JP2003265057A - 養液栽培装置、養液栽培方法、及び養液栽培プラント - Google Patents

養液栽培装置、養液栽培方法、及び養液栽培プラント

Info

Publication number
JP2003265057A
JP2003265057A JP2002076326A JP2002076326A JP2003265057A JP 2003265057 A JP2003265057 A JP 2003265057A JP 2002076326 A JP2002076326 A JP 2002076326A JP 2002076326 A JP2002076326 A JP 2002076326A JP 2003265057 A JP2003265057 A JP 2003265057A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nutrient solution
bed
hydroponic
water
plants
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002076326A
Other languages
English (en)
Inventor
Masayoshi Yamane
正義 山根
Kunio Ogawa
国男 小川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
EAGLE JAPAN KK
YAMANE NOBOKUJO KK
Original Assignee
EAGLE JAPAN KK
YAMANE NOBOKUJO KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by EAGLE JAPAN KK, YAMANE NOBOKUJO KK filed Critical EAGLE JAPAN KK
Priority to JP2002076326A priority Critical patent/JP2003265057A/ja
Publication of JP2003265057A publication Critical patent/JP2003265057A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • Y02P60/216

Landscapes

  • Cultivation Of Plants (AREA)
  • Hydroponics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】各種の植物が充分に生育できると共に、収穫量
を多くするのに適した養液栽培装置を提供することを目
的とする。 【解決手段】養液栽培装置は、植物の生育が行なわれる
ベッド40に対し、養液が循環供給されるように配設さ
れる循環路43と、この循環路43に設けられ、養液を
循環させる循環ポンプ45とを有している。そして、循
環路43を流れる養液の一部を分岐させる分岐路50を
設け、この分岐路50に、分岐された養液に酸素を供給
すると共に養液を活性化するよう、エアレーション53
と活水器55を具備した水処理装置60を設け、ここで
水処理された養液を前記ベッドに供給することを特徴と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トマト、きゅう
り、かぼちゃ等の果菜類、ほうれん草、レタス、キャベ
ツ等の葉菜類など、各種の植物を生育するのに適した養
液栽培装置、養液栽培方法、及びそのような植物の生育
を行なうための養液栽培プラントに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、上記した各種の植物を養液栽培
(水耕栽培と称することもある)にて栽培することが行
なわれている。養液栽培は、環境の調節が可能な室内
(温室ハウス)で行なわれており、露地栽培に比べて、
自然条件に左右されないこと、環境が調節しやすく安定
した収穫が見込まれること、農薬の使用量を少なくでき
ること等の利点があり、従来から様々な方式が提案さ
れ、又実施されている。
【0003】このような水耕栽培の一方式として、湛液
型の養液栽培が知られている。この湛液型の養液栽培
は、一般的に、植物の生育が行なわれる栽培槽(以下、
ベッドとする)に、養液槽に湛水された培養液(以下、
養液とする)を循環ポンプで連続的、又は完結的に循環
させると共に、この循環経路において、溶存酸素の富化
を図ることが行なわれている。すなわち、このような養
液栽培に用いられる養液は、植物が成長するにあたって
充分な栄養分及び水分を含んでおり、さらに、根の呼吸
作用が充分に成されるように、養液中に多量の酸素を溶
存させている。
【0004】通常、溶存酸素の富化を図る方法として、
上記した養液栽培では、ベッドから貯水槽に培養液を自
然流下させると共にポンプで循環させて、攪拌作用によ
って酸素を取り込み易くしたり、吐出ポンプによって培
養液をベッド上の水面に強く吹き付けて酸素を取り込み
易くしたり、或いは複数のベッドの養液を複数のポンプ
を使用して交互に流出/流入させ、その水流作用で酸素
を広い水面から取り込む等、様々な手段が用いられてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
の養液栽培装置では、水に含有させる栄養素を種々変化
させて、養液の性質の向上を図るという概念はあるもの
の、養液中の酸素を富化することを始めとして、養液を
最適な状態にコントロールするという概念は存在せず、
植物が成長して行く上で、最適な環境が実現されていな
い。すなわち、従来の養液栽培装置では、養液が充分に
コントロールされていないことに起因して(これは各種
の栄養素を含有させる水の環境作りが充分でないと考え
られる)、生育中に病気にかかり易い、最終製品の栄養
価が乏しい、収穫量が少ない、等の問題が生じている。
特に、従来の養液栽培装置では、キャベツ、レタスのよ
うな野菜(結球性野菜)を、栄養価が高く、最終的に結
球するように育成することができておらず、これは、用
いられる養液のコントロールが十分なされておらず、加
えて周囲の環境設定が充分にコントロールされていない
ことが起因しているものと考えられる。
【0006】また、従来の養液栽培装置では、養液中の
酸素の富化を図る手段が大掛かりなものとなってしま
い、動力費も多く掛かってしまう。さらに、これに伴っ
て、従来の養液栽培プラントでは、全体としてランニン
グコストが高くなってしまい、最終製品も割高になって
しまうという問題がある。
【0007】本発明は、上記した問題に基づいて成され
たものであり、各種の植物が充分に生育できると共に、
収穫量を多くするのに適した養液栽培装置、及び養液栽
培方法を提供することを目的とする。また、本発明は、
安価なランニングコストで、そのような植物を育成でき
る養液栽培プラントを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、養液栽培
において、植物が最も成長するのは養液の環境をコント
ロールすることである、という従来では考慮されていな
かった点に着目して、本発明を着想するに至ったのであ
る。すなわち、養液栽培においては、植物の根が成長、
生育、代謝するためには、必要な栄養素に加え、最も適
切な養液温度、流量(流速)、Eh(ORP;酸化還元
電位)、溶存酸素量等があると考えられ、これらは、植
物の種類によって多少の違いはあるものの、略一定の範
囲内となるように養液コントロールすることで、植物は
最大限成長できると考えられる。
【0009】例えば、植物の根が成長、代謝するために
は、最も好む養液温度があると考えられ、これは各種の
作物によって多少の違いはあるものの、それは、概ね1
8〜23度であり、この温度環境を常に実現すること
で、成長、代謝が常時最大限に行なわれるようになる。
また、水耕栽培においても、植物の根に対して、土耕栽
培における固相中で受けるプラスストレスが重要な要件
と考えられ、このような適切なプラスストレスが得られ
るように、養液に一定の流れ(8〜12cm/s)を作
り出すようにしている。また、養液栽培においては、新
しい概念となるEhの数値によって、養液中の生物的環
境を判断し、これを適切な数値(200〜300mV)
に制御することで、バクテリア有用細菌等の合成、分
解、循環のための最適な環境を保つようにしている。ま
た、溶存酸素量を増大する(8〜11ppm、好ましく
は9ppm以上)ことで、土耕栽培の気相条件よりも、
植物にとって遥かに適した条件を作り出すようにしてい
る。
【0010】そして、本発明では、上記のような養液コ
ントロールが容易に実現できるように水の環境作りを行
い、これによって、植物にとって代謝が常時最大限行な
われるような環境を実現するようにしている。
【0011】具体的に、本発明に係る養液栽培装置は、
植物の生育が行なわれるベッドに対し、養液が循環供給
されるように配設される循環路と、この循環路に設けら
