JP2003265820A - 遊技機、コンピュータプログラムおよび記録媒体 - Google Patents

遊技機、コンピュータプログラムおよび記録媒体

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JP2003265820A
JP2003265820A JP2002068934A JP2002068934A JP2003265820A JP 2003265820 A JP2003265820 A JP 2003265820A JP 2002068934 A JP2002068934 A JP 2002068934A JP 2002068934 A JP2002068934 A JP 2002068934A JP 2003265820 A JP2003265820 A JP 2003265820A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 RAMクリアの指示を行うことにより、不正
に大当りを発生させることができない遊技機を実現す
る。 【解決手段】 遊技球が第1種始動口に入賞し(S4
0:Yes)、RAMクリア指示が実行されてからの経
過時間を計測するタイマをスタートさせたことを示すタ
イマスタートフラグがセットされていると判定し(S4
2:Yes)、タイマの20秒が経過していない場合は
(S52:No)、大当り抽選用カウンタのカウント値
を取得しない。つまり、不正にRAMクリアの指示を行
っても、それから20秒間は、大当りの抽選が行われな
いため、遊技球が第1種始動口を通過してから0.38
6s後のタイミングを狙ってRAMクリアの指示を行
い、大当り抽選用カウンタの初期値を0にリセットし、
大当り抽選用カウンタが大当り値をカウントするタイミ
ングと、大当り抽選用カウンタのカウント値を取得する
タイミングとを一致させて不正に大当りを発生させられ
るおそれがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、遊技盤に発射された
遊技球が所定の領域を通過したときに、大当りかハズレ
かを抽選する遊技機、この遊技機をコンピュータにより
機能させるためのコンピュータプログラムおよびそのコ
ンピュータプログラムが記録された記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の遊技機として図13およ
び図14に示すパチンコ機が知られている。図13は、
従来のパチンコ機の主要構成を示す正面説明図であり、
図14(A)は、図13に示すパチンコ機に備えられた
第1種始動口と第1種始動口スイッチとの配置関係を示
す説明図であり、図14(B)は、図13に示すパチン
コ機の電気的構成の一部をブロックで示す説明図であ
る。パチンコ機500に設けられた操作ハンドル501
を操作して発射された遊技球が第1種始動口502、あ
るいは、両翼を開放した普通電動役物503に入賞する
と、その入賞球は、第1種始動口スイッチ510(図1
4(B))により検出される。この検出のタイミングで
メインCPU531は、複数の数値、たとえば0〜29
9の計300をカウントする大当り抽選用カウンタのカ
ウント値を1つ取得し、その取得したカウント値が大当
り値(たとえば、7)であるか否かに基づいて大当りか
ハズレかを抽選する。また、上記の検出タイミングで特
別図柄表示器504の画面上の横方向3個所において複
数の図柄(たとえば、0〜9)が上下方向にスクロール
表示され、所定時間経過後に上記抽選結果に対応する図
柄が確定表示される。たとえば、抽選結果が大当たりで
あった場合は、3つの同一数字(たとえば、図15に示
すような「777」)が確定表示され、扉式の開閉部材
505が開作動し、大入賞口506が開口する。
【0003】そして、大入賞口506に遊技球が入賞す
ると、入賞球1個に付き、所定個数(たとえば、15
個)の賞球が上受け皿507に払出される。また、大入
賞口506に入賞した入賞球の数が所定数(たとえば、
10個)に達するか、あるいは、大入賞口506が開口
してから所定時間(たとえば、30秒)経過するか、い
ずれかの条件が満たされると、開閉部材505が閉作動
し、大入賞口506が閉口する。さらに、大入賞口50
6に入賞した遊技球が大入賞口506の内部に設けられ
た特定領域508を通過すると、大入賞口506が連続
して開口する権利が発生する。このように、大入賞口5
06が開口してから閉口するまでを1ラウンドとし、遊
技球が特定領域508を通過することを条件として、複
数のラウンド(たとえば、15ラウンド)の遊技を行う
ことができる。
【0004】また、図14(B)に示すように、パチン
コ機500には、停電を検知する停電検知回路516が
設けられており、その停電検知回路516は、主基板5
30および払出制御基板540に接続されている。主基
板530に搭載されたメインCPU531は、大当りか
ハズレかの抽選やラウンドの制御などを行う。ROM5
33には、メインCPU531が実行するコンピュータ
プログラムが記録されており、RAM532は、電源遮
断時の遊技状態、ROM533から読出したコンピュー
タプログラム、メインCPU531が各基板へ送信する
制御コマンドなどを格納する。払出制御基板540に搭
載されたサブCPU541は、主基板530から送信さ
れる賞球払出コマンドに従って賞球払出モータ(図示せ
ず)の制御を行う。ROM543には、サブCPU54
1が実行するコンピュータプログラムが記録されてお
り、RAM542は、電源遮断時の賞球の未払い数、R
OM543から読出したコンピュータプログラムなどを
格納する。
【0005】ここで、電源520が遮断されると、停電
検知回路516から電源断信号が主基板530および払
出制御基板540へ出力され、主基板530に搭載され
たメインCPU531および払出制御基板540に搭載
されたサブCPU541は、それぞれNMI(ノン・マ
スカブル・インタラプト)処理を実行し、電源遮断時の
バックアップデータが記憶されているRAM532,5
42の各バックアップ領域へのアクセスをそれぞれ禁止
する。また、各バックアップ領域には、バックアップ用
コンデンサC2から電源が供給され、各バックアップデ
ータの記憶が保持される。そして、電源520が復帰す
ると、メインCPU531はRAM532のバックアッ
プ領域に記憶保持されているバックアップデータに基い
て電源遮断直前の遊技を再現する。また、サブCPU5
41はRAM542のバックアップ領域に記憶保持され
ている賞球の未払い数に基いて賞球の払出しを再開す
る。
【0006】しかし、パチンコ機の出荷時やパチンコ機
の設置時に試射を行っている途中で電源を遮断すると、
試射中に発生した大当りや入賞などに関するデータがR
AMにバックアップされてしまうため、その状態で開店
すると、バックアップされたデータに基づいて遊技が開
始されてしまうなどの不都合が生じた。そこで、RAM
にバックアップデータを消去するRAMクリア信号を各
RAMへ出力するRAMクリアスイッチ527を設ける
ことにより、上記不都合を解消する方法が提案されてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、その後の研
