JP2003270982A - 加熱装置、画像定着装置、および画像形成装置 - Google Patents

加熱装置、画像定着装置、および画像形成装置

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JP2003270982A
JP2003270982A JP2002074758A JP2002074758A JP2003270982A JP 2003270982 A JP2003270982 A JP 2003270982A JP 2002074758 A JP2002074758 A JP 2002074758A JP 2002074758 A JP2002074758 A JP 2002074758A JP 2003270982 A JP2003270982 A JP 2003270982A
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heating
switch
heating member
heating device
heated
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JP2002074758A
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English (en)
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Hideo Hirose
秀雄 廣瀬
Noboru Katakabe
昇 片伯部
Masaru Imai
勝 今井
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 何らかの要因で加熱部材が停止又は異常低速
回転した場合に、加熱部材が異常加熱されて劣化又は破
損することを確実に防止する。 【解決手段】 加熱源により加熱され、回転しながら被
加熱材を加熱する加熱部材21と、被加熱材が加熱部材
21に圧接されるニップ部を加熱部材とともに形成する
加圧部材31と、加熱源への電力投入をON,OFFす
る開閉器72を備えた電力制御手段と、加熱部材21を
回転させる駆動力を作用させて開閉器72を動作させる
開閉器動作手段60とを具備する。開閉器動作手段60
は加熱部材21を回転させる駆動力を開閉器72に作用
させて開閉器72を動作させるため、加熱部材21が停
止又は異常低速回転した場合には、開閉器72がOFF
に切り替えられるので、加熱部材21が異常加熱される
ことがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は加熱源により加熱昇
温され、シート状の被加熱材と連続的に接触して被加熱
材を加熱昇温させるための加熱装置に関する。また、本
発明は、複写機、プリンター等に用いられる電子写真方
式、またはこれに類する方式にて記録用紙上にトナー像
を形成し、このトナー像を記録用紙上に加熱定着させる
ための画像定着装置および、これを用いた画像形成装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真複写機やプリンター等の画像形
成装置における画像定着装置(以下、単に「定着装置」
という)を例にして説明する。画像形成装置に用いる定
着装置は、電子写真又は静電記録等の画像形成プロセス
手段により、加熱溶融性の樹脂等よりなるトナーを用い
て記録材上に形成した未定着のトナー画像を熱により記
録材面に永久固着させる装置である。
【0003】これらの定着装置に最も良く用いられる方
式として、所定の定着温度に加熱され温調された加熱ロ
ーラとこれに対向して圧接される加圧ローラとで形成さ
れるニップ部に記録材を導入して挟持搬送させることで
未定着トナー画像を記録材面上に加熱定着させるローラ
定着方式がある。そしてこのローラ定着方式の加熱ロー
ラの熱源としてはハロゲンランプが多用されている。
【0004】また近年、省電力化やウォームアップ時間
の短縮化の要求から、熱容量を低減するために加熱ロー
ラに代えて加熱ベルトを用いるベルト定着方式や、加熱
源として励磁コイルを用い加熱ベルト自体を電磁誘導に
より発熱させる誘導加熱方式も提案されている。
【0005】図12に電磁誘導により加熱される加熱ベ
ルトを用いた従来の誘導加熱定着装置の一例(特開20
01―203072号公報)を示す。
【0006】図12において、1は電磁誘導加熱により
加熱される加熱ベルトであり、円筒面を有するベルトガ
イド105の外周面上を摺動しながら回転可能にベルト
ガイド105に装着されている。3は加圧ローラであ
り、金属軸301とその外周に形成されたシリコーンゴ
ムよりなる弾性層302とから構成され、駆動源Mによ
り回転駆動される。加圧ローラ3は加熱ベルト1に圧接
されてニップ部Nを形成する。加熱ベルト1は加圧ロー
ラ3により回転駆動される。201は励磁コイル、20
2はフェライトコアであり、励磁コイル201に供給さ
れる交番電流によりフェライトコア202内に交番磁束
Fが発生する。この交番磁束Fが加熱ベルト1内を通過
することにより、加熱ベルト1のうち、励磁コイル20
1と近接する部分(加熱領域H)が電磁誘導加熱され、
発熱する。加熱ベルト1の温度調節は、ベルトガイド1
05内に埋め込まれた温度センサー5にて、温度を検出
して行っている。4は、ベルトガイド105内に挿入さ
れ、ベルトガイド105及びフェライトコア202を保
持する保持部材である。ニップ部Nに未定着トナー画像
Tを担持させた記録材Pを導入して挟持搬送させること
で、未定着トナー画像Tを記録材P上に加熱定着させ
る。
【0007】上記した電磁誘導加熱を利用した従来の加
熱定着装置では、省電力化やウォームアップ時間の短縮
のために、加熱ベルト1の熱容量を大幅に低減するとと
もに、加熱源である励磁コイル201が加熱ベルト1の
一部分に近接して設けられる。加熱ベルト1は、熱容量
