JP2003268010A - 重合体の製造方法 - Google Patents

重合体の製造方法

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JP2003268010A
JP2003268010A JP2002078342A JP2002078342A JP2003268010A JP 2003268010 A JP2003268010 A JP 2003268010A JP 2002078342 A JP2002078342 A JP 2002078342A JP 2002078342 A JP2002078342 A JP 2002078342A JP 2003268010 A JP2003268010 A JP 2003268010A
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polymer
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monomer
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JP2002078342A
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Masanari Inagaki
勝成 稲垣
Seiichi Mabe
誠一 間部
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 重合溶媒、モノマー等に含まれる水分、重合
禁止剤等の不純物が無害化されて、現実に重合が可能な
状態になる重合開始点を確認した後に重合を実施するこ
とにより、目的の分子量を持つ重合体を再現性良く効率
的に製造する方法を提供する。 【解決手段】 下記第一工程および第二工程からなる重
合体の製造方法。たとえば、スチレン−ブタジエン共重
合体を製造する。 A.第一工程 モノマーの存在下に重合触媒または重合開始剤を重合槽
内の温度が、0.02〜0.3℃/minの昇温速度で
上昇するまで、連続的または断続的に添加する工程。 B.第二工程 第一工程完了後、重合反応に寄与する重合触媒または開
始剤を更に添加して重合反応を実施する工程。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、重合槽内の温度上
昇を確認した後(重合開始点を確認した後)、重合に寄
与する重合触媒、または重合開始剤を更に添加して重合
体を製造する方法に関わるものである。更に詳しくは、
本発明は、重合溶媒中において、共役ジエンモノマー又
は共役ジエンモノマーと芳香族ビニルモノマーとをアル
カリ金属系重合触媒または重合開始剤を用いて重合させ
る際に、重合槽内の温度上昇を確認した後(重合開始点
を確認した後)、重合に寄与する重合触媒、または重合
開始剤を更に添加して共役ジエンモノマー重合体又は共
役ジエンモノマーと芳香族ビニルモノマー共重合体を製
造する方法に関わるものである。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車タイヤ用ゴムとしては、乳
化重合法により得られるスチレン−ブタジエン共重合体
が知られている。しかしながら、該共重合体は反撥弾性
特性に劣り、よって省燃費性の観点から好ましくないと
いう問題点を有している。そこで、その改良のための多
くの試みがなされてきた。たとえば、重合溶媒である炭
化水素溶媒中、有機リチウム化合物を重合開始剤とし、
エ−テル等のルイス塩基からなるミクロ構造調節剤の存
在下、ブタジエンとスチレンを共重合する方法が提案さ
れている(たとえば、特公平5−46365号公報参
照。)。この方法では、重合開始剤であるn-ブチルリ
チウムは重合溶媒、モノマー、ミクロ構造調節剤等を重
合槽に仕込んだ後に、一括して投入することを基本とし
ているが、n-ブチルリチウムの一部は、重合開始剤と
しては作用せず、重合溶媒、モノマー等に含まれる水分
や重合禁止剤、重合槽の壁面の汚れ由来の不純物、その
他の不純物等の無害化に消費され、実質的に重合開始剤
として作用するn-ブチルリチウムは添加量よりも少な
い状態にあった。更に、一般に重合体の製造工程におい
ては、重合溶媒、モノマー等に含まれる水分や重合禁止
剤、その他の不純物量は一定とはならず、絶えず変動を
伴うものであるために、実質的に重合に寄与するn-ブ
チルリチウムは添加量よりも少なく、かつ常に変動する
状況にあった。重合開始剤の添加量は製造される重合体
の分子量に大きく影響を与えるものであり、結果的に得
られる重合体の重要な物性値であるML粘度が変動し、
目的のML粘度の重合体が得られない等、生産の歩留り
が悪化するという問題点があった。この従来の技術は工
業的に不利である上に、昨今の資源の有効活用、環境問
題に照らしても問題であり、必ずしも満足できるもので
は無かった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】かかる現状に鑑み、本
発明が解決しようとする課題は、重合溶媒、モノマー等
に含まれる水分、重合禁止剤等の不純物が無害化され
て、現実に重合が可能な状態になる重合開始点を重合槽
内の温度上昇により確認した後、重合に寄与する重合触
媒、または重合開始剤を更に添加して、目的の分子量を
持つ重合体を再現性良く効率的に製造する方法を提供す
ることにある。
【0004】
【問題を解決するための手段】すなわち、本発明は、下
記第一工程および第二工程からなる重合体の製造方法に
係るものである。 A.第一工程 モノマーの存在下に重合触媒または重合開始剤を重合槽
内の温度が、0.02〜0.3℃/minの昇温速度で
上昇するまで、連続的または断続的に添加する工程。 B.第二工程 第一工程完了後、重合反応に寄与する重合触媒または重
合開始剤を更に添加して重合反応を実施する工程。ま
た、本発明は、更に詳しくは下記第一工程および第二工
程からなる共役ジエンモノマー重合体又は共役ジエンモ
ノマーと芳香族ビニルモノマー共重合体の製造方法に係
るものである。 A.第一工程 重合溶媒、共役ジエンモノマー又は共役ジエンモノマー
と芳香族ビニルモノマーの存在下に、初期仕込みモノマ
ー等の総重量に対して、500万分の1〜500分の1
の重合触媒または重合開始剤を、重合槽内の温度が0.
02〜0.3℃/minの昇温速度で上昇するまで、連
続的または断続的に添加する工程。(ここで初期仕込み
モノマー等とは、重合開始前に重合槽に仕込まれたモノ
マーの他、重合溶媒、重合改質剤、重合に必要なその他
の重合資材を指す) B.第二工程 第一工程完了後、重合反応に寄与する重合触媒または重
合開始剤を更に添加して重合反応を実施する工程。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明は、下記第一工程および第
二工程からなる重合体の製造方法に関するものである。 A.第一工程 モノマーの存在下に重合触媒または重合開始剤を重合槽
内の温度が、0.02〜0.3℃/minの昇温速度で
上昇するまで、連続的または断続的に添加する工程。 B.第二工程 第一工程完了後、重合反応に寄与する重合触媒または重
合開始剤を更に添加して重合反応を実施する工程。
【0006】また、本発明は、更に詳しくは下記第一工
程および第二工程からなる共役ジエンモノマー重合体又
は共役ジエンモノマーと芳香族ビニルモノマー共重合体
の製造方法の関わるものである。 A.第一工程 重合溶媒、共役ジエンモノマー又は共役ジエンモノマー
と芳香族ビニルモノマーの存在下に、初期仕込みモノマ
ー等の総重量に対して、500万分の1〜500分の1
の重合触媒または重合開始剤を、重合槽内の温度が0.
02〜0.3℃/minの昇温速度で上昇するまで、連
続的または断続的に添加する工程。(ここで初期仕込み
モノマー等とは、重合開始前に重合槽に仕込まれたモノ
マーの他、重合溶媒、重合改質剤、重合に必要なその他
の重合資材を指す) B.第二工程 第一工程完了後、重合反応に寄与する重合触媒または重
合開始剤を更に添加して重合反応を実施する工程。
【0007】まず第一工程について詳細に説明する。一
般に、重合の開始に際しては、モノマー、重合溶媒、ミ
クロ構造調節剤等を重合槽に仕込んだ後、一括して重合
開始剤を添加するのが通例であり、この場合、重合の開
始を厳密に確認することは困難である。本発明の方法で
は重合槽内の温度をモニターし、重合触媒または重合開
始剤を初期仕込みモノマー等の重量に対して500万分
の1〜5百分の1の量を連続的または断続的にフィード
した際に、重合槽内温が0.02〜0.3℃/min上
昇した点(以後、重合開始点と表現する:重合槽内の重
合阻害成分が無害化された点)を確認することにより、
特に分子量の再現性に優れた重合体の製造方法を実現す
ることができる。重合開始点確認時の重合開始剤の添加
量は、初期仕込みモノマー等の重量に対して500万分
の1〜5百分の1であることが望ましい。なお、ここで
初期仕込みモノマー等とは、重合開始前に重合槽に仕込
まれたモノマーの他、重合溶媒、ミクロ構造調節剤等の
重合改質剤等、重合に必要なその他の重合資材を指す。
重合開始点確認時の重合触媒または重合開始剤の添加量
は、初期仕込みモノマー等の重量に対して500万分の
1未満では重合開始点に到達するまでに多大な時間を用
し、実質的に重合開始点を確認できない場合がある。ま
た、5百分の1を超えると、重合が瞬時に開始する場合
があり、開始点を確認する前に重合が速く開始してしま
い本発明の目的が達成出来ない場合がある。更に重合開
始点を判定しやすい重合開始剤の添加量は、初期仕込み
モノマー等の重量に対して100万分の1〜1千分の1の
条件である。また、重合開始点判定時の温度は、重合槽
内の温度が±0.02未満の振れで安定している状況に
あれば、何度であっても構わないが、工業的に実施する
場合、0〜80℃が好ましく、20〜50℃が更に好ま
しい。通常、重合触媒または重合開始剤は室温の状態で
投入されるため、重合槽内の温度が低すぎる、または高
すぎる場合、重合開始剤添加による温度変化が影響し、
微量の重合が開始し始める重合開始点を温度で検出する
のが困難となる場合がある。重合槽内の温度を検出する
方法としては、特に制限は無いが、正確な確認を行う為
に、感度0.01℃以下のデジタル表示の温度計を用い
ることが好ましい。更に、小スケールの重合装置を用
い、人が該重合開始点を確認する場合は、1分毎に温度
を確認して0.02〜0.3℃の温度上昇が認められた
点を重合開始点としても問題無いが、連続的に温度を記
録し、例えば0.02〜0.3℃/minの温度勾配が
5秒以上検出された場合を機械的に(人為によらず)重
合開始点と判定することもできる。なお、重合開始点の
確認の際に、0.02℃未満の温度で判定すると外乱等
の乱れを検出してしまう場合があり好ましくなく、逆に
0.3℃を超えると、既に一部重合が開始して、実質的
に重合開始点を確認する前に重合が進行してしまい、安
定した分子量の重合体を得られない場合がある。安定し
た分子量の重合体を再現性良く得るためには、更に好ま
しくは0.05〜0.2℃/minの昇温が確認された
点を重合開始点とするのが好ましい。
【0008】本発明で使用されるモノマーとしては、特
に限定されるものではないが、共役ジエンモノマーであ
る、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタ
ジエン(ピペリン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタ
ジエン、1,3−ヘキサジエン等をあげることができ、
これらのうちでは、得られる共重合体の物性、工業的に
実施する上での入手性の観点から、1,3−ブタジエ
ン、イソプレンが好ましい。
【0009】芳香族ビニルモノマーとしては、スチレ
ン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフ
タレン、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビ
ニルナフタレン等をあげることができ、これらのうちで
は、得られる共重合体の物性、工業的に実施する上での
入手性の観点から、スチレンが好ましい。
【0010】重合開始点を確認する際には、モノマーの
他に重合溶媒やエーテル類等のミクロ構造調節剤等の重
合改質剤を重合槽に仕込んだ状態で実施することが好ま
しい。
【0011】重合溶媒としては、アルカリ金属触媒また
はアルカリ金属開始剤を失活させないものであり、適当
な重合溶媒としては、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水
素、脂環族炭化水素から選ばれ、特に炭素数2〜12個
を有するプロパン、n−ブタン、iso−ブタン、n−
ペンタン、iso−ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘ
キサン、プロペン、1−ブテン、iso−ブテン、トラ
ンス−2−ブテン、シス−2−ブテン、1−ペンテン、
2−ペンテン、1−ヘキセン、2−ヘキセン、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどをあげる
ことができる。また、これらの溶剤は2種以上を混合し
て使用することができる。
【0012】重合改質剤としてはランダマイザー、共役
ジエン単位のビニル含量調節剤など通常使用されている
ものを用いることが可能である。これらは重合開始点判
確認後に加えることもできるが、再現性のある重合を行
うためには、本発明の第一工程である重合開始点の確認
前の初期仕込みとして予め加えておく事が好ましい。例
えば共役ジエン部のビニル含量を調節するためには、ル
イス塩基性化合物として、各種の化合物を使用し得る
が、エーテル化合物又は第三級アミンが、工業的実施上
の入手容易性の点で好ましい。エーテル化合物として
は、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4
−ジオキサンなどの環状エーテル;ジエチルエーテル、
ジブチルエーテルなどの脂肪族モノエーテル;エチレン
グリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエ
チルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、
ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレング
リコールジブチルエーテルなどの脂肪族ジエ−テル;ジ
フェニルエーテル、アニソールなどの芳香族エーテルが
あげられる。また、第三級アミン化合物の例としては、
トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルア
ミンなどのほかに、N,N,N’,N’−テトラメチル
エチレンジアミン、N,N−ジエチルアニリン、ピリジ
ン、キノリンなどをあげることができる。
【0013】その他の重合資材として、アルカリ金属ア
ルコラート等通常のアニオン重合に用いられる添加剤や
連鎖移動剤等を用いることもできるが、何れも再現性の
ある重合を行うためには、本発明の第一工程である重合
開始点の確認前の初期仕込みとして予め加えておく事が
好ましい。
【0014】重合開始点確認時に加える重合触媒、また
は重合開始剤としては、例えばアルカリ金属系開始剤と
しての、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウ
ム、セシウム等の金属、これらの金属を含有する炭化水
素化合物又は該金属と極性化合物との錯体などをあげる
ことができる。なお、アルカリ金属系開始剤として好ま
しいものとしては、2〜20個の炭素原子を有するリチ
ウム又はナトリウム化合物をあげることができ、その具
体例としては、たとえば、エチルリチウム、n−プロピ
ルリチウム、iso−プロピルリチウム、n−ブチルリ
チウム、sec−ブチルリチウム、t−オクチルリチウ
ム、n−デシルリチウム、フェニルリチウム、2−ナフ
チルリチウム、2−ブチル−フェニルリチウム、4−フ
ェニル−ブチルリチウム、シクロヘキシルリチウム4−
シクロペンチルリチウム、1,4−ジリチオ−ブテン−
2、ナトリウムナフタレン、ナトリウムビフェニル、カ
リウム−テトラヒドロフラン錯体、カリウムジエトキシ
エタン錯体、α−メチルスチレンテトラマーのナトリウ
ム塩などをあげることができる。これらは単独で用いて
も、混合物として用いても良く、更に重合開始点確認後
に続いて行われる第二工程の重合触媒または開始剤と同
じであっても、異なっていてもよい。これらの重合触媒
又は重合開始剤は重合開始点の確認の為に、初期仕込み
モノマーに対して500万分の1〜5百分の1の量が、
更に好ましくは100万分の1〜1000分の1の量の重
量が添加されるが、好ましい添加方法は、重合槽への所
期仕込み量(モノマー、溶媒、ミクロ構造調整剤等の全
量を含む)に対して1/100万〜1/1000の重量の
触媒を5分〜2時間、好ましくは10〜45分の間に連
続的、または断続的にフィードする方法である。この触
媒フィードに並行して、重合槽の温度をモニターするこ
とにより、0.02〜0.3℃の温度上昇が認められた
点を重合開始点として確認することができる。重合開始
点の確認に要する時間を最短にするためにはフィードの
方法として連続的にフィードする方が好ましいが、より
厳密に重合開始点を確認し、安定した分子量の重合体を
製造するためには断続的にフィードする方が好ましい。
【0015】以上により、本発明の第一工程である重合
開始点の確認方法を提供することができた。なお、本発
明の第一工程を実施しない従来の重合方法を行った場
合、実質的に重合に寄与する重合触媒または重合開始剤
の量の把握が困難であり、特に高分子量の重合体におい
て再現性のよい分子量の重合体を製造することが困難と
なる場合がある。
【0016】続いて本発明の第二工程について説明す
る。本発明の第二工程は、上記の本発明の第一工程で重
合開始点を確認した後、重合触媒、または重合開始剤を
更に添加して重合体を製造する方法である。重合開始点
を確認した後、重合触媒または重合開始剤を一括添加す
ることにより、安定した分子量の重合体を再現性良く得
ることができる。ここで用いる重合触媒、または重合開
始剤は、先述の重合開始点確認時に用いた触媒と同じで
あっても異なっていても構わない。この第二工程での重
合触媒または開始剤の添加量は目的の重合体の分子量に
応じて任意に設定できるが、例えば重合転化率が実質的
に100%となるリビングアニオン重合においては、目
的の分子量=総モノマー添加重量/添加した重合開始剤
分子数 の関係を指標として設定する方法を挙げること
ができる。また、重合用モノマーとして、初期仕込みモ
ノマーに加えて、重合開始点の確認後に更にモノマーを
追添加することも可能である。追添加するモノマーは、
目的の重合体によって任意に選択できるが、例えば共役
ジエンモノマーのみを用いてもよく、共役ジエンモノマ
ーと芳香族ビニルモノマーを併用してもよい。タイヤ用
途等の重合体を目的とする場合は共役ジエンモノマーと
芳香族ビニルモノマーを併用する場合の両者の比率は、
共役ジエンモノマー/芳香族ビニルモノマーの重量比で
50/50〜90/10が好ましく、更に好ましくは5
5/45〜85/15である。該比が過小であると重合
体ゴムが重合溶媒に不溶となり、均一な重合が不可能と
なる場合があり、一方該比が過大であると重合体ゴムの
強度が低下する場合がある。また共役ジエンモノマーと
芳香族ビニルモノマーを併用する場合には、ランダム共
重合体であることが望ましい。ブロック共重合体を重合
することも可能であるが、タイヤ用の加硫ゴムとした時
の省燃費性が著しく低下することがある。なお、樹脂用
途、樹脂改質用途の重合体を得る場合はブロック共重合
を行う方が最終物性的に好ましい場合があり、その組成
比は目的の用途に応じて任意に設定できる。
【0017】また、第二工程の重合に際しても、先の第
一工程で説明した重合改質剤であるランダマイザー、共
役ジエン単位のビニル含量調節剤、その他の重合資材な
ど通常使用されているものを更に添加することも可能で
あるが、再現性のある重合を行うためには、重合開始点
の確認前の初期仕込みとして予め加えておく事が好まし
い。
【0018】なお、得られる重合体の混練加工性の観点
から、活性共役ジエン系重合体に対して一般式RaMX
bで示されるカップリング剤を添加するのが好ましい
(式中Rはアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニ
ル基又は芳香族炭化水素基、Mはケイ素またはスズ原
子、Xはハロゲン原子、aは0〜2の整数、bは2〜4
の整数を表す)。使用するアルカリ金属触媒1モル当た
り、通常0.03〜0.4モルであり、好ましくは0.
