JP2003268483A - ばね用鋼線材およびその製造方法 - Google Patents
ばね用鋼線材およびその製造方法Info
- Publication number
- JP2003268483A JP2003268483A JP2002064248A JP2002064248A JP2003268483A JP 2003268483 A JP2003268483 A JP 2003268483A JP 2002064248 A JP2002064248 A JP 2002064248A JP 2002064248 A JP2002064248 A JP 2002064248A JP 2003268483 A JP2003268483 A JP 2003268483A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- decarburized layer
- steel wire
- heating
- steel
- depth
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Heat Treatment Of Strip Materials And Filament Materials (AREA)
Abstract
せて十分に抑制することのできたばね用鋼線材を提供す
る。 【解決手段】 熱間圧延に際して1170℃以上で少な
くとも2分間鋼材を加熱し、かつ圧延後の750〜60
0℃温度域を平均冷却速度5〜300℃/分で冷却する
工程および脱スケーリング工程を製造工程に含むように
する。
Description
びその製造方法に関し、特に、熱処理および熱間圧延等
の加熱時に生ずるフェライト脱炭層と全脱炭層を併せて
著しく低減し、疲労特性等の改善されたばね用鋼線材
と、該鋼線材を製造するのに有用な方法に関するもので
ある。
すると、鋼材中の炭素が二酸化炭素等のガスとなって鋼
材表面から抜ける脱炭現象が生じる。この脱炭層には、
炭素をほとんど含まないフェライト組織のみの領域を指
す「フェライト脱炭層」と、鋼材中心よりもフェライト
の占める割合の多い領域を指す「全脱炭層」がある(以
下では、前記フェライト脱炭層および全脱炭層を併せて
単に「脱炭層」ということがある)。
i量の鋼材であるため脱炭層が生じ易く、脱炭層が形成
された場合には、炭素が低減した分強度が低下して、ば
ねに要求される疲労強度等の特性が著しく劣化すること
が一般に知られている。従って、ばねの製造に用いる鋼
線材として、前記脱炭層の発生が極力抑制されたものが
求められる。
性に著しい悪影響を及ぼすフェライト脱炭層の発生防止
については、従来より検討がなされており、特公昭60
−37853号では、熱間圧延の際に脱炭層が形成され
易い600〜750℃温度域を、急速加熱することが提
案されている。また、特公昭58−14875号や特開
平57−82428号には、圧延後の冷却速度を制御、
具体的には冷却速度を速めることによってフェライト脱
炭層を抑制する技術が開示されている。更に特公昭63
−37164号には、熱間圧延に先立って1050℃超
〜1250℃で予備加熱することによりフェライト脱炭
層の発生を防止することが提案されている。
も耐えるばねが求められ、該ばねの原料素材となる鋼線
材には、より一層優れた疲労特性等の特性が要求される
ことから、フェライト脱炭層のみならず全脱炭層も対象
に含めて、脱炭層の発生を抑制することが望まれる。前
掲の従来技術は、いずれもフェライト脱炭層の発生を抑
制または防止するには有効であるものの、全脱炭層を抑
制するまでには至っておらず更なる改善が求められる。
に開示された方法では、熱延時の加熱速度が速すぎるた
め、大量の鋼材を工業規模の連続炉で加熱処理する場合
に、全ての鋼材が規定要件を満たすように操業すること
は容易でなく、実用にそぐわない。
情に鑑みてなされたものであって、その目的は、加熱工
程で発生するフェライト脱炭層は勿論のこと、全脱炭層
も可及的に抑制されたばね用鋼線材を提供すると共に、