究により、RAMクリアスイッチ527がONすると、
大当り抽選用カウンタの初期値が「0」にリセットされ
ることを悪用されるおそれのあることが判明した。図1
5は、不正行為が行われた回路の一例を示す説明図であ
る。RAMクリアスイッチ527と主基板530とを接
続するラインに、ぶらさげ基板と呼ばれる不正な基板5
50が接続されている。このぶら下げ基板550には、
送信器560から送信された指令を受信すると主基板5
30へRAMクリア信号を送信する回路が仕組まれてい
る。ここで、大当り抽選用カウンタのカウント周期が2
msであるとすると、「0」からカウントを開始し、大
当り値の「7」をカウントするまでに要する時間は、2
ms×7=14msとなる。また、図14(A)に示す
ように、遊技球Pが第1種始動口502を通過してから
第1種始動口スイッチ510によって検出されるまでに
要する時間、つまり第1種始動口502から第1種始動
口スイッチ27aまでの距離L1を流下するに要する時
間が0.4sであるとする。そして、遊技球Pが第1種
始動口502を通過してから0.386s後に送信器5
60から上記指令をぶら下げ基板550へ送信すると、
ぶら下げ基板550からRAMクリア信号が主基板53
0へ送信され、大当り抽選用カウンタのカウントの初期
値が「0」にリセットされ、「0」からカウントを開始
する。そして、その14ms(=0.4s−0.386
s)後に遊技球Pが第1種始動口スイッチ510によっ
て検出されると、そのとき大当り抽選用カウンタは
「7」をカウントすることになる。したがって、遊技球
Pが第1種始動口502を通過してから0.386s後
のタイミングを狙って送信器560から上記指令をぶら
下げ基板550へ送信すると、メインCPU531は、
大当り値の「7」の近傍をカウントしている大当り抽選
用カウンタからカウント値を取得することになり、大当
りが発生する確率が非常に高くなってしまう。
【0008】そこでこの発明は、上記問題を解決するた
めになされたものであり、電源が遮断された際に記憶さ
れた遊技状態を消去する消去手段(RAMクリアスイッ
チ)の操作により、不正に大当りを発生させることがで
きない遊技機(パチンコ機)を実現することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段・作用および効果】この発
明は、上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明
では、カウンタと、遊技盤に発射された遊技球が所定の
領域を通過したことを検出する検出手段と、この遊技機
に供給されている電源が遮断された際に遊技状態を記憶
する遊技状態記憶手段と、前記検出手段により前記遊技
球が前記所定の領域を通過したことが検出されたときに
前記カウンタのカウント値を取得するとともに、その取
得したカウント値に基づいて大当りかハズレかを抽選す
る抽選手段と、前記カウンタがカウントを開始するとき
の値を初期値に戻すとともに、前記遊技状態記憶手段に
記憶されている遊技状態を消去する消去手段とを備えて
おり、前記電源の供給が再開された際に前記遊技状態記
憶手段に記憶されている遊技状態に基づいて遊技を再開
可能な遊技機であって、前記消去手段が実行されてから
所定時間は、前記抽選手段が前記カウンタのカウント値
を取得することを禁止する禁止手段を備えたという技術
的手段を用いる。
【0010】抽選手段は、検出手段により遊技球が上記
所定の領域を通過したことが検出されたときに、カウン
タのカウント値を取得するとともに、その取得したカウ
ント値に基づいて大当りかハズレかを抽選する抽選処理
を実行する。また、消去手段は、カウンタがカウントを
開始するときの値を初期値に戻すとともに、遊技状態記
憶手段に記憶されている遊技状態を消去する消去処理を
実行する。そして、禁止手段は、消去手段が実行されて
から所定時間は、抽選手段が前記カウンタのカウント値
を取得することを禁止する。つまり、消去手段が実行さ
れてから所定時間は、抽選手段がカウンタのカウント値
を取得することができないため、上記所定時間は大当り
が発生しないようにすることができる。したがって、遊
技球が所定の領域を通過するタイミングを狙って前記消
去の指示を行うことにより、カウンタが初期値からカウ
ントを開始し、大当りのカウント値をカウントするタイ
ミングと、所定の領域を通過した遊技球が検出手段によ
り検出されるタイミングとを一致させることができない
ため、消去の指示を行うことにより、大当りを不正に発
生させられるおそれがない。
【0011】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載の遊技機において、前記消去手段が実行されてから所
定時間は、前記抽選手段による抽選が行われないことを
報知する報知手段を備えたという技術的手段を用いる。
【0012】つまり、消去手段が実行されてから所定時
間は、抽選手段による抽選が行われないことを報知する
ことができるため、不正に大当りを発生させようとする
遊技者に対して、遊技球が前記所定の領域を通過するタ
イミングを狙って消去の指示を行っても大当りが発生し
ないことを悟らせることができる。
【0013】請求項3に記載の発明では、カウンタと、
遊技盤に発射された遊技球が所定の領域を通過したこと
を検出する検出手段と、この遊技機に供給されている電
源が遮断された際に遊技状態を記憶する遊技状態記憶手
段と、前記検出手段により前記遊技球が前記所定の領域
を通過したことが検出されたときに前記カウンタのカウ
ント値を取得するとともに、その取得したカウント値に
基づいて大当りかハズレかを抽選する抽選手段と、前記
カウンタがカウントを開始するときの値を初期値に戻す
とともに、前記遊技状態記憶手段に記憶されている遊技
状態を消去する消去手段と、この消去手段が実行されて
から所定時間は、前記抽選手段が前記カウンタのカウン
ト値を取得することを禁止する禁止手段とを備えてお
り、前記電源の供給が再開された際に前記遊技状態記憶
手段に記憶されている遊技状態に基づいて遊技を再開可
能な遊技機をコンピュータにより機能させるためのコン
ピュータプログラムであって、前記禁止手段として機能
するコンピュータが、前記消去手段が実行されてから所
定時間は、前記抽選手段が前記カウンタのカウント値を
取得することを禁止する禁止処理を含む処理を実行する
ためのコンピュータプログラムという技術的手段を用い
る。
【0014】つまり、請求項1に記載の遊技機は、たと
えば、後述する発明の実施の形態に記載するように、パ
チンコ機(遊技機)に備えられたCPU(コンピュー
タ)により機能するため、上記コンピュータプログラム
をROMなどの記録媒体に記憶しておき、その記憶され
たコンピュータプログラムを上記CPUが実行すること
により、上記遊技機を機能させることができる。
【0015】請求項4に記載の発明では、カウンタと、
遊技盤に発射された遊技球が所定の領域を通過したこと
を検出する検出手段と、この遊技機に供給されている電
源が遮断された際に遊技状態を記憶する遊技状態記憶手
段と、前記検出手段により前記遊技球が前記所定の領域
を通過したことが検出されたときに前記カウンタのカウ
ント値を取得するとともに、その取得したカウント値に