が小さいため、加熱領域H内の部分の温度が極めて短時
間に上昇する。そして、加熱ベルト1が回転することに
より、加熱ベルト1の加熱昇温された部分が、加熱領域
Hから順次ニップ部Nへ向けて送り出され、一方、反対
側より、未加熱部分が加熱領域Hに送り込まれ、加熱ベ
ルト1が全周にわたり順次加熱されていく。励磁コイル
201で加熱昇温された加熱ベルト1の表面温度はニッ
プ部Nの付近に設置した温度センサー5より検出され
て、加熱ベルト1の温度調節が行なわれ、これによりニ
ップ部Nの温度が所定の温度に保たれる。温度センサー
5がニップ部Nの付近に設置されているのは、記録材P
の通過により変動しやすいニップ部Nの温度を所定の定
着温度に維持する必要があるからである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】加圧ローラ3に対する
スリップ等により加熱ベルト1の回転異常が生じ、加熱
ベルト1の回転が停止した場合、加熱ベルト1のうち加
熱領域H内にある部分が連続して加熱される。加熱ベル
ト1は熱容量が小さいため極めて短時間に異常高温にな
る。しかし、加熱ベルト1が停止しているため、加熱領
域Hと離れたニップ部N付近に設けられた温度センサー
5の近傍における加熱ベルト1の温度上昇は加熱領域H
における温度上昇に追随しない。従って、温度センサー
5を用いた加熱ベルト1の温度調節機能が正常に機能し
ない。このため、加熱ベルト1の加熱領域Hにある部分
が更に加熱され続け、異常な高温に達して劣化又は破損
するという問題があった。
【0009】また、加熱ベルト1が停止に至らず、異常
に低速になった場合でも、加熱領域H内にある加熱ベル
ト1の部分が極めて短時間に異常高温になり、温度セン
サー5でこれが検出される前に、前記停止の場合と同様
に加熱ベルト1が劣化又は破損するという問題があっ
た。
【0010】このような問題に対して、図12の定着装
置では、加熱ベルト1の外周面に等間隔で配列した回転
速度検出用の検出マーク(図示していない)を形成し、
この検出マークを検出する光学センサー5Bを備える。
検出マークが光学センサー5Bを横切る時に発生する電
気信号を電子制御回路にて回転速度として検出し、回転
異常が検知された場合には励磁コイル201への電力供
給を回転速度に応じて制御(又は、電力供給を停止)す
る。上記の装置に限らず、光学センサーや磁気センサー
などを使用し、その信号を電子制御回路にて回転速度と
して検出することで、回転体の回転異常に対する各種の
保護装置を動作させることが一般に行なわれている。
【0011】ところが、一般に電子制御回路は異常が発
生し易い。電子制御回路に異常が発生した場合には、加
熱ベルト1の停止又は異常低速時にも上述したように励
磁コイル201に電力が供給され続け、加熱ベルト1が
異常高温になり劣化又は破損してしまう。従って、安全
装置として、このような電子制御回路を用いた回転速度
検出装置のみでは充分でない。
【0012】また、例えば温度調節装置の異常などによ
り加熱ベルト1が異常高温に加熱されることを防止する
ために、サーモスタットを併用することが考えられる。
一般にサーモスタットを設置するには広いスペースが必
要である。ところが、装置の小型化やウォームアップ時
間の短縮化のための加熱効率向上を優先させる結果、加
熱源を構成する励磁コイル201やフェライトコア20
2の中又はその近傍にサーモスタットの設置スペースを
確保することは困難である。従って、一般にサーモスタ
ットは加熱源と異なる位置に設けられている。加熱ベル
ト1が停止又は異常低速回転になった場合、上述したよ
うに加熱領域H内にある加熱ベルト1の部分が連続して
加熱され、熱容量が小さいため極めて短時間に異常高温
に達する。しかし、加熱ベルト1が停止しているため、
加熱源と異なる位置に設けられたサーモスタットでは、
加熱ベルト1の温度上昇を正確に検出することができ
ず、加熱ベルト1が異常高温により劣化又は破損すると
いう問題があった。加熱ベルト1の回転異常時の安全対
策をサーモスタットを用いて行なおうとするには、サー
モスタットを加熱源の近傍(例えば励磁コイル201の
素線間)、好ましくは加熱ベルト1のうち加熱領域H内
の部分に対向して配置する必要が生じ、装置設計が困難
になったり、小型化やウォームアップ時間の短縮化が阻
害される。
【0013】また、上記とは異なり、ハロゲンランプを
熱源として加熱ローラを加熱する定着装置において、ウ
ォームアップ時間の短縮化のために加熱ローラの熱容量
を極めて小さくすると、加熱ローラの昇温速度が早くな
る。このような装置において、異常過熱を防止するため
にサーモスタットを用いると、加熱ローラが停止または
異常低速回転した場合、上記と同様にサーモスタットの
応答が加熱ローラの温度上昇に充分追随できず、加熱ロ
ーラが異常高温になり劣化又は破損するというという問
題があった。
【0014】本発明は、上記の従来の問題を解決するた
めのものであり、何らかの要因で加熱ローラや加熱ベル
ト等の加熱部材が停止または異常に低速で回転した場合
に、加熱源への電力供給を確実に遮断し、加熱部材が異
常高温になり劣化又は破損することを防止できる加熱装
置を提供することを目的とする。
【0015】また、本発明は、電子制御装置により加熱
部材の速度を検出して加熱源への電力供給を遮断する安
全装置を備えながら、該電子制御装置に異常が発生し安
全装置が動作しない場合でも、何らかの要因で加熱部材
が停止または異常に低速で回転したときには、加熱源へ
の電力供給を確実に遮断し、加熱部材が異常高温になり
劣化又は破損することを防止できる加熱装置を提供する
ことを目的とする。
【0016】更に、本発明は上記の加熱装置を具備した
定着装置および画像形成装置を提供することを目的とす
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め本発明は、以下のように構成される。
【0018】本発明の加熱装置は、加熱源により加熱さ
