JP2003266828A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP2003266828A
JP2003266828A JP2003001182A JP2003001182A JP2003266828A JP 2003266828 A JP2003266828 A JP 2003266828A JP 2003001182 A JP2003001182 A JP 2003001182A JP 2003001182 A JP2003001182 A JP 2003001182A JP 2003266828 A JP2003266828 A JP 2003266828A
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Japan
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image forming
forming apparatus
paper
movement amount
roller
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JP2003001182A
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English (en)
Inventor
Shigeyuki Hayashi
重之 林
Masatoshi Kokubo
雅俊 小久保
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Brother Industries Ltd
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Brother Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 用紙の種類や状態によらず、常に高精度の用
紙搬送を行うことができる画像形成装置を提供するこ
と。 【解決手段】 インクジェットプリンタ1は、用紙Pの
位置の判断に用いる情報を検出するために、モーション
センサ70を用紙搬送路4に備えており、このモーショ
ンセンサ70が発生する表面状態信号に基づいて用紙P
の搬送を制御する。モーションセンサ70は、半導体レ
ーザ74が照射するレーザ光を、用紙Pの搬送とともに
回転するアイドルローラ72の外周面にあて、その反射
光を2次元半導体イメージセンサ76により受光する。
そして、反射光により生じるスペックルパターンに基づ
いて、用紙Pの位置を検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高精度に用紙搬送
を行うことが出来る画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、プリンタ等の画像形成装置で
は、駆動源にステッピングモータ、またはエンコーダ付
きDCモータを使用し、その回転を、ギヤ列を介して搬
送用ローラに伝達し、その搬送ローラによって用紙を送
る用紙搬送機構を備えていた。
【0003】そして、駆動源にステッピングモータを用
いる場合は、パルス駆動によりモータの回転量を制御す
ることにより用紙の送り量を制御していた。また、駆動
源にエンコーダ付きDCモータを用いる場合は、エンコ
ーダの出力を元に閉ループ制御によってDCモータの回
転量を制御することにより、用紙の送り量を制御してい
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、実際に搬送さ
れた用紙の送り量は、ステッピングモータ自体では検出
できないため、モータに与えた駆動パルス数から推測す
るしかない。エンコーダ付きDCモータでは搬送精度は
エンコーダの分解能に支配される。昨今では、数μ単位
の高精度な検出精度で送り量の検出を要求されるように
なり、検出精度の改善が望まれていた。
【0005】また、上記の制御方法では、用紙つまり被
印刷媒体の挙動を駆動側の動作から推測しているため、
モータの構造に起因する回転ピッチ誤差、製造上生じる
ギヤの精度誤差、搬送ローラの外径誤差、使用する用紙
に依存する搬送量の誤差等のために、高精度の被印刷媒
体の搬送ができなかった。
【0006】本発明は以上の点に鑑みなされたものであ
り、被印刷媒体の種類や状態によらず、常に正確な被印
刷媒体の搬送を行うことができる画像形成装置を提供す
ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】(1)請
求項1の発明は、画像形成を行うために被印刷媒体を搬
送する画像形成装置において、前記被印刷媒体を搬送す
る搬送手段と、前記搬送手段を駆動する駆動手段と、前
記搬送手段によって直接的又は間接的に移動される観測
対象物と、前記観測対象物に可干渉性を有する光線を照
射すると共に、前記観測対象物の表面にて反射された反
射光を受光し、その受光した反射光に応じて、前記観測
対象物の表面状態に関する信号を発する表面状態信号発
生手段と、前記表面状態信号発生手段の発生した表面状
態信号を時系列に比較することにより、前記観測対象物
の移動量を求める移動量検出手段と、前記駆動手段によ
って前記搬送手段を駆動したときに移動する前記観測対
象物の移動量の前記移動量検出手段による検出結果に基
づいて、駆動手段を制御する制御手段と、を備える画像
形成装置を要旨とする。
【0008】本発明の画像形成装置は、移動する観測対
象物に光を照射したときのその表面からの反射光の検出
結果を元に、観測対象物の移動量を正確に検出し、その
正確な移動量を元に被印刷媒体の搬送を制御するので、
被印刷媒体を正確に搬送することができる。 (2)請求項2の発明は、前記被印刷媒体は、画像が印
刷される用紙であることを特徴とする請求項1に記載の
画像形成装置を要旨とする。
【0009】本発明は被印刷媒体を例示している。本発
明の画像形成装置は、上述したように、移動する観測対
象物に光を照射したときのその表面からの反射光の検出
結果を元に、観測対象物の移動量を正確に検出し、その
正確な移動量を元に用紙の搬送を制御するので、用紙を
正確に搬送することができる。
【0010】そのため、本発明の画像形成装置は、高品
質な画像形成を行うことができる。 (3)請求項3の発明は、前記観測対象物は、前記被印
刷媒体であることを特徴とする請求項1又は2に記載の
画像形成装置を要旨とする。本発明の画像形成装置で
は、搬送される被印刷媒体に可干渉性のある光線を照射
し、その反射光に基づいて表面状態信号を発生すること
ができる。
【0011】この場合、被印刷媒体の搬送に伴って被印
刷媒体の表面上で光線が反射する位置がずれ、反射光の
状態が変化する。つまり、反射光の状態の変化は、被印
刷媒体の搬送に対応しており、反射光に基づいて発生す
る表面状態信号の変化もまた、被印刷媒体の搬送に対応
している。
【0012】従って、本発明の画像形成装置は、表面状
態信号の変化に基づいて被印刷媒体の搬送量を検出し、
その搬送量を用いて、例えば、正確に被印刷媒体の搬送
を制御することができる。 (4)請求項4の発明は、前記観測対象物は、前記被印
刷媒体の移動に伴って移動する移動部材であることを特
徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置を要旨とす
る。
【0013】本発明は、移動部材を例示している。本発
明の画像形成装置では、例えば、回動部材のうちで、被
印刷媒体の搬送に伴って回動する部分に可干渉性のある
光線を照射し、その反射光に基づいて表面状態信号を発
生することができる。
【0014】この場合、被印刷媒体の搬送に伴って回動
部材が回動すると、回動部材の表面上で光線が反射する
位置がずれ、反射光の状態が変化する。つまり、反射光
の状態の変化は、被印刷媒体の搬送に対応しており、反
射光に基づいて発生する表面状態信号の変化もまた、被
印刷媒体の搬送に対応している。
【0015】従って、本発明の画像形成装置は、表面状
態信号の変化に基づいて被印刷媒体の搬送量を検出し、
その搬送量を用いて、例えば、正確に被印刷媒体の搬送
を制御することができる。 (5)請求項5記載の発明は、前記移動部材の表面は、
前記反射光にスペックルパターンが生じるような反射面
とされていることを特徴とする請求項4記載の画像形成
装置を要旨とする。
【0016】本発明の画像形成装置では、移動部材から
の反射光にスペックルパターンが生じるので、そのスペ
ックルパターンを用いて、被印刷媒体の搬送量を算出す
ることができる。つまり、移動部材からの反射光に生じ
ているスペックルパターンは、光線が反射する点におけ
る移動部材の表面形状を反映しているので、被印刷媒体
の搬送に伴い移動部材が移動すると、スペックルパター
ンも移動する。そして、スペックルパターンの移動量
は、被印刷媒体の搬送量に対応している。
【0017】従って、移動量検出手段において、スペッ
クルパターンの移動量を測定し、そのスペックルパター
ンの移動量に基づいて、被印刷媒体の搬送量を算出する
ことができる。前記スペックルパターンとは、例えば、
可干渉性のある光線を所定の反射面にて反射させた反射
光において、前記反射面の表面形状に対応した干渉パタ
ーンをいう。 (6)請求項6記載の発明は、前記移動部材は、前記被
印刷媒体の移動に伴って回動するローラであることを特
徴とする請求項4又は5記載の画像形成装置を要旨とす
る。
【0018】本発明の画像形成装置では、例えば、ロー
ラのうち、回動に伴って移動する部分(例えばローラの
外周面)に可干渉性のある光線を照射し、その反射光に
基づいて表面状態信号を発生することができる。この場
合、被印刷媒体の搬送に伴ってローラが回動すると、ロ
ーラの表面において光線が反射する位置がずれ、反射光
の状態(例えばスペックルパターン)が変化する。
【0019】つまり、反射光の状態の変化は、被印刷媒
体の搬送に対応しており、反射光に基づいて発生する表
面状態信号の変化もまた、被印刷媒体の搬送に対応して
いる。従って、本発明の画像形成装置は、表面状態信号
の変化に基づいて被印刷媒体の搬送量を検出し、その搬
送量を用いて、例えば、正確に被印刷媒体の搬送を制御
することができる。 (7)請求項7の発明は、前記光線は、前記ローラの外
周面に照射されることを特徴とする請求項6に記載の画
像形成装置を要旨とする。
【0020】本発明は、ローラにおいて光線が照射され
る位置を例示している。ローラの外周面に光線を照射
し、被印刷媒体の搬送に伴ってローラが回動すると、光
線が反射する点はローラの外周面上を移動する。従っ
て、反射光の状態(例えばローラの外周面の表面形状を
反映したスペックルパターン)は、被印刷媒体の搬送に
応じて変化するので、反射光に基づいて表面状態信号を
発生することができる。 (8)請求項8の発明は、前記ローラは、第1の外径を
有する第1外径部と、前記第1の外径より小さい第2の
外径を有する第2外径部とを備え、前記光線は、前記第
2外径部の外周面に照射されることを特徴とする請求項
6又は7に記載の画像形成装置を要旨とする。
