JP2003261460A - 肺選択的癌転移の診断薬および治療薬 - Google Patents
肺選択的癌転移の診断薬および治療薬Info
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- JP2003261460A JP2003261460A JP2002063835A JP2002063835A JP2003261460A JP 2003261460 A JP2003261460 A JP 2003261460A JP 2002063835 A JP2002063835 A JP 2002063835A JP 2002063835 A JP2002063835 A JP 2002063835A JP 2003261460 A JP2003261460 A JP 2003261460A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 肺選択的癌転移の予防薬、診断薬または治療
薬が求められている。また、肺選択的癌転移抑制剤、肺
選択的転移癌の増殖阻害剤等の薬剤が求められている。
さらに、肺選択的癌転移の診断方法が求められている。 【解決手段】 本発明は、ヒトVEGF受容体Flt-1を介す
る情報伝達を阻害する物質を有効成分として含有する肺
選択的癌転移の予防薬または治療薬、該物質を有効成分
として含有する肺選択的癌転移抑制剤、肺選択的転移癌
の増殖阻害剤等の薬剤、ヒトVEGF受容体Flt-1に対して
結合活性を有する抗体を有効成分として含有する、肺選
択的癌転移の診断薬、ならびに該抗体を用いる肺選択的
癌転移の診断方法が提供する。
薬が求められている。また、肺選択的癌転移抑制剤、肺
選択的転移癌の増殖阻害剤等の薬剤が求められている。
さらに、肺選択的癌転移の診断方法が求められている。 【解決手段】 本発明は、ヒトVEGF受容体Flt-1を介す
る情報伝達を阻害する物質を有効成分として含有する肺
選択的癌転移の予防薬または治療薬、該物質を有効成分
として含有する肺選択的癌転移抑制剤、肺選択的転移癌
の増殖阻害剤等の薬剤、ヒトVEGF受容体Flt-1に対して
結合活性を有する抗体を有効成分として含有する、肺選
択的癌転移の診断薬、ならびに該抗体を用いる肺選択的
癌転移の診断方法が提供する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヒトVEGF受容体Fl
t-1を介する情報伝達を阻害する物質を有効成分として
含有する肺選択的癌転移の予防薬または治療薬、該物質
を有効成分として含有する肺選択的癌転移抑制剤、肺選
択的転移癌の増殖阻害剤等の薬剤、ヒトVEGF受容体Flt-
1に対して結合活性を有する抗体を有効成分として含有
する、肺選択的癌転移の診断薬、ならびに該抗体を用い
る肺選択的癌転移の診断方法に関する。
t-1を介する情報伝達を阻害する物質を有効成分として
含有する肺選択的癌転移の予防薬または治療薬、該物質
を有効成分として含有する肺選択的癌転移抑制剤、肺選
択的転移癌の増殖阻害剤等の薬剤、ヒトVEGF受容体Flt-
1に対して結合活性を有する抗体を有効成分として含有
する、肺選択的癌転移の診断薬、ならびに該抗体を用い
る肺選択的癌転移の診断方法に関する。
【0002】
【従来の技術】癌の転移は、原発巣から血管やリンパ管
内への癌細胞の浸潤、転移臓器への癌細胞の選択的な移
動、血管から転移臓器への癌細胞の浸潤、転移先の微小
環境に支えられた癌細胞の増殖、血管新生を伴った直径
数ミリメートル以上となる腫瘍の増殖等の過程よりなる
(Seminar of Cancer Biology, 3, 65-71, (1992)、Cel
l, 86, 353-364 (1996))。転移臓器への選択性は、特異
的な臓器への癌細胞の遊走や浸潤が始まることにより決
定される(Cancer Metastasis Review, 12, 325-343 (19
93)、Seminar of Surgical Oncology, 9, 256-263 (199
3))。癌細胞の遊走や浸潤の臓器特異性を決定する分子
として、いくつかの分子が報告されている(Cancer Meta
stasis Review, 12, 325-343 (1993))。癌細胞またはそ
の癌細胞が転移した先の臓器では、ケモカインやそのレ
セプターを発現しており、それらの分子は癌細胞が転移
臓器に遊走する際の臓器選択性に関与することが報告さ
れている (Nature, 410, 50-56 (2001))。一方、原発巣
より分泌されるアンジオスタチン(Cell, 79, 315-328
(1994))、エンドスタチン (Cell, 88, 277-285 (199
7))、TGF-β (Nature Medicine, 5, 1203-1208 (1999))
等の因子は、転移巣での血管新生を非選択的に抑制す
ることが報告されており、原発巣より分泌されるサイト
カインが遠隔転移を臓器非選択的に影響することが知ら
れている。しかし、原発巣の癌細胞が遠隔部の特定の臓
器での浸潤に関わる因子を誘導させること、さらに浸潤
に関わる因子が特定の臓器への癌転移を促進することは
知られていない。
内への癌細胞の浸潤、転移臓器への癌細胞の選択的な移
動、血管から転移臓器への癌細胞の浸潤、転移先の微小
環境に支えられた癌細胞の増殖、血管新生を伴った直径
数ミリメートル以上となる腫瘍の増殖等の過程よりなる
(Seminar of Cancer Biology, 3, 65-71, (1992)、Cel
l, 86, 353-364 (1996))。転移臓器への選択性は、特異
的な臓器への癌細胞の遊走や浸潤が始まることにより決
定される(Cancer Metastasis Review, 12, 325-343 (19
93)、Seminar of Surgical Oncology, 9, 256-263 (199
3))。癌細胞の遊走や浸潤の臓器特異性を決定する分子
として、いくつかの分子が報告されている(Cancer Meta
stasis Review, 12, 325-343 (1993))。癌細胞またはそ
の癌細胞が転移した先の臓器では、ケモカインやそのレ
セプターを発現しており、それらの分子は癌細胞が転移
臓器に遊走する際の臓器選択性に関与することが報告さ
れている (Nature, 410, 50-56 (2001))。一方、原発巣
より分泌されるアンジオスタチン(Cell, 79, 315-328
(1994))、エンドスタチン (Cell, 88, 277-285 (199
7))、TGF-β (Nature Medicine, 5, 1203-1208 (1999))
等の因子は、転移巣での血管新生を非選択的に抑制す
ることが報告されており、原発巣より分泌されるサイト
カインが遠隔転移を臓器非選択的に影響することが知ら
れている。しかし、原発巣の癌細胞が遠隔部の特定の臓
器での浸潤に関わる因子を誘導させること、さらに浸潤
に関わる因子が特定の臓器への癌転移を促進することは
知られていない。
【0003】Vascular endothelial growth factor (VE
GF) と、VEGFR-1 (fms-like tyrosine kinase-1:Flt-
1)、VEGFR-2 (kinase insert domain-containing recep
tor (KDR)/Flk-1)、VEGFR-3 (Flt-4) 等のVEGFレセプタ
ー (VEGFR) ファミリー等は、正常状態および病的状態
の血管新生を制御する重要な系として知られている (J.
Cell Biol., 129, 895-898 (1995)、Endocrinology Rev
iew, 18, 4-25 (1997)、Am. J. Pathol., 153, 103-108
(1998)、Cell Struct. Funct., 26, 25-35 (2001))。F
lt-1、VEGFR-2, VEGFR-3は構造上の類似性からFms/Kit/
PDGFRファミリーであり、細胞外ドメインには7つのイム
ノグロブリン様ドメインを有し、細胞内ドメインにはキ
ナーゼドメインを有している (Oncogene, 5, 519-524
(1990)、Proc. Natl. Acad. Sci., USA, 88, 9026-9030
(1991)、Biochem. Biophys. Res. Commun., 187, 1579
-1586 (1992)、Proc. Natl. Acad. Sci., USA, 90, 107
05-10709 (1993)、Gene, 208, 297-305 (1998))。Flt-1
およびVEGFR-2は血管内皮細胞に選択的に発現している
が (J. Clin. Invest., 89, 244-253 (1992)、Mech. De
v., 42, 33-48 (1993)、J. Exp. Med., 178, 2077-208
8 (1993)、Proc.Natl. Acad. Sci., USA, 90, 7533-753
7 (1993)、Oncogene, 9, 2683-2690 (1994))、例外とし
て、Flt-1のmRNAは単球/マクロファージ系に発現して
おり、VEGFへの遊走過程に働いている(Blood, 87, 3336
-3343 (1996)、J. Biol. Chem., 271, 17629-17634 (19
96))。VEGFR-2は強いキナーゼ活性を介して血管新生の
主要な促進シグナルを流している。Flt-1はVEGFR-2に比
較するとVEGFへの結合アフィニティーは10倍強いが、チ
ロシンキナーゼ活性が非常に弱いというユニークな特徴
を持っている (J. Biol. Chem., 269, 25646-25654 (19
94)、Journal of CellBiology, 129, 895-898 (1995)、
Oncogene, 10, 135-147 (1995)、Endocrinology Revie
w, 18, 4-25 (1997)、Biochem. Biophys. Res. Commu
n., 238, 487-491(1997)、Oncogene, 18, 2221-2230 (1
999))。Flt-1のキナーゼドメインを欠損させたマウスを
用いた研究から、Flt-1は血管新生において異なる生物
学的な条件により、促進にも抑制にも働くことが示され
ている。
GF) と、VEGFR-1 (fms-like tyrosine kinase-1:Flt-
1)、VEGFR-2 (kinase insert domain-containing recep
tor (KDR)/Flk-1)、VEGFR-3 (Flt-4) 等のVEGFレセプタ
ー (VEGFR) ファミリー等は、正常状態および病的状態
の血管新生を制御する重要な系として知られている (J.
Cell Biol., 129, 895-898 (1995)、Endocrinology Rev
iew, 18, 4-25 (1997)、Am. J. Pathol., 153, 103-108
(1998)、Cell Struct. Funct., 26, 25-35 (2001))。F
lt-1、VEGFR-2, VEGFR-3は構造上の類似性からFms/Kit/
PDGFRファミリーであり、細胞外ドメインには7つのイム
ノグロブリン様ドメインを有し、細胞内ドメインにはキ
ナーゼドメインを有している (Oncogene, 5, 519-524
(1990)、Proc. Natl. Acad. Sci., USA, 88, 9026-9030
(1991)、Biochem. Biophys. Res. Commun., 187, 1579
-1586 (1992)、Proc. Natl. Acad. Sci., USA, 90, 107
05-10709 (1993)、Gene, 208, 297-305 (1998))。Flt-1
およびVEGFR-2は血管内皮細胞に選択的に発現している
が (J. Clin. Invest., 89, 244-253 (1992)、Mech. De
v., 42, 33-48 (1993)、J. Exp. Med., 178, 2077-208
8 (1993)、Proc.Natl. Acad. Sci., USA, 90, 7533-753
7 (1993)、Oncogene, 9, 2683-2690 (1994))、例外とし
て、Flt-1のmRNAは単球/マクロファージ系に発現して
おり、VEGFへの遊走過程に働いている(Blood, 87, 3336
-3343 (1996)、J. Biol. Chem., 271, 17629-17634 (19
96))。VEGFR-2は強いキナーゼ活性を介して血管新生の
主要な促進シグナルを流している。Flt-1はVEGFR-2に比
較するとVEGFへの結合アフィニティーは10倍強いが、チ
ロシンキナーゼ活性が非常に弱いというユニークな特徴
を持っている (J. Biol. Chem., 269, 25646-25654 (19
94)、Journal of CellBiology, 129, 895-898 (1995)、
Oncogene, 10, 135-147 (1995)、Endocrinology Revie
w, 18, 4-25 (1997)、Biochem. Biophys. Res. Commu
n., 238, 487-491(1997)、Oncogene, 18, 2221-2230 (1
999))。Flt-1のキナーゼドメインを欠損させたマウスを
用いた研究から、Flt-1は血管新生において異なる生物
学的な条件により、促進にも抑制にも働くことが示され
ている。
【0004】胎生期の生理的な血管新生において、Flt-
1はVEGFを捕獲し、その結果、血管新生を抑制する役割
を果たしている (Proc. Natl. Acad. Sci., USA, 95, 9
349-9354 (1998))。
1はVEGFを捕獲し、その結果、血管新生を抑制する役割
を果たしている (Proc. Natl. Acad. Sci., USA, 95, 9
349-9354 (1998))。
【0005】一方、腫瘍血管新生において、直径数ミリ
メーターを越える腫瘍の増殖には血管からの栄養補給が
必須である(Seminar of Cancer Biology, 3, 65-71 (19
92)、Cell, 86, 353-364 (1996))。したがって、Flt-1
特異的なリガンドが高発現している腫瘍での血管新生に
おいて、Flt-1はチロシンキナーゼを介して血管新生を
促進する可能性が示されている (Cancer Research, 61,
1207-1213 (2001))。
メーターを越える腫瘍の増殖には血管からの栄養補給が
必須である(Seminar of Cancer Biology, 3, 65-71 (19
92)、Cell, 86, 353-364 (1996))。したがって、Flt-1
特異的なリガンドが高発現している腫瘍での血管新生に
おいて、Flt-1はチロシンキナーゼを介して血管新生を
促進する可能性が示されている (Cancer Research, 61,
1207-1213 (2001))。
【0006】マトリックスメタロプロテイナーゼ (Matr
ix metalloproteinase:以下、MMPと表記する) は細胞
外マトリクス成分を分解する酵素であり、炎症、組織修
復、癌の浸潤・転移等を含む病態形成過程において、組
織再構築に重要な役割を果たしている (Cell, 91, 439-
442 (1997)、J. Clin. Invest., 103, 1237-1241 (199
9))。近年、MMP9/GelatinaseB、MMP2/GelatinaseA、MMP
3/Stromelysin1およびMMP7/Matrylysin等のMMPファミリ
ーは血管新生や癌進行の制御の際に発現していることが
報告されている (Cell, 85, 683-693 (1996)、Proc. Na
tl. Acad. Sci., USA, 94, 1402-1407 (1997)、Biochem
ical Society Symposium, 63, 295-313(1998)。Clinica
l Experimental Metastasis, 17, 177-191 (1999)、Cel
l, 93,411-422 (1998)、Cell, 98, 137-146 (1999)、Ce
ll, 103, 481-490 (2000))。MMPファミリーの中で、MMP
9はVEGF-VEGFレセプター系を通して働く腫瘍血管新生因
子であると指摘されている (Nature Cell Biology, 2,
737-744 (2000))。
ix metalloproteinase:以下、MMPと表記する) は細胞
外マトリクス成分を分解する酵素であり、炎症、組織修
復、癌の浸潤・転移等を含む病態形成過程において、組
織再構築に重要な役割を果たしている (Cell, 91, 439-
442 (1997)、J. Clin. Invest., 103, 1237-1241 (199
9))。近年、MMP9/GelatinaseB、MMP2/GelatinaseA、MMP
3/Stromelysin1およびMMP7/Matrylysin等のMMPファミリ
ーは血管新生や癌進行の制御の際に発現していることが
報告されている (Cell, 85, 683-693 (1996)、Proc. Na
tl. Acad. Sci., USA, 94, 1402-1407 (1997)、Biochem
ical Society Symposium, 63, 295-313(1998)。Clinica
l Experimental Metastasis, 17, 177-191 (1999)、Cel
l, 93,411-422 (1998)、Cell, 98, 137-146 (1999)、Ce
ll, 103, 481-490 (2000))。MMPファミリーの中で、MMP
9はVEGF-VEGFレセプター系を通して働く腫瘍血管新生因
子であると指摘されている (Nature Cell Biology, 2,
737-744 (2000))。
【0007】MMP阻害剤は動物実験において、癌の浸
潤、転移、増殖を阻害することが報告されており、癌治
療薬として臨床試験が進んでいる (J. Natl. Cancer In
st., 93, 178-193 (2001)、Euro. J. Cancer, 36, 1621
-1630 (2000))。
潤、転移、増殖を阻害することが報告されており、癌治
療薬として臨床試験が進んでいる (J. Natl. Cancer In
st., 93, 178-193 (2001)、Euro. J. Cancer, 36, 1621
-1630 (2000))。
【0008】以上のように、VEGF-VEGFレセプターファ
ミリーと腫瘍血管新生との関連、MMPファミリーと癌の
浸潤、転移との関連は知られている。しかしながら、VE
GF-VEGFレセプターファミリーおよびMMPファミリーと、
原発巣由来の癌細胞による臓器選択的な転移促進との関
連は知られていなかった。
ミリーと腫瘍血管新生との関連、MMPファミリーと癌の
浸潤、転移との関連は知られている。しかしながら、VE
GF-VEGFレセプターファミリーおよびMMPファミリーと、
原発巣由来の癌細胞による臓器選択的な転移促進との関
連は知られていなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、肺選
択的癌転移の予防薬、診断薬または治療薬を提供するこ
とにある。さらに、本発明の目的は、肺選択的癌転移抑
制剤、肺選択的転移癌の増殖阻害剤等の薬剤を提供する
ことにある。さらに、本発明の目的は、肺選択的癌転移
の診断方法を提供することにある。
択的癌転移の予防薬、診断薬または治療薬を提供するこ
とにある。さらに、本発明の目的は、肺選択的癌転移抑
制剤、肺選択的転移癌の増殖阻害剤等の薬剤を提供する
ことにある。さらに、本発明の目的は、肺選択的癌転移
の診断方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は以下の (1)〜
(82) に関する。 (1) ヒトVEGF受容体Flt-1を介する情報伝達を阻害す
る物質を有効成分として含有する、肺選択的癌転移の予
防薬または治療薬。 (2) ヒトVEGF受容体Flt-1を介する情報伝達を阻害す
る物質が、VEGFのFlt-1への結合を阻害する物質、また
はFlt-1からの情報伝達を阻害する物質である、(1) 記
載の予防薬または治療薬。 (3) VEGFのFlt-1への結合を阻害する物質が、ヒトVEG
F受容体Flt-1に対する抗体である、(2) 記載の予防薬
または治療薬。 (4) ヒトVEGF受容体Flt-1に対する抗体が、ポリクロ
ーナル抗体、モノクローナル抗体またはその抗体断片で
ある、(3) 記載の予防薬または治療薬。 (5) モノクローナル抗体が、ハイブリドーマによって
産生される抗体、ヒト化抗体またはその抗体断片であ
る、(4) 記載の予防薬または治療薬。
(82) に関する。 (1) ヒトVEGF受容体Flt-1を介する情報伝達を阻害す
る物質を有効成分として含有する、肺選択的癌転移の予
防薬または治療薬。 (2) ヒトVEGF受容体Flt-1を介する情報伝達を阻害す
る物質が、VEGFのFlt-1への結合を阻害する物質、また
はFlt-1からの情報伝達を阻害する物質である、(1) 記
載の予防薬または治療薬。 (3) VEGFのFlt-1への結合を阻害する物質が、ヒトVEG
F受容体Flt-1に対する抗体である、(2) 記載の予防薬
または治療薬。 (4) ヒトVEGF受容体Flt-1に対する抗体が、ポリクロ
ーナル抗体、モノクローナル抗体またはその抗体断片で
ある、(3) 記載の予防薬または治療薬。 (5) モノクローナル抗体が、ハイブリドーマによって
産生される抗体、ヒト化抗体またはその抗体断片であ
る、(4) 記載の予防薬または治療薬。
【0011】(6) ハイブリドーマによって産生される
抗体が、ハイブリドーマKM1732 (FERM BP-5698)、KM174
8 (FERM BP-5699) およびKM1750 (FERM BP-5700) によ
ってそれぞれ産生されるKM1732、KM1748およびKM1750か
ら選ばれる抗体またはその抗体断片である、(5) 記載
の予防薬または治療薬。 (7) ヒト化抗体またはその抗体断片が、それぞれ配列
番号1,2,3あるいは4,5,6で示されるアミノ酸
配列からなる抗体重鎖 (H鎖) 可変領域 (V領域) の相補
性決定領域 (CDR) 1、CDR2、CDR3、および/またはそれ
ぞれ配列番号7,8,9あるいは10,11,12で示
されるアミノ酸配列からなる抗体軽鎖 (L鎖) V領域のCD
R1、CDR2、CDR3を含む、(5) 記載の予防薬または治療
薬。
抗体が、ハイブリドーマKM1732 (FERM BP-5698)、KM174
8 (FERM BP-5699) およびKM1750 (FERM BP-5700) によ
ってそれぞれ産生されるKM1732、KM1748およびKM1750か
ら選ばれる抗体またはその抗体断片である、(5) 記載
の予防薬または治療薬。 (7) ヒト化抗体またはその抗体断片が、それぞれ配列
番号1,2,3あるいは4,5,6で示されるアミノ酸
配列からなる抗体重鎖 (H鎖) 可変領域 (V領域) の相補
性決定領域 (CDR) 1、CDR2、CDR3、および/またはそれ
ぞれ配列番号7,8,9あるいは10,11,12で示
されるアミノ酸配列からなる抗体軽鎖 (L鎖) V領域のCD
R1、CDR2、CDR3を含む、(5) 記載の予防薬または治療
薬。
【0012】(8) ヒト化抗体が、ヒト型キメラ抗体、
ヒト型相補性決定領域 (CDR) 移植抗体またはその抗体
断片である、(5) 記載の予防薬または治療薬。 (9) ヒト型キメラ抗体またはその抗体断片が、ヒトVE
GF受容体Flt-1に対するモノクローナル抗体の重鎖 (H
鎖) 可変領域 (V領域) と軽鎖 (L鎖) V領域、およびヒ
ト抗体のH鎖定常領域 (C領域) とL鎖C領域を含む、(8)
記載の予防薬または治療薬。 (10) ヒト型キメラ抗体またはその抗体断片が、それ
ぞれ配列番号1,2,3あるいは4,5,6で示される
アミノ酸配列からなる抗体重鎖 (H鎖) 可変領域 (V領
域) のCDR1、CDR2、CDR3、および/またはそれぞれ配列
番号7,8,9あるいは10,11,12で示されるア
ミノ酸配列からなる抗体軽鎖 (L鎖) V領域のCDR1、CDR
2、CDR3を含む、(8) または (9) 記載の予防薬または
治療薬。
ヒト型相補性決定領域 (CDR) 移植抗体またはその抗体
断片である、(5) 記載の予防薬または治療薬。 (9) ヒト型キメラ抗体またはその抗体断片が、ヒトVE
GF受容体Flt-1に対するモノクローナル抗体の重鎖 (H
鎖) 可変領域 (V領域) と軽鎖 (L鎖) V領域、およびヒ
ト抗体のH鎖定常領域 (C領域) とL鎖C領域を含む、(8)
記載の予防薬または治療薬。 (10) ヒト型キメラ抗体またはその抗体断片が、それ
ぞれ配列番号1,2,3あるいは4,5,6で示される
アミノ酸配列からなる抗体重鎖 (H鎖) 可変領域 (V領
域) のCDR1、CDR2、CDR3、および/またはそれぞれ配列
番号7,8,9あるいは10,11,12で示されるア
ミノ酸配列からなる抗体軽鎖 (L鎖) V領域のCDR1、CDR
2、CDR3を含む、(8) または (9) 記載の予防薬または
治療薬。
【0013】(11) ヒト型キメラ抗体またはその抗体
断片が、配列番号13あるいは14で示されるアミノ酸
配列を含む抗体の重鎖 (H鎖)可変領域 (V領域)、および
/または配列番号15あるいは16で示されるアミノ酸
配列を含む抗体の軽鎖 (L鎖) V領域を含む、(8)〜(1
0) のいずれか1項に記載の予防薬または治療薬。 (12) ヒト型キメラ抗体が、KM2532、KM2550またはそ
の抗体断片である、(8)〜(11) のいずれか1項に記
載の予防薬または治療薬。
断片が、配列番号13あるいは14で示されるアミノ酸
配列を含む抗体の重鎖 (H鎖)可変領域 (V領域)、および
/または配列番号15あるいは16で示されるアミノ酸
配列を含む抗体の軽鎖 (L鎖) V領域を含む、(8)〜(1
0) のいずれか1項に記載の予防薬または治療薬。 (12) ヒト型キメラ抗体が、KM2532、KM2550またはそ
の抗体断片である、(8)〜(11) のいずれか1項に記
載の予防薬または治療薬。
【0014】(13) ヒト型CDR移植抗体またはその抗
体断片が、ヒトVEGF受容体Flt-1に対するモノクローナ
ル抗体の重鎖 (H鎖) 可変領域 (V領域)、および軽鎖 (L
鎖) V領域のCDRを含む、(8) 記載の予防薬または治療
薬。 (14) ヒト型CDR移植抗体またはその抗体断片が、ヒ
トVEGF受容体Flt-1に対するモノクローナル抗体の重鎖
(H鎖) 可変領域 (V領域) および軽鎖 (L鎖) V領域のCD
R、および/またはヒト抗体のH鎖V領域およびL鎖V領域
のフレームワーク領域 (FR)を含む、(8) または (1
3) 記載の予防薬または治療薬。 (15) ヒト型CDR移植抗体またはその抗体断片が、ヒ
トVEGF受容体Flt-1に対するモノクローナル抗体の重鎖
(H鎖) 可変領域 (V領域) および軽鎖 (L鎖) V領域のCD
R、ヒト抗体のH鎖V領域およびL鎖V領域のフレームワー
ク領域 (FR)、およびヒト抗体のH鎖定常領域 (C領域)
およびL鎖C領域を含む、(8)、(13) および (14)
のいずれか1項に記載の予防薬または治療薬。
体断片が、ヒトVEGF受容体Flt-1に対するモノクローナ
ル抗体の重鎖 (H鎖) 可変領域 (V領域)、および軽鎖 (L
鎖) V領域のCDRを含む、(8) 記載の予防薬または治療
薬。 (14) ヒト型CDR移植抗体またはその抗体断片が、ヒ
トVEGF受容体Flt-1に対するモノクローナル抗体の重鎖
(H鎖) 可変領域 (V領域) および軽鎖 (L鎖) V領域のCD
R、および/またはヒト抗体のH鎖V領域およびL鎖V領域
のフレームワーク領域 (FR)を含む、(8) または (1
3) 記載の予防薬または治療薬。 (15) ヒト型CDR移植抗体またはその抗体断片が、ヒ
トVEGF受容体Flt-1に対するモノクローナル抗体の重鎖
(H鎖) 可変領域 (V領域) および軽鎖 (L鎖) V領域のCD
R、ヒト抗体のH鎖V領域およびL鎖V領域のフレームワー
ク領域 (FR)、およびヒト抗体のH鎖定常領域 (C領域)
およびL鎖C領域を含む、(8)、(13) および (14)
のいずれか1項に記載の予防薬または治療薬。
【0015】(16) ヒト型CDR移植抗体またはその抗
体断片が、それぞれ配列番号1,2,3あるいは4,
5,6で示されるアミノ酸配列からなる抗体重鎖 (H鎖)
可変領域 (V領域) のCDR1、CDR2、CDR3、および/また
はそれぞれ配列番号7,8,9あるいは10,11,1
2で示されるアミノ酸配列からなる抗体軽鎖 (L鎖) V領
域のCDR1、CDR2、CDR3を含む、(8)、(13)〜(15)
のいずれか1項に記載の予防薬または治療薬。 (17) ヒト型CDR移植抗体またはその抗体断片が、配
列番号17で示されるアミノ酸配列を含む抗体の重鎖
(H鎖) 可変領域 (V領域)、および/または配列番号18
で示されるアミノ酸配列を含む抗体の軽鎖 (L鎖) V領域
を含む、(8)、(13)〜(16) のいずれか1項に記載
の予防薬または治療薬。 (18) ヒト型CDR移植抗体またはその抗体断片が、配
列番号19あるいは20で示されるアミノ酸配列を含む
抗体の重鎖 (H鎖)可変領域 (V領域)、および/または配
列番号21,22あるいは23で示されるアミノ酸配列
を含む抗体の軽鎖 (L鎖) V領域を含む、(8)、(13)〜
(17) のいずれか1項に記載の予防薬または治療薬。
体断片が、それぞれ配列番号1,2,3あるいは4,
5,6で示されるアミノ酸配列からなる抗体重鎖 (H鎖)
可変領域 (V領域) のCDR1、CDR2、CDR3、および/また
はそれぞれ配列番号7,8,9あるいは10,11,1
2で示されるアミノ酸配列からなる抗体軽鎖 (L鎖) V領
域のCDR1、CDR2、CDR3を含む、(8)、(13)〜(15)
のいずれか1項に記載の予防薬または治療薬。 (17) ヒト型CDR移植抗体またはその抗体断片が、配
列番号17で示されるアミノ酸配列を含む抗体の重鎖
(H鎖) 可変領域 (V領域)、および/または配列番号18
で示されるアミノ酸配列を含む抗体の軽鎖 (L鎖) V領域
を含む、(8)、(13)〜(16) のいずれか1項に記載
の予防薬または治療薬。 (18) ヒト型CDR移植抗体またはその抗体断片が、配
列番号19あるいは20で示されるアミノ酸配列を含む
抗体の重鎖 (H鎖)可変領域 (V領域)、および/または配
列番号21,22あるいは23で示されるアミノ酸配列
を含む抗体の軽鎖 (L鎖) V領域を含む、(8)、(13)〜
(17) のいずれか1項に記載の予防薬または治療薬。
【0016】(19) ヒト型CDR移植抗体が、KM8550、K
M8551、KM8552、KM8553、KM8554およびKM8555からなる
群より選ばれる抗体またはその抗体断片である、(8)
記載の予防薬または治療薬。 (20) 抗体断片が、Fab、F(ab')2、Fab'、一本鎖抗体
(scFv)、2量化可変領域 (V領域) 断片 (Diabody)、ジ
スルフィド安定化V領域断片 (dsFv) および相補性決定
領域を含むペプチドからなる群より選ばれる抗体断片で
ある、(4)〜(19) のいずれか1項に記載の予防薬ま
たは治療薬。 (21) 抗体またはその抗体断片が、放射性同位元素、
蛋白質または薬剤と化学的または遺伝子工学的に結合さ
せた抗体またはその抗体断片である、(4)〜(20) の
いずれか1項に記載の予防薬または治療薬。
M8551、KM8552、KM8553、KM8554およびKM8555からなる
群より選ばれる抗体またはその抗体断片である、(8)
記載の予防薬または治療薬。 (20) 抗体断片が、Fab、F(ab')2、Fab'、一本鎖抗体
(scFv)、2量化可変領域 (V領域) 断片 (Diabody)、ジ
スルフィド安定化V領域断片 (dsFv) および相補性決定
領域を含むペプチドからなる群より選ばれる抗体断片で
ある、(4)〜(19) のいずれか1項に記載の予防薬ま
たは治療薬。 (21) 抗体またはその抗体断片が、放射性同位元素、
蛋白質または薬剤と化学的または遺伝子工学的に結合さ
せた抗体またはその抗体断片である、(4)〜(20) の
いずれか1項に記載の予防薬または治療薬。
【0017】(22) ヒトVEGF受容体Flt-1を介する情
報伝達を阻害する物質を有効成分として含有する薬剤。 (23) 薬剤が、肺選択的癌転移抑制剤である、(22)
記載の薬剤。 (24) 薬剤が、肺選択的転移癌の増殖阻害剤である、
(22) 記載の薬剤。 (25) ヒトVEGF受容体Flt-1を介する情報伝達を阻害
する物質が、VEGFのFlt-1への結合を阻害する物質、ま
たはFlt-1からの情報伝達を阻害する物質である、(2
2)〜(24) のいずれか1項に記載の薬剤。 (26) VEGFのFlt-1への結合を阻害する物質が、ヒトV
EGF受容体Flt-1に対する抗体である、(25) 記載の薬
剤。 (27) ヒトVEGF受容体Flt-1に対する抗体が、ポリク
ローナル抗体、モノクローナル抗体またはその抗体断片
である、(26) 記載の薬剤。
報伝達を阻害する物質を有効成分として含有する薬剤。 (23) 薬剤が、肺選択的癌転移抑制剤である、(22)
記載の薬剤。 (24) 薬剤が、肺選択的転移癌の増殖阻害剤である、
(22) 記載の薬剤。 (25) ヒトVEGF受容体Flt-1を介する情報伝達を阻害
する物質が、VEGFのFlt-1への結合を阻害する物質、ま
たはFlt-1からの情報伝達を阻害する物質である、(2
2)〜(24) のいずれか1項に記載の薬剤。 (26) VEGFのFlt-1への結合を阻害する物質が、ヒトV
EGF受容体Flt-1に対する抗体である、(25) 記載の薬
剤。 (27) ヒトVEGF受容体Flt-1に対する抗体が、ポリク
ローナル抗体、モノクローナル抗体またはその抗体断片
である、(26) 記載の薬剤。
【0018】(28) モノクローナル抗体が、ハイブリ
ドーマによって産生される抗体、ヒト化抗体またはその
抗体断片である、(27) 記載の薬剤。 (29) ハイブリドーマによって産生される抗体が、ハ
イブリドーマKM1732 (FERM BP-5698)、KM1748 (FERM BP
-5699) およびKM1750 (FERM BP-5700) によってそれぞ
れ産生されるKM1732、KM1748およびKM1750から選ばれる
抗体またはその抗体断片である、(28) 記載の薬剤。 (30) ヒト化抗体またはその抗体断片が、それぞれ配
列番号1,2,3あるいは4,5,6で示されるアミノ
酸配列からなる抗体重鎖 (H鎖) 可変領域 (V領域) の相
補性決定領域 (CDR) 1、CDR2、CDR3、および/またはそ
れぞれ配列番号7,8,9あるいは10,11,12で
示されるアミノ酸配列からなる抗体軽鎖 (L鎖) V領域の
CDR1、CDR2、CDR3を含む、(28) 記載の薬剤。
ドーマによって産生される抗体、ヒト化抗体またはその
抗体断片である、(27) 記載の薬剤。 (29) ハイブリドーマによって産生される抗体が、ハ
イブリドーマKM1732 (FERM BP-5698)、KM1748 (FERM BP
-5699) およびKM1750 (FERM BP-5700) によってそれぞ
れ産生されるKM1732、KM1748およびKM1750から選ばれる
抗体またはその抗体断片である、(28) 記載の薬剤。 (30) ヒト化抗体またはその抗体断片が、それぞれ配
列番号1,2,3あるいは4,5,6で示されるアミノ
酸配列からなる抗体重鎖 (H鎖) 可変領域 (V領域) の相
補性決定領域 (CDR) 1、CDR2、CDR3、および/またはそ
れぞれ配列番号7,8,9あるいは10,11,12で
示されるアミノ酸配列からなる抗体軽鎖 (L鎖) V領域の
CDR1、CDR2、CDR3を含む、(28) 記載の薬剤。
【0019】(31) ヒト化抗体が、ヒト型キメラ抗
体、ヒト型相補性決定領域 (CDR) 移植抗体またはその
抗体断片である、(28) 記載の薬剤。 (32) ヒト型キメラ抗体またはその抗体断片が、ヒト
VEGF受容体Flt-1に対するモノクローナル抗体の重鎖 (H
鎖) 可変領域 (V領域) と軽鎖 (L鎖) V領域、およびヒ
ト抗体のH鎖定常領域 (C領域) とL鎖C領域を含む、(3
1) 記載の薬剤。 (33) ヒト型キメラ抗体またはその抗体断片が、それ
ぞれ配列番号1,2,3あるいは4,5,6で示される
アミノ酸配列からなる抗体重鎖 (H鎖) 可変領域 (V領
域) のCDR1、CDR2、CDR3、および/またはそれぞれ配列
番号7,8,9あるいは10,11,12で示されるア
ミノ酸配列からなる抗体軽鎖 (L鎖) V領域のCDR1、CDR
2、CDR3を含む、(31) または (32) 記載の薬剤。
体、ヒト型相補性決定領域 (CDR) 移植抗体またはその
抗体断片である、(28) 記載の薬剤。 (32) ヒト型キメラ抗体またはその抗体断片が、ヒト
VEGF受容体Flt-1に対するモノクローナル抗体の重鎖 (H
鎖) 可変領域 (V領域) と軽鎖 (L鎖) V領域、およびヒ
ト抗体のH鎖定常領域 (C領域) とL鎖C領域を含む、(3
1) 記載の薬剤。 (33) ヒト型キメラ抗体またはその抗体断片が、それ
ぞれ配列番号1,2,3あるいは4,5,6で示される
アミノ酸配列からなる抗体重鎖 (H鎖) 可変領域 (V領
域) のCDR1、CDR2、CDR3、および/またはそれぞれ配列
番号7,8,9あるいは10,11,12で示されるア
ミノ酸配列からなる抗体軽鎖 (L鎖) V領域のCDR1、CDR
2、CDR3を含む、(31) または (32) 記載の薬剤。
【0020】(34) ヒト型キメラ抗体またはその抗体
断片が、配列番号13あるいは14で示されるアミノ酸
配列を含む抗体の重鎖 (H鎖)可変領域 (V領域)、および
/または配列番号15あるいは16で示されるアミノ酸
配列を含む抗体の軽鎖 (L鎖) V領域を含む、(31)〜
(33) のいずれか1項に記載の薬剤。 (35) ヒト型キメラ抗体が、KM2532、KM2550またはそ
の抗体断片である、(31) 記載の薬剤。 (36) ヒト型CDR移植抗体またはその抗体断片が、ヒ
トVEGF受容体Flt-1に対するモノクローナル抗体の重鎖
(H鎖) 可変領域 (V領域) および軽鎖 (L鎖) V領域のCDR
を含む、(31) 記載の薬剤。 (37) ヒト型CDR移植抗体またはその抗体断片が、ヒ
トVEGF受容体Flt-1に対するモノクローナル抗体の重鎖
(H鎖) 可変領域 (V領域) および軽鎖 (L鎖) V領域のCD
R、およびヒト抗体のH鎖V領域およびL鎖V領域のフレー
ムワーク領域 (FR)を含む、(31) または (36) 記載
の薬剤。
断片が、配列番号13あるいは14で示されるアミノ酸
配列を含む抗体の重鎖 (H鎖)可変領域 (V領域)、および
/または配列番号15あるいは16で示されるアミノ酸
配列を含む抗体の軽鎖 (L鎖) V領域を含む、(31)〜
(33) のいずれか1項に記載の薬剤。 (35) ヒト型キメラ抗体が、KM2532、KM2550またはそ
の抗体断片である、(31) 記載の薬剤。 (36) ヒト型CDR移植抗体またはその抗体断片が、ヒ
トVEGF受容体Flt-1に対するモノクローナル抗体の重鎖
(H鎖) 可変領域 (V領域) および軽鎖 (L鎖) V領域のCDR
を含む、(31) 記載の薬剤。 (37) ヒト型CDR移植抗体またはその抗体断片が、ヒ
トVEGF受容体Flt-1に対するモノクローナル抗体の重鎖
(H鎖) 可変領域 (V領域) および軽鎖 (L鎖) V領域のCD
R、およびヒト抗体のH鎖V領域およびL鎖V領域のフレー
ムワーク領域 (FR)を含む、(31) または (36) 記載
の薬剤。
【0021】(38) ヒト型CDR移植抗体またはその抗
体断片が、ヒトVEGF受容体Flt-1に対するモノクローナ
ル抗体の重鎖 (H鎖) 可変領域 (V領域) および軽鎖 (L
鎖) V領域のCDR、ヒト抗体のH鎖V領域およびL鎖V領域の
フレームワーク領域 (FR)、およびヒト抗体のH鎖定常領
域 (C領域) およびL鎖C領域を含む、(31)、(36) お
よび (37) のいずれか1項に記載の薬剤。 (39) ヒト型CDR移植抗体またはその抗体断片が、そ
れぞれ配列番号1,2,3あるいは4,5,6で示され
るアミノ酸配列からなる抗体重鎖 (H鎖) 可変領域 (V領
域) のCDR1、CDR2、CDR3、および/またはそれぞれ配列
番号7,8,9あるいは10,11,12で示されるア
ミノ酸配列からなる抗体軽鎖 (L鎖) V領域のCDR1、CDR
2、CDR3を含む、(31)、(36)〜(38) のいずれか1
項に記載の薬剤。
体断片が、ヒトVEGF受容体Flt-1に対するモノクローナ
ル抗体の重鎖 (H鎖) 可変領域 (V領域) および軽鎖 (L
鎖) V領域のCDR、ヒト抗体のH鎖V領域およびL鎖V領域の
フレームワーク領域 (FR)、およびヒト抗体のH鎖定常領
域 (C領域) およびL鎖C領域を含む、(31)、(36) お
よび (37) のいずれか1項に記載の薬剤。 (39) ヒト型CDR移植抗体またはその抗体断片が、そ
れぞれ配列番号1,2,3あるいは4,5,6で示され
るアミノ酸配列からなる抗体重鎖 (H鎖) 可変領域 (V領
域) のCDR1、CDR2、CDR3、および/またはそれぞれ配列
番号7,8,9あるいは10,11,12で示されるア
ミノ酸配列からなる抗体軽鎖 (L鎖) V領域のCDR1、CDR
2、CDR3を含む、(31)、(36)〜(38) のいずれか1
項に記載の薬剤。
【0022】(40) ヒト型CDR移植抗体またはその抗
体断片が、配列番号17で示されるアミノ酸配列を含む
抗体の重鎖 (H鎖) 可変領域 (V領域)、および/または
配列番号18で示されるアミノ酸配列を含む抗体の軽鎖
(L鎖) V領域を含む、(31)、(36)〜(39) のいず
れか1項に記載の薬剤。 (41) ヒト型CDR移植抗体またはその抗体断片が、配
列番号19あるいは20で示されるアミノ酸配列を含む
抗体の重鎖 (H鎖)可変領域 (V領域)、および/または配
列番号21,22あるいは23で示されるアミノ酸配列
を含む抗体の軽鎖 (L鎖) V領域を含む、(31)、(36)
〜(40) のいずれか1項に記載の薬剤。
体断片が、配列番号17で示されるアミノ酸配列を含む
抗体の重鎖 (H鎖) 可変領域 (V領域)、および/または
配列番号18で示されるアミノ酸配列を含む抗体の軽鎖
(L鎖) V領域を含む、(31)、(36)〜(39) のいず
れか1項に記載の薬剤。 (41) ヒト型CDR移植抗体またはその抗体断片が、配
列番号19あるいは20で示されるアミノ酸配列を含む
抗体の重鎖 (H鎖)可変領域 (V領域)、および/または配
列番号21,22あるいは23で示されるアミノ酸配列
を含む抗体の軽鎖 (L鎖) V領域を含む、(31)、(36)
〜(40) のいずれか1項に記載の薬剤。
【0023】(42) ヒト型CDR移植抗体が、KM8550、K
M8551、KM8552、KM8553、KM8554およびKM8555からなる
群より選ばれる抗体またはその抗体断片である、(31)
記載の薬剤。 (43) 抗体断片が、Fab、F(ab')2、Fab'、一本鎖抗体
(scFv)、2量化可変領域 (V領域) 断片 (Diabody)、ジ
スルフィド安定化抗体 (dsFv) および相補性決定領域を
含むペプチドからなる群より選ばれる抗体断片である、
(27)〜(42)のいずれか1項に記載の薬剤。 (44) 抗体またはその抗体断片が、放射性同位元素、
蛋白質または他の薬剤と化学的または遺伝子工学的に結
合させた抗体またはその抗体断片である、(27)〜(4
3) のいずれか1項に記載の薬剤。
M8551、KM8552、KM8553、KM8554およびKM8555からなる
群より選ばれる抗体またはその抗体断片である、(31)
記載の薬剤。 (43) 抗体断片が、Fab、F(ab')2、Fab'、一本鎖抗体
(scFv)、2量化可変領域 (V領域) 断片 (Diabody)、ジ
スルフィド安定化抗体 (dsFv) および相補性決定領域を
含むペプチドからなる群より選ばれる抗体断片である、
(27)〜(42)のいずれか1項に記載の薬剤。 (44) 抗体またはその抗体断片が、放射性同位元素、
蛋白質または他の薬剤と化学的または遺伝子工学的に結
合させた抗体またはその抗体断片である、(27)〜(4
3) のいずれか1項に記載の薬剤。
【0024】(45) ヒトVEGF受容体Flt-1に対して結
合活性を有する抗体を有効成分として含有する、肺選択
的癌転移の診断薬。 (46) ヒトVEGF受容体Flt-1に対する抗体が、ポリク
ローナル抗体、モノクローナル抗体またはその抗体断片
である、(45) 記載の診断薬。 (47) モノクローナル抗体が、ハイブリドーマによっ
て産生される抗体、ヒト化抗体またはその抗体断片であ
る、(46) 記載の診断薬。 (48) ヒト化抗体またはその抗体断片が、それぞれ配
列番号1,2,3あるいは4,5,6で示されるアミノ
酸配列からなる抗体重鎖 (H鎖) 可変領域 (V領域) の相
補性決定領域 (CDR) 1、CDR2、CDR3、および/またはそ
れぞれ配列番号7,8,9あるいは10,11,12で
示されるアミノ酸配列からなる抗体軽鎖 (L鎖) V領域の
CDR1、CDR2、CDR3を含む、(47) 記載の診断薬。
合活性を有する抗体を有効成分として含有する、肺選択
的癌転移の診断薬。 (46) ヒトVEGF受容体Flt-1に対する抗体が、ポリク
ローナル抗体、モノクローナル抗体またはその抗体断片
である、(45) 記載の診断薬。 (47) モノクローナル抗体が、ハイブリドーマによっ
て産生される抗体、ヒト化抗体またはその抗体断片であ
る、(46) 記載の診断薬。 (48) ヒト化抗体またはその抗体断片が、それぞれ配
列番号1,2,3あるいは4,5,6で示されるアミノ
酸配列からなる抗体重鎖 (H鎖) 可変領域 (V領域) の相
補性決定領域 (CDR) 1、CDR2、CDR3、および/またはそ
れぞれ配列番号7,8,9あるいは10,11,12で
示されるアミノ酸配列からなる抗体軽鎖 (L鎖) V領域の
CDR1、CDR2、CDR3を含む、(47) 記載の診断薬。
【0025】(49) ハイブリドーマによって産生され
る抗体が、ハイブリドーマKM1732 (FERM BP-5698)、KM1
748 (FERM BP-5699) およびKM1750 (FERM BP-5700) に
よってそれぞれ産生されるKM1732、KM1748およびKM1750
から選ばれる抗体またはその抗体断片である、(47)
記載の診断薬。 (50) ヒト化抗体が、ヒト型キメラ抗体、ヒト型相補
性決定領域 (CDR) 移植抗体またはその抗体断片であ
る、(47) 記載の診断薬。 (51) ヒト型キメラ抗体またはその抗体断片が、ヒト
VEGF受容体Flt-1に対するモノクローナル抗体の重鎖 (H
鎖) 可変領域 (V領域) と軽鎖 (L鎖) V領域、およびヒ
ト抗体のH鎖定常領域 (C領域) とL鎖C領域を含む、(5
0) 記載の診断薬。
る抗体が、ハイブリドーマKM1732 (FERM BP-5698)、KM1
748 (FERM BP-5699) およびKM1750 (FERM BP-5700) に
よってそれぞれ産生されるKM1732、KM1748およびKM1750
から選ばれる抗体またはその抗体断片である、(47)
記載の診断薬。 (50) ヒト化抗体が、ヒト型キメラ抗体、ヒト型相補
性決定領域 (CDR) 移植抗体またはその抗体断片であ
る、(47) 記載の診断薬。 (51) ヒト型キメラ抗体またはその抗体断片が、ヒト
VEGF受容体Flt-1に対するモノクローナル抗体の重鎖 (H
鎖) 可変領域 (V領域) と軽鎖 (L鎖) V領域、およびヒ
ト抗体のH鎖定常領域 (C領域) とL鎖C領域を含む、(5
0) 記載の診断薬。
【0026】(52) ヒト型キメラ抗体またはその抗体
断片が、それぞれ配列番号1,2,3あるいは4,5,
6で示されるアミノ酸配列からなる抗体重鎖 (H鎖) 可
変領域 (V領域) のCDR1、CDR2、CDR3、および/または
それぞれ配列番号7,8,9あるいは10,11,12
で示されるアミノ酸配列からなる抗体軽鎖 (L鎖) V領域
のCDR1、CDR2、CDR3を含む、(50) または (51) 記
載の診断薬。 (53) ヒト型キメラ抗体またはその抗体断片が、配列
番号13あるいは14で示されるアミノ酸配列を含む抗
体の重鎖 (H鎖)可変領域 (V領域)、および/または配列
番号15あるいは16で示されるアミノ酸配列を含む抗
体の軽鎖 (L鎖) V領域を含む、(50)〜(52) のいず
れか1項に記載の診断薬。
断片が、それぞれ配列番号1,2,3あるいは4,5,
6で示されるアミノ酸配列からなる抗体重鎖 (H鎖) 可
変領域 (V領域) のCDR1、CDR2、CDR3、および/または
それぞれ配列番号7,8,9あるいは10,11,12
で示されるアミノ酸配列からなる抗体軽鎖 (L鎖) V領域
のCDR1、CDR2、CDR3を含む、(50) または (51) 記
載の診断薬。 (53) ヒト型キメラ抗体またはその抗体断片が、配列
番号13あるいは14で示されるアミノ酸配列を含む抗
体の重鎖 (H鎖)可変領域 (V領域)、および/または配列
番号15あるいは16で示されるアミノ酸配列を含む抗
体の軽鎖 (L鎖) V領域を含む、(50)〜(52) のいず
れか1項に記載の診断薬。
【0027】(54) ヒト型キメラ抗体が、KM2532、KM
2550またはその抗体断片である、(50) 記載の診断
薬。 (55) ヒト型CDR移植抗体またはその抗体断片が、ヒ
トVEGF受容体Flt-1に対するモノクローナル抗体の重鎖
(H鎖) 可変領域 (V領域) および軽鎖 (L鎖) V領域のCDR
を含む、(50) 記載の診断薬。 (56) ヒト型CDR移植抗体またはその抗体断片が、ヒ
トVEGF受容体Flt-1に対するモノクローナル抗体の重鎖
(H鎖) 可変領域 (V領域) および軽鎖 (L鎖) V領域のCD
R、およびヒト抗体のH鎖V領域およびL鎖V領域のフレー
ムワーク領域 (FR)を含む、(50) または (55) 記載
の診断薬。
2550またはその抗体断片である、(50) 記載の診断
薬。 (55) ヒト型CDR移植抗体またはその抗体断片が、ヒ
トVEGF受容体Flt-1に対するモノクローナル抗体の重鎖
(H鎖) 可変領域 (V領域) および軽鎖 (L鎖) V領域のCDR
を含む、(50) 記載の診断薬。 (56) ヒト型CDR移植抗体またはその抗体断片が、ヒ
トVEGF受容体Flt-1に対するモノクローナル抗体の重鎖
(H鎖) 可変領域 (V領域) および軽鎖 (L鎖) V領域のCD
R、およびヒト抗体のH鎖V領域およびL鎖V領域のフレー
ムワーク領域 (FR)を含む、(50) または (55) 記載
の診断薬。
【0028】(57) ヒト型CDR移植抗体またはその抗
体断片が、ヒトVEGF受容体Flt-1に対するモノクローナ
ル抗体の重鎖 (H鎖) 可変領域 (V領域) および軽鎖 (L
鎖) V領域のCDR、ヒト抗体のH鎖V領域およびL鎖V領域の
フレームワーク領域 (FR)、およびヒト抗体のH鎖定常領
域 (C領域) およびL鎖C領域を含む、(50)、(55) お
よび (56) のいずれか1項に記載の診断薬。 (58) ヒト型CDR移植抗体またはその抗体断片が、そ
れぞれ配列番号1,2,3あるいは4,5,6で示され
るアミノ酸配列からなる抗体重鎖 (H鎖) 可変領域 (V領
域) のCDR1、CDR2、CDR3、および/またはそれぞれ配列
番号7,8,9あるいは10,11,12で示されるア
ミノ酸配列からなる抗体軽鎖 (L鎖) V領域のCDR1、CDR
2、CDR3を含む、(50)、(55)〜(57) のいずれか1
項に記載の診断薬。
体断片が、ヒトVEGF受容体Flt-1に対するモノクローナ
ル抗体の重鎖 (H鎖) 可変領域 (V領域) および軽鎖 (L
鎖) V領域のCDR、ヒト抗体のH鎖V領域およびL鎖V領域の
フレームワーク領域 (FR)、およびヒト抗体のH鎖定常領
域 (C領域) およびL鎖C領域を含む、(50)、(55) お
よび (56) のいずれか1項に記載の診断薬。 (58) ヒト型CDR移植抗体またはその抗体断片が、そ
れぞれ配列番号1,2,3あるいは4,5,6で示され
るアミノ酸配列からなる抗体重鎖 (H鎖) 可変領域 (V領
域) のCDR1、CDR2、CDR3、および/またはそれぞれ配列
番号7,8,9あるいは10,11,12で示されるア
ミノ酸配列からなる抗体軽鎖 (L鎖) V領域のCDR1、CDR
2、CDR3を含む、(50)、(55)〜(57) のいずれか1
項に記載の診断薬。
【0029】(59) ヒト型CDR移植抗体またはその抗
体断片が、配列番号17で示されるアミノ酸配列を含む
抗体の重鎖 (H鎖) 可変領域 (V領域)、および/または
配列番号18で示されるアミノ酸配列を含む抗体の軽鎖
(L鎖) V領域を含む、(50)、(55)〜(58) のいず
れか1項に記載の診断薬。 (60) ヒト型CDR移植抗体またはその抗体断片が、配
列番号19あるいは20で示されるアミノ酸配列を含む
抗体の重鎖 (H鎖)可変領域 (V領域)、および/または配
列番号21,22あるいは23で示されるアミノ酸配列
を含む抗体の軽鎖 (L鎖) V領域を含む、(50)、(55)
〜(59) のいずれか1項に記載の診断薬。 (61) ヒト型CDR抗体が、KM8550、KM8551、KM8552、K
M8553、KM8554およびKM8555からなる群より選ばれる抗
体またはその抗体断片である、(50) 記載の診断薬。
体断片が、配列番号17で示されるアミノ酸配列を含む
抗体の重鎖 (H鎖) 可変領域 (V領域)、および/または
配列番号18で示されるアミノ酸配列を含む抗体の軽鎖
(L鎖) V領域を含む、(50)、(55)〜(58) のいず
れか1項に記載の診断薬。 (60) ヒト型CDR移植抗体またはその抗体断片が、配
列番号19あるいは20で示されるアミノ酸配列を含む
抗体の重鎖 (H鎖)可変領域 (V領域)、および/または配
列番号21,22あるいは23で示されるアミノ酸配列
を含む抗体の軽鎖 (L鎖) V領域を含む、(50)、(55)
〜(59) のいずれか1項に記載の診断薬。 (61) ヒト型CDR抗体が、KM8550、KM8551、KM8552、K
M8553、KM8554およびKM8555からなる群より選ばれる抗
体またはその抗体断片である、(50) 記載の診断薬。
【0030】(62) 抗体断片が、Fab、F(ab')2、Fa
b'、一本鎖抗体 (scFv)、2量化可変領域 (V領域) 断片
(Diabody)、ジスルフィド安定化抗体 (dsFv) および相
補性決定領域を含むペプチドからなる群より選ばれる抗
体断片である、(46)〜(61)のいずれか1項に記載の
診断薬。 (63) 抗体またはその抗体断片が、放射性同位元素、
蛋白質または薬剤と化学的または遺伝子工学的に結合さ
せた抗体またはその抗体断片である、(46)〜(62)
のいずれか1項に記載の診断薬。
b'、一本鎖抗体 (scFv)、2量化可変領域 (V領域) 断片
(Diabody)、ジスルフィド安定化抗体 (dsFv) および相
補性決定領域を含むペプチドからなる群より選ばれる抗
体断片である、(46)〜(61)のいずれか1項に記載の
診断薬。 (63) 抗体またはその抗体断片が、放射性同位元素、
蛋白質または薬剤と化学的または遺伝子工学的に結合さ
せた抗体またはその抗体断片である、(46)〜(62)
のいずれか1項に記載の診断薬。
【0031】(64) ヒトVEGF受容体Flt-1に対して結
合活性を有する抗体を用いる、肺選択的な癌転移の判定
方法。 (65) ヒトVEGF受容体Flt-1に対する抗体が、ポリク
ローナル抗体、モノクローナル抗体またはその抗体断片
である、(64) 記載の方法。 (66) モノクローナル抗体が、ハイブリドーマによっ
て産生される抗体、ヒト化抗体またはその抗体断片であ
る、(65) 記載の方法。 (67) ヒト化抗体またはその抗体断片が、それぞれ配
列番号1,2,3あるいは4,5,6で示されるアミノ
酸配列からなる抗体重鎖 (H鎖) 可変領域 (V領域) の相
補性決定領域 (CDR) 1、CDR2、CDR3、および/またはそ
れぞれ配列番号7,8,9あるいは10,11,12で
示されるアミノ酸配列からなる抗体軽鎖 (L鎖) V領域の
CDR1、CDR2、CDR3を含む、(66) 記載の方法。
合活性を有する抗体を用いる、肺選択的な癌転移の判定
方法。 (65) ヒトVEGF受容体Flt-1に対する抗体が、ポリク
ローナル抗体、モノクローナル抗体またはその抗体断片
である、(64) 記載の方法。 (66) モノクローナル抗体が、ハイブリドーマによっ
て産生される抗体、ヒト化抗体またはその抗体断片であ
る、(65) 記載の方法。 (67) ヒト化抗体またはその抗体断片が、それぞれ配
列番号1,2,3あるいは4,5,6で示されるアミノ
酸配列からなる抗体重鎖 (H鎖) 可変領域 (V領域) の相
補性決定領域 (CDR) 1、CDR2、CDR3、および/またはそ
れぞれ配列番号7,8,9あるいは10,11,12で
示されるアミノ酸配列からなる抗体軽鎖 (L鎖) V領域の
CDR1、CDR2、CDR3を含む、(66) 記載の方法。
【0032】(68) ハイブリドーマによって産生され
る抗体が、ハイブリドーマKM1732 (FERM BP-5698)、KM1
748 (FERM BP-5699) およびKM1750 (FERM BP-5700) に
よってそれぞれ産生されるKM1732、KM1748およびKM1750
から選ばれる抗体またはその抗体断片である、(66)
記載の方法。 (69) ヒト化抗体が、ヒト型キメラ抗体、ヒト型相補
性決定領域 (CDR) 移植抗体またはその抗体断片であ
る、(66) 記載の方法。 (70) ヒト型キメラ抗体またはその抗体断片が、ヒト
VEGF受容体Flt-1に対するモノクローナル抗体の重鎖 (H
鎖) 可変領域 (V領域) と軽鎖 (L鎖) V領域、およびヒ
ト抗体のH鎖定常領域 (C領域) とL鎖C領域を含む、(6
9) 記載の方法。
る抗体が、ハイブリドーマKM1732 (FERM BP-5698)、KM1
748 (FERM BP-5699) およびKM1750 (FERM BP-5700) に
よってそれぞれ産生されるKM1732、KM1748およびKM1750
から選ばれる抗体またはその抗体断片である、(66)
記載の方法。 (69) ヒト化抗体が、ヒト型キメラ抗体、ヒト型相補
性決定領域 (CDR) 移植抗体またはその抗体断片であ
る、(66) 記載の方法。 (70) ヒト型キメラ抗体またはその抗体断片が、ヒト
VEGF受容体Flt-1に対するモノクローナル抗体の重鎖 (H
鎖) 可変領域 (V領域) と軽鎖 (L鎖) V領域、およびヒ
ト抗体のH鎖定常領域 (C領域) とL鎖C領域を含む、(6
9) 記載の方法。
【0033】(71) ヒト型キメラ抗体またはその抗体
断片が、それぞれ配列番号1,2,3あるいは4,5,
6で示されるアミノ酸配列からなる抗体重鎖 (H鎖) 可
変領域 (V領域) のCDR1、CDR2、CDR3、および/または
それぞれ配列番号7,8,9あるいは10,11,12
で示されるアミノ酸配列からなる抗体軽鎖 (L鎖) V領域
のCDR1、CDR2、CDR3を含む、(69) または (70) 記
載の方法。 (72) ヒト型キメラ抗体またはその抗体断片が、配列
番号13あるいは14で示されるアミノ酸配列を含む抗
体の重鎖 (H鎖)可変領域 (V領域)、および/または配列
番号15あるいは16で示されるアミノ酸配列を含む抗
体の軽鎖 (L鎖) V領域を含む、(69)〜(71) のいず
れか1項に記載の方法。
断片が、それぞれ配列番号1,2,3あるいは4,5,
6で示されるアミノ酸配列からなる抗体重鎖 (H鎖) 可
変領域 (V領域) のCDR1、CDR2、CDR3、および/または
それぞれ配列番号7,8,9あるいは10,11,12
で示されるアミノ酸配列からなる抗体軽鎖 (L鎖) V領域
のCDR1、CDR2、CDR3を含む、(69) または (70) 記
載の方法。 (72) ヒト型キメラ抗体またはその抗体断片が、配列
番号13あるいは14で示されるアミノ酸配列を含む抗
体の重鎖 (H鎖)可変領域 (V領域)、および/または配列
番号15あるいは16で示されるアミノ酸配列を含む抗
体の軽鎖 (L鎖) V領域を含む、(69)〜(71) のいず
れか1項に記載の方法。
【0034】(73) ヒト型キメラ抗体が、KM2532、KM
2550またはその抗体断片である、(69のいずれか1項
に記載の方法。 (74) ヒト型CDR移植抗体またはその抗体断片が、ヒ
トVEGF受容体Flt-1に対するモノクローナル抗体の重鎖
(H鎖) 可変領域 (V領域) および軽鎖 (L鎖) V領域のCDR
を含む、(69) 記載の方法。 (75) ヒト型CDR移植抗体またはその抗体断片が、ヒ
トVEGF受容体Flt-1に対するモノクローナル抗体の重鎖
(H鎖) 可変領域 (V領域) および軽鎖 (L鎖) V領域のCD
R、およびヒト抗体のH鎖V領域およびL鎖V領域のフレー
ムワーク領域 (FR)を含む、(69) または (74) 記載
の方法。
2550またはその抗体断片である、(69のいずれか1項
に記載の方法。 (74) ヒト型CDR移植抗体またはその抗体断片が、ヒ
トVEGF受容体Flt-1に対するモノクローナル抗体の重鎖
(H鎖) 可変領域 (V領域) および軽鎖 (L鎖) V領域のCDR
を含む、(69) 記載の方法。 (75) ヒト型CDR移植抗体またはその抗体断片が、ヒ
トVEGF受容体Flt-1に対するモノクローナル抗体の重鎖
(H鎖) 可変領域 (V領域) および軽鎖 (L鎖) V領域のCD
R、およびヒト抗体のH鎖V領域およびL鎖V領域のフレー
ムワーク領域 (FR)を含む、(69) または (74) 記載
の方法。
【0035】(76) ヒト型CDR移植抗体またはその抗
体断片が、ヒトVEGF受容体Flt-1に対するモノクローナ
ル抗体の重鎖 (H鎖) 可変領域 (V領域) および軽鎖 (L
鎖) V領域のCDR、ヒト抗体のH鎖V領域およびL鎖V領域の
フレームワーク領域 (FR)、およびヒト抗体のH鎖定常領
域 (C領域) およびL鎖C領域を含む、(69)、(74) お
よび (75) のいずれか1項に記載の方法。 (77) ヒト型CDR移植抗体またはその抗体断片が、そ
れぞれ配列番号1,2,3あるいは4,5,6で示され
るアミノ酸配列からなる抗体重鎖 (H鎖) 可変領域 (V領
域) のCDR1、CDR2、CDR3、および/またはそれぞれ配列
番号7,8,9あるいは10,11,12で示されるア
ミノ酸配列からなる抗体軽鎖 (L鎖) V領域のCDR1、CDR
2、CDR3を含む、(69)、(74)〜(76) のいずれか1
項に記載の方法。
体断片が、ヒトVEGF受容体Flt-1に対するモノクローナ
ル抗体の重鎖 (H鎖) 可変領域 (V領域) および軽鎖 (L
鎖) V領域のCDR、ヒト抗体のH鎖V領域およびL鎖V領域の
フレームワーク領域 (FR)、およびヒト抗体のH鎖定常領
域 (C領域) およびL鎖C領域を含む、(69)、(74) お
よび (75) のいずれか1項に記載の方法。 (77) ヒト型CDR移植抗体またはその抗体断片が、そ
れぞれ配列番号1,2,3あるいは4,5,6で示され
るアミノ酸配列からなる抗体重鎖 (H鎖) 可変領域 (V領
域) のCDR1、CDR2、CDR3、および/またはそれぞれ配列
番号7,8,9あるいは10,11,12で示されるア
ミノ酸配列からなる抗体軽鎖 (L鎖) V領域のCDR1、CDR
2、CDR3を含む、(69)、(74)〜(76) のいずれか1
項に記載の方法。
【0036】(78) ヒト型CDR移植抗体またはその抗
体断片が、配列番号17で示されるアミノ酸配列を含む
抗体の重鎖 (H鎖) 可変領域 (V領域)、および/または
配列番号18で示されるアミノ酸配列を含む抗体の軽鎖
(L鎖) V領域を含む、(69)、(74)〜(77) のいず
れか1項に記載の方法。 (79) ヒト型CDR移植抗体またはその抗体断片が、配
列番号19あるいは20で示されるアミノ酸配列を含む
抗体の重鎖 (H鎖)可変領域 (V領域)、および/または配
列番号21,22あるいは23で示されるアミノ酸配列
を含む抗体の軽鎖 (L鎖) V領域を含む、(69)、(74)
〜(78) のいずれか1項に記載の方法。 (80) ヒト型CDR移植抗体が、KM8550、KM8551、KM855
2、KM8553、KM8554およびKM8555からなる群より選ばれ
る抗体またはその抗体断片である、(69) 記載の方
法。
体断片が、配列番号17で示されるアミノ酸配列を含む
抗体の重鎖 (H鎖) 可変領域 (V領域)、および/または
配列番号18で示されるアミノ酸配列を含む抗体の軽鎖
(L鎖) V領域を含む、(69)、(74)〜(77) のいず
れか1項に記載の方法。 (79) ヒト型CDR移植抗体またはその抗体断片が、配
列番号19あるいは20で示されるアミノ酸配列を含む
抗体の重鎖 (H鎖)可変領域 (V領域)、および/または配
列番号21,22あるいは23で示されるアミノ酸配列
を含む抗体の軽鎖 (L鎖) V領域を含む、(69)、(74)
〜(78) のいずれか1項に記載の方法。 (80) ヒト型CDR移植抗体が、KM8550、KM8551、KM855
2、KM8553、KM8554およびKM8555からなる群より選ばれ
る抗体またはその抗体断片である、(69) 記載の方
法。
【0037】(81) 抗体断片が、Fab、F(ab')2、Fa
b'、一本鎖抗体 (scFv)、2量化可変領域 (V領域) 断片
(Diabody)、ジスルフィド安定化抗体 (dsFv) および相
補性決定領域を含むペプチドからなる群より選ばれる抗
体断片である、(65)〜(80)のいずれか1項に記載の
方法。 (82) 抗体またはその抗体断片が、放射性同位元素、
蛋白質または薬剤と化学的または遺伝子工学的に結合さ
せた抗体またはその抗体断片である、(65)〜(81)
のいずれか1項に記載の方法。
b'、一本鎖抗体 (scFv)、2量化可変領域 (V領域) 断片
(Diabody)、ジスルフィド安定化抗体 (dsFv) および相
補性決定領域を含むペプチドからなる群より選ばれる抗
体断片である、(65)〜(80)のいずれか1項に記載の
方法。 (82) 抗体またはその抗体断片が、放射性同位元素、
蛋白質または薬剤と化学的または遺伝子工学的に結合さ
せた抗体またはその抗体断片である、(65)〜(81)
のいずれか1項に記載の方法。
【0038】
【発明の実施の形態】本発明の肺選択的癌転移の予防
薬、治療薬、薬剤(以下、本発明の薬剤とも表記する)
に含まれる有効成分としては、ヒトVEGF受容体Flt-1
(以下、Flt-1とも表記する)を介する情報伝達を阻害
する物質 (以下、Flt-1情報伝達阻害物質とも表記する)
であればいかなるものでもよい。
薬、治療薬、薬剤(以下、本発明の薬剤とも表記する)
に含まれる有効成分としては、ヒトVEGF受容体Flt-1
(以下、Flt-1とも表記する)を介する情報伝達を阻害
する物質 (以下、Flt-1情報伝達阻害物質とも表記する)
であればいかなるものでもよい。
【0039】Flt-1情報伝達阻害物質としては、Flt-1の
機能を阻害できる物質であればいかなるものでもよい
が、ヒトVEGFのFlt-1への結合を阻害する物質、またはF
lt-1からの情報伝達を阻害する物質等があげられる。
機能を阻害できる物質であればいかなるものでもよい
が、ヒトVEGFのFlt-1への結合を阻害する物質、またはF
lt-1からの情報伝達を阻害する物質等があげられる。
【0040】ヒトVEGFのFlt-1への結合を阻害する物質
としては、抗Flt-1抗体、その抗体断片またはそれらの
誘導体等があげられるが、好ましくは抗Flt-1中和抗
体、その抗体断片またはそれらの誘導体が用いられる。
としては、抗Flt-1抗体、その抗体断片またはそれらの
誘導体等があげられるが、好ましくは抗Flt-1中和抗
体、その抗体断片またはそれらの誘導体が用いられる。
【0041】Flt-1からの情報伝達を阻害する物質とし
ては、Flt-1のシグナル伝達を阻害するFlt-1チロシンキ
ナーゼ阻害剤、肺への癌転移において誘導されるMMPを
阻害するMMP-9阻害剤等があげられる。Flt-1チロシンキ
ナーゼ阻害剤としてはSB203580(Oncogene, 15, 2169 (1
997)) 等のp38阻害剤等があげられる。MMP-9阻害剤とし
ては、BB94 (Int. J. Cancer, 81, 761-766 (1999))、
抗MMP-9抗体等があげられる。
ては、Flt-1のシグナル伝達を阻害するFlt-1チロシンキ
ナーゼ阻害剤、肺への癌転移において誘導されるMMPを
阻害するMMP-9阻害剤等があげられる。Flt-1チロシンキ
ナーゼ阻害剤としてはSB203580(Oncogene, 15, 2169 (1
997)) 等のp38阻害剤等があげられる。MMP-9阻害剤とし
ては、BB94 (Int. J. Cancer, 81, 761-766 (1999))、
抗MMP-9抗体等があげられる。
【0042】本発明の診断薬に含まれる有効成分として
は、Flt-1に対して結合活性を有する抗体であればいか
なるものでもよく、上記と同様に、抗Flt-1抗体、その
抗体断片またはそれらの誘導体等があげられるが、好ま
しくは抗Flt-1中和抗体、その抗体断片またはそれらの
誘導体が用いられる。
は、Flt-1に対して結合活性を有する抗体であればいか
なるものでもよく、上記と同様に、抗Flt-1抗体、その
抗体断片またはそれらの誘導体等があげられるが、好ま
しくは抗Flt-1中和抗体、その抗体断片またはそれらの
誘導体が用いられる。
【0043】本発明で使用される抗Flt-1抗体は、公知
の手段 (アンティボディーズ・ア・ラボラトリー・マニ
ュアル、コールド・スプリングハーバー・ラボラトリー
(Antibodies-A Laboratory Manual Cold Spring Harbo
r Laboratory, (1988))、以下、アンチボディーズ・ア
・ラボラトリー・マニュアルと表記する) を用いてポリ
クローナル抗体またはモノクローナル抗体として得るこ
とができる。
の手段 (アンティボディーズ・ア・ラボラトリー・マニ
ュアル、コールド・スプリングハーバー・ラボラトリー
(Antibodies-A Laboratory Manual Cold Spring Harbo
r Laboratory, (1988))、以下、アンチボディーズ・ア
・ラボラトリー・マニュアルと表記する) を用いてポリ
クローナル抗体またはモノクローナル抗体として得るこ
とができる。
【0044】本発明で使用される抗Flt-1抗体として、
ポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体のいずれ
も用いることができるが、モノクローナル抗体が好まし
い。モノクローナル抗体としては、ハイブリドーマによ
り産生される抗体、抗体遺伝子を含む発現ベクターで形
質転換した形質転換体により生産される遺伝子組換え抗
体、その抗体断片等をあげることができる。
ポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体のいずれ
も用いることができるが、モノクローナル抗体が好まし
い。モノクローナル抗体としては、ハイブリドーマによ
り産生される抗体、抗体遺伝子を含む発現ベクターで形
質転換した形質転換体により生産される遺伝子組換え抗
体、その抗体断片等をあげることができる。
【0045】本発明で使用されるハイブリドーマにより
産生される抗体としては、Flt-1またはその部分断片を
抗原として調製し、該抗原を免疫した動物より抗原特異
性をもつ形質細胞を誘導し、さらに、それと骨髄腫細胞
とを融合させてハイブリドーマを調製し、該ハイブリド
ーマを培養するか、あるいは該ハイブリドーマ細胞を動
物に投与して該動物を腹水癌化させ、該培養液または腹
水を分離、精製することにより取得された、抗Flt-1モ
ノクローナル抗体、その抗体断片等をあげることができ
る。
産生される抗体としては、Flt-1またはその部分断片を
抗原として調製し、該抗原を免疫した動物より抗原特異
性をもつ形質細胞を誘導し、さらに、それと骨髄腫細胞
とを融合させてハイブリドーマを調製し、該ハイブリド
ーマを培養するか、あるいは該ハイブリドーマ細胞を動
物に投与して該動物を腹水癌化させ、該培養液または腹
水を分離、精製することにより取得された、抗Flt-1モ
ノクローナル抗体、その抗体断片等をあげることができ
る。
【0046】本発明で使用される遺伝子組換え抗体とし
ては、上記本発明のモノクローナル抗体を遺伝子組換え
技術を用いて改変したものがあげられ、ヒト化抗体、そ
の抗体断片等をあげることができる。該抗体において、
抗原性が低く、血中半減期の延長されたものは、治療薬
として好ましい。
ては、上記本発明のモノクローナル抗体を遺伝子組換え
技術を用いて改変したものがあげられ、ヒト化抗体、そ
の抗体断片等をあげることができる。該抗体において、
抗原性が低く、血中半減期の延長されたものは、治療薬
として好ましい。
【0047】本発明で使用されるヒト化抗体としては、
ヒト型キメラ抗体、ヒト型相補性決定領域 (complement
ary determining region; 以下、CDRと表記する) 移植
抗体、その抗体断片等があげられる。
ヒト型キメラ抗体、ヒト型相補性決定領域 (complement
ary determining region; 以下、CDRと表記する) 移植
抗体、その抗体断片等があげられる。
【0048】ヒト型キメラ抗体は、ヒト以外の動物の抗
体重鎖 (H鎖) 可変領域 (V領域) (以下、VHと表記する)
および軽鎖 (L鎖) 可変領域 (V領域) (以下、VLと表記
する) とヒト抗体のH鎖定常領域 (C領域) (以下、CHと
表記する) およびヒト抗体のL鎖C領域 (以下、CLと表記
する) とからなる抗体を意味する。
体重鎖 (H鎖) 可変領域 (V領域) (以下、VHと表記する)
および軽鎖 (L鎖) 可変領域 (V領域) (以下、VLと表記
する) とヒト抗体のH鎖定常領域 (C領域) (以下、CHと
表記する) およびヒト抗体のL鎖C領域 (以下、CLと表記
する) とからなる抗体を意味する。
【0049】本発明で使用されるヒト型キメラ抗体は、
Flt-1に結合するモノクローナル抗体を生産するハイブ
リドーマより、VHおよびVLをコードするcDNAを取得し、
ヒト抗体CHおよびヒト抗体CLをコードする遺伝子を有す
る動物細胞用発現ベクターにそれぞれ挿入してヒト型キ
メラ抗体発現ベクターを構築し、動物細胞へ導入するこ
とにより発現させることにより製造することができる。
Flt-1に結合するモノクローナル抗体を生産するハイブ
リドーマより、VHおよびVLをコードするcDNAを取得し、
ヒト抗体CHおよびヒト抗体CLをコードする遺伝子を有す
る動物細胞用発現ベクターにそれぞれ挿入してヒト型キ
メラ抗体発現ベクターを構築し、動物細胞へ導入するこ
とにより発現させることにより製造することができる。
【0050】ヒト型CDR移植抗体は、ヒト抗体に、ヒト
以外の動物の抗体のVHおよびVLのCDRをヒト以外の動物
の抗体のCDR配列でそれぞれ置換した抗体を意味する。
以外の動物の抗体のVHおよびVLのCDRをヒト以外の動物
の抗体のCDR配列でそれぞれ置換した抗体を意味する。
【0051】本発明で使用されるヒト型CDR移植抗体
は、Flt-1に結合する、ヒト以外の動物の抗体のVHおよ
びVLのCDR配列で任意のヒト抗体のVHおよびVLのCDR 配
列をそれぞれ置換したV領域をコードするcDNAを構築
し、ヒト抗体のCHおよびヒト抗体のCLをコードする遺伝
子を有する動物細胞用発現ベクターにそれぞれ挿入して
ヒト型CDR移植抗体発現ベクターを構築し、動物細胞へ
導入し、発現させることにより製造することができる。
は、Flt-1に結合する、ヒト以外の動物の抗体のVHおよ
びVLのCDR配列で任意のヒト抗体のVHおよびVLのCDR 配
列をそれぞれ置換したV領域をコードするcDNAを構築
し、ヒト抗体のCHおよびヒト抗体のCLをコードする遺伝
子を有する動物細胞用発現ベクターにそれぞれ挿入して
ヒト型CDR移植抗体発現ベクターを構築し、動物細胞へ
導入し、発現させることにより製造することができる。
【0052】本発明で使用されるヒト型キメラ抗体およ
びヒト型CDR移植抗体のヒト抗体部分はいずれのイムノ
グロブリン (Ig) クラスに属するものでもよいがIgG型
のものが好適であり、IgG型に属するIgG1、IgG2、IgG
3、IgG4等のイムノグロブリンのC領域のいずれも用いる
ことができる。
びヒト型CDR移植抗体のヒト抗体部分はいずれのイムノ
グロブリン (Ig) クラスに属するものでもよいがIgG型
のものが好適であり、IgG型に属するIgG1、IgG2、IgG
3、IgG4等のイムノグロブリンのC領域のいずれも用いる
ことができる。
【0053】本発明で使用される抗Flt-1抗体には、抗
体断片も含まれる。抗体断片としては、Flt-1に対して
結合性を示す抗体断片であるFab (fragment of antigen
bindingの略)、F(ab')2、Fab'、一本鎖抗体 (single c
hain Fv; 以下、scFvと表記する)、2量化体V領域断片
(以下、Diabodyと表記する)、ジスルフィド安定化抗体
(disulfide stabilized Fv; 以下、dsFvと表記する)、C
DRを含むペプチド等があげられる。
体断片も含まれる。抗体断片としては、Flt-1に対して
結合性を示す抗体断片であるFab (fragment of antigen
bindingの略)、F(ab')2、Fab'、一本鎖抗体 (single c
hain Fv; 以下、scFvと表記する)、2量化体V領域断片
(以下、Diabodyと表記する)、ジスルフィド安定化抗体
(disulfide stabilized Fv; 以下、dsFvと表記する)、C
DRを含むペプチド等があげられる。
【0054】Fabは、IgGのヒンジ領域で2本のH鎖を架橋
している2つのジスルフィド結合 (S-S結合) の上部のペ
プチド部分を酵素パパインで分解して得られた、H鎖のN
末端側約半分とL鎖全体で構成された、分子量約5万の抗
原結合活性を有する抗体断片である。
している2つのジスルフィド結合 (S-S結合) の上部のペ
プチド部分を酵素パパインで分解して得られた、H鎖のN
末端側約半分とL鎖全体で構成された、分子量約5万の抗
原結合活性を有する抗体断片である。
【0055】本発明で使用されるFabは、抗Flt-1抗体を
パパイン処理して得ることができる。または、抗Flt-1
抗体のFabをコードするDNAを動物細胞用発現ベクターに
挿入し、該ベクターを動物細胞へ導入することにより発
現させ、Fabを製造することができる。
パパイン処理して得ることができる。または、抗Flt-1
抗体のFabをコードするDNAを動物細胞用発現ベクターに
挿入し、該ベクターを動物細胞へ導入することにより発
現させ、Fabを製造することができる。
【0056】F(ab')2は、IgGのヒンジ領域の2個のS-S結
合の下部を酵素トリプシンで分解して得られた、2つのF
ab領域がヒンジ部分で結合して構成された、分子量約10
万の抗原結合活性を有する抗体断片である。
合の下部を酵素トリプシンで分解して得られた、2つのF
ab領域がヒンジ部分で結合して構成された、分子量約10
万の抗原結合活性を有する抗体断片である。
【0057】本発明で使用されるF(ab')2は、抗Flt-1抗
体をトリプシン処理して得ることができる。または、抗
Flt-1抗体のF(ab')2をコードするDNAを動物細胞用発現
ベクターに挿入し、該ベクターを動物細胞へ導入するこ
とにより発現させ、F(ab')2を製造することができる。
体をトリプシン処理して得ることができる。または、抗
Flt-1抗体のF(ab')2をコードするDNAを動物細胞用発現
ベクターに挿入し、該ベクターを動物細胞へ導入するこ
とにより発現させ、F(ab')2を製造することができる。
【0058】Fab'は、上記F(ab')2のヒンジ間のS-S結合
を切断した分子量約5万の抗原結合活性を有する抗体断
片である。
を切断した分子量約5万の抗原結合活性を有する抗体断
片である。
【0059】本発明で使用されるFab'は、抗Flt-1抗体
を還元剤ジチオスレイトール処理して得ることができ
る。または、抗Flt-1抗体のFab'をコードするDNAを動物
細胞用発現ベクターに挿入し、該ベクターを動物細胞へ
導入することにより発現させ、Fab'を製造することがで
きる。
を還元剤ジチオスレイトール処理して得ることができ
る。または、抗Flt-1抗体のFab'をコードするDNAを動物
細胞用発現ベクターに挿入し、該ベクターを動物細胞へ
導入することにより発現させ、Fab'を製造することがで
きる。
【0060】scFvは、一本のVHと一本のVLとを適当なペ
プチドリンカー (以下、Pと表記する) を用いて連結し
た、VH-P-VLないしはVL-P-VHポリペプチドで、抗原活性
を有する抗体断片である。本発明で使用されるscFvに含
まれるVHおよびVLは、抗Flt-1モノクローナル抗体であ
ればいかなるものでもよい。
プチドリンカー (以下、Pと表記する) を用いて連結し
た、VH-P-VLないしはVL-P-VHポリペプチドで、抗原活性
を有する抗体断片である。本発明で使用されるscFvに含
まれるVHおよびVLは、抗Flt-1モノクローナル抗体であ
ればいかなるものでもよい。
【0061】本発明で使用されるscFvは、抗Flt-1抗体
を生産するハイブリドーマよりVHおよびVLをコードする
cDNAを取得し、scFv発現ベクターを構築し、大腸菌、酵
母、あるいは動物細胞へ導入することにより発現させ製
造することができる。
を生産するハイブリドーマよりVHおよびVLをコードする
cDNAを取得し、scFv発現ベクターを構築し、大腸菌、酵
母、あるいは動物細胞へ導入することにより発現させ製
造することができる。
【0062】dsFvは、VHおよびVL中のそれぞれ1アミノ
酸残基をシステイン残基に置換したポリペプチドをS-S
結合を介して結合させたものをいう。システイン残基に
置換するアミノ酸残基はReiterらにより示された方法
(Protein Engineering, 7, 697 (1994)) に従って、抗
体の立体構造予測に基づいて選択することができる。本
発明で使用されるdsFvに含まれるVHあるいはVLは、抗Fl
t-1モノクローナル抗体であればいかなるものでもよ
い。
酸残基をシステイン残基に置換したポリペプチドをS-S
結合を介して結合させたものをいう。システイン残基に
置換するアミノ酸残基はReiterらにより示された方法
(Protein Engineering, 7, 697 (1994)) に従って、抗
体の立体構造予測に基づいて選択することができる。本
発明で使用されるdsFvに含まれるVHあるいはVLは、抗Fl
t-1モノクローナル抗体であればいかなるものでもよ
い。
【0063】本発明で使用されるdsFvは、抗Flt-1抗体
を生産するハイブリドーマよりVHおよびVLをコードする
cDNAを取得し、適当な発現ベクターに挿入してdsFv発現
ベクターを構築し、該発現ベクターを大腸菌、酵母、あ
るいは動物細胞へ導入し、発現させることにより製造す
ることができる。
を生産するハイブリドーマよりVHおよびVLをコードする
cDNAを取得し、適当な発現ベクターに挿入してdsFv発現
ベクターを構築し、該発現ベクターを大腸菌、酵母、あ
るいは動物細胞へ導入し、発現させることにより製造す
ることができる。
【0064】Diabodyは、抗原結合特異性の同じまたは
異なるscFvが2量体を形成した抗体断片で、同じ抗原に
対する2価の抗原結合活性または異なる抗原に対する2特
異的な抗原結合活性を有する抗体断片である。
異なるscFvが2量体を形成した抗体断片で、同じ抗原に
対する2価の抗原結合活性または異なる抗原に対する2特
異的な抗原結合活性を有する抗体断片である。
【0065】本発明のDiabodyは、例えば、Flt-1に特異
的に反応する2価のDiabodyは、抗Flt-1抗体のVHおよびV
LをコードするcDNAを取得し、3〜10残基のポリペプチド
リンカーを有するscFvをコードするDNAを構築し、該DNA
を動物細胞用発現ベクターに挿入し、該発現ベクターを
動物細胞へ導入することによりDiabodyを発現させるこ
とにより、製造することができる。
的に反応する2価のDiabodyは、抗Flt-1抗体のVHおよびV
LをコードするcDNAを取得し、3〜10残基のポリペプチド
リンカーを有するscFvをコードするDNAを構築し、該DNA
を動物細胞用発現ベクターに挿入し、該発現ベクターを
動物細胞へ導入することによりDiabodyを発現させるこ
とにより、製造することができる。
【0066】CDRを含むペプチドは、VHまたはVLのCDRの
少なくとも1領域以上を含んで構成される。複数のCDR
は、直接または適当なペプチドリンカーを介して結合さ
せることができる。
少なくとも1領域以上を含んで構成される。複数のCDR
は、直接または適当なペプチドリンカーを介して結合さ
せることができる。
【0067】本発明で使用されるCDRを含むペプチド
は、抗Flt-1抗体のVHおよびVLをコードするcDNAを取得
した後、CDRをコードするDNAを構築し、該DNAを動物細
胞用発現ベクターに挿入し、該ベクターを動物細胞へ導
入することにより発現させることにより、製造すること
ができる。
は、抗Flt-1抗体のVHおよびVLをコードするcDNAを取得
した後、CDRをコードするDNAを構築し、該DNAを動物細
胞用発現ベクターに挿入し、該ベクターを動物細胞へ導
入することにより発現させることにより、製造すること
ができる。
【0068】また、CDRを含むペプチドは、Fmoc法 (フ
ルオレニルメチルオキシカルボニル法)、tBoc法 (t-ブ
チルオキシカルボニル法) 等の化学合成法によって製造
することもできる。
ルオレニルメチルオキシカルボニル法)、tBoc法 (t-ブ
チルオキシカルボニル法) 等の化学合成法によって製造
することもできる。
【0069】本発明で使用される上記抗体またはその抗
体断片に、放射性同位元素、蛋白質、薬剤等を、化学的
または遺伝子工学的に結合させた結合抗体を抗体の誘導
体として使用することができる。
体断片に、放射性同位元素、蛋白質、薬剤等を、化学的
または遺伝子工学的に結合させた結合抗体を抗体の誘導
体として使用することができる。
【0070】本発明の抗Flt-1抗体の誘導体は、抗Flt-1
抗体またはその抗体断片のH鎖あるいはL鎖のN末端側あ
るいはC末端側、抗体または抗体断片中の適当な置換基
あるいは側鎖、さらには抗体または抗体断片中の糖鎖に
放射性同位元素、蛋白質あるいは薬剤等を化学的手法
(抗体工学入門、金光修著、(株) 地人書館 (1994)) に
より結合させることにより製造することができる。
抗体またはその抗体断片のH鎖あるいはL鎖のN末端側あ
るいはC末端側、抗体または抗体断片中の適当な置換基
あるいは側鎖、さらには抗体または抗体断片中の糖鎖に
放射性同位元素、蛋白質あるいは薬剤等を化学的手法
(抗体工学入門、金光修著、(株) 地人書館 (1994)) に
より結合させることにより製造することができる。
【0071】または、抗Flt-1抗体またはその抗体断片
をコードするDNAと、結合させたい蛋白質をコードするD
NAを連結させて発現ベクターに挿入し、該ベクターを宿
主細胞へ導入する。以上のような遺伝子工学的手法によ
っても製造することができる。
をコードするDNAと、結合させたい蛋白質をコードするD
NAを連結させて発現ベクターに挿入し、該ベクターを宿
主細胞へ導入する。以上のような遺伝子工学的手法によ
っても製造することができる。
【0072】放射性同位元素としては、131I、125I等が
あげられ、例えば、クロラミンT法等により、抗体に結
合させることができる。
あげられ、例えば、クロラミンT法等により、抗体に結
合させることができる。
【0073】薬剤としては、低分子のものが好ましく、
ナイトロジェン・マスタード、サイクロフォスファミド
等のアルキル化剤、5−フルオロウラシル、メソトレキ
セート等の代謝拮抗剤、ダウノマイシン、ブレオマイシ
ン、マイトマイシンC、ダウノルビシン、ドキソルビシ
ン等の抗生物質、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビ
ンデシンのような植物アルカロイド、タモキシフェン、
デキサメタソン等のホルモン剤等の抗癌剤 (臨床腫瘍
学、日本臨床腫瘍研究会編、癌と化学療法社 (1996))、
またはハイドロコーチゾン、プレドニゾン等のステロイ
ド剤、アスピリン、インドメタシン等の非ステロイド
剤、金チオマレート、ペニシラミン等の免疫調節剤、サ
イクロフォスファミド、アザチオプリン等の免疫抑制
剤、マレイン酸クロルフェニラミン、クレマシチンのよ
うな抗ヒスタミン剤等の抗炎症剤 (炎症と抗炎症療法、
医歯薬出版株式会社 (1982)) 等があげられる。例え
ば、ダウノマイシンと抗体を結合させる方法としては、
グルタールアルデヒドを介してダウノマイシンと抗体の
アミノ基間を結合させる方法、水溶性カルボジイミドを
介してダウノマイシンのアミノ基と抗体のカルボキシル
基を結合させる方法等があげられる。
ナイトロジェン・マスタード、サイクロフォスファミド
等のアルキル化剤、5−フルオロウラシル、メソトレキ
セート等の代謝拮抗剤、ダウノマイシン、ブレオマイシ
ン、マイトマイシンC、ダウノルビシン、ドキソルビシ
ン等の抗生物質、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビ
ンデシンのような植物アルカロイド、タモキシフェン、
デキサメタソン等のホルモン剤等の抗癌剤 (臨床腫瘍
学、日本臨床腫瘍研究会編、癌と化学療法社 (1996))、
またはハイドロコーチゾン、プレドニゾン等のステロイ
ド剤、アスピリン、インドメタシン等の非ステロイド
剤、金チオマレート、ペニシラミン等の免疫調節剤、サ
イクロフォスファミド、アザチオプリン等の免疫抑制
剤、マレイン酸クロルフェニラミン、クレマシチンのよ
うな抗ヒスタミン剤等の抗炎症剤 (炎症と抗炎症療法、
医歯薬出版株式会社 (1982)) 等があげられる。例え
ば、ダウノマイシンと抗体を結合させる方法としては、
グルタールアルデヒドを介してダウノマイシンと抗体の
アミノ基間を結合させる方法、水溶性カルボジイミドを
介してダウノマイシンのアミノ基と抗体のカルボキシル
基を結合させる方法等があげられる。
【0074】蛋白質としては、免疫担当細胞を活性化す
るサイトカインが好適であり、例えば、ヒトインターロ
イキン2 (hIL-2)、ヒト顆粒球マクロファージコロニー
刺激因子 (hGM-CSF)、ヒトマクロファージコロニー刺激
因子 (hM-CSF)、ヒトインターロイキン12 (hIL-12) 等
があげられる。また、癌細胞を直接障害するため、リシ
ンやジフテリア毒素等の毒素を用いることができる。例
えば、蛋白質との融合抗体ついては、抗体または抗体断
片をコードするcDNAに蛋白質をコードするcDNAを連結さ
せ、融合抗体をコードするDNAを構築し、該DNAを原核生
物あるいは真核生物用発現ベクターに挿入し、該発現ベ
クターを原核生物あるいは真核生物へ導入することによ
り発現させ、融合抗体を製造することができる。
るサイトカインが好適であり、例えば、ヒトインターロ
イキン2 (hIL-2)、ヒト顆粒球マクロファージコロニー
刺激因子 (hGM-CSF)、ヒトマクロファージコロニー刺激
因子 (hM-CSF)、ヒトインターロイキン12 (hIL-12) 等
があげられる。また、癌細胞を直接障害するため、リシ
ンやジフテリア毒素等の毒素を用いることができる。例
えば、蛋白質との融合抗体ついては、抗体または抗体断
片をコードするcDNAに蛋白質をコードするcDNAを連結さ
せ、融合抗体をコードするDNAを構築し、該DNAを原核生
物あるいは真核生物用発現ベクターに挿入し、該発現ベ
クターを原核生物あるいは真核生物へ導入することによ
り発現させ、融合抗体を製造することができる。
【0075】本発明で使用される抗Flt-1抗体は、Flt-1
に結合すればいかなるものでもよいが、以下に述べる製
造法によって確立したものが好適なものとしてあげられ
る。以下に、抗Flt-1モノクローナル抗体を例として、
その作製方法について説明する。
に結合すればいかなるものでもよいが、以下に述べる製
造法によって確立したものが好適なものとしてあげられ
る。以下に、抗Flt-1モノクローナル抗体を例として、
その作製方法について説明する。
【0076】1.抗Flt-1モノクローナル抗体の作製方
法 (1) 抗原の調製 抗Flt-1モノクローナル抗体を作製するために必要な抗
原としては、Flt-1を細胞表面に発現した細胞あるいは
その細胞膜画分、または、アミノ酸の長さの異なる細胞
外領域を有する可溶性Flt-1あるいは該Flt-1と抗体のFc
部分との融合蛋白質等があげられる。
法 (1) 抗原の調製 抗Flt-1モノクローナル抗体を作製するために必要な抗
原としては、Flt-1を細胞表面に発現した細胞あるいは
その細胞膜画分、または、アミノ酸の長さの異なる細胞
外領域を有する可溶性Flt-1あるいは該Flt-1と抗体のFc
部分との融合蛋白質等があげられる。
【0077】Flt-1を細胞表面に発現する細胞として
は、NIH3T3-Flt-1細胞 (Cell Growth &Differentiatio
n, 7, 213 (1996)) があげられる。長さの異なる細胞外
領域を有する可溶性Flt-1あるいは該Flt-1と抗体のFc部
分との融合蛋白質として発現させる方法としては、Flt-
1をコードする全長あるいはその部分断片cDNA (Cell Gr
owth & Differentiation, 7, 213 (1996)) を適当なベ
クターのプロモーター下流に挿入した組換え体ベクター
を造成し、それを宿主細胞に導入することにより得られ
たFlt-1発現細胞を、適当な培地中で培養することによ
り細胞内あるいは培養上清中にFlt-1の全長あるいはそ
の部分断片をそのままあるいは融合蛋白質として生産す
ることができる。また、上述のFlt-1の部分配列を有す
るポリペプチドをアミノ酸合成機を用いて合成すること
によっても調製することができる。
は、NIH3T3-Flt-1細胞 (Cell Growth &Differentiatio
n, 7, 213 (1996)) があげられる。長さの異なる細胞外
領域を有する可溶性Flt-1あるいは該Flt-1と抗体のFc部
分との融合蛋白質として発現させる方法としては、Flt-
1をコードする全長あるいはその部分断片cDNA (Cell Gr
owth & Differentiation, 7, 213 (1996)) を適当なベ
クターのプロモーター下流に挿入した組換え体ベクター
を造成し、それを宿主細胞に導入することにより得られ
たFlt-1発現細胞を、適当な培地中で培養することによ
り細胞内あるいは培養上清中にFlt-1の全長あるいはそ
の部分断片をそのままあるいは融合蛋白質として生産す
ることができる。また、上述のFlt-1の部分配列を有す
るポリペプチドをアミノ酸合成機を用いて合成すること
によっても調製することができる。
【0078】宿主としては、細菌、酵母、動物細胞、昆
虫細胞等、目的とする遺伝子を発現できるものであれ
ば、いずれでもよい。細菌としては、エシェリヒア・コ
リ (Escherichia coli)、バチルス・ズブチリス (Bacil
lus subtilis) 等のエシェリヒア属、バチルス属等の細
菌が例示される。酵母としては、サッカロミセス・セレ
ビシエ (Saccharomyces cerevisiae)、シゾサッカロミ
セス・ポンベ (Schizosaccharomyces pombe) 等が例示
される。動物細胞としては、ヒトの細胞であるナマルバ
細胞、サルの細胞であるCOS細胞、チャイニーズ・ハム
スターの細胞であるCHO細胞等が例示される。昆虫細胞
としては、Sf9、Sf21 (ファーミンジェン社製)、High F
ive (インビトロジェン社製) 等が例示される。
虫細胞等、目的とする遺伝子を発現できるものであれ
ば、いずれでもよい。細菌としては、エシェリヒア・コ
リ (Escherichia coli)、バチルス・ズブチリス (Bacil
lus subtilis) 等のエシェリヒア属、バチルス属等の細
菌が例示される。酵母としては、サッカロミセス・セレ
ビシエ (Saccharomyces cerevisiae)、シゾサッカロミ
セス・ポンベ (Schizosaccharomyces pombe) 等が例示
される。動物細胞としては、ヒトの細胞であるナマルバ
細胞、サルの細胞であるCOS細胞、チャイニーズ・ハム
スターの細胞であるCHO細胞等が例示される。昆虫細胞
としては、Sf9、Sf21 (ファーミンジェン社製)、High F
ive (インビトロジェン社製) 等が例示される。
【0079】本発明で使用される、DNAを導入するベク
ターとしては、該DNAを組み込むことができ、宿主細胞
で発現できるものであればいかなるベクターでも用いる
ことができる。細菌、例えばエシェリヒア・コリ (Esch
erichia coli) を宿主として用いる場合の発現ベクター
としては、プロモーター、リボゾーム結合配列、本発明
のDNA、転写終結配列、場合によってはプロモーターの
制御配列より構成されているのが好ましいが、例えば、
市販のpGEX (ファルマシア社製)、pET システム (ノバ
ジェン社製) 等が例示される。
ターとしては、該DNAを組み込むことができ、宿主細胞
で発現できるものであればいかなるベクターでも用いる
ことができる。細菌、例えばエシェリヒア・コリ (Esch
erichia coli) を宿主として用いる場合の発現ベクター
としては、プロモーター、リボゾーム結合配列、本発明
のDNA、転写終結配列、場合によってはプロモーターの
制御配列より構成されているのが好ましいが、例えば、
市販のpGEX (ファルマシア社製)、pET システム (ノバ
ジェン社製) 等が例示される。
【0080】細菌への組換えベクターの導入方法として
は、細菌にDNAを導入する方法であれば、例えば、カル
シウムイオンを用いる方法 (Proc. Natl. Acad. Sci.,
USA,69, 2110 (1972))、プロトプラスト法 (特開昭63-2
48394) 等、いずれの方法も用いられる。
は、細菌にDNAを導入する方法であれば、例えば、カル
シウムイオンを用いる方法 (Proc. Natl. Acad. Sci.,
USA,69, 2110 (1972))、プロトプラスト法 (特開昭63-2
48394) 等、いずれの方法も用いられる。
【0081】酵母を宿主として用いる場合には、発現ベ
クターとして、例えば、YEp13 (ATCC37115)、YEp24 (AT
CC37051)、YCp50 (ATCC37419) 等が用いられる。酵母へ
の組換えベクターの導入方法としては、酵母にDNAを導
入する方法であれば、例えば、エレクトロポレーション
法 (Methods. Enzymol., 194, 182 (1990))、スフェロ
プラスト法 (Proc. Natl. Acad. Sci., USA, 84, 1929
(1978))、酢酸リチウム法 (J. Bacteriol.,153, 163 (1
983)) 等、いずれの方法も用いられる。
クターとして、例えば、YEp13 (ATCC37115)、YEp24 (AT
CC37051)、YCp50 (ATCC37419) 等が用いられる。酵母へ
の組換えベクターの導入方法としては、酵母にDNAを導
入する方法であれば、例えば、エレクトロポレーション
法 (Methods. Enzymol., 194, 182 (1990))、スフェロ
プラスト法 (Proc. Natl. Acad. Sci., USA, 84, 1929
(1978))、酢酸リチウム法 (J. Bacteriol.,153, 163 (1
983)) 等、いずれの方法も用いられる。
【0082】動物細胞を宿主として用いる場合には、発
現ベクターとして、例えば、pAGE107 (特開平3-22979,
Cytotechnol., 3, 133 (1990)),pAGE103 (J. Bioche
m., 101, 1307 (1987)) 等が用いられる。プロモーター
としては、動物細胞中で発現できるものであればいかな
るものを用いてもよいが、例えば、サイトメガロウィル
ス (CMV) のIE (immediate early) 遺伝子のプロモータ
ー、SV40あるいはメタロチオネインのプロモーター等が
あげられる。また、ヒトCMVのIE遺伝子のエンハンサー
をプロモーターとともに用いてもよい。
現ベクターとして、例えば、pAGE107 (特開平3-22979,
Cytotechnol., 3, 133 (1990)),pAGE103 (J. Bioche
m., 101, 1307 (1987)) 等が用いられる。プロモーター
としては、動物細胞中で発現できるものであればいかな
るものを用いてもよいが、例えば、サイトメガロウィル
ス (CMV) のIE (immediate early) 遺伝子のプロモータ
ー、SV40あるいはメタロチオネインのプロモーター等が
あげられる。また、ヒトCMVのIE遺伝子のエンハンサー
をプロモーターとともに用いてもよい。
【0083】動物細胞への組換えベクターの導入方法と
しては、動物細胞にDNAを導入する方法であれば、例え
ば、エレクトロポレーション法 (Cytotechnol., 3, 133
(1990))、リン酸カルシウム法 (特開平2-227075)、リ
ポフェクション法 (Proc. Natl. Acad. Sci., USA, 84,
7413 (1987)) 等、いずれの方法も用いられる。
しては、動物細胞にDNAを導入する方法であれば、例え
ば、エレクトロポレーション法 (Cytotechnol., 3, 133
(1990))、リン酸カルシウム法 (特開平2-227075)、リ
ポフェクション法 (Proc. Natl. Acad. Sci., USA, 84,
7413 (1987)) 等、いずれの方法も用いられる。
【0084】昆虫細胞を宿主として用いる場合には、例
えばカレント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・
バイオロジー、サプルメント1〜34 (Current Protocols
in Molecular Biology Supplement 1-34)、バキュロウ
イルス・イクスプレッション・ベクターズ、ア・ラボラ
トリー・マニュアル (Baculovirus Expression Vectors
A Laboratory Manual) 等に記載された方法によって、
タンパク質を発現することができる。すなわち、以下に
述べる組換え遺伝子導入ベクターおよびバキュロウイル
スを昆虫細胞に共導入して昆虫細胞培養上清中に組換え
ウイルスを得たのち、さらに組換えウイルスを昆虫細胞
に感染させ、タンパク質発現昆虫細胞を取得する。
えばカレント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・
バイオロジー、サプルメント1〜34 (Current Protocols
in Molecular Biology Supplement 1-34)、バキュロウ
イルス・イクスプレッション・ベクターズ、ア・ラボラ
トリー・マニュアル (Baculovirus Expression Vectors
A Laboratory Manual) 等に記載された方法によって、
タンパク質を発現することができる。すなわち、以下に
述べる組換え遺伝子導入ベクターおよびバキュロウイル
スを昆虫細胞に共導入して昆虫細胞培養上清中に組換え
ウイルスを得たのち、さらに組換えウイルスを昆虫細胞
に感染させ、タンパク質発現昆虫細胞を取得する。
【0085】遺伝子導入ベクターとしては、例えば、pV
L1392、pVL1393 、pBlueBacIII (ともにインビトロジェ
ン社製) 等が用いられる。
L1392、pVL1393 、pBlueBacIII (ともにインビトロジェ
ン社製) 等が用いられる。
【0086】バキュロウイルスとしては、例えば、夜盗
蛾科昆虫に感染するウイルスであるアウトグラファ・カ
リフォルニカ・ヌクレアー・ポリヘドロシス・ウイルス
(Autographa californica nuclear polyhedrosis viru
s) 等が用いられる。
蛾科昆虫に感染するウイルスであるアウトグラファ・カ
リフォルニカ・ヌクレアー・ポリヘドロシス・ウイルス
(Autographa californica nuclear polyhedrosis viru
s) 等が用いられる。
【0087】組換えウイルスを調製するための、昆虫細
胞への上記組換え遺伝子導入ベクターと上記バキュロウ
イルスの共導入方法としては、例えば、リン酸カルシウ
ム法(特開平2-227075)、リポフェクション法 (Proc. Na
tl. Acad. Sci., USA, 84,7413 (1987)) 等が用いられ
る。
胞への上記組換え遺伝子導入ベクターと上記バキュロウ
イルスの共導入方法としては、例えば、リン酸カルシウ
ム法(特開平2-227075)、リポフェクション法 (Proc. Na
tl. Acad. Sci., USA, 84,7413 (1987)) 等が用いられ
る。
【0088】また、ファーミンジェン社製バキュロゴー
ルドスターターキット等を用いて組み換えバキュロウィ
ルスを作製したのち、前述したSf9、Sf21あるいはHigh
Five等の昆虫細胞に該組み換えウィルスを感染させるこ
とにより蛋白質を生産させることもできる (Bio/Techno
logy, 6, 47 (1988))。
ルドスターターキット等を用いて組み換えバキュロウィ
ルスを作製したのち、前述したSf9、Sf21あるいはHigh
Five等の昆虫細胞に該組み換えウィルスを感染させるこ
とにより蛋白質を生産させることもできる (Bio/Techno
logy, 6, 47 (1988))。
【0089】遺伝子の発現方法としては、直接発現以外
に、分泌生産、融合蛋白質発現等が開発されており、い
ずれの方法も用いることができる。例えば、モレキュラ
ー・クローニング 第3版、コールドスプリングハーバー
ラボラトリー・プレス (Molecular Cloning 2nd editio
n, Cold Spring Harbor Lab. Press New York (2001);
以下、「モレキュラー・クローニング 第3版」と表記す
る) に記載されている方法に準じて行うことができる。
に、分泌生産、融合蛋白質発現等が開発されており、い
ずれの方法も用いることができる。例えば、モレキュラ
ー・クローニング 第3版、コールドスプリングハーバー
ラボラトリー・プレス (Molecular Cloning 2nd editio
n, Cold Spring Harbor Lab. Press New York (2001);
以下、「モレキュラー・クローニング 第3版」と表記す
る) に記載されている方法に準じて行うことができる。
【0090】以上のようにして得られる形質転換体を培
地に培養し、培養物中に本発明の蛋白質を生成蓄積さ
せ、該培養物から採取することにより、Flt-1の全長あ
るいはその部分断片をそのままあるいは融合蛋白質とし
て製造することができる。
地に培養し、培養物中に本発明の蛋白質を生成蓄積さ
せ、該培養物から採取することにより、Flt-1の全長あ
るいはその部分断片をそのままあるいは融合蛋白質とし
て製造することができる。
【0091】本発明の形質転換体を培地に培養する方法
は、宿主の培養に用いられる通常の方法に従って行われ
る。大腸菌あるいは酵母等の微生物を宿主として得られ
た形質転換体を培養する培地としては、微生物が資化し
得る炭素源、窒素源、無機塩類等を含有し、形質転換体
の培養を効率的に行える培地であれば天然培地、合成培
地のいずれを用いてもよい (モレキュラー・クローニン
グ 第3版)。培養は、通常振盪培養または深部通気攪拌
培養等の好気的条件下、15〜40℃で16〜96時間行う。培
養期間中、pHは3.0〜9.0に保持する。pHの調整は、無機
または有機の酸、アルカリ溶液、尿素、炭酸カルシウ
ム、アンモニア等を用いて行う。培養中は必要に応じ
て、アンピシリンやテトラサイクリン等の抗生物質を培
地に添加してもよい。
は、宿主の培養に用いられる通常の方法に従って行われ
る。大腸菌あるいは酵母等の微生物を宿主として得られ
た形質転換体を培養する培地としては、微生物が資化し
得る炭素源、窒素源、無機塩類等を含有し、形質転換体
の培養を効率的に行える培地であれば天然培地、合成培
地のいずれを用いてもよい (モレキュラー・クローニン
グ 第3版)。培養は、通常振盪培養または深部通気攪拌
培養等の好気的条件下、15〜40℃で16〜96時間行う。培
養期間中、pHは3.0〜9.0に保持する。pHの調整は、無機
または有機の酸、アルカリ溶液、尿素、炭酸カルシウ
ム、アンモニア等を用いて行う。培養中は必要に応じ
て、アンピシリンやテトラサイクリン等の抗生物質を培
地に添加してもよい。
【0092】動物細胞を宿主として得られた形質転換体
を培養する培地としては、一般に使用されているRPMI16
40培地、EagleのMEM培地またはこれら培地に牛胎児血清
等を添加した培地等が用いられる。培養は、通常5%CO2
存在下、35〜37℃で3〜7日間行い、培養中は必要に応じ
て、カナマイシン、ペニシリン等の抗生物質を培地に添
加してもよい。
を培養する培地としては、一般に使用されているRPMI16
40培地、EagleのMEM培地またはこれら培地に牛胎児血清
等を添加した培地等が用いられる。培養は、通常5%CO2
存在下、35〜37℃で3〜7日間行い、培養中は必要に応じ
て、カナマイシン、ペニシリン等の抗生物質を培地に添
加してもよい。
【0093】昆虫細胞を宿主として得られた形質転換体
を培養する培地としては、一般に使用されているTNM-FH
培地 (ファーミンジェン (Pharmingen) 社製)、Sf900II
SFM(ライフテクノロジーズ (Life Technologies) 社
製)、ExCell400、ExCell405 (いずれもJRHバイオサイエ
ンシーズ (JRH Biosciences) 社製) 等が用いられる。
培養は、25〜30℃で1〜4日間行い、培養中は必要に応じ
て、ゲンタマイシン等の抗生物質を培地に添加してもよ
い。
を培養する培地としては、一般に使用されているTNM-FH
培地 (ファーミンジェン (Pharmingen) 社製)、Sf900II
SFM(ライフテクノロジーズ (Life Technologies) 社
製)、ExCell400、ExCell405 (いずれもJRHバイオサイエ
ンシーズ (JRH Biosciences) 社製) 等が用いられる。
培養は、25〜30℃で1〜4日間行い、培養中は必要に応じ
て、ゲンタマイシン等の抗生物質を培地に添加してもよ
い。
【0094】上記において、動物細胞および昆虫細胞の
培養において可能であれば、Flt-1の全長あるいはその
部分断片をそのままあるいは融合蛋白質の精製を容易に
するため、血清無添加の培地を用いることが好ましい。
培養において可能であれば、Flt-1の全長あるいはその
部分断片をそのままあるいは融合蛋白質の精製を容易に
するため、血清無添加の培地を用いることが好ましい。
【0095】Flt-1の全長あるいはその部分断片をその
ままあるいは融合蛋白質として宿主細胞内に蓄積された
場合には、培養終了後、細胞を遠心分離し、水系緩衝液
にけん濁後、超音波法、フレンチプレス法等により細胞
を破砕し、その遠心分離上清に該蛋白質を回収する。
ままあるいは融合蛋白質として宿主細胞内に蓄積された
場合には、培養終了後、細胞を遠心分離し、水系緩衝液
にけん濁後、超音波法、フレンチプレス法等により細胞
を破砕し、その遠心分離上清に該蛋白質を回収する。
【0096】さらに、細胞内に不溶体を形成した場合に
は、不溶体をタンパク質変性剤で可溶化後、タンパク質
変性剤を含まないあるいはタンパク質変性剤の濃度がタ
ンパク質が変性しない程度に希薄な溶液に希釈、あるい
は透析し、タンパク質の立体構造を形成させることがで
きる。
は、不溶体をタンパク質変性剤で可溶化後、タンパク質
変性剤を含まないあるいはタンパク質変性剤の濃度がタ
ンパク質が変性しない程度に希薄な溶液に希釈、あるい
は透析し、タンパク質の立体構造を形成させることがで
きる。
【0097】Flt-1の全長あるいはその部分断片をその
ままあるいは融合蛋白質として細胞外に分泌された場合
には、培養上清中に発現蛋白質を回収することができ
る。
ままあるいは融合蛋白質として細胞外に分泌された場合
には、培養上清中に発現蛋白質を回収することができ
る。
【0098】単離精製については、溶媒抽出、有機溶媒
による分別沈殿、塩析、透析、遠心分離、限外ろ過、イ
オン交換クロマトグラフィー、ゲルろ過クロマトグラフ
ィー、疎水性クロマトグラフィー、アフィニティークロ
マトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、結晶化、電
気泳動等の分離操作を単独あるいは組み合わせて行うこ
とができる。
による分別沈殿、塩析、透析、遠心分離、限外ろ過、イ
オン交換クロマトグラフィー、ゲルろ過クロマトグラフ
ィー、疎水性クロマトグラフィー、アフィニティークロ
マトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、結晶化、電
気泳動等の分離操作を単独あるいは組み合わせて行うこ
とができる。
【0099】あるいは、部分配列を有するポリペプチド
は、Fmoc法 (フルオレニルメチルオキシカルボニル
法)、tBoc法 (t-ブチルオキシカルボニル法) 等の化学
合成法によっても製造することができる。また、桑和貿
易 (米国Advanced chemTech社製)、パーキンエルマージ
ャパン (米国Perkin-Elmer社製)、アロカ (米国Protein
Technology Instrument社製)、クラボウ (米国Synthec
ell-Vega社製)、日本パーセプティブ・リミテッド (米
国PerSeptive社製)、島津製作所等のペプチド合成機を
用いても製造することができる。また、上述の蛋白質の
部分配列を有するポリペプチドをアミノ酸合成機を用い
て合成することによっても調製することができる。
は、Fmoc法 (フルオレニルメチルオキシカルボニル
法)、tBoc法 (t-ブチルオキシカルボニル法) 等の化学
合成法によっても製造することができる。また、桑和貿
易 (米国Advanced chemTech社製)、パーキンエルマージ
ャパン (米国Perkin-Elmer社製)、アロカ (米国Protein
Technology Instrument社製)、クラボウ (米国Synthec
ell-Vega社製)、日本パーセプティブ・リミテッド (米
国PerSeptive社製)、島津製作所等のペプチド合成機を
用いても製造することができる。また、上述の蛋白質の
部分配列を有するポリペプチドをアミノ酸合成機を用い
て合成することによっても調製することができる。
【0100】(2) 動物の免疫と抗体産生細胞の調製
上記で得られた該蛋白質を抗原として動物を免疫する。
免疫する方法としては、動物の皮下、静脈内または腹腔
内に抗原をそのまま投与してもよいが、抗原性の高いキ
ャリアタンパク質を抗原に結合させて投与する、あるい
は適当なアジュバントとともに抗原を投与することが好
ましい。
免疫する方法としては、動物の皮下、静脈内または腹腔
内に抗原をそのまま投与してもよいが、抗原性の高いキ
ャリアタンパク質を抗原に結合させて投与する、あるい
は適当なアジュバントとともに抗原を投与することが好
ましい。
【0101】キャリアタンパク質としては、スカシガイ
ヘモシアニン、キーホールリンペットヘモシアニン、牛
血清アルブミン、牛チログロブリン等があげられ、アジ
ュバンドとしては、フロインドの完全アジュバント (Co
mplete Freund's Adjuvant)、水酸化アルミニウムゲル
と百日咳菌ワクチン等があげられる。免疫動物として
は、ウサギ、ヤギ、マウス、ラット、ハムスター等の非
ヒト哺乳動物があげられる。
ヘモシアニン、キーホールリンペットヘモシアニン、牛
血清アルブミン、牛チログロブリン等があげられ、アジ
ュバンドとしては、フロインドの完全アジュバント (Co
mplete Freund's Adjuvant)、水酸化アルミニウムゲル
と百日咳菌ワクチン等があげられる。免疫動物として
は、ウサギ、ヤギ、マウス、ラット、ハムスター等の非
ヒト哺乳動物があげられる。
【0102】抗原の投与は、1回目の投与の後、1〜2週
間毎に3〜10回行う。抗原の投与量は動物1匹当たり50〜
100μgが好ましい。各投与後、3〜7日目に免疫動物の眼
底静脈叢あるいは尾静脈より採血し、該血清の抗原との
反応性について、酵素免疫測定法 (酵素免疫測定法 (EL
ISA法):医学書院刊 (1976)) 等で確認する。そして、
該血清が十分な抗体価を示した非ヒト哺乳動物を、抗体
産生細胞の供給源とする。
間毎に3〜10回行う。抗原の投与量は動物1匹当たり50〜
100μgが好ましい。各投与後、3〜7日目に免疫動物の眼
底静脈叢あるいは尾静脈より採血し、該血清の抗原との
反応性について、酵素免疫測定法 (酵素免疫測定法 (EL
ISA法):医学書院刊 (1976)) 等で確認する。そして、
該血清が十分な抗体価を示した非ヒト哺乳動物を、抗体
産生細胞の供給源とする。
【0103】抗原の最終投与後3〜7日目に、免疫動物よ
り公知の方法 (アンチボディーズ・ア・ラボラトリー・
マニュアル) に準じてリンパ球を摘出し、リンパ球と骨
髄腫細胞とを融合させる。ポリクローナル抗体は、該血
清を分離、精製することにより調製することができる。
モノクローナル抗体は、該抗体産生細胞と非ヒト哺乳動
物由来の骨髄腫細胞とを融合させてハイブリドーマを作
製し、該ハイブリドーマを培養するか、動物に投与して
該細胞を腹水癌化させ、該培養液または腹水を分離、精
製することにより調製することができる。抗体産生細胞
は、抗原投与された非ヒト哺乳動物の脾細胞、リンパ
節、末梢血等から採取する。
り公知の方法 (アンチボディーズ・ア・ラボラトリー・
マニュアル) に準じてリンパ球を摘出し、リンパ球と骨
髄腫細胞とを融合させる。ポリクローナル抗体は、該血
清を分離、精製することにより調製することができる。
モノクローナル抗体は、該抗体産生細胞と非ヒト哺乳動
物由来の骨髄腫細胞とを融合させてハイブリドーマを作
製し、該ハイブリドーマを培養するか、動物に投与して
該細胞を腹水癌化させ、該培養液または腹水を分離、精
製することにより調製することができる。抗体産生細胞
は、抗原投与された非ヒト哺乳動物の脾細胞、リンパ
節、末梢血等から採取する。
【0104】(3) 骨髄腫細胞の調製
骨髄腫細胞としては、マウスから得られた株化細胞であ
る、8-アザグアニン耐性マウス (BALB/c由来) 骨髄腫細
胞株P3-X63Ag8-U1(P3-U1) (Europ. J. Immunol., 6, 51
1 (1976))、SP2/0-Ag14(SP-2) (Nature, 276, 269 (197
8))、P3-X63-Ag8653(653) (J. Immunol., 123, 1548 (1
979))、P3-X63-Ag8(X63) (Nature, 256,495 (1975))
等、イン・ビトロ (in vitro)で増殖可能な骨髄腫細胞
であればいかなるものでもよい。これらの細胞株の培養
および継代については公知の方法 (アンチボディーズ・
ア・ラボラトリー・マニュアル) に従い、細胞融合時ま
でに2×107個以上の細胞数を確保する。
る、8-アザグアニン耐性マウス (BALB/c由来) 骨髄腫細
胞株P3-X63Ag8-U1(P3-U1) (Europ. J. Immunol., 6, 51
1 (1976))、SP2/0-Ag14(SP-2) (Nature, 276, 269 (197
8))、P3-X63-Ag8653(653) (J. Immunol., 123, 1548 (1
979))、P3-X63-Ag8(X63) (Nature, 256,495 (1975))
等、イン・ビトロ (in vitro)で増殖可能な骨髄腫細胞
であればいかなるものでもよい。これらの細胞株の培養
および継代については公知の方法 (アンチボディーズ・
ア・ラボラトリー・マニュアル) に従い、細胞融合時ま
でに2×107個以上の細胞数を確保する。
【0105】(4) 細胞融合とモノクローナル抗体の選
択 上記で得られた抗体産生細胞と骨髄腫細胞とを洗浄した
のち、ポリエチレングライコール-1000 (PEG-1000) 等
の細胞凝集性媒体を加え、細胞を融合させ、培地中に懸
濁させる。細胞の洗浄にはMEM培地またはPBS (リン酸二
ナトリウム) 1.83g、リン酸一カリウム0.21g、食塩7.65
g、蒸留水1リットル、pH7.2) 等を用いる。また、融合
細胞を懸濁させる培地としては、目的の融合細胞のみを
選択的に得られるように、HAT 培地{正常培地 (RPMI-1
640培地にグルタミン (1.5mM)、2-メルカプトエタノー
ル (5×10-5M)、ジェンタマイシン(10μg/ml) および牛
胎児血清(FCS) (CSL社製、10%) を加えた培地) にヒポ
キサンチン (10-4M)、チミジン (1.5×10-5M) およびア
ミノプテリン (4×10-7M) を加えた培地}を用いる。
択 上記で得られた抗体産生細胞と骨髄腫細胞とを洗浄した
のち、ポリエチレングライコール-1000 (PEG-1000) 等
の細胞凝集性媒体を加え、細胞を融合させ、培地中に懸
濁させる。細胞の洗浄にはMEM培地またはPBS (リン酸二
ナトリウム) 1.83g、リン酸一カリウム0.21g、食塩7.65
g、蒸留水1リットル、pH7.2) 等を用いる。また、融合
細胞を懸濁させる培地としては、目的の融合細胞のみを
選択的に得られるように、HAT 培地{正常培地 (RPMI-1
640培地にグルタミン (1.5mM)、2-メルカプトエタノー
ル (5×10-5M)、ジェンタマイシン(10μg/ml) および牛
胎児血清(FCS) (CSL社製、10%) を加えた培地) にヒポ
キサンチン (10-4M)、チミジン (1.5×10-5M) およびア
ミノプテリン (4×10-7M) を加えた培地}を用いる。
【0106】培養後、培養上清の一部をとり、下記酵素
免疫測定法により、抗原蛋白質に反応し、非抗原蛋白質
に反応しないサンプルを選択する。ついで、限界希釈法
によりクローニングを行い、酵素免疫測定法により安定
して高い抗体価の認められたものをモノクローナル抗体
産生ハイブリドーマ株として選択する。
免疫測定法により、抗原蛋白質に反応し、非抗原蛋白質
に反応しないサンプルを選択する。ついで、限界希釈法
によりクローニングを行い、酵素免疫測定法により安定
して高い抗体価の認められたものをモノクローナル抗体
産生ハイブリドーマ株として選択する。
【0107】酵素免疫測定法
抗原蛋白質あるいは抗原蛋白質を発現した細胞等をプレ
ートにコートし、ハイブリドーマ培養上清もしくは上述
の方法で得られる精製抗体を第一抗体として反応させ
る。第一抗体反応後、プレートを洗浄して第二抗体を添
加する。第二抗体とは、第一抗体を認識できる抗体に、
ビオチン、酵素、化学発光物質あるいは放射線化合物等
で標識したものである。具体的には、ハイブリドーマ作
製の際にマウスを用いたのであれば、第二抗体として
は、マウスイムノグロブリンを認識できる抗体を用い
る。
ートにコートし、ハイブリドーマ培養上清もしくは上述
の方法で得られる精製抗体を第一抗体として反応させ
る。第一抗体反応後、プレートを洗浄して第二抗体を添
加する。第二抗体とは、第一抗体を認識できる抗体に、
ビオチン、酵素、化学発光物質あるいは放射線化合物等
で標識したものである。具体的には、ハイブリドーマ作
製の際にマウスを用いたのであれば、第二抗体として
は、マウスイムノグロブリンを認識できる抗体を用い
る。
【0108】反応後、第二抗体を標識した物質に応じた
反応を行い、抗原に特異的に反応するモノクローナル抗
体を生産するハイブリドーマとして選択する。抗Flt-1
モノクローナル抗体の具体例としては、WO98/22616に記
載されているハイブリドーマKM1732 (FERM BP-5698) が
生産するマウスIgG1サブクラスに属するモノクローナル
抗体KM1732、ハイブリドーマKM1730 (FERM BP-5697) が
生産するマウスIgG2bサブクラスに属するモノクローナ
ル抗体KM1730、ハイブリドーマKM1731 (FERM BP-5718)
が生産するマウスIgG2aサブクラスに属するモノクロー
ナル抗体KM1731、ハイブリドーマKM1748 (FERM BP-569
9) が生産するマウスIgG2bサブクラスに属するモノクロ
ーナル抗体KM1748、および、ハイブリドーマKM1750(FER
M BP-5700) が生産するマウスIgG2bサブクラスに属する
モノクローナル抗体KM1750等があげられる。
反応を行い、抗原に特異的に反応するモノクローナル抗
体を生産するハイブリドーマとして選択する。抗Flt-1
モノクローナル抗体の具体例としては、WO98/22616に記
載されているハイブリドーマKM1732 (FERM BP-5698) が
生産するマウスIgG1サブクラスに属するモノクローナル
抗体KM1732、ハイブリドーマKM1730 (FERM BP-5697) が
生産するマウスIgG2bサブクラスに属するモノクローナ
ル抗体KM1730、ハイブリドーマKM1731 (FERM BP-5718)
が生産するマウスIgG2aサブクラスに属するモノクロー
ナル抗体KM1731、ハイブリドーマKM1748 (FERM BP-569
9) が生産するマウスIgG2bサブクラスに属するモノクロ
ーナル抗体KM1748、および、ハイブリドーマKM1750(FER
M BP-5700) が生産するマウスIgG2bサブクラスに属する
モノクローナル抗体KM1750等があげられる。
【0109】上記記載のハイブリドーマ産生モノクロー
ナル抗体のうち、KM1732、KM1748およびKM1750は、Flt-
1に対する中和活性を有しており、本発明の薬剤および
診断薬の有効成分として好ましい。
ナル抗体のうち、KM1732、KM1748およびKM1750は、Flt-
1に対する中和活性を有しており、本発明の薬剤および
診断薬の有効成分として好ましい。
【0110】(5) モノクローナル抗体の調製
モノクローナル抗体は、ハイブリドーマ細胞を培養して
得られる培養液、またはプリスタン処理 (2,6,10,14-テ
トラメチルペンタデカン (Pristane) 0.5mlを腹腔内投
与し、2週間飼育する) した8〜10週令のマウスまたはヌ
ードマウスに、モノクローナル抗体産生ハイブリドーマ
細胞を腹腔内投与して腹水癌化させた腹水から、分離、
精製することにより調製できる。
得られる培養液、またはプリスタン処理 (2,6,10,14-テ
トラメチルペンタデカン (Pristane) 0.5mlを腹腔内投
与し、2週間飼育する) した8〜10週令のマウスまたはヌ
ードマウスに、モノクローナル抗体産生ハイブリドーマ
細胞を腹腔内投与して腹水癌化させた腹水から、分離、
精製することにより調製できる。
【0111】モノクローナル抗体を分離、精製する方法
としては、遠心分離、40〜50%飽和硫酸アンモニウムに
よる塩析、カプリル酸沈殿法、DEAE-セファロースカラ
ム、陰イオン交換カラム、プロテインAまたはG-カラム
あるいはゲル濾過カラム等を用いるクロマトグラフィー
等を、単独または組み合わせて行う方法があげられる。
この方法により、IgGあるいはIgM画分を回収し、精製モ
ノクローナル抗体を取得することができる。
としては、遠心分離、40〜50%飽和硫酸アンモニウムに
よる塩析、カプリル酸沈殿法、DEAE-セファロースカラ
ム、陰イオン交換カラム、プロテインAまたはG-カラム
あるいはゲル濾過カラム等を用いるクロマトグラフィー
等を、単独または組み合わせて行う方法があげられる。
この方法により、IgGあるいはIgM画分を回収し、精製モ
ノクローナル抗体を取得することができる。
【0112】精製モノクローナル抗体のサブクラスの決
定は、モノクローナル抗体タイピングキット等を用いて
行うことができる。蛋白質量は、ローリー法あるいは28
0nmでの吸光度より算出することができる。
定は、モノクローナル抗体タイピングキット等を用いて
行うことができる。蛋白質量は、ローリー法あるいは28
0nmでの吸光度より算出することができる。
【0113】抗体のサブクラスとは、クラス内のアイソ
タイプのことで、マウスでは、IgG1、IgG2a、IgG2b、Ig
G3、ヒトでは、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4があげられる
が、特にマウスIgG1、IgG2a、ヒトIgG1タイプは、補体
依存性細胞傷害活性 (CDC活性)および抗体依存性細胞傷
害活性 (ADCC活性) を有し、治療への応用上、有用であ
る。
タイプのことで、マウスでは、IgG1、IgG2a、IgG2b、Ig
G3、ヒトでは、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4があげられる
が、特にマウスIgG1、IgG2a、ヒトIgG1タイプは、補体
依存性細胞傷害活性 (CDC活性)および抗体依存性細胞傷
害活性 (ADCC活性) を有し、治療への応用上、有用であ
る。
【0114】2.遺伝子組換え抗体の作製方法 (1)−
抗Flt-1ヒト化抗体の作製 (1) ヒト化抗体発現用ベクターの構築 ヒト以外の動物の抗体からヒト化抗体を作製するために
必要なヒト化抗体発現用ベクターを構築する。ヒト化抗
体発現用ベクターとは、ヒト抗体のC領域であるCHおよ
びCLをコードする遺伝子が組み込まれた動物細胞用発現
ベクターであり、動物細胞用発現ベクターにヒト抗体の
CHおよびCLをコードする遺伝子をそれぞれ挿入すること
により構築されたものである。
抗Flt-1ヒト化抗体の作製 (1) ヒト化抗体発現用ベクターの構築 ヒト以外の動物の抗体からヒト化抗体を作製するために
必要なヒト化抗体発現用ベクターを構築する。ヒト化抗
体発現用ベクターとは、ヒト抗体のC領域であるCHおよ
びCLをコードする遺伝子が組み込まれた動物細胞用発現
ベクターであり、動物細胞用発現ベクターにヒト抗体の
CHおよびCLをコードする遺伝子をそれぞれ挿入すること
により構築されたものである。
【0115】ヒト抗体のC領域としては、例えば、ヒト
抗体H鎖ではCγ1やCγ4、ヒト抗体L鎖ではCκ等の任意
のヒト抗体のC領域を用いることができる。ヒト抗体のC
領域をコードする遺伝子としてはエキソンとイントロン
より成る染色体DNAを用いることができ、また、cDNAを
用いることもできる。動物細胞用発現ベクターとして
は、ヒト抗体C領域をコードする遺伝子を組込み発現で
きるものであればいかなるものでも用いることができ
る。
抗体H鎖ではCγ1やCγ4、ヒト抗体L鎖ではCκ等の任意
のヒト抗体のC領域を用いることができる。ヒト抗体のC
領域をコードする遺伝子としてはエキソンとイントロン
より成る染色体DNAを用いることができ、また、cDNAを
用いることもできる。動物細胞用発現ベクターとして
は、ヒト抗体C領域をコードする遺伝子を組込み発現で
きるものであればいかなるものでも用いることができ
る。
【0116】例えば、pAGE107 (Cytotechnol., 3, 133
(1990))、pAGE103 (J. Biochem., 101, 1307 (1987))、
pHSG274 (Gene, 27, 223 (1984))、pKCR (Proc. Natl.
Acad. Sci., USA., 78, 1527 (1981))、pSG1βd2-4 (Cy
totechnol., 4, 173 (1990))等があげられる。動物細胞
用発現ベクターに用いるプロモーターとエンハンサーと
しては、SV40の初期プロモーターとエンハンサー (J. B
iochem., 101, 1307 (1987))、モロニーマウス白血病ウ
イルスのLTRプロモーターとエンハンサー (Biochem. Bi
ophys. Res. Comun., 149, 960 (1987))、免疫グロブリ
ンH鎖のプロモーター (Cell, 41, 479 (1985)) とエン
ハンサー (Cell, 33, 717 (1983)) 等があげられる。
(1990))、pAGE103 (J. Biochem., 101, 1307 (1987))、
pHSG274 (Gene, 27, 223 (1984))、pKCR (Proc. Natl.
Acad. Sci., USA., 78, 1527 (1981))、pSG1βd2-4 (Cy
totechnol., 4, 173 (1990))等があげられる。動物細胞
用発現ベクターに用いるプロモーターとエンハンサーと
しては、SV40の初期プロモーターとエンハンサー (J. B
iochem., 101, 1307 (1987))、モロニーマウス白血病ウ
イルスのLTRプロモーターとエンハンサー (Biochem. Bi
ophys. Res. Comun., 149, 960 (1987))、免疫グロブリ
ンH鎖のプロモーター (Cell, 41, 479 (1985)) とエン
ハンサー (Cell, 33, 717 (1983)) 等があげられる。
【0117】ヒト化抗体発現用ベクターは、抗体H鎖、L
鎖が別々のベクター上に存在するタイプあるいは同一の
ベクター上に存在するタイプ (タンデム型) のどちらで
も用いることができるが、ヒト化抗体発現ベクターの構
築のしやすさ、動物細胞への導入のし易さ、動物細胞内
での抗体H鎖およびL鎖の発現量のバランスがとれる等の
点でタンデム型のヒト化抗体発現用ベクターの方が好ま
しい (J. Immunol. Methods, 167, 271 (1994))。
鎖が別々のベクター上に存在するタイプあるいは同一の
ベクター上に存在するタイプ (タンデム型) のどちらで
も用いることができるが、ヒト化抗体発現ベクターの構
築のしやすさ、動物細胞への導入のし易さ、動物細胞内
での抗体H鎖およびL鎖の発現量のバランスがとれる等の
点でタンデム型のヒト化抗体発現用ベクターの方が好ま
しい (J. Immunol. Methods, 167, 271 (1994))。
【0118】(2) ヒト以外の動物の抗体のVHおよびVL
をコードするcDNAの取得 ヒト以外の動物の抗体、例えば、マウス抗Flt-1モノク
ローナル抗体のVHおよびVLをコードするcDNAは以下のよ
うにして取得する。抗Flt-1モノクローナル抗体を産生
する細胞、例えば、マウスの抗Flt-1抗体産生ハイブリ
ドーマ等よりmRNAを抽出し、cDNAを合成する。合成した
cDNAを、ファージあるいはプラスミド等のベクターに挿
入し、cDNAライブラリーを作製する。該ライブラリーよ
り、ヒト以外の動物の抗体、例えば、マウス抗体のC領
域部分あるいはV領域部分をプローブとして用い、VHを
コードするcDNAを有する組換えファージあるいは組換え
プラスミド、およびVLをコードするcDNAを有する組換え
ファージあるいは組換えプラスミドをそれぞれ単離す
る。組換えファージあるいは組換えプラスミド上の目的
とする抗体のVHおよびVLの全塩基配列を決定し、塩基配
列よりVHおよびVLの全アミノ酸配列を推定する。
をコードするcDNAの取得 ヒト以外の動物の抗体、例えば、マウス抗Flt-1モノク
ローナル抗体のVHおよびVLをコードするcDNAは以下のよ
うにして取得する。抗Flt-1モノクローナル抗体を産生
する細胞、例えば、マウスの抗Flt-1抗体産生ハイブリ
ドーマ等よりmRNAを抽出し、cDNAを合成する。合成した
cDNAを、ファージあるいはプラスミド等のベクターに挿
入し、cDNAライブラリーを作製する。該ライブラリーよ
り、ヒト以外の動物の抗体、例えば、マウス抗体のC領
域部分あるいはV領域部分をプローブとして用い、VHを
コードするcDNAを有する組換えファージあるいは組換え
プラスミド、およびVLをコードするcDNAを有する組換え
ファージあるいは組換えプラスミドをそれぞれ単離す
る。組換えファージあるいは組換えプラスミド上の目的
とする抗体のVHおよびVLの全塩基配列を決定し、塩基配
列よりVHおよびVLの全アミノ酸配列を推定する。
【0119】(3) ヒト型キメラ抗体発現ベクターの構
築 前記2(1) で構築したヒト化抗体発現用ベクターのヒ
ト抗体のCHおよびCLをコードする遺伝子の上流に、ヒト
以外の動物の抗体のVHおよびVLをコードするcDNAを挿入
し、ヒト型キメラ抗体発現ベクターを構築することがで
きる。例えば、キメラ抗体発現用ベクターのヒト抗体の
CHおよびCLをコードする遺伝子の上流にあらかじめヒト
以外の動物の抗体のVHおよびVLをコードするcDNAをクロ
ーニングするための制限酵素の認識配列を設けておき、
このクローニングサイトにヒト以外の動物の抗体のV領
域をコードするcDNAを下記に述べる合成DNAを介して挿
入することにより、ヒト型キメラ抗体発現ベクターを製
造することができる。合成DNAは、ヒト以外の動物の抗
体のV領域の3'末端側の塩基配列とヒト抗体のC領域の5'
末端側の塩基配列とからなるものであり、両端に適当な
制限酵素部位を有するようにDNA合成機を用いて製造す
る。
築 前記2(1) で構築したヒト化抗体発現用ベクターのヒ
ト抗体のCHおよびCLをコードする遺伝子の上流に、ヒト
以外の動物の抗体のVHおよびVLをコードするcDNAを挿入
し、ヒト型キメラ抗体発現ベクターを構築することがで
きる。例えば、キメラ抗体発現用ベクターのヒト抗体の
CHおよびCLをコードする遺伝子の上流にあらかじめヒト
以外の動物の抗体のVHおよびVLをコードするcDNAをクロ
ーニングするための制限酵素の認識配列を設けておき、
このクローニングサイトにヒト以外の動物の抗体のV領
域をコードするcDNAを下記に述べる合成DNAを介して挿
入することにより、ヒト型キメラ抗体発現ベクターを製
造することができる。合成DNAは、ヒト以外の動物の抗
体のV領域の3'末端側の塩基配列とヒト抗体のC領域の5'
末端側の塩基配列とからなるものであり、両端に適当な
制限酵素部位を有するようにDNA合成機を用いて製造す
る。
【0120】(4) ヒト以外の動物の抗体のCDR 配列の
同定 抗体の抗原結合部位を形成するVH及びVLは、配列の比較
的保存された4個のフレームワーク領域 (以下、FRと表
記する) とそれらを連結する配列の変化に富んだ3個のC
DRからなる (シーケンシズ・ オブ・ プロテインズ・ オブ
・ イムノロジカル・ インタレスト (Sequences of Prote
ins of Immunological Interest), US Dept. Health an
d Human Services (1991))。そして各CDRアミノ酸配列
(CDR 配列) は、既知の抗体のV領域のアミノ酸配列 (シ
ーケンシズ・ オブ・ プロテインズ・ オブ・ イムノロジカ
ル・ インタレスト(Sequences of Proteins of Immunolo
gical Interest), US Dept. Health and Human Service
s (1991)、以下、「シーケンシズ・ オブ・ プロテインズ
・ オブ・ イムノロジカル・ インタレスト」と表記する)
と比較することにより同定することができる。
同定 抗体の抗原結合部位を形成するVH及びVLは、配列の比較
的保存された4個のフレームワーク領域 (以下、FRと表
記する) とそれらを連結する配列の変化に富んだ3個のC
DRからなる (シーケンシズ・ オブ・ プロテインズ・ オブ
・ イムノロジカル・ インタレスト (Sequences of Prote
ins of Immunological Interest), US Dept. Health an
d Human Services (1991))。そして各CDRアミノ酸配列
(CDR 配列) は、既知の抗体のV領域のアミノ酸配列 (シ
ーケンシズ・ オブ・ プロテインズ・ オブ・ イムノロジカ
ル・ インタレスト(Sequences of Proteins of Immunolo
gical Interest), US Dept. Health and Human Service
s (1991)、以下、「シーケンシズ・ オブ・ プロテインズ
・ オブ・ イムノロジカル・ インタレスト」と表記する)
と比較することにより同定することができる。
【0121】(5) ヒト型CDR 移植抗体のV領域をコード
するcDNAの構築 ヒト型CDR 移植抗体のVHおよびVLをコードするcDNAは以
下のようにして取得することができる。まず、目的のヒ
ト以外の動物の抗体のV領域のCDRを移植するためのヒト
抗体のV領域のFRのアミノ酸配列をVH、VLそれぞれにつ
いて選択する。ヒト抗体のV領域のFRのアミノ酸配列と
しては、ヒト抗体由来のV領域のFRのアミノ酸配列であ
ればいかなるものでも用いることができる。
するcDNAの構築 ヒト型CDR 移植抗体のVHおよびVLをコードするcDNAは以
下のようにして取得することができる。まず、目的のヒ
ト以外の動物の抗体のV領域のCDRを移植するためのヒト
抗体のV領域のFRのアミノ酸配列をVH、VLそれぞれにつ
いて選択する。ヒト抗体のV領域のFRのアミノ酸配列と
しては、ヒト抗体由来のV領域のFRのアミノ酸配列であ
ればいかなるものでも用いることができる。
【0122】例えば、Protein Data Bankに登録されて
いるヒト抗体のV領域のFRのアミノ酸配列、ヒト抗体のV
領域のFRの各サブグループの共通アミノ酸配列 (シー
ケンシズ・ オブ・ プロテインズ・ オブ・ イムノロジカル
・ インタレスト) があげられるが、充分な活性を有する
ヒト型CDR移植抗体を創製するためには、目的のヒト以
外の動物の抗体のV領域のアミノ酸配列と高い相同性、
好ましくは65%以上の相同性を有することが望ましい。
次に、選択したヒト抗体のV領域のFRのアミノ酸配列を
コードするDNA配列と目的のヒト以外の動物の抗体のV領
域のCDRのアミノ酸配列をコードするDNA配列を連結させ
て、VH、VLそれぞれのアミノ酸配列をコードするDNA配
列を設計する。CDR移植抗体V領域遺伝子を構築するため
に設計したDNA配列を得るためには、全DNA配列をカバー
するように各鎖について数本の合成DNAを設計し、それ
らを用いてポリメラーゼ・チェイン・リアクション (Po
lymerase Chain Reaction;以下、PCRと表記する) を行
う。PCRでの反応効率および合成可能なDNAの長さから各
鎖について、好ましくは、6本の合成DNA を設計する。
反応後、増幅断片を適当なベクターにサブクローニング
し、その塩基配列を決定し、目的のヒト型CDR移植抗体
の各鎖のV領域のアミノ酸配列をコードするcDNAを含む
プラスミドを取得する。また、約100塩基よりなる合成D
NAを用いてセンス、アンチセンスともに全配列を合成
し、それらをアニーリング、連結することで、目的のヒ
ト型CDR 移植抗体の各鎖のV領域のアミノ酸配列をコー
ドするcDNAを構築することもできる。
いるヒト抗体のV領域のFRのアミノ酸配列、ヒト抗体のV
領域のFRの各サブグループの共通アミノ酸配列 (シー
ケンシズ・ オブ・ プロテインズ・ オブ・ イムノロジカル
・ インタレスト) があげられるが、充分な活性を有する
ヒト型CDR移植抗体を創製するためには、目的のヒト以
外の動物の抗体のV領域のアミノ酸配列と高い相同性、
好ましくは65%以上の相同性を有することが望ましい。
次に、選択したヒト抗体のV領域のFRのアミノ酸配列を
コードするDNA配列と目的のヒト以外の動物の抗体のV領
域のCDRのアミノ酸配列をコードするDNA配列を連結させ
て、VH、VLそれぞれのアミノ酸配列をコードするDNA配
列を設計する。CDR移植抗体V領域遺伝子を構築するため
に設計したDNA配列を得るためには、全DNA配列をカバー
するように各鎖について数本の合成DNAを設計し、それ
らを用いてポリメラーゼ・チェイン・リアクション (Po
lymerase Chain Reaction;以下、PCRと表記する) を行
う。PCRでの反応効率および合成可能なDNAの長さから各
鎖について、好ましくは、6本の合成DNA を設計する。
反応後、増幅断片を適当なベクターにサブクローニング
し、その塩基配列を決定し、目的のヒト型CDR移植抗体
の各鎖のV領域のアミノ酸配列をコードするcDNAを含む
プラスミドを取得する。また、約100塩基よりなる合成D
NAを用いてセンス、アンチセンスともに全配列を合成
し、それらをアニーリング、連結することで、目的のヒ
ト型CDR 移植抗体の各鎖のV領域のアミノ酸配列をコー
ドするcDNAを構築することもできる。
【0123】(6) ヒト型CDR移植抗体のV領域のアミノ
酸配列の改変 ヒト型CDR移植抗体は目的のヒト以外の動物の抗体のV領
域のCDRのみをヒト抗体のV領域のFR間に、単純に移植し
ただけでは、その活性はもとのヒト以外の動物の抗体の
活性に比べて低下してしまうことが知られている(Bio/T
echnology, 9, 266 (1991))。そこでヒト抗体のV領域の
FRのアミノ酸配列のうち、直接抗原との結合に関与して
いるアミノ酸残基、CDRのアミノ酸残基と相互作用をし
ているアミノ酸残基、あるいは抗体の立体構造の維持に
関与している等の可能性を有するアミノ酸残基をもとの
ヒト以外の動物の抗体に見出されるアミノ酸残基に改変
し、活性を上昇させることが行われている。そして、そ
れらのアミノ酸残基を効率よく同定するため、X線結晶
解析あるいはコンピューターモデリング等を用いた抗体
の立体構造の構築および解析を行っている。しかし、い
かなる抗体にも適応可能なヒト型CDR移植抗体の製造法
は未だ確立されておらず、現状では個々の抗体によって
種々の試行錯誤が必要である。
酸配列の改変 ヒト型CDR移植抗体は目的のヒト以外の動物の抗体のV領
域のCDRのみをヒト抗体のV領域のFR間に、単純に移植し
ただけでは、その活性はもとのヒト以外の動物の抗体の
活性に比べて低下してしまうことが知られている(Bio/T
echnology, 9, 266 (1991))。そこでヒト抗体のV領域の
FRのアミノ酸配列のうち、直接抗原との結合に関与して
いるアミノ酸残基、CDRのアミノ酸残基と相互作用をし
ているアミノ酸残基、あるいは抗体の立体構造の維持に
関与している等の可能性を有するアミノ酸残基をもとの
ヒト以外の動物の抗体に見出されるアミノ酸残基に改変
し、活性を上昇させることが行われている。そして、そ
れらのアミノ酸残基を効率よく同定するため、X線結晶
解析あるいはコンピューターモデリング等を用いた抗体
の立体構造の構築および解析を行っている。しかし、い
かなる抗体にも適応可能なヒト型CDR移植抗体の製造法
は未だ確立されておらず、現状では個々の抗体によって
種々の試行錯誤が必要である。
【0124】選択したヒト抗体のV領域のFRのアミノ酸
配列の改変は各種の変異導入プライマーを用いて前記2
(5) に記載のPCRを行うことにより達成できる。PCR後
の増幅断片を適当なベクターにサブクローニング後、そ
の塩基配列を決定し、目的の変異が導入されたcDNAを含
むベクター (以下、アミノ酸配列改変ベクターと表記す
る) を取得する。
配列の改変は各種の変異導入プライマーを用いて前記2
(5) に記載のPCRを行うことにより達成できる。PCR後
の増幅断片を適当なベクターにサブクローニング後、そ
の塩基配列を決定し、目的の変異が導入されたcDNAを含
むベクター (以下、アミノ酸配列改変ベクターと表記す
る) を取得する。
【0125】また、狭い領域のアミノ酸配列の改変であ
れば、20〜35塩基からなる変異導入プライマーを用いた
PCR変異導入法により行うことができる。具体的には、
改変後のアミノ酸残基をコードするDNA 配列を含む20〜
35塩基からなるセンス変異プライマー及びアンチセンス
変異プライマーを合成し、改変すべきV領域のアミノ酸
配列をコードするcDNAを含むプラスミドを鋳型として2
段階のPCRを行う。最終増幅断片を適当なベクターにサ
ブクローニング後、その塩基配列を決定し、目的の変異
が導入されたcDNAを含むアミノ酸配列改変ベクターを取
得する。
れば、20〜35塩基からなる変異導入プライマーを用いた
PCR変異導入法により行うことができる。具体的には、
改変後のアミノ酸残基をコードするDNA 配列を含む20〜
35塩基からなるセンス変異プライマー及びアンチセンス
変異プライマーを合成し、改変すべきV領域のアミノ酸
配列をコードするcDNAを含むプラスミドを鋳型として2
段階のPCRを行う。最終増幅断片を適当なベクターにサ
ブクローニング後、その塩基配列を決定し、目的の変異
が導入されたcDNAを含むアミノ酸配列改変ベクターを取
得する。
【0126】(7) ヒト型CDR 移植抗体発現ベクターの
構築 前記2(1) のヒト化抗体発現用ベクターのヒト抗体のC
H及びCLをコードする遺伝子の上流に、前記2(5) およ
び2(6) で取得したヒト型CDR移植抗体のVH及びVLをコ
ードするcDNAを挿入し、ヒト型CDR移植抗体発現ベクタ
ーを構築することができる。例えば、ヒト型CDR移植抗
体のVH及びVLのアミノ酸配列をコードするcDNAを構築す
るためのPCRの際に5'末端および3'末端の合成DNAの末端
に適当な制限酵素の認識配列を導入することで、所望の
ヒト抗体のC領域をコードする遺伝子の上流にそれらが
適切な形で発現するように挿入することができる。
構築 前記2(1) のヒト化抗体発現用ベクターのヒト抗体のC
H及びCLをコードする遺伝子の上流に、前記2(5) およ
び2(6) で取得したヒト型CDR移植抗体のVH及びVLをコ
ードするcDNAを挿入し、ヒト型CDR移植抗体発現ベクタ
ーを構築することができる。例えば、ヒト型CDR移植抗
体のVH及びVLのアミノ酸配列をコードするcDNAを構築す
るためのPCRの際に5'末端および3'末端の合成DNAの末端
に適当な制限酵素の認識配列を導入することで、所望の
ヒト抗体のC領域をコードする遺伝子の上流にそれらが
適切な形で発現するように挿入することができる。
【0127】(8) ヒト化抗体の一過性 (トランジェン
ト) 発現および活性評価 多種類のヒト化抗体の活性を効率的に評価するために、
前記2(3) のヒト型キメラ抗体発現ベクター、および
前記2(7) のヒト型CDR 移植抗体発現ベクターあるい
はそれらの改変ベクターをCOS-7細胞 (ATCC CRL1651)
に導入してヒト化抗体の一過性発現 (Methods in Nucle
ic Acids Res., CRC Press, p.283 (1991)) を行い、そ
の活性を測定することができる。
ト) 発現および活性評価 多種類のヒト化抗体の活性を効率的に評価するために、
前記2(3) のヒト型キメラ抗体発現ベクター、および
前記2(7) のヒト型CDR 移植抗体発現ベクターあるい
はそれらの改変ベクターをCOS-7細胞 (ATCC CRL1651)
に導入してヒト化抗体の一過性発現 (Methods in Nucle
ic Acids Res., CRC Press, p.283 (1991)) を行い、そ
の活性を測定することができる。
【0128】COS-7細胞への発現ベクターの導入法とし
ては、DEAE-デキストラン法(Methodsin Nucleic Acids
Res., CRC Press, p.283 (1991))、リポフェクション法
(Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 84, 7413 (1987)) 等
があげられる。ベクターの導入後、培養上清中のヒト化
抗体の活性は前記1(5) に記載の酵素免疫測定法 (ELI
SA) 等により測定することができる。
ては、DEAE-デキストラン法(Methodsin Nucleic Acids
Res., CRC Press, p.283 (1991))、リポフェクション法
(Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 84, 7413 (1987)) 等
があげられる。ベクターの導入後、培養上清中のヒト化
抗体の活性は前記1(5) に記載の酵素免疫測定法 (ELI
SA) 等により測定することができる。
【0129】(9) ヒト化抗体の安定 (ステーブル) 発
現および活性評価 前記2(3) のヒト型キメラ抗体発現ベクターおよび前
記2(7) のヒト型CDR移植抗体発現ベクターを適当な宿
主細胞に導入することによりヒト化抗体を安定に生産す
る形質転換株を得ることができる。宿主細胞への発現ベ
クターの導入法としては、エレクトロポレーション法
(特開平2-257891、Cytotechnol., 3, 133 (1990)) 等が
あげられる。
現および活性評価 前記2(3) のヒト型キメラ抗体発現ベクターおよび前
記2(7) のヒト型CDR移植抗体発現ベクターを適当な宿
主細胞に導入することによりヒト化抗体を安定に生産す
る形質転換株を得ることができる。宿主細胞への発現ベ
クターの導入法としては、エレクトロポレーション法
(特開平2-257891、Cytotechnol., 3, 133 (1990)) 等が
あげられる。
【0130】ヒト化抗体発現ベクターを導入する宿主細
胞としては、ヒト化抗体を発現させることができる宿主
細胞であれば、いかなる細胞でも用いることができる。
例えば、マウスSP2/0-Ag14細胞 (ATCC CRL1581)、マウ
スP3X63-Ag8.653細胞 (ATCC CRL1580)、ジヒドロ葉酸還
元酵素遺伝子 (以下、DHFR遺伝子と表記する) が欠損し
たCHO細胞 (Proc. Natl. Acad. Sci., USA, 77, 4216
(1980))、ラットYB2/3HL.P2.G11.16Ag.20細胞 (ATCC CR
L1662、以下、YB2/0細胞と表記する) 等があげられる。
胞としては、ヒト化抗体を発現させることができる宿主
細胞であれば、いかなる細胞でも用いることができる。
例えば、マウスSP2/0-Ag14細胞 (ATCC CRL1581)、マウ
スP3X63-Ag8.653細胞 (ATCC CRL1580)、ジヒドロ葉酸還
元酵素遺伝子 (以下、DHFR遺伝子と表記する) が欠損し
たCHO細胞 (Proc. Natl. Acad. Sci., USA, 77, 4216
(1980))、ラットYB2/3HL.P2.G11.16Ag.20細胞 (ATCC CR
L1662、以下、YB2/0細胞と表記する) 等があげられる。
【0131】ベクターの導入後、ヒト化抗体を安定に生
産する形質転換株は、特開平2-257891に開示されている
方法に従い、G418およびFCS を含むRPMI1640培地により
選択する。得られた形質転換株を培地中で培養すること
で培養液中にヒト化抗体を生産蓄積させることができ
る。培養液中のヒト化抗体の活性は前記1(5) に記載
の方法等により測定する。また、形質転換株は、特開平
2-257891に開示されている方法に従い、DHFR遺伝子増幅
系等を利用してヒト化抗体の生産量を上昇させることが
できる。
産する形質転換株は、特開平2-257891に開示されている
方法に従い、G418およびFCS を含むRPMI1640培地により
選択する。得られた形質転換株を培地中で培養すること
で培養液中にヒト化抗体を生産蓄積させることができ
る。培養液中のヒト化抗体の活性は前記1(5) に記載
の方法等により測定する。また、形質転換株は、特開平
2-257891に開示されている方法に従い、DHFR遺伝子増幅
系等を利用してヒト化抗体の生産量を上昇させることが
できる。
【0132】ヒト化抗体は、形質転換株の培養上清より
プロテインA カラムを用いて精製することができる (ア
ンチボディーズ・ア・ラボラトリー・マニュアル, Chap
ter8)。また、その他に、通常の蛋白質で用いられる精
製方法を使用することができる。例えば、ゲル濾過、イ
オン交換クロマトグラフィーおよび限外濾過等を組合せ
て行い、精製することができる。精製したヒト化抗体の
H鎖、L鎖あるいは抗体分子全体の分子量は、ポリアクリ
ルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE) (Nature, 227, 680
(1970)) やウエスタンブロッティング法 (アンチボディ
ーズ・ア・ラボラトリー・マニュアル, Chapter 12 (19
88)) 等で測定する。
プロテインA カラムを用いて精製することができる (ア
ンチボディーズ・ア・ラボラトリー・マニュアル, Chap
ter8)。また、その他に、通常の蛋白質で用いられる精
製方法を使用することができる。例えば、ゲル濾過、イ
オン交換クロマトグラフィーおよび限外濾過等を組合せ
て行い、精製することができる。精製したヒト化抗体の
H鎖、L鎖あるいは抗体分子全体の分子量は、ポリアクリ
ルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE) (Nature, 227, 680
(1970)) やウエスタンブロッティング法 (アンチボディ
ーズ・ア・ラボラトリー・マニュアル, Chapter 12 (19
88)) 等で測定する。
【0133】精製したヒト化抗体の反応性、また、ヒト
化抗体のVEGFに対する阻害活性の測定は前記1(4) に
記載の方法等により測定することができる。
化抗体のVEGFに対する阻害活性の測定は前記1(4) に
記載の方法等により測定することができる。
【0134】Flt-1に対するヒト化抗体としては、好ま
しくはそれぞれ配列番号1,2,3あるいは4,5,6
で示されるアミノ酸配列からなる抗体VHのCDR 1、CDR
2、CDR3、および/またはそれぞれ配列番号7,8,9
あるいは10,11,12で示されるアミノ酸配列から
なる抗体VLのCDR1、CDR2、CDR3を含むヒト化抗体または
その抗体断片があげられる(WO99/60025)。
しくはそれぞれ配列番号1,2,3あるいは4,5,6
で示されるアミノ酸配列からなる抗体VHのCDR 1、CDR
2、CDR3、および/またはそれぞれ配列番号7,8,9
あるいは10,11,12で示されるアミノ酸配列から
なる抗体VLのCDR1、CDR2、CDR3を含むヒト化抗体または
その抗体断片があげられる(WO99/60025)。
【0135】Flt-1に対するヒト型キメラ抗体として
は、好ましくは、それぞれ配列番号1,2,3あるいは
4,5,6で示されるアミノ酸配列からなる抗体VHのCD
R1、CDR2、CDR3、および/またはそれぞれ配列番号7,
8,9あるいは10,11,12で示されるアミノ酸配
列からなる抗体VLのCDR1、CDR2、CDR3を含むヒト型キメ
ラ抗体、さらに好ましくは、配列番号13あるいは14
で示されるアミノ酸配列を含む抗体のVH、および/また
は配列番号15あるいは16で示されるアミノ酸配列を
含む抗体のVLを含むヒト型キメラ抗体などがあげられ
る。具体的には、KM2532、KM2550などがあげられる (WO
99/60025)。
は、好ましくは、それぞれ配列番号1,2,3あるいは
4,5,6で示されるアミノ酸配列からなる抗体VHのCD
R1、CDR2、CDR3、および/またはそれぞれ配列番号7,
8,9あるいは10,11,12で示されるアミノ酸配
列からなる抗体VLのCDR1、CDR2、CDR3を含むヒト型キメ
ラ抗体、さらに好ましくは、配列番号13あるいは14
で示されるアミノ酸配列を含む抗体のVH、および/また
は配列番号15あるいは16で示されるアミノ酸配列を
含む抗体のVLを含むヒト型キメラ抗体などがあげられ
る。具体的には、KM2532、KM2550などがあげられる (WO
99/60025)。
【0136】Flt-1に対するヒト型CDR移植抗体として
は、好ましくは、それぞれ配列番号1,2,3あるいは
4,5,6で示されるアミノ酸配列からなる抗体VHのCD
R1、CDR2、CDR3、および/またはそれぞれ配列番号7,
8,9あるいは10,11,12で示されるアミノ酸配
列からなる抗体VLのCDR1、CDR2、CDR3を含むヒト型キメ
ラ抗体、さらに好ましくは、配列番号17で示されるア
ミノ酸配列を含む抗体のVH、および/または配列番号1
8で示されるアミノ酸配列を含む抗体のVLを含むヒト型
CDR移植抗体、配列番号19あるいは20で示されるア
ミノ酸配列を含む抗体のVH、および/または配列番号2
1,22あるいは23で示されるアミノ酸配列を含む抗
体のVLを含むヒト型CDR移植抗体があげられる。具体的
には、KM8550、KM8551、KM8552、KM8553、KM8554、KM85
55などがあげられる (WO99/60025)。
は、好ましくは、それぞれ配列番号1,2,3あるいは
4,5,6で示されるアミノ酸配列からなる抗体VHのCD
R1、CDR2、CDR3、および/またはそれぞれ配列番号7,
8,9あるいは10,11,12で示されるアミノ酸配
列からなる抗体VLのCDR1、CDR2、CDR3を含むヒト型キメ
ラ抗体、さらに好ましくは、配列番号17で示されるア
ミノ酸配列を含む抗体のVH、および/または配列番号1
8で示されるアミノ酸配列を含む抗体のVLを含むヒト型
CDR移植抗体、配列番号19あるいは20で示されるア
ミノ酸配列を含む抗体のVH、および/または配列番号2
1,22あるいは23で示されるアミノ酸配列を含む抗
体のVLを含むヒト型CDR移植抗体があげられる。具体的
には、KM8550、KM8551、KM8552、KM8553、KM8554、KM85
55などがあげられる (WO99/60025)。
【0137】本発明で使用される抗Flt-1抗体を規定す
るアミノ酸配列において、1以上のアミノ酸が欠失、置
換、挿入または付加され、かつFlt-1と特異的に反応す
る抗体またはその抗体断片も本発明の範囲に包含され
る。
るアミノ酸配列において、1以上のアミノ酸が欠失、置
換、挿入または付加され、かつFlt-1と特異的に反応す
る抗体またはその抗体断片も本発明の範囲に包含され
る。
【0138】本発明のアミノ酸配列において1以上のア
ミノ酸残基が欠失、置換、挿入または付加されたとは、
同一配列中の任意かつ1もしくは複数のアミノ酸配列中
の位置において、1または複数のアミノ酸残基の欠失、
置換、挿入または付加があることを意味し、欠失、置
換、挿入または付加が同時に生じてもよく、置換、挿入
または付加されるアミノ酸残基は天然型と非天然型とを
問わない。天然型アミノ酸残基としては、L-アラニン、
L-アスパラギン、L-アスパラギン酸、L-グルタミン、L-
グルタミン酸、グリシン、L-ヒスチジン、L-イソロイシ
ン、L-ロイシン、L-リジン、L-メチオニン、L-フェニル
アラニン、L-プロリン、L-セリン、L-スレオニン、L-ト
リプトファン、L-チロシン、L-バリン、L-システイン等
があげられる。
ミノ酸残基が欠失、置換、挿入または付加されたとは、
同一配列中の任意かつ1もしくは複数のアミノ酸配列中
の位置において、1または複数のアミノ酸残基の欠失、
置換、挿入または付加があることを意味し、欠失、置
換、挿入または付加が同時に生じてもよく、置換、挿入
または付加されるアミノ酸残基は天然型と非天然型とを
問わない。天然型アミノ酸残基としては、L-アラニン、
L-アスパラギン、L-アスパラギン酸、L-グルタミン、L-
グルタミン酸、グリシン、L-ヒスチジン、L-イソロイシ
ン、L-ロイシン、L-リジン、L-メチオニン、L-フェニル
アラニン、L-プロリン、L-セリン、L-スレオニン、L-ト
リプトファン、L-チロシン、L-バリン、L-システイン等
があげられる。
【0139】以下に、相互に置換可能なアミノ酸残基の
好ましい例を示す。同一群に含まれるアミノ酸残基は相
互に置換可能である。 A群:ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン、バリ
ン、ノルバリン、アラニン、2-アミノブタン酸、メチオ
ニン、O-メチルセリン、t-ブチルグリシン、t-ブチルア
ラニン、シクロヘキシルアラニン B群:アスパラギン酸、グルタミン酸、イソアスパラギ
ン酸、イソグルタミン酸、2-アミノアジピン酸、2-アミ
ノスベリン酸 C群:アスパラギン、グルタミン D群:リジン、アルギニン、オルニチン、2,4-ジアミノ
ブタン酸、2,3-ジアミノプロピオン酸 E群:プロリン、3-ヒドロキシプロリン、4-ヒドロキシ
プロリン F群:セリン、スレオニン、ホモセリン G群:フェニルアラニン、チロシン
好ましい例を示す。同一群に含まれるアミノ酸残基は相
互に置換可能である。 A群:ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン、バリ
ン、ノルバリン、アラニン、2-アミノブタン酸、メチオ
ニン、O-メチルセリン、t-ブチルグリシン、t-ブチルア
ラニン、シクロヘキシルアラニン B群:アスパラギン酸、グルタミン酸、イソアスパラギ
ン酸、イソグルタミン酸、2-アミノアジピン酸、2-アミ
ノスベリン酸 C群:アスパラギン、グルタミン D群:リジン、アルギニン、オルニチン、2,4-ジアミノ
ブタン酸、2,3-ジアミノプロピオン酸 E群:プロリン、3-ヒドロキシプロリン、4-ヒドロキシ
プロリン F群:セリン、スレオニン、ホモセリン G群:フェニルアラニン、チロシン
【0140】上記抗体の可変領域をコードするDNAを含
有したプラスミドを導入した大腸菌としては、例えば、
ヒト型キメラ抗体については、KM2532のH鎖可変領域DNA
を有する大腸菌XL1-Blue MRF'/KM1732HA2 (FERM BP-635
4)、KM2532のL鎖可変領域DNAを有する大腸菌XL1-Blue M
RF'/KM1732L2-1 (FERM BP-6352)、KM2550のH鎖可変領域
DNAを有する大腸菌XL1-Blue MRF'/KM1750H2-1 (FERM BP
-6353) およびKM2550のL鎖可変領域DNAを有する大腸菌X
L1-Blue MRF'/KM1750L3-1 (FERM BP-6355) 等があげら
れる。
有したプラスミドを導入した大腸菌としては、例えば、
ヒト型キメラ抗体については、KM2532のH鎖可変領域DNA
を有する大腸菌XL1-Blue MRF'/KM1732HA2 (FERM BP-635
4)、KM2532のL鎖可変領域DNAを有する大腸菌XL1-Blue M
RF'/KM1732L2-1 (FERM BP-6352)、KM2550のH鎖可変領域
DNAを有する大腸菌XL1-Blue MRF'/KM1750H2-1 (FERM BP
-6353) およびKM2550のL鎖可変領域DNAを有する大腸菌X
L1-Blue MRF'/KM1750L3-1 (FERM BP-6355) 等があげら
れる。
【0141】上記抗体の可変領域をコードするDNAを含
有したプラスミドを導入した大腸菌としては、例えば、
ヒト型CDR移植抗体については、KM8550、KM8551およびK
M8554のH鎖可変領域DNAを有する大腸菌DH5α/pHKM1750H
V0 (FERM BP-6719)、KM8552、KM8553およびKM8555のH鎖
可変領域DNAを有する大腸菌DH5α/pHKM1750HV3 (FERM B
P-6720)、KM8550およびKM8552のL鎖可変領域DNAを有す
る大腸菌 (FERM BP-6716)、KM8551およびKM8553のL鎖可
変領域DNAを有する大腸菌 (FERM BP-6717)、KM8554およ
びKM8555のL鎖可変領域DNAを有する大腸菌 (FERM BP-67
18) 等があげられる。
有したプラスミドを導入した大腸菌としては、例えば、
ヒト型CDR移植抗体については、KM8550、KM8551およびK
M8554のH鎖可変領域DNAを有する大腸菌DH5α/pHKM1750H
V0 (FERM BP-6719)、KM8552、KM8553およびKM8555のH鎖
可変領域DNAを有する大腸菌DH5α/pHKM1750HV3 (FERM B
P-6720)、KM8550およびKM8552のL鎖可変領域DNAを有す
る大腸菌 (FERM BP-6716)、KM8551およびKM8553のL鎖可
変領域DNAを有する大腸菌 (FERM BP-6717)、KM8554およ
びKM8555のL鎖可変領域DNAを有する大腸菌 (FERM BP-67
18) 等があげられる。
【0142】3.遺伝子組換え抗体の作製方法 (2)−
抗体断片の作製 (1) 抗体断片Fab、F(ab')2、Fab'の作製方法 上述した抗Flt-1抗体を酵素で処理することにより、抗
体断片を生成させる。酵素としては、パパイン、トリプ
シン等をあげることができる。または、抗Flt-1抗体のF
ab、F(ab')2あるいはFab'をコードするDNAを動物細胞用
発現ベクターに挿入し、該ベクターを動物細胞へ導入す
ることにより発現させ、Fab、F(ab')2あるいはFab'を製
造することができる。
抗体断片の作製 (1) 抗体断片Fab、F(ab')2、Fab'の作製方法 上述した抗Flt-1抗体を酵素で処理することにより、抗
体断片を生成させる。酵素としては、パパイン、トリプ
シン等をあげることができる。または、抗Flt-1抗体のF
ab、F(ab')2あるいはFab'をコードするDNAを動物細胞用
発現ベクターに挿入し、該ベクターを動物細胞へ導入す
ることにより発現させ、Fab、F(ab')2あるいはFab'を製
造することができる。
【0143】生成される抗体断片は、ゲル濾過、イオン
交換、アフィニティークロマトグラフィーおよび限外濾
過等を組み合わせて行い、精製することができる。精製
したFab、F(ab')2、Fab'の分子量は、ポリアクリルアミ
ドゲル電気泳動 (SDS-PAGE)(Nature, 227, 680 (1970))
やウエスタンブロッティング法 (アンチボディーズ・
ア・ラボラトリー・マニュアル, Chapter 12 (1988))
等で測定する。
交換、アフィニティークロマトグラフィーおよび限外濾
過等を組み合わせて行い、精製することができる。精製
したFab、F(ab')2、Fab'の分子量は、ポリアクリルアミ
ドゲル電気泳動 (SDS-PAGE)(Nature, 227, 680 (1970))
やウエスタンブロッティング法 (アンチボディーズ・
ア・ラボラトリー・マニュアル, Chapter 12 (1988))
等で測定する。
【0144】精製したFab、F(ab')2、Fab'の反応性、ま
た、Fab、F(ab')2、Fab'のVEGFに対する阻害活性の測定
は前記1(4) に記載の方法等により測定することがで
きる。
た、Fab、F(ab')2、Fab'のVEGFに対する阻害活性の測定
は前記1(4) に記載の方法等により測定することがで
きる。
【0145】(2) 抗Flt-1-scFvの作製方法
前記2(2)、2(5) および2(6) に記載のヒト以外の
動物の抗体あるいはヒト型CDR移植抗体のVHおよびVLを
コードするcDNAをscFv発現用ベクターに挿入することに
よりヒト以外の動物の抗体のscFvあるいはヒト型CDR移
植抗体のscFvの発現ベクターを構築することができる。
ここで用いるscFv発現用ベクターとしてはヒト以外の動
物の抗体あるいはヒト型CDR 移植抗体のVHおよびVLをコ
ードするcDNAを組込み発現できるものであれば、いかな
るものでも用いることができる。
動物の抗体あるいはヒト型CDR移植抗体のVHおよびVLを
コードするcDNAをscFv発現用ベクターに挿入することに
よりヒト以外の動物の抗体のscFvあるいはヒト型CDR移
植抗体のscFvの発現ベクターを構築することができる。
ここで用いるscFv発現用ベクターとしてはヒト以外の動
物の抗体あるいはヒト型CDR 移植抗体のVHおよびVLをコ
ードするcDNAを組込み発現できるものであれば、いかな
るものでも用いることができる。
【0146】例えば、pAGE107 (Cytotechnol., 3, 133
(1990))、pAGE103 (J. Biochem., 101, 1307 (1987))、
pHSG274 (Gene, 27, 223 (1984))、pKCR (Proc. Natl.
Acad. Sci., USA, 78, 1527 (1981))、pSG1βd2-4 (Cyt
otechnol., 4, 173 (1990))等があげられる。scFvを発
現させるための宿主としては、大腸菌、酵母、動物細胞
等の中から適切なものを選択することができるが、その
場合の発現用ベクターとしては、それぞれの宿主に適切
なものを選択する必要がある。また、適切なシグナルペ
プチドをコードするcDNAを発現用ベクターに挿入するこ
とでscFvを細胞外に分泌させ、ペリプラズマ領域に輸送
させ、あるいは細胞内に留まらせることができる。
(1990))、pAGE103 (J. Biochem., 101, 1307 (1987))、
pHSG274 (Gene, 27, 223 (1984))、pKCR (Proc. Natl.
Acad. Sci., USA, 78, 1527 (1981))、pSG1βd2-4 (Cyt
otechnol., 4, 173 (1990))等があげられる。scFvを発
現させるための宿主としては、大腸菌、酵母、動物細胞
等の中から適切なものを選択することができるが、その
場合の発現用ベクターとしては、それぞれの宿主に適切
なものを選択する必要がある。また、適切なシグナルペ
プチドをコードするcDNAを発現用ベクターに挿入するこ
とでscFvを細胞外に分泌させ、ペリプラズマ領域に輸送
させ、あるいは細胞内に留まらせることができる。
【0147】選択された発現用ベクターに、VH-P-VLあ
るいはVL-P-VHからなるscFvをコードするcDNAを適切な
プロモーター、シグナルペプチドの下流に挿入すること
により、目的のscFvをコードするcDNAが挿入されたscFv
発現ベクターを構築することができる。
るいはVL-P-VHからなるscFvをコードするcDNAを適切な
プロモーター、シグナルペプチドの下流に挿入すること
により、目的のscFvをコードするcDNAが挿入されたscFv
発現ベクターを構築することができる。
【0148】scFvをコードするcDNAは、VHをコードする
cDNAとVLをコードするcDNAとを、両端に適当な制限酵素
の認識配列を有するペプチドリンカーをコードする合成
DNAを用いて連結することにより得ることができる。リ
ンカーペプチドは、その付加がVH、VLの抗原への結合に
対して妨害しないように最適化することが重要で、例え
ばPantolianoらにより示されたもの (Biochemistry, 3
0, 10117 (1991)) あるいはそれを改変したものを用い
ることができる。
cDNAとVLをコードするcDNAとを、両端に適当な制限酵素
の認識配列を有するペプチドリンカーをコードする合成
DNAを用いて連結することにより得ることができる。リ
ンカーペプチドは、その付加がVH、VLの抗原への結合に
対して妨害しないように最適化することが重要で、例え
ばPantolianoらにより示されたもの (Biochemistry, 3
0, 10117 (1991)) あるいはそれを改変したものを用い
ることができる。
【0149】(3) 抗Flt-1-dsFvの作製方法
dsFvは、ヒト以外の動物の抗体のVHおよびVLをコードす
るcDNAあるいはヒト型CDR移植抗体のVHおよびVLをコー
ドするcDNAのそれぞれの適切な位置の1アミノ酸残基に
相当するDNA 配列をシステイン残基に相当するDNA配列
に改変し、発現および精製したのち、ジスルフィド結合
を形成させることで作製することができる。アミノ酸残
基のシステイン残基への改変は前記2(5) のPCR を用
いた変異導入法により行うことができる。
るcDNAあるいはヒト型CDR移植抗体のVHおよびVLをコー
ドするcDNAのそれぞれの適切な位置の1アミノ酸残基に
相当するDNA 配列をシステイン残基に相当するDNA配列
に改変し、発現および精製したのち、ジスルフィド結合
を形成させることで作製することができる。アミノ酸残
基のシステイン残基への改変は前記2(5) のPCR を用
いた変異導入法により行うことができる。
【0150】得られた改変VHおよび改変VLをコードする
cDNAを適切な発現用ベクターに挿入することによりdsFv
-H鎖発現ベクターおよびdsFv-L鎖発現ベクターを構築す
ることができる。ここで用いるdsFv発現用ベクターとし
ては改変VHおよび改変VLをコードするcDNAを組込み発現
できるものであれば、いかなるものでも用いることがで
きる。例えば、pAGE107 (Cytotechnol., 3, 133 (199
0))、pAGE103 (J. Biochem., 101, 1307(1987))、pHSG2
74 (Gene, 27, 223 (1984))、pKCR (Proc. Natl.Acad.
Sci., 78, 1527 (1981))、pSG1βd2-4 (Cytotechnol.,
4, 173 (1990))等があげられる。dsFvを形成させるため
にdsFv-L鎖発現ベクターおよびdsFv-H鎖発現ベクターを
発現させるための宿主としては、大腸菌、酵母、動物細
胞等の中から適切なものを選択することができるが、そ
の場合の発現用ベクターとしては、それぞれの宿主に適
切なものを選択する必要がある。
cDNAを適切な発現用ベクターに挿入することによりdsFv
-H鎖発現ベクターおよびdsFv-L鎖発現ベクターを構築す
ることができる。ここで用いるdsFv発現用ベクターとし
ては改変VHおよび改変VLをコードするcDNAを組込み発現
できるものであれば、いかなるものでも用いることがで
きる。例えば、pAGE107 (Cytotechnol., 3, 133 (199
0))、pAGE103 (J. Biochem., 101, 1307(1987))、pHSG2
74 (Gene, 27, 223 (1984))、pKCR (Proc. Natl.Acad.
Sci., 78, 1527 (1981))、pSG1βd2-4 (Cytotechnol.,
4, 173 (1990))等があげられる。dsFvを形成させるため
にdsFv-L鎖発現ベクターおよびdsFv-H鎖発現ベクターを
発現させるための宿主としては、大腸菌、酵母、動物細
胞等の中から適切なものを選択することができるが、そ
の場合の発現用ベクターとしては、それぞれの宿主に適
切なものを選択する必要がある。
【0151】また、適切なシグナルペプチドをコードす
るcDNAを発現用ベクターに挿入することでdsFvを細胞外
に分泌させ、ペリプラズマ領域に輸送させ、あるいは細
胞内に留まらせることができる。
るcDNAを発現用ベクターに挿入することでdsFvを細胞外
に分泌させ、ペリプラズマ領域に輸送させ、あるいは細
胞内に留まらせることができる。
【0152】(4)各種抗体の発現および活性評価
前記 (1)〜(3) で構築された抗体断片発現ベクター、
scFv発現ベクター、dsFv-H鎖発現ベクターあるいはdsFv
-L鎖発現ベクターをエレクトロポレーション法(特開平2
-257891, Cytotechnol., 3, 133 (1990)) 等の方法によ
り宿主細胞へ導入することにより、目的の抗体断片発現
ベクター、scFv、dsFv-H鎖あるいはdsFv-L鎖を生産する
形質転換株を取得することができる。発現ベクターの導
入後、培養上清等に含まれる抗体断片発現ベクター、sc
Fv、dsFv-H鎖あるいはdsFv-L鎖の発現は前記1(4) に
記載の方法等により確認することができる。
scFv発現ベクター、dsFv-H鎖発現ベクターあるいはdsFv
-L鎖発現ベクターをエレクトロポレーション法(特開平2
-257891, Cytotechnol., 3, 133 (1990)) 等の方法によ
り宿主細胞へ導入することにより、目的の抗体断片発現
ベクター、scFv、dsFv-H鎖あるいはdsFv-L鎖を生産する
形質転換株を取得することができる。発現ベクターの導
入後、培養上清等に含まれる抗体断片発現ベクター、sc
Fv、dsFv-H鎖あるいはdsFv-L鎖の発現は前記1(4) に
記載の方法等により確認することができる。
【0153】scFv、dsFv-H鎖あるいはdsFv-L鎖の回収お
よび精製は公知の技術を組み合わせることにより達成す
ることができる。例えば、抗体断片発現ベクター、scF
v、dsFv-H鎖あるいはdsFv-L鎖が培地中に分泌されるな
らば、限外濾過により濃縮することができ、次いで各種
クロマトグラフィーあるいはゲル濾過を実行することに
より達成することができる。また、宿主細胞のペリプラ
ズマ領域へと輸送されるならば、その細胞に浸透圧ショ
ックを与え、限外濾過により濃縮することができ、次い
で各種クロマトグラフィーあるいはゲル濾過を実行する
ことにより達成することができる。不溶性であり、かつ
顆粒 (インクルージョン・ボディー) として存在してい
る抗体断片発現ベクター、scFv、dsFv-H鎖あるいはdsFv
-L鎖は、細胞の溶解、顆粒を単離するための遠心分離と
洗浄の繰り返し、例えばグアニジン−塩酸による可溶化
後、各種クロマトグラフィーあるいはゲル濾過を実行す
ることにより達成することができる。
よび精製は公知の技術を組み合わせることにより達成す
ることができる。例えば、抗体断片発現ベクター、scF
v、dsFv-H鎖あるいはdsFv-L鎖が培地中に分泌されるな
らば、限外濾過により濃縮することができ、次いで各種
クロマトグラフィーあるいはゲル濾過を実行することに
より達成することができる。また、宿主細胞のペリプラ
ズマ領域へと輸送されるならば、その細胞に浸透圧ショ
ックを与え、限外濾過により濃縮することができ、次い
で各種クロマトグラフィーあるいはゲル濾過を実行する
ことにより達成することができる。不溶性であり、かつ
顆粒 (インクルージョン・ボディー) として存在してい
る抗体断片発現ベクター、scFv、dsFv-H鎖あるいはdsFv
-L鎖は、細胞の溶解、顆粒を単離するための遠心分離と
洗浄の繰り返し、例えばグアニジン−塩酸による可溶化
後、各種クロマトグラフィーあるいはゲル濾過を実行す
ることにより達成することができる。
【0154】精製されたscFvは、前記1(4) に記載の
方法等により測定することができる。精製されたdsFv-H
鎖とdsFv-L鎖は、各々を混合したのち、活性を有する構
造へと導く操作 (refolding操作; Mol. Immunol., 32,
249 (1995)) によりS-S結合を形成させた後、抗原アフ
ィニティークロマトグラフィーもしくはイオン交換クロ
マトグラフィーまたはゲルろ過により活性を有するdsFv
を精製することができる。dsFvの活性は前記1(4) に
記載の方法等により測定することができる。
方法等により測定することができる。精製されたdsFv-H
鎖とdsFv-L鎖は、各々を混合したのち、活性を有する構
造へと導く操作 (refolding操作; Mol. Immunol., 32,
249 (1995)) によりS-S結合を形成させた後、抗原アフ
ィニティークロマトグラフィーもしくはイオン交換クロ
マトグラフィーまたはゲルろ過により活性を有するdsFv
を精製することができる。dsFvの活性は前記1(4) に
記載の方法等により測定することができる。
【0155】4.結合抗体の作製方法
抗体と毒素等の蛋白質を化学的に結合させた結合抗体
は、例えば文献 (Anticancer Research, 11, 2003 (199
1); Nature Medicine, 3, 350 (1996))記載の方法に従
って作製することができる。抗体と毒素、サイトカイン
等の蛋白質とを遺伝子工学的に結合させた結合抗体は、
例えば文献 (Proc. Natl. Acad. Sci., USA, 93, 974
(1996); Proc. Natl. Acad. Sci., USA, 93, 7826 (199
6)) 記載の方法に従って作製することができる。抗体と
低分子抗癌剤等の薬剤を化学的に結合させた結合抗体
は、例えば文献 (Science, 261, 212 (1993)) 記載の方
法に従って作製することができる。抗体と放射性同位元
素を化学的に結合させた結合抗体は、例えば文献 (Anti
body Immunoconjugates and Radiopharmaceuticals, 3,
60 (1990); Anticancer Research, 11, 2003 (1991))
記載の方法に従って作製することができる。
は、例えば文献 (Anticancer Research, 11, 2003 (199
1); Nature Medicine, 3, 350 (1996))記載の方法に従
って作製することができる。抗体と毒素、サイトカイン
等の蛋白質とを遺伝子工学的に結合させた結合抗体は、
例えば文献 (Proc. Natl. Acad. Sci., USA, 93, 974
(1996); Proc. Natl. Acad. Sci., USA, 93, 7826 (199
6)) 記載の方法に従って作製することができる。抗体と
低分子抗癌剤等の薬剤を化学的に結合させた結合抗体
は、例えば文献 (Science, 261, 212 (1993)) 記載の方
法に従って作製することができる。抗体と放射性同位元
素を化学的に結合させた結合抗体は、例えば文献 (Anti
body Immunoconjugates and Radiopharmaceuticals, 3,
60 (1990); Anticancer Research, 11, 2003 (1991))
記載の方法に従って作製することができる。
【0156】これらの誘導体は、抗体分子の特異性に従
って放射性同位元素、蛋白質 (サイトカイン、トキシ
ン、酵素等)、薬剤等を標的組織周辺に集積させること
で、より効果的で副作用の少ない診断あるいは治療を可
能にすることが期待されている。
って放射性同位元素、蛋白質 (サイトカイン、トキシ
ン、酵素等)、薬剤等を標的組織周辺に集積させること
で、より効果的で副作用の少ない診断あるいは治療を可
能にすることが期待されている。
【0157】5.肺選択的癌転移の診断薬および判定方
法 本発明のFlt-1に結合活性を有する抗体は、肺選択的癌
転移の診断薬として用いることができる。すなわち、本
発明のFlt-1に結合活性を有する抗体を有効成分として
含有する診断薬を用いて、生体から分離した組織、好ま
しくは肺組織、細胞などの試料に対して、以下に述べる
方法により肺選択的癌転移を免疫学的に検出または定量
することができる。Flt-1に結合活性を有する抗体を用
いて、肺選択的癌転移を免疫学的に検出または定量する
方法としては、蛍光抗体法、免疫酵素抗体法 (ELISA)、
放射性物質標識免疫抗体法 (RIA)、免疫組織染色法、免
疫細胞染色法等の免疫組織化学染色法 (ABC法、CSA法
等)、ウェスタンブロッティング法、免疫沈降法、上記
に記した酵素免疫測定法、サンドイッチELISA法 (単ク
ローン抗体実験マニュアル (講談社サイエンティフィッ
ク (1987))、続生化学実験講座5 免疫生化学研究法
(東京化学同人 (1986)) 等があげられる。
法 本発明のFlt-1に結合活性を有する抗体は、肺選択的癌
転移の診断薬として用いることができる。すなわち、本
発明のFlt-1に結合活性を有する抗体を有効成分として
含有する診断薬を用いて、生体から分離した組織、好ま
しくは肺組織、細胞などの試料に対して、以下に述べる
方法により肺選択的癌転移を免疫学的に検出または定量
することができる。Flt-1に結合活性を有する抗体を用
いて、肺選択的癌転移を免疫学的に検出または定量する
方法としては、蛍光抗体法、免疫酵素抗体法 (ELISA)、
放射性物質標識免疫抗体法 (RIA)、免疫組織染色法、免
疫細胞染色法等の免疫組織化学染色法 (ABC法、CSA法
等)、ウェスタンブロッティング法、免疫沈降法、上記
に記した酵素免疫測定法、サンドイッチELISA法 (単ク
ローン抗体実験マニュアル (講談社サイエンティフィッ
ク (1987))、続生化学実験講座5 免疫生化学研究法
(東京化学同人 (1986)) 等があげられる。
【0158】蛍光抗体法は、文献 (Monoclonal Antibod
ies: Principles and practice, Third edition, Acade
mic Press (1996)), 単クローン抗体実験マニュアル(講
談社サイエンティフィック、1987)) 等に記載された方
法を用いて行うことができる。具体的には、分離した細
胞あるいは組織等に、本発明で使用されるFlt-1に結合
活性を有する抗体を反応させ、さらにフルオレシン・イ
ソチオシアネート (FITC) あるいはフィコエリスリン等
の蛍光物質でラベルした抗イムノグロブリン抗体あるい
は結合断片を反応させた後、蛍光色素をフローサイトメ
ーターで測定する方法である。
ies: Principles and practice, Third edition, Acade
mic Press (1996)), 単クローン抗体実験マニュアル(講
談社サイエンティフィック、1987)) 等に記載された方
法を用いて行うことができる。具体的には、分離した細
胞あるいは組織等に、本発明で使用されるFlt-1に結合
活性を有する抗体を反応させ、さらにフルオレシン・イ
ソチオシアネート (FITC) あるいはフィコエリスリン等
の蛍光物質でラベルした抗イムノグロブリン抗体あるい
は結合断片を反応させた後、蛍光色素をフローサイトメ
ーターで測定する方法である。
【0159】免疫細胞染色法、免疫組織染色法等の免疫
組織化学染色法 (ABC法、CSA法等)は、文献 (Monoclona
l Antibodies: Principles and practice, Third editi
on,Academic Press (1996)), 単クローン抗体実験マニ
ュアル (講談社サイエンティフィック (1987)) 等に記
載された方法を用いて行うことができる。
組織化学染色法 (ABC法、CSA法等)は、文献 (Monoclona
l Antibodies: Principles and practice, Third editi
on,Academic Press (1996)), 単クローン抗体実験マニ
ュアル (講談社サイエンティフィック (1987)) 等に記
載された方法を用いて行うことができる。
【0160】免疫酵素抗体法 (ELISA) は、分離した、
細胞あるいはその破砕液、組織あるいはその破砕液、細
胞培養上清、血清、胸水、腹水、眼液等に、本発明で使
用されるFlt-1に結合活性を有する抗体を反応させ、さ
らにペルオキシダーゼ、ビオチン等の酵素標識等を施し
た抗イムノグロブリン抗体あるいは結合断片を反応させ
た後、発色色素を吸光光度計で測定する方法である。
細胞あるいはその破砕液、組織あるいはその破砕液、細
胞培養上清、血清、胸水、腹水、眼液等に、本発明で使
用されるFlt-1に結合活性を有する抗体を反応させ、さ
らにペルオキシダーゼ、ビオチン等の酵素標識等を施し
た抗イムノグロブリン抗体あるいは結合断片を反応させ
た後、発色色素を吸光光度計で測定する方法である。
【0161】放射性物質標識免疫抗体法 (RIA) は、分
離した、細胞あるいはその破砕液、組織あるいはその破
砕液、細胞培養上清、血清、胸水、腹水、眼液等に、本
発明で使用されるFlt-1に結合活性を有する抗体を反応
させ、さらに放射線標識を施した抗イムノグロブリン抗
体あるいは結合断片を反応させた後、シンチレーション
カウンター等で測定する方法である。
離した、細胞あるいはその破砕液、組織あるいはその破
砕液、細胞培養上清、血清、胸水、腹水、眼液等に、本
発明で使用されるFlt-1に結合活性を有する抗体を反応
させ、さらに放射線標識を施した抗イムノグロブリン抗
体あるいは結合断片を反応させた後、シンチレーション
カウンター等で測定する方法である。
【0162】免疫細胞染色法、免疫組織染色法は、分離
した、細胞あるいは組織等に、本発明で使用されるFlt-
1に結合活性を有する抗体を反応させ、さらにフルオレ
シン・イソチオシアネート (FITC) 等の蛍光物質、ペル
オキシダーゼ、ビオチン等の酵素標識を施した抗イムノ
グロブリン抗体あるいは結合断片を反応させた後、顕微
鏡を用いて観察する方法である。
した、細胞あるいは組織等に、本発明で使用されるFlt-
1に結合活性を有する抗体を反応させ、さらにフルオレ
シン・イソチオシアネート (FITC) 等の蛍光物質、ペル
オキシダーゼ、ビオチン等の酵素標識を施した抗イムノ
グロブリン抗体あるいは結合断片を反応させた後、顕微
鏡を用いて観察する方法である。
【0163】ウェスタンブロッティング法は、生体内か
ら分離された細胞またはその破砕液、組織またはその破
砕液、細胞培養上清、血清等をSDS-ポリアクリルアミド
ゲル電気泳動 (アンチボディーズ・ア・ラボラトリー・
マニュアル) で分画した後、該ゲルをポリフッ化ビニリ
デン (PVDF) 膜あるいはニトロセルロース膜にブロッテ
ィングし、該膜に本発明で使用されるFlt-1に結合活性
を有する抗体を反応させ、さらにFITC等の蛍光物質、ペ
ルオキシダーゼ、ビオチン等の酵素標識を施した抗マウ
スIgG抗体あるいは結合断片を反応させた後、確認す
る。
ら分離された細胞またはその破砕液、組織またはその破
砕液、細胞培養上清、血清等をSDS-ポリアクリルアミド
ゲル電気泳動 (アンチボディーズ・ア・ラボラトリー・
マニュアル) で分画した後、該ゲルをポリフッ化ビニリ
デン (PVDF) 膜あるいはニトロセルロース膜にブロッテ
ィングし、該膜に本発明で使用されるFlt-1に結合活性
を有する抗体を反応させ、さらにFITC等の蛍光物質、ペ
ルオキシダーゼ、ビオチン等の酵素標識を施した抗マウ
スIgG抗体あるいは結合断片を反応させた後、確認す
る。
【0164】免疫沈降法とは、生体内から分離された細
胞またはその破砕液、組織またはその破砕液、細胞培養
上清、血清等を本発明で使用されるFlt-1に結合活性を
有する抗体と反応させた後、プロテインG―セファロー
ス等のイムノグロブリンに特異的な結合能を有する担体
を加えて抗原抗体複合体を沈降させるものである。
胞またはその破砕液、組織またはその破砕液、細胞培養
上清、血清等を本発明で使用されるFlt-1に結合活性を
有する抗体と反応させた後、プロテインG―セファロー
ス等のイムノグロブリンに特異的な結合能を有する担体
を加えて抗原抗体複合体を沈降させるものである。
【0165】サンドイッチELISA法とは、抗原認識部位
の異なる2種類のモノクローナル抗体のうち、あらかじ
め一方のモノクローナル抗体またはその抗体断片はプレ
ートに吸着させ、もう一方のモノクローナル抗体または
抗体断片はFITC等の蛍光物質、ペルオキシダーゼ、ビオ
チン等の酵素で標識しておく。抗体吸着プレートに、生
体内から分離された細胞またはその破砕液、組織または
その破砕液、細胞培養上清、血清等を反応後、標識した
モノクローナル抗体またはその抗体断片を反応させ、標
識物質に応じた反応を行う方法である。本発明で使用さ
れるFlt-1に結合活性を有する抗体は、いずれかのモノ
クローナル抗体またはその抗体断片として使用すること
ができる。
の異なる2種類のモノクローナル抗体のうち、あらかじ
め一方のモノクローナル抗体またはその抗体断片はプレ
ートに吸着させ、もう一方のモノクローナル抗体または
抗体断片はFITC等の蛍光物質、ペルオキシダーゼ、ビオ
チン等の酵素で標識しておく。抗体吸着プレートに、生
体内から分離された細胞またはその破砕液、組織または
その破砕液、細胞培養上清、血清等を反応後、標識した
モノクローナル抗体またはその抗体断片を反応させ、標
識物質に応じた反応を行う方法である。本発明で使用さ
れるFlt-1に結合活性を有する抗体は、いずれかのモノ
クローナル抗体またはその抗体断片として使用すること
ができる。
【0166】6.肺選択的癌転移の予防薬および治療薬
原発巣の癌細胞は肺の血管内皮細胞上に発現しているFl
t-1を介してMMP-9を分泌させることにより、肺への浸潤
能をを促進させる。Flt-1情報伝達阻害物質の内、VEGF
のFlt-1への結合を阻害する物質は、肺の血管内皮細胞
上に発現しているFlt-1と結合することにより、MMP-9の
分泌を抑制することにより、肺への癌細胞の浸潤を抑制
し、したがって肺選択的な癌転移を抑制することができ
る。
t-1を介してMMP-9を分泌させることにより、肺への浸潤
能をを促進させる。Flt-1情報伝達阻害物質の内、VEGF
のFlt-1への結合を阻害する物質は、肺の血管内皮細胞
上に発現しているFlt-1と結合することにより、MMP-9の
分泌を抑制することにより、肺への癌細胞の浸潤を抑制
し、したがって肺選択的な癌転移を抑制することができ
る。
【0167】また、Flt-1情報伝達阻害物質の内、Flt-1
のチロシンキナーゼ阻害剤、MMP-9阻害剤等のFlt-1から
の情報伝達を阻害する物質においては、MMP-9の発現ま
たは活性を抑制することにより、肺への癌細胞の浸潤を
抑制し、したがって肺選択的な癌転移を抑制することが
できる。
のチロシンキナーゼ阻害剤、MMP-9阻害剤等のFlt-1から
の情報伝達を阻害する物質においては、MMP-9の発現ま
たは活性を抑制することにより、肺への癌細胞の浸潤を
抑制し、したがって肺選択的な癌転移を抑制することが
できる。
【0168】本発明で使用されるFlt-1情報伝達阻害物
質は、単独でヒトまたは動物に投与することも可能では
あるが、通常は薬理学的に許容される一つあるいはそれ
以上の担体と一緒に混合し、製剤学の技術分野において
よく知られる任意の方法により製造した医薬製剤として
提供するのが望ましい。
質は、単独でヒトまたは動物に投与することも可能では
あるが、通常は薬理学的に許容される一つあるいはそれ
以上の担体と一緒に混合し、製剤学の技術分野において
よく知られる任意の方法により製造した医薬製剤として
提供するのが望ましい。
【0169】投与経路は、治療に際して最も効果的なも
のを使用するのが望ましく、経口投与、または口腔内、
気道内、直腸内、皮下、筋肉内および静脈内等の非経口
投与をあげることができ、抗体またはペプチド製剤の場
合、望ましくは静脈内投与をあげることができる。
のを使用するのが望ましく、経口投与、または口腔内、
気道内、直腸内、皮下、筋肉内および静脈内等の非経口
投与をあげることができ、抗体またはペプチド製剤の場
合、望ましくは静脈内投与をあげることができる。
【0170】投与形態としては、噴霧剤、カプセル剤、
錠剤、顆粒剤、シロップ剤、乳剤、座剤、注射剤、軟
膏、テープ剤等があげられる。経口投与に適当な製剤と
しては、乳剤、シロップ剤、カプセル剤、錠剤、散剤、
顆粒剤等があげられる。
錠剤、顆粒剤、シロップ剤、乳剤、座剤、注射剤、軟
膏、テープ剤等があげられる。経口投与に適当な製剤と
しては、乳剤、シロップ剤、カプセル剤、錠剤、散剤、
顆粒剤等があげられる。
【0171】乳剤およびシロップ剤のような液体調製物
は、水、ショ糖、ソルビトール、果糖等の糖類、ポリエ
チレングリコール、プロピレングリコール等のグリコー
ル類、ごま油、オリーブ油、大豆油等の油類、p-ヒドロ
キシ安息香酸エステル類等の防腐剤、ストロベリーフレ
ーバー、ペパーミント等のフレーバー類等を添加剤とし
て用いて製造できる。
は、水、ショ糖、ソルビトール、果糖等の糖類、ポリエ
チレングリコール、プロピレングリコール等のグリコー
ル類、ごま油、オリーブ油、大豆油等の油類、p-ヒドロ
キシ安息香酸エステル類等の防腐剤、ストロベリーフレ
ーバー、ペパーミント等のフレーバー類等を添加剤とし
て用いて製造できる。
【0172】カプセル剤、錠剤、散剤、顆粒剤等は、乳
糖、ブドウ糖、ショ糖、マンニトール等の賦形剤、デン
プン、アルギン酸ナトリウム等の崩壊剤、ステアリン酸
マグネシウム、タルク等の滑沢剤、ポリビニルアルコー
ル、ヒドロキシプロピルセルロース、ゼラチン等の結合
剤、脂肪酸エステル等の界面活性剤、グリセリン等の可
塑剤等を添加剤として用いて製造できる。
糖、ブドウ糖、ショ糖、マンニトール等の賦形剤、デン
プン、アルギン酸ナトリウム等の崩壊剤、ステアリン酸
マグネシウム、タルク等の滑沢剤、ポリビニルアルコー
ル、ヒドロキシプロピルセルロース、ゼラチン等の結合
剤、脂肪酸エステル等の界面活性剤、グリセリン等の可
塑剤等を添加剤として用いて製造できる。
【0173】非経口投与に適当な製剤としては、注射
剤、座剤、噴霧剤等があげられる。注射剤は、塩溶液、
ブドウ糖溶液、あるいは両者の混合物からなる担体等を
用いて調製される。座剤はカカオ脂、水素化脂肪または
カルボン酸等の担体を用いて調製される。また、噴霧剤
は本発明で使用されるFlt-1情報伝達阻害物質そのも
の、ないしは受容者の口腔および気道粘膜を刺激せず、
かつ該物質を微細な粒子として分散させ吸収を容易にさ
せる担体等を用いて調製される。
剤、座剤、噴霧剤等があげられる。注射剤は、塩溶液、
ブドウ糖溶液、あるいは両者の混合物からなる担体等を
用いて調製される。座剤はカカオ脂、水素化脂肪または
カルボン酸等の担体を用いて調製される。また、噴霧剤
は本発明で使用されるFlt-1情報伝達阻害物質そのも
の、ないしは受容者の口腔および気道粘膜を刺激せず、
かつ該物質を微細な粒子として分散させ吸収を容易にさ
せる担体等を用いて調製される。
【0174】担体として具体的には乳糖、グリセリン等
が例示される。Flt-1情報伝達阻害物質および用いる担
体の性質により、エアロゾル、ドライパウダー等の製剤
が可能である。また、これらの非経口剤においても経口
剤で添加剤として例示した成分を添加することもでき
る。投与量または投与回数は、目的とする治療効果、投
与方法、治療期間、年齢、体重等により異なるが、通常
成人1日当たり10μg/kg〜8mg/kgである。
が例示される。Flt-1情報伝達阻害物質および用いる担
体の性質により、エアロゾル、ドライパウダー等の製剤
が可能である。また、これらの非経口剤においても経口
剤で添加剤として例示した成分を添加することもでき
る。投与量または投与回数は、目的とする治療効果、投
与方法、治療期間、年齢、体重等により異なるが、通常
成人1日当たり10μg/kg〜8mg/kgである。
【0175】以下、実施例により、本発明を説明する
が、本発明はそれらに限定されるものではない。
が、本発明はそれらに限定されるものではない。
【実施例】実施例1 Flt-1チロシンキナーゼの肺転移
腫瘍増殖への関与 Flt-1チロシンキナーゼホモ欠損マウス (Flt-1チロシン
キナーゼ(-/-)) (以下、HFとも表記する) は129マウス
及びC57BL/6マウスの遺伝的背景を50%づつ持っている
マウスであり、文献 (Cancer Research, 61, 1207-1213
(2001)) 記載の方法で作製されたマウスを使用した。
コントロールとして、129マウス及びC57BL/6マウスの遺
伝的背景を50%づつ持っている野生型マウス (以下、WF
とも表記する) (Cancer Research, 61, 1207-1213 (200
1)) を使用した。
腫瘍増殖への関与 Flt-1チロシンキナーゼホモ欠損マウス (Flt-1チロシン
キナーゼ(-/-)) (以下、HFとも表記する) は129マウス
及びC57BL/6マウスの遺伝的背景を50%づつ持っている
マウスであり、文献 (Cancer Research, 61, 1207-1213
(2001)) 記載の方法で作製されたマウスを使用した。
コントロールとして、129マウス及びC57BL/6マウスの遺
伝的背景を50%づつ持っている野生型マウス (以下、WF
とも表記する) (Cancer Research, 61, 1207-1213 (200
1)) を使用した。
【0176】1(107個の高転移性ルイス肺癌細胞株 (3LL
-LLC) (J. Biol. Chem., 276, 26777-26783 (2001)) を
野生型マウス (WF) 或いはFlt-1チロシンキナーゼ(-/-)
マウス (HF) の背部皮下に移植し5週間後、原発巣及び
肺転移巣についてそれぞれ腫瘍体積、転移数を測定し
た。
-LLC) (J. Biol. Chem., 276, 26777-26783 (2001)) を
野生型マウス (WF) 或いはFlt-1チロシンキナーゼ(-/-)
マウス (HF) の背部皮下に移植し5週間後、原発巣及び
肺転移巣についてそれぞれ腫瘍体積、転移数を測定し
た。
【0177】その結果を図1に示した。原発巣について
の腫瘍体積、転移数においては、高転移性の3LL-LLC細
胞を皮下に移植すると皮下原発部位での腫瘍増殖は野生
型マウス (WF) とFlt-1チロシンキナーゼ(-/-)マウス
(HF) 間では違いがなかった (図1A)。しかし、肺転移
巣についての腫瘍体積、転移数においては、皮下腫瘍か
ら肺転移した結節数 (肺自然転移) は野生型マウス
(WF) の肺は、Flt-1チロシンキナーゼ(-/-)マウス (HF)
の肺に比べて3倍多かった (図1B)。以上の結果から、
Flt-1チロシンキナーゼは自然転移モデルにおいて肺転
移腫瘍の増殖に関与することが明らかとなった。
の腫瘍体積、転移数においては、高転移性の3LL-LLC細
胞を皮下に移植すると皮下原発部位での腫瘍増殖は野生
型マウス (WF) とFlt-1チロシンキナーゼ(-/-)マウス
(HF) 間では違いがなかった (図1A)。しかし、肺転移
巣についての腫瘍体積、転移数においては、皮下腫瘍か
ら肺転移した結節数 (肺自然転移) は野生型マウス
(WF) の肺は、Flt-1チロシンキナーゼ(-/-)マウス (HF)
の肺に比べて3倍多かった (図1B)。以上の結果から、
Flt-1チロシンキナーゼは自然転移モデルにおいて肺転
移腫瘍の増殖に関与することが明らかとなった。
【0178】実施例2 担癌野生マウス肺へのMMP9のFl
t-1チロシンキナーゼ依存的かつ特異的誘導 癌の肺転移のステップは以下の2段階に分けることがで
きる。第1段階は、癌が皮下等の原発巣で増殖している
段階 (前転移段階) であり、第2段階は、癌細胞が肺に
転移する段階 (肺転移段階) である。Flt-1チロシンキ
ナーゼが前転移段階と肺転移段階のどちらに関与してい
るか解析するため、前転移段階と肺転移段階を区別した
以下の実験系を検討した。皮下に移植すると肺転移しな
い (肺自然転移しない) が、尾静脈内に投与すると肺転
移する (実験肺転移する) ルイス肺癌LLC細胞株 (Clini
cal Cancer Resarch, 6, 2044-2052 (2000)) を用い、
皮下に移植したLLC腫瘍が直径1.5cmまで増殖する期間を
前転移段階と定義した (図2A)。一方、LLC細胞を皮下
腫瘍を持つマウスに尾静脈内投与し、肺転移する系を肺
転移段階とした (図2B)。
t-1チロシンキナーゼ依存的かつ特異的誘導 癌の肺転移のステップは以下の2段階に分けることがで
きる。第1段階は、癌が皮下等の原発巣で増殖している
段階 (前転移段階) であり、第2段階は、癌細胞が肺に
転移する段階 (肺転移段階) である。Flt-1チロシンキ
ナーゼが前転移段階と肺転移段階のどちらに関与してい
るか解析するため、前転移段階と肺転移段階を区別した
以下の実験系を検討した。皮下に移植すると肺転移しな
い (肺自然転移しない) が、尾静脈内に投与すると肺転
移する (実験肺転移する) ルイス肺癌LLC細胞株 (Clini
cal Cancer Resarch, 6, 2044-2052 (2000)) を用い、
皮下に移植したLLC腫瘍が直径1.5cmまで増殖する期間を
前転移段階と定義した (図2A)。一方、LLC細胞を皮下
腫瘍を持つマウスに尾静脈内投与し、肺転移する系を肺
転移段階とした (図2B)。
【0179】遠隔の原発腫瘍からの何らかの因子がFlt-
1に結びつき、前転移段階の肺に作用している可能性を
検討するために、皮下にLLC腫瘍を持つマウスの肺の遺
伝子発現変動を以下の方法で検討した。1(107個のLLC細
胞を野生型マウス (WF) とFlt-1チロシンキナーゼ(-/-)
マウス (HF) マウスの皮下に移植し、腫瘍の直径が1.5c
mまで成長したマウスより肺、肝臓を摘出した。続い
て、ホモジネートした組織及びLLCから全RNAを調製しマ
ウス特異的なプライマーを用いてPCR法により以下の遺
伝子の発現検討を行なった。マウスMMP-2、MMP-3、MMP-
7、MMP-9、MMP-10、MMP-11、MMP-12、MMP-13、MT1-MM
P、MT2-MMP、MT3-MMP、TIMP1、TIMP2、uPA、uPA-R、VEG
F、PIGF、VEGF-B、TGF-(、Flt-1(N) (細胞外ドメイ
ン)、Flt-1(K) (キナーゼドメイン)、VEGFR-2及び(-ア
クチン (actin) に特異的なプライマーの配列およびPCR
はHiratsukaら (Proc. Natl. Acad. Sci., USA, 95, 93
49-9354 (1998))、Luoら (Cancer Resarch., 58, 2652-
2660 (1998))、Kimら (J. Immunol., 164, 5883-5889
(2000)) の方法に従った。その結果を図3に示した。
1に結びつき、前転移段階の肺に作用している可能性を
検討するために、皮下にLLC腫瘍を持つマウスの肺の遺
伝子発現変動を以下の方法で検討した。1(107個のLLC細
胞を野生型マウス (WF) とFlt-1チロシンキナーゼ(-/-)
マウス (HF) マウスの皮下に移植し、腫瘍の直径が1.5c
mまで成長したマウスより肺、肝臓を摘出した。続い
て、ホモジネートした組織及びLLCから全RNAを調製しマ
ウス特異的なプライマーを用いてPCR法により以下の遺
伝子の発現検討を行なった。マウスMMP-2、MMP-3、MMP-
7、MMP-9、MMP-10、MMP-11、MMP-12、MMP-13、MT1-MM
P、MT2-MMP、MT3-MMP、TIMP1、TIMP2、uPA、uPA-R、VEG
F、PIGF、VEGF-B、TGF-(、Flt-1(N) (細胞外ドメイ
ン)、Flt-1(K) (キナーゼドメイン)、VEGFR-2及び(-ア
クチン (actin) に特異的なプライマーの配列およびPCR
はHiratsukaら (Proc. Natl. Acad. Sci., USA, 95, 93
49-9354 (1998))、Luoら (Cancer Resarch., 58, 2652-
2660 (1998))、Kimら (J. Immunol., 164, 5883-5889
(2000)) の方法に従った。その結果を図3に示した。
【0180】解析した遺伝子の中でMMP9は、皮下に腫瘍
を持たない野生マウス (WF) の肺に比べ (レーンnor
m)、皮下に腫瘍を持つ野生マウス (WF) の肺において発
現上昇していた (レーンWFL)。しかし、LLC腫瘍を皮下
にもつFlt-1チロシンキナーゼ(-/-)マウス (HF) では肺
でMMP9発現が上昇しなかった (レーンHFL)。野生マウス
の皮下に腫瘍を移植することで肺で発現変動する遺伝子
はMMP-9以外は認められなかった。LLC腫瘍を皮下にもつ
野生マウス (WF) あるいはFlt-1チロシンキナーゼ(-/-)
マウス (HF) の肝臓を比較すると発現が異なる遺伝子は
見つからなかった。
を持たない野生マウス (WF) の肺に比べ (レーンnor
m)、皮下に腫瘍を持つ野生マウス (WF) の肺において発
現上昇していた (レーンWFL)。しかし、LLC腫瘍を皮下
にもつFlt-1チロシンキナーゼ(-/-)マウス (HF) では肺
でMMP9発現が上昇しなかった (レーンHFL)。野生マウス
の皮下に腫瘍を移植することで肺で発現変動する遺伝子
はMMP-9以外は認められなかった。LLC腫瘍を皮下にもつ
野生マウス (WF) あるいはFlt-1チロシンキナーゼ(-/-)
マウス (HF) の肝臓を比較すると発現が異なる遺伝子は
見つからなかった。
【0181】以上の結果から、野生マウス (WF) におい
ては、皮下に腫瘍移植することで肺においてMMP-9の発
現が誘導され、Flt-1チロシンキナーゼ(-/-)マウス(HF)
ではMMP-9は誘導されないことから、MMP-9発現上昇はFl
t-1のチロシンキナーゼに依存していることが明らかと
なった。
ては、皮下に腫瘍移植することで肺においてMMP-9の発
現が誘導され、Flt-1チロシンキナーゼ(-/-)マウス(HF)
ではMMP-9は誘導されないことから、MMP-9発現上昇はFl
t-1のチロシンキナーゼに依存していることが明らかと
なった。
【0182】実施例3 担癌野生マウスの肺へのMMP9の
Flt-1チロシンキナーゼ依存的かつ特異的誘導 原発腫瘍による肺でのMMP-9発現上昇がFlt-1のチロシン
キナーゼに依存するかどうか確認するため、Flt-1チロ
シンキナーゼ(-/-)マウス (HF) マウスに移植可能なLLC
細胞およびB16細胞 (Int. J. Cancer, 92, 797-804 (20
01)) を、野生型マウス(WF)およびFlt-1チロシンキナー
ゼ(-/-)マウス (HF) マウスの皮下に移植して肺でのMMP
-9発現をゼラチン基質ザイモグラフィー (Internationa
l Journalof Cancer, 91, 638-643 (2001)) で検討し
た。
Flt-1チロシンキナーゼ依存的かつ特異的誘導 原発腫瘍による肺でのMMP-9発現上昇がFlt-1のチロシン
キナーゼに依存するかどうか確認するため、Flt-1チロ
シンキナーゼ(-/-)マウス (HF) マウスに移植可能なLLC
細胞およびB16細胞 (Int. J. Cancer, 92, 797-804 (20
01)) を、野生型マウス(WF)およびFlt-1チロシンキナー
ゼ(-/-)マウス (HF) マウスの皮下に移植して肺でのMMP
-9発現をゼラチン基質ザイモグラフィー (Internationa
l Journalof Cancer, 91, 638-643 (2001)) で検討し
た。
【0183】ゼラチン基質ザイモグラフィーは以下の方
法で実施した。皮下に腫瘍を移植したマウスから調製し
た肺、肝臓組織片にSDS-PAGEサンプルバッファー (2 %
ドデシル硫酸ナトリウム (SDS)、2 %グリセロール含
有、(-メルカプトエタノール不含) を加え室温で30分間
放置した後、サンプルを1mg/mlゼラチン (Sigma社製)を
含む7.5 % SDS-PAGEで展開した。ゲルは50mM Tris-HCl
(pH7.6)、150mM NaCl、10mM CaCl2、5mM ZnCl2で37
℃、12時間以上かけ3回洗った後クマシーブルー染色、
及び脱色を行なった。
法で実施した。皮下に腫瘍を移植したマウスから調製し
た肺、肝臓組織片にSDS-PAGEサンプルバッファー (2 %
ドデシル硫酸ナトリウム (SDS)、2 %グリセロール含
有、(-メルカプトエタノール不含) を加え室温で30分間
放置した後、サンプルを1mg/mlゼラチン (Sigma社製)を
含む7.5 % SDS-PAGEで展開した。ゲルは50mM Tris-HCl
(pH7.6)、150mM NaCl、10mM CaCl2、5mM ZnCl2で37
℃、12時間以上かけ3回洗った後クマシーブルー染色、
及び脱色を行なった。
【0184】その結果を図4に示した。皮下にLLC腫瘍
あるいはB16腫瘍を移植した場合に、肺での前駆型MMP-9
発現は野生型マウス (WF) ではFlt-1チロシンキナーゼ
(-/-)マウス (HF) に比べ3〜5倍高かった。また、MMP-9
発現も担癌の野生型マウス (W F) の肺では低レベル検出
されたが、Flt-1チロシンキナーゼ(-/-)マウス (HF)の
肺では検出されなかった。また、他のMMPであるMMP-2の
肺での発現は原発腫瘍により活性化されなかった。従っ
て、原発腫瘍による肺でのMMP-9発現上昇がFlt-1のチロ
シンキナーゼに依存することが確認された。
あるいはB16腫瘍を移植した場合に、肺での前駆型MMP-9
発現は野生型マウス (WF) ではFlt-1チロシンキナーゼ
(-/-)マウス (HF) に比べ3〜5倍高かった。また、MMP-9
発現も担癌の野生型マウス (W F) の肺では低レベル検出
されたが、Flt-1チロシンキナーゼ(-/-)マウス (HF)の
肺では検出されなかった。また、他のMMPであるMMP-2の
肺での発現は原発腫瘍により活性化されなかった。従っ
て、原発腫瘍による肺でのMMP-9発現上昇がFlt-1のチロ
シンキナーゼに依存することが確認された。
【0185】実施例4 Flt-1を介したVEGFの肺のMMP-9
発現への刺激 LLC腫瘍およびB16腫瘍はFlt-1のリガンドであるVEGFお
よびVEGF-Bの発現が確認されている (Cancer Research,
61, 1207-1213 (2001))。従って、VEGFがin vitroの組
織培養系においてFlt-1のチロシンキナーゼを介してMMP
-9は発現を刺激するかどうかを検討した。
発現への刺激 LLC腫瘍およびB16腫瘍はFlt-1のリガンドであるVEGFお
よびVEGF-Bの発現が確認されている (Cancer Research,
61, 1207-1213 (2001))。従って、VEGFがin vitroの組
織培養系においてFlt-1のチロシンキナーゼを介してMMP
-9は発現を刺激するかどうかを検討した。
【0186】(1) VEGFで誘導される摘出組織培養にお
けるMMP-9活性 野生マウス (WF) 及びFlt-1チロシンキナーゼ(-/-)マウ
ス (HF) より肺および肝臓の2mm3組織片を摘出し2%FCS
-DMEM培地で1〜3日培養した。0、10、40、100ng/ml各濃
度のVEGF (R&D社製) 又は、TGF-( (Sigma社製)、TNF-(
(Sigma社製)、抗VEGF中和抗体 (R&D社製) を加えた。ま
た同様に肺組織をPIGF (R&D社製)、VEGF-E (J. Biol. C
hem., 273, 31273-31282 (1998)) を加え2日間培養し
た。培養後組織片は実施例3に示した方法によりゼラチ
ン基質ザイモグラフィーを行なった。
けるMMP-9活性 野生マウス (WF) 及びFlt-1チロシンキナーゼ(-/-)マウ
ス (HF) より肺および肝臓の2mm3組織片を摘出し2%FCS
-DMEM培地で1〜3日培養した。0、10、40、100ng/ml各濃
度のVEGF (R&D社製) 又は、TGF-( (Sigma社製)、TNF-(
(Sigma社製)、抗VEGF中和抗体 (R&D社製) を加えた。ま
た同様に肺組織をPIGF (R&D社製)、VEGF-E (J. Biol. C
hem., 273, 31273-31282 (1998)) を加え2日間培養し
た。培養後組織片は実施例3に示した方法によりゼラチ
ン基質ザイモグラフィーを行なった。
【0187】その結果を図5および第1表に示した。野
生型マウス (WF) の肺からは、外からVEGFを添加しなく
ても2〜3日間培養するとMMP9発現が誘導されたが、Flt-
1チロシンキナーゼ(-/-)マウス (HF) の肺からはMMP-9
発現は誘導されなかった (図5、V0)。野生型マウス (W
F) については、外からVEGFを肺組織培養系に添加する
とMMP-9誘導が上昇し、VEGF濃度40ng/mlで飽和した (図
5、V40)。一方、VEGFを添加しても、Flt-1チロシンキ
ナーゼ(-/-)マウス (HF) の肺からはMMP-9発現は誘導さ
れなかった。VEGFR-2の特異的なリガンドであるVEGF-E
は肺のMMP-9発現を誘導しなかった。
生型マウス (WF) の肺からは、外からVEGFを添加しなく
ても2〜3日間培養するとMMP9発現が誘導されたが、Flt-
1チロシンキナーゼ(-/-)マウス (HF) の肺からはMMP-9
発現は誘導されなかった (図5、V0)。野生型マウス (W
F) については、外からVEGFを肺組織培養系に添加する
とMMP-9誘導が上昇し、VEGF濃度40ng/mlで飽和した (図
5、V40)。一方、VEGFを添加しても、Flt-1チロシンキ
ナーゼ(-/-)マウス (HF) の肺からはMMP-9発現は誘導さ
れなかった。VEGFR-2の特異的なリガンドであるVEGF-E
は肺のMMP-9発現を誘導しなかった。
【0188】
【表1】
【0189】以上の結果から、VEGFによる肺のMMP-9は
発現誘導はFlt-1のチロシンキナーゼを介するものであ
り、VEGFR-2のチロシンキナーゼを介するものでないと
結論できた。
発現誘導はFlt-1のチロシンキナーゼを介するものであ
り、VEGFR-2のチロシンキナーゼを介するものでないと
結論できた。
【0190】実施例5 肺の血管内皮細胞からのMMP-9
誘導 原発腫瘍により、肺のどの細胞からMMP-9が発現誘導さ
れるのかを明らかとするため、実施例2に示した皮下腫
瘍をもつマウスより肺を摘出し、抗マウスMMP-9抗体を
用いて肺組織を免疫組織染色した。
誘導 原発腫瘍により、肺のどの細胞からMMP-9が発現誘導さ
れるのかを明らかとするため、実施例2に示した皮下腫
瘍をもつマウスより肺を摘出し、抗マウスMMP-9抗体を
用いて肺組織を免疫組織染色した。
【0191】MMP-9の免疫組織染色には抗マウスMMP-9抗
体 (American Journal of Pathology, 157, 525-535 (2
000)) を用いた。抗マウスMMP-9抗体に続いて、ビオチ
ン化抗ウサギIgGヤギ抗体 (Vector社製) を反応させ更
にHRP結合アビジン (Vector社製) を反応させた後3-ア
ミノ-9-エチルカルバゾール (ACE) を用いてHRPの発色
反応を行なった。
体 (American Journal of Pathology, 157, 525-535 (2
000)) を用いた。抗マウスMMP-9抗体に続いて、ビオチ
ン化抗ウサギIgGヤギ抗体 (Vector社製) を反応させ更
にHRP結合アビジン (Vector社製) を反応させた後3-ア
ミノ-9-エチルカルバゾール (ACE) を用いてHRPの発色
反応を行なった。
【0192】その結果を第2表に示した。担癌の野生マ
ウスの肺のMMP-9の誘導部位は肺胞の血管内皮細胞に限
局していたが、Flt-1チロシンキナーゼ(-/-)マウスの同
部位ではMMP-9発現は認められなかった。
ウスの肺のMMP-9の誘導部位は肺胞の血管内皮細胞に限
局していたが、Flt-1チロシンキナーゼ(-/-)マウスの同
部位ではMMP-9発現は認められなかった。
【0193】
【表2】
【0194】次に野生マウス (WF)、ルイス肺癌 (LLC)
又はB16メラノーマを移植した野生マウス (WF) 及びFlt
-1チロシンキナーゼ(-/-)マウス (HF) の肺血管内皮細
胞を分離し、実施例2に示した方法に従いRT-PCRを行な
った。内皮細胞の分離はDongら (Arteriosclerosis Thr
ombosis and Vascular Biology, 17, 1599-1604 (199
7)) の方法に基づいて行なった。マウスから摘出した肺
は十分に細断しコラゲナーゼ溶液中にて37℃、90分間消
化処理を行なった後、滅菌58μmナイロンメッシュでろ
過し細胞を洗った。洗浄した細胞はHistpaque (Sigma社
製) を用いて内皮細胞含有画分を分離しラット抗マウス
CD31抗体とインキュベーションを行なった後、抗ラット
IgG抗体を表面にコートしたダイナビーズ (Dynal社製)
を用いて内皮細胞のみを分離した。
又はB16メラノーマを移植した野生マウス (WF) 及びFlt
-1チロシンキナーゼ(-/-)マウス (HF) の肺血管内皮細
胞を分離し、実施例2に示した方法に従いRT-PCRを行な
った。内皮細胞の分離はDongら (Arteriosclerosis Thr
ombosis and Vascular Biology, 17, 1599-1604 (199
7)) の方法に基づいて行なった。マウスから摘出した肺
は十分に細断しコラゲナーゼ溶液中にて37℃、90分間消
化処理を行なった後、滅菌58μmナイロンメッシュでろ
過し細胞を洗った。洗浄した細胞はHistpaque (Sigma社
製) を用いて内皮細胞含有画分を分離しラット抗マウス
CD31抗体とインキュベーションを行なった後、抗ラット
IgG抗体を表面にコートしたダイナビーズ (Dynal社製)
を用いて内皮細胞のみを分離した。
【0195】その結果を図6に示した。回収した肺の血
管内皮細胞は血管内皮細胞マーカーであるVEGFR-2を発
現していたが、上皮細胞や平滑筋細胞マーカーであるVE
GFやPDGFレセプター (PDGFR) は発現していなかったこ
とから内皮細胞が特異的に回収できていることが確認さ
れた。
管内皮細胞は血管内皮細胞マーカーであるVEGFR-2を発
現していたが、上皮細胞や平滑筋細胞マーカーであるVE
GFやPDGFレセプター (PDGFR) は発現していなかったこ
とから内皮細胞が特異的に回収できていることが確認さ
れた。
【0196】MMP-9 mRNAは担癌野生マウス (WF) より分
離した肺の血管内皮細胞に特異的に発現していたが (レ
ーンWFLおよびWFB)、癌を移植していない野生マウス (W
F)、癌を移植していないあるいは担癌のFlt-1チロシン
キナーゼ(-/-)マウス (HF) より分離した肺の血管内皮
細胞にはMMP-9 mRNAは発現していなかった。また、MMP-
9の酵素活性は担癌の野生マウス (WF) 特異的に肺血管
内皮細胞に検出されたが、Flt-1チロシンキナーゼ(-/-)
マウスの同細胞からはほとんどMMP-9酵素活性は検出さ
れなかった。従って、肺胞の血管内皮細胞が前駆型MMP-
9およびMMP-9の発現部位であることが明らかとなった。
離した肺の血管内皮細胞に特異的に発現していたが (レ
ーンWFLおよびWFB)、癌を移植していない野生マウス (W
F)、癌を移植していないあるいは担癌のFlt-1チロシン
キナーゼ(-/-)マウス (HF) より分離した肺の血管内皮
細胞にはMMP-9 mRNAは発現していなかった。また、MMP-
9の酵素活性は担癌の野生マウス (WF) 特異的に肺血管
内皮細胞に検出されたが、Flt-1チロシンキナーゼ(-/-)
マウスの同細胞からはほとんどMMP-9酵素活性は検出さ
れなかった。従って、肺胞の血管内皮細胞が前駆型MMP-
9およびMMP-9の発現部位であることが明らかとなった。
【0197】実施例6 原発癌により促進される肺転移
のFlt-1チロシンキナーゼ(-/-)マウス(HF) による抑制 原発腫瘍による、Flt-1のチロシンキナーゼ依存的な肺
血管内皮細胞からのMMP-9誘導の肺転移との関連を解析
した。原発腫瘍マウスの遠隔転移は以下の実験系で検討
した。
のFlt-1チロシンキナーゼ(-/-)マウス(HF) による抑制 原発腫瘍による、Flt-1のチロシンキナーゼ依存的な肺
血管内皮細胞からのMMP-9誘導の肺転移との関連を解析
した。原発腫瘍マウスの遠隔転移は以下の実験系で検討
した。
【0198】ルイス肺癌 (LLC)、B16メラノーマはpSRaM
SVtk-neoレトロウィルスベクターの感染 (Cancer Resar
ch, 61, 1207-1213 (2001)) 及びPKH26蛍光染色キット
(Zynaxis社製) (Blood, 90, 658-668 (1997)) により二
重蛍光標識をした。方法はHiratsukaらに従った (Cance
r Resarch, 61, 1207-1213 (2001))。
SVtk-neoレトロウィルスベクターの感染 (Cancer Resar
ch, 61, 1207-1213 (2001)) 及びPKH26蛍光染色キット
(Zynaxis社製) (Blood, 90, 658-668 (1997)) により二
重蛍光標識をした。方法はHiratsukaらに従った (Cance
r Resarch, 61, 1207-1213 (2001))。
【0199】野生マウス (WF)、Flt-1チロシンキナーゼ
(-/-)マウス (HF)、又はこれらのマウス背側皮下にルイ
ス肺癌 (LLC) 又はB16メラノーマ1×107細胞を移植後2
〜3週間後のLLC皮下移植野生マウス (WFL)、LLC皮下移
植Flt-1チロシンキナーゼ(-/-)マウス (HFL)、B16メラ
ノーマ皮下移植野生マウス (WFB) 及びB16メラノーマ皮
下移植Flt-1チロシンキナーゼ(-/-)マウス (HFB)、それ
ぞれに尾静脈から蛍光標識腫瘍1×105 細胞を移植した
(図7)。移植後2、7、14日目の肺、肝臓、腎臓、脾臓
への転移数を検討した。転移細胞数は蛍光標識細胞内の
レトロウィルスベクターの配列に特異的なプライマーを
使用してPCR法により測定した (J. Natl.Cancer Inst.,
93, 1638-1643 (2001))。
(-/-)マウス (HF)、又はこれらのマウス背側皮下にルイ
ス肺癌 (LLC) 又はB16メラノーマ1×107細胞を移植後2
〜3週間後のLLC皮下移植野生マウス (WFL)、LLC皮下移
植Flt-1チロシンキナーゼ(-/-)マウス (HFL)、B16メラ
ノーマ皮下移植野生マウス (WFB) 及びB16メラノーマ皮
下移植Flt-1チロシンキナーゼ(-/-)マウス (HFB)、それ
ぞれに尾静脈から蛍光標識腫瘍1×105 細胞を移植した
(図7)。移植後2、7、14日目の肺、肝臓、腎臓、脾臓
への転移数を検討した。転移細胞数は蛍光標識細胞内の
レトロウィルスベクターの配列に特異的なプライマーを
使用してPCR法により測定した (J. Natl.Cancer Inst.,
93, 1638-1643 (2001))。
【0200】その結果を図8に示した。原発癌のない野
生マウス (WF) や原発癌のないFlt-1チロシンキナーゼ
(-/-)マウス (HF) あるいは原発癌のあるFlt-1チロシン
キナーゼ(-/-)マウス (HFLおよびHFB) と比較して、原
発癌を持つ野生マウス (WFLおよびWFB) の肺転移数は約
3倍高かった。従って、肺転移の成立には肺のFlt-1チロ
シンキナーゼが重要であることが明らかとなった。さら
に、Flt-1のチロシンキナーゼが欠損していると肺転移
が抑制されることから、Flt-1チロシンキナーゼを阻害
すると肺転移が抑制できることが明らかとなった。
生マウス (WF) や原発癌のないFlt-1チロシンキナーゼ
(-/-)マウス (HF) あるいは原発癌のあるFlt-1チロシン
キナーゼ(-/-)マウス (HFLおよびHFB) と比較して、原
発癌を持つ野生マウス (WFLおよびWFB) の肺転移数は約
3倍高かった。従って、肺転移の成立には肺のFlt-1チロ
シンキナーゼが重要であることが明らかとなった。さら
に、Flt-1のチロシンキナーゼが欠損していると肺転移
が抑制されることから、Flt-1チロシンキナーゼを阻害
すると肺転移が抑制できることが明らかとなった。
【0201】一方、肝臓、脾臓、腎臓等肺以外の臓器へ
の転移は、担癌の有無、あるいは、野生マウスとFlt-1
チロシンキナーゼ(-/-)マウス間で違いはなかった。従
って、Flt-1チロシンキナーゼは肺特異的な転移に関与
していることが明らかとなった。
の転移は、担癌の有無、あるいは、野生マウスとFlt-1
チロシンキナーゼ(-/-)マウス間で違いはなかった。従
って、Flt-1チロシンキナーゼは肺特異的な転移に関与
していることが明らかとなった。
【0202】実施例7 MMP-9およびFlt-1による肺組織
におけるin vitroでの腫瘍細胞の浸潤能の促進 (1) in vitro浸潤モデル 腫瘍の浸潤能はchemotaxis Boyden chamber (Neuroprob
e社製) を用いて測定した (図9)。このチャンバーはウ
ェルの上下が5μm孔径のポリビニルピロリドン-フリー
・ポリカーボネートフィルターで仕切られている。野生
マウス、Flt-1チロシンキナーゼ(-/-)マウス、又はこれ
らのマウス背側皮下にルイス肺癌 (LLC) 又はB16メラノ
ーマを移植したマウスから肺を摘出し薄切した肺組織を
フィルター下面に付着させた。MMP-9阻害剤バチマスタ
ット (BB94) (Int. J. Cancer,81, 761-766 (1999)) は
DMSOに溶解し下層 (lower well) に100μMで加え、ネガ
ティブコントロールとしてDMSOを加えた。上層 (upper
well) には50μlのpSRaMSVtk-neo レトロウィルスベク
ター感染LLC又はB16 (5×104cells/well) を播種し37
℃、5%CO2条件で3時間インキュベーションした後、薄
切組織を集めレトロウィルスベクターの配列特異的なプ
ライマーを使用して定量的PCR法により肺組織浸潤細胞
数を測定した。その結果を図10に示した。
におけるin vitroでの腫瘍細胞の浸潤能の促進 (1) in vitro浸潤モデル 腫瘍の浸潤能はchemotaxis Boyden chamber (Neuroprob
e社製) を用いて測定した (図9)。このチャンバーはウ
ェルの上下が5μm孔径のポリビニルピロリドン-フリー
・ポリカーボネートフィルターで仕切られている。野生
マウス、Flt-1チロシンキナーゼ(-/-)マウス、又はこれ
らのマウス背側皮下にルイス肺癌 (LLC) 又はB16メラノ
ーマを移植したマウスから肺を摘出し薄切した肺組織を
フィルター下面に付着させた。MMP-9阻害剤バチマスタ
ット (BB94) (Int. J. Cancer,81, 761-766 (1999)) は
DMSOに溶解し下層 (lower well) に100μMで加え、ネガ
ティブコントロールとしてDMSOを加えた。上層 (upper
well) には50μlのpSRaMSVtk-neo レトロウィルスベク
ター感染LLC又はB16 (5×104cells/well) を播種し37
℃、5%CO2条件で3時間インキュベーションした後、薄
切組織を集めレトロウィルスベクターの配列特異的なプ
ライマーを使用して定量的PCR法により肺組織浸潤細胞
数を測定した。その結果を図10に示した。
【0203】LLC腫瘍細胞およびB16腫瘍細胞の肺組織に
対する浸潤は野生マウスの肺組織 (レーンWF) に比べ
て、担癌の野生マウスの肺組織 (レーンWFLおよびWFB)
で促進していた。Flt-1チロシンキナーゼ(-/-)マウスの
肺組織では非担癌 (レーンHF)および担癌状態 (レーンH
FLおよびHFB) でも浸潤は促進されなかった。従って、
肺組織での浸潤促進にはFlt-1チロシンキナーゼが重要
な役割を果たしていることが示された。
対する浸潤は野生マウスの肺組織 (レーンWF) に比べ
て、担癌の野生マウスの肺組織 (レーンWFLおよびWFB)
で促進していた。Flt-1チロシンキナーゼ(-/-)マウスの
肺組織では非担癌 (レーンHF)および担癌状態 (レーンH
FLおよびHFB) でも浸潤は促進されなかった。従って、
肺組織での浸潤促進にはFlt-1チロシンキナーゼが重要
な役割を果たしていることが示された。
【0204】また、担癌の野生マウス肺組織に対する浸
潤促進は、MMP阻害剤である100μMのバチマスタット添
加により基礎レベルまで抑制された (レーンWFL+BB9
4)。従って、肺組織での浸潤促進にはMMP-9が重要な役
割を果たしていることが示された。以上の結果から、Fl
t-1チロシンキナーゼ阻害剤およびMMP阻害剤は肺での腫
瘍細胞の浸潤を抑制できることが示された。
潤促進は、MMP阻害剤である100μMのバチマスタット添
加により基礎レベルまで抑制された (レーンWFL+BB9
4)。従って、肺組織での浸潤促進にはMMP-9が重要な役
割を果たしていることが示された。以上の結果から、Fl
t-1チロシンキナーゼ阻害剤およびMMP阻害剤は肺での腫
瘍細胞の浸潤を抑制できることが示された。
【0205】実施例8 様々な癌の患者の肺組織中の血
管内皮細胞でのヒトMMP-9の発現上昇
管内皮細胞でのヒトMMP-9の発現上昇
【0206】ヒト癌患者においても、遠隔部の原発腫瘍
が肺の血管内皮細胞からのMMP-9発現を上昇させるかど
うか検討するため、原発部位が肺から離れている腫瘍を
持つ癌患者の肺の正常部におけるMMP-9発現を以下の方
法で解析した。
が肺の血管内皮細胞からのMMP-9発現を上昇させるかど
うか検討するため、原発部位が肺から離れている腫瘍を
持つ癌患者の肺の正常部におけるMMP-9発現を以下の方
法で解析した。
【0207】ヒト肺組織は癌でない患者、癌患者 (レー
ン13〜34) から摘出されたものを用いた。ヒト肺組織切
片は10%ホルマリン固定したパラフィン包埋ブロックよ
り薄切したものを用いた。MMP-9及び血管内皮細胞の免
疫組織染色は抗ヒトMMP-9ヒツジ抗体 (Anawa社製) 又は
抗ヒトCD31ウサギ抗体 (Dako社製) をそれぞれ用いた。
2次抗体はビオチン化-ヤギ、ヒツジ、ウサギ抗体 (Amer
sham社製)を使用し、以降の反応は実施例5示した方法
に従った。0〜250U (任意) にある内皮細胞のシグナル
強度はAdobe Photoshopソフトにより解析し、またMMP-9
のネガティブコントロールとして平滑筋細胞のそれを用
いた。MMP-9染色強度を図11に示した。
ン13〜34) から摘出されたものを用いた。ヒト肺組織切
片は10%ホルマリン固定したパラフィン包埋ブロックよ
り薄切したものを用いた。MMP-9及び血管内皮細胞の免
疫組織染色は抗ヒトMMP-9ヒツジ抗体 (Anawa社製) 又は
抗ヒトCD31ウサギ抗体 (Dako社製) をそれぞれ用いた。
2次抗体はビオチン化-ヤギ、ヒツジ、ウサギ抗体 (Amer
sham社製)を使用し、以降の反応は実施例5示した方法
に従った。0〜250U (任意) にある内皮細胞のシグナル
強度はAdobe Photoshopソフトにより解析し、またMMP-9
のネガティブコントロールとして平滑筋細胞のそれを用
いた。MMP-9染色強度を図11に示した。
【0208】対象群として用いた、癌ではない患者 (図
11のレーン1〜12) の肺血管内皮細胞におけるMMP-9発
現は非常に低いものであった。一方、肝臓癌 (レーン13
〜19)、膵臓癌 (レーン20〜24)、食道癌 (レーン25, 2
6)、大腸癌 (レーン27,28)、胆管細胞癌 (レーン29, 3
0)、胃癌 (レーン31)、悪性黒色腫 (レーン32)、悪性リ
ンホーマ (レーン33)、卵巣癌 (レーン34) を持つ癌患
者の肺組織の血管内皮細胞はMMP-9を強く発現してい
た。12名の非癌患者の肺のMMP-9発現強度の平均±S.D.
は19±3であったのに対し、22名の癌患者の肺の同発現
は90±3であり有意な発現差が認められた。
11のレーン1〜12) の肺血管内皮細胞におけるMMP-9発
現は非常に低いものであった。一方、肝臓癌 (レーン13
〜19)、膵臓癌 (レーン20〜24)、食道癌 (レーン25, 2
6)、大腸癌 (レーン27,28)、胆管細胞癌 (レーン29, 3
0)、胃癌 (レーン31)、悪性黒色腫 (レーン32)、悪性リ
ンホーマ (レーン33)、卵巣癌 (レーン34) を持つ癌患
者の肺組織の血管内皮細胞はMMP-9を強く発現してい
た。12名の非癌患者の肺のMMP-9発現強度の平均±S.D.
は19±3であったのに対し、22名の癌患者の肺の同発現
は90±3であり有意な発現差が認められた。
【0209】
【発明の効果】本発明により、ヒトVEGF受容体Flt-1を
介する情報伝達を阻害する物質を有効成分として含有す
る肺選択的癌転移の予防薬または治療薬、該物質を有効
成分として含有する肺選択的癌転移抑制剤、肺選択的転
移癌の増殖阻害剤等の薬剤、ヒトVEGF受容体Flt-1に対
して結合活性を有する抗体を有効成分として含有する、
肺選択的癌転移の診断薬、ならびに該抗体を用いる肺選
択的癌転移の診断方法が提供される。
介する情報伝達を阻害する物質を有効成分として含有す
る肺選択的癌転移の予防薬または治療薬、該物質を有効
成分として含有する肺選択的癌転移抑制剤、肺選択的転
移癌の増殖阻害剤等の薬剤、ヒトVEGF受容体Flt-1に対
して結合活性を有する抗体を有効成分として含有する、
肺選択的癌転移の診断薬、ならびに該抗体を用いる肺選
択的癌転移の診断方法が提供される。
【0210】
配列番号13−人工配列の説明:ヒト化抗体
配列番号14−人工配列の説明:ヒト化抗体
配列番号15−人工配列の説明:ヒト化抗体
配列番号16−人工配列の説明:ヒト化抗体
配列番号17−人工配列の説明:ヒト化抗体
配列番号18−人工配列の説明:ヒト化抗体
配列番号19−人工配列の説明:ヒト化抗体
配列番号20−人工配列の説明:ヒト化抗体
配列番号21−人工配列の説明:ヒト化抗体
配列番号22−人工配列の説明:ヒト化抗体
配列番号23−人工配列の説明:ヒト化抗体
【0211】
【配列表】
SEQUENCE LISTING
<110> KYOWA HAKKO KOGYO CO., LTD.
<120> Agent for diagnosing and treating lung-selective tumor metastasis
<130> P-40435
<160> 23
<170> PatentIn Ver. 2.1
<210> 1
<211> 5
<212> PRT
<213> Mus musculus
<400> 1
Ser Asn Tyr Ile Ser
1 5
<210> 2
<211> 17
<212> PRT
<213> Mus musculus
<400> 2
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1 5 10 15
Ala
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<211> 10
<212> PRT
<213> Mus musculus
<400> 3
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1 5 10
<210> 4
<211> 5
<212> PRT
<213> Mus musculus
<220>
<223>
<400> 4
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1 5
<210> 5
<211> 17
<212> PRT
<213> Mus musculus
<400> 5
Ala Ile Phe Pro Gly Asn Gly Phe Thr Ser Tyr Asn Gln Lys Phe Lys
1 5 10 15
Gly
<210> 6
<211> 8
<212> PRT
<213> Mus musculus
<400> 6
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1 5
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<211> 10
<212> PRT
<213> Mus musculus
<400> 7
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1 5 10
<210> 8
<211> 7
<212> PRT
<213> Mus musculus
<400> 8
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1 5
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<211> 9
<212> PRT
<213> Mus musculus
<400> 9
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1 5
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<211> 10
<212> PRT
<213> Mus musculus
<400> 10
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1 5 10
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<211> 7
<212> PRT
<213> Mus musculus
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1 5
<210> 12
<211> 7
<212> PRT
<213> Mus musculus
<400> 12
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1 5
<210> 13
<211> 119
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Humanized antibody
<400> 13
Gln Gly Gln Met Gln Gln Ser Gly Ala Glu Leu Val Lys Pro Gly Ala
1 5 10 15
Ser Val Lys Leu Ser Cys Lys Pro Ser Gly Phe Thr Phe Ser Ser Asn
20 25 30
Tyr Ile Ser Trp Leu Lys Gln Lys Pro Gly Gln Ser Leu Glu Trp Ile
35 40 45
Ala Trp Ile Tyr Ala Gly Thr Gly Asp Ala Ser Tyr Asn Gln Lys Phe
50 55 60
Thr Ala Lys Ala His Val Thr Val Asp Thr Ser Ser Ser Thr Ala Tyr
65 70 75 80
Met Gln Leu Ser Ser Leu Thr Thr Glu Asp Ser Ala Ile Tyr Tyr Cys
85 90 95
Ala Arg His Gly Gly Asp Gly Tyr Trp Phe Ala Tyr Trp Gly Gln Gly
100 105 110
Thr Leu Val Thr Val Ser Ala
115
<210> 14
<211> 117
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Humanized antibody
<400> 14
Gln Ala Phe Leu Gln Gln Ser Gly Ala Glu Leu Val Arg Pro Gly Ala
1 5 10 15
Ser Val Lys Met Ser Cys Lys Ala Ser Gly Tyr Thr Phe Ile Asn Tyr
20 25 30
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35 40 45
Gly Ala Ile Phe Pro Gly Asn Gly Phe Thr Ser Tyr Asn Gln Lys Phe
50 55 60
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65 70 75 80
Met Gln Leu Arg Ser Leu Thr Ser Glu Asp Ser Ala Val Tyr Phe Cys
85 90 95
Ala Arg Asp Gly Asp Tyr Tyr Phe Asp Tyr Trp Gly Gln Gly Thr Thr
100 105 110
Leu Thr Val Ser Ser
115
<210> 15
<211> 106
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Humanized antibody
<400> 15
Gln Leu Val Leu Thr Gln Ser Pro Ala Ile Met Ser Ala Ser Gln Gly
1 5 10 15
Glu Lys Val Thr Met Thr Cys Ser Ala Ser Ser Ser Val Ser Tyr Met
20 25 30
His Trp Tyr Gln Gln Lys Ser Gly Thr Ser Pro Lys Arg Trp Ile Tyr
35 40 45
Asp Thr Ser Lys Leu Pro Ser Gly Val Pro Ala Arg Phe Ser Gly Ser
50 55 60
Gly Ser Gly Thr Ser Tyr Ser Leu Thr Ile Ser Ser Met Glu Ala Glu
65 70 75 80
Asp Ala Ala Thr Tyr Tyr Cys Gln Gln Trp Ser Ser Asn Pro Pro Thr
85 90 95
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<210> 16
<211> 104
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Humanized antibody
<400> 16
Gln Ile Val Leu Thr Gln Ser Pro Ala Ile Met Ser Ala Ser Leu Gly
1 5 10 15
Glu Glu Ile Thr Leu Thr Cys Ser Ala Ser Ser Ser Val Ser Tyr Met
20 25 30
His Trp Tyr Gln Gln Lys Ser Gly Thr Ser Pro Lys Leu Leu Ile Tyr
35 40 45
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50 55 60
Gly Ser Gly Thr Phe Tyr Ser Leu Thr Ile Ser Ser Val Glu Ala Glu
65 70 75 80
Asp Ala Ala Asp Tyr Tyr Cys His Gln Trp Ser Met Tyr Thr Phe Gly
85 90 95
Gly Gly Thr Lys Leu Glu Ile Lys
100
<210> 17
<211> 119
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Humanized antibody
<400> 17
Gln Val Gln Leu Val Gln Ser Gly Ala Glu Val Lys Lys Pro Gly Ala
1 5 10 15
Ser Val Lys Val Ser Cys Lys Ala Ser Gly Tyr Thr Phe Ser Ser Asn
20 25 30
Tyr Ile Ser Trp Val Arg Gln Ala Pro Gly Gln Gly Leu Glu Trp Met
35 40 45
Gly Trp Ile Tyr Ala Gly Thr Gly Asp Ala Ser Tyr Asn Gln Lys Phe
50 55 60
Thr Ala Arg Val Thr Ile Thr Val Asp Thr Ser Thr Ser Thr Ala Tyr
65 70 75 80
Met Glu Leu Ser Ser Leu Arg Ser Glu Asp Thr Ala Val Tyr Tyr Cys
85 90 95
Ala Arg His Gly Gly Asp Gly Tyr Trp Phe Ala Tyr Trp Gly Gln Gly
100 105 110
Thr Leu Val Thr Val Ser Ser
115
<210> 18
<211> 106
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Humanized antibody
<400> 18
Asp Ile Gln Met Thr Gln Ser Pro Ser Ser Leu Ser Ala Ser Val Gly
1 5 10 15
Asp Arg Val Thr Ile Thr Cys Ser Ala Ser Ser Ser Val Ser Tyr Met
20 25 30
His Trp Tyr Gln Gln Lys Pro Gly Lys Ala Pro Lys Leu Leu Ile Tyr
35 40 45
Asp Thr Ser Lys Leu Pro Ser Gly Val Pro Ser Arg Phe Ser Gly Ser
50 55 60
Gly Ser Gly Thr Asp Phe Thr Leu Thr Ile Ser Ser Leu Gln Pro Glu
65 70 75 80
Asp Phe Ala Thr Tyr Tyr Cys Gln Gln Trp Ser Ser Asn Pro Pro Thr
85 90 95
Phe Gly Gln Gly Thr Lys Val Glu Ile Lys
100 105
<210> 19
<211> 117
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Humanized antibody
<400> 19
Gln Val Gln Leu Val Gln Ser Gly Ala Glu Val Lys Lys Pro Gly Ala
1 5 10 15
Ser Val Lys Val Ser Cys Lys Ala Ser Gly Tyr Thr Phe Ile Asn Tyr
20 25 30
Asn Met His Trp Val Arg Gln Ala Pro Gly Gln Gly Leu Glu Trp Met
35 40 45
Gly Ala Ile Phe Pro Gly Asn Gly Phe Thr Ser Tyr Asn Gln Lys Phe
50 55 60
Lys Gly Arg Val Thr Ile Thr Val Asp Lys Ser Thr Ser Thr Ala Tyr
65 70 75 80
Met Glu Leu Ser Ser Leu Arg Ser Glu Asp Thr Ala Val Tyr Tyr Cys
85 90 95
Ala Arg Asp Gly Asp Tyr Tyr Phe Asp Tyr Trp Gly Gln Gly Thr Leu
100 105 110
Val Thr Val Ser Ser
115
<210> 20
<211> 117
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Humanized antibody
<400> 20
Gln Val Gln Leu Val Gln Ser Gly Ala Glu Val Lys Lys Pro Gly Ala
1 5 10 15
Ser Val Lys Val Ser Cys Lys Ala Ser Gly Tyr Thr Phe Ile Asn Tyr
20 25 30
Asn Met His Trp Val Arg Gln Ala Pro Gly Gln Gly Leu Glu Trp Met
35 40 45
Gly Ala Ile Phe Pro Gly Asn Gly Phe Thr Ser Tyr Asn Gln Lys Phe
50 55 60
Lys Gly Arg Val Thr Ile Thr Val Asp Lys Ser Thr Ser Thr Ala Tyr
65 70 75 80
Met Gln Leu Arg Ser Leu Arg Ser Glu Asp Thr Ala Val Tyr Phe Cys
85 90 95
Ala Arg Asp Gly Asp Tyr Tyr Phe Asp Tyr Trp Gly Gln Gly Thr Leu
100 105 110
Val Thr Val Ser Ser
115
<210> 21
<211> 104
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Humanized antibody
<400> 21
Asp Ile Val Met Thr Gln Ser Pro Asp Ser Leu Ala Val Ser Leu Gly
1 5 10 15
Glu Arg Ala Thr Ile Asn Cys Ser Ala Ser Ser Ser Val Ser Tyr Met
20 25 30
His Trp Tyr Gln Gln Lys Pro Gly Gln Pro Pro Lys Leu Leu Ile Tyr
35 40 45
Arg Thr Ser Asn Leu Ala Ser Gly Val Pro Asp Arg Phe Ser Gly Ser
50 55 60
Gly Ser Gly Thr Asp Phe Thr Leu Thr Ile Ser Ser Leu Gln Ala Glu
65 70 75 80
Asp Val Ala Val Tyr Tyr Cys His Gln Trp Ser Met Tyr Thr Phe Gly
85 90 95
Gln Gly Thr Lys Val Glu Ile Lys
100
<210> 22
<211> 104
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Humanized antibody
<400> 22
Asp Ile Gln Met Thr Gln Ser Pro Ser Ser Leu Ser Ala Ser Val Gly
1 5 10 15
Asp Arg Val Thr Ile Thr Cys Ser Ala Ser Ser Ser Val Ser Tyr Met
20 25 30
His Trp Tyr Gln Gln Lys Pro Gly Lys Ala Pro Lys Leu Leu Ile Tyr
35 40 45
Arg Thr Ser Asn Leu Ala Ser Gly Val Pro Ser Arg Phe Ser Gly Ser
50 55 60
Gly Ser Gly Thr Asp Phe Thr Leu Thr Ile Ser Ser Leu Gln Pro Glu
65 70 75 80
Asp Phe Ala Thr Tyr Tyr Cys His Gln Trp Ser Met Tyr Thr Phe Gly
85 90 95
Gln Gly Thr Lys Val Glu Ile Lys
100
<210> 23
<211> 104
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Humanized antibody
<400> 23
Asp Ile Gln Met Thr Gln Ser Pro Ser Ser Leu Ser Ala Ser Val Gly
1 5 10 15
Glu Glu Val Thr Ile Thr Cys Ser Ala Ser Ser Ser Val Ser Tyr Met
20 25 30
His Trp Tyr Gln Gln Lys Pro Gly Lys Ala Pro Lys Leu Leu Ile Tyr
35 40 45
Arg Thr Ser Asn Leu Ala Ser Gly Val Pro Ser Arg Phe Ser Gly Ser
50 55 60
Gly Ser Gly Thr Phe Tyr Thr Leu Thr Ile Ser Ser Leu Gln Pro Glu
65 70 75 80
Asp Phe Ala Thr Tyr Tyr Cys His Gln Trp Ser Met Tyr Thr Phe Gly
85 90 95
Gln Gly Thr Lys Val Glu Ile Lys
100
【図1】野生型マウス (WF) およびFlt-1チロシンキナ
ーゼ(-/-)マウス (HF) の皮下に高転移性の3LL-LLC細胞
を移植し、皮下原発部位での腫瘍体積 (図1a) と肺転
移巣腫瘍結節数 (図1b) を測定した結果を示した図で
ある。記号**は、1%で有意差があることを示す。
ーゼ(-/-)マウス (HF) の皮下に高転移性の3LL-LLC細胞
を移植し、皮下原発部位での腫瘍体積 (図1a) と肺転
移巣腫瘍結節数 (図1b) を測定した結果を示した図で
ある。記号**は、1%で有意差があることを示す。
【図2】癌の肺転移の2段階のステップを示した図であ
る。図2aは、癌が皮下等の原発巣で増殖している第1段
階 (前転移段階) を示し、図2bは、尾静脈内への癌細
胞の投与により、癌細胞が肺に転移する段階 (肺転移段
階) を示す。
る。図2aは、癌が皮下等の原発巣で増殖している第1段
階 (前転移段階) を示し、図2bは、尾静脈内への癌細
胞の投与により、癌細胞が肺に転移する段階 (肺転移段
階) を示す。
【図3】皮下にLLC腫瘍を持つマウスの肺の遺伝子発現
変動をPCR法により検討した結果を示した写真である。
皮下にLLC腫瘍を持たない野生型マウス (norm)、皮下に
LLC腫瘍を持つ野生型マウス (WFL)、皮下にLLC腫瘍を持
つFlt-1チロシンキナーゼ(-/-)マウス (HFL) の肺、肝
臓を用いた。
変動をPCR法により検討した結果を示した写真である。
皮下にLLC腫瘍を持たない野生型マウス (norm)、皮下に
LLC腫瘍を持つ野生型マウス (WFL)、皮下にLLC腫瘍を持
つFlt-1チロシンキナーゼ(-/-)マウス (HFL) の肺、肝
臓を用いた。
【図4】LLC細胞およびB16細胞を、野生型マウス (WF)
およびFlt-1チロシンキナーゼ(-/-)マウス (HF) マウス
の皮下に移植して肺、肝臓でのMMP-9発現をゼラチン基
質ザイモグラフィーで検討した結果を示した写真であ
る。
およびFlt-1チロシンキナーゼ(-/-)マウス (HF) マウス
の皮下に移植して肺、肝臓でのMMP-9発現をゼラチン基
質ザイモグラフィーで検討した結果を示した写真であ
る。
【図5】野生マウス (WF) 及びFlt-1チロシンキナーゼ
(-/-)マウス (HF) より肺および肝臓の組織片を摘出
し、VEGFで誘導される摘出組織培養におけるMMP-9活性
をゼラチン基質ザイモグラフィーで検討した結果を示し
た写真である。VEGFは0ng/ml(V0)、10ng/ml (V10)、40n
g/ml (V40)、100ng/ml (V100) を添加し培養し、1、2、
3日目 (days) に測定した。
(-/-)マウス (HF) より肺および肝臓の組織片を摘出
し、VEGFで誘導される摘出組織培養におけるMMP-9活性
をゼラチン基質ザイモグラフィーで検討した結果を示し
た写真である。VEGFは0ng/ml(V0)、10ng/ml (V10)、40n
g/ml (V40)、100ng/ml (V100) を添加し培養し、1、2、
3日目 (days) に測定した。
【図6】野生マウス (WF)、Flt-1チロシンキナーゼ(-/
-)マウス (HF)、ルイス肺癌 (LLC) を皮下移植した野生
マウス (WFL)、Flt-1チロシンキナーゼ(-/-)マウス (HF
L)、B16メラノーマを移植した野生マウス (WFB) 及びFl
t-1チロシンキナーゼ(-/-)マウス (HFB) より肺血管内
皮細胞を分離し、RT-PCR法、および、ゼラチン基質ザイ
モグラフィーで検討した結果を示した写真である。
-)マウス (HF)、ルイス肺癌 (LLC) を皮下移植した野生
マウス (WFL)、Flt-1チロシンキナーゼ(-/-)マウス (HF
L)、B16メラノーマを移植した野生マウス (WFB) 及びFl
t-1チロシンキナーゼ(-/-)マウス (HFB) より肺血管内
皮細胞を分離し、RT-PCR法、および、ゼラチン基質ザイ
モグラフィーで検討した結果を示した写真である。
【図7】野生マウス (WF)、Flt-1チロシンキナーゼ(-/
-)マウス (HF)、ルイス肺癌 (LLC) を皮下移植した野生
マウス (WFL)、Flt-1チロシンキナーゼ(-/-)マウス (HF
L)、B16メラノーマを移植した野生マウス (WFB) 及びFl
t-1チロシンキナーゼ(-/-)マウス (HFB) ぞれぞれの尾
静脈からルイス肺癌 (LLC) 又はB16メラノーマ蛍光標識
腫瘍1×105細胞を移植した手法を示した図である。
-)マウス (HF)、ルイス肺癌 (LLC) を皮下移植した野生
マウス (WFL)、Flt-1チロシンキナーゼ(-/-)マウス (HF
L)、B16メラノーマを移植した野生マウス (WFB) 及びFl
t-1チロシンキナーゼ(-/-)マウス (HFB) ぞれぞれの尾
静脈からルイス肺癌 (LLC) 又はB16メラノーマ蛍光標識
腫瘍1×105細胞を移植した手法を示した図である。
【図8】図7で示した手法に従って実験を行い、移植後
2、7、14日目(days) の肺、肝臓、腎臓、脾臓への転移
細胞数を示した図である。図8aはLLC注入時、図8bはB
16注入時を示す。記号*、***は、それぞれ5%、0.5%で
有意差があることを示す。
2、7、14日目(days) の肺、肝臓、腎臓、脾臓への転移
細胞数を示した図である。図8aはLLC注入時、図8bはB
16注入時を示す。記号*、***は、それぞれ5%、0.5%で
有意差があることを示す。
【図9】癌細胞の浸潤能を測定する装置を示した図であ
る。フィルター下面に肺組織スライスを結合させたchem
otaxis Boyden chamber (Neuroprobe社製) の上部ウエ
ルにルイス肺癌 (LLC) 又はB16メラノーマ細胞を加え
(LLC or B16)、下部ウエルに通過した細胞数をPCR法を
用いて測定した。
る。フィルター下面に肺組織スライスを結合させたchem
otaxis Boyden chamber (Neuroprobe社製) の上部ウエ
ルにルイス肺癌 (LLC) 又はB16メラノーマ細胞を加え
(LLC or B16)、下部ウエルに通過した細胞数をPCR法を
用いて測定した。
【図10】野生マウス (WF)、Flt-1チロシンキナーゼ(-
/-)マウス (HF)、LLC皮下移植野生マウス (WFL)、LLC皮
下移植Flt-1チロシンキナーゼ(-/-)マウス (HFL)、B16
メラノーマ皮下移植野生マウス (WFB) 及びB16メラノー
マ皮下移植Flt-1チロシンキナーゼ(-/-)マウス (HFB)
より調製した肺組織を用いて、図9の装置を用いて測定
した細胞数の結果を示した写真である。
/-)マウス (HF)、LLC皮下移植野生マウス (WFL)、LLC皮
下移植Flt-1チロシンキナーゼ(-/-)マウス (HFL)、B16
メラノーマ皮下移植野生マウス (WFB) 及びB16メラノー
マ皮下移植Flt-1チロシンキナーゼ(-/-)マウス (HFB)
より調製した肺組織を用いて、図9の装置を用いて測定
した細胞数の結果を示した写真である。
【図11】癌でない患者 (レーン1〜12)、癌患者 (レー
ン13〜34) よりヒト肺組織を摘出し、MMP-9陽性である
肺血管内皮細胞数を測定したMMP-9染色強度を示した図
である。記号****は、0.01%で有意差があることを示
す。
ン13〜34) よりヒト肺組織を摘出し、MMP-9陽性である
肺血管内皮細胞数を測定したMMP-9染色強度を示した図
である。記号****は、0.01%で有意差があることを示
す。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
A61K 51/00 A61P 35/00
A61P 35/00 35/04
35/04 G01N 33/574 A
G01N 33/574 C07K 16/28
// C07K 16/28 A61K 43/00
C12N 15/09 C12N 15/00 A
Fターム(参考) 4B024 AA01 BA44 CA04 DA02 HA17
4C084 AA12 AA17 ZB26
4C085 AA13 AA14 AA19 AA25 BB31
DD63 EE01
4H045 AA11 AA20 AA30 BA10 CA40
DA76 EA28 EA51 FA74 GA22
GA23 GA26
Claims (82)
- 【請求項1】 ヒトVEGF受容体Flt-1を介する情報伝達
を阻害する物質を有効成分として含有する、肺選択的癌
転移の予防薬または治療薬。 - 【請求項2】 ヒトVEGF受容体Flt-1を介する情報伝達
を阻害する物質が、VEGFのFlt-1への結合を阻害する物
質、またはFlt-1からの情報伝達を阻害する物質であ
る、請求項1記載の予防薬または治療薬。 - 【請求項3】 VEGFのFlt-1への結合を阻害する物質
が、ヒトVEGF受容体Flt-1に対する抗体である、請求項
2記載の予防薬または治療薬。 - 【請求項4】 ヒトVEGF受容体Flt-1に対する抗体が、
ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体またはその抗
体断片である、請求項3記載の予防薬または治療薬。 - 【請求項5】 モノクローナル抗体が、ハイブリドーマ
によって産生される抗体、ヒト化抗体またはその抗体断
片である、請求項4記載の予防薬または治療薬。 - 【請求項6】 ハイブリドーマによって産生される抗体
が、ハイブリドーマKM1732 (FERM BP-5698)、KM1748 (F
ERM BP-5699) およびKM1750 (FERM BP-5700)によってそ
れぞれ産生されるKM1732、KM1748およびKM1750から選ば
れる抗体またはその抗体断片である、請求項5記載の予
防薬または治療薬。 - 【請求項7】 ヒト化抗体またはその抗体断片が、それ
ぞれ配列番号1,2,3あるいは4,5,6で示される
アミノ酸配列からなる抗体重鎖 (H鎖) 可変領域 (V領
域) の相補性決定領域 (CDR) 1、CDR2、CDR3、および/
またはそれぞれ配列番号7,8,9あるいは10,1
1,12で示されるアミノ酸配列からなる抗体軽鎖 (L
鎖) V領域のCDR1、CDR2、CDR3を含む、請求項5記載の
予防薬または治療薬。 - 【請求項8】 ヒト化抗体が、ヒト型キメラ抗体、ヒト
型相補性決定領域 (CDR) 移植抗体またはその抗体断片
である、請求項5記載の予防薬または治療薬。 - 【請求項9】 ヒト型キメラ抗体またはその抗体断片
が、 ヒトVEGF受容体Flt-1に対するモノクローナル抗体の重
鎖 (H鎖) 可変領域 (V領域) と軽鎖 (L鎖) V領域、およ
びヒト抗体のH鎖定常領域 (C領域) とL鎖C領域を含む、
請求項8記載の予防薬または治療薬。 - 【請求項10】 ヒト型キメラ抗体またはその抗体断片
が、 それぞれ配列番号1,2,3あるいは4,5,6で示さ
れるアミノ酸配列からなる抗体重鎖 (H鎖) 可変領域 (V
領域) のCDR1、CDR2、CDR3、および/またはそれぞれ配
列番号7,8,9あるいは10,11,12で示される
アミノ酸配列からなる抗体軽鎖 (L鎖) V領域のCDR1、CD
R2、CDR3を含む、請求項8または9記載の予防薬または
治療薬。 - 【請求項11】 ヒト型キメラ抗体またはその抗体断片
が、 配列番号13あるいは14で示されるアミノ酸配列を含
む抗体の重鎖 (H鎖)可変領域 (V領域)、および/または
配列番号15あるいは16で示されるアミノ酸配列を含
む抗体の軽鎖 (L鎖) V領域を含む、請求項8〜10のい
ずれか1項に記載の予防薬または治療薬。 - 【請求項12】 ヒト型キメラ抗体が、KM2532、KM2550
またはその抗体断片である、請求項8〜11のいずれか
1項に記載の予防薬または治療薬。 - 【請求項13】 ヒト型CDR移植抗体またはその抗体断
片が、ヒトVEGF受容体Flt-1に対するモノクローナル抗
体の重鎖 (H鎖) 可変領域 (V領域)、および軽鎖(L鎖) V
領域のCDRを含む、請求項8記載の予防薬または治療
薬。 - 【請求項14】 ヒト型CDR移植抗体またはその抗体断
片が、 ヒトVEGF受容体Flt-1に対するモノクローナル抗体の重
鎖 (H鎖) 可変領域 (V領域) および軽鎖 (L鎖) V領域の
CDR、および/またはヒト抗体のH鎖V領域およびL鎖V領
域のフレームワーク領域 (FR)を含む、請求項8または
13記載の予防薬または治療薬。 - 【請求項15】 ヒト型CDR移植抗体またはその抗体断
片が、 ヒトVEGF受容体Flt-1に対するモノクローナル抗体の重
鎖 (H鎖) 可変領域 (V領域) および軽鎖 (L鎖) V領域の
CDR、 ヒト抗体のH鎖V領域およびL鎖V領域のフレームワーク領
域 (FR)、およびヒト抗体のH鎖定常領域 (C領域) およ
びL鎖C領域を含む、請求項8、13および14のいずれ
か1項に記載の予防薬または治療薬。 - 【請求項16】 ヒト型CDR移植抗体またはその抗体断
片が、 それぞれ配列番号1,2,3あるいは4,5,6で示さ
れるアミノ酸配列からなる抗体重鎖 (H鎖) 可変領域 (V
領域) のCDR1、CDR2、CDR3、および/またはそれぞれ配
列番号7,8,9あるいは10,11,12で示される
アミノ酸配列からなる抗体軽鎖 (L鎖) V領域のCDR1、CD
R2、CDR3を含む、請求項8、13〜15のいずれか1項
に記載の予防薬または治療薬。 - 【請求項17】 ヒト型CDR移植抗体またはその抗体断
片が、 配列番号17で示されるアミノ酸配列を含む抗体の重鎖
(H鎖) 可変領域 (V領域)、および/または配列番号1
8で示されるアミノ酸配列を含む抗体の軽鎖 (L鎖) V領
域を含む、請求項8、13〜16のいずれか1項に記載
の予防薬または治療薬。 - 【請求項18】 ヒト型CDR移植抗体またはその抗体断
片が、 配列番号19あるいは20で示されるアミノ酸配列を含
む抗体の重鎖 (H鎖)可変領域 (V領域)、および/または
配列番号21,22あるいは23で示されるアミノ酸配
列を含む抗体の軽鎖 (L鎖) V領域を含む、請求項8、1
3〜17のいずれか1項に記載の予防薬または治療薬。 - 【請求項19】 ヒト型CDR移植抗体が、KM8550、KM855
1、KM8552、KM8553、KM8554およびKM8555からなる群よ
り選ばれる抗体またはその抗体断片である、請求項8記
載の予防薬または治療薬。 - 【請求項20】 抗体断片が、Fab、F(ab')2、Fab'、一
本鎖抗体 (scFv)、2量化可変領域 (V領域) 断片 (Diabo
dy)、ジスルフィド安定化V領域断片 (dsFv) および相補
性決定領域を含むペプチドからなる群より選ばれる抗体
断片である、請求項4〜19のいずれか1項に記載の予
防薬または治療薬。 - 【請求項21】 抗体またはその抗体断片が、放射性同
位元素、蛋白質または薬剤と化学的または遺伝子工学的
に結合させた抗体またはその抗体断片である、請求項4
〜20のいずれか1項に記載の予防薬または治療薬。 - 【請求項22】 ヒトVEGF受容体Flt-1を介する情報伝
達を阻害する物質を有効成分として含有する薬剤。 - 【請求項23】 薬剤が、肺選択的癌転移抑制剤であ
る、請求項22記載の薬剤。 - 【請求項24】 薬剤が、肺選択的転移癌の増殖阻害剤
である、請求項22記載の薬剤。 - 【請求項25】 ヒトVEGF受容体Flt-1を介する情報伝
達を阻害する物質が、VEGFのFlt-1への結合を阻害する
物質、またはFlt-1からの情報伝達を阻害する物質であ
る、請求項22〜24のいずれか1項に記載の薬剤。 - 【請求項26】 VEGFのFlt-1への結合を阻害する物質
が、ヒトVEGF受容体Flt-1に対する抗体である、請求項
25記載の薬剤。 - 【請求項27】 ヒトVEGF受容体Flt-1に対する抗体
が、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体またはそ
の抗体断片である、請求項26記載の薬剤。 - 【請求項28】 モノクローナル抗体が、ハイブリドー
マによって産生される抗体、ヒト化抗体またはその抗体
断片である、請求項27記載の薬剤。 - 【請求項29】 ハイブリドーマによって産生される抗
体が、ハイブリドーマKM1732 (FERM BP-5698)、KM1748
(FERM BP-5699) およびKM1750 (FERM BP-5700)によって
それぞれ産生されるKM1732、KM1748およびKM1750から選
ばれる抗体またはその抗体断片である、請求項28記載
の薬剤。 - 【請求項30】 ヒト化抗体またはその抗体断片が、 それぞれ配列番号1,2,3あるいは4,5,6で示さ
れるアミノ酸配列からなる抗体重鎖 (H鎖) 可変領域 (V
領域) の相補性決定領域 (CDR) 1、CDR2、CDR3、および
/またはそれぞれ配列番号7,8,9あるいは10,1
1,12で示されるアミノ酸配列からなる抗体軽鎖 (L
鎖) V領域のCDR1、CDR2、CDR3を含む、請求項28記載
の薬剤。 - 【請求項31】 ヒト化抗体が、ヒト型キメラ抗体、ヒ
ト型相補性決定領域 (CDR) 移植抗体またはその抗体断
片である、請求項28記載の薬剤。 - 【請求項32】 ヒト型キメラ抗体またはその抗体断片
が、 ヒトVEGF受容体Flt-1に対するモノクローナル抗体の重
鎖 (H鎖) 可変領域 (V領域) と軽鎖 (L鎖) V領域、およ
びヒト抗体のH鎖定常領域 (C領域) とL鎖C領域を含む、
請求項31記載の薬剤。 - 【請求項33】 ヒト型キメラ抗体またはその抗体断片
が、 それぞれ配列番号1,2,3あるいは4,5,6で示さ
れるアミノ酸配列からなる抗体重鎖 (H鎖) 可変領域 (V
領域) のCDR1、CDR2、CDR3、および/またはそれぞれ配
列番号7,8,9あるいは10,11,12で示される
アミノ酸配列からなる抗体軽鎖 (L鎖) V領域のCDR1、CD
R2、CDR3を含む、請求項31または32記載の薬剤。 - 【請求項34】 ヒト型キメラ抗体またはその抗体断片
が、 配列番号13あるいは14で示されるアミノ酸配列を含
む抗体の重鎖 (H鎖)可変領域 (V領域)、および/または
配列番号15あるいは16で示されるアミノ酸配列を含
む抗体の軽鎖 (L鎖) V領域を含む、請求項31〜33の
いずれか1項に記載の薬剤。 - 【請求項35】 ヒト型キメラ抗体が、KM2532、KM2550
またはその抗体断片である、請求項31記載の薬剤。 - 【請求項36】 ヒト型CDR移植抗体またはその抗体断
片が、ヒトVEGF受容体Flt-1に対するモノクローナル抗
体の重鎖 (H鎖) 可変領域 (V領域) および軽鎖 (L鎖) V
領域のCDRを含む、請求項31記載の薬剤。 - 【請求項37】 ヒト型CDR移植抗体またはその抗体断
片が、 ヒトVEGF受容体Flt-1に対するモノクローナル抗体の重
鎖 (H鎖) 可変領域 (V領域) および軽鎖 (L鎖) V領域の
CDR、およびヒト抗体のH鎖V領域およびL鎖V領域のフレ
ームワーク領域 (FR)を含む、請求項31または36記
載の薬剤。 - 【請求項38】 ヒト型CDR移植抗体またはその抗体断
片が、 ヒトVEGF受容体Flt-1に対するモノクローナル抗体の重
鎖 (H鎖) 可変領域 (V領域) および軽鎖 (L鎖) V領域の
CDR、 ヒト抗体のH鎖V領域およびL鎖V領域のフレームワーク領
域 (FR)、およびヒト抗体のH鎖定常領域 (C領域) およ
びL鎖C領域を含む、請求項31、36および37のいず
れか1項に記載の薬剤。 - 【請求項39】 ヒト型CDR移植抗体またはその抗体断
片が、 それぞれ配列番号1,2,3あるいは4,5,6で示さ
れるアミノ酸配列からなる抗体重鎖 (H鎖) 可変領域 (V
領域) のCDR1、CDR2、CDR3、および/またはそれぞれ配
列番号7,8,9あるいは10,11,12で示される
アミノ酸配列からなる抗体軽鎖 (L鎖) V領域のCDR1、CD
R2、CDR3を含む、請求項31、36〜38のいずれか1
項に記載の薬剤。 - 【請求項40】 ヒト型CDR移植抗体またはその抗体断
片が、 配列番号17で示されるアミノ酸配列を含む抗体の重鎖
(H鎖) 可変領域 (V領域)、および/または配列番号1
8で示されるアミノ酸配列を含む抗体の軽鎖 (L鎖) V領
域を含む、請求項31、36〜39のいずれか1項に記
載の薬剤。 - 【請求項41】 ヒト型CDR移植抗体またはその抗体断
片が、 配列番号19あるいは20で示されるアミノ酸配列を含
む抗体の重鎖 (H鎖)可変領域 (V領域)、および/または
配列番号21,22あるいは23で示されるアミノ酸配
列を含む抗体の軽鎖 (L鎖) V領域を含む、請求項31、
36〜40のいずれか1項に記載の薬剤。 - 【請求項42】 ヒト型CDR移植抗体が、KM8550、KM855
1、KM8552、KM8553、KM8554およびKM8555からなる群よ
り選ばれる抗体またはその抗体断片である、請求項31
記載の薬剤。 - 【請求項43】 抗体断片が、Fab、F(ab')2、Fab'、一
本鎖抗体 (scFv)、2量化可変領域 (V領域) 断片 (Diabo
dy)、ジスルフィド安定化抗体 (dsFv) および相補性決
定領域を含むペプチドからなる群より選ばれる抗体断片
である、請求項27〜42のいずれか1項に記載の薬
剤。 - 【請求項44】 抗体またはその抗体断片が、放射性同
位元素、蛋白質または他の薬剤と化学的または遺伝子工
学的に結合させた抗体またはその抗体断片である、請求
項27〜43のいずれか1項に記載の薬剤。 - 【請求項45】 ヒトVEGF受容体Flt-1に対して結合活
性を有する抗体を有効成分として含有する、肺選択的癌
転移の診断薬。 - 【請求項46】 ヒトVEGF受容体Flt-1に対する抗体
が、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体またはそ
の抗体断片である、請求項45記載の診断薬。 - 【請求項47】 モノクローナル抗体が、ハイブリドー
マによって産生される抗体、ヒト化抗体またはその抗体
断片である、請求項46記載の診断薬。 - 【請求項48】 ヒト化抗体またはその抗体断片が、 それぞれ配列番号1,2,3あるいは4,5,6で示さ
れるアミノ酸配列からなる抗体重鎖 (H鎖) 可変領域 (V
領域) の相補性決定領域 (CDR) 1、CDR2、CDR3、および
/またはそれぞれ配列番号7,8,9あるいは10,1
1,12で示されるアミノ酸配列からなる抗体軽鎖 (L
鎖) V領域のCDR1、CDR2、CDR3を含む、請求項47記載
の診断薬。 - 【請求項49】 ハイブリドーマによって産生される抗
体が、ハイブリドーマKM1732 (FERM BP-5698)、KM1748
(FERM BP-5699) およびKM1750 (FERM BP-5700)によって
それぞれ産生されるKM1732、KM1748およびKM1750から選
ばれる抗体またはその抗体断片である、請求項47記載
の診断薬。 - 【請求項50】 ヒト化抗体が、ヒト型キメラ抗体、ヒ
ト型相補性決定領域 (CDR) 移植抗体またはその抗体断
片である、請求項47記載の診断薬。 - 【請求項51】 ヒト型キメラ抗体またはその抗体断片
が、ヒトVEGF受容体Flt-1に対するモノクローナル抗体
の重鎖 (H鎖) 可変領域 (V領域) と軽鎖 (L鎖) V領域、
およびヒト抗体のH鎖定常領域 (C領域) とL鎖C領域を含
む、請求項50記載の診断薬。 - 【請求項52】 ヒト型キメラ抗体またはその抗体断片
が、 それぞれ配列番号1,2,3あるいは4,5,6で示さ
れるアミノ酸配列からなる抗体重鎖 (H鎖) 可変領域 (V
領域) のCDR1、CDR2、CDR3、および/またはそれぞれ配
列番号7,8,9あるいは10,11,12で示される
アミノ酸配列からなる抗体軽鎖 (L鎖) V領域のCDR1、CD
R2、CDR3を含む、請求項50または51記載の診断薬。 - 【請求項53】 ヒト型キメラ抗体またはその抗体断片
が、 配列番号13あるいは14で示されるアミノ酸配列を含
む抗体の重鎖 (H鎖)可変領域 (V領域)、および/または
配列番号15あるいは16で示されるアミノ酸配列を含
む抗体の軽鎖 (L鎖) V領域を含む、請求項50〜52の
いずれか1項に記載の診断薬。 - 【請求項54】 ヒト型キメラ抗体が、KM2532、KM2550
またはその抗体断片である、請求項50記載の診断薬。 - 【請求項55】 ヒト型CDR移植抗体またはその抗体断
片が、ヒトVEGF受容体Flt-1に対するモノクローナル抗
体の重鎖 (H鎖) 可変領域 (V領域) および軽鎖 (L鎖) V
領域のCDRを含む、請求項50記載の診断薬。 - 【請求項56】 ヒト型CDR移植抗体またはその抗体断
片が、 ヒトVEGF受容体Flt-1に対するモノクローナル抗体の重
鎖 (H鎖) 可変領域 (V領域) および軽鎖 (L鎖) V領域の
CDR、およびヒト抗体のH鎖V領域およびL鎖V領域のフレ
ームワーク領域 (FR)を含む、請求項50または55記
載の診断薬。 - 【請求項57】 ヒト型CDR移植抗体またはその抗体断
片が、 ヒトVEGF受容体Flt-1に対するモノクローナル抗体の重
鎖 (H鎖) 可変領域 (V領域) および軽鎖 (L鎖) V領域の
CDR、ヒト抗体のH鎖V領域およびL鎖V領域のフレームワ
ーク領域 (FR)、およびヒト抗体のH鎖定常領域 (C領域)
およびL鎖C領域を含む、請求項50、55および56
のいずれか1項に記載の診断薬。 - 【請求項58】 ヒト型CDR移植抗体またはその抗体断
片が、 それぞれ配列番号1,2,3あるいは4,5,6で示さ
れるアミノ酸配列からなる抗体重鎖 (H鎖) 可変領域 (V
領域) のCDR1、CDR2、CDR3、および/またはそれぞれ配
列番号7,8,9あるいは10,11,12で示される
アミノ酸配列からなる抗体軽鎖 (L鎖) V領域のCDR1、CD
R2、CDR3を含む、請求項50、55〜57のいずれか1
項に記載の診断薬。 - 【請求項59】 ヒト型CDR移植抗体またはその抗体断
片が、配列番号17で示されるアミノ酸配列を含む抗体
の重鎖 (H鎖) 可変領域 (V領域)、および/または配列
番号18で示されるアミノ酸配列を含む抗体の軽鎖 (L
鎖) V領域を含む、請求項50、55〜58のいずれか
1項に記載の診断薬。 - 【請求項60】 ヒト型CDR移植抗体またはその抗体断
片が、 配列番号19あるいは20で示されるアミノ酸配列を含
む抗体の重鎖 (H鎖)可変領域 (V領域)、および/または
配列番号21,22あるいは23で示されるアミノ酸配
列を含む抗体の軽鎖 (L鎖) V領域を含む、請求項50、
55〜59のいずれか1項に記載の診断薬。 - 【請求項61】 ヒト型CDR抗体が、KM8550、KM8551、K
M8552、KM8553、KM8554およびKM8555からなる群より選
ばれる抗体またはその抗体断片である、請求項50記載
の診断薬。 - 【請求項62】 抗体断片が、Fab、F(ab')2、Fab'、一
本鎖抗体 (scFv)、2量化可変領域 (V領域) 断片 (Diabo
dy)、ジスルフィド安定化抗体 (dsFv) および相補性決
定領域を含むペプチドからなる群より選ばれる抗体断片
である、請求項46〜61のいずれか1項に記載の診断
薬。 - 【請求項63】 抗体またはその抗体断片が、放射性同
位元素、蛋白質または薬剤と化学的または遺伝子工学的
に結合させた抗体またはその抗体断片である、請求項4
6〜62のいずれか1項に記載の診断薬。 - 【請求項64】 ヒトVEGF受容体Flt-1に対して結合活
性を有する抗体を用いる、肺選択的な癌転移の判定方
法。 - 【請求項65】 ヒトVEGF受容体Flt-1に対する抗体
が、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体またはそ
の抗体断片である、請求項64記載の方法。 - 【請求項66】 モノクローナル抗体が、ハイブリドー
マによって産生される抗体、ヒト化抗体またはその抗体
断片である、請求項65記載の方法。 - 【請求項67】 ヒト化抗体またはその抗体断片が、そ
れぞれ配列番号1,2,3あるいは4,5,6で示され
るアミノ酸配列からなる抗体重鎖 (H鎖) 可変領域 (V領
域) の相補性決定領域 (CDR) 1、CDR2、CDR3、および/
またはそれぞれ配列番号7,8,9あるいは10,1
1,12で示されるアミノ酸配列からなる抗体軽鎖 (L
鎖) V領域のCDR1、CDR2、CDR3を含む、請求項66記載
の方法。 - 【請求項68】 ハイブリドーマによって産生される抗
体が、ハイブリドーマKM1732 (FERM BP-5698)、KM1748
(FERM BP-5699) およびKM1750 (FERM BP-5700)によって
それぞれ産生されるKM1732、KM1748およびKM1750から選
ばれる抗体またはその抗体断片である、請求項66記載
の方法。 - 【請求項69】 ヒト化抗体が、ヒト型キメラ抗体、ヒ
ト型相補性決定領域 (CDR) 移植抗体またはその抗体断
片である、請求項66記載の方法。 - 【請求項70】 ヒト型キメラ抗体またはその抗体断片
が、 ヒトVEGF受容体Flt-1に対するモノクローナル抗体の重
鎖 (H鎖) 可変領域 (V領域) と軽鎖 (L鎖) V領域、およ
びヒト抗体のH鎖定常領域 (C領域) とL鎖C領域を含む、
請求項69記載の方法。 - 【請求項71】 ヒト型キメラ抗体またはその抗体断片
が、 それぞれ配列番号1,2,3あるいは4,5,6で示さ
れるアミノ酸配列からなる抗体重鎖 (H鎖) 可変領域 (V
領域) のCDR1、CDR2、CDR3、および/またはそれぞれ配
列番号7,8,9あるいは10,11,12で示される
アミノ酸配列からなる抗体軽鎖 (L鎖) V領域のCDR1、CD
R2、CDR3を含む、請求項69または70記載の方法。 - 【請求項72】 ヒト型キメラ抗体またはその抗体断片
が、 配列番号13あるいは14で示されるアミノ酸配列を含
む抗体の重鎖 (H鎖)可変領域 (V領域)、および/または
配列番号15あるいは16で示されるアミノ酸配列を含
む抗体の軽鎖 (L鎖) V領域を含む、請求項69〜71の
いずれか1項に記載の方法。 - 【請求項73】 ヒト型キメラ抗体が、KM2532、KM2550
またはその抗体断片である、請求項69のいずれか1項
に記載の方法。 - 【請求項74】 ヒト型CDR移植抗体またはその抗体断
片が、ヒトVEGF受容体Flt-1に対するモノクローナル抗
体の重鎖 (H鎖) 可変領域 (V領域) および軽鎖 (L鎖) V
領域のCDRを含む、請求項69記載の方法。 - 【請求項75】 ヒト型CDR移植抗体またはその抗体断
片が、 ヒトVEGF受容体Flt-1に対するモノクローナル抗体の重
鎖 (H鎖) 可変領域 (V領域) および軽鎖 (L鎖) V領域の
CDR、およびヒト抗体のH鎖V領域およびL鎖V領域のフレ
ームワーク領域 (FR)を含む、請求項69または74記
載の方法。 - 【請求項76】 ヒト型CDR移植抗体またはその抗体断
片が、 ヒトVEGF受容体Flt-1に対するモノクローナル抗体の重
鎖 (H鎖) 可変領域 (V領域) および軽鎖 (L鎖) V領域の
CDR、 ヒト抗体のH鎖V領域およびL鎖V領域のフレームワーク領
域 (FR)、およびヒト抗体のH鎖定常領域 (C領域) およ
びL鎖C領域を含む、請求項69、74および75のいず
れか1項に記載の方法。 - 【請求項77】 ヒト型CDR移植抗体またはその抗体断
片が、 それぞれ配列番号1,2,3あるいは4,5,6で示さ
れるアミノ酸配列からなる抗体重鎖 (H鎖) 可変領域 (V
領域) のCDR1、CDR2、CDR3、および/またはそれぞれ配
列番号7,8,9あるいは10,11,12で示される
アミノ酸配列からなる抗体軽鎖 (L鎖) V領域のCDR1、CD
R2、CDR3を含む、請求項69、74〜76のいずれか1
項に記載の方法。 - 【請求項78】 ヒト型CDR移植抗体またはその抗体断
片が、 配列番号17で示されるアミノ酸配列を含む抗体の重鎖
(H鎖) 可変領域 (V領域)、および/または配列番号1
8で示されるアミノ酸配列を含む抗体の軽鎖 (L鎖) V領
域を含む、請求項69、74〜77のいずれか1項に記
載の方法。 - 【請求項79】 ヒト型CDR移植抗体またはその抗体断
片が、 配列番号19あるいは20で示されるアミノ酸配列を含
む抗体の重鎖 (H鎖)可変領域 (V領域)、および/または
配列番号21,22あるいは23で示されるアミノ酸配
列を含む抗体の軽鎖 (L鎖) V領域を含む、請求項69、
74〜78のいずれか1項に記載の方法。 - 【請求項80】 ヒト型CDR移植抗体が、KM8550、KM855
1、KM8552、KM8553、KM8554およびKM8555からなる群よ
り選ばれる抗体またはその抗体断片である、請求項69
記載の方法。 - 【請求項81】 抗体断片が、Fab、F(ab')2、Fab'、一
本鎖抗体 (scFv)、2量化可変領域 (V領域) 断片 (Diabo
dy)、ジスルフィド安定化抗体 (dsFv) および相補性決
定領域を含むペプチドからなる群より選ばれる抗体断片
である、請求項65〜80のいずれか1項に記載の方
法。 - 【請求項82】 抗体またはその抗体断片が、放射性同
位元素、蛋白質または薬剤と化学的または遺伝子工学的
に結合させた抗体またはその抗体断片である、請求項6
5〜81のいずれか1項に記載の方法。
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Cited By (4)
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RU2585122C1 (ru) * | 2014-12-03 | 2016-05-27 | Федеральное государственное бюджетное учреждение "Ростовский научно-исследовательский онкологический институт" Министерства здравоохранения Российской Федерации | Способ прогнозирования метастазов в печени при раке прямой кишки |
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CN114292834A (zh) * | 2022-03-09 | 2022-04-08 | 天津辅元生物医药科技有限公司 | 一种融合蛋白酶及其制备方法、其在提取i型胶原蛋白中的应用以及该i型胶原蛋白的用途 |
CN115176013A (zh) * | 2019-12-27 | 2022-10-11 | 凯奥目生物科学株式会社 | 抗cdcp1抗体 |
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2002
- 2002-03-08 JP JP2002063835A patent/JP2003261460A/ja not_active Withdrawn
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CN114292834A (zh) * | 2022-03-09 | 2022-04-08 | 天津辅元生物医药科技有限公司 | 一种融合蛋白酶及其制备方法、其在提取i型胶原蛋白中的应用以及该i型胶原蛋白的用途 |
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