れ、回転しながら被加熱材を加熱する加熱部材と、前記
被加熱材が前記加熱部材に圧接されるニップ部を前記加
熱部材とともに形成する加圧部材と、前記加熱源への電
力投入をON,OFFする開閉器を備えた電力制御手段
と、前記加熱部材を回転させる駆動力を作用させて前記
開閉器を動作させる開閉器動作手段とを具備することを
特徴とする。
【0019】かかる加熱装置によれば、加熱源への電力
投入をON,OFFする開閉器に加熱部材を回転させる
駆動力を作用させて、開閉器を動作させる構成であるた
め、何らかの要因で加熱部材の回転が停止又は異常に低
速になった場合、駆動力が減少し開閉器がOFFに切り
替えられるので、同時に電子制御装置による安全装置が
故障していても、加熱源への電力供給が確実に遮断され
る。これにより、加熱部材が局部的に異常高温になり劣
化又は破損するのを確実に防止できる。
【0020】上記において、前記開閉器動作手段は前記
加熱部材の回転駆動力を利用して前記開閉器を動作させ
ることが好ましい。
【0021】これにより、加熱部材の駆動源から加熱部
材までの動力伝達系の途中で、ギヤの破損などの異常が
あって加熱部材の回転が停止した場合でも、加熱源への
電力供給が確実に遮断できる。
【0022】また、前記加熱部材の回転駆動源が前記加
圧部材であっても良い。即ち、加熱部材に回転駆動源を
結合して駆動するのではなく、加圧部材に回転駆動源を
結合して、加熱部材はニップ部における摩擦力を利用し
て加圧部材によって回転駆動される構成であっても良
い。このような構成では、加圧部材と加熱部材との間に
スリップが発生して、加熱部材の回転が停止又は異常低
下するというトラブルが発生する可能性がある。本発明
では、加熱部材を回転させる駆動力を利用して開閉器を
ON,OFFするので、加圧部材と加熱部材との間にス
リップが発生して加熱部材が回転異常を起こした場合で
あっても、加熱部材を加熱するための加熱源への電力供
給を確実に遮断できる。また、これにより、加熱部材の
回転駆動系の設計の自由度が向上する。
【0023】また、前記開閉器動作手段は前記加熱部材
が所定の回転速度以上のときに前記開閉器をONとし、
それ未満のときにOFFとすることが好ましい。
【0024】加熱部材の回転が停止又は異常に低速回転
になった場合に加熱を停止させることができるので、加
熱部材が局部加熱され、異常高温になることを防止する
ことができる。
【0025】また、前記開閉器動作手段が前記加熱部材
の回転速度に依存した力を取り出す動力取り出し機構を
備え、前記動力取り出し機構により取り出された力によ
り前記開閉器が動作することが好ましい。
【0026】開閉器動作手段に備えられた動力取り出し
機構が、加熱部材の回転速度に依存した力を取り出すの
で、加熱部材が回転しているか、又は停止しているか、
のみならず、正常な回転か、又は異常加熱が発生するほ
どの低速回転かの違いをも検知して開閉器を動作させ
る。従って、加熱部材が停止時のみでなく、低速回転時
にも開閉器をOFFにし電力供給を遮断することができ
る。
【0027】また、前記動力取り出し機構が粘性体の粘
性抵抗を利用した機能であっても良い。
【0028】即ち、開閉器動作手段に備えられた動力取
り出し機構が粘性体の粘性抵抗を利用して回転速度に依
存した力を取り出し、開閉器がON,OFFされる。こ
れにより、極めて簡単な構成で、安価に回転速度に依存
した力を取り出せる。
【0029】あるいは、前記動力取り出し機構が遠心力
を利用した機構であっても良い。
【0030】即ち、開閉器動作手段に備えられた動力取
り出し機構が遠心力を利用して回転速度に依存した力を
取り出し、開閉器がON,OFFされる。これにより、
加熱部材の回転中に加熱部材の駆動源に負荷をかけるこ
となく回転速度に依存した力を取り出せる。
【0031】あるいは、前記動力取り出し機構が発電ブ
レーキ力を利用した機構であっても良い。
【0032】即ち、開閉器動作手段に備えられた動力取
り出し機構が発電ブレーキ力を利用して回転速度に依存
した力を取り出し、開閉器がON,OFFされる。これ
により回転速度に依存した比較的大きな力を取り出せ
る。
【0033】また、前記加熱部材が電磁誘導により発熱
する発熱部を有し、前記加熱源が前記発熱部を誘導加熱
する励磁コイルを含む励磁手段を有し、前記開閉器は前
記励磁コイルへ供給する電力をON,OFFすることが
好ましい。
【0034】加熱部材が電磁誘導により発熱する発熱部
を有するので、発熱部の熱容量を小さくすることが容易
になり、ウォームアップ時間を短縮化できる。また、開
閉器が発熱部を誘導加熱する励磁コイルへ供給される電
力をON,OFFするので、加熱部材の回転が停止又は
異常に低速になった場合に、瞬時に電力供給を遮断する
ことができ、加熱部材が異常に高温になるのを未然に防
止できる。
【0035】また、前記加熱部材が電磁誘導により発熱
する発熱部を有し、前記加熱源が前記発熱部を誘導加熱
する励磁コイルを含む励磁手段を有し、前記開閉器が前
記励磁コイルへ供給する電力を制御する制御素子に対す
る制御信号を直接又は間接的にON又はOFFする接点
スイッチであることが好ましい。
【0036】加熱源の励磁コイルへの電力の供給又は停
止は、該電力を制御する制御素子に供給される制御信号
をON,OFFすることにより行なうことができる。励
磁コイルに供給される電力を開閉器で直接ON,OFF
する場合は大容量の開閉器が必要となり、かつ、大なる
動作力が必要である。しかしながら、制御素子ドライブ
回路の電源をON,OFFしたり、制御素子に入力され
る制御信号をON,OFFしたりするために開閉器を使
用する場合は、該開閉器としては小容量でよく、その動
作力も小さなものとなる。従って、小容量の安価な開閉
器が使用できるようになり、また、動作力の低減により
加熱部材の駆動源の負荷トルクも低減することができ
る。
【0037】また、更に、前記加熱部材の異常高温時に
前記励磁コイルへの電力供給を遮断するサーモスタット