【0021】本発明の画像形成装置において、光線が照
射されるローラの第2外径部は、第1外径部より外径が
小さいので、例えば、ローラの外周面が被印刷媒体に押
圧された場合でも、被印刷媒体に接触しない。そのた
め、例えば、被印刷媒体の表面に付着した物質(例えば
インク)によって第2外径部が汚染されたり、被印刷媒
体によって第2外径部が摩耗したりすることがない。
【0022】従って、本発明の画像形成装置では、反射
光や、その反射光に基づく表面状態信号が、第2外径部
の汚れや摩耗により経時変化することがないので、常に
正確に被印刷媒体の位置を検出することができる。 (9)請求項9の発明は、前記ローラは、前記被印刷媒
体と接触し、該被印刷媒体の搬送に応じてつれ回りする
ことを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の画像
形成装置を要旨とする。
【0023】本発明において、ローラは被印刷媒体と接
触し、その被印刷媒体の搬送に応じてつれ回りするの
で、例えば、ローラに駆動力を加えて駆動する場合のよ
うに、ローラと被印刷媒体との接触面にスリップが生じ
る虞れが少ない。そのため、ローラの回動量(ローラの
外周面の移動量)は、実際の被印刷媒体の搬送量を正確
に反映している。
【0024】ここで、制御手段によって制御される被印
刷媒体の搬送量は、ローラの回動に伴い変化する表面状
態信号を時系列的に比較して算出されるものであるの
で、ローラの回動量に対応している。つまり、本発明に
おいて、ローラの回動量は、実際の被印刷媒体の搬送量
を正確に反映しており、そのローラの回動量に対して、
制御手段により制御される被印刷媒体の搬送量が対応し
ている。
【0025】従って、本発明の画像形成装置は、被印刷
媒体の搬送を正確に制御することができる。 (10)請求項10の発明は、前記ローラは、前記被印
刷媒体の表面に対して垂直方向に可動に設けられ、前記
被印刷媒体に対して一定の力で押圧されていることを特
徴とする請求項6〜9のいずれかに記載の画像形成装置
を要旨とする。
【0026】本発明の画像形成装置では、ローラが被印
刷媒体の表面に対して垂直方向に可動であり、被印刷媒
体に対して一定の力で押圧されているので、例えば、被
印刷媒体の厚みが変化した場合でも、被印刷媒体に対す
るローラの押圧力が過大となったり、逆に、過小となっ
たりすることが無い。
【0027】そのため、ローラは、被印刷媒体の搬送に
伴って滑らかに回動することができ、ローラの回動量と
被印刷媒体の搬送量とは正確に対応する。よって、本発
明の画像形成装置は、ローラの回動に基づいて、正確に
被印刷媒体の搬送量を測定することができる。これによ
り、本発明の画像形成装置は、被印刷媒体の搬送を正確
に制御することができる。 (11)請求項11の発明は、前記光線の受光は、2次
元に配列された複数の画素を備えた受光素子を用いるこ
とを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の画像
形成装置を要旨とする。
【0028】本発明の画像形成装置は、2次元に配列さ
れた複数の画素を備えた受光素子を有しているので、反
射光に生じるパターン(例えばスペックルパターン)
を、2次元のイメージ信号として受信することができ
る。そのため、反射光のパターンを正確に認識すること
ができる。 (12)請求項12の発明は、前記表面状態信号発生手
段において、前記光線を照射する光源の位置、前記光線
を反射する移動部材の位置、及び前記反射光を受光する
受光素子の位置が、前記被印刷媒体の厚さに係わらず、
相互に一定に保たれることを特徴とする請求項4〜11
のいずれかに記載の画像形成装置を要旨とする。
【0029】本発明の画像形成装置では、光源、移動部
材、及び受光素子の位置関係が被印刷媒体の厚さによら
ず一定であるので、光源が発する光線は、一定の経路を
経て、受光素子により受光される。従って、本発明の画
像形成装置は、常に、正確な被印刷媒体の搬送量を算出
することができる。 (13)請求項13の発明は、前記表面状態信号発生手
段は、前記光線を照射する光源と、前記反射光を受光す
る受光素子とを、前記光源、前記受光素子、及び前記ロ
ーラとの位置関係を一定に保つように取り付けるフレー
ム部を備えることを特徴とする請求項6〜10のいずれ
かに記載の画像形成装置を要旨とする。
【0030】本発明は、表面状態信号発生手段の構成を
例示している。光源、受光素子及びローラの位置関係が
一定であるので、光源が発する光線は、一定の経路を経
て、受光素子により受光される。従って、本発明の画像
形成装置は、常に、正確な被印刷媒体の搬送量を算出す
ることができる。 (14)請求項14の発明は、前記表面状態信号発生手
段は、筐体により囲まれていることを特徴とする請求項
1〜13のいずれかに記載の画像形成装置を要旨とす
る。
【0031】本発明では、表面状態信号発生手段が筐体
により囲まれているので、光源が発する光線が筐体の外
部にもれることがない。従って、本発明の画像形成装置
は、光線による人体に対する危険が生じない。 (15)請求項15の発明は、前記表面状態信号発生手
段において、前記光線は、下向きに照射されることを特
徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の画像形成装
置を要旨とする。
【0032】本発明の画像形成装置では、万一、光源が
発する光線の経路がずれ、表面状態信号発生手段の外に
照射された場合でも、下向きに照射されるので、人体に
対する影響が少ない。 (16)請求項16の発明は、前記被印刷媒体上に画像
を形成する画像形成手段を備えているとともに、前記表
面状態信号発生手段は、前記画像形成手段よりも、前記
被印刷媒体の搬送方向における上流側に設けられている
ことを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の画
像形成装置を要旨とする。
【0033】本発明の画像形成装置では、表面状態信号
発生手段は画像形成装置よりも上流側に設けられている
ので、表面状態信号発生手段の近傍にある被印刷媒体に
は、未だ画像形成(印字)がされていない。従って、表
面状態信号発生手段が、例えば、画像形成手段により被
印刷媒体に吐出されたインクにより汚染されることがな
い。 (17)請求項17の発明は、更に、前記表面状態信号
発生手段とは別の表面状態信号発生手段が、前記画像形
成手段よりも、前記被印刷媒体の搬送方向における下流
側に設けられていることを特徴とする請求項16に記載
の画像形成装置を要旨とする。
【0034】本発明の画像形成装置は、画像形成手段の
上流側と、下流側とに、それぞれ表面状態信号検出手段
を備えているので、例えば、2つの表面状態信号発生手
段を使い分けることにより、被印刷媒体の全体に渡っ
て、被印刷媒体の位置を検出し、更には、例えば、被印
刷媒体の搬送を制御することができる。 (18)請求項18の発明は、前記被印刷媒体が、前記
上流側の表面状態信号発生手段によりその位置を検出さ
れる範囲を通過した後においては、前記下流側の表面状
態信号発生手段が発生した前記表面状態信号を用いて、
前記被印刷媒体の搬送量を算出することを特徴とする請
求項17に記載の画像形成装置を要旨とする。
【0035】本発明の画像形成装置では、被印刷媒体が
上流側の表面状態信号発生手段によりその位置を検出さ
れる範囲にある時には、上流側の表面状態信号発生手段
を用いて表面状態信号を発生させ、被印刷媒体が上流側
の表面状態信号発生手段により検出される範囲を通過し
た後においては、下流側の表面状態信号発生手段を用い
て表面状態信号を発生させる。
【0036】従って、本発明の画像形成装置では、被印
刷媒体の全体に渡って、表面状態信号を発生させること
ができ、更には、その表面状態信号を用いて、例えば、
被印刷媒体の全体に渡って搬送を制御することができ
る。 (19)請求項19の発明は、前記移動量検出手段は、
前記表面状態信号発生手段によって発生された表面状態
信号から、移動量検出のための特徴点を抽出し、該特徴
点の位置の比較によって移動量を算出することを特徴と
する請求項1〜18記載の画像形成装置を要旨とする。
【0037】本発明の画像形成装置は、観測対象物の表
面に発生するスペックルパターンを読み取った結果であ
る表面状態信号から、移動量を検出するための特徴点あ
るいは特徴パターンを抽出し、前回の特徴点又は特徴パ
ターンの位置の比較により正確な観測対象物の移動を検
出することができる。 (20)請求項20の発明は、前記表面状態信号発生手
段は、複数の光電変換素子からなり、前記観測対象物が
想定される最大速度で移動したとき、前記移動量検出手
段による移動量検出動作を複数回行うことが可能な測定
範囲を有することを特徴とする、請求項1〜19記載の
画像形成装置を要旨とする。
【0038】本発明の画像形成装置は、観測対象物の移
動速度の最大値が想定可能なときに、表面状態信号発生
手段が、前記移動量検出手段による移動量検出動作を複
数回行うことが可能な測定範囲を有することにより、必
ず表面状態信号の相関を調べることができ、より正確な
観測対象物の移動量を検出することができる。 (21)請求項21の発明は、前記移動量検出手段は、
特徴点の抽出に失敗した場合には、その検出結果を破棄
することを特徴とする請求項19又は20に記載の画像
形成装置を要旨とする。
【0039】本発明の画像形成装置は、前記移動量検出
手段が、比較の対象となる特徴点を発見できなかった場
合には、エンコーダを使った制御と異なり、移動量その
ものを観測対象としているため、取得した表面状態信号
を破棄することで異常な移動量を加算することなく正確
な観測対象の移動量を検出することができる。 (22)請求項22の発明は、前記移動量検出手段は、
特徴点の抽出に連続で所定回数失敗した場合に、搬送異
常と判断することを特徴とする請求項19〜21のいず
れかに記載の画像形成装置を要旨とする。
【0040】本発明の画像形成装置は、移動量検出手段
が特徴点の抽出に連続して失敗する場合には、前記移動
量検出手段の故障や、搬送手段の異常が考えられるた
め、エラーを出すことにより、正常に搬送されていない
ことを使用者に告知することができる。 (23)請求項23の発明は、前記移動量検出手段が抽
出する特徴点又は特徴パターンは、前記観測対象物が想
定される最大速度で移動したとき、少なくとも連続して
2回の移動量検出動作を行っても前記表面状態信号発生
手段の測定範囲に入るような大きさであることを特徴と
する、請求項19記載の画像形成装置を要旨とする。
【0041】本発明の画像形成装置は、前記移動量検出
手段で抽出する特徴点又は特徴パターンの大きさを連続
して2回以上移動量検出動作を行っても前記表面状態信
号発生手段の測定範囲を逸脱しないような大きさとする
ことにより、前記観測対象物の想定される移動速度内で
あれば、必ず前回との位置の比較が可能となり、より正
確な移動量の検出が可能となる。 (24)請求項24の発明は、画像形成を行うために用
紙を搬送する画像形成装置において、前記用紙を搬送す
る搬送手段と、前記搬送手段を駆動する駆動手段と、前
