JP2009051205A - 積層材及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】リグノセルロース系木質材料を用いて、縦方向及び横方向における曲げ強度、平面引張強度及び寸法安定性に優れ、かつ低比重で表面平滑性の良好な積層材及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の積層材15は、リグノセルロース茎を径方向で一定の長さに切断して形成された複数の柱状物11をそれぞれの底面が同一方向に向かいかつそれぞれの側面部が互いに密接するように或いは間隔を空けて平面状に配置し、配置した複数の柱状物を固定することにより得られる板状体13を含むことを特徴とする。
【選択図】図2
【解決手段】本発明の積層材15は、リグノセルロース茎を径方向で一定の長さに切断して形成された複数の柱状物11をそれぞれの底面が同一方向に向かいかつそれぞれの側面部が互いに密接するように或いは間隔を空けて平面状に配置し、配置した複数の柱状物を固定することにより得られる板状体13を含むことを特徴とする。
【選択図】図2
Description
本発明は、植物茎を主原料とする積層材及びその製造方法に関する。更に詳しくは襖や間仕切り又はこれらの芯材に適する積層材及びその製造方法に関するものである。
本出願人は、この種の積層材の製造方法として、コウリャン茎に代表されるリグノセルロース茎を繊維方向に切開き、このリグノセルロース茎を圧延して片面が茎の表皮からなる圧延茎を形成し、複数の圧延茎を互いに平行に配列してシート状物を形成し、このシート状物に高分子樹脂接着剤を塗工し、この接着剤を塗工した複数のシート状物を重ね合せて熱圧成形する積層材の製造方法を特許出願した(例えば、特許文献1参照。)。この方法によれば、市販合板及び従来の加工木材に比較して同等もしくはそれ以上の強度を有し、高い吸音性及び断熱性があって、低密度から高密度の積層材が得られる。
しかし、上記積層材はコウリャン茎を繊維方向に切開いた後、圧延して製造されるものであるため、より低い密度でより高い吸音性及び断熱性を具備させることが困難で、製造工数を比較的多く費やす。このため、本出願人は、コウリャン茎を繊維方向に切開かずに表皮、芯及び節を有したまま圧延し、圧延面が層表面及び層裏面となるように複数のコウリャン茎を互いに平行にかつ密接に配列してコウリャン茎層を形成し、このコウリャン茎層に接着剤を塗布し、接着剤を塗布した複数のコウリャン茎層を積層して加圧成形する積層材の製造方法を特許出願した(例えば、特許文献2参照。)。この方法によれば、軽量で強度が高く簡単な工程で効率よく積層材を製造でき、また少量の原料で厚板を構成でき、更に圧延度が大きい場合には高密度化も可能となる。
特開昭63−107505(特許請求の範囲第4項)
特開平1−280538(請求項5)
一般的に、襖や間仕切り又はその芯材などは、低密度かつ高強度であって、表面平滑性が良好で、反りなどの変形が少なく変色が無いことが要求される。コウリャン茎に代表されるリグノセルロース茎を表面材のない芯材又は薄い表面材を有する芯材として使用する場合、コウリャン茎には節が膨出しているため、切開いた茎も切開かない茎もシート状物にしたときに、シート状物表面の凹凸度が大きい。そのため、複数のシート状物を重ね合わせて積層体にしたときに、シート状物同士の間に比較的大きな空隙を生じる。この積層体に接着剤を塗布し表面材なしで、或いは薄い表面材を積層して、低密度の積層材を得るために圧締度を低くして成形した場合には、茎の節付近に茎間の隙間が生じて積層材の表面平滑性が劣る不具合があった。
また、複数の茎を互いに平行に配列して形成した積層材は、圧締成形の仕方によって、比重の制御をすることができ、比重が高くなれば、その分強度を得ることができるといった利点を有するが、その内部構造から強度に異方性を生じ、この異方性を解消するには、平行に配列させた層を交差させて積層材を形成する必要があり、茎を配列させた層を一層のみとした積層材の場合は、この強度の異方性を解消することができない問題があった。
本発明の目的は、リグノセルロース系木質材料を用いて、縦方向及び横方向における曲げ強度、平面引張強度及び寸法安定性に優れ、かつ低比重で表面平滑性の良好な積層材及びその製造方法を提供することにある。
