JP2003266625A - 生分解性材料を用いたサンドイッチパネル及びその製造方法 - Google Patents
生分解性材料を用いたサンドイッチパネル及びその製造方法Info
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- JP2003266625A JP2003266625A JP2002072784A JP2002072784A JP2003266625A JP 2003266625 A JP2003266625 A JP 2003266625A JP 2002072784 A JP2002072784 A JP 2002072784A JP 2002072784 A JP2002072784 A JP 2002072784A JP 2003266625 A JP2003266625 A JP 2003266625A
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- Panels For Use In Building Construction (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【課題】生分解性と、強度などのパネルに要求される性
能とを備えるサンドイッチパネルの製造技術を提供す
る。 【解決手段】サンドイッチパネル2の製造方法を、生分
解性材料を成形材料として含有する少なくとも第1のボ
ード4と第2のボード4とを準備する工程と、一定の方
向性を有して細管状体14が集合する植物由来の構造を
主体とし、当該方向性を所定長さにわたって保持するコ
ア材8を複数個準備する工程と、対向配置される前記第
1のボード4と前記第2のボード4との間に、前記複数
個のコア材8がそれぞれのコア材8における前記方向性
が対向配置される前記ボード4間の距離方向にほぼ一致
するように配設され、これらのボード4間に生分解性接
着剤が供給された状態とする工程と、この工程において
得られた状態で、前記ボード4と前記複数個のコア材8
とを加圧し、加熱し、前記生分解性接着剤を軟化あるい
は溶融させて前記ボード4と前記複数個のコア材8とを
一体化する工程、とを備えるようにする。
能とを備えるサンドイッチパネルの製造技術を提供す
る。 【解決手段】サンドイッチパネル2の製造方法を、生分
解性材料を成形材料として含有する少なくとも第1のボ
ード4と第2のボード4とを準備する工程と、一定の方
向性を有して細管状体14が集合する植物由来の構造を
主体とし、当該方向性を所定長さにわたって保持するコ
ア材8を複数個準備する工程と、対向配置される前記第
1のボード4と前記第2のボード4との間に、前記複数
個のコア材8がそれぞれのコア材8における前記方向性
が対向配置される前記ボード4間の距離方向にほぼ一致
するように配設され、これらのボード4間に生分解性接
着剤が供給された状態とする工程と、この工程において
得られた状態で、前記ボード4と前記複数個のコア材8
とを加圧し、加熱し、前記生分解性接着剤を軟化あるい
は溶融させて前記ボード4と前記複数個のコア材8とを
一体化する工程、とを備えるようにする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、サンドイッチパ
ネルの製造技術に関連し、特に、好ましい生分解性を有
し、所要の性能を充足するとともに、使用後あるいは廃
棄時において環境への負荷が小さい、生分解性のサンド
イッチパネルの製造技術に関する。また、この発明は、
ハニカム状のコア構造を構成するのに好ましい植物系コ
ア材の製造技術に関する。
ネルの製造技術に関連し、特に、好ましい生分解性を有
し、所要の性能を充足するとともに、使用後あるいは廃
棄時において環境への負荷が小さい、生分解性のサンド
イッチパネルの製造技術に関する。また、この発明は、
ハニカム状のコア構造を構成するのに好ましい植物系コ
ア材の製造技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、地球環境の保全や、廃棄物処理対
策等から、生分解性材料、すなわち、主として微生物に
よって分解される材料を用いて各種製品が製造されるよ
うになってきている。動植物性繊維等の天然由来の材料
を成形材料とするボード等の成形体は、成形材料自身が
好ましい生分解性を本来的に備えている。このような成
形体で建築、家具製造、車両製造等の各種産業分野で広
く用いられている成形品を代替することにより、各種産
業部品を土壌中への埋没などによって容易に廃棄処分で
きるようになる。また、生分解性を高めるには、バイン
ダーとして生分解性接着剤を使用することが望まれてい
る。一方、生分解性を確保しつつ、強度の他、吸音ない
し遮音性能、耐水性など、パネルあるいはボードとして
求められる一般的な性能の向上も求められるようになっ
てきている。
策等から、生分解性材料、すなわち、主として微生物に
よって分解される材料を用いて各種製品が製造されるよ
うになってきている。動植物性繊維等の天然由来の材料
を成形材料とするボード等の成形体は、成形材料自身が
好ましい生分解性を本来的に備えている。このような成
形体で建築、家具製造、車両製造等の各種産業分野で広
く用いられている成形品を代替することにより、各種産
業部品を土壌中への埋没などによって容易に廃棄処分で
きるようになる。また、生分解性を高めるには、バイン
ダーとして生分解性接着剤を使用することが望まれてい
る。一方、生分解性を確保しつつ、強度の他、吸音ない
し遮音性能、耐水性など、パネルあるいはボードとして
求められる一般的な性能の向上も求められるようになっ
てきている。
【0003】生分解性繊維を用いたボードなどにおいて
強度を確保する手段として、ハニカム構造を備える芯材
を介装させたサンドイッチパネル構造を採用することが
できる。かかるサンドイッチ構造を備えるボードに関す
る技術を開示するものとして、木質系面材にペーパーハ
ニカムを介装してサンドイッチパネルとする特開平10
−711号公報がある。
強度を確保する手段として、ハニカム構造を備える芯材
を介装させたサンドイッチパネル構造を採用することが
できる。かかるサンドイッチ構造を備えるボードに関す
る技術を開示するものとして、木質系面材にペーパーハ
ニカムを介装してサンドイッチパネルとする特開平10
−711号公報がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ペーパ
ーハニカムを利用して強度を向上しようとすると、床材
などに適用可能な程度の高い圧縮強度が得られにくく、
また、多湿環境下での強度低下の恐れがあった。また、
高い強度を得るには、接着剤が繊維材料を主体とするマ
トリックスに均一に分散して繊維材料をよく一体化させ
る必要があるが、生分解性接着剤に関しては、このよう
な均一分散性を十分に確保することが困難であった。
ーハニカムを利用して強度を向上しようとすると、床材
などに適用可能な程度の高い圧縮強度が得られにくく、
また、多湿環境下での強度低下の恐れがあった。また、
高い強度を得るには、接着剤が繊維材料を主体とするマ
トリックスに均一に分散して繊維材料をよく一体化させ
る必要があるが、生分解性接着剤に関しては、このよう
な均一分散性を十分に確保することが困難であった。
【0005】そこで、本発明では、生分解性と、強度な
どのパネルに要求される性能とを備えるサンドイッチパ
ネルの製造技術を提供することを、その目的とする。す
なわち、特定構造のサンドイッチパネル、その製造方
法、及びサンドイッチパネル用のコア材を提供すること
を目的とする。
どのパネルに要求される性能とを備えるサンドイッチパ
ネルの製造技術を提供することを、その目的とする。す
なわち、特定構造のサンドイッチパネル、その製造方
法、及びサンドイッチパネル用のコア材を提供すること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するべく検討したところ、植物の一部を利用して
コア材として利用し、しかも、生分解性接着剤を用いる
ことにより、生分解性と強度とを効果的に付与できるこ
とを見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明によ
れば、以下の手段が提供される。
を解決するべく検討したところ、植物の一部を利用して
コア材として利用し、しかも、生分解性接着剤を用いる
ことにより、生分解性と強度とを効果的に付与できるこ
とを見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明によ
れば、以下の手段が提供される。
【0007】(1)サンドイッチパネルの製造方法であ
って、(a) 生分解性ファイバーを成形材料とする、
少なくとも第1のボードと第2のボードとを準備する工
程と、(b) 一定の方向性を有して細管状体が集合す
る植物由来の構造を主体とし、当該方向性を所定長さに
わたって保持するコア材を複数個準備する工程と、
(c) 対向配置される前記第1のボードと第2のボー
ドとの間に、前記複数個のコア材がそれぞれのコア材に
おける前記方向性が対向配置される前記ボード間の距離
方向にほぼ一致するように配設され、これらのボード間
に生分解性接着剤が供給された状態とする工程と、
(d) 前記(c)工程において得られた状態で、前記
ボードと前記複数個のコア材とを加圧し、前記ボードと
前記複数個のコア材とを一体化する工程、とを備える、
方法。 (2)前記(c)工程の生分解性接着剤は軟化あるいは
溶融状態である、(1)記載の方法。 (3)前記(d)工程は、加熱工程を有する、(1)ま
たは(2)に記載の方法。 (4)前記生分解性接着剤を水系分散体の状態で供給す
る、(1)〜(3)のいずれかに記載の方法。 (5)前記(c)工程に先だって、前記複数個のコア材
を、生分解性接着剤の水系分散体に浸漬する工程を備え
る、(1)〜(4)のいずれかに記載の方法。 (6)前記(c)工程は、前記第1のボードの表面に、
前記コア材を複数個配列し、その後、当該複数個のコア
材上に前記第2のボードを載置する工程を含む、(1)
〜(5)のいずれかに記載の方法。 (7)前記コア材は、少なくともケナフ茎部の木質部を
構成成分とする柱状体である、(1)〜(6)のいずれ
かにに記載の方法。 (8)サンドイッチパネル用のコア材であって、一定の
方向性を有して細管状体が集合する植物由来の構造を主
体とし、当該方向性を所定長さにわたって保持するとと
もに、生分解性接着剤が担持されている、コア材。 (9)前記コア材は、少なくともケナフ茎部の木質部を
構成成分とする柱状体である、(8)に記載のコア材。 (10)生分解性ファイバーを成形材料とし、対向配置
されるボードと、(8)または(9)に記載のコア材で
あって、当該コア材における前記方向性が前記ボード間
の距離方向にほぼ一致するように配設されたコア材、と
を備える、サンドイッチパネル。
って、(a) 生分解性ファイバーを成形材料とする、
少なくとも第1のボードと第2のボードとを準備する工
程と、(b) 一定の方向性を有して細管状体が集合す
る植物由来の構造を主体とし、当該方向性を所定長さに
わたって保持するコア材を複数個準備する工程と、
(c) 対向配置される前記第1のボードと第2のボー
ドとの間に、前記複数個のコア材がそれぞれのコア材に
おける前記方向性が対向配置される前記ボード間の距離
方向にほぼ一致するように配設され、これらのボード間
に生分解性接着剤が供給された状態とする工程と、
(d) 前記(c)工程において得られた状態で、前記
ボードと前記複数個のコア材とを加圧し、前記ボードと
前記複数個のコア材とを一体化する工程、とを備える、
方法。 (2)前記(c)工程の生分解性接着剤は軟化あるいは
溶融状態である、(1)記載の方法。 (3)前記(d)工程は、加熱工程を有する、(1)ま
たは(2)に記載の方法。 (4)前記生分解性接着剤を水系分散体の状態で供給す
る、(1)〜(3)のいずれかに記載の方法。 (5)前記(c)工程に先だって、前記複数個のコア材
を、生分解性接着剤の水系分散体に浸漬する工程を備え
る、(1)〜(4)のいずれかに記載の方法。 (6)前記(c)工程は、前記第1のボードの表面に、
前記コア材を複数個配列し、その後、当該複数個のコア
材上に前記第2のボードを載置する工程を含む、(1)
〜(5)のいずれかに記載の方法。 (7)前記コア材は、少なくともケナフ茎部の木質部を
構成成分とする柱状体である、(1)〜(6)のいずれ
かにに記載の方法。 (8)サンドイッチパネル用のコア材であって、一定の
方向性を有して細管状体が集合する植物由来の構造を主
体とし、当該方向性を所定長さにわたって保持するとと
もに、生分解性接着剤が担持されている、コア材。 (9)前記コア材は、少なくともケナフ茎部の木質部を
構成成分とする柱状体である、(8)に記載のコア材。 (10)生分解性ファイバーを成形材料とし、対向配置
されるボードと、(8)または(9)に記載のコア材で
あって、当該コア材における前記方向性が前記ボード間
の距離方向にほぼ一致するように配設されたコア材、と
を備える、サンドイッチパネル。
【0008】上記サンドイッチパネルの製造方法によれ
ば、前記コア材が特定の方向性を持って対向するボード
間に配置されることで、高い強度を備えるパネルが提供
される。また、前記ボード間に供給される生分解性接着
剤により、前記ボードと前記コア材とが一体化されるた
め、一体性の高いパネルを得ることができる。特に、生
分解性接着剤が水系分散体として供給されることによ
り、コア材に対する生分解性接着剤の浸透性や分散保持
性を高めることができて、強度および/または耐水性の
良好なコアを提供することができる。また、コア材に対
しては、当該水系分散体に予め浸漬しておくことによ
り、生分解性接着剤の分散保持性などを高めることがで
きる。この結果、良好な耐水性をコア剤の耐水性をより
高めることも可能となる。
ば、前記コア材が特定の方向性を持って対向するボード
間に配置されることで、高い強度を備えるパネルが提供
される。また、前記ボード間に供給される生分解性接着
剤により、前記ボードと前記コア材とが一体化されるた
め、一体性の高いパネルを得ることができる。特に、生
分解性接着剤が水系分散体として供給されることによ
り、コア材に対する生分解性接着剤の浸透性や分散保持
性を高めることができて、強度および/または耐水性の
良好なコアを提供することができる。また、コア材に対
しては、当該水系分散体に予め浸漬しておくことによ
り、生分解性接着剤の分散保持性などを高めることがで
きる。この結果、良好な耐水性をコア剤の耐水性をより
高めることも可能となる。
【0009】また、第1のボード表面に前記コア材を複
数個配列し、その後当該コア材上に第2のボードを載置
するようにすることにより、簡易にサンドイッチパネル
を得ることができる。さらに、コア材が、少なくともケ
ナフ茎部の木質部を構成成分とする柱状体とすることに
より、高い圧縮強度のパネルを容易に得ることができ
る。
数個配列し、その後当該コア材上に第2のボードを載置
するようにすることにより、簡易にサンドイッチパネル
を得ることができる。さらに、コア材が、少なくともケ
ナフ茎部の木質部を構成成分とする柱状体とすることに
より、高い圧縮強度のパネルを容易に得ることができ
る。
【0010】また、上記コア材によれば、生分解性と強
度とを有するコア材が提供され、特に、ケナフ茎部の木
質部を備えていることにより、軽量かつ高強度のコア材
が提供される。また、上記パネルによれば、生分解性と
強度とを有するパネルを提供することができる。
度とを有するコア材が提供され、特に、ケナフ茎部の木
質部を備えていることにより、軽量かつ高強度のコア材
が提供される。また、上記パネルによれば、生分解性と
強度とを有するパネルを提供することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。本発明は、サンドイッチパネル用の
コア材と、このコア材を対向配置されるボード間に供え
るサンドイッチパネルと、このサンドイッチパネルの製
造方法を提供するものである。本発明に係るサンドイッ
チパネルの一形態を図1〜3に、コア材の一形態を図4
〜6に、サンドイッチパネルの製造工程の一形態を図7
に、それぞれ例示しつつ、以下にそれぞれの実施形態に
ついて説明する。
て詳細に説明する。本発明は、サンドイッチパネル用の
コア材と、このコア材を対向配置されるボード間に供え
るサンドイッチパネルと、このサンドイッチパネルの製
造方法を提供するものである。本発明に係るサンドイッ
チパネルの一形態を図1〜3に、コア材の一形態を図4
〜6に、サンドイッチパネルの製造工程の一形態を図7
に、それぞれ例示しつつ、以下にそれぞれの実施形態に
ついて説明する。
【0012】本サンドイッチパネル2は、図1に示すよ
うに、ボード4と、コア材8とを備えている。ボード4
は、生分解性材料を成形材料として含有し、生分解性接
着剤などのバインダーによって相互に結合され、一体化
されている。 (生分解性材料)本発明において用いる生分解性材料
は、生分解性を有していれば、人工的に取得される材料
であっても、天然由来材料であってもよいが、好ましく
は、動植物性の高分子材料である。例えば、羊毛、山羊
毛等の獣毛類、植物由来のリグノセルロース系材料、セ
ルロース系材料を使用することが好ましい。リグノセル
ロース系材あるいはセルロース系材料としては、木本植
物あるいは草本植物に由来する材料を使用できるが、好
ましくは、草本植物由来の材料を使用する。より好まし
くは、一年生草本植物である。具体的には、ケナフ、ジ
ュート、サイザル、フラックス、さとうきび(バガス)
等を挙げることができるが、好ましくは、ケナフであ
り、ケナフの靭皮が最も好ましい。
うに、ボード4と、コア材8とを備えている。ボード4
は、生分解性材料を成形材料として含有し、生分解性接
着剤などのバインダーによって相互に結合され、一体化
されている。 (生分解性材料)本発明において用いる生分解性材料
は、生分解性を有していれば、人工的に取得される材料
であっても、天然由来材料であってもよいが、好ましく
は、動植物性の高分子材料である。例えば、羊毛、山羊
毛等の獣毛類、植物由来のリグノセルロース系材料、セ
ルロース系材料を使用することが好ましい。リグノセル
ロース系材あるいはセルロース系材料としては、木本植
物あるいは草本植物に由来する材料を使用できるが、好
ましくは、草本植物由来の材料を使用する。より好まし
くは、一年生草本植物である。具体的には、ケナフ、ジ
ュート、サイザル、フラックス、さとうきび(バガス)
等を挙げることができるが、好ましくは、ケナフであ
り、ケナフの靭皮が最も好ましい。
【0013】生分解性材料の形態は特に限定しないで、
チップ状、粉状、ファイバー状等を使用できるが、建
材、車両用材に使用する成形体に用いるには、ファイバ
ー状であることが好ましい。より好ましくは約50mm
以上の長繊維を使用することが好ましい。
チップ状、粉状、ファイバー状等を使用できるが、建
材、車両用材に使用する成形体に用いるには、ファイバ
ー状であることが好ましい。より好ましくは約50mm
以上の長繊維を使用することが好ましい。
【0014】本発明における生分解性材料は、具体的に
は、ケナフ、ジュート、サイザル、フラックス等の植物
性材料のファイバー状体を使用することができる。好ま
しくは、ケナフ靭皮を構成するファイバーである。ケナ
フ靭皮はセルロース含有量が高いとともに、針葉樹系の
材質を有しており、高い強度の成形体を得ることができ
る。また草本目植物(一年生)であるとともに、生長が
早いという利点がある。
は、ケナフ、ジュート、サイザル、フラックス等の植物
性材料のファイバー状体を使用することができる。好ま
しくは、ケナフ靭皮を構成するファイバーである。ケナ
フ靭皮はセルロース含有量が高いとともに、針葉樹系の
材質を有しており、高い強度の成形体を得ることができ
る。また草本目植物(一年生)であるとともに、生長が
早いという利点がある。
【0015】(生分解性接着剤)生分解性接着剤は、生
分解性を有していればよく、特に限定しないが、化学変
性デンプン系生分解性樹脂、脂肪族ポリエステル系生分
解性樹脂、アセチルセルロース系生分解性樹脂等の生分
解性接着剤を始めとして各種使用することができる。好
ましくは、脂肪族ポリエステル系生分解性樹脂であり、
なかでも、ポリ乳酸あるいはポリ乳酸とその他のモノマ
ーとの共重合体を含むポリ乳酸系樹脂を用いることが好
ましい。なお、成形時において水系分散体として使用す
る場合には、水系分散媒を蒸発させるため、溶融温度が
100℃を超える樹脂であることが好ましい。
分解性を有していればよく、特に限定しないが、化学変
性デンプン系生分解性樹脂、脂肪族ポリエステル系生分
解性樹脂、アセチルセルロース系生分解性樹脂等の生分
解性接着剤を始めとして各種使用することができる。好
ましくは、脂肪族ポリエステル系生分解性樹脂であり、
なかでも、ポリ乳酸あるいはポリ乳酸とその他のモノマ
ーとの共重合体を含むポリ乳酸系樹脂を用いることが好
ましい。なお、成形時において水系分散体として使用す
る場合には、水系分散媒を蒸発させるため、溶融温度が
100℃を超える樹脂であることが好ましい。
【0016】化学変性デンプン系生分解性樹脂として
は、例えば高置換度エステル化澱粉、エステル化ビニル
エステルグラフト重合澱粉、エステル化ポリエステルグ
ラフト重合澱粉等の澱粉エステル、エーテル化ビニルエ
ステルグラフト重合澱粉、エーテル化ポリエステルグラ
フト重合澱粉等の澱粉エーテル、ポリエステルグラフト
重合澱粉等が挙げられるが、これらの中でもエステル化
ビニルエステルグラフト澱粉、エステル化ポリエステル
グラフト重合澱粉が好ましい。これらエステル化ビニル
エステルグラフト澱粉、エステル化ポリエステルグラフ
ト重合澱粉に用いられるエステル化試薬としては、アシ
ル基の炭素数2〜18のビニルエステル、又は酸無水
物、酸塩化物が好ましく、グラフト試薬としては、アシ
ル基の炭素数2〜18のビニルエステル、環員数2〜1
2のラクトンが好ましい。これら化学変性澱粉系生分解
性樹脂は、2種以上を併用することができる。
は、例えば高置換度エステル化澱粉、エステル化ビニル
エステルグラフト重合澱粉、エステル化ポリエステルグ