れ、養液を循環させる循環ポンプとを有し、前記循環路
を流れる養液の一部を分岐させる分岐路を設け、この分
岐路に、分岐された養液に酸素を供給すると共に養液を
活性化するよう、エアレーションと活水器を具備した水
処理装置を設け、ここで水処理された養液を前記ベッド
に供給することを特徴とする。
【0012】このような構成によれば、ベッドに対して
循環している養液は、常時、その一部が分岐して取り出
され、その分岐された養液は、活水器によって、その分
子集団(クラスター)がより小さく活性化されることか
ら、エアレーションを介しての酸素が従来よりも遥かに
取り込み易くなり、この結果、健全で活力ある植物の生
育、成長を促がす養液が生成されるようになる。そし
て、このように処理された養液は、通常のベッドを循環
する養液に加えてベッドに供給されることから、分岐量
を適切に設定(処理量を設定)することにより、ベッド
内に流れる養液を最適な状態にコントロールすることが
行なえるようになる。このように、養液が、常時、最適
な状態にコントロールされることで、栄養価の高い植物
を多量に収穫できるようになる。また、養液として使用
される水が水道水の場合、上記した活水器を利用するこ
とで、残留している塩素が効果的に除去されることか
ら、残留塩素によって生物的環境がダメージを受けるこ
とを回避することが可能となる(植物の成長にとって有
用となるバクテリア、細菌等が除去されない)。
【0013】この場合、具体的にベッド内に流れる養液
は、少なくとも、酸化還元電位が200〜300mV、
好ましくは200〜250mV、溶存酸素量が8〜11
ppm、好ましくは9ppm以上、流速が8〜12cm
/s、好ましくは10cm/s、温度を18〜23度、
好ましくは20〜21度に制御することで、栽培作物の
根をより効果的に育成することが可能となる。すなわ
ち、このような養液コントロールは、上記したような水
処理装置によって、容易に実現することが可能となる。
【0014】また、上記した目的を達成するために、本
発明に係る養液栽培プラントは、植物の生育が行なわれ
るベッドを多数収容すると共に、各ベッドに対し、養液
が循環供給されるように配設される循環路と、この循環
路に設けられ、養液を循環させる循環ポンプと、前記ベ
ッド内の養液の流速を制御する制御手段とが配設される
温室と、前記循環路を流れる養液を分岐させる分岐路
に、循環する養液に酸素を供給すると共に養液を活性化
するように配設される、エアレーションと活水器を具備
した水処理装置と、ボイラによって加熱された温水が循
環するように、前記温室の周囲に沿って配設されるヒー
トパイプとを有することを特徴とする。
【0015】このような構成の養液栽培プラントによれ
ば、上述したように、健全で活力ある植物の生育、成長
を促がす養液が循環して、栄養価の高い植物を多量に収
穫できるようになり、さらには、温水が流れるヒートパ
イプを周囲に配設して内部の温度管理を行なうことか
ら、そのランニングコストの低減が図れるようになる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい一実施形
態について、添付図面を参照しながら具体的に説明す
る。図1は、養液栽培プラントの外観を示す図であり、
夫々異なるタイプのベッドを収容した状態を示す図であ
る。
【0017】各プラントA,B,Cは、ハウス(温室)
1を備えており、各ハウス内には、多数のベッドが収容
されている。この場合、プラントA内には、二段式のベ
ッド5及び6、三段式のベッド7、四段式のベッド8が
収容されている。また、プラントB内には、全て単段式
のベッド9が収容されており、両サイドのベッド以外
は、後述するように、ドーム10が取付けられ、ベッド
内をハウス内とは異なる環境に設定することができるよ
うに構成されている。また、プラントC内には、単段式
のベッド12と四段式のベッド15が収容されており、
ベッド12には、長手方向に沿って所定間隔をおいて、
コの字型のフレーム12aが配設されている。
【0018】このように、ハウス内には、夫々異なる植
物が生育できるように多段式に構成されたベッド、トマ
トやきゅうりのように匍匐性植物の栽培に適するように
構成されたベッド、発芽、発根するのに適した構成のベ
ッド等、様々な構成のベッドが収容されており、1つの
ハウス内で、複数種類の植物、或いは成長度合いの異な
る植物を生育できるように構成されている。なお、ハウ
ス内に収容されるベッドは、その長手方向が南北に沿う
ように配列することが好ましく、このような配列によっ
て、太陽の光を充分に植物に照射することが可能とな
る。また、ハウス内に収容されるベッド構造について
は、そこで育成する植物に応じて、適宜変形することが
可能である。
【0019】上記したように、1つのハウス内で多品種
の植物を栽培できるのは、植物にとって、その根が最も
成長、代謝し易いような環境設定を行なうことに起因す
るものであり、この環境設定は、主として、ベッド内を
循環する養液を後述するようにコントロールすることに
よって達成することが可能となる。すなわち、従来の養
液栽培の考え方は、一般的に、植物の成長状態を観察し
ながら、循環させる養液に含有させる栄養素をコントロ
ールする等の手法が採用されていたが、本発明において
は、植物にとって、最も根が成長し易い環境(水環境作
り、及びそれに伴なう養液コントロール)を与え、その
環境下で生育させることを基本概念としている。
【0020】図2〜図5は、上記した養液栽培プラント
の内、プラントCに収容されているベッド12の構成を
示す図であり、図2は斜視図、図3は平面図、図4は養
液が入った状態の縦断面図、そして図5は、ベッドに被
せられるカバーに保持されるポットの構成を示す図であ
る。
【0021】ベッド12は、所定長さを有する槽状に形
成されており、4隅に設けられた各脚部15にはアジャ
スタ16が設けられ、ベッド自体が水平に保たれるよう
に構成されている。このようにベッド自体を水平に保つ
のは、ベッドが水平に保たれていないと、中に流れる養
液Rの滞留が生じてしまい、そのコントロールが困難に
なって、作物生産に被害を与えてしまうからである。す
なわち、ベッドの中の養液が滞留を起こすと、その部分
の養液は還元状態を過ぎて腐敗してしまい、底から、全
体の養液に病害を起こす有害細菌やバクテリアが放散さ
れ、生産作物に多大な被害を与えてしまう。
【0022】ベッド12の一端側には、養液、及び循環
水が供給される供給パイプ18(養液用、循環水用が別
々に設けられていても良い)が設けられており、その他
端側には、ベッドの下面から養液を排出する排出パイプ
20が設けられている。
【0023】ベッド12の上面には、その開口を覆うよ
うに、多数の円形開口22aが形成された板状のプレー
ト(ポット保持部材)22が覆い被せられる。各円形開
口には、図4及び図5に示すように、植物が生育される
ポット25が係止されるようになっている。
【0024】ポット25は、養液が流通できるように、
その表面部分に多数の開口25aが形成されており、表
面部分が全体として格子状に形成されている。また、そ
の上端開口部分には、係止部25bが形成されており、
この係止部25bが円形開口22aの周囲に載せられる
ことで、ポット25は、本体部分の下端(約3cm程
度)が養液Rに浸るように保持される。この場合、ポッ
ト25内には、環境を考慮してフェノール樹脂発泡体
(オアシス成型培地)等、植物の支持体となる培地27
が収容され、そこで生育される植物の根部が養液内で成
長するようになる。
【0025】ベッド12の両サイドには、所定間隔をお
いてコの字型のフレーム12aが配設されており、この
フレームを利用して、成長する茎を誘引するための誘引
部材(紐)を結びつけることが可能となっている。
【0026】図6及び図7は、上記した養液栽培プラン
トの内、プラントBに収容されているベッド9の構成を
示す図であり、図6は正面図、図7は側面図である。ベ
ッド9は、所定長さを有する槽状に形成されており、4
隅に設けられた各脚部15にはアジャスタ16が設けら
れ、ベッド自体が水平に保たれるように構成されてい
る。また、ベッド9の一端側には、養液、及び循環水が
供給される供給パイプ18a,18bが設けられてお
り、その他端側には、ベッドの下面から養液を排出する
排出パイプ20が設けられている。
【0027】また、ベッド9の周囲には、フレーム9a
が配設されており、このフレーム9aにビニル等によっ
て形成されたシートを装着することで、ベッド9内をハ
ウス内とは異なる環境に変えるドーム10が形成される
ようになっている。このドーム10は、ベッド9の両サ
イドに設けられている巻上げ装置10aを操作すること
で、収納可能に構成されている。
【0028】そして、ドーム10の一端部には、温風も
しくは冷風をドーム内に導入できるように温度調節装置
(図示せず)に連結されたダクト10cが、他端部に
は、加湿装置(図示せず)に連結された加湿用のダクト
10dが設けられており、ドーム内をハウスの内部とは
異なる環境に設定できるように構成されている。すなわ
