JP2003269109A - 蒸気タービン - Google Patents

蒸気タービン

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JP2003269109A
JP2003269109A JP2002074782A JP2002074782A JP2003269109A JP 2003269109 A JP2003269109 A JP 2003269109A JP 2002074782 A JP2002074782 A JP 2002074782A JP 2002074782 A JP2002074782 A JP 2002074782A JP 2003269109 A JP2003269109 A JP 2003269109A
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JP
Japan
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nozzle
blade
peripheral wall
inner peripheral
turbine
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JP2002074782A
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Inventor
Tsuguhisa Tajima
島 嗣 久 田
Naoki Shibukawa
川 直 紀 渋
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01DNON-POSITIVE DISPLACEMENT MACHINES OR ENGINES, e.g. STEAM TURBINES
    • F01D5/00Blades; Blade-carrying members; Heating, heat-insulating, cooling or antivibration means on the blades or the members
    • F01D5/12Blades
    • F01D5/14Form or construction
    • F01D5/141Shape, i.e. outer, aerodynamic form
    • F01D5/142Shape, i.e. outer, aerodynamic form of the blades of successive rotor or stator blade-rows
    • F01D5/143Contour of the outer or inner working fluid flow path wall, i.e. shroud or hub contour
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01DNON-POSITIVE DISPLACEMENT MACHINES OR ENGINES, e.g. STEAM TURBINES
    • F01D5/00Blades; Blade-carrying members; Heating, heat-insulating, cooling or antivibration means on the blades or the members
    • F01D5/12Blades
    • F01D5/22Blade-to-blade connections, e.g. for damping vibrations
    • F01D5/225Blade-to-blade connections, e.g. for damping vibrations by shrouding

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ノズル翼および動翼を有し、運転効率の良い
タービンを提供する。 【解決手段】 タービン20は、内周壁1aを有するノ
ズルダイアフラム外輪1と、ノズルダイアフラム外輪1
の内周壁1aの円周方向に沿って接合された複数のノズ
ル翼3と、ノズルダイアフラム外輪1内に回転自在に配