ラフト重合澱粉等の澱粉エステル、エーテル化ビニルエ
ステルグラフト重合澱粉、エーテル化ポリエステルグラ
フト重合澱粉等の澱粉エーテル、ポリエステルグラフト
重合澱粉等が挙げられるが、これらの中でもエステル化
ビニルエステルグラフト澱粉、エステル化ポリエステル
グラフト重合澱粉が好ましい。これらエステル化ビニル
エステルグラフト澱粉、エステル化ポリエステルグラフ
ト重合澱粉に用いられるエステル化試薬としては、アシ
ル基の炭素数2〜18のビニルエステル、又は酸無水
物、酸塩化物が好ましく、グラフト試薬としては、アシ
ル基の炭素数2〜18のビニルエステル、環員数2〜1
2のラクトンが好ましい。これら化学変性澱粉系生分解
性樹脂は、2種以上を併用することができる。
【0017】本発明において用いる生分解性接着剤とし
て、上記化学変性澱粉系生分解性樹脂とともに他の生分
解性樹脂を併用することができる。他の生分解性樹脂と
しては、例えば澱粉エステル、澱粉セルロース等の澱粉
誘導体、ポリカプロラクトン、ポリ乳酸等の脂肪族ポリ
エステル、アセチルセルロース等のセルロース誘導体等
の1種又は2種以上が挙げられる。化学変性澱粉系生分
解性樹脂と上記他の生分解性樹脂とは、ポリマーアロイ
或いはポリマーブレンドとして用いることができるが、
化学変性澱粉系生分解性樹脂の配合比は、優れた生分解
性を維持するために、50重量%以上であることが好ま
しい。また更に、樹脂の物性を改善するために必要に応
じてオレフィン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル系
樹脂、ポリアミド系樹脂等の汎用樹脂を併用しても良い
が、優れた生分解性を維持する上で、これらの配合比は
20重量%以下であることが好ましい。
て、上記化学変性澱粉系生分解性樹脂とともに他の生分
解性樹脂を併用することができる。他の生分解性樹脂と
しては、例えば澱粉エステル、澱粉セルロース等の澱粉
誘導体、ポリカプロラクトン、ポリ乳酸等の脂肪族ポリ
エステル、アセチルセルロース等のセルロース誘導体等
の1種又は2種以上が挙げられる。化学変性澱粉系生分
解性樹脂と上記他の生分解性樹脂とは、ポリマーアロイ
或いはポリマーブレンドとして用いることができるが、
化学変性澱粉系生分解性樹脂の配合比は、優れた生分解
性を維持するために、50重量%以上であることが好ま
しい。また更に、樹脂の物性を改善するために必要に応
じてオレフィン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル系
樹脂、ポリアミド系樹脂等の汎用樹脂を併用しても良い
が、優れた生分解性を維持する上で、これらの配合比は
20重量%以下であることが好ましい。
【0018】また、脂肪族ポリエステル系生分解性樹脂
としては、例えばポリ乳酸、乳酸と他のヒドロキシカル
ボン酸との共重合体、ポリブチレンサクシネート、ポリ
エチレンサクシネート、ポリブチレンアジペート等の二
塩基酸ポリエステル、ポリカプロラクトン、カプロラク
トンと他のヒドロキシカルボン酸との共重合体等が挙げ
られ、これらは単独又は2種以上を混合して用いること
ができる。
としては、例えばポリ乳酸、乳酸と他のヒドロキシカル
ボン酸との共重合体、ポリブチレンサクシネート、ポリ
エチレンサクシネート、ポリブチレンアジペート等の二
塩基酸ポリエステル、ポリカプロラクトン、カプロラク
トンと他のヒドロキシカルボン酸との共重合体等が挙げ
られ、これらは単独又は2種以上を混合して用いること
ができる。
【0019】また、アセチルセルロース系生分解性樹脂
としては、アセチルセルロース、アセチルブチルセルロ
ース、アセチルプロピオニルセルロース等が挙げられる
が、光沢、透明性、引っ張り強さ、硬度等の物理的特性
と生分解性が良好である点でアセチルセルロースが特に
好ましい。この場合のアセチルセルロースのアセチル化
度は特に限定されないが、40〜70%程度のものが好
ましい。アセチル化度が40%未満であると、アセチル
セルロース系樹脂の特長が少なくなる虞れがあり、アセ
チル化度が70%を超える場合には、生分解性が徐々に
低下する虞れがある。また通常アセチルセルロース系生
分解性樹脂は、成形加工性を向上させるために可塑剤を
添加して用いる。本発明の生分解性樹脂水系分散体にお
いて用いることのできる可塑剤としては、生分解性が良
好で可塑化効果の優れた可塑剤であれば特に限定されな
いが、低分子量のポリエステル系可塑剤が好ましい。こ
のようなアセチルセルロース系生分解性樹脂としては、
例えばダイセル化学工業株式会社製「セルグリーンPC
Aシリーズ」、株式会社日本触媒製「レナーレZT」等
が挙げられる。アセチルセルロース系樹脂は、樹脂物性
の改善や分散特性の向上を目的として、他の生分解性樹
脂構成モノマーをグラフト重合等の方法により共重合し
ても良く、また他の生分解性樹脂と混合して用いること
もできる。
としては、アセチルセルロース、アセチルブチルセルロ
ース、アセチルプロピオニルセルロース等が挙げられる
が、光沢、透明性、引っ張り強さ、硬度等の物理的特性
と生分解性が良好である点でアセチルセルロースが特に
好ましい。この場合のアセチルセルロースのアセチル化
度は特に限定されないが、40〜70%程度のものが好
ましい。アセチル化度が40%未満であると、アセチル
セルロース系樹脂の特長が少なくなる虞れがあり、アセ
チル化度が70%を超える場合には、生分解性が徐々に
低下する虞れがある。また通常アセチルセルロース系生
分解性樹脂は、成形加工性を向上させるために可塑剤を
添加して用いる。本発明の生分解性樹脂水系分散体にお
いて用いることのできる可塑剤としては、生分解性が良
好で可塑化効果の優れた可塑剤であれば特に限定されな
いが、低分子量のポリエステル系可塑剤が好ましい。こ
のようなアセチルセルロース系生分解性樹脂としては、
例えばダイセル化学工業株式会社製「セルグリーンPC
Aシリーズ」、株式会社日本触媒製「レナーレZT」等
が挙げられる。アセチルセルロース系樹脂は、樹脂物性
の改善や分散特性の向上を目的として、他の生分解性樹
脂構成モノマーをグラフト重合等の方法により共重合し
ても良く、また他の生分解性樹脂と混合して用いること
もできる。
【0020】(水系分散体)これらの生分解性接着剤
は、成形材料に対する供給時においては、そのまま供給
されてもよいし、水系分散媒に分散された組成物(水系
分散体)として供給されてもよい。水系分散体として供
給される場合には、これら水系分散体の構成成分が、ボ
ードに含有されることになる。以下、当該水系分散体に
ついて説明する。本発明において用いる水系分散体は、
上記した生分解性接着剤を始めとする接着剤を水系の分
散媒に分散されて形成されている。水系分散媒は、水の
他、水と混和する他の極性溶媒であるアルコールやアセ
トン等の溶媒を含んでいてもよいが、好ましくは水のみ
とする。
は、成形材料に対する供給時においては、そのまま供給
されてもよいし、水系分散媒に分散された組成物(水系
分散体)として供給されてもよい。水系分散体として供
給される場合には、これら水系分散体の構成成分が、ボ
ードに含有されることになる。以下、当該水系分散体に
ついて説明する。本発明において用いる水系分散体は、
上記した生分解性接着剤を始めとする接着剤を水系の分
散媒に分散されて形成されている。水系分散媒は、水の
他、水と混和する他の極性溶媒であるアルコールやアセ
トン等の溶媒を含んでいてもよいが、好ましくは水のみ
とする。
【0021】接着剤を水系分散媒に安定的に分散させて
保持するには、分散安定化剤を含有していることが好ま
しい。本発明において、水系分散体における生分解性接
着剤の分散安定性をより高めるとともに、生分解性水系
分散体を用いて得た複合材料の耐水性を高める上で、カ
チオン性高分子化合物又はアニオン性高分子化合物と、
ポリビニルアルコールとを、重量比で、カチオン性高分
子化合物又はアニオン性高分子化合物:ポリビニルアル
コール=8:2〜1:9の割合で使用することが好まし
い。上記カチオン性高分子化合物又はアニオン性高分子
化合物と、ポリビニルアルコールとの更に好ましい割合
は、重量比でカチオン性高分子化合物又はアニオン性高
分子化合物と、ポリビニルアルコール=5:5〜2:8
である。
保持するには、分散安定化剤を含有していることが好ま
しい。本発明において、水系分散体における生分解性接
着剤の分散安定性をより高めるとともに、生分解性水系
分散体を用いて得た複合材料の耐水性を高める上で、カ
チオン性高分子化合物又はアニオン性高分子化合物と、
ポリビニルアルコールとを、重量比で、カチオン性高分
子化合物又はアニオン性高分子化合物:ポリビニルアル
コール=8:2〜1:9の割合で使用することが好まし
い。上記カチオン性高分子化合物又はアニオン性高分子
化合物と、ポリビニルアルコールとの更に好ましい割合
は、重量比でカチオン性高分子化合物又はアニオン性高
分子化合物と、ポリビニルアルコール=5:5〜2:8
である。
【0022】化学変性デンプン系生分解性樹脂の場合に
は、平均分子量30万以上のカチオン性高分子化合物又
は平均分子量30万以上のアニオン性高分子化合物を含
有することが好ましい。さらに、これらのいずれかの高
分子化合物の他にポリビニルアルコールとを含めること
もできる。この場合、平均分子量30万以上のカチオン
性高分子化合物又は平均分子量30万以上のアニオン性
高分子化合物と、ポリビニルアルコールとを、重量比で
8:2〜1:9の割合で含有することが好ましい。
は、平均分子量30万以上のカチオン性高分子化合物又
は平均分子量30万以上のアニオン性高分子化合物を含
有することが好ましい。さらに、これらのいずれかの高
分子化合物の他にポリビニルアルコールとを含めること
もできる。この場合、平均分子量30万以上のカチオン
性高分子化合物又は平均分子量30万以上のアニオン性
高分子化合物と、ポリビニルアルコールとを、重量比で
8:2〜1:9の割合で含有することが好ましい。
【0023】脂肪族ポリエステル系生分解性樹脂の場合
には、平均分子量30万以上のカチオン性高分子化合物
又は平均分子量100万以上のアニオン性高分子化合物
と、ポリビニルアルコールとを、平均分子量30万以上
のカチオン性高分子化合物又は平均分子量100万以上
のアニオン性高分子化合物:ポリビニルアルコール=
8:2〜1:9の重量比で使用することが好ましい。
には、平均分子量30万以上のカチオン性高分子化合物
又は平均分子量100万以上のアニオン性高分子化合物
と、ポリビニルアルコールとを、平均分子量30万以上
のカチオン性高分子化合物又は平均分子量100万以上
のアニオン性高分子化合物:ポリビニルアルコール=
8:2〜1:9の重量比で使用することが好ましい。
【0024】また、アセチルセルロース系生分解性樹脂
の場合には、平均分子量30万以上のカチオン性高分子
化合物又は平均分子量30万以上のアニオン性高分子化
合物を含有することが好ましく、特に、分散安定化剤と
して、平均分子量30万以上のカチオン性高分子化合物
又は平均分子量30万以上のアニオン性高分子化合物
と、ポリビニルアルコールとを、平均分子量30万以上
のカチオン性高分子化合物又は平均分子量30万以上の
