大豆より豆
乳を作成し、大豆タンパク質を可溶化した後、オイルボ
ディーを分離回収する。具体的には、粉砕していない大
豆を、水に6〜24時間浸漬し、膨潤させた後、70〜9
0℃で1〜15分間、好ましくは80〜90℃で1〜5
分間加熱し、大豆中のリポキシゲナーゼを失活させた
後、磨砕する。磨砕の際の加水量は大豆の約3〜10倍
容、好ましくは約4倍容が適当である。磨砕は、ジュー
サー、湿式磨砕機等の磨砕機を用いて行う。磨砕に用い
る溶液は、アルカリ性で、0.01〜0.5M程度の塩が含まれ
ているものが回収率等の点において好ましい。
【0015】次いで、磨砕物を固−液分離装置、例えば
振り切り型遠心分離機にかけて粗抽出液と残さを分離す
る。このように調製された豆乳からオイルボディーを遠
心分離によって回収する。遠心力はオイルボディーが浮
上してくればどのような強さでもよいが、回収率、精製
度等を考慮すると、16000G以上の遠心力が好ましい。こ
のようにして得られた精製オイルボディーは、白く、臭
いも無く、安定性の高いクリーム状の乳化物であり、本
発明の穀粉含有生地組成物を得るにあたり、扱いやす
く、均一かつ迅速に組成物中に分散することができる。
振り切り型遠心分離機にかけて粗抽出液と残さを分離す
る。このように調製された豆乳からオイルボディーを遠
心分離によって回収する。遠心力はオイルボディーが浮
上してくればどのような強さでもよいが、回収率、精製
度等を考慮すると、16000G以上の遠心力が好ましい。こ
のようにして得られた精製オイルボディーは、白く、臭
いも無く、安定性の高いクリーム状の乳化物であり、本
発明の穀粉含有生地組成物を得るにあたり、扱いやす
く、均一かつ迅速に組成物中に分散することができる。
【0016】また、本発明に用いるオイルボディーは一
般に飲料用に供給されている豆乳類からも簡易な遠心分
離操作により調製することが可能である。いずれのオイ
ルボディーを利用する際にも共通して言えることは、オ
イルボディー中の油脂含量が75%以上の比較的高い純
度のオイルボディーを用いると好ましいという点であ
る。本発明に用いられる穀粉生地組成物中のオイルボデ
ィーの含有量は麺帯や生地の状態において0.1重量%
から20重量%の範囲であり、好ましくは0.3重量%
から10重量%である。この範囲より少ないと麺帯や生
地の物性改良効果が得られず、この範囲より多いと過度
の油っぽさなどが生じて官能特性を低下させる。
般に飲料用に供給されている豆乳類からも簡易な遠心分
離操作により調製することが可能である。いずれのオイ
ルボディーを利用する際にも共通して言えることは、オ
イルボディー中の油脂含量が75%以上の比較的高い純
度のオイルボディーを用いると好ましいという点であ
る。本発明に用いられる穀粉生地組成物中のオイルボデ
ィーの含有量は麺帯や生地の状態において0.1重量%
から20重量%の範囲であり、好ましくは0.3重量%
から10重量%である。この範囲より少ないと麺帯や生
地の物性改良効果が得られず、この範囲より多いと過度
の油っぽさなどが生じて官能特性を低下させる。
【0017】
【実施例】以下に、本発明を実施例に基づいて説明する
が、本発明はこれらにより限定されるものではない。
が、本発明はこれらにより限定されるものではない。
【0018】実施例1 無臭化オイルボディーを含む麺
帯の調製 無臭化オイルボディーは以下のようにして調製した。丸
大豆を水に一晩浸漬、膨潤させた後、加熱して75℃に
達した後10分間保持した。大豆の約4倍量の蒸留水を
加えて粉砕機で粉砕して分散液を得た。この分散液を三
陽理科学器械製作所(株)製の振り切り型遠心分離機
(100メッシュの濾布を使用)を用いておからと豆乳
とに分けた。得られた豆乳に30,000Gの遠心分離操作を
30分間加えることで白色無臭のクリーム状の精製オイ
ルボディーを得た。
帯の調製 無臭化オイルボディーは以下のようにして調製した。丸
大豆を水に一晩浸漬、膨潤させた後、加熱して75℃に
達した後10分間保持した。大豆の約4倍量の蒸留水を
加えて粉砕機で粉砕して分散液を得た。この分散液を三
陽理科学器械製作所(株)製の振り切り型遠心分離機
(100メッシュの濾布を使用)を用いておからと豆乳
とに分けた。得られた豆乳に30,000Gの遠心分離操作を
30分間加えることで白色無臭のクリーム状の精製オイ
ルボディーを得た。
【0019】得られたオイルボディー及び市販麺用乳化
油脂として理研ビタミン社のスーパーフレンジーMを用
いて表1の配合及び以下の調製法に従って餃子の皮を調
製した。無添加系としてオイルボディーも乳化油脂も混
合していない餃子の皮も調製した。なお、小麦粉には麺
用粉である丸特ことぶき(日本製粉製)を用いた。
油脂として理研ビタミン社のスーパーフレンジーMを用
いて表1の配合及び以下の調製法に従って餃子の皮を調
製した。無添加系としてオイルボディーも乳化油脂も混
合していない餃子の皮も調製した。なお、小麦粉には麺
用粉である丸特ことぶき(日本製粉製)を用いた。
【0020】
【表1】
【0021】手順
まず、ホバートミキサー(ホバート社製 N50-G)に全
原材料を投入した後に、第1速(低速)にて2分間、続
いて第2速(中速)にて6分間の混捏を行った。湿った
ソボロ状になった生地を手で寄せ集めて一つの生地塊と
した後に麺棒にて軽く圧延し、以下の機械圧延工程に供
した。機械圧延には電動パスタマシンRBT(インペリ
ア社製)を使用した。上記生地塊をまずインペリアのゲ
ージ目盛り10において圧延する。圧延された生地を長
い方向に二つ折りにして折り目がローラーに対して直角
となるようにして再びゲージ目盛り10にて圧延を行
う。以下、圧延された生地をゲージが9→7→5→3→
1→0.5→0.5となるように間断をおかずに順次圧
延して最終の厚みが0.9mm前後となるようにして圧
延を終了する。圧延された生地より、直径88mmの円
形の抜き型を用いて円形の生地を調製して餃子の皮とし
た。無添加系である比較対照品1では圧延中の付着が強
く、相応の打ち粉量が必要であり、圧延終了後の生地表
面も荒れ気味であったが、乳化油脂及びオイルボディー
を混合した比較対照品2及び本発明品1(オイルボディ
ーを1.4重量%含有)では非常に円滑に圧延が進行
し、圧延終了後の生地表面は滑らかであった。
原材料を投入した後に、第1速(低速)にて2分間、続
いて第2速(中速)にて6分間の混捏を行った。湿った
ソボロ状になった生地を手で寄せ集めて一つの生地塊と
した後に麺棒にて軽く圧延し、以下の機械圧延工程に供
した。機械圧延には電動パスタマシンRBT(インペリ
ア社製)を使用した。上記生地塊をまずインペリアのゲ
ージ目盛り10において圧延する。圧延された生地を長
い方向に二つ折りにして折り目がローラーに対して直角
となるようにして再びゲージ目盛り10にて圧延を行
う。以下、圧延された生地をゲージが9→7→5→3→
1→0.5→0.5となるように間断をおかずに順次圧
延して最終の厚みが0.9mm前後となるようにして圧
延を終了する。圧延された生地より、直径88mmの円
形の抜き型を用いて円形の生地を調製して餃子の皮とし
た。無添加系である比較対照品1では圧延中の付着が強
く、相応の打ち粉量が必要であり、圧延終了後の生地表
面も荒れ気味であったが、乳化油脂及びオイルボディー
を混合した比較対照品2及び本発明品1(オイルボディ
ーを1.4重量%含有)では非常に円滑に圧延が進行
し、圧延終了後の生地表面は滑らかであった。
【0022】実施例2 無臭化オイルボディーを含む麺
帯の乾燥硬化ストレス耐性 実施例1において調製した比較対照品1、比較対照品
2、本発明品1の3種類の餃子の皮をステンレス製の網
バットの上に並べて、一定の火力となるように調整され
た蒸し器中で12分間蒸しあげた。蒸し直後の麺帯の表
面を軽く調理用布巾にて拭った後に別に用意したステン
レス製網バットにとり、予め25℃、相対湿度60%に