記用紙に可干渉性を有する光線を照射すると共に、前記
用紙の表面にて反射された反射光を受光し、その受光し
た反射光に応じて、前記用紙の表面状態に関する信号を
発する表面状態信号発生手段と、前記表面状態信号発生
手段の発生した表面状態信号を時系列に比較することに
より、前記用紙の移動量を求める移動量検出手段と、前
記駆動手段によって前記搬送手段を駆動したときに移動
する前記用紙の移動量の前記移動量検出手段による検出
結果に基づいて、駆動手段を制御する制御手段と、を備
える画像形成装置を要旨とする。
【0042】本発明の画像形成装置では、搬送される用
紙に可干渉性のある光線を照射し、その反射光に基づい
て表面状態信号を発生することができる。この場合、用
紙の搬送に伴って用紙の表面上で光線が反射する位置が
ずれ、反射光の状態が変化する。
【0043】つまり、反射光の状態の変化は、用紙の搬
送に対応しており、反射光に基づいて発生する表面状態
信号の変化もまた、用紙の搬送に対応している。従っ
て、本発明の画像形成装置は、表面状態信号の変化に基
づいて用紙の搬送量を検出し、その搬送量を用いて、例
えば、正確に用紙の搬送を制御することができる。
【0044】
【発明の実施の形態】以下に本発明の画像形成装置の実
施の形態の例(実施例)を説明する。尚、以下では、画
像形成装置として、インクジェットプリンタを例にとっ
て説明する。 (実施例1) a)まず、インクジェットプリンタ1の全体構成を図1
を用いて説明する。
【0045】インクジェットプリンタ1は、複数枚の用
紙Pを収容し、その中から一枚ずつ給紙することができ
る給紙機構10と、給紙機構10により給紙された用紙
Pを用紙搬送路4を経て排紙台(図示略)へ搬送する用
紙送り機構20と、搬送中の用紙Pにインクを噴出して
印字する(画像を形成する)印字機構30と、給紙機構
10及び用紙送り機構20が備えるローラに駆動力を伝
える駆動機構(図示略)と、上記各部分の動作を制御す
るための制御機構50(制御手段:図1では図示略)
と、用紙Pの位置を判断するために用いられる情報を検
出し、上記制御機構50に出力するモーションセンサ7
0(表面状態信号検発生手段及び移動量検出手段)と、
上記各部分を支持する本体フレーム2と、を備えてい
る。
【0046】b)次に、給紙機構10の構成を図1を用
いて説明する。給紙機構10は、本体フレーム2の後端
部の上端に形成されたカセット取り付け凹部2aに着脱
可能に装着された給紙カセット11を備えている。この
給紙カセット11は、その上側(図1における上側)
に、複数の用紙Pが積層された用紙台12を備えてい
る。この用紙台12の後端部(図1における左側)は、
給紙カセット11の本体に揺動可能に枢支されており、
その前端部(図1における右側)は圧縮コイルバネ13
により上側に付勢されている。
【0047】更に、給紙機構10は、用紙台12の前端
部の上側に、左右方向(図1における奥行き方向)に伸
びる給紙ローラ14を備えている。この給紙ローラ14
の左右両端は、本体フレーム2に連結された左右一対の
側壁板3にそれぞれ回転可能に枢支されており、給紙ロ
ーラ14は、フィードモータ62(図示略)から駆動機
構(図示略)を介して伝えられる駆動力により回転す
る。
【0048】上記給紙ローラ14に対し、給紙カセット
11の用紙台12に積載された複数枚の用紙Pは、用紙
台12を介して圧縮コイルバネ13で押圧されている。
従って、駆動機構により給紙ローラ14が反時計回りに
回転すると、この給紙ローラ14に接している最上層の
用紙Pが印字機構30に向かう用紙送り方向F(図1に
おける右方向)へ給紙される。
【0049】c)次に、用紙送り機構20の構成を図1
乃至図3を用いて説明する。用紙送り機構20は、用紙
Pを搬送する用紙搬送路4を備えている。この用紙搬送
路4は、本体フレーム2のうちの、カセット取り付け凹
部2aから、前方に伸びる用紙ガイド部2bに至る間で
の部分である。
【0050】また、用紙送り機構20は、上記用紙搬送
路4の、後述する印字機構30の印字ヘッド36より上
流側(図1における左側)に、回転可能に枢支されたゴ
ム製の第1送りローラ21を備えている。この第1送り
ローラ21は駆動機構から伝えられる駆動力により、時
計回り(図1における時計回り)に駆動される。そし
て、この第1送りローラ21に対して、従動ローラ22
が上側から当接している。この従動ローラ22は、揺動
アーム24の下端部に回動可能に枢着されており、その
揺動アーム24は、その上端部において側壁板3に枢着
されるとともに、圧縮コイルバネ23にて、従動ローラ
22を第1送りローラ21に押しつける向きに、押圧付
勢されている。
【0051】更に、用紙送り機構20は、用紙搬送路4
の、印字ヘッド36よりも下流側に、本体フレーム2に
回転可能に枢支されたゴム製の第2送りローラ25を備
えている。この第2送りローラ25は駆動機構から伝え
られる駆動力により、時計回り(図1における時計回
り)に駆動される。そして、この第2送りローラ25に
対して、複数個の拍車ローラ26が上側から当接してい
る。この拍車ローラ26の各々は、複数の放射状の突起
を有するギヤ状のローラであり、後述する支持板33に
固着された取り付け板27に、印字幅方向(図1におけ
る奥行き方向)の所定間隔毎に、回転可能に枢支されて
いる。
【0052】上記の構成により、給紙機構10から供給
された用紙Pは、第1送りローラ21と第2送りローラ
25との回転に伴って、用紙送り方向Fに搬送される。
更に、用紙送り機構20は、用紙Pの有無を検出するた
めの用紙端検出センサ42を、印字ヘッド36のやや上
流に備えている。
【0053】この用紙端検出センサ42は、図2に示す
様に、軸41aを中心として回動可能に設けられ、反時
計回りに付勢された回動部41と、回動部41が反時計
回りに回動した際にはOFFとなり、時計回りに回動し
た際にはONとなる検知部40から成る。
【0054】次に、用紙Pが通過する際における用紙端
検出センサ42の動作を以下に説明する。印字ヘッド3
6の近傍に用紙Pがない時には、回動部41は、付勢力
によって、反時計回りに回動した状態にあり、その先端
(図2における右端)は、用紙搬送路4の上側に突出し
ている。この時、検知部40はOFFとなっている。
【0055】用紙Pが上流から搬送されてきて、その先
端が回動部41を時計回り方向に回動させると、検知部
40はONとなる。用紙Pが更に進み、その後端が回動
部41を通過すると、回動部41は、付勢力により再び
反時計方向に回動し、検知部40はOFFとなる。
【0056】つまり、用紙端検出センサ42は、そこに
用紙Pがある間はONとなり、用紙Pがない時にはOF
Fとなるので、用紙Pの有無を検知することができる。
d)次に、印字機構30の構成を図1及び図2を用いて
説明する。印字機構30は、図示外の側壁に支持されて
左右(図1における奥行き方向)に伸びるガイドロッド
32と、本体フレーム2の前方(図1における右側)
に、上方に突出するように設けられた支持板33と、上
記ガイドロッド32及び上記支持板33の上端部とで、
左右方向に移動可能に支持されたキャリッジ31とを備
えている。
【0057】このキャリッジ31には、カートリッジホ
ルダー34が固定されており、そのカートリッジホルダ
ー34には、印字に供するインクを収容したインクカー
トリッジ35が着脱可能に装着されている。また、上記
キャリッジ31には、印字ヘッド36が、用紙搬送路4
に対面して取り付けられている。この印字ヘッド36に
は、インクカートリッジ35から供給されたインクを噴
射する複数のインクジェットノズル(図示略)が形成さ
れている。このインクジェットノズルは、例えば、64
個が、32個ずつ2列状に分割して列設されたものであ
る。
【0058】上記キャリッジ31は、図示外のキャリッ
ジ駆動機構から伝えられる駆動力により、左右方向へ往
復移動することができる。印字する際には、キャリッジ
31(インクジェットノズル)を往復移動させながら、
印字するドットパターンデータに基づいて、例えば、6
4個のインクジェットノズルから選択的に噴射駆動す
る。
【0059】尚、図3においても、印字機構30が図示
されているが、図1に示される印字機構30とはキャリ
ッジの支持構造及びインクカートリッジの取り付け構造
が前後反対となっている。 e)次に、制御機構50(制御部)の構成を図4を用い
て説明する。
【0060】制御機構50は、図4に示す様に、CPU
51、ROM52,RAM53,相関器54、ヘッド駆
動回路56、搬送駆動回路57、キャリッジ駆動回路5
8、及びそれらを接続する入出力インターフェース55
を備えている。上記ヘッド駆動回路56は、印字ヘッド
36に接続しており、インクの噴射駆動に関する信号を
伝える。
【0061】上記搬送駆動回路57は、フィードモータ
62に接続しており、フィードモータ62の駆動に関す
る信号を伝える。尚、このフィードモータ62は、ステ
ッピングモータであり、所定のパルス時間を単位とし
て、所定の速度で駆動される。また、フィードモータ6
2は、駆動機構を介して、給紙機構10の給紙ローラ1
4、用紙送り機構20の第1送りローラ21、及び第2
送りローラ25を駆動する。
【0062】上記キャリッジ駆動回路58は、キャリッ
ジ駆動モータ63と接続しており、キャリッジ31の駆
動に関する信号を伝える。上記入出力インターフェース
55は、上記の各要素を相互に接続しているとともに、
A/D変換器66及び増幅器67を介して、モーション
センサ70と接続しており、また、用紙端検出センサ4
2と接続している。更に、通信用インターフェース64
を介して、外部電子装置65と接続している。
【0063】この制御機構50は、モーションセンサ7
0から伝えられる信号(表面状態信号)や用紙端検出セ
ンサ42から伝えられる信号を基にして、用紙Pの移動
を検出し、その結果に基づいて、フィードモータ62、
キャリッジ駆動モータ63、印字ヘッド36を制御する
が、その具体的な方法は後に詳述する。
【0064】また、制御機構50は、通常のインクジェ
ットプリンタにおける制御機構と同様の制御を行うこと
ができるが、本発明とは関係がないので省略する。 f)次に、モーションセンサ70の構成を、図1、図
2、図3、図5及び図6を用いて説明する。
【0065】モーションセンサ70の取り付け位置は、
図1に示す様に、用紙Pの搬送方向に関しては、印字機
構30の上流側であり、また、図3に示す様に、幅方向
に関しては、中央である。このモーションセンサ70
は、図5に示す様に、センサホルダ71、センサホルダ
71の下端(図5における右下端)に回転自在に取り付
けられたアイドルローラ72(移動部材、回動部材)、
及びセンサホルダ71の上面に設けられたセンサ筐体7
3を備えており、そのセンサ筐体73の内部には、アイ
ドルローラ72に対してレーザ光を照射する半導体レー
ザ74、そのレーザ光の反射光を集光するためのレンズ
75、及び反射光を受光する2次元半導体イメージセン
サ76を備えている。
【0066】上記センサホルダ71は、図3に示す様
に、従動アーム24と平行に取り付けられている。つま
り、このセンサホルダ71は、従動アーム24と共通の