アニオン性高分子化合物:ポリビニルアルコール=8:
2〜1:9の重量比で用いることが好ましい。
の場合には、平均分子量30万以上のカチオン性高分子
化合物又は平均分子量30万以上のアニオン性高分子化
合物を含有することが好ましく、特に、分散安定化剤と
して、平均分子量30万以上のカチオン性高分子化合物
又は平均分子量30万以上のアニオン性高分子化合物
と、ポリビニルアルコールとを、平均分子量30万以上
のカチオン性高分子化合物又は平均分子量30万以上の
アニオン性高分子化合物:ポリビニルアルコール=8:
2〜1:9の重量比で用いることが好ましい。
【0025】これらの上記した接着剤が水系の分散媒に
分散される際の粒子のメジアン径は、良好な分散性が確
保されていれば特に限定しないが、約2μm以上約10
μm以下の範囲であることが好ましい。この範囲である
と、水系分散体の浸透とともに、接着剤も成形材料内に
拡散しかつ保持されやすい。また、相対的に少ない接着
剤量で必要な接着力を得ることができる。より好ましく
は、約3μm以上約7μm以下であり、さらに好ましく
は、約4μm以上約6μm以下である。なお、平均粒子径
は、各種粒度分布測定装置にて測定することができる。
分散される際の粒子のメジアン径は、良好な分散性が確
保されていれば特に限定しないが、約2μm以上約10
μm以下の範囲であることが好ましい。この範囲である
と、水系分散体の浸透とともに、接着剤も成形材料内に
拡散しかつ保持されやすい。また、相対的に少ない接着
剤量で必要な接着力を得ることができる。より好ましく
は、約3μm以上約7μm以下であり、さらに好ましく
は、約4μm以上約6μm以下である。なお、平均粒子径
は、各種粒度分布測定装置にて測定することができる。
【0026】水系分散体における接着剤固形分は、付与
しようとする粘度によっても異なるが、約15wt%以
上約50wt%以下であることが好ましい。好ましくは
約40wt%である。また、各分散安定剤の量は、約
0.05wt%〜約0.3wt%の範囲で含有させることが好
ましい。さらに、ポリビニルアルコールは、約0.1wt
%〜0.5wt%の範囲でかつ上記した接着剤に対する配合
比で含有させることが好ましい。
しようとする粘度によっても異なるが、約15wt%以
上約50wt%以下であることが好ましい。好ましくは
約40wt%である。また、各分散安定剤の量は、約
0.05wt%〜約0.3wt%の範囲で含有させることが好
ましい。さらに、ポリビニルアルコールは、約0.1wt
%〜0.5wt%の範囲でかつ上記した接着剤に対する配合
比で含有させることが好ましい。
【0027】特にリグノセルロース系あるいはセルロー
ス系成形材料を用いる場合には、アニオン性の高分子化
合物を含有していることが好ましい。アニオン性高分子
化合物を用いると、成形体の形状(特に板厚)制御や強
度(最大曲げ荷重)などに対して有利に作用し、所望の
板厚でしかも高い強度の成形体を得ることができる。こ
れは、リグノセルロース系材料等自体がアニオン性であ
るため、アニオン性の高分子化合物を介して接着剤との
相溶性が向上しているものと推測される。なお、この推
論は、本願発明を拘束するものではない。
ス系成形材料を用いる場合には、アニオン性の高分子化
合物を含有していることが好ましい。アニオン性高分子
化合物を用いると、成形体の形状(特に板厚)制御や強
度(最大曲げ荷重)などに対して有利に作用し、所望の
板厚でしかも高い強度の成形体を得ることができる。こ
れは、リグノセルロース系材料等自体がアニオン性であ
るため、アニオン性の高分子化合物を介して接着剤との
相溶性が向上しているものと推測される。なお、この推
論は、本願発明を拘束するものではない。
【0028】本発明の生分解性接着剤の水系分散体に
は、必要に応じて上記成分以外に更に、増粘剤、表面平
滑剤、離型剤、撥水剤(疎水性向上剤)、防錆剤、流動
性調製剤等を含有せしめることができ、増粘剤として
は、ポリエチレングリコール等のポリアルコキシド系高
分子、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメ
チルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース
等のセルロース誘導体、カチオン化澱粉、エーテル化澱
粉等の澱粉誘導体、アラビアガム、グアーガム、キサン
タンガム等の植物ガム、カゼイン、キトサン、キチン等
の動物性高分子等が挙げられる。一方、表面平滑性、離
型性、撥水性等を改善するために、天然ワックス、合成
ワックス等のワックス類を含有させることができる。
は、必要に応じて上記成分以外に更に、増粘剤、表面平
滑剤、離型剤、撥水剤(疎水性向上剤)、防錆剤、流動
性調製剤等を含有せしめることができ、増粘剤として
は、ポリエチレングリコール等のポリアルコキシド系高
分子、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメ
チルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース
等のセルロース誘導体、カチオン化澱粉、エーテル化澱
粉等の澱粉誘導体、アラビアガム、グアーガム、キサン
タンガム等の植物ガム、カゼイン、キトサン、キチン等
の動物性高分子等が挙げられる。一方、表面平滑性、離
型性、撥水性等を改善するために、天然ワックス、合成
ワックス等のワックス類を含有させることができる。
【0029】また、離型性・疎水性向上剤として天然ワ
ックス及び/又は合成ワックスを含有していることが好
ましい。天然ワックス及び/又は合成ワックスを含有す
る場合、製品の撥水・撥油性、耐水性、耐油性、気密性
等のより向上を図ることができるとともに、加工時の熱
処理工程における加熱ロール、プレス、金型等からの離
型性が向上させることができる。
ックス及び/又は合成ワックスを含有していることが好
ましい。天然ワックス及び/又は合成ワックスを含有す
る場合、製品の撥水・撥油性、耐水性、耐油性、気密性
等のより向上を図ることができるとともに、加工時の熱
処理工程における加熱ロール、プレス、金型等からの離
型性が向上させることができる。
【0030】生分解性接着剤の水系分散体は、例えば攪
拌装置を有する密閉槽内に、生分解性樹脂、カチオン性
高分子化合物又はアニオン性高分子化合物、ポリビニル
アルコール及び水を同時に仕込み、加熱攪拌しながら加
圧して生分解性樹脂を分散させる加圧分散法、常圧また
は加圧下に保持されている熱水中に、生分解性樹脂、カ
チオン性高分子化合物又はアニオン性高分子化合物、ポ
リビニルアルコールとを含む溶融物を添加攪拌して分散
させる直接分散法、生分解性樹脂の有機溶媒溶液を、カ
チオン性高分子化合物又はアニオン性高分子化合物、ポ
リビニルアルコールを含む水溶液中に添加攪拌して分散
させた後、有機溶媒を除去する方法、生分解性樹脂を加
熱溶融させ、これにカチオン性高分子化合物又はアニオ
ン性高分子化合物と、ポリビニルアルコールとを含む水
溶液を添加攪拌して生分解性樹脂を水に分散させる転相
法等により得ることができる。例えば、各材料と水の他
に、酢酸エチルを水と接着剤との総量100重量部に対
して80重量部程度を混合して、これをホモミキサーを
装着したオートクレーブ中に仕込んで、加熱攪拌しなが
ら加圧して分散させ、その後、減圧下で酢酸エチルを除
去することにより水系分散体を得ることができる。
拌装置を有する密閉槽内に、生分解性樹脂、カチオン性
高分子化合物又はアニオン性高分子化合物、ポリビニル
アルコール及び水を同時に仕込み、加熱攪拌しながら加
圧して生分解性樹脂を分散させる加圧分散法、常圧また
は加圧下に保持されている熱水中に、生分解性樹脂、カ
チオン性高分子化合物又はアニオン性高分子化合物、ポ
リビニルアルコールとを含む溶融物を添加攪拌して分散
させる直接分散法、生分解性樹脂の有機溶媒溶液を、カ
チオン性高分子化合物又はアニオン性高分子化合物、ポ
リビニルアルコールを含む水溶液中に添加攪拌して分散
させた後、有機溶媒を除去する方法、生分解性樹脂を加
熱溶融させ、これにカチオン性高分子化合物又はアニオ
ン性高分子化合物と、ポリビニルアルコールとを含む水
溶液を添加攪拌して生分解性樹脂を水に分散させる転相
法等により得ることができる。例えば、各材料と水の他
に、酢酸エチルを水と接着剤との総量100重量部に対
して80重量部程度を混合して、これをホモミキサーを
装着したオートクレーブ中に仕込んで、加熱攪拌しなが
ら加圧して分散させ、その後、減圧下で酢酸エチルを除
去することにより水系分散体を得ることができる。
【0031】なお、ボードの目付け量や最大曲げ強度な
どは、特に限定しない。目付け量は、約0.5kg/m
2以上約1.5kg/m2以下とすることができる。例え
ば、約1.5kg/m2とすることができる。また、最
大曲げ強度は、約10N以上約150N以下とすること
ができる。例えば、約70N以上約100N以下を有す
るボードを使用することが好ましい。
どは、特に限定しない。目付け量は、約0.5kg/m
2以上約1.5kg/m2以下とすることができる。例え
ば、約1.5kg/m2とすることができる。また、最
大曲げ強度は、約10N以上約150N以下とすること
ができる。例えば、約70N以上約100N以下を有す
るボードを使用することが好ましい。
【0032】(ボードの製造方法)本発明のサンドイッ
チパネルを構成するボードは、生分解性材料をバインダ
ーにより一体化してボード状に成形することによって得
ることができる。バインダーとしては特に限定しない
が、上記したような、生分解性を有する樹脂系接着剤を
使用することが好ましい。したがって、本ボードは、例
えば、生分解性接着剤を生分解性材料に付与し、前記接
着剤が溶融する程度に、生分解性接着剤が供給された成
形材料を加熱し、これに前後して、あるいは同時に、こ
の成形材料を圧縮し、その後冷却することによって得る
ことができる。好ましくは、生分解性接着剤の水系分散
体を生分解性材料に付与する。
チパネルを構成するボードは、生分解性材料をバインダ
ーにより一体化してボード状に成形することによって得
ることができる。バインダーとしては特に限定しない
が、上記したような、生分解性を有する樹脂系接着剤を
使用することが好ましい。したがって、本ボードは、例
えば、生分解性接着剤を生分解性材料に付与し、前記接
着剤が溶融する程度に、生分解性接着剤が供給された成
形材料を加熱し、これに前後して、あるいは同時に、こ
の成形材料を圧縮し、その後冷却することによって得る
ことができる。好ましくは、生分解性接着剤の水系分散
体を生分解性材料に付与する。
【0033】成形材料の種類によっては、水系分散体を
付与するのに先立って、成形材料を予備的に処理した
り、あるいは予備的に成形したりすることが好ましい。
例えば、ファイバー状の成形材料は、通常、ある程度の
繊維束となって流通しているため、接着剤付与工程に先
立って、解繊しておくことが好ましい。なお、繊維束
は、予め約50mm以上約100mm以下にカットして
おくことで、開繊工程を効率よく実施することができ
る。また、解きほぐされた状態のファイバー状成形材料
は、予備成形してマット化おくことで工程でのハンドリ
ング性を確保することができ、また、水系分散体を効率
的に付与することができる。予備成形は、カード、フリ
ース、エアレイ等の当業者に公知の各種手段によって行
うことができる。
付与するのに先立って、成形材料を予備的に処理した
り、あるいは予備的に成形したりすることが好ましい。
例えば、ファイバー状の成形材料は、通常、ある程度の
繊維束となって流通しているため、接着剤付与工程に先
立って、解繊しておくことが好ましい。なお、繊維束
は、予め約50mm以上約100mm以下にカットして
おくことで、開繊工程を効率よく実施することができ
る。また、解きほぐされた状態のファイバー状成形材料
は、予備成形してマット化おくことで工程でのハンドリ
ング性を確保することができ、また、水系分散体を効率
的に付与することができる。予備成形は、カード、フリ
ース、エアレイ等の当業者に公知の各種手段によって行
うことができる。
【0034】また、紛状体の成形材料を使用する場合に
は、一旦、透水性の型に粉状体の水懸濁液を供給して、
水を蒸発させることにより予備成形体を得ることができ
る。
は、一旦、透水性の型に粉状体の水懸濁液を供給して、
水を蒸発させることにより予備成形体を得ることができ
る。
【0035】成形材料と生分解性接着剤(固形分)との
配合比は、特に限定しないで、得ようとする強度や目付
け量によって適宜調整すればよい。本願発明において
は、水系分散体の良好な浸透性と拡散性とにより、接着
剤量を相対的に小さくすることができる。特に、植物性
繊維が成形材料の場合、良好な浸透・拡散性を得ること
ができる。このため、接着剤(固形分)の重量比を成形
材料と接着剤(固形分)の全体に対して、1wt%以上
50wt%以下とすることが好ましい。接着剤が1wt
%より小さいと、樹脂量が少なすぎて一体性が得られに
くいが1wt%以上であれば、全体的に分散保持させる
ことができ成形体を構成できる。また、50wt%を超
えると、樹脂量が多すぎて強度が出にくくなる。より好
ましくは、樹脂量を全体の約10wt%以上約40wt
%以下とする。この範囲であると、樹脂量が少ないため
に成形体表面において植物繊維の風合いや質感を有する
一方、十分に高い強度を得ることができ、また、耐水性
(強度安定性及び寸法安定性;特に、加湿された冷熱条
件下において)を確保することができる。より好ましく
は、約15wt%以上約35wt%以下であり、特に好ましく
は、約30wt%である。なお、この重量割合は、成形
後のボードにおいても維持される。
配合比は、特に限定しないで、得ようとする強度や目付
け量によって適宜調整すればよい。本願発明において
は、水系分散体の良好な浸透性と拡散性とにより、接着
剤量を相対的に小さくすることができる。特に、植物性
繊維が成形材料の場合、良好な浸透・拡散性を得ること
ができる。このため、接着剤(固形分)の重量比を成形
材料と接着剤(固形分)の全体に対して、1wt%以上
50wt%以下とすることが好ましい。接着剤が1wt
%より小さいと、樹脂量が少なすぎて一体性が得られに
くいが1wt%以上であれば、全体的に分散保持させる
ことができ成形体を構成できる。また、50wt%を超
えると、樹脂量が多すぎて強度が出にくくなる。より好
ましくは、樹脂量を全体の約10wt%以上約40wt
%以下とする。この範囲であると、樹脂量が少ないため
に成形体表面において植物繊維の風合いや質感を有する
一方、十分に高い強度を得ることができ、また、耐水性
(強度安定性及び寸法安定性;特に、加湿された冷熱条
件下において)を確保することができる。より好ましく
は、約15wt%以上約35wt%以下であり、特に好ましく
は、約30wt%である。なお、この重量割合は、成形
後のボードにおいても維持される。
【0036】以下、天然ファイバー状の成形材料からボ
ードを製造する工程の典型例について説明するが、典型
例として示すものであり、本願発明を限定するものでは
ない。
ードを製造する工程の典型例について説明するが、典型
例として示すものであり、本願発明を限定するものでは
ない。
【0037】以下の製造工程は、天然繊維を開繊し、マ
ットを調製し、水系分散体をマットに付与し、その後、
マットを加熱、加圧、冷却して、最終的な目付け量に到
達していない状態の板状成形体を得るための各工程を含
んでいる。
ットを調製し、水系分散体をマットに付与し、その後、
マットを加熱、加圧、冷却して、最終的な目付け量に到
達していない状態の板状成形体を得るための各工程を含
んでいる。
【0038】まず、成形材料を、ターボフィーダにより
開繊し、マット形成工程に搬送する。マット形成工程で
は、フォーミングマシンによって開繊された成形材料を
マット化することができる。次いで、回転するドラムに
よって押圧してマットの密度を大きくするように調節す
る。単にマット化されただけでは、繊維が軽く交絡して
いるだけなので、繊維の飛散を回避できず、また、ハン
ドリング性が悪いからである。次いで生分解性接着剤の
水系分散体をマットに付与する。マットに付与された組
成物は、それ自体の粘度および/または付与形態におけ
る外力付加状態に応じて、成形材料中を浸透し、拡散す
る。特に、成形材料がファイバー状の場合には、ファイ
バーが交絡して形成されるファイバーとファイバー間の
空隙とから成形材料構造が形成されており、水系分散体
の有する表面張力によりファイバー表面に付着し、浸透
し、また空隙に保持される。特に、ファイバーがリグノ
セルロース系等の場合には、ファイバー表面と水系分散
体とがよくなじみ、水系分散媒が繊維に浸透することに
より、繊維表面に接着剤を良好に付着させることができ
る。水系分散体は、ロールコータ、スプレー、エアロゾ
ルなど各種の方法によってマットに供給することができ
る。水系分散体による生分解性接着剤の供給方法を採用
することにより、粘度調整が容易となり粘性が向上され
ることで液ダレの問題が容易に回避できるようになると
ともに、揮発性も低下させることができる。このために
成形材料における浸透性や拡散性も調整が容易にするこ
とができるようになる。この結果、接着剤を成形材料に
均一に保持させて、少ない接着剤量で高い強度と寸法安
定性(耐水性)を得ることができる。
開繊し、マット形成工程に搬送する。マット形成工程で
は、フォーミングマシンによって開繊された成形材料を
マット化することができる。次いで、回転するドラムに
よって押圧してマットの密度を大きくするように調節す
る。単にマット化されただけでは、繊維が軽く交絡して
いるだけなので、繊維の飛散を回避できず、また、ハン
ドリング性が悪いからである。次いで生分解性接着剤の
水系分散体をマットに付与する。マットに付与された組
成物は、それ自体の粘度および/または付与形態におけ
る外力付加状態に応じて、成形材料中を浸透し、拡散す
る。特に、成形材料がファイバー状の場合には、ファイ
バーが交絡して形成されるファイバーとファイバー間の
空隙とから成形材料構造が形成されており、水系分散体
の有する表面張力によりファイバー表面に付着し、浸透
し、また空隙に保持される。特に、ファイバーがリグノ
セルロース系等の場合には、ファイバー表面と水系分散
体とがよくなじみ、水系分散媒が繊維に浸透することに
より、繊維表面に接着剤を良好に付着させることができ
る。水系分散体は、ロールコータ、スプレー、エアロゾ
ルなど各種の方法によってマットに供給することができ
る。水系分散体による生分解性接着剤の供給方法を採用
することにより、粘度調整が容易となり粘性が向上され
ることで液ダレの問題が容易に回避できるようになると
ともに、揮発性も低下させることができる。このために
成形材料における浸透性や拡散性も調整が容易にするこ
とができるようになる。この結果、接着剤を成形材料に
均一に保持させて、少ない接着剤量で高い強度と寸法安
定性(耐水性)を得ることができる。
【0039】次に、水系分散体が供給された成形材料
(本工程ではマット)を、加熱する。この加熱は、水系
分散体中の分散媒を除去し、接着剤を溶融して流動化さ
せる程度に行うが、分散媒の主体である水を蒸発させる
には、少なくとも100℃以上に加熱する必要がある。
接着剤の接着性を短期間で発揮させるには、好ましくは
150℃以上、より好ましくは180℃以上で加熱工程
を実施する。加熱手段は、熱風、遠赤外線加熱、誘導加
熱、マイクロ波加熱、加熱ローラー等、当業者に公知の
各種加熱手段を採用できる。本工程では、熱風による加
熱手段を採用している。
(本工程ではマット)を、加熱する。この加熱は、水系
分散体中の分散媒を除去し、接着剤を溶融して流動化さ
せる程度に行うが、分散媒の主体である水を蒸発させる
には、少なくとも100℃以上に加熱する必要がある。
接着剤の接着性を短期間で発揮させるには、好ましくは
150℃以上、より好ましくは180℃以上で加熱工程
を実施する。加熱手段は、熱風、遠赤外線加熱、誘導加
熱、マイクロ波加熱、加熱ローラー等、当業者に公知の
各種加熱手段を採用できる。本工程では、熱風による加
熱手段を採用している。
【0040】次いで、あるいは、加熱とともに、接着性
を発揮した接着剤を含有する成形材料を加圧して圧縮し
て、成形マットとする。なお、この工程は、予備成形体
を得るための加圧工程である。この後、成形マットを冷
却する。溶融した接着剤を固化させることにより、成形
材料と接着剤とが一体化され、ボードを得ることができ
る。このようにして、得られたボードは、そのまま、あ
るいは必要に応じて再加熱して形状付与することができ
る。すなわち、ボードに含まれる生分解性接着剤が溶融
する温度に成形マットを加熱(必要に応じて加えて加
圧)し、その後形状を付与すればよい。
を発揮した接着剤を含有する成形材料を加圧して圧縮し
て、成形マットとする。なお、この工程は、予備成形体
を得るための加圧工程である。この後、成形マットを冷
却する。溶融した接着剤を固化させることにより、成形
材料と接着剤とが一体化され、ボードを得ることができ
る。このようにして、得られたボードは、そのまま、あ
るいは必要に応じて再加熱して形状付与することができ
る。すなわち、ボードに含まれる生分解性接着剤が溶融
する温度に成形マットを加熱(必要に応じて加えて加
圧)し、その後形状を付与すればよい。
【0041】(コア材)本発明におけるコア材8は、一
定の方向性を有して細管状体が集合する植物由来の構造
を主体とし、当該方向性を所定長さにわたって保持して
いる。コア材8における植物由来の構造部位は、植物体
の一部であって、導管などの細管状体が一定方向に配列
される部位であることが好ましい。当該部位としては、
例えば、茎部あるいは茎部から分枝した枝部である。当
該部位は、例えば、その内部に導管などの細管状体が茎
部などの長さ方向に沿って配列されている部分を備えて
いることから、ハニカム状体ないしは多孔体状となって
いる。したがって、生分解性、軽量性の他、空気を備え
うることから断熱性、遮音性などを備えうるコア材とな
っている。また、植物体の構造維持する部分でもあるた
め、導管に沿う方向では、高い強度を備えている。
定の方向性を有して細管状体が集合する植物由来の構造
を主体とし、当該方向性を所定長さにわたって保持して
いる。コア材8における植物由来の構造部位は、植物体
の一部であって、導管などの細管状体が一定方向に配列
される部位であることが好ましい。当該部位としては、
例えば、茎部あるいは茎部から分枝した枝部である。当
該部位は、例えば、その内部に導管などの細管状体が茎
部などの長さ方向に沿って配列されている部分を備えて
いることから、ハニカム状体ないしは多孔体状となって
いる。したがって、生分解性、軽量性の他、空気を備え
うることから断熱性、遮音性などを備えうるコア材とな
っている。また、植物体の構造維持する部分でもあるた
め、導管に沿う方向では、高い強度を備えている。
【0042】コア材8として、植物体の茎部あるいは枝
部を用いる場合、図4に示すように、外皮10を含む当
該部位の植物組織の全部を用いることもできるし、図5
に示すように、外皮10より内側にある(外皮を除く)
導管14などを含む部位(木質部12)のみを用いるこ
ともできる。当該部位の全体を利用する場合には、靭皮
などの各種外皮と木質部とが一体の状態で利用すること
になる。また、導管14などを含む茎部などの中心側部
位のみを用いる場合には、図6に示すように、例えば、
茎部の樹皮、靭皮、外皮などの外皮(外層側組織)10
を除去して木質部12としたものを利用することにな
る。
部を用いる場合、図4に示すように、外皮10を含む当
該部位の植物組織の全部を用いることもできるし、図5
に示すように、外皮10より内側にある(外皮を除く)
導管14などを含む部位(木質部12)のみを用いるこ
ともできる。当該部位の全体を利用する場合には、靭皮
などの各種外皮と木質部とが一体の状態で利用すること
になる。また、導管14などを含む茎部などの中心側部
位のみを用いる場合には、図6に示すように、例えば、
茎部の樹皮、靭皮、外皮などの外皮(外層側組織)10
を除去して木質部12としたものを利用することにな
る。
【0043】当該植物体としては、特に限定しないで、
草本類植物あるいは木本類植物を利用することができる
が、好ましくは、草本類であり、より好ましくは、一年
生の草本類である。具体的には、ケナフ、ジュート、サ
イザル、フラックス、さとうきび等を挙げることができ
るが、好ましくは、ケナフである。これらの草本植物に
おいては、好ましくはその茎部を使用する。特に、ケナ
フの茎部を用いた場合、木質部の有効利用となる。さら
に、ボードにおいてケナフ靭皮を利用することにより、
ケナフの全体利用を図ることができる。また、ケナフの
茎部においては、導管に沿う方向では、100kg/c
m2程度の強度を発揮させることができ、高い強度のコ
ア材を提供することができる。
草本類植物あるいは木本類植物を利用することができる
が、好ましくは、草本類であり、より好ましくは、一年
生の草本類である。具体的には、ケナフ、ジュート、サ
イザル、フラックス、さとうきび等を挙げることができ
るが、好ましくは、ケナフである。これらの草本植物に
おいては、好ましくはその茎部を使用する。特に、ケナ
フの茎部を用いた場合、木質部の有効利用となる。さら
に、ボードにおいてケナフ靭皮を利用することにより、
ケナフの全体利用を図ることができる。また、ケナフの
茎部においては、導管に沿う方向では、100kg/c
m2程度の強度を発揮させることができ、高い強度のコ
ア材を提供することができる。
【0044】コア材8の細管状体14の長さ方向に沿う
サイズおよびその断面形状とそのサイズは特に限定しな
い。使用する植物体の大きさやボードの厚みなどに応じ
て適宜設定することができる。好ましくは、断面の差し
渡し寸法(断面が略円形の場合には、直径となる)の分
散が平均寸法の±5mm程度の範囲内とすることによ
り、パネルにおける強度のばらつきを抑制することがで
きる。
サイズおよびその断面形状とそのサイズは特に限定しな
い。使用する植物体の大きさやボードの厚みなどに応じ
て適宜設定することができる。好ましくは、断面の差し
渡し寸法(断面が略円形の場合には、直径となる)の分
散が平均寸法の±5mm程度の範囲内とすることによ
り、パネルにおける強度のばらつきを抑制することがで
きる。
【0045】コア材8の吸水性を抑制するには、コア材
8を、予め、前記した生分解性接着剤の水系分散体に浸
漬しておくことが好ましい。予め、十分にコア材8に生
分解性接着剤を浸透させておくことにより、加熱時にお
いて、導管などの細管状体の隔壁に樹脂分が膜状に付着
させることができる。これにより、コア材のハニカム状
ないし多孔質状形態に由来する吸水性を低減することが
できる。水系分散体における水分量を適宜調整すること
で、水分が蒸発して樹脂分が溶融しても、導管などの細
管状体が目詰まりしないようにすることができる。この
結果、コア材の空気を保持能力を確保でき、断熱、遮音
などの空気相を保有することによるボードの機能を発揮
させることができる。この場合の、水系分散体における
水分含有率は60wt%以上100wt%未満とするこ
とが好ましく、より好ましくは、55wt%以上90w
t%以下である。なお、使用する生分解性接着剤は、後
述するように、ボードとの一体化を考慮すれば、ボード
に用いた生分解性接着剤と同一あるいは相溶性のあるも
のを用いることが好ましい。なお、必要に応じて、生分
解性接着剤の水系分散体を供給することで、導管などの
細管状体12の内部にまで接着剤を充てんすることも可
能である。このように生分解性接着剤あるいはその水系
分散体が付与されたコア材は、植物由来成分とともに生
分解性接着剤あるいはこれに加えて水系分散体の前記接
着剤以外の構成成分(主として水系分散媒を除く成分)
を担持していることになる。
8を、予め、前記した生分解性接着剤の水系分散体に浸
漬しておくことが好ましい。予め、十分にコア材8に生
分解性接着剤を浸透させておくことにより、加熱時にお
いて、導管などの細管状体の隔壁に樹脂分が膜状に付着
させることができる。これにより、コア材のハニカム状
ないし多孔質状形態に由来する吸水性を低減することが
できる。水系分散体における水分量を適宜調整すること
で、水分が蒸発して樹脂分が溶融しても、導管などの細
管状体が目詰まりしないようにすることができる。この
結果、コア材の空気を保持能力を確保でき、断熱、遮音
などの空気相を保有することによるボードの機能を発揮
させることができる。この場合の、水系分散体における
水分含有率は60wt%以上100wt%未満とするこ
とが好ましく、より好ましくは、55wt%以上90w
t%以下である。なお、使用する生分解性接着剤は、後
述するように、ボードとの一体化を考慮すれば、ボード
に用いた生分解性接着剤と同一あるいは相溶性のあるも
のを用いることが好ましい。なお、必要に応じて、生分
解性接着剤の水系分散体を供給することで、導管などの
細管状体12の内部にまで接着剤を充てんすることも可
能である。このように生分解性接着剤あるいはその水系
分散体が付与されたコア材は、植物由来成分とともに生
分解性接着剤あるいはこれに加えて水系分散体の前記接
着剤以外の構成成分(主として水系分散媒を除く成分)
を担持していることになる。
【0046】なお、コア材は生分解性接着剤の水系分散
体に浸漬された後、特に乾燥工程を経ることなく、後述
する一体化工程に供給してもよいが、当該工程への供給
に先だって、積極的に乾燥させておくことが好ましい。
乾燥には、熱風加熱炉などを公知の加熱装置を用いるこ
とができる。例えば,炉内温度が180〜240℃程度
の雰囲気下に、生分解性樹脂が溶融して導管壁に膜状に
付着する程度の時間曝すことが好ましい。予め、生分解
性接着剤を膜状に付与しておけば、一体化工程における
条件に左右されないで、有効にコア材の吸水性を抑制す
ることができる。
体に浸漬された後、特に乾燥工程を経ることなく、後述
する一体化工程に供給してもよいが、当該工程への供給
に先だって、積極的に乾燥させておくことが好ましい。
乾燥には、熱風加熱炉などを公知の加熱装置を用いるこ
とができる。例えば,炉内温度が180〜240℃程度
の雰囲気下に、生分解性樹脂が溶融して導管壁に膜状に
付着する程度の時間曝すことが好ましい。予め、生分解
性接着剤を膜状に付与しておけば、一体化工程における
条件に左右されないで、有効にコア材の吸水性を抑制す
ることができる。
【0047】コア材8は、基本的には、一本の茎部ある
いは枝部に基づく形状を備えた柱状形態を備えている
が、予め複数個のコア材8を一体化させておくこともで
きる。例えば、複数個のコア材8の外周側が互いに接触
するようにして束ねることができる。このような集合状
態を固定するには、集合状に配列されたコア材8に対し
て、生分解性接着剤の水系分散体を噴霧、塗布などの方
法により供給し、その後、接着剤を加熱溶融して相互に
接着させることができる。あるいは、仮に集合状態とし
て固定した状態で、水系分散体に浸漬し、その後、接着
剤を加熱溶融して相互に接着し一体化することができ
る。
いは枝部に基づく形状を備えた柱状形態を備えている
が、予め複数個のコア材8を一体化させておくこともで
きる。例えば、複数個のコア材8の外周側が互いに接触
するようにして束ねることができる。このような集合状
態を固定するには、集合状に配列されたコア材8に対し
て、生分解性接着剤の水系分散体を噴霧、塗布などの方
法により供給し、その後、接着剤を加熱溶融して相互に
接着させることができる。あるいは、仮に集合状態とし
て固定した状態で、水系分散体に浸漬し、その後、接着
剤を加熱溶融して相互に接着し一体化することができ
る。
【0048】このコア材8は、植物由来の構造を主体と
すること、及び生分解性樹脂が担持されていることで、
好ましい生分解性を有している。同時に、この構造に由
来するハニカム状ないし多孔質状形態によって空気保持
能力、軽量性などを備え、さらに好ましい強度を備える
ものとなっている。さらに、生分解性接着剤によって隔
壁を膜状に被覆可能あるいは被覆されていることで、吸
水性が抑制され、耐水性が向上されている。
すること、及び生分解性樹脂が担持されていることで、
好ましい生分解性を有している。同時に、この構造に由
来するハニカム状ないし多孔質状形態によって空気保持
能力、軽量性などを備え、さらに好ましい強度を備える
ものとなっている。さらに、生分解性接着剤によって隔
壁を膜状に被覆可能あるいは被覆されていることで、吸
水性が抑制され、耐水性が向上されている。
【0049】(サンドイッチパネル及びその製造方法)
図1〜3に示すように、サンドイッチパネル2は、ボー
ド4とコア材8とを用いて構成されている。具体的に
は、サンドイッチパネル2は、少なくとも一対の対向す
るボード4がおおよそ平行に配置されており、これらの
ボード4間にコア材8が複数個配置されている。コア材
8は、ボード4間の距離方向にコア材8の細管状体14
の前記方向性がおおよそ一致するように配置されてい
る。したがって、サンドイッチパネル2に要求される圧
縮強度や曲げ強度を確保するように、前記コア材8が配
列されている。コア材8は、互いに接触する程度に近接
されてボード4間に配置されていてもよいし、適当な間
隔を置いて配置されていてもよい。隣接するコア材8間
は、特に、何も充てんしない状態とすることができる。
なお、サンドイッチパネル2は、少なくとも一対の対向