置された複数の動翼5とを備えている。各ノズル翼3の
後縁3aにおける内周壁1aと動翼5の回転軸線Xaと
平行する線1bとの間の角度はδ3となっている。動翼
5の前縁5aの延長線5bが内周壁1aに当接した位置
5cにおける内周壁1aと動翼5の回転軸線Xaと平行
する線1cとの間の角度はδ5となっている。各ノズル
翼3の後縁3aから各動翼5の前縁5aの延長線5bが
内周壁1aに当接した位置5cまでの間の内周壁1aと
動翼5の回転軸線Xaと平行する線1dとの間の勾配G
RADは、tan(δ3)<GRAD<∞、かつtan
(δ5)<GRAD<∞の関係を有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ノズル翼および動
翼を有するタービンに係り、とりわけ運転効率を向上さ
せることができるタービンに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、発電プラントの運転経済性を改善
し発電効率の改善を図るために、タービン性能の向上を
図ることが重要な課題となっている。
【0003】一般にタービンの内部において生じるエネ
ルギー損失としては、翼のプロファイル損失、2次損失
または最終段の排気損失等が存在する。
【0004】またタービンの動翼先端部とノズルダイア
フラム外輪間の隙間(チップクリアランス部)を通り抜
け、動翼に対して仕事をしない流体の漏洩流量を減少さ
せ、流体(駆動流体)の有する熱エネルギーをあますこ
となくタービンの回転エネルギーに変換することが、効
果的にタービンの効率を向上させるために求められてい
る。
【0005】図8は、従来の軸流タービンの一段落の断
面図である。従来の軸流タービン20は、内周壁1aを
有するノズルダイアフラム外輪1と、ノズルダイアフラ
ム外輪1の内周壁1aの円周方向に沿って接合された複
数のノズル翼3と、ノズルダイアフラム外輪1内に回転
自在に配置された複数の動翼5とを備えている。またノ
ズル翼3の内周には、ノズルダイアフラム内輪2が設け
られている。
【0006】ノズルダイアフラム外輪1とノズルダイア
フラム内輪2により、環状の流路15が形成され、この
流路15内に複数の上述のノズル翼3がタービン20の
周方向に配置されている。
【0007】またノズルダイアフラム外輪1内には、回
転自在に回転軸4が配置され、この回転軸4に上述の動
翼5が固定されている。
【0008】このうち動翼5は、回転軸4と嵌合する動
翼植込部8と、動翼植込部8に接続された動翼有効部7
と、動翼有効部7に接続されたシュラウド9とを有して
いる。
【0009】動翼5とノズルダイアフラム外輪1との間
には、動翼5が回転するためのチップクリアランス部
(若干の間隙)6が設けられている。
【0010】またタービン20は、高圧側から低圧側に
向かう流体に膨張仕事をさせているので、低圧側に向か
うに従い流体の圧力が低くなり、流体の比容積が増加す
る。このため流体の急激な比容積の増加に対応して、滑
らかに流体が膨脹するように、低圧側に向かってノズル
翼3の翼長および動翼5の翼長を長くして、流路15の
拡大を図っている。
【0011】さらに各ノズル翼3の後縁3aにおいて内
周壁1aと動翼5の回転軸線Xaと平行する線(平行
線)1bとの間に角度(スラント角度)δ3が形成さ
れ、動翼5の前縁5aの延長線5bが内周壁1aに当接
した位置5cにおいて内周壁1aと動翼5の回転軸線X
aと平行する線1cとの間に角度(スラント角度)δ5
が形成され、これらの角度δ3、δ5を0°より大きく
することにより流路15の拡大を図っている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上述のように構成され
たタービン20内の流体Kは、ノズル翼3の上流よりノ
ズル翼3内へ流入し、その後動翼5の下流へと流出して
いる。ここで、ノズル翼3を流出した流体Kは、動翼5
またはチップクリアランス部6のいずれかを通り動翼5
の下流側へと流出している(図9)。
【0013】タービン20の性能向上を図るためには、
動翼5の回転トルクを発生する動翼有効部7に流入する
流体K3の流量を増加させ、動翼5の回転トルクを発生
しないチップクリアランス部6に流入する流体K2の流
量を減少させることが望ましい。
【0014】従来のタービン20において、ノズル翼3
