JP2003261483A - アリルアルコールの製造方法 - Google Patents
アリルアルコールの製造方法Info
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Abstract
反応によってカルボニル化合物からアリルアルコールを
合成する。 【解決手段】 カルボニル化合物とアリルトリアルキル
スズとを、水性溶液中においてカドミウム(Cd)およ
びインジウム(In)の少くともいずれかの過塩素酸塩
の存在下に反応させる。
Description
ルコールの製造方法に関するものである。さらに詳しく
は、この出願の発明は、簡便な操作で、しかも溶媒処理
の環境への負荷も少なく、高い反応効率でアリルアルコ
ールを合成することのできる、新しいアリルアルコール
の製造方法に関するものである。
物のアリル化反応は、医薬品、香料、農薬、各種のポリ
マー等の原料や中間体として有用なホモアリルアルコー
ルを与える重要な反応であることが知られている。
で行うことは、廃棄溶媒の環境への負荷が大きい有機溶
媒の使用を減らし、また、反応操作も簡便となり、さら
には特異な反応性も見られる等のことから注目を集めて
いる。
者らは、合成反応として有用なホモアリルアルコールを
与えるカルボニル化合物のアリル化反応を水性溶媒中で
行うことを検討してきた。そしてその過程において、テ
トラアリルスズを用いる水溶液中でのアリル化反応を開
発した。
いる水溶液中での反応は大変に有用であるものの、反応
成分としてのテトラアリルスズそのものが一般的なもの
ではなく、その入手や合成、そして取扱いはそれほど簡
便ではないという問題があり、アリル化反応の操作も必
ずしも容易ではなかった。
のこの出願の発明者らの開発したアリル化反応方法の知
見とその検討を踏まえてなされたものであって、より汎
用的に、簡便な操作で、しかも溶媒処理の環境への負荷
の少ない水性溶液中において、高い反応効率でアリルア
ルコールを合成することのできる、新しいアリルアルコ
ールの製造方法を提供することを課題としている。
の課題を解決するものとして、第1には、カルボニル化
合物とアリルトリアルキルスズとを、水性溶液中におい
てカドミウムおよびインジウムの少くともいずれかの過
塩素酸塩の存在下に反応させることを特徴とするアリル
アルコールの製造方法を提供する。
記反応において、カドミウムおよびインジウムの少くと
もいずれかの過塩素酸塩とともに、N,N,N',N",
N"−ペンタアルキルジエチレントリアミンおよび2,
9−ジアルキルフェナンスロリンの少くとも一種を存在
させることを特徴とするアリルアルコールの製造方法を
提供する。
特徴をもつものであるが、以下にその実施の形態につい
て説明する。
の発明では、水性溶液中において、より汎用的なアリル
トリアルキルスズを用いてカルボニル化合物のアリル化
反応を行ってアリルアルコールを合成することである。
式
基を示す)で表わすことができるものであって、アルキ
ル基Rとしては、好適には直鎖または分枝鎖状の炭素数
6以下の低級アルキル基が考慮される。たとえば、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、
ヘキシル基等が例示される。特に、この出願の発明にお
いて好適なアリルトリアルキルスズとしては、代表的に
はアリルトリブチルスズを例示することができる。
を反応させるカルボニル化合物としては、炭化水素基に
カルボニル基を結合するアルデヒド化合物、あるいはケ
トン化合物の各種のものであってよい。この場合の炭化
水素基は、たとえば脂肪族、脂環式、芳香族、さらには
複素環のいずれの構造でもよく、カルボニル基は、環を
構成する炭素原子において形成されていてもよい。ま
た、この出願の発明のアリル化反応を阻害しない限り、
各種の置換基を有していてもよい。
物との反応によりアリルアルコールの合成を、アルデヒ
ド化合物R1−CHO(R1は上記のとおりの炭化水素基
を示す)の場合として例示すると次式のとおり表わすこ
とができる。
において行われることが大きな特徴である。水性溶液の
ための溶媒としては水、あるいは水と相溶性のあるアル
コール化合物等の物質との混合溶媒が考慮される。
反応では、上記のアリルトリアルキルスズとカルボニル
化合物との使用量は、そのモル比として、1:10〜1
0:1の範囲を目安とし、また水性溶液のための溶媒と
して混合溶媒を使用する場合には、水と相溶性の溶媒の
水に対する使用割合は、体積比として10倍〜0.1倍
を一般的な目安とすることができる。
触媒もしくは反応促進剤としての役割を果たすものとし
て、カドミウム(Cd)および/またはインジウム(I
n)の過塩素酸塩を反応系に存在させることも特徴とし
ている。
酸塩は、反応系に対して、カルボニル化合物を基準とし
て2モル%〜50モル%の範囲を一般的な目安として存
在させることができる。
合物を併用してもよい。これらは、過塩素酸塩に対して
の配位子成分、あるいは助触媒成分等として作用するも
のであって、N,N,N',N",N"−ペンタアルキル
ジエチレントリアミンおよび2,9−ジアルキルフェナ
ンスロリンの少くとも一種が好適なものとして例示され
る。
は同一または別異のものであってよいが、炭素数8以下
の低級アルキル基、なかでもメチル基、エチル基、プロ
ピル基、ブチル基等が好ましい。
カルボニル化合物に対して5モル%〜50モル%の範囲
においてカドミウムやインジウムの過塩素酸塩とともに
使用されることが考慮される。カドミウムやインジウム
の過塩素酸塩に対してのモル比としては0.1〜1.2
程度の割合とすることが一般的に考慮される。
は、反応温度については特に限定的ではないが、通常
は、5℃〜50℃程度の反応温度とすることができ、ま
た大気中あるいは不活性ガス雰囲気下等において常圧、
あるいは加圧下や減圧下に反応を行うことができる。
アリルトリアルキルスズを用いることによって、水性溶
液中で、アルデヒド化合物からだけでなく、ケトン化合
物からも、高い反応効率でアリルアルコールを合成する
ことが可能とされる。
くこの出願の発明について説明する。
ブチルスズとの反応によって目的とするアリルアルコー
ルを合成した。
ル%)を用い、水/エタノール(1/9)混合溶媒によ
る水性溶液中で、30℃の反応温度で30分間反応を行
った。
た。
ガンド化合物(1)(2)を、各々20モル%の割合で
用いて反応を行ったところ、各々、収率91%、92%
の反応成績を得た。
併用した場合(黒丸)と、併用せずにカドミウム過塩素
酸塩のみを用いて反応させた場合(白角)とを反応時間
と収率との関係として示したものである。リガンド化合
物併用の効果が極めて顕著であることがわかる。 <実施例2>実施例1のアリルアルコールの合成反応
を、各種のルイス酸触媒のみを用いて、24時間行っ
た。
の過塩素酸塩の高い反応活性化作用が特異的なものであ
ることがわかる。 <実施例3>カドミウムの過塩素酸塩にリガンド化合物
(1)(2)を併用して各種のカルボニル化合物のアリ
ル化を行った。
高い反応収率で、各種のアリルアルコールが合成される
ことがわかる。
発明によって、より汎用な、簡便な操作で、水性溶液中
で、高い反応効率によってカルボニル化合物からのアリ
ルアルコールの合成が可能とされる。
合との反応時間と反応収率との関係を示したものであ
る。
Claims (2)
- 【請求項1】 カルボニル化合物とアリルトリアルキル
スズとを水性溶液中においてカドミウムおよびインジウ
ムの少くともいずれかの過塩素酸塩の存在下に反応させ
ることを特徴とするアリルアルコールの製造方法。 - 【請求項2】 カドミウムおよびインジウムの少くとも
いずれかの過塩素酸塩とともにN,N,N',N",N"
−ペンタアルキルジエチレントリアミンおよび2,9−
ジアルキルフェナンスロリンの少くとも一種を存在させ
ることを特徴とする請求項1のアリルアルコールの製造
方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002065253A JP3768905B2 (ja) | 2002-03-11 | 2002-03-11 | アリルアルコールの製造方法 |
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JP (1) | JP3768905B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008255093A (ja) * | 2007-03-09 | 2008-10-23 | Japan Science & Technology Agency | ホモアリルアルコール又はホモアリルヒドラジドの製造方法 |
-
2002
- 2002-03-11 JP JP2002065253A patent/JP3768905B2/ja not_active Expired - Fee Related
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