JP2003264535A - ハイブリッドarq再送方法およびそのための受信機 - Google Patents

ハイブリッドarq再送方法およびそのための受信機

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JP2003264535A JP2003034823A JP2003034823A JP2003264535A JP 2003264535 A JP2003264535 A JP 2003264535A JP 2003034823 A JP2003034823 A JP 2003034823A JP 2003034823 A JP2003034823 A JP 2003034823A JP 2003264535 A JP2003264535 A JP 2003264535A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 HARQビットレベル合成について必要バッ
ファサイズを縮小すること。 【解決手段】 送信前に誤り訂正符号化(FEC)技術
を用いて符号化される同一または一部同一の変調シンボ
ルからなるデータパケットを自動再送要求に基づいて再
送した後、FEC復号器に入力されるソフト情報値に基
づいてビットレベル合成する、通信システムにおけるハ
イブリッドARQ再送方法であって、各(再)送信デー
タパケットの最上位ビット(MSB)のソフト情報値を
計算しバッファに記憶するステップと、一致する変調シ
ンボルに対して、MSBの現在のソフト情報値と、以前
受信した送信パケットの少なくとも1つのバッファ記憶
ソフト情報値とを合成するステップと、MSBの合成ソ
フト情報値から、残りのビット(XSB)のうち少なく
ともいくつかのビットに対するソフト情報値を計算する
ステップとを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、通信システムにお
けるハイブリッドARQ再送方法に関する。さらに、本
発明は、本発明の方法を実行するための受信機に関す
る。
【0002】
【従来の技術】信頼性の低い時間的に変化する回線状態
を有する通信システムにおいてよく用いられる技術は、
自動再送要求(ARQ:Automatic Repeat Request)方
式および誤り訂正復号(FEC:Forward Error Correc
tion)技術に基づいて誤りを検出し訂正するもので、ハ
イブリッドARQ(HARQ)と呼ばれる。よく使用さ
れる巡回冗長検査(CRC:Cyclic Redundancy Chec
k)でパケット内に誤りが検出されると、通信システム
の受信機は、誤りを含むパケットを正しく復号する確率
を向上させるために、送信機に追加情報の送信(データ
パケットの再送)を要求する。
【0003】パケットは送信前にFECで符号化され
る。再送内容や、ビットを以前送信した情報と合成する
仕方によって、非特許文献1および非特許文献2は、3
つの異なるタイプのARQ方式を定義している。
【0004】・タイプI:誤りを含む受信パケットは破
棄せず、同じパケットの新しいコピーを別途再送し復号
する。受信した新旧両パケットは合成しない。
【0005】・タイプII:誤りを含む受信パケットは破
棄せず、追加の再送パケットと合成して引き続き復号を
行う。再送パケットは、符号化率(符号化利得)が比較
的高く、受信機で、記憶されている以前の送信から得ら
れたソフト情報(soft-information)と合成される場合
がある。
【0006】・タイプIII:タイプIIと同じであるが各
再送パケットが自動復号可能であるという制約を伴う。
これは送信パケットが前のパケットと合成しなくても復
号可能であることを意味している。これは一部のパケッ
トが損傷し情報がほとんど再使用できない場合に有用で
ある。
【0007】本発明は、受信した(再)送信パケットを
合成するタイプIIおよびタイプIIIの方式に関するもの
である。HARQタイプIIとIIIの方式は、以前受信し
た誤りを含むパケットからの情報を再利用できるため、
タイプIに対して明らかに処理能力が高く(intelligen
t)、性能面で優れている。以前送信したパケットの情
報を再利用する方式として基本的に次の3つの方式、 ・ソフト合成(Soft-Combining) ・符号合成(Code-Combining) ・ソフト合成と符号合成の組み合わせ がある。
【0008】ソフト合成 ソフト合成を使用する場合、再送パケットは、以前受信
した情報と同一または一部同一の情報を運ぶ。この場
合、例えば、非特許文献3または非特許文献4に開示さ
れているように、複数の受信パケットをシンボル単位
(symbol-by-symbolbasis)またはビット単位(bit-by-
bit basis)のどちらかで合成する。
【0009】シンボルレベルの合成を使用する場合、再
送されたパケットには以前送信した誤りを含むパケット
と同一の変調シンボルが含まれていなければならない。
この場合、多数の受信パケットは変調シンボルレベルで
合成される。一般的技術として平均ダイバーシティ合成
(ADC:Average Diversity Combining)とも呼ばれ
る、多数の受信シンボルの最大比合成(MRC:Maximu
m Ratio Combining)があり、ここでは、N回の送信
後、一致する(matching)シンボルの合計/平均をバッ
ファに記憶する。
【0010】ビットレベルの合成を使用する場合、再送
パケットには以前送信した誤りを含むパケットと同一の
ビットが含まれていなければならない。ここで、多数の
受信パケットは、復調後、ビットレベルで合成される。
ビットは、同じパケットの以前の送信と同じ方法で変調
シンボルにマッピングするかまたは別の方法でマッピン
グすることができる。マッピングが以前の送信と同じ場
合、シンボルレベルの合成も適用できる。一般の合成技
術は、例えば、非特許文献5、非特許文献6、および非
特許文献7によって知られているようにFEC用のいわ
ゆるターボ符号を用いる場合は特に、計算した対数尤度
比(LLR:Log-Likelihood Ratio)の加算である。こ
こでは、N回目の送信後、一致する(matching)ビット
のLLRの合計をバッファに記憶する。
【0011】これらいずれのソフト合成技術において
も、復号器の観点からは、すべての送信を通じて同じ
(好ましくは一定の符号化率での)FEC方式が使用さ
れる。したがって、復号器は送信が何回実行されたかに
ついて知る必要がない。復号器は合成されたソフト情報
のみを認識する。この方式では、すべての送信パケット
が同じ数のシンボルまたはビットを搬送する必要があ
る。
【0012】符号合成 符号合成は、受信パケットを連結して新しい符号語(送
信回数が増加するほど符号化率が減少する)を生成す
る。したがって、復号器は、各再送時に適用されるFE
C方式について認識している必要がある。再送パケット
の長さは回線状態に応じて変更可能であるため、符号合
成はソフト合成に比べて柔軟性が高い。しかし、符号合
成はソフト合成と比較してより多くの信号データを送信
する必要がある。
【0013】ソフト合成と符号合成の組み合わせ 再送パケットに以前送信したシンボル/ビットと同一の
シンボル/ビットおよび以前送信したシンボル/ビット
と異なる符号シンボル/ビットが含まれている場合、同
一の符号シンボル/ビットはソフト合成を用いて合成さ
れ、残りの符号シンボル/ビットは符号合成を用いて合
成される。ここでの信号送信要件は符号合成の信号送信
要件と類似している。
【0014】
【非特許文献1】S. Kallel, "Analysis of a type II
hybrid ARQ scheme with code combining(符号合成に
よるタイプIIハイブリッドARQ方式の分析)", IEEE
Transactions on Communications, Vol.38, No.8, Augu
st 1990
【非特許文献2】S. Kallel, R. Link, S. Bakhtiyari,
"Throughput performance of Memory ARQ schemes(メ
モリARQ方式の処理能力性能)", IEEE Transactions
on Vehicular Technology, Vol.48, No.3, May 1999
【非特許文献3】D. Chase, "Code combining: A maxim
um-likelihood decoding approach forcombining an ar
bitrary number of noisy packets(符号合成:任意の
数のノイズを含むパケットを合成するための最尤復号方
法)", IEEE Trans. Commun., Vol. COM-33, pp. 385-3
93, May 1985
【非特許文献4】B. A. Harvey, S. Wicker, "Packet C
ombining Systems based on the Viterbi Decoder(ビ
タビ復号器に基づくパケット合成システム)", IEEE Tr
ansactions on Communications, Vol.42, No. 2/3/4, A
pril 1994
【非特許文献5】C. Berrou, A. Glavieux, P. Thitima
jshima, "Near Shannon Limit Error-Correcting Codin
g and Decoding: Turbo-codes(近シャノン限界誤り訂
正符号化および復号化:ターボ符号)", Proc. ICC'93,
Geneva, Switzerland, pp. 1064-1070, May 1993
【非特許文献6】S. Le Goff, A. Glavieux, C. Berro
u, "Turbo-Codes and High Spectral Efficiency Modul
ation(ターボ符号および高性能スペクトル変調)", IE
EE SUPERCOMM/ICC '94, Vol. 2, pp. 645-649, 1994
【非特許文献7】A. Burr, "Modulation and Coding fo
r Wireless Communications(無線通信のための変調お
よび符号化)", Person Education, Prentice Hall, IS
BN 0-201-39857-5, 2001
【0015】
【発明が解決しようとする課題】あるビットマッピング
順序i1122のグレイ符号化信号コンスタレーショ
ンを示す図1に従って16QAM変調方式に対する信号
コンスタレーションを用いると、シンボルにマッピング
したビットは、パケットの1回目の送信での平均信頼性
において互いに大きく異なる。具体的に言うと、ビット
1およびq1は、信号コンスタレーション図の半分の空
間にマッピングされるため、高い平均信頼性を有してい
る。したがって、それらの信頼性はビットが「1」を送
信するか「0」を送信するかという事実とは無関係であ
る。
【0016】これに対し、ビットi2およびq2は、ビッ
トが「1」を送信するか「0」を送信するかという事実
によってその信頼性が左右されるため、低い平均信頼性
を有している。例えば、ビットi2の場合、「1」は外
側の列にマッピングされ、「0」は内側の列にマッピン
グされている。同様に、ビットq2の場合、「1」は外
側の行にマッピングされ、「0」は内側の行にマッピン
グされている。
【0017】多数の受信パケットを合成するためには、
以前受信したパケットからの情報をバッファに記憶する
必要がある。各パケットのバッファ要件は、可能な合成
方法、変調方式、パケットサイズによってかなり異な
る。全体の必要バッファサイズも、上位レイヤのARQ
プロトコルに依存しており、通常、各パケットの必要バ
ッファサイズの倍数である。説明を簡単にするため、こ
こでは純粋なソフト合成について説明する。同じこと
は、ソフト合成と符号合成の組み合わせにおいてソフト
合成のバッファリングの部分に適用される。
【0018】シンボルレベルでの合成の場合、受信した
変調シンボル別にソフト情報を記憶する必要がある(複
素値)。これにより各パケットの必要バッファサイズB
SCが導かれ、これは、近似的に、次の(式1)、
【数1】 に従って計算することができる。ここで、Kは回線品質
を測定するための任意に記憶された基準である。記憶さ
れていない場合は、bK=0である。
【0019】ビットレベルでの合成の場合、ビットのソ
フト情報を記憶する必要がある。これによって各パケッ
トの必要バッファサイズBBCが導かれるが、これは、次
の(式2)、
【数2】 に示すように、変調シンボルにマッピングした符号化ビ
ット数に依存しない。
【0020】ビット合成に対するシンボル合成の必要バ
ッファサイズ比は、次の(式3)、
【数3】 を用いて計算することができる。
【0021】通常、ビット深さの比bB/bSは、2/3
と1の間の値であり、このため、log2(M)>2から、シ
ンボルレベル合成はビットレベル合成よりも必要バッフ
ァサイズが小さくなる。2つの合成方法の性能が等しい
かまたはほぼ等しい場合、煩雑さの理由から、通常、高
次の変調方式(log2(M)>2)の受信機ではシンボルレ
ベル合成のほうが好ましい。
【0022】上記のように、高次の変調の場合、受信機
においてシンボルレベルのソフト合成はビットレベル合
成よりも各パケットの必要バッファサイズが小さい。こ
のため、ほとんどの場合、ビットレベル合成よりもシン
ボルレベル合成のほうが好ましい。ただし、受信機の設
計や実施効率、バッファ管理の観点から、特にFEC復
号器がビットレベル(例えば、ターボ復号器)で動作す
る場合は、ビットレベル合成(バッファリング)を行う
ほうが有益な場合がある。
【0023】本発明の目的は、HARQビットレベル合
成について必要バッファサイズを縮小することができる
ハイブリッドARQ再送方法および対応する受信機を提
供することである。
【0024】
【課題を解決するための手段】この目的は、請求項1記
載のハイブリッドARQ再送方法によって達成される。
再送方法の好適な実施の形態は、いろいろな従属項に従
う。また、この目的は、請求項11記載の、対応する受
信機によって達成される。
【0025】全ビットのソフト情報をバッファリングす
る必要がある従来のビットレベル合成方法に対して、本
発明の再送方法は、最上位ビットMSBのソフト情報の
バッファリングのみを必要とするものであり、これによ
って必要バッファサイズが大幅に縮小される。シンボル
レベル合成については、受信機の設計や実施効率、バッ
ファ管理の観点からのビットレベル合成の利点が、同じ
かまたはさらに縮小された必要バッファサイズで、その
まま残る。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明の理解をさらに深めるため
に、以下、好適な実施の形態について添付図面を参照し
て説明する。
【0027】図3には、本発明の主題に関係する、通信
受信機の構成部分が示されている。
【0028】復調器100は、通信システムの送信機か
ら送信された複素変調シンボルSを受信する。1回目の
送信において、すべての変調シンボルについてLLR
(MSBとLSB)を計算する。
【0029】自動再送要求方式に従い、受信機は、送信
機に対して誤りを含む受信データパケットの再送を要求
する。各受信変調シンボルSに対して、対応する演算器
150で実数部(I部)や虚数部(Q部)のみならず高
い信頼性の最上位ビット(MSB)についてソフト情報
(本実施の形態では対数尤度比(LLR:Log-Likeliho
od-Ratio))を計算した後、バッファ160に記憶す
る。
【0030】続く合成器170では、実際に受信したデ
ータパケットのLLRおよびバッファ160に記憶され
ている以前受信したデータパケットからのLLRを一致
する変調シンボルごとに合成する。この合成ソフト情報
(受信したすべての送信情報からなる)からLLR演算
器180で残りのビットに対して最下位ビット(LS
B)までのLLRを計算しLLR演算器150のLLR
と共に復号器200に入力する。復号器200はその情
報ビットをエラーチェッカ300に出力して誤り検出を
行い、誤りがあれば訂正する。復号器200は受信した
ソフト情報を用いて誤り訂正復号方式を適用することが
望ましい。このような復号器は、例えば、C. Heergard,
S.B. Wicker, "Turbo Coding(ターボ符号)", Kluwer
AcademicPublishers, ISBN 0-7923-8378-8, 1999、ま
たは、F. Xiong, "Digital Modulation Techniques(デ
ジタル変調技術)", Artech House Publishers, ISBN 0
-89006-970-8, 2000に記載されているように実装するこ
とができる。
【0031】上記構成要素すべての詳細な実装について
は、当業者には周知の事実である。したがって、説明を
簡単にするため、その詳細な説明は省略する。
【0032】上記提案の受信機設計の利点は、MSBの
みを記憶するため、必要なバッファサイズが大幅に縮小
されることである。これにより、HARQ情報はビット
レベルでバッファに記憶されFEC復号器も好ましくは
ビットレベルで動作するため、受信機の煩雑さが低減さ
れ、計算およびバッファ管理が容易になる。
【0033】次いで、線形近似したLLRを受信機でソ
フト情報として用いる本発明の方法について詳細に説明
する。
【0034】LLR計算のための線形近似(1回の送
信) 多数回にわたる送信後のLLRの計算方法の規則につい
て説明する前に、まず1回の送信(Single Transmissio
n)の場合のLLRの近似について説明する。計算は1
6QAMおよび64QAMに対して行うが、より高次の
M−QAM方式にも容易に拡張できる。信号コンスタレ
ーション点(xi,yi)の座標の指標およびLLR計算
のため考慮するグレイマッピングは、図1および図2に
示すとおりである。説明を簡単にするため、以下ではi
ビットについてのみ説明を行う。qビットに対する手順
も同様であり、その場合、Re[r]をIm[r]で、xiをyi
それぞれ置き換える必要がある。
【0035】MSB近似−i1(q1 MSBに対するLLRは、次の(式4)、
【数4】 のように近似される。ただし、Kは上記のように計算す
ることが望ましい。ここで、ES/N0はチャネルの信号
対雑音比を示す。
【0036】近似−i2(q22(q2)に対するLLRは、次の(式5)のように近
似され(16QAMの場合、i2およびq2はLSB)、
また、次の(式6)のLLR(i2)を用いてLLR
(i1)の関数として表すことができる。
【数5】
【0037】等間隔のコンスタレーション点(x1=3
0)の場合、(式6)は、一般に、次の(式7)、
【数6】 のように簡略化される。
【0038】近似−i3(q3 64QAMの場合、i3(q3)に対するLLRは、次の
(式8)のように近似され(この場合、i3およびq3
LSB)、また、次の(式9)のLLR(i3)を用い
てLLR(i1)の関数として表すことができる。
【数7】
【0039】等間隔のコンスタレーション点の場合、
(式9)は、64QAMに対して、次の(式10)、
【数8】 のように簡略化される。
【0040】N回送信後のLLRの計算 N回送信後のLLRの計算を、iビットに対してのみ示
す。qビットに対する手順も同様であり、その場合、Re
[r(n)]をlm[r(n)]で、xiをyiでそれぞれ置き換える必
要がある。ここで、nはn番目の送信を示す。
【0041】MSB計算−i1(q1 (式4)を用いてn番目の送信後のi1(q1)に対する
合計LLRは、n回の送信から計算されたすべてのLL
Rの合計として計算できる。受信機において、これは、
次の(式11)に示すように、
【数9】 現在受信したn番目の送信のLLRの計算値と、以前受
信した送信の、バッファに記憶したLLR合計値との合
計である。
【0042】計算−i2(q2 n番目の送信後のi2(q2)に対する合計LLRは、次
の(式12)に示すように、
【数10】 合計LLRi1(q1)の関数として計算できる。
【0043】等間隔のコンスタレーション点の場合、
(式12)は、一般に、次の(式13)、
【数11】 のように簡略化される。
【0044】計算−i3(q32(q2)に対する合計LLRと同様に、n番目の送信
後のi3(q3)に対する合計LLRは、(式4)、(式
8)、および(式9)を用いて次の(式14)のように
計算できる。
【数12】
【0045】等間隔のコンスタレーション点の場合、
(式14)は、64QAMに対して、次の(式15)、
【数13】 のように簡略化される。
【0046】前述のように、各変調シンボルのMSB
(I部とQ部)のLLRおよび全パケットの合計受信パ
ワーの合計のみを記憶する必要がある。これにより、上
記提案方法の場合、バッファサイズBPMに対して、次の
(式16)、
【数14】 が適用されることになる。
【0047】上記したシンボルレベル合成のバッファサ
イズに対する必要バッファサイズの比は、任意のM−Q
AM方式について、次の(式17)、
【数15】 のようになる。
【0048】N(1パケット当たりのビット数)が十分
大きい場合、(式17)は、近似的に、次の(式1
8)、
【数16】 のようになる。
【0049】LLRをバッファに記憶するための必要な
ビット深さbBが複素変調シンボルの1つの部分をバッ
ファに記憶するためのビット深さbSよりも小さい場
合、シンボルレベルのバッファリングと比較してバッフ
ァサイズを縮小することができる(例えば、bB=6、
S=8の場合は25%の縮小)。
【0050】従来のビットレベル合成のバッファサイズ
に対する本発明の方法による必要バッファサイズの比
は、次の(式19)、
【数17】 のようになる。
【0051】N(1パケット当たりのビット数)が十分
大きい場合、(式19)は、近似的に、次の(式2
0)、
【数18】 のようになる。
【0052】これは、表1に示すように、従来のビット
レベル合成と比較してバッファサイズの縮小を示すもの
である。
【表1】
【0053】上記のように、本発明の方法は計算の煩雑
さおよびバッファ管理の面でいくつかの利点をもたら
す。シンボル合成方法と比較して提案のビットレベル合
成方法を用いた場合の性能は似ている。提案のビット合
成に対して上記線形近似LLRを用いた場合とシンボル
合成後に同じく線形近似LLRを用いた場合とで、性能
は全く同じである。
【0054】上記16QAMおよび64QAM以外の、
log2(M)>1を満たす他のM−QAMまたはM−PAM
(パルス振幅変調)グレイマッピングも本発明の方法に
適用可能でありそれぞれの式を適宜導き得ることは、当
業者にとってすぐに理解できるところである。前述した
ように、本発明の方法は、以前送信したシンボルのサブ
セットを再送するHARQ方式にも適用可能である。L
LRおよびバッファサイズの上記計算は、再送され合成
されるシンボルに対して有効である。
【0055】本発明に関して使用可能なソフト情報(so
ft-information)は、対応するビットが1または0であ
る確率の(好ましくは対数的)測定値(measure)を表
すソフト計量(soft-metric)であればどのようなもの
でもよい。上記のソフト情報は対数尤度比である。ただ
し、ソフト情報は、受信変調シンボルのI成分およびQ
成分から一次式として計算される各ビットのソフト計量
であってもよい。
【0056】上記の合成手順はLLRまたはソフト情報
の単純な加算であってもよく、残りのビットに対するそ
の各計算は単純に次の形式、LLRXSB=a・LLRMSB
+bまたはLLRXSB=a・|LLRMSB|+bの一次関
数であってもよい。ここで、関数はセクションごとに定
義してもよい。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
HARQビットレベル合成について必要バッファサイズ
を縮小することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】16QAMのグレイ符号化信号コンスタレーシ
ョンの一例を示す図
【図2】64QAMのグレイ符号化信号コンスタレーシ
ョンの一例を示す図
【図3】本発明を適用した通信システムの受信機の関連
部分を示す図
【符号の説明】
100 復調器 150、180 LLR演算器 160 バッファ 170 合成器 200 復号器 300 エラーチェッカ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5K004 AA08 JA02 JD05 5K014 AA01 BA06 DA02 FA03 HA06 5K034 AA11 HH11 MM03 NN26

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 送信前に誤り訂正符号化(FEC)技術
    を用いて符号化される同一または一部同一の変調シンボ
    ルからなるデータパケットを自動再送要求に基づいて再
    送した後、FEC復号器に入力されるソフト情報値に基
    づいてビットレベル合成する、通信システムにおけるハ
    イブリッドARQ再送方法であって、 各(再)送信データパケットの最上位ビット(MSB)
    のソフト情報値を計算しバッファに記憶するステップ
    と、 一致する変調シンボルに対して、MSBの現在のソフト
    情報値と、以前受信した送信パケットの少なくとも1つ
    のバッファ記憶ソフト情報値とを合成するステップと、 MSBの合成ソフト情報値から、残りのビット(XS
    B)のうち少なくともいくつかのビットに対するソフト
    情報値を計算するステップと、 を有するハイブリッドARQ再送方法。
  2. 【請求項2】 前記ソフト情報値は、対応ビットが1ま
    たは0である確率の対数的測定値である、請求項1記載
    のハイブリッドARQ再送方法。
  3. 【請求項3】 前記ソフト情報値は、対数尤度比(LL
    R)である、請求項1記載のハイブリッドARQ再送方
    法。
  4. 【請求項4】 前記ソフト情報値は、受信変調シンボル
    のI成分およびQ成分の少なくとも1つから一次式とし
    て計算される対応ビットのソフト計量である、請求項1
    記載のハイブリッドARQ再送方法。
  5. 【請求項5】 前記合成ステップは、ソフト情報値の加
    算である、請求項1記載のハイブリッドARQ再送方
    法。
  6. 【請求項6】 残りのビット(XSB)を計算する前記
    ステップは、次の一次関数、 LLRXSB=a・LLRMSB+bまたはLLRXSB=a・
    |LLRMSB|+b (ここで、前記関数はセクションごとに定義してもよ
    い)を用いる、請求項3記載のハイブリッドARQ再送
    方法。
  7. 【請求項7】 前記変調の方式は、グレイマッピングを
    用いたM−QAM(log2(M)>2)である、請求項1記
    載のハイブリッドARQ再送方法。
  8. 【請求項8】 前記変調の方式は、グレイマッピングを
    用いたM−PAM(log2(M)>1)である、請求項1記
    載のハイブリッドARQ再送方法。
  9. 【請求項9】 回線品質の測定値、好ましくは、すべて
    の送信における信号対雑音比ES/N0の推定値および/
    または信号送信値の合計をバッファに記憶するステップ
    をさらに有する、請求項1記載のハイブリッドARQ再
    送方法。
  10. 【請求項10】 最下位ビット(LSB)までの古い残
    りのビットは、合成ソフト情報値から計算する、請求項
    1記載のハイブリッドARQ再送方法。
  11. 【請求項11】 同一または一部同一の変調シンボルか
    らなるデータパケットを受信する復調器と、 各(再)送信データパケットの最上位ビット(MSB)
    のソフト情報値を計算する演算器と、 計算されたソフト情報値を記憶するバッファと、 MSBの現在のソフト情報値と、以前受信されたデータ
    パケットの少なくとも1つのバッファ記憶ソフト情報値
    とを合成する合成器と、 MSBの合成ソフト情報値から、残りのビット(XS
    B)のうち少なくともいくつかのビットに対するソフト
    情報値を計算する演算器と、 を有する、通信システムにおけるハイブリッドARQ再
    送方法のための受信機。
  12. 【請求項12】 前記ソフト情報値演算器は、対数尤度
    比(LLR)演算器である、請求項11記載の受信機。
  13. 【請求項13】 前記合成器および残りのビット(XS
    B)用の前記演算器からソフト情報値を受信する復号器
    をさらに有する、請求項11記載の受信機。
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