JP2003273641A - 広帯域漏洩同軸ケーブル - Google Patents
広帯域漏洩同軸ケーブルInfo
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Abstract
蔽体が周囲に存在する環境下においては、良好な受信レ
ベルが保てないことがある。 【解決手段】 漏洩電磁界形成用の複数個のスロットが
同軸ケーブルの外部導体に列状に設けられ、且つケーブ
ル軸周方向漏洩電界成分に対する前記スロット列の励振
係数分布が軸方向に周期Pを持ち、且つそれがP/2毎
に反転し、且つそれが左右対称である漏洩同軸ケーブル
において、使用する周波数帯域内の少なくとも一つ以上
の周波数で、前記スロット列により形成される空間高調
波のうち、二つの奇数次の空間高調波を速波として存在
させ、且つ少なくともその二つのうちの次数の高い方の
次に次数の高い奇数次の空間高調波をほぼ抑圧させ、且
つその抑圧する空間高調波よりも次数の低い全ての速波
となる空間高調波を、前記存在させる二つの奇数次の空
間高調波を除いて、ほぼ抑圧させ、且つ漏洩同軸ケー
Description
た移動体との無線通信に使用するのに適する広帯域特性
の漏洩同軸ケーブルに関するものである。
ル1の一例を示す一部を切欠いた斜視図である。この広
帯域型漏洩同軸ケーブルの外部導体5には、ケーブル軸
に対して一定周期P毎に、一周期当たり複数の長孔状の
スロット3が設けられている。各スロット3はケーブル
軸に対していくらかの角度を持って傾斜している。図1
3の広帯域型漏洩同軸ケーブルは内部導体2、絶縁体
4、外部導体5、外被6を備えている。
つ漏洩同軸ケーブルの形成する漏洩電磁界の軸周方向電
界成分は、スロット列を軸上に分布する軸方向磁流源と
近似し、それがつくる電磁界を計算することで近似的に
解析される。
軸の正の方向に伝搬するケーブル内伝送波により励振さ
れているものとすると、軸方向磁流源Jmzは、 Jmz(z) = J(z)・A・exp(i(ωt−βz)) …(4) 但し、 J(z) :スロット列の励振係数分布関数 A :ケーブル内伝送波の振幅定数 β :ケーブル内伝送波の位相定数 t :時刻 と表され、スロット列の周期がPの場合、J(z)は周
期Pの関数となるので、J(z)をフーリエ級数展開 して、式(1)〜(6)より電磁界を求めると、円筒座
標系(r,φ,z)での各成分は、 但し、 Km :m次の第2種変形ベッセル関数 と空間高調波展開形で表される。
いて、各空間高調波のz軸方向の位相定数はβnであ
る。よって、k2−βn 2>0を満たす空間高調波は軸
方向の位相速度が光速よりも速いのに対し、k2−βn
2<0のものは光速よりも遅い。その意味で、前者は速
波、後者は遅波と呼ばれている。
形であるのに対し、遅波のそれは変形ベッセル関数形と
なっている。変形ベッセル関数はrの増大に対して急速
に小さくなるので、ケーブルのごく近傍を除いての外部
電磁界は、後者の遅波を無視して、式(7)〜(9)
は、 と表すことができる。
2>0 より、各空間高調波が速波となる k2−βn 2>0 となり得るnは負のみとなり、その
周波数範囲は−k<βn<kより、 但し、 P :スロット列の周期 [m] ν :管内波長短縮率 (=k/β) n :負の整数 と表される。
限周波数、及び上限周波数をそれぞ となる。
各空間高調波の伝搬方向、すなわち放射角度を求める。
各空間高調波のエネルギー流を表すポインティングベク
トル より、 となる。
(ケーブル軸垂直方向)を基準に定義すると、各空間高
調波のポインティングベクトルの向き、すなわち放射角
度θnは、 と表すことができる。図14の漏洩同軸ケーブルの一端
には信号発生器14が、他端には終端抵抗器15が接続
されている。これを周波数の関数として図示すると図1
5のような形となる。
調波が二つ以上存在すると、それぞれ伝搬方向θnが異
なる為、相互に位相干渉を起こして外部放射電界に、観
測点位置による変動が生じることが知られている。これ
は、式(16)〜(18)でnの次数によりr方向及び
z方向の位相定数が異なっていることからも理解でき
る。その為、従来の広帯域漏洩同軸ケーブルにおいて
は、使用周波数帯域で速波となる空間高調波のうち、使
用する唯一つのものを除いて、それ以外の空間高調波は
充分に抑圧することを行っていた。
る場合を述べる。まず、これの下限周波数は式(14)
より すなわち、 の範囲で周期Pを設定する。
高調波の下限周波数が式(14)により である時、n=−2次からn=−l次までの空間高調波
を抑圧させると、使用周波数範 きる。
(10)〜(12)においてJ(z)のフーリエ級数展
開係数であるCnの大きさが各空間高調波の振幅に比例
した量となっていることから、抑圧したい空間高調波の
次数にあたるCnが充分小さくなる様にJ(z)の分布
を工夫する。すなわちスロット列の構成の仕方を工夫す
るということである。
調波を使用し、n=−2〜−4次のそれを抑圧する方法
として、半ピッチ内に2個以上のスロットを用いる方法
が、特公昭52−7790、実公昭53−10844、
特公昭56−12045又は特開昭50−129986
などで提案されている。
法としては、半ピッチ内に4個のスロットを用いる方法
が、実公昭52−41786、実公昭58−53768
等で提案されている。