請求項1に係る発明は、図2(c)又は図4(c)に示すように、リグノセルロース茎を径方向で一定の長さに切断して形成された複数の柱状物11をそれぞれの底面が同一方向に向かいかつそれぞれの側面部が互いに密接するように或いは間隔を空けて平面状に配置し、前記配置した複数の柱状物11を固定することにより得られる板状体13を含むことを特徴とする積層材15である。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明であって、柱状物の底面の平均直径をD(mm)、柱状物の軸方向の平均長さをL(mm)とするとき、次の式(1)の範囲を満たす積層材である。
0.1 ≦ L/D ≦ 5 ……(1)
請求項3に係る発明は、請求項1に係る発明であって、板状体の外周に枠体が設けられた積層材である。
請求項3に係る発明は、請求項1に係る発明であって、板状体の外周に枠体が設けられた積層材である。
請求項4に係る発明は、請求項1ないし3いずれか1項に係る発明であって、リグノセルロース茎がイネ科植物茎及びキク科植物茎からなる群より選ばれた少なくとも1種である積層材である。
請求項5に係る発明は、請求項1ないし4いずれか1項に係る発明であって、図2(a)又は図4(a)に示すように、板状体13が、配列した複数の柱状物の隙間に接着剤が充填された積層材である。
請求項6に係る発明は、請求項1ないし5いずれか1項に係る発明であって、図3(c)に示すように、板状体13或いは板状体と枠体の表裏面に芯板16が積層された積層材である。
請求項7に係る発明は、請求項1ないし6いずれか1項に係る発明であって、図2(c)又は図4(c)に示すように、最表層に面材14が積層された積層材である。
請求項8に係る発明は、図1(a)〜図2(c)又は図3(a)〜図4(c)に示すように、リグノセルロース茎を径方向で一定の長さに切断して複数の柱状物11を得る工程と、複数の柱状物11をそれぞれの底面が同一方向に向かいかつそれぞれの側面部が互いに密接するように或いは間隔を空けて平面状に配置する工程と、配置した複数の柱状物11を固定することにより板状体13を得る工程とを含むことを特徴とする積層材の製造方法である。
請求項9に係る発明は、請求項8に係る発明であって、板状体の外周に枠体が設けられた積層材の製造方法である。
請求項10に係る発明は、請求項8又は9に係る発明であって、図3(c)に示すように、板状体13或いは板状体と枠体の表裏面に芯板16が積層された積層材の製造方法である。
請求項11に係る発明は、請求項8ないし10いずれか1項に係る発明であって、図2(c)又は図4(c)に示すように、最表層に面材14が積層された積層材の製造方法である。
本発明の積層材は、リグノセルロース茎を径方向で一定の長さに切断して形成された複数の柱状物をそれぞれの底面が同一方向に向かいかつそれぞれの側面部が互いに密接するように或いは間隔を空けて平面状に配置し、配置した複数の柱状物を固定することにより得られる板状体を含むことを特徴とする。
また、本発明の積層材の製造方法は、リグノセルロース茎を径方向で一定の長さに切断して複数の柱状物を得る工程と、複数の柱状物をそれぞれの底面が同一方向に向かいかつそれぞれの側面部が互いに密接するように或いは間隔を空けて平面状に配置する工程と、配置した複数の柱状物を固定することにより板状体を得る工程とを含むことを特徴とする。
このような構成を有する積層材は、縦方向及び横方向における曲げ強度、平面引張強度及び寸法安定性に優れ、かつ低比重で表面平滑性も良好である。
次に本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
本発明の積層材に使用可能なリグノセルロース茎としては、アオイ科植物茎やイネ科植物茎、キク科植物茎等が挙げられる。アオイ科植物茎としては、ケナフが例示される。イネ科植物茎としては、コウリャン、とうもろこし、砂糖きび、葦、稲、むぎ等が例示される。キク科植物茎としては、ヒマワリ、ヒメヒマワリ、ノコギリソウ、ヨモギ、ヒナギク、エゾギク、ベニバナ、キク、コスモス、ダリア、タンポポ、フキ等が例示される。このうち、イネ科植物茎及びキク科植物茎からなる群より選ばれた少なくとも1種が供給性並びにコストの理由から好適である。
これらのリグノセルロース茎は植生地から刈り取られた後、積層材の原料として保管する間、含有する水分により腐食するのを防止するために、天日などで含水率4〜15%の範囲に乾燥される。通常、気乾状態にて保管された含水率約10%のリグノセルロース茎が積層材の原料として好適である。
