JP2003271696A - 電圧変動反映遅延計算方法および電圧変動反映遅延計算システム - Google Patents

電圧変動反映遅延計算方法および電圧変動反映遅延計算システム

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JP2003271696A JP2002075481A JP2002075481A JP2003271696A JP 2003271696 A JP2003271696 A JP 2003271696A JP 2002075481 A JP2002075481 A JP 2002075481A JP 2002075481 A JP2002075481 A JP 2002075481A JP 2003271696 A JP2003271696 A JP 2003271696A
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Shinichi Kurose
真一 黒瀬
Moriharu Goto
盛治 後藤
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Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 設計TATの増大を最小限に抑えつつ、各論
理セルやモジュールについて電圧変動の影響を考慮した
遅延値を求めること。 【解決手段】 エリア・バンプで形成された電源端子お
よび信号端子を有する半導体集積回路を設計する際に、
論理セルまたはモジュールごとに、論理セルまたはモジ
ュールからこれに最も近い電源エリア・バンプまでの距
離を求め、この求めた距離と、電源エリア・バンプに印
加される電源電圧値とに基づいて、論理セルまたはモジ
ュールに実際に印加されると推定される電源電圧を求
め、その推定された電源電圧に応じた遅延値を求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エリア・バンプで
形成された電源端子および信号端子を有する半導体集積
回路を設計する際の遅延値を計算する電圧変動反映遅延
計算方法および電圧変動反映遅延計算システムに関し、
特に論理セルまたはモジュールごとに、論理セルまたは
モジュールに最も近い電源エリア・バンプまでの距離
と、その電源エリア・バンプに印加される電源電圧値と
に基づいて、論理セルまたはモジュールに実際に印加さ
れると推定される電源電圧の変動値を見積もることによ
り遅延値を計算する電圧変動反映遅延計算方法および電
圧変動反映遅延計算システムに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、半導体集積回路内の各論理セル
に印加される電圧は、各論理セルの配置位置や電源ソー
スからの距離などに応じて、電源ソースに印加されてい
る電圧よりも低くなる。これは、抵抗や容量などの配線
寄生素子に起因する電圧変動の影響があるからである。
各論理セルに印加される電圧の大きさはセルの遅延値に
影響を与える重要な要因の一つである。したがって、設
計時に、すべての論理セルに電源ソースの電圧値を一律
に与えるのではなく、各論理セルの電圧変動の影響を考
慮して設計することが重要である。
【0003】電圧変動の影響を無視して設計をおこなう
と、設計時に計算により求めた遅延値と実際の回路での
実測値との誤差が大きくなり、設計のやり直しなどの不
都合が生じる。特に、ディープサブミクロンと呼ばれる
0.5μm未満のデザインルールで半導体集積回路を設
計する際には、各論理セルの電圧変動の影響を十分に考
慮する必要がある。
【0004】従来、各論理セルの電圧変動の影響を考慮
して遅延値を計算する方法としてつぎの2つの方法が知
られている。第1の方法は、レイアウトデータおよびプ
ロセスパラメータを用いて電源端子と論理回路とを接続
する電源配線の寄生素子を抽出し、それに基づいて計算
した電源電圧や電流の係数を用いて遅延時間を掛け合わ
せることにより遅延値を求める方法である。第2の方法
は、チップ全体に対して電圧変動の最大値または最小値
を適用して遅延計算をおこなう方法である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た第1の方法では、計算処理に長時間を要し、設計TA
T(Turn Around Time)が著しく増大
してしまうため、実際の回路設計に用いることは非現実
的であるという問題点がある。また、上述した第2の方
法において電圧変動の最大値を用いると、過剰な条件で
設計をおこなうことになるため、設計工程が収束しづら
くなる。一方、最小値を用いるとマージンが不足するた
め、動作不良を起こすものが発生し、その不良解析に時
間がかかったり、歩留まりが低下したりする。したがっ
て、第2の方法では、最大値と最小値のいずれを選択し
ても、設計TATが増大するという問題点がある。
【0006】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
のであって、設計TATの増大を最小限に抑えつつ、各
論理セルやモジュールについて電圧変動の影響を考慮し
た遅延値を求めることが可能な電圧変動反映遅延計算方
法および電圧変動反映遅延計算システムを提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、エリア・バンプで形成された電源端子お
よび信号端子を有する半導体集積回路を設計する際に、
論理セルまたはモジュールごとに、論理セルまたはモジ
ュールからこれに最も近い電源エリア・バンプまでの距
離を求め、この求めた距離と、電源エリア・バンプに印
加される電源電圧値とに基づいて、論理セルまたはモジ
ュールに実際に印加されると推定される電源電圧を求
め、その推定された電源電圧に応じた遅延値を求めるも
のである。
【0008】この発明によれば、論理セルまたはモジュ
ールと電源エリア・バンプとの距離に基づいて、論理セ
ルまたはモジュールに実際に印加される電源電圧の変動
が見積もられるので、設計TATの増大を最小限に抑え
つつ、各論理セルやモジュールについて電圧変動の影響
を考慮した遅延値を求めることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて図面を参照しつつ詳細に説明する。 (実施の形態1)図1は、本発明の実施の形態1にかか
る電圧変動反映遅延計算方法を実施するための電圧変動
反映遅延計算システムの構成を示す概略図である。この
システムは、セル配置位置情報取得部1、バンプ位置情
報取得部2、セル−バンプ間距離計算部3、遅延変動比
率計算部4、遅延計算部5、ライブラリ格納部6および
データ監視部7を備えている。
【0010】セル配置位置情報取得部1は、設計ツール
8中の回路における各論理セルの配置位置に関する情報
を取得し、それを格納する。バンプ位置情報取得部2
は、設計ツール8中の回路におけるバンプの位置に関す
る情報を取得し、それを格納する。セル−バンプ間距離
計算部3は、セル配置位置情報取得部1およびバンプ位
置情報取得部2にそれぞれ格納された論理セルの配置位