等間隔に配列し、各スロットの励振係数を正弦波状に変
化させることにより、n=−2次以上の高次の空間高調
波を抑圧する方法が特公昭50−25786で提案され
ている。
帯域漏洩同軸ケーブルの場合、以下のような問題が発生
することがある。ここでは、例えばn=−nA次の空間
高調波を使用する場合を考え 合が出てくる。
洩同軸ケーブルとそれと電磁波の送受信を行う移動局と
の間に金属板などの電磁波遮蔽体が間欠的に存在してい
る場合がある。例えば図16に示すように、鉄道線路沿
線に沿って布設される漏洩同軸ケーブル1に対して、移
動局10は列車車両11内にあり、車両11の車体12
が金属遮蔽体として作用する場合などである。このと
き、放射角度が垂直方向に近い条件では、漏洩同軸ケー
ブル1からの直接波は窓13を透過して車両11内奥の
移動局10まで到達し易い。しかし、放射角度が大きい
時は車両車体12により直接波は遮られ易く、移動局1
0での受信レベルは大きく低下することが懸念される。
に対してn=−1次以外の速波をほぼ抑圧した広帯域漏
洩同軸ケーブルを製作した。この広帯域漏洩同軸ケーブ
ルでは、 きをもって放射されるものである。
の結合損失を図17に示す様な測定系でケーブルの長手
方向(z軸方向)に沿って測定した。ここで、図17に
おいて、2枚のAL(アルミニウム)製の金属板16は
それぞれ1m四方の大きさ(厚さ2mm)であり、それ
らの間隔2dを一定としたまま半波長ダイポールアンテ
ナ17と共に移動させる。ここで結合損失とは式(2
3)により定義される量である。 但し、 Lc(z)[dB] :点z=zにおける結合損失。 P1(z)[W] :点z=zにおける漏洩同軸ケー
ブル内部の伝送波の伝送電力。 P2(z)[W] :漏洩同軸ケーブルから垂直方向
に、ある距離だけ離れた位置に置かれた半波長ダイポー
ルアンテナの、点z=z上における受信電力。 である。 9(a)〜(c)、及び表A−1〜A−2に示す。
れる。よって、図16のような使用環境下においては、
移動局での受信レベルに大きな劣化が生じることが懸念
される。
ルにおいては、放射角度の周波数による変化、増大に伴
って、電磁遮蔽体が周囲に存在する環境下においては良
好な受信レベルが保てない場合があるという問題があっ
た。
決するため、以下の手段を採用した。
軸ケーブルの外部導体の軸方向に列状に設けられた漏洩
同軸ケーブルにおいて、前記スロット列のケーブル軸周
方向漏洩電界成分に対する励振係数分布が軸方向に周期
(P)を持っており、且つそれはP/2毎に反転してい
て、且つ左右対称となっている。このスロット列により
形成される軸周方向漏洩電界成分に対して、使用する周
波数帯域内の少なくとも一つ以上の周波数では、速波と
なる奇数次の空間高調波を二つ存在させ、且つ少なくと
もその二つのうちの次数の高い方の次に次数の高い奇数
次の空間高調波をほぼ抑圧させる。又、その抑圧する空
間高調波よりも次数が低く、使用周波数帯域内で速波と
なる全ての空間高調波を、前記存在させる二つの空間高
調波を除いてほぼ抑圧させる。又、漏洩同軸ケーブルの
管内波長短縮率νの値を、 ここで、速波とは、ケーブル軸方向の位相速度が外部媒
質中の光速よりも速い伝送波をいう。
ては、使用する周波数帯域内の少なくとも一つ以上の周
波数では、軸周方向漏洩電界成分に対して、速波となる
二つの奇数次の空間高調波が存在している。ここで漏洩
同軸ケーブルの波長短縮率ν に負のものに限られる。そこで、この存在させる二つの
奇数次の空間高調波の次数をそれぞれ、−na次、−n
b次とおく(nb>na>0)。このとき、−na次よ
りも次数の低い、速波となる全ての空間高調波が抑圧さ
れているため、式(14)で表され 以下の周波数では速波となる空間高調波が存在せず、充
分な強さの漏洩電磁界が −na次の空間高調波を速波とさせる必要がある。すな
わち、 より、 とスロット列の周期Pを設定する。
しなければならないため、使 も小さくならず、傾きが大きくなってしまうことがあ
る。
ットの周期Pを選定する。こ のような形で表されるが、これは必ずしも所望の値にな
るとは限らない、という問題である。
表されるように、他の次数の空間高調波 角度が所望のものに近くなっている空間高調波(−nb
次)を選んで、それを存在 波を得ることができる。
る空間高調波を存在させることにより、放射角度がそれ
らで異なることから、周波数間隔の離れた二つの周波数
帯でほぼ所望の放射角度を実現することができる。
り一方の空間高調波が遮蔽されてしまう場合において
も、もう一方の空間高調波をその影響から回避させるこ
とが、その放射角度の違いにより可能となる為、受信レ
ベルの劣化を抑制することが可能となる。
く、移動局にケーブル軸方向に対して指向性を持つアン
テナを使用するような場合において、周波数間隔の離れ
た二つの周波数帯で、この指向性に合わせることが可能
となる為、広帯域に渡って安定した高い受信レベルを維
持することが可能となる。
空間高調波を存在させる場合の放射角度と周波数との関
係を表す。現在、実用化されている同軸ケーブルでは、
その絶縁体はポリエチレンなどの高分子材料、又はそれ
らと空気層との複合体であるのが主流となっている。そ
のため、漏洩同軸ケーブルの管内波長短縮率νの値とし
ては、0.5から1.0の間にあるものが大半を占めて
いる。そこで、ここでは代表して、νが0.5、0.