これらのリグノセルロース茎は、所望の積層材の厚さに合わせて径方向で一定の長さに切断して複数の柱状物とする。得られた柱状物の形状は円柱状或いは楕円柱状である。軸方向の平均長さが均一となるように切断することで、表面平滑性の良好な積層材を製造することができる。板状体を形成するために使用する柱状物は、その底面の直径がある程度の大きさに揃ったものを用いることが、板状体を形成する際の配置がし易いため好ましいが、直径が小さな柱状物と大きな柱状物とが混在した複数の柱状物を用いて板状体を形成しても良い。複数の柱状物は、その底面の平均直径をD(mm)、軸方向の平均長さをL(mm)とするとき、次の式(1)の範囲を満たすものが選択される。
0.1 ≦ 平均長さL/平均直径D ≦ 5 ……(1)
例えば、使用するリグノセルロース茎の太さ(平均直径D)は、直径5〜40mmのものが選択される。リグノセルロース茎の直径を上記範囲内としたのは、下限値未満では、積層材の圧縮強度の低下の不具合があり、上限値を越えると茎自体の入手困難性の不具合があるからである。好ましくは25〜35mmである。
例えば、使用するリグノセルロース茎の太さ(平均直径D)は、直径5〜40mmのものが選択される。リグノセルロース茎の直径を上記範囲内としたのは、下限値未満では、積層材の圧縮強度の低下の不具合があり、上限値を越えると茎自体の入手困難性の不具合があるからである。好ましくは25〜35mmである。
なお、上記式(1)は、単に上記式(1)を満たせば平均直径D及び平均長さLが異なったどのような柱状物も板状体を形成するための材料として使用することができるという意味ではなく、所望の積層材の厚さとなるような、平均長さLが均一な複数の柱状物のうち、底面の平均直径Dが上記式(1)を満たすような柱状物を使用することが、積層材の強度保持の理由から好適であるという意味である。
次に、図1(a)に示すように、複数の柱状物11をそれぞれの底面が同一方向に向かいかつそれぞれの側面部が互いに密接するように平面状に配置する。複数の柱状物11を配置する際には、仮止めをするために、層状のホットメルト12の上に配置することが好ましい。また、図1(b)及び図1(c)に示すように、平面上に配置した柱状物11の上に、層状のホットメルト12を載せ、配置した柱状物11をホットメルト12,12で挟み込むようにして、柱状物11を仮止めすることが好ましい。柱状物11の配置は、隣同士の柱状物との隙間が少ない面接触となるように配置されても良いし、隣同士の柱状物と点接触のように接している程度で、ある程度の隙間を生じていても良い。また、各柱状物11の全てが互いに密接する必要はなく、その一部が接することなく配置されていても良い。更に図6(a)に示すように、各柱状物11が互いに間隔を空けて配置されてもよい。これらの場合、各柱状物11は、板状体13の表裏面に積層されるホットメルト12や芯板、面材によって固定される。
続いて、配置した複数の柱状物11は、プレスによって圧締成形することにより固定され、図1(c)に示される板状体13が得られる。圧締成形後の板状体13は、従来の複数の茎を互いに平行に配列して形成した、図5(c)に示されるような積層材5に比べて、内部に配置した柱状物が潰されないので、比重が小さく、かつ強度が高いものが得られる。なお、圧締成形が十分に行われない、即ち、プレス強度やプレス時間が十分ではない場合、得られる積層材の曲げ強度や剥離強度が低下する不具合があり、過度な圧締成形が行われる、即ち、必要以上に高いプレス強度のような条件で行われた場合、配置した柱状物が潰れて割れてしまったりする不具合を生じる。プレスの温度は接着剤の種類により調整される。
また、図6(b)に示すように、板状体13の外周には、補強のために、枠体17を設けてもよい。枠体17は、板状体13の周囲を構成する四方の枠組み用板材13aを組み合わせることで形成される。枠体17を構成する枠組み用板材17aの素材としては、合板等の板材が挙げられる。なお、それぞれの枠組み用板材17aを組み合わせて固定する際には、接着剤などで固定することが好ましい。枠体17は、板状体13の周囲を構成する四方の枠組み用板材17aのみで形成するだけでなく、積層材15の強度を更に高めるために、例えば図7に示すような、幅方向の中心に、補強用板材17bを設けても良い。この補強用板材17bの素材は、枠組み用板材17aと同様の素材を用いることが好ましい。
