JP2003273662A - 増幅回路および歪み抑制方法 - Google Patents

増幅回路および歪み抑制方法

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JP2003273662A
JP2003273662A JP2002076751A JP2002076751A JP2003273662A JP 2003273662 A JP2003273662 A JP 2003273662A JP 2002076751 A JP2002076751 A JP 2002076751A JP 2002076751 A JP2002076751 A JP 2002076751A JP 2003273662 A JP2003273662 A JP 2003273662A
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harmonic
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pass filter
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Kazuhiko Ikeda
和彦 池田
Naoki Matsubara
直樹 松原
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 増幅回路を小規模に維持しつつ、安定し
て相互変調歪みを改善すること。 【解決手段】 ローパスフィルタ10は、増幅器30の
入力側において発生する信号のうち、増幅すべき周波数
帯域の信号は通過させ、例えば希望波の2倍の周波数帯
域の高調波信号は反射する。同軸線路20は、ローパス
フィルタ10と増幅器30を接続しており、ローパスフ
ィルタ10によって反射された2倍波の位相を、増幅器
30において発生する相互変調歪みを低減するように回
転する。増幅器30は、希望波を増幅して増幅された信
号を出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、増幅回路および歪
み抑制方法に関し、特に相互変調歪みを抑制することが
できる増幅回路および歪み抑制方法に関する。
【0002】
【従来の技術】通信や放送において用いられる送信装置
には、信号を増幅して送信するために増幅器が用いられ
る。この増幅器で信号を増幅する際、増幅器の入出力特
性は非線形であるため、相互変調歪み等の歪み成分が発
生する。この歪み成分は、他のチャネルやシステムに不
要な干渉を与えるものであり、歪み発生量をある規定量
以下に抑えた上で送信装置を運用する必要がある。
【0003】一般に、増幅器の消費電力を大きくする、
すなわち低い効率で増幅器を運用すれば、線形性は向上
し歪み発生量は小さくなるが、同時に、増幅器は送信装
置の中でも消費電力や容積が大きいため、これらを低減
することも求められている。
【0004】ここで、増幅器に周波数が異なる複数の信
号が入力された場合、増幅器においては相互変調歪みが
発生する。この相互変調歪みは、増幅すべき信号の2倍
の周波数帯域を有する信号(以下、「2倍波」という)
の影響を大きく受けることが知られている(電子情報通
信学会論文誌VOL.E82-C NO.5 MAY 1999 P725-729)。こ
の2倍波は、増幅器が信号を増幅する際に、増幅器内部
でも発生する。
【0005】そこで、特開平5−243860号公報に
開示された増幅回路においては、増幅器の出力信号から
2倍波を抽出し、抽出された2倍波を増幅器内部で発生
する2倍波が最小となるように移相し、移相された2倍
波を増幅器の入力側にフィードバックし、再度増幅器に
入力することで、相互変調歪みの改善を図っている。な
お、このように、増幅器から出力される2倍波を用いて
相互変調歪みを改善することにより、歪み発生量の抑制
と共に、増幅回路の規模の縮小を図ることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
増幅回路においては、増幅器の出力に含まれる2倍波を
増幅器の入力側にフィードバックするために、フィード
バック系を有しており、そのため、増幅器が不安定とな
り、異常発振を引き起こしやすいという問題がある。
【0007】本発明はかかる点に鑑みてなされたもので
あり、増幅回路を小規模に維持しつつ、安定して相互変
調歪みを改善することができる増幅回路および歪み抑制
方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の増幅回路は、所
定の周波数帯域の入力信号を増幅する増幅手段と、前記