8、1.0の場合の関係を式(21)より表B−1〜B
−3に表す。表B−1〜B−3では、θ−1及びθ−3
値がそれぞれ、−50、−20、0、+20、+50
[deg]
の範囲となる。
の空間高調波では188〜330の範囲、−3次の空間
高調波では565〜991の範囲となる。
の空間高調波では224〜456の範囲、−3次の空間
高調波では671〜1367の範囲となる。
高調波を存在させることにより、従来の一つのみの速波
となる空間高調波を存在させる場合に比較して、間隔の
離れた二つの周波数帯において、所望の放射角度(ここ
では±20[deg]の場合を表したが、他の場合も可
能である)が得られることが分かる。
がP/2毎に反転していることから、後に示す様に、励
振係数分布関数J(z)のフーリエ級数展開係数Cnの
うちの、偶数次のそれが消滅するので、偶数次の空間高
調波が抑圧される(式(40))。
高い奇数次の空間高調波、すなわち−(nb+2)次の
空間高調波と、それよりも次数の低い速波となる全ての
空間高調波が、−na次と−nb次のそれを除いて抑圧
されている。ここで、各奇数次の空間高調波の速波とな
る下限周波数は、式(14)より、 と−nb次との両方、或いは片方の空間高調波に限るこ
とができる。但し、これは であることから、 ν>0.4 …(29) の場合と求められる。
きれば、三つ以上の複数の速波を存在させる場合に比較
して、電界強度の変動を最小限に抑えることが可能とな
る。何故なら、例えば、振幅比で1:α(0<α<1)
の二つの速波を存在させた場合の電界強度変動幅は、 と表されるが、これに更に、振幅比でβ(0<β<1)
である三つ目の速波を加えた場合の電界強度変動幅は、 となり、二つの場合の式(30)よりも大幅に増大して
しまう場合があるからである。
m)次までの奇数次の空間高調波を、−(nb+2)次
の空間高調波と合わせて抑圧させるとよい。
波を存在させ、−5次とその他に、それよりも次数の高
い−7次の空間高調波を抑圧する場合を具体的に表す。
式(14)より、奇数次の各空間高調波の速波となる下
限周波数は、 すなわち、 の関係にある。
る場合の、速波の発生を−1次と−
合は、 の周波数範囲となる。 数を表す。
あるいは片方の空間高調波に限ることのできる周波数範
囲を広くできるのが分かる。 ときである。これは、 であるので、 ν>0.4 …(34) のときと求められる。よって、ν>0.4のときは、−
7次の空間高調波を抑圧することによって、電界強度の
変動を最小限に抑えられる周波数範囲を広げることがで
きる。
二つの周波数帯でほぼ所望の放射角度をもつ空間高調波
を存在させることができ、且つ次数の異なる速波となる
空間高調波が複数存在することに起因する電界強度の変
動幅を最小限に抑制することが可能である。
の概略を示す。各空間高調波の抑圧は前記の従来の技術
の項中の説明と同様に、式(10)〜(12)において
J(z)のフーリエ級数展開係数であるCnの大きさが
各空間高調波の振幅に比例した量となっていることか
ら、抑圧したい空間高調波の次数にあたるCnの大きさ
を充分小さくすることで実現できる。
(z)は、P/2毎に反転していて、且つ左右対称とな
っている。すなわち、 J(z)=−J(z+P/2) …(35) J(z)=J(−z) …(36) である。但し、式(33)において、左右対称点のz軸
座標を0に取った。
ような形で表される。 一周期に渡る積分において積分範囲をずらすことがで
き、 とする。この積分区間を二つに分けて、 と表し、右辺第二項においてz≡z−P/2と変数変換
して式(35)を使用してまとめると、 と表される。すなわち、スロット列の励振係数分布関数
J(z)が式(35)を満たすとき、つまりP/2毎に
反転するとき、偶数次の空間高調波が抑圧される。
れぞれ表す。半周期(P/2)内−P/4<z<P/4
に存在するスロットの数(但し、励振係数が零であるも
のは除く)が、奇数個の場合と偶数個の場合とである。
スロットの配列は、図1のように左右対称点z=0の位
置にスロットがある場合である。この時、励振係数分布
関数J(z)をDiracのデルタ関数δ(z)を用い
て、近似的に 但し、 as:z=zsの位置のスロットの励振係数 a0:z=0の位置のスロットの励振係数 と表すと、式(41)を式(39)に代入して、 と表すことができる。
満たすようなスロットの配列は図2のような形となる。
この時、同様に、励振係数分布関数J(z)をδ関数を
用いて近似的に、 と表すと、式(43)を式(39)に代入して、 となる。
に表されるように、Cnの値はN値、及び の半周期内の数、各スロット間の励振係数の比、及び周
期内での各スロットの位置により、Cnの値は変化す
る。よって、これらの変数を、抑圧したい空間高調波の
次数にあたるCnの大きさが充分小さくなるように設定
すれば、抑圧したい空間高調波を抑圧することができ
る。
についての実際に触れると、これはスロットの大きさや
形状などにより決まる係数である。例えば、図1、図2
のような長孔状の傾斜スロットを用いる場合、主にスロ
ットの長さや傾斜角度などによりasが定まる。従っ
て、これらを変化させることによって、asを所望の値
に設定することが可能である。
おいて、 Cn=C−n …(45) が成り立つ。そこで、以降の説明では、nが負のものに
ついてのみ言及することにする。
期Pを の範囲に設定することに相当する場合である。
調波の次数を−na次と−nb次とする(nb>na>
0)。このとき、最低限抑圧する奇数次の空間高調波
は、−na次と−nb次を除いての−1次から−(nb
+2)次の空間高調波であるから、 次の空間高調波である。よって、その数は、 である。
おいて、式(49)のnについて、Cn=0としなけれ
ばならない。つまり、 m元連立方程式の解を求めるためには、一般にm個以上
