JP2003270432A - 可視光反射部材 - Google Patents
可視光反射部材Info
- Publication number
- JP2003270432A JP2003270432A JP2002068568A JP2002068568A JP2003270432A JP 2003270432 A JP2003270432 A JP 2003270432A JP 2002068568 A JP2002068568 A JP 2002068568A JP 2002068568 A JP2002068568 A JP 2002068568A JP 2003270432 A JP2003270432 A JP 2003270432A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- visible light
- refractive index
- periodic structure
- wavelength
- medium
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Optical Elements Other Than Lenses (AREA)
- Optical Filters (AREA)
- Liquid Crystal (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 可視光領域の波長領域に属する特定波長領域
の可視光を効率よくかつ簡便に反射させることで、その
可視光に対する反射をより完全反射に近い形で反射させ
ることを可能とする可視光反射部材を提供する。 【解決手段】 可視光反射部材1は、周期構造体100
が基体5上に積層された積層体50を有してなり、該周
期構造体100は、各々可視光に対して屈折率の違う媒
質よりなる高屈折率層10と低屈折率層11とが交互に
周期的に配列されるとともに積層されたものとされる。
また、その周期構造体100における一周期は、高屈折
率層10と低屈折率層11とを一対としたものとされ
る。さらに、その一周期の層厚を、各々高屈折率層10
および低屈折率層11を構成する各々媒質における可視
光に対する媒質内波長を平均化した媒質内平均波長λa
の半波長(λa/2)の整数倍に対応するように調整す
る。
の可視光を効率よくかつ簡便に反射させることで、その
可視光に対する反射をより完全反射に近い形で反射させ
ることを可能とする可視光反射部材を提供する。 【解決手段】 可視光反射部材1は、周期構造体100
が基体5上に積層された積層体50を有してなり、該周
期構造体100は、各々可視光に対して屈折率の違う媒
質よりなる高屈折率層10と低屈折率層11とが交互に
周期的に配列されるとともに積層されたものとされる。
また、その周期構造体100における一周期は、高屈折
率層10と低屈折率層11とを一対としたものとされ
る。さらに、その一周期の層厚を、各々高屈折率層10
および低屈折率層11を構成する各々媒質における可視
光に対する媒質内波長を平均化した媒質内平均波長λa
の半波長(λa/2)の整数倍に対応するように調整す
る。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可視波長帯に属す
る特定波長領域の可視光を効率よく反射させる反射鏡と
しての可視光反射部材に関する。
る特定波長領域の可視光を効率よく反射させる反射鏡と
しての可視光反射部材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、可視波長帯に属する特定波長領域
の可視光を反射させる反射鏡としては、Alに代表され
る金属薄膜を基体上に形成させた反射鏡が一般的に用い
られている。しかしながら、該金属薄膜を用いた反射鏡
においては、その金属薄膜を構成する金属の種類によ
り、反射する波長領域が自ずと限定されてしまう。そこ
で、任意に反射させる波長領域を変化させることが可能
なものとして、可視光に対して屈折率の違う2種の媒質
を交互に積層させるとともに、多重反射を利用した多層
膜反射鏡が用いられている。該多層膜反射鏡は、構成さ
れる媒質の膜厚を調整することで、反射させる波長領域
を調整することができる。
の可視光を反射させる反射鏡としては、Alに代表され
る金属薄膜を基体上に形成させた反射鏡が一般的に用い
られている。しかしながら、該金属薄膜を用いた反射鏡
においては、その金属薄膜を構成する金属の種類によ
り、反射する波長領域が自ずと限定されてしまう。そこ
で、任意に反射させる波長領域を変化させることが可能
なものとして、可視光に対して屈折率の違う2種の媒質
を交互に積層させるとともに、多重反射を利用した多層
膜反射鏡が用いられている。該多層膜反射鏡は、構成さ
れる媒質の膜厚を調整することで、反射させる波長領域
を調整することができる。
【0003】上記特定波長領域の可視光を反射させる金
属薄膜を用いた反射鏡および多層膜反射鏡は、可視波長
帯の全波長領域の可視光を反射させるもしくは、青色、
緑色、赤色といった可視光を選択的に反射させるものと
して用いられている。また、その適用分野としては、例
えば、建築部材としての可視光を遮蔽する部材や、複写
機、プリンター、ビデオプロジェクター、ディスプレー
などの電子機器に装備される反射鏡や、光学機器として
の光学ミラー、光学フィルターや、店舗用または医学用
等の照明装置に装備される反射鏡や、さらには、人を含
めた物体を写像させる所謂、鏡としての反射鏡といった
ように列挙するいとまがないほどに多岐にわたるもので
ある。
属薄膜を用いた反射鏡および多層膜反射鏡は、可視波長
帯の全波長領域の可視光を反射させるもしくは、青色、
緑色、赤色といった可視光を選択的に反射させるものと
して用いられている。また、その適用分野としては、例
えば、建築部材としての可視光を遮蔽する部材や、複写
機、プリンター、ビデオプロジェクター、ディスプレー
などの電子機器に装備される反射鏡や、光学機器として
の光学ミラー、光学フィルターや、店舗用または医学用
等の照明装置に装備される反射鏡や、さらには、人を含
めた物体を写像させる所謂、鏡としての反射鏡といった
ように列挙するいとまがないほどに多岐にわたるもので
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記した適用分野に問
わず、特定波長領域の可視光を反射させる金属薄膜を用
いた反射鏡もしくは多層膜反射鏡としては、その可視光
に対する反射率が高いことが望まれる。しかしながら、
金属薄膜を用いた反射鏡は、該金属薄膜に使用される金
属の種類により、特定波長領域の可視光に対する反射率
が固有のものである。そのために、ある特定波長領域の
可視光に対する反射率を、一定以上に高めることができ
ず、さらに、反射率の低減に繋がる光吸収の効果も高い
という問題がある。一方、特定波長領域の可視光に対す
る屈折率の違う2種の媒質を交互に積層させるととも
に、多重反射を利用した多層膜反射鏡においては、該2
種の媒質の膜厚を調整することで、反射させる可視光の
波長領域を調整することが可能である。また、その可視
光に対する反射率を高めるためには、交互に積層される
2種の媒質の積層数を増やすことにより可能である。し
かしながら、その積層数の増加に伴い、多層膜反射鏡内
を伝播する光の減衰率が高められるので、反射率を高め
るために増加させることができる積層数には限界があ
る。また、このように多層膜反射鏡における積層数を増
加させた場合、一般的にその積層数の増加に伴い、多層
膜反射鏡の耐熱性が低下する問題が発生し、実用上好ま
しくない。
わず、特定波長領域の可視光を反射させる金属薄膜を用
いた反射鏡もしくは多層膜反射鏡としては、その可視光
に対する反射率が高いことが望まれる。しかしながら、
金属薄膜を用いた反射鏡は、該金属薄膜に使用される金
属の種類により、特定波長領域の可視光に対する反射率
が固有のものである。そのために、ある特定波長領域の
可視光に対する反射率を、一定以上に高めることができ
ず、さらに、反射率の低減に繋がる光吸収の効果も高い
という問題がある。一方、特定波長領域の可視光に対す
る屈折率の違う2種の媒質を交互に積層させるととも
に、多重反射を利用した多層膜反射鏡においては、該2
種の媒質の膜厚を調整することで、反射させる可視光の
波長領域を調整することが可能である。また、その可視
光に対する反射率を高めるためには、交互に積層される
2種の媒質の積層数を増やすことにより可能である。し
かしながら、その積層数の増加に伴い、多層膜反射鏡内
を伝播する光の減衰率が高められるので、反射率を高め
るために増加させることができる積層数には限界があ
る。また、このように多層膜反射鏡における積層数を増
加させた場合、一般的にその積層数の増加に伴い、多層
膜反射鏡の耐熱性が低下する問題が発生し、実用上好ま
しくない。
【0005】上記したように、従来の金属薄膜を用いた
反射鏡もしくは多層膜反射鏡そのものでは、特定波長領
域の可視光に対する反射を完全反射(反射率が1)に近
づけることは困難とされる。そのため、さらなる反射率
の向上を可能とする反射鏡が求められている。本発明
は、まさにこの観点に立ってなされたものである。すな
わち本発明は、可視光領域の波長領域に属する特定波長
領域の可視光を効率よくかつ簡便に反射させることで、
その可視光に対する反射をより完全反射に近づけること
を可能とする可視光反射部材を提供とすることを目的と
する。
反射鏡もしくは多層膜反射鏡そのものでは、特定波長領
域の可視光に対する反射を完全反射(反射率が1)に近
づけることは困難とされる。そのため、さらなる反射率
の向上を可能とする反射鏡が求められている。本発明
は、まさにこの観点に立ってなされたものである。すな
わち本発明は、可視光領域の波長領域に属する特定波長
領域の可視光を効率よくかつ簡便に反射させることで、
その可視光に対する反射をより完全反射に近づけること
を可能とする可視光反射部材を提供とすることを目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段および作用・効果】上記課
題を解決するための本発明の可視光反射部材は、可視波
長帯に属する特定波長領域の可視光を反射させるもので
あって、前記可視光に対する屈折率の違う2種以上の媒
質を周期的に配列させた複数の周期構造体が、基体上に
積層された積層体を有してなり、かつ、該周期構造体
は、前記可視光に対して一次元フォトニック結晶となる
ように、その1周期の層厚が調整されてなることを特徴