05〜0.3モルである。該使用量が少なすぎる場合は
加工性の改良効果が少なく、逆に多すぎる場合は、アル
カリ金属末端が少なくなり、末端変性等による省燃費性
等の改良を行う場合に不都合となる。
【0019】反応終了後、改質されたジエン系重合体ゴ
ムは反応溶媒中から凝固剤の添加あるいはスチーム凝固
など通常の溶液重合によるゴムの製造において使用され
る凝固方法がそのまま用いられ、凝固温度も何ら制限さ
れない。
【0020】反応系から分離されたクラムの乾燥も通常
の合成ゴムの製造で用いられるバンドドライヤー、押し
出し型のドライヤー等が使用でき、乾燥温度も何ら制限
されない。
【0021】かくして重合体を合成することができる。
【0022】重合体のムーニー粘度(ML1+4)は、1
0〜200であることが好ましく、更に好ましくは20
〜150である。ムーニー粘度が低すぎると加硫物の引
張り強度等の機械物性が低下する場合があり、一方該粘
度が高すぎると他のゴムと組み合わせて使用する場合に
混和性が悪く、加工操作が困難となり、得られたゴム組
成物の加硫物の機械物性が低下する場合がある。
【0023】重合体ゴムの共役ジエン部のビニル含量
は、10〜80%であることが好ましく、更に好ましく
は15〜75%である。該含量が過少であると重合体の
ガラス転移温度が低温となり、タイヤ用のポリマ−とし
て用いた場合、グリップ性能が劣る場合があり、一方該
含有量が過多であると重合体のガラス転移温度が上昇
し、反撥弾性に劣る場合がある。
【0024】
【実施例】以下に実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。 実施例1 内容積20リットルのステンレス製重合反応機を洗浄、
乾燥し、乾燥窒素で置換した後に1,3−ブタジエン1
420g、スチレン580g、テトラヒドロフラン12
2g、ヘキサン10.2kg、を仕込んだ後、ジャケッ
トを用いて重合槽内の温度を30.00℃に設定し、温
度の安定を確認した後n-ブチルリチウム(nヘキサン
溶液)をn-ブチルリチウムとして0.0295g添加
した。同様に1分後毎に0.0295gのn-ブチルリチ
ウムを添加したところ、7回目の添加後すみやかに昇温
が始まり約1分後に0.05℃の重合槽内の温度上昇が
認められた。この時点で系内の重合阻害物が無害化され
たことになり、重合開始点が確認されたことになる。引
続き、重合用のn−ブチルリチウム(n−ヘキサン溶液
9.8mmol)を添加し、攪拌下に65℃で3時間重
合を行った。重合完了後、10mlのメタノールを加え
て、更に5分間攪拌して重合を停止した。その後、重合
反応容器の内容物を取り出し、10gの2,6−ジ−t
−ブチル−p−クレゾール(住友化学製のスミライザー
BHT)を加え、ヘキサンの大部分を蒸発させた後、5
5℃で12時間減圧乾燥し、重合体ゴムを得た。
【0025】実施例2 内容積20リットルのステンレス製重合反応機を洗浄、
乾燥し、乾燥窒素で置換した後に1,3−ブタジエン1
420g、スチレン580g、テトラヒドロフラン12
2g、ヘキサン10.2kg、を仕込んだ後、ジャケッ
トを用いて重合槽内の温度を30.00℃に設定し、温
度の安定を確認した後n-ブチルリチウム(nヘキサン
溶液)をn-ブチルリチウムとして0.0295g添加
した。同様に1分後毎に0.0295gのn-ブチルリチ
ウムを添加したところ、8回目の添加後すみやかに昇温
が始まり約1分後に0.1℃の重合槽内の温度上昇が認
められた。この時点で系内の重合阻害物が無害化された
ことになり、重合開始点が確認されたことになる。引続
き、重合用のn−ブチルリチウム(n−ヘキサン溶液
9.8mmol)を添加し、攪拌下に65℃で3時間重
合を行った。重合完了後、実施例1と同様にメタノール
添加、取り出し等及び、乾燥処理を実施して重合体ゴム
を得た。
【0026】実施例3 内容積20リットルのステンレス製重合反応機を洗浄、
乾燥し、乾燥窒素で置換した後に1,3−ブタジエン1
420g、スチレン580g、テトラヒドロフラン12
2g、ヘキサン10.2kg、を仕込んだ後、ジャケッ