の後縁3aから動翼5の前縁5aの延長線5bが内周壁
1aに当接した位置5cまでの間の内周壁1aは、ノズ
ル翼3の後縁3aにおいて動翼5の回転軸線Xaと平行
する線1bとスラント角δ3をなす直線1eと、動翼5
の前縁5aにおいて動翼5の回転軸線Xaと平行する線
1cとスラント角δ5をなす直線1fと、これら各直線
1e、1fを結ぶ曲率ρ1および半径R1の円弧を有す
る曲線とから構成されている(図10)。
【0015】従来の簡易3次元設計法おいて、タービン
20の半径方向の損失分布の予測が困難であることか
ら、単位環状面積あたりの流体Kの流量分布が一定にな
るようにノズル翼3の設計が行われている。
【0016】またノズル翼3の入口部の全圧は、ルート
部3c側からチップ部3b側にかけて略一定となってい
るが、ノズル翼3の出口部の静圧は、ルート部3c側か
らチップ部3b側にかけて増加している。
【0017】すなわちスロート・ピッチ比(S/T)を
ノズル翼3のルート部3c側からチップ部3b側まで一
定にした場合、静圧の低いルート部3c側の軸流速度が
増加し、静圧の高いチップ部3b側の軸流速度が減少す
る。したがって従来のタービン20おいて、ノズル翼3
のルート部3c側からチップ部3b側にかけて単調に増
加するスロート・ピッチ比(S/T)分布が採用されて
いる(図11)。
【0018】ここで、スロート・ピッチ比(S/T)と
は、各ノズル翼3の後縁端と隣接するノズル翼3の背側
との最短距離をスロートSとし、各ノズル翼3の後縁と
隣接するノズル翼3の後縁との距離すなわち、ノズル翼
3の回転軸周方向の設置間隔をピッチTとした場合に、
これらスロートSとピッチTの比をいう。
【0019】また図11において、縦軸はスロート・ピ
ッチ比を示し、横軸はノズル無次元翼高さ(%)を示し
ている。ここでノズル無次元翼高さとは、ノズル翼3の
ルート部3cを0%(ノズル無次元翼高さ)とし、チッ
プ部3bを100%(ノズル無次元翼高さ)とした場合
のタービン20の半径方向の距離の割合をいう。
【0020】図12は、ノズル外輪1の内周壁1aを図
10に示すように構成し、図11に示すようにのノズル
翼3のルート部3c側からチップ部3b側にかけてスロ
ート・ピッチ比が単調に増加するようにノズル翼3を設
計した場合のタービン20内の流体Kの数値解析の結果
(子午面流れの様子)を示す図である。
【0021】図12において、ノズル翼3の後縁3aか
らノズル外輪1の内周壁1aに沿って流出した流体K2
は、内周壁1aを沿って流れ、チップクリアランス部6
に流入する。このチップクリアランス部6に流入した流
体K2は、チップクリアランス部6を通過し動翼5の下
流へと流出している。
【0022】すなわち、ノズル翼3の後縁3aを流出し
た流体K2は、ノズル外輪1の内周壁1a近傍において
剥離することなく内周壁1aを沿って下流に向かう。
【0023】さらに、ノズル翼3の出口部においてター
ビン20の半径方向に対する流体Kの流量の分布が一定
となっている。このことから、動翼5の回転トルクを発
生しないチップクリアランス部6に流入する単位面積当
たりの流体K2の流量と動翼5の動翼有効部7に流入す
る単位面積当たりの流体K3の流量は略同一となる。す
なわち、タービン20の性能を低下させるチップクリア
ランス部6へ流入する流体K2の流量の低減策が十分な
されておらず、タービン20の出力を減少させてしま
う。
【0024】本発明は、このような点を考慮してなされ
たものであり、ノズル翼の後縁から動翼の前縁の延長線
が内周壁に当接した位置までの間の内周壁の形状を最適
な曲線で構成することにより、タービンの性能の向上を
図ったタービンを提供することを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明は、内周壁を有す
るノズルダイアフラム外輪と、ノズルダイアフラム外輪
の内周壁の円周方向に沿って接合された複数のノズル翼
と、ノズルダイアフラム外輪内に回転自在に配置された
複数の動翼と、を備え、各ノズル翼の後縁における内周
壁と動翼の回転軸線と平行する線との間でなす角度をδ
3とし、動翼の前縁の延長線が内周壁に当接した位置に
おける内周壁と動翼の回転軸線と平行する線の間でなす
角度をδ5とした場合、各ノズル翼の後縁から各動翼の