の独立変数が必要である。よって、式(51)を満たす
解を求めるためには、式(42)、又は式(44)の右
辺の[ ]
数は、 である。又、式(44)の右辺の[ ]内の独立変数の
数は、 である。但し、ここで、−na次、もしくは−nb次の
空間高調波の、少なくともどちらか一方の強さを所望の
値に設定させる為に、式(42)においてはa0の値
を、式(44)においてはa1の値を、式(51)の解
を求めるための独立変数とするのではなく、ある設定値
(固定値)とした。理由は以下のとうりである。これら
の二つの空間高調波の強さは、式(10)〜(12)に
表されるようにそれぞれC−na、C−nbの大きさに
比例した量であるが、C−na、及びC−nbの式(4
2)の右辺の[ ]内、あるいは式(44)の右辺の
[ ]内は、式(51)を満たす条件のもとではある決
められた値を取る場合がある。しかし、その場合におい
ても、a0、あるいはa1がその係数となっているの
で、この値を適当に設定することによって、C−na、
もしくはC−nbの大きさ、つまり−na次、もしくは
−nb次のどちらかの空間高調波の強さを所望の値に設
定させることが可能となるからである。
でないスロットの半周期内の数はそれぞれ、2N+1
個、2N個となっている。そこで、励振係数が零でない
スロットの、半周期内の数をNP/2とおくと、式(5
2)、(53)における変数の数は、NP/2を用い
て、(NP/2−1)個と表すことができる。
は、式(42)あるいは式(44)の右辺の[ ] としなければならない。つまり、一般には、 の数のスロットが、半周期内に必要となる。
合、すなわち式(54)より、 とした場合を述べる。このとき、式(42)、あるいは
式(44)の右辺の[ ]内の独立変数の数は ち一般には全ての変数が一意的に定められる。全ての変
数が一意的に定められると、式(42)、あるいは式
(44)の右辺の[ ]内も一意的に定められることに
なる。すると、速波となる−na次と−nb次の空間高
調波のそれぞれのCnの大きさの比、
C−na|、|C−nb|は各空間高調波の振幅に比例
した量 −na次と−nb次の空間高調波の振幅の比が一意的に
定められるということを意味する。
けでなく−nb次の空間高調波も存在させる理由は、周
囲の電磁遮蔽体の影響によって、−na次の空間高調波
が遮蔽されてしまう場合においても、−nb次の空間高
調波によって受信レベルをあるレベルで維持しようとい
うねらいがあった。それ故、周囲の電磁遮蔽体の存在す
る種々の状態に対応して、−na次に対する−nb次の
空間高調波の強さを種々に設定できると、受信レベルを
維持、制御する上において都合がよい。
同時に受信したときの電界強度の変動幅は、二つの速波
の振幅比により決定される。よって、この変動幅を所望
の値に設定しようとする場合には、−na次に対する−
nb次の空間高調波の強さを種々に設定することが必要
となってくる。
4)の右辺の[ ]内の独立変数の数を一つ以上増すこ
とである。その為には、式(42)、あるいは式(4
4)の右辺の[ ]内の独立変数の数が(NP/2−
1)個となっているので、NP/2値を一つ以上増せば
よい。今、NP/2値を式(55)の値で設定したの
で、これに1以上の整数を加えて、 と設定することである。 値を制限していっても、一つ以上の変数が、特別な場合
を除いて一意的に定まらずに、任意となる。
る。
明する。まず、最も簡単な例として、−1次と−3次の
空間高調波を存在させる場合を表す。このとき、式(5
4)より、半周期内に2個以上のスロットが必要であ
る。
せる場合を述べる。このときは、図2においてN=1の
場合であるから図3のようなスロット配列図、及びJ
(z)のような形になる。この時のCnは式(44)、
及び式(40)より、 である(0<z1<P/4)。
高調波、すなわち−5次のそれを抑圧させるので、その
条件は式(57)より、 である。これより、0<z1<P/4の範囲では、 としなければならないことが求められる。又、式(5
9)の時、C−1≠0、及びC−3≠0となる。従っ
て、スロットを図3の配列とし、且つz1/Pの値を式
(59)とすることにより、−1次、及び−3次の空間
高調波を存在させ、且つ−5次、及び偶数次の空間高調
波を抑圧させることが可能となる。
一般に必要とされる最少の個数、2個とした。このと
き、式(57)の右辺の[ ]内の、唯一の変数である
z1/P値が、式(59)のように一意的に定められて
しまう。このため、|C−3|/|C−1|値も一意的
に定められてしまう。具体的に表すと、式(59)を式
(57)に代入して、|C−3|/|C−1|値を求め
ると、 C−1=3.804・a1/P、C−3=2.351・
a1/Pより、|C−3|/|C−1|=0.618 C−1=2.351・a1/P、C−3=−3.804
・a1/Pより、|C−3|/|C−1|=1.618 である。このように|C−3|/|C−1|値が一意的
に定められてしまうことは、先に述べたように本発明の
効果が制限される要因となる。
すことにより、これを解決する、すなわち|C−3|/
|C−1|値を可変とすることができるのを示す。
は、式(56)より、 としなけれらばならない。
は、図1においてN=1の場合であるから、図4のよう
に表される。この場合、Cnは式(42)、(40)よ
り、 となる(0<z1<P/4)。式(61)の右辺の
[ ]の変数は、{a1/a0,z1/P}と式(5
7)の場合に比較して、その数は確かに一つ増えてい
る。
圧させる条件は、 である。式(62)の解をC−1≠0、C−3≠0の条
件のもとで求めると、 (但し、z1/P≠1/20,3/20,1/6,1/
8)となる。式(61)より、 であるので、 であるが、これに式(63)を代入すると、 となる(但し、z1/P≠1/20,3/20,1/
