JP2003269443A - スラスト動圧軸受 - Google Patents
スラスト動圧軸受Info
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Abstract
転トルクの増大を抑えるとともに、動圧発生に関与する
ハウジングやシャフトのフランジ部の端面の傷つきを防
止することのできるスラスト動圧軸受を提供する。 【解決手段】 ハウジング密閉端側のシャフト1のフラ
ンジ部端面21と、この端面21に対向するハウジング
2の受け面14aの少なくとも一方に、ポンプイン型の
密閉端側スラスト用動圧溝21aを形成するとともに、
ハウジング開放端側のシャフト1のフランジ部端面22
と、この端面22に対向するハウジング2の受け面13
aの少なくとも一方に、ヘリングボーン型の開放端側ス
ラスト用動圧溝22aを形成する。この構成により、動
圧発生面(21,14a)間に十分な潤滑流体32を供
給し、負圧の発生を防止することができる。また、動圧
溝21aのポンピング作用によって、動圧発生面どうし
の接触による傷つきを防止することができる。
Description
重を支えるスラスト動圧軸受に関し、更に詳しくは、起
動・停止時のトルクを低減し、動圧発生面の傷つきを防
止することのできるスラスト動圧軸受に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、パーソナルコンピュータに使用さ
れるハードディスク装置等において、従来の転がり軸受
を使用したスピンドルモータでは、静粛性や高速・高精
度の回転を満足できず、その代替として動圧軸受(ある
いは流体軸受)を使用したスピンドルモータが採用され
始めている。このようなスピンドルモータ等に用いられ
る動圧軸受は、所定の潤滑流体の動圧を利用してシャフ
トを回転自由に支承するものであって、通常、回転軸の
ラジアル方向の支持を行うラジアル動圧軸受と、回転軸
のスラスト(アキシャル)方向の支持を行うスラスト動
圧軸受が設けられている。 【0003】図4は、従来のスラスト動圧軸受の構造を
示す断面模式図であり、図5は、このスラスト動圧軸受
に形成された動圧溝のパターンを示す模式図である。こ
の動圧軸受は、図4に示すように、軸体11とこの軸体
11の一端に設けられたフランジ部12とからなるシャ
フト1を、一方の開口が密封された片側密閉空間(3
1)を有するハウジング2内に収納し、この片側密閉空
間(31)に潤滑流体32を充填した構造のものであ
る。このハウジング2は、略筒状の軸受スリーブ13の
一方の開口を、スラスト板14等によって密封し形成さ
れている。このハウジング2の内周面に嵌合されるシャ
フト1は、ハウジング2の密閉端側(図示上方)のフラ
ンジ部端面21と、ハウジング2の開放端側(図示下
方)のフランジ部端面22に、それぞれ密閉端側スラス
ト用動圧溝21bと開放端側スラスト用動圧溝22bが
形成されているとともに、軸体11の外周面にはラジア
ル用動圧軸受となる動圧溝11aが形成されている。 【0004】なお、スラスト動圧軸受の製造方法によっ
ては、スラスト用動圧溝21b,22bが、それぞれ密
閉端側端面21に対向するスラスト板14の内側端面1
4a、および開放端側端面22に対向する軸受スリーブ
13の受け面13aに形成されている場合もある。ま
た、説明が煩雑になるのを防ぐため、軸体11に形成さ
れたラジアル用動圧軸受の詳細な説明は省略する。 【0005】次に、スラスト用動圧軸受に用いられる動
圧溝の平面パターンとその圧力分布の例を図6に示す。
スラスト用動圧溝のパターンとしては、スパイラル状に
配置された動圧溝が、回転によって流体を径方向内側に
向かって移動させ、動圧溝の径方向内端近傍で最大動圧
を発生するように機能するポンプインタイプ(A)、そ
の逆にスパイラル状に配置された動圧溝が流体を径方向
外側に向かって移動させるポンプアウトタイプ(B)、
および環状に配置された略V字状の動圧溝によって径方
向の略中央部近傍で最大動圧を発生するヘリングボーン
タイプ(C)等が知られている。また、これらの動圧溝
パターンの回転によって発生する動圧Pは、それぞれ図
中のグラフに示したような圧力分布を示す。 【0006】図5に示すように、通常、スラスト動圧軸
受のシャフト1のフランジ部12(図5(b))には、