前縁の延長線が内周壁に当接した位置までの間の内周壁
と動翼の回転軸線と平行する線との間の勾配GRAD
は、tan(δ3)<GRAD<∞ かつtan(δ
5)<GRAD<∞の関係を有することを特徴とする蒸
気タービンである。
【0026】本発明は、各ノズル翼の後縁端と隣接する
ノズル翼の背側との最短距離をSとし、各ノズル翼の回
転軸周方向における設置間隔Tとした場合に、これらの
比S/Tは、ノズル翼のうち内周壁付近において最小と
なることを特徴とする蒸気タービンである。
【0027】本発明は、動翼は、先端部を有し、先端部
にフィンが設けられたこと特徴とする蒸気タービンであ
る。
【0028】本発明は、ノズルダイアフラム外輪のノズ
ル外周壁は、動翼と対向する部分にフィンを有すること
を特徴とする蒸気タービンである。
【0029】本発明によれば、ノズル翼の後縁から動翼
の前縁の延長線が内周壁に当接した位置までの間の内周
壁の形状を最適な曲線で構成することにより、タービン
の性能を向上させることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】第1の実施の形態 以下、図1乃至図5を参照して本発明によるタービンの
第1の実施の形態について説明する。
【0031】図1は、本発明によるタービンの第1の実
施の形態を示す図である。図1に示すように、本発明に
よるタービン20は、内周壁1aを有するノズルダイア
フラム外輪1と、ノズルダイアフラム外輪1の内周壁1
aの円周方向に沿って接合された複数のノズル翼3と、
ノズルダイアフラム外輪1内に回転自在に配置された複
数の動翼5とを備えている。
【0032】このうちノズル翼3は、チップ部3bと、
ルート部3cとを有し、チップ部3bに上述のノズルダ
イアフラム外輪1が接続され、ルート部3cにはノズル
ダイアフラムダイアフラム内輪2が接続されている。ま
たノズルダイヤフラム内輪2は、内周壁2bと、外周壁
2aとを有し、内周壁2bには、複数のフィン2cが設
けられている。
【0033】ノズルダイアフラム外輪1とノズルダイア
フラム内輪2により、環状の流路15が形成され、この
流路15内に上述の複数の動翼5が回転自在に配置され
ている。またノズルダイアフラム外輪1内には、回転自
在に回転軸4が配置され、この回転軸4に各動翼5が植
設されている。
【0034】動翼5は回転軸4と嵌合する動翼植込部8
と、動翼植込部8に接続された動翼有効部7と、動翼有
効部7に接続されたシュラウド9とを有している。この
うち動翼植込部8は、フォーク状に形成されているが鞍
型状に形成されていても、また他の植込部形状でもよ
い。
【0035】上述のように構成されたタービン20の一
段落において、ノズル翼3は、圧力および温度の高い上
流側から圧力および温度の低い下流側に向かう流体Kに
膨張仕事をさせ、流体Kの有する熱エネルギーを速度エ
ネルギーに変換している。
【0036】動翼5は、流体Kを転向させて次段落に案
内する際、実質的な仕事(回転トルクを発生する)を行
っている。
【0037】また動翼5とノズルダイアフラム外輪1と
の間には、動翼5が回転するために必要なチップクリア
ランス部(若干の間隙)6が設けられている。
【0038】上述したようにタービン20の一段落は、
ノズルダイアフラム外輪1の内周壁1aの円周方向に沿
って接合された複数のノズル翼3からなるタービンノズ
ルと、タービンノズルの後方に位置し、ノズルダイアフ
ラム外輪1内に回転自在に配置された複数の動翼5とか
ら構成されている。そしてタービン20は、この一段落
が動翼5の回転軸線Xaに一段落または複数段落組み合
わされることにより構成されている。
【0039】ノズル翼3の後縁3aから動翼5の前縁5
aの延長線5bが内周壁1aに当接した位置5cまでの
間の内周壁1aの形状は、最適な曲線で構成されてい
る。
【0040】すなわち、各ノズル翼3の後縁3aにおけ
る内周壁1aと動翼5の回転軸線Xaと平行する線1b
との間の角度をδ3とし、動翼5の前縁5aの延長線5
bが内周壁1aに当接した位置5cにおける内周壁1a
と動翼5の回転軸線Xaと平行する線1cとの間の角度
をδ5とした場合、各ノズル翼3の後縁3aから各動翼
5の前縁5aの延長線5bが内周壁1aに当接した位置
5cまでの間の内周壁1aと動翼5の回転軸線Xaと平
行する線1dとの間の勾配GRADは、 tan(δ3)<GRAD<∞ かつ tan(δ5)<GRAD<∞ の関係を有している。
【0041】ここで、各ノズル翼3の後縁3aから各動
翼5の前縁5aの延長線5bが内周壁1aに当接した位
置5cまでの間の内周壁1aと動翼5の回転軸線Xaと
平行する線1dとの間の角度(スラント角度)をδGと
した場合、δGとGRADはδG=atan(GRA
D)の関係を有している。
【0042】また、各ノズル翼3の後縁3aから各動翼
5の前縁5aの延長線5bが内周壁1aに当接した位置
5cまでの間の内周壁1aは、連続する滑らかな曲線で
形成されている。
【0043】図2は、勾配GRADに対するスラント角
度δG(δG=atan(GRAD))とタービンの段
落効率との関係を示し、モデルタービンによる試験結果
を示している。
【0044】図2において、縦軸はタービンの段落効率
ηを示し、横軸はノズル外周壁のスラント角度δGを示
している。
【0045】図2に示すように、段落効率ηの最大値η
max(段落効率が最も良い値)に対応するスラント角
度δ(δGの最適値)は、δ3<δG<90°かつδ5
<δG<90°の範囲に存在している。
【0046】すなわちGRADの最適値は、tan(δ
3)<GRAD<∞、かつtan(δ5)<GRAD<
∞の範囲に存在する。
【0047】ここで、δGが90°より大きくなると、
ノズル外輪1の内周壁1a付近で流体Kが内周壁1aか
ら剥離し、渦流れK1を生じることからエネルギー損失
が増加し、タービンの段落効率が低下する(図3)。
【0048】なお、各スラント角度δの最適値は、実験
等結果から次の値が望ましい。すなわち、0°<δ5<
30°、0°<δ3<45°、δ3<δG<90°を満
たすものが、段落効率の上、および製作上の制約等か
ら、望ましい。
【0049】図1に示すように、各ノズル翼3の後縁3
aから各動翼5の前縁5aの延長線5bが内周壁1aに
当接した位置5cまでの間の内周壁1aと平行線1dと
の間の勾配GRADが、tan(δ3)<GRAD<∞
かつtan(δ5)<GRAD<∞の関係を有している
場合、ノズル翼3の後縁3aおいてノズルダイアフラム
外輪1の内周壁1aを沿う流体K4の一部K5は、内周
壁1aの急激な角度変化に追従できずに動翼5の動翼有
効部7の先端にそのまま流入する。このことから、チッ
プクリアランス部6に流入する流体K2の流量が減少
し、チップクリアランス部6に流入する流体K2による
損失(チップリーク損失)を低下させることができる。
それにより、より多くのタービン20の回転トルクを発
生することが可能となる。
【0050】次にスロート・ピッチ比(S/T)につい
て詳細に説明する。図4は、ノズル翼3の任意の高さに
おける断面(タービンの径方向から見た図)を示してい
る。
【0051】図4においてスロートSとは、ノズル翼3
の背側3dと隣接するノズル翼3の腹側3eとの間で形
成される流路3fにおいて、ノズル翼3の背側3dと隣
接するノズル翼3の後縁端3aとの間の最短距離いう。
またピッチTとは、ノズル翼3の背側3dと隣接するノ
ズル翼3の腹側3eとの間で形成される流路3fにおい
て、ノズル翼3の後縁3aと隣接するノズル翼3の後縁
3aとの距離(すなわちタービンの周方向の設置間隔)
をいう。
【0052】すなわちスロート・ピッチ比S/Tとは、
ノズル翼3の背側3dと隣接するノズル翼3の後縁端3
aとの最短距離をスロートSとし、ノズル翼3の後縁3
aと隣接するノズル翼3の後縁3aとの距離をピッチT
とした場合に、これらスロートSとピッチTとの比をい
うなおスロート・ピッチ比(S/T)は、ノズル翼3の
ルート部3cからチップ部3b方向において各位置の断
面において、ノズル翼3を重心まわりに捩って調整され
ているが、ノズル翼3の背側3dのスロート付近3gか
ら後縁3aにかけての背側3dの曲率を変化させること
によって調整してもよい。
【0053】スロート・ピッチ比(S/T)は、タービ
ン20の大きさによらない空力パラメータであり、ノズ
ル翼3の流出角αとα=sin−1(S/T)の関係を
有している。
【0054】すなわちスロート・ピッチ比(S/T)を
大きくすると、ノズル翼3の流出角αは大きくなり、ノ
ズル翼3からの流体Kの流出速度を一定とすれば、流体
Kの軸流速度成分(動翼5の回転軸線Xa方向の速度成