置情報および電源エリア・バンプ位置情報に基づいて、
論理セルごとに、最も近い電源エリア・バンプまでの距
離の計算をおこなう。
【0011】遅延変動比率計算部4は、論理セルごと
に、セル−バンプ間距離計算部3で計算された距離と電
源エリア・バンプに印加される電源電圧とに基づいて、
標準遅延値に対する変動比率(以下、遅延変動比率とす
る)の計算をおこなう。ここで、標準遅延値は、標準状
態の遅延値としてあらかじめ設定されており、ライブラ
リ格納部6に格納されている。標準状態とは、論理セル
に、電源エリア・バンプと同じ電源電圧が印加されてい
ると仮定した状態である。遅延計算部5は、論理セルご
とに、遅延変動比率計算部4で計算された遅延変動比率
と、標準遅延値とに基づいて遅延値を計算する。
【0012】データ監視部7は、セル配置位置やバンプ
位置が変更されたときに、セル配置位置情報取得部1や
バンプ位置情報取得部2に信号を発することにより、そ
れらが変更されたことを通知する。これは、セル配置位
置やバンプ位置は個々の処理(論理最適化、物理最適
化)ごとに変更されることがあるからである。
【0013】つぎに、遅延変動比率計算部4でおこなわ
れる遅延変動比率Pの計算方法について説明する。ここ
で、図3に示すように、一対の電源電圧側配線21およ
び接地電圧側配線22に沿って複数の論理セル(u1
2,・・・,un)23,24,25が配置されてお
り、u1、u2、unの各論理セル23,24,25とそ
れぞれに最も近い電源電圧側の電源エリア・バンプ26
との距離をそれぞれd1、d2、dnと表す。nは自然数
である。また、それらの距離di(iはnまでの自然
数)をxy座標系のx方向の成分とy方向の成分に分け
て考える場合には、x方向の距離をdix、y方向の距離
をdiyと表すことにする。
【0014】遅延変動比率δdelayは、つぎの(1)〜
(4)のいずれかの方法で計算される。ただし、電源電
圧側の電源エリア・バンプ26に印加される電源電圧値
をVD、接地電圧側の電源エリア・バンプ27に印加さ
れる接地側電圧値をVSとする。また、遅延値の変動比
率計算に関する定数をα、遅延値の変動比率計算に関す
るx成分およびy成分の定数をそれぞれαxおよびαy
する。
【0015】(1)論理セルuiとこれに最も近い電源
エリア・バンプとの間の距離diと定数αを用いる方
法:この方法では、αはdiの値にかかわらず一定であ
る。遅延変動比率δdelayはつぎの式より求められる。
【0016】δdelay=di×α×(VD−VS)
【0017】(2)論理セルuiとこれに最も近い電源
エリア・バンプとの間の距離diの範囲に応じた定数α
を用いる方法:この方法では、αはdiの値の範囲によ
り異なる。たとえば、di≧1000であればα=1.
6とし、1000>di≧500であればα=1.5と
し、di<500であればα=1.2とする。そして、
つぎの式より遅延変動比率δdelayを求める。
【0018】δdelay=α×(VD−VS)
【0019】(3)論理セルuiとこれに最も近い電源
エリア・バンプとの間のx方向の距離dixおよびy方向
の距離diyと、x成分の定数αxおよびy成分の定数αy
を用いる方法:この方法では、αxおよびαyはそれぞれ
ixおよびdiyの値にかかわらず一定である。遅延変動
比率δdelayはつぎの式より求められる。
【0020】 δdelay=(dix×αx+diy×αy)×(VD−VS)
【0021】(4)論理セルuiとこれに最も近い電源
エリア・バンプとの間のx方向の距離dixの範囲に応じ
たx成分の定数αx、およびy方向の距離diyの範囲に
応じたy成分の定数αyを用いる方法:この方法では、
αxおよびαyはそれぞれdixおよびdiyの値の範囲によ
り異なる。たとえば、dix≧1000であればαx
1.6とし、1000>dix≧500であればαx
1.5とし、dix<500であればαx=1.2とす
る。また、たとえばdiy≧1000であればαy=1.
7とし、1000>diy≧500であればαy=1.5
とし、diy<500であればαy=1.1とする。そし
て、つぎの式より遅延変動比率δdelayを求める。
【0022】δdelay=(αx+αy)×(VD−VS)
【0023】図2は、本発明の実施の形態1にかかる電
圧変動反映遅延計算方法の処理手順を示すフローチャー
トである。まず、配置済みレイアウトデータ31から、
各論理セルの配置位置と電源エリア・バンプの位置を抽
出する(ステップS21)。ついで、抽出した論理セル
の配置位置および電源エリア・バンプの位置の情報に基
づいて、論理セルごとに、最も近い電源エリア・バンプ
までの距離di(dixおよびdiyの場合もある)を計算
して求める(ステップS22)。距離の計算および最も
近い電源エリア・バンプの選択の方法については、論理
セルと電源エリア・バンプの各xy座標を用いて、一般
的な二次元座標系における方法を用いることができる。
【0024】ついで、プロセスパラメータ32として電
源電圧値VD、接地側電圧値VS、およびαやαxやαy
等の定数を受け取り、ステップS22で計算した距離d
iやdixやdiyを用いて、上述した(1)〜(4)のい
ずれかの方法により、論理セルごとに遅延変動比率δde
layを計算する(ステップS23)。そして、遅延計算
ライブラリ33から標準遅延値を受け取り、ステップS
23で計算した遅延変動比率δdelayを用いて、論理セ
ルごとに遅延値を計算する(ステップS24)。このよ
うにして、論理セルごとに、電圧変動を考慮した遅延値
34が得られる。
【0025】配置済みレイアウトデータ31およびプロ
セスパラメータ32は、図1に示すシステムにおいて設
計ツール8から供給される。また、遅延計算ライブラリ
33は、図1に示すシステムのライブラリ格納部6に格
納されている。また、ステップS24の遅延値計算によ
り得られた遅延値34は設計ツール8に供給され、後述
するように、エリア・バンプで形成された電源端子およ
び信号端子を有する半導体集積回路の設計フロー中の遅
延値を使用する処理において、各論理セルの遅延値とし
て用いられる。
【0026】ここで、電源端子の形状をエリア・バンプ
に限定している理由はつぎの通りである。すなわち、エ
リア・バンプ構成ではない半導体集積回路では、電源端
子はチップ周辺に配置される。それに対して、エリア・
バンプで形成された電源端子および信号端子を有する半
導体集積回路では、電源エリア・バンプはチップ表面に
ほぼ均等な間隔で配置される。そのため、電源エリア・
バンプから各論理セルまでの平均距離が短くなり、論理
セルから電源エリア・バンプまでの距離をパラメータと
して遅延値を計算する本実施の形態においては、計算値
の精度が保たれるからである。
【0027】つぎに、設計フロー中の遅延値を使用する
処理について説明する。このような処理として、たとえ
ばCADツールを用いた設計システムにおいて、物理設
計処理におけるタイミング・ドリブンを伴った配置配線
等のレイアウト処理や、レイアウト後のタイミング検証
処理などがあり、また、論理設計処理における論理合成
の最適化処理などがある。
【0028】図4は、論理設計処理の手順を示すフロー