その様な鋼線材を製造するのに有用な方法を提供するこ
とにある。
線材とは、Si:1質量%以上を含み、かつ鋼線材表面
から20μm深さまでの平均炭素濃度が該鋼線材全体の
平均炭素濃度の30%以上で、フェライト脱炭層が実質
的に存在せず、全脱炭層深さが40μm未満であるとこ
ろに特徴を有する。また本発明の製造方法は、上記特性
を備えた鋼線材を効率よく製造することのできる方法と
して位置付けられるもので、熱間圧延前の加熱工程で、
酸化性雰囲気下にて1170℃以上で少なくとも2分間
加熱し、かつ圧延後750〜600℃の温度域を平均冷
却速度5〜300℃/分で冷却する工程、および加熱工
程後であって熱間圧延前に行う脱スケーリング工程を一
連の製造工程に含むものである。
および「全脱炭層深さ」は、スケール除去後の鋼線材表
面からの深さをいい、前記「フェライト脱炭層が実質的
に存在せず」とは、JIS G 0558に規定された顕
微鏡による測定法でDM−Fが10μm以下となること
をいうものとする。
の下で、加熱工程でばね用鋼線材表面に生じるフェライ
ト脱炭層はもとより全脱炭層についても十分に抑制すべ
く、様々な角度から検討を行った。その結果、熱間圧延
前の加熱条件と圧延後の冷却条件を適切に制御し、加熱
後であって熱間圧延前に表面のスケールを除去すればよ
いことを見出し、前記本発明に想到した。以下、本発明
に係るばね用鋼線材とその製造方法について詳細の説明
していく。
層のみならず、全脱炭層も可及的に低減するための製法
上の要件について述べる。
酸化性雰囲気下にて1170℃以上で少なくとも2分間
の加熱を必要とする。一般に鋼材を加熱すると、鋼材表
面には、鋼材中の炭素が二酸化炭素等のガスとなって抜
けることにより脱炭層が形成されると共に、鉄素地のF
eが酸化されてスケールが形成される。特に、Si含有
量が1質量%以上であるばね用鋼材では、後述する実施
例でも明らかにする様に大気中で1170℃以上に加熱
すると、前記鉄素地の酸化が急速に進行する。そしてこ
の酸化が、脱炭層を侵食してより深部まで進行するの
で、その後にスケールを除去することで、脱炭層域を著
しく低減もしくは実質的にゼロにできるのである。本発
明では、製造時の加熱工程で脱炭層よりも深部側まで酸
化を進めてスケールを形成させ、その後に該スケールを
除去することで、脱スケール後の鋼線材表面の脱炭層を
著しく低減または実質的にゼロとする。尚、本発明でい
う「酸化性雰囲気」は大気中であればよいが、その他、
例えば不活性ガス中に酸素を一部導入した状態等を含む
ものとする。
5mm)を図2に示す工程で熱処理を行った後の表層部
分を含む鋼材断面写真(倍率は2写真ともに50倍)で
あり、図1(a)は図2中のT2温度を1150℃と
し、図1(b)は図2中のT2温度を1200℃にして
熱処理を施したものである。
最高温度が1170℃に満たない場合には、鋼材の最表
層に薄くスケール層が形成されるのみで、該スケール層
の直下には厚い脱炭層(白地)が形成される。従って、
その後の脱スケール処理工程で当該スケール層を除去し
たとしても、その下層側に相当厚さの脱炭層が残存した
ままである。これに対し図1(b)は、加熱時の最高温
度を1170℃以上とした場合であるが、スケールの成
長が速く、結果として鋼材の脱炭部を侵食するので鋼材
中に脱炭層はみられない。尚、図1(a)および(b)
に示されるスケールと鋼材の間に形成された隙間(試料
作成時に樹脂で充填)は、観察用試料作成時にできたも
のであって、製造条件によるものではない。
領域を減少させる観点からは、より高温で行うのがよく
1200℃以上で加熱することが好ましいが、脱スケー
ルによる鋼材歩留まりの低下を抑える観点からは、加熱
温度の上限を1250℃とすることが望ましい。
域を脱炭層よりも深部側にまで進めるには、熱延時に1
170℃以上の加熱温度で少なくとも2分間加熱する必
要がある。該加熱時間が短い場合には酸化が十分に進ま
ず、脱スケール後も相当厚さの脱炭層が残存するからで
ある。少なくとも2分間の加熱は、1170℃以上で行
えばよく、1170℃以上の一定温度で保持したり昇温
させる他、加熱温度保持および昇温を組み合わせて行っ
てもよい。
炭層領域を減少させる観点からは長時間行うことが望ま
しく、3分間以上の加熱を好ましい実施形態とするが、
脱スケールによる鋼材歩留まりの低下を抑える観点から
は、前記加熱時間の上限を20分間とすることが望まし
い。
加熱時間として30〜300分間行うことが望ましい。
前記時間が短すぎると十分に鋼材が加熱されないので、
前記鋼材表面の酸化が十分に進まず、脱炭層の形成が優
先して進行するだけでなく、鋼材が低温ままとなり次に
行う圧延加工に支障をきたすからである。より好ましく
は40分間以上とする。一方、長すぎると、脱炭層およ
びスケール層がいずれも深くなりすぎて、脱スケール量
が過度に多くなるばかりでなく、燃料消費量が増加して
コストがかかるので好ましくない。前記加熱時間は12
0分間以下に留めておくことがより好ましい。
圧延の後は750〜600℃温度域を、平均冷却速度5
〜300℃/分で冷却する必要がある。750〜600
℃の温度域を制御するのは、該温度域でも脱炭が進行し
易いからである。600℃未満では、炭素の拡散が遅く
なり脱炭がほとんど進行しないので、特に温度制御の必
要がない。
/分未満の低速では、熱間圧延終了までの脱炭層の形成
が抑制されたとしても、冷却過程で脱炭が進行するおそ
れがあるので好ましくない。前記温度域での脱炭層の形
成をより有効に阻止するには、該冷却速度を10℃/分
以上とすることが好ましい。
らは該温度域の冷却速度はより速い方が好ましいが、冷
却速度が速すぎると鋼線材が焼入れ組織となって硬質化
し、その後の加工に支障をきたすので、加工性の観点か
ら該温度域の冷却速度の上限を300℃/分とした。よ
り好ましくは200℃/分以下である。
ルは、圧延直前に除去するが、この場合の脱スケール処
理は一般的な方法で行えばよく、例えば、高圧水による
デスケール、メカニカルデスケール、酸洗等が挙げられ
る。
を製造工程中に含めばよく、前記以外の製造条件を規定
するものでない。従って、線材に供する鋼材の溶製や熱
間圧延等は一般的な条件で行えばよい。更に本発明の製
造方法は、種々の直径のばね用鋼線材に適用可能であ
る。
の加熱温度と時間を制御してスケールを形成させ、その
後に脱スケール処理を行うことによって脱炭層を実質的
に除去することができた点に特徴を有しているが、この
方法によって得られるばね用鋼線材は下記の様な特徴を
有している点で、従来のばね用線材とは明確に区別され
る新規なものであり、本発明は、該ばね用線材自体も本
発明範囲に包含される。
ら20μm深さまでの平均炭素濃度が鋼線材全体の平均
炭素濃度の30%以上であり、鋼線材の表層部に必要十
分量の炭素が確保されている。
mまでの深さとしたのは、更に深い領域ではほとんど脱
炭が起こらず、鋼線材表面から20μm深さまでの脱炭
層深さを制御することで疲労強度等のばね特性を十分確
保できるからである。
素濃度が、鋼線材全体の平均炭素濃度の30%未満であ
るものでは、フェライト脱炭層および/または全脱炭層
が、鋼材表面の広範囲に渡って鋼線材内部にまで形成さ
れている可能性が高く、ばね用鋼線材に求められる疲労
強度等の特性が著しく劣化するので好ましくない。より
過酷な状況下で優れた特性を発揮するばねを得るには、
鋼線材表面から20μm深さまでの平均炭素濃度が、鋼
線材全体の平均炭素濃度の30%以上となるようにする
のがよい。
ト脱炭層が実質的に存在せず、かつ、全脱炭層深さが4
0μm未満に抑えられている。
には、ばねの製造に用いる鋼線材表面のフェライト脱炭
および全脱炭がいずれも十分に抑制されていることが必
要である。本発明では、上記方法を採用することにより
脱炭層をスケール層に変えて脱スケール処理により除去
することで、全脱炭深さを40μm未満と極めて薄い状
態にまで抑制することができ、この様に全脱炭層深さを
低減することにより、従来材に比べて卓越した疲労特性
等を示すものとなる。
させるには、ばね用鋼線材の全脱炭深さが35μm以下
であるものが望ましく、より好ましくは30μm以下で
ある。
分としてSiの含有量を定めているが、これは、Siが
本来有している焼き入れ性を高めて強度を向上させ、か
つ加工性も同時に向上させるという効果を有効に発揮さ
せるためであり、1質量%以上のSiを含む鋼材が対象
となる。しかし、Si含有量が過剰になると却って加工
性が劣化するので、Si含有量は5質量%以下、好まし
くは3質量%以下とするのがよい。
外の成分として、C,Mn,Al,P,S等の基本成分
の他、必要によってCr,Ti,Nb,Mo,V,Z
r,N,B等の各種元素が含まれるが、これらの含有量
については特に限定するものではなく、ばね用線材とし
て通常含有される程度であれば良い。また、本発明で用
いる鋼材は、これらの元素以外にその特性に影響を与え
ない程度の微量成分も含み得るものであり、こうした鋼
材も本発明の製造方法で用いる鋼材に含まれる。
説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限
を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範
囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、そ
れらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
(化学組成;炭素 0.6質量%、Si 2.0質量%、Mn:0.9
質量%、P:0.015質量%、S:0.011質量%、Ni:0.01
質量%、Cr:0.15質量%、Ti:0.002質量%)を用いて
熱間圧延を行った。熱間圧延に際しての加熱、および圧
延後の750〜600℃域の冷却は表1に示す条件で行
い、圧延前で加熱後に高圧水によりスケール層を除去
し、その後、熱間圧延を行って鋼線材を得た。
A(X線回折マイクロアナライザー)を用いて、鋼線材
表面から20μm深さまでの平均炭素濃度を求めた。
尚、ここでいう「平均炭素濃度」とは、鋼線材表面から
20μmまでの定量炭素濃度を線分析したときの鋼線材
表面から20μm深さまでの炭素濃度の平均値をさす。
F)および全脱炭層の深さ(DM−T)は、日本工業規
格(JIS G 0558)に規定された「顕微鏡による
測定方法」で測定し、前記全脱炭層は、前記JIS G
0558に規定されている通り、線材中心部の金属組織
とわずかに異なる金属組織(炭素濃度が加熱前の初期濃
度よりも若干量減少したことに起因して生ずる)の、表
面からの深さを測定して求めたものである。また、前記
フェライト脱炭層深さについて、DM−Fが10μmを
超える場合を「フェライト脱炭層あり」とし、DM−F
が10μm以下の場合を「フェライト脱炭層なし」と評
価した。これらの結果を表1に併記する。
る。尚、以下のNo.は表1における実験No.を示
す。
の規定要件を全て満たす方法で製造したもので、得られ
たばね用鋼線材は、フェライト脱炭層および全脱炭層の
どちらも十分に浅く抑えられており、ばね用線材表面層
の炭素量が十分高位に保たれていることがわかる。
12〜18は、本発明で規定する製法上の要件の一部を
欠くもので、得られる各ばね用鋼線材は、フェライト脱
炭層および/または全脱炭層が著しく厚肉となってい
る。即ち、No.1〜3,8,13〜16は、熱間圧延
に際して行う加熱時の最高到達温度が低く、脱炭層の形
成のみが進行してスケールの成長が進まなかったため、
線材表面の炭素を十分に確保することができず、フェラ
イト脱炭層および全脱炭層のどちらも、または全脱炭層
のみが厚く形成される結果となった。No.6は、加熱
時の最高到達温度が1170℃を超えているが、117
0℃以上での加熱時間が短すぎて十分にスケールが形成
されなかったため、全脱炭層の形成が進行し、線材表面
の炭素が十分に確保されている。No.10は、圧延後
の冷却速度が遅いため、冷却時に脱炭層の形成が進んで
フェライト脱炭層が生じる結果となった。一方、No.
12は、圧延後の冷却速度が速すぎたため、線材が硬質
化し、その後の加工等に支障をきたす。
された条件を採用したもので、No.13〜16は、熱
間圧延後の750〜600℃間を冷却速度30℃/分で
冷却したもので、No.17および18は、熱間圧延に
際して行う600〜750℃間の加熱を、加熱速度:4
0℃/分および60℃/分で行ったもので、その他の条
件は、従来技術の実施例と同様とした。
フェライト脱炭層は抑制されているものの、全脱炭層は
十分に抑制されておらず、線材表面の炭素量が十分に確
保できていない。尚、前記従来技術では、全脱炭層の深
さが同条件で行った本実験結果よりも低値となっている
が、これは、従来技術における全脱炭層の測定方法が、
本発明のJIS規格に基づく方法と異なるためと考えら
れる。
に、前記従来技術による方法では、フェライト脱炭層の
発生は抑制することはできるが、全脱炭層の発生まで抑
制することができない理由は次の様に考えられる。
がその第一要因であり、形成される全脱炭層の深さは一
般に加熱条件に依存し、理論的には{(炭素の拡散係数
×加熱時間)1/2}に比例することが知られている。
素の拡散係数×加熱時間)1/2}と全脱炭層深さの関係
について調べた。前記炭素の拡散係数(D)には、一般
式:D=4.7×10−5exp(−155000/8.314/T)(Dの
単位:[m/s2]、Tの単位[K])に最高加熱温度T
を代入して得た拡散係数D1を用い、炭素の拡散係数D1
と加熱時間t1から{(炭素の拡散係数×加熱時
間)1/2}を示すパラメータX1{=(D1×t1)1/2}
を求め、X1と全脱炭層深さの実測値との関係を調べ
た。その結果を図3に示す。
全脱炭層深さが前記パラメータX1、即ち(炭素の拡散
係数×加熱時間)1/2に比例しており、前掲の理論に合
致した結果となっている。しかしこの従来技術では、た
とえパラメータを制御したとしても、全脱炭層深さの最
低値は150μmまでであり、全脱炭層深さの低減には
限界があることがわかる。これに対し、本発明の要件を
満たす例では、全脱炭層深さと前記パラメータX1の間
に比例関係はみられないが、全てのデータにおいて全脱
炭層深さ50μm未満と、従来法からは予期できない全
脱炭層深さの極めて薄い鋼線材が得られていることがわ
かる。
従来法では、脱炭層深さの抑制手段が加熱温度・時間の
制御にとどまっているのに対し、本発明では、鋼材表面
の脱炭層形成位置を積極的に酸化してスケール層に変
え、これを脱スケール処理することで、全脱炭層を実質
的に全て除去できたためと考えられる。
鋼線材表面に発生するフェライト脱炭層のみならず全脱
炭層も十分に抑制できることとなった。そして、この様
なばね用鋼線材を使用することにより、脱炭層が極めて
少なく、自動車、建築、電機、機械分野等の過酷な状況
下で使用された場合でも優れた疲労特性等を発揮するば
ねを提供できることとなった。
最高加熱温度:1200℃で加熱後の鋼板断面の顕微鏡
観察結果(倍率:50倍)を示した図面代用顕微鏡写真
である。
明図である。
のデータを用いて示したグラフである。
Claims (2)
- 【請求項1】 Si:1質量%以上を含み、かつ鋼線材
表面から20μm深さまでの平均炭素濃度が該鋼線材全
体の平均炭素濃度の30%以上で、フェライト脱炭層が
実質的に存在せず、全脱炭層深さが40μm未満である
ことを特徴とするばね用鋼線材。 - 【請求項2】 熱間圧延に際し酸化性雰囲気下にて11
70℃以上で少なくとも2分間加熱し、かつ圧延後の7
50〜600℃の温度域を平均冷却速度5〜300℃/
分で冷却する工程および脱スケーリング工程を含むこと
を特徴とする請求項1に記載のばね用鋼線材の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002064248A JP4031267B2 (ja) | 2002-03-08 | 2002-03-08 | ばね用鋼線材およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002064248A JP4031267B2 (ja) | 2002-03-08 | 2002-03-08 | ばね用鋼線材およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003268483A true JP2003268483A (ja) | 2003-09-25 |
JP4031267B2 JP4031267B2 (ja) | 2008-01-09 |
Family
ID=29197140
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002064248A Expired - Fee Related JP4031267B2 (ja) | 2002-03-08 | 2002-03-08 | ばね用鋼線材およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4031267B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20110303327A1 (en) * | 2007-07-20 | 2011-12-15 | Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho (Kobe Steel, Ltd.) | Steel wire material for spring and its producing method |
KR20150108043A (ko) | 2011-08-18 | 2015-09-24 | 신닛테츠스미킨 카부시키카이샤 | 스프링 강 및 스프링 |
-
2002