密閉端側端面21および開放端側端面22共にヘリング
ボーンタイプのスラスト用動圧溝21b,22bが採用
されている場合が多い(図5(a)と(c))。 【0007】そして、このスラスト動圧軸受は、シャフ
ト1が鉛直方向となるように設置されている場合、回転
の停止時には、重力によってハウジング2が下降し、ス
ラスト板14の内側端面14aとフランジ部12の密閉
端側端面21とを接した状態で静止している。モータ等
からの入力によって回転が始動した場合は、シャフト1
とハウジング2の相対回転によりスラスト用動圧溝21
b,22bで発生する動圧によって、スラスト板14の
内側端面14aが、フランジ部12の密閉端側端面21
から所定量浮上して安定し、両スラスト方向の荷重を支
持することとなる。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】ところで、以上のよう
なスラスト動圧軸受において、起動・停止時に回転トル
クが大きくなってしまうことがあった。この現象は、動
圧バランスの乱れにより局部的な負圧が生じ、シャフト
のフランジ部とスラスト板の間で、いわゆる吸着現象が
発生したために起こると考えられる。 【0009】スラスト動圧軸受は、高速回転している場
合、ハウジングが十分浮上して、スラスト板とシャフト
のフランジ部端面との距離(浮上量)は所定の設計値と
なっている。そのため、スラスト板とフランジ部端面と
の隙間には、動圧を発生するのに十分な潤滑流体の循環
が存在する。しかしながら、回転の起動時と停止直前に
は、これらスラスト板とフランジ部端面との距離が接近
しているため、これらの間には動圧を発生させるのに十
分な潤滑流体が存在せず、特に回転中心に近い径方向内
側部分では流体の不足による負圧が発生してしまう。 【0010】また、十分に浮上して高速回転時している
時には問題とならなかった動圧溝の加工誤差も、接近し
て低速で回転する起動・停止時には、動圧溝の形状や溝
深さ等の微小な加工のばらつきが、軸受の回転バランス
に影響を与えてしまう。そのため、起動時にハウジング
の浮上が遅れた場合や、停止直前に負圧による急激な回
転停止やハウジングの降下が発生した場合は、スラスト
板とフランジ部の端面が接触し、これらを損傷してしま
う可能性もある。 【0011】本発明は、上記する課題に対処するために
なされたものであり、起動・停止時の吸着現象を防止
し、軸受の回転トルクの増大を抑えるとともに、動圧発
生に関与するハウジングやシャフトのフランジ部の端面
の傷つきを防止することのできるスラスト動圧軸受を提
供することを目的としている。 【0012】 【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の発明は、軸体とこの軸体の一端
に設けられたフランジ部とからなるシャフトと、上記シ
ャフトが相対回転自在に嵌合され、一端が密閉された片
側密閉ハウジングとを備え、上記ハウジングの密閉端側
の上記フランジ部端面とこの端面に対向するハウジング
の受け面の少なくとも一方には、密閉端側スラスト用動
圧溝が形成され、かつ、上記ハウジングの開放端側の上
記フランジ部端面とこの端面に対向するハウジングの受
け面の少なくとも一方には、開放端側スラスト用動圧溝
が形成されているとともに、これらシャフトとハウジン
グの相対回転により発生する動圧によってスラスト方向
の荷重を支えるスラスト動圧軸受において、上記密閉端
側スラスト用動圧溝が、この動圧溝の径方向内端近傍で
最大動圧を発生するポンプイン型に形成され、かつ、上
記開放端側スラスト用動圧溝が、この動圧溝の径方向中
央近傍で最大動圧を発生するヘリングボーン型に形成さ
れていることを特徴とする。 【0013】本発明は、軸体とこの軸体の一端に設けら
れたフランジ部とからなるシャフトを、一方の開口が密
封された片側密閉空間を有するハウジング内に収納する
スラスト動圧軸受において、密閉端側のスラスト用動圧
溝と開放端側のスラスト用動圧溝とを、異なる溝パター
ンで形成することによって、所期の目的を達成しようと
するものである。 【0014】すなわち、請求項1に係る発明において
は、ハウジング密閉端側のシャフトのフランジ部端面
と、この端面に対向するハウジングの受け面の少なくと
も一方に、ポンプイン型の密閉端側スラスト用動圧溝を