6,1/8)。
の取り方により、|C−3|/|C−1|値を可変とす
ることができるのが分かる。
は、正に限らず負となる様に設定してもよい。この場
合、例えば図4のような傾斜スロットを用いる場合、a
0に対するスロットの傾斜方向とa1に対するスロット
の傾斜方向とは、z=P/2離れたスロットどうしのよ
うに、反転する方向となる。
としても、同様に|C−3|/|C−1|値を可変とで
きるのが導き出される。
在させ、−5次と偶数次の空間高調波を抑圧させる場合
を表した。同様にして、抑圧する奇数次の空間高調波の
数が複数になる場合も可能である。
在させる場合を表す。この場合、−5次の次に次数の高
い奇数次の空間高調波、すなわち−7次のそれと、それ
よりも次数の低い奇数次の空間高調波、すなわち−1次
のそれを抑圧させることになる。偶数次のそれは式(4
0)により、すでに抑圧されている。この時、式(5
4)より、半周期内で3個以上のスロットが必要であ
る。よって、まず必要最少個数の3個の場合、すなわち
図4の場合を述べる。この時のCnは、式(42)でN
=1の場合であるので、 となる(0<z1<P/4)。式(61)より−1次と
−7次の空間高調波を抑圧させる為の条件は、 となる。又、−3次と−5次の空間高調波を存在させる
為の条件は、 である。式(68)〜式(71)より、以下のようにし
なければならないことが求められる。 である。又、このとき、C−3、C−5、及び|C−5
|/|C−3|値は、式(61)、(72)より C−3=4・a0/P、C−5=4・a0/Pより、|
C−5|/|C−3|=1 となる。
P/2を、式(54)で表される一般に必要とされる最
少の個数、3個とした場合には、式(61)右辺の
[ ]の二つの変数、{a1/a0,z1/P}が両方
とも一意的に定められる為、|C−5|/|C−3|値
も一意に定められてしまう。
ト数を式(56)の条件とすることにより、|C−5|
/|C−3|値を可変とできることを示す。式(56)
より、 である。よって、まず、NP/2=4の場合を表す。
は、図2において、N=2の場合である。よって、Cn
は、式(44)より、 となる(0<z1<z2<P/4)。−1次と−7次の
空間高調波を抑圧させる為の条件は、 である。又、−3次と−5次の空間高調波を存在させる
為の条件は、 である。式(75)〜(78)より、以下のようにしな
けらばならないことが求められる。
のときの励振係数比a2/a1を と定める(0<z1<z2<P/4)。
式(74)、及び式(80)より、 と表される。これに示すように、式(79)を満たす条
件下での(z1/P,z2/P)の選び方により、|C
−5|/|C−3|値を可変とできるのが分かる。
としても、同様に|C−5|/|C−3|値を可変とで
きるのが導き出される。
在させ、−5次と−7次、及び偶数次の空間高調波を抑
圧させることも可能である。この場合、抑圧する奇数次
の空間高調波の数が前記と同様に2個であるので、N
P/2=4とすることにより、つまり、式(74)の右
辺の[ ]内の変数を{z1/P,z2/P,a2/a
1}と3個にすることにより、|C−3|/|C−1|
値を可変とすることができる。実際にそれを示す。
調波を抑圧させるための条件は、 である。
せるための条件は、 である。式(82)〜(85)より、以下のようにしな
ければならないことが求められる。
のときの励振係数比a2/a1を と定める。
式(74)、及び式(90)より、 と表される。これに示すように、式(86)〜(89)
を満たす条件下での(z1/P,z2/P)の選び方に
より、|C−3|/|C−1|値を可変とすることがで
きる。
周期内でのスロットの間隔を等間隔にすると有利な場合
がある。すなわち、z1=d/2、z2=3d/2(0
<3d/2<P/4) とする場合である(但し、dは
スロット間隔)。
圧させるための条件は式(92)より、 である。これより、 d/P=1/14 …(95) 且つ、 としなければならないことが求められる(C−1,C
−3≠0)。
式(92)、(95)及び(96)より となり、固定されたものとなる。
は、配列の自由度、すなわち 式(74)
を等間隔にしながら、|C−3|/|C−1|値を可変
とするためには、半ピッチ内のスロット数をさらに一つ
以上増して、式(42)あるいは式(44)右辺の
[ ]の中の独立変数の数を三つ以上に保つ必要があ
る。例えば、三つに保てるのは、5個及び6個とした場
合で、独立変数はそれぞれ、 である。
の場合、図1においてN=2とした場合で、半周期内で
のスロット間隔をdと一定とすると、z1=d、z2=
2d(0<2d<P/4)となるのでCnは、式(4
2)、及び式(40)より、 となる。式(100)において、 C−5=C−7=0、及びC−1,C−3≠0 を満たす条件、すなわち−5次と−7次、及び偶数次の
空間高調波を抑圧し、−1次と−3次の空間高調波を存
在させる条件を求めると、以下のようになる(0<2d
<P/4)。
は、
等間隔に設定した場合でも、|C−3|/|C−1|値
を可変とすることができるのが分かる。
場合、図2においてN=3の場合であり、半周期内での
スロット間隔をdと一定とすると、z1=d/2、z2
=3d/2、z3=5d/2(0<5d/2<P/4)
となるのでCnは、式(44)、及び式(40)より、 となる。式(106)において、 C−5=C−7=0、C−1,C−3≠0 を満たす条件、すなわち−5次と−7次、及び偶数次の
空間高調波を抑圧し、−1次と−3次の空間高調波を存
在させる条件を求めると、以下のようになる。
は、
等間隔に設定した場合でも、|C−3|/|C−1|値
を可変とすることができる。
の生じる恐れがある。 の場合)、あるいは半周期内に6個のスロットを等間隔