とする。
題を解決するための本発明の可視光反射部材は、可視波
長帯に属する特定波長領域の可視光を反射させるもので
あって、前記可視光に対する屈折率の違う2種以上の媒
質を周期的に配列させた複数の周期構造体が、基体上に
積層された積層体を有してなり、かつ、該周期構造体
は、前記可視光に対して一次元フォトニック結晶となる
ように、その1周期の層厚が調整されてなることを特徴
とする。
【0007】上記本発明の可視光反射部材は、可視波長
帯に属する特定波長領域の可視光を反射させるための多
層膜反射鏡とされる。しかしながら、本発明の可視光反
射部材は、従来の多重反射を利用した多層膜反射鏡に比
べて、特定波長領域の可視光に対する反射率を高める観
点より、以下の構成要件を有する。第一に、本発明の可
視光反射部材は、屈折率の違う2種以上の媒質を周期的
に配列させた複数の周期構造体を基体上に積層させた積
層体を有する。第二に、該周期構造体は、特定波長領域
の可視光に対して一次元フォトニック結晶となるよう
に、その1周期の層厚が調整されてなる。
帯に属する特定波長領域の可視光を反射させるための多
層膜反射鏡とされる。しかしながら、本発明の可視光反
射部材は、従来の多重反射を利用した多層膜反射鏡に比
べて、特定波長領域の可視光に対する反射率を高める観
点より、以下の構成要件を有する。第一に、本発明の可
視光反射部材は、屈折率の違う2種以上の媒質を周期的
に配列させた複数の周期構造体を基体上に積層させた積
層体を有する。第二に、該周期構造体は、特定波長領域
の可視光に対して一次元フォトニック結晶となるよう
に、その1周期の層厚が調整されてなる。
【0008】上記周期構造体を特定波長領域の可視光に
対して一次元フォトニック結晶とするための具体的な構
造を図5の模式図に示す。図5の周期構造体100は、
特定波長領域の可視光(以下、単に可視光とも呼ぶ。)
に対する屈折率の違う2種の媒質を交互に周期的に配列
するように積層させた場合である。また、高屈折率層1
0と低屈折率層11との一対が1周期に対応してなる。
さらに、該1周期の層厚は、可視光の各々高屈折率層1
0と低屈折率層11における媒質内波長を平均化した媒
質内平均波長λaの半波長(λa/2)の整数倍に対応
するように調整されてなる。
対して一次元フォトニック結晶とするための具体的な構
造を図5の模式図に示す。図5の周期構造体100は、
特定波長領域の可視光(以下、単に可視光とも呼ぶ。)
に対する屈折率の違う2種の媒質を交互に周期的に配列
するように積層させた場合である。また、高屈折率層1
0と低屈折率層11との一対が1周期に対応してなる。
さらに、該1周期の層厚は、可視光の各々高屈折率層1
0と低屈折率層11における媒質内波長を平均化した媒
質内平均波長λaの半波長(λa/2)の整数倍に対応
するように調整されてなる。
【0009】上記のように構成される周期構造体100
においては、図4の模式図に示すように、屈折率が積層
方向に対して周期的に変化することになる。該屈折率の
周期的変化における1周期の長さが、周期構造体100
内を積層方向に伝播しようとする伝播光の半波長、つま
りは、上記媒質内平均波長の半波長(λa/2)の整数
倍に対応する場合、そのような伝播光は周期構造体10
0内を伝播することができず完全反射に近い形で反射さ
れることとなる。このように特定波長領域の光を反射さ
せる現象は、半導体などにおける電子の固体結晶内の分
散関係より説明されるバンドギャップと同じ概念である
ことから、一般的にフォトニックバンドギャップと呼ば
れる。特に、周期構造体100のように、積層方向への
伝播光に対してのみフォトニックバンドギャップを有す
るものは、一次元フォトニック結晶と呼ばれる。
においては、図4の模式図に示すように、屈折率が積層
方向に対して周期的に変化することになる。該屈折率の
周期的変化における1周期の長さが、周期構造体100
内を積層方向に伝播しようとする伝播光の半波長、つま
りは、上記媒質内平均波長の半波長(λa/2)の整数
倍に対応する場合、そのような伝播光は周期構造体10
0内を伝播することができず完全反射に近い形で反射さ
れることとなる。このように特定波長領域の光を反射さ
せる現象は、半導体などにおける電子の固体結晶内の分
散関係より説明されるバンドギャップと同じ概念である
ことから、一般的にフォトニックバンドギャップと呼ば
れる。特に、周期構造体100のように、積層方向への
伝播光に対してのみフォトニックバンドギャップを有す
るものは、一次元フォトニック結晶と呼ばれる。
【0010】図5においては、可視光に対する屈折率の
違う2種の媒質を用いた場合であったが、可視光に対す
る屈折率の違う3種以上の媒質を周期的に積層させるこ
とで、周期構造体を一次元フォトニック結晶とすること
も勿論可能である。その1例となる図7の周期構造体1
00は、可視光に対する屈折率の違う3種の媒質を用い
た場合である。高屈折率層10、中屈折率層12および
低屈折率層11の一対を1周期とし、該1周期の層厚
は、可視光のそれぞれ高屈折率層10、中屈折率層12
および低屈折率層11における媒質内波長を平均化し
た、媒質内平均波長λaの半波長(λa/2)の整数倍
に対応するように調整されてなる。このように構成する
ことで、図6に示すように、屈折率は、積層方向に対し
て周期的に変化するとともに、その1周期の長さが、媒
質内波長λaの半波長の整数倍に対応する。その結果、
図7に示す周期構造体100を、可視光に対する一次元
フォトニク結晶とすることができる。
違う2種の媒質を用いた場合であったが、可視光に対す
る屈折率の違う3種以上の媒質を周期的に積層させるこ
とで、周期構造体を一次元フォトニック結晶とすること
も勿論可能である。その1例となる図7の周期構造体1
00は、可視光に対する屈折率の違う3種の媒質を用い
た場合である。高屈折率層10、中屈折率層12および
低屈折率層11の一対を1周期とし、該1周期の層厚
は、可視光のそれぞれ高屈折率層10、中屈折率層12
および低屈折率層11における媒質内波長を平均化し
た、媒質内平均波長λaの半波長(λa/2)の整数倍
に対応するように調整されてなる。このように構成する
ことで、図6に示すように、屈折率は、積層方向に対し
て周期的に変化するとともに、その1周期の長さが、媒
質内波長λaの半波長の整数倍に対応する。その結果、
図7に示す周期構造体100を、可視光に対する一次元
フォトニク結晶とすることができる。
【0011】上記のように、本発明の可視光反射部材が
有する周期構造体は、フォトニックバンドギャップによ
り反射される波長領域が、特定波長領域の可視光の波長
領域に対応した一次元フォトニック結晶とされる。その
結果、本発明の可視光反射部材は、可視光に対する反射
率を従来の多重反射を利用した多層膜反射鏡に比べて、
大幅に向上させることが可能となる。また、周期構造体
における1周期の層厚は、媒質内波長の半波長の整数倍
に対応するように調整すればよいが、1周期の層厚が増
加するに従い、光の減衰率が高まる。そこで、特に、1
周期の層厚は、媒質内平均波長の1波長または半波長に
対応するように調整することで、さらに、本発明の可視
光反射部材の可視光に対する反射率を向上させることが
可能となる。このような観点で言えば、周期構造体にお
ける1周期の層厚を、媒質内平均波長の半波長に対応す
るように調整した場合、最も、本発明の可視光反射部材
の可視光に対する反射率を向上させることが可能とな
る。
有する周期構造体は、フォトニックバンドギャップによ
り反射される波長領域が、特定波長領域の可視光の波長
領域に対応した一次元フォトニック結晶とされる。その
結果、本発明の可視光反射部材は、可視光に対する反射
率を従来の多重反射を利用した多層膜反射鏡に比べて、
大幅に向上させることが可能となる。また、周期構造体
における1周期の層厚は、媒質内波長の半波長の整数倍
に対応するように調整すればよいが、1周期の層厚が増
加するに従い、光の減衰率が高まる。そこで、特に、1
周期の層厚は、媒質内平均波長の1波長または半波長に
対応するように調整することで、さらに、本発明の可視
光反射部材の可視光に対する反射率を向上させることが
可能となる。このような観点で言えば、周期構造体にお
ける1周期の層厚を、媒質内平均波長の半波長に対応す
るように調整した場合、最も、本発明の可視光反射部材
の可視光に対する反射率を向上させることが可能とな
る。
【0012】しかしながら、可視波長領域において可視
光が短波長化するに従い、当然、周期構造体における1
周期の層厚を小さくする必要がある。そのため、実際の
系においては、1周期を構成する各媒質を積層させる際
に、層厚の均一性を制御することが困難な場合が起こり
える。層厚が不均一になると、周期構造体の可視光に対
する反射率を低下させてしまう。そこで、このような内
容も加味して、適宜、周期構造体における1周期の層厚
は、媒質内平均波長の1波長または半波長に対応して調
整することが必要である。
光が短波長化するに従い、当然、周期構造体における1
周期の層厚を小さくする必要がある。そのため、実際の
系においては、1周期を構成する各媒質を積層させる際
に、層厚の均一性を制御することが困難な場合が起こり
える。層厚が不均一になると、周期構造体の可視光に対
する反射率を低下させてしまう。そこで、このような内
容も加味して、適宜、周期構造体における1周期の層厚
は、媒質内平均波長の1波長または半波長に対応して調
整することが必要である。
【0013】次に、本発明の可視光反射部材により反射
される可視光の波長幅について述べる。該波長幅は、周
期構造体の1周期を構成する各媒質の可視光に対する屈
折率に依存する。具体的には、1周期を構成する各媒質
において、可視光に対する屈折率が最大となるものと、
最小となるものとの屈折率差Δnに依存する。このΔn
が大きくなるに従い、反射される可視光の波長幅つまり
は、反射される可視光の波長領域は増加する。よって、
ある特定波長領域の可視光を反射させる場合、複数の周
期構造体を用いることも可能であるし、単一の周期構造
体を用いることも可能である。図8の模式図は、複数の
周期構造体を用いた例として、周期構造体を2つ組み合
わせた場合を示す。第一周期構造体101と第二周期構
造体102は、反射させる可視光の波長領域を異にする
ように、一方の1周期の層厚が中心波長λ1の可視光を
反射させるように、他方が中心波長λ2の可視光を反射
させるように調整されてなる。このように周期構造体を
2つ組み合わせることにより、全体として反射される可
視光の波長幅Δλは、第一周期構造体101および第二