チャートである。論理設計処理が開始されると、まず、
モジュールに対する初期論理回路合成処理をおこなう
(ステップS41)。ついで、フロアプラン処理をおこ
ない(ステップS42)、論理セルの配置処理をおこな
う(ステップS43)。そして、論理セルの配置位置情
報と電源エリア・バンプの位置情報に基づいて、図1に
示す構成の電圧変動反映遅延計算システム41により、
図2に示す電圧変動反映遅延計算方法を実施して、論理
セルごとに電圧変動を考慮した遅延値を求め、その遅延
値を用いて論理の最適化処理をおこなう(ステップS4
4)。最適化した結果が、回路制約を満たすまで、フロ
アプラン、配置および論理最適化の処理を繰り返しおこ
ない、回路制約を満たしたら論理設計処理を終了する。
【0029】図5は、物理設計処理の手順を示すフロー
チャートである。物理設計処理が開始されると、まず、
フロアプラン処理をおこなう(ステップS51)。つい
で、回路制約51に基づいた静的タイミング解析ツール
(STA)52による静的タイミング解析により得られ
た制約情報を用いて、論理セルの配置処理をおこなう
(ステップS52)。そして、論理セルの配置位置情報
と電源エリア・バンプの位置情報に基づいて、図1に示
す構成の電圧変動反映遅延計算システム53により、図
2に示す電圧変動反映遅延計算方法を実施して、論理セ
ルごとに電圧変動を考慮した遅延値を求める。その求め
た遅延情報に基づいて、静的タイミング解析ツール52
は再び静的タイミング解析をおこなう。
【0030】ついで、静的タイミング解析により新たに
得られた制約情報を用いてクロック・ツリーの合成処理
をおこなう(ステップS53)。このとき、論理セルの
配置位置および電源エリア・バンプの位置が変更される
ことがある。これらの位置情報を更新した情報に基づい
て、再び電圧変動反映遅延計算システム53により電圧
変動反映遅延計算方法を実施して、論理セルごとに電圧
変動を考慮した遅延値を新たに求める。その求めた遅延
情報に基づいて、静的タイミング解析ツール52は再び
静的タイミング解析をおこなう。
【0031】ついで、静的タイミング解析により得られ
た最新の制約情報を用いてタイミングの最適化処理をお
こなう(ステップS54)。そして、論理セルの配置位
置および電源エリア・バンプの位置の更新した情報に基
づいて、再び電圧変動反映遅延計算システム53により
電圧変動反映遅延計算方法を実施して、論理セルごとに
電圧変動を考慮した遅延値を新たに求める。その求めた
遅延情報に基づいて、静的タイミング解析ツール52は
再び静的タイミング解析をおこなう。
【0032】ついで、静的タイミング解析により得られ
た最新の制約情報を用いて配線処理をおこなう(ステッ
プS55)。そして、論理セルの配置位置および電源エ
リア・バンプの位置の最新情報に基づいて、再び電圧変
動反映遅延計算システム53により電圧変動反映遅延計
算方法を実施して、論理セルごとに電圧変動を考慮した
遅延値を新たに求める。
【0033】配線処理後、回路制約を満たしていなけれ
ば(ステップS56:No)、ステップS51のフロア
プランからやり直す。回路制約を満たしていれば(ステ
ップS56:Yes)、RCエクストラクション処理を
おこなう(ステップS57)。ついで、電圧変動反映遅
延計算システム53により求められた最新の遅延値に基
づいて遅延計算をおこなう(ステップS58)。つい
で、電圧変動反映遅延計算システム53により求められ
た最新の遅延値に基づいて静的タイミング解析をおこな
う(ステップS59)。
【0034】解析の結果、回路制約を満たしていなけれ
ば(ステップS60:No)、回路制約を満たすまでタ
イミングECO(Engineering Chang
eOrder)処理をおこなう(ステップS61)。回
路制約を満たしたら(ステップS60:Yes)、物理
設計処理を終了する。
【0035】上述した実施の形態1によれば、論理セル
とこれに最も近い電源エリア・バンプとの間の距離と、
電源エリア・バンプに印加される電源電圧とに基づいて
遅延変動比率を求め、これを用いて標準遅延値に対する
実際の遅延値を計算して求めるため、論理セルに実際に
印加される電源電圧の変動の影響を考慮して各論理セル
の遅延値を求めることができる。その際、使用するパラ
メータが、論理セルから電源エリア・バンプまでの距離
と電源エリア・バンプの電源電圧という2つのみである
ため、設計TATの増大を最小限に抑えることができ
る。
【0036】また、実施の形態1によれば、論理セルご
とに電源電圧に応じた遅延値を用いて設計をおこなうこ
とができるので、設計段階で求めた遅延値の計算値に対
して、実際の回路における遅延値の実測値の誤差が小さ
くなり、動作不良などの不具合が少なくなる。したがっ
て、歩留まりの向上や、不良解析の時間や設計のやり直
しなどの時間が削減され、設計TATの短縮を実現する
ことができる。
【0037】(実施の形態2)図6は、本発明の実施の
形態2にかかる電圧変動反映遅延計算方法を実施するた
めの電圧変動反映遅延計算システムの構成を示す概略図
である。このシステムは、セル配置位置情報取得部1、
バンプ位置情報取得部2、セル−バンプ間距離計算部
3、電源電圧計算部14、ライブラリ選択部15、ライ
ブラリ・データベース16およびデータ監視部7を備え
ている。なお、実施の形態1と同じ構成については、実
施の形態1と同一の符号を付して説明を省略する。
【0038】電源電圧計算部14は、論理セルごとに、
セル−バンプ間距離計算部3で計算された距離と、電源
エリア・バンプに印加される電源電圧とに基づいて、論
理セルに実際に印加される電源電圧を計算して求める。
ライブラリ選択部15は、論理セルごとに、電源電圧計
算部14で計算された、論理セルに実際に印加される電
源電圧に基づいて、論理セルに使用されるライブラリの
選択をおこなう。ライブラリ・データベース16は、種
々の電源電圧に対応して論理セルとその遅延値情報を有
するライブラリを格納しており、ライブラリ選択部15
から送られてきた選択信号に基づいて、設計ツールに必
要なライブラリを供給する。
【0039】つぎに、電源電圧計算部14でおこなわれ
る電源電圧Vuiの計算方法について説明する。各論理セ
ルに実際に印加される電源電圧Vuiは、つぎの(5)〜
(8)のいずれかの方法で計算される。ただし、各論理
セルに実際に印加される電源電圧の、電源エリア・バン
プに印加される電源電圧に対する変動分をΔVとする。
また、電源電圧の距離に関する定数をβ、電源電圧の距
離に関するx成分およびy成分の定数をそれぞれβx
よびβyとする。また、di、dix、diy、VDおよびV
Sは実施の形態1で説明した通りである。
【0040】(5)論理セルuiとこれに最も近い電源
エリア・バンプとの間の距離diと定数βを用いる方
法:この方法では、βはdiの値にかかわらず一定であ
る。論理セルの電源電圧Vu iはつぎの2つの式より求め
られる。
【0041】ΔV=di×β×(VD−VS) Vui=VD+ΔV
【0042】(6)論理セルuiとこれに最も近い電源
エリア・バンプとの間の距離diの範囲に応じた定数β
を用いる方法:この方法では、βはdiの値の範囲によ
り異なる。たとえば、di≧1000であればβ=1.