を具備し、前記サーモスタットは、前記発熱部のうち、
前記励磁コイルにより誘導加熱される領域以外の領域に
対向させて設置されていても良い。
【0038】加熱部材が正常な回転速度で回転中に、温
度調節装置の異常などで加熱部材の構成要素である発熱
部が異常昇温した場合には、加熱部材が回転しているの
で発熱部は加熱源から均一に加熱され、加熱部材の外周
の温度がほぼ均一化されるので、励磁コイルにより誘導
加熱される領域以外の領域に対向させて設置したサーモ
スタットでも加熱部材の異常昇温を検出でき、励磁コイ
ルの電力供給を遮断し、発熱部材の破損を防止すること
ができる。したがって、上記の好ましい構成によって加
熱部材が正常な回転速度で回転中に起きた異常過熱に対
して加熱部材を確実に保護できる。しかも、サーモスタ
ットの設置位置を、発熱部のうち誘導加熱される領域に
一致させる必要が無いため、サーモスタットの配置の自
由度が向上し、装置構成が容易になる。
【0039】次に、本発明の画像定着装置は、上記の本
発明の加熱装置を備えた画像定着装置であって、前記被
加熱材がその表面にトナー像が形成された記録用紙であ
り、前記ニップ部を通過することによって前記トナー像
が前記記録用紙表面に定着されることを特徴とする。
【0040】これにより、加熱部材が異常昇温により劣
化又は破損するなどのトラブルが確実に防止された画像
定着装置を実現することができる。
【0041】また、本発明の画像形成装置は、上記画像
定着装置を備えることを特徴とする。
【0042】これにより、加熱装置の加熱部材が異常昇
温により劣化又は破損するなどのトラブルが確実に防止
された画像定着装置を用いた画像形成装置を実現するこ
とができる。
【0043】
【発明の実施の形態】図9は本発明の加熱装置を定着装
置として用いた画像形成装置の一例の概略構成を示した
断面図である。以下にこの装置の構成と動作を説明す
る。
【0044】1は電子写真感光体(以下「感光ドラム」
という)である。感光ドラム1は矢印の方向に所定の周
速度で回転駆動されながら、その表面が帯電器2により
所定の電位に一様に帯電される。
【0045】3はレーザビームスキャナであり、図示し
ない画像読取装置やコンピュータ等のホスト装置から入
力される画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応
して変調されたレーザビームを出力する。上記のように
一様に帯電された感光ドラム1の表面が、このレーザビ
ームで選択的に走査露光されることにより、感光ドラム
1の面上に画像情報に応じた静電潜像が形成される。
【0046】次いでこの静電潜像は回転駆動される現像
ローラ4aを有する現像器4により帯電した粉体トナー
を供給されてトナー像として顕像化される。
【0047】一方、給紙部10からは記録材11が一枚
ずつ給送される。記録材11は、レジストローラ対1
2、13を経て、感光ドラム1とこれに当接させた転写
ローラ14とからなる転写部へ、感光体ドラム1の回転
と同期した適切なタイミングで送られる。転写バイアス
電圧が印加された転写ローラ14の作用によって、感光
ドラム1上のトナー像は記録材11に順次転写される。
転写部を通った記録材11は感光ドラム1から分離さ
れ、定着装置15へ導入され、転写トナー像の定着が行
われる。定着されて像が固定された記録材11は排紙ト
レイ16へ出力される。
【0048】記録材11の分離後、クリーニング装置1
7で転写残りトナー等の感光ドラム面上の残留物が除去
されて感光ドラム1の面は清浄にされ、繰り返し次の作
像に供される。
【0049】次に、上記の画像形成装置における本発明
の定着装置15及びこれに用いられる加熱装置の実施の
形態を詳細に説明する。
【0050】(実施の形態1)図1は上記の画像形成装
置に用いられる本発明の第1の実施の形態に係る定着装
置の断面図である。図2は図1のII−II線での矢視断面
図である。図3は図1の定着装置に用いられる開閉器動
作手段及び開閉器を示した断面図である。図4,図5は
図3の矢印Aの方向から開閉器を見た図である。図6及
び図7はは本発明の第1の実施の形態に係る加熱装置の
電力制御回路図である。図8は図3に用いられる動力取
り出し機構の回転速度と伝達トルクとの関係を示した特
性図である。以下、図1〜図8を参照して本発明の加熱
装置を用いた定着装置を説明する。
【0051】本実施の形態の定着装置は、ウォームアッ
プ時間の短縮化を図った誘導加熱方式による加熱装置を
用いた定着装置である。図1及び図2において、21は
加熱ローラ(加熱部材)であり、表面側から順に、薄肉
の導電材よりなり電磁誘導によって発熱する発熱層(発
熱部)22、断熱性の良好な弾性層23、及び回転軸と
なる芯材24より構成されている。本実施の形態では、
ウォームアップ時間を短縮するという目的を達成するた
めに、表層の発熱層22の熱容量を極力小さく設定して
いる。
【0052】加熱ローラ21は、その最下層にある芯材
24の両端において軸受28、28’により側板29、
29’に回転可能に支持されている。図示しない装置本
体の駆動手段によって駆動軸50が回転駆動され、駆動
軸50に固定されたギヤ51及び芯材24に固定された
ギヤ52を順に介して駆動力が伝達されて、加熱ローラ
21が回転駆動される。
【0053】加熱ローラ21を加熱する加熱源30は、
発熱層22を誘導加熱する励磁手段を含む。36は励磁
手段を構成する励磁コイルであり、表面を絶縁した銅線
からなる細い線材を束ねた線束を巻回して形成されてい
る。励磁コイル36の線束は、加熱ローラ21の両端部
に対向する部分では図1に示すように加熱ローラ21の
周方向に沿って配置され、加熱ローラ21の両端部を除
く部分では図2に示すように加熱ローラ21の回転中心
軸と平行な方向に配置される。このようにして、励磁コ
イル36の線束は、加熱ローラ21の円筒面を覆うよう
に、加熱ローラ21の回転中心軸を中心軸とする仮想の
円筒面上に配置されている。36aは励磁コイルの巻回