周期構造体102にてそれぞれ反射される可視光の波長
幅Δλ1とΔλ2とを合わせたものとなる。他方、同じ
波長幅Δλとなる波長領域の可視光を、単一の周期構造
体にて反射させることも可能である。その場合、周期構
造体の1周期内における屈折率差Δnを、図8における
第一周期構造体101および第二周期構造体102の1
周期内における各々の屈折率差Δnを足し合わせた程度
に大きくするように、その1周期を構成する各媒質の材
質を適宜選択すればよい。
される可視光の波長幅について述べる。該波長幅は、周
期構造体の1周期を構成する各媒質の可視光に対する屈
折率に依存する。具体的には、1周期を構成する各媒質
において、可視光に対する屈折率が最大となるものと、
最小となるものとの屈折率差Δnに依存する。このΔn
が大きくなるに従い、反射される可視光の波長幅つまり
は、反射される可視光の波長領域は増加する。よって、
ある特定波長領域の可視光を反射させる場合、複数の周
期構造体を用いることも可能であるし、単一の周期構造
体を用いることも可能である。図8の模式図は、複数の
周期構造体を用いた例として、周期構造体を2つ組み合
わせた場合を示す。第一周期構造体101と第二周期構
造体102は、反射させる可視光の波長領域を異にする
ように、一方の1周期の層厚が中心波長λ1の可視光を
反射させるように、他方が中心波長λ2の可視光を反射
させるように調整されてなる。このように周期構造体を
2つ組み合わせることにより、全体として反射される可
視光の波長幅Δλは、第一周期構造体101および第二
周期構造体102にてそれぞれ反射される可視光の波長
幅Δλ1とΔλ2とを合わせたものとなる。他方、同じ
波長幅Δλとなる波長領域の可視光を、単一の周期構造
体にて反射させることも可能である。その場合、周期構
造体の1周期内における屈折率差Δnを、図8における
第一周期構造体101および第二周期構造体102の1
周期内における各々の屈折率差Δnを足し合わせた程度
に大きくするように、その1周期を構成する各媒質の材
質を適宜選択すればよい。
【0014】上記のように、本発明の可視光反射部材
は、単一の周期構造体もしくは複数の周期構造体のいず
れを用いた場合においても、等しく、特定波長領域の可
視光を完全反射に近い形で反射させることが可能であ
る。特に、単一の周期構造体は、複数の周期構造体に比
べて総積層数が少なくてすむ。このように積層数を減少
させることで、周期構造体内を伝播する可視光の減衰率
を抑制することができる。その結果、本発明の可視光反
射部材を単一の周期構造体を用いた構成とすることで、
さらに可視光に対する反射率を高めることができる。ま
た、周期構造体は、基体上に積層されてなるので、単一
の周期構造体を用いた場合、基体に集中する歪応力等の
応力を低減することができる。その結果、基体および周
期構造体に発生する変形を低減することが可能となる。
は、単一の周期構造体もしくは複数の周期構造体のいず
れを用いた場合においても、等しく、特定波長領域の可
視光を完全反射に近い形で反射させることが可能であ
る。特に、単一の周期構造体は、複数の周期構造体に比
べて総積層数が少なくてすむ。このように積層数を減少
させることで、周期構造体内を伝播する可視光の減衰率
を抑制することができる。その結果、本発明の可視光反
射部材を単一の周期構造体を用いた構成とすることで、
さらに可視光に対する反射率を高めることができる。ま
た、周期構造体は、基体上に積層されてなるので、単一
の周期構造体を用いた場合、基体に集中する歪応力等の
応力を低減することができる。その結果、基体および周
期構造体に発生する変形を低減することが可能となる。
【0015】次に、周期構造体の1周期を構成する媒質
数であるが、上述のように2種以上の媒質より周期構造
体の1周期を構成することで、周期構造体を可視光に対
する一次元フォトニック結晶とすることができる。しか
しながら、1周期を構成する媒質数が増加するに従い、
各媒質よりなる各層の層厚は相対的に減少させる必要が
生じる。このように各媒質よりなる各層の層厚を減少さ
せた場合、その層厚の減少に伴い積層性を制御すること
が困難化する。各媒質よりなる各層の積層性が悪化する
と、各層における屈折率の均一化が抑制され、ひいて
は、周期構造体の可視光に対する反射率を低下させてし
まう。そのため、周期構造体を構成する媒質数は、でき
る限り少なくすることが望ましい。特に、2種の媒質よ
り周期構造体の1周期を構成することで、周期構造体、
ひいては本発明の可視光反射部材の可視光に対する反射
率をさらに向上させることが可能となる。また、周期構
造体の1周期を構成する媒質数を低減させることは、各
媒質よりなる隣接層同士の積層界面における光散乱を抑
制させることも可能となる。このことは、周期構造体の
可視光に対する反射率を向上させることに繋がる。
数であるが、上述のように2種以上の媒質より周期構造
体の1周期を構成することで、周期構造体を可視光に対
する一次元フォトニック結晶とすることができる。しか
しながら、1周期を構成する媒質数が増加するに従い、
各媒質よりなる各層の層厚は相対的に減少させる必要が
生じる。このように各媒質よりなる各層の層厚を減少さ
せた場合、その層厚の減少に伴い積層性を制御すること
が困難化する。各媒質よりなる各層の積層性が悪化する
と、各層における屈折率の均一化が抑制され、ひいて
は、周期構造体の可視光に対する反射率を低下させてし
まう。そのため、周期構造体を構成する媒質数は、でき
る限り少なくすることが望ましい。特に、2種の媒質よ
り周期構造体の1周期を構成することで、周期構造体、
ひいては本発明の可視光反射部材の可視光に対する反射
率をさらに向上させることが可能となる。また、周期構
造体の1周期を構成する媒質数を低減させることは、各
媒質よりなる隣接層同士の積層界面における光散乱を抑
制させることも可能となる。このことは、周期構造体の
可視光に対する反射率を向上させることに繋がる。
【0016】上述したが、本発明の可視光反射部材にて
反射される可視光の波長幅は、周期構造体の1周期内に
おける屈折率差Δnの増加に伴い、大きくなる。そのた
め、該屈折率差Δnをより大きくすることで、本発明の
可視光反射部材における可視光の反射をより確実なもの
とすることができる。その場合における屈折率差Δnと
しては、1.0以上、好ましくは1.2以上、より好ま
しくは、1.5以上確保されることが望ましい。
反射される可視光の波長幅は、周期構造体の1周期内に
おける屈折率差Δnの増加に伴い、大きくなる。そのた
め、該屈折率差Δnをより大きくすることで、本発明の
可視光反射部材における可視光の反射をより確実なもの
とすることができる。その場合における屈折率差Δnと
しては、1.0以上、好ましくは1.2以上、より好ま
しくは、1.5以上確保されることが望ましい。
【0017】上記のように、周期構造体の1周期内にお
ける屈折率差Δnを大きく確保するには、周期構造体の
1周期を構成する各媒質において、可視光に対する屈折
率が最大となる媒質と、最小となる媒質との材質を適宜
選択することにより可能である。また、その場合、屈折
率が最大となる媒質を、特に屈折率が3.0以上となる
材質より構成することで、該屈折率が最大となる媒質
と、最小となる媒質との組み合わせにより調整される屈
折率差Δnを、大きく確保することが容易となる。
ける屈折率差Δnを大きく確保するには、周期構造体の
1周期を構成する各媒質において、可視光に対する屈折
率が最大となる媒質と、最小となる媒質との材質を適宜
選択することにより可能である。また、その場合、屈折
率が最大となる媒質を、特に屈折率が3.0以上となる
材質より構成することで、該屈折率が最大となる媒質
と、最小となる媒質との組み合わせにより調整される屈
折率差Δnを、大きく確保することが容易となる。
【0018】次に、周期構造体の1周期を構成する各媒
質において、可視光に対する屈折率が最大となる媒質に
適した高屈折率材料群を以下に例示する。 ・高屈折率材料群 Si、Ge、Be、Sb、Cr、Mn等の単一元素、お
よび6h−SiC、3c−SiC、BP、AlP、Al
As、AlSb、Sb2S3、GaP、ZnS、TiO
2等の化合物。
質において、可視光に対する屈折率が最大となる媒質に
適した高屈折率材料群を以下に例示する。 ・高屈折率材料群 Si、Ge、Be、Sb、Cr、Mn等の単一元素、お
よび6h−SiC、3c−SiC、BP、AlP、Al
As、AlSb、Sb2S3、GaP、ZnS、TiO
2等の化合物。
【0019】上記高屈折率材料群のすべては、可視光に
対する屈折率が2.4以上となるものであるが、可視光
に対して透光性が高い、つまり可視光に対する光吸収効
果が低い、Si、6h−SiC、3c−SiC、BP、
AlP、AlAs、GaP、ZnS、TiO2からなる
材料群が特に媒質に適したものである。さらには、屈折
率が3.0以上となるSi、6h−SiC、BP、Al
P、AlAs、GaPからなる材料群が媒質に適したも
のとされる。この中においても、Siは比較的安価で薄
膜化も容易であるとともに、その屈折率は3.5と高い
ものであることから最も媒質に適した材料と言える。
対する屈折率が2.4以上となるものであるが、可視光
に対して透光性が高い、つまり可視光に対する光吸収効
果が低い、Si、6h−SiC、3c−SiC、BP、
AlP、AlAs、GaP、ZnS、TiO2からなる
材料群が特に媒質に適したものである。さらには、屈折
率が3.0以上となるSi、6h−SiC、BP、Al
P、AlAs、GaPからなる材料群が媒質に適したも
のとされる。この中においても、Siは比較的安価で薄
膜化も容易であるとともに、その屈折率は3.5と高い
ものであることから最も媒質に適した材料と言える。
【0020】次に、周期構造体の1周期を構成する各媒
質において、可視光に対する屈折率が最小となる媒質に
適した低屈折率材料群を以下に例示する。 ・低屈折率材料群 Mg、Ca、Sr、Ba、Ni、Cu、Al、Au、A
g等の単一元素、およびSiO2、CeO2、Zr
O2、MgO、Sb2O3、BN、AlN、Si
3N 4、Al2O3、TiN、CN等の化合物。
質において、可視光に対する屈折率が最小となる媒質に
適した低屈折率材料群を以下に例示する。 ・低屈折率材料群 Mg、Ca、Sr、Ba、Ni、Cu、Al、Au、A
g等の単一元素、およびSiO2、CeO2、Zr
O2、MgO、Sb2O3、BN、AlN、Si
3N 4、Al2O3、TiN、CN等の化合物。
【0021】上記低屈折率材料群のすべては、屈折率が
2.2より小さいものよりなるが、上記高屈折率材料群