分)が大きくなり、ノズル翼3から流出する流体Kの流
量は増加する。
【0055】逆に、スロート・ピッチ比(S/T)を小
さくすると、ノズル翼3の流出角αは小さくなり、ノズ
ル翼3からの流体Kの流出速度を一定とすれば、流体K
の軸流速度成分が大きくなり、ノズル翼3から流出する
流体Kの流量は減少する。
【0056】図5は、ノズル無次元翼高さとスロート・
ピッチ比(S/T)との関係を示す図である。
【0057】図5において、縦軸はスロート・ピッチ比
を示し、横軸はノズル無次元翼高さを示している。また
ノズル無次元翼高さとは、ノズル翼3のルート部3cを
0%(ノズル無次元翼高さ)とし、チップ部3bを10
0%(ノズル無次元翼高さ)とした場合のタービン20
の半径方向の距離の割合をいう。
【0058】図5において、 (1)ノズル無次元翼高さが、約30%のときスロート
・ピッチ比が最大(S/T)MAXとなるようにノズル
翼3の形状が決定されている。
【0059】(2)ノズル無次元翼高さが約30%から
約100%まで増加すると、スロート・ピッチ比が減少
するようにノズル翼3の形状は決定されている。
【0060】(3)ノズル無次元翼高さが約100%の
ときスロート・ピッチ比が最小(S/T)TIPとなる
ようにノズル翼3の形状が決定されている。すなわちノ
ズル翼3のうち内周壁1a付近においてスロート・ピッ
チ比(S/T)が最小となるようにノズル翼3の形状が
決定されている。
【0061】なお、スロート・ピッチ比の最大値(S/
T)MAXは、0.23<(S/T)MAX<0.33
となっており、スロート・ピッチ比の最小値(S/T)
TI は0.18<(S/T)TIP<0.28となっ
ている。
【0062】上述の(1)、(2)および(3)となる
ようにノズル翼3の形状を決定することにより、従来の
スロート・ピッチ比S/T分布を採用したノズル翼3に
比べて、ノズル翼3の後縁3aにおいて内周壁1a近傍
を流出する流体K4(図1)の流量を減少させることが
できる。
【0063】それにより、チップクリアランス部6に流
入する流体K2の流量が減少させることができ、タービ
ン20のチップリーク損失を減少させて、より多くター
ビン20の回転トルクを発生させ、タービン効率および
信頼性を向上させることができる。
【0064】以上説明したように本実施の形態によれ
ば、ノズル翼3の後縁3aから動翼5の前縁5aの延長
線5bが内周壁1aに当接した位置5cまでの間の内周
壁1aの形状を最適な曲線で構成することにより、チッ
プクリアランス部6に流入する流体K2の流量を減少さ
せることができる。
【0065】また、図3に示すように、流体Kが壁面の
急な角度変化に追従できずに渦流れK1を生じるのを防
止することができ、これにより動翼5の動翼有効部7を
通過する流体K3の流量を増加させることができる。
【0066】さらに、スロートピッチ比S/Tは、ノズ
ル翼3のうちノズルダイアフラム外輪1の内周壁1a付
近において最小となるように設定されている。それによ
りチップクリアランス部6に流入する流体K2の流量を
減少させることができ、動翼5の動翼有効部7を通過す
る流体K3の流量を増加させることができる。
【0067】第2の実施の形態 次に図6により本発明の第2の実施の形態について説明
する。図6は、本発明によるタービンの第2の実施の形
態を示している。図6において動翼5は、先端部(シュ
ラウド)9を有し、先端部9に内周壁1aに向かって立
設した一つのフィン10が設けられているが、先端部9
にいくつフィン10が設けられていてもよい。
【0068】図6において、他の構成は図1に示す第1
の実施の形態と略同一である。図6において、図1に示
す第1の実施の形態と同一部分には同一の符号を符して
詳細な説明は省略する。
【0069】本実施の形態によれば、内周壁1aに向か
って立設したフィン10を動翼5の先端部9に設けたこ
とによりチップクリアランス部6をより狭くすることが
でき、チップクリアランス部6を通過する流体K2の流
量をさらに減少させることができる。それにより、チッ
プリーク損失が減少し、より多くタービン20の回転ト
ルクを発生させることができ、タービン効率および信頼
性を向上させることができる。
【0070】第3の実施の形態 次に図7により本発明の第3の実施の形態について説明