に配列させた場合(但し させることになるが、その際にd値が小さくなりすぎる
場合が出てくる。これはすなわちスロットが密になりす
ぎる場合であるから、外部導体の機械的強度が低下する
など、好ましい状態ではない。
値に設定、固定した状態で、且つ|C−3|/|C−1
|値を変化させられるようにしなければならない。d値
をある値に固定し の空間高調波を抑圧させ、且つ|C−3|/|C−1|
値を可変とさせるためには、先に説明した様に、独立変
数を一般に三つ以上に保つ必要がある。よって、その為
には、半周期内のスロット数をさらに増して7個以上と
しなければならない。7個、及び8個とした場合のそれ
ぞれの独立変数は、それぞれ 及び、 となり、三つとなる。
とした場合を表す。この場合、図1においてN=3の場
合で、半周期内のスロット間隔をdと一定とすると、z
1=d、z2=2d、z3=3d(0<3d<P/4)
となるのでCnは、式(42)、及び式(40)より、 となる。式(120)において、 C−5=C−7=0、C−1,C−3≠0 を満たす条件、すなわち−5次と−7次、及び偶数次の
空間高調波を消去し、−1次と−3次の空間高調波を存
在させる条件を求めると、 且つ 但し、 となる(0<3d<P/4)。
等間隔にし、且つd値をある所望の ることができる。
表す。この場合、図2においてN=4の場合であり、半
周期内でのスロット間隔をdと一定とすると、z1=d
/2、z2=3d/2、z3=5d/2、z4=7d/
2(0<7d/2<P/4)となるのでCnは、式(4
4)、及び式(40)より、 となる。式(126)において、 C−5=C−7=0、C−1,C−3≠0 を満たす条件、すなわち−5次と−7次、及び偶数次の
空間高調波を消去し、−1次と−3次の空間高調波を存
在させる条件を求めると、 且つ 但し、 となる(0<7d/2<P/4)。
固定させたとしても、
等間隔(d)に配列させた場合も、式(42)、あるい
は式(44)右辺の[ ]内の変数が4個以上となる
為、d値をある所望の値に固定させたとしても、|C
−3|/|C−1|値を可変とできるのが同様に導き出
される。
由の為に、図1〜図4で表されるスロット列を外部導体
の周方向に複数列設けてもよい。この場合、各列のケー
ブル軸方向に対する位置を、図5のように揃えてもよい
し、図6のようにずらしてもよい。
振係数分布J(z)は、必ずしもお互いに等しいものと
させる必要はなく、それぞれにより形成される二つの速
波となる空間高調波の次数が等しいものであれば任意で
ある。
J(z)の大きさの関係、及び各スロット列の形成する
二つの空間高調波の振幅比、などを変化させることによ
って、放射角度の異なる二つの空間高調波の振幅比を、
全体として調整することが可能となる。
必ずしも一致させなくてもよい場合がある。これは以下
の関係とした場合である。 P′=m′・Ps …(132) −na′=−m′・nas …(133) −nb′=−m′・nbs …(134) ここで、 Ps :複数のスロット列の中で、周期Pが最も短いス
ロット列の周期 P′ :Psよりも長い周期を持つスロット列の周期 m′ :2以上の整数 −nas:周期がPsのスロット列の形成する、速波と
なる二つの空間高調波のうちの、次数が低い方の空間高
調波の次数 −nbs:周期がPsのスロット列の形成する、速波と
なる二つの空間高調波のうちの、次数が高い方の空間高
調波の次数 −na′:周期がP′のスロット列の形成する、速波と
なる二つの空間高調波のうちの、次数が低い方の空間高
調波の次数 −nb′:周期がP′のスロット列の形成する速波とな
る二つの空間高調波のうちの、次数が高い方の空間高調
波の次数
る二つの奇数次の空間高調波は、その放射角度、及び速
波領域となる上下限周波数が、式(21)、式(1
4)、式(15)により一致する。すなわち、全体とし
ては、放射角度の異なる二種類の速波となる空間高調波
が形成されている状態であり、等しい周期を持つスロッ
ト列のみにより形成されている場合と本質的に変わらな
い。
るスロット列としては、必ずしも図1〜図4で表され
る、二つの速波を形成するスロット列ではなく、使用周
波数帯域内で一つ以下の速波を形成するスロット列との
組み合わせでもよい。但し、この際には、 のいずれかの関係を満たさなければならない。但し、 P :使用周波数帯域内のいずれかの周波数で二つの速
波を形成するスロット列の周期 P″:使用周波数帯域内で一つ以下の速波を形成するス
ロット列の周期 −na:周期がPのスロット列の形成する、速波となる
二つの空間高調波のうちの、次数が低い方の空間高調波
の次数 −nb:周期がPのスロット列の形成する、速波となる
二つの空間高調波のうちの、次数が高い方の空間高調波
の次数 −n″:周期がP″のスロット列の形成する、使用周波
数帯域内で速波となる、空間高調波の次数 である。
は、−na次と−nb次とのどちらかの空間高調波とそ
の放射角度、及び速波領域となる上下限周波数が一致す
ることになる(∵式(21)、式(14)、式(1
5))。すなわち、全体としては、二種類の速波となる
空間高調波が形成されている状態であり、元の二つの速
波となる空間高調波が形成されている状態と本質的に等
しい。
成するスロット列の励振係数分布J(z)の大きさを、
元の二つの速波を形成するスロット列のそれに対して適
当に選ぶことによって、放射角度の異なる二種類の空間
高調波の振幅比を、全体として調整することが可能とな
る。
洩電界形成用スロットは、図1〜図6、図12で表され
る傾斜スロットに限らず、図7のような折れ線型スロッ
ト、又は図8のような励振スタブ付きスロット等の、ケ
ーブル軸周方向漏洩電界を形成する、その他の適当な形
状を持つスロットを用いてもよい。
Pの定義についての注意点を表す。Pを決めるにあたっ