と組み合わせた際に、屈折率差が大きくなる、特には屈
折率差が1.0以上となるようなものを適宜選択される
ことが望ましい。また、上記低屈折率材料群の中におい
ても、可視光に対する光吸収効果が低い、SiO2、C
eO2、ZrO2、MgO、Sb2O3、BN、Al
N、Si3N4、Al2O3からなる材料群が媒質に特
に適したものとされる。さらには、屈折率が1.5と低
いSiO2が最も適した材料と言える。
2.2より小さいものよりなるが、上記高屈折率材料群
と組み合わせた際に、屈折率差が大きくなる、特には屈
折率差が1.0以上となるようなものを適宜選択される
ことが望ましい。また、上記低屈折率材料群の中におい
ても、可視光に対する光吸収効果が低い、SiO2、C
eO2、ZrO2、MgO、Sb2O3、BN、Al
N、Si3N4、Al2O3からなる材料群が媒質に特
に適したものとされる。さらには、屈折率が1.5と低
いSiO2が最も適した材料と言える。
【0022】さらに上述したことを踏まえると、上記高
屈折率材料群よりSiを、上記低屈折率材料群よりSi
O2を同じくして選択した場合、その屈折率差を2.0
と大きなものとすることができる。また、周期構造体の
1周期を2種の媒質より構成させる場合、Siよりなる
層に対して熱酸化処理することで、容易にSiO2より
なる層を形成できるという利点がある。
屈折率材料群よりSiを、上記低屈折率材料群よりSi
O2を同じくして選択した場合、その屈折率差を2.0
と大きなものとすることができる。また、周期構造体の
1周期を2種の媒質より構成させる場合、Siよりなる
層に対して熱酸化処理することで、容易にSiO2より
なる層を形成できるという利点がある。
【0023】上記高屈折率材料群および低屈折率材料群
は、周期構造体の1周期内における屈折率が最大となる
媒質および最小となる媒質それぞれに適した材料群とし
て例示した。また、周期構造体の1周期を3種以上の媒
質より構成する場合に必要となる、屈折率が最大となる
媒質および最小となる媒質を除く媒質においても、上記
高屈折率材料群および低屈折率材料群より適宜選択され
ればよい。特には、可視光に対する光吸収効果が低い材
料を選択することが望ましい。このように、周期構造体
の一周期を構成する各媒質の材料を選定する際には、本
発明の可視光反射部材にて反射させる可視波長帯に属す
る特定波長領域の可視光に対して吸収率の低い材料を選
定することが望ましい。ここで、半導体材料について言
えば、直接遷移型の半導体より、Siのような間接遷移
型の半導体を選定することが有効となる。
は、周期構造体の1周期内における屈折率が最大となる
媒質および最小となる媒質それぞれに適した材料群とし
て例示した。また、周期構造体の1周期を3種以上の媒
質より構成する場合に必要となる、屈折率が最大となる
媒質および最小となる媒質を除く媒質においても、上記
高屈折率材料群および低屈折率材料群より適宜選択され
ればよい。特には、可視光に対する光吸収効果が低い材
料を選択することが望ましい。このように、周期構造体
の一周期を構成する各媒質の材料を選定する際には、本
発明の可視光反射部材にて反射させる可視波長帯に属す
る特定波長領域の可視光に対して吸収率の低い材料を選
定することが望ましい。ここで、半導体材料について言
えば、直接遷移型の半導体より、Siのような間接遷移
型の半導体を選定することが有効となる。
【0024】ここまでに、本発明の可視光反射部材の可
視光に対する反射率を、従来の多層膜反射鏡に比べて向
上させるとともに、その反射率を完全反射に近いものと
するたの構成要件について述べてきた。このような本発
明の可視光反射部材を反射鏡として用いることで、可視
波長帯のある波長領域の可視光に対しのみ、適宜選択的
に完全反射に近い形で反射させることが可能となる。さ
らには、可視波長帯の全波長領域の可視光に対して、完
全反射に近い形で反射させることも可能となる。その結
果、入射される可視光の入射強度を略低減させることな
く効率的に反射させることができるとともに、耐熱性に
優れた反射鏡とすることができる。また、可視波長帯の
全波長領域の可視光を反射させる際にも、波長依存性な
く、つまりは、色収差なく、略均一に反射させることが
できる。そのため、プリンター、ビデオプロジェクター
等において投射像を得る過程において、光源の光を反射
させる反射鏡を、本発明の可視光反射部材とすること
で、色むらのない良好な投射像を得ることが可能とな
る。また、同じ理由により、鏡として、本発明の可視光
反射部材を用いることにより写像にぼけやくすみ等のな
い鮮鋭な写像を得ることが可能となる。これらの分野に
関わらず、可視光に対する反射率の向上が必要となる反
射鏡においては、本発明の可視光反射部材は優位に適用
される。また、本発明の可視反射部材は、平面鏡、凹面
鏡、凸面鏡、放物面鏡、楕円面鏡といった種々の面形状
の反射鏡に適用可能である。
視光に対する反射率を、従来の多層膜反射鏡に比べて向
上させるとともに、その反射率を完全反射に近いものと
するたの構成要件について述べてきた。このような本発
明の可視光反射部材を反射鏡として用いることで、可視
波長帯のある波長領域の可視光に対しのみ、適宜選択的
に完全反射に近い形で反射させることが可能となる。さ
らには、可視波長帯の全波長領域の可視光に対して、完
全反射に近い形で反射させることも可能となる。その結
果、入射される可視光の入射強度を略低減させることな
く効率的に反射させることができるとともに、耐熱性に
優れた反射鏡とすることができる。また、可視波長帯の
全波長領域の可視光を反射させる際にも、波長依存性な
く、つまりは、色収差なく、略均一に反射させることが
できる。そのため、プリンター、ビデオプロジェクター
等において投射像を得る過程において、光源の光を反射
させる反射鏡を、本発明の可視光反射部材とすること
で、色むらのない良好な投射像を得ることが可能とな
る。また、同じ理由により、鏡として、本発明の可視光
反射部材を用いることにより写像にぼけやくすみ等のな
い鮮鋭な写像を得ることが可能となる。これらの分野に
関わらず、可視光に対する反射率の向上が必要となる反
射鏡においては、本発明の可視光反射部材は優位に適用
される。また、本発明の可視反射部材は、平面鏡、凹面
鏡、凸面鏡、放物面鏡、楕円面鏡といった種々の面形状
の反射鏡に適用可能である。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を用いながら以下に説明を行なう。図3は、本発明の可
視光反射部材の一実施形態を示す概略断面である。可視
波長帯に属する特定波長領域の可視光に対する多層膜反
射鏡とされる可視光反射部材1は、周期構造体100が
基体5上に積層された積層体50を有してなり、該周期
構造体100は、各々可視光に対して屈折率の違う媒質
よりなる高屈折率層10と低屈折率層11とを交互に周
期的に配列させるとともに積層させたものである。ま
た、周期構造体100における1周期は、高屈折率層1
0と低屈折率層11とを一対としたものである。さら
に、その1周期の層厚は、各々高屈折率層10および低
屈折率層11を構成する各々媒質における可視光の媒質
内波長を平均化した媒質内平均波長λaの半波長の整数
倍に対応するように調整されてなる。このような構成要
件を満たす周期構造体100は、可視光に対して一次元
フォトニック結晶と呼ばれるものとなる。その結果、可
視光反射部材1の可視光に対する反射率を、従来の多重
反射を利用した多層膜反射鏡に比べて向上させることが
可能となる。また、高屈折率層10内における可視光の
媒質内波長は、低屈折率層11内のものより短くなる。
このことは、高屈折率層10内における伝播光の層厚方
向への光密度が高いことを意味する。そこで、高屈折率
層10の層厚を、少なくとも、低屈折率層11の層厚よ
り小さくすることで、光散乱や光吸収が起こる確率を低
減させることができ、ひいては、可視光反射部材1の可
視光に対する反射率をさらに高めることができる。
を用いながら以下に説明を行なう。図3は、本発明の可
視光反射部材の一実施形態を示す概略断面である。可視
波長帯に属する特定波長領域の可視光に対する多層膜反
射鏡とされる可視光反射部材1は、周期構造体100が
基体5上に積層された積層体50を有してなり、該周期
構造体100は、各々可視光に対して屈折率の違う媒質
よりなる高屈折率層10と低屈折率層11とを交互に周
期的に配列させるとともに積層させたものである。ま
た、周期構造体100における1周期は、高屈折率層1
0と低屈折率層11とを一対としたものである。さら
に、その1周期の層厚は、各々高屈折率層10および低
屈折率層11を構成する各々媒質における可視光の媒質
内波長を平均化した媒質内平均波長λaの半波長の整数
倍に対応するように調整されてなる。このような構成要
件を満たす周期構造体100は、可視光に対して一次元
フォトニック結晶と呼ばれるものとなる。その結果、可
視光反射部材1の可視光に対する反射率を、従来の多重
反射を利用した多層膜反射鏡に比べて向上させることが
可能となる。また、高屈折率層10内における可視光の
媒質内波長は、低屈折率層11内のものより短くなる。
このことは、高屈折率層10内における伝播光の層厚方
向への光密度が高いことを意味する。そこで、高屈折率
層10の層厚を、少なくとも、低屈折率層11の層厚よ
り小さくすることで、光散乱や光吸収が起こる確率を低
減させることができ、ひいては、可視光反射部材1の可
視光に対する反射率をさらに高めることができる。
【0026】また、周期構造体100における1周期の
層厚を、媒質内平均波長λaの1波長(λa)または半
波長(λa/2)に対応するようにすることで、可視光
反射部材1の可視光に対する反射率をより高めることが
可能となる。図3における周期構造体100の1周期
は、可視光に対する屈折率の違う2種の媒質を用いた場
合であるが、図7に示したように、可視光に対して、屈
折率の違う3種以上の媒質を用いることも可能である。
さらに、図3においては、周期構造体100の最上層
(図面最上層)が、低屈折率層11となるように周期構
造体100の1周期が構成されているが、その最上層を
高屈折率層10となるようにしても勿論よい。このよう
に、周期構造体100の最上層に位置する層を構成する
媒質においては、その可視光に対する屈折率の大きさ
が、特に限定されるものではない。まず、周期構造体に
おいては、その1周期を構成する各媒質における可視光
に対する屈折率の大きさが最大となるものと、最小とな
るものとの屈折率差を大きくすることが重要である。