基づいて大当りかハズレかを抽選する抽選手段と、前記
カウンタがカウントを開始するときの値を初期値に戻す
とともに、前記遊技状態記憶手段に記憶されている遊技
状態を消去する消去手段と、この消去手段が実行されて
から所定時間は、前記抽選手段が前記カウンタのカウン
ト値を取得することを禁止する禁止手段とを備えてお
り、前記電源の供給が再開された際に前記遊技状態記憶
手段に記憶されている遊技状態に基づいて遊技を再開可
能な遊技機をコンピュータにより機能させるためのコン
ピュータプログラムが記録された記録媒体であって、前
記禁止手段として機能するコンピュータが、前記消去手
段が実行されてから所定時間は、前記抽選手段が前記カ
ウンタのカウント値を取得することを禁止する禁止処理
を含む処理を実行するためのコンピュータプログラムが
記録された記録媒体という技術的手段を用いる。
【0016】つまり、コンピュータを用いることにより
機能する遊技機は、たとえば、後述する発明の実施の形
態に記載するように、パチンコ機(遊技機)に設けられ
たROMなどの記録媒体に記録されたコンピュータプロ
グラムをCPU(コンピュータ)が実行することにより
機能するため、上記記録媒体を使用することにより、請
求項1に記載の遊技機を機能させることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、この発明に係る遊技機の実
施形態について図を参照して説明する。なお、以下の実
施形態では、この発明に係る遊技機として、第1種のパ
チンコ機を例に挙げて説明する。 <第1実施形態> [全体の主要構成]まず、この実施形態のパチンコ機の
主要構成について図1を参照して説明する。図1は、そ
のパチンコ機の外観を示す斜視説明図である。パチンコ
機1には、前枠2が開閉可能に備えられており、その前
枠2には、ガラス枠4が開閉可能に取付けられている。
前枠2の右側には、ガラス枠4開閉用の鍵を差し込む鍵
穴3が設けられている。ガラス枠4の内部には、遊技盤
5が設けられており、前枠2の右側下方には、遊技球を
遊技盤5へ発射する発射装置(図示省略)を操作するた
めの発射ハンドル15が回動可能に取付けられている。
【0018】ガラス枠4の下方には、賞球や貸球が供給
される賞球・貸球供給口6aが形成されており、この賞
球・貸球供給口6aの供給側には、その賞球・貸球供給
口6aから供給された賞球や貸球を溜めておくための上
受け皿6が取り付けられている。上受け皿6の下方に
は、上受け皿6の収容可能数を超えて流下した賞球や上
受け皿球抜きレバー6bの操作により上受け皿6から排
出された遊技球などを排出する排出口7aが形成されて
いる。排出口7aの排出側には、その排出口7aから排
出された遊技球を収容しておくための下受け皿7が設け
られている。また、遊技盤5の上方には、枠ランプ9が
設けられており、下受け皿7の左側には、灰皿7bが設
けられている。
【0019】[遊技盤5の主要構成]次に、遊技盤5の
主要構成について図2および図3を参照して説明する。
図2は、遊技盤5の主要構成を示す正面説明図であり、
図3は、図2に示す遊技盤5に備えられた図柄表示器3
2aにメッセージが表示された状態を示す正面説明図で
ある。図2に示すように、遊技盤5の略中央には、セン
ターケース30が取付けられており、センターケース3
0には、図柄表示器32aが設けられている。図柄表示
器32aは、特別図柄を変動表示したり、画面左上の表
示領域321において普通図柄を変動表示したりする。
また、図柄表示器32aは、RAMクリアスイッチ10
が押されたときに、図3に示すように、「RAMクリア
スイッチが操作されました。しばらくの間、大当りは発
生しませんのでご注意ください。」という内容のメッセ
ージM1を表示する。
【0020】また、センターケース30には、図柄表示
器32aが特別図柄の変動表示を開始可能な回数として
記憶されている数(以下、特別図柄始動記憶数と称す
る)を表示する4個のLEDから構成された特別図柄始
動記憶表示LED31と、図柄表示器32aが普通図柄
の変動表示を開始可能な回数(以下、普通図柄始動記憶
数と称する)として記憶されている数を表示する4個の
LEDから構成された普通図柄始動記憶表示LED33
とが設けられている。また、センターケース30の右側
には、遊技球の通過により図柄表示器32aにおいて普
通図柄の変動を開始する機能を有する普通図柄作動右ゲ
ート25が設けられており、センターケース30の左側
には、同じく遊技球の通過により図柄表示器32aにお
いて普通図柄の変動を開始する機能を有する普通図柄作
動左ゲート26が設けられている。センターケース30
の下方には、遊技球の入賞により、図柄表示器32aに
特別図柄を変動表示する機能を有する第1種始動口27
が設けられており、この第1種始動口27の下部には、
普通図柄の抽選の結果が当りであった場合に両翼を開放
する普通電動役物47が設けられている。両翼を開放し
た普通電動役物47は、第1種始動口27と同様に図柄
表示器32aに特別図柄を変動表示する機能を備えてい
る。普通電動役物47の下方には、図柄表示器32aの
3個所の表示領域に確定表示された特別図柄が大当り図
柄であった場合に作動する変動入賞装置40が設けられ
ている。
【0021】変動入賞装置40には、大当りの発生時に
開放動作して大入賞口41を開口する開閉部材43が開
閉可能に取り付けられている。また、変動入賞装置40
の内部には、遊技球の通過により開閉部材43を連続し
て開放動作させる機能を有する特定領域と、この特定領
域を通過した遊技球を検出する特定領域スイッチ(図4
に符号41bで示す)と、特定領域を変化させる部材を
駆動する特定領域ソレノイド(図4に符号41cで示
す)とが設けられている。遊技盤5の上方の両角部に
は、LEDにより装飾されたコーナー飾り11が設けら
れており、遊技盤5の両側には、LEDにより装飾され
たサイド飾り20がそれぞれ設けられている。右側のサ
イド飾り20には、右袖入賞口12と、右下入賞口45
とが設けられており、左側のサイド飾り20には、左袖
入賞口13と、左下入賞口44とが設けられている。さ
らに、遊技盤5には、風車24,24と、発射された遊
技球を遊技領域へ案内するレール16と、入賞しなかっ
た遊技球をアウト球として回収するアウト口14とが設
けられている。そして、遊技盤5には、多くの釘17が
打ち込まれており、遊技盤5に発射された遊技球は、釘
17の間を乱舞しながら落下し、普通図柄作動ゲート2
5,26を通過したり、第1種始動口27や各入賞口に
入賞したり、あるいはアウト口14から回収されたりす
る。
【0022】[パチンコ機の電気的構成]次に、パチン
コ機の主な電気的構成についてそれをブロックで示す図
4を参照して説明する。パチンコ機には、主基板100
が設けられており、この主基板100には、マイクロプ
ロセッサ110が搭載されている。マイクロプロセッサ
110には、大当りかハズレかの抽選、RAMクリアス
イッチ10がONしたことの検出、大入賞口41への入
賞数のカウント、大当りの遊技におけるラウンドの制御
などの遊技の主な制御を実行するメインCPU112
と、このメインCPU112が各種制御などを実行する
ためのコンピュータプログラムなどが記録されたROM