ち、このようなベッド構造によれば、同一のハウス内で
あっても、ドーム内の環境を変えることが可能となり、
異なる種類の植物を栽培することが可能となる。
【0029】図8は、ハウス内に収容されているベッド
に対して、水の環境を整えると共に必要な栄養素を混入
した養液を供給するシステムの全体構成の一例を示した
図である。ハウス30内には、上述したように構成され
る多数のベッド40(多段式に構成されていても良い)
が収容されており、夫々のベッド40には、養液が循環
する循環路43が接続されている。循環路43には、循
環ポンプ45が接続されており、実際に養液が循環路内
を循環できるように構成されている。この循環路43に
は、外部の水源47(井戸水、水道水等)から水が供給
されるようになっており、その途中の部分で、養液供給
部49から、各種栄養素を含んだ原液が供給されるよう
になっている。
【0030】また、循環路43は、その一部が分岐され
ており、その分岐路50には、循環する養液に酸素を供
給するエアレーション53と、養液を活性化する活水器
55を具備した水処理装置60が設けられている。そし
て、この分岐路50に配設された水処理装置60で処理
された養液は、循環路で循環する養液とは別の経路で各
ベッドに対して供給されるようになっている。
【0031】この場合、水処理装置内のエアレーション
53と活水器55は、直列的に接続されると共に、還流
路50aを介して、水処理される養液を水処理装置内で
循環させるようになっている。
【0032】前記エアレーション53は、循環する養液
に対して、空気を強制的に含有させるように機能するも
のであれば良く、例えば、図9に示すような簡易な構成
のものを用いることが好ましい。図9に示すエアレーシ
ョン53は、分岐経路を構成している配管に対して、同
軸状にそのまま介在できるように、両端部に、配管に接
続される結合ネジ53aが形成されており、養液の流れ
る部分は、流通方向に沿って、順に小径部53b、拡径
部53c、大径部53dを備えて構成されている。そし
て、拡径部53cには、空気を取り込むための空気流入
孔53eが形成されている(空気流入孔は複数個形成さ
れていても良い)。
【0033】すなわち、このようなエアレーション構造
によれば、小径部53bにて高圧状態にされた養液は、
拡径部53cを介して大径部53dに流出する際に、単
位体積あたりの圧力が急激に低下するため、この境界領
域で外部から空気を取り込み易い状態となる。従って、
拡径部53cに空気流入孔53eを形成しておくこと
で、養液内に酸素を溶け込ませ易くなる。
【0034】また、水処理装置60内で循環する養液
は、エアレーションに対して直列的に配設される活水器
55によって活性化、すなわち分子集団(クラスター)
がより小さい状態に改質されているため、酸素と結合し
易い状態になっており、その溶存酸素量を容易に向上す
ることが可能となる。この場合、活水器55は、処理水
の分子集団をより小さく改質できるようにするものであ
れば良く、その構成については、特に限定されることは
ない。例えば、遠赤外線効果を利用したり、磁場効果を
利用して、処理水を活性化、イオン化するようなもので
あれば良い。
【0035】なお、上記した構成では、エアレーション
53の空気流入孔53eに対して、エアポンプ54によ
って強制的に空気を送り込むようにすることが好まし
く、これにより、更に溶存酸素の量を向上することが可
能となる。また、エアレーショ53に対して、ポンプ5
8を併設しておくことが好ましく、養液を効率的に活水
器55に送り込みや易くすることが可能となる。また、
水処理装置60内におけるエアレーションと活水器の配
列方法については、適宜変形することが可能である。
【0036】各ベッド40には、上記したように、水処
理装置60にて処理された養液が流れ込むための入力部
40aと、通常に循環する養液が流れ込むための入力部
40bが設けられており、各入力部には、例えばバルブ
のような、流量を制御するための流量制御手段が設けら
れ、ベッド内に流れる養液の流速を植物にとって最適な
状態となるように制御可能にしている。この場合、水処
理された養液を、各ベッドにおいて、入力部40bに接
続させてベッドに供給しても良い。
【0037】上記したように、各ベッド40に対して、
養液を循環させる循環路43に、その流れの一部を分岐
させる分岐路50を設け、循環養液の一部を抽出して、
エアレーション及び活水器を用いて水処理することで、
各ベッドに供給される養液の酸化還元電位、溶存酸素
量、更にはミネラル成分の含有量(電気伝導度)を最適