図2(a)に示すように、配列した複数の柱状物11の隙間には、接着剤を充填して複数の柱状物11を固定することで板状体13を形成することが好ましい。この接着剤の充填により、柱状物11が強固に固定されるため、板状体13からの柱状物11の脱落を防止することができ、得られる積層材の強度も向上させることができる。なお、仮止めのためにホットメルト12を設けている場合でも、ホットメルト12は薄いため、接着剤は染み込んで各柱状物11の隙間に容易に充填することができる。充填する接着剤としては、澱粉、カゼイン、大豆グルー、リグニン等の天然系接着剤、発泡性ポリウレタン接着剤、熱硬化性樹脂接着剤、常温硬化性樹脂接着剤、水性エマルジョン樹脂接着剤及びホットメルト接着剤からなる群より選ばれた1種又は2種以上の接着剤が例示される。このうち、各柱状物11の隙間に緻密に充填することができる発泡性ポリウレタン接着剤が好ましい。この発泡性ポリウレタン接着剤は、ポリオールとイソシアネート化合物とを主成分とする1液型或いは2液型の接着剤である。
また、図3(a)〜(c)及び図4(a)〜図4(c)に示すように、プレス前に板状体13の表裏面に芯板16を重ね合わせて圧締成形してもよい。芯板16は、不織布、障子紙、合成紙、ラミネート紙、印刷紙、ポリエステルメッシュ、プロピレンメッシュ、ナイロンメッシュ、金属メッシュ、木綿布、単板、突き板、合板、繊維板、樹脂製フィルム、樹脂シート、ゴムシート、金属箔、樹脂発泡材料、粗麻布、厚紙及び段ボールからなる群より選ばれた少なくとも1種の材質から構成される。このうち、強度の面から粗麻布が好ましい。その理由としては、粗麻布は他の材質に比べて充填する接着剤が染み込む空隙が大きいため、その分積層材の強度が増すものと考えられる。板状体13に芯板16を重ね合わせる場合、板状体13の表裏面に芯板16を重ね合わせた後に、芯板の両面に均一に塗布して、配列した複数の柱状物11の隙間に接着剤を充填することが好ましい。
図2(b)及び図2(c)、又は図4(b)及び図4(c)に示すように、最表層に面材14が積層されることで積層材15が得られる。面材14は、メラミン板、単板、合板、パーティクルボード、繊維板、突き板、セメント板、ケイカル板、石膏ボード、アルミやステンレス等の金属板、プラスチック製のシート或いは発泡体、ゴムシート、厚紙、段ボール、合成紙及び印刷紙からなる群より選ばれた少なくとも1種の材質から構成される。面材14はその積層材15の用途によって適した材質は異なるが、積層材15を間仕切りの用途とする場合は、平滑性の点から面材14としてメラミン板等を使用することが好ましい。また、積層材15を棺の蓋の用途とする場合は意匠性の点から面材14として合成紙等を使用することが好ましい。
また、本発明の積層材15は、板状体13に使用する複数の柱状物11を互いの側面部が間隔を空けた配置とし、かつ、板状体13の外周に枠体17を設けた構成とすることで、その厚さや重量を抑えつつ強度を確保することができるため、学童机の天板として利用することができる。上記構成の積層材15を学童机の天板として利用する場合には、その製品規格、即ち、サイズや厚みなどの形状や重量、使用する材質、耐久強度等、また、机の脚と天板との接続のために釘打ちやねじ止めをすることを考慮すると、板状体13の厚さを9mm程度とし、枠体17を構成する枠組み用板材17aの幅を40〜60mm程度、その厚さを板状体13の厚さと同程度の範囲とすることが好ましい。また、枠体17の幅方向中心に補強用板材17bを設け、芯板16として合板を、面材14としてメラミン板を使用することが好ましい。
図2(c)又は図4(c)に示すように、上記製造方法により得られる本発明の積層材15は、リグノセルロース茎を径方向で一定の長さに切断して形成された複数の柱状物11をそれぞれの底面が同一方向に向かいかつそれぞれの側面部が互いに密接するように或いは間隔を空けて平面状に配置し、配置した複数の柱状物11を固定することにより得られる板状体13を含むことを特徴とする。
このような構成を有する積層材15は、従来のように圧締することで積層材を製造したとしても、圧締によって板状体13を構成する柱状物11が潰されないので、比重が小さい積層材を得ることができる。また、板状体13に、一定の長さに切断して形成された複数の柱状物11を使用し、これらの柱状物11を平面状に配置するため、表面平滑性の良好な積層材が得られる。また表面平滑性が良好なため、面材などとの高い密着性を有し、平面引張強度に優れる。また複数の柱状物11を平面状に配置した構成を有するため、従来の複数の茎を互いに平行に配列して形成した積層材に比べて、異方性がなく、縦方向及び横方向における曲げ強度が高い。また、異方性がないので、寸法安定性も優れる。
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。
<実施例1>