6とし、1000>di≧500であればβ=1.5と
し、di<500であればβ=1.2とする。そして、
つぎの2つの式より論理セルの電源電圧Vuiを求める。
【0043】ΔV=β×(VD−VS) Vui=VD+ΔV
【0044】(7)論理セルuiとこれに最も近い電源
エリア・バンプとの間のx方向の距離dixおよびy方向
の距離diyと、x成分の定数βxおよびy成分の定数βy
を用いる方法:この方法では、βxおよびβyはそれぞれ
ixおよびdiyの値にかかわらず一定である。論理セル
の電源電圧Vuiはつぎの2つの式より求められる。
【0045】 ΔV=(dix×βx+diy×βy)×(VD−VS) Vui=VD+ΔV
【0046】(8)論理セルuiとこれに最も近い電源
エリア・バンプとの間のx方向の距離dixの範囲に応じ
たx成分の定数βx、およびy方向の距離diyの範囲に
応じたy成分の定数βyを用いる方法:この方法では、
βxおよびβyはそれぞれdixおよびdiyの値の範囲によ
り異なる。たとえば、dix≧1000であればβx
1.6とし、1000>dix≧500であればβx
1.5とし、dix<500であればβx=1.2とす
る。また、たとえばdiy≧1000であればβy=1.
7とし、1000>diy≧500であればβy=1.5
とし、diy<500であればβy=1.1とする。そし
て、つぎの2つの式より論理セルの電源電圧Vuiを求め
る。
【0047】ΔV=(βx+βy)×(VD−VS) Vui=VD+ΔV
【0048】図7は、本発明の実施の形態2にかかる電
圧変動反映遅延計算方法の処理手順を示すフローチャー
トである。まず、配置済みレイアウトデータ31から、
各論理セルの配置位置と電源エリア・バンプの位置を抽
出する(ステップS71)。ついで、抽出した論理セル
の配置位置および電源エリア・バンプの位置の情報に基
づいて、論理セルごとに、最も近い電源エリア・バンプ
までの距離di(dixおよびdiyの場合もある)を計算
して求める(ステップS72)。距離の計算および最も
近い電源エリア・バンプの選択の方法については、論理
セルと電源エリア・バンプの各xy座標を用いて、一般
的な二次元座標系における方法を用いることができる。
【0049】ついで、プロセスパラメータ35として電
源電圧値VD、接地側電圧値VS、およびβやβxやβy
等の定数を受け取り、ステップS72で計算した距離d
iやdixやdiyを用いて、上述した(5)〜(8)のい
ずれかの方法により、論理セルごとに論理セルの電源電
圧Vuiを計算する(ステップS73)。そして、回路で
使用される各論理セルの電源電圧ごとのライブラリを格
納した電源依存遅延値ライブラリ群36から、ステップ
S73で計算した論理セルの電源電圧Vuiに対応するラ
イブラリを選択する(ステップS74)。このようにし
て、選択したライブラリに割り当てられた遅延値情報に
基づいて、各論理セルの電圧変動を考慮した遅延値34
が得られる。
【0050】配置済みレイアウトデータ31およびプロ
セスパラメータ35は、図6に示すシステムにおいて設
計ツール8から供給される。また、電源依存遅延値ライ
ブラリ群36は、図6に示すシステムのライブラリ・デ
ータベース16に相当する。また、遅延値34は設計ツ
ール8に供給され、実施の形態1と同様に、エリア・バ
ンプで形成された電源端子および信号端子を有する半導
体集積回路の設計フロー中の遅延値を使用する処理にお
いて、各論理セルの遅延値として用いられる。設計フロ
ー中の遅延値を使用する処理については、実施の形態1
で説明した通りであるので、ここでは説明を省略する。
【0051】上述した実施の形態2によれば、論理セル
とこれに最も近い電源エリア・バンプとの間の距離と、
電源エリア・バンプに印加される電源電圧とに基づいて
論理セルの電源電圧を求め、その求めた電源電圧に対応
するライブラリを選択するため、実施の形態1と同様
に、設計TATの増大を最小限に抑えつつ、論理セルに
実際に印加される電源電圧の変動の影響を考慮して各論
理セルの遅延値を求めることができる。
【0052】以上において本発明は、上述した各実施の
形態に限らず、種々変更可能である。また、本発明を、
たとえば図4に示す論理設計処理の初期論理回路合成時
に適用してもよく、その場合には上述した説明において
論理セルをモジュールと読み替えればよい。
【0053】(付記1)エリア・バンプで形成された電
源端子および信号端子を有する半導体集積回路を構成す
る各論理セルまたはモジュールの電源電圧の変動による
遅延値を計算するにあたって、設計データから各論理セ
ルまたはモジュールの配置位置情報を取得する配置位置
情報取得工程と、設計データから各電源エリア・バンプ
の配置位置情報を取得するバンプ位置情報取得工程と、
前記配置位置情報取得工程で取得した各論理セルまたは
モジュールの配置位置情報、および前記バンプ位置情報
取得工程で取得した各電源エリア・バンプの配置位置情
報に基づいて、論理セルまたはモジュールごとに、論理
セルまたはモジュールから最も近い電源エリア・バンプ
までの距離を計算する距離計算工程と、前記距離計算工
程で求めた距離、および電源エリア・バンプに印加され
る電源電圧値に基づいて、論理セルまたはモジュールご
とに、標準状態の遅延値としてあらかじめ設定された標
準遅延値に対する遅延値の変動比率を計算する遅延変動
比率計算工程と、前記遅延変動比率計算工程で求めた前
記変動比率、および前記標準遅延値に基づいて、論理セ
ルまたはモジュールごとに、論理セルまたはモジュール
に実際に印加されると推定される電源電圧を考慮した遅
延値を計算する遅延計算工程と、を含むことを特徴とす
る電圧変動反映遅延計算方法。
【0054】(付記2)前記遅延変動比率計算工程は、
あらかじめ設定された係数群の中から、前記距離計算工
程で求めた距離の範囲に対応する係数を選択し、該係数
および電源エリア・バンプに印加される電源電圧値に基
づいて、論理セルまたはモジュールごとに前記変動比率
を計算することを特徴とする付記1に記載の電圧変動反
映遅延計算方法。
【0055】(付記3)前記距離計算工程は、論理セル
またはモジュールごとに、論理セルまたはモジュールか
ら最も近い電源エリア・バンプまでの距離を、xy座標
系のx方向成分とy方向成分に分けて計算し、前記遅延
変動比率計算工程は、前記距離計算工程で求めたx方向
成分の距離、y方向成分の距離および電源エリア・バン
プに印加される電源電圧値に基づいて、論理セルまたは
モジュールごとに前記変動比率を計算することを特徴と
する付記1に記載の電圧変動反映遅延計算方法。
【0056】(付記4)前記距離計算工程は、論理セル
またはモジュールごとに、論理セルまたはモジュールか
ら最も近い電源エリア・バンプまでの距離を、xy座標