な状態にコントロールすることが容易になる。すなわ
ち、水の基本性質を変えることで、上記した各種要件を
容易に実現することが可能になると共に、水処理装置6
0の性能に応じて、分岐路50への分岐流量を適宜調整
することで、最適な養液コントロールを行なうことが可
能となる。また、上記した水処理装置のように、エアレ
ーションと活水器の間に還流路を設けたことで、安定し
た水処理を行うことが可能となり、結果として、各ベッ
ドに供給される処理養液水を、より正確にコントロール
することが可能となる。
【0038】また、各ベッド40の底部には、循環パイ
プ65が配設されており、各ベッド40の循環パイプ
に、冷却部66で冷却された冷却水が流れることで、植
物にとって最適な養液温度となるように制御可能に構成
されている。もちろん、循環パイプ65には、温水が流
れるように構成しても良い。
【0039】この場合、ベッド内に流れる養液の流速及
び温度を検知するセンサを設けておき、夫々が、目標設
定値からずれたことを検出した場合に、バルブの開放量
や冷却部の温度を制御するように構成することが好まし
い。
【0040】具体的に、ベッドに流れる養液は、上述し
た装置等を用いて、酸化還元電位が200〜300m
V、好ましくは200〜250mV、溶存酸素量が8〜
11ppm、流速が8〜12cm/s、好ましくは10
cm/sとなるように制御し、かつ養液温度を18〜2
3度、好ましくは20〜21度となるように制御するこ
とで、栽培作物の根をより効果的に育成することが可能
となる。
【0041】上記したハウス30には、必要に応じて、
その内部の温度を一定の高温度に制御可能にするボイラ
70が配設される。この場合、ハウス30には、その周
囲に沿って、内部に温水路が形成され、その外部に作動
油が満たされた放熱部が形成された断面二重構造のヒー
トパイプ71が配設されており、その温水路に、ボイラ
70によって暖められた温水を流すことで、ハウス内の
温度が一定となるように制御できるように構成されてい
る。このように、温水が流れるヒートパイプを配設して
内部の温度管理を行なうことから、そのランニングコス
トの低減が図れるようになる。
【0042】なお、ボイラとしては、廃油や古タイヤ等
を燃焼することで、温水を生成できる形式のものを用い
ることが好ましい。すなわち、このようなボイラ(廃油
燃焼型、古タイヤ燃焼型)を用いることにより、プラン
ト自体の稼動コストを低減することができるようにな
る。
【0043】
【発明の効果】以上のように構成された養液栽培装置、
養液栽培方法、及び養液栽培プラントによれば、ベッド
に循環される養液の一部を分岐させて、その分岐された
養液を、活水器、及びエアレーションに通過させ、これ
をベッドに供給することで、ベッド内の養液の溶存酸素
量、酸化還元電位等を最適な状態にコントロールし易く
なることから、植物にとって最も育成しやすい養液の環
境を作り出すことが容易に行なえるようになる。
【0044】また、本発明のプラント構成によれば、溶
存酸素の富化が容易に行なえることから、エアレーショ
ンの構成を簡略化することができ、プラント全体のラン
ニングコストを低減することが可能となる。さらに、温
水が流れるヒートパイプを配設して内部の温度管理を行
なうことから、そのランニングコストの低減が図れるよ
うになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】養液栽培プラントの外観を示す図。
【図2】図1に示す養液栽培プラントに収容されるベッ
ドの一構成例を示す斜視図。
【図3】図2に示すベッドの平面図。
【図4】図2に示すベッドの側面図。
【図5】図2に示すベッドに保持されるポットの拡大
図。
【図6】図1に示す養液栽培プラントに収容されるベッ
ドの別の構成例を示す正面図。
【図7】図6に示すベッドの側面図。
【図8】ハウス内に収容されているベッドに対して、養
液等を供給するシステムの全体構成の一例を示す図。
【図9】エアレーションの一構成例を示す斜視図。
【符号の説明】
1,30 ハウス(温室) 5〜9,12,15,40 ベッド 10 ドーム 53 エアレーション 55 活水器 60 水処理装置 70 ボイラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2B314 MA12 MA23 MA30 MA33 MA39 MA40 NC11 NC14 NC23 NC24 ND06 PB08 PB44 PB64 PC09 PC26 PD35 PD43 PD50

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 植物の生育が行なわれるベッドに対し、
    養液が循環供給されるように配設される循環路と、この
    循環路に設けられ、養液を循環させる循環ポンプとを有
    し、 前記循環路を流れる養液の一部を分岐させる分岐路を設
    け、この分岐路に、分岐された養液に酸素を供給すると
    共に養液を活性化するよう、エアレーションと活水器を
    具備した水処理装置を設け、ここで水処理された養液を
    前記ベッドに供給することを特徴とする養液栽培装置。
  2. 【請求項2】 前記水処理装置は、前記エアレーション
    と活水器の間を還流させる還流路を有することを特徴と
    する請求項1に記載の養液栽培装置。
  3. 【請求項3】 前記各ベッドは、そこを流れる養液の流
    速を制御するように流速制御手段が接続されていること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の養液栽培装置。
  4. 【請求項4】 前記ベッド内を流れる養液は、少なくと
    も、酸化還元電位が200〜300mV、好ましくは2
    00〜250mV、溶存酸素量が8〜11ppm、流速
    が8〜12cm/s、好ましくは10cm/sに制御さ
    れることを特徴とする請求項3に記載の養液栽培装置。
  5. 【請求項5】 前記エアレーションは、前記分岐路を構
    成する配管に同軸状に取付けられると共に、養液の流れ
    る部分が流通方向に沿って、順に小径部、拡径部、大径
    部を備えており、 前記拡径部には、空気を取り込む空気流入孔が形成され
    ていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項
    に記載の養液栽培装置。
  6. 【請求項6】 前記空気流入孔には、エアポンプで空気
    が供給されることを特徴とする請求項5に記載の養液栽
    培装置。
  7. 【請求項7】 前記ベッドの底部には、ベッド内を流れ
    る養液の温度を制御するように、制御水が循環する循環
    パイプが配設されていることを特徴とする請求項1乃至
    6のいずれか1項に記載の養液栽培装置。
  8. 【請求項8】 前記養液の温度は、18〜23度、好ま
    しくは20〜21度に制御されることを特徴とする請求
    項7に記載の養液栽培装置。
  9. 【請求項9】 植物の生育が行なわれるベッドに対し、
    養液を循環供給することで植物の生育を行なう養液栽培
    方法であり、前記ベッドに供給される養液を、少なくと
    も、酸化還元電位が200〜300mV、好ましくは2
    00〜250mV、溶存酸素量が8〜11ppm、流速
    が8〜12cm/s、好ましくは10cm/s、温度を
    18〜23度、好ましくは20〜21度に制御すること
    を特徴とする養液栽培方法。
  10. 【請求項10】 植物の生育が行なわれるベッドを多数
    収容すると共に、各ベッドに対し、養液が循環供給され
    るように配設される循環路と、この循環路に設けられ、
    養液を循環させる循環ポンプと、前記ベッド内の養液の
    流速を制御する制御手段とが配設されるハウスと、 前記循環路を流れる養液を分岐させる分岐路に、循環す
    る養液に酸素を供給すると共に養液を活性化するように
    配設される、エアレーションと活水器を具備した水処理
    装置と、 ボイラによって加熱された温水が循環するように、前記
    ハウスの周囲に沿って配設されるヒートパイプとを有す
    ることを特徴とする養液栽培プラント。
  11. 【請求項11】 前記エアレーションは、前記分岐路を
    構成する配管に同軸状に取付けられると共に、養液の流
    れる部分が流通方向に沿って、順に小径部、拡径部、大
    径部を備え、 前記拡径部には、空気を取り込む空気流入孔が形成され
    ていることを特徴とする請求項10に記載の養液栽培プ
    ラント。
  12. 【請求項12】 前記温室内に配設されるベッドの内、
    少なくとも一部は、そのベッド内の温度、及び湿度が、
    前記ハウス内とは異なる環境に制御可能にするドームに
    よって覆われることを特徴とする請求項10又は11に
    記載の養液栽培プラント。
JP2002076326A 2002-03-19 2002-03-19 養液栽培装置、養液栽培方法、及び養液栽培プラント Pending JP2003265057A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002076326A JP2003265057A (ja) 2002-03-19 2002-03-19 養液栽培装置、養液栽培方法、及び養液栽培プラント