層厚を、媒質内平均波長λaの1波長(λa)または半
波長(λa/2)に対応するようにすることで、可視光
反射部材1の可視光に対する反射率をより高めることが
可能となる。図3における周期構造体100の1周期
は、可視光に対する屈折率の違う2種の媒質を用いた場
合であるが、図7に示したように、可視光に対して、屈
折率の違う3種以上の媒質を用いることも可能である。
さらに、図3においては、周期構造体100の最上層
(図面最上層)が、低屈折率層11となるように周期構
造体100の1周期が構成されているが、その最上層を
高屈折率層10となるようにしても勿論よい。このよう
に、周期構造体100の最上層に位置する層を構成する
媒質においては、その可視光に対する屈折率の大きさ
が、特に限定されるものではない。まず、周期構造体に
おいては、その1周期を構成する各媒質における可視光
に対する屈折率の大きさが最大となるものと、最小とな
るものとの屈折率差を大きくすることが重要である。
【0027】図2に示すように、基体5上に、波長領域
を異にする可視光に対して、それぞれ一次元フォトニッ
ク結晶となる第一周期構造体101と第二周期構造体1
02とを積層させた積層体50より可視光反射部材1を
構成させることもできる。このようにした場合、第一周
期構造体101および周期構造体102のそれぞれにて
反射される可視光の波長幅を合わせたものを、可視光反
射部材1にて反射させることが可能となる。図2におい
ては、2種の周期構造体100にて積層体50が構成さ
れているが、3種以上の周期構造体を用いることも勿論
可能である。
を異にする可視光に対して、それぞれ一次元フォトニッ
ク結晶となる第一周期構造体101と第二周期構造体1
02とを積層させた積層体50より可視光反射部材1を
構成させることもできる。このようにした場合、第一周
期構造体101および周期構造体102のそれぞれにて
反射される可視光の波長幅を合わせたものを、可視光反
射部材1にて反射させることが可能となる。図2におい
ては、2種の周期構造体100にて積層体50が構成さ
れているが、3種以上の周期構造体を用いることも勿論
可能である。
【0028】図2、図3における基体5も含めて、本発
明の可視光反射部材における基体の材質としては、周期
構造体を構成する各媒質にも依存するが、Si、SiO
2、SiC、CeO2、ZrO2、TiO2、MgO、
BN、AlN、Si3N4、Al2O3等を用いること
が可能であり、周期構造体を構成する各媒質におけるい
ずれかと同種のものを基体の材質として用いてもよい。
また、上記の材質のなかにおいては、機械的強度や耐熱
性に優れた、Si、SiO2、SiC、BNが基体の材
質に好適である。
明の可視光反射部材における基体の材質としては、周期
構造体を構成する各媒質にも依存するが、Si、SiO
2、SiC、CeO2、ZrO2、TiO2、MgO、
BN、AlN、Si3N4、Al2O3等を用いること
が可能であり、周期構造体を構成する各媒質におけるい
ずれかと同種のものを基体の材質として用いてもよい。
また、上記の材質のなかにおいては、機械的強度や耐熱
性に優れた、Si、SiO2、SiC、BNが基体の材
質に好適である。
【0029】図2、図3にて示したような、基体上に周
期構造体を積層させた積層体の形成は、CVD(Chemic
al Vapor Deposition)法、MOVPE(Metalorganic
Vapor Phase Epitaxy)法、MBE(Molecular Beam Ep
itaxy)法、高周波スパッタやマグネトロンスパッタも
含めたスパッタ法等の周知の薄膜成長方法を用いて形成
させることができる。また、積層面積を大きく確保する
必要がある、例えば、建築部材や鏡などに本発明の可視
光反射部材を適用する場合、その積層体の形成にスパッ
タ法、特には、マグネトロンスパッタ法を用いることが
有効である。
期構造体を積層させた積層体の形成は、CVD(Chemic
al Vapor Deposition)法、MOVPE(Metalorganic
Vapor Phase Epitaxy)法、MBE(Molecular Beam Ep
itaxy)法、高周波スパッタやマグネトロンスパッタも
含めたスパッタ法等の周知の薄膜成長方法を用いて形成
させることができる。また、積層面積を大きく確保する
必要がある、例えば、建築部材や鏡などに本発明の可視
光反射部材を適用する場合、その積層体の形成にスパッ
タ法、特には、マグネトロンスパッタ法を用いることが
有効である。
【0030】本発明の可視反射部材が有する一次元フォ
トニック結晶とされる周期構造体の可視光に対する反射
率特性を理論計算により検証した。以下、その結果につ
いて示す。
トニック結晶とされる周期構造体の可視光に対する反射
率特性を理論計算により検証した。以下、その結果につ
いて示す。
【0031】(理論計算1)周期構造体を図5に示すよ
うに2種の媒質より構成させるとともに、高屈折率層を
Si(屈折率3.5)より、低屈折率層をSiO2(屈
折率1.5)より構成させた場合とした。また、中心波
長が780nmとなる可視光とするとともに、高屈折率
層の層厚を、媒質内波長(中心波長/3.5)の1/4
波長、低屈折率層の層厚を、媒質内波長(中心波長/
1.5)の1/4波長とすることで、高屈折率層と低屈
折率層とを一対とした層厚が、それぞれの層の中心波長
に対する媒質内波長を平均化した媒質内平均波長の半波
長となる条件とした。また、高屈折率層および低屈折率
層を1周期とし、4周期積層させた条件で反射率特性の
計算を行なった。
うに2種の媒質より構成させるとともに、高屈折率層を
Si(屈折率3.5)より、低屈折率層をSiO2(屈
折率1.5)より構成させた場合とした。また、中心波
長が780nmとなる可視光とするとともに、高屈折率
層の層厚を、媒質内波長(中心波長/3.5)の1/4
波長、低屈折率層の層厚を、媒質内波長(中心波長/
1.5)の1/4波長とすることで、高屈折率層と低屈
折率層とを一対とした層厚が、それぞれの層の中心波長
に対する媒質内波長を平均化した媒質内平均波長の半波
長となる条件とした。また、高屈折率層および低屈折率
層を1周期とし、4周期積層させた条件で反射率特性の
計算を行なった。
【0032】(理論計算2)中心波長が580nmとな
る可視光とした以外は、理論計算1と同様の条件で、高
屈折率層および低屈折率層のそれぞれの層厚を仮定して
計算を行なった。 (理論計算3)中心波長を400nmとなる可視光とし
た以外は、理論計算1と同様の条件で、高屈折率層およ
び低屈折率層のそれぞれの層厚を仮定して計算を行なっ
た。
る可視光とした以外は、理論計算1と同様の条件で、高
屈折率層および低屈折率層のそれぞれの層厚を仮定して
計算を行なった。 (理論計算3)中心波長を400nmとなる可視光とし
た以外は、理論計算1と同様の条件で、高屈折率層およ
び低屈折率層のそれぞれの層厚を仮定して計算を行なっ
た。
【0033】上記理論計算の結果を図9に合わせて示
す。図9(a)が理論計算1に、図9(b)が理論計算
2に、図9(c)が理論計算3にそれぞれ対応する。こ
れらの結果より、それぞれの中心波長からなる可視光に
対して、反射率1となる完全反射が実現されることが分
かる。
す。図9(a)が理論計算1に、図9(b)が理論計算
2に、図9(c)が理論計算3にそれぞれ対応する。こ
れらの結果より、それぞれの中心波長からなる可視光に
対して、反射率1となる完全反射が実現されることが分
かる。
【0034】図9(a)に示す周期構造体を有する可視
反射部材は、少なくとも赤色に対応する波長領域の可視
光を完全反射させるものとなり、図9(b)に示す周期
構造体を有する可視光反射部材は、少なくも緑色に対応
する波長領域の可視光を完全反射させるものとなり、図
9(c)に示す周期構造体を有する可視光反射部材は、
少なくとも青色に対応する波長領域の可視光を完全反射
させるものとなることが分かる。このように、周期構造
体を一次元フォトニック結晶とすることで、該周期構造
体を有する本発明の可視光反射部材は、可視波長帯に属
する特定波長領域の可視光を完全反射させることができ
る。
反射部材は、少なくとも赤色に対応する波長領域の可視
光を完全反射させるものとなり、図9(b)に示す周期
構造体を有する可視光反射部材は、少なくも緑色に対応
する波長領域の可視光を完全反射させるものとなり、図
9(c)に示す周期構造体を有する可視光反射部材は、
少なくとも青色に対応する波長領域の可視光を完全反射
させるものとなることが分かる。このように、周期構造
体を一次元フォトニック結晶とすることで、該周期構造
体を有する本発明の可視光反射部材は、可視波長帯に属
する特定波長領域の可視光を完全反射させることができ
る。
【0035】(理論計算4)周期構造体の1周期を構成
する2種の媒質を、TiO2(屈折率2.4)とSiO
2(屈折率1.5)として、中心波長を500nmとな
る可視光とした以外は、理論計算1と同様の条件で、高
屈折率層および低屈折率層のそれぞれの層厚を仮定して
計算を行なった。 (理論計算5)中心波長を720nmとなる可視光とし
た以外は、理論計算4と同条件で、高屈折率層および低
屈折率層のそれぞれの層厚を仮定して計算を行なった。
する2種の媒質を、TiO2(屈折率2.4)とSiO
2(屈折率1.5)として、中心波長を500nmとな
る可視光とした以外は、理論計算1と同様の条件で、高
屈折率層および低屈折率層のそれぞれの層厚を仮定して
計算を行なった。 (理論計算5)中心波長を720nmとなる可視光とし
た以外は、理論計算4と同条件で、高屈折率層および低
屈折率層のそれぞれの層厚を仮定して計算を行なった。
【0036】上記理論計算4および5の計算結果を合わ
せて図10に示す。それぞれの周期構造体は、各々仮定
した中心波長の可視光に対して完全反射させるものとな
ることが分かる。しかしながら、SiとSiO2とを組
み合わせた場合に比べて、その屈折率差が小さいため
に、完全反射できる波長幅は、減少していることがわか
る。これら理論計算より、周期構造体の1周期を構成す
る媒質において、可視光に対する屈折率が最大となるも
のと、最小となるものを適宜選択することで、反射させ
る可視光の波長幅を自由に調整できることが分かる。そ
の結果、ある特定波長領域の可視光を選択的に反射させ
る光学レンズやフィルターとして、本発明の可視光反射
部材は、優位に適用させることが可能となる。また、図
1(a)の模式図に示すように、本発明の可視光反射部
材1は、入射させる白色光に対して、それぞれ、白色光
における赤成分、緑成分、青色成分を概ね選択的に分光