中心軸であり、励磁コイルの36の線束は巻回中心軸3
6aに対して略対称形状に巻回されている。このような
励磁コイル36は加熱ローラ21の外周円筒面と離間し
て対向している。
【0054】37は励磁コイル36とともに励磁手段を
構成する背面コアであり、励磁コイル36の卷回中心軸
36aを通り、加熱ローラ21の回転中心軸と平行に配
置された棒状の中心コア38と、励磁コイル36に対し
て加熱ローラ21とは反対側に配置された略U字状のU
字コア39とからなる。中心コア38とU字コア39と
は磁気的に接続されている。図2に示すように、U字コ
ア39は、加熱ローラ21の回転中心軸と励磁コイル3
6の卷回中心軸36aとを含む面に対して略対称な、U
字状である。このようなU字コア39は、図1に示すよ
うに、加熱ローラ21の回転中心軸方向に離間して複数
個配置されている。U字コア39は、励磁コイル36か
らの外部に漏れる磁束を捕捉する。背面コア37の材料
としては、フェライトやパーマロイ等の高透磁率で固有
抵抗の高い材料が望ましいが、透磁率が多少低くても磁
性材であれば用いることができる。
【0055】40は、PEEK(ポリエーテルエーテル
ケトン)やPPS(ポリフェニレンサルファイド)など
の耐熱温度の高い樹脂からなる断熱部材である。
【0056】図1において、加圧ローラ(加圧部材)3
1は金属軸32の表面にシリコーンゴムよりなる弾性層
33を被覆してあり、加熱ローラ21に対して圧接され
てニップ部34を形成している。加圧ローラ31はこの
状態で金属軸32の両端の従動軸受35,35’により
回転可能に支持されている。加圧ローラ31の弾性層3
3の材質はシリコーンゴムの他にフッ素ゴム、フッ素樹
脂等の耐熱性樹脂やゴムで構成しても良い。また、加圧
ローラ31の表面には耐摩耗性や離型性を高めるため
に、PFA、PTFE、FEP等の樹脂あるいはゴムを
単独あるいは混合で被覆してもよい。熱の放散を防ぐた
め、加圧ローラ31は熱伝導性の小さい材料で構成され
ることが望ましい。
【0057】図2で41は、加熱ローラ21の表面に接
触摺動し、ニップ部34直前の加熱ローラ21の表面の
温度を検知する温度検知センサである。
【0058】以上の構成で加熱ローラ21と加圧ローラ
31とを回転させながら電源回路90により励磁コイル
36に20〜50kHzの高周波電流を流す。これによっ
て交番磁束が、励磁コイル36を取り巻く中心コア3
8、U字コア39、および加熱ローラ21の発熱層22
のうち励磁コイル36と対向する部分を経由して流れ
る。この交番磁束により、発熱層22のうち励磁コイル
36と対向する部分内に渦電流が発生して、当該部分の
表面温度が急速に上昇を始める。図2において、Hは発
熱層22のうち励磁コイル36により渦電流が発生して
誘導加熱される領域を示しており、以下、この領域を加
熱領域という。
【0059】加熱ローラ21が回転するに従って、発熱
層の22のうち加熱領域Hを通過することで昇温された
部分がニップ部34に移動する。一方、未定着のトナー
像を担持した記録材(被加熱材)11がニップ部34に
挿入される。記録材11がニップ部34を通過する際
に、トナー像と記録材11とは順次加熱されてトナー像
が記録材11上に定着される。記録材11を加熱するこ
とで降温した発熱層22の部分は加熱領域Hに移動して
再度加熱される。
【0060】加熱ローラ21の表面温度は温度検知セン
サ41で検知され、図示しない制御回路にフィードバッ
クされる。動作時はこれにより電源回路90の励磁電力
を調節することによって、加熱ローラ21のニップ部3
4直前の表面温度が適温にコントロールされる。
【0061】図1において60は開閉器動作手段であ
り、この詳細を図3に示す。図3において、軸受62,
63により回転可能に支持された入力軸61に入力ギヤ
53が固着され、入力ギヤ53は加熱ローラの芯材24
の端部に固着されたギヤ52と噛み合っている。粘性体
を備えた動力取り出し機構64は入力側回転体65を備
え、入力軸61と入力側回転体65とが連結されてい
る。動力取り出し機構64は、更に入力側回転体65と
任意の隙間を備えて対向する出力側回転体66と、入力
側回転体65と出力側回転体66との間の隙間に充填さ
れた粘性体67とを備える。出力側回転体66には出力
軸70が連結され、出力軸70に開閉器動作板71が固
着されている。そして、開閉器72は、その開閉器動作
釦73が開閉器動作板71に対向するように備えられて
いる。
【0062】開閉器72は、図6に示すように、電源回
路90から加熱源30へ電力を供給する回路上に設けら
れ、加熱源30への電力供給を開閉(ON,OFF)す
る。図6において97は電源回路90に電力供給する電
源である。
【0063】加熱ローラ21を回転させる駆動力が、加
熱ローラ21の芯材24の端部に装着されたギヤ52を
介して入力ギヤ53に伝達され、入力軸61が回転す
る。その結果、入力側回転体65が回転し、この回転は
粘性体67の粘性抵抗により出力側回転体66に伝達さ
れる。出力側回転体66に伝達される回転駆動力(回転
トルク)は、粘性体の性質により、図8に示すように、
入力側回転体65の回転速度の増減に応じて増減をす
る。
【0064】入力軸61が回転して出力軸70に伝達さ
れた回転駆動力により、開閉器動作板71が開閉器動作
釦73を押圧する。
【0065】入力軸61の回転速度が所定の速度(加熱
源30に電力を供給しても良い速度)以上に達すると、
開閉器動作板71の開閉器動作釦73に対する押圧力
が、開閉器動作釦73の反力より大となり、図4に示す
ように開閉器動作釦73が押し込まれ、回路がOFFか
らONへ切り替えられ、加熱源30に電力が供給され、
加熱源30により加熱ローラ21が加熱される。
【0066】一方、入力軸61の回転速度が所定の速度
(加熱源30に電力を供給するのが適当でない速度)未
満になると、開閉器動作板71の開閉器動作釦73に対
する押圧力が、開閉器動作釦73の反力より小となり、
図5に示すように開閉器動作釦73が元に戻り、回路が
