JP2003260762A - 積層体およびそれを含む表示体 - Google Patents

積層体およびそれを含む表示体

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JP2003260762A JP2002065864A JP2002065864A JP2003260762A JP 2003260762 A JP2003260762 A JP 2003260762A JP 2002065864 A JP2002065864 A JP 2002065864A JP 2002065864 A JP2002065864 A JP 2002065864A JP 2003260762 A JP2003260762 A JP 2003260762A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂内部に配された表示内容部分の耐久性に
優れ、優れた視覚演出効果を発現して美麗性に優れ、し
かもサイズを大きくすることも可能な樹脂積層体を提供
する。 【解決手段】 表面に印刷してなる透明または半透明の
樹脂成形体(I)と、該樹脂成形体(I)の印刷面側に接
着一体化してなる透明または半透明の樹脂成形体(II)
とを含む積層体であって、樹脂成形体(I)の厚みが0.
5mm以上、樹脂成形体(II)の厚みが5mm以上であ
ることを特徴とする、前記積層体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面に各種表示内
容が印刷された透明または半透明の樹脂成形体(I)とそ
の少なくとも印刷面側に接着一体化した透明または半透
明の樹脂成形体(II)とを含む積層体およびそれを含む
表示体に関する。
【0002】
【従来の技術】透明樹脂の内部に、文字、模様、絵、写
真等の各種表示を内在させた物品が知られている。透明
樹脂としては、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂等
種々の透明樹脂が使用されているが、優れた耐候性、透
明性、美麗性からアクリル系樹脂が多用されている。
【0003】これらの物品は、(1)各種表示を印刷した
透明フィルムを少なくとも一方が透明である2枚の透明
樹脂板の間に挟み込み、これらの積層体を固定具等で押
さえ込んだ積層体、(2) 各種表示を印刷した透明フィル
ムを、少なくとも一方が透明である2枚の樹脂板の間に
挟み込み、フィルムとそのフィルムの両側に位置する樹
脂板とを接着した積層体が知られている。また、類似の
物品として、(3)透明樹脂板の裏面に各種表示を印刷し
表面側を有意面として使用する物品、(4) 透明樹脂板の
裏面に各種表示を印刷した透明フィルムを粘着剤で貼り
付けた物品も知られている。
【0004】しかしながら、(1)の積層体では透明樹脂
板とフィルムが接着されていないため両者の間に隙間が
生じ、その隙間に異物、ごみが入りやすく、さらには液
状の汚れが入り込んだ場合にはそれが毛細管現象で積層
体の内部にまで到達しやすく、経時的に表示内容が見難
くなったり美観を損ねることになりやすいという問題が
あった。さらにこの透明樹脂板とフィルムの間の隙間に
より、視覚演出効果が損なわれやすいという問題があっ
た。またこの積層体ではフィルムを挟みこんだ樹脂成形
体を固定具で押さえつけて各層が脱落することを防ぐこ
とが不可欠であり積層体表面の一体感を損ねやすく、ま
たデザイン上の制約を受けやすいという問題があった。
【0005】(2)の積層体では、液状の接着剤を使用す
るため接着する過程で2枚の樹脂板に挟まれたフィルム
がずれたり、皺が発生することが多く、また接着剤の硬
化にともなう収縮に追随できずにフィルムに皺が発生し
やすく、さらにはこれらの皺の部分に気泡が残留しやす
い等の問題があり、小サイズのものしか実用化できない
という問題があった。
【0006】(3)の物品では、透明樹脂板の表面側より
裏面に印刷された表示内容を見ることになり、視覚演出
効果は一部あるものの、表示の下側に樹脂が無いため、
表示内容が物品の裏面にも映り込んだり反射等して、表
面側での反射、レンズ効果等の光学的効果とあいまって
視覚効果を演出する効果が期待できないという問題があ
った。また印刷面は保護されていない状態であり、印刷
面である裏面からの汚染に対して耐久性は改善されず、
また裏面から見ても視覚演出効果がないことから表面側
からだけ見る用途に限定されることが多く、物品の両面
を有意面として使用しにくいという問題があった。
【0007】(4)の物品では、(3)と同様に透明樹脂板の
表面側より裏面に配された表示内容を見ることになり、
視覚演出効果は一部あるものの、表示の下側に樹脂が無
いため、表示内容が物品の裏面にも映り込んだり反射等
して、表面側での反射、レンズ効果等の光学的効果とあ
いまって視覚効果を演出する効果が期待できないという
問題があった。またフィルムがはがれることがあった
り、フィルムと樹脂板との間隙に異物、ごみが入りやす
く、さらには液状の汚れが入り込んだ場合にはそれが毛
細管現象で積層体の内部にまで到達しやすく、経時的に
表示内容が見難くなったり美観を損ねることになりやす
いという問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、上述の問題点を改善し、樹脂内部に配された表示内
容部分の耐久性に優れ、優れた視覚演出効果を発現して
美麗性に優れ、しかもサイズを大きくすることも可能な
樹脂積層体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意検討した結果、各種表示内容を特定
の厚みの樹脂成形体に印刷し、少なくとも印刷面側にさ
らに透明樹脂成形体を接着一体化することにより上記課
題を解決することを見出し、本発明を完成するに至っ
た。すなわち、本発明は、表面に印刷してなる透明また
は半透明の樹脂成形体(I)と、該樹脂成形体(I)の印
刷面側に接着一体化してなる透明または半透明の樹脂成
形体(II)とを含む積層体であって、樹脂成形体(I)の
厚みが0.5mm以上、樹脂成形体(II)の厚みが5m
m以上であることを特徴とする、前記積層体に関する。
【0010】さらに、本発明は、樹脂成形体(I)および
樹脂成形体(II)がアクリル系樹脂である、前記積層体
に関する。また、本発明は、接着一体化が、重合接着に
より一体化したものである、前記積層体に関する。さら
に、本発明は、全体の厚みが15mm以上であり、最大
部分の寸法が、縦方向で25cm以上、横方向で25c
m以上である、前記積層体に関する。また、本発明は、
樹脂成形体(I)の印刷が辺縁から10mm以上内側に
なされている、前記積層体に関する。さらに、本発明
は、積層体の表面から印刷面までの深さが5mm以上で
ある、前記積層体に関する。また、本発明は、前記積層
体を含む、表示体に関する。
【0011】本発明の積層体は、接着一体化されてお
り、積層体を構成する樹脂成形体同士の重ね合わせ部分
に間隙がないため、積層体端面からの異物、ごみ等によ
る汚染の心配はなく、また液状の汚染物質が内部に浸透
する恐れが無いものである。また、印刷による表示部分
は厚い樹脂層に覆われて外部環境に直接晒されることも
ないため、表示部分の耐久性が優れたものとなる。
【0012】本発明の積層体は、その強度が樹脂積層体
全体の厚みに対応する強度となり、接着一体化されてい
るため、単に構成する樹脂成形体同士を重ね固定具で押
し付けただけに比べて高い強度が得られる。また、強度
保持を目的とした固定具の使用を避けることができるた
め、積層体表面に樹脂以外の異種材料を用いることなく
一体感が得られ、極めて意匠性の高い外観が得られると
もにデザインの自由度が向上する。
【0013】また本発明の樹脂積層体は、表示部分の上
側および下側に厚みを有する樹脂成形体層があるので、
表示部分を見る角度により、その表示内容が、樹脂積層
体の上側面および/または下側面、場合によっては端面
に映り、さらには表示部分の上側樹脂層の反射、レンズ
効果等の光学的効果があいまって優れた視覚効果を演出
する。本発明の樹脂積層体は、一定の厚みを有する樹脂
成形体(I)に各種表示を印刷し、樹脂成形体を積層する
ので表示部分に皺の発生も無く、また実用上問題となる
気泡の残留も抑制されるので視覚効果は顕著となる。ま
た、最大部分の寸法が、縦方向で25cm以上、横方向
で25cm以上である大きな積層体であっても、上述の
効果が十分に得られるものである。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の樹脂積層体は、表面上に
文字、模様、絵、写真等の各種表示を印刷してなる透明
または半透明の樹脂成形体(I)の少なくとも印刷面側
に、透明または半透明の樹脂成形体(II)が接着一体化
されており、表示部分の上側および下側に厚い樹脂層が
形成される。
【0015】樹脂成形体(I)の厚みが薄く表示部分下側
の樹脂層が薄い場合には、樹脂成形体(I)の反印刷面側
にさらに樹脂成形体(III)を接着一体化してもよい。
また本発明の積層体は、上記樹脂成形体(I)、(II)よ
りなる樹脂積層体に樹脂成形体(I)、(II)、さらに
(III)をそれぞれ複数層用いて積層させてもよく、表
示体として使用することが可能である。例えば、(1) 樹
脂成形体(I)、(II)よりなる樹脂積層体の樹脂成形体
(II) の上に、前記樹脂成形体(I)と同じまたは異な
る表示内容を印刷した樹脂成形体(I)の印刷面側を接着
した樹脂積層体、
【0016】(2) 樹脂成形体(I)、(II)よりなる樹脂
積層体の樹脂成形体(II) の上に、前記樹脂成形体
(I)と同じまたは異なる表示内容を印刷した樹脂成形体
(I)の印刷面側(または反印刷面側)を接着一体化し、さ
らにその上に樹脂成形体(III)(または前記樹脂成形
体(II)と同じ若しくは異なる組成の樹脂成形体(I
I))を接着した樹脂積層体、(3)樹脂成形体(I)、(I
I)よりなる樹脂積層体の樹脂成形体(I) の下に、前記
樹脂成形体(I)と同じまたは異なる表示内容を印刷した
樹脂成形体(I)の印刷面側を接着一体化した樹脂積層
体、
【0017】(4)樹脂成形体(I)、(II)よりなる樹脂
積層体の樹脂成形体(I) の下に、前記樹脂成形体(I)
と同じまたは異なる表示内容を印刷した樹脂成形体(I)
の印刷面側(または反印刷面側)を接着一体化し、さらに
その下に樹脂成形体(III)(または前記樹脂成形体(I
I)と同じ若しくは異なる組成の樹脂成形体(II))を接
着した樹脂積層体、(5) 樹脂成形体(I)、(II)よりな
る積層体の樹脂成形体(I)の下に樹脂成形体(III)を
接着してなる樹脂積層体の樹脂成形体(II)の上に、前
記樹脂成形体(I)と同じまたは異なる表示内容を印刷し
た樹脂成形体(I)の印刷面側(または反印刷面側)を接着
一体化し、さらにその上に前記樹脂成形体(III)と同
じ若しくは異なる組成の樹脂成形体(III)(または前
記樹脂成形体(II)と同じ若しくは異なる組成の樹脂成
形体(II))を接着した樹脂積層体、
【0018】(6) 樹脂成形体(I)、(II)よりなる積層
体の樹脂成形体(I)の下に樹脂成形体(III)を接着し
てなる樹脂積層体の樹脂成形体(III) の下に、前記
樹脂成形体(I)と同じまたは異なる表示内容を印刷した
樹脂成形体(I)の印刷面側を接着した樹脂積層体、(7)
樹脂成形体(I)、(II)よりなる積層体の樹脂成形体
(I)の下に樹脂成形体(III)を接着してなる樹脂積層
体の樹脂成形体(III) の下に、前記樹脂成形体(I)
と同じまたは異なる表示内容を印刷した樹脂成形体(I)
の印刷面側(または反印刷面側)を接着一体化し、さらに
その下に前記樹脂成形体(III)と同じ若しくは異なる
組成の樹脂成形体(III)(または前記樹脂成形体(I
I)と同じ若しくは異なる組成の樹脂成形体(II))を接
着した樹脂積層体、(8)前記(1)〜(7)の操作をそれぞれ
数回繰り返してなる樹脂積層体、
【0019】(9) 樹脂成形体(I)、(II)よりなる樹脂
積層体の樹脂成形体(II)の上に前記樹脂成形体(II)
と同じ若しくは異なる組成の樹脂成形体(II)を接着一
体化した樹脂成形体、(10) 樹脂成形体(I)、(II)よ
りなる積層体の樹脂成形体(I)の下に樹脂成形体(II
I)を接着してなる樹脂積層体の樹脂成形体(III) の
下に前記樹脂成形体(III)と同じ若しくは異なる組成
の樹脂成形体(III)を接着一体化した樹脂成形体、(1
1)上記(1)〜(10)を組み合わせた樹脂積層体、等を例示
することができるがこれに限定されるものではない。
【0020】樹脂成形体(I)は、透明または半透明で樹
脂成形体(II)と接着可能な樹脂であれば制限を受け
ず、アクリル系樹脂、塩化ビニール系樹脂、ポリエステ
ル系樹脂等を例示することができるが、透明性、耐候
性、美麗性の点からアクリル系樹脂が好ましい。樹脂成
形体(I)には、紫外線吸収剤、光安定剤、着色剤等の添
加剤を配合することも可能である。
【0021】本発明の積層体では、積層体の上側表面お
よび/または下側表面、さらには端面への表示内容の映
りこみ、反射、レンズ効果等の光学的効果を視覚演出効
果に利用するものであるから、視認者から見て裏面側も
透けて見えることが必要であるため、樹脂成形体(I)は
透明または半透明であることが必要である。
【0022】樹脂成形体(I)は、その表面に文字、模
様、絵、写真等の各種表示が印刷される。印刷は通常の
方法で実施することが可能であり、例えばインクジェッ
ト印刷、凸版印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷等を
例示することが可能であるがこれらに制限されるもので
はない。印刷に使用される印刷インクはその印刷方法、
樹脂成形体(I)との密着性の点で適合し、樹脂成形体
(II)との接着を阻害せず、また接着工程で印刷された
表示内容が損なわれ難いものであれば特に制限は無く、
例えばビニル系、ポリエステル系、アクリル系、ウレタ
ン系、ポリオレフィン系、エポキシ系、アルキド系など
を挙げることができる。樹脂成形体(I)がアクリル系樹
脂の場合、アクリル系樹脂を配合した印刷インキが好ま
しい。
【0023】また樹脂成形体(I)は、例えば平板、曲面
形状を有した成形体等種々の形状の成形体が使用可能で
あるが、所定の形状に成形した後に印刷を施しても、印
刷した後に所定の形状に成形してもよい。印刷の容易
さ、積層の容易さから樹脂成形体(I)には平板状が好ま
しい態様の1つとして用いられる。また、これに伴い本
発明の積層体の形状も平板状であることが好ましい。
【0024】樹脂成形体(II)、(III)は、樹脂成形
体(I)と積層するのに適合した形状であれば制限を受け
ない。またその材質は樹脂成形体(I)と接着可能な組成
を有する樹脂であれば制限を受けないが、透明性、耐候
性、美麗性の点からアクリル系樹脂が好ましく、樹脂成
形体(I)がアクリル系樹脂の場合は、接着性、屈折率差
の点からアクリル系樹脂が特に好ましい。また樹脂成形
体(II)、(III)は紫外線吸収剤、光安定剤、着色剤
等の添加剤を配合することも可能である。
【0025】樹脂成形体(II)はその樹脂層を通して樹
脂成形体(I)に印刷された表示を見るので透明または半
透明であることが必要であり、樹脂成形体(III)は、
透明であっても不透明であってもよいが、積層体全体を
透明にして視覚演出効果を強調する場合は、透明である
ことが好ましい。
【0026】本発明に用いられるアクリル系樹脂の単量
体としては、80%以上が(メタ)アクリル酸エステル系単
量体であることが好ましい。(メタ)アクリル酸エステル
系単量体の例としては、メチルアクリレート、メチルメ
タクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレ
ート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、イ
ソアミルアクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレー
ト、ラウリルアクリレート、ラウリルメタクリレート、
トリデシルメタクリレート、ステアリルアクリレート等
の炭素数1〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)ア
クリレート、ブトキシエチルアクリレート、メトキシプ
ロピルアクリレート等の炭素数1〜4のアルコキシ基を有
するアルコキシル(メタ)アクリレート、メトキシジエチ
レングリコールアクリレート、エトキシジエチレングリ
コール等のアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)
アクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノ
キシポリエチレングリコールアクリレート等の芳香族
(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチルアクリレー
ト、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、2-ヒドロキシ
-3-フェノキシプロピルアクリレート等の水酸基含有(メ
タ)アクリレート等を挙げる事ができるがこれらに限定
されるものでなく、またこれらのうちの1種または2種以
上を使用することができる。
【0027】本発明における樹脂成形体(I)の印刷面と
樹脂成形体(II)との接着に用いる方法としては、接着
する2つの樹脂成形体のいずれも溶解する溶剤を2つの樹
脂成形体の隙間に浸透させ浸透面を一部溶解または膨潤
した後、溶剤を逸散除去して接着する溶剤接着法、接着
する2つの樹脂成形体を構成する単量体と組成が類似し
た単量体を含む重合性の接着剤を2つの樹脂成形体の隙
間に配し、重合硬化して接着する重合接着法等を例示す
ることが可能であるが、これに限定されるものではな
い。製造する樹脂積層体の1辺が25cmを超える場合は
重合接着が好ましい。また重合接着は接着強度の信頼性
が高いという点からも好ましい。1辺が25cmを超える
樹脂積層体の接着に溶剤接着法を使用した場合、接着層
間の残留気泡が抜け難いとともに、浸透した溶剤の流れ
で印刷された表示が損なわれることが多い。
【0028】樹脂成形体(I)または(II)とさらに(I
II)とを積層し接着する際も樹脂成形体(I)と(II)
との接着と同様の方法を用いることができる。本発明の
好ましい実施態様の1つである樹脂成形体(I)と樹脂成
形体(II)がともにアクリル系樹脂である樹脂積層体に
おいて、重合接着を行う場合、アクリル系シラップを使
用して重合接着する方法が好ましい。本発明でいうアク
リル系シラップとは、(メタ)アクリル系樹脂分を(メタ)
アクリル系単量体に溶解させてなる組成物、または(メ
タ)アクリル系単量体の部分重合体であって、シラップ
状の高粘度液体をいう。
【0029】アクリル系シラップに使用する(メタ)アク
リル系単量体と(メタ)アクリル系樹脂分の製造に用いる
(メタ)アクリル系単量体は、本発明の好ましい態様であ
る樹脂成形体(I)、(II)、または(III)がいずれも
アクリル系樹脂の場合にこれら樹脂成形体(I)、(I
I)、(III)の製造に用いる前記(メタ)アクリル系単
量体と同じであり、これに他の単量体、例えば、スチレ
ン、α-メチルスチレン等の芳香族系単量体、(メタ)ア
クリロニトリル等のニトリル系単量体、(メタ)アクリル
アミド等のアミド系単量体などを添加してもよい。また
紫外線吸収剤、光安定剤、着色剤等の添加剤を使用する
ことも可能である。
【0030】接着剤としてのアクリル系シラップを硬化
させる方法としてラジカル重合開始剤を添加し加熱する
方法、ラジカル重合開始剤と促進剤よりなるいわゆるレ
ドックス系開始剤を添加して室温または適度な加熱で硬
化させる方法、紫外線等を照射して硬化させる方法等を
挙げることができるが、これらに限定されるものではな
い。
【0031】樹脂成形体(I)の厚みは、樹脂成形体(I
I)と接着するときズレたり皺がよらず、実用上問題と
なる残留気泡が抑制可能で、かつ本発明の好ましい態様
である重合接着を実施した際その硬化に伴う収縮で皺が
よらない厚みである、0.5mm以上であり、0.8m
m以上が好ましく、さらに1.5mm以上が好ましい。
【0032】樹脂成形体(II)の厚みは、樹脂成形体
(II)の側から視認した場合の視覚演出効果を有効に発
現する観点から5mm以上であり、8mm以上が好まし
い。また本発明の積層体全体としての厚みは、表示体と
して用いる場合の視角演出効果、特に端面から入射した
照明光により、印刷内容が積層体表面に反射または屈折
するような視角演出効果を考慮すると、15mm以上と
なるのが好ましく、25mm以上であるのがより好まし
い。また、上述のように、端面から照明光を入射させる
場合のために、本発明の積層体は、端面が全周の長さの
20%以上で光線透過率が高くなるように磨き出しされ
ていることが好ましい。また、本発明の積層体は、上述
の視角演出効果を十分に得るために、樹脂成形体(I)
の印刷が辺縁から10mm以上内側になされているのが
好ましく、また、積層体の表面から印刷面までの深さが
5mm以上であるのが好ましい。このように得られた樹
脂積層体の好ましい実施態様である平板状の樹脂成形体
(I)を用いた平板状の樹脂積層体において、樹脂積層体
製造後に所定の形状に加熱成形してもよい。
【0033】以上のようにして得られる本発明の樹脂積
層体は、表示部分の耐久性に優れ、表示部分の上面側お
よび/または下面側に配された樹脂層により優れた視覚
効果を演出し、かつ強度も優れているので、各種表示
板、装飾品、建築部材等種々の用途に好適に使用でき
る。また照明との組合せにより本発明の積層体の視覚演
出効果を一層高めることも可能である。
【0034】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0035】<実施例1> (1)アクリル系シラップの調製 重合度約1000のメタクリル樹脂200質量部をメタクリル
酸メチル800質量部に溶解させてなるシラップに、ジメ
チルパラトルイジン0.15質量部、α-メチルスチレン0.1
質量部、ベンゾイルパーオキサイド0.4質量部を加えて
攪拌し、脱泡して、アクリル系シラップからなる重合性
接着剤を得た。 (2)樹脂成形体の積層 厚さ30mm、縦25cm、横25cmの透明メタクリル樹脂板(株
式会社クラレ製)に、市販のアクリル系インキを用いて
印刷し、60℃で60分乾燥して表面に印刷された樹脂成形
体(I)を得た。この樹脂成形体(I)の印刷面側と厚さ5m
m、縦25cm、横25cmの透明メタクリル樹脂板(樹脂成形体
(II)、株式会社クラレ製)を厚さ3mmのスペーサーを介
して組合せ、前記の重合性接着剤を樹脂成形体(I)と樹
脂成形体(II)との間に注入し、空気浴にて30℃で8時
間保持し硬化させて樹脂積層体を得た後、端部に配され
たスペーサーを切り落として研磨した。このようにして
得られた樹脂積層体は厚さ約37.5mmで、印刷部分の皺、
実用上問題となる気泡の残留もなく、また一体化してお
り端面にすき間もなく外観は良好であった。内部に配さ
れた印刷は樹脂積層体の表面、裏面、端面等に映りこ
み、及び/または反射等し、視覚演出効果の優れたもの
であった。
【0036】<実施例2>厚さ1mm、縦100cm、横30cmの
透明メタクリル樹脂板(株式会社クラレ製)に、市販のア
クリル系インキを用いて印刷し、60℃で15分乾燥して樹
脂成形体(I)を得た。この樹脂成形体(I)の印刷面側と
厚さ30mm、縦100cm、横30cmの透明メタクリル樹脂板(樹
脂成形体(II)、株式会社クラレ製)を厚さ3mmのスペー
サーを介して組合せ、実施例1で使用した重合性接着剤
を樹脂成形体(I)と樹脂成形体(II)との間に注入し、
空気浴にて30℃で8時間保持して硬化させて樹脂積層体
(イ)を得た。次にこの積層体(イ)を形成する樹脂成形体
(I)の反印刷面側に、厚さ10mm、縦100cm、横30cmの透
明メタクリル樹脂板(樹脂成形体(III)、株式会社ク
ラレ製)を厚さ3mmのスペーサーを介して組合せ、前記の
重合性接着剤を前記積層体(イ)と樹脂成形体(III)と
の間に注入し、空気浴にて30℃で8時間保持し硬化させ
て樹脂積層体(ロ)を得た後、端部に配されたスペーサー
を切り落として研磨した。このようにして得られた樹脂
積層体は厚さ約46mmで、印刷部分の皺、実用上問題とな
る気泡の残留もなく、また一体化しており端面にすき間
もなく外観は良好であった。内部に配された印刷は樹脂
積層体の表面、裏面、端面等に映りこみ、及び/または
反射等し視覚演出効果の優れたものであった。
【0037】<実施例 3>実施例1で得られた積層体(ス
ペーサー切り落とし前のもの)の樹脂成形体(I)側と、
厚さ5mm、縦25cm、横25cmの白色メタクリル樹脂板(樹脂
成形体(III)、株式会社クラレ製)を厚さ3mmのスペー
サーを介して組合せ、実施例1で使用した重合性接着剤
を前記積層体の樹脂成形体(I)側と樹脂成形体(III)
との間に注入し、空気浴にて30℃で8時間保持し硬化さ
せて樹脂積層体を得た後、端部に配されたスペーサーを
切り落として研磨した。このようにして得られた樹脂積
層体の厚みは約45mmで、印刷部分の皺、実用上問題とな
る気泡の残留もなく、また一体化しており端面にすき間
もなく外観は良好であった。内部に配された印刷は樹脂
積層体の表面、樹脂成形体(III)と樹脂成形体(I)の
界面、端面等に映りこみ、及び/または反射等し、視覚
演出効果の優れたものであった。
【0038】<実施例 4>樹脂成形体(I)の厚みを5mmと
し、樹脂成形体(II)の厚みを8mmとすることを除き実
施例1と同様の方法で樹脂積層体を得た。このようにし
て得られた樹脂積層体は厚さ約15.4mmで、印刷部分の
皺、実用上問題となる気泡の残留もなく、また一体化し
ており端面にすき間もなく外観は良好であった。内部に
配された印刷は樹脂積層体の表面、裏面、端面等に映り
こみ、及び/または反射等し、視覚演出効果の優れたも
のであった。
【0039】〈比較例〉厚さ50μ、縦25cm、横25cmの透
明アクリルフィルムに、市販のアクリル系インキを用い
て印刷し、60℃で10分乾燥して表面に印刷されたフィル
ムを得た。このフィルムを厚さ2mmのスペーサーにて両
側より挟み込んだ後、厚さ30mm、縦25cm、横25cmの透明
メタクリル樹脂板(樹脂成形体(II)、株式会社クラレ
製)と厚さ10mm、縦25cm、横25cmの透明メタクリル樹脂
板(樹脂成形体(III)、株式会社クラレ製)との間に挿
入し、実施例1で使用した重合性接着剤をフィルムと前
記樹脂成形体(II)、樹脂成形体(III)との間に注入
し、空気浴にて30℃で8時間保持し硬化させて樹脂積層
体を得た後、端部に配されたスペーサーを切り落として
研磨した。このようにして得られた樹脂積層体は、フィ
ルムに皺が発生し、またその皺の部分に気泡が残留して
いた。
【0040】
【発明の効果】本発明の積層体は、表示部分が樹脂内部
に内在し、その表示内容を印刷した樹脂層に皺の発生、
問題となる残留気泡および端面部分からの汚れの浸入も
なく、さらに表示体および積層体としての耐久性に優れ
たものである。さらに表示部分の上面側および/または
下面側に配された樹脂成形体層により優れた視覚効果を
演出し、さらに強度も優れた積層体が得られ、サイズを
大きくした場合でも上述の効果が十分に得られるもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】樹脂成形体(I)および樹脂成形体(II)を
接着一体化した本発明の積層体を示す図。
【図2】樹脂成形体(I)および樹脂成形体(II)を
接着一体化し、さらに樹脂成形体(III)を接着一体
化した本発明の積層体を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AK01A AK01B AK25A AK25B AK25G BA02 BA16 CB00 GB90 HB31A JA20A JA20B JN01A JN01B YY00A YY00B

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に印刷してなる透明または半透明の
    樹脂成形体(I)と、該樹脂成形体(I)の印刷面側に接
    着一体化してなる透明または半透明の樹脂成形体(II)
    とを含む積層体であって、樹脂成形体(I)の厚みが0.
    5mm以上、樹脂成形体(II)の厚みが5mm以上であ
    ることを特徴とする、前記積層体。
  2. 【請求項2】 樹脂成形体(I)および樹脂成形体(II)
    がアクリル系樹脂である、請求項1に記載の積層体。
  3. 【請求項3】 接着一体化が、重合接着により一体化し
    たものである、請求項1または2に記載の積層体。
  4. 【請求項4】 全体の厚みが15mm以上であり、最大
    部分の寸法が、縦方向で25cm以上、横方向で25c
    m以上である、請求項1〜3のいずれかに記載の積層
    体。
  5. 【請求項5】 樹脂成形体(I)の印刷が辺縁から10
    mm以上内側になされている、請求項1〜4のいずれか
    に記載の積層体。
  6. 【請求項6】 積層体の表面から印刷面までの深さが5
    mm以上である、請求項1〜5のいずれかに記載の積層
    体。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の積層体
    を含む、表示体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016168744A (ja) * 2015-03-12 2016-09-23 株式会社アディクタム 樹脂製両面表示物及びその製造方法

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