形成するとともに、ハウジング開放端側のシャフトのフ
ランジ部端面と、この端面に対向するハウジングの受け
面の少なくとも一方に、ヘリングボーン型の開放端側ス
ラスト用動圧溝を形成する。このように、動圧軸受の起
動・停止時に距離が接近する密閉端側のフランジ部端面
と対向するハウジングの受け面との間に、ポンプイン型
の動圧溝を形成することにより、径方向内側部分に動圧
を発生させるのに十分な潤滑流体を素早く供給し、局部
的な負圧の発生を防止することができる。 【0015】また、このポンプイン型の動圧溝は、その
動圧溝の径方向内端近傍で発生する動圧(ポンピング作
用)によって、起動時のハウジングの浮上を早め、停止
直前の急激な回転停止や急激なハウジングの降下を防止
する効果も併せて奏することができる。従って、本発明
のスラスト用動圧軸受は、動圧溝の形状や溝深さ等に加
工誤差があった場合でも、動圧発生に関与するハウジン
グとシャフトのフランジ部の端面との接触を緩和し、こ
れらの表面に傷つきが発生する可能性が少ない。 【0016】なお、反対側に位置する開放端側のフラン
ジ部端面と対向するハウジングの受け面との間に、ポン
プイン型の動圧溝を採用した場合は、潤滑流体が開放端
側(シャフトの軸体側)へ移動することによる油漏れが
懸念される。また、開放端側にポンプアウト型の動圧溝
を採用した場合は、潤滑流体が密閉端側(ハウジングの
スラスト板側)に移動することにより、スラスト動圧軸
受の負荷能力が低下してしまう。以上の理由により、ハ
ウジング開放端側のシャフトのフランジ部端面か、ある
いはこの端面に対向するハウジングの受け面の少なくと
も一方に形成されるスラスト用動圧溝には、ヘリングボ
ーン型が好適に採用される。 【0017】 【発明の実施の形態】以下図面を参照しつつこの発明の
実施の形態について説明する。図1は、本発明の第1の
実施の形態におけるスラスト動圧軸受の構造を示す断面
模式図であり、図2は、このスラスト動圧軸受に形成さ
れたスラスト用動圧溝のパターンを示す模式図である。
なお、従来例と同様の機能を持つ構成部材には、同じ番
号を付記する。また、説明が煩雑になるのを防ぐため、
ラジアル用動圧軸受の詳細な説明は省略する。 【0018】図1に示すように、この動圧軸受も、従来
例と同様、軸体11とこの軸体11の一端に設けられた
フランジ部12とからなるシャフト1を、一方の開口が
密封された片側密閉空間(31)を有するハウジング2
内に収納し、この片側密閉空間(31)に潤滑流体32
を充填した構造のものである。このハウジング2は、略
筒状の軸受スリーブ13の一方の開口を、スラスト板1
4等によって密封し形成されている。このハウジング2
の内周面に嵌合されるシャフト1は、ハウジング2の密
閉端側(図示上方)のフランジ部端面21と、ハウジン
グ2の開放端側(図示下方)のフランジ部端面22に、
それぞれ密閉端側スラスト用動圧溝21aと開放端側ス
ラスト用動圧溝22aが形成されているとともに、軸体
11の外周面にはラジアル用動圧軸受となる動圧溝11
aが形成されている。 【0019】そして、このスラスト動圧軸受は、シャフ
ト1が鉛直方向となるように設置されている場合、回転
の停止時には、重力によってハウジング2が下降し、ス
ラスト板14の内側端面14aとフランジ部12の密閉
端側端面21とを接した状態で静止している。モータ等
からの入力によって回転が始動した場合は、シャフト1
とハウジング2の相対回転によりスラスト用動圧溝21
a,22aで発生する動圧によって、スラスト板14の
内側端面14aが、フランジ部12の密閉端側端面21
から所定量浮上して安定し、両スラスト方向の荷重を支
持することとなる。 【0020】本実施の形態におけるスラスト動圧軸受の
構造的特長は、シャフト1のフランジ部12(図2
(b))の密閉端側端面21に、スパイラル状に配置さ
れた動圧溝21aが回転によって潤滑流体を径方向内側
に向かって移動させ、動圧溝21aの径方向内端21r
近傍で最大動圧を発生するように機能するポンプイン型
のスラスト用動圧溝21a,21a,・・・が形成され
ている点である(図2(a))。また、シャフト1のフ
ランジ部12の開放端側端面22には、環状に配置され
た略V字状の動圧溝22aによって径方向の略中央部2
2r近傍で最大動圧を発生するヘリングボーン型のスラ
スト用動圧溝22a,22a,・・・が形成されている