セットした恒温恒湿器(ナガノ機械製作所製、LH−2
0)の内部に置いて所定時間(0、20、40、60分
間)放置して種々の水分含量の試料を調製した。各試料
よりナイフにておよそ1cm2の正方形の硬さ測定用試
料を15個程度切り出し以下の物性測定に供した。また
残り部分を105℃48時間乾燥に供して各試料の水分
含量を求めた。物性測定はタケトモ製テンシプレッサー
マイボーイに直径5mmのパイプ状のプランジャー(肉
の硬さ測定などに用いるタイプ)を付して以下の設定パ
ラメーターにて圧縮距離−応力曲線を得て第一ピークト
ップの応力値(機械の特性としてdyn/cm2として表わさ
れる)を各試料の硬さ指標とした。1つの試料より10
から15の正方形試料片を切り出して測定に供し、平均
値を求めた。各試料の水分含量と硬さ指標の関係を図1
に示した。
帯の乾燥硬化ストレス耐性 実施例1において調製した比較対照品1、比較対照品
2、本発明品1の3種類の餃子の皮をステンレス製の網
バットの上に並べて、一定の火力となるように調整され
た蒸し器中で12分間蒸しあげた。蒸し直後の麺帯の表
面を軽く調理用布巾にて拭った後に別に用意したステン
レス製網バットにとり、予め25℃、相対湿度60%に
セットした恒温恒湿器(ナガノ機械製作所製、LH−2
0)の内部に置いて所定時間(0、20、40、60分
間)放置して種々の水分含量の試料を調製した。各試料
よりナイフにておよそ1cm2の正方形の硬さ測定用試
料を15個程度切り出し以下の物性測定に供した。また
残り部分を105℃48時間乾燥に供して各試料の水分
含量を求めた。物性測定はタケトモ製テンシプレッサー
マイボーイに直径5mmのパイプ状のプランジャー(肉
の硬さ測定などに用いるタイプ)を付して以下の設定パ
ラメーターにて圧縮距離−応力曲線を得て第一ピークト
ップの応力値(機械の特性としてdyn/cm2として表わさ
れる)を各試料の硬さ指標とした。1つの試料より10
から15の正方形試料片を切り出して測定に供し、平均
値を求めた。各試料の水分含量と硬さ指標の関係を図1
に示した。
【0023】その結果、無添加系である比較対照品1と
比較して、特に30%を切るような水分領域において乳
化油脂を混合した比較対照品2やオイルボディーを混合
した本発明品1が柔らかいことが見てとれる。特に電子
レンジ解凍調理などで餃子ミミ部分の皮の水分蒸発によ
る硬化が問題となる、25%以下の低水分領域では乳化
油脂を混合した比較対照品2よりもオイルボディーを混
合した本発明品1の方が柔らかく一番好ましい物性を示
した。
比較して、特に30%を切るような水分領域において乳
化油脂を混合した比較対照品2やオイルボディーを混合
した本発明品1が柔らかいことが見てとれる。特に電子
レンジ解凍調理などで餃子ミミ部分の皮の水分蒸発によ
る硬化が問題となる、25%以下の低水分領域では乳化
油脂を混合した比較対照品2よりもオイルボディーを混
合した本発明品1の方が柔らかく一番好ましい物性を示
した。
【0024】実施例3 無臭化オイルボディー混合によ
る冷凍生地の耐性向上 強力粉(昭和産業(株)社製、ハイネオン)2100
g、イーストフード(オリエンタル酵母工業社製、オリ
エンタルフードC)3g、冷凍耐性圧搾酵母(日本たば
こ産業社製、YF酵母)60g、水1260gを20クォ
ートミキサーボール中で縦型ミキサー(関東混合機社
製)を用いて低速3分間、高速2分間混捏した。この時
捏ね上げ温度が20℃から21℃となるようにして、混
捏終了後に温度27℃、相対湿度80%の発酵室中に入
れて中種発酵を行った。中種発酵終了後は中種全量に強
力粉(昭和産業(株)社製、ハイネオン)900g、砂
糖300g、脱脂粉乳60g、食塩42g、冷凍耐性圧
搾酵母(日本たばこ産業社製、YF酵母)150g、水6
60gを配合した。
る冷凍生地の耐性向上 強力粉(昭和産業(株)社製、ハイネオン)2100
g、イーストフード(オリエンタル酵母工業社製、オリ
エンタルフードC)3g、冷凍耐性圧搾酵母(日本たば