反射させることが可能なフィルターもしくは、ダイクロ
イックミラーとして適用させることも可能である。
せて図10に示す。それぞれの周期構造体は、各々仮定
した中心波長の可視光に対して完全反射させるものとな
ることが分かる。しかしながら、SiとSiO2とを組
み合わせた場合に比べて、その屈折率差が小さいため
に、完全反射できる波長幅は、減少していることがわか
る。これら理論計算より、周期構造体の1周期を構成す
る媒質において、可視光に対する屈折率が最大となるも
のと、最小となるものを適宜選択することで、反射させ
る可視光の波長幅を自由に調整できることが分かる。そ
の結果、ある特定波長領域の可視光を選択的に反射させ
る光学レンズやフィルターとして、本発明の可視光反射
部材は、優位に適用させることが可能となる。また、図
1(a)の模式図に示すように、本発明の可視光反射部
材1は、入射させる白色光に対して、それぞれ、白色光
における赤成分、緑成分、青色成分を概ね選択的に分光
反射させることが可能なフィルターもしくは、ダイクロ
イックミラーとして適用させることも可能である。
【0037】ここまでに、本発明の可視光反射部材を、
特定波長領域の可視光を完全反射の形で選択的に反射さ
せるものとして捉えてきた。しかしながら、一次元フォ
トニック結晶である周期構造体を複数用いることによ
り、特定波長領域の可視光を、選択的に透過させること
も可能である。その例を理論計算4および5にて得た結
果をもとに説明を行なう。理論計算4および5における
周期構造体のような2種を用いて、図2に示したような
積層体を構成させる。この場合、それぞれの周期構造体
において、完全反射される波長幅が重ならないように、
それぞれの1周期を構成する媒質および層厚を適宜選択
・調整させる。その結果、図11に示すように、2種の
周期構造体にて反射される波長領域の間に位置する可視
光は、透過率1に近い形にて透過されることになる。ま
た、TiO2とSiO2は、可視波長帯において透明で
あるので、このことは実現可能である。また、選択的に
透過される透過光の波長領域、半値幅は、周期構造体の
1周期を構成する媒質および層厚を適宜選択・調整する
ことにより可能である。このように、図1(b)の模式
図に示すように、本発明の可視光部材は、可視光とされ
る入射光に対して、ある特定波長領域の可視光のみを選
択的に透過させるフィルターやレンズに優位に適用させ
ることが可能である。また、図11に示す図において、
例えば、計算結果4を、その完全反射される中心波長を
長波長側にシフトするようなものにすれば、透過される
透過光の透過率は、低減される。このように、透過光の
光量を調整するフィルターとすることも可能である。
特定波長領域の可視光を完全反射の形で選択的に反射さ
せるものとして捉えてきた。しかしながら、一次元フォ
トニック結晶である周期構造体を複数用いることによ
り、特定波長領域の可視光を、選択的に透過させること
も可能である。その例を理論計算4および5にて得た結
果をもとに説明を行なう。理論計算4および5における
周期構造体のような2種を用いて、図2に示したような
積層体を構成させる。この場合、それぞれの周期構造体
において、完全反射される波長幅が重ならないように、
それぞれの1周期を構成する媒質および層厚を適宜選択
・調整させる。その結果、図11に示すように、2種の
周期構造体にて反射される波長領域の間に位置する可視
光は、透過率1に近い形にて透過されることになる。ま
た、TiO2とSiO2は、可視波長帯において透明で
あるので、このことは実現可能である。また、選択的に
透過される透過光の波長領域、半値幅は、周期構造体の
1周期を構成する媒質および層厚を適宜選択・調整する
ことにより可能である。このように、図1(b)の模式
図に示すように、本発明の可視光部材は、可視光とされ
る入射光に対して、ある特定波長領域の可視光のみを選
択的に透過させるフィルターやレンズに優位に適用させ
ることが可能である。また、図11に示す図において、
例えば、計算結果4を、その完全反射される中心波長を
長波長側にシフトするようなものにすれば、透過される
透過光の透過率は、低減される。このように、透過光の
光量を調整するフィルターとすることも可能である。
【0038】ここまでに述べた計算結果における媒質の
材料は、可視波長帯において、概ね透明とできるものを
用いた。このように、周期構造体の1周期を構成する媒
質は、可視波長帯において、より透明であるものを選択
することが望ましい。さらには、基体の材質にも同様な
ことが言える。また、本発明の可視光反射部材が有する
周期構造体は、その周期数が4周期あれば、十分にその
効果が現れることが分かる。このようにして、本発明の
可視光反射部材は、また簡便にその効果を現すことがで
きる。勿論、よりその効果を確実なものとするために、
周期構造体の周期数を4周期より大きなものとすること
を妨げるものではない。また、実際の系においては、作
業効率の観点からおよび、この計算結果から類推して1
0周期程度あれば十分であると考えられる。
材料は、可視波長帯において、概ね透明とできるものを
用いた。このように、周期構造体の1周期を構成する媒
質は、可視波長帯において、より透明であるものを選択
することが望ましい。さらには、基体の材質にも同様な
ことが言える。また、本発明の可視光反射部材が有する
周期構造体は、その周期数が4周期あれば、十分にその
効果が現れることが分かる。このようにして、本発明の
可視光反射部材は、また簡便にその効果を現すことがで
きる。勿論、よりその効果を確実なものとするために、
周期構造体の周期数を4周期より大きなものとすること
を妨げるものではない。また、実際の系においては、作
業効率の観点からおよび、この計算結果から類推して1
0周期程度あれば十分であると考えられる。
【0039】(理論計算6)次に、可視波長帯の全波長
領域の可視光を反射させる場合について計算した。中心
波長を500nmとなる可視光とした以外は、理論計算
1と同条件で、高屈折率層および低屈折率層のそれぞれ
の層厚を仮定して計算を行なった。 (理論計算7)中心波長を550nmとなる可視光とし
た以外は、理論計算1と同条件で、高屈折率層および低
屈折率層のそれぞれの層厚を仮定して計算を行なった。
領域の可視光を反射させる場合について計算した。中心
波長を500nmとなる可視光とした以外は、理論計算
1と同条件で、高屈折率層および低屈折率層のそれぞれ
の層厚を仮定して計算を行なった。 (理論計算7)中心波長を550nmとなる可視光とし
た以外は、理論計算1と同条件で、高屈折率層および低
屈折率層のそれぞれの層厚を仮定して計算を行なった。
【0040】上記理論計算6および7にて得られた結果
を合わせて図12に示す。理論計算6の結果が実線に、
理論計算7の結果が破線に対応する。図12より、周期
構造体の1周期を構成する媒質として、SiとSiO2
の組み合わせを選択することで、単一の周期構造体にて
可視波長帯の全波長領域の可視光を完全反射させること
が可能である。また、より確実にするために、この2種
の周期構造体より積層体を構成させたものを用いること
も可能である。
を合わせて図12に示す。理論計算6の結果が実線に、
理論計算7の結果が破線に対応する。図12より、周期
構造体の1周期を構成する媒質として、SiとSiO2
の組み合わせを選択することで、単一の周期構造体にて
可視波長帯の全波長領域の可視光を完全反射させること
が可能である。また、より確実にするために、この2種
の周期構造体より積層体を構成させたものを用いること
も可能である。
【0041】このように本発明の可視反射部材は、可視
波長帯の全波長領域の可視光を反射させるものとしても
優位に適用させることが可能となる。そこで、該本発明
の可視光反射部材を、例えば、図13(a)の模式図に
示すような放物面鏡とした場合、光源Sからの可視光を
その強度を低減させることなく、均一に平行光として外
部へ照射させることが可能となる。このように、例え
ば、照明用ランプやビデオプロジェクター用の光源に対
する反射鏡として、優位に適用させることができる。ま
た、図13(b)に示すように、平面鏡とした場合にお
いては、入射光Sに対して、可視波長帯のみ遮光する建
築材や、可視光波長帯の全波長に対応する入射光Sを効
率よく反射させるミラーとして使用することが可能とな
る。また、基体5を、例えばソーダガラスからなる透明
な板ガラスやアクリル樹脂などの透明樹脂板として、可
視反射部材1をガラス建材として用いることも可能であ
る。また、ここに示したもの以外にも、多面鏡、凹面
鏡、凸面鏡、楕円面鏡といった形状のものにも勿論適用
可能である。
波長帯の全波長領域の可視光を反射させるものとしても
優位に適用させることが可能となる。そこで、該本発明
の可視光反射部材を、例えば、図13(a)の模式図に
示すような放物面鏡とした場合、光源Sからの可視光を
その強度を低減させることなく、均一に平行光として外
部へ照射させることが可能となる。このように、例え
ば、照明用ランプやビデオプロジェクター用の光源に対
する反射鏡として、優位に適用させることができる。ま
た、図13(b)に示すように、平面鏡とした場合にお
いては、入射光Sに対して、可視波長帯のみ遮光する建
築材や、可視光波長帯の全波長に対応する入射光Sを効
率よく反射させるミラーとして使用することが可能とな
る。また、基体5を、例えばソーダガラスからなる透明
な板ガラスやアクリル樹脂などの透明樹脂板として、可
視反射部材1をガラス建材として用いることも可能であ
る。また、ここに示したもの以外にも、多面鏡、凹面
鏡、凸面鏡、楕円面鏡といった形状のものにも勿論適用
可能である。
【0042】ここまでに述べてきたように本発明の可視
光反射部材は、可視波長帯に属する特定波長領域(全波
長領域も含む)の可視光を完全反射に近い形で、簡便に
反射させることを可能とする。なお、上記した、実施形
態および理論計算の形態に本発明の可視光反射部材は限
定されるものではない。可視波長帯に属する特定波長領
域の可視光に対して、その反射率の向上が求められるも
のについては、その概念として本発明の可視光反射部材
は、内包されるものである。
光反射部材は、可視波長帯に属する特定波長領域(全波
長領域も含む)の可視光を完全反射に近い形で、簡便に
反射させることを可能とする。なお、上記した、実施形
態および理論計算の形態に本発明の可視光反射部材は限
定されるものではない。可視波長帯に属する特定波長領
域の可視光に対して、その反射率の向上が求められるも
のについては、その概念として本発明の可視光反射部材