ては、ケーブル軸周方向漏洩電界に対する励振係数がほ
ぼ零であるスロット(例えばケーブル軸に平行な長孔状
スロット、又はケーブル軸に垂直な長孔状のスロット
等)は無視して決めるものとする。
振係数がほぼ零であるスロット(ケーブル軸に平行なス
ロット)が存在していて、形式的なスロットピッチがP
fとなっている場合においては、励振係数がほぼ零であ
るスロットを無視して決められるスロットピッチである
Peを、本発明においてのスロットピッチPと定義す
る。
0.9、P=0.53[m]、絶縁体外径42[mm]
と設定し、半周期内に7個のスロットを等間隔に設け、
その間隔dをd=P/14とし、且つ、 図5のようにケーブル軸方向に対する位置を揃えて外部
導体の周方向に2列設けた広帯域漏洩同軸ケーブルを製
作した。これは、軸周方向漏洩電界成分に対して、−1
次と−3次の空間高調波が存在し、偶数次と−5次、−
7次の空間高調波の他に、−9次の空間高調波も抑圧さ
れたものである。450MHz及び1500MHzにお
いて、速波となる空間高調波とその放射角度を表すと表
Cの通りである。この 7に示す様な測定系でEφ成分の結合損失をケーブル長
手方向(z軸方向)に沿って測定した。尚、結合損失の
定義は、式(23)の通りである。その結果を図10、
11、図表D−1〜D−2に示す。
従来の広帯域漏洩同軸ケーブルの結果である図18、図
19、表A−1、表A−2とを比べると分かるように、
本発明の広帯域漏洩同軸ケーブルでは、1500MHz
の測定周波数において、結合損失値の増加が大幅に抑制
されたものとなっている。これは本発明の特徴である、
放射角度の小さい−3次の空間高調波が速波として存在
しているからである。このような特性をもつ広帯域漏洩
同軸ケーブルの場合、図16に示されるような使用環境
下においても、受信レベルに大きな劣化は生じ難く、良
好な通信環境を提供できうるものとなる。
射角度の異なる二つの速波となる空間高調波を存在させ
ることにより、周波数間隔の離れた二つの周波数帯にお
いても、ほぼ所望の放射角度を実現することができる。
環境下にあっても、その影響を回避し易く、受信レベル
の劣化を抑制することが可能となる。
周期(P/2)内に存在するスロットの数が、奇数個の
場合であり、スロットの配列が左右対称点z=0の位置
にスロットがある場合の説明図。
周期(P/2)内に存在するスロットの数が、偶数個の
場合の説明図。
周期(P/2)内に存在するスロットの数が2個の場合
の説明図。
周期(P/2)内に存在するスロットの数が3個の場合
の説明図。
ロット列を複数にし、各スロット列の軸方向に対する位
置をそろえた場合の説明図。
ロット列を複数にし、各スロット列の軸方向に対する位
置をずらした場合の説明図。
線型スロットの説明図。
スタブ付きスロットの説明図。
(ケーブル軸に平行なスロット)が存在していて、形式
的なスロット列の周期がPfとなっている本発明の広帯
域漏洩同軸ケーブルの説明図。
測定系で測定した結果を示す説明 定結果である。
測定系で測定した結果を示す説明 合の測定結果である。
ロット列との組合わせ例の説明図。
す一部を切欠いた斜視図である。
向(ケーブル軸垂直方向)を基準に定義した場合の、速
波となる各空間高調波のポインティングベクトルの向き
(放射角度θn)の説明図。
間高調波のポインティングベクトルの向き(放射角度θ
n)を周波数の関数として表示した場合の説明図。
ーブルに対して、移動局が列車車両内にあり、車両の車
体が金属遮蔽体として作用する場合の説明図。
方向)に沿って測定する測定系の斜視図、(b)は
(a)の側面説明図。
ブルを測定した結果を示す説明図 ある。
ブルを測定した結果を示す説明図 の測定結果である。
Claims (15)
- 【請求項1】漏洩電磁界形成用の複数個のスロットが同
軸ケーブルの外部導体に列状に設けられ、且つケーブル
軸周方向漏洩電界成分に対する前記スロット列の励振係
数分布が軸方向に周期を持ち(周期:P)、且つそれが
P/2毎に反転し、且つそれが左右対称である漏洩同軸
ケーブルにおいて、使用する周波数帯域内の少なくとも
一つ以上の周波数で、前記スロット列により形成される
空間高調波のうち、二つの奇数次の空間高調波を速波と
して存在させ、且つ少なくともその二つのうちの次数の
高い方の次に次数の高い奇数次の空間高調波をほぼ抑圧
させ、且つその抑圧する空間高調波よりも次数の低い全
ての速波となる空間高調波を、前記存在さ 範囲にあることを特徴とする広帯域漏洩同軸ケーブル。
ここで速波は、ケーブル軸方向の位相速度が外部媒質中
の光速よりも速い伝送波をいう。又、νは漏洩同軸ケー
ブルの管内波長短縮率を表す。 - 【請求項2】ケーブル軸周方向漏洩電界成分に対して、
存在させる二つの奇数次の空間高調 ことを特徴とする、請求項1記載の広帯域漏洩同軸ケー
ブル。 - 【請求項3】ケーブル軸周方向漏洩電界成分に対して、
−7次の空間高調波をほぼ抑圧させたことを特徴とす
る、請求項2記載の広帯域漏洩同軸ケーブル。 - 【請求項4】存在させる二つの奇数次の空間高調波の次
数を−na及び−nbとしたとき(但しnb>na>0
のとき)、 としたことを特徴とする請求項1記載の漏洩同軸ケーブ
ル。ここで、 NP/2 :ケーブル軸周方向漏洩電界成分に対する励
振係数が零でないスロットの、半周期(P/2)内の数 P :スロット列の、ケーブル軸周方向漏洩電界成
分に対する励振係数分布の軸方向の周期 [m] である。 - 【請求項5】ケーブル軸周方向漏洩電界成分に対する励
振係数が零でないスロットを、半周期内に5個(N
P/2=5)設け、それらの間隔をほぼ等間隔(d)と
したスロット列をもつ漏洩同軸ケーブルにおいて、ほ
ぼ、 且つ 但し、 となる関係にしたことを特徴とする請求項3記載の広帯
域漏洩同軸ケーブル。ここで、a0は励振係数分布の、