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002076326A JP2003265057A (ja) 2002-03-19 2002-03-19 養液栽培装置、養液栽培方法、及び養液栽培プラント

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003265057A true JP2003265057A (ja) 2003-09-24

Family

ID=29205130

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002076326A Pending JP2003265057A (ja) 2002-03-19 2002-03-19 養液栽培装置、養液栽培方法、及び養液栽培プラント

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003265057A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007004438A1 (ja) * 2005-07-05 2007-01-11 Masayoshi Yamane 育苗ポット及び水耕栽培装置
JP2008061602A (ja) * 2006-09-08 2008-03-21 Osaka Prefecture Univ 植物の挿し木苗の育苗方法
CN101843211A (zh) * 2010-03-29 2010-09-29 刘镇基 一种无菌生物根芽培育方法
KR101102733B1 (ko) 2009-10-30 2012-01-05 황용수 가정용 식물 재배 장치
JP2013111046A (ja) * 2011-11-30 2013-06-10 Hiroshi Kamiyama 水耕栽培装置及び水耕栽培方法
WO2015072076A1 (ja) 2013-11-01 2015-05-21 高橋 廣介 植物栽培システム、植物栽培装置及び植物栽培方法
JP2015216854A (ja) * 2014-05-14 2015-12-07 栗田エンジニアリング株式会社 培養液の浄化方法及び浄化装置
JP2018038422A (ja) * 2017-11-09 2018-03-15 基広 山根 植物栽培システム、植物栽培装置及び植物栽培方法

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007004438A1 (ja) * 2005-07-05 2007-01-11 Masayoshi Yamane 育苗ポット及び水耕栽培装置
JP2008061602A (ja) * 2006-09-08 2008-03-21 Osaka Prefecture Univ 植物の挿し木苗の育苗方法
KR101102733B1 (ko) 2009-10-30 2012-01-05 황용수 가정용 식물 재배 장치
CN101843211A (zh) * 2010-03-29 2010-09-29 刘镇基 一种无菌生物根芽培育方法
JP2013111046A (ja) * 2011-11-30 2013-06-10 Hiroshi Kamiyama 水耕栽培装置及び水耕栽培方法
WO2015072076A1 (ja) 2013-11-01 2015-05-21 高橋 廣介 植物栽培システム、植物栽培装置及び植物栽培方法
EP3064057A4 (en) * 2013-11-01 2017-06-21 Takahashi, Hirosuke Plant cultivation system, plant cultivation device, and plant cultivation method
JP2015216854A (ja) * 2014-05-14 2015-12-07 栗田エンジニアリング株式会社 培養液の浄化方法及び浄化装置
JP2018038422A (ja) * 2017-11-09 2018-03-15 基広 山根 植物栽培システム、植物栽培装置及び植物栽培方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102288582B1 (ko) 아쿠아포닉스 시스템과 이를 이용한 사육 재배 방법
WO2015072076A1 (ja) 植物栽培システム、植物栽培装置及び植物栽培方法
KR101026265B1 (ko) 가정용 수족관 겸용 수경재배장치
US20170027112A1 (en) Modular indoor farm
KR101941891B1 (ko) 아쿠아포닉스 인삼 재배 시스템
JP2011177130A (ja) 水耕栽培システム及び水耕栽培方法
KR20210085536A (ko) 새싹 인삼 재배 시스템 및 방법
JP2008131909A (ja) 完全制御型植物工場
KR20160136923A (ko) 이동식 청사료 및 식물 수경재배 시스템
KR101902360B1 (ko) 간접식 근권온도 제어용 쿨링수조와 양액을 희석한 담수재배용기를 포함한 새싹 인삼 재배용 담수식 수경재배 시스템
KR20160108055A (ko) 수경재배장치
CN102524038A (zh) 立体组合式温控光控育种床
JP6392692B2 (ja) ホウレンソウとキノコ類の相互栽培設備
JP2003265057A (ja) 養液栽培装置、養液栽培方法、及び養液栽培プラント
CN202396257U (zh) 立体组合式温控光控育种床
JPH1166A (ja) 植物栽培方法及び装置
KR20210038131A (ko) 수경재배기
CN107711028B (zh) 一种悬挂槽式基质栽培系统及方法
WO2023086186A1 (en) Grow cups for hydroponic growing systems
CN205584983U (zh) 一种高效节能型自控恒温豆芽机
JP2006262879A (ja) 果菜類生育システム。
JP2019068768A (ja) 樹木の生育方法及び樹木生育システム
JP5400979B2 (ja) 植物栽培施設
KR101773848B1 (ko) 병충해의 확산을 방지하고 기후를 극복할 수 있도록 하는 수경 재배 시스템
US20240114860A1 (en) Aquaponic system and method of plant cultivation

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050309

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061122

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061128

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070403