重量約35g、長さ30cm、平均直径30mmの気乾状態で保管した含水率10%のヒマワリ茎を複数本用意した。このヒマワリ茎をそれぞれ切断機により径方向で13mmの長さに切断して複数の柱状物を得た。得られた柱状物の底面の平均直径をD(mm)、柱状物の軸方向の平均長さをL(mm)とするとき、平均長さLは13mm、平均直径Dは30mmで、L/Dは0.43であった。
重量約35g、長さ30cm、平均直径30mmの気乾状態で保管した含水率10%のヒマワリ茎を複数本用意した。このヒマワリ茎をそれぞれ切断機により径方向で13mmの長さに切断して複数の柱状物を得た。得られた柱状物の底面の平均直径をD(mm)、柱状物の軸方向の平均長さをL(mm)とするとき、平均長さLは13mm、平均直径Dは30mmで、L/Dは0.43であった。
次に、芯板として幅30cm、長さ30cmで10g/m2の不織布と、層状のホットメルトを各2枚ずつ用意し、不織布とホットメルトを重ね合わせたシートを2セット作製した。続いて、シートのホットメルトを上にして置き、このホットメルトの上に、柱状物をそれぞれの底面が同一方向に向かいかつそれぞれの側面部が互いに密接するように平面状に配置した。配置した柱状物の上に残りのシートをホットメルトが柱状物と接するように載せてシート状物とした。各シートにより挟み込まれた幅30cm、長さ30cmに配置した柱状物の数は100個であった。
次に、接着剤として15倍発泡の2液型発泡性ポリウレタン接着剤(アキレス社製)を用意し、この接着剤を塗布量が400g/m2となるようにシート状物の芯板の両面に均一に塗布した。この塗布された接着剤は直ちに発泡して、各柱状物の隙間に充填された。
続いて、面材として幅30cm、長さ30cm、厚さ1mmのメラミン板を2枚用意し、接着剤付きシート状物の表裏面にこのメラミン板を積層して積層体を得た。
この積層体を厚さ15mmのスペーサを設置した温度20〜30℃に維持したホットプレスに入れ、約0.5MPa(約5kg/cm2)の圧力で10分間圧締成形して幅30cm、長さ30cm、厚さ15mmの板状積層材を得た。
<実施例2>
接着剤の塗布量を300g/m2とした以外は実施例1と同様にして積層材を得た。
接着剤の塗布量を300g/m2とした以外は実施例1と同様にして積層材を得た。
<実施例3>
接着剤の塗布量を200g/m2とした以外は実施例1と同様にして積層材を得た。
接着剤の塗布量を200g/m2とした以外は実施例1と同様にして積層材を得た。
<実施例4>
芯板として不織布の代わりに障子紙を用い、接着剤の塗布量を300g/m2とした以外は実施例1と同様にして積層材を得た。
芯板として不織布の代わりに障子紙を用い、接着剤の塗布量を300g/m2とした以外は実施例1と同様にして積層材を得た。
<実施例5>
芯板として不織布の代わりにポリエステルメッシュを用い、接着剤の塗布量を300g/m2とした以外は実施例1と同様にして積層材を得た。
芯板として不織布の代わりにポリエステルメッシュを用い、接着剤の塗布量を300g/m2とした以外は実施例1と同様にして積層材を得た。
<実施例6>
芯板として不織布の代わりに粗麻布を用い、接着剤の塗布量を300g/m2とした以外は実施例1と同様にして積層材を得た。
芯板として不織布の代わりに粗麻布を用い、接着剤の塗布量を300g/m2とした以外は実施例1と同様にして積層材を得た。
<実施例7>
芯板として不織布の代わりに粗麻布を用い、接着剤として15倍発泡の2液型発泡性ポリウレタン接着剤の代わりに30倍発泡の2液型発泡性ポリウレタン接着剤(BASF社製)を用いた以外は実施例1と同様にして積層材を得た。
芯板として不織布の代わりに粗麻布を用い、接着剤として15倍発泡の2液型発泡性ポリウレタン接着剤の代わりに30倍発泡の2液型発泡性ポリウレタン接着剤(BASF社製)を用いた以外は実施例1と同様にして積層材を得た。
<比較例1>
重量約35g、長さ30cm、平均直径14mmの気乾状態で保管した含水率10%のヒマワリ茎を複数本用意した。このヒマワリ茎をそれぞれ切断機により長さ方向で30cmの長さに切断した。続いて、図5(a)に示すように、得られたヒマワリ茎1を互いに平行に配列した後、図5(b)に示すように、全てのヒマワリ茎1の各端部を糸2で結合して幅約30cm、長さ30cm、厚さ約14mmのシート状物を形成した。
重量約35g、長さ30cm、平均直径14mmの気乾状態で保管した含水率10%のヒマワリ茎を複数本用意した。このヒマワリ茎をそれぞれ切断機により長さ方向で30cmの長さに切断した。続いて、図5(a)に示すように、得られたヒマワリ茎1を互いに平行に配列した後、図5(b)に示すように、全てのヒマワリ茎1の各端部を糸2で結合して幅約30cm、長さ30cm、厚さ約14mmのシート状物を形成した。