するボード4とこのボード4間に介装されるコア材8と
を備えていればよく、3枚以上のボード4と、順次対向
状に配置されるこれらのボード4によって2箇所以上の
ボード間にコア材8を備えるようにすることができる。
図1〜3に示すように、サンドイッチパネル2は、ボー
ド4とコア材8とを用いて構成されている。具体的に
は、サンドイッチパネル2は、少なくとも一対の対向す
るボード4がおおよそ平行に配置されており、これらの
ボード4間にコア材8が複数個配置されている。コア材
8は、ボード4間の距離方向にコア材8の細管状体14
の前記方向性がおおよそ一致するように配置されてい
る。したがって、サンドイッチパネル2に要求される圧
縮強度や曲げ強度を確保するように、前記コア材8が配
列されている。コア材8は、互いに接触する程度に近接
されてボード4間に配置されていてもよいし、適当な間
隔を置いて配置されていてもよい。隣接するコア材8間
は、特に、何も充てんしない状態とすることができる。
なお、サンドイッチパネル2は、少なくとも一対の対向
するボード4とこのボード4間に介装されるコア材8と
を備えていればよく、3枚以上のボード4と、順次対向
状に配置されるこれらのボード4によって2箇所以上の
ボード間にコア材8を備えるようにすることができる。
【0050】かかるサンドイッチ構造においては、生分
解性接着剤がボード4とコア材8とを一体化している。
生分解性接着剤は、ボード4とコア材とにおいて単一の
種類を用いるか、あるいは2種以上であっても互いの溶
融温度および/または相溶性が高い接着剤を利用するこ
とが好ましい。このような生分解性接着剤の使用形態に
よれば、加熱溶融時に生分解性接着剤が両者の接合界面
において両者間にわたって存在することができ、固化に
より一体化することにより、両者を強固に一体化するこ
とができる。
解性接着剤がボード4とコア材8とを一体化している。
生分解性接着剤は、ボード4とコア材とにおいて単一の
種類を用いるか、あるいは2種以上であっても互いの溶
融温度および/または相溶性が高い接着剤を利用するこ
とが好ましい。このような生分解性接着剤の使用形態に
よれば、加熱溶融時に生分解性接着剤が両者の接合界面
において両者間にわたって存在することができ、固化に
より一体化することにより、両者を強固に一体化するこ
とができる。
【0051】次に、サンドイッチパネル2の製造工程に
ついて説明する。ボード4とコア材8との一体化には、
対向するボード4間に、コア材8を所定の方向性で配列
させるとともに、このボード4間に生分解性接着剤(好
ましくは水系分散体)が供給された状態とする。この
後、ボード4を加圧する。予め軟化あるいは溶融状態の
生分解性接着剤を供給しておけば、加圧のみによって両
者を一体化させることができる。一体化に際しては、生
分解性接着剤は、軟化あるいは溶融状態となっていれば
よい。したがって、軟化あるいは溶融させるのに足りる
熱量を予め生分解性接着剤に付与して当該接着材を軟化
あるいは溶融し、この状態の生分解性接着剤を供給する
こととすれば、ボード4とコア材8との全体を加熱し
て、生分解性接着剤を軟化あるいは溶融状態とする必要
がなくなる。
ついて説明する。ボード4とコア材8との一体化には、
対向するボード4間に、コア材8を所定の方向性で配列
させるとともに、このボード4間に生分解性接着剤(好
ましくは水系分散体)が供給された状態とする。この
後、ボード4を加圧する。予め軟化あるいは溶融状態の
生分解性接着剤を供給しておけば、加圧のみによって両
者を一体化させることができる。一体化に際しては、生
分解性接着剤は、軟化あるいは溶融状態となっていれば
よい。したがって、軟化あるいは溶融させるのに足りる
熱量を予め生分解性接着剤に付与して当該接着材を軟化
あるいは溶融し、この状態の生分解性接着剤を供給する
こととすれば、ボード4とコア材8との全体を加熱し
て、生分解性接着剤を軟化あるいは溶融状態とする必要
がなくなる。
【0052】また、生分解性接着剤が軟化あるいは溶融
するようにボード4とコア材8とを加熱することもでき
る。加熱を伴なう場合、加圧と加熱とは、その順序を問
うものではなく、同時であってもよい。当初加圧あるい
は加熱のみを行い、その後加熱あるいは加圧を追加し
て、加圧と加熱とを同時に行うこともできる。いずれに
しても、加圧と加熱とによって、生分解性接着剤を溶融
させ、かつ、溶融した生分解性接着剤がボード4及びコ
ア材8に浸透していくような状態とすることが好まし
い。生分解性接着剤は、ボードの製造に用いたのと同
様、水系分散体として供給することが好ましい。サンド
イッチパネルの製造するの使用できる水系分散体は、ボ
ードの製造の項で記載したものを使用でき、ボード製造
に好ましい水系分散体を、サンドイッチパネルの製造に
も同様に好ましく使用できる。なお、ボード製造に用い
たのと同一あるいは相溶性が良い生分解性接着剤を含有
する水系分散体を用いることが好ましい。
するようにボード4とコア材8とを加熱することもでき
る。加熱を伴なう場合、加圧と加熱とは、その順序を問
うものではなく、同時であってもよい。当初加圧あるい
は加熱のみを行い、その後加熱あるいは加圧を追加し
て、加圧と加熱とを同時に行うこともできる。いずれに
しても、加圧と加熱とによって、生分解性接着剤を溶融
させ、かつ、溶融した生分解性接着剤がボード4及びコ
ア材8に浸透していくような状態とすることが好まし
い。生分解性接着剤は、ボードの製造に用いたのと同
様、水系分散体として供給することが好ましい。サンド
イッチパネルの製造するの使用できる水系分散体は、ボ
ードの製造の項で記載したものを使用でき、ボード製造
に好ましい水系分散体を、サンドイッチパネルの製造に
も同様に好ましく使用できる。なお、ボード製造に用い
たのと同一あるいは相溶性が良い生分解性接着剤を含有
する水系分散体を用いることが好ましい。
【0053】ボード4とコア材8とを所定位置に配置す
る工程について特に限定はない。水平状に配置されたボ
ード4上に、複数個のコア材8を配列し、その後、別の
ボード4を、このコア材8上に載置するように配置し
て、下側のボード2に対して上側のボード4を上下に対
向状に配置することもできる。また、左右に対向するよ
うに配置した一対のボード4間に、所定の方向性でコア
材8を投入して所定の位置関係を構成することもでき
る。なお、予め、生分解性接着剤が付与されたコア材8
を好ましく用いることができる。また、予め集合状態と
なったコア材8も個々のコア材8に替えて使用すること
ができる。
る工程について特に限定はない。水平状に配置されたボ
ード4上に、複数個のコア材8を配列し、その後、別の
ボード4を、このコア材8上に載置するように配置し
て、下側のボード2に対して上側のボード4を上下に対
向状に配置することもできる。また、左右に対向するよ
うに配置した一対のボード4間に、所定の方向性でコア
材8を投入して所定の位置関係を構成することもでき
る。なお、予め、生分解性接着剤が付与されたコア材8
を好ましく用いることができる。また、予め集合状態と
なったコア材8も個々のコア材8に替えて使用すること
ができる。
【0054】また、生分解性接着剤の供給形態について
も特に限定しない。ボード4とコア材8との一体化が、
それぞれが予め保持する生分解性接着剤のみによって一
体化可能な場合には、特に外部から生分解性接着剤を供
給する工程を排除することもできる。外部から生分解性
接着剤を供給する必要がある場合には、当該接着剤は、
好ましくは、水系分散体で供給する。水系分散体によれ
ば、生分解性接着剤の好ましい浸透性と製造環境などへ
の負荷の低減を確保することができる。
も特に限定しない。ボード4とコア材8との一体化が、
それぞれが予め保持する生分解性接着剤のみによって一
体化可能な場合には、特に外部から生分解性接着剤を供
給する工程を排除することもできる。外部から生分解性
接着剤を供給する必要がある場合には、当該接着剤は、
好ましくは、水系分散体で供給する。水系分散体によれ
ば、生分解性接着剤の好ましい浸透性と製造環境などへ
の負荷の低減を確保することができる。
【0055】生分解性接着剤の水系分散体は、ボードの
製造において例示したように、スプレー、エアロゾル、
ロールコーターなど、各種公知の方法によって実施する
ことができる。
製造において例示したように、スプレー、エアロゾル、
ロールコーターなど、各種公知の方法によって実施する
ことができる。
【0056】サンドイッチパネル2の製造工程の一例を
図7にしたがって説明する。まず、ボード4としては、
例えば、ケナフ靭皮ファイバーとポリ乳酸系生分解性接
着剤を重量比で7:3で含有し、約1.5kg/m2の
目付け量を有し、最大曲げ強度が約100N(板厚2m
m)のボードを用いることができる。コア材8には、例
えば、ケナフの茎部の木質部を約16ミリの長さに切断
したもの(直径はおおよそ15〜30mmであった。)
を、ボードに用いたのと同様のポリ乳酸系生分解性接着
剤の水系分散体に浸漬し、その後、加熱して生分解性接
着剤を担持させたものを用いることができる。まず、サ
ンドイッチパネル2において一方のボード4の対向する
ボード2を指向する面に、ポリ乳酸系生分解性接着剤の
水系分散体をスプレーなどにより供給し、次いで、この
ボード4の当該表面にコア材8を供給し、コア材8の露
出された端面に前記水系分散体を供給し、この後、これ
らのコア材8の端面上に別のボード2を供給する。な
お、コア材8の上端面に重ねるボード4のコア材8側の
側面にも、生分解性接着剤の水系分散体を供給しておい
てもよい。この後、ホットプレスにより、このサンドイ
ッチ構造体を加圧及び加熱する。ホットプレスのプレス
面の温度は、生分解性接着剤の溶融温度を考慮すると、
160℃以上240℃以下とすることが好ましい。な
お、水系分散体を使用した場合には、加熱によって水分
が蒸発するため、水蒸気を逃がすように適宜加圧状態を
緩めるようにすることが好ましい。所定条件でプレス
後、冷却することによりサンドイッチパネル2を得るこ
とができる。なお、この例では、一対の(2枚の)ボー
ド4によるサンドイッチパネル2を例示したが、3枚以
上のボード4を用いて順次対向状に備えるサンドイッチ
パネルを得る場合にも、この工程に順じて製造すること
ができる。
図7にしたがって説明する。まず、ボード4としては、
例えば、ケナフ靭皮ファイバーとポリ乳酸系生分解性接
着剤を重量比で7:3で含有し、約1.5kg/m2の
目付け量を有し、最大曲げ強度が約100N(板厚2m
m)のボードを用いることができる。コア材8には、例
えば、ケナフの茎部の木質部を約16ミリの長さに切断
したもの(直径はおおよそ15〜30mmであった。)
を、ボードに用いたのと同様のポリ乳酸系生分解性接着
剤の水系分散体に浸漬し、その後、加熱して生分解性接
着剤を担持させたものを用いることができる。まず、サ
ンドイッチパネル2において一方のボード4の対向する
ボード2を指向する面に、ポリ乳酸系生分解性接着剤の
水系分散体をスプレーなどにより供給し、次いで、この
ボード4の当該表面にコア材8を供給し、コア材8の露
出された端面に前記水系分散体を供給し、この後、これ
らのコア材8の端面上に別のボード2を供給する。な