トを用いて重合槽内の温度を30.00℃に設定し、温
度の安定を確認した後n-ブチルリチウム(nヘキサン
溶液)をn-ブチルリチウムとして0.0368g添加
した。同様に1分後毎に0.0368gのn-ブチルリチ
ウムを添加したところ、7回目の添加後すみやかに昇温
が始まり約1分後に0.2℃の重合槽内の温度上昇が認
められた。この時点で系内の重合阻害物が無害化された
ことになり、重合開始点が確認されたことになる。引続
き、重合用のn−ブチルリチウム(n−ヘキサン溶液
9.8mmol)を添加し、攪拌下に65℃で3時間重
合を行った。重合完了後、実施例1と同様にメタノール
添加、取り出し等及び、乾燥処理を実施して重合体ゴム
を得た。
【0027】実施例4 内容積20リットルのステンレス製重合反応機を洗浄、
乾燥し、乾燥窒素で置換した後に1,3−ブタジエン1
420g、スチレン580g、テトラヒドロフラン12
2g、ヘキサン10.2kg、を仕込んだ後、ジャケッ
トを用いて重合槽内の温度を30.00℃に設定し、温
度の安定を確認した後n-ブチルリチウム(nヘキサン
溶液)をn-ブチルリチウムとして0.0442g添加
した。同様に1分後毎に0.0442gのn-ブチルリチ
ウムを添加したところ、6回目の添加後すみやかに昇温
が始まり約1分後に0.2℃の重合槽内の温度上昇が認
められた。この時点で系内の重合阻害物が無害化された
ことになり、重合開始点が確認されたことになる。引続
き、重合用のn−ブチルリチウム(n−ヘキサン溶液
9.8mmol)を添加し、攪拌下に65℃で3時間重
合を行った。重合完了後、実施例1と同様にメタノール
添加、取り出し等及び、乾燥処理を実施して重合体ゴム
を得た。
【0028】実施例5 内容積20リットルのステンレス製重合反応機を洗浄、
乾燥し、乾燥窒素で置換した後に1,3−ブタジエン1
420g、スチレン580g、テトラヒドロフラン12
2g、ヘキサン10.2kg、を仕込んだ後、ジャケッ
トを用いて重合槽内の温度を30.00℃に設定し、温
度の安定を確認した後n-ブチルリチウム(nヘキサン
溶液)をn-ブチルリチウムとして0.0516g添加
した。同様に1分後毎に0.0516gのn-ブチルリチ
ウムを添加したところ、7回目の添加後すみやかに昇温
が始まり約1分後に0.3℃の重合槽内の温度上昇が認
められた。この時点で引続き、重合用のn−ブチルリチ
ウム(n−ヘキサン溶液9.8mmol)を添加し、攪
拌下に65℃で3時間重合を行った。重合完了後、実施
例1と同様にメタノール添加、取り出し等及び、乾燥処
理を実施して重合体ゴムを得た。
【0029】比較例1 内容積20リットルのステンレス製重合反応機を洗浄、
乾燥し、乾燥窒素で置換した後に1,3−ブタジエン1
420g、スチレン580g、テトラヒドロフラン12
2g、ヘキサン10.2kg、を仕込んだ後、ジャケッ
トを用いて重合槽内の温度を30.00℃に設定し、温
度の安定を確認した後n-ブチルリチウム(nヘキサン
溶液)をn-ブチルリチウムとして0.0589g添加
した。同様に1分後毎に0.0589gのn-ブチルリチ
ウムを添加したところ、7回目の添加後すみやかに昇温
が始まり約1分後に0.5℃の重合槽内の温度上昇が認
められた。この時点で引続き、重合用のn−ブチルリチ
ウム(n−ヘキサン溶液9.8mmol)を添加し、攪
拌下に65℃で3時間重合を行った。重合完了後、実施
例1と同様にメタノール添加、取り出し等及び、乾燥処
理を実施して重合体ゴムを得た。
【0030】比較例2 内容積20リットルのステンレス製重合反応機を洗浄、
乾燥し、乾燥窒素で置換した後に1,3−ブタジエン1
420g、スチレン580g、テトラヒドロフラン12
2g、ヘキサン10.2kg、を仕込んだ後、ジャケッ
トを用いて重合槽内の温度を30.00℃に設定し、温
度の安定を確認した後n-ブチルリチウム(nヘキサン
溶液)をn-ブチルリチウムとして0.0295g添加
した。同様に1分後毎に0.0295gのn-ブチルリチ
ウムを添加し、3回目の添加でストップし、1分後に重