系のx方向成分とy方向成分に分けて計算し、前記遅延
変動比率計算工程は、あらかじめ設定されたx方向成分
の係数群およびy方向成分の係数群の中から、それぞれ
前記距離計算工程で求めたx方向成分の距離の範囲およ
びy方向成分の距離の範囲に対応する係数を選択し、該
x方向成分の係数、該y方向成分の係数および電源エリ
ア・バンプに印加される電源電圧値に基づいて、論理セ
ルまたはモジュールごとに前記変動比率を計算すること
を特徴とする付記1に記載の電圧変動反映遅延計算方
法。
【0057】(付記5)エリア・バンプで形成された電
源端子および信号端子を有する半導体集積回路を構成す
る各論理セルまたはモジュールの電源電圧の変動による
遅延値を計算するにあたって、設計データから各論理セ
ルまたはモジュールの配置位置情報を取得する配置位置
情報取得工程と、設計データから各電源エリア・バンプ
の配置位置情報を取得するバンプ位置情報取得工程と、
前記配置位置情報取得工程で取得した各論理セルまたは
モジュールの配置位置情報、および前記バンプ位置情報
取得工程で取得した各電源エリア・バンプの配置位置情
報に基づいて、論理セルまたはモジュールごとに、論理
セルまたはモジュールから最も近い電源エリア・バンプ
までの距離を計算する距離計算工程と、前記距離計算工
程で求めた距離、および電源エリア・バンプに印加され
る電源電圧値に基づいて、論理セルまたはモジュールご
とに、論理セルまたはモジュールに実際に印加されると
推定される電源電圧を計算する電源電圧計算工程と、前
記電源電圧計算工程で求めた電源電圧に対応する遅延値
のライブラリを選択するライブラリ選択工程と、を含む
ことを特徴とする電圧変動反映遅延計算方法。
【0058】(付記6)前記電源電圧計算工程は、あら
かじめ設定された係数群の中から、前記距離計算工程で
求めた距離の範囲に対応する係数を選択し、該係数およ
び電源エリア・バンプに印加される電源電圧値に基づい
て、論理セルまたはモジュールごとに、論理セルまたは
モジュールに実際に印加されると推定される電源電圧を
計算することを特徴とする付記5に記載の電圧変動反映
遅延計算方法。
【0059】(付記7)前記距離計算工程は、論理セル
またはモジュールごとに、論理セルまたはモジュールか
ら最も近い電源エリア・バンプまでの距離を、xy座標
系のx方向成分とy方向成分に分けて計算し、前記電源
電圧計算工程は、前記距離計算工程で求めたx方向成分
の距離、y方向成分の距離および電源エリア・バンプに
印加される電源電圧値に基づいて、論理セルまたはモジ
ュールごとに、論理セルまたはモジュールに実際に印加
されると推定される電源電圧を計算することを特徴とす
る付記5に記載の電圧変動反映遅延計算方法。
【0060】(付記8)前記距離計算工程は、論理セル
またはモジュールごとに、論理セルまたはモジュールか
ら最も近い電源エリア・バンプまでの距離を、xy座標
系のx方向成分とy方向成分に分けて計算し、前記電源
電圧計算工程は、あらかじめ設定されたx方向成分の係
数群およびy方向成分の係数群の中から、それぞれ前記
距離計算工程で求めたx方向成分の距離の範囲およびy
方向成分の距離の範囲に対応する係数を選択し、該x方
向成分の係数、該y方向成分の係数および電源エリア・
バンプに印加される電源電圧値に基づいて、論理セルま
たはモジュールごとに、論理セルまたはモジュールに実
際に印加されると推定される電源電圧を計算することを
特徴とする付記5に記載の電圧変動反映遅延計算方法。
【0061】(付記9)エリア・バンプで形成された電
源端子および信号端子を有する半導体集積回路を構成す
る各論理セルまたはモジュールの電源電圧の変動による
遅延値を計算する電圧変動反映遅延計算システムであっ
て、設計データから各論理セルまたはモジュールの配置
位置情報を取得して格納する配置位置情報取得手段と、
設計データから各電源エリア・バンプの配置位置情報を
取得して格納するバンプ位置情報取得手段と、前記配置
位置情報取得手段により取得された各論理セルまたはモ
ジュールの配置位置情報、および前記バンプ位置情報取
得手段により取得された各電源エリア・バンプの配置位
置情報に基づいて、論理セルまたはモジュールごとに、
論理セルまたはモジュールから最も近い電源エリア・バ
ンプまでの距離を計算する距離計算手段と、標準状態の
遅延値としてあらかじめ設定された標準遅延値が格納さ
れているライブラリを用意したライブラリ格納手段と、
前記距離計算手段により計算された距離、および電源エ
リア・バンプに印加される電源電圧値に基づいて、論理
セルまたはモジュールごとに、前記標準遅延値に対する
遅延値の変動比率を計算する遅延変動比率計算手段と、
前記遅延変動比率計算手段により計算された前記変動比
率、および前記標準遅延値に基づいて、論理セルまたは
モジュールごとに、論理セルまたはモジュールに実際に
印加されると推定される電源電圧を考慮した遅延値を計
算する遅延計算手段と、設計データの論理セルまたはモ
ジュール、または電源エリア・バンプの配置位置が変更
されたことを前記配置位置情報取得手段および前記バン
プ位置情報取得手段に通知するデータ監視手段と、を具
備することを特徴とする電圧変動反映遅延計算システ
ム。
【0062】(付記10)エリア・バンプで形成された
電源端子および信号端子を有する半導体集積回路を構成
する各論理セルまたはモジュールの電源電圧の変動によ
る遅延値を計算する電圧変動反映遅延計算システムであ
って、設計データから各論理セルまたはモジュールの配
置位置情報を取得して格納する配置位置情報取得手段
と、設計データから各電源エリア・バンプの配置位置情
報を取得して格納するバンプ位置情報取得手段と、前記
配置位置情報取得手段により取得された各論理セルまた
はモジュールの配置位置情報、および前記バンプ位置情
報取得手段により取得された各電源エリア・バンプの配
置位置情報に基づいて、論理セルまたはモジュールごと
に、論理セルまたはモジュールから最も近い電源エリア
・バンプまでの距離を計算する距離計算手段と、前記距
離計算手段により計算された距離、および電源エリア・
バンプに印加される電源電圧値に基づいて、論理セルま
たはモジュールごとに、論理セルまたはモジュールに実
際に印加されると推定される電源電圧を計算する電源電
圧計算手段と、電源電圧ごとに設計ツールで使用される
遅延値が格納されているライブラリを用意したライブラ
リ・データベースと、前記ライブラリ・データベースか
ら設計データに、論理セルまたはモジュールごとに、前
記電源電圧計算手段により計算された電源電圧に対応す
るライブラリを供給するライブラリ選択手段と、設計デ
ータの論理セルまたはモジュール、または電源エリア・
バンプの配置位置が変更されたことを前記配置位置情報
取得手段および前記バンプ位置情報取得手段に通知する
データ監視手段と、を具備することを特徴とする電圧変
動反映遅延計算システム。
【0063】(付記11)前記遅延変動比率計算手段
は、あらかじめ設定された係数群の中から、前記距離計
算手段により計算された距離の範囲に対応する係数を選
択し、該係数および電源エリア・バンプに印加される電
源電圧値に基づいて、論理セルまたはモジュールごとに
前記変動比率を計算することを特徴とする付記9に記載
の電圧変動反映遅延計算システム。
【0064】(付記12)前記距離計算手段は、論理セ
ルまたはモジュールごとに、論理セルまたはモジュール
から最も近い電源エリア・バンプまでの距離を、xy座
標系のx方向成分とy方向成分に分けて計算し、前記遅
延変動比率計算手段は、前記距離計算手段により計算さ
れたx方向成分の距離、y方向成分の距離および電源エ
リア・バンプに印加される電源電圧値に基づいて、論理
セルまたはモジュールごとに前記変動比率を計算するこ
とを特徴とする付記9に記載の電圧変動反映遅延計算シ
ステム。
【0065】(付記13)前記距離計算手段は、論理セ
ルまたはモジュールごとに、論理セルまたはモジュール
から最も近い電源エリア・バンプまでの距離を、xy座
標系のx方向成分とy方向成分に分けて計算し、前記遅
延変動比率計算手段は、あらかじめ設定されたx方向成
分の係数群およびy方向成分の係数群の中から、それぞ
れ前記距離計算手段により計算されたx方向成分の距離
の範囲およびy方向成分の距離の範囲に対応する係数を
選択し、該x方向成分の係数、該y方向成分の係数およ
び電源エリア・バンプに印加される電源電圧値に基づい
て、論理セルまたはモジュールごとに前記変動比率を計
算することを特徴とする付記9に記載の電圧変動反映遅
延計算システム。
【0066】(付記14)前記電源電圧計算手段は、あ
らかじめ設定された係数群の中から、前記距離計算手段
により計算された距離の範囲に対応する係数を選択し、
該係数および電源エリア・バンプに印加される電源電圧
値に基づいて、論理セルまたはモジュールごとに、論理
セルまたはモジュールに実際に印加されると推定される
電源電圧を計算することを特徴とする付記10に記載の
電圧変動反映遅延計算システム。
【0067】(付記15)前記距離計算手段は、論理セ
ルまたはモジュールごとに、論理セルまたはモジュール
から最も近い電源エリア・バンプまでの距離を、xy座
標系のx方向成分とy方向成分に分けて計算し、前記電
源電圧計算手段は、前記距離計算手段により計算された
x方向成分の距離、y方向成分の距離および電源エリア
・バンプに印加される電源電圧値に基づいて、論理セル
またはモジュールごとに、論理セルまたはモジュールに
実際に印加されると推定される電源電圧を計算すること
を特徴とする付記10に記載の電圧変動反映遅延計算シ
ステム。
【0068】(付記16)前記距離計算手段は、論理セ
ルまたはモジュールごとに、論理セルまたはモジュール
から最も近い電源エリア・バンプまでの距離を、xy座
標系のx方向成分とy方向成分に分けて計算し、前記電
源電圧計算手段は、あらかじめ設定されたx方向成分の
係数群およびy方向成分の係数群の中から、それぞれ前
記距離計算手段により計算されたx方向成分の距離の範
囲およびy方向成分の距離の範囲に対応する係数を選択
し、該x方向成分の係数、該y方向成分の係数および電
源エリア・バンプに印加される電源電圧値に基づいて、
論理セルまたはモジュールごとに、論理セルまたはモジ
ュールに実際に印加されると推定される電源電圧を計算
することを特徴とする付記10に記載の電圧変動反映遅
延計算システム。
【0069】(付記17)エリア・バンプで形成された
電源端子および信号端子を有する半導体集積回路を設計
するにあたって、上記付記1〜8のいずれか一つに記載
の電圧変動反映遅延計算方法を適用してタイミング・ド
リブンをおこないながらレイアウト処理をおこなうこと
を特徴とする半導体集積回路の設計方法。
【0070】(付記18)エリア・バンプで形成された
電源端子および信号端子を有する半導体集積回路を設計
するにあたって、上記付記1〜8のいずれか一つに記載
の電圧変動反映遅延計算方法を適用してレイアウト処理
後のタイミング検証処理をおこなうことを特徴とする半
導体集積回路の設計方法。
【0071】(付記19)エリア・バンプで形成された
電源端子および信号端子を有する半導体集積回路を設計
するにあたって、上記付記1〜8のいずれか一つに記載
の電圧変動反映遅延計算方法を適用してフロアプランま
たは配置をおこない、該フロアプランまたは配置の情報
をフィードバックして論理を最適化する論理最適化処理
をおこなうことを特徴とする半導体集積回路の設計方
法。
【0072】(付記20)エリア・バンプで形成された
電源端子および信号端子を有する半導体集積回路を構成
する各論理セルまたはモジュールの電源電圧を計算する
にあたって、設計データから各論理セルまたはモジュー
ルの配置位置情報を取得する配置位置情報取得工程と、
設計データから各電源エリア・バンプの配置位置情報を
取得するバンプ位置情報取得工程と、前記配置位置情報
取得工程で取得した各論理セルまたはモジュールの配置
位置情報、および前記バンプ位置情報取得工程で取得し
た各電源エリア・バンプの配置位置情報に基づいて、論
理セルまたはモジュールごとに、論理セルまたはモジュ
ールから最も近い電源エリア・バンプまでの距離を計算
する距離計算工程と、前記距離計算工程で求めた距離、
および電源エリア・バンプに印加される電源電圧値に基
づいて、論理セルまたはモジュールごとに、論理セルま
たはモジュールに実際に印加されると推定される電源電
圧を計算する電源電圧計算工程と、を含むことを特徴と
する電源電圧計算方法。
【0073】(付記21)前記電源電圧計算工程は、あ
らかじめ設定された係数群の中から、前記距離計算工程
で求めた距離の範囲に対応する係数を選択し、該係数お
よび電源エリア・バンプに印加される電源電圧値に基づ
いて、論理セルまたはモジュールごとに、論理セルまた
はモジュールに実際に印加されると推定される電源電圧
を計算することを特徴とする付記20に記載の電源電圧
計算方法。
【0074】(付記22)前記距離計算工程は、論理セ
ルまたはモジュールごとに、論理セルまたはモジュール
から最も近い電源エリア・バンプまでの距離を、xy座
標系のx方向成分とy方向成分に分けて計算し、前記電
源電圧計算工程は、前記距離計算工程で求めたx方向成
分の距離、y方向成分の距離および電源エリア・バンプ
に印加される電源電圧値に基づいて、論理セルまたはモ
ジュールごとに、論理セルまたはモジュールに実際に印
加されると推定される電源電圧を計算することを特徴と
する付記20に記載の電源電圧計算方法。
【0075】(付記23)前記距離計算工程は、論理セ