こ産業社製、YF酵母)60g、水1260gを20クォ
ートミキサーボール中で縦型ミキサー(関東混合機社
製)を用いて低速3分間、高速2分間混捏した。この時
捏ね上げ温度が20℃から21℃となるようにして、混
捏終了後に温度27℃、相対湿度80%の発酵室中に入
れて中種発酵を行った。中種発酵終了後は中種全量に強
力粉(昭和産業(株)社製、ハイネオン)900g、砂
糖300g、脱脂粉乳60g、食塩42g、冷凍耐性圧
搾酵母(日本たばこ産業社製、YF酵母)150g、水6
60gを配合した。
【0025】比較対照品3(無添加系)はこの配合に小
麦粉を21gさらに混合、比較対照品4(ジアセチル酒
石酸モノグリ混合系)はこの配合にジアセチル酒石酸モ
ノグリ(乳化剤の一種)を含むことを特徴とする冷凍生
地用改良剤(旧旭化成工業社製、現日本たばこ産業社
製、「ハイベーカー」)21gをさらに混合、本発明品
2(無臭化オイルボディー混合系)はこの配合に実施例
1で得た無臭化大豆オイルボディーを21gさらに混合
して前述のミキサーを用いて低速3分間→中速2分間→
高速1分間混捏し、ここでさらに製パン用ショートニン
グ(味の素社製)150gを混合した後に低速3分間→
中速2分間→高速1分間混捏して各生地を調製した。そ
の後フロアータイムとして生地を室温(25℃)に20
分間放置後、80gづつに分割丸めし、その後室温にて
20分間のベンチタイムをとり、モルダー(オシキリ社
製)にてドッグロール状生地に成型した。成型生地は直
ちに−40℃設定の強制対流型急速凍結庫にて冷凍した
後に−20℃の冷凍庫に1週間保存した。
麦粉を21gさらに混合、比較対照品4(ジアセチル酒
石酸モノグリ混合系)はこの配合にジアセチル酒石酸モ
ノグリ(乳化剤の一種)を含むことを特徴とする冷凍生
地用改良剤(旧旭化成工業社製、現日本たばこ産業社
製、「ハイベーカー」)21gをさらに混合、本発明品
2(無臭化オイルボディー混合系)はこの配合に実施例
1で得た無臭化大豆オイルボディーを21gさらに混合
して前述のミキサーを用いて低速3分間→中速2分間→
高速1分間混捏し、ここでさらに製パン用ショートニン
グ(味の素社製)150gを混合した後に低速3分間→
中速2分間→高速1分間混捏して各生地を調製した。そ
の後フロアータイムとして生地を室温(25℃)に20
分間放置後、80gづつに分割丸めし、その後室温にて
20分間のベンチタイムをとり、モルダー(オシキリ社
製)にてドッグロール状生地に成型した。成型生地は直
ちに−40℃設定の強制対流型急速凍結庫にて冷凍した
後に−20℃の冷凍庫に1週間保存した。
【0026】保存されていた各試料の成形冷凍生地を5
本ずつ取り天板上にパンニングし、その天板を20℃、
相対湿度70%の解凍庫中に85分間放置して生地の中
心温度がほぼ18℃となるまで解凍した。その後38
℃、相対湿度80%に設定されたホイロ(最終発酵室)
中に45分間放置させた後に、予め上火195℃、下火
205℃に設定されていた固定式オーブン(フジサワ社
製、プリンスオーブン)にて12分間焼成した。焼成さ
れたパンについては比容積を測定して客観的な製パン成
績の目安とした、また内相については目視観察して状態
を評価した。
本ずつ取り天板上にパンニングし、その天板を20℃、
相対湿度70%の解凍庫中に85分間放置して生地の中
心温度がほぼ18℃となるまで解凍した。その後38
℃、相対湿度80%に設定されたホイロ(最終発酵室)
中に45分間放置させた後に、予め上火195℃、下火
205℃に設定されていた固定式オーブン(フジサワ社
製、プリンスオーブン)にて12分間焼成した。焼成さ
れたパンについては比容積を測定して客観的な製パン成
績の目安とした、また内相については目視観察して状態
を評価した。
【0027】1週間冷凍保存後の比容積は5本の平均値
として無添加系である比較対照品3では3.8ml/
g、ジアセチル酒石酸モノグリ混合系である比較対照品
4では6.5ml/g、無臭化オイルボディー混合系で
ある本発明品2では6.6ml/gと、オイルボディー
混合系である本発明品2(オイルボディーを0.4重量
%含有)は市販の乳化剤利用改良剤を混合した比較対照
品4と遜色のない冷凍耐性付与効果がみとめられた。内
相を観察すると、無添加系である比較対照品3は不規則
できめの粗い様相であったが、比較対照品4及び本発明
品2についてはきめ細かく均一な内相であった。試食官
能評価すると無添加系である比較対照品3は重くもたつ
く食感であったが、比較対照品4と本発明品2は好まし
い柔らかさを有する食感を有し、特に比較対照品4は配
合されているジアセチル酒石酸モノグリに由来するかす
かな酸味を呈するのに対して本発明品2ではそれが殆ど
感じられない好ましい特徴がみとめられた。
として無添加系である比較対照品3では3.8ml/
g、ジアセチル酒石酸モノグリ混合系である比較対照品
4では6.5ml/g、無臭化オイルボディー混合系で
ある本発明品2では6.6ml/gと、オイルボディー
混合系である本発明品2(オイルボディーを0.4重量
%含有)は市販の乳化剤利用改良剤を混合した比較対照
品4と遜色のない冷凍耐性付与効果がみとめられた。内
相を観察すると、無添加系である比較対照品3は不規則
できめの粗い様相であったが、比較対照品4及び本発明
品2についてはきめ細かく均一な内相であった。試食官
能評価すると無添加系である比較対照品3は重くもたつ
く食感であったが、比較対照品4と本発明品2は好まし
い柔らかさを有する食感を有し、特に比較対照品4は配
合されているジアセチル酒石酸モノグリに由来するかす
かな酸味を呈するのに対して本発明品2ではそれが殆ど
感じられない好ましい特徴がみとめられた。
【0028】
【発明の効果】以上、詳述したように、本発明によれ
ば、大豆中の油脂貯蔵形態であるオイルボディーのよう
な極めて自然な食材を用いることで、乳化剤等を使用す
ることなく機械耐性やハンドリング特性に優れ、かつ喫
食時に酸味などを感じることもなく、柔軟な好ましい食
感及び良好な食味を維持している穀粉含有生地組成物が
提供される。更に、オイルボディーは、多量に使用して
も問題のない油糧種子由来のものであり、また表示上は
例えば「豆乳」、「調製豆乳」等の表示となることか
ら、食品添加物不使用で良好な製品が得られ、乳化剤の
使用に敏感な消費者にとっても安心して使用される製品
を提供することが可能となる。
ば、大豆中の油脂貯蔵形態であるオイルボディーのよう
な極めて自然な食材を用いることで、乳化剤等を使用す
ることなく機械耐性やハンドリング特性に優れ、かつ喫
食時に酸味などを感じることもなく、柔軟な好ましい食
感及び良好な食味を維持している穀粉含有生地組成物が
提供される。更に、オイルボディーは、多量に使用して
も問題のない油糧種子由来のものであり、また表示上は
例えば「豆乳」、「調製豆乳」等の表示となることか
ら、食品添加物不使用で良好な製品が得られ、乳化剤の
使用に敏感な消費者にとっても安心して使用される製品
を提供することが可能となる。
【図1】無臭化オイルボディーを含む蒸し麺帯の水分含
量と硬さの関係を他の麺帯試料との対比において示す。
量と硬さの関係を他の麺帯試料との対比において示す。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 原田 拓也
神奈川県川崎市川崎区鈴木町1番1号 味
の素株式会社食品研究所内
Fターム(参考) 4B023 LC05 LE30 LK05
4B032 DB01 DB32 DK18
4B046 LA01 LA09 LC01 LG11
Claims (5)
- 【請求項1】 油糧種子から分離したオイルボディーを
0.1重量%以上20重量%以下含むことを特徴とする
穀粉含有生地組成物。 - 【請求項2】 油糧種子が大豆、菜種、トウモロコシ、
ヒマワリ、または胡麻から選択されるものである、請求