ONからOFFへ切り替えられ、加熱源30への電力供
給が遮断され、加熱源30の加熱が停止する。
【0067】このように開閉器動作手段60は、回転速
度に依存した力を粘性体67の粘性抵抗を利用して取り
出して開閉器72を動作させており、極めて簡単な構成
で、安価な機構を実現している。
【0068】なお、開閉器動作釦73の反力は、開閉器
72本体が有する反力の他に、開閉器72の外部にばね
等の弾性部材を設け、開閉器動作板71を押すか又は引
っ張るかして、その大きさを調整してもよい。
【0069】また、加熱ローラ21の回転駆動力を開閉
動作手段60へ伝達する方法として、加熱ローラ21の
端部に固着されたギヤ52へ開閉動作手段60の入力ギ
ヤ53を噛み合わせて伝達する代わりに、加熱ローラ2
1の芯材24に開閉動作手段60の入力軸61を直結し
てもよい。また、芯材24と入力軸61を一体化しても
よい。
【0070】以上に述べた実施の形態1の構成によれ
ば、加熱ローラ21の回転速度の増減に応じて開閉器動
作手段60が開閉器72を動作させ、加熱ローラ21を
加熱する加熱源30への電力供給がON,OFFされ
る。即ち、開閉器動作手段60は、加熱ローラ21が所
定の回転速度以上のときは開閉器72をONに動作させ
て電力を供給し、それ未満のときには開閉器72をOF
Fに動作させて電力を遮断する。従って、加熱ローラ2
1が停止または異常に低速回転になった場合に、加熱ロ
ーラ21が局部的に加熱され異常高温になり劣化又は破
損することが防止出来る。
【0071】上記の構成例では、図示していない装置本
体の駆動手段によって駆動軸50が駆動され、これに固
定されたギヤ51が回転し、これと噛み合うギヤ52を
介して加熱ローラ21は回転駆動される。そして、加熱
ローラ21の回転力により、これと圧接された加圧ロー
ラ31が従動回転する。しかしながら、本発明はこのよ
うな構成に限定されない。例えば、これとは逆の以下の
構成としても良い。即ち、加圧ローラ31の金属軸32
にギヤを設け、このギヤと駆動軸50に固定されたギヤ
51とを噛み合わせ、加圧ローラ31を回転駆動する。
そして、加圧ローラ31の回転力により、これと圧接さ
れた加熱ローラ21が従動回転する構成であってもよ
い。この場合においても、開閉器動作手段60の入力軸
61は加熱ローラ21の端部に固着されたギヤ52を介
して回転駆動されるので、加圧ローラ31と加熱ローラ
21との間でスリップが発生し、加熱ローラ21の回転
が停止または異常に低速回転になった場合でも、加熱ロ
ーラ21の回転速度を確実に検出することができ、加熱
ローラ21を加熱するための加熱源30への電力供給を
確実に遮断できる。
【0072】また、図6の電力制御回路において、開閉
器72を、電源回路90と加熱源30との間に設ける代
わりに、電源97と電源回路90との間に設けても良
い。
【0073】また、図6の電力制御回路では、加熱源3
0へ供給する電力を開閉器72で直接ON,OFFする
ため、開閉器72として容量が15アンペア程度の大容
量なものが必要である。そして、大容量の開閉器は大な
る動作力が必要である(即ち、開閉器動作釦73の反力
が大きくなる)。
【0074】そこで、図7のような回路構成とすること
も出来る。電力制御素子91は、電磁誘導加熱装置の制
御回路95からの指令を受けたドライブ回路92からの
制御信号94に基づいて、加熱源30への電力供給を制
御する。ここで、ドライブ回路92への電源をON,O
FFすることによって、制御信号94を間接的にON,
OFFし、その結果、電力制御素子91の動作をON,
OFFすることが可能である。このために、ドライブ回
路92とドライブ回路92用の電源回路93との間に開
閉器72を設けてもよい。こうすることにより、開閉器
72として容量が0.1アンペア程度の小容量の開閉器
(例えば接点スイッチ)でよくなり、動作力も小さくな
る。あるいは、電力制御素子91とドライブ回路92と
の間に開閉器72を設け、電力制御素子91に対する制
御信号94を直接ON,OFFしてもよい。これによ
り、開閉器として小容量で小動作荷重にて動作可能な安
価な開閉器(例えば接点スイッチ)を使用することが可
能になる。このように、電力制御素子91に対する制御
信号94を間接的に又は直接的にON又はOFFするよ
うに開閉器72を配置することにより、開閉器72をO
N,OFF動作させるために開閉器動作手段60に入力
する駆動力を小さく抑えることができるようになり、加
熱ローラ21の駆動源の負荷トルクを小さく抑えること
ができる。
【0075】図2において、42は加熱ローラ21の外
周の温度を検知して、異常高温時には励磁コイル36へ
の電力供給を遮断するサーモスタットである。本実施の
形態では、サーモスタット42は、加熱ローラ21の発
熱層22のうち、励磁コイル36により誘導加熱される
加熱領域H以外の領域に対向させて設置されている。サ
ーモスタット42の機能は以下の通りである。加熱ロー
ラ21が正常な回転速度で回転中のときは、発熱層22
は周方向にほぼ均一に加熱され、発熱層22の外周の温
度はほぼ均一化されている。このような場合において、
温度調節装置の異常などで加熱ローラ21の発熱層22
が異常昇温したとき、加熱領域H以外の領域にサーモス
タット42を配置しても発熱層22の異常昇温を検出で
き、励磁コイル36の電力供給を遮断し、発熱層22の
破損を防止することができる。このように、サーモスタ
ット42は、加熱ローラ21が正常な回転速度で回転中
に発生する異常過熱によるトラブルを未然に防止する。
本実施の形態では、上述のように、加熱源30への電力
供給をON,OFFする開閉器72を、開閉器動作手段
60が加熱ローラ21の回転駆動力を利用して動作させ
るので、加熱ローラ21の回転停止又は異常低速回転に
基づく発熱層22の異常昇温を検知して加熱源30への
電力供給を遮断する機能をサーモスタット42に負わせ
る必要がない。その結果、サーモスタット42の設置位