増幅手段の入力側において発生する高調波信号を反射す
る反射手段と、反射された高調波信号の位相を変更する
変更手段と、を有する構成を採る。
【0009】この構成によれば、所定の周波数帯域の入
力信号を増幅器によって増幅する際に増幅器の入力側に
おいて発生する高調波信号を反射すると共に、高調波信
号の位相を変更するため、反射された高調波信号の位相
を調整して、増幅の際に生じる相互変調歪みを打ち消す
ことができ、増幅回路を小規模に維持しつつ、安定して
相互変調歪みを改善することができる。
【0010】本発明の増幅回路は、前記反射手段は、特
定の周波数帯域の信号を通過させない帯域阻止フィルタ
を有する構成を採る。
【0011】この構成によれば、帯域阻止フィルタを有
するため、高調波信号の反射係数をさらに高くすること
ができ、増幅回路を小規模に維持しつつ、相互変調歪み
をさらに改善することができる。
【0012】本発明の増幅回路は、前記変更手段は、前
記高調波信号に対するインピーダンスの位相を調整する
ことにより当該高調波信号の位相を変更する構成を採
る。
【0013】この構成によれば、高調波信号に対するイ
ンピーダンスの位相を調整して高調波信号の位相を変更
するため、容易な操作で相互変調歪みを改善することが
できる。
【0014】本発明の増幅回路は、回路内の温度を検出
する検出手段をさらに有し、前記変更手段は、検出され
た温度に基づいて前記高調波信号の位相を変更する構成
を採る。
【0015】この構成によれば、回路内の温度を検出
し、検出された温度に基づいて高調波信号の位相を変更
するため、温度変動が生じた場合でも容易に相互変調歪
みを改善することができる。
【0016】本発明の送信装置は、上記のいずれかに記
載の増幅回路を有する構成を採る。
【0017】この構成によれば、上記のいずれかに記載
の増幅回路と同様の作用効果を、送信装置において実現
することができる。
【0018】本発明の無線通信装置は、上記のいずれか
に記載の増幅回路を有する構成を採る。
【0019】この構成によれば、上記のいずれかに記載
の増幅回路と同様の作用効果を、無線通信装置において
実現することができる。
【0020】本発明の歪み抑制方法は、所定の周波数帯
域の入力信号を増幅器によって増幅する際に前記増幅器
の入力側において発生する高調波信号を反射させ、反射
した高調波信号の位相を変更するようにした。
【0021】この方法によれば、所定の周波数帯域の信
号を増幅器によって増幅する際に増幅器の入力側におい
て発生する高調波信号を反射すると共に、高調波信号の
位相を変更するため、反射された高調波信号の位相を調
整して、増幅の際に生じる相互変調歪みを打ち消すこと
ができ、増幅回路を小規模に維持しつつ、安定して相互
変調歪みを改善することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の骨子は、増幅器によって
入力信号の増幅を行う際、増幅器の入力側に発生する高
調波信号(例えば入力信号の2倍の周波数帯域を有する
高調波信号)を反射させ、増幅器の出力における相互変
調歪みを抑制するような位相に変換した上で、増幅器へ
と入力することである。
【0023】以下、本発明の実施の形態について、図面
を参照して詳細に説明する。
【0024】(実施の形態1)図1は、本発明の実施の
形態1に係る増幅回路の構成を示す図である。図1にお
いて、ローパスフィルタ10は、後述する増幅器30の
入力側において発生する信号のうち、増幅すべき周波数
帯域の信号(以下、「希望波」という)は通過させ、例
えば希望波の2倍の周波数帯域の高調波信号(以下、
「2倍波」という)は反射する。同軸線路20は、ロー
パスフィルタ10と後述する増幅器30を接続してお
り、ローパスフィルタ10によって反射された2倍波の
位相を、後述する増幅器30において発生する相互変調
歪みを低減するように回転する。増幅器30は、希望波
を増幅して増幅された信号を出力する。
【0025】ローパスフィルタ10は、例えばコイルな
どのインダクタンス素子12a,12b、および、例え
ばコンデンサなどの容量素子14a,14bから構成さ
れている。これらのインダクタンス素子12a,12b
および容量素子14a,14bによるインピーダンス
は、増幅器30の入力側に発生する信号のうち、希望波
を通過させ2倍波を反射するように設定されている。
【0026】次いで、上記のように構成された増幅回路
の動作について、数式を用いて説明する。
【0027】まず、増幅器30に、2つの異なる周波数
1およびf2を有する希望波A1cos(ω1・t)および
2cos(ω2・t)が入力された場合を考える。ここ
で、A1およびA2は希望波の振幅であり、f1およびf2