合槽内の温度上昇がみられない時点で 引続き、重合用
のn−ブチルリチウム(n−ヘキサン溶液9.8mmo
l)を添加し、攪拌下に65℃で3時間重合を行った。
重合完了後、実施例1と同様にメタノール添加、取り出
し等及び、乾燥処理を実施して重合体ゴムを得た。
【0031】比較例3 内容積20リットルのステンレス製重合反応機を洗浄、
乾燥し、乾燥窒素で置換した後に1,3−ブタジエン1
420g、スチレン580g、テトラヒドロフラン12
2g、ヘキサン10.2kg、を仕込んだ後、ジャケッ
トを用いて重合槽内の温度を30.00℃に設定し、温
度の安定を確認した後n-ブチルリチウム(nヘキサン
溶液)をn-ブチルリチウムとして0.0737g添加
した。同様に1分後毎に0.0737gのn-ブチルリチ
ウムを添加したところ、6回目の添加後すみやかに昇温
が始まり約1分後に0.7℃の重合槽内の温度上昇が認
められた。この時点で引続き、重合用のn−ブチルリチ
ウム(n−ヘキサン溶液9.8mmol)を添加し、攪
拌下に65℃で3時間重合を行った。重合完了後、実施
例1と同様にメタノール添加、取り出し等及び、乾燥処
理を実施して重合体ゴムを得た。
【0032】実施例1〜5、比較例1〜3で得た各重合
体ゴムについて、下記のとおり測定、評価を行った。重合体ゴムのムーニー粘度 JIS K−6300に準拠して100℃にて測定し
た。重合体ゴムのビニル含量 赤外分光分析法により測定した。重合体ゴムのスチレン含量 屈折率法により測定した。 測定、評価結果を表1,表2に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【発明の効果】以上説明した方法により、重合溶媒、モ
ノマー等に含まれる水分、重合禁止剤等の不純物が無害
化されて、現実に重合が可能な状態になる重合開始点を
確認した後に重合を実施することにより、目的の分子量
を持つ重合体を再現性良く効率的に製造する方法を提供
することができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J011 AB02 BB02 BB04 BB05 BB09 BB11 HA03 HB02 HB12 HB14 HB22

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記第一工程および第二工程からなる重
    合体の製造方法。 A.第一工程 モノマーの存在下に重合触媒または重合開始剤を重合槽
    内の温度が、0.02〜0.3℃/minの昇温速度で
    上昇するまで、連続的または断続的に添加する工程。 B.第二工程 第一工程完了後、重合反応に寄与する重合触媒または開
    始剤を更に添加して重合反応を実施する工程。
  2. 【請求項2】 下記第一工程および第二工程からなる共
    役ジエンモノマー重合体又は共役ジエンモノマーと芳香
    族ビニルモノマー共重合体の製造方法。 A.第一工程 重合溶媒、共役ジエンモノマー又は共役ジエンモノマー
    と芳香族ビニルモノマーの存在下に、初期仕込みモノマ
    ー等の総重量に対して、500万分の1〜500分の1
    の重合触媒または開始剤を、重合槽内の温度が0.02
    〜0.3℃/minの昇温速度で上昇するまで、連続的
    または断続的に添加する工程。(ここで初期仕込みモノ
    マー等とは、重合開始前に重合槽に仕込まれたモノマー
    の他、重合溶媒、重合改質剤、重合に必要なその他の重
    合資材を指す) B.第二工程 第一工程完了後、重合反応に寄与する重合触媒または開
    始剤を更に添加して重合反応を実施する工程。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101511877B (zh) * 2006-09-07 2012-09-05 尤尼威蒂恩技术有限责任公司 由聚合反应监测产生的数据确定指示树脂粘附的温度值的方法

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