お、コア材8の上端面に重ねるボード4のコア材8側の
側面にも、生分解性接着剤の水系分散体を供給しておい
てもよい。この後、ホットプレスにより、このサンドイ
ッチ構造体を加圧及び加熱する。ホットプレスのプレス
面の温度は、生分解性接着剤の溶融温度を考慮すると、
160℃以上240℃以下とすることが好ましい。な
お、水系分散体を使用した場合には、加熱によって水分
が蒸発するため、水蒸気を逃がすように適宜加圧状態を
緩めるようにすることが好ましい。所定条件でプレス
後、冷却することによりサンドイッチパネル2を得るこ
とができる。なお、この例では、一対の(2枚の)ボー
ド4によるサンドイッチパネル2を例示したが、3枚以
上のボード4を用いて順次対向状に備えるサンドイッチ
パネルを得る場合にも、この工程に順じて製造すること
ができる。
【0057】このようにして得られるサンドイッチパネ
ル2は、ボード4の成形材料およびコア材8の材質、お
よび生分解性接着剤の使用に基づいて好ましい生分解性
を備えている。また、サンドイッチパネル2は、コア材
8の材質と構造に由来して、高い強度と軽量性が確保さ
れているとともに、サンドイッチパネル2に一体化され
た状態でコア材8において空気の保持能力が維持されて
いる場合には、当該能力に基づいて好ましい断熱、遮音
機能を備えている。また、コア材8に生分解性接着剤が
膜状に担持されている場合には、コア材8の吸水性が抑
制されて、パネル2の耐水性が向上されている。
ル2は、ボード4の成形材料およびコア材8の材質、お
よび生分解性接着剤の使用に基づいて好ましい生分解性
を備えている。また、サンドイッチパネル2は、コア材
8の材質と構造に由来して、高い強度と軽量性が確保さ
れているとともに、サンドイッチパネル2に一体化され
た状態でコア材8において空気の保持能力が維持されて
いる場合には、当該能力に基づいて好ましい断熱、遮音
機能を備えている。また、コア材8に生分解性接着剤が
膜状に担持されている場合には、コア材8の吸水性が抑
制されて、パネル2の耐水性が向上されている。
【0058】なお、ボード4とコア材8との一体化工程
において、加熱を行うことにより、ボード4内の接着剤
(典型的には生分解性接着剤)を溶融する程度の熱量を
供給することができる。この場合には、コア材8と接す
るボード4側が軟化しあるいは変形しやすくなる。一体
化工程は通常加圧を伴なうため、このような状態で両者
が加圧されることにより、コア材8がボード4に対して
入りこむような形で一体化される。すなわち、図8に示
すように、コア材8の端面を含む近傍がボード4によっ
て覆われた状態となる。このような状態でボード4とコ
ア材8とが一体化されることにより、ボード4とコア材
8との接着強度が向上し、高い強度のサンドイッチパネ
ル2を得ることができる。
において、加熱を行うことにより、ボード4内の接着剤
(典型的には生分解性接着剤)を溶融する程度の熱量を
供給することができる。この場合には、コア材8と接す
るボード4側が軟化しあるいは変形しやすくなる。一体
化工程は通常加圧を伴なうため、このような状態で両者
が加圧されることにより、コア材8がボード4に対して
入りこむような形で一体化される。すなわち、図8に示
すように、コア材8の端面を含む近傍がボード4によっ
て覆われた状態となる。このような状態でボード4とコ
ア材8とが一体化されることにより、ボード4とコア材
8との接着強度が向上し、高い強度のサンドイッチパネ
ル2を得ることができる。
【0059】以上説明したように、本発明によれば、生
分解性と強度とを備えるパネル及びコア材を提供するこ
とができる。同時に、軽量性、空気保持能力、耐水性を
兼ね備えるパネル及びコア材を提供することができる。
また、これらのパネルによれば、特に、建築用(床材や
内壁材などの住宅用内装材を含む)のパネルを提供する
ことができる。
分解性と強度とを備えるパネル及びコア材を提供するこ
とができる。同時に、軽量性、空気保持能力、耐水性を
兼ね備えるパネル及びコア材を提供することができる。
また、これらのパネルによれば、特に、建築用(床材や
内壁材などの住宅用内装材を含む)のパネルを提供する
ことができる。
【0060】
【発明の効果】本発明によれば、生分解性と強度などの
パネルに要求される性能を備えるサンドイッチパネル及
びその製造技術を提供することができる。
パネルに要求される性能を備えるサンドイッチパネル及
びその製造技術を提供することができる。
【図1】本発明のサンドイッチパネルの一形態を示す斜
視図である。
視図である。
【図2】図1のII-II線断面図である。
【図3】図1のIII-III線断面図である。
【図4】本発明のコア材の一形態を示す図である。
【図5】本発明のコア材の他の一形態を示す図である。
【図6】図5に示すコア材の調製工程を示す図である。
【図7】本発明のサンドイッチパネルの製造工程の一形
態を示す図である。
態を示す図である。
【図8】本発明のサンドイッチパネルの一形態を示す図
である。
である。
2 サンドイッチパネル
4 ボード
8 コア材
10 外皮
12 木質部
14 細管状体
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
E04C 2/34 E04C 2/34 C
Fターム(参考) 2B250 AA01 BA04 CA11 DA04 EA03
EA13
2E162 CC10
4F100 AJ02B AP03A AP03C BA03
BA10A BA10C CB00 DC01
DC03 DC21B DC27B DG01A
DG01C GB08 JC00A JC00C
Claims (10)
- 【請求項1】サンドイッチパネルの製造方法であって、 (a) 生分解性ファイバーを成形材料とする、少なく
とも第1のボードと第2のボードとを準備する工程と、 (b) 一定の方向性を有して細管状体が集合する植物
由来の構造を主体とし、当該方向性を所定長さにわたっ
て保持するコア材を複数個準備する工程と、 (c) 対向配置される前記第1のボードと第2のボー
ドとの間に、前記複数個のコア材がそれぞれのコア材に
おける前記方向性が対向配置される前記ボード間の距離
方向にほぼ一致するように配設され、これらのボード間
に生分解性接着剤が供給された状態とする工程と、 (d) 前記(c)工程において得られた状態で、前記
ボードと前記複数個のコア材とを加圧し、前記ボードと
前記複数個のコア材とを一体化する工程、 とを備える、方法。 - 【請求項2】前記(c)工程の生分解性接着剤は軟化あ
るいは溶融状態である、請求項1記載の方法。 - 【請求項3】前記(d)工程は、加熱工程を有する、請
求項1又は2に記載の方法。 - 【請求項4】前記生分解性接着剤を水系分散体の状態で
供給する、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。 - 【請求項5】前記(c)工程に先だって、前記複数個の
コア材を、生分解性接着剤の水系分散体に浸漬する工程
を備える、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。 - 【請求項6】前記(c)工程は、前記第1のボードの表
面に、前記コア材を複数個配列し、その後、当該複数個
のコア材上に前記第2のボードを載置する工程を含む、
請求項1〜5のいずれかに記載の方法。 - 【請求項7】前記コア材は、少なくともケナフ茎部の木
質部を構成成分とする柱状体である、請求項1〜6のい
ずれかにに記載の方法。 - 【請求項8】サンドイッチパネル用のコア材であって、 一定の方向性を有して細管状体が集合する植物由来の構
造を主体とし、当該方向性を所定長さにわたって保持す
るとともに、生分解性接着剤が担持されている、コア
材。 - 【請求項9】前記コア材は、少なくともケナフ茎部の木
質部を構成成分とする柱状体である、請求項8に記載の
コア材。 - 【請求項10】生分解性ファイバーを成形材料とし、対
向配置されるボードと、 請求項8又は9に記載のコア材であって、当該コア材に
おける前記方向性が前記ボード間の距離方向にほぼ一致
するように配設されたコア材、 とを備える、サンドイッチパネル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002072784A JP2003266625A (ja) | 2002-03-15 | 2002-03-15 | 生分解性材料を用いたサンドイッチパネル及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002072784A JP2003266625A (ja) | 2002-03-15 | 2002-03-15 | 生分解性材料を用いたサンドイッチパネル及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003266625A true JP2003266625A (ja) | 2003-09-24 |
Family
ID=29202683
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002072784A Pending JP2003266625A (ja) | 2002-03-15 | 2002-03-15 | 生分解性材料を用いたサンドイッチパネル及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003266625A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009051205A (ja) * | 2007-07-30 | 2009-03-12 | Koyo Sangyo Co Ltd | 積層材及びその製造方法 |
JP2009079387A (ja) * | 2007-09-25 | 2009-04-16 | Panasonic Electric Works Co Ltd | パネル |
CN107060193A (zh) * | 2017-06-23 | 2017-08-18 | 钦州学院 | 基于泡沫陶瓷的复合保温墙板 |
KR101780867B1 (ko) * | 2015-10-23 | 2017-10-10 | 김승섭 | 건축용 복합단열재 |
JP2021116562A (ja) * | 2020-01-23 | 2021-08-10 | 三井住友建設株式会社 | 建設資材製造方法、生分解プラスチック混合土、および、地盤固化方法 |
-
2002
- 2002-03-15 JP JP2002072784A patent/JP2003266625A/ja active Pending
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JP2021116562A (ja) * | 2020-01-23 | 2021-08-10 | 三井住友建設株式会社 | 建設資材製造方法、生分解プラスチック混合土、および、地盤固化方法 |
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