ある左右対称点に位置するスロットの励振係数、a1は
励振係数がa0であるスロットから最も近いところに位
置するスロットの励振係数、a2はその次に近いところ
に位置するスロットの励振係数を表す。 - 【請求項6】ケーブル軸周方向漏洩電界成分に対する励
振係数が零でないスロットを、半周期内に5個(N
P/2=5)設け、それらの間隔をほぼ等間隔(d)と
したスロット列をもつ漏洩同軸ケーブルにおいて、ほ
ぼ、 且つ 但し、 となる関係にしたことを特徴とする請求項3記載の広帯
域漏洩同軸ケーブル。ここで、a0、a1、a2の定義
は請求項5でのそれと同様とする。 - 【請求項7】ケーブル軸周方向漏洩電界成分に対する励
振係数が零でないスロットを、半周期内に6個(N
P/2=6)設け、それらの間隔をほぼ等間隔(d)と
したスロット列をもつ漏洩同軸ケーブルにおいて、ほ
ぼ、 且つ 但し、 となる関係にしたことを特徴とする請求項3記載の広帯
域漏洩同軸ケーブル。ここで、a1は励振係数分布の、
ある左右対称点から最も近いところに位置するスロット
の励振係数、a2はその次に近いところに位置するスロ
ットの励振係数、a3はさらにその次に近いところに位
置するスロットの励振係数を表す。 - 【請求項8】ケーブル軸周方向漏洩電界成分に対する励
振係数が零でないスロットを、半周期内に6個(N
P/2=6)設け、それらの間隔をほぼ等間隔(d)と
したスロット列をもつ漏洩同軸ケーブルにおいて、ほ
ぼ、 且つ、 但し、 となる関係にしたことを特徴とする請求項3記載の広帯
域漏洩同軸ケーブル。ここで、a1、a2、a3の定義
は請求項7でのそれと同様とする。 - 【請求項9】ケーブル軸周方向漏洩電界成分に対する励
振係数が零でないスロットを、半周期内に6個(N
P/2=6)設け、それらの間隔をほぼ等間隔(d)と
したスロット列をもつ漏洩同軸ケーブルにおいて、ほ
ぼ、 且つ、 但し、 となる関係にしたことを特徴とする請求項3記載の広帯
域漏洩同軸ケーブル。ここで、a1、a2、a3の定義
は請求項7でのそれと同様とする。 - 【請求項10】ケーブル軸周方向漏洩電界成分に対する
励振係数が零でないスロットを、半周期内に7個(N
P/2=7)設け、それらの間隔をほぼ等間隔(d)と
したスロット列をもつ漏洩同軸ケーブルにおいて、ほ
ぼ、 且つ 但し、 となる関係にしたことを特徴とする請求項3載の広帯域
漏洩同軸ケーブル。ここで、a0は励振係数分布の、あ
る左右対称点に位置するスロットの励振係数、a1は励
振係数がa0であるスロットから最も近いところに位置
するスロットの励振係数、a2はその次に近いところに
位置するスロットの励振係数、a3はさらにその次に近
いところに位置するスロットの励振係数を表す。 - 【請求項11】ケーブル軸周方向漏洩電界成分に対する
励振係数が零でないスロットを、半周期内に8個(N
P/2=8)設け、それらの間隔をほぼ等間隔(d)と
したスロット列をもつ漏洩同軸ケーブルにおいて、ほ
ぼ、 且つ 但し、 となる関係にしたことを特徴とする請求項3記載の広帯
域漏洩同軸ケーブル。ここで、a1は励振係数分布の、
ある左右対称点から最も近いところに位置するスロット
の励振係数、a2はその次に近いところに位置するスロ
ットの励振係数、a3はまたその次に近いところに位置
するスロットの励振係数、a4はさらにその次に近いと
ころに位置するスロットの励振係数を表す。 - 【請求項12】ケーブル軸周方向漏洩電界成分に対する
励振係数が零でないスロットを、半周 もつことを特徴とする請求項3記載の広帯域漏洩同軸ケ
ーブル。 - 【請求項13】周期Pの等しい、請求項1乃至請求項1
2のいずれかに記載されるスロット列を、外部導体の周
方向に2列以上設けたことを特徴とする、請求項1乃至
請求項12のいずれかに記載の広帯域漏洩同軸ケーブ
ル。 - 【請求項14】請求項1乃至請求項12のいずれかに記
載されるスロット列を、下記の条件の下で、外部導体の
周方向に2列以上設けたことを特徴とする広帯域漏洩同
軸ケーブル。P′=m′・Ps −na = −m′・nas −nb′= −m′・nbs ここで、 Ps :複数のスロット列の中で、周期Pが最も短いス
ロット列の周期 P′ :Psよりも長い周期を持つスロット列の周期 m′ :2以上の整数 −nas :周期がPsのスロット列の形成する、速波
となる二つの空間高調波のうちの、次数が低い方の空間
高調波の次数 −nbs :周期がPsのスロット列の形成する、速波
となる二つの空間高調波のうちの、次数が高い方の空間
高調波の次数 −na′ :周期がP′のスロット列の形成する、速波
となる二つの空間高調波のうちの、次数が低い方の空間
高調波の次数 −nb′ :周期がP′のスロット列の形成する、速波
となる二つの空間高調波のうちの、次数が高い方の空間
高調波の次数 である。 - 【請求項15】請求項1乃至請求項13のいずれかに記
載される一列以上のスロット列と、使用周波数帯域内で
一つ以下の速波を形成する一列以上のスロット列とを、 のいずれかを満たす条件の下で、外部導体の周方向に組
み合わせて設けたことを特徴とする広帯域漏洩同軸ケー
ブル。但し、 P :請求項1乃至請求項13のいずれかに記載される
スロット列の周期 P″:使用周波数帯域内で一つ以下の速波を形成するス
ロット列の周期 −na :周期がPのスロット列の形成する、速波とな
る二つの空間高調波のうちの、次数が低い方の空間高調
波の次数 −nb :周期がPのスロット列の形成する、速波とな
る二つの空間高調波のうちの、次数が高い方の空間高調
波の次数 −n″ :周期がP″のスロット列の形成する、使用周
波数帯域内で速波となる、空間高調波の次数 である。
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