は、内包されるものである。
【図1】本発明の一実施形態を説明するための模式図。
【図2】本発明の一実施形態を示す概略断面図。
【図3】本発明の一実施形態を示す概略断面図。
【図4】本発明における周期構造体を説明するための模
式図。
式図。
【図5】本発明における周期構造体を示す概略断面図。
【図6】本発明における周期構造体を説明するための模
式図。
式図。
【図7】本発明における周期構造体を示す概略断面図。
【図8】本発明の周期構造体を説明するための模式図。
【図9】本発明の可視光反射部材が有する一次元フォト
ニック結晶の周期構造体の反射率を理論計算した計算結
果。
ニック結晶の周期構造体の反射率を理論計算した計算結
果。
【図10】図9に続く理論計算の計算結果。
【図11】図10に続く理論計算の計算結果。
【図12】図11に続く理論計算の計算結果。
【図13】本発明の一実施形態を示す模式図。
1 可視光反射部材
5 基体
10 高屈折率層
11 低屈折率層
12 中屈折率層
50 積層体
100 周期構造体
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
Fターム(参考) 2H042 DA08 DA09
2H048 FA05 FA09 FA15 FA24 GA04
GA07 GA12 GA33 GA61
2H091 FA01Z FA05Z FA14Z FD01
FD21 FD23 MA07
4F100 AA12C AA12E AA13C AA13E
AA14C AA14E AA18C AA18E
AA19C AA19E AA20C AA20E
AA26C AA26E AA29C AA29E
AB11B AB11D AG00 AK25
AT00A BA05 BA07 BA10A
BA10E GB07 GB48 GB66
JN06 JN18B JN18C JN18D
JN18E YY00B YY00C YY00D
YY00E
Claims (10)
- 【請求項1】 可視波長帯に属する特定波長領域の可視
光を反射させる可視光反射部材であって、 前記可視光に対する屈折率の違う2種以上の媒質を周期
的に配列させた複数の周期構造体が、基体上に積層され
た積層体を有してなり、かつ、該周期構造体は、前記可
視光に対して一次元フォトニック結晶となるように、そ
の1周期の層厚が調整されてなることを特徴とする可視
光反射部材。 - 【請求項2】 前記積層体は、基体上に単一の前記周期
構造体が積層されたものであることを特徴とする請求項
1記載の可視光反射部材。 - 【請求項3】 前記周期構造体は、前記可視光に対する
屈折率の違う2種の媒質を周期的に配列させたものであ
ることを特徴とする請求項1又は2に記載の可視光反射
部材。 - 【請求項4】 前記周期構造体の1周期を構成する各媒
質において、前記可視光に対する屈折率が最大となるも
のと、最小となるものとの屈折率差が、1.0以上であ
ることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に
記載の可視光反射部材。 - 【請求項5】 前記周期構造体の1周期を構成する各媒
質において、前記可視光に対する屈折率が最大となるも
のは、その屈折率が3.0以上であることを特徴とする
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の可視光反射部
材。 - 【請求項6】 前記可視光に対する屈折率が3.0以上
となる媒質は、Siよりなることを特徴とする請求項5
記載の可視光反射部材。 - 【請求項7】 前記周期構造体の1周期を構成する各媒
質において、前記可視光に対する屈折率が最小となるも
のは、SiO2、CeO2、ZrO2、MgO、Sb2
O3、BN、AlN、Si3N4、Al2O3のいずれ
かよりなるものであることを特徴とする請求項1ないし
6のいずれか1項に記載の可視光反射部材。 - 【請求項8】 前記周期構造体の1周期を構成する各媒
質において、前記可視光に対する屈折率が最大となるも
のは、Siよりなり、一方、最小となるものはSiO2
よりなるものであることを特徴とする請求項4記載の可
視光反射部材。 - 【請求項9】 前記可視光は、前記可視波長帯の全波長
領域に対応するものであることを特徴とする請求項1な
いし8のいずれか1項に記載の可視光反射部材。 - 【請求項10】 前記積層体は、基体上に単一の前記周
期構造体が積層されたものであり、かつ、該周期構造体
は、前記可視光に対して屈折率の違う2種の媒質を周期
的に配列させたものであるとともに、該2種の媒質は、
一方がSiよりなり、他方がSiO2よりなることを特
徴とする請求項9記載の可視光反射部材。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002068568A JP2003270432A (ja) | 2002-03-13 | 2002-03-13 | 可視光反射部材 |
PCT/JP2003/001969 WO2003073055A1 (fr) | 2002-02-28 | 2003-02-24 | Systeme de mesure de la temperature, dispositif de chauffage utilisant le systeme, procede de production d'une plaquette a semi-conducteurs, element translucide de protection contre les rayons calorifiques, element reflechissant la lumiere visible, miroir reflechissant utilisant un systeme d'exposition, dispositif a semi-co |
US10/504,223 US20050063451A1 (en) | 2002-02-28 | 2003-02-24 | Temperature measuring system, heating device using it and production method for semiconductor wafer, heat ray insulating translucent member, visible light reflection membner, exposure system-use reflection mirror and exposure system, and semiconductor device produced by using them and vetical heat treating device |
TW092103866A TW200305713A (en) | 2002-02-28 | 2003-02-25 | Temperature measuring system, heating device using it; lamp, heat ray insulating translucent member, visible light reflection member, exposure system-use reflection mirror and semiconductor device produced by using them and vertical heat treating device |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002068568A JP2003270432A (ja) | 2002-03-13 | 2002-03-13 | 可視光反射部材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003270432A true JP2003270432A (ja) | 2003-09-25 |
Family
ID=29199638
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002068568A Pending JP2003270432A (ja) | 2002-02-28 | 2002-03-13 | 可視光反射部材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003270432A (ja) |
Cited By (16)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003344645A (ja) * | 2002-05-27 | 2003-12-03 | Hamamatsu Photonics Kk | 光反射膜及び光反射膜の製造方法 |
JP2006139050A (ja) * | 2004-11-12 | 2006-06-01 | Shin Etsu Handotai Co Ltd | 多層基板およびそれを用いた反射型液晶表示素子 |
JP2008009125A (ja) * | 2006-06-29 | 2008-01-17 | Nippon Electric Glass Co Ltd | 波長分離膜及びそれを用いた光通信用フィルタ |
JP2010537235A (ja) * | 2007-08-20 | 2010-12-02 | オプトシク ゲーエムベーハー | 炭化ケイ素の走査および光学ミラーの製造および加工方法 |
WO2011114466A1 (ja) * | 2010-03-17 | 2011-09-22 | 株式会社 東芝 | ミラー |
JP2012528345A (ja) * | 2009-05-29 | 2012-11-12 | テクノロジアン タトキマスケスクス ヴィーティーティー | 調節可能な微小機械ファブリ・ペロー干渉計、中間産物、およびその製造方法 |
JP2014216571A (ja) * | 2013-04-26 | 2014-11-17 | 株式会社豊田自動織機 | 半導体基板の製造方法および半導体基板 |
JP2015179856A (ja) * | 2010-12-24 | 2015-10-08 | ソウル バイオシス カンパニー リミテッドSeoul Viosys Co.,Ltd. | 発光ダイオードチップ及びそれを製造する方法 |
JP2016146407A (ja) * | 2015-02-06 | 2016-08-12 | 豊田合成株式会社 | 光学多層膜および発光素子 |