軸を中心として回動可能に側壁板3に枢着されており、
圧縮コイルバネにて、従動アーム24の押圧付勢と同じ
方向(即ちアイドルローラ72を第1送りローラ21に
押しつける方向)に、押圧付勢されている。
【0067】上記アイドルローラ72は、図3に示す様
に、従動ローラ22と同軸となるように、センサホルダ
71の下端に取り付けられている。このアイドルローラ
72は、図2に示す様に、第1送りローラ21上に用紙
Pが有るときには、用紙Pに押し当てられ、用紙Pの搬
送に伴ってつれ回りする。
【0068】また、アイドルローラ72は、図6に示す
様に、その中心部が、その両側よりも凹んだ形状を有し
ている。つまり、アイドルローラ72の両端には、大き
い外径(第1の外径)を有する第1外径部72aがあ
り、中心部には、第1の外径より小さい第2の外径を有
する第2外径部72bがある。従って、アイドルローラ
72の外周面のうち、用紙Pまたは第1送りローラ21
に接触するのは、第1外径部72aのみである。尚、ア
イドルローラ72の第2外径部72bの表面は、スペッ
クルパターンのコントラストが得られるように適度な粗
さを備え、白色であることが望ましい。
【0069】上記半導体レーザ74は、レーザ光をアイ
ドルローラ72の第2外径部72bに照射し、その反射
光は、レンズ75を経て、2次元半導体イメージセンサ
76に導かれる。尚、上記反射光には、第2外径部72
bの表面形状を反映して、スペックルと呼ばれる斑点状
の干渉模様が生じている。
【0070】上記2次元半導体イメージセンサ76は、
例えば、およそ5μmの画素を400×400個配列し
た受光部を備えており、アイドルローラ72からの反射
光を光電変換してイメージ信号を生成する。そのイメー
ジ信号は、増幅器67を経てA/D変換器66へ送ら
れ、デジタル信号に変換される。
【0071】尚、このデジタル信号は、用紙搬送の制御
に利用されるが、その詳細は後述する。 g)次に、インクジェットプリンタ1の印字処理を図7
を用いて説明する。ステップ100では、外部電子機器
65から、通信用インターフェース64を経て印字開始
信号、及び印字データが制御機構50に入力する。印字
データはRAM53に記憶される。
【0072】ステップ110では、用紙Pが給紙カセッ
ト11から取り出され、搬送経路4に沿って搬送され
る。具体的には、データ制御機構50(図4)の駆動回
路57が、フィードモータ62に駆動信号を発する。そ
のフィードモータ62の駆動力は、駆動機構を経て、給
紙機構10の給紙ローラ14に伝えられる。駆動された
給紙ローラ14は、給紙カセット11から、用紙Pを一
枚ずつ取り出し、搬送経路4に供給する。
【0073】ステップ120で、用紙Pの先端が用紙端
検出センサ42に検出されると、ステップ130では、
給紙ローラ14が更に所定量回転して、まず用紙Pの先
端が第1送りローラ21と従動ローラ22とのニップに
突き当たり、いわゆるレジスト作用が行われた後、今度
はフィードモータ62が逆方向に回転駆動されることに
より、これまで図1及び図2において反時計方向に回転
していた第1送りローラ21が時計方向に所定量(先端
規定量)回転し、用紙Pの印字領域の先頭が印字機構3
0の印字ヘッド36の下に来るまで用紙Pを送る。その
後、第1送りローラ21及び用紙Pは一旦停止する。
【0074】尚、第1送りローラ21がフィードモータ
62によって時計方向に回転駆動される際には、フィー
ドモータ62の駆動力が給紙ローラ14には伝達されな
いので、第1送りローラ21の回転に伴う用紙Pの搬送
には支障が生じない。ステップ140では、用紙Pが停
止した状態で、印字機構30を用いて、印字データの最
初の1行分の印刷を行う。つまり、RAM53に記憶さ
れた印字データに基づき、駆動回路58がキャリッジ3
1を駆動し、また、ヘッド駆動回路56が印字ヘッド3
6を駆動することにより印字を実行する。
【0075】ステップ150では、後述する処理(この
ステップ150以降におけるカウント数が改行規定量に
達したかを判断する処理)を実行するための準備とし
て、RAM53に記憶されたカウント数をリセットす
る。尚、このカウント数とは、モーションセンサ70が
出力する信号を基にカウントアップされるパラメータで
あるが、その詳細は後述する。
【0076】ステップ160では、モーションセンサ7
0を用いて、アイドルローラ72の表面状態、従って、
用紙Pの位置を判断するのに用いられるデジタル信号
(表面状態信号)を検出し、RAM53に記録する。具
体的には、モーションセンサ70の半導体レーザ74か
らのレーザビームをアイドルローラ72の第2外径部7
2bに照射し、その反射光を2次元半導体イメージセン
サ76により検知する。2次元半導体イメージセンサ7
6は、前記反射光を光電変換してイメージ信号を生成す
る。そのイメージ信号は、増幅器67で増幅され、A/
D変換回路66でデジタル信号に変換された後、RAM
53に記憶される。
【0077】尚、レーザ光は可干渉性があるので、2次
元半導体イメージセンサ76が受光する反射光には、レ
ーザ光が反射した点における、アイドルローラ72の表
面形状を反映したスペックルパターンが生じており、こ
の反射光を光電変換してなるデジタル信号にも、スペッ
クルパターンが生じている。
【0078】ステップ170では、フィードモータ62
を1パルス分だけ駆動させることにより、用紙Pを下流
方向に搬送する。尚、この時、アイドルローラ72も、
用紙Pの搬送に伴って、所定量回転する。ステップ18
0では、用紙端検出センサ42がONであるか否か(即
ち、未だ用紙Pの搬送方向における後端が、用紙端検出
センサ42を通過していないか否か)を判断し、YES
の場合はステップ190に進む。一方、NOの場合はス
テップ270に進む。
【0079】ステップ190では前記ステップ160と
同様にして、アイドルローラ72の表面状態に関し用紙
Pの位置を判断するのに用いられるデジタル信号(表面
状態信号)をRAM53に記憶する。ステップ200で
は、前記ステップ160又はステップ190においてR
AM53に記憶されたデジタル信号のうち、最新の信号
と、その前に記憶された信号とを用いて、相関器54に
て演算を行い、前記ステップ170において、用紙Pが
搬送方向に搬送された搬送量を算出する。
【0080】以下、図8を用いて具体的に説明する。前
記ステップ160又はステップ190にてRAM53に
記憶されたデジタル信号は、それぞれ、レーザ光が反射
した点(アイドルローラ72の表面)における表面形状
を反映したスペックルパターンを有している。
【0081】用紙Pが搬送されると、アイドルローラ7
2は所定量回転して、レーザ光の反射する点がずれるの
で、デジタル信号におけるスペックルパターンは、用紙
Pの搬送量に対応する分だけ移動する。つまり、用紙P
の搬送前のスペックルパターンと、用紙Pの搬送後のス
ペックルパターンとでは、用紙Pの搬送量に対応する分
だけ移動している。
【0082】従って、用紙Pの搬送に伴うスペックルパ
ターンの移動量を測定すれば、その測定結果に基づい
て、用紙Pの搬送量を算出することができる。尚、アイ
ドルローラ72の第2外径部72bは、用紙Pと接触す
る第1外径部72aより径が小さくなっているので、そ
の分、スペックルパターンの移動量が小さくなることが
考慮されることは勿論である。
【0083】よって、このステップ200では、まず、
図8に示す様に、用紙Pの搬送(ステップ170)の前
後にそれぞれRAM53に記憶したデジタル信号のスペ
ックルパターンを相関器54にて比較し、スペックルパ
ターンの移動量を測定する。次に、その測定結果に基づ
いて、ステップ170における用紙Pの搬送量をCPU
51にて算出する。この用紙Pの搬送量はRAM53に
記憶する。ステップ200の処理については後で詳述す
る。
【0084】ステップ215では、前記ステップ200
で算出した用紙Pの搬送量を、RAM53に記憶された
パラメータであるカウント数(前回ステップ210を実
行した時点での、用紙Pの搬送量の累積値)に加えて、
前記カウント数を更新する。尚、このカウント数は、前
述したように、ステップ150においてリセットされる
値である。
【0085】ステップ220では、前記ステップ215
で更新したカウント数が、所定の改行規定量(印字ヘッ
ド36のノズル部分の長さ;例えば1インチ)に達して
いるかを判断する。改行規定量に達している場合は、ス
テップ230に進み、改行規定量に達していない場合は
ステップ170に進む。
【0086】ステップ230では、直前の印字(ステッ
プ140又はステップ240)以降において、1パルス
分の駆動(ステップ170)を実行した回数を、改行パ
ルス数としてRAM53に記憶する。更に、このステッ
プ230では、印字処理が開始されて以来の、前記改行
パルス数の平均値を、平均改行パルス数として算出し、
RAM53に記憶する。
【0087】ステップ240では、1行分の印字を実行
する。このステップ240で印字されるのは、未だ印字
されていない印字データのうち、先頭の部分である。ス
テップ250では、未だ印字されていない印字データが
有るか否かが判断される。YESの場合はステップ15
0に進み、NOの場合はステップ260に進む。
【0088】ステップ260では、フィードモータ62
を所定量駆動して、用紙Pを搬送経路4の下流側に排出
する。一方、前記ステップ180にてNOと判定された
場合(即ち、用紙Pの後端が用紙端検出センサ42を通
過した場合)は、ステップ270にすすむ。このステッ
プ270では、フィードモータ62を1パルス時間だけ
駆動させ、用紙Pを搬送する。
【0089】ステップ280では、直前の印字(ステッ
プ140,ステップ240、ステップ290のうちのい
ずれかのステップ)以降、1パルス分の搬送(ステップ
170又はステップ270)の実行された回数が前記ス
テップ230にて設定された平均改行パルス数に達して
いるか否かが判定される。YESと判定されると、ステ
ップ290に進む。NOと判定されると、ステップ27
0に進む。
【0090】ステップ290では、1行分の印字を実行
する。このステップ290で印字されるのは、未だ印字
されていない印字データのうち、先頭の部分である。ス
テップ300では、前記ステップ180にてNOと判定
されて以降、前記ステップ270が実行された回数が、
所定の後端搬送パルス数に達しているか否か(即ち、用
紙Pの後端までの印字が終了したか否か)が判定され
る。NOの場合はステップ310に進み、YESの場合
はステップ260に進む。
【0091】ステップ310では、未だ印字されていな
い印字データが有るか否かが判断される。YESの場合
はステップ270に進み、NOの場合はステップ260
に進む。以上によって、用紙Pの後端が用紙端検出セン
サ42を通過した以降においては、それまでの平均改行
パルス数に基づいて用紙Pの搬送が制御されることにな
るので、その後に用紙Pの後端がアイドルローラ72か
ら外れたとしても印字に不都合が生じることはない。
【0092】次に、ステップ200における搬送量算出
処理を図9に基づいて説明する。モーションセンサ70
は、スペックルパターンを連続して検出し、増幅器67
及びA/D変換器66を通してデジタル信号に変換した
スペックルパターン情報を相関器54に送る(S20
1)。
【0093】相関器54は特徴点を抽出するための閾値
を調整し(S202)、数点の特徴点を特定する(S2
03)。特徴点の特定が正常に行われた場合(S20
3:YES)、特徴点は被計測物の移動に伴い移動して
いるので、前回の特徴点データと比較することでスペッ
クルパターン情報と受光素子の分解能から特徴点の移動
方向と移動量を算出する(S204)。次に、S204
で算出した移動量を予め決められていた用紙の実移動量
との補正係数を乗算することにより用紙の搬送量を求め
る(S205)。そして、前回の特徴点データを今回の
特徴点データと入替え保存し(S206)、特徴点検出
エラーカウンタ(詳細は後述)をクリアし(S20
7)、処理を終了する。
【0094】S203において、特徴点の特定が正常に
行えなかった場合(S203:NO)、例えば、ノイズ
等の影響によって閾値調整を行っても映像情報内に特徴
点を特定できない場合がこれにあたる。次に、特徴点検
出エラー回数を計数するカウンタである特徴点エラーカ
ウンタをインクリメントする(S208)。特徴点検出
エラーカウンタが2よりも大きい場合、つまり特徴点検
出が連続して3回エラーとなった場合(S209:YE
S)は、移動量検出エラーとして、使用者にエラーを報
知して機器の動作を停止するなどのエラー処理を行う。
一方、特徴点検出エラーカウンタが2以下の場合(S2
09:NO)は、移動量の算出を行わず、移動量を0と
して(S210)、処理を終了する。
【0095】これにより、検出エラーによって生じる誤
った移動量がフィードバック制御の入力に使用されるこ
とを防止することが可能となる。以上の処理は、移動量
算出のための移動量算出サンプリング周期毎に実行され
る。そして、この移動量算出サンプリング周期は、用紙
搬送が予め決められた最高速度で移動した場合に、特徴
点が受光素子で検出する検出エリア外に移動しない充分
短い時間に設定される。
【0096】f)次に、本実施例1のインクジェットプ
リンタ1が奏する効果i)〜xv)を説明する。 i)本実施例1のインクジェットプリンタ1では、アイド
ルローラ72に反射したレーザ光を受光し、その反射光
に生じるスペックルパターンを用いて用紙Pの搬送を制
御する。
【0097】従って、用紙Pの種類や状態(色、粗さ、
透明性等)によって、反射したレーザ光のコントラスト
が変化してしまうことがないので、常に正確にスペック
ルパターンを認識することができ、その結果、用紙Pの
搬送を正確に制御することができる。
【0098】ii)本実施例1のインクジェットプリンタ
1では、レーザ光を反射させる部分(アイドルローラ7
2の第2外径部72b)は、用紙Pに接触しないので、
用紙Pやインクによって汚されることがなく、また、用
紙Pとの接触により摩耗したり、表面形状(微少な凹
凸)が経時変化してしまうことがない。
【0099】従って、反射光に生じるスペックルパター
ンのコントラストが低下してしまうことがないので、常
に、用紙Pの搬送を正確に制御することができる。 iii)本実施例1のインクジェットプリンタ1では、給紙
カセット11から用紙Pを取りだし、用紙Pの印字領域
の先頭が印字ヘッド36の下に至るまでの間、及び印字
終了後(印字データに対応する印字が終了した後、又
は、用紙Pの印字領域の最後まで印字を行った後)は、
通常のモータ制御により高速で用紙Pを搬送する。
【0100】また、印字を行っている間は、モーション
センサ70が出力するデジタル信号に基づいて、用紙P
の搬送を高精度に制御する。つまり、高精度な用紙搬送
が要求される印字過程においては、モーションセンサ7
0を用いた搬送を行い、用紙搬送の精度がそれほど要求
されない間(印字を開始する前、及び印字終了後)に
は、通常のモータ制御により高速で用紙Pを搬送するこ
とにより、高精度な印字と、印字時間の短縮とを両立さ
せている。
【0101】iv)本実施例1のインクジェットプリンタ
1では、アイドルローラ72が印字機構30よりも上流
に設けられているので、アイドルローラ72が接触する
用紙Pには、未だ印字がなされていない。従って、アイ
ドルローラ72が用紙Pに塗布されたインクにより汚染
されることがなく、アイドルローラ72からの反射光
は、常に明瞭なスペックルパターンを有している。
【0102】その結果、用紙Pの搬送を正確に制御する
ことができる。 v)本実施例1のインクジェットプリンタ1では、用紙P
の搬送に伴ってつれ回りするアイドルローラ72からの
反射光を、用紙Pの搬送量算出に利用している。
【0103】用紙Pの搬送に伴ってつれ回りするアイド
ルローラ72は、フィードモータ62から駆動力が伝え
られるローラのように、ローラの外周面と用紙Pとの接
触面がスリップする虞れが少ないので、アイドルローラ
72の回転量は、用紙Pの搬送量を正確に反映してい
る。
【0104】従って、本実施例1では、用紙Pの搬送量
を正確に反映したアイドルローラ72の回転量を基に、
用紙Pの搬送量を算出しているので、用紙Pの搬送量を
正確に算出することができ、結果として、用紙Pの搬送
制御を正確に行うことができる。 vi)本実施例1のインクジェットプリンタ1では、アイ
ドルローラ72を、用紙Pよりも上側に設けているの
で、用紙Pに由来する汚れが、アイドルローラ72上に
積もることが起きにくい。
【0105】従って、アイドルローラの表面は清浄に保
たれるので、アイドルローラ72からの反射光は、常に
明瞭なスペックルパターンを有している。その結果、用
紙Pの搬送を正確に制御することができる。 vii)本実施例1のインクジェットプリンタ1において、
モーションセンサ70内のレーザ光の経路(半導体レー
ザ74、アイドルローラ72においてレーザ光が反射す
る点、及び2次元半導体イメージセンサ76)は全て筐
体73の中に収容されている。
【0106】従って、レーザ光が筐体73の外部に漏れ
ることが無く、レーザ光による人体に対する危険が生じ
ない。 viii)本実施例1のインクジェットプリンタ1におい
て、モーションセンサ70内のレーザ光は、下向きに照
射される。
【0107】従って、万一、半導体レーザ74の向きが
ずれて、レーザ光がモーションセンサ70の外部に漏れ
た場合でも、人体に対する影響を少なくすることができ
る。 ix)本実施例1のインクジェットプリンタ1のモーショ
ンセンサ70において、反射光を受光するのは、2次元
に配列された画素を持つ部材(2次元半導体イメージセ
ンサ76)である。
【0108】従って、反射光により生じるスペックルパ
ターンを、2次元のイメージとして検出することができ
るので、相関器54においてスペックルパターンを比較
する場合に、正確な比較を行うことができる。 x)本実施例1のインクジェットプリンタ1では、アイド
ルローラ72を、用紙Pの表面に対して垂直方向に回動
可能に設け、用紙Pに対して一定の圧力で押しつけてい
る。
【0109】従って、用紙Pの厚みが変化した場合、そ
れに応じてアイドルローラ72の位置(用紙Pの垂直方
向における位置)も変化し、用紙Pに対する押しつけ圧
力は一定に保たれる。その結果、アイドルローラ72
は、用紙Pの厚みに依存せず、用紙Pの搬送に伴って常
にスムーズに回転するので、モーションセンサ70及び
制御部50は、常に用紙Pの正確な搬送量を算出するこ
とができる。
【0110】xi)本実施例1のインクジェットプリンタ
1のモーションセンサ70では、半導体レーザ74、ア
イドルローラ72、及び2次元半導体イメージセンサ7
6を、それらの位置関係が一定となるように設けている
ので、半導体レーザ74が照射したレーザ光は、常に一
定の経路を経て2次元半導体イメージセンサ76に至
る。
【0111】従って、常に用紙Pの正確な搬送量を算出
することができる。 xi)本実施例の画像形成装置は、観測対象物の表面に発
生するスペックルパターンを読み取った結果である表面
状態信号から、移動量を検出するための特徴点あるいは
特徴パターンを抽出し、前回の特徴点又は特徴パターン
の位置の比較により正確な観測対象物の移動を検出する
ことができる。
【0112】xii)本実施例のインクジェットプリンタ1
では、アイドルローラ72の移動速度の最大値が想定可
能なときに、モーションセンサ70が、移動量検出動作
を複数回行うことが可能な測定範囲を有することによ
り、必ず表面状態信号の相関を調べることができ、より
正確な観測対象物の移動量を検出することができる。
【0113】xiii)本実施例のインクジェットプリンタ
1では、比較の対象となる特徴点が発見できなかった場
合には、エンコーダを使った制御と異なり、移動量その
ものを観測対象としているため、取得した表面状態信号
を破棄することで異常な移動量を加算することなく正確
なアイドルローラ72の移動量を検出することができ
る。
【0114】xiv)本実施例のインクジェットプリンタ1
は、特徴点の抽出に連続して失敗する場合には、移動量
検出機構の故障や、搬送機構の異常が考えられるため、
エラーを出すことにより、正常に搬送されていないこと
を使用者に告知することができる。
【0115】xv)本実施例のインクジェットプリンタ1
では、特徴点又は特徴パターンの大きさを連続して2回
以上移動量検出動作を行ってもモーションセンサ70の
測定範囲を逸脱しないような大きさとすることにより、
アイドルローラ70の想定される移動速度内であれば、
必ず前回との位置の比較が可能となり、より正確な移動
量の検出が可能となる。 (実施例2) a)まず、本実施例2のインクジェットプリンタ101
の構成を図10を用いて説明する。尚、以下では、前記実
施例1と同様の部分は省略する。
【0116】インクジェットプリンタ101の構成は、
基本的には、前記実施例1のインクジェットプリンタ1
と同様である。但し、本実施例2のインクジェットプリ
ンタ101は、印字機構30の上流側のモーションセン
サ70に加えて、印字機構30の下流側に、モーション
センサ80を備えている。
【0117】この下流側のモーションセンサ80の構成
は、上流側のモーションセンサ70の構成と基本的には
同様であるが、用紙Pの下面側に設けられている点で異
なる。つまり、下流側のモーションセンサ80のアイド
ルローラ82は、第2送りローラ25と同軸となるよう
に設けられ、用紙Pの下側から、用紙Pを挟んで拍車ロ
ーラ25と対向するように設けられている。
【0118】また、下流側のモーションセンサ80で
は、アイドルローラ82は、第2送りローラ25と同様
に、駆動機構から駆動力を伝えられて回転する。 b)次に、インクジェットプリンタ101の制御機構1
50を図11を用いて説明する。
【0119】本実施例2における制御機構150は、基
本的には、前記実施例1における制御機構50と同様で
ある。但し、制御機構150においては、上流側のモー
ションセンサ70(フロントモーションセンサ)に加え
て、下流側のモーションセンサ80(リヤモーションセ
ンサ)と、増幅器69及びA/D変換器68を介して接
続している。
【0120】c)次に、インクジェットプリンタ101
における印字処理を図12を用いて説明する。インクジ
ェットプリンタ101による印字処理は、基本的には、
前記実施例1のインクジェットプリンタ1の印字処理と
同様であるが、用紙Pの搬送方向における後端が、上流
側のモーションセンサ70を通過した後においては、下
流側のモーションセンサ80が検出するデジタル信号を
用いて用紙Pの搬送を制御する点において異なる。
【0121】図12を用いて、具体的にインクジェット
プリンタ101の印字処理を説明する。尚、前記実施例
1のインクジェットプリンタ1の印字処理と同様の部分
は説明を簡略化する。ステップ400では、外部電子機
器65から、通信用インターフェース64を経て印字開
始信号、及び印字データが制御機構150に入力する。
印字データはRAM53に記憶される。
【0122】ステップ410では、用紙Pが給紙カセッ
ト11から取り出され、搬送経路4に沿って搬送され
る。ステップ420で、用紙Pの先端が用紙端検出セン
サ42に検出されると、ステップ430では、給紙ロー
ラ14が更に所定量回転して、まず用紙Pの先端が第1
送りローラ21と従動ローラ22とのニップに突き当た
り、いわゆるレジスト作用が行われた後、今度はフィー
ドモータ62が逆方向に回転駆動されることにより、こ
れまで図1及び図2において反時計方向に回転していた
第1送りローラ21が時計方向に所定量(先端規定量)
回転し、用紙Pの印字領域の先頭が印字機構30の印字
ヘッド36の下に来るまで用紙Pを送る。その後、第1
送りローラ21及び用紙Pは一旦停止する。
【0123】ステップ440では、用紙Pが停止した状
態で、印字機構30を用いて、印字データの最初の1行
分の印刷を行う。ステップ450では、後述する処理を
実行するための準備として、RAM53に記憶されたカ
ウント数Aをリセットする。尚、このカウント数Aは、
モーションセンサ70が出力する信号を基にカウントア
ップされるパラメータであるが詳細は後述する。
【0124】ステップ460では、モーションセンサ7
0を用いて、アイドルローラ72の表面状態に関し用紙
Pの位置を判断するのに用いるデジタル信号(表面状態
信号)を検出し、RAM53に記録する。ステップ47
0では、フィードモータ62を1パルス分だけ駆動させ
ることにより、用紙Pを下流方向に搬送する。尚、この
時、アイドルローラ72も、用紙Pの搬送に伴って、所
定量回転する。
【0125】ステップ480では、用紙端検出センサ4
2がONであるか否か(即ち、未だ用紙Pの搬送方向に
おける後端が、用紙端検出センサ42を通過していない
か否か)を判断し、YESの場合はステップ490に進
む。一方、NOの場合はステップ560に進む。
【0126】ステップ490では前記ステップ460と
同様にして、アイドルローラ72の表面状態に関し用紙
Pの位置を判断するのに用いるデジタル信号(表面状態
信号)をRAM53に記憶する。ステップ500では、
前記ステップ460又はステップ490においてRAM
53に記憶されたデジタル信号のうち、最新のデータ
と、その前に記憶されたデータを用いて、相関器54に
て演算を行い、前記ステップ470において用紙Pが搬
送された距離を算出する。この処理は、上述したステッ
プ200(S201〜210)の処理と同様の処理であ
る。
【0127】ステップ510では、前記ステップ500
で算出した用紙Pの搬送量を、RAM53に記憶された
パラメータであるカウント数A(前回ステップ510を
実行した時点での、用紙Pの搬送量の累積値)に加え
て、前記カウント数を更新する。尚、このカウント数A
は、前述したように、ステップ450においてリセット
される値である。
【0128】ステップ520では、前記ステップ510
で更新したカウント数Aが、所定の改行規定量(印字ヘ
ッド36のノズル部分の長さ;例えば1インチ)に達し
ているかを判断する。改行規定量に達している場合は、
ステップ530に進み、改行規定量に達していない場合
はステップ470に進む。
【0129】ステップ530では、1行分の印字を実行
する。このステップ530で印字されるのは、未だ印字
されていない印字データのうち、先頭の部分である。ス
テップ540では、未だ印字されていない印字データが
有るか否かが判断される。YESの場合はステップ45
0に進み、NOの場合はステップ550に進む。
【0130】ステップ550では、フィードモータ62
を所定量駆動して、用紙Pを搬送経路4の下流側に排出
する。一方、前記ステップ480にてNOと判定された
場合(即ち、用紙Pの後端が用紙端検出センサ42を通
過した場合)は、ステップ560にすすむ。このステッ
プ560では、後述する処理を実行するための準備とし
て、RAM53に記憶されたカウント数Bをリセットす
る。尚、このカウント数Bは、モーションセンサ80が
出力する信号を基にカウントアップされるパラメータで
あるが詳細は後述する。
【0131】ステップ570では、モーションセンサ8
0を用いて、アイドルローラ72の表面状態に関し用紙
Pの位置を判断するのに用いるデジタル信号(表面状態
信号)を検出し、RAM53に記録する。ステップ58
0では、フィードモータ62を1パルス時間だけ駆動さ
せるステップ590では、前記ステップ570と同様
に、アイドルローラ72の表面状態に関し用紙Pの位置
を判断するのに用いるデジタル信号(表面状態信号)を
検出し、RAM53に記録する。
【0132】ステップ600では、前記ステップ570
又はステップ590においてRAM53に記憶されたデ
ジタル信号のうち、最新のデータと、その前に記憶され
たデータを用いて、相関器54にて演算を行い、前記ス
テップ580において用紙Pが搬送された搬送量を算出
する。
【0133】ステップ610では、前記ステップ600
で算出した用紙Pの搬送量を、RAM53に記憶された
パラメータであるカウント数B(前回ステップ610を
実行した時点での、用紙Pの搬送量の累積値)に加え
て、前記カウント数Bを更新する。尚、このカウント数
Bは、前述したように、ステップ560においてリセッ
トされる値である。
【0134】ステップ620では、印字処理を開始して
以降、このステップ620に至ったのが最初であるか否
かを判断する。NOの場合はステップ630に進み、Y
ESの場合はステップ670に進む。ステップ630で
は、カウント数Bが所定の改行規定量に達しているかを
判断する。改行規定量に達している場合は、ステップ6
40に進み、改行規定量に達していない場合はステップ
580に進む。
【0135】ステップ640では、1行分の印字を実行
する。このステップ640で印字されるのは、未だ印字
されていない印字データのうち、先頭の部分である。ス
テップ650では、前記ステップ480にてNOと判定
されて以降、前記ステップ580が実行された回数が、
所定の後端搬送パルス数に達しているか否か(即ち、用
紙Pの後端までの印字が終了したか否か)が判定され
る。NOの場合はステップ660に進み、YESの場合
はステップ550に進む。
【0136】ステップ660では、未だ印字されていな
い印字データが有るか否かが判断される。YESの場合
はステップ560に進み、NOの場合はステップ550
に進む。一方、前記ステップ620にてYESと判断さ
れた場合(即ち、改行途中に用紙Pの後端が用紙端検出
センサ42を通過した場合)は、ステップ670に進
む。このステップ670では、カウント数Aとカウント
数Bとの合計が所定の改行規定量に達しているかを判断
する。改行規定量に達している場合は、ステップ640
に進み、改行規定量に達していない場合はステップ58
0に進む。
【0137】d)次に、本実施例2のインクジェットプ
リンタ101の奏する効果を説明する。 本実施例2のインクジェットプリンタ101は、前記
実施例1のインクジェットプリンタ1の構成を全て備え
ているので、インクジェットプリンタ1と同様の効果を
奏する。
【0138】更に、本実施例2のインクジェットプリ
ンタ101は、上流側のモーションセンサ70に加え
て、下流側のモーションセンサ80を備えることによ
り、用紙Pの印字領域の全体に渡って、正確な印字を行
うことができる。つまり、用紙Pの後端が上流側のモー
ションセンサ70を通過した後においても、下流側のモ
ーションセンサ80を用いて用紙Pの位置を検出するこ
とができるので、用紙Pの全体に渡って、正確に用紙P
の位置を判断するのに用いる情報検出し、その検出した
信号(表面状態信号)を用いて、用紙Pの搬送を制御す
ることができる。
【0139】下流側のモーションセンサ80において
は、ローラ82が用紙Pの下面(印字される面の反対
側)に接するので、用紙Pに塗布されたインクにより、
ローラが汚染されることがなく、常に正確な検出を行う
ことができる。 (実施例3)実施例1及び実施例2においては、フィー
ドモータ62として、ステップモータを使用したが、代
わりにDCモータを使用した実施例3を説明する。
【0140】制御機構250は、図13に示すように、
既に説明したステッピングモータ駆動の制御機構50に
対して、DCモータ駆動を閉ループ制御するための回路
を備えたASIC59が追加される。ASIC59以外
は既に説明した通りであり、ここでは説明を省略する。
【0141】次に、図14を用いてASIC59の内部
構成を説明する。ASIC59内部には信号生成回路1
00として、フィードモータ62の制御に用いる各種パ
ラメータを格納するレジスタ群110、相関器54から
入力された移動情報に基づき搬送状態をチェックする搬
送状態チェック部120,フィードモータ62を制御す
るための制御信号を生成する信号生成部130,信号生
成部130により生成された制御信号をPWM信号に変
換する信号変換部140,クロック信号を信号生成回路
100全体に供給可能なクロック生成部160などによ
り構成されている。
【0142】これらのうち、レジスタ群110は、信号
生成移回路100を起動するための起動設定レジスタ1
11,後述する制御信号を生成する手順(図15)を行
うタイミングを示す演算時間t0をセットするタイミン
グ設定レジスタ112,用紙の目標搬送量として目標搬
送量Rに相当する移動量rをセットする目標設定レジス
タ113,信号生成部130が制御信号を生成する際に
利用する積分ゲインF1、状態フィードバックゲインF
2をセットする第1ゲイン設定レジスタ115,第2ゲ
イン設定レジスタ116などからなる。
【0143】なお、各レジスタのうちの起動設定レジス
タ111は、信号生成回路100を起動するための指令
が書き込まれるレジスタであって、この起動レジスタ1
11への書き込みが行われることによって、信号生成回
路100全体が起動する。また、搬送状態チェック部1
20は、相関器54から入力された移動量情報に基づ
き、用紙の現在位置をカウントするカウンタ122,用
紙の搬送量が目標搬送量に到達した際に、停止割込み信
号をCPU51へ出力する割込処理部123などからな
る。この割込処理部123は、カウンタ122のカウン
ト値yが、目標値rに一致してから一定時間経過した後
に、停止割込信号を出力する。
【0144】これらのうち、カウンタ122はクロック
生成部150から供給されるクロックを元に、所定時間