置を加熱領域Hとは無関係に設定することが出来るの
で、設計の自由度が格段に向上する。また、装置の小型
化と起動時間の短縮化のために各構成部材を最適配置す
ることが可能になる。
【0076】上記の構成例では、開閉器動作手段60
は、粘性体67を備えた動力取り出し機構64により、
加熱ローラ21の回転速度に応じた力を取り出して開閉
器72を動作させているが、本発明はこのような構成に
限定されない。例えば、粘性体67を備えた動力取り出
し機構64の代わりに永久磁石を用いた電動機を用い、
その電機子巻き線を短絡し、発電ブレーキとして作用さ
せ、回転速度に依存した力を取り出してもよい。この場
合には回転速度に応じて比較的大きな力を取り出すこと
ができ、上記と同様に開閉器72を動作させて、加熱ロ
ーラ21を加熱する加熱源30への電力供給を、加熱ロ
ーラ21の回転速度に応じてON,OFFすることがで
きる。
【0077】(実施の形態2)図10及び図11は、本
発明の第2の実施の形態に係る加熱装置に用いられる遠
心力を利用した動力取り出し機構を含む開閉器動作手段
及び開閉器を示した図である。図10及び図11では回
転軸81の中心軸より上側を断面図、下側を正面図とし
て描いている。
【0078】図10及び図11において、軸受82,8
3により回転可能に支持された回転軸81に入力ギヤ5
3が固着され、入力ギヤ53は加熱ローラの芯材24の
端部に固着されたギヤ52と噛み合っている。回転軸8
1に略U字状のフレーム84が固着されている。フレー
ム84の両端部には、略L字状の可動腕86が、その屈
曲部をピン87により回動可能な状態で取り付けられて
いる。可動腕86の一方の端部には重り85が取り付け
られている。重り85には引張りばね88が取り付けら
れており、引張りばね88の引張り張力により重り85
は回転軸81の側への付勢力を付与されている。回転軸
81の端部のスライド部90に開閉器動作体89が、回
転軸81の回転軸方向に移動可能に取り付けられてい
る。この開閉器動作体89に可動腕86の他方の端部が
連結されている。開閉器72は、その開閉器動作釦73
が開閉器動作体89に対向するように備えられている。
【0079】図10は回転軸81の回転速度が加熱源へ
電力を供給して良い速度以上の状態を示す。図11は回
転軸81の回転速度が加熱源への電力供給を遮断すべき
速度以下の状態を示す。
【0080】最初に、加熱ローラ21の回転速度が所定
の速度(加熱源30に電力を供給しても良い速度)以上
に達した場合の動作を図10を用いて説明する。加熱ロ
ーラ21を回転させる駆動力が、加熱ローラの芯材24
の端部に装着されたギヤ52を介して入力ギヤ53に伝
達され、回転軸81が回転する。回転軸81と共に重り
85が回転し、回転速度の2乗に比例した遠心力が重り
85に発生する。この遠心力が引張りばね88の張力よ
り大になると、重り85が遠心力により外側へ移動す
る。それに伴い、可動腕86がピン87を支点として回
動し、開閉器動作体89が開閉器72から離れる方向に
移動し、その結果、開閉器動作体89と開閉器動作釦7
3とが離間する。これにより、開閉器動作釦73への押
圧力が解除され、開閉器動作釦73が戻り、回路がOF
FからONへ切り替えられ加熱源30に電力が供給され
る。
【0081】次に、加熱ローラ21の回転速度が所定の
速度(加熱源30に電力を供給するのが適当でない速
度)未満になった場合の動作を図11を用いて説明す
る。回転軸81の回転速度が低下して重り85に発生す
る遠心力が引張りばね88の張力より小になると、引張
りばね88の張力により重り85が回転軸81の側へ移
動する。それに伴い、可動腕86がピン87を支点とし
て回動し、開閉器動作体89が開閉器72側へ移動し、
開閉器動作体89が開閉器動作釦73を押圧する。これ
により、開閉器動作釦73が押し込まれ、回路がONか
らOFFへ切り替えられ加熱源30への電力の供給が遮
断される。
【0082】重り85の重さや回転半径、引張りばね8
8の張力は、開閉器72がON,OFF動作するときの
回転軸81(即ち、加熱ローラ21)の回転速度を考慮
して設定される。
【0083】このように、本実施の形態でも、実施の形
態1の場合と同様に、加熱ローラ21が所定の回転速度
以上のときは開閉器72をONとして電力を供給し、そ
れ未満のときには開閉器72をOFFとして電力を遮断
する。従って、加熱ローラ21が停止または異常に低速
回転になった場合に、加熱ローラが局部的に加熱され異
常高温になり劣化又は破損することが防止出来る。
【0084】また、実施の形態1で説明した粘性体67
を備えた動力取り出し機構64により開閉器72を動作
させる場合は、開閉器72がON動作中に加熱ローラ2
1の回転駆動力の一部が開閉器動作手段60によって常
に消費されるのに対し、本実施の形態では、開閉器72
の動作に遠心力とばね張力を使用しているため、開閉器
72がON動作中に加熱ローラ21の回転駆動力はほと
んど開閉器動作手段60に消費されない。従って、開閉
器動作手段60のための負荷トルクが発生せず、その結
果、加熱ローラ21の駆動源の負荷トルクを増やさなく
て済むため、効率の良い加熱装置を実現できる。
【0085】上記の説明では、加熱部材として加熱ロー
ラを用いた例を説明したが、本発明はこれに限定され
ず、加熱ベルトなど他の加熱部材を用いることが可能で
ある。
【0086】また、加熱源として電磁誘導加熱方式を用
いた例を説明したが、本発明はこれに限定されず、ハロ
ゲンランプなど他の加熱方式を用いた加熱源であっても
良い。
【0087】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、何らか
の要因で加熱部材の回転が停止又は異常に低速になった
場合、同時に電子制御装置による安全装置が故障してい
ても、加熱源への電力供給が確実に遮断される。これに
より、加熱部材が局部的に異常高温になり劣化又は破損