次に、接着剤として15倍発泡の2液型発泡性ポリウレタン接着剤(アキレス社製)を用意し、この接着剤を塗布量が400g/m2となるようにシート状物の両面に均一に塗布した。この塗布された接着剤は直ちに発泡して、各ヒマワリ茎の隙間に充填された。
続いて、面材として幅30cm、長さ30cm、厚さ1mmのメラミン板を2枚用意し、図5(c)に示すように、接着剤付きシート状物の表裏面にこのメラミン板を積層して積層体を得た。
この積層体を厚さ15mmのスペーサを設置した温度20〜30℃に維持したホットプレスに入れ、約0.5MPa(約5kg/cm2)の圧力で10分間圧締成形して幅30cm、長さ30cm、厚さ15mmの板状積層材5を得た。
<比較例2>
重量約35g、長さ30cm、平均直径40mmの気乾状態で保管した含水率10%のヒマワリ茎を複数本用意した。このヒマワリ茎をそれぞれ切断機により径方向で3mmの長さに切断して複数の柱状物(L/D=0.075)の作製を試みたがLが小さ過ぎるために、切断がうまく行かず不揃いの柱状物となったため、以降の評価を中止した。
重量約35g、長さ30cm、平均直径40mmの気乾状態で保管した含水率10%のヒマワリ茎を複数本用意した。このヒマワリ茎をそれぞれ切断機により径方向で3mmの長さに切断して複数の柱状物(L/D=0.075)の作製を試みたがLが小さ過ぎるために、切断がうまく行かず不揃いの柱状物となったため、以降の評価を中止した。
<比較例3>
重量約35g、長さ30cm、平均直径4mmの気乾状態で保管した含水率10%のヒマワリ茎を複数本用意した。このヒマワリ茎をそれぞれ切断機により径方向で40mmの長さに切断して複数の柱状物(L/D=10)の作製を試みたが、Dに対してLが大き過ぎるために、湾曲した茎を含み、不揃いの柱状物となったため、以降の評価を中止した。
重量約35g、長さ30cm、平均直径4mmの気乾状態で保管した含水率10%のヒマワリ茎を複数本用意した。このヒマワリ茎をそれぞれ切断機により径方向で40mmの長さに切断して複数の柱状物(L/D=10)の作製を試みたが、Dに対してLが大き過ぎるために、湾曲した茎を含み、不揃いの柱状物となったため、以降の評価を中止した。
<比較試験と評価1>
実施例1〜7及び比較例1の各積層材をそれぞれ4枚ずつ用意し、これらの積層材について、比重、曲げ強度、剥離強度を調べた。次の表1及び表2にその結果をそれぞれ示す。なお、表1及び表2では、便宜的に図1(a)や図3(a)のように、複数の柱状物をそれぞれの底面が同一方向に向かいかつそれぞれの側面部が互いに密接するように平面状に配置して形成したものを「縦方向配置」と表し、図5(a)のように、複数の茎を互いに平行に配列して形成したものを「横方向配置」と表す。
実施例1〜7及び比較例1の各積層材をそれぞれ4枚ずつ用意し、これらの積層材について、比重、曲げ強度、剥離強度を調べた。次の表1及び表2にその結果をそれぞれ示す。なお、表1及び表2では、便宜的に図1(a)や図3(a)のように、複数の柱状物をそれぞれの底面が同一方向に向かいかつそれぞれの側面部が互いに密接するように平面状に配置して形成したものを「縦方向配置」と表し、図5(a)のように、複数の茎を互いに平行に配列して形成したものを「横方向配置」と表す。
曲げ強度試験はJIS A 5908 パーティクルボードの曲げ強さ試験に準拠して行った。即ち支点間の距離L(スパン)を試験体の厚さtの15倍とし、試験体の茎の方向をスパンの方向にして支点間に幅50mm、長さ(L+50)mmの試験体を配置した後、支点間の中心となる位置に平均速度10mm/minで荷重をかけ、最大荷重Pを測定して、次式により曲げ強さを算出した。
曲げ強さ=(3PL)/(100t2)
剥離強度試験はJIS A 5908 パーティクルボードの剥離強さ試験に準拠して行った。即ち寸法50mm×50mmの試験片の両面に、引っ張り試験機にセットするためのジグであるアルミニウムブロックを接着し、引っ張り荷重速度2mm/minで試験片の表面に垂直に引っ張り、剥離破壊時の最大荷重を測定した。最大荷重を2500mm2で除算して剥離強度とした。
剥離強度試験はJIS A 5908 パーティクルボードの剥離強さ試験に準拠して行った。即ち寸法50mm×50mmの試験片の両面に、引っ張り試験機にセットするためのジグであるアルミニウムブロックを接着し、引っ張り荷重速度2mm/minで試験片の表面に垂直に引っ張り、剥離破壊時の最大荷重を測定した。最大荷重を2500mm2で除算して剥離強度とした。