ルまたはモジュールごとに、論理セルまたはモジュール
から最も近い電源エリア・バンプまでの距離を、xy座
標系のx方向成分とy方向成分に分けて計算し、前記電
源電圧計算工程は、あらかじめ設定されたx方向成分の
係数群およびy方向成分の係数群の中から、それぞれ前
記距離計算工程で求めたx方向成分の距離の範囲および
y方向成分の距離の範囲に対応する係数を選択し、該x
方向成分の係数、該y方向成分の係数および電源エリア
・バンプに印加される電源電圧値に基づいて、論理セル
またはモジュールごとに、論理セルまたはモジュールに
実際に印加されると推定される電源電圧を計算すること
を特徴とする付記20に記載の電源電圧計算方法。
【0076】
【発明の効果】本発明によれば、論理セルまたはモジュ
ールと電源エリア・バンプとの距離に基づいて、論理セ
ルまたはモジュールに実際に印加される電源電圧の変動
を見積もるので、設計TATの増大を最小限に抑えつ
つ、各論理セルやモジュールについて電圧変動の影響を
考慮した遅延値を求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1にかかる電圧変動反映遅
延計算方法を実施するための電圧変動反映遅延計算シス
テムの構成を示す概略図である。
【図2】本発明の実施の形態1にかかる電圧変動反映遅
延計算方法の処理手順を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施の形態1にかかる電圧変動反映遅
延計算方法を説明するために、エリア・バンプ付近を模
式的に示す図である。
【図4】本発明の実施の形態1にかかる電圧変動反映遅
延計算方法を適用した論理設計処理の手順を示すフロー
チャートである。
【図5】本発明の実施の形態1にかかる電圧変動反映遅
延計算方法を適用した物理設計処理の手順を示すフロー
チャートである。
【図6】本発明の実施の形態2にかかる電圧変動反映遅
延計算方法を実施するための電圧変動反映遅延計算シス
テムの構成を示す概略図である。
【図7】本発明の実施の形態2にかかる電圧変動反映遅
延計算方法の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 セル配置位置情報取得部 2 バンプ位置情報取得部 3 セル−バンプ間距離計算部 4 遅延変動比率計算部 5 遅延計算部 6 ライブラリ格納部 7 データ監視部 14 電源電圧計算部 15 ライブラリ選択部 16 ライブラリ・データベース 41,53 電圧変動反映遅延計算システム
フロントページの続き Fターム(参考) 5B046 AA08 BA05 JA01 KA06 5F064 BB02 DD03 DD24 DD44 EE47 EE52 HH09 HH10 HH11 HH12

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エリア・バンプで形成された電源端子お
    よび信号端子を有する半導体集積回路を構成する各論理
    セルまたはモジュールの電源電圧の変動による遅延値を
    計算するにあたって、 設計データから各論理セルまたはモジュールの配置位置
    情報を取得する配置位置情報取得工程と、 設計データから各電源エリア・バンプの配置位置情報を
    取得するバンプ位置情報取得工程と、 前記配置位置情報取得工程で取得した各論理セルまたは
    モジュールの配置位置情報、および前記バンプ位置情報
    取得工程で取得した各電源エリア・バンプの配置位置情
    報に基づいて、論理セルまたはモジュールごとに、論理
    セルまたはモジュールから最も近い電源エリア・バンプ
    までの距離を計算する距離計算工程と、 前記距離計算工程で求めた距離、および電源エリア・バ
    ンプに印加される電源電圧値に基づいて、論理セルまた
    はモジュールごとに、標準状態の遅延値としてあらかじ
    め設定された標準遅延値に対する遅延値の変動比率を計
    算する遅延変動比率計算工程と、 前記遅延変動比率計算工程で求めた前記変動比率、およ
    び前記標準遅延値に基づいて、論理セルまたはモジュー
    ルごとに、論理セルまたはモジュールに実際に印加され
    ると推定される電源電圧を考慮した遅延値を計算する遅
    延計算工程と、 を含むことを特徴とする電圧変動反映遅延計算方法。
  2. 【請求項2】 前記遅延変動比率計算工程は、あらかじ
    め設定された係数群の中から、前記距離計算工程で求め
    た距離の範囲に対応する係数を選択し、該係数および電
    源エリア・バンプに印加される電源電圧値に基づいて、
    論理セルまたはモジュールごとに前記変動比率を計算す
    ることを特徴とする請求項1に記載の電圧変動反映遅延
    計算方法。
  3. 【請求項3】 前記距離計算工程は、論理セルまたはモ
    ジュールごとに、論理セルまたはモジュールから最も近
    い電源エリア・バンプまでの距離を、xy座標系のx方
    向成分とy方向成分に分けて計算し、 前記遅延変動比率計算工程は、前記距離計算工程で求め
    たx方向成分の距離、y方向成分の距離および電源エリ
    ア・バンプに印加される電源電圧値に基づいて、論理セ
    ルまたはモジュールごとに前記変動比率を計算すること
    を特徴とする請求項1に記載の電圧変動反映遅延計算方
    法。
  4. 【請求項4】 前記距離計算工程は、論理セルまたはモ
    ジュールごとに、論理セルまたはモジュールから最も近
    い電源エリア・バンプまでの距離を、xy座標系のx方
    向成分とy方向成分に分けて計算し、 前記遅延変動比率計算工程は、あらかじめ設定されたx
    方向成分の係数群およびy方向成分の係数群の中から、
    それぞれ前記距離計算工程で求めたx方向成分の距離の
    範囲およびy方向成分の距離の範囲に対応する係数を選
    択し、該x方向成分の係数、該y方向成分の係数および
    電源エリア・バンプに印加される電源電圧値に基づい
    て、論理セルまたはモジュールごとに前記変動比率を計
    算することを特徴とする請求項1に記載の電圧変動反映
    遅延計算方法。
  5. 【請求項5】 エリア・バンプで形成された電源端子お
    よび信号端子を有する半導体集積回路を構成する各論理
    セルまたはモジュールの電源電圧の変動による遅延値を
    計算するにあたって、 設計データから各論理セルまたはモジュールの配置位置
    情報を取得する配置位置情報取得工程と、 設計データから各電源エリア・バンプの配置位置情報を
    取得するバンプ位置情報取得工程と、 前記配置位置情報取得工程で取得した各論理セルまたは