114と、遊技球が第1種始動口27を通過したことの
検出結果や入賞などの遊技中に発生する各種データ、R
OM114から読出されたコンピュータプログラムなど
を一時的に格納するRAM116とが搭載されている。
主基板100には、次に記載するものが電気的に接続さ
れている。遊技球が第1種始動口27または開放した普
通電動役物47に入賞したことを検出する第1種始動口
スイッチ27a、RAMクリアスイッチ10、図柄制御
装置32、LEDやランプ類を制御するランプ制御装置
300、電源基板80、賞球の払出しなどを制御する払
出制御基板200、遊技中の効果音などを制御する音声
制御装置79、賞球払出数や大当りの発生などに関する
遊技盤情報をパチンコホールの管理室などに設けられた
ホールコンピュータへ送信するための遊技枠情報端子基
板52、盤面中継基板51、遊技枠中継基板53であ
る。
【0023】払出制御基板200には、主基板100か
ら送出される制御コマンドを入力して動作するマイクロ
プロセッサ210が搭載されており、マイクロプロセッ
サ210には、賞球および貸球の払出しなどを制御する
サブCPU212と、このサブCPU212が賞球の払
出しなどの制御を実行するための各種制御プログラムが
記録されたROM214と、サブCPU212が各種制
御プログラムを実行する際にROM214から読出され
た制御プログラムや遊技中に発生する入賞数や賞球数な
どの各種データを一時的に格納するRAM216とが搭
載されている。また、払出制御基板200には、RAM
クリアスイッチ10、電源基板80、発射モータ15e
を駆動するための発射モータ駆動基板15c、遊技枠情
報端子基板52および払出中継基板55が電気的に接続
されている。発射モータ駆動基板15cには、発射モー
タ駆動基板15cから発射モータ15eへ駆動信号を出
力させるための発射スイッチ15dが接続されている。
【0024】遊技枠中継基板53には、下受け皿7が遊
技球で満杯になったことを検出する下皿満杯検出スイッ
チ72、賞球切れを検出する賞球切れ検出スイッチ73
およびセンサ中継基板54が電気的に接続されている。
センサ中継基板54は、賞球ユニット62に備えられた
賞球払出センサ62a,62bおよび払出中継基板55
と電気的に接続されている。払出中継基板55には、貸
球切れを検出する貸球切れ検出スイッチ61、賞球払出
モータ62cおよび貸球ユニット63が電気的に接続さ
れている。盤面中継基板51には、普通電動役物47を
駆動する普通電動役物ソレノイド47a、普通図柄作動
右ゲート25を通過した遊技球を検出する右ゲートスイ
ッチ25a、普通図柄作動左ゲート26を通過した遊技
球を検出する左ゲートスイッチ26a、大入賞口41に
入賞した遊技球を検出する大入賞口スイッチ41a、右
袖入賞口12に入賞した遊技球を検出する右袖入賞口ス
イッチ12a、左袖入賞口13に入賞した遊技球を検出
する左袖入賞口スイッチ13a、右下入賞口45に入賞
した遊技球を検出する右下入賞口スイッチ45a、左下
入賞口44に入賞した遊技球を検出する左下入賞口スイ
ッチ44aおよび大入賞口中継基板50である。
【0025】大入賞口中継基板50には、特定領域スイ
ッチ41b、特定領域を変化させる部材を駆動する特定
領域ソレノイド41cおよび開閉部材43を駆動する大
入賞口ソレノイド43aが電気的に接続されている。電
源基板80は、CR接続基板56と電気的に接続されて
おり、CR接続基板56には、プリペイドカードの残り
の度数を表示する度数表示基板やプリペイドカードを読
取る装置などを備える遊技機外装置部分71と電気的に
接続されている。電源基板80は、AC24V(50H
z/60Hz)の主電源70から電源の供給を受け、各
基板および装置へ必要電源を供給する。また、電源基板
80には、RAMクリアスイッチ10および電源スイッ
チ18が設けられている。つまり、この実施形態のパチ
ンコ機1では、RAMクリアスイッチ10をONしなが
ら電源を投入することにより、RAMクリア処理が行わ
れるように構成されているため、RAMクリアスイッチ
10および電源スイッチ18は、互いに近接した個所に
設けられており、操作がし易いようになっている。な
お、この実施形態では、RAMクリアスイッチ10は、
プッシュON式のスイッチである。
【0026】[図柄制御装置32の電気的構成]次に、
図柄制御装置32の主な電気的構成について、それをブ
ロックで示す図5を参照して説明する。図柄制御装置3
2は、図柄表示器32a、液晶インバータ基板32b、
液晶アナログ基板32cおよび図柄制御基板32dを備
える。図柄制御基板32dに搭載されたキャラクタRO
M32iには、図3に示したメッセージM1、特別図
柄、普通図柄、背景画像、大当りの発生を祝う演出画
像、大当り遊技中の演出画像、客待ち状態の演出画像な
どを図柄表示器32aに表示するための画像データが記
録されている。図柄制御基板32dに搭載されたサブC
PU32eは、主基板100からライン100aを介し
て送出されてきた画像制御コマンドを受信するととも
に、その受信した画像制御コマンドの内容をROM32
fに記録されたコンピュータプログラムに従って解析す
る。続いてサブCPU32eは、その解析結果をVDP
(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ)32gへ送出
し、VDP32gは、キャラクタROM32iから上記
解析結果に対応した普通図柄、特別図柄、背景画像など
を読出す。VDP32gは、キャラクタROM32iか
ら読出した普通図柄や特別図柄などを構成するドットの
アドレス、表示色などを上記解析結果に基づいて演算
し、その演算結果を内蔵のパレットRAM32hに一時
的に格納する。続いてVDP32gは、パレットRAM
32hに格納されている演算結果に基づいてRGB信号
を液晶アナログ基板32cへ送出する。続いて液晶アナ
ログ基板32cは、取込んだRGB信号の色補正および
輝度調整を行い、その信号を液晶インバータ基板32b
へ送出する。液晶インバータ基板32bは、バックライ
ト電源の役割を果たし、取込んだ信号を昇圧(たとえ
ば、12Vから600V)し、図柄表示器32aへ送出
する。そして図柄表示器32aは、取込んだ信号に対応
する液晶ドットをスイッチングして表示する。これによ
り、普通図柄や特別図柄の変動表示、確定図柄の表示、
背景画像などの表示を行う。なお、この実施形態では、
図柄表示器32aは、TFT(Thin Film Transistor)
を画素駆動素子とするアクティブマトリックス方式の液
晶表示装置である。
【0027】[電源基板80の周辺の構成]次に、電源
基板80の周辺の構成について、それを示す図6を参照
して説明する。電源基板80には、AC24Vの主電源
70と接続された電源スイッチ18が設けられている。
その電源スイッチ18を介して供給されたAC24V
は、過負荷保護回路81を介して32V生成回路82に
よりDC32Vに変換され、DC32V電源として各基
板および装置に供給される。また、DC32Vは、24
V生成回路83によりDC24Vに変換され、DC24
Vとして各基板および装置に供給される。さらに、DC
32Vは、12V生成回路84によりDC12Vに変換
され、DC12V電源として各基板および装置に供給さ
れる。さらに、DC32Vは、5V生成回路85により
DC5Vに変換され、DC5V電源として各基板および
装置に供給される。
【0028】停電検知回路86が電源の遮断を検知する
と、メインCPU112およびサブCPU212は、そ
れぞれNMI処理を実行し、RAM116およびRAM
216へのアクセスが禁止される。また、バックアップ
用コンデンサC1からバックアップ電源が、RAM11
6およびRAM216の各バックアップ領域に供給さ
れ、バックアップデータの記憶が保持される。これによ
り、電源遮断直前の遊技状態(たとえば、大当りが発生
した事実、実行されたラウンド数、入賞数など)がRA
M116にバックアップされ、賞球の未払い数などがR
AM216にバックアップされる。そして、電源が復活
すると、RAM116およびRAM216にバックアッ
プされている遊技状態に基づいて、電源遮断直前の遊技
から再開される。
【0029】また、開店前の試射中に発生した大当りや
入賞などのデータは、電源遮断によりRAMにバックア
ップされるため、その後電源を投入し、開店を迎える
と、RAMにバックアップされたデータに基づいて遊技
が再開されてしまうという不都合が生じる。そこで、開
店前にバックアップデータを消去しておく必要がある。
図6において、RAMクリアスイッチ10を押しながら
電源スイッチ18をONすると、RAM116,216
に格納されているバックアップデータが消去される。
【0030】[遊技の主な流れ]次に、遊技の主な流れ
について図7ないし図10を参照して説明する。図7
は、大当り抽選用カウンタの説明図である。図8は、メ
インCPU112が実行するRAMクリア処理の流れを
示すフローチャートである。図9は、メインCPU11
2が実行する第1種始動口処理の流れを示すフローチャ
ートである。図10は、メインCPU112が実行する
特別図柄制御の流れを示すフローチャートである。な
お、以下の説明では、図柄表示器32aは、画面の横方
向3個所において特別図柄を変動表示するものとし、変
動表示または確定表示される図柄を左から順に、左図
柄、中図柄、右図柄というものとする。また、この実施
形態では、遊技球が第1種始動口27を通過したタイミ
ングから第1種始動口スイッチ27aにより検出される
タイミングまでの時間は、0.4sであるとする。
【0031】(大当り抽選用カウンタ)図7に示す大当
り抽選用カウンタCt1は、大当りか否かを決定するた
めのカウンタであり、複数の数値、この実施形態では
「0」〜「299」の計300個の数値をカウントす
る。また、大当り抽選用カウンタCt1は、カウントを
開始する初期値から所定の周期、この実施形態では、2
msの周期で+1を加算し、加算結果が取得範囲を超え
た場合は0クリアする。また、初期値は、2msごとに
+1ずつ更新される。また、この実施形態では、300
の数値のうち、通常確率時では、「7」が大当り値とし
て大当り値テーブル(大当り値が設定されているテーブ
ル)に設定されており、高確率時(確変時)では、複数
の数(たとえば、「7」、「67」、「117」、「1
77」、「217」および「247」の計6つ)が大当
り値として大当り値テーブルに設定されている。ここ
で、確変とは、大当りの発生する確率が高確率状態の遊
技状態に変化していることをいう。
【0032】(RAMクリア処理)メインCPU112
は、ROM114に記録されているコンピュータプログ
ラムに異常があるか否かを検査するセキュリティチェッ
クを実行し(図8のステップ(以下、Sと略す)1
0)、RAM116の作業領域を初期化する(S1
2)。続いてメインCPU112は、RAMクリアスイ
ッチ10(図4、図6)が押されてONしているか否か
を判定する(S14)。ここでONしていると判定する
と(S14:Yes)、図3に示したメッセージM1の
表示を指示するメッセージ表示コマンドを図柄制御装置
32へ送信する(S18)。これにより、図柄表示器3
2aは、「RAMクリアスイッチが操作されました。し
ばらくの間、大当りは発生しませんのでご注意くださ
い。」という内容のメッセージM1を表示する。」(図
3)。続いてメインCPU112は、上記メッセージM
1が表示されてからの経過時間を計測するタイマをスタ
ートさせたことを示すタイマスタートフラグをセットし
(S20)、20秒を計測するタイマをスタートする
(S22)。
【0033】続いてメインCPU112は、RAMクリ
ア処理を実行する(S24)。つまり、RAM116に
格納されているバックアップデータを消去するととも
に、大当り抽選用カウンタCt1がカウントを開始する
ときの値を初期値の「0」に戻す。また、S24では、
メインCPU112から払出制御基板200のサブCP
U212に対してRAMクリア命令が送信され、サブC
PU212は、その命令を受けてRAM216の記憶内
容を消去する。そしてメインCPU112は、入賞の検
出、大当りかハズレかの抽選、大当り抽選用カウンタC
t1の初期値の更新など、遊技の制御を開始する(S2
6)。
【0034】また、メインCPU112は、RAMクリ
アスイッチ10がONしていない場合は(S14:N
o)、RAM116に格納されているチェックデータが
正しいデータであるか否か、たとえばA5A5Hである
か否かを判定する(S16)。ここでA5A5Hである
場合は(S16:Yes)、遊技の制御を開始し(S2
6)、A5A5Hでなかった場合は(S16:No)、
RAM116に異常なデータが格納されていると判断
し、RAMクリア処理を実行する(S24)。なお、上
記RAMクリア処理は、ROM114に記録されたコン
ピュータプログラムに従って実行される。
【0035】(第1種始動口処理)第1種始動口スイッ
チ27a(図4)がONすると、メインCPU112
は、第1種始動口スイッチ27aに接続されている入力
ポートの電圧変化を検出することにより、第1種始動口
スイッチ27aがONしたと判定し(図9のS40:Y
es)、前述のRAMクリア処理のS20により、タイ
マスタートフラグがセットされているか否かを判定する
(S42)。ここで、セットされていない場合は(S4
2:No)、特別図柄始動記憶数U1が「4」未満であ
るか否かを判定し(S44)、「4」未満と判定した場
合は(S44:Yes)、特別図柄始動記憶数U1に
「1」を加算する(S46)。続いてメインCPU11
2は、大当り抽選用カウンタCt1のカウント値を1つ
取得し(S48)、その取得したカウント値をRAM1
16に一時的に格納する(S50)。また、メインCP
U112は、前述のRAMクリア処理のS20により、
タイマスタートフラグがセットされていると判定した場
合は(S42:Yes)、前述のRAMクリア処理のS
22においてスタートしたタイマが20秒を経過してい
るか否かを判定する(S52)。ここで、20秒を経過
していない場合は(S52:No)、次の処理へ移行す
る。つまり、大当り抽選用カウンタCt1のカウント値
を取得して格納する処理(S44〜S50)を実行しな
い。また、20秒を経過していると判定した場合は(S
52:Yes)、タイマスタートフラグをリセットし
(S54)、前述のRAMクリア処理のS18において
表示を指示したメッセージを消去する指示を示すメッセ
ージ消去コマンドを図柄制御装置32へ送信する(S5
6)。これにより、図柄表示器32aは、図3に示した
メッセージを画面上から消去する。
【0036】以上のように、上記第1種始動口処理を実
行すれば、RAMクリアの指示が行われるとメッセージ
M1が表示され、その後RAMクリア処理が行われてか
ら20秒を経過していない場合には、遊技球が第1種始
動口27に入賞した場合であっても、大当りかハズレか
の抽選の基準となるカウント値を大当り抽選用カウンタ
Ct1から取得しないようにすることができる。したが
って、遊技球が第1種始動口27に入賞したタイミング
を狙ってRAMクリアの指示を行っても、不正に大当り
を発生させることができない。なお、上記の第1種始動
口処理は、ROM114に記録されたコンピュータプロ
グラムにより実行される。
【0037】(特別図柄制御)メインCPU112は、
図柄制御装置32を制御するための制御コマンドを図柄
制御装置32へ出力しているか否か、つまり特別図柄が
変動中であるか否かを判定し(図10のS60)、変動
中でないと判定すると(S60:No)、特別図柄始動
記憶数U1が「1」以上であるか否かを判定する(S6
2)。ここで、特別図柄始動記憶数U1が「1」以上で
あると判定すると(S62:Yes)、特別図柄始動記
憶数U1から「1」を減算し(S64)、前述の第1種
始動口処理のS50(図9)においてRAM116に一
時的に格納したカウント値を読出す(S66)。続いて
メインCPU112は、遊技状態が確変になっているこ
とを示す確変フラグがセットされているか否か(確変フ
ラグ=1か0か)を判定する(S68)。ここでメイン
CPU112は、確変フラグがセットされていると判定
した場合は(S68:Yes)、高確率時の大当り値テ
ーブルを参照し(ステップS70)、S66で読出した
カウント値と同一の大当り値が設定されているか否かに
基いて、大当りか否かを判定する(S74)。たとえ
ば、S66で読出したカウント値が「67」であった場
合は、大当りと判定する(S74:Yes)。また、確
変フラグがセットされていない場合は(S68:N
o)、通常確率時の大当り値テーブルを参照し(S7
2)、S66で読出したカウント値と同一の大当り値が
設定されているか否かに基いて、大当りか否かを判定す
る(S74)。たとえば、S66で読出したカウント値
が「7」であった場合は、大当りと判定する(S74:
Yes)。
【0038】続いてメインCPU112は、大当りと判
定した場合は(S74:Yes)、大当りが発生したこ
とを示す大当りフラグをセットし(S76)、大当り図
柄を決定する大当り図柄テーブルを参照して大当り図柄
を決定し(S78)、その選択した大当り図柄が確変図
柄であるか否かを判定する(S80)。ここで、確変図
柄とは、大当り図柄のうち、特定の図柄(たとえば、奇
数の大当り図柄)のことを意味し、確変図柄で大当りし
た場合は、その大当りの遊技が終了した以降の遊技が、
確変に変化する。ここで、確変図柄である場合は(S8
0:Yes)、確変フラグをセットする(S82)。ま
たメインCPU112は、大当りではない、つまりハズ
レと判定した場合は(S74:No)、ハズレ図柄を決
定するハズレ図柄テーブルを参照して左図柄、中図柄お
よび右図柄として確定表示するハズレ図柄をそれぞれ決
定する(S84)。なお、大当り図柄テーブルは、複数
の乱数(たとえば、0〜9)と複数の特別図柄(たとえ
ば、000〜999)とを対応付けて構成されており、
メインCPU112が無作為に選択した乱数に対応付け
られている特別図柄が大当り図柄に決定される。また、
ハズレ図柄テーブルは、複数の乱数(たとえば、0〜
9)と複数の特別図柄(たとえば、0〜9)とを対応付
けて構成されており、メインCPU112が無作為に選
択した乱数に対応付けられている特別図柄がハズレ図柄
に決定される。決定したハズレ図柄が大当り図柄と同一
であった場合は、再度、ハズレ図柄を決定する。
【0039】続いてメインCPU112は、特別図柄の
変動パターンを決定する変動パターンテーブルを参照し
て特別図柄の変動パターンを決定する(S86)。変動
パターンには、特別図柄の変動時間、リーチを行う場合
のリーチの種類、リーチを行わない場合の通常停止パタ
ーンなどが含まれる。続いてメインCPU112は、S
86において決定した変動パターン、S78において決
定した大当り図柄またはS84において決定したハズレ
図柄を示す変動開始コマンドを図柄制御装置32へ送信
する(S88)。続いてメインCPU112は、S86
において決定した変動パターンにより示される特別図柄
の変動時間の計測を開始する(S90)。また、メイン
CPU112は、図柄制御装置32へ変動パターン指定
コマンドを送信すると同時に、変動パターン指定コマン
ドを音声制御装置79およびランプ制御装置300(図
4)へ送信する。これにより、音声制御装置79は、受
信した変動パターン指定コマンドに対応したパターンに
て効果音を出力し、ランプ制御装置300は、受信した
変動パターン指定コマンドに対応したパターンにて各種
のLEDを点灯させる。そしてメインCPU112は、
S90にて計測を開始した時間がタイムアップしたと判
定すると(S92:Yes)、全図柄の停止を指示する
全図柄停止コマンドを図柄制御装置32へ送信し(S9
4)、計測時間をリセットする(S96)。これによ
り、図柄表示器32aは、大当り図柄、またはハズレ図
柄を確定表示する。また、音声制御装置79は、効果音
の出力を停止し、ランプ制御装置300は、LEDの点
灯を停止する。なお、上記特別図柄制御は、ROM11
4に記録されたコンピュータプログラムに従って実行さ
れる。
【0040】[第1実施形態の効果] (1)以上のように、上記第1実施形態のパチンコ機1
を使用すれば、RAMクリアの指示が行われるとメッセ
ージM1が表示され、その後RAMクリア処理が行われ
てから20秒間は、第1種始動口スイッチ27aにより
検出された遊技球によっては大当り抽選用カウンタCt
1のカウント値を取得しないようにすることができる。
したがって、遊技球が第1種始動口27または両翼を開
放した普通電動役物47に入賞してから0.386s後
のタイミングを狙ってRAMクリアの指示を行うことに
より、大当り抽選用カウンタCt1が「0」からカウン
トを開始し、大当りのカウント値をカウントするタイミ
ングと、メインCPU112が大当り抽選用カウンタC
t1のカウント値を取得するタイミングとを一致させる
ことができないため、大当りを不正に発生させられるお
それがない。
【0041】(2)また、前記20秒間は、遊技球を発
射してから、その遊技球がアウト口14から排出される
までに要する時間よりも充分に長いため、たとえば、第
1種始動口がアウト口14の近傍に設けられており、遊
技者が遊技球を発射したと同時にRAMクリアの指示を
行った場合であっても、その発射された遊技球が第1種
始動口に入賞し、第1種始動口スイッチにより検出され
るころも、まだ大当り抽選用カウンタCt1のカウント
値を取得することができないため、不正に大当りが発生
させられるおそれはない。 (3)さらに、RAMクリアの指示が行われてからしば
らくは、大当りの抽選が行われないことを示すメッセー