また、実施例1〜3の結果から、接着剤の塗布量が少なくなるにつれてその曲げ強度、剥離強度が低下する傾向が見られた。また、実施例2,4〜6の結果から、芯板の材質は障子紙、不織布、ポリエステルメッシュ、粗麻布の順番で、その曲げ強度、剥離強度が高まる傾向が見られた。実施例1及び7の結果から、接着剤の種類が30倍発泡の2液型発泡性ポリウレタン接着剤を使用した方が、15倍発泡の2液型発泡性ポリウレタン接着剤に比べて曲げ強度が高まることが確認された。
<実施例8>
重量約35g、長さ30cm、平均直径30mmの気乾状態で保管した含水率10%のヒマワリ茎を複数本用意した。このヒマワリ茎をそれぞれ切断機により径方向で9mmの長さに切断して複数の柱状物を得た。また、幅40mm、長さ650mm、厚さ9mmの枠組み用板材2枚、幅40mm、長さ370mm、厚さ9mmの枠組み用板材2枚、幅40mm、長さ570mm、厚さ9mmの補強用板材2枚をそれぞれ用意し、四方に枠組み用板材を、幅方向の中心に補強用板材をそれぞれ組み合わせて幅650mm、長さ450mm、厚さ9mmの枠体17を作製した。
重量約35g、長さ30cm、平均直径30mmの気乾状態で保管した含水率10%のヒマワリ茎を複数本用意した。このヒマワリ茎をそれぞれ切断機により径方向で9mmの長さに切断して複数の柱状物を得た。また、幅40mm、長さ650mm、厚さ9mmの枠組み用板材2枚、幅40mm、長さ370mm、厚さ9mmの枠組み用板材2枚、幅40mm、長さ570mm、厚さ9mmの補強用板材2枚をそれぞれ用意し、四方に枠組み用板材を、幅方向の中心に補強用板材をそれぞれ組み合わせて幅650mm、長さ450mm、厚さ9mmの枠体17を作製した。
次に、芯板として幅650mm、長さ450mm、厚さ3mmの合板を2枚用意した。また、接着剤として、PVAと炭酸カルシウムとエマルジョンとを成分として含む木材用接着剤主剤(光洋産業社製;KR134)と架橋剤APとを100:10の割合で配合させた接着剤を用意した。そして、芯板に接着剤を塗布量が150g/cm2となるように均一に塗布したものを2セット作製した。続いて、芯板の接着剤を塗布した側を上にして置き、この接着剤を塗布した芯板の上に、枠体を載せ、更に枠体内側に複数の柱状物をそれぞれの底面が同一方向に向かいかつそれぞれの側面部が互いに間隔を空けて平面状に配置した。図7は枠体17内側に複数の柱状物11を配置した状態を示す図である。配置した柱状物の合計重量を約180gとした。配置した枠体及び柱状物の上に接着剤を塗布した芯板を接着剤が枠体及び柱状物と接するように載せてシート状物とした。
次に、先ほど使用した接着剤を塗布量が150g/m2となるようにシート状物の芯板の表面側のみ均一に塗布した。続いて、面材として幅650mm、長さ450mm、厚さ1mmのメラミン板を用意し、接着剤付きシート状物の表面側にこのメラミン板を積層して積層体を得た。
この積層体を厚さ15.6mmのスペーサを設置した温度20〜30℃に維持したホットプレスに入れ、約0.25MPa(約2.5kg/cm2)の圧力で60分間圧締成形して、図8に示すように、幅650mm、長さ450mm、厚さ15.6mmの板状積層材を得た。この板状積層材を学童机用天板の試験体とした。
<実施例9>
次の表3に示すように、板状体の表裏面に積層する芯板の厚さを3mmから4mmに変更した以外は実施例8と同様にして学童机用天板の試験体を作製した。
次の表3に示すように、板状体の表裏面に積層する芯板の厚さを3mmから4mmに変更した以外は実施例8と同様にして学童机用天板の試験体を作製した。
<比較例4>
次の表3に示すように、板状体を使用せず、枠体の表裏面に芯板を積層し、更に表面側に面材を積層した以外は実施例8と同様にして学童机用天板の試験体を作製した。
次の表3に示すように、板状体を使用せず、枠体の表裏面に芯板を積層し、更に表面側に面材を積層した以外は実施例8と同様にして学童机用天板の試験体を作製した。
実施例8,9及び比較例4の各試験体について、重量及び比重を調べた。また実施例8,9及び比較例4の試験体の強度について、各試験体を次の表4に示す幅で支持し、この状態で試験体の表面に2.0kg/dm2(20g/cm2)で均等分布荷重し、その状態を7日間保持する等分布荷重試験を行った。そして、荷重直後、荷重7日間後及び荷重除去時における試験体の撓み量を測定し、また、荷重中及び荷重除去後における試験体の各部に異常は見られないかも目視により確認した。その結果を次の表4に示す。なお、目標基準値は、荷重時の撓み量が7.9mm以下、除去時の撓み量が2.37mm以下である。
このことから、本発明の積層材のように板状体を含むことで、より撓みに強い天板とすることができることが確認された。
<比較試験と評価3>
実施例8,9及び比較例4の試験体の反響性について、各試験体を叩いたときに生じる音の高低と、その反響の程度を調べた。
実施例8,9及び比較例4の試験体の反響性について、各試験体を叩いたときに生じる音の高低と、その反響の程度を調べた。
実施例8及び9の試験体を叩いたときに生じた音は高めであり、音の反響は小さい結果となった。一方、比較例4の試験体を叩いたときに生じた音は低めであり、太鼓に似たような音の反響が確認された。
この試験結果から、本発明の積層材のような板状体を含むことで、音の反響が若干少なくなることが確認された。このことから、音の反響がより少ない積層材は、学童が使用する机の天板として適しているといえる。
本発明で得られた積層材は、低密度かつ高強度であって、表面性が良好であり、反りなどの変形が少ないため、襖、間仕切り、蓋として、又はこれらの芯材として、また、学童机の天板として利用することができる。
11 柱状物
12 ホットメルト
13 板状体
14 面材
15 積層材
16 芯板
17 枠体
12 ホットメルト
13 板状体
14 面材
15 積層材
16 芯板
17 枠体
Claims (11)
- リグノセルロース茎を径方向で一定の長さに切断して形成された複数の柱状物をそれぞれの底面が同一方向に向かいかつそれぞれの側面部が互いに密接するように或いは間隔を空けて平面状に配置し、前記配置した複数の柱状物を固定することにより得られる板状体を含むことを特徴とする積層材。
- 柱状物の底面の平均直径をD(mm)、前記柱状物の軸方向の平均長さをL(mm)とするとき、次の式(1)の範囲を満たす請求項1記載の積層材。
0.1 ≦ L/D ≦ 5 ……(1) - 板状体の外周に枠体が設けられた請求項1記載の積層材。
- リグノセルロース茎がイネ科植物茎及びキク科植物茎からなる群より選ばれた少なくとも1種である請求項1ないし3いずれか1項に記載の積層材。
- 板状体が、配列した複数の柱状物の隙間に接着剤が充填された請求項1ないし4いずれか1項に記載の積層材。
- 板状体或いは前記板状体と枠体の表裏面に芯板が積層された請求項1ないし5いずれか1項に記載の積層材。
- 最表層に面材が積層された請求項1ないし6いずれか1項に記載の積層材。
- リグノセルロース茎を径方向で一定の長さに切断して複数の柱状物を得る工程と、
前記複数の柱状物をそれぞれの底面が同一方向に向かいかつそれぞれの側面部が互いに密接するように或いは間隔を空けて平面状に配置する工程と、
前記配置した複数の柱状物を固定することにより板状体を得る工程と
を含むことを特徴とする積層材の製造方法。 - 板状体の外周に枠体が設けられた請求項8記載の積層材の製造方法。
- 板状体或いは前記板状体と枠体の表裏面に芯板が積層された請求項8又は9記載の積層材の製造方法。
- 最表層に面材が積層された請求項8ないし10いずれか1項に記載の積層材の製造方法。
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CN115625761A (zh) * | 2022-10-27 | 2023-01-20 | 惠州左右家私有限公司 | 一种环保板材及制造方法 |
Citations (3)
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---|---|---|---|---|
JPH0872019A (ja) * | 1994-09-06 | 1996-03-19 | Kotobuki Kogei Kk | 木質系材料の含水率安定化方法並びにフラッシュ構造材の製造方法 |
JPH10102612A (ja) * | 1996-09-30 | 1998-04-21 | Ig Tech Res Inc | 複合断熱板 |
JP2003266625A (ja) * | 2002-03-15 | 2003-09-24 | Araco Corp | 生分解性材料を用いたサンドイッチパネル及びその製造方法 |
-
2008
- 2008-07-28 JP JP2008193610A patent/JP2009051205A/ja active Pending
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