とω1およびω2との間には以下の(式1)および(式
2)に示す関係がある。
【0028】
【数1】
【数2】 ところで、増幅器の出力電圧Voは、入力電圧Viを用い
て、次の(式3)のように表されることが一般に知られ
ている。
【0029】
【数3】 (式1)および(式2)より、上記の2つの希望波が増
幅器に入力された場合、相互変調歪み成分である(2f
1−f2)、(2f2−f1)の周波数に出力される信号
は、次の(式4)のように表すことができる。
【0030】
【数4】 一方、周波数f1およびf2の2倍の周波数を有する2倍
波B1cos(2ω1・t+θ1)およびB2cos(2ω2・t
+θ2)が増幅器30に入力されると、相互変調歪み成
分である(2f1−f2)の周波数に出力される信号は、
(式5)のように表すことができる。
【0031】
【数5】 同様に(2f2−f1)の周波数に出力される信号は、
(式6)のように表すことができる。
【0032】
【数6】 ここで、増幅器30に希望波A1cos(ω1・t)および
2cos(ω2・t)が入力されると、これらの希望波を
増幅する過程において、増幅器30の内部では2倍波が
発生し、発生した2倍波は増幅器30の入力側にも現れ
る。そこで、ローパスフィルタ10は、発生した2倍波
を反射すると共に、希望波は通過させる。また、ローパ
スフィルタ10は、2倍波を反射する際に、振幅B1
2が以下の(式7)および(式8)に示す値になるよ
うに反射する。
【0033】
【数7】
【数8】 また、同軸線路20は、反射された2倍波のθ1、θ2
以下の(式9)および(式10)に示す値になるような
線路長を有している。
【0034】
【数9】
【数10】 以上のように、振幅および位相が調整された2倍波が、
再び増幅器30へ入力される。
【0035】上記のB1、B2、θ1、およびθ2を、それ
ぞれ(式5)および(式6)に代入し、(式5)の第1
項と(式4)の第1項とを比較すると、これらの項の位
相は互いに逆向きであり、同様に、(式6)の第1項と
(式4)の第2項とを比較すると、これらの項の位相も
互いに逆向きであることがわかる。すなわち、希望波と
ローパスフィルタ10によって反射された2倍波とが増
幅器30に入力されると、(式4)で表される相互変調
歪み成分のうち、最初の2項は打ち消されることにな
る。すなわち、増幅器30の内部において発生する相互
変調歪みが低減されることになる。
【0036】図2は、ローパスフィルタ10の希望波に
対する正規化インピーダンス50Ωでの反射係数を0付
近に設定し、同じく2倍波に対する正規化インピーダン
ス50Ωでの反射係数を1付近に設定し、また、同軸線
路20の特性インピーダンスが50Ωである場合におけ
るスミスチャートを示す図である。このスミスチャート
は、増幅器30の入力側の負荷、すなわちローパスフィ
ルタ10および同軸線路20によるインピーダンスを示
している。
【0037】同図を参照することにより、同軸線路20
の線路長が変化して移相量が変化した場合でも、増幅器
30の入力側の負荷は、希望波の周波数帯域では中心の
50Ω付近で変化は小さく、一方、2倍波の周波数帯域
では反射係数1の外周近くに沿って回転することがわか
る。このことから、増幅器30の入力側の負荷を希望波
の周波数帯では損失の小さな50Ωとすると同時に、同
軸線路20の線路長を変化させ、2倍波の位相を回転さ
せ、相互変調歪みを小さくすることができる。
【0038】図3は、希望波の入力レベルを一定にした
場合、同軸線路20による2倍波の移相量の変化に対す
る、増幅器30の出力から求めた3次出力インターセプ
トポイント(IP3:3rd-Order Output Intercept Poi
nt)換算値を示す図である。なお、図3は、ローパスフ
ィルタ10の希望波反射係数0.05、2倍波反射係数
0.99とし、同軸線路20の特性インピーダンスを5
0Ωとし、増幅器30としてトランジスタSPICE
(Simulation Program with Integrated CircuitEmphas
is)モデルを用いた場合のIP3の値を示している。同
図を見れば明らかなように、2倍波の移相量を調整する
ことにより、IP3の値が大きくなる、すなわち相互変
調歪みが小さくなることがわかる。
【0039】また、図4は、3次相互変調歪み(IM
3:3rd-Order InterModulation)の測定結果を示す図
である。なお、図4は、増幅器30としてバイポーラト
ランジスタを用い、ローパスフィルタ10の2倍波反射
係数を0.71とした上で同軸線路20による移相によ
ってIM3が最適化された状態の入出力特性と、増幅器
30の入力側のインピーダンスが50Ωである(すなわ
ち、IM3が最適化されていない)状態の入出力特性と
を比較した結果である。同図から、特に出力レベルが大
きい場合に、IM3が改善されることがわかる。
【0040】このように、本実施の形態の増幅回路によ
れば、増幅器の内部で発生し、増幅器の入力側にも現れ
る2倍波を反射すると共に、振幅・位相を調整し、再度
増幅器に入力するため、増幅回路を小規模に維持しつ
つ、安定して相互変調歪みを改善することができる。
【0041】なお、本実施の形態においては、2倍波を
移相するために同軸線路を用いる構成としたが、例え
ば、マイクロストリップライン、分布定数線路等を用い
た遅延線、および集中定数素子を用いた移相器等を用い
ても良い。
【0042】また、同軸線路に代えて、例えば線路長に
より位相特性が可変となる可変長同軸線路や方向性結合
器とダイオードからなる可変移相器等、通過する信号の
位相を外部制御により変化させることができる移相器等
を用いることにより、増幅回路を小規模に維持しつつ、
かつ容易な操作で相互変調歪みを改善することができ
る。
【0043】(実施の形態2)図5は、本発明の実施の
形態2に係る増幅回路の構成を示す図である。なお、同
図において、図1と同じ部分には同じ符号を付け、その
説明を省略する。
【0044】本実施の形態の特徴は、可変容量素子を有
するローパスフィルタ10aを増幅器30の入力側に接
続し、可変容量素子の容量値を外部から制御することに
より、2倍波の周波数帯域のインピーダンスを変化させ
る点である。
【0045】図5において、インダクタンス素子12c
は、インダクタンス素子12a,12bと同様に、例え
ばコイルなどに相当する。例えば、回路素子や部分回路
すべての静電容量値を微調整するためのトリマコンデン
サや電圧により容量が変化するバラクタダイオード等の
可変容量素子16は、外部から制御されることにより容
量値を変化させる。ローパスフィルタ10aは、実施の
形態1のローパスフィルタ10に加えて、上記のインダ
クタンス素子12cおよび可変容量素子16を有してい
る。
【0046】次いで、上記のように構成された増幅回路
の動作について説明する。
【0047】増幅器30の内部で発生した、増幅すべき
周波数帯域の信号(希望波)の2倍の周波数帯域を有す
る高調波信号(2倍波)は、増幅器30の入力側、すな
わちローパスフィルタ10aと増幅器30の間にも現
れ、ローパスフィルタ10aに入力される。ローパスフ
ィルタ10aにおいては、可変容量素子16の容量値が
調整されることにより、2倍波のインピーダンスが調整
されており、増幅器30側から入力された希望波は通過
させ、2倍波は反射するようになっているため、ローパ
スフィルタ10aに入力された2倍波は反射され、再び
増幅器30に入力される。
【0048】このとき、2倍波のインピーダンスが調整
されることにより、実施の形態1と同様に、ローパスフ
ィルタ10aによって反射された2倍波の振幅・位相は
増幅器30における相互変調歪みを改善できるような値
になっている。
【0049】図6は、ローパスフィルタ10aのスミス
チャートを示す図である。同図に示すスミスチャート
は、インダクタンス素子12aのインダクタンスを3.
3nH(ナノヘンリー)、インダクタンス素子12bの
インダクタンスを12nH、およびインダクタンス素子
12cのインダクタンスを8.3nHとし、容量素子1
4aのキャパシタンスを3.0pF(ピコファラド)、
容量素子14bのキャパシタンスを4.5pFとし、可
変容量素子16のキャパシタンスを0.2〜4pFまで
変化させた場合のインピーダンスの軌跡を示している。
【0050】ここで、ローパスフィルタ10aは、例え
ば希望波の周波数帯域を1GHzとすれば、1GHzに
おける挿入損失は1dB以下であり、2GHz(すなわ
ち、2倍波の周波数帯域)における挿入損失は20dB
以上であると同時に、2GHzにおけるインピーダンス
は、図6に示すように、反射係数0.99以上となり、
位相が+50°〜−120°である特性のローパスフィ
ルタとなっている。
【0051】このように、本実施の形態の増幅回路によ
れば、ローパスフィルタ内に可変容量素子を設け、その
容量値を変化させることにより、希望波の挿入損失を大
きくすることなく、2倍波の位相を変化させて反射する
ため、容易な操作で相互変調歪みを改善することができ
る。
【0052】(実施の形態3)図7は、本発明の実施の
形態3に係る増幅回路の構成を示す図である。なお、同
図において、図1および図5と同じ部分には同じ符号を
付け、その説明を省略する。
【0053】本実施の形態の特徴は、LC直列共振回路
によって通過阻止帯域を持つトラップ回路、すなわち帯
域阻止フィルタ(バンドリジェクトフィルタ40)を有
するローパスフィルタ10bを増幅器30の入力側に接
続し、2倍波の反射係数を高くする点である。
【0054】図7において、ローパスフィルタ10b
は、インダクタンス素子42および可変容量素子44か
ら構成されるバンドリジェクトフィルタ40を有してい
る。
【0055】次いで、上記のように構成された増幅回路
の動作について説明する。
【0056】増幅器30の内部で発生した、増幅すべき
周波数帯域の信号(希望波)の2倍の周波数帯域を有す
る高調波信号(2倍波)は、増幅器30の入力側、すな
わちローパスフィルタ10bと増幅器30の間にも現
れ、ローパスフィルタ10bに入力される。ローパスフ
ィルタ10bにおいては、バンドリジェクトフィルタ4
0に備えられた可変容量素子44の容量値が調整される
ことにより、2倍波のインピーダンスが調整されてお
り、増幅器30側から入力された希望波は通過させ、2
倍波は反射するようになっているため、ローパスフィル
タ10bに入力された2倍波は反射され、再び増幅器3
0に入力される。
【0057】このとき、実施の形態2(図5)とは異な
り、可変容量素子44にはインダクタンス素子42が接
続され、これらの素子によりバンドリジェクトフィルタ
40が形成されているため、実施の形態2のローパスフ
ィルタ10aよりも2倍波の反射係数は高くなってい
る。また、2倍波のインピーダンスが調整されることに
より、実施の形態1および実施の形態2と同様に、ロー
パスフィルタ10bによって反射された2倍波の振幅・
位相は増幅器30における相互変調歪みを改善できるよ
うな値になっている。
【0058】図8は、ローパスフィルタ10bのスミス
チャートを示す図である。同図に示すように、可変容量
素子44の容量値を変化させることで、増幅器30の入
力側のインピーダンス、すなわちローパスフィルタ10
bのインピーダンスの位相は、180°を中心に変化す
る。
【0059】このように、本実施の形態の増幅回路によ
れば、ローパスフィルタ内に、可変容量素子を備えたバ
ンドリジェクトフィルタを設けることにより、希望波の
挿入損失を大きくすることなく、2倍波の位相を変化さ
せて反射すると共に、実施の形態2よりも2倍波の反射
係数を高くすることができ、容易な操作で相互変調歪み
を改善することができる。
【0060】(実施の形態4)図9は、本発明の実施の
形態4に係る増幅回路の構成を示す図である。なお、同
図において、図1および図5と同じ部分には同じ符号を
付け、その説明を省略する。
【0061】本実施の形態の特徴は、温度によって抵抗
値が変化する感温素子(例えばサーミスタ70)を用い
ることにより、相互変調歪みを改善するために最適な2
倍波のインピーダンスが温度変化により変化した場合で
も、増幅器30の入力側に接続されたローパスフィルタ
10cのインピーダンスを制御する点である。
【0062】図9において、ローパスフィルタ10c
は、容量素子14cおよびバラクタダイオード50を有
している。また、容量素子14cとバラクタダイオード
50の間には、抵抗素子60を介して、サーミスタ70
および抵抗素子80が接続されている。サーミスタ70
は、温度によって抵抗値が変化する感温素子である。
【0063】次いで、上記のように構成された増幅回路
の動作について説明する。
【0064】増幅器30の内部で発生した、増幅すべき
周波数帯域の信号(希望波)の2倍の周波数帯域を有す
る高調波信号(2倍波)は、増幅器30の入力側、すな
わちローパスフィルタ10cと増幅器30の間にも現
れ、ローパスフィルタ10cに入力される。ローパスフ
ィルタ10cにおいては、バラクタダイオード50の容
量値が後述するように温度変動に応じて調整されること
により、2倍波のインピーダンスが調整されており、増
幅器30側から入力された希望波は通過させ、2倍波は
反射するようになっているため、ローパスフィルタ10
cに入力された2倍波は反射され、再び増幅器30に入
力される。
【0065】ここで、バラクタダイオード50の逆方向
電圧Vcontは、基準電圧Vrefが抵抗素子80およびサ
ーミスタ70によって分圧されることにより供給され
る。サーミスタ70は、温度に応じてその抵抗値を変化
させるため、温度に応じてバラクタダイオード50に供
給される逆方向電圧Vcontも変化し、バラクタダイオー
ド50は、逆方向電圧Vcontに応じて容量値を変化させ
る。したがって、サーミスタ70の抵抗値の温度による
変動を適宜設定することにより、温度変動によって増幅
器30の相互変調歪みを改善できる2倍波のインピーダ
ンスの位相特性が変化した場合でも、ローパスフィルタ
10cのインピーダンスを追従させることができる。
【0066】このように、本実施の形態の増幅回路によ
れば、ローパスフィルタ内のバラクタダイオードの容量
値を、温度変動に応じて変化させることにより、ローパ
スフィルタのインピーダンスを最適な値に変化させるた
め、温度変動がある場合でも相互変調歪みを改善するこ
とができる。
【0067】上記各実施の形態においては、2倍波を反
射するためにローパスフィルタを用いる構成としたが、
例えば2倍波の反射係数を高くした、バンドパスフィル
タ等のフィルタ回路や整合回路等を用いても良い。
【0068】また、上記各実施の形態においては、増幅
器内部で発生する高調波信号のうち2倍波を用いるよう
にしたが、例えば3倍波や4倍波などの整数倍波を用い
るようにしても良い。
【0069】また、例えばプリディストーション方式の
歪み補償回路をローパスフィルタに前置するなど、従来
の歪み補償と組み合わせることにより、相互変調歪みを
含む歪みをさらに改善することができるため、増幅器の
効率が高くなると共に、消費電力を小さくすることがで
き、電源部等の規模を小さくすることができ、結果とし
て回路の規模を小さくすることができる。
【0070】なお、上記各実施の形態の増幅回路は、送
信装置や無線通信装置に用いることができる。
【0071】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
増幅回路を小規模に維持しつつ、安定して相互変調歪み
を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る増幅回路の構成を
示す図
【図2】実施の形態1に係るスミスチャートを示す図
【図3】実施の形態1に係るIP3換算値の一例を示す
【図4】実施の形態1に係るIM3の一例を示す図
【図5】本発明の実施の形態2に係る増幅回路の構成を
示す図
【図6】実施の形態2に係るスミスチャートを示す図
【図7】本発明の実施の形態3に係る増幅回路の構成を
示す図
【図8】実施の形態3に係るスミスチャートを示す図
【図9】本発明の実施の形態4に係る増幅回路の構成を
示す図
【符号の説明】
10 ローパスフィルタ(反射手段) 10a,10b,10c ローパスフィルタ 16 可変容量素子 20 同軸線路(変更手段) 30 増幅器(増幅手段) 40 バンドリジェクトフィルタ 44 可変容量素子 50 バラクタダイオード 60 抵抗素子 70 サーミスタ(検出手段)
フロントページの続き Fターム(参考) 5J090 AA01 CA02 CA21 CA92 FA19 FA20 GN01 HA21 HA25 HA29 HA30 HA33 HA43 KA42 KA45 KA68 SA14 TA02 5J500 AA01 AC02 AC21 AC92 AF19 AF20 AH21 AH25 AH29 AH30 AH33 AH43 AK42 AK45 AK68 AS14 AT02

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の周波数帯域の入力信号を増幅する
    増幅手段と、 前記増幅手段の入力側において発生する高調波信号を反
    射する反射手段と、 反射された高調波信号の位相を変更する変更手段と、 を有することを特徴とする増幅回路。
  2. 【請求項2】 前記反射手段は、特定の周波数帯域の信
    号を通過させない帯域阻止フィルタを有することを特徴
    とする請求項1記載の増幅回路。
  3. 【請求項3】 前記変更手段は、前記高調波信号に対す
    るインピーダンスの位相を調整することにより当該高調
    波信号の位相を変更することを特徴とする請求項1記載
    の増幅回路。
  4. 【請求項4】 回路内の温度を検出する検出手段をさら
    に有し、 前記変更手段は、検出された温度に基づいて前記高調波
    信号の位相を変更することを特徴とする請求項1記載の
    増幅回路。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項4のいずれかに記載
    の増幅回路を有することを特徴とする送信装置。
  6. 【請求項6】 請求項1から請求項4のいずれかに記載
    の増幅回路を有することを特徴とする無線通信装置。
  7. 【請求項7】 所定の周波数帯域の入力信号を増幅器に
    よって増幅する際に前記増幅器の入力側において発生す
    る高調波信号を反射させ、反射した高調波信号の位相を
    変更することを特徴とする歪み抑制方法。
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