項1記載の穀粉含有生地組成物。 - 【請求項3】 オイルボディーが加熱による無臭化処理
を受けていることを特徴とする、請求項1または2記載
の穀粉含有生地組成物。 - 【請求項4】 油糧種子から分離したオイルボディーを
0.1重量%以上20重量%以下添加することを特徴と
する、穀粉含有生地の製造法。 - 【請求項5】 オイルボディーに加熱による無臭化処理
をした後に添加することを特徴とする、請求項4記載の
穀粉含有生地の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002088957A JP2003274882A (ja) | 2002-03-27 | 2002-03-27 | 穀粉含有生地組成物及びその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002088957A JP2003274882A (ja) | 2002-03-27 | 2002-03-27 | 穀粉含有生地組成物及びその製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003274882A true JP2003274882A (ja) | 2003-09-30 |
Family
ID=29207509
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002088957A Pending JP2003274882A (ja) | 2002-03-27 | 2002-03-27 | 穀粉含有生地組成物及びその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003274882A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011201987A (ja) * | 2010-03-25 | 2011-10-13 | National Agriculture & Food Research Organization | リン脂質及び/又はリゾリン脂質の抽出方法 |
JP2012029700A (ja) * | 2011-11-17 | 2012-02-16 | Nippon Pack Kk | 健康食 |
JP2016514469A (ja) * | 2013-03-28 | 2016-05-23 | ネステク ソシエテ アノニム | 油の代替物としてオレオソームを含む液体クリーマー組成物及びこれを作製する方法 |
-
2002
- 2002-03-27 JP JP2002088957A patent/JP2003274882A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011201987A (ja) * | 2010-03-25 | 2011-10-13 | National Agriculture & Food Research Organization | リン脂質及び/又はリゾリン脂質の抽出方法 |
JP2012029700A (ja) * | 2011-11-17 | 2012-02-16 | Nippon Pack Kk | 健康食 |
JP2016514469A (ja) * | 2013-03-28 | 2016-05-23 | ネステク ソシエテ アノニム | 油の代替物としてオレオソームを含む液体クリーマー組成物及びこれを作製する方法 |
US9980500B2 (en) | 2013-03-28 | 2018-05-29 | Nestec S.A. | Liquid creamer composition comprising oleosomes as replacement for oil and method of using same |
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