JP2017085081A (ja) * | 2015-10-23 | 2017-05-18 | ソウル バイオシス カンパニー リミテッドSeoul Viosys Co.,Ltd. | 分布ブラッグ反射器を有する発光ダイオードチップ |
KR20170069135A (ko) * | 2015-12-09 | 2017-06-20 | 현대자동차주식회사 | 금속광택을 갖는 전파 투과형 커버 |
US10107894B2 (en) | 2015-12-09 | 2018-10-23 | Hyundai Motor Company | Radio-wave-penetrable layer having metallic luster |
KR101913878B1 (ko) * | 2010-12-29 | 2018-10-31 | 쓰리엠 이노베이티브 프로퍼티즈 컴파니 | 원격 인광체 led 소자를 위한 인광체 반사기 조립체 |
CN112097950A (zh) * | 2020-08-21 | 2020-12-18 | 中国电子科技集团公司第十三研究所 | 基于光热反射的温度测量方法、装置及终端设备 |
CN114609712A (zh) * | 2022-03-11 | 2022-06-10 | 河南工程学院 | 一种宽光谱高反射率的光电器件 |
US11714301B2 (en) | 2019-12-10 | 2023-08-01 | Samsung Eleotronicc Co., Ltd. | Light modulator, optical device including light modulator, and electronic apparatus including optical device |
-
2002
- 2002-03-13 JP JP2002068568A patent/JP2003270432A/ja active Pending
Cited By (22)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003344645A (ja) * | 2002-05-27 | 2003-12-03 | Hamamatsu Photonics Kk | 光反射膜及び光反射膜の製造方法 |
JP2006139050A (ja) * | 2004-11-12 | 2006-06-01 | Shin Etsu Handotai Co Ltd | 多層基板およびそれを用いた反射型液晶表示素子 |
JP2008009125A (ja) * | 2006-06-29 | 2008-01-17 | Nippon Electric Glass Co Ltd | 波長分離膜及びそれを用いた光通信用フィルタ |
JP2010537235A (ja) * | 2007-08-20 | 2010-12-02 | オプトシク ゲーエムベーハー | 炭化ケイ素の走査および光学ミラーの製造および加工方法 |
JP2012528345A (ja) * | 2009-05-29 | 2012-11-12 | テクノロジアン タトキマスケスクス ヴィーティーティー | 調節可能な微小機械ファブリ・ペロー干渉計、中間産物、およびその製造方法 |
US8934172B2 (en) | 2010-03-17 | 2015-01-13 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Mirror |
WO2011114466A1 (ja) * | 2010-03-17 | 2011-09-22 | 株式会社 東芝 | ミラー |
JP5586687B2 (ja) * | 2010-03-17 | 2014-09-10 | 株式会社東芝 | ミラー |
JP2018101814A (ja) * | 2010-12-24 | 2018-06-28 | ソウル バイオシス カンパニー リミテッドSeoul Viosys Co.,Ltd. | 発光ダイオードパッケージ |
JP2017028305A (ja) * | 2010-12-24 | 2017-02-02 | ソウル バイオシス カンパニー リミテッドSeoul Viosys Co.,Ltd. | 発光ダイオードチップ及びそれを製造する方法 |
JP2015179856A (ja) * | 2010-12-24 | 2015-10-08 | ソウル バイオシス カンパニー リミテッドSeoul Viosys Co.,Ltd. | 発光ダイオードチップ及びそれを製造する方法 |
KR101913878B1 (ko) * | 2010-12-29 | 2018-10-31 | 쓰리엠 이노베이티브 프로퍼티즈 컴파니 | 원격 인광체 led 소자를 위한 인광체 반사기 조립체 |
JP2014216571A (ja) * | 2013-04-26 | 2014-11-17 | 株式会社豊田自動織機 | 半導体基板の製造方法および半導体基板 |
JP2016146407A (ja) * | 2015-02-06 | 2016-08-12 | 豊田合成株式会社 | 光学多層膜および発光素子 |
JP2017085081A (ja) * | 2015-10-23 | 2017-05-18 | ソウル バイオシス カンパニー リミテッドSeoul Viosys Co.,Ltd. | 分布ブラッグ反射器を有する発光ダイオードチップ |
JP2018088535A (ja) * | 2015-10-23 | 2018-06-07 | ソウル バイオシス カンパニー リミテッドSeoul Viosys Co.,Ltd. | 分布ブラッグ反射器を有する発光ダイオードチップ |
US10107894B2 (en) | 2015-12-09 | 2018-10-23 | Hyundai Motor Company | Radio-wave-penetrable layer having metallic luster |
KR20170069135A (ko) * | 2015-12-09 | 2017-06-20 | 현대자동차주식회사 | 금속광택을 갖는 전파 투과형 커버 |
KR101918351B1 (ko) * | 2015-12-09 | 2018-11-14 | 현대자동차주식회사 | 금속광택을 갖는 전파 투과형 커버 |
US11714301B2 (en) | 2019-12-10 | 2023-08-01 | Samsung Eleotronicc Co., Ltd. | Light modulator, optical device including light modulator, and electronic apparatus including optical device |
CN112097950A (zh) * | 2020-08-21 | 2020-12-18 | 中国电子科技集团公司第十三研究所 | 基于光热反射的温度测量方法、装置及终端设备 |
CN114609712A (zh) * | 2022-03-11 | 2022-06-10 | 河南工程学院 | 一种宽光谱高反射率的光电器件 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2003270432A (ja) | 可視光反射部材 | |
US7006292B2 (en) | Multi-cavity optical filter | |
KR100691544B1 (ko) | 반사 방지 중합체 구조물 및 이것의 제조 방법 | |
US7301700B2 (en) | Polarization beam splitter and optical system using the same, and image displaying apparatus, using the same | |
US7236655B2 (en) | Polarization element and optical device using polarization element | |
CN108431640A (zh) | 具有抗反射和高反射涂层的基于波导的显示器 | |
US20080013178A1 (en) | Dielectric multilayer filter | |
JP2007183525A (ja) | 誘電体多層膜フィルタ | |
CA2480648A1 (en) | Dichroic mirror and projection-type display unit | |
CN101452197B (zh) | 图像荧幕 | |
CN108957860A (zh) | 显示装置及其制备方法 | |
US7961392B2 (en) | Polarization beam splitter and polarization conversion element | |
US20150130983A1 (en) | Polarizer, optical apparatus, light source apparatus, and image pickup apparatus | |
JP5765984B2 (ja) | 偏光分離素子および画像投射装置 | |
US8009357B2 (en) | Image screen | |
JP2011203359A (ja) | 誘電体層を用いたリフレクタおよびその製造方法 | |
JP2003318094A (ja) | 露光装置用反射鏡および露光装置ならびに、それらを用いて製造される半導体デバイス | |
JPH11202127A (ja) | ダイクロイックミラー | |
JPH11101913A (ja) | 光学素子 | |
JP3584257B2 (ja) | 偏光ビームスプリッタ | |
JP4537115B2 (ja) | 偏光分離プリズム | |
JP2835535B2 (ja) | 光学部品の反射防止膜 | |
JP4054623B2 (ja) | 光学多層膜及び光学素子 | |
JP2001318221A (ja) | 長波長遮断光学フィルタ・短波長遮断光学フィルタ・クロスプリズム・クロスミラー・液晶プロジェクタ | |
JP6247033B2 (ja) | Irカットフィルタ |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040526 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070827 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20071219 |