ジM1を図柄表示器32aの画面に表示することができ
るため、不正に大当りを発生させようとする遊技者に対
して、遊技球が第1種始動口27を通過するタイミング
を狙ってRAMクリアの指示を行っても大当りが発生し
ないことを悟らせることができる。また、遊技者の最大
の関心事である大当りかハズレかの抽選結果が表示され
る図柄表示器32aの画面に前記メッセージM1を表示
するため、その表示内容を遊技者に確実に伝えることが
できる。
【0042】<第2実施形態>次に、この発明の第2実
施形態について図11および図12を参照して説明す
る。図11(A)は、枠ランプ9を構成するLEDの配
置を示す説明図であり、図11(B)は、コーナー飾り
11を構成するLEDの配置を示す説明図である。図1
2(A)は、LEDの外観を示す斜視説明図であり、図
12(B)は、図12(A)に示すLEDを側面から見
た場合に各素子から光りが出射される様子を模式的に示
す説明図である。なお、この実施形態のパチンコ機1
は、前記メッセージM1の表示に加えてLEDを点灯ま
たは点滅させること以外は、前述の第1実施形態と同一
であるため、その同一部分の説明を省略する。
【0043】図11(A)に示すように、枠ランプ9の
内部には、横長の枠ランプ基板9aが設けられており、
その枠ランプ基板9aには、所定間隔置きにLED90
が複数個取付けられている。また、図11(B)に示す
ように、コーナー飾り11の内部には、コーナー飾り基
板11aが左右に1つずつ設けられており、各コーナー
飾り基板11aには、所定間隔置きにLED90がそれ
ぞれ複数個ずつ取付けられている。各LED90は、他
のLEDと共にランプ制御装置300の一部を構成して
おり、ランプ制御装置300に備えられたサブCPU
(図示せず)により点灯または点滅が制御される。図1
2(A)に示すように、LED90は、赤色発光素子9
2、緑色発光素子93および青色発光素子94の3つの
発光素子を、透明の樹脂97によりケース91内にモー
ルドすることによりチップ化されている。図12(B)
に示すように、各素子から出射された光は、樹脂97内
を拡散し、相互に混じり合い、赤、緑および青以外の光
を作り出すことができる。
【0044】つまり、赤色発光素子92、緑色発光素子
93および青色発光素子94が、光の3原色に対応して
おり、点灯させる発光素子の選択により、光の3原色以
外にも複数種類の色の光を作り出すことができる。ま
た、上記発光素子の選択に加えて、各発光素子の点灯の
タイミングおよび点灯時間の少なくとも一方を組み合わ
せて設定することにより、光の残像現象を利用すること
ができるため、見た目の発光色を様々に変化させること
ができる。メインCPU112は、前述の第1実施形態
において説明したRAMクリア処理(図8)のS18に
おいて、メッセージ表示コマンドを図柄制御装置32へ
送信するとともに、各LED90を所定の点灯パターン
で点灯させるためのLED点灯コマンドをランプ制御装
置300へ送信する。これにより、図柄表示器32a
は、前記メッセージM1を表示し、各LED90は、指
示された点灯パターンで点灯または点滅する。
【0045】[第2実施形態の効果]以上のように、第
2実施形態のパチンコ機1を使用すれば、RAMクリア
の指示が行われたときに、図柄表示器32aにより前記
メッセージM1を表示するとともに、各LED90を点
灯または点滅させることができるため、不正な手段によ
りRAMクリアの指示が行われたことをパチンコ機1か
ら離れた場所からでも知ることができる。したがって、
パチンコ店の者は、LED90が所定のパターンで点灯
または点滅しているパチンコ機を早期に発見し、そのパ
チンコ機により遊技をしている遊技者に対して注意を促
すことができる。
【0046】<他の実施形態> (1)RAMクリアの指示が行われたことをパチンコ店
の管理室などに設置されたコンピュータのモニタ画面に
表示することもできる。たとえば、パチンコ機の台番号
を示す表示と、RAMクリアの指示が行われたことを示
す表示とを対応付けて表示する。この構成を使用すれ
ば、どの台においてRAMクリアの指示が行われたの
か、一目瞭然に知ることができるため、その台で遊技を
している遊技者に対して迅速に注意を促すことができ
る。 (2)前記各実施形態では、RAMクリアスイッチ10
および電源スイッチ18を電源基板80に設けた構成を
説明したが、遊技盤5の右下、あるいは、主基板10
0、払出制御基板200などに設けることもできる。ま
た、RAMクリアスイッチ10を遊技者が操作すること
ができる個所に設けることもできる。この場合も、RA
Mクリアスイッチの操作によっては大当りを不正に発生
させることはできない。
【0047】(3)RAMクリアの指示が行われたとき
に、音声制御装置79により音を出力することもでき
る。たとえば、「ピー」などの電子音を出力し、警告す
ることもできる。また、前記メッセージM1などを合成
音声により出力することもできる。これらの構成を使用
すれば、遊技者の聴覚に訴えて注意することができる。 (4)前記メッセージM1の内容は、図3に示した内容
に限定されるものではない。また、タイマにセットする
時間は、20秒以外の時間に設定することもできる。た
とえば、大当り抽選用カウンタCt1がカウントするカ
ウント値が一巡するまでに要する時間とすれば、不正に
大当り値を狙い当られることのない必要充分な時間を容
易に得ることができる。 (5)RAMクリアスイッチのカバーを透光性を有する
材料により形成し、そのカバーの内部に、RAMクリア
スイッチを押したときに点灯するLEDを設けることも
できる。そして、そのLEDが点灯している間にもう一
度RAMクリアスイッチを押すと、RAMクリア処理が
実行され、RAMクリア処理が終了したときに上記LE
Dを消灯するように構成することもできる。また、上記
LEDが点灯している間にもう一度RAMクリアスイッ
チを押すと、その押したときから所定時間経過後にRA
Mクリア処理が実行され、RAMクリア処理が終了した
ときに上記LEDを消灯するように構成することもでき
る。これらの構成を使用すれば、図柄表示器32aに前
記メッセージM1を表示しなくても、LEDの点灯によ
り、RAMクリアスイッチが押されたことを確認するこ
とができるし、LEDの消灯により、RAMクリア処理
が終了したことを確認することができる。 (6)この発明は、第2種パチンコ機、第3種パチンコ
機にも適用することができる。また、第1種ないし第3
種パチンコ機のいずれか2つ以上を組み合わせて構成さ
れたパチンコ機にも適用することができる。さらに、ス
ロットマシン、雀球、アレンジボール、その他遊技場に
設置されている遊技機など、大当りかハズレかを抽選す
る機能を備えた遊技機に適用することができる。
【0048】[各請求項と実施形態との対応関係]大当
り抽選用カウンタCt1が、請求項1に記載のカウンタ
に対応し、第1種始動口27または両翼を開放した普通
電動役物47が所定の領域に対応する。第1種始動口ス
イッチ27aが検出手段に対応し、RAM116および
RAM216が遊技状態記憶手段に対応し、RAMクリ
アスイッチ10が消去手段に対応する。また、図柄表示
器32aが請求項2に記載の報知手段に対応する。そし
て、メインCPU112が実行する特別図柄制御のS6
6〜S74(図10)が、請求項1に記載の抽選手段と
して機能し、RAMクリア処理のS24(図8)が消去
手段として機能する。また、第1種始動口処理のS42
(図9)が禁止手段として機能するとともに、請求項3
または請求項4に記載の禁止処理に対応する。また、S
42を含む処理を実行するためのコンピュータプログラ
ムが、請求項3に係るコンピュータプログラムに対応
し、そのコンピュータプログラムが記録されたROM1
14が請求項4に係る記録媒体に対応する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る実施形態のパチンコ機の外観を
示す斜視説明図である。
【図2】図1に示すパチンコ機1に備えられた遊技盤5
の主要構成を示す正面説明図である。
【図3】図2に示す遊技盤5に備えられた図柄表示器3
2aにメッセージが表示された状態を示す正面説明図で
ある。
【図4】パチンコ機1の電気的構成をブロックで示す説
明図である。
【図5】図柄制御装置32の電気的構成をブロックで示
す説明図である。
【図6】電源基板80の周辺の構成を示す説明図であ
る。
【図7】大当り抽選用カウンタの説明図である。
【図8】メインCPU112が実行するRAMクリア処
理の流れを示すフローチャートである。
【図9】メインCPU112が実行する第1種始動口処
理の流れを示すフローチャートである。
【図10】メインCPU112が実行する特別図柄制御
の流れを示すフローチャートである。
【図11】図11(A)は、枠ランプ9を構成するLE
Dの配置を示す説明図であり、図11(B)は、コーナ
ー飾り11を構成するLEDの配置を示す説明図であ
る。
【図12】図12(A)は、LEDの外観を示す斜視説
明図であり、図12(B)は、図12(A)に示すLE
Dを側面から見た場合に各素子から光りが出射される様
子を模式的に示す説明図である。
【図13】従来のパチンコ機の主要構成を示す正面説明
図である。
【図14】図14(A)は、図13に示すパチンコ機に
備えられた第1種始動口と第1種始動口スイッチとの配
置関係を示す説明図であり、図14(B)は、図13に
示すパチンコ機の電気的構成の一部をブロックで示す説
明図である。
【図15】不正行為が行われた回路の一例を示す説明図
である。
【符号の説明】
1 パチンコ機(遊技機) 10 RAMクリアスイッチ(消去手段) 27 第1種始動口(所定の領域) 27a 第1種始動口スイッチ(検出手段) 32a 図柄表示器(報知手段) 112 メインCPU112 114 ROM(記録媒体) 116 RAM(遊技状態記憶手段) 216 RAM(遊技状態記憶手段) Ct1 大当り抽選用カウンタ(カウンタ)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カウンタと、 遊技盤に発射された遊技球が所定の領域を通過したこと
    を検出する検出手段と、 この遊技機に供給されている電源が遮断された際に遊技
    状態を記憶する遊技状態記憶手段と、 前記検出手段により前記遊技球が前記所定の領域を通過
    したことが検出されたときに前記カウンタのカウント値
    を取得するとともに、その取得したカウント値に基づい
    て大当りかハズレかを抽選する抽選手段と、 前記カウンタがカウントを開始するときの値を初期値に
    戻すとともに、前記遊技状態記憶手段に記憶されている
    遊技状態を消去する消去手段とを備えており、 前記電源の供給が再開された際に前記遊技状態記憶手段
    に記憶されている遊技状態に基づいて遊技を再開可能な
    遊技機であって、 前記消去手段が実行されてから所定時間は、前記抽選手
    段が前記カウンタのカウント値を取得することを禁止す
    る禁止手段を備えたことを特徴とする遊技機。
  2. 【請求項2】 前記消去手段が実行されてから所定時間
    は、前記抽選手段による抽選が行われないことを報知す
    る報知手段を備えた特徴とする請求項2に記載の遊技
    機。
  3. 【請求項3】 カウンタと、遊技盤に発射された遊技球
    が所定の領域を通過したことを検出する検出手段と、こ
    の遊技機に供給されている電源が遮断された際に遊技状
    態を記憶する遊技状態記憶手段と、前記検出手段により
    前記遊技球が前記所定の領域を通過したことが検出され
    たときに前記カウンタのカウント値を取得するととも
    に、その取得したカウント値に基づいて大当りかハズレ
    かを抽選する抽選手段と、前記カウンタがカウントを開
    始するときの値を初期値に戻すとともに、前記遊技状態
    記憶手段に記憶されている遊技状態を消去する消去手段
    と、この消去手段が実行されてから所定時間は、前記抽
    選手段が前記カウンタのカウント値を取得することを禁
    止する禁止手段とを備えており、前記電源の供給が再開
    された際に前記遊技状態記憶手段に記憶されている遊技
    状態に基づいて遊技を再開可能な遊技機をコンピュータ
    により機能させるためのコンピュータプログラムであっ
    て、 前記禁止手段として機能するコンピュータが、前記消去
    手段が実行されてから所定時間は、前記抽選手段が前記
    カウンタのカウント値を取得することを禁止する禁止処
    理を含む処理を実行するためのコンピュータプログラ
    ム。
  4. 【請求項4】 カウンタと、遊技盤に発射された遊技球
    が所定の領域を通過したことを検出する検出手段と、こ
    の遊技機に供給されている電源が遮断された際に遊技状
    態を記憶する遊技状態記憶手段と、前記検出手段により
    前記遊技球が前記所定の領域を通過したことが検出され
    たときに前記カウンタのカウント値を取得するととも
    に、その取得したカウント値に基づいて大当りかハズレ
    かを抽選する抽選手段と、前記カウンタがカウントを開
    始するときの値を初期値に戻すとともに、前記遊技状態
    記憶手段に記憶されている遊技状態を消去する消去手段
    と、この消去手段が実行されてから所定時間は、前記抽
    選手段が前記カウンタのカウント値を取得することを禁
    止する禁止手段とを備えており、前記電源の供給が再開
    された際に前記遊技状態記憶手段に記憶されている遊技
    状態に基づいて遊技を再開可能な遊技機をコンピュータ
    により機能させるためのコンピュータプログラムが記録
    された記録媒体であって、 前記禁止手段として機能するコンピュータが、前記消去
    手段が実行されてから所定時間は、前記抽選手段が前記
    カウンタのカウント値を取得することを禁止する禁止処
    理を含む処理を実行するためのコンピュータプログラム
    が記録された記録媒体。
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JP2010155169A (ja) * 2010-04-16 2010-07-15 Fujishoji Co Ltd 遊技機

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