    モジュールの配置位置情報、および前記バンプ位置情報
    取得工程で取得した各電源エリア・バンプの配置位置情
    報に基づいて、論理セルまたはモジュールごとに、論理
    セルまたはモジュールから最も近い電源エリア・バンプ
    までの距離を計算する距離計算工程と、 前記距離計算工程で求めた距離、および電源エリア・バ
    ンプに印加される電源電圧値に基づいて、論理セルまた
    はモジュールごとに、論理セルまたはモジュールに実際
    に印加されると推定される電源電圧を計算する電源電圧
    計算工程と、 前記電源電圧計算工程で求めた電源電圧に対応する遅延
    値のライブラリを選択するライブラリ選択工程と、 を含むことを特徴とする電圧変動反映遅延計算方法。
  6. 【請求項6】 前記電源電圧計算工程は、あらかじめ設
    定された係数群の中から、前記距離計算工程で求めた距
    離の範囲に対応する係数を選択し、該係数および電源エ
    リア・バンプに印加される電源電圧値に基づいて、論理
    セルまたはモジュールごとに、論理セルまたはモジュー
    ルに実際に印加されると推定される電源電圧を計算する
    ことを特徴とする請求項5に記載の電圧変動反映遅延計
    算方法。
  7. 【請求項7】 前記距離計算工程は、論理セルまたはモ
    ジュールごとに、論理セルまたはモジュールから最も近
    い電源エリア・バンプまでの距離を、xy座標系のx方
    向成分とy方向成分に分けて計算し、 前記電源電圧計算工程は、前記距離計算工程で求めたx
    方向成分の距離、y方向成分の距離および電源エリア・
    バンプに印加される電源電圧値に基づいて、論理セルま
    たはモジュールごとに、論理セルまたはモジュールに実
    際に印加されると推定される電源電圧を計算することを
    特徴とする請求項5に記載の電圧変動反映遅延計算方
    法。
  8. 【請求項8】 前記距離計算工程は、論理セルまたはモ
    ジュールごとに、論理セルまたはモジュールから最も近
    い電源エリア・バンプまでの距離を、xy座標系のx方
    向成分とy方向成分に分けて計算し、 前記電源電圧計算工程は、あらかじめ設定されたx方向
    成分の係数群およびy方向成分の係数群の中から、それ
    ぞれ前記距離計算工程で求めたx方向成分の距離の範囲
    およびy方向成分の距離の範囲に対応する係数を選択
    し、該x方向成分の係数、該y方向成分の係数および電
    源エリア・バンプに印加される電源電圧値に基づいて、
    論理セルまたはモジュールごとに、論理セルまたはモジ
    ュールに実際に印加されると推定される電源電圧を計算
    することを特徴とする請求項5に記載の電圧変動反映遅
    延計算方法。
  9. 【請求項9】 エリア・バンプで形成された電源端子お
    よび信号端子を有する半導体集積回路を構成する各論理
    セルまたはモジュールの電源電圧の変動による遅延値を
    計算する電圧変動反映遅延計算システムであって、 設計データから各論理セルまたはモジュールの配置位置
    情報を取得して格納する配置位置情報取得手段と、 設計データから各電源エリア・バンプの配置位置情報を
    取得して格納するバンプ位置情報取得手段と、 前記配置位置情報取得手段により取得された各論理セル
    またはモジュールの配置位置情報、および前記バンプ位
    置情報取得手段により取得された各電源エリア・バンプ
    の配置位置情報に基づいて、論理セルまたはモジュール
    ごとに、論理セルまたはモジュールから最も近い電源エ
    リア・バンプまでの距離を計算する距離計算手段と、 標準状態の遅延値としてあらかじめ設定された標準遅延
    値が格納されているライブラリを用意したライブラリ格
    納手段と、 前記距離計算手段により計算された距離、および電源エ
    リア・バンプに印加される電源電圧値に基づいて、論理
    セルまたはモジュールごとに、前記標準遅延値に対する
    遅延値の変動比率を計算する遅延変動比率計算手段と、 前記遅延変動比率計算手段により計算された前記変動比
    率、および前記標準遅延値に基づいて、論理セルまたは
    モジュールごとに、論理セルまたはモジュールに実際に
    印加されると推定される電源電圧を考慮した遅延値を計
    算する遅延計算手段と、 設計データの論理セルまたはモジュール、または電源エ
    リア・バンプの配置位置が変更されたことを前記配置位
    置情報取得手段および前記バンプ位置情報取得手段に通
    知するデータ監視手段と、 を具備することを特徴とする電圧変動反映遅延計算シス
    テム。
  10. 【請求項10】 エリア・バンプで形成された電源端子
    および信号端子を有する半導体集積回路を構成する各論
    理セルまたはモジュールの電源電圧の変動による遅延値
    を計算する電圧変動反映遅延計算システムであって、 設計データから各論理セルまたはモジュールの配置位置
    情報を取得して格納する配置位置情報取得手段と、 設計データから各電源エリア・バンプの配置位置情報を
    取得して格納するバンプ位置情報取得手段と、 前記配置位置情報取得手段により取得された各論理セル
    またはモジュールの配置位置情報、および前記バンプ位
    置情報取得手段により取得された各電源エリア・バンプ
    の配置位置情報に基づいて、論理セルまたはモジュール
    ごとに、論理セルまたはモジュールから最も近い電源エ
    リア・バンプまでの距離を計算する距離計算手段と、 前記距離計算手段により計算された距離、および電源エ
    リア・バンプに印加される電源電圧値に基づいて、論理
    セルまたはモジュールごとに、論理セルまたはモジュー
    ルに実際に印加されると推定される電源電圧を計算する
    電源電圧計算手段と、 電源電圧ごとに設計ツールで使用される遅延値が格納さ
    れているライブラリを用意したライブラリ・データベー
    スと、 前記ライブラリ・データベースから設計データに、論理
    セルまたはモジュールごとに、前記電源電圧計算手段に
    より計算された電源電圧に対応するライブラリを供給す
    るライブラリ選択手段と、 設計データの論理セルまたはモジュール、または電源エ
    リア・バンプの配置位置が変更されたことを前記配置位
    置情報取得手段および前記バンプ位置情報取得手段に通
    知するデータ監視手段と、 を具備することを特徴とする電圧変動反映遅延計算シス
    テム。
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