JP2003261676A - ポリアミドプレポリマーおよびポリアミドの製造方法 - Google Patents

ポリアミドプレポリマーおよびポリアミドの製造方法

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JP2003261676A JP2002061979A JP2002061979A JP2003261676A JP 2003261676 A JP2003261676 A JP 2003261676A JP 2002061979 A JP2002061979 A JP 2002061979A JP 2002061979 A JP2002061979 A JP 2002061979A JP 2003261676 A JP2003261676 A JP 2003261676A
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Kota Kato
耕太 加藤
Yasuhito Tachibana
泰人 立花
Toru Nishimura
西村  透
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Abstract

(57)【要約】 【課題】回収ラクタムを原料あるいは原料の一部とする
ポリアミドの製造方法において、カプロラクタム含有量
とポリアミドオリゴマー含有量の少ない高品質のポリア
ミドを低コストで工業的に有利に製造する。 【解決手段】溶融揮発により得られる回収ラクタムを原
料の一部または全部として重合することを特徴とするポ
リアミドの製造方法、および溶融揮発により得られる回
収ラクタムを一部または全部とした原料を固体酸存在
下、加圧下、200〜330℃で処理してポリアミドプ
レポリマーを生成させた後、該ポリアミドプレポリマー
を重合してポリアミドを製造することを特徴とするポリ
アミドの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はカプロラクタムを主
原料としてポリアミドを製造する方法に関する。更に詳
しくは、カプロラクタムを主原料として製造されるポリ
アミドにおいて、未反応のカプロラクタムや副生成する
ポリアミドオリゴマーの再利用が可能となり、高収率、
低エネルギーでポリアミドを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】カプロラクタムを主原料とするポリアミ
ドはその優れた特性を生かして衣料用繊維、産業繊維に
使われ、更に、自動車分野、電気・電子分野などにおい
て射出成型品として、また、食料品包装用途を中心に押
出フィルム、延伸フィルムとしても広く使われている。
【0003】カプロラクタムを主原料とするポリアミド
は通常、カプロラクタムを少量の水の存在下に加熱溶融
重合することにより製造される。この製造法は比較的単
純なプロセスであり、世の中に広く採用されている製造
方法である。「ポリアミド樹脂ハンドブック」(福本修
編、日刊工業新聞社)の第63項〜65項に記載されて
いる汎用的なポリアミドの重合方法の概略を以下に説明
する。
【0004】カプロラクタムを溶融し、約260℃に加
熱された常圧重合塔に供給し、この重合塔内で約10時
間の滞留の後塔下部からストランド状にして水槽中に吐
出されペレット化される。こうして得られるポリアミド
樹脂ペレット中には重合の平衡で生じるカプロラクタム
モノマーおよびポリアミドオリゴマーを含有するため、
このままの状態で製品として使用すると、モノマーやオ
リゴマーが成形加工時に揮発し、最終製品である繊維や
フィルム、射出成形品を得る際に口金汚れや糸切れ、外
観不良を発生させ、得られる製品の機械物性や外観も低
下するなど、数多くの問題を発生させる。そこで、カプ
ロアミドを主原料とするポリアミドでは、これらのモノ
マーやオリゴマーを除去することが必要となる。モノマ
ーやオリゴマーの除去方法としては、重合直後のペレッ
トを熱水抽出塔に供給し、塔下部から送られる熱水で向
流抽出した後、下部から取り出す熱水抽出法や、モノマ
ーおよびオリゴマーを除去する方法として重合後のポリ
アミドを溶融状態のまま高温度・高真空で処理する方法
があげられる(米国特許3558567号明細書な
ど)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このようにカプロラク
タムを主成分とするポリアミドの重合工程中では、未反
応モノマーとポリアミドオリゴマーが存在し、それを除
去する工程が必須となっている。それを除去した成分で
ある回収ラクタムを有効利用する方法として、これらを
ポリアミド重合の原料全部または一部として用いる検討
が行われている。しかしながら、ポリアミドオリゴマー
を除去せずそのまま重合原料として使用した場合には、
カプロラクタムのみを原料として重合を行った場合に比
べて重合後のポリアミドオリゴマーが多くなり、熱水抽
出等のモノマー・ポリアミドオリゴマー除去工程の効率
低下やポリマー品質の低下を招く。そのため回収ラクタ
ムからカプロラクタムのみを蒸留等により分離精製して
重合を行う必要があるが、この回収・精製工程に膨大な
エネルギーを要する。
【0006】回収ラクタムを解重合しモノマーであるカ
プロラクタムへ転換して再利用する方法について、特開
2000−191638号公報ではの高温高圧水と回収
ラクタムを接触させ加水分解させる方法が記載されてい
るが、実施例によると330〜450℃、150kg/
cm2と言う非常に高い温度、圧力を保つ必要があり工
業的に不利である。また、米国特許6093788号明
細書では、回収ラクタムに触媒としてリン酸を添加して
水蒸気加熱することにより、回収ラクタム中のポリアミ
ドオリゴマーを加水分解し、カプロラクタムに再生する
ことにより、カプロラクタムの回収率を向上する方法が
提案されている。しかしこの方法では工程が複雑になる
上にリン酸が原料に混入し、生成するポリマー品質を低
下させるおそれがあるという問題がある。
【0007】回収ラクタムを重合の原料として用いる方
法について、特公平9−188758号公報では熱水抽
出により回収された回収ラクタムの希薄溶液を濃縮して
重合装置に供給する方法について述べられているが、水
分が92重量%をしめる抽出溶液を含水量1.3〜10
重量%になるまで濃縮する必要があるため膨大なエネル
ギーが必要となり、工業的に不利である。
【0008】このため、回収ラクタムを用い、且つエネ
ルギーの消費が少なく生産性の高いポリアミドの製造方
法の開発が求められていた。
【0009】すなわち、以上記載したように回収ラクタ
ムを原料あるいは原料の一部とするポリアミドの製造方
法において、生成するポリアミド中のカプロラクタム
(モノマー)含有量とポリアミドオリゴマー含有量の少
ない高品質のポリアミドを低コストで製造できる方法は
これまで知られていなかった。
【0010】そこで本発明者らは、上記した従来技術の
問題点を解決し、回収ラクタムを使用した、ポリアミド
オリゴ マー含有量の低いポリアミドを工業的に有利に
製造する方法を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために鋭意検討を重ねた結果、回収ラクタム
を用いて生成ポリマー中のモノマー含有量およびポリア
ミドオリゴマー含有量が共に低いポリアミドが工業的に
有利に製造可能であることを見出し、更に、回収ラクタ
ムを固体酸存在下、加圧下・特定の温度での短時間熱処
理により、アミノ末端基が多く環状ポリアミドオリゴマ
ー含有量の少ないポリアミドプレポリマーを製造し、更
に当該ポリアミドプレポリマーを重合することにより生
成ポリマー中のモノマー含有量およびポリアミドオリゴ
マー含有量が共に低いポリアミドが製造可能であること
を見出し、本発明に到達した。すなわち本発明は、 (1)溶融揮発により得られる回収ラクタムを一部また
は全部とした原料組成物を固体酸存在下、加圧下に処理
してポリアミドプレポリマーを生成させることを特徴と
するポリアミドプレポリマーの製造方法。
【0012】(2)回収ラクタムを全原料組成物に対し
1〜20重量%使用することを特徴とする前記(1)記
載のポリアミドプレポリマーの製造方法。
【0013】(3)水分が全原料組成物に対し10〜5
0重量%であることを特徴とする前記(1)または
(2)記載のポリアミドプレポリマーの製造方法。
【0014】(4)ポリアミドプレポリマーのアミノ末
端基量が原料組成物1gに対して0.1mmol以上で
あることを特徴とする前記(1)〜(3)いずれか記載
のポリアミドプレポリマーの製造方法。
【0015】(5)ポリアミドプレポリマーの環状オリ
ゴマー含有量が全原料組成物に対し1.4重量%以下で
あることを特徴とする前記(1)〜(4)いずれか記載
のポリアミドプレポリマーの製造方法。
【0016】(6)溶融揮発が押出機を用いた溶融揮発
であることを特徴とする前記(1)〜(5)いずれか記
載のポリアミドプレポリマーの製造方法。
【0017】(7)前記押出機がベント付二軸押出機で
あることを特徴とする前記(6)記載のポリアミドプレ
ポリマーの製造方法。
【0018】(8)溶融揮発により得られる回収ラクタ
ムを一部または全部とした原料組成物に固体酸存在下、
加圧下に処理してポリアミドプレポリマーを生成させた
後、該ポリアミドプレポリマーを含む反応物を重合して
ポリアミドを製造することを特徴とするポリアミドの製
造方法。
【0019】(9)ポリアミドプレポリマーの重合が常
圧重合であることを特徴とする前記(8)記載のポリア
ミドの製造方法。
【0020】(10)常圧重合の最高到達温度が180
℃以上222℃以下であることを特徴とする前記(8)
または(9)記載のポリアミドの製造方法。
【0021】(11)ポリアミドプレポリマーの常圧重
合を行う常圧重合装置供給前に該ポリアミドプレポリマ
ー含む反応物を常圧重合装置入口部でフラッシュさせて
水分を蒸散除去する前記(8)〜(10)いずれか記載
のポリアミドの製造方法。を構成とするものである。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明について説明する。
【0023】本発明のポリアミドの製造方法では原料の
一部または全部に回収ラクタムを用いる。回収ラクタム
とはポリアミド製造工程で回収される未反応モノマーお
よびポリアミド鎖状オリゴマーあるいはポリアミド環状
オリゴマーの少なくとも1種を含有する混合物のことを
指す。(以下ポリアミド鎖状オリゴマーを鎖状オリゴマ
ー、ポリアミド環状オリゴマーのことを環状オリゴマー
と表現することがある。)本発明の回収ラクタムは、未
反応モノマーおよびポリアミドオリゴマーを含むポリア
ミドから溶融揮発により回収した回収ラクタムである。
溶融揮発とは未反応モノマー、ポリアミドオリゴマーを
含む重合生成物を押出機・薄膜蒸発機などで溶融・減圧
下加熱を行って未反応モノマーとポリアミドオリゴマー
を除く方法である。溶融揮発には押出機や薄膜蒸発機な
どを用いる方法があるが押出機が好ましく、特に真空系
に接続されたベント付二軸押出機が好ましい。この溶融
状態での揮発除去は、重合反応生成物をペレットなどの
固体とした後、押出機・薄膜蒸発機などで溶融・減圧下
加熱を行ってもよく、重合塔より吐出される溶融状態の
重合反応生成物を、直接押出機・薄膜蒸発機などに供給
して溶融揮発を行ってもよい。
【0024】本発明のポリアミドの製造方法で用いる原
料はカプロラクタムが主成分であるが、発明の目的を害
しない範囲で1種類または2種以上の他のラクタムをモ
ノマー全体の20mol%を越えない範囲で併用しても
かまわない。ポリアミドの結晶性を維持するためには他
のラクタムの使用は20mol%以下であることが望ま
しい。
【0025】かかるラクタムの具体例としては、バレロ
ラクタム、エナントラクタム、カプリルラクタム、ウン
デカラクタム、ラウロラクタムなどをあげることがで
き、これらの内、ウンデカラクタム、ラウロラクタムが
好ましい。
【0026】本発明で原料の一部または全部として使用
する回収ラクタムの使用割合は、回収ラクタムを使用す
る限りにおいて制限はないが、好ましくは全原料組成物
を100%としたときに1〜20重量%更に好ましくは
2〜15重量%である。
【0027】本発明のポリアミドの製造方法においては
回収ラクタムを使用するため、重合に供する原料混合物
は、ラクタムとポリアミドオリゴマーの混合物である。
ここで、ポリアミドオリゴマーとはポリアミドの環状オ
リゴマーおよび鎖状オリゴマーの混合物である。原料組
成物中のポリアミドオリゴマー量は80℃/8時間真空
乾燥した後に得られる残査量により定量される。好まし
い原料の組成は、原料全体を100重量%とした場合
に、ラクタムは45〜89.99重量%、ポリアミドオ
リゴマーの含有率は0.01〜5重量%、である。更に
原料には水を含むことが好ましく、その量は原料全体を
100重量%とした場合に10〜50重量%である。
【0028】ポリアミドプレポリマーとはポリアミド原
料の加熱処理により得られる組成物であり、アミノ末端
基を有するポリアミド鎖状オリゴマー、環状オリゴマ
ー、未反応カプロラクタムからなる混合物を言う。この
内、特に環状オリゴマーの少ないポリアミドプレポリマ
ーが重合反応後生成するポリアミド中のポリアミドオリ
ゴマー含有量が少ないので好ましいポリアミドプレポリ
マーの調整方法は、固体酸存在下加圧下で200〜33
0℃で加熱処理を行う方法が好ましい。この時の圧力は
水分量を保つことのできる程度の加圧下であれば圧力に
特に制限はないが、0.111〜6.08MPaの範囲
が好ましく、0.152〜5.065MPaがより好ま
しい。プレポリマー化時の環状オリゴマー生成量を抑え
てアミノ基生成効率を向上するためには0.111MP
a以上の圧力であることが望ましい。一方6.08MP
aを超える場合は、生産性や経済性の点で望ましくな
い。また、圧力の急激な低下は反応容器中でのオリゴマ
ーの固化、水分量の急激な変化による触媒の劣化等の障
害を引き起こすことがが考えられるため避けることが望
ましい。
【0029】本発明で用いられる固体酸とは反応物質に
プロトンを与えるブレンステッド酸性と呼ばれる機能
か、反応物質から電子対を受け取るルイス酸性と呼ばれ
る機能を有する物であり反応温度において固体である。
固体酸としては、有機物系または無機物系のいずれも用
いることができる。
【0030】本発明における固体酸の例として、酸性白
土、モンモリロナイト、カオリン、シリカ、シリカアル
ミナ、ゼオライト、シリカカルシア、シリカマグネシ
ア、アルミナボリア、シリカジルコニア、酸化バナジウ
ム、硫酸ニッケルなどの無機化合物、陽イオン交換樹
脂、ポリアクリル酸、ポリ(ビニルベンゼンスルホン
酸)等の有機化合物、硫酸、酢酸、リン酸、ホウ酸など
の酸性物質をシリカゲルやガラス繊維に付着させた固型
化酸等があげられる。これらの固体酸の内、アルミナ、
シリカ、シリカアルミナ、シリカマグネシア、シリカカ
ルシア、ゼオライト、陽イオン交換樹脂を用いることが
好ましく、アルミナ、陽イオン交換樹脂がより好まし
い。
【0031】本発明で用いられる固体酸の酸量について
は特に限定されないが、無機物系の固体酸については1
0μeq/gから1000μeq/gまでの範囲が好ま
しく、20μeq/gから900μeq/gまでの範囲
がより好ましく、30μeq/gから800eq/gが
更に好ましく、40eq/gから700eq/gまでの
範囲が最も好ましい。無機物系の固体酸の酸量について
は10μeq/g未満では大量の固体酸が必要となり、
1000μeq/gでは副反応のおそれがあるため10
μeq/gから1000μeq/gまでの範囲が適当で
ある。有機物系の固体酸については100μeq/gか
ら8000μeq/gまでの範囲が好ましく、200μ
eq/gから7000μeq/gまでの範囲がより好ま
しく、300μeq/gから6000eq/gが更に好
ましく、400eq/gから5000eq/gまでの範
囲が最も好ましい。有機物系の固体酸の酸量については
100μeq/g未満では大量の固体酸が必要となり、
8000μeq/gでは副反応のおそれがあるため10
μeq/gから1000μeq/gまでの範囲が適当で
ある。
【0032】本発明に用いられる固体酸の酸量は、アル
ミナなどの無機物系の固体酸はピリジン吸着法などを用
いて求めることができる。陽イオン交換樹脂などの有機
物系の酸量については酸点となる官能基の濃度を酸量と
する。
【0033】本発明で用いられる固体酸の内有機物系以
外の固体酸の酸強度は特に限定されないが、固体酸の酸
強度H0は4.0以下が好ましく、3.3以下がより好
ましく、1.5以下であることが最も好ましい。固体酸
のH0が4.0よりも大きな場合は目的とするポリアミ
ドオリゴマーが得られにくい。また、アンモニア等の吸
着により酸強度が著しく低下していることがあるため使
用前に空気中で500℃で加熱し、吸着成分を焼き出す
ことが望ましい。
【0034】本発明で用いられる無機物系の固体酸の酸
強度はHammett指示薬を用いて求められる。
【0035】本発明で用いられる固体酸として好ましく
用いられるアルミナについては特に限定されないが、ジ
ブサイト、バイアライト、ベーマイト、硫酸アルミニウ
ムの内1種類を原料として用いることが好ましく、ジブ
サイト、バイアライト、ベーマイトのいずれかを成形、
焼結した物がより好ましく、ジブサイト、ベーマイトを
焼結した物が更に好ましい。
【0036】アルミナの結晶構造は特に限定される物で
はないが、γ、δ、η、θ、κ構造から選ばれた少なく
とも1種類の結晶構造を含むことが好ましく、γ構造を
持つ物が最も好ましい。
【0037】本発明で用いられるアルミナの結晶構造
は、X線回折により調べることができる。
【0038】本発明で用いられるアルミナ中に含まれる
微量成分の種類、含有量について特に制限はない。
【0039】本発明で用いられるアルミナの形状は粒状
または粉末が好ましく、平均粒径は装置のサイズや充填
塔内の原料流速などにあわせて変更することができる
が、平均粒径が60μmから10mmの範囲にある粒
状、または粉末がより望ましく、平均粒径が70μmか
ら5mmにある粒状、または粉末が更に望ましい。平均
粒径が10mmを越えると触媒と回収ラクタムとの接触
面積が低下し、また、平均粒径が60μmより小さくな
るとプレポリマー生成反応において圧力損失を生じるこ
とから60μmから10mmが適当である。
【0040】本発明で用いられる固体酸の平均粒径は篩
による代表径として求める。篩を用いた粒径の測定に
は、JIS標準篩を用いる。
【0041】本発明で用いられるアルミナの比表面積
は、特に制限はないが、50m2/gから500m2/g
までが好ましく、100m2/gから450m2/gまで
がより好ましく、150m2/gから400m2/gが更
に好ましい。
【0042】本発明で用いるアルミナの平均細孔径は特
に制限はないが1nmから30nmまでか好ましく、
1.5nmから25nmまでがより好ましく、2nmか
ら20nmまでが更に好ましい。
【0043】また本発明で好ましく用いられる陽イオン
交換樹脂の酸点となる官能基として、カルボキシル基、
スルフォン基、ホスホン基、ホスフィン基などがあげら
れる。例えば(I)で表される強酸型陽イオン交換樹
脂、(II)で表される弱酸型陽イオン交換樹脂などが例
示される。
【0044】
【化1】
【0045】
【化2】 このような強酸型陽イオン交換樹脂、弱酸型陽イオン交
換樹脂のいずれも利用可能だが弱酸型が好ましい。また
イオン交換樹脂の形状としては、ゲル型イオン交換樹
脂、多孔性イオン交換樹脂などが例示され、いずれも使
用可能ではあるが、触媒能、耐久性の観点から多孔性イ
オン交換樹脂が好ましい。
【0046】用いる陽イオン交換樹脂の見かけの体積は
300g/Lから1000g/Lまでの範囲が好まし
く、400g/Lから900g/Lまでの範囲がより好
ましく500g/Lから800g/Lまでの範囲が最も
好ましい。ここで陽イオン交換樹脂の見かけの体積とは
容積1Lの容器に陽イオン交換樹脂を充填したときの充
填重量を言う。
【0047】本発明におけるポリアミドプレポリマー製
造方法では固体酸と回収ラクタムを含む原料を接触させ
てポリアミドプレポリマーを得ているが、接触させる方
法を特に限定する物ではない。粒状および粉末の固体酸
を充填した容器中に原料組成物を連続的に通過させても
よく、原料組成物に固体酸を投入し撹拌し反応した後、
ろ過または沈殿により、固体酸を除去してもよい。好ま
しくは生産効率を向上させる上で、有利な流通式の処理
装置を用いるのがよい。
【0048】本発明のプレポリマー製造方法では処理温
度は使用する固体酸の特性に応じて適宜選択/設定でき
るが、通常は30℃から330℃までの範囲であること
が望ましい。30℃未満では原料中に固化や沈殿物がで
きるおそれがあり、330℃以上ではカプロラクタムの
劣化が起こりやすくなる。
【0049】本発明の固体酸としてアルミナを使用する
際の処理温度は165〜330℃である。下限値として
好ましくは180℃以上であり、特に好ましくは200
℃以上である。165℃未満では、必要なアミノ基を得
た時点での環状オリゴマー含有量が多く、上限値として
好ましくは330℃以下であり、特に好ましくは320
℃以下である。330℃を越えると副反応がおけきやす
く反応物中のアミノ基量制御が困難で工業的な安定性に
欠けるためである。
【0050】本発明の固体酸として陽イオン交換樹脂を
使用する際の処理温度は30〜180℃である。下限値
として好ましくは40℃以上であり、特に好ましくは5
0℃以上である。30℃未満では、原料組成物が固化す
る危険性が高いためである。上限値として好ましくは1
60℃以下であり、特に好ましくは150℃以下であ
る。180℃を越えると陽イオン交換樹脂が融解、破砕
等を起こして配管に詰まり安定性に欠けるためである。
【0051】本発明においてアルミナを用いた場合は際
の処理時間は1〜60分間であり、上限値として好まし
くは45分以内であり、特に好ましくは30分以内であ
る。60分を越えると反応物中の環状オリゴマー含有量
が多くなるため好ましくなく、1分未満ではアミノ基含
有量が変動し、重合工程でのポリアミドの重合度の制御
が困難となるためである。
【0052】本発明において陽イオン交換樹脂を用いる
際の処理時間は1〜600分間であり、上限値として好
ましくは500分以内であり、特に好ましくは420分
以内である。600分を越えると反応物中の環状オリゴ
マー含有量が多くなるため好ましくなく、1分未満では
アミノ基含有量が変動し、重合工程でのポリアミドの重
合度の制御が困難となるためである。
【0053】本発明のポリアミドプレポリマーのアミノ
末端基量は、得られたポリアミドプレブレンドポリマー
からポリアミドを製造する際に、ポリアミド中のオリゴ
マー含有量を効果的に削減させると言う観点から、原料
組成物1gに対し0.1mmol反応物以上であること
が好ましい、更に、好ましくは0.15mmol反応物
以上、特に好ましくは0.2mmol以上である。アミ
ノ基量に上限はないが、生産性の点で通常1.0mmo
l以下の範囲で採用される。
【0054】ポリアミドプレポリマーのアミノ末端基量
はポリアミドプレポリマーをフェノールエタノール溶液
に溶解させた後に塩酸水溶液による滴定により定量され
る。
【0055】また、ポリアミドプレポリマー中の環状オ
リゴマー含有量は1.6重量%以下であることが好まし
く、より好ましくは1.0重量%以下、特に好ましくは
0.6重量%以下である。この環状オリゴマー含有量の
下限に特に制限はないが、通常0.01重量%である。
【0056】ポリアミドプレポリマー中の環状オリゴマ
ー含有量はポリアミドプレポリマーをメタノール抽出
し、抽出液を高速液体クロマトグラフィーで分析するこ
とにより定量される。
【0057】本発明の加熱処理後の反応物には水分とポ
リアミドプレポリマーを含んでいる。ポリアミドプレポ
リマーとはポリアミド原料の加熱処理により得られる組
成物であり、アミノ末端基を有するポリアミド鎖状オリ
ゴマー、環状オリゴマー、未反応カプロラクタムからな
る混合物を言う。この内、特に環状オリゴマーの少ない
ポリアミドプレポリマーが重合反応後生成するポリアミ
ド中のポリアミドオリゴマー含有量が少ないので好まし
い。
【0058】本発明中のポリアミド製造方法では重合開
始時にプレポリマーに対して更にカプロラクタムを追加
して重合することができる。カプロラクタムの追添加量
は、ポリアミドプレポリマーと追加カプロラクタムから
なる原料組成中のアミノ基量が原料組成物1gに対し
0.1mmol以上となる範囲であることが好ましい。
【0059】本発明のポリアミド製造法では、用いる重
合装置に特に制限はなく、一般にカプロラクタムの重合
に用いられる装置を用いることができる。具体的には連
続式常圧重合装置、加圧重合装置、回分式重合装置など
の液層重合装置があげられる。中でも生産性の面から連
続式常圧重合装置が好ましい。
【0060】本発明のポリアミドの製造方法において
は、重合温度の最高値は得られるポリアミドの融点+1
0℃以下となる温度条件下で重合することが好ましく、
特に222℃以下の温度条件が好ましい。この重合中最
高到達温度が得られるポリアミドの融点+10℃を越え
るとポリアミドオリゴマー含有量が増加し、重合温度が
低すぎると重合に要する時間が長くなり、生産効率が低
下する。そのため重合温度は160〜232℃の範囲で
実施することが好ましく、170〜222℃の範囲がよ
り好ましく、180〜220℃の範囲が特に好ましい。
なお、融点は、得られるポリアミドからカプロラクタ
ム、ポリアミドオリゴマー等を熱水抽出により除去し、
その後ポリアミドを溶融した後急冷したサンプルを用い
て示差走査型熱量計(DSC)で昇温速度20℃/分で
測定した結晶融解に基づく吸熱ピークのピークトップ温
度として定義される。
【0061】上記の条件を満たせば重合温度プロファイ
ルは常法に従って任意に設定できる。本発明のポリアミ
ドの製造方法では、重合時間は通常20時間以内であ
る。本発明のポリアミドの製造方法では、常圧重合装置
に供給される際のポリアミドプレポリマーを含む反応物
の含水率に制限はないが、4重量%以下が好ましい。4
重量%を越えるとポリアミドを製造する際の加熱に多く
の熱量が必要となり、生産性が低下するためである。ポ
リアミドプレポリマーの含水量についてはカールフィッ
シャー法を用いて測定できる。
【0062】本発明のポリアミドの製造方法では、加圧
下熱処理によって得られたポリアミドプレポリマーを常
圧重合装置に供給する際に、加圧下熱処理後の反応物を
常圧重合装置入口部にフラッシュさせて水分を蒸散除去
させる方法が好ましく採用される。フラッシュとは加熱
加圧下においた反応物を圧力の低く保った容器内へ吐出
して低沸点成分を揮発させることである。水分を蒸散除
去させることにより、ポリアミドを製造する際の加熱に
要する熱量を低減し、且つ重合温度制御を容易にするこ
とができる。
【0063】本発明のポリアミドの製造方法で得られる
ポリアミドは、押出成形などポリアミドが高粘度である
ことを要求される用途に対しては、好適な粘度が得られ
るように、ポリアミドの融点未満の温度で減圧下または
不活性気体雰囲気下で加熱処理する固相重合によって所
望の重合度に調整することが好ましい。
【0064】本発明のポリアミドの製造方法で得られる
ポリアミドの重合度は、サンプル濃度0.01g/mL
の98%硫酸溶液の25℃における相対粘度として、
2.2〜8.0であることが望ましい。更に、好ましく
は2.2〜7.0、特に好ましくは2.2〜6.5最も
好ましくは2.2〜6.0である。機械物性の発現のた
めには相対粘度が2.2以上であることが望ましく、ま
た成形の容易さから8.0以下であることが望ましい。
【0065】本発明のポリアミド製造方法では必要に応
じてカルボン酸化合物で末端を封鎖することができる。
モノカルボン酸を添加して末端を封鎖する場合には、得
られたポリアミドの末端基濃度が末端封鎖剤を使用しな
い場合に比べて低下する。一方ジカルボン酸で末端基封
鎖した場合には全末端基量は変化しないがアミノ末端基
とカルボキシル末端基との比率を変えることができる。
カルボン酸化合物としては酢酸、プロピオン酸、酪酸、
吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラル
ゴン酸、ウンデカン酸、ラウリル酸、トリデカン酸、ミ
リスチン酸、ミリストレイン酸、パルミチン酸、ステア
リン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキ
ン酸のような脂肪族モノカルボン酸、シクロヘキサンカ
ルボン酸、メチルシクロヘキサンカルボン酸のような脂
環式モノカルボン酸、安息香酸トルイル酸、エチル安息
香酸、ナフタレンカルボン酸、アントラセンカルボン
酸、フェニル酢酸などの芳香族モノカルボン酸、シュウ
酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピ
メリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウ
ンデカン二酸、ドデカン二酸、ブラシリン酸、テトラデ
カン二酸、ペンタデカン二酸、オクタデカン二酸のよう
な脂肪族ジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレ
フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、アントラセンジカ
ルボン酸のような芳香族ジカルボン酸等があげられる。
【0066】また、前記の末端封鎖剤はポリアミドプレ
ポリマーの製造時にカプロラクタムなどの原料と一緒に
仕込む方法、ポリアミドプレポリマーの製造途中で添加
する方法、加熱処理後、重合装置投入前に仕込む方法、
ポリアミドを溶融状態で未反応カプロラクタムおよびポ
リアミドオリゴマーを除去する際に添加する方法などが
採用される。末端封鎖剤はそのまま添加してもよいし、
少量の溶剤に溶解して添加してもかまわない。
【0067】本発明の製造方法としては、用途に応じて
例えば酸化防止剤や低熱安定剤(ヒンダードフェノール
系、ヒドロキノン系、ホスファイト系およびこれらの置
換体、ハロゲン化銅、クロム塩、マンガン塩、ヨウ素系
化合物等)、耐候剤(レゾルシノール系、ベンゾトリア
ゾール系、ベンゾフェノン系、ヒンダードアミン系
等)、離型剤及び滑剤(脂肪族アルコール、脂肪族アミ
ド、脂肪族ビスアミド、ビス尿素およびポリエチレンワ
ックス等)、顔料(硫化カドミウム、フタロシアニン、
カーボンブラック等)、染料(ニグロシン、アニリンブ
ラック等)、結晶核剤(タルク、シリカ、カオリン、ク
レー等)、可塑剤(p−オキシ安息香酸オクチル、N−
ブチルベンゼンスルホンアミド等)、帯電防止剤(アル
キルサルフェート型アニオン系帯電防止剤、4級アンモ
ニウム塩型カチオン系帯電防止剤、ポリオキシエチレン
ソルビタンモノステアレートのような非イオン系帯電防
止剤、ベタイン系両性帯電防止剤等)、難燃剤(メラミ
ンシアヌレート、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニ
ウムのような水酸化物、ポリリン酸アンモニウム、臭素
化ポリスチレン、臭素化ポリフェニレンオキシド、臭素
化ポリカーボネート、臭素化エポキシ樹脂あるいはこれ
らの臭素系難燃剤と三酸化アンチモンとの組み合わせ
等)、充填剤(グラファイト、硫酸バリウム、硫酸マグ
ネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化ア
ンチモン、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、
酸化鉄、硫化亜鉛、亜鉛、鉛、ニッケル、アルミニウ
ム、銅、鉄、ステンレス、ガラス繊維、炭素繊維、アラ
ミド繊維、ベントナイト、モンモリロナイト、合成雲母
の粒子状、繊維状、針状、板状充填剤)、他の重合体
(その他のポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリフェニレ
ン、ポリフェニレンスルフィド、液晶ポリマー、ポリス
ルホン、ポリエーテルスルホン、ABS樹脂、SAN樹
脂、ポリスチレン等)を任意の時点で添加することがで
きる。
【0068】本発明の製造方法によって得られたポリア
ミドは、従来のポリアミドと同様に、通常の成型方法に
より成型品とすることができる。成型方法としては特に
制限はなく、射出成形、押出成形、吹込成型、プレスな
どの公知の方法が利用できる。ここで言う成型品とは射
出成形等による狭義の成型品の他、繊維、フィルム、シ
ート、チューブ、モノフィラメント等の賦形物をも含
む。
【0069】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明を具体的に説明
する。なお、実施例および比較例に記した分析および測
定は次の方法に従って行った。
【0070】(1)原料組成物の含水量 平沼微量水分量測定装置AQ−6を用いて測定した。
【0071】(2)ポリアミドプレポリマーの中のアミ
ノ末端基量 被測定物約0.2gを精秤し、フェノールエタノール混
合溶媒(83.5:16.5、体積比)25ccに溶解
後、0.02N塩酸溶液を用いて滴定した。
【0072】(3)ポリアミドプレポリマー中の環状オ
リゴマー含有量 被測定物を粉砕し、JIS標準ふるい24meshを通
過し、124meshは不通過である被測定物の粉末を
集め、該粉末20gをメタノール200mLで3時間ソ
ックスレイ抽出器を用いて抽出し、抽出液に含まれる環
状オリゴマーを高速液体クロマトグラフを用いて定量し
た。なお、以下の実施例においては7量体以上の環状オ
リゴマーは観測されなかった。測定条件は次の通りであ
る。高速液体クロマトグラフィー:ウォーターズ社60
0E カラム:GLサイエンス社 ODS−3 検出器:ウォーターズ社484Tunable Absorbanse Det
ector 検出波長:254nm インジェクション体積:10μL 溶媒:メタノール/水(メタノール水の組成は20:8
0→80:20のグラディエント分析とした) 流速: 1mL/min。
【0073】(4)ポリアミド中のカプロラクタム ポリアミドを粉砕し、JIS標準ふるい24meshを
通過し、124meshは不通過である被測定物の粉末
を集め、該粉末20gをメタノール200mLで3時間
ソックスレイ抽出器を用いて抽出し、抽出液に含まれる
カプロラクタムを高速液体クロマトグラフを用いて定量
した。測定条件は次の通りである。 高速液体クロマトグラフィー:ウォーターズ社600E カラム:GLサイエンス社 ODS−3 検出器:ウォーターズ社484Tunable Absorbanse Det
ector 検出波長:254nm インジェクション体積:10μL 溶媒:メタノール/水(20:80(体積比)) 流速:1mL/min。
【0074】(5)ポリアミド中のポリアミドオリゴマ
ー含有量 重合反応物を粉砕し、JIS標準ふるい24meshを
通過し、124meshは不通過である被測定物の粉末
を集め、該粉末20gをメタノール200mLで3時間
ソックスレイ抽出器を用いて抽出し、抽出液に含まれる
カプロラクタムを前記の方法で定量した後、エヴァポレ
ーターで蒸発乾固し、更に80℃/8時間真空乾燥した
後に得られる残査量を求め、前記(4)項で求めたカプ
ロラクタム量を差し引いてポリアミドオリゴマー含量と
した。
【0075】(6)硫酸相対粘度(ηr) 98%硫酸中、0.01g/L濃度、25℃でオストワ
ルト式粘度計を用いて測定を行った。
【0076】A.使用原料 本実験で用いた試薬は下記の通りである。次の固体酸を
使用した。
【0077】A−1;アルミナ、粒径2〜4mm、表面
積123m2/g 酸化アルミニウム(触媒用)(ナカライテクス(株))
を空気中500℃で1時間処理したものを用いた。
【0078】A−2;アルミナ、粒径0.5〜1mm、
表面積250〜350m2/g 上記A−1を粉砕し、JIS篩の60meshを通過
し、30meshを通過しない物を集め、空気中500
℃で1時間処理したものを用いた。
【0079】A−3;シリカカルシア、粒径0.3〜4
mm、表面積114m2/g シリカカルシアN661B(日揮化学(株))を粉砕
し、上記粒径のものを篩で分取し、空気中で500℃で
5時間処理した物を用いた。
【0080】A−4;シリカアルミナ、粒径74〜10
5μm、表面積511m2/g 日本触媒学会の参照触媒であるJRC−ALO−2を空
気中で550℃8時間処理した物を用いた。
【0081】B−1;強酸型イオン交換樹脂、ゲル型、
粒度範囲300〜1180μm、交換容量>2.0me
q/mL、前記化学式1の構造を含む。
【0082】イオン交換樹脂ハンドブック記載のSK−
104を用いた。
【0083】B−2;弱酸性イオン交換樹脂、多孔性、
粒度範囲300〜1180μm、交換容量>2.9me
q/mL、前記化学式2の構造を含むイオン交換樹脂ハ
ンドブック記載のWK−11を用いた。
【0084】溶融回収ラクタム カプロラクタムは東京化成工業株式会社の特級試薬を溶
融しモレキュラーシーブで乾燥したものを使用し、この
カプロラクタムを197℃で7時間、220℃で4時間
加熱して重合し、その重合反応物をベント部分にトラッ
プを設けた日本製鋼所社製30mmφベント付2軸押出
機を用いて下記の条件で溶融揮発を行い、トラップに捕
捉された回収ラクタムを得た。溶融回収ラクタムの組成
はカプロラクタム97重量%、ポリアミドオリゴマー量
3重量%であった。
【0085】溶融揮発の条件 ・L/D=45.5、同方向回転、深溝タイプ、 ・バレル温度:原料供給側からの温度が160/240
/250/260/260/260/260/250/
250℃ ・第2、4、6ゾーンから133Paで減圧脱気 ・回転数200rpm。
【0086】実施例1〜9 溶融回収ラクタムを図1に示す触媒充填塔を用いた装置
で熱処理を行った。溶融回収ラクタムを含む原料組成物
を1の原料貯槽に仕込み、2のポンプで加圧を行い3の
触媒充填塔へ供給した。5のバルブで系内の圧力を調整
しながら6のバルブからポリアミドプレポリマーを得
た。原料組成、処理温度、圧力は表1に示す条件で行っ
た。処理時間は装置滞留時間を表している。
【0087】
【表1】 比較例1〜4 実施例で使用したポリアミドオリゴマーを含むカプロラ
クタムを反応容器には触媒を充填せず、表1に示す条件
の加熱処理を行いポリアミドプレポリマーを得た。
【0088】比較例5 カプロラクタムのみを触媒未充填の反応容器を用いて表
1の条件で熱処理を行った。
【0089】
【表2】 溶融回収ラクタムを用いた実施例1〜9および比較例1
〜4とカプロラクタムを用いた比較例5でわかるよう
に、本発明の製造方法では、固体酸を用いることにより
回収ラクタムを用いてもポリアミドオリゴマー含有量が
少ないポリアミドプレポリマーが高効率で得られること
がわかる。
【0090】実施例10〜12 得られた実施例2、4、5と比較例4のポリアミドプレ
ポリマーまたはカプロラクタムを常圧連続重合塔に供給
し、表3に示す条件での重合を行い、重合反応物を得
た。各重合反応物のポリマー特性を表3に示す。
【0091】比較例6〜7 実施例1および3で示されるポリアミドプレポリマーを
常圧連続重合塔に供給し、表3に示す条件での重合を行
い、重合反応物を得た。各重合反応物のポリマー特性を
表3に示す。
【0092】比較例8 カプロラクタムを常圧連続重合塔に供給し、表3に示す
条件での重合を行い、重合反応物を得た。各重合反応物
のポリマー特性を表3に示す。
【0093】
【表3】 溶融回収ラクタムを用いた実施例10〜12および比較
例6〜7、カプロラクタムのみを用いた比較例8でわか
るように、本発明の製造方法では、回収ラクタムを用い
てもポリアミドオリゴマー含有量が少ないポリアミドが
高生産効率且つ低コストで得られることがわかった。
【0094】
【発明の効果】以上のように本発明の製造方法によれば
回収されたカプロラクタム、およびポリアミドオリゴマ
ーを原料として、ポリアミドオリゴマー含有量の少ない
ポリアミドを工業的に有利に得ることができる。それに
より、副生成物であるポリアミドオリゴマーの再利用が
可能となり、高生産効率且つ低コストでポリアミドを製
造することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例で用いた重合反応装置の概略図であ
る。
【符号の説明】
1:原料貯槽 2:原料供給ポンプ 3:圧力計 4:触媒充填塔 5:調圧バルブ 6:ポリアミドプレポリマー採取口 7:常圧連続重合塔
フロントページの続き Fターム(参考) 4J001 DA01 DB01 DD07 DD13 EA02 EA05 EA06 EA07 EA08 EA45 EE02E EE04E EE06E EE08D EE08E EE09D EE09E EE14D EE14E EE16D EE18D EE18E EE20D EE23E EE25E EE27C EE27D EE28C EE28E EE35E EE36E EE43E EE53E EE58E EE64E EE72D EE72E EE74E GA01 GA12 GB02 GB03 GB05 GB06 GB12 GC04 GC05 GD01 HA01 HA02 HA05 JA01 JA04 JA07 JA10 JA13 JB02 JB13 JB21 JB27 JC01

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶融揮発により得られる回収ラクタムを一
    部または全部とした原料組成物を固体酸存在下、加圧下
    に処理してポリアミドプレポリマーを生成させることを
    特徴とするポリアミドプレポリマーの製造方法。
  2. 【請求項2】回収ラクタムを全原料組成物に対し1〜2
    0重量%使用することを特徴とする請求項1記載のポリ
    アミドプレポリマーの製造方法。
  3. 【請求項3】水分が全原料組成物に対し10〜50重量
    %であることを特徴とする請求項1または2記載のポリ
    アミドプレポリマーの製造方法。
  4. 【請求項4】ポリアミドプレポリマーのアミノ末端基量
    が原料組成物1gに対して0.1mmol以上であるこ
    とを特徴とする請求項1〜3いずれか記載のポリアミド
    プレポリマーの製造方法。
  5. 【請求項5】ポリアミドプレポリマーの環状オリゴマー
    含有量が全原料組成物に対し1.4重量%以下であるこ
    とを特徴とする請求項1〜4いずれか記載のポリアミド
    プレポリマーの製造方法。
  6. 【請求項6】溶融揮発が押出機を用いた溶融揮発である
    ことを特徴とする請求項1〜5いずれか記載のポリアミ
    ドプレポリマーの製造方法。
  7. 【請求項7】前記押出機がベント付二軸押出機であるこ
    とを特徴とする請求項6記載のポリアミドプレポリマー
    の製造方法。
  8. 【請求項8】溶融揮発により得られる回収ラクタムを一
    部または全部とした原料組成物に固体酸存在下、加圧下
    に処理してポリアミドプレポリマーを生成させた後、該
    ポリアミドプレポリマーを含む反応物を重合してポリア
    ミドを製造することを特徴とするポリアミドの製造方
    法。
  9. 【請求項9】ポリアミドプレポリマーの重合が常圧重合
    であることを特徴とする請求項8記載のポリアミドの製
    造方法。
  10. 【請求項10】常圧重合の最高到達温度が180℃以上
    222℃以下であることを特徴とする請求項8または9
    記載のポリアミドの製造方法。
  11. 【請求項11】ポリアミドプレポリマーの常圧重合を行
    う常圧重合装置供給前に該ポリアミドプレポリマー含む
    反応物を常圧重合装置入口部でフラッシュさせて水分を
    蒸散除去する請求項8〜10いずれか記載のポリアミド
    の製造方法。
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