(図2(c))。 【0021】以上のような構成により、本実施の形態に
おけるスラスト動圧軸受は、密閉側スラスト用動圧溝2
1aのポンピング作用により、動圧軸受の起動・停止時
に距離が接近するフランジ部12の密閉端側端面21と
スラスト板14の内側端面14aとの間に、十分な潤滑
流体32を素早く供給することができる。従って、動圧
発生面で負圧が生じず、吸着現象も発生しないことか
ら、動圧軸受の起動・停止時の回転トルクの増大を抑え
ることができる。 【0022】また、このポンプイン型の密閉端側スラス
ト用動圧溝21aは、その動圧溝21aの径方向内端2
1r近傍で発生する動圧(ポンピング作用)によって、
起動時のハウジング2の浮上を早める効果を発揮すると
ともに、停止直前の急激な回転停止やハウジング2の急
激な降下を防止する効果も合わせて奏することができ
る。従って、本実施の形態におけるスラスト用動圧軸受
は、動圧溝の形状や溝深さ等に加工誤差があった場合で
も、動圧発生に関与するスラスト板14の内側端面14
aとフランジ部12の密閉端側端面21との接触を緩和
し、これらの端面に傷つきが発生するのを防止すること
ができる。 【0023】そして、このスラスト動圧軸受は、シャフ
ト1のフランジ部12の開放端側端面22に、ヘリング
ボーン型の開放端側スラスト用動圧溝22aが形成され
ていることから、従来例と同様に、高速回転時において
安定性の高い動圧軸受性能を維持することができる。 【0024】次に、本発明の第2の実施の形態について
説明する。図3は、本発明の第2の実施の形態における
スラスト動圧軸受の構造を示す断面模式図である。 【0025】このスラスト動圧軸受における第1の実施
の形態との相違点は、動圧溝がシャフト1側ではなく、
ハウジング2側に形成されている点である。軸受スリー
ブ13は、動圧溝が形成された小径の筒状部材13sの
外周面を、大径の筒状部材13tの内周面にぴったりと
嵌め入れて形成されている。この小径の筒状部材13s
は、その内周面にラジアル用動圧溝11bが形成されて
いるとともに、一方の開口端面13aには開放端側スラ
スト用動圧溝13bが形成されている。また、これら筒
状部材13s,13tで形成されたハウジング2の一方
の開口を密閉するスラスト板14も、その内側端面14
aに密閉端側スラスト用動圧溝14bが形成されてい
る。 【0026】そして、このスラスト動圧軸受は、第1の
実施の形態同様、シャフト1が鉛直方向となるように設
置されている場合、回転の停止時には、重力によってハ
ウジング2が下降し、スラスト板14の内側端面14a
とフランジ部12の密閉端側端面21とを接した状態で
静止している。モータ等からの入力によって回転が始動
した場合は、シャフト1とハウジング2の相対回転によ
りスラスト用動圧溝13b,14bで発生する動圧によ
って、スラスト板14の内側端面14aが、フランジ部
12の密閉端側端面21から所定量浮上して安定し、両
スラスト方向の荷重を支持することとなる。 【0027】本実施の形態におけるスラスト動圧軸受の
構造的特長は、ハウジング2の密閉端側のスラスト板1
4内側面14aには、ポンプイン型の密閉端側スラスト
用動圧溝14bが形成されているとともに、ハウジング
2の開放端側の軸受スリーブ13の受け面13aには、
ヘリングボーン型の開放端側スラスト用動圧溝13bが
形成されている点である。 【0028】以上の構成により、本実施の形態における
スラスト動圧軸受も、第1の実施の形態同様、動圧軸受
の起動・停止時に距離が接近するフランジ部12端面2
1とスラスト板14の内側端面14aとの間に、十分な
潤滑流体32を素早く供給することができる。従って、
動圧発生面での負圧が生じず、吸着現象も発生しないこ
とから、動圧軸受の起動・停止時の回転トルクの増大を
抑えることができる。 【0029】また、このポンプイン型の密閉端側スラス
ト用動圧溝14bは、そのポンピング作用によって、起
動時のハウジング2の浮上を早める効果を発揮するとと
もに、停止直前の急激な回転停止やハウジング2の急激
な降下を防止する効果も合わせて奏することができる。
従って、本実施の形態におけるスラスト用動圧軸受も、
動圧溝の形状や溝深さ等に加工誤差があった場合でも、
動圧発生に関与するスラスト板14の内側端面14aと
フランジ部12の密閉端側端面21との接触を緩和し、
これらの端面に傷つきが発生するのを防止することがで
きる。 【0030】なお、以上の実施の形態においては、シャ
フトとハウジングの相対回転によって、ハウジングがシ
ャフトのフランジ部端面から浮上して回転するタイプの
動圧軸受を例示したが、本発明のスラスト動圧軸受はこ
れに限らず、図示の天地が反対となるような、シャフト
がハウジングの端面から浮上して安定するタイプの動圧
軸受等にも適用できることは言うまでもない。 【0031】 【発明の効果】以上詳述したように、本発明のスラスト
動圧軸受によれば、軸受の起動・停止時に距離が接近す
る密閉端側のフランジ部端面とこれに対向するハウジン
グの受け面との間に、ポンプイン型のスラスト用動圧溝
を形成することにより、径方向内側部分に動圧を発生さ
せるのに十分な潤滑流体が素早く供給され、起動・停止
時における回転トルクの増大を抑制することができる。 【0032】また、このポンプイン型のスラスト用動圧
溝の径方向内端近傍で発生する動圧は、起動時のハウジ
ングの浮上を早め、停止直前の急激な回転停止やハウジ
ングの降下を防止する効果を発揮する。従って、本発明
のスラスト用動圧軸受は、動圧溝の形状や溝深さ等に加
工誤差があった場合でも、動圧発生に関与するハウジン
グやシャフトのフランジ部の端面の傷つきを防止するこ
とができる。 【0033】そして、このスラスト動圧軸受は、シャフ
トのフランジ部の開放端側端面に、ヘリングボーン型の
開放端側スラスト用動圧溝が形成されていることから、
従来例と同様に、高速回転時において安定性の高い動圧
軸受性能を維持することができる。
圧軸受の構造を示す模式的断面図である。 【図2】(a)本発明の第1の実施の形態におけるシャ
フトのフランジ部を、ハウジングの密閉端側から見た模
式的端面図である。 (b)第1の実施の形態におけるシャフトのフランジ部
の構造を示す模式的断面図である。 (c)第1の実施の形態におけるシャフトのフランジ部
を、ハウジングの開放端側から見た模式的端面図であ
る。 【図3】本発明の第2の実施の形態におけるスラスト動
圧軸受の構造を示す模式的断面図である。 【図4】従来のスラスト動圧軸受の構造を示す模式的断
面図である。 【図5】(a)従来のシャフトのフランジ部を、ハウジ
ングの密閉端側から見た模式的端面図である。 (b)従来のシャフトのフランジ部の構造を示す模式的
断面図である。 (c)従来のシャフトのフランジ部を、ハウジングの開
放端側から見た模式的端面図である。 【図6】スラスト用動圧軸受に用いられる動圧溝の平面
パターンとその圧力分布を示す図である。 【符号の説明】 1 シャフト 2 ハウジング 11 軸体 11a,11b ラジアル用動圧溝 12 フランジ部 13 軸受スリーブ 13a 受け面 13b スラスト用動圧溝 13s,13t 筒状部材 14 スラスト板 14a 内側端面 14b スラスト用動圧溝 21 密閉端側端面 21r 内端 21a,21b スラスト用動圧溝 22 開放端側端面 22a,22b スラスト用動圧溝 22r 中央部 31 片側密閉空間 32 潤滑流体
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 軸体とこの軸体の一端に設けられたフラ
ンジ部とからなるシャフトと、上記シャフトが相対回転
自在に嵌合され、一端が密閉された片側密閉ハウジング
とを備え、上記ハウジングの密閉端側の上記フランジ部
端面とこの端面に対向するハウジングの受け面の少なく
とも一方には、密閉端側スラスト用動圧溝が形成され、
かつ、上記ハウジングの開放端側の上記フランジ部端面
とこの端面に対向するハウジングの受け面の少なくとも
一方には、開放端側スラスト用動圧溝が形成されている
とともに、これらシャフトとハウジングの相対回転によ
り発生する動圧によってスラスト方向の荷重を支えるス
ラスト動圧軸受において、 上記密閉端側スラスト用動圧溝が、この動圧溝の径方向
内端近傍で最大動圧を発生するポンプイン型に形成さ
れ、かつ、上記開放端側スラスト用動圧溝が、この動圧
溝の径方向中央近傍で最大動圧を発生するヘリングボー
ン型に形成されていることを特徴とするスラスト動圧軸
受。
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