毎に、相関器54からの移動量に基づき現在位置をカウ
ントする。また、信号生成部130は、フィードモータ
62を制御するための制御信号を生成する演算処理部1
31,クロック生成部150により生成されたクロック
信号に基づいて時間をカウントするタイマー132など
からなる。 [CPU51による用紙送り処理]以下に、CPU51
が行う用紙送り処理を図15に基づいて説明する。この
用紙送り処理は、通信インターフェース64を介して印
刷データを受信した際に開始される。
【0145】まず、CPU51は、初期化処理を行う
(S11)。この処理においては、変数nに「1」がセ
ット(1→n)される。なお、以降に記載の「n」は、
変数nにセットされている値を示すものとする。次に、
CPU51は、印刷データで指定された目標搬送量を抽
出する(S12)。この処理においては、印刷データで
指定されている複数の目標搬送量のうち、第nの目標搬
送量Rが抽出される。
【0146】次に、CPU51は、レジスタ群110の
各レジスタにパラメータをセットする(S16)。この
処理においては、タイミング設定レジスタ112に演算
時間t0がセットされ、第1ゲイン設定レジスタ115
に積分ゲインF1がセットされ、第2ゲイン設定レジス
タ116に状態フィードバックゲインF2がセットされ
る。このとき、各ゲイン設定レジスタ115、116に
は、目標搬送量Rが大きいほど、絶対値の大きな積分ゲ
インF1、状態フィードバックゲインF2がセットされ
る。
【0147】次に、CPU51は、レジスタ群110の
目標レジスタ113に目標値rをセットする(S1
7)。次に、CPU51は、信号生成回路100を起動
させる(S18)。この処理においては、レジスタ群1
10を構成する起動設定レジスタ111への書き込みが
行われ、これによって、信号生成回路100全体が起動
する。
【0148】こうして、信号生成回路100が起動した
後、信号生成回路100を構成する信号生成部130
が、後述する制御信号を生成する手順(図16)に従っ
て、制御信号を生成する。そして、この制御信号が信号
変換部140を介して駆動回路57に入力され、フィー
ドモータ62が用紙の搬送を開始する。この後、制御信
号が繰り返し駆動回路57に入力された後、用紙の搬送
量が目標値に到達すると、信号生成回路100を構成す
る搬送状態チェック部120の割込処理部123から、
割込停止信号が出力されてくる。
【0149】次に、CPU51は、搬送チェック部12
0の割込処理部123から停止信号を入力するまで待機
し(S19:NO)、停止信号を入力した場合には(S
19:YES)、変数nに「1」を加算する(n+1→
n)(S20)。そして、CPU30は、第nの目標搬
送量が指定されていれば(S21:YES)、S11の
処理に戻り、以降S11からS21の処理を印刷データ
で指定された目標搬送量全てに対して行った後(S2
1:NO)、本用紙送り処理を終了する。 [信号生成部130により制御信号を生成する手順]以
下に、信号生成回路100の信号生成部130が制御信
号を生成する手順を図16に基づいて説明する。この手
順による制御信号の生成は、図15におけるS18の処
理で起動設定レジスタ111への書き込みが行われた後
に開始される。なお、信号生成回路100は、いわゆる
ASICからなり、ハードウエアとして動作するもので
あるが、ここでは理解を容易にするためにハードウエア
としての動作をフローチャートに置き換えて説明する。
【0150】まず、信号生成部130は、タイマー13
3をスタートする(S31)。次に、信号生成部130
は、演算を行うタイミングとなるまで待機する(S3
2:NO)。ここでは、タイマー133による計測時間
tがタイミング設定レジスタ112にセットされている
演算時間t0に到達するまで(t<t0の間)待機す
る。
【0151】このS32の手順において、演算を行うタ
イミングとなったとき(S32:YES)、信号生成部
130は、用紙の搬送量が目標搬送量に到達しているか
どうかをチェックする(S33)。ここでは、カウンタ
122によるカウント値yと、目標設定レジスタ113
にセットされている目標値rとが比較され、カウント値
yが目標値rより小さければ(y<r)、用紙の搬送量
が目標搬送量に到達していないと判断し、一方、カウン
ト値yが目標値r以上であれば(y≧r)、用紙の搬送
量が目標搬送量に到達したと判断される。
【0152】このS33の手順において、用紙の搬送量
が目標搬送量に到達していなければ(S33:NO)、
信号生成部130は、演算処理部131によって、駆動
回路57に入力すべき制御信号を生成する(S34)。
ここで、演算処理部131が制御信号を生成する手順
は、後述の[演算処理部131による制御信号の生成]
(図17)において説明する。
【0153】次に、信号生成部130は、制御信号を信
号変換部140に出力する(S35)。制御信号を入力
した信号変換部140では、制御信号をPWM信号に変
換した後、駆動回路57に出力する。次に、信号生成部
130は、タイマー133をストップ及びリセットした
後(S36)、S31の手順に戻る。
【0154】そして、S31からS36の手順が繰り返
し行われた後、S33の手順において、用紙の搬送量が
目標搬送量に到達した場合は(S33:YES)、本制
御信号を生成する手順を終了する。 [演算処理部131による制御信号の生成]以下に、演
算処理部131により制御信号を生成する手順を図17
に基づいて説明する。信号生成部130の演算処理部1
31は、カウンタ122によるカウント値yが目標設定
レジスタ113にセットされている目標値rと一致する
ようにフィードバック制御を行うものであって、第1加
算器add1、積分器int、第1ゲイン積算器g1,
状態推定器obs、第2ゲイン積算器g2,第2加算器
add2などにより構成されている。
【0155】この演算処理部131では、まず、第1加
算器add1によって、目標設定レジスタ113にセッ
トされている目標値rとカウンタ122によるカウント
値yとの偏差(r−y)が演算される。次に、積分器i
ntによって、第1加算器add1により演算された偏
差をタイミング設定レジスタ112にセットされている
演算時間t0で離散積分した値、つまり、偏差の累積値
(∫(r−y)dt0)が演算される。
【0156】次に、第1ゲイン積算器g1によって、積
分器intにより演算された累積値と、第1ゲイン設定
レジスタ115にセットされている積分ゲインF1とを
積分した値「u1(=−F1*∫(r−y)dt0)」
を有する第1制御信号が生成される。
【0157】また、状態推定器obsによって、駆動回
路57に入力する制御信号で示される制御入力uとカウ
ンタ122によるカウント値yとに基づいて紙送り機構
内部状態を表す状態量xが推定される。次に、第2ゲイ
ン積算器g2によって、状態推定器obsにより推定さ
れた状態量xと第2ゲイン設定レジスタ115に設定さ
れている状態フィードバックゲインF2とを積算した値
「u2=−F2*x)」を有する第2制御信号が生成さ
れる。
【0158】そして、第2加算器add2によって、第
1制御信号と第2制御信号とを加算した値「u(=u1
+u2)」を制御入力uとする制御信号が生成される。
これによって、制御信号の制御入力uの値に応じた回転
方向・角速度でフィードモータ62が回転し、この回転
に伴って、第1送りローラ21及び第2送りローラ25
が回転する。
【0159】ここで、フィードモータ62は、制御信号
の制御入力uが正の値である場合、制御入力uの絶対値
に相当する速度だけ第1送りローラ21の時計回り(図
1における時計回り)への角速度、及び第2送りローラ
25の時計回り(図1における時計回り)への角速度を
増加させる。一方、制御信号の制御入力uが負の値であ
る場合、制御入力uの絶対値に相当する速度だけ第1送
りローラ21の反時計回り(図1における反時計回り)
への角速度、及び第2送りローラ25の反時計回り(図
1における反時計回り)への角速度を増加、つまり、時
計回り方向への角速度を減少させる。 [実施例3の効果]このように構成されたインクジェッ
トプリンタによれば、フィードモータ62にDCモータ
を使用することにより、駆動系の分解能がほぼ無限大で
ある(停止位置に制限がない)ため、モーションセンサ
70が検出する高精度な移動量に充分対応した用紙搬送
が可能となり、用紙Pの搬送量を高精度に制御すること
ができる。
【0160】さらに、モーションセンサ70が用紙Pの
搬送量に従って出力するデジタル信号に基づいて、状態
推定器obsが用紙送り機構20の内部状態を表す状態
量xを推定し、状態量xを用いた状態フィードバック制
御によりDCモータの駆動を制御することにより、イン
クジェットプリンタが使用される環境(温度、湿度な
ど)変化やインクジェットプリンタに含まれる各種機構
の経年変化などの外乱に対しても、用紙Pの搬送量を高
精度に安定して制御することが可能となる。
【0161】移動部材としては、実施例1から実施例3
におけるアイドルローラに限定されず、例えば、用紙搬
送に伴って駆動されるベルト、用紙搬送に伴って回転す
る円盤、用紙搬送に伴って回転する球状部材などを用い
ることができる。 (実施例4)以上の実施例では、観測対象物として用紙
搬送に伴って移動するアイドルローラを用いたが、本実
施例では、用紙そのものを観測対象とする。
【0162】この実施例では、モーションセンサ70
は、図18に示すように、第1送りローラ21と対とな
っている従動ローラ22と印字ヘッド36との間に配置
されている。このモーションセンサ70は、図19に示
す様に、用紙Pに対してレーザ光を照射する半導体レー
ザ74、用紙Pからの反射光を集光するためのレンズ7
5、集光した反射光を受光するための2次元半導体イメ
ージセンサ76、及び上記各部材を収容する筐体73を
備えている。
【0163】上記半導体レーザ74が照射したレーザ光
は、筐体73の下部に設けられた開口部73aを通し
て、用紙Pの表面にて反射し、その反射光は、開口部7
3aを通り、レンズ75にて集光された後、2次元半導
体イメージセンサ76に入射する。この2次元半導体イ
メージセンサ76は、例えば、およそ5μmの画素を4
00×400個配列した受光部を備えており、反射光を
光電変換してイメージ信号を生成する。そのイメージ信
号は、増幅器67を経てA/D変換器66へ送られ、デ
ジタル信号に変換される。
【0164】用紙Pからの反射光には、実施例1〜3で
説明したアイドルローラからの反射光と同様、レーザ光
が反射する点における用紙P表面形状を反映して、スペ
ックルと呼ばれる斑点状の干渉模様(スペックルパター
ン)が生じている。従って、この反射光のイメージ信号
である上記デジタル信号にも、スペックルパターンが生
じている。このデジタル信号は、用紙搬送の制御に利用
されるが、その詳細は上述の実施例1〜3の場合と同様
であるので省略する。
【0165】尚、二次元半導体イメージセンサ76の代
わりに、いわゆる一次元のセンサを使用することもでき
る。この場合、実施例1〜3では少なくとも移動体の移
動方向に沿って、実施例4では用紙Pの移動方向に沿っ