する。図7は、本発明によるタービンの第3の実施の形
態を示している。図7において、ノズルダイアフラム外
輪1の内周壁1aは、動翼5の先端部9と対向する部分
1fに動翼5のシュラウト部9に向かって立設した4つ
のフィン11を有しているが、動翼5の先端部9と対向
する部分1fにはいくつフィン11を有していてもよ
い。
【0071】図7において、他の構成は図1に示す第1
の実施の形態と略同一である。図7において、図1に示
す第1の実施の形態と同一部分には同一の符号を符して
詳細な説明は省略する。
【0072】本実施の形態によれば、フィン11をノズ
ルダイアフラム外輪1の内周壁1aのうち動翼5の先端
部9と対向する部分1fに設けたことによりチップクリ
アランス部6をより狭くすることができ、チップクリア
ランス部6を通過する流体K2の流量を減少させること
ができる。それにより、チップリーク損失が減少し、よ
り多くタービン20の回転トルクを発生させることがで
き、タービン効率および信頼性を向上させることができ
る。
【0073】
【発明の効果】本発明によれば、各ノズル翼の後縁から
各動翼の前縁の延長線が内周壁に当接した位置までの間
の内周壁の形状を適切な曲線で構成することにより、チ
ップクリアランス部に流れ込む流体の流量を減少させる
ことができる。それにより動翼の動翼有効部を通過する
流体の流量を増加させることができ、流体のエネルギー
をタービンの回転エネルギーに効率的に変換することが
できることから、タービンの性能を向上させることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるタービンの第1の実施の形態を示
す全体構成図。
【図2】スラント角度と段落効率の関係を示す図。
【図3】渦流れを示す図。
【図4】スロート・ピッチ比を示す図。
【図5】ノズル無次元翼高さとスロート・ピッチ比との
関係を示す図。
【図6】本発明によるタービンの第2の実施の形態を示
す全体構成図。
【図7】本発明によるタービンの第3の実施の形態を示
す全体構成図。
【図8】従来のタービンを示す図。
【図9】タービン内の流体を示す図。
【図10】ノズル外輪の内周壁を示す図。
【図11】ノズル無次元翼高さとスロート・ピッチ比と
の関係を示す図。
【図12】チップクリアランス部における流体を示す
図。
【符号の説明】
1 ノズルダイアフラム外輪 1a 内周壁 1b 平行線 1c 平行線 1d 平行線 2 ノズルダイアフラム内輪 3 ノズル翼 3a 後縁 4 回転軸 5 動翼 5a 前縁 7 動翼有効部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内周壁を有するノズルダイアフラム外輪
    と、 ノズルダイアフラム外輪の内周壁の円周方向に沿って接
    合された複数のノズル翼と、 ノズルダイアフラム外輪内に回転自在に配置された複数
    の動翼と、を備え、 各ノズル翼の後縁における内周壁と動翼の回転軸線と平
    行する線との間でなす角度をδ3とし、動翼の前縁の延
    長線が内周壁に当接した位置における内周壁と動翼の回
    転軸線と平行する線の間でなす角度をδ5とした場合、
    各ノズル翼の後縁から各動翼の前縁の延長線が内周壁に
    当接した位置までの間の内周壁と動翼の回転軸線と平行
    する線との間の勾配GRADは、 tan(δ3)<GRAD<∞ かつ tan(δ5)<GRAD<∞ の関係を有することを特徴とする蒸気タービン。
  2. 【請求項2】各ノズル翼の背側と隣接するノズル翼の後
    縁端との最短距離をSとし、 各ノズル翼の後縁と隣接するノズル翼の後縁との回転方
    向設置距離をTとした場合に、 これらの比S/Tは、ノズル翼のうち内周壁付近におい
    て最小となることを特徴とする請求項1記載の蒸気ター
    ビン。
  3. 【請求項3】動翼は、先端部を有し、先端部にフィンが
    設けられたこと特徴とする請求項1または2に記載の蒸
    気タービン。
  4. 【請求項4】ノズル外輪の内周壁は、動翼と対向する部
    分にフィンを有することを特徴とする請求項1または2
    に記載の蒸気タービン。
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