するのを確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態に係る画像定着装
置の断面図である。
【図2】 図1のII−II線での矢視断面図である。
【図3】 図1の画像定着装置に用いられる開閉動作手
段及び開閉器を示した断面図。
【図4】 加熱ローラが所定の回転速度以上のときに、
図3の矢印A方向から開閉器を見た図。
【図5】 加熱ローラが所定の回転速度未満のときに、
図3の矢印A方向から開閉器を見た図。
【図6】 本発明の第1の実施の形態に係る加熱装置の
電力制御回路図。
【図7】 本発明の第1の実施の形態に係る加熱装置の
別の電力制御回路図。
【図8】 本発明の第1の実施の形態に係る動力取り出
し機構の回転速度と伝達トルクとの関係を示した特性
図。
【図9】 本発明の画像形成装置の一実施形態を示した
断面図。
【図10】 加熱ローラが所定の回転速度以上のとき
の、本発明の第2の実施の形態に係る開閉動作手段及び
開閉器を示した片断面図。
【図11】 加熱ローラが所定の回転速度未満のとき
の、本発明の第2の実施の形態に係る開閉動作手段及び
開閉器を示した片断面図。
【図12】 従来の誘導加熱定着装置の断面図。
【符号の説明】
21 加熱ローラ(加熱部材) 22 発熱層(発熱部) 30 加熱源 36 励磁コイル 31 加圧ローラ(加圧部材) 34 ニップ部 50 駆動軸 53 入力ギヤ 60 開閉器動作手段 61 入力軸 64 粘性体を備えた動力取り出し機構 70 出力軸 71 開閉器動作板 72 開閉器 73 開閉器動作釦
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今井 勝 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 2H033 AA42 BA25 BA34 BB18 BB22 BE06 CA06 CA07 CA13 CA26 CA34 CA45 3K059 AA08 AB19 AC33 AC47 AC54 AC62 AD17 AD25 CD18 CD73 CD77

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱源により加熱され、回転しながら被
    加熱材を加熱する加熱部材と、 前記被加熱材が前記加熱部材に圧接されるニップ部を前
    記加熱部材とともに形成する加圧部材と、 前記加熱源への電力投入をON,OFFする開閉器を備
    えた電力制御手段と、 前記加熱部材を回転させる駆動力を作用させて前記開閉
    器を動作させる開閉器動作手段とを具備することを特徴
    とする加熱装置。
  2. 【請求項2】 前記開閉器動作手段は前記加熱部材の回
    転駆動力を利用して前記開閉器を動作させることを特徴
    とする請求項1に記載の加熱装置。
  3. 【請求項3】 前記加熱部材の回転駆動源が前記加圧部
    材であることを特徴とする請求項1に記載の加熱装置。
  4. 【請求項4】 前記開閉器動作手段は前記加熱部材が所
    定の回転速度以上のときに前記開閉器をONとし、それ
    未満のときにOFFとすることを特徴とする請求項1〜
    3のいずれかに記載の加熱装置。
  5. 【請求項5】 前記開閉器動作手段が前記加熱部材の回
    転速度に依存した力を取り出す動力取り出し機構を備
    え、前記動力取り出し機構により取り出された力により
    前記開閉器が動作することを特徴とする請求項1〜4の
    いずれかに記載の加熱装置。
  6. 【請求項6】 前記動力取り出し機構が粘性体の粘性抵
    抗を利用した機構であることを特徴とする請求項5に記
    載の加熱装置。
  7. 【請求項7】 前記動力取り出し機構が遠心力を利用し
    た機構であることを特徴とする請求項5に記載の加熱装
    置。
  8. 【請求項8】 前記動力取り出し機構が発電ブレーキ力
    を利用した機構であることを特徴とする請求項5に記載
    の加熱装置。
  9. 【請求項9】 前記加熱部材が電磁誘導により発熱する
    発熱部を有し、 前記加熱源が前記発熱部を誘導加熱する励磁コイルを含
    む励磁手段を有し、 前記開閉器は前記励磁コイルへ供給する電力をON,O
    FFすることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記
    載の加熱装置。
  10. 【請求項10】 前記加熱部材が電磁誘導により発熱す
    る発熱部を有し、 前記加熱源が前記発熱部を誘導加熱する励磁コイルを含
    む励磁手段を有し、 前記開閉器が前記励磁コイルへ供給する電力を制御する
    制御素子に対する制御信号を直接又は間接的にON又は
    OFFする接点スイッチであることを特徴とする請求項
    1〜8のいずれかに記載の加熱装置。
  11. 【請求項11】 更に、前記加熱部材の異常高温時に前
    記励磁コイルへの電力供給を遮断するサーモスタットを
    具備し、 前記サーモスタットは、前記発熱部のうち、前記励磁コ
    イルにより誘導加熱される領域以外の領域に対向させて
    設置されていることを特徴とする請求項9又は10に記
    載の加熱装置。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11のいずれかに記載の加
    熱装置を備えた画像定着装置であって、 前記被加熱材がその表面にトナー像が形成された記録用
    紙であり、前記ニップ部を通過することによって前記ト
    ナー像が前記記録用紙表面に定着されることを特徴とす
    る画像定着装置。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の画像定着装置を備
    えることを特徴とする画像形成装置。
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