て、複数の画素が並ぶように一次元センサは配置され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1のインクジェットプリンタの全体構
成を示す説明図である。
【図2】 実施例1のインクジェットプリンタにおける
用紙送り機構20の周辺部の構成部を示す説明図であ
る。
【図3】 実施例1のインクジェットプリンタにおける
モーションセンサ70の周辺部の構成部を示す説明図で
ある。
【図4】 実施例1のインクジェットプリンタにおける
制御部の構成を示す説明図である。
【図5】 実施例1のインクジェットプリンタにおける
モーションセンサの構成を示す説明図である。
【図6】 実施例1のインクジェットプリンタ1におけ
るモーションセンサの一部の構成を示す説明図である。
【図7】 実施例1のインクジェットプリンタが実行す
る印字処理を示すフロー図である。
【図8】 実施例1のインクジェットプリンタが実行す
る印字処理において用紙の搬送量を検出する方法を示す
説明図である。
【図9】 図7に示す搬送量算出処理を説明するための
フロー図である。
【図10】 実施例2のインクジェットプリンタにおけ
る用紙送り機構の周辺部の構成部を示す説明図である。
【図11】 実施例2のインクジェットプリンタにおけ
る制御機構の構成を示す説明図である。
【図12】 実施例2のインクジェットプリンタが実行
する印字処理を示すフロー図である。
【図13】 実施例3のインクジェットプリンタにおけ
る制御部の構成を示す説明図である。
【図14】 実施例3におけるASICの内部構成を示
すブロック図である。
【図15】 実施例3における制御信号生成手順を示す
フロー図である。
【図16】 実施例3における制御信号生成手順を示す
フロー図である。
【図17】 実施例3における演算処理部の構成の説明
図である。
【図18】 実施例4におけるモーションセンサの配置
を示す説明図である。
【図19】 実施例4におけるモーションセンサの構成
を示す説明図である。
【符号の説明】
1、101・・インクジェットプリンタ 4・・・用紙搬送路 10・・・給紙機構 14・・・給紙ローラ 20・・・用紙送り機構 21・・・第1送りローラ 25・・・第2送りローラ 30・・・印字機構 42・・・用紙端検出センサ 50、150,250・・・制御機構 54…相関器 59…ASIC 70、80・・・モーションセンサ 71・・・センサホルダ 72・・・アイドルローラ 74・・・半導体レーザ 75・・・レンズ 76・・・2次元半導体イメージセンサ
フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 EA07 EB12 EB36 EC12 EC35 2C058 AB16 AC07 AC11 AD01 AE09 GB04 GB13 GB14 GB42 GB48 GB51 GB54 GE03 GE16 2C059 AA22 AA46 AA61 AA63 2H027 DA21 DA32 DA38 DC03 DE02 DE07 DE10 EC06 ED17 EE01 EE04 EE07 EF09 ZA07

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像形成を行うために被印刷媒体を搬送
    する画像形成装置において、 前記被印刷媒体を搬送する搬送手段と、 前記搬送手段を駆動する駆動手段と、 前記搬送手段によって直接的又は間接的に移動される観
    測対象物と、 前記観測対象物に可干渉性を有する光線を照射すると共
    に、前記観測対象物の表面にて反射された反射光を受光
    し、その受光した反射光に応じて、前記観測対象物の表
    面状態に関する信号を発する表面状態信号発生手段と、 前記表面状態信号発生手段の発生した表面状態信号を時
    系列に比較することにより、前記観測対象物の移動量を
    求める移動量検出手段と、 前記駆動手段によって前記搬送手段を駆動したときに移
    動する前記観測対象物の移動量の前記移動量検出手段に
    よる検出結果に基づいて、駆動手段を制御する制御手段
    と、 を備える画像形成装置。
  2. 【請求項2】 前記被印刷媒体は、画像が印刷される用
    紙であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装
    置。
  3. 【請求項3】 前記観測対象物は、前記被印刷媒体であ
    ることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装
    置。
  4. 【請求項4】 前記観測対象物は、前記被印刷媒体の移
    動に伴って移動する移動部材であることを特徴とする請
    求項1又は2記載の画像形成装置。
  5. 【請求項5】 前記移動部材の表面は、前記反射光にス
    ペックルパターンが生じるような反射面とされているこ
    とを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
  6. 【請求項6】 前記移動部材は、前記被印刷媒体の移動
    に伴って回動するローラであることを特徴とする請求項
    4又は5記載の画像形成装置。
  7. 【請求項7】 前記光線は、前記ローラの外周面に照射
    されることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装
    置。
  8. 【請求項8】 前記ローラは、第1の外径を有する第1
    外径部と、 前記第1の外径より小さい第2の外径を有する第2外径
    部とを備え、 前記光線は、前記第2外径部の外周面に照射されること
    を特徴とする請求項6又は7に記載の画像形成装置。
  9. 【請求項9】 前記ローラは、前記被印刷媒体と接触
    し、該被印刷媒体の搬送に応じてつれ回りすることを特
    徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の画像形成装
    置。
  10. 【請求項10】 前記ローラは、前記被印刷媒体の表面
    に対して垂直方向に可動に設けられ、前記被印刷媒体に
    対して一定の力で押圧されていることを特徴とする請求
    項6〜9のいずれかに記載の画像形成装置。
  11. 【請求項11】 前記光線の受光は、2次元に配列され
    た複数の画素を備えた受光素子を用いることを特徴とす
    る請求項1〜10のいずれかに記載の画像形成装置。
  12. 【請求項12】 前記表面状態信号発生手段において、
    前記光線を照射する光源の位置、前記光線を反射する移
    動部材の位置、及び前記反射光を受光する受光素子の位
    置が、前記被印刷媒体の厚さに係わらず、相互に一定に
    保たれることを特徴とする請求項4〜11のいずれかに
    記載の画像形成装置。
  13. 【請求項13】 前記表面状態信号発生手段は、前記光
    線を照射する光源と、前記反射光を受光する受光素子と
    を、前記光源、前記受光素子、及び前記ローラとの位置
    関係を一定に保つように取り付けるフレーム部を備える
    ことを特徴とする前記請求項6〜10のいずれかに記載
    の画像形成装置。
  14. 【請求項14】 前記表面状態信号発生手段は、筐体に
    より囲まれていることを特徴とする請求項1〜13のい
    ずれかに記載の画像形成装置。
  15. 【請求項15】 前記表面状態信号発生手段において、
    前記光線は、下向きに照射されることを特徴とする請求
    項1〜14のいずれかに記載の画像形成装置。
  16. 【請求項16】 前記被印刷媒体上に画像を形成する画
    像形成手段を備えているとともに、 前記表面状態信号発生手段は、前記画像形成手段より
    も、前記被印刷媒体の搬送方向における上流側に設けら
    れていることを特徴とする請求項1〜15のいずれかに
    記載の画像形成装置。
  17. 【請求項17】 更に、前記表面状態信号発生手段とは
    別の表面状態信号発生手段が、前記画像形成手段より
    も、前記被印刷媒体の搬送方向における下流側に設けら
    れていることを特徴とする請求項16に記載の画像形成
    装置。
  18. 【請求項18】 前記被印刷媒体が、前記上流側の表面
    状態信号発生手段によりその位置を検出される範囲を通
    過した後においては、前記下流側の表面状態信号発生手
    段が発生した前記表面状態信号を用いて、前記被印刷媒
    体の搬送量を算出することを特徴とする前記請求項17
    に記載の画像形成装置。
  19. 【請求項19】 前記移動量検出手段は、前記表面状態
    信号発生手段によって発生された表面状態信号から、移
    動量検出のための特徴点を抽出し、該特徴点の位置の比
    較によって移動量を算出することを特徴とする請求項1
    〜18のいずれかに記載の画像形成装置。
  20. 【請求項20】 前記表面状態信号発生手段は、複数の
    光電変換素子からなり、前記観測対象物が想定される最
    大速度で移動したとき、前記移動量検出手段による移動
    量検出動作を複数回行うことが可能な測定範囲を有する
    ことを特徴とする、請求項1〜19のいずれかに記載の
    画像形成装置。
  21. 【請求項21】 前記移動量検出手段は、特徴点の抽出
    に失敗した場合には、その検出結果を破棄することを特
    徴とする請求項19又は20に記載の画像形成装置。
  22. 【請求項22】 前記移動量検出手段は、特徴点の抽出
    に連続で所定回数失敗した場合に、搬送異常と判断する
    ことを特徴とする請求項19〜21のいずれかに記載の
    画像形成装置。
  23. 【請求項23】 前記移動量検出手段が抽出する特徴点
    又は特徴パターンは、前記観測対象物が想定される最大
    速度で移動したとき、少なくとも連続して2回の移動量
    検出動作を行っても前記表面状態信号発生手段の測定範
    囲に入るような大きさであることを特徴とする、請求項
    19記載の画像形成装置。
  24. 【請求項24】 画像形成を行うために用紙を搬送する
    画像形成装置において、 前記用紙を搬送する搬送手段と、 前記搬送手段を駆動する駆動手段と、 前記用紙に可干渉性を有する光線を照射すると共に、前
    記用紙の表面にて反射された反射光を受光し、その受光
    した反射光に応じて、前記用紙の表面状態に関する信号
    を発する表面状態信号発生手段と、 前記表面状態信号発生手段の発生した表面状態信号を時
    系列に比較することにより、前記用紙の移動量を求める
    移動量検出手段と、 前記駆動手段によって前記搬送手段を駆動したときに移
    動する前記用紙の移動量の前記移動量検出手段による検
    出結果に基づいて、駆動手段を制御する制御手段と、 を備える画像形成装置。
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