- 2002-03-08 JP JP2002064248A patent/JP4031267B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20110303327A1 (en) * | 2007-07-20 | 2011-12-15 | Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho (Kobe Steel, Ltd.) | Steel wire material for spring and its producing method |
US8382918B2 (en) * | 2007-07-20 | 2013-02-26 | Kobe Steel, Ltd. | Steel wire material for spring and its producing method |
KR20150108043A (ko) | 2011-08-18 | 2015-09-24 | 신닛테츠스미킨 카부시키카이샤 | 스프링 강 및 스프링 |
US9523404B2 (en) | 2011-08-18 | 2016-12-20 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation | Spring steel and spring |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4031267B2 (ja) | 2008-01-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
TWI609091B (zh) | Hot-rolled steel plate and its manufacturing method | |
KR101925735B1 (ko) | 신선 가공용 강선 | |
JP5182067B2 (ja) | 真空浸炭または真空浸炭窒化用の鋼材 | |
JP6801712B2 (ja) | フェライト系耐熱鋼及びフェライト系伝熱部材 | |
JP6157132B2 (ja) | 条鋼の製造方法 | |
JP5332517B2 (ja) | 浸炭用鋼の製造方法 | |
JP5452253B2 (ja) | 鍛鋼品及びクランク軸 | |
JPH11131176A (ja) | 高周波焼入部品およびその製造方法 | |
CN108138288A (zh) | 热锻造用钢及热锻造品 | |
JP2009275285A (ja) | デスケーリング性のよい高Cr含有鋼材の製法 | |
JP2003268483A (ja) | ばね用鋼線材およびその製造方法 | |
JP2008069436A (ja) | 減圧浸炭部品およびその製造方法 | |
KR20160022258A (ko) | 이음매 없는 관 제조용 피어서 플러그 | |
JP5867308B2 (ja) | 端面性状に優れた鋼材 | |
JP2005163176A (ja) | ピンホールの欠陥のないマルテンサイト系ステンレス鋼及びその製造方法 | |
JP5491968B2 (ja) | 条鋼の製造方法 | |
JP2010184294A (ja) | 酸洗性に優れたソリッドワイヤ用鋼線材およびその製造方法 | |
JP5144390B2 (ja) | スケール剥離性に優れるCr含有鋼の製造方法 | |
JP3644217B2 (ja) | 高周波焼入部品およびその製造方法 | |
JP4739653B2 (ja) | 高強度冷延鋼板 | |
JP2003321711A (ja) | 結晶粒度特性に優れた浸炭用鋼を素材としたギアの製造方法 | |
JP5324964B2 (ja) | Cr含有条鋼材の製造方法 | |
JP3487234B2 (ja) | 継目無鋼管用高炭素鋼片の製造方法 | |
JP4197364B2 (ja) | 継目無鋼管製造用プラグミルプラグ | |
JP2006002237A (ja) | シボ加工性と被削性に優れたプラスチック金型用鋼 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040809 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20041022 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060120 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060214 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20071016 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20071018 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4031267 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101026 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111026 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111026 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121026 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131026 Year of fee payment: 6 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |