JP2003261483A - アリルアルコールの製造方法 - Google Patents

アリルアルコールの製造方法

Info

Publication number
JP2003261483A
JP2003261483A JP2002065253A JP2002065253A JP2003261483A JP 2003261483 A JP2003261483 A JP 2003261483A JP 2002065253 A JP2002065253 A JP 2002065253A JP 2002065253 A JP2002065253 A JP 2002065253A JP 2003261483 A JP2003261483 A JP 2003261483A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reaction
allyl alcohol
aqueous solution
cadmium
perchlorate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002065253A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3768905B2 (ja
Inventor
Osamu Kobayashi
修 小林
Takashi Manabe
敬 眞鍋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Science and Technology Agency
Original Assignee
Japan Science and Technology Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Science and Technology Corp filed Critical Japan Science and Technology Corp
Priority to JP2002065253A priority Critical patent/JP3768905B2/ja
Publication of JP2003261483A publication Critical patent/JP2003261483A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3768905B2 publication Critical patent/JP3768905B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 より汎用な、簡便な手段で、水性溶液中での
反応によってカルボニル化合物からアリルアルコールを
合成する。 【解決手段】 カルボニル化合物とアリルトリアルキル
スズとを、水性溶液中においてカドミウム(Cd)およ
びインジウム(In)の少くともいずれかの過塩素酸塩
の存在下に反応させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願の発明は、アリルア
ルコールの製造方法に関するものである。さらに詳しく
は、この出願の発明は、簡便な操作で、しかも溶媒処理
の環境への負荷も少なく、高い反応効率でアリルアルコ
ールを合成することのできる、新しいアリルアルコール
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術と発明の課題】従来より、カルボニル化合
物のアリル化反応は、医薬品、香料、農薬、各種のポリ
マー等の原料や中間体として有用なホモアリルアルコー
ルを与える重要な反応であることが知られている。
【0003】一方、各種の有機合成反応を、水性溶液中
で行うことは、廃棄溶媒の環境への負荷が大きい有機溶
媒の使用を減らし、また、反応操作も簡便となり、さら
には特異な反応性も見られる等のことから注目を集めて
いる。
【0004】このような状況において、この出願の発明
者らは、合成反応として有用なホモアリルアルコールを
与えるカルボニル化合物のアリル化反応を水性溶媒中で
行うことを検討してきた。そしてその過程において、テ
トラアリルスズを用いる水溶液中でのアリル化反応を開
発した。
【0005】しかしながら、このテトラアリルスズを用
いる水溶液中での反応は大変に有用であるものの、反応
成分としてのテトラアリルスズそのものが一般的なもの
ではなく、その入手や合成、そして取扱いはそれほど簡
便ではないという問題があり、アリル化反応の操作も必
ずしも容易ではなかった。
【0006】そこで、この出願の発明は、以上のとおり
のこの出願の発明者らの開発したアリル化反応方法の知
見とその検討を踏まえてなされたものであって、より汎
用的に、簡便な操作で、しかも溶媒処理の環境への負荷
の少ない水性溶液中において、高い反応効率でアリルア
ルコールを合成することのできる、新しいアリルアルコ
ールの製造方法を提供することを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】この出願の発明は、上記
の課題を解決するものとして、第1には、カルボニル化
合物とアリルトリアルキルスズとを、水性溶液中におい
てカドミウムおよびインジウムの少くともいずれかの過
塩素酸塩の存在下に反応させることを特徴とするアリル
アルコールの製造方法を提供する。
【0008】そして、この出願の発明は、第2には、上
記反応において、カドミウムおよびインジウムの少くと
もいずれかの過塩素酸塩とともに、N,N,N',N",
N"−ペンタアルキルジエチレントリアミンおよび2,
9−ジアルキルフェナンスロリンの少くとも一種を存在
させることを特徴とするアリルアルコールの製造方法を
提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】この出願の発明は上記のとおりの
特徴をもつものであるが、以下にその実施の形態につい
て説明する。
【0010】まずなによりも特徴的なことは、この出願
の発明では、水性溶液中において、より汎用的なアリル
トリアルキルスズを用いてカルボニル化合物のアリル化
反応を行ってアリルアルコールを合成することである。
【0011】アリルトリアルキルスズは、一般的には次
【0012】
【化1】
【0013】(式中のRは、同一または別異のアルキル
基を示す)で表わすことができるものであって、アルキ
ル基Rとしては、好適には直鎖または分枝鎖状の炭素数
6以下の低級アルキル基が考慮される。たとえば、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、
ヘキシル基等が例示される。特に、この出願の発明にお
いて好適なアリルトリアルキルスズとしては、代表的に
はアリルトリブチルスズを例示することができる。
【0014】一方、このようなアリルトリアルキルスズ
を反応させるカルボニル化合物としては、炭化水素基に
カルボニル基を結合するアルデヒド化合物、あるいはケ
トン化合物の各種のものであってよい。この場合の炭化
水素基は、たとえば脂肪族、脂環式、芳香族、さらには
複素環のいずれの構造でもよく、カルボニル基は、環を
構成する炭素原子において形成されていてもよい。ま
た、この出願の発明のアリル化反応を阻害しない限り、
各種の置換基を有していてもよい。
【0015】アリルトリアルキルスズとカルボニル化合
物との反応によりアリルアルコールの合成を、アルデヒ
ド化合物R1−CHO(R1は上記のとおりの炭化水素基
を示す)の場合として例示すると次式のとおり表わすこ
とができる。
【0016】
【化2】
【0017】このようなアリル化合成反応は水性溶液中
において行われることが大きな特徴である。水性溶液の
ための溶媒としては水、あるいは水と相溶性のあるアル
コール化合物等の物質との混合溶媒が考慮される。
【0018】水性溶液中でのこの出願の発明のアリル化
反応では、上記のアリルトリアルキルスズとカルボニル
化合物との使用量は、そのモル比として、1:10〜1
0:1の範囲を目安とし、また水性溶液のための溶媒と
して混合溶媒を使用する場合には、水と相溶性の溶媒の
水に対する使用割合は、体積比として10倍〜0.1倍
を一般的な目安とすることができる。
【0019】そして、この出願の発明においては、反応
触媒もしくは反応促進剤としての役割を果たすものとし
て、カドミウム(Cd)および/またはインジウム(I
n)の過塩素酸塩を反応系に存在させることも特徴とし
ている。
【0020】これらのカドミウムやインジウムの過塩素
酸塩は、反応系に対して、カルボニル化合物を基準とし
て2モル%〜50モル%の範囲を一般的な目安として存
在させることができる。
【0021】また、過塩素酸塩とともに、含窒素有機化
合物を併用してもよい。これらは、過塩素酸塩に対して
の配位子成分、あるいは助触媒成分等として作用するも
のであって、N,N,N',N",N"−ペンタアルキル
ジエチレントリアミンおよび2,9−ジアルキルフェナ
ンスロリンの少くとも一種が好適なものとして例示され
る。
【0022】これらの化合物におけるアルキル基として
は同一または別異のものであってよいが、炭素数8以下
の低級アルキル基、なかでもメチル基、エチル基、プロ
ピル基、ブチル基等が好ましい。
【0023】また、これらの化合物は、反応原料となる
カルボニル化合物に対して5モル%〜50モル%の範囲
においてカドミウムやインジウムの過塩素酸塩とともに
使用されることが考慮される。カドミウムやインジウム
の過塩素酸塩に対してのモル比としては0.1〜1.2
程度の割合とすることが一般的に考慮される。
【0024】水性溶液中での反応が行われる条件下で
は、反応温度については特に限定的ではないが、通常
は、5℃〜50℃程度の反応温度とすることができ、ま
た大気中あるいは不活性ガス雰囲気下等において常圧、
あるいは加圧下や減圧下に反応を行うことができる。
【0025】この出願の発明においては、より汎用的な
アリルトリアルキルスズを用いることによって、水性溶
液中で、アルデヒド化合物からだけでなく、ケトン化合
物からも、高い反応効率でアリルアルコールを合成する
ことが可能とされる。
【0026】そこで、以下に実施例を示し、さらに詳し
くこの出願の発明について説明する。
【0027】
【実施例】<実施例1> 次の反応式
【0028】
【化3】
【0029】に従って、ベンズアルデヒドとアリルトリ
ブチルスズとの反応によって目的とするアリルアルコー
ルを合成した。
【0030】反応には、カドミウム過塩素酸塩(20モ
ル%)を用い、水/エタノール(1/9)混合溶媒によ
る水性溶液中で、30℃の反応温度で30分間反応を行
った。
【0031】目的のアリルアルコールを収率50%で得
た。
【0032】また、カドミウム過塩素酸塩とともに、リ
ガンド化合物(1)(2)を、各々20モル%の割合で
用いて反応を行ったところ、各々、収率91%、92%
の反応成績を得た。
【0033】添付した図1は、リガンド化合物(1)を
併用した場合(黒丸)と、併用せずにカドミウム過塩素
酸塩のみを用いて反応させた場合(白角)とを反応時間
と収率との関係として示したものである。リガンド化合
物併用の効果が極めて顕著であることがわかる。 <実施例2>実施例1のアリルアルコールの合成反応
を、各種のルイス酸触媒のみを用いて、24時間行っ
た。
【0034】その結果を次表に示した。
【0035】
【表1】
【0036】この表1からも、カドミウムとインジウム
の過塩素酸塩の高い反応活性化作用が特異的なものであ
ることがわかる。 <実施例3>カドミウムの過塩素酸塩にリガンド化合物
(1)(2)を併用して各種のカルボニル化合物のアリ
ル化を行った。
【0037】その結果を次表に示した。
【0038】
【表2】
【0039】表2より、この発明の方法によって極めて
高い反応収率で、各種のアリルアルコールが合成される
ことがわかる。
【0040】
【発明の効果】以上詳しく説明したとおり、この出願の
発明によって、より汎用な、簡便な操作で、水性溶液中
で、高い反応効率によってカルボニル化合物からのアリ
ルアルコールの合成が可能とされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】リガンド化合物を併用した場合と併用しない場
合との反応時間と反応収率との関係を示したものであ
る。
フロントページの続き Fターム(参考) 4H006 AA02 AC22 AC41 BA05 BA07 BA08 BA09 BA11 BA37 BA46 BA67 BB31 FC22 FC52 FE11 FE12 4H039 CA29 CA60 CF30

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルボニル化合物とアリルトリアルキル
    スズとを水性溶液中においてカドミウムおよびインジウ
    ムの少くともいずれかの過塩素酸塩の存在下に反応させ
    ることを特徴とするアリルアルコールの製造方法。
  2. 【請求項2】 カドミウムおよびインジウムの少くとも
    いずれかの過塩素酸塩とともにN,N,N',N",N"
    −ペンタアルキルジエチレントリアミンおよび2,9−
    ジアルキルフェナンスロリンの少くとも一種を存在させ
    ることを特徴とする請求項1のアリルアルコールの製造
    方法。
JP2002065253A 2002-03-11 2002-03-11 アリルアルコールの製造方法 Expired - Fee Related JP3768905B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002065253A JP3768905B2 (ja) 2002-03-11 2002-03-11 アリルアルコールの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002065253A JP3768905B2 (ja) 2002-03-11 2002-03-11 アリルアルコールの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003261483A true JP2003261483A (ja) 2003-09-16
JP3768905B2 JP3768905B2 (ja) 2006-04-19

Family

ID=28671216

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002065253A Expired - Fee Related JP3768905B2 (ja) 2002-03-11 2002-03-11 アリルアルコールの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3768905B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008255093A (ja) * 2007-03-09 2008-10-23 Japan Science & Technology Agency ホモアリルアルコール又はホモアリルヒドラジドの製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008255093A (ja) * 2007-03-09 2008-10-23 Japan Science & Technology Agency ホモアリルアルコール又はホモアリルヒドラジドの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3768905B2 (ja) 2006-04-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Okamoto Synthetic Reactions Using Low‐valent Titanium Reagents Derived from Ti (OR) 4 or CpTiX3 (X= O‐i‐Pr or Cl) in the Presence of Me3SiCl and Mg
Imhof et al. Ruthenium catalysed cross metathesis with fluorinated olefins
Schmid et al. Ruthenium-catalysed formylation of amines with dense carbon dioxide as C1-source
Kantam et al. An efficient synthesis of organic carbonates using nanocrystalline magnesium oxide
Meinhart et al. Insertion of carbon-heteroatom multiple bonds into bis (. ETA. 5-cyclopentadienyl) titanacyclobutenes.
JP2003261483A (ja) アリルアルコールの製造方法
CN107915653B (zh) 催化酯和胺进行反应制备酰胺的方法
JP2008239601A (ja) ラクチド化合物の製造方法
Chen et al. A metal-free transformation of alkynes to carbonyls directed by remote OH group
CN108530401B (zh) 一种3-羟甲基四氢呋喃的生产工艺
Li et al. An efficient catalytic ylide route to vinyl epoxides
JP4271494B2 (ja) 2−ヒドロキシブタン酸メチルの製造方法
Polak et al. Yttrium‐Catalyzed Intermolecular Hydroamination of Norbornene with Simple Amines
Mukaiyama et al. A convenient method for the synthesis of. ALPHA.-alkoxycarboxamide derivatives.
JPH0315619B2 (ja)
Lee et al. Aziridination of imines mediated by copper catalysts
CN113351255B (zh) 用于异丁醛氧化制异丁酸的Co络合物催化剂及其应用
JP3573679B2 (ja) 高分子固定化α−イミノエステル
JPH07215904A (ja) ヒドロキシピバルアルデヒドの製造方法
JP5184565B2 (ja) 水系溶媒中での含窒素化合物の製造方法
JP2004238368A (ja) アザディールス・アルダー反応方法
Sakurai et al. TiCl4-Zn Induced Reductive Acylation of Ketones with Acylsilanes.
JP6766459B2 (ja) カルボン酸エステルの製造方法
KR100484497B1 (ko) 올레핀으로부터 에스테르의 제조방법
SU763346A1 (ru) Медные хелаты -аминовинилкетонов как катализатор тримеризации нитрилов перфторкарбоновых кислот в триазины

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050930

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20051011